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MicroRNAs in the Atherosclerotic Plaque

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MicroRNAs in the Atherosclerotic Plaque
Review
MicroRNAs in the Atherosclerotic Plaque
Emma Raitoharju1,*, Niku Oksala1,2 and Terho Lehtimäki1
+ Author Affiliations
1
Department of Clinical Chemistry, Pirkanmaa Hospital District, Fimlab Laboratories and University of
Tampere, School of Medicine, Finland;
2
Division of Vascular surgery, Department of Surgery, Tampere University Hospital, Finland.
* Address correspondence to this author at: Clinical Chemistry, Pirkanmaa Hospital District, Fimlab
Laboratories and University of Tampere, School of Medicine, Biokatu 8, 33520 Tampere, Finland. Fax
+358-331174168; e-mail [email protected].
Clinical Chemistry 2013;56:1708-1721
粥状動脈硬化プラークにおける MicroRNAs
概要
背景:MicroRNAs(miRNA,miR)は, 翻訳を阻害することで遺伝子発現を制御するノンコーディング
RNA である。 miRNA の発現プロファイルは、心血管疾患(CVD)に関連した多くの細胞内のプロセ
スにおいて,in vivo と in vitro で異なることが示されている。ヒトでは CVD の進行に伴い,血液中
の miRNA プロファイルが変化することが示されている。
内容:我々は,粥状動脈硬化の進展における miRNA の発現プロファイルについて,動物実験や細
胞実験で得られた結果を要約し,また CVD 患者の血液に含まれる miRNA のプロファイルの変化に
ついて述べる。 さらに,これら CVD に関連する miRNAs と, ヒト進行性動脈硬化プラークにおける
その発現との関係を調査し,ヒト動脈硬化病変での miRNA の機能についての知見を述べる。
miRNAs のうち, miR-126,-134,-145,-146a,-198,-210,-340*および-92a は,CVD 患者と非
CVD 者の血液で発現が異なっていた。これらの miRNA 発現の違いは,重篤な動脈硬化プラークと
健常者の動脈を比較した場合に見られた違いと類似していた。さらに,in vitro の研究で動脈硬化と
関連したいくつかの miRNAs (例えば,miR-10a,-126,-145,-146a/b,-185,-210,-326)は,in vitro
実験で予想された通り,プラーク内にて同様のパターンで発現していた。動脈硬化のバイオマーカ
ーや、創薬標的としての miRNAs の臨床的意義についてもレビューする。
要約:ヒト末梢血だけでなく,in vivo や in vitro の実験で研究された miRNA プロファイルも,ヒト
動脈硬化プラークでの miRNA の発現をよく反映していた。 miRNAs は将来の臨床応用の点から有
望と思われる。
WHO によれば,粥状動脈硬化に起因する心血管疾患(CVD)は 3 、全世界的に見て主要な死亡原因
であり,男性で死因の 26.8%,女性で 31.5%を占めている。粥状動脈硬化の発症は壮年層で増加し
始める。剖検調査では,心臓以外の原因により死亡した若年成人の 80%以上で,主冠動脈の少なく
1
とも 1 本に 25%を超える狭窄があったことが示された(1)。全患者の約半数が事前に CVD の診断を
受けることなく,主な心血管系イベント(つまり心筋梗塞や脳卒中)に見舞われる。突然の心停止は
全死亡の 10%であり,冠動脈性心疾患による死亡の 40%を占める。突然の心停止の危険因子として,
患者特性,人口統計,ライフスタイル要因などが知られているが,それらを組み合わせた発症予測
の有用性は低い。古典的危険因子を含む統計モデルに、脂質関連マーカーやその組み合わせを追加
しても,CVD 発症予測がわずかに改善されたに過ぎなかった(2)。したがって,心血管疾患の患者で
ハイリスクか否かを正しく認識することは,臨床診療を行う上で重要な未解決問題の 1 つである。
MicroRNAs(miRNAs,miRs)は、小さな[約 18-24 塩基(nt)]ノンコーディングの調整因子 RNA である。
それらは,標的メッセンジャーRNA(mRNA)の分解や翻訳抑制により,転写後レベルで標的遺伝子
の発現を阻害する。第 18 版の MicroRNA データベースでは,ヒトには 1527 の miRNA 前駆体と
1921 の成熟型 miRNAs が存在すると予測されている。成熟型 miRNAs と前駆体の数の不一致は,1
本の前駆体 miRNA ヘアピンが、プロセッシングによりいくつかの miRNAs(例えば,- 3p と-5p,あ
るいは miR-21 と miR-21*,など)になることが原因である。その一方で,いくつかの別の前駆体
miRNAs からプロセッシングにより、同じ配列(つまり 1 つの成熟型 miRNA)を形成し得る。予測さ
れるヒトの miRNAs 数は,21 世紀前半にその分子がヒトで発見されて以来,着実に増加してきた。
ヒトの遺伝子発現の 3 分の 1 以上が、1 つまたは複数の miRNAs によって調整されることや,新し
い miRNAs の発見に従って標的となる遺伝子数が増加することも予測されてきた。
miRNAs は,個々の遺伝子発現や生物学的経路のマイクロ・マネージャーと考えられている。細胞
種によって miRNA の発現プロファイルが異なり,ほとんどの細胞種で発現する miRNA もあれば,
ある種の細胞でより強くあるいは特異的に発現するものがある。miRNAs は動物の発育において,
組織や器官の形成を制御するという重大な役割を担っている(3)。さらに,病態が異なれば,特定の
miRNA プロファイルを示す。したがって,疾患のなかには診断や予後のマーカーとして、miRNA
プロファイルを利用できるものがある。これは mRNA と異なり,miRNAs は血漿や他の体液中で急
速に分解されることがなく,そのため確実に検出できるためである。さらに,miRNA は病態により
濃度が変化する場合があるため,病気の治療においても有用かもしれない。
コレステロール代謝やヒト心疾患に与える miRNAs の影響についての,良くまとめられた総説は数
多く存在する。このレビューでは,miRNAs の粥状動脈硬化病変進展における役割や,様々な血液
分画で動脈硬化によって誘導される、miRNA プロファイル変化における役割に焦点を当てる。現時
点でのデータは培養細胞や,マウスおよびヒトで行われた研究に由来しており,特にヒト検体を用
いた研究結果を重視している。miRNA の役割は、in vivo や in vitro の多くの研究で動脈硬化と関連
付けられているが,我々はタンペレ血管研究(Tampere Vascular Study, TVS)のデータを使用して,
miRNA 発現レベルと組織学的に正常な動脈組織や、高度な動脈硬化プラークに関連付けることで、
miRNA の役割を解明することを目的とした(4)。
粥状動脈硬化
粥状動脈硬化は、全身の動脈枝に影響を与える系統的疾患であり、冠状動脈疾患,末梢動脈疾患お
よび脳血管疾患の形で,multiple-site vascular disease (polyvascular disease)に結びつく場合がある。心
血管疾患による死は,動脈枝の様々な部位のイベントによって引き起こされるが,特に冠動脈疾患
(CAD)に起因するものが多い。血管内部の特徴に加えて,多くの系統的要因が急性冠イベントのリ
スクに寄与する。粥状動脈硬化はかつて脂質蓄積病であると考えられていたが,後の研究により初
期病変から後期段階のプラーク破裂まで,粥状動脈硬化性疾患のすべてのステージにおいて、炎症
細胞,自然免疫および炎症反応が中心的な役割を果たすことが示されている(5)。
2
正常な動脈は 3 層で構成されており,内壁から外壁へ向けて,内膜,中膜,外膜の順で成り立って
いる。 脂肪線条や病変部位は,大型や中型の筋性動脈のうち、血流が乱れているところや,血流速
度が減少してずり応力レベルが低下しているところで主に見つかる。ずり応力のレベルは、遺伝子
発現,シグナルカスケード,およびサイトカイン分泌に影響を与える。内皮細胞のずり応力が低下
すると,動脈壁の脂肪線条における LDL の取り込みや,産生,酸化も増加する(6)。酸化された
LDL(oxLDL)は細胞毒性があり,粥状動脈硬化で観察される慢性炎症や内皮細胞の活性化につながる
局所的炎症過程を引き起こす。この炎症過程により,接着分子の発現や白血球の浸潤が増加する。
内膜では,単球がマクロファージへ分化し,レセプターを介したエンドサイトーシスによって、変
性リポ蛋白質を取り込む。続いて,コレステロールの蓄積の結果,マクロファージは泡沫細胞へ形
を変える。脂肪線条が粥状動脈硬化病変へ進展するとともに,マクロファージと泡沫細胞が存在す
る層の真下に位置する内膜肥厚部では,血管平滑筋細胞(VSMC)の増加が見られるようになる。活性
化された VSMC は、さらに脂質に富んだ脂肪線条がより高度な繊維性病変へ発展する際に関与する
細胞外マトリックス・コンポーネントを産生する。細胞外からの脂質が増加し,明確な fibrous cap
(線維性被膜)が形成されると,病変部位は粥腫へと進展する。
fibrous cap には、プラークの機械的安定性の維持における重要な役割がある。安定プラークの着実
な成長は,血行力学的に狭窄が有意になるまで通常は急性イベントが生じない。終末器官の虚血や
梗塞は,ほとんどの場合,病変部位の fibrous cap の物理的破綻により、プラーク内の血栓形成因子
の放出が起こり,それに引き続き血栓形成が生じて動脈の血流が閉鎖されことによる。プラーク表
面(裂け目や潰瘍形成)の変化は,高度な動脈硬化プラークに見られる大きなばらつきを示すことが
ある(7)。粥状動脈硬化の進展においてプラーク破綻はまれなイベントではなく,また,発見された
プラーク破綻のおよそ 11%が新しいものであり,以前に未発見であったものがほとんどの場合で先
行していたことが研究で示されている。
活性化マクロファージと T 細胞は,破綻部位で頻繁に見つかる。炎症細胞は,炎症促進性サイトカ
イン,プロテアーゼ,凝固因子および血管作用性分子の分泌により,プラークを不安定にする(5)。
これらの分子は安定した fibrous cap の形成を抑制し,cap 内のコラーゲンを分解して,血栓形成を引
き起こす。プラークの安定性は,血管壁における細胞の成長率,アポトーシスおよび脂質代謝によ
っても影響を受ける。
miRNA の生合成,機能および細胞間輸送
miRNA の生合成
miRNAs は細胞のゲノムから転写される。大多数の哺乳類 miRNA 遺伝子は、決まった転写ユニット
に位置し,それらの発現はタンパク質をコードする遺伝子で見つかったものに類似したプロモータ
ー領域によって制御される。他の miRNAs は、イントロンやタンパク質をコードする遺伝子である
エクソンでも見つかっている(8)。遺伝子内の miRNAs の発現は,ホスト遺伝子のプロモーターによ
ってほとんど制御されており,その結果,miRNA と mRNA は同様の発現パターンになる。ホスト
遺伝子に依存しない,遺伝子内 miRNA の発現調節も報告されている(9)。遺伝子間 miRNAs は、自
身のプロモーターを持っており,RNA ポリメラーゼ II による転写とよく関連した特徴がある。クラ
スターmiRNAs は一つのプロモーターを共有して同時に調節され,長い一次 miRNA 転写産物として
転写される(10)。ほとんどの哺乳類 miRNAs は、RNA ポリメラーゼ II によって転写されるが,短い
散在型反復配列のような miRNAs やウイルス由来のものは,RNA ポリメラーゼ III によって転写さ
れる。
3
ほとんどの miRNAs は,数キロベースの長い一次 miRNA 転写産物(pri-miRNAs)の一部として転写さ
れ,キャップ構造の付加,スプライシング,ポリアデニル化を受ける。このような pri-miRNAs では,
miRNA 配列はステム-ループ構造(あるいはヘアピン)を形成する。これらのステム-ループ構造は,
Drosha と Di George syndrome critical region 8 (DGCR8)を含む多蛋白質複合体によって認識される。
DGCR8 は二本鎖 RNA に結合し,RNase III 酵素である Drosha はステム基部から約 11 bp の位置で二
本鎖ステムを切断し,3′末端に 2 塩基突出構造を形成する。合成された 70-100 bp の長さの RNA 分
子は、前駆体 miRNA(pre-miRNA)と呼ばれる(10)。他のまれな生合成経路として,イントロン
(mintrons)由来の miRNA が示されている。これは pre-miRNAs とサイズは類似しているが,
Drosha による処理を必要としない。スプライセオソームにより,ホスト遺伝子転写産物から
mintrons がスプライシングされ,ループ状の中間産物(lariant)が形成された後,pre-miRNA 構造に折
り畳まれる(図 1)(11)。
図 1 miRNA の生合成
短い RNA をコードするものが,それ自身の遺伝子か,イントロンか,あるいはタンパク質をコード
する遺伝子のエクソンかによって,miRNAs は異なる経路で生合成される。自身の遺伝子にコード
4
された miRNAs は,長い pri-miRNAs として転写され,ポリアデニル化され,5′末端にキャップ構造
が付加される。その後この分子は, Drosha により短い前駆体 miRNAs に切断される。タンパク質を
コードする遺伝子にコードされている miRNAs は,Drosha 非依存性プロセスで mRNA から加工され
るが,ヘアピン様 pre-miRNA が再形成される。その後 pre-miRNA は, 核から細胞質へ輸送され,
Dicer により切断されて,成熟型 miRNA 二本鎖になる。この二本鎖 RNA 分子は, RISC に組み込まれ
る。miRNA のパッセンジャー鎖は, 組み込み過程で取り除かれて分解される。一本鎖の(ガイド鎖)
miRNA は, 十分に相補的な配列をもつ標的 mRNA へ miRISC 複合体を導き,miRISC が mRNA へ結
合することにより,mRNA の分解や静的阻害を介した転写抑制が生じる。miRNA は核に再び戻って
転写を調節したり,エクソソームや微小胞,アポトーシス小体,リポ蛋白質を通じて,細胞から分
泌されたりする場合がある。PRO(プロモーター); E1(エクソン 1); E2(エクソン 2); Ago2,Argonaute
2; NPM1,nucleophosmin 1。
Pre-miRNAs は Exportin 5 タンパク質によって認識され,RanGTP 依存のプロセスで核膜孔複合体を
通じて核外へ輸送される。そこで pre-miRNAs は,別の RNase III 酵素である Dicer によって,さら
に処理される。この酵素は,pre-miRNA の 3′末端突出構造を認識し,その突出部に PAZ(Piwi,
Argonaute および Zwille)ドメインで結合した後,切断して成熟型 miRNA にする。生成された
miRNA は,両端が 2 塩基突出した 22 bp の二本鎖 RNA からなる。この成熟型 miRNAs は RNAinduced silencing complex (RISC)に組み込まれる。この複合体が形成される間に,miRNA の二本鎖は
ヘリカーゼにより解かれ,片方のパッセンジャー鎖 (miRNA*)は分解され,もう一方のガイド鎖
(guide strain)は miRISC 内に残される。5′末端により不安定な塩基対を備えた鎖が,ガイド鎖として
比較的高頻度に選択されることが解析により示されている。Dicer は切断反応後に新たに位置を変え,
そこで Dicer のヘリカーゼドメインが末端の熱力学的安定性を感知して,ガイド鎖を RISC に組み込
む(miRISC 形成)ことが示唆されている(12)。
miRNAs の機能,miRNA 輸送,および細胞‐組織間のシグナリング
miRNA のガイド鎖は, miRISC を部分的に相補的な標的 mRNA ヘと導く。この複合体は,mRNA の
3′非翻訳領域(UTR)内に,より高頻度に存在する標的配列に結合する(10)。5′UTR やオープン・リー
ディング・フレーム内に存在する機能的 miRNA の標的配列も報告されている(13)。miRNA の seed
領域(最初の 2-8 塩基)は,標的 miRNA の認識に特に重要である。標的予測プログラムでは,ある
miRNAs の標的となる mRNA を予測するため,その seed 配列が使用されているが,mRNA に seed
領域結合配列が存在しても,miRNA 結合や翻訳の抑制が起こるとは限らない。さらに,seed 領域は
短いため,一つの miRNAs は何百もの mRNAs と結合すると予測され,また個々の mRNA も複数の
miRNAs に結合すると 予測されている。
miRNA と mRNA の間の相補性のレベルが異なることは,遺伝子発現に様々な影響をもたらす。完
全に相補的であれば,miRNA は短鎖干渉 RNA(siRNA)として機能し,標的 RNA は配列特異的に
miRISC 複合体によって切断される。これは哺乳動物では稀であり,ほとんどの miRNAs は部分相補
的に標的と結合し,形成された二本鎖分子(miRNA-mRNA)には突出部が残される。突出部は
miRISC が有する切断機能を阻害し,また,この種の結合は翻訳を抑制し,脱アデニル化による
mRNA の分解を引き起こす(10)。この 翻訳抑制は miRISC が翻訳開始に相互作用することや,翻訳
の場であるリボソームの立体障害によって生じると仮定されている。miRISC の部分的相補結合は,
さらに脱アデニル化酵素複合体を動員して,mRNA のポリ(A)テイルの除去あるいは短縮化をも
引き起こすことがある(13)。ポリ(A)テイルの短縮化や完全な除去により,mRNA の 5′キャップ
の除去が生じる。キャップ構造が外された mRNA は,5′-3′exoribonuclease 1 といった 5′-3′エ
キソリボヌクレアーゼにより速やかに分解される(10)。
5
miRNAs は細胞内で翻訳活性化因子としての機能や, おそらく転写制御因子としての機能など,他の
役割も担っていることが示唆されている(14)。いくつかの miRNAs は核局在配列を持っており,遺
伝子転写制御を行う細胞質ではなく,主に核に存在する(15)。miRNAs はミトコンドリアにも局在し
ており,ミトコンドリア遺伝子発現も調節しているかもしれない。
miRNAs は, 細胞と組織の間で輸送することができる。膜に結合していない miRNAs や小胞関連
miRNAs は,ともに血中で見つかっている。非小胞関連 miRNAs は,RISC タンパク質 Argonaute 2(16)
や, nucleophosmin 1(17)のようなタンパク質複合体によって安定化されると考えられている。これら
の miRNAs の放出機序は不明であるが,壊死細胞の細胞含有物が受動的に放出された結果として,
血液循環中に解き放たれたのかもしれない。膜結合型の miRNAs は, アポトーシス小体やエクソソー
ム,微小胞で見つかっている。miRNAs の小胞内への詰め込みは,ランダムに起こるかもしれないが,
調節を受けて詰め込まれるメカニズムも提案されている。例えば Zernecke らは, 特定の miRNAs が
アポトーシス小体に多く含まれることを示した(18)。miR-143/145 に富む小胞は,粥腫形成抑制シグ
ナルを内皮細胞から VSMC へ伝えることが示された(19)。循環 miRNAs は,HDL 粒子でも見つかっ
ている。細胞から HDL への miRNAs の輸送は,中性スフィンゴミエリナーゼによって制御されてい
ることが示されており,細胞への受け渡しはスカベンジャー受容体クラス B タイプ I に依存するこ
とが実証されている(20)。循環 miRNAs が細胞間のコミュニケーションに関与し,潜在的には疾病
進行における役割を担っていることが報告されている(18) 。
心血管系の形成および血管生物学における miRNAs
心血管系の形成における miRNAs
miRNAs は, 心血管系が適切に発達するために必要である。Dicer 欠損マウスは,E12.5 と E14.5 の間
の中期胚で致死となる。これらは胚と卵黄嚢の両方で, 血管形成/維持が著しく障害されていた。よ
り具体的に言うと,胚の VSMC における Dicer 発現の欠如により,致死や過度の出血が起きる。更
に,心臓特異的に Dicer を欠損したマウス胚は妊娠中に死に至る。これらの胎児は, 心膜の浮腫や心
室心筋の低形成が認められる。さらに詳細に言うと,miRNAs let-7f,miR-27b,-221,-222,-145,143,-21 および miR-17-92 クラスターが, 血管形成に関係している。同様に,miR-1,-133,-208a,208b および-499 が, 心筋形成における役割を持つことが示されている。心血管系の形成における
miRNAs の役割は,Boettger らによって詳細にレビューされている(21)
動脈内皮細胞,循環白血球,末梢血液分画,および粥状動脈硬化病変における
miRNAs
内皮細胞
miR-21 は,ずり応力に応じて内皮細胞で増加することが示されており(22),また miR-10a の発現は,
粥状動脈硬化の好発部位で減少している(23)。miR-155 の発現は,エンドセリン-1 およびアンギオテ
ンシン II タイプ I 受容体の発現を減少させることにより,内皮を保護すると考えられている(24)。
miR-126 は内皮細胞で特異的に発現されることが示されており,これらの細胞の表現型,特に血管
内皮成長因子と繊維芽細胞増殖因子 2 による遊走反応を調整しているようである(25)。興味深いこ
とに,miR-126 も血管細胞接着分子 1(動脈の内皮細胞において,白血球-内皮細胞接着を仲介する接
着分子)の発現を制御することが示されている(26)。さらに,粥状動脈硬化の病変に見られるアポト
ーシス性内皮細胞は, miR-126 に富んだアポトーシス小体を放出し,これにより内皮前駆細胞が他の
6
内皮細胞に引きつけられ,病変の進展が妨害される(18)。粥状動脈硬化が見られる動脈では,miR34a が内皮細胞のアポトーシスや老化において役割を演じると考えられており(27),一方,miR-210
の発現はプラーク内の低酸素状態によって誘発され,通常の新血管新生だけでなく内皮細胞の
tubulogenesis を引き起こす(28)。低酸素状態は脂質蓄積,炎症および ATP 消費を促すことにより,粥
状動脈硬化の病変進行を増強させ,また,低酸素の状態に引き続く新血管新生はプラークの破綻性
に関連していることが実証されている。(図 2)。
図 2 粥状動脈硬化における miRNA の発現
CVD にて,血清,血漿,血小板および末梢血単核球における miRNA の発現プロファイルが変化す
ることが示されている。粥状動脈硬化に関係する多くの細胞プロセスも,miRNAs の調節異常に結
びつく。miRNA プロファイルの特異的変化は泡沫細胞の形成だけでなく,T 細胞が分化する時や,
単球がマクロファージへ分化する際にも見られる。粥状動脈硬化は内皮細胞を活性化し,VSMC の
表現型を変えるが,これは miRNAs の発現を変更するプロセスでもある。細胞プロセスについての
研究に加えて,ヒト動脈の粥状動脈硬化では miRNAs が増加したり,減少したりすることが示され
ている。miRNA の後に記載されている矢印は,miRNA が増加するか,減少するかを示している。
7
VSMCs(血管平滑筋細胞)
miRNAs は,VSMC の表現型の決定や分化の調整の役割をもつこともわかっている。miR-155 の発現
はおそらくアンギオテンシン II タイプ 1 受容体の発現を減少させることにより,VSMC の分化を阻
害し(29),miR-21 はホスファターゼ・テンシン・ホモログや, Bcl-2(B 細胞 CLL/リンパ腫 2)の発現に
影響を与えることで,それらの分化を刺激する(30)。活性酸素種(ROS)によって引き起こされる
VSMC のアポトーシスも, miR-21 が発現することで抑制される(31)。miRNA-21 は Programmed cell
death 4(PDCD4)の翻訳を阻害することで,ROS が引き起こす遺伝子制御やアポトーシスに対する防
御に関与していることが示されている(31)。さらに miR-146a は Krüppel-like factor 4 (KLF4)と発現フ
ィードバックループを形成し,その発現を減少させることにより,in vitro での VSMC 増殖,in vivo
での血管内膜新生の過形成を促進させる(32)。動脈硬化プラークが形成される間に,一部の VSMC
の表現型は収縮型から分泌型へと変化する。分泌型 VSMC は細胞外マトリックスとメタロプロテイ
ナーゼを生産する。概して,miR-24(33),-221(34),-31(35),-146a (32),-208(36),および-26a (37)
は,血小板由来増殖因子シグナリングと, 細胞サイクルで主に機能している合成型 VSMC に関与す
る。これとは 対照的に,miR-1(38),-133(39),-10a (40),-21(30, 41),-143,-145(42),-100(43),204(44),および let-7d (45)の発現は,収縮型 VSMC に関係しており(図 2),それらは細胞分化や遊走
を抑制し,収縮性を促す。
白血球:リンパ球,樹状細胞および単球
粥状動脈硬化の進展における白血球の多様な役割は,miRNAs によって制御されていると考えられ
ている。多くの miRNAs が T 細胞 [miR-150 (46),-125b (47),-182 (48),-146a (49),-29 (50),326(51)]や B 細胞[miR-150 (46),-185 (52)] の分化のプロセスに関係している。 T 細胞のサイトカイ
ンやケモカインの生産は, 動脈硬化プラークの進展において重要な役割がある。いくつかのサイトカ
インは, CD4+T 細胞の miR-155 の標的であり,miR-155-/-のマウスは免疫不全になる(53)。miRNA-155
は,制御性 T 細胞の存続や T-helper 17 の応答にも必要である(54)。miRNAs はまた,樹状細胞のよ
うな抗原提示細胞を制御することにより,粥状動脈硬化における T 細胞機能に影響を与えるかもし
れない。特に miR-155 および-146a は,樹状細胞の機能や活性化において重要な役割を持つという仮
説が立てられている(55)。
単球がマクロファージへ分化すると,結果的に miRNA の発現プロファイルに変化が生じる(図 2)。
miRNA-17-5p,miR-20a および miR-106a の発現が減少すると,それらの標的である Runt-related
transcription factor 1 (RUNX1)が増加するため,コロニー刺激因子受容体の発現が増加し,単球の分
化が促される(56)。分化プロセスでは,miR-21(57)と miR-146 (58)の発現が増加する。 マクロファー
ジの極性化によっても miRNA プロファイルが変化することが示されている。マクロファージの活
性化(M1 型と(または)M2 型への)は,miR-125a,-193b,-27a*,-155*および-29b-1*の発現を増加
させ,miR-26a*の発現を減少させることが,Graff らによって示されている。興味深いことに彼らの
研究では,miR-222*の発現は M2 マクロファージで増加し,M1 マクロファージで減少していた(59)。
これとは対照的に Zhang らは,マウスの M1 マクロファージと M2 マクロファージとの比較により,
miR-181a,-155-5p,-204-5p,および-451 は有意に増加し,また miR-125-5p,-146a,143-3p,およ
び-145-5p は有意に低下することを見つけた (60)。分化したマクロファージを oxLDL で処理し,泡
沫細胞が形成されるように刺激すると,miR-146a,-146b-5p,-155,-9 および-125a-5p の発現が増加
する(61)。増加したこれらの miRNAs のうち,miR-155 はネガティブフィードバック調整装置として
機能し,炎症反応を抑制し,スカベンジャー受容体を介した脂質の取り込みを減少させる(62)。
Chen らとは対照的に(62),Yan ら は oxLDL で刺激されたマクロファージで, miR-146a が有意に低下
することを発見した。彼らはさらに,主としてサイトカイン産生や脂質取り込みを抑制するような
8
刺激を与えると,この miRNA は miR-155 と全く同じように機能することを発見した(63)。マクロフ
ァージや泡沫細胞,マウスの粥状動脈硬化プラークでの miR-155 に関する結果は矛盾している。炎
症促進効果と炎症抑制効果の両方が報告されている(64, 65)。近年の研究では,マクロファージによ
って取り込まれた LDL の酸化レベルが miR-155 の発現の変化に影響を与えている可能性があり(65),
また,マウスにおいても脂質異常の程度が,この miRNA が粥腫形成抑制分子として機能するか,
粥腫形成促進分子 として機能するかを規定していることが示されている(64)。
循環 miRNAs
粥状動脈硬化は,患者の末梢血に存在する miRNAs の発現にも影響を与える可能性がある。miRNAs
のプロファイルが, 赤血球,血小板,血清および血漿から収集され,その miRNA プロファイルは
CVD 患者と非 CVD 者で異なることが示された(66)。 例えば,Fichtlscherer らは,CAD 患者の血清や
血漿中で miR-133 や-208a が増加し,miR-126,-17,-92a,-155 および-145 が減少することを実証し
た(66)。血液凝固やサンプル調製は血液分画中の miRNA プロファイルに影響するため,血漿や血清
を用いた際の miRNA プロファイルは注意深く見るべきである(67)。Hoekstra らは,同じ分析条件で,
末梢血中単核細胞(PBMC)(すなわち,リンパ球,単球,マクロファージ)の miR-135a,-134,-198 お
よび-370 が増加し,miR-147 が減少することを報告した(68)。 Li らは PBMCs の miR-146a プロファ
イルにより,安定性 CAD,急性冠症候群,および非 CAD を同定することができることを示した
(69)。さらに,岩手医科大学の研究者らは,CAD 患者の PBMCs では,非 CAD 者に比べ,miR-146a
および-146b が増加し(70),let-7i が低下することを報告した(71) 。Sondermeijer らは,若年性 CAD
患者で血小板の miR-340*と miR-624*が増加することを報告しており,血小板の miRNAs には血小
板反応性に関わる遺伝子発現を微調整する潜在能力があり,そのため,血小板が関与するアテロー
ム性 CVDs に影響を与えると仮定している(72)。近年,Vickers らが行った研究では,miRNAs はリ
ポ蛋白質によっても輸送され,家族性高脂血症ではこのプロファイルが変化することが報告された。
さらに,彼らの発見は,HDL に加え LDL といった他のリポ蛋白質も,miRNA 輸送を促進する可能
性があることを示しており (20),それゆえ,全リポ蛋白質システムが miRNA シグナリング・システ
ムの一部となり,血液や(あるいは)細胞外液を介して異なる細胞・組織間における作用を取り次
ぐことが示された。
粥状動脈硬化プラークの miRNAs:TVS により粥状動脈硬化プラークに発現が確認さ
れ,このレビューで取り上げた血管生物学関連 miRNAs の要約
miRNA の発現プロファイルは, in situ ではあまり研究されていないが,ラット頸動脈の新生内膜病変
における miRNA 発現プロファイルはすでに報告されている。この動物研究では,新生内膜病変部
と正常な動脈との比較により,miR-21 が最も強く発現する miRNA であることが示された(30)。更に,
Li らは,予め選択した 13 種の miRNAs についての発現を調べたが,粥状動脈硬化患者の動脈プラー
クの内膜層では, miR-21,-130a,-27b,-210 および let-7f の発現増加が認められた。同研究者らは,
さらに粥状動脈硬化患者の血清では, miR-130a,miR-27b および miR-210 が平行して増加することも
示した(73)。頸動脈プラークでは,粥状動脈硬化を伴わない左内頸動脈(LITA)に比べ,miR-30e-5p,
-26b および-125a が増加し,miR-520b と miR-105 が減少することも報告されており(74),Cipollone
らは ,予め選択した 41 種の miRNA のうち,miR-100,-127,-133a,-133b および-145 が,無症候性
プラークに比べて症候性頸動脈プラークで有意に増加することを発見した(75)。
我々は以前,miRNA の発現プロファイルについて,ヒト末梢動脈 (頸動脈,大腿部・腹部の大動脈)
の動脈硬化プラークと LITA との比較を行い,報告した(4)。我々は,miR-21,-34a,-146a,-146b-
9
5p および-210 が, LITA に比べ粥状動脈硬化で最も増加する miRNAs であることを見出した。さらに,
これら miRNAs の予測される標的はプラーク内で減少しており,HDL や LDL 代謝だけでなく,
VSMC の形態,表現型および増殖にも関係することを発見した。
さらに,末梢粥状動脈硬化プラークと健常 LITAs との比較で得られた我々の miRNA プロファイリ
ングを用い,このレビューで示したような miRNAs の発現解析を行った(表 1)。この解析では,これ
までの研究で CAD 患者と非 CAD 者の血液分画中で異なる発現が見られた数種の miRNA は,同様
に,少なくとも 1 つの血管床にある動脈硬化プラークでも, 健常者の動脈壁とは異なる発現を示すこ
とが明らかにされている(miR-126,-134,-145,-146a,-198,-210,-340*および-92a)。さらに,こ
れらの実験から予測されるように,細胞培養実験で粥状動脈硬化との関連が認められたいくつかの
miRNAs は,プラーク内でも同様のパターンで発現することが分かった。例えば,単球からマクロ
ファージや泡沫細胞への分化の過程で発現が増加することが示されている miRNAs は,プラークで
も増加した(miR-146a,-146b-5p,-155 および-21)。また,収縮型 VSMC で示されたいくつかの
miRNAs も, 健康な動脈と比較するとプラーク組織で減少したが(miR-10a,-133,-145),分泌型に関
連したものは増加した(miR-146a,-21,-221)。粥状動脈硬化プラークは構成成分や形成プロセスが
複雑であり,また組織における miRNAs は多様な役割を持つため,miRNAs すべてがこのような明
確な関連性を示さないのかもしれない。
表1
このレビューで取り上げた CVD 関連の miRNAsa,b
10
11
このレビューで取り上げた全ての miRNAs について,その機能と細胞・組織特異的発現部位を要約
し,TVS が種々の動脈巣を使って明らかにした粥状動脈硬化プラークにおける発現との関連を示す。
(表 1)(4)。このデータによって,ヒトの粥状動脈硬化病変における miRNAs の機能について,より
系統的に理解できる。
臨床的意義
miRNA プロファイリングは,粥状動脈硬化に関連する生物学的過程についてより多くの情報を与え
てくれるが,miRNAs は有望なバイオマーカーや創薬標的にもなると考えられている。循環 miRNAs
には,魅力的な分子バイオマーカーの候補として適した多くの特性が備わっている。循環 miRNAs
は安定性があり,進化的に保存されており,またその発現変化は多くの場合,組織特異的もしくは
疾病特異的である。尿,血漿,血清や脳脊髄液といった多くの体液でも検出できる。定量 PCR 法で
は,miRNA を高感度かつ特異的に検出することができる(76)。欠点としては,miRNA 発現の正規化
法がまだ標準化されていないことや,血液検体の採取法や性状(例えば,血清か血漿か)による
miRNA プロファイルへの影響を考慮しなければならず,慎重に最適化する必要があることが挙げら
れる(67)。さらに,年齢や健康状態の影響や,様々な個体における循環 miRNA プロファイルの動的
変化については十分に研究されていない。
ほとんどの miRNA バイオマーカー研究は, 癌との関連で行なわれてきた。現在,臨床診断用に数種
のバイオマーカーが市場に出ている。Prometeus Laboratories と Rosetta Genomics は,miRNA プロフ
ァイルを使って癌転移の原発巣を発見することを目的とした検体検査を立ち上げた。Asuragen も,
膵癌診断のための検査法を開発した(77)。我々が循環 miRNA のセクションで示したとおり,粥状動
脈硬化プラークの状態や将来の進行を反映し,血液で発現するような miRNA を同定する試みが進
行中である(20, 66, 68, 72)。これまでのところ,非 CAD 者との比較により,CAD 患者の miR-146a
が PBMCs において増加することだけが,2 つの独立した研究で再現していた(69, 70)。
miRNAs は直接の創薬標的とも見なされている。C 型肝炎の治療で使用される,第一世代の locked
nucleic acid ベースの薬剤は,臨床試験フェーズ 2 に入った(78)。興味深い創薬標的は miR-10a(23)や
miR-126(25)のように,初期の内皮機能障害に関連する miRNAs であるかもしれない。Lovren らが
miR-145 の過剰発現により VSMCs の収縮性を促進させて示したように(79), 破綻しやすい表現型に
関与する miRNAs 発現に影響を与えることで,不安定プラークを安定化させることが可能かもしれ
ない(75)。
主要な心血管イベントは,現在では危険因子の治療により予防されている。スタチンが LDL 濃度を
低下させるために広く用いられるようになったことは,最も重要である。スタチンは CAD 患者の
PBMC おいて,miR-146a や-146b の発現を低下させ(70),let-7i の発現を増加させる(71)ことが示され
ている。より具体的に言うと,アトルバスタチンは循環している内皮前駆細胞の miR-221/222(80)や
miR-34a(81)を減少させることが実証されたが,プラバスタチンやロバスタチンにはこの効果がなか
った。 スタチンの種類により miRNA 発現に対する影響に違いが生じるのは,既に示されているス
タチンの多面的効果と関係しているかもしれない。アフリカミドリザルで miR-33a/b 発現を直接阻
害する処置を行うと,血漿 HDL は上昇し,VLDL トリグリセライドは低下した(82)。miRNA プロフ
ァイルの変化は,高血圧症や糖尿病,喫煙といった他の CVD 危険因子に関係しているが,このプロ
ファイルの臨床的有用性を明らかにするためには,より多くの研究が必要である。
結論および将来展望
12
粥状動脈硬化発症に関連するプロセスが miRNA 発現に影響を与えることが,培養細胞や動物モデ
ル実験で示されている。近年,CVD のバイオマーカーとしての miRNAs について,様々な血液分画
を用いて活発な研究が行われている。しかし実際のヒト粥状動脈硬化での miRNA 発現に関する有
用な報告はわずかであり,ヒトの粥状化動脈における miRNAs の機能はほとんど未知のままである。
我々は,粥状動脈硬化と密接に関係する細胞や様々な血液分画での miRNA 発現研究を再調査し,
ヒトの粥状動脈硬化で役割を担っていると予測された miRNAs が,健康な動脈に比べて,進行した
粥状動脈硬化病変でどのように発現するかを明らかにした。CVD 患者の血液分画で発現プロファイ
ルが変わることが示された miRNAs の多くは,粥状動脈硬化の動脈壁でも正しく制御さていなかっ
た。このデータは,動脈壁で実際に起こっている変化をこれらのマーカーの発現が反映する可能性
を示唆している。さらに我々は,細胞培養研究で粥状動脈硬化発現に関連した多くの miRNAs が,
実験での予測と同様にプラークでも発現していることを発見した。例えば mir-126,-145,-146a や210 は,粥状動脈硬化に関連する様々な組織や細胞タイプで同様に発現しており,このことは CVD
との関連を立証するエビデンスとなる。粥状動脈硬化において miRNA はまだ比較的新しい研究分
野であり,CVD の診断・治療におけるこの小さな RNA の臨床的有用性については,今後のさらな
る研究が待たれる。
(訳者:臼井 真一)
Footnotes
3
Nonstandard abbreviations:
CVD,
cardiovascular disease;
miRNA,
miR, microRNA;
nt,
nucleotide;
mRNA,
messenger RNA;
CAD,
coronary artery disease;
TVS,
Tampere Vascular Study;
oxLDL,
oxidized LDL;
VSMC,
vascular smooth muscle cell;
pri-miRNA,
primary miRNA;
DGCR8,
Drosha and Di George syndrome critical region gene region 8;
pre-miRNA,
precursor miRNA;
PAZ,
Piwi, Argonaute, and Zwille;
RISC,
13
RNA-induced silencing complexes;
UTR,
untranslated region;
siRNA,
short interfering RNA;
VEGF,
vascular endothelial growth factor;
ROS,
reactive oxygen species;
PBMC,
blood peripheral mononuclear cells;
LITA,
left internal thoracic artery.
Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this
paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and
design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for
intellectual content; and (c) final approval of the published article.
Authors' Disclosures or Potential Conflicts of Interest: Upon manuscript submission, all authors
completed the author disclosure form. Disclosures and/or potential conflicts of interest:
Employment or Leadership: None declared.
Consultant or Advisory Role: None declared.
Stock Ownership: None declared.
Honoraria: None declared.
Research Funding: European Union 7th Framework Programme funding for the AtheroRemo project,
201668; E. Raitoharju, the Foundation of Clinical Chemistry, the Finnish Cultural Foundation, the Aarne
Koskelo Foundation, the Tampere City Science Foundation, and the Alfred Kordelin Foundation; N.
Oksala, the Emil Aaltonen Foundation; T. Lehtimäki, the Finnish Foundation of Cardiovascular
Research, the Tampere Tuberculosis Foundation, the Tampere University Hospital Medical Fund grants
9M048 and 9N035, and the Emil Aaltonen Foundation.
Expert Testimony: None declared.
Patents: None declared.
Received for publication February 6, 2013.
Accepted for publication May 9, 2013.
© 2013 The American Association for Clinical Chemistry
14
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