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漫画展 「中国からの引き揚げ∼少年たちの記録」を鑑賞して
漫画展 「中国からの引き揚げ∼少年たちの記録」を鑑賞して 内山長年 3 月 5 日から 7 日まで県民会館で日中友好協会富山支部主催の漫画展が開かれました。 この漫画展は、日中友好協会設立 60 周年を記念して、昨年から全国主要都市で開かれて いるものです。展覧会では 9 人の漫画家たちが幼少の頃を過ごした中国の様子を描いた 作品 56 点が展示されました。 漫画家たちの作品は、戦中、主に中国東北地方の瀋陽、大連やその他、上海、北京な どで育ったときの印象に残ったことを題材にして描いています。食糧難のこと、旧ソ連 軍の侵入、中国人の子どもたちとの遊び、日本の敗戦以降の中国人からのいじめなどが 赤裸々に描き出されています。それに絵画にまつわるコメントが添えられているのもこ の展覧会の特色です。印象に残る作品として、 《引き揚げの旅》として帰国日本人の線路 伝いに歩く家族たちの疲労困憊した様子 や《ソ連兵の略奪暴力》 《中国人と日本人 のけんか》 《日本に帰国したときの郷土の 感激》などがあげられます。漫画ならで はのタッチで生き生きと描写され、戦争 の持つ悲哀が滲み出ています。これらの 漫画家たちは、幼少時代に中国で育った 者として、中国での生活や引き揚げてき たときの体験を漫画で残すことで、残留 孤児への協力の一環になるよう、漫画展 を企画したと聞きました。 展覧会場の様子 戦後 66 年経った現在ですが、年配の人にまじって、戦争を知ろうと多くの若い女性の 姿も見られました。70 歳代の男性は「昭和 15 年ごろ満州へ家族 3 人で渡ったが、母親 はすぐに病気でなくなり、楽しい思い出はなかったが、この展覧会を見てしみじみと懐 かしい記憶が蘇ってきて感激を覚えました」と語ってくれました。有名漫画家たちの描 写に感動を与えるのに十分なものがあったように感じます。このあと展示は宮城県と聞 きました。大震災を乗り越えて無事に開催されることを願っています。 (FC 事務局員) 編 集 後 記 ◆ 東日本大震災で犠牲になった方々のご冥福を祈り、合わせて被災者の皆さんをお見 舞い申し上げ、万全の救援がすみやかに行われることを念じます。 ◆ さて、震災による福島原発の事故は原子力の恐ろしさを改めて思い知らせた。事故 が一刻も早く収束し放射線被害が拡散しないことを願う。英国のインディペンデント紙 (電子版 3/16)が、事故は世界的に共通する原発の隠蔽体質が引き起こしたものと指弾 し、 「体質」は秘密最優先の核兵器、さらにはマンハッタン計画に由来すると言う。 ◆ 私たちは「平和利用」の美名に惑わされ、原発はヒロシマ・ナガサキの原爆がルー ツであることを忘れてはいまいか。国や電力会社が秘密主義から脱却し、正確な情報を 国民に包み隠さず知らせることに問題の根本的解決があるように思われる。 (S) <連絡先> 931−8316 富山市豊丘町3−25 長谷川了一気付 TEL&FAX 076-437-5223 FC ホームページアドレス http://www.toyamav.net/~ fc