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各種太陽電池
各種 太陽電 池 この章 では,前 章 までに述べ た太陽電 池の概要,原 理 ,測 定法 を基本 に,各 種 太陽電 池 の 詳細 につ い て述べ る。 太陽 電池 を材料 か ら分類す る と, シ リコン 系,化 合物半導体 系,そ の他 の二 つに 大別 で きる。実用 化 され てい る太陽電 池 の 大部分 は シ リコ ン系 であ り,そ の 中 では,rlll品 構 造 面 か ら,単 結 晶,多 結 品,ア モル フ ァ スの二 つ に分 類 され,歴 史的 に も,こ の順 に登場 した。本章 で は, この順序 c単 結 晶 シ リコン太陽電 池, 多結 品 シ リコン太陽電 池,ア モル フ ァス シ リコン太陽電 池 の それ ぞれに つ いて,開 発 の経過,現状 ,今 後 の 展望 につ いて述 べ る。 また,化 合物 太陽電 池に つ い ては,Ⅲ ―V族 ,H― Ⅵ 族 お よ び カル コパ イライ ト系につ い て,あ わせ て特 徴,現 状 ,展 望 を紹介す る。 最後 に,そ の他 の無機 太陽電 池,有 機 太陽電 池お よび湿式太陽 電池につ い て簡 単に 述べ る。 41 411 (1)シ 単 結 晶 シ リ コ ン太 陽 電 池 単結 晶 シ リコン太 陽電池概説 リコン太陽 電池 の提言 光照射 に よって国体 内に正 負の電荷 を生成 し, これ を分 離 して外部 に起 電 力 を発生 させ る (外 部 い1路 に電 流が流せ る)光 起 電 力効 果 は,す でに 191u紀 に 半導体 セ レニ ウム でみ つ け られ,こ の効 果 を利用 した光電 池が 1930年 頃か ら 考案 され, カ メラの露 出計 な どに用 い られて いた。 トラン ジスタの 発明以来 , 半導体 の物性 が研 究 され て電荷 の挙動 が解 りlさ れ,半 導体 加工 技術 の進展 に と 63 64 4 各種太陽電池 もな って ,n形 の シ リ コ ン (Si)ll結 品 へ の ポ ロ ン (B)の 拡 散 に よ って 比較 的 浅 い pn接 合 が作 製で きる よ うにな り, これ を,太 陽光 エ ネ ル ギー か ら電気 エ ネ ル ギーヘ 直接変換す る太陽電池 (solar cen)と して活用す る構 想 が 1954年 に提 案 されたヽ Siの pn接 合 に 太 陽 光 を照 射 す る と,禁 制 帯 幅 (一 般 に は室 温 で 1 leVだ が,高 ドープ領域 では 1 02eV)以 11の エ ネル ギー を もつ フ ォ トンが Si内 で電 子 エ イL対 を生成す るが,そ の一 部 は pn接 全 部 に存在 す る電 界に よ って分 離 され,外 部 回路 に電 流 を流す。禁 制l帯 幅 の 1 02eVは 波 長 1 20μ る。 原理 的 には,1 2μ m以 下 の光 は電 池では,1 02eVを rF孔 mに 相 当す 対 を41成 す るが,実 際 の 太陽電 越 え たエ ネル ギー 分 は無駄 とな るため に,エ ネ ル ギー の変 換効率 は短波長 にな るにつ れ て低 下す る。観 測 され た約 05Vの 動作電圧 を考 慮 して, この投失 を全 太陽 スペ ク トルに わたつてnt算 し,限 界効 率 が近似的 に 22%に なる と予測 され た1ヽ しか しなが ら,現 実 には,Si表 面 での反射,′ 1:成 された電子 と正 孔が pn接 合 に到達 す る までに再結合 す るため の損 失,な らび に表 面層 の抵抗 と接触抵抗 な どに よ って,変 換効率 が 6%に な る との結果が報 告 され た。 この値 で も当時 の 市llt品 の フ ォ トセ ル (phOto cen)の 変 換効 率 05 %に 比較す る と飛躍的 な値 であ った。 平年 ,基 本特性 が理 論的 に 説明づ け られの,特 徴 が判明 して くるにつ れ て , 単結 品 Si太 陽電 池は灯 台や 人 11衛 霊 な どの 電源 として実 用 に供 され,発 展 し て きた。 1960年 代 前半 に は,14-15%の 変 換 効 率 が 達 成 され て い る。 1973 年頃 か らは,イ f油 危機 を契機 として,地 Lで の新 しいエ ネ ル ギー 源 として広 く 認識 され,高 効率 で低 4価 格 の 太陽電池開発が要望 され るよ うに な った。 この要 望 に応 え るため に,材 料 ,作 製法,素 r構 造 な どの観 点か ら数 多 くの研 究 が進 、とな って い る。 め られ,現 在 では太陽電 池の 発展 の 11:′ 己 (2)単 結 晶 シ リコン太陽電池 の特徴 単結品 Si太 陽電池 の I徴 は枚挙 に い とまが ないが,主 な もの を次 に あげ る。 4・ (1)原 料 とな る Siの 埋 蔵 量 は非常 に 多い。太 陽光 エ ネル ギー の密 度 が小 さ い ため に,実 用 面 で1よ 大 面積 の 太陽電池 を要 す る。 したが って,原 材料 の 量的 問題 が ない こ とが重 要 で あ る。 これ に加 えて,Siの 材料 自体 が環 境 にお よぼす影響 が ほ とん どない こ とも重要 な こ とであ る。 (H)単 結 晶作 製や pn接 合 作 製 技術 が Si集 積 回路 な どエ レ ク トロニ クスの 基幹 を支 え る技術 として著 し く進展 して い るの で,基 本的 な技術 は熟成 し て い る。 41 67 単結晶 シリコン太陽電池 基本構 造 で述べ た よ うに n側 の 電極 構造 は細 い フ ィ ンガー 電 極 で,そ の 間 隔 も広 い。 pn接 合部 の電 界で分離 され た電 子が電極 に集 め られ る までに 薄 い n層 を長 い距離通過 す るこ とに なる と,直 列抵抗 が増 大 す る。 したが って,図 41に 示 した よ うに,通 常 の 太陽電 池では,そ の部分 の llt抗 を下 げ るため に不 純物 を多量に添加 して n+層 とす る。 c BSF構 造 単結 品 Siの 光 吸収係 数 と太陽 スペ ク トル を取 り入れ,拡 散‖:離 の 典型的 な flAを 用 い て変換効 率 を計 算す る とlX1 4 3の 点 線 で示 す よ うに n'p接 合 の セ ル では 厚 さ 100 μm以 11で 変換 効 率Чま一 定 とな り,そ れ 以 卜の 厚 さは 必 要 で な い。 したが って,薄 膜化す るこ とに よ って材料 の 少量化,重 量 の減 少,赤 外線 吸収 に よるセ ル温度上 昇の 軽減 な どが図れ る。 しか しなが ら,薄 1英 化す るこ と に よ って少数 キャ リアの拡 散距離 内に 裏面電極 が付 け られ るこ とに な る と,本 来 な ら光電 流に寄 与す るはず の少数 キャ リアが 電極部分 で再結 合 に よ って消滅 す るこ とに な る。 す なわ ち,光 電 流が減 少 し,変 換効率 の低減 とな る。 これ を 避 け るため に,裏 面電極近傍 に p`層 を形成 した n'pp+構 造 とす る。 エ ネル ギー バ ン ド図 は 図 44に 示 す よ うに な り,裏 面 に pp+層 間 の フ ェ ル ミ準位 の 差に よる電 界力'で きるの で, これ を BSF(back surface neld)構 造 と い う。 この pp・ 層‖]の 障壁 に よ って p形 基板 内 で生成 され た少数 キ ャ リア (電 子)の うち裏 面に向か う ものが反 射 され,電 極 部分 で再結 合 しな くな って,pn ・l達 す る ものが 増加 す るの で,拡 散距離 を長 くす るはた らきをす る。 接合部 に■ 長 波長 光 に対 す る単結 品 Siの 光吸収 係数 は小 さ く,長 波長光 は表 ■iか ら奥深 一 ヽ こヤ ミ 1 図 43 BSF構 10 1()2 水llt'ソ さ ″nl, 1o= 造 の 効 果 (効 率 の 基板 厚 さ依 存性 ) 4 68 各種太陽電池 ιl i4itll ドワェルコ│イ │ 「″、 1画 ,じ ll 図 44 BSF構 p rlll p 造 を もつ 太陽電 池 の エ ネ ル ギー バ ン ド図 い部分 で電子 ― 正孔 対 を71成 す るの で,BSF構 造 は長波 長域 の 感度 を改善 し, 光電流 を増加 させ る こ とに な る。 このほか,pp・ 層間 のエ ネ ル ギー差 が 開放 電 圧 の 増 大 を もた ら し,p・ 層 が 多数 キャ リア の正 fし に 対 して低 抵抗 の オー ム性 電極 とな るの で曲 線 因子 (6■ factor)の 改善 に つ なが る。 この BSF構 造 (HL (high ioW)構 造 とよばれ るこ ともあ る)は ,薄 膜 セ ルにお い て顕 き な効 果 を示 43の 実線 で示す よ うな変換効率 の増加 となる。 (2)電 極 構 造 し,図 電極 はセ ル で発生 した電 力 を損 夫少 な く取 り出す役割 を果 たす もの で,良 好 なオー ム性接触 であ るこ と,直 列抵抗 が低 い こ と,接 着強度 が強 くハ ン ダ付 け 性 が よヽヽこ とが望 まれ る。 受 光面側 の 電極 は フ ィ ンガーや バ スパ ー で構 成 され,そ の パ ター ンや 面積 は,受 光 ロ ス を小 さ くす るこ とと直列llt抗 を小 さ くす るこ ととのかね あ い で決 め られ る。受 光損 失 を小 さ くす るためには,電 極 の 占め る而積 が少 ない ほ どよ い。 一 方,セ ルの 1仁 ダ1抵 抗 は,受 光面側 の 面抵抗 に比例 して増加 し,フ ィンガ ー の 本数 の 2乗 に反比例 して減 少 す る。代 表的 な電極 パ ター ン を図 45に 示 す。 10× 10cm2の セ ル で フ ィ ン ガ ー の 幅 (愕 l隔 ):75″ m(2mm),127″ mm),パ スバ ーの lu(数 ):lmm(4),0 図 25mm(4)な どが 用 い られ て い る。 電 45(t表 的 な電14パ ター ンω (細 線は フ ィンガーー,メ │ぬ き線は パ スパー,大 線 は リボ ン電極 を表す ) m(4 単結晶 シ リコン太陽電池 lえ ,1,方 lJ英 69 ^“ 'it位 Altilズ 図 46 BSR構 造 オ 1嗅 I Alま た1ま Aul (BSF構 造付 さ ) 7%で あ る。 大 rl積 セ ルの場合 , リー ド線用 リポ ンを使 用す るこ とに よ って 直,1抵 抗 を下 げ る。 n層 が 薄 くて添加不純 物 量 が少 極 の 占め る面積 は一 般 に 5∼ ないバ イオ レ ッ トセ ルや 集光用 セルにお いては,微 細 な フ ィ ンガー を多数本 形 成 してあ る。 裏面 の電極 は,良 好 なオー ム性接触 を得 るために,通 常 は全 面電極 とす る。 場 合 に よっては,EK1 4 6に 示す よ うな BSR(back surfacc reflector)構 造 を用 い る こ とが あ る。 裏面 での 光 の 反射 を活用す るこ とに よ り,入 射光 路 で Siに 1分 吸収 され なか った光 が反射光路 で吸収 され て光電流が増加す るほか,半 導 体 では吸収 され な い長 波長光が裏 面で反射 され て表面か ら放 出 され るので,セ ルの 温度 が上 昇 しない,な どの利点があ る。特 に,宇 宙用 な どの よ うに,軽 量 化 の ため に薄型に した太陽電 池 な どで活用 され る。 (3)光 閉 じ込 め構造 a 反射防止膜 Siは 波長 400∼ 1100nm領 域 で 600∼ 350の 大 きな屈折 率 を もつ の で,短 波長域 で 54%,長 波長域 で 34%の 反射損人 が あ る。 この反射損 失 を減 ず るた め に,jJ折 率 の異 なる透 明材料 で反射 防止膜 (anirenec● 。n coaing)を 形成 す る。 反射 防止膜 の最適 の屈)7率 ″ と厚 み グは,入 射光 の波長 を スとす る と , )=4nd, n2= nstno (41) の関係で与 えられ る。 ここに,″ Ыは Siの 屈折率,η oは まわ りの屈折率 であ る。空気 の場合 は ″。 =1で あ るの で,″ =νラЫの 材料 が 望 ま しい。図 47に Siの 反射特性 と屈折率 が約 225の 反射防止膜 を施 した ときの反射特性 を実線 で示す。 b テクスチヤ構造 通常 の太陽電池セルの受光面は平l● な鏡 lllで あるの で,反 射防止膜 を施 して も幾分かの反射は避けられない。図 48に 示す ように,Si(100)面 上に特殊 な 4 70 各種太陽電池 t一 ゛マ一 ︶ 04 05 06 ()7 敲 図 08 長 (″ 09 10 11 m) 47 Siの 反射特性 (1)鏡 予i Si(2)鏡 面 Si+反 射防上膜 (3)テ 処理後 の Si(4)テ クスチ ャ処理 +反 射防 止膜 図 48 ク スチ ャ テ クスチャ構造の概念図 エ ッチ ン グ液 で形成 され る (111)面 の微小 四面体 の ピラ ミッ ド(pyramid)群 で 構 成 され るテ クスチ ヤ Cexture)構 造 では,あ る ピラ ミッ ドの面 で下 方 に反射 した光 が他 の ピラ ミッ ドに 入 って い く多重反射 が 活用 で きるので,全 体 として 反射 が低 減す る。 さ らに,Si内 に人射 す る光 は屈 折 を受 け,図 の よ うに長 い 距離 を進 む の で,等 価 的 に,吸 収係数 が増加 (拡 散 距離 の増加 に相 当)す る利点 もあ る。 テ クスチ ャ処理 を施 した の ち,llll折 率 約 225の 反射 防 止膜 をつ け た ときの 反射特性 を図 47に 点線 で示す。表面 に テ クスチ ャ処理 を施 した太陽電 池は,反 射 が ほ とん どな いの で プ ラ ッ タセ ル (blaCk cell)と よばれ る こ とが あ る。 413 単結 晶 シ リコン太陽電池 の作製法 鋤 図 49に 単結 品 Si太 陽電 池 の作 製工 程 の概 略 図 を示 す。大別 して,基 板 用 の ウエー ハ (wafer)作 製 ■程 と,セ ル (ce■ )作 製工 程 に分 け られ る。 ここでは, 41 単結 晶 シ リコン太 陽 電 池 71 シラン系″ス IT喘 工′チング 図 49 単結IA Si太 陽電池セルの作製■1程 ウエ ーハ作 製工 程 は 直接 には太陽電池 と関係 しないの で概説 に とどめ,単 結 品 Si太 陽需池に特 有 のセル作製Jし 程に重点 をお いて論 じる。 41 65 単結晶 シリコン太陽電池 (Hi)Siの 密 度 が低 い ため に材 料 と して軽 量 であ る。 さ らに,応 力 に 対 して 強 く,厚 さ 50″ m以 下 の薄板 で も強度 は十分 大 きい。 (iv)多 結 晶,ア モル フ ァ ス Si太 陽電 池 と比 較 して,当 然 の こ となが ら,ユ ネル ギー変換効率 が 高 い。 (v)発 電特性 が安 定 であ る。火J子 )や 人工衛 星 な どで実 用 され,20年 以 上に わた っての耐久性 な どが保 証 され て い る。 (vi)エ ネ ル ギー バ ン ド構造が間接遷 移 型であ るために,太 陽光 スペ ク トルの 主領域 では光 吸収 係 数 が 100cm l程 度 と小 さ く,太 陽 光 スペ ク トル を吸 収す るため には約 100″ mの 厚 さの Siが 必要 とな る。 4.12 単結晶 シ リコン太陽電池 の構造 ゆ (1)接 合構 造 a基 本構 造 光照射 に よ って半導体 内で生成 され た電子 と正孔 を分 離す るため には,外 部 か ら電圧 を印加 す るこ とな く,内 部 に作 り付1ナ の電 界 を形成す る必要が あ る。 通常 は,作 製 法 が 確 立 し,特 性 が安 定 で あ る pn接 合 が 用 い られ る。 金属 ―半 導体 接触 に よ るシ ョッ トキー (Schottky)lfiLitで もよい。 単結 晶 Si太 陽電 池の 基本 的 なセ ル (cen)構 造 を図 41に 示 す。 基板 と しては,p形,n形 の い ず れ で もよいが,p形 中の少数 キ ャ リアで あ る電 子 の拡 散 距離 が,n形 中の少 数 キ ャ リアの正子Lの 拡散 距離 よ りも長 いの で,以 下 に述 べ るよ うに,光 電流 を大 き くす るため に,一 般 に p形 力 い られ る(1960年 代 に 入]1衛 星 で の 使 用 を考 "‖ え,耐 放 射線特性 に優 れ て い る p― Siを 基板 に用 い た こ とに も由来 して い る)。 表面部分 に n+屑 を形成 し,n・ p接 合 とす る(n.は n形 の 不 純物 が 多量 に添 加 され て い るこ とを示 す )。 接 合 の 深 さは通常 0 5μ m程 度 で あ る。受 光 面 (n+ バ ス′( ■じ餃 反崎│1方 ツィレ″―t極 1:,典 央漁 極 図 41 '電 単結 品 Si太 陽 電 池 の セ ル構 造 72 4 各種太陽電池 す るため に ,通 常 10∼ 20μ m程 度 の 表 ri層 を化 学 エ ッチ ン グ (etChing)に よ っ て除 去す る。 最 も一 般 的 に は ,HFと H N03の 混 酸 に よ る エ ッチ ン グ で,Si HN03に よ って酸化 され て Si02と な り, これ が HFに 溶解 して エ ッチ ン グ され る。 HFと HN03の 混 合 比 を変 え た り,CH3C00Hを 加 え る な ど して エ が ッチ ン グ速 度 が 変 え られ る。 Si結 辞:の エ ッチ ン グ速 度 が 結 晶 両 方11に よ っ て 異 な る こ とを活 用 し,表 面 に ビラ ミッ ド状 の Pll llを 形 成 す る こ とが で きる。 前 述 の テ クスチ ャ構 造 を作 製 す る方 法 であ るが , これ に つ い て は ,(3)光 閉 し 込 め構 造 形成 法 の 項 で述 べ る。 (2)接 合 形成 法 通常 は p形 の Siウ エ ー ハ の 表面 層 に n形 不純 物 を導 入す る こ とに よ って pn の 少数 キャ リア の 寿 命 を短 くしな い よ 接 合 を形成 す る。接 合 形成 時 に ウ エー ′ヽ ,高 いエ ネ ル ギー 変換 効率 が 得 ′ れ るよ うな不 純 物分 布 が要 求 され る。 不 lt物 導 入法 に は ,ガ ス拡 散 法 , 同相 拡 うな工 夫 (た とえば ,比 較 的低 温 での処理 )と , 散法 , イ オ ン注 入法 な どが あ る。 a ガ ス拡 散 法 添加 した い 不 純 物 を高 温 に保 った 基板 上 に ガ ス状 で 送 る方 法 で ,p tt Siに 対 して , りん (P)を 不 純 物 と して拡 散 し,n形 層 を形 成 す る方 法 が 最 もよ く使 われ て い る。 拡 散源 と して ,P205(■ l体 ),POCL(液 体 ),PH3(ガ ス)を 用 い , Siを 850∼ 950・ Cに 保 って拡 散 す る。 この 場 合,Si内 の 不 純 物 密 度 Ⅳ け )は , 表 面密 度 がつ ね に 一 定 (F%)と して拡 散 方程 式 を解 き , Nけ )=馬 erfc(赫 ) (42) の 補 誤差 関数 で 与 え られ る。 こ こ で,Dは 不 純 物 の 拡 散定 数 で温度 の 関数,′ は拡 散 に 要 した時 間 で あ る。 図 410に 実 線 で不純 物 分 布 を示す。 一 般 に ,抵 抗 率 lΩ cm程 度 の p Si ttlltに ,n ttj百 の 不 純 物 密 度 2∼ 4× 102° cm 3,深 さ 0 5μ m程 度 の 接 合 を形 成 す る場 合 に は,表 ni層 の 不 純 物 密 度 が 102cm 3程 度 とな る。 後 述 す る よ うに,不 純 物 の 高 濃 度 添加 の ため に 変 換 効 率 が低下 す る問題 点が あ る。 バ イオ レッ トセ ルの場合 , この 表面 jぎ を酸化 し , これ をエ ッチ ングで 除 去 して 01∼ 02′ `mの 薄 い n+層 とす る。 同 じ抵 抗 率 の 基板 を用 い て も,接 合 深 さを 01∼ 02″ mに す るよ うな拡 散条件 を設定 す るこ ともで きる。 ガ ス拡 散法 では,基 板 画 面 で拡 散 が行 われ るの で,裏 面 に形 成 され る pn接 合 を拡 散後に除 去す る必要 が あ る。 短波長光 は,半 導体 の光 吸収係数 が大 きいの で,表 面付近 で吸収 され,そ の 部分 で電 子 -1■ L対 を生 成す る.接 合 が深 い場 合 には,表 面付近 で生 成 され た 少数 キャ リアで接合部 に到達す る ものが少 な くな る。 さ らに,表 面 での再結合 速度 が大 きい場 合 には,生 成 され た電 r― 正孔 対 がす ぐ再結合 して消 滅す るの で,同 様 に,接 合部 に到達す る少数 キャ リアが減 る。光電 流 を大 き くす る過程 で,短 波 長応答 をよ くし,光 電流 をtll大 させ るため に接 合部 を極 力浅 くし(01 ∼ 02″ m),表 面 再結 合速度 も小 さ くす るのが望 ま しい こ とが提 言され た。短 波長域 に感度 を もたせ るため に n層 を薄 くし,か つ 少数 キ ャ リア の 拡 散 距離 を大 き くす るために不純物 をあ ま り添 lJし て い な いセルが提案 され,こ れ をバ イオ レッ トセル (violet cell)と よん だ。 41 単結 晶 シ リコン太陽 電 池 73 1 夕ヽ ヽ■ ︶ 2 督 督 01234 深 図 b 410 さ tr/72′ うア 拡 散 法 に よ る不純 物 分 布 (実 線 関数 分布 ,点 線 :″ ウ ス分 布 ) : 固相拡散法 基板表面 に不純物 を含んだ拡 散剤 を堆積 し,つ い でその不純物 を高温度 で基 板 中に ドライブ イン (dHve in)さ せ る方法 であ る。 この場合 は,表 面 での 不純 物密 度 の総 量が一 定 として , NO=(潟 ァ)ex〈 岳 にD ) のガ ウス分布 で与 え られ る。 この 不純物分布 を図 410に 点線 で示す。 拡 散剤 の堆 積法 には,CVD(chemical vapor depositiOn)法 と, ス ピンオン (spin on)法 ,ス プ レー (spray)法 ,ス タリー ン (screen)印 刷 法 な どの 途布法が あ る。拡 散 剤 として P206を アル コー ル な どの 溶剤 に 溶解 して塗布 す るが,こ の場 合,均 ― に塗 布す るこ とが必 要 とな る。 CVD法 を活用 して不純物 を含有 した Si02(ド プ ドオキサ イ ド :doped oxide)を 堆積す る方法 では均 ― な堆積 が で きる。拡 散剤は基板 の一 面 のみ に堆積 す るの で裏面拡 散層は形成 されず , 拡 散後に除去す る必要 は ない。 しか しなが ら,端 面には接合 層 が生 成 され るの で, これ を除去す る必要 が あ る。 この 方法 は,同 時 に 多景 に処理 で きる利点が あ るが,堆 積 と ドライブ イ ンの 2:r程 が必要 であ る。 ● イオ ン打 ち込み法 不純物 の分布 を制御 で きる優 れ た接合 形成 法 で,不 純物分 布 MD=(洗 )α 4-げ } ltr(″ )は , 4 各種太陽電池 一 墨 〓薇● 一督 c¨ し―夕濃,1ヽ )■ 2π σ l σ 株 さ(■ ′ ,日 盛 ' 図 411 の ガウス分布 で jJえ イオン打ち込み法による不純物分布 (Rは 投影飛程,σ は標準偏差,Mは ドー ズ量) られ る。 ここCMは Rは 投 影飛程 (分 4iの ビー ク位 五),σ 才rち 込み イオ ンの ドー ズ(dose)量 , は分 布 の 標 準偏 差 で,こ れ らは イオ ン 種 と打 ち込み エ ネル ギー で決 まる。 図 4Hに 不純物分 布 の例 を示 す。 太陽電 池セ ル用 には,2× 10“ cm 2程 度 の ・ 1)+を 5kV程 度 の加 速 電圧 で打 ち込 む。 この方 法 は,打 ち込 み時 に Si基 板 を高 温 に しな くて もよいの c基 板 の 少数 キャ リアの 寿命 を低 ドさせ る恐れが少 ない。 イオ ン打 ち込 み され た Siに は,表 面層 にお い て高濃度 の格子 欠陥が 発生 し, 打 ち込 まれた イオ ン も電気的 に活性 な不純物状態 に な って い な い。 そ こζ 打 ち込 み 後 に ア ニー ル (anneal)を 行 い,格 子 欠陥 の 除去 と打 ち込 み イ オ ンの 活 性化 が必要 となる。 ア ニー ルの方法 には,熱 ア ニー ルの ほか, レーザ 法,電 子 ビー ム法,フ ラ ッシュランプ法 な どがあ る。熱 ア ニー ル では,オ lち 込 み層 の ダ メー ジは 固相 エ ビ タキ シー過 程 に よ って 除 去 され る。電 気 炉 を用 い て 3段 階 C,15分 :550・ C,120分 )に 分 け て 行 ,ダ メー ジ エ の 」相 ピタキンー,打 ち込み不純物 の活性化 ,少 数 キャ リアの寿命 領域 回復 の 向上 を図 ってい る。熱 ア ニ ー ル を短 時 Hl(800。 C,3分 )で 行 う試み もあ る。 パ ル ス状 の レーザや電 子 ビー ムに よるア ニー ルは,液 相 エ ピタキ シー過程 に よ って行 われ るが,急 激に冷却 され るの で,点 欠陥が残 る恐 れが あ り,熱 ア ニー (例 :550° C,120分 :850° │ヽ l■ ル を必要 とす る。連続波状 の場 合 には 「 J:程 が短 くてすむ。 1相 エ ビタキ シー過程 とな り,ア ニー ル 41 75 単結品 シ リコン太陽電池 (2)電 極 形成 法 a オ ーム性 電 極 太 陽電 池 セ ル で発生 した 電 力 を損 失 少 な く取 り出す役 割 を果 たす もの で, こ の 部分 で整 流 の な い こ と, 直列 抵 抗 が少 な い こ と,接 着 強 度 が 強 くハ ン ダ付 け 性 が よ い こ とな どが望 まれ る。 オ ー ム 性 電 極 (ohmic contact)形 成 法 に は ,蒸 着 法 , メ ノキ法 ,印 刷 法 な どが あ る。 (i)蒸 着 法 :高 効 率 の 太 陽 電 池 セ ル を 作 製 す る一 般 的 な 方 法 で ,NL Au, Ag, Ti, Pd, Alな 一 般 的 c05μ llt抗 Ti Agが ilKも μmの Agが 直列 ど力洲 ∫い らオしる。n tt siに ナ│し て は m程 度 の Tiが オー ム性 電極 を,そ の 上 の数 を ドげ るため に使 われ , この 11を ハ ン ダで 被覆 して湿 気 中 での 電 気化 学 反 Agの 間 に 数 100 nmの Pd薄 膜 を挿 人 して信 頼 性 を 卜げ る 方 法 もあ る。 Ti Pd Agの 代 わ りに T'Ni Cuを 右 , この Lに Cu メ ッキ す る 方 法 もあ る。 p tt Siに 対 して は Alの 本 着 後 550∼ 600・ Cで 5∼ 30 応 に よ る劣 化 を防 ぐ.Tiと 71・ 分 熱処 理 す る 方 法 が採 られ る。 本 藩 法 は パ ンチ │(batch)式 工 不 1で あ る こ と , 材 料収率 が lltい , な どの 欠点 が あ る。 (ii)メ ッキ法 :Niの 無電 解 メ ッキが 最 も一 般 的 に 使 用 され て い る。 メ ソキ中 に Si表 面 に′ [じ る酸 化 膜 の ため に 接 着 力や 良 好 な オー ム 性 接 触 を得 る うえ で 300C程 度 で熱処 理 す る こ とに よ って解 決 で Pd薄 婿 を挿 入 して熱 処 理 して も よ い。 Si上 へ 50nmの Pdと 2 Niま たは Crの メ ッキ後 に 400・ C程 度 で熱処 ■1し ,3-4μ mの Cu の 問題 点 が あ ったが , メ ノキ後 に き る。 中間 に ″m程 度 の を メ ッキ して Fl列 抵 抗 を下 げ る方法 もあ る。 メ ッキ法 では ,電 極 パ ター ン用 の マ ス ク材 料 の 選 択 が重 要 で あ る とと もに ,工 程 上 では ,マ ス クの 装 看 :11程 , メ /キ 液 の 管理 が必 要 とな る。 (iii)印 刷 法 i n tt Siに 対 して は,Ag粉 木 とが ラ スフ リ ッ ト(glass fnt i溶 解 前 の ガ ラ ス粉 )を 有機 物 バ イ ン ダ と混 合 した Agペ ー ス トを原 料 と し, ス ク リー ン 印 lllし た 後 ,熱 処 理 して電 極 とす る。 印‖1焼 成 した電 極 上 に Cuと Sn を メ ッ キ して そ の 11を ハ ン ダ被 覆 し,「 1列 抵 抗 を ドげ る こ と もあ る。 p tt Si に 対 して は ,Alペ ー ス トの 日l刷 後 ,熱 処理 を行 う。 ハ ン グ付 け を可 能 に す る Agペ ー ス トを 印 刷 焼 成 す る こ と もあ る。 反 射 防 止 膜 (TiO〕 を堆 積 した Lに Agペ ー ス トを電 極 パ ター ン トに印刷 ,高 温 (約 850・ C) で熱処理 して,反 射 防 lLI史 を通 してti極 を形成 す る方法 もあ る。 印お1法 は ,生 1 何枚か をまとめて処理す る方式 をいい.連 続工程 ではない。 た め に ,Al電 樹 1に 76 4 各種太陽電池 産性 に 富み, 自動化 が容 易 で,材 料 の収率 もよい利点が あ る。 b特 殊 電 極 (i)BSF構 造 in+p太 陽電 池に お い て裏 面 に pp+構 造 を形成 す る もの で , CVDま たは ス ピンオ ン法 な どで堆積 した固相 源 か ら拡 散 法 に よ って Bを 導 入 す る方法 のほ ハ イオ ンオ 「 ち込 み に よ る方 法 もあ る。最 もよ く使 われ る方 法 は,蒸 希 または 印刷 法 に よ って Al用 を堆 積 し, これ を 700∼ 800・ Cで 熱処 理 して p‐ Siと す る方法 であ る。 (五 )BSR構 造 :n'p太 陽電 池 セルの裏 面 を鏡 面仕 上 げ し,Alな どの金 属 を 蒸着 法 で堆積 す る。 Alに 比べ て,Au,Ag,Cuな どの方 が,太 陽電 池裏 面 で の反射 が よいの c長 波長域 (波 長 :10∼ 2 5μ m)で 太 陽電 池 セルの表面か ら 外部 に抜 け 出 る光 が 多 くな り,BSR効 果 が達 成 で きる.図 412に BSR構 造 の効果 を示す。 温度上昇 も 15Cほ ど少 な くてす む。 (3)光 閉 じ込め構造 形成 法 a 反射防止 膜 反射防 止膜 として用 い られ る材料 の屈 折率 を表 41に 示 す。 1層 の 反射 防 lL 膜 としては,lli折 率 18∼ 19の SiOが 最 もよ く使 われ る。 この ほか,Ce02, A1203,SLN4,Sn02,Si02 Ti02な どが用 い られ る。 2層 の 反射 防 止膜 の場 合 には,Ti02,Ta20sの よ うに屈折 率 の 大 きい もの を用 い る。 形成 方法 には , PVD(physical vapor deposition),CVD, お よびその他 のIIE積 法 が あ る。 (i)PVD法 :蒸 着 や スパ ッタな どに よる方法 で,SiO,Ce02,Ti02,Sn02, Ta205膜 が この 方法 で堆積 され る。 膜質 は,基 板 温度や蒸清速度 に よ つて影響 され る。 100∼ 250・ Cの 温度 で,比 較 的堆積 速 度 を下 げ て堆積 す る と,透 過卒 BSR 十寒メ ¨ 喪山il竜 山 i │"山 iテ 図 4 12 BSR構 造 の効果 クスチ│ 41 単結晶 シ リコン太陽電池 豪 お│ Si02 Mg「 2 Si02 T102 作積材料 の加1折 率 鉛 れI折 率 1 44 1 44 180∼ 196 A1203 1 86 Ce02 1 90 Ю地Ⅷ枷℃ オ オ 41 ホ オ 料 ル1折 ■ ` 180∼ 190 2 00 2 00 2 20∼ 2 26 2 30 の よい膜が得 られ る。 電子 ビー ム蒸着法 に よる Sn02や スパ ンタ法 に よる ITO ndium in Oxide)な どは導電性 が あ るの で,先 i絡 電流 の増大 とともに曲線 因 MgF2を 逐 次 蒸蒼法 に よ って堆 積 し,2層 の 反 射 防 止 膜 を作製す る と,反 射損 を約 4%に までllt減 で きる。 PVD法 は,優 れ た膜 質 子 “ も向 卜す る。 TaOxと を得 る方法 であ るが,パ ソチ式工程 の ため,生 産性 に劣 る。 (ii)CVD法 :減 圧 CVD,プ ラズマ CVD,常 圧 ドで の スプ レー CVD法 な ど が あ る。 Si02, Sn02, Si3N`な どが 減 lE CVD法 でjtt積 で き る。 Sn02は , SnC14を 原料,Arを キ ャ リアガ ス と して,450・ Cで 02と 反応 させ ,約 700 nm の厚 さ とす る。 Si3N4で は 780・ Cで 堆積 後,550・ Cで 2時 間 の ア ニー ル を施 す な ど,比 較 的作 製温度 が 高 い。 プ ラ ズマ CVD法 は,減 圧 法 に比 べ て 300・ C程 度 の低 温 でjIL積 で きる特徴 が あ る。 Si3N4が よ く用 い られ る力ヽ 分解 ガ ス 中の H原 子 に よって表面,界 面が不 活性 化 され,特 に 多結 晶 Si太 陽電 池 の場合 特性 が 向上 す るな ど付 加 的要素 が あ る。一般 的 に,CVD法 もバ ンチ式 Ji程 で , あ るの で量産性 に劣 る。 300∼ 400・ Cに 加 熱 したセ ル上 に SnC14の エ チルアセテー ト溶液 を吹 き付 け , 加 熱分解 に よ って Sn02を 得 るスプ レー CVD法 は,安 価 であ るが,均 質 な膜 を再 現 よ く得 られ るよ う:li程 管理 が必要 であ る。 (iii)そ の他 の 方 法 :ス ピ ン オ ン法,ス プ レー 法,デ ィ ップ (dip)法 な どで塗 堆 積 後,熱 処 理 に よ って 堆 積 物 を反 射 防 止 膜 に変 換 す る方 法 が あ る。 布 Si02,Ti02,Ti02 Si02混 合 系 な どを ス ピ ン オ ン法 で反射 防止膜 に す るこ と や,拡 散剤 の P20,を Ti02塗 布剤 と混合 した液 を ス ピン オ ン して熱処理 を し , pn lPK合 と同時 に形成す るこ ともで きる。 これ らの 方法 は,連 続生産 が 容易 で , コス トも安 くな るが,均 質 な膜 を得 るために,総 布液,塗 布 条件 の工 程管理が 重要 であ る。 b テ クスチ ヤ構造 II述 した Si(100)面 Lの 選択 エ ッチ ン グに よる (111)面 ピラ ミッ ド構 造 は , 4 図 413 各種 太陽電池 テ クスチャ構造の模11図 ヒ ドラ ジ ン 60%の 水 溶 波 を 110。 Cに 保 っ て 10分 ‖j浸 す 方 法 や ,1%の NaOHの 水溶液 を沸騰状 態 に保 って約 5分 浸せ ば 得 られ る。模 型図 を図 413 に示す。 フ ォ トリソグラフ ィとエ ッチ ン グを用 い て,{111}面 の 2稜 面 か らな る屋 根型構造 をつ くるこ と も可能 であ る (具 体例 は lX1 4 19に 示す)。 414 (1)理 単結晶 シ リコン太陽電池の 高効率化 論 効率 単結 晶 Si太 陽電 池のエ ネ ル ギー変換 効率 (energy conversion efnciency)の 理 論的 な究極値 は,詳 細 平 衡 の 原JIEを 用 い て ,汁 算 され て い る41禁 制l帯 幅 以上 の エ ネル ギー を もつ フ ォ トンはすべ て電荷 9,電 圧 ■L/ク & の電 子を生成 す る と仮定 して,6000Kの 黒体 輻射 に相 当す るプ ラン クの分布 式 を採 用 す る と , 変換 効 率 は Eg=1 leVで 最 大値 を と り,そ の 値 は 44%と な る。 しか しなが ら,現 実 の pn接 合 セ ル では次 に述 べ るよ うな損失 が 存 在す る。 ここでは,pn 接 合特性 を基に して,理 論的 に 予想 され る変換効率 につ い て論 じる。 太陽電 池 の エ ネル ギー変換効 率 ηは,セ ルか り出せ る最 大 電 力 (J鷺 )と ',取 太陽光 スペ ク トル全体 にわた っての 光入力 (■ n)の 比 で 与え , __ P^ _ l^v^ _ I""v*r-F'/- P,^- Pt,, Pi^ とな る。 こ こに,In, FFは 短絡電流 ')れ (4, liは 域火 電 力 を ケえ る と きの 電 流 と電 圧 ,た , レ■ , hort drcult currenO,開 放電圧 (open clrctllt votagcl,曲 あ る。 図 414に 太 陽電 池 の 光 照 射 時 の 出 力特 性 を示 す 線 因子 (ln factor)で “ が,性 能 を特徴 づ け るの は,ム で , レ■,FFの 三つ の量 であ る。 41 Hi結 品 シ リコン太陽電池 79 増一 い一 , 図 1[ │〔 : 414 太陽電池の光照射 の特性 短絡電 流は,Siの 禁制 帯幅 1 leV tt liの エ ネル ギー を もつ フ ォ トンが,理 想的には,外 部 回路へ l l13jの 電子 を放 」:す る と考 え,太 陽光 の 各波長 におけ る フ ォ トン数 を用 い て計 算 す る と,短 絡 電 流 密 度 ノ、 と して,AM 15(832 mw/cm2)で 37 7mA/cm2, AM O(135 3 mW/cm2)で 54 2mA/cm2と きるい。 開放電rL 1/。 r浪 1で cに 対 しては,根 本的 な限 界は解析的 には決 め られ な い。理 想的 な pn接 合 では, ′1は , 臨=争 h(キ +⇒ 0 で与 え られ る。 ここに,rOは pn接 合 の 暗 時 の逆 方 向飽 和 電 流 で あ る。 “ レ 缶 を 大 き くす るため には,I。 は で きるだけ小 さい方 が よ い。 Siの 場 合 ,高 性 能 の 太陽電池 として期待 され る 7。 cの 最高値 として 700 mVが 考 え られて い る。 曲線 因 子 FFは 開放 亀 iの 関 数 で,経 験的 に , FF=… で 与え られ るつ。 ここに,lkは ,4=レ (4 7) tc/(ん r/″ )で 与ぇ られ る規 格化 され た 開放 電圧 であ る。 ‰ =700 mVに 対 しては,式 (47)よ り,FF=0846が 得 ら れ る。 したが って,AM 15(83 2mW/cm2)の 太 陽光 に 対 して,理 論 的 に ,測 さ れ る変換効率 の 最大値 71naヌ は, 笏α=守 とな る。 ιy6=%5% (40 4 各種 太陽電池 (2)高 効率化 の基本的考 え方 現実 の太陽電 池にお い ては,次 の よ うな要素 が エ ネ ル ギー 損 失 となる。 (i)反 射 損 失 :半 導体 表面 での 反射 に よ って太 陽 光がす べ ては半 導体 に 入 射 しない ために」iじ る損人 であ るが,反 射 防止膜,テ クスチ ャ構造 の採 用に よ ってか な り小 さ くで きる。 (li)透 過 損 失 :禁 制帯 幅 よ り小 さいエ ネル ギー の フ ォ トンは半 導体 に吸 収 されず に透過 す るの で,エ ネル ギー 変換 に寄与せ ず,太 陽光 ―→ 電気 エ ネル ギー 変換 としては損 失 とな る。 11由 キャ リアに よる吸llkは 存在 す る。 (ji)光 エ ネル ギーの不 完全利用 損失 :半 導体 に吸収 され たフ ォ トンの もつ エ ネル ギーが禁制帯幅 よ り大 きす ぎる部分 は半導体 の結 晶格 子 に その エ ネ ル ギー を移 して しまい,熱 に変換 され るの で,IFt失 となる。 (iv)再 結合 損失 i生 成 され た電 子 と正孔 が表面 お よびパ ル ク内 で再 結合 して しま うと光 電流 に寄 与 しな くな る。 その ために生 じる損失。 (v)電 圧 因子損失 :pn接 合 を利用す る場 合 には,最 大取 り得 る電 圧 は拡散 電 位 で,通 常 , フェル ミ準位 が禁制帯幅 内に存在す るの で,禁 制帯 幅 に相 当す る 電圧 以下 であ る。 す なわち,開 放 電圧 が禁制帯幅 に相 当す る電位 差 よ りも小 さ いため に生 じる損 失. が 0で ない こ とや オー ム性接 触部 におけ る い 抵抗 が 直列抵抗 とな る。 また,理 想的 な pn接 合 であれば漏れ電 流 は な が こ 現実 には,漏 れ電流 の ため に pn接 合 に並列 の抵抗 が 存在 す る こ とに な る。 (宙 )曲 線 因 子損失 :` 卜導体 のllt抗 , れ らの 直 や並列抵抗 に よる損失。 'lllt抗 の 太陽電 池 を実現す るため には, これ らの諸損 失 を小 さ くしなければ な らな い。 この うち,(五 ), CH)は 原理 的 に変 え よ うが な く,半 導体 材料 が Siと 決 まる と,そ の 禁制l帯 幅 で この損 失 量が 決 ま る。 (v)に つ い て も原理 的 純物 添加量や構造 に工 夫 を加 え るこ とで部分 的 に に発生す る損失 であ るが,イ く 高効率 は改 良 で きる。 したが つて,高 効率 化 は,(i),(iV),(vi)を 小 さ くす る こ と に帰せ られ る。 太陽電池 の効率 は,前 述 した よ うに,短 絡電 流 と開放電 圧 に よつて決 まるの べ い で,以 下 では,そ れ らの値 をいか に して大 き くして い ったかにつ て述 る。 (3)高 効率化 の進展 03∼ lΩ Cmの p― Siを 用 い て,拡 散 で pn接 合 が つ くられ (接 合 深 さ 0 5μ m付 近 ),表 面 不 純 物 密 度 は (2∼ 4)× 10" 標 準的 な太陽電 池は,通 常,抵 抗率 cm 3で あ った。 表 面付近 におけ る不純物 密度 が非常 に高 いの で、 この領域 に 41 81 単結品 シリコン太陽電池 おけ る少数 キャ リアの寿命 が小 さ く(拡 散距離 が短 く)な って,光 照射 に よ っ て 形成 され た電子 ―■1孔 対 が接合部分 まで到達 で きず,光 電 流に寄与 しな くな る。 この結果,変 換効率 は 11∼ a 14%ど ま りとなって い た。 短絡 電流 の改善 接合 深 さを 02∼ 0 3μ mに 下 げ,不 純 物密 度 を 1桁 小 さ くして,短 波 長域 の光 応答特性 を改良 した バ イ オ レ ッ トセ ルの 出現 に よ って,AM トルに対 して,変 換 効率 lの スペ ク 。 15%が 達成 され た 。 これ に加 えて,Si表 面 に 異方 性 エ ンチ ン グを施 して表 ri反 射 を低減す るテ クスチ ャ構造技術 が採 り入れ られ たつ。 Si表 面 の 反射 率 が 35∼ 45%か ら 20%に 減 り,適 当 な反射 防 止膜 と組 み 合 わせ る と,広 tlt長 域 にわた って反射 率 を数 %以 ドに まで減 少 させ るこ と が で きる。 バ イ オ レ ッ トセ ル とテ ク スチ ャ構 造 の組 み 合 わせ で,AM oの 短 絡電流密度が 36 mA/cm2か ら 46 mA/cm2へ と増 加 した。 これ らの 改良 をす べ て∬1み 合 わせ て,短 絡電流密度は理論値 の 90%以 上が得 られ るようになっ た。 n'p構 造 では,p層 の裏 面全 I[に つ け た ォー ム性 電極部 で,光 Л〔射 に よって 生成 され た少数 キャ リアの電 子 の 再結合 がleこ り, その分 が光電流 に寄与 しな くなる。 n pp+構 造 に して,pp工 間に存在す るエ ネ ル ギー差 を少数 キ ャ リアの 電 rに 対す る障壁 として再結合 を減 ら し,電 rの みかけ上の拡散距離 を大 き く して,長 波 長域 の 光 lLN答 特 性 を増加 させ る BSF構 造 (HL構 造 )が 同 じ頃 に提 案 され たり。 BSF構 造 の効 果 は,p+眉 が 多数 キャ リアの正 イしに対 して 良 好 な オー ム性 電極 とな って 直ダ1抵 抗 を減 らし,pp+間 のエ ネル ギー/Yが 開放 電圧 の L昇 を もた らす な どの利点 ももって い る。抵 抗率 が 10 0cmの p― Siを 用 い て, 550 mVが 600n,Vに 改善 され た例 もあ る。 b 開放電圧 の改善 開放電圧 の増加 は太陽 電池 の効率 の 向上 に役 立つ のみ な ′ )ず ,曲 線 因子 を向 Lさ せ るこ とに もなる。 開放 電圧 1/.は ,式 (46)か ら,近 似的 に , ‰=子 h(券 ) (4 9) と与 え られ るの で,こ の 改善 の ため には,太 陽電池の 暗時 の逆方 向飽和電 流密 度 J。 の低減 をFKlら なければ な らない。 この 電 流は,n+リ ピか ら pり │へ の電 子 の 注 人,p層 か ら n.層 へ の正 イしの注入 で決 まる。 n+層 が 薄 い こ とを考 えに入れ て pn接 合 の特性 を解析 す る と,晴 時 の逆 方 向 82 4 各種太陽電池 におけ る飽和電 子電流密度 ム。お よび飽和 ili孔 電 流密度 ゐ )は ,そ れ ぞれ ん=Ⅲ 2乱 ′=α 鮮(SP+十 ,。 , 10) “ (411) ) と表される。 ここに,ぁ は真性 キャリア密度,2,Inは p層 での電子 の拡散 ,Spは n・ llfで の IF子 しの寿命 および表 ru再 結合速度,IVD, =ら Aλ はそれぞれ n+,p層 の ドナーおよびア クセプ タ密度 で,鋤 は接合深 さであ る。式 (411)で は,n‐ 層が薄 いこ とによって,注 人された少数 キャ リアが表 定数 と拡散11離 面で再結合す るために生 じる衣予i再 結合電流が考慮 されてい る。 n 層 での不純物 の 高濃度 添加 は,(i)結 辞l格 子にひずみ を もた らすため に,等 価的 に禁制帯幅 Egを 低下 させ,そ れに ともな う真性 キャ リア密度 η を増加 (∼ 10"cm 3の 不純物密度 の場 合,∠ &=60∼ 100 meVの 変化 を もた らし, η∝exp(Z島 /″ T)に よつて ″′は 50倍 の増加 になる)さ せ る,(")格 子欠陥の増加,お よびオー ジェアi結 合の増加 によって少数キャ リア llEイ L)の 寿 い 命 ら を低下 させ,こ れが /pOを 増加 させ る。 さらに,(lil)n+層 が 薄 ことに よって,表 面 での再結合 の効果が現れ,ふ 。の増加 を引き起 こす。 高濃度 の不純物添加による(i),(H)の 効果を考lLIし て、」pOの Sp依 存性 を O 0 Ю Ю l 1 ギ 〓 L やし ヽ、P F製〓ミ剌 raミ じ ︵ , 10 10 101 102 108 i今 速 表由iド 図 415 '響 1o( 106 10= 2(cm/S) l・ 逆方●1飽 和電流密度 の 計算1ぽ t正 イLlこ よる電流 の 友面再結合速 度依存性 (乃 =0 2μ mと して計算 ) 41 83 単結品 シリコン太陽電池 「 算 した結 果 を図 415に 示 す9ヽ 基板 の p― Siの 抵 抗率 に よ って,式 (410)で 言 与え られ る 九0が 桁違 い とな って表 され て い る。接 舎 深 さは 0 2μ mで ,72. ら が添加 ドナー 密度 ⅣЬ依 存性 を もつ こ とが考慮 され て い る。逆 方 向飽和 電 流 和 で ケえ られ る。 基 板 に 0 10cmの p― Siを 用 い る と "の き,Sp=103cm/s以 下 に しない と,/。 が増加 す るこ とに な る。 密 度 ん は 」ncと ノ 逆 方向飽和電 流flt減 の ため には J.。 ,ノ pOの 低減 を図れば よい。 式 (410)か ら わか るよ うに,ノ noの 低 減 には ドープ 路 :Ⅳ Aが 大 きくて電 ■のll■ 散 距離 Lnの 長 ´ い ものが望 ま しい。 ん。が 長 い とす る要 Iriは 光電 流 を大 き くす る方 致す "Jと 改 で るが, ドー プ 景 ⅣAが 増す と Lnは 短 くな る。 基板 の選択や プ ロセ スの 良 パ ル ク内での再結合が に要 な因子 とな る /。 0は 十分 小 さ くす るこ とが で きる。 一 方,ノ pOに は,薄 い n層 内 とその表 面 で の 再結 合 が 大 き く影 神 を ケえ る。 したが って,II濃 度不純 物 添加 を避 け て ら を増 大 させ る こ と,な ')び に 表■i li結 合速 度 島 を減 少 させ るこ とが望 ま しい。 しか しなが ら,た だ 単に n十 層 ● の不純物添加・ i馬 を下 げ るだけ では直列抵抗 が 大 き くな って 太陽電 池 の性 能 が悪 くなるの でおi意 しなければ な らない。 接合 か ',表 面 までの厚 さの うち 90%程 度 を 10輛 ∼ 10′ cm 3の 濃度 と し,表 ■ittiこ の ご く薄 い層 を,1[列 llt抗 や接 触llt抗 を下 げ るため に,高 濃度 (n'llVIの が提 案 され,通 常 の BSF構 造 で開放 電 rlが 6001anV Ю 程度 であ るの に対 して 640 mVが 達成 され た ヽ また,図 416に 示 す よ うに 形成 )に す る表 mi HL接 /‐ , n‐ 層 を不純 物 添加 に よって作 製す る代 わ りに正 の 空‖‖電荷 を内蔵 す る酸 化 膜 を堆積 し,酸 化 膜 と n形 の 間 に電 子 を蓄積 させ て 見推Hナ Lの n+nの HL接 合 を形成 させ て,開 放 電 圧 を 634 mV(AM l,25・ C),642 mV(AM O,25・ C)に 1い 改 諄 した例 もあ る 。 酸化膜 を用 い て表面 パ ソシベ ー シ ョンを行 い表 面での i,結 合 を下 げ る試みが 人mitl・ ll Al A/・ イ し物 n4`│卜 ′ nlJ`"│ 央nlこ 図 416 │ │・ 酸化 物 誘起 HL接 合 11 │,111カ 人 的i:El・ │「 1彙 │・ Iて │ :1萱 '1,力 ↑ l ini l l l ↑ ■ iiし “ 喪mllt極 極 lal卜 lINP IM,t 図 ヽ ′Jン ヒ1彙 ′ヽ シ´ ll〕 ' A,イ 1青 'L 4 17 MINP構 造太陽電池2) い ろい ろ と 11夫 され て い たが,開 放 電圧 を L昇 させ るため に提 案 され た,EXl 417(a)に 示す MINP(metal insulator np)構 造 に よ って, 1/_は 飛躍的 に向 11 した。従 来法 (図 417(b))で は,光 電流 の収 集電極部 で金属 と半 導体 が 直接 に 接 して い たため に,暗 時 の逆 方向飽不u電 流 に, この部分 での再結合 電流 が大 き く影響 を与 えて い た。 MINP構 造 では,n+層 表面 での再 結合 を防 ぐため に , 2-3nmの 薄 い Si02層 を熱酸化 法 で形成 して い る。 表面 での再 結合 が減少 す るの で,逆 方向r」L和 電 流 を減少 させ る とともに,光 照射 に よって生成 され た電 子―正7L対 の表面再 結合 も防 1卜 して い る。 キャ リア収 集 の 金属電極 と半 導体 の 間に も薄 い酸化膜が存在す るが, トンネル効果 に よって「 分 な電 流が流れ るの c短 絡電 流には大 きな影響 を与 え ない。 表 面電 極 に は Ti い て い る。Tiの Pd聴 構 造 を用 よ うな低 い仕 事 関数 を もつ 金属 の採 用 に よ って,電 極 下 で の Siに 静 電的 に キャ リアの 蓄積 層 を誘起 して い る。 この考 えは,接 触 部 に おけ る再結 合 を最小 にす るため に た いへ ん 重要 で あ る。 反射 防 止膜 には,ZnSと MgF.の 2層 構造 を採用 して い る。 2× 2cm2セ ル で,開 放 電圧 は ‰ =694 mV 佗 (AM O,25・ C)と 飛 ilF tt i色 歩 を み せ て 700 mVに 近 づ き ヽ 変 換 効 率 16% (AM l,28・ C)が 達 成 され た0。 さ らに,lL抵 抗 の Si基 板 を使用 し,拡 散 を浅 くす る とと もに,BS「 構 造 お よび BSR構 造 を活用 して短絡 電 流 を増大 させ る試み も行 われ た。 表面 の金属 電極 を メ ッキ法 で形成 して厚 くす る こ とに よ って 直列 抵 抗 の低 減 が 図 れ るの で,被 覆割 合 を下 げて光 の取 り入れ mi積 を大 き くし, さらに,2111の 反 射 防 止 15,100 mW/cm2,28・ C 49mA/cm2, レ缶=641 nlV,FF=0822で 変換 効 率 η= 膜 を施 してい る。面積 4 01cm2の 太 陽電 池 で,AM の 条件 ドで,ノ、 =35 。 187%が 得 られ て い・ る l表 面 の 電極 被 覆率 が 68%で あ るが,電 極 の ア ス 41 85 単結晶 シ リコ ン太陽電池 ペ ク ト比 (膜 厚 御日)を 1程 度 にす れ ば , これ を 4%程 度 に下 げ られ るで あ ろ う との 見通 しが 出 され た。 415 高効率単結晶 シ リコン太陽電池 198441頃 か ')単 結 晶 Si太 陽 電 池 の 変 換 効 率 が 飛 躍 的 に増 大 した。 こ こで は,こ れ らの 高効 率 太陽電 池 の例 を,非 集光 型 の 平 IHlパ ネ ル (nat paneD,大 面積 太陽電 池,お よび集光 11太 陽電 池 として と りあげ,基 本 的 な考 え方 と性 能 につ いて論 じる。 (1)平 面パ ネル 太陽電池 a. PESC 図 418に PESC(passivated cmiter sOlar ceH)構 造 を示す。 基本的には MINP構 造 セル と類似 であ るが,表 面電極部 の構造 に違 いが あ る。 基板 には , 高品質 で低抵 抗率 (0 2Ω cm)の Bを 添加 した FZ Siを 用 い て,逆 方 向飽 和 電 流へ のパ ル ク領域 での 再結合 の寄 与 を少 な くす る とともに,長 い少数 キャ リア 寿命 を活用 して光電 流 を大 き くして い る。800∼ 950・ Cに おけ る Pの 拡散 に よ る,深 さ o2μ mで 面抵 抗 が loo∼ 300Ω /1Jの pn接 合 を用 い,そ の に 上 ,800 ∼ 850・ Cで 10nmの 酸化膜 をパ /シ ベ ー シ ン ョ 用 に堆 積 して い る。飛 躍 的進 歩 をみせ た MINP構 造 では,表 ruパ ソシベ ー シ ョンが生 か され て い るが ,金 属 電極 と n+siの ‖1に 極 薄 の絶縁 膜が あ り,光 電 流は この部分 を トンネル 効果で 通過 しなければ な ′ ,な い。 これ を避 け るため に,表 面の /「‐ l14電 極 と n Si層 と の 直接接触部 を微小領域 に制 限 して逆 方 ,飽 和電流 を低減 す るとと もに,光 電 流収集率 を上 げ る工 夫が図 られ てい る。 “ フ ォ トリソグラフ ィi「 1程 で窓 を開け , Tiと Pdの フ ィンガー 電極 を形成 して い る。 この 卜に 8″ mの 厚 さの Agメ ン キを施 してい る。 従来,問 題 とされ て い た表■1の 電極 被覆率 も 30∼ 35%ま でlt減 して い る。 反射 防 J「 膜 に は, MIN Pセ ル と同様 に , ZnSと MgF2の 2 111ヽ │ズ "1坊 喪 it板 図 4“18 PESCの 構 造 “ ) 86 4 各種太陽電池 層構 i士 を採 用 して い る。 こ の セ ル で ,AM 15,100 mW/cm2,28Cの 条 件 下 詳 細 な特 性解 析 が行 われ,性 能 の よ さ 191%が 達 成 され た Ю )れ て,Jsで =36 5mA/cm2, が 明確 に な った ヽ さ らに,プ ロセ スの改 良が 図 ′ レ缶=662 mV,FF=0819て ヽ η=198%が 達 成 され,変 換 効 率 20%の H標 が,Iづ たR b μgPESC 5ヽ で η=190∼ │ヽ 図 4 19に μgPESC(micro grooved passivated emitter s()lar ce11)構 造 を示 r)慇 す ヽ 基本 的 に は上 述 の PESC構 造 を もっ て い る。 図 に 示 した よ うに,5 μmの 深 さで 10″ mの ビ ンチ を もつ微細 満 (micrO groove)が Si表 面上 に形成 され て い る。 この 微 細 溝 は フ ォ トリツ グ ラ フ ィ を用 い て,Si内 で交 又 す る (111)面 に沿 っての希 釈 NaOIIに よ る異方性 エ ッチ ン グを利用 して作製 され てい る。 この構造 では,PESCの 特徴 を牛 か しつつ ,性 能 を次 の 3点 で改良 し て い る。 (i)微 細 溝 が 表 i“ での 光反射 を 3-4%か ら 1%以 下 に ドげ て い る。 (H)光 が Si表 面 に斜 め に 入射 す る こ とに な り,あ る稜 ■iで 反射 され て も隣 の稜 ruに 入射す る こ とが期待 で きるので,光 の吸収 量が増 え る。 光生成 され た い こ キ ャ リアの収 集時 の拡 散 ‖1離 に換 算 して, これ を 35%も 大 き くして る。 ス れ らの 2点 は,テ クスチ ヤllt造 の 利点 と変 わ りは ない.し か し,(五 i)テ ク チ ャ構造 と比較 して,満 の 形状 が そ ろって い るので表■1の 収 集電極 が規 則的 な 形状 で形成 で き,そ の ため,lH列 抵抗損失 をか な り減少 で き る。 さらに,(iV) フ ォ トリツグラフ ィ■1程 を用 い るの で,テ ク スチ ャ構造 に比 べ て,再 現 昨よ く 製 lliで きる。 この 結 果,AM l, 100 mW/cm2,28・ Cで ,ム 。は 5%増 の 38 3mA/cm2, はほtF変 わ らず の 662 mV, FFは わずか に増 して 0824と な り, η=209 %力 '達 成 され た膊 後 述 す る集光 型 太陽 電 池 の 開 発過 程 に お い て,μ gPESC 14で )。 11>lf tr 4. i9 tu$l rrg I'ESC art&it'"r 41 単結 品 シ リ コン太陽電 池 87 フ ィンガーt極 図 4 20 PERCの 構造η ' を さ らに発 展 させ て変換効 率1218%を 達 成 して い るD)。 c PERC こ れ まで,表 面 パ /シ ベ ー シ ョン,お よび,表 I“ の 収 集 電極 部 に注 目 した変 換 効 率 の 改善 が 展 開 され て きた。 太陽電 池 の 裏 面 パ /シ ベ ー シ ョ ンの 重 要性 を 明 らか に した PERC(passivated emitter and rear ccn)構 造 を図 4201こ ′ Jヽ り う ヽ 衣 ru,裏 面 と もに S102膜 に よ って パ ッシベ ー シ ョンす る とと もに,表 面 に逆 転型 ピラ ミッ ドlnverted pyramid)構 造 を形成 して,表 面反射 を極 力小 さ くして い る。 表 ll簡 極 に は Tiと Pdを 採 用 し,そ の Lに Agを メ ッ キ して い る。裏 面には,酸 化 膜 の一 部 に 窓 を開 け,そ の 部分 に Alの 蒸 着 と 400・ C, 15分 の熱処FFで 電極 を形成 す る方法 を採用 して,従 来 の 裏面電極部 での 金属 ― 半導体接 触 に よる再 結合 を少 な くし,結 果的 には逆 方向飽和電流 を低 7Lxし て 開放 電圧 を上 昇させ てい る。裏 面,ヒ 極 の 間隔 は 2mm程 度 であ る。 0 2Ω cmの , p― Siを 用 い た セ ル で,AM 15,25・ Cに お い て,J・ c=40 3mA/cm2, レ後= 696 mV, FF=o814C η=228%が 達成 された。 d PERL太 陽電池 PERCは ,パ ル クお よび表面・ 裏 面 の 再結 合 速度 を ドげ るこ とに よ って , レ■ と ムcを Lげ るのに成 功 して い る。裏 面 の オー ム性 電極 部 を Al Siで 形成 して い るが, この 部分 だけ が パ ッシベ ー シ ョン され て い ない。 図 421に 示 す よ うに,裏 iの 電極部 を局部 的 とし,Bの 拡 散 で形 成す る PERL(passivated cmitter rear“locally diffused)構 造 が提 案 され た冽t BBr3を 原料 として 900C, 15分 間堆積 し, これ を 1070・ Cで 2時 間 ドラ イブ イ ンす る.電 極 面積 は 直径 30 ∼ 100μ mで ,間 隔 は 200∼ 500 μ mと 接 近 させ て い る。 AM スc=42 15,25Cで 9mA/cm2, レ缶=696 mV,「 F=081, η=242%の 高効 ■4が 達 成 さ れた。逆 ピラ ミッ ド構 造 は,光 閉 し込めの点 で最 高 レベ ルに あ る。 曲線 因子 の 4 88 -7 図 | '/ Ji-,tiln p p. 各種太陽電池 'ru1Lfi /p・ 4 21 PERL太 陽電池の構造a) 改善 が最 も重要 であ る。 その 後, ソー ラン ミュ レー タと太陽光 スペ ク トルの差 な どを考慮 に入れ て , 特性 測定 の 標 準 化 が 行 われ,上 記 の値 は ムc=41 F=081,η =233%に 変 更 され た 2υ 「 3mA/cm2, 臨 =695 mV, 。 この 時期 までの 太 陽電 池 の性 能 を表 す数 字 は再 検 討す る必要 が あ るが,PERLの 性 能 は 単結 品 Si太 陽電 池 の最 高 性能 であ る。 e 埋 め込み電極 太陽電池 前 述 の 高効 率 太陽電 池は必ず し も安 価 な プ ロセ スで作 製 され た もの では な ,び に反射 防 止膜 い。特 に, フ ォ トリツ グラフ ィ,真 空蒸着 に よる電極 形成 な ′ な どを用 い なければ な らない。 高効率 太陽電 池 を高 い スループ ッ トで作製 で きる可能性 を もつ もの として ′ この 太陽電 図 422に 示 す埋 め込 み電極 (bu面 ed contactl太 陽電池 が あ る , )。 池は作 製 工程 が少 な くてすむ。 ビラ ミッ ド状 にテ クスチ ャ加 Iiし ,拡 散 で接合 形成 後,表 面酸 化す る。 レー ザ ス クライバ で酸 化 膜 お よび拡 散 層 を突 き抜 け て,深 さ 40μ mで 幅 20″ mの 溝 (groove)を 切 る。満部 をエ ッチ ン グで清 浄 に して深 い拡散 を施す。 この とき,表 面 の酸化膜 がマ ス クとな って拡 散は溝部 だ け に限定 され る。 Niお よび Cuの 無電解 メ ッキ を表 面お よ び裏 rnに 施 す。 こ の とき も表面酸化 膜 が メ ッキ用 のマ ス クとな る。 Siの 酸 化 膜 の代 わ りに窒 化 膜 を用 い て もよい。 05∼ 3Ω cmの 太陽電池級 CZ Siを 用 いた セル (4cm2)で , AM 15,100 mW,28・ Cで の 変 換 効 率 186%(ム e=38 0mA/cm2, 1/。 =609 mV.FF=0802)が 報告 され た。 この太陽電 池は い くつ か の 魅 力 あ る特 徴 を もって い る。 (1)電 極 との接 触面積 は レーザ加 工 に よ って作 られ た溝部分 だ け で あ るの で,狭 くて (20μ m),高 い ア スペ ク ト比 を もつ 金属 電 極 構 造 とな る。金属 電極 部 の 陰 に よ る損失 は,面 積 4cm2,50cm2の 太 陽電 池 で と もに 2 41 単結品 シ リコン太陽電 池 89 p. 図 422 夕 lめ 込 み 電極 埋め込み電極太陽電池の構造2" %に す ぎな い。 さらに,電 極 は メ ッキで形 成 され るの で肉厚 とな り,こ の部 )金 属電極 との接 触 rnが 大 きい場 合 に 再結合速 度 が大 き くな るが, これ も,溝 部分 におけ る深 い拡散 に よ って接 合部 が深 くなるの で,半 導体 と金属 の接 触部 が接合 部 か ら遠 くな り,表 面再結合 が 小 さ くな るこ とが期待 で きる。 したが って,開 放電IJが 高 くな り,適 当な基板 (抵 llt率 0 25Ω cm)を 用 い て 650 mVが 得 ′ ,れ て い る。 (HOこ の構 造 は,テ ク 分 のIIt抗 が小 さ くなる利点 が あ る。 (Ⅱ スチ ャ構造 と表i∬ パ /シ ベ ー シ ョン効 果 のすべ ての利点 を もって い る。最 も注 目す べ きこ とは,llt抗 率 05∼ 30cmの 太陽電池級 の CZ― Si基 板 を用 い て高 効率 の太陽電 池が 作 られ て い る点 であ る。 1)ESC太 陽 電 池 (変 換効 率 191%)と 比較 した と き,埋 め 込 み 電極 太 陽電 池 の方 が,金 属 電極 に よる表面被覆の割合 が小 さい こ と,反 射 が 少 ない こ と,光 の斜 め入射 に よる利点 な どが あ って,短 絡電流が 大 きい。 開放電圧 は埋 め込 み 電極 太陽電 池 の 基板 の 抵抗 率 がやや 高 い ため に少 し低 く, したが って F「 も わずか に小 さい。 その 後 の進 展 では,10 Ωcmの Z― Siを 用 い たセル (12cm2) 「 で,AM 15,25° Cに お い て,変 換 効 率 は 198%(ス c=39 3mA/cm2, 7Ю = 634 mV, FF=o794)に 達 して い る2つ 。 そ の 後, レーザ 珈 Eと 前述 の PERL太 陽電 池 を組 み合 わせ たハ イプ リ ンド 「 型が 試作 され,0 5Ω cmの p― Siを 用 い,12 cln2の セル で AM 15,25Cに お 0mA/cm2, ‰ =686 mV,■ F=o816,η =213%力 i報 告 され た PERL構 造 の採用で裏面電極部における界milt結 合を飛躍的に減少 させ たことに よって,埋 め込 み電極 セルの レ 缶が PERLセ ル程 度に まで増加 して い る。PERLセ ル では, レ 缶 の最高値 として 695 mVが 達成 されて い るが,こ いて,ム で =38 24、 の構造において も,7■ 部における電極 との接触面積 を改善すれば, よ り大きく なるであろう。 4 90 各種太陽電 池 なお,機 械 F● 加 に よ って溝 を切 るこ とも ・ I能 であ る。 「 (2)大 面積 太陽電池 現在 では 10× 10cm2の 人面積 太陽電 池 が実 用 の段 階 に あ る。通 常 は太 陽電 池の lm積 増加 と ともに変換効 率 が 下 が る とされ て い る。 その 理 由 は,(i)与 え ')れ た表面電極 パ ター ンでは太陽電 池が大 き くなるにつ れて電極部 の llt抗 に よる投失が増加 す るこ と,(ii)あ る材料 では材 質 が不均 質 の ため に面積 増加 に よ って質 の悪 い材料 が含 まれ る割合 が 大 き くな るこ と,な どが あげ られ る。 高 品質 単結 品 Si基 板 を用 い,高 効 率・ 小面積 太陽電 池作 製の 技術 を大面積 太陽電 池 の 製作 に適 用 して も,性 能低 下 が 少 な い こ とハ つ 太 陽 電 池 で実 証 され て い る2D。 50cm2の 面積 を も (i)高 品質 の FZ― Siを 用 い,(‖ )表 面 裏面 ともに イオ ン打 ち込み を し, 6‖ )表 面 は酸化 膜に よるパ ソシベ ー シ ョン , 6v)フ ォ トリソ グラフ ィの 活用,(v)表 面電極 は真 空蒸 清 と Agメ ッキの 併 用 の技術 を組 み合 わせ て い る。 この 人面積 太陽電 池 を用 い て,75 ュー ル で,セ ル効率 2Wpの モ ジ 169%,モ ジュー ル効率 152%が 達 成 され て い る。近 い 将 来, この値 も 17%近 くに なるで あ ろ う。 モ ジュー ル効 率 の 改善 に は,(i) セル の 充 て ん事 の 改善 ,(H)ガ ラ ス面か らの 反射損 人 の低 減 , 6五 )太 陽 電 池間の西己線 lit失 の低 減, Ov)太 陽電 池間 の性能 の パ ラツ キに よる損 失 の低減, な どを図 らなければ な らな い。 ″gPESC構 造 では,ru積 4cm2の 太陽電 池 で,変 換効 率 206%が 達 成 され て い る。 したが つて, この技術 を大 面積太陽電 池の 製作 に適 用 して も性能低下 は少 ない であろ う。 制 限 は,埋 め込 み電極 太陽電 池作 製法 で解 決 で 表面電極 パ ター ンが もた ')す きる。表面金属電極 の ア スペ ク ト比が太陽電 池 の 面積 に合 わせ て変 え られ,最 大 5程 度 まで とれ る。 したが って,金 属電極部 におけ る損人 を増す こ とな く太 陽電 池の面積が大 き くで きる。電極 の陰に な る部分 の 損失 が 4cm2の 太陽電 池 で 2%で あ るが, これ を 50cm2の 太陽電 池に して も変 わ らな いの c4cm2の 太陽電 池 の効率 をその まま 50cm2の 太陽電池 の効 率 とみ な して もよい。 (3)集 光型太陽電池 太陽電池 セ ル を敷 さ詰め る代 わ りに,そ の面 に 入射す る太陽光 を集光 鏡や 集 光 レン ズを用 い て,数 少 な い セ ル で発 電 す る場 合 には,セ ルの コ ス トが集光 器,支 持 台,追 尾装 置 な どの コス トに置 き換 え られ,全 体 として低 コス トが期 待 で きる。 この場合 ,集 光 用 セルの効率 が十分 高 くなければ システム として の 利点 が な くな る。 セルの効率 は,集 光比 が増加 す るにつ れ て増大す るが,集 光 41 91 単結晶 シリコン太陽電池 比 の増 大 に と もな う温度 L昇 が あ る と,効 率 はltド す る。 集光 比 増 大 に つ れ て,変 換効率 ηは,開 放電 圧 ι 任 の 対数 に比例 して増加 す る。 しか し, 71は pn接 合 の拡 散電位 に近 い値 で飽 和す るの で,η が無 制 限 に増加 す るこ とに は な らない。 さ らに,通 常 の 太陽電 池 では,pn接 合 の 不純 物 が 非 対称 に添加 さ れ てお り,基 板 の 方が表面層 よ り少 ない。 集光比 が高 くなる と基板 内で生成 さ れ る電子 エイL対 が非常 に 多 くな り,基 板 内の 多数 キャ リア よ り多 くな って , 高注 人状 態 とな る。 す なわ ち,擬 フェル ミ準417が 平月 でな くな り,開 放状態 で て光 起電 力 を下 げ るこ とに な る。 また,pn接 合 の も基板 内で電位 降下 が `Lし 暗時 の特性 が高注 人状 態 とな るため に,1■ 方 向飽和電流が増 し,曲 線 因子 の低 下 を ともな う。 実用 のセ ルでは, このほか,直 列抵抗 のため に,高 注入状 態が 現 れ る集光 比 よ りも低 い集光 比 で ηが低 下 す る。 したが って,集 光 比 が低 い ときは非集光 型 のセル を用 いて もよいが,集 光 比が 高 くな る と特別 の 設計 を し なければ な らな くな る。 各種 の構 造 の 集光 用 セルが提 言され て い たがわ,1984 年 頃か ら変換効率 が飛躍 的 に上 昇 した。 以下 ではその代 表例 につ いて述 べ る. a ポイ ン トコンタク ト型 FXj 4 23に 示す ポイ ン トコンタク ト(point contact)型 太陽電池 sun)下 に お い て 変 換 効 率 275%の c集 光 (100 0152 15,100 mW/cm2,24。 Cで スc=41 5mA/cm2, レ■=582 mV,FF=0786, η=222%で あ る。 そ の特徴 cm2)ん )。 i由 i期 的 な値 が 報 告 さ れ た (面 積 この セ ルの lsun下 で の特 性 は,AM , は,(i)高 品質 高抵抗 基板 (FZ Si,抵 抗 率 390 0cmで 少数 キャ リア寿 命 1 ms以 上 )の 使 用,(H)酸 化 膜 (厚 さ 120nm)パ ッシベ ー シ ョンに よ る表 面結 合速度 の低 減,(HD裏 面 にお い て,拡 散領 域 を最小 に して,金 属 と半 導体 の バ スパー電極 n・ 112■ t し ]T T下 図 423 m │ツ ポ イ ン トコン タ ク ト1'太 陽電 池 の構 造 χ〉 92 4 直接接 触領域 を極イヽこ制 限 (10× 10 各種太陽電池 μm2で 50″ m間 隔, ポ イン トコン タ ク トと BSR効 タスチ ャの 利用,(vi)p,n両 称 す る理 由)に よる再 結合 の低 減,(市 )薄 膜 (厚 さ 112,152 μnn)で の 果 を用 い た光 トラッピン グの活用,(v)表 Ifuテ 電極 を裏面 にお いての電極 の陰損 人 の解 消,な どであ る。 集光下 での効率 の変 fヒ は,l sunド で 222%,100 sunド で 275%,580sun下 で 235%で あ り , いずれ もこれ までの最 高 の値 であ る。 バ ル クの少数 キャ リア寿命 お よび表面 再 結 合速度 が,太 陽電 池 の特 性 か ら,そ れ ぞれ,1 5ms,お よび 8cm/sと 推定 され て い る。面積 が小 さいの で周 辺 ilを 流 れ る再 結合 電 流が大 き くな って い る。面積 を大 き くすれば,l・l辺 部 再結合 の寄 17が 少 な くな るの で,変 換効■■ま 23%を 越 えるであろ うと予測 して い る。 集光下 での 開放 電圧 が オー ジェ (Auger)ll結 合過程 で11限 され て い るの で , これ を下 げ るため に太 陽電 池 を薄 くすれ ば よい。 110 μmの 厚 さに対 して得 ら れ た短絡 電流密度が例 外的 と もい え るほ ど大 きいが,薄 くした場合 に も光 トラ ッピングの 活用 でこの程度 の llLは il持 で きるであ ろ う。薄 くす る と 100 sun以 上 の 高集光 ドで使 用 で きるの で,開 放電圧 が さ J:膜 も工 夫す れば効 率 ')に 高 くで きる。表面 の 反射 防 30%力 '実 現 で きるであ ろ う 。 しか しなが ら,高 品質 2η 基板 の使 用,作 製J:程 の複雑 さは,集 光 型!用 には問題 とはな ,)な いが,非 集光 型用 の 大 量生産 には向 い て い ない。 P,n両 電極 が 裏面 にあ るの は明 らか に利 点 であ るが,集 光 型 では欠点 にな るこ ともあ る。裏 面に均 ― に良好 な熱接触 を と りなが ら,p,n両 電極 を電気的 に分 離 してつ くりつ け るこ とが 困難 であ る か らであ る。 b 日溝 (micro gr00ve)型 微畜 基本的 に は 前述 の μgPESCと 類似 の構 造 であ るが,表 而の フ ィンガー 電極 Ю に違 い が あ るの で,そ の構 造 を図 424に /1sす (面 積 3× 3mmつ t基 板 は , 01,0 2Ω cmの FZ― Siで あ る。 そ の特徴 は,(i)薄 い 酸 化 膜 パ ッシベ ー シ ョン,(│)表 面拡 散 lelへ の 金 属 電 極 の 接 触 面 積 を小 さ く(0 18mmり ,(iH) V溝 の斜 面利用 に よ る表 面反射 の低 減 と光 の 取 り込 み の増加 な ど,で あ る。 フ ォ トリツ グラフ ィで作 製 した V溝 は,深 さ 5μ mで ピ ッチ 10μ mで あ り 金 属 電 極 の 幅,厚 さ,間 隔 は,6,15,150 μmで あ る。 太 陽 電 池 の 厚 さは 280 μmで ,電 極 は_L下 に つ け て あ る。 この 太陽 電 池 が 高性 能 で あ る こ とは BSF構 造 の寄 与に よ る ところが 大 きい。裏 面 に 厚 さ 05∼ 1 0μ mの Alを 蒸 着後,A1/Si共 品温度以 11で 加 熱す る。 このプ ロセ スは,裏 面 での パ ンシベ シ ョン効 果 を 1桁 以上 上 げ るの に有用 であ る (高 抵抗 基板 では,逆 方 向飽和電 , 41 単結 FHシ リ コン太陽 電 池 フ ィンガー1し , 図 424 Ю 集光用 μg PESCの 構造 ) 流へ の 寄与 が大 きい の で, この部分 のパ ンシベ ー シ ョンが 有効 とな る)。 この 高温処理 で接合 深 さが用 し,表 llu n lllの 平均 の ドー ビ ン グ レベ ル を 卜げ て い る。 この 結 果,表 面 の ■illt抗 が 元の値 の 半分 に下 げ られ,500/□ が達 成 で き て い る (お そ ら く,電 子 の 平均 の移動度 の増 大に起 因 して い るの であ ろ う)。 短 波長 応答に 大 き 〈影響 を「」えな いで直列抵抗 を下 げ るのに役立 って い る。 抵抗 率 0 2Ω cmの セ ルの 特 性 は, AM 15, 100 mW/cm2,28・ Cに お い て,ム c= 40 2mA/cm2, レ■=653 mV, FF=0829, η=218%で あ る。 大 きな特徴 は,金 属 電極 が溝 の方 向に対 して斜め につ け てあ る点 であ る。 金 属 電極 の あ る領域 で反射 した光 は下 方に反射 され,溝 の 向 いの斜 山i上 で金属電 極 が な い部分 に ll辻 して Siに I吸 収 され る。 この方 式 は,金 属 電極 幅 が 溝 の ピ ッチ よ りか な り小 さい場 合に最 も有用 であ る。 これ に 2層 の反射 防 11膜 を施 し て,陰 の部分 と反射 に よ る損 失分 を非常 に小 さ くで き, その値 は 3%以 内であ る。 ピー クの 変換効 率 は,集 光 50∼ 100 sunで 現 れ,01,0 2Ω cmの セ ル と も 25%に 達 して い る。 高照射 ドにおけ る F「 の減 少分 か ら推定 した等価 直列 抵抗 は構造や物性 パ ラ メー タか ら計算 した値 の 2倍 程度 あ る。 この原 l■qが 究明 で き,そ の値 が低 減 で きれば,変 換効率 は 26%が 期待 で きるであ ろ う。 この構造 で,表 面電極 の被 覆率 を 15%に し, メ ッキ電極 をつ け た太陽電 池 で,1000 sun下 で変換効 率 20%力 i達 成 され て い る。 この よ うな高 集 光下 で の 変換効率 の損失 はバ ル ク抵抗 で決 まる.llPさ を 280 μmと して い るの でその 抵 抗寄与分 が 大 き く,変 換効率 を下 げ てい るが,薄 くすれば この部分 の改善 が期 待 で きる。 また,表 ni被 覆 に プ リズマ テ ィック カバ ー (pHsma● c cover)を 採 が 大 き くな って も,Siに 光 を 用す るこ とで,表 面 に電極 が あ って そ の 被 覆■ζ 十分 導 入 で きる。す なわ ち,EX1 4 25に 示 す よ うに,プ リズマ テ ィ ッ クカバ ー の 周期 とフ ィンガー電極 の 周期 を合 わせ る と,光 を電極部分 か らはず して電極 4 94 各種太陽電池 太陽 lLin ヽ ,1市 図 425 ILll. プ リズマ テ ィ ッ クカ バ ー の 原理 の な い 部分 に入 射 させ る こ とが で きる よ うに な る。 高集 光 下 で は活 性 領 域 の 変 換 効 1く が 特 性 を支配 す る重要 な パ ラ メー タに な る の で ,裏 面 に両 電 極 の あ る大 陽 電 池 で な くて もよ い。 画 面 電 極 構 造 で,基 板 を海 くす れ ば ,500 sun以 上 の 集光 下 で変換効 率 416 25%が 期 待 で きるであ ろ う 2つ 。 今 後 の 課題 現 在 , 学結 晶 Si太 陽 電 池 は,10× 10cm2の サ イ ズで実 用 され て い る.変 換 効率 もか な り高 い。 この 流れ の 先 に は ,現 在 の 作 製 法 で どこ まで効 率 `が ■Jす ら れ , コ ス トが下 げ らるか と い う大 きな課題 が あ る。 1詳 細 な検 討 を力‖え なか った が , モ ジュー ル と して の 変換 効率 の 向上 が 今 後 の 最 も大 きな展 開 とな る の で , 十分 検 討 をす る必要 が あ る。 単結 品 Si太 陽電 池 の 効率 の 極 限 を追 う研 究 開 発 が行 わ れ ,1984年 なか ば か ら の 単結 晶 Si太 陽 電 池 の 効 率 改 善 に は著 しい 進 歩 が み ′ )れ る。 少 し前 まで に は 予測 で きなか った よ うな進 歩 で あ り, これ を基 に 考 えれ ば さ らな る発 展 が 期 待 で きるであ ろ う。 太陽光 発 電 となれば , コ ス トが最 も重要 な課 題 とな るが , 太陽 電 池 の 効 率 が 向上 す れ ば全体 と しては コ ス ト低 減 に な る の で,個 々の セ ル の 効 率 向上 の 努 力 が 必要 で あ る。 原理 的 な面 では ,特 に ,単 結 品 Siで は光 トラ ップ 効 果 の 活用 に 重 点 をお く べ きで あ ろ う2わ 。 こ れ は,単 結 晶 Siの 吸 収 係 数 が 小 さ い と い う欠 点 を補 う も の であ る。 た とえば ,フ ォ ノンや 禁制 帯 幅 内 に あ る欠陥や 不 純物 準位 を介 させ