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応用編

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応用編
最先端研究開発支援プログラム (FIRSTプログラム) Funding Program for World-Leading Innovative R&D on Science and Technology
m ass s pectrometer for d rug d iscovery and d iagnostics
応用編
次世代 質量分析 システム開発 と 創薬・診断 への貢献 (3/3)
--- 血液1滴から 早期診断・創薬の手がかりを得るために ---
Development of the next generation mass spectrometry system, and contribution toward drug discovery and diagnostics
「創薬・診断への貢献」は、
成果まとめ 今後 期待される効果
がんの早期・簡易診断 メカニズム解明への貢献
アルツハイマー病診断への貢献
がん関連タンパク質の違いを見分ける
アルツハイマー病の原因と考えられるアミロイドβ(Aβ)は、認知症が明確に
なるよりも10年以上前から蓄積し始める、と言われています。
HER2は、乳がん関連の糖タンパク質(糖鎖が付加)として良く知られてい
ます。アミノ酸配列は既知ですが、糖鎖構造に関しては これまで十分な知見
がありませんした。
PET-CTによるアミロイドイメージング
発症~20年前
異常
:Sialic Acid
SKBR-3
現在
右図は、汗・皮脂由来 生体体表成分(アミノ酸、
+
レーザー
タンパク質、脂質類、代謝物、等 ) を 採取 するため、
イオン化
通常の試料搭載用 プレートに 指を押し 当てている
MS
写真です。今回は試行であるため、被検者3名の
みですが 1年間モニタリング を 行 い 、 多変量解
析(PCA(主成分分析)、OPLS-DA(直交部分最小二乗
による判別分析))により、各被検者に特徴的な質量
ピークが存在する事が示唆されました。
これらは 事前の仮説等で想定・見つけ出す事が極めて困難であり、多変量解析
によって初めて発見できました。本方法を発展・応用する事で、将来的には体表
成分 と健康状態 、服用薬物 等身体
内部状況 との 相関 を 見出 す 事 が 期待
被検者3
できます。
AQ
AQ
AQ
AQ
*
AQ
*
AQ
AQ
AQ
*
AQ
AQ
*
~10年前
Amyloid-b (CSF/PET)
Synaptic dysfunction (FDG-PET/fMRI)
Tau-mediated neuronal injury (CSF)
Brain structure (volumetric MRI)
Cognition
Clinical function
AQ
AQ
AQ
AQ
AQ
AQ
*
Bateman et al., New Engl J Med,2012 より
2200
2400
2600
m/z
2800
3000
3200
3400
3600
3800
軽度認知障害
アルツハイマー病の病期
認知症
ICAD 2010, CRITERIA FOR PRECLINICAL ALZHEIMER'S DISEASE
(http://www.helmedica.gr/items-6-5-en.htm) より改変
現在 前立腺がんの診断は、主に血液を
用いて行われています(例:血中PSA値)が、そ
の正確性が議論されています。
がん
現在 アルツハイマー病診断は、主に脊髄液中Aβ[1-40],[1-42]量を指標に
行われていますが、採取は高齢者では容易ではありません。Aβは 血液中にも
存在しますが、その量は~1/50、血液は脊髄液よりも~100倍多量のタンパ
ク質を含んでいると言われています(脊髄液よりも~5000倍困難)。
下図は、新規抗体ビーズ法を用い 血液中からAβ関連ペプチド群を検出し
た1例です。従来のELISA法で検出可能なものだけでなく、更に多種類・微量
のものまで 検出 できています 。 侵襲度 の高 い 脊髄液 ではなく、 血液 からの
早期診断に繋げることが期待できる結果です。
尿
バイオマーカー候補
前立腺がん患者尿
n
100
Amyloid b
Relative intensity
80
前立腺肥大患者尿
*: アミロイドb
関連ペプチド
60
40
n
x5
Magn. beads
n
20
健常者尿
*
n
n
0
*
* *
*
3000
n
3500
*
n
**
* ** *
4000
m/z
*
この2つは
乳がん・前立腺がん・アルツハイマー病
以外への水平展開
ビデオもあります
・ 国民の負担軽減、健康・長寿社会実現へ
コホートへの展開・先制医療へ
・ 質量分析応用全体に対する幅広い貢献
これまで がん細胞を見分けるためには、特殊な染料(HE)を用い、光
学顕微鏡画像で細胞の形態やコントラストの違いを見る という、エキス
パートの力量に頼る判別方法が主に使われていました。
JASIS2014
レーザー光を レンズ
で集め、尐し
づつ 移動さ
せながら 試
料に照射
質量分析とは? ③: 学術・技術との関係
データの分布
が 被検者ごと
に分けられた
がん細胞:黄色点線
n: Aβ 関連ペプチド以外の化合物イオン
内部
容易に生み出せるシステム・環境の水平展開
x5
*
* ** *
n
*
4500
*
5000
*
n
*
5500
参) iMScope
TRIO
脂質A
脂質B
(がんに局在) (がん以外に局在)
従
来
法
:
バイオ(がん)
マーカー候補
発見
* hematoxylin-eosin staining
がん部の識別(素人は) 困難
「先端診断イノベーションゾーン」
指先(指紋)における光学顕微鏡画像(左:
コントラストは高くない)と 化合物MS代表例 2
種類(中、右)の分布(ポジ・ネガの関係)
産(代表例)
(非特異的に吸着・検出されたイオン)
一般には これが尐ないほど良い
イオンの大きさ m/z
1mm
H
E
染
色
・ 若手・女性/研究者・技術者が活躍・成果を
被検者2
多変量解析後の分離状況表示例
参照
京都大学医学部
官
(代表例)
質量顕微鏡
組織切片
*
レーザー光は、レンズで最小f 1mmに絞る事が可能です。これを組織
切片 に 照射・イオン化( 右図上 ) し 、各々 の ”点” における イオン質量
データ を 測定、レーザー光 を 尐 しづつ 移動( ラスタースキャン ) させ 、
各々のイオン量の強弱を 個々の点におけるイオン発生量の濃淡として
画像化(ピンク・青・緑のスライス画像 参照)できます。
右図下(左)は、がん細胞を含む組織切片(従来のHE染色後)画像
です(黄色点線内が がん細胞)。右図下(右側)は、「質量顕微鏡」による
個々のイオン質量画像であり、脂質A と 脂質B に相当します。脂質A
が がん細胞に局在していることが(世界で初めて)明らかになりました。
この基礎研究成果 を元に、がん細胞の診断とメカニズム解明 ・がん
治療への貢献が期待されます。
・ 異分野融合手法が 他の学術・産業界の参考に
学
個々の位置での強度
参照
質量分析とは? ①: 様々な分野で役立っている
ELISA法で検出可能
ミクロンレベルで乳がん組織イメージングに成功
http://www.first-ms3d.jp
・ 1万倍以上の高選択性・高感度を用い 体と
財布に負担の尐ない (超)早期診断、病気の
メカニズム解明 さらには 創薬への応用へ
被検者1
前立腺がん・肥大を 尿で診断へ
本PJ では 、独自手法
によって 採取・前処理 し
た尿を測定する事により、
前立腺がん患者 に 多 く
存在するペプチドを見つ
け出しました。
この 方法 により 、前立
腺がんを(非侵襲性
の )尿 を 用 いて 早期診
断 できる 可能性 が 高 ま
りました。
発症前状態
アミロイドb[1-42]
2000
アミロイドb
[1-40]
1800
正常
BT-474
1600
日本では、既に様々な学校・公的団体・企業で健康診断が行われており、更に
進んで先制医療にも繋がるコホートプロジェクトが進んでいます。
国民が より健康で長生きできるためには、健康診断を手軽(体に負担をかけず)
に受けられる新技術の開発が不可欠です。そのための1つの要素が 「より非侵襲
で検査を行える」ことであり、本PJでの試行を1つご紹介します。
2014年9月3日~5日
がんと非がん部を 鮮明 に識別
幕張メッセ国際展示場
http://www.first-ms3d.jp
学
基礎研究開発
橋渡し
:Galactose :Mannose
* : Dehydration
:GlcNAc
:Fucose
AQ
本PJ で 開発 した 最
大1万倍高感度マト
リックス3-AQ/CHCAに
より、乳がん細胞
( 株) が異なると 糖鎖
も異なる事を見られる
ようになりました。
これを元 に、がん の
メカニズム解明・投
薬の適切さ判断等に
貢献できる、と 期待さ
れます。
より手軽な健康診断に向けて その他 診断への試行
資金集め・製品化
産
役立つ方法を 顧客と共に(再)開発
「死の谷」を乗り越え
販売活動・客先訪問
「ダーウィンの海」を渡りきり
資
や金
ノり・
ウが人
ハい財
ウ・ ・
等
成果詳細は、新着情報「2014.3.24 【資料掲載】本PJの最終報告書が発刊されました」をご参照下さい
本ポスターは 本PJ Website< http://www.first-ms3d.jp >にて pdf download可能にする予定です
謝辞:本研究は、日本学術振興会の最先端研究開発
支援プログラムより、助成を受けたものである
http://www.first-ms3d.jp
JASIS2014
2014/1/26 「FIRST 田中ms3dプロジェクト 一般公開シンポジウム」で掲示したポスターを 最新情報
を含めて更新しています
「先端診断イノベーションゾーン」
2014年9月3日~5日
幕張メッセ国際展示場
http://www.first-ms3d.jp
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