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国別障害関連情報 インド
国別障害関連情報 インド 平成 14 年 3 月 国際協力事業団 企画・評価部 国別障害関連情報については、現地で入手可能な情報をもとに取りまとめたものであ り、データ類の信憑性について JICA は責任を負わないものとする。 国別障害関連情報 インド国 目次 図目次 ....................................................................................................................................... ii 表目次 ....................................................................................................................................... ii 略語表 ...................................................................................................................................... iii 1. 2. 3. 4. 5. 基礎指標............................................................................................................................ 1 1-1. 一般指標 .................................................................................................................... 1 1-2. 障害関連指標 ............................................................................................................ 3 障害に関する概要............................................................................................................ 7 2-1. インドにおける障害の定義 .................................................................................... 7 2-2. 障害に関する現状 .................................................................................................... 7 2-3. 障害に関する調査・統計の整備状況 .................................................................... 9 障害関連政策.................................................................................................................. 10 3-1. 障害関連行政 .......................................................................................................... 10 3-2. 障害関連法律 .......................................................................................................... 13 3-3. 障害関連施策 .......................................................................................................... 14 3-4. 施策の概要 .............................................................................................................. 17 3-5. 障害分野専門家・ワーカー .................................................................................. 21 障害分野における活動の概況 ...................................................................................... 23 4-1. 障害関連団体による活動 ...................................................................................... 23 4-2. 国際機関・その他の機関の障害分野に関する援助実績................................... 23 参考資料.......................................................................................................................... 25 i 図目次 図1 障害者別統計 1991 年 ........................................................................................ 3 図2 年齢別統計 図3 ジェンダー別の都市・農村の障害者数 図4 ジェンダー別統計................................................................................................. 5 1991 年............................................................................................ 3 1991 年 ............................................ 4 表目次 表1 1000 人あたりの原因別視覚障害者数 ................................................................ 4 表2 1000 人あたりの原因別 5 歳以上の言語障害児数 ............................................ 5 表3 1000 人あたりの原因別移動障害者数 ................................................................ 5 表4 1000 人あたりの原因別 5 歳以上の聴覚障害者数 ............................................ 5 表5 年齢、ジェンダー、障害のタイプによる障害者数 ii 1991 年 ........................ 6 略語表 CBR CEO GDP GNP INGO NCCD NGO NSSO PHC PWD UNDP UNESCO USAID WHO ZP Community-based Rehabilitation Chief Executive Officer Gross Domestic Product Gross National Product International Non-Governmental Organization National Coordination Committee on Disability Non-governmental Organization National Sample Survey Organization Primary Health Care Persons with disabilities United Nations Development Programme United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization United States Agency for International Development World Health Organization Zila Panchayat iii 国別情報 インド 1. 基礎指標 1-1. 一般指標 セクター別政府支出1 人口 保健医療 (対 GDP 比) 教育 (対 GNP 比) 社会福祉 (対公共支出) 軍事・防衛(対 GNP 比) 0.6% 3.2% 9.2% 2.8% 1996-98 年 1997 年 1998 年 1997 年 総人口 女性人口比率 都市人口比率 平均寿命2(全体) 男性 女性 10.0 億人 48.4% 28% 62.9 才 62.4 才 63.3 才 2000 年 2000 年 1999 年 1999 年 1999 年 1999 年 医療従事者数 2 医師 1 人あたりの人口 2,083 人 1990-99 年 1 医療 看護師・助産師 1 人あたり の人口 1 World Bank. World Development Report 2000-2001 2 UNDP. Human Development Report 2001 1 N/A 国別情報 インド 教育 教育制度3 初等教育年数 義務教育年数 成人識字率 1 男 女 3 就学率 初等教育(純就学率) 全体 男 女 初等教育4(総就学率) 全体 男 女 中等教育(純就学率) 全体 男 女 高等教育 4(総就学率) 全体 男 女 5年 8年 67% 43% 1998 年 1998 年 77% 78% 64% 1997 年 1995-99 年 1995-99 年 100% 109% 90% 1996 年 1996 年 1996 年 60% 45% 39% 1997 年 1996 年 1996 年 6.9% 8.4% 5.3% 1996 年 1996 年 1996 年 3 UNESCO. Statistical Yearbook 1999 4 USAID ESDS. GED2000 Retrieved February 21, 2002, from http//qesdb.cide.org/ged/index.html 2 国別情報 インド 1-2. 障害関連指標 障害者別統計 図1 障害者別統計 1991 年 肢体不自由 41.32% 重複障害 11.54% 移動障害 23.04% 言語障害 5.06% 視覚障害 10.32% 聴覚障害 8.36% 出典: SARVEKSHANA, 47th rounds, National Sample Survey Organization, Department Of Statistics, Ministry of Planning & Program Implementation, Government of India. 年齢別統計 図2 年齢別統計 1991 年 100% 90% 80% 70% 重複障害 60% 移動障害 50% 言語障害 40% 30% 聴覚障害 20% 視覚障害 10% 0% 0-4 5-9 10-14 15-19 20-24 25-29 30-34 35-44 45-59 60+ 年齢 出典: SARVEKSHANA, 47th rounds, National Sample Survey Organization, Department Of Statistics, Ministry of Planning & Program Implementation, Government of India. 3 国別情報 インド 地域別統計 図3 ジェンダー別の都市・農村の障害者数 1991 年 35000 30000 25000 12628 女性 男性 20000 15000 10000 17737 3473 5000 4950 0 都市 農村 少なくとも右 記の障害の 1 都市 農村 全障害者数 つを持つ 視覚障害 男 4,950 2,078 308 339 298 1,370 557 女 3,473 1,424 362 330 169 762 426 合計 8,423 41.58% 7.94% 7.94% 5.50% 25.30% 11.67% 男 17,737 7,442 1,539 1,409 942 4,396 2,009 女 12,628 5,210 1,796 1,164 557 2,411 1,490 合計 30,365 41.67% 10.98% 8.47% 4.90% 22.42% 11.52% 出典: SARVEKSHANA, 47 th 聴覚障害 言語障害 移動障害 重複障害 rounds, National Sample Survey Organization, Department Of Statistics, Ministry of Planning & Program Implementation, Government of India. 障害原因別統計 表1 1000 人あたりの原因別視覚障害者数 加齢 白内障 眼脂 緑内障 負傷 天然痘 6歳未 満時の 下痢 その他 都市 273 236 130 34 32 29 11 254 農村 214 280 107 42 35 35 13 274 4 国別情報 インド 表2 1000 人あたりの原因別 5 歳以上の言語障害児数 麻痺 精神病 声帯 障害 負傷 聴覚 障害 口蓋裂 その他 疾病 加齢 その他 都市 191 91 90 32 36 26 221 22 291 農村 240 90 63 47 32 14 207 23 284 表3 1000 人あたりの原因別移動障害者数 麻痺 火傷 心肺 機能 疾病 加齢 脳障 害 ハン セン 病 ポリ オ 喫煙 その 他疾 病 その 他 都市 328 211 112 54 48 29 30 20 22 146 農村 346 225 115 49 43 41 19 19 15 128 表4 1000 人あたりの原因別 5 歳以上の聴覚障害者数 耳漏 加齢 騒音による 聴覚障害 その他疾病 その他 都市 175 25 17 186 230 農村 143 52 18 197 331 th 出典: SARVEKSHANA, 47 rounds, National Sample Survey Organization, Department Of Statistics, Ministry of Planning & Program Implementation, Government of India. ジェンダー別統計 図4 ジェンダー別統計 80,000 70,000 17,508 60,000 23,043 障 50,000 害 40,000 者 数 30,000 20,000 10,000 女性 16,567 42,358 10,196 15,262 11,296 視覚 聴覚 0 50,864 男性 1,467 3,001 言語 移動 重複 障害のタイプ 出典: SARVEKSHANA, 47th rounds, National Sample Survey Organization, Department Of Statistics. 5 国別情報 インド Ministry of Planning & Program Implementation, Government of India. その他 表5 0-4 5-9 10-14 15-19 20-24 25-29 30-34 35-44 45-59 60+ 合計 年齢、ジェンダー、障害のタイプによる障害者数 1991 年 総障害者数 視覚障害 聴覚障害 言語障害 移動障害 重複障害 男 17,461 934 1,028 1,014 14,419 - 女 9,860 504 597 552 8,207 - 男 8,968 689 1,110 542 4,123 25,041 女 5,644 353 521 183 2,053 2,534 男 8,770 501 669 205 2,990 4,405 女 4,905 211 504 112 1,235 2,843 男 7,329 205 425 72 2,221 4,406 女 3,596 166 426 61 737 2,206 男 5,409 245 408 99 2,121 2,536 女 2,423 163 404 68 645 1,143 男 4,572 232 376 94 1,710 2,160 女 2,174 213 372 51 690 848 男 4,104 304 452 56 2,100 1,192 女 2,254 244 451 47 653 359 男 8,330 1,032 1,061 162 3,481 2,594 女 4,276 1,041 886 70 1,421 858 男 12,638 3,859 2,455 385 4,781 1,158 女 10,650 5,158 2,219 143 3,130 - 男 22,729 7,261 3,312 372 4,412 7,372 女 2,999 8,517 3,816 180 4,272 6,217 男 100,310 15,262 11,296 3,001 42,358 50,864 女 48,781 16,567 10,196 1,467 23,043 17,508 6 国別情報 インド 2. 障害に関する概要 2-1. インドにおける障害の定義 障害者法(Persons with Disabilities Act, 1995)は、障害者を「医学的に 40%以下の障害 を持つ人」と定義し、障害を以下の 4 つに分類している。 1. 移動障害: 四肢の運動を制限するような骨、関節、筋肉の障害を指す。 2. 聴覚障害: 障害者法による定義では、「会話程度の周波数で、60 デシベルかそれ以上の聴覚 の損失」を指す5。定義では、良いほうの耳のみが考慮されており、片方の耳の聴 覚機能が完全に失われているとしても、うち片方の耳が正常ならば、正常な聴覚 であると判断される。重度の聴覚障害とみなされる人は、まったく聞こえないか、 大きな音のみ聞こえる人のことを指す。インドでは、聴覚障害の調査は 5 歳以上 のみがその対象となる。 3. 精神薄弱: 障害者法による定義では、「不完全な精神発達の状態」を指す。 4. 視覚障害: 標準的治療の後でも、視覚が完全に機能しない障害を指す。視覚が機能しなくて も、補助的器具を使用することによりある程度の視覚を持つ可能性がある場合も 含む。 2-2. 障害に関する現状 過去 15 年間、インドでは障害分野においていくつかの重要な進歩が見られた。 1. 障害予防 保健/家族福祉省は、全国を対象として障害を防ぐためのプログラムを実施し、妊 娠中の女性への破傷風予防接種、子供へのジフテリア予防接種、貧血症予防、ビ タミンA不足による失明の予防、そして健康と栄養についての指導などを行って いる。 2. 教育施設 7 国別情報 インド 社会正義/エンパワーメント省は、ボランティア団体が障害児のための特別学校を 設立する際の財政支援を行っている。政府の傘下にある国立研究所(national Institute)は包括的な人材開発プログラムを計画している。 3. 職業訓練 労働省は 17 の職業リハビリテーションセンターを設立し、障害者向け職業リハビ リテーションと工場実習を目的とする技術訓練の施設を提供している。 4. 雇用 インドの障害者はあらゆる分野で活躍している。しかし、約 7,000 万いる障害者 の中で、就職に成功した障害者は 10 万人にとどまっており、障害者の雇用を妨げ る原因については明らかにされていない。 5. 政府 政府は、心身障害者に対する福祉サービス政策および障害者を取り巻く様々な問 題に効果的に対処する政策を掲げている。これに対応して主な障害分野毎に国立 研究所が設立された。これらの研究所は、有能な専門家と科学的な設備を備えて いる。主要な活動分野は、人材開発、リハビリテーションのためのプログラムモ デル開発、また訪問活動や普及活動を通じて、サービスが行き届いていない層へ の働きかけなどである。さらに、地域での障害者に対する認識を高めるプログラ ムや地域に根ざしたリハビリテーションを通じて、スラム街、少数民族居住区、 農村への専門的なリハビリテーションサービスを提供している。地域に根ざした リハビリテーションでは、障害者への治療、リハビリテーション・キャンプや補 そう具支給を行っている。 6. 障害者のための主席コミッショナー 障害者のための主席コミッショナーは、障害者法の第 57 項によって任命された役 割として、州政府レベルのコミッショナーの業務の整備、中央政府によって拠出 された基金の収支監視、障害者に開かれた権利や施設の確保のための活動を行っ ている。また、障害者の福祉と権利保護のために発効された法律の不履行に関す る訴えの調査権も持つ。 7. 都市・農村のサービス格差の是正 インドでは様々な障害者福祉に関する活動が行われているが、障害者のためのサ ービスは都市部と農村部では格差がある。農村部の障害者数は都市部の 4 倍6であ るにもかかわらず、予防、早期発見やリハビリテーションのサービスは農村部に 5 The Persons with Disabilities (Equal Opportunities, Protection of Rights and Full Participation) Act, 1995 & Rules 1996. 2nd Edition 2001. Hyderabad: Asia Law House, 2001. 6 2 ページの図 3 を参照のこと。 8 国別情報 インド 行き届いていない。1985 年からの地方リハビリテーションセンター計画による地 方でのサービス提供や、CBR の導入による施設・サービスへのアクセスが限られ ている農村部でのリハビリテーションの実施を推進しているが、今後も農村部に 重点を置いた施設の設置や CBR の普及・人材育成が必要となる。 2-3. 障害に関する調査・統計の整備状況 国勢調査 【タイトル】 国勢調査 【最新版発行年】 2001 【障害関連項目】 異なる障害種ごとの人数を把握するために、世帯内の障害に関する質問が含まれてい る。 その他の統計 【タイトル】 国民サンプル調査 【最新版発行年】 1991 【障害関連項目】 国民サンプル調査団体(NSSO: National Sample Survey Organization)が、知的障害に関 する国民サンプル調査を行った。 9 国別障害者情報 インド 3. 障害関連政策 3-1. 障害関連行政 中央政府行政 【中央政府行政組織図】 内 閣 首 相 保健/家族福祉省 鉄道省 都市問題/雇用省 民間航空省 運輸省 労働省 人材開発省 社会正義/エンパワーメ ント省 1. 国立視覚障害者研究所 2. 国立整形外科的障害者研究所 3. 国立聴覚障害者研究所 4. 国立リハビリテーション研究訓練研究所 5. 身体障害者研究所 6. 国立重複障害者研究所 7. インドリハビリテーション評議会 8. 国民障害者財政開発協会 9. 障害者主席コミッショナー事務所 地域開発/雇用省 女性/子ど も開発局 科学技術局 人材訓練局 出典: Ministry of Social Justice & Empowerment & Discussion with Experts. Annual Report 1999-2000, 1999. 10 国別障害者情報 インド 【障害関連担当機関】7 【機関名】 7 【概要】 社会正義/エンパワー メント省 (Social Justice and Empowerment) インドの福祉システムの政策、プログラム、法律は、自立を 促すことによって障害者をメインストリームに組み込むこと を基本的な目的としている。障害者向けのリハビリテーショ ンプログラムは、政府の重要課題となっており、障害者の社 会基盤ネットワークを支援している。この支援は、6つの国 立研究所と、インドリハビリテーション評議会、国立障害者 財政開発協会、地域リハビリテーション訓練センター、障害 者主席コミッショナー事務所を通して行われている。 保健/家族福祉省 (Health and Family Welfare) ハンセン病、視覚障害やヨウ素欠乏症予防、予防接種等、障 害を防ぐための直接的な保健プログラムを実施。ポリオの予 防接種については 95%の接種率を達成している。 都市問題/雇用省 (Urban Affairs and Employment 障害者法令の第 46 項に基づき、主に障害者に適した環境の整 備を管轄する。全ての州政府において同じガイドラインと基 準を含んだ条例制定モデルの準備を行っている。 地域開発/雇用省 (Rural Development and Employment) 総合地域開発プログラムの補助金予算の 3%を障害者向けの 基金に充てている。この基金は持続的経済活動を考慮し、農 村に住む貧しい障害者の自助グループに対し、それぞれ 25,000 ルピーを援助している。 人材開発省 (Human Resource Development) 障害者が教育を受けられるための様々な活動を行っている。 州政府の教育課、自治体やボランティア団体を通じて「障害 児の統合教育」計画などを実施する。障害児教育のスキーム により、100%の財政支援を提供している。 労働省 (Labour) 労働省では、雇用/訓練局長(DGE&T: Directorate General of Employment & Training)を通して、障害者に対して様々なサー ビスを行っている。DGE&T は全障害を扱う 17 の職業リハビ リテーション施設を開設し、政府の支援により無償の訓練、 指導者への奨学金が提供されている。 鉄道省 (Railways) 主に鉄道事務所や、駅構内のバリアフリー設備の建設を推進 している。また障害者にとってより使いやすい鉄道の入り口 や、障害者向けの鉄道内部施設建設を計画している。 民間航空省 (Civil Aviation) 省内の、航空会社やインド航空庁のような公共セクター班と 共に、空港でのバリアフリー施設を提供している。 人材/訓練省 (Personnel and Training) 1977 年から、政府内の雇用において障害者のために 3%の雇 用枠が確保されている。障害者法令の制定以降は、さらに障 害者ポストは他の部署にも広げられた。 科学技術局 (Department of Science and Technology) 補そう具開発に関するプロジェクトに拠出している。社会正 義開発/エンパワーメント省と協力して、障害者に対する低コ ストで標準化された補そう具を提供している。 Ministry of Social Justice Empowerment. Annual Report 1999-2000. 11 国別障害者情報 インド 女性/子ども開発局 (Women and Child Development) 総合児童開発事業に基づき、母子への補助的栄養の供給、保 健教育や予防接種の一体化プログラムを実施している。障害 予防分野を機能させ、障害に対する人々の関心を高めるため、 地域の保健施設ワーカーが訓練を受けている。 【国内調整委員会の設置状況】 【委員会名称】 設置されている 国内調整委員会(NCCD: National Coordination Committee on Disability) 【行動課題と実施状況】 保健/家族福祉省に付随する国内調整委員会は、25 の政府機関の代表と、1NGO、障害 者の 1 当事者団体によって構成されている。行動計画は、各省庁、自治体や、障害者 に携わる NGO に配布された。国内調整委員会は以下の役割を担う。 1. インド政府の全ての部署と、自治体、障害者に関わる全ての NGO の活動を監督 する。 2. 障害者福祉政策、プログラムの作成について助言する。 3. 障害者への影響を考慮しながら、援助機関の資金援助政策を監督する。 4. 公共の場、職場、学校、他の公共施設におけるバリアフリーの環境を整備する。 地方政府行政 【地方政府行政組織】8 農村部 地方自治体 (ZP: Zila Panchayat)の知事 保健コミッショナー 首席行政担当官 (CEO) 郡収税吏 保健 CEO 補佐 (地方) 郡医療保健 ZP 保健委員長 担当官 ZP 代表 8 ZP 代表 ZP 代表 Zila Panchayat は、地域審議会、自治体の長である。法的身分を任じられた自治体で、開発 計画の実施、地方の市民活動を提供している。また、障害法の計画に基づいて、決められて部 門に関する政府の職務を監督する。 12 国別障害者情報 インド 都市部 都市自治体の知事 主席自治体担当官の自治体コミッショナー 保健コミッショナーアドバイザー 都市/郡保健機関の委員長 保健監査室 自治体役員代理 3-2. 保健担当官 自治体役員代理 自治体役員代理 障害関連法律 【法律名】 障害者法 (The Persons with Disabilities Act) 【施行年】 1995 (1996 年 2 月 7 日より施行) 【目的】 国家建設における障害者の機会均等と完全な社会参加を促進す る。 【概要】 教育、雇用、職業訓練、研究と人材開発、バリアフリーの環境整備、リハビリテーシ ョン、障害者のための失業手当、障害を持つ就業者のための保険制度、また重度障害 者のための施設設立などを規定している。 【法律名】 精神保健法 (Mental Health Act) 【施行年】 1987 【目的】 知的障害者に配慮した社会サービスを提供する。 【概要】 この法令は 1993 年に全州と直轄領を対象に施行された。知的障害者向けの病院と療護 施設の設立・維持、また知的障害者の権利の保護などを規定している。 13 国別障害者情報 インド 【法律名】 インドリハビリテーション評議会法 (Rehabilitation Council of India Act) 【施行年】 1992 【目的】 特殊教育専門家の訓練についての規定 【概要】 リハビリテーション評議会を設置し、以下の項目を取り扱うこととしている。 1. 訓練に関する政策とプログラムを策定する。 2. 障害関連の専門家訓練コースの基準を定める。 3. これらの訓練コースを実施する機関に資金を提供する。 4. リハビリテーションの資格基準認定を行う人材を登録している「中央リハビリ テーション登録(Central Rehabilitation Register)」を維持する。 3-3. 障害関連施策 国家開発計画の概要 【計画名】 第 1 次 5 ヵ年計画 【施行年】 1951/52-1955/56 【障害関連施策の内容】 女性と子どものための福祉団体を、障害者のための事業への動員する計画 【計画名】 第 2 次 5 ヵ年計画 【施行年】 1956/57- 1960/61 【障害関連施策の内容】 中央政府と州政府の主導による、知的障害者を含む障害者のための社会的プログラム を実施した。 1. 視覚・聴覚障害児のためのモデル学校設立 2. 視覚障害者向け職業訓練施設の設立 3. 保健省による不治の疾病に苦しむ障害者のためのリハビリテーションプログラ ム導入 4. 奨学金支給 5. 教育/福祉計画の実施 14 国別障害者情報 インド 【計画名】 第 3 次5ヵ年計画 【施行年】 1961/62 – 1965/66 【障害関連施策の内容】 1. 視覚・聴覚・身体・知的障害者など、様々な障害のリハビリテーションが可能 な専門福祉施設の設立 2. 様々な障害者に対する福祉/リハビリテーションセンターにおける農村技術訓 練 3. 障害者が訓練を受けた分野や経験のある分野での求人情報を得られるようなサ ービス(職業安定所プログラム) 4. 現場で活動するボランティア団体が教育支援するための指導 5. 幸せで健康的生活が送れるよう、移動が困難な者の在宅・居住地近辺の仕事や リクリエーション、補そう具を支援するように奨励・指導 【計画名】 第 4 次 5 ヵ年計画 【施行年】 1969/70 – 1973/74 【障害関連施策の内容】 1. 視覚障害者のためのサービスを向上させるために、デラドゥン(Dehradun)市に ある国立盲人センター(National Center for Blind)が、独自の訓練と点字プログ ラムに沿って、弱視の子どものための学校を増設 2. 福 祉 訓 練 プ ロ グ ラ ム で は 、 運 動 障 害 者 の た め に 、 全 国 で 実 演 プ ロ ジ ェ クト (demonstration project)を導入 3. 脳性麻痺児の学校を開校 4. 視覚・聴覚障害者のための統合学校の開校 5. 障害児のための教師訓練プログラム 6. ボランティア団体への補助金支給 7. 障害者のための訓練施設 8. 障害者が訓練を受けた技術を活かすことできる雇用を創出するための、職業安定 所の認可 【計画名】 第 5 次 5 ヵ年計画 【施行年】 1974/75 – 1978/79 【障害関連施策の内容】 1. 聴覚、視覚、知的、運動障害者のために活動する全ての施設の全国的拡大・改善 2. 知的障害児のためのプログラム・モデルの更新 3. 障害者対象の技術支援に関する調査、補そう具、奨学金、ワークショップ、ボラ ンティア団体への援助、特別職業安定所の設立など 15 国別障害者情報 インド 【計画名】 第 6 次 5 ヵ年計画 【施行年】 1980/81 – 1984/85 【障害関連施策の内容】 1. 保健水準を向上させ、伝染病や様々な健康を損なう要因、傷害事故、障害から子 供たちを守るために、包括的なプライマリー・ヘルス・ケア(PHC: Primary Health Care)、栄養補給物の配給、保健教育や児童保育教育を導入 2. 障害予防、治療、安全規制のための法的枠組みの案出 3. 障害者からの要望をもとにした障害者のための統合学校設立 4. 地元企業との協力による職業リハビリテーション施設の設立 5. 安価な補そう具が手に入るようにすることによる、物理的リハビリテーションの 促進 【計画名】 第 7 次 5 ヵ年計画 【施行年】 1985/86 – 1989/90 【障害関連施策の内容】 1. 障害者の雇用機会の促進 2. 中央政府と他の公共セクターで、各障害につき 1%の雇用割り当ての導入 3. 障害者のための福祉工場を増やすため、ボランティア団体への支援 【計画名】 第 8 次 5 ヵ年計画 【施行年】 1992/93 – 1996/97 【障害関連施策の内容】 1. 障害者の教育機会と職業訓練や経済的リハビリテーションの拡大 2. 50 の特別職業安定所と通常職業安定所中の 39 の特別グループを通じて行われる 障害者の就職斡旋 3. 障害者支援団体援助の計画のもと、職業訓練センター、特殊学校、カウンセリン グセンターや人材訓練センター、職業斡旋によるサービスの拡大のために、1,628 の支援団体に対する財政支援 4. 全ての州政府における、小学校、中等学校に通う障害児対象の奨学金プログラム の実施 【計画名】 第 9 次 5 ヵ年計画 【施行年】 1997/98 – 2001/02 【障害関連施策の内容】 第 9 次計画では、それまでに行われた 5 ヵ年計画を通じて、障害者の地位が向上した ことを確認し、障害者の自立を促すための統合的アプローチを採用することが強調さ れた。保健、栄養、教育、科学技術、地方開発、都市開発、女性と子供、そして情報 や放送などを含んだ既存のサービスが行きわたるための試みが行われている。 16 国別障害者情報 インド 3-4. 施策の概要 *施策のリストについては Annex 1を参照。 障害の予防・発見・早期療育 【現状】 早期発見は、一次的予防を目的とした国レベルプログラムに組み込まれている。イン ドリハビリテーション評議会は、農村部において障害の早期発見・療育を担う医師を 指導するために、PHC ワーカーための全国的なオリエンテーションプログラムを開始 した。農村部では、著しく高い非識字率のために早期発見・療育について認識が低く、 リハビリテーション従事者にとって妨げとなっている。 【関連施策名】 視覚障害予防国家プログラム (The National Programme for Control of Blindness) 【施行年】 1976 【施策の目的/概要】 このプログラムの目的は、20 世紀末までに視覚障害の率を 1.4%から 0.3%に引き下げ ることであり、PHC による社会基盤、郡病院、医科大学の設立、また、視覚障害の予 防と治療にかかわる中央と郡での移動ユニットが設立された。 【関連施策名】 予防接種拡大計画 (Expanded Programme of Immunization) 【施行年】 1978 【施策の目的/概要】 予防可能な病気をコントロールすることを目的とした世界的な予防接種プログラム。 世界保健機関(WHO: World Health Organization)が開始し、インド政府が実施した。 医療サービス・リハビリテーション 【現状】 1991 年の国民サンプル調査によると、インドでは全国民の約 1.9%にあたる 1,600 万 人以上の人々がなんらかの障害を持っている。インドには補そう具製造業者は数社あ るのみで、必要な補そう具のわずか約 5-7%の製造能力しかない。その他のインフォー マル・セクターの業者に関する統計はないが、これらの業者の製造能力は全体の需要 の 2~3%であると考えられている。9 政府は、以下のように国内での補そう具開発、製造、配給に関する政策を打ち出して いる。 9 United Nations. Production and Distribution Assistive Devices for People with Disabilities Part 2. United Nations Publication, 1995. 17 国別障害者情報 インド 1. 政府によって定められている義足の地元生産に関する主な生産方針を明確にす る。 2. 貧しい障害者のための補そう具支給計画を支援する。 3. 補そう具の支給を行う NGO を支援する。 4. 補そう具製造に携わる専門家訓練を行う。 5. 農村のリハビリテーションの全計画で、補そう具を供給する。 6. 補そう具の研究開発を推進する。 1. 医療リハビリテーション 障害者のリハビリテーションサービス計画の中心となっている省庁は、社会正義/エン パワーメント省となっているが、医療リハビリテーションについては、保健/家族福祉 省が管轄している。各障害分野のセクター内・セクター外の調整は、社会正義/エンパ ワーメント省が直接行っている。 2. プライマリー・ヘルス・ケア(PHC) インドにおける障害者の障害の原因を見ると、その多くが病気や負傷による障害であ る10。インド政府は保健/家族福祉省が中心となり PHC の取り組みを行っており、基本 的な保健衛生の改善や病気の予防によって障害を予防することが期待できる。 教育 【現状】 インド政府は、1974 年に障害児の統合教育を支援する計画に着手した。この計画によ り統合教育施設は中央政府から 100%の資金援助を受け、障害児の統合教育が促進さ れている。 障害者向けの設備を持った学校や施設が存在する一方で、教師と生徒の割合は、特殊 教育推進のためには不十分である。資金不足、教員の低賃金、適切なインフラの不足 により、リハビリテーションが療養施設、特殊学校、職業センターでの活動に限定さ れている。また、農村部の人々にとっては、都市部と比べて障害者向けの施設や特権、 支援などに関する情報を得る手段が限られている。 インド政府は 1974 以降、障害児の統合教育を進めており、統合教育を行う施設に資金 援助を行っている。しかし、資金不足やそれに伴うインフラ不足、低賃金による教員 10 3 ページの表 1∼4 を参照のこと。 18 国別障害者情報 インド 不足などにより、統合教育の目的を達成するのは難しい状況にある。また、統合教育 に関する制度や施設があっても、農村部の住民にとっては都市部に比べてその情報を 得る手段が限られている。従って、統合教育のための政府による支援に加え、教員確 保や農村住民のアクセシビリティー向上についても重点的に取り組む必要がある。 【関連施策名】 統合教育:全児童への無償義務教育のための第 33 次憲法修正 (Integrated Education: 33rd Constitutional Amendment Making Education Free and Compulsory for All Children) 【施行年】 1997 【施策の目的/概要】 障害児教育を取り巻く環境の急進的変化に対応した修正が行われた。 【関連施策名】 障害者法 【施行年】 1995 【施策の目的/概要】 一般学校内での生徒と障害児の教育を促進する政府の試みについて定められている。 社会サービス 【現状】 「国連アジア太平洋障害者の 10 年」行動計画にもとづいて、保健/家族福祉省と国内 調整委員会(NCCD: National Coordination Committee of Disability)が、公共の場、職場、 学校や他の公共施設におけるバリアフリー設備の普及を推進している。障害者法では、 障害を持つ従業員を対象にした保険計画について定められている。 【関連施策名】 障害者法 【施行年】 1996 【施策の目的/内容】 第 13 章で社会保障について以下のように定められている。 1. 政府または自治体が、障害を持つ従業員のための保険計画の枠組みを考案する。 2. 政府または自治体が、その財政力と開発の枠組みの中で、2 年以上特別職業安定 所プログラムに登録しており、職に就いていない障害者への失業手当に関する計 画を立案する。 職業・雇用 【現状】 雇用/訓練局長を通じ、労働省は様々なスキームによる障害者へのサービスを拡大して 19 国別障害者情報 インド いる。国家開発への障害者の参加も、意識的に進められている。労働省が設立した法 的根拠を持たない機関である職業訓練国民評議会(National Council of Vocational Training)は、全ての産業訓練施設において肢体不自由な訓練生の 3%の入学枠を確保 する政策を導入している。現在 3,000 の産業訓練施設が全国各地に設立されている。 障害者の雇用を促進するための政策として、「国家障害者財政/開発法人計画」と「障 害者法」の2つの大きな政策がある。財政支援を提供する国家障害者財政/開発法人計 画は、サービス・商取引部門、障害のある起業家支援、高等教育や専門訓練への支援、 農業活動への援助、障害者向け補そう具の製造の促進など小規模企業の自営を促進す るプログラムとなっている。また、この計画に基いて、年間所得が都市部で 10 万ルピ ー以下、農村部で 80 万以下の障害者に融資を行っている。 【関連施策名】 障害者法 【施行年】 1995 【施策の目的/概要】 中央政府と他の公共セクターで肢体不自由者に対する 3%の雇用枠を確保する。 地域に根ざしたリハビリテーション(CBR) 【現状】 地域に根ざしたリハビリテーション戦略は、1978 年のアルマ・アタ宣言の後、WHO によって提唱された。アルマ・アタ宣言は、普及、予防、治療の面からのケア含んだ 包括的な PHC について述べ、障害者の積極的な地域参加と政府、非政府団体(NGO : Non-governmental Organization)による調整に基づいた包括的なサービスを提供するこ とを提唱している。 1985 年初め、政府は農村の障害者のためのモデル的な包括的リハビリテーションサー ビスの提供を行うために、地方リハビリテーションセンター計画を導入した。この計 画は、全国の 11 ヶ所で運営されている。予防や早期発見、外科治療、教育サービス、 訓練、自営機会の提供、銀行による融資、意識向上、地域参加、家族相談などがこの 計画に含まれている。 社会正義/エンパワーメント省は、第 9 次 5 ヵ年計画の間に国家 CBR プログラムを設 置した。5,000 人程の人口を有する地区レベルでは、2 名の多目的リハビリテーショ ン・ワーカーについて提案された。村レベルでは、各地域から男性 1 名、女性 1 人が CBR ワーカーとして、在宅ケアサービスの訓練を受ける。 国レベルの障害者福祉政策は、医療リハビリテーションや障害者へのサービス提供か ら、CBR や職業訓練・教育などを通しての障害者の自立・地位向上に重点が移ってい る。最新の 5 ヵ年計画でも、CBR が導入されており、社会正義/エンパワーメント省 20 国別障害者情報 インド が障害者福祉に関するセクター間の調整をして包括的なリハビリテーションを推進し ている。CBR は農村のサービス格差の是正に加え、障害者の自立を目指す福祉にとっ て重要なアプローチである。 【関連施策名】 地域に根ざしたリハビリテーション(CBR) 【施行年】 【施策の目的/概要】 この計画の主な特徴は以下の通り 1. 草の根レベルで始められたサービス提供制度の確立 2. 予防、早期発見を含む障害者の CBR を促進するため、各地域から 2 人の CBR ワ ーカーを選出 3. 政府機関と協力して、基本的なリハビリテーションサービスを提供するため、各 ブロックから 2 名の多目的リハビリテーション・ワーカーを任命 4. 郡リファーラル訓練センターは、全障害種に関して包括的リハビリテーションサ ービスを提供している。州のリソースセンターは、リハビリテーションサービス を提供する訓練や人材開発のための施設としては、州レベルの統括として機能し ている。 5. この計画は、草の根レベルでのリハビリテーションを組織化するとともに、地域 レベルの能力開発や入手可能な情報のより効率的な利用を強化するものである。 情報とコミュニケーション 該当情報なし 3-5. 障害分野専門家・ワーカー *障害分野専門家・ワーカーの養成機関については Annex 2-3.を参照。 障害者福祉に関する職種とその従事者養成や資格取得の制度については、以下の通り である。 【職種名】 【養成・資格制度】 聴覚言語士 聴覚言語士の学位免状、または修士以上 臨床心理士 社会心理学か臨床心理学の修士以上 特殊教育士 特殊教育の学位免状、知的障害学位 医療教育 医療リハビリテーション学位免状、または修士以上 理学療法士 理学療法学位免状、または修士以上 作業療法士 作業療法学位免状、または修士以上 義眼製造士 義眼製造学位 歩行訓練士 歩行訓練士学位 職業インストラクター 障害分野の職業訓練学位 ソーシャルワーカー ソーシャルワーカー、リハビリテーション、社会学、 心理学学位または修士以上 21 国別障害者情報 インド 多目的リハビリテーションワ ーカー 資格コース CBR ワーカー 資格コース 22 国別障害者情報 インド 4. 障害分野における活動の概況 4-1. 障害関連団体による活動 *団体リストについては Annex 2-1.および 2-2.を参照 インドでは、NGO が政府からの資金援助を受けて障害者向けのサービスを提供してい る。社会正義/エンパワーメント省は、NGO 活動支援のスキームとして、「障害者補そ う具購入支援」、「障害者のためのボランティア活動推進」、「障害者国家基金」の 3 ス キームを導入した。NGO の活動としては、主に医療・教育・職業リハビリテーション にかかわるサービスを実施する団体が多いが、CBR のアプローチでリハビリテーショ ンに取り組む団体は少ない。また、社会正義/エンパワーメント省の傘下に、障害種別 の当事者団体や、リハビリテーションの全国的な調整・研究を行う公的団体が存在す る。 4-2. 国際機関・その他の機関の障害分野に関する援助実績 *援助実績のリストについては Annex 3.を参照 国際機関・その他機関の援助実績 米国国際開発庁 (USAID: United States Agency for International Development)は、人口、 ポリオ撲滅に焦点を当てた人道的支援、社会開発問題に関連したプログラムへ資金を 拠出し、直接的および間接的に障害予防のための活動を行っている。また、USAID は 2000 年にニューデリー障害計画を発表し、CARE、カトリック救援サービス(Catholic Relief Services)、国際ロータリークラブや他の障害者問題に関わる国際 NGO との共同 事業などが計画に含まれている11。 ロータリークラブはインドの障害者に関して、障害者のための2つのコンピューター センター設立や、視覚障害者のための点字時計の供給など、独自のプログラムも行っ ている。また、アクション・エイド(Action Aid)の支援により、17 の NGO が CBR プ ログラムを実施している。 日本の援助実績 日本政府は、障害者のために活動するインドの NGO のプログラムに対して財政援助 を行っている。 1996 年に設立された NGO であるアジアボランティアセンターは、インドの障害児向 11 USAID. The Second Annual Report on Implementation of the USAID Disability Policy. 2000 23 国別障害者情報 インド けリハビリテーションセンターを支援するプログラムを始めた。このリハビリテーシ ョンセンターは、障害児のために教育リハビリテーションや職業訓練のサービスを提 供している。 24 国別障害者情報 インド 5. 参考資料 この報告書は、主にローカルコンサルタントによる調査報告書に基づいている。 ローカルコンサルタント調査報告書: Hospital Services Consultancy Corporation Ltd. Country profile: Study on Persons with Disabilities in India. 2001. その他の資料: Abidi, Javed. Current Status of Employment of Disabled People in Indian Industries [Electric Version]. ASIA PACIFIC DISABILITY REHABILITATION JOURNAL, Vol.10. Retrieved February 6, 2002, from http://www.dinf.org/doc/prdl/othr/apdrj/z13jo0400/z13jo0401.html Asian and Pacific Decade of Disabled Persons. Retrieved February 6, 2002, from http://www.unescap.org/decade/ Indian Economy Database. Retrieved February 12, 2002, from http://www.indiainfoline.com/econ/andb/plan/plan0.html Ministry of Social Justice & Empowerment. Annual Report 1999-2000. The Persons with Disabilities (Equal Opportunities, Protection of Rights and Full Participation) Act, 1995 & Rules 1996. 2nd Edition 2001. Hyderabad: Asia Law House, 2001. SARVEKSHANA, 47th rounds, National Sample Survey Organization, Department Of Statistics, Ministry of Planning & Program Implementation, Government of India. 1991 The Mental Health Act, 1987 (Act No.14 of 1987). Lucknow: EBC Publishing Ltd. United Nations. Asian and Pacific Decade of Disabled Persons: mid-point ∼ country perspectives. New York: United Nations Publication, 1999. United Nations. Production and Distribution Assistive Devices for People with Disabilities Part 2[Electric Version]. United Nations Publication, 1995. Retrieved February 12, 2002, from http://www.dinf.org/doc/intl/z15/z15002p2/z1500201.htm 25 国別障害者情報 インド The United States Agency of International Development. The Second Annual Report on Implementation of the USAID Disability Policy. Retrieved February 20, 2002, from http://www.usaid.gov/about/disability/2ar_imp_policy.htm 中西由起子 「インドで障害者法が成立」(電子版)、ノーマライゼーション 障害者 の福祉、財団法人日本障害者リハビリテーション協会 第 16 巻 1996 年 [引用 2002 年 2 月 15 日、 http://www.dinf.org/doc/prdl/jsrd/norma/nrm001/n178_067.htm] 26