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三菱自動車 社会・環境報告書 2005

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三菱自動車 社会・環境報告書 2005
三菱自動車
社会・環境報告書 2005
読者の皆様へ ――― 三菱自動車の考えるステークホルダーおよび目指す方向
環境や社会に対する三菱自動車の取り組みをご報告します。
お客様
株主・債権者
効率的グローバル化
持続的発展の継続
安定収益の確保
お客様の生涯満足度最大化
走行性能・走破性能、
安全性・耐久性に
おけるブランドの確立
環境への継続的な配慮
情熱と誇りの回復
社 員
社 会
大切なお客様と社会のために、
走る歓びと確かな安心を、
こだわりをもって、
提供し続けます。
強固なパートナーシップの確立
販売会社
調達パートナー
社会・環境報告書 2005 をお読みいただくにあたって
社会・環境報告書 2005 について
当社では 1999 年 9 月の初版以来、日本語版と英語
版の2 カ国語で毎年6 年間にわたり、環境報告書を発
報告対象範囲
●環境:三菱自動車 日本国内
※一部、関連会社の取り組みを紹介
行してまいりました。これまでの報告においても社会
●社会:三菱自動車 日本国内
側面の報告を行ってまいりましたが、より一層、企業
●経済:財務会計上の連結対象会社
の社会的責任を認識し、ステークホルダーの皆様を意
報告対象期間
識した報告書づくりを行うために、報告書のタイトル
●2004年度(2004年4 月1 日∼2005年3 月31日)
を「社会・環境報告書」にあらためました。三菱自動
※一部、2005年4 月以降の最新情報を記載
車の事業活動に伴う環境/社会への取り組みをス
テークホルダーの皆様に誠実に報告することを目的
に作成しております。
参考:環境省「環境報告書ガイドライン(2003年度版)
」
関連情報
●三菱自動車「環境への取り組み」
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/social/
environment/index.html
1
C o n t e n t s
01
02
読者の皆様へ
社会・環境報告書のポイント
役員メッセージ
03
04
05
07
08
社長メッセージ
(ごあいさつ)
P.04
社会・環境面に関わりの深い役員から、
現状と今後の取り
組みについて説明しています。
執行役員 CSR 推進本部長
常務取締役 商品開発・環境部門担当
常務執行役員 品質統括本部長
常務取締役 生産統括部門担当
経営フェーズ
09
10
Point 1
役員メッセージ
企業理念
事業再生
Point 2
新企業理念の策定
P.09
当社の存在意義と進むべき方向を明確にするために、
新た
な企業理念を制定しました。今後、
すべての企業活動は、
こ
の企業理念に基づいて進めてまいります。
環境フェーズ
環境マネジメント
11
12
13
15
16
17
18
組織体制
環境に関する具体的な行動計画をまとめた環境サステナビ
リティプランは、
2002 年の公表以降計画にしたがって進
めてまいりましたが、
今回計画の大幅な見直しに伴い、
達成
時期を一部先送りしました。今後、
スピードを上げて中期目
標の達成に向けて取り組んでまいります。
環境サステナビリティプラン
ISO14001 への取り組み
社内教育/啓発
コミュニケーション
関連会社との取り組み
自動車ライフサイクルにおける環境負荷
開発・設計 調達
生産 物流
リサイクル
企業倫理
カスタマーコミュニケーション
福祉車両
品質
交通安全
P.23-24
究極の低公害車を実現するため、
電気自動車の開発に力を
入れています。高性能リチウムイオン電池の改良を行い、
コルト EV 実験車で電池の実用性確認試験を行い、また、
この高性能リチウムイオン電池にインホイールモーター
を組み合わせた次世代型電気自動車(MIEV)の開発も行
っています。
Point 5
企業倫理遵守最優先宣言
P.39
2004 年 6 月に、
岡 前会長、
多賀谷前社長が
「企業倫理遵
守最優先」
を宣言し、
2004 年度のアクション・プログラム
をスタートしました。
また、
2005 年 1 月に社長に就任した
益子修が、
自ら企業倫理担当役員に就任し、
2005 年 3 月
18 日に改めて企業倫理遵守最優先宣言を行い、
「コンプラ
イアンス第一」
の取り組みを継続実践しています。
社会との交流
社員との関わり
データ集
51
53
56
57
59
61
62
Point 4
電気自動車の開発
販売
社会フェーズ
39
41
42
43
45
47
49
P.13-14
環境指針
環境負荷低減への取り組み
19
20
27
28
33
34
35
Point 3
環境サステナビリティプランの一部見直し
企業情報
製作所データ
関連会社データ
Point 6
低排出ガス車の販売
P.57
平成 17 年排出ガス基準を 75%低減
(☆☆☆☆)
した登録
車コルト、
コルトプラス、
ランサーシリーズを発売しました。
また軽自動車についても eK シリーズの主要類別で☆☆☆
☆を達成し、
排出ガスの低減に努めています。
低公害車
環境会計
沿革 その他
ガイドラインとの対応表
2
トップメッセージ
再生計画の達成と環境保全や交通安全など
社会との共生に全力で取り組みます。
当社は2005 年1月に再生計画を発表し経営基盤を確立するとともに、社会的に信頼を頂ける企業になるこ
とをお約束して新たに活動をスタートしました。また、昨年の経営危機のきっかけのひとつとなった過去のリ
コール問題につきましては、本年3月末に事実関係と原因究明結果を踏まえて、関係者の処分・対応、再発防
止策を公表し、会社として区切りをつけました。
新しい再生計画の中で当社は、すべての企業活動の根幹となる新しい企業理念を制定しました。その中で
お客様に対する責任と社会に対する責任を最も大切な価値と捉え、社内に徹底しています。本年度は、この考
えに基づき、従来、環境報告書としてお届けしていた本報告書についても、
『社会・環境報告書』と改め、企業
倫理への取り組みや品質への取り組みなど社会面の活動をより充実した内容としました。
当社の環境保全活動については、2002 年より『三菱自動車 環境サステナビリティプラン』を公表し、実施
してまいりました。しかし、昨年度の経営環境の悪化により、従来の商品計画を大幅に見直した結果、環境サ
ステナビリティプランは、達成時期を一部先送りした内容に改訂致しました。しかしながら、私どもの環境保
全を重視する考え方はいささかも変わっていません。今後も環境に配慮した商品の開発に注力していきます。
例えば、排出ガスクリーン化への取り組みについては、eKワゴンやコルトなどの主力車種を中心に4つ星化を
進めていますし、燃費も改善し、グリーン税制に適合する車種を逐次販売してまいりました。また、将来に向
けた低公害車の取り組みについても、MIEV(ミーブ)
(P.24 参照)というリチウムイオン電池とインホイール
モーターを組み合わせた究極の次世代型電気自動車の開発を進めており、2010年までには発売する予定です。
私は、企業の経済活動、社会活動、環境活動がバランスよく行われることが、21世紀の企業にとって生き残
りの条件であると考えています。今年度も経営環境の厳しさは続きますが、まずは再生計画を予定通り達成す
ることに全力をあげていきます。そして同時に皆様から信頼頂けるように、環境保全や道路交通安全の確保な
ど社会との共生を図る活動にも引き続き全力で取り組みます。さらに、私たちの努力がお客様に実感頂けるよ
う、今後も情報開示を継続していきますので宜しくお願い申し上げます。
取締役社長
益子 修
3
役員メッセージ
企業の社会的責任(CSR)
をどう考えていますか ?
執行役員 CSR 推進本部長
中村 義和
CSR 推進本部の具体的な活動について説明してくだ
して評価されるよう自ら積極的に動いていくこと
さい。
こそが、CSR やコンプライアンスの推進につなが
中村 CSR推進本部には、大きく分けると社内外の
るのだと考えています。
コミュニケーションとモニタリングという2つの機
それでは具体的にコンプライアンスを含めた企業倫理
能があります。社内だけの論理に偏ると、どうし
活動について、
どのようなことを行っているのか聞か
ても社会とのギャップが生じます。こうしたギャッ
せてください。
プを解消するためには、社外に向けて適切な情報
中村
2004 年 4 月に会長・社長が企業倫理遵守最
開示を行い、外部から客観的にチェックしてもら
優先を宣言し、
「コンプライアンス第一のためのア
う必要があります。つまり社会とのコミュニケー
クション・プログラム」を制定しました。同時に
ションが重要と考えています。さらに社会という
全役員、全社員が企業倫理遵守を誓った誓約書に
外部からの目だけでなく、組織内部の目としての
署名をし、全社をあげて企業倫理の確立と実践に
モニタリング機能も重要です。例えば、会計処理か
努めています。例えば、
「コンプライアンス第一の
ら業務の流れに至るまで、社内ルールや法律を遵
ためのアクション・プログラム」のひとつとして
守しているか否かを業務監査部が定期的にチェッ
企業倫理推進体制を再構築し、各本部内に本部コ
クしています。同様に品質監査部では、品質の作
ンプライアンス・オフィサーという新しいポジショ
り込みに関わるプロセスがルール通りに行われて
ンを設けました。このような体制のもと、全社員
いるかはもちろん、不具合があった場合にリコー
に対して徹底した企業倫理意識の指導と実践が
ルプロセスが適切に適用されたかチェックしてい
行われています。また、このような活動を企業倫
ます。
理委員会にチェック頂き、指導・助言を頂いてい
品質監査部のようにリコールプロセスをチェックする
役
員
メ
ッ
セ
ー
ジ
ます。
モニタリング機能は今まであったのですか?
最後にメッセージをお願いします。
中村 部門を横断したモニタリング機能として、過
中村 お客様が当社のメッセージに触れる一番の機
去にも監査やチェック網を作ってきましたが、品
会は、広告や宣伝です。昨年はリコール問題の関
質監査部のようにリコールプロセスをチェックす
係からこうした活動は差し控えていましたが、今
る機能はありませんでした。この徹底した社内モ
年に入り商品広告を再開することとなりました。
ニタリング機能によって、製品の品質はもちろん
広告を自粛していた期間にも、当社のリコール問
万が一不具合があった際のリコール対応も以前に
題についてはさまざまな報道がなされましたが、
比べて確実に向上しました。
これからは我々も問題点を皆様に知って頂くため
本部の名前にもなっている CSR
(社会的責任)
につい
に、スピーディで透明性のある情報開示に努め、
ては、
どのように考えていますか?
お客様への信頼回復を目指していきます。
中村 企業が存続して行く上で、CSRは欠かせない
ものだと考えています。特に当社の場合は、過去
のリコール問題に対するコンプライアンスなどを
含めた企業姿勢が企業の存続を左右する要因に
なると捉えています。CSRそのものが社会的注目
を浴びる中、当社に向けられた厳しい評価に対し
て、我々に課された課題は多く、中でもCSR は高
い重要性を持っています。一般に社会的責任とい
うと道徳のような捉え方になりがちですが、道徳
だけでは受身であり不十分です。同様に法律さえ
守っていればよいというわけでもありません。道
徳や遵法精神だけでなく、社会から誠実な企業と
※ 社員によるインタビューを実施し、
本人の言葉で答えています。
4
役員メッセージ
環境に配慮した車の開発はどうなっていますか ?
常務取締役 商品開発・環境統括部門担当
相川 哲郎
商品開発部門と環境部門の役員を兼務していますが、
が「環境サステナビリティプラン」です。環境マネ
両者の関係をどのように考えていますか?
ジメント、リサイクル、地球温暖化防止、環境汚染
相川
クルマに関わる環境問題は、開発、生産から
防止という大きく4つの観点からなり、環境会議
物流、販売、お客様が使用している期間、そして廃
での審議や他社の事例も踏まえた上で、毎年更新
棄に至るまでのすべてに関係する問題です。しか
しています。
しこうしたクルマにまつわるさまざまな環境問題
例えばこのプランの冒頭に目標のひとつとして掲げ
において、自動車メーカーという立場から見ると
られている
「DfE」
とはどのようなものですか?
開発に関わる部分が一番影響が大きいと考えてい
相川 「DfE」とは「Design for Environment」の
ます。具体的にはクルマを作る際に、環境に配慮
略で、環境に配慮した設計を指します。当社で
した設計をするということが基本になります。こ
はクルマを開発してから廃棄されるまでの間、
のために開発部門は環境への取り組み意識が強く
環境に与える影響をできるだけ小さくするため
なければならず、その意味で開発部門と環境部門
に、環境に対する配慮として「DfE」を開発の中
を兼務することで、効率よくスピード感を持って
に取り込むことを目指しています。具体的には
環境問題に対応できると思います。また源流とな
クルマを生産する段階で排出される CO 2 の量
る開発段階で環境に配慮したクルマ作りをすれ
や、廃棄段階でのリサイクル性といった全工程
ば、そこから派生する後工程の環境対応も容易に
を見渡した上で、設計段階から環境に配慮した
なると考えます。
仕様を盛り込むよう努めています。現在は具体
それでは開発の下流となるリサイクルについて伺い
的な手法をまとめている最中で、今年度中に体
ます。自動車リサイクル法が施行されましたが、この
系化し、新車開発に取り込んでいく予定です。
対応について聞かせてください。
環境マネジメントの観点では、いろいろな取り組みが
相川 2002年3 月にリサイクル推進室を新設して時
されているようですが、新車開発における環境への取
間をかけて準備してきましたので、順調に進んで
り組みについて聞かせてください。
います。2005 年1 月から実際に法律が施行された
相川 ひとつの例としては、走行中にCO2 を全く出
訳ですが、1月から3月の立ち上がり3 ヵ月間の実
さない次世代型の電気自動車の開発を進めてお
績を見ると、1 万5 千台分のフロン、2 千台分のエ
り、独自の技術による実用化を目指しています。
アバッグを回収、2 万1 千台分のシュレッダーダス
10 年以上前に電気自動車の開発がブームになり
トの引き取り、そして再資源化を完了しました。
ましたが、残念ながらバッテリーの性能が低く航
特にシュレッダーダストのリサイクル率は60.1%
続距離が極端に短かったために、電気自動車の開
で、法令の基準である30%を大幅にオーバー達成
発は下火になり、他のメーカーはハイブリッド車
し、2010 年の50%という基準も、前倒しで達成し
の開発に方向転換していきました。一方、当社は
ています。
バッテリーの改良を地道に続けてきました。その
本報告書で
「環境サステナビリティプラン」
というも
結果、ここ数年で一回の充電で走れる距離が飛躍
のを社外向けに公表していますが、これはどのような
的に伸び、クルマの用途によっては十分実用でき
ものですか?
るレベルになってきています。当社はハイブリッ
相川
5
当社は1999年に環境問題の取り組みの基本
ド車の研究では他社に遅れることなく進めてきま
方針として環境指針を定め、この方針を具現化す
したが、残念ながら実用化では遅れをとっていま
るために2002年より5年単位の中期環境行動計画
す。この遅れを挽回するためにも、環境の面でハ
を策定しています。この中期環境行動計画に基づ
イブリッド車よりも優れ、走行中CO2 を一切出さ
いて当社が行っている環境活動や達成状況を社外
ないゼロエミッションカーを一刻も早く実用化し
の方に見ていただけるように毎年公表しているの
たいと思います。
それが、先日発表された次世代電気自動車である
「MIEV
(ミーブ)
」
ですね。
相川 このMIEVの特徴は、独自技術によるリチウ
ムイオン電池と、ホイール内に入る小型のインホ
相川
2010 年までには市販化したいと思っていま
すが、開発をよりスピードアップして、一日でも
早くお客様にお届けしたいですね。
イールモーターを組み合わせた点にあります。
(MIEVについての詳細は24ページを参照ください)
1908 年にT型フォードが発売されてから約 100
最後に今後の商品開発における抱負を聞かせてくだ
年間、量産自動車の複雑な駆動系は、ほとんど変
さい。
わっていません。しかしMIEV技術ではそうした
相川 これからはエンジンの新世代化を進めて低燃
複雑な駆動系が一切なく、電池とホイールの中に
費化、低公害化を推進します。また、基本的に燃
入ったモーターという、非常にシンプルな構成で
費が良く環境にやさしい軽自動車で魅力ある商品
クルマが動きます。MIEVが量産化できれば自動
を開発し、より多くの方々に乗って頂くことで環
車に革命が起きるほどの技術だと自負しています。
境に貢献したいと思います。そして、このように
シンプルな構造以外にも具体的なメリットはありま
環境に十分配慮しながら、同時に三菱自動車の企
すか?
業理念に謳われている「走る歓び」と「確かな安
相川 すでに述べたようにMIEV では、ホイールご
心」にこだわったクルマづくりをしていきたいと
とに独立したモーターがついており、別々に動
役
員
メ
ッ
セ
ー
ジ
MIEV の発売はいつごろを予定していますか?
思います。
かすことができます。つまり当社がランサーエボ
リューションなどで行っている四輪制御技術を応
用すれば、スリップした車輪とそうでない車輪、
コーナーでの外輪と内輪など独立して制御するこ
とで、安全に楽しく走ることが従来車よりも容易
になります。同様にホイールの中にモーターが入
っているため、エンジンやトランスミッションの
スペースが必要なくなり、クルマのパッケージン
グ に お け る 制 約 が 少 な く な り ま す 。つ ま り
MIEV の技術を使えば、よりお客様に使いやす
い形態のクルマを提供することが可能になりま
す。またCO2 を発生しないということは、燃料を
使わないということであり、環境にやさしいだけ
でなくお財布にもやさしい、すなわち非常に経
済的だということです。例えば昼間の電気料金
で充電した場合、電気代はガソリンエンジンの
約 3 分の1、夜間電力では 10 分の1程度になり
ます。
※ 社員によるインタビューを実施し、
本人の言葉で答えています。
6
役員メッセージ
品質改善への取り組みはどうなっていますか?
常務執行役員 品質統括本部長
橋本 光夫
品質統括本部の本部長として1年が経過しましたが、
どのような一年間でしたか?
組織に関しては色々と実施されているようですが、
「信頼回復」
に向けての取り組みを聞かせてください。
橋本 過去のリコール問題をクリアにして必要な措
橋本 残念ながら、自動車に限らず、モノを扱ってい
置をすることに取り組んだ1年でした。そして品
る以上、最大限の注意や配慮を行っていても、何
質保証体制の再構築に力を入れた結果、1,200 人
らかの形で不具合が発生することはあります。し
規模の品質統括本部が誕生し、業務を進めてきま
かし、そうした不具合に対して、適切に素早く対
した。具体的には、製作所の品質管理部、開発部門
応することが重要であると考えています。昨年は、
から品質検証を行っていた技術検証室や認証部、
お客様の視点で適切にリコールなどの要否を判断
クレーム管理部門、購入品技術部などを品質統括
することに重点を置いて取り組みました。この結
本部に集結し、品質に関わる部門の一元化を行い
果、適切な判断を行えるプロセスは確立できまし
ました。
たが、まだスピードが十分ではないので、さらに速
その一元化によって品質統括本部の役割がはっきり
く対応できるスキームの構築を考えています。
したわけですね。
それでは、
スピードアップのためのスキームづくりに
橋本
ついて、
具体的に説明してください。
この新体制で品質に対する責任を社内的に
まとめることができたので、三菱自動車で生産す
橋本 具体的な改善案として、お客様から寄せられ
るすべてのクルマの品質保証責任が品質統括本部
た不具合情報を正確に早く得るために、国内10 ヵ
にあることが明確になりました。すなわち、開発
所にあるテクニカルセンターの補強を考えていま
から生産、市場すべての段階でリーダーシップを発
す。さらに2005 年 6 月からは、最初の不具合情報
揮することが品質統括本部の役割となりました。
の入手段階から設計者を交えて効果的な調査を
CSR 推進本部に
「品質監査部」
という部門があります
が、
品質統括本部との関係を聞かせてください。
進めていくプロセスも採用しています。また、ダ
イムラー主導で、CHECK GATE 方式のMMDS
橋本 品質統括本部が行っている業務が正しいプロ
(Mitsubishi Motors Development System)とい
セスで行われているか否かを、他部門として客観
うシステムを導入し、2001年の秋から運用してい
的に社内的に監査することが品質監査部の役割
ます。クルマの開発プロセスはさらに進化してい
です。つまり他部門にあることが大事で、具体的
きますが、こうした新しいプロセスにも対応でき
には、品質統括本部が主催するすべての会議に、
るようCHECK GATE の判断基準も充実させて
品質監査部のメンバーが参加し、協議や決議内容
いきます。
に関してアドバイスを受け、けん制機能を発揮し
では最後に、
読者の皆様にメッセージをお願いします。
ています。
橋本 お客様をはじめとして、社内や外部の取引先
とのコミュニケーションが最も重要であると捉え
ています。品質統括本部に限らず、開発部門に所
属する社員も、現場の第一線である販売店のセー
ルスマンやサービスを担当する現場社員と直接意
見する機会を多く持つような活動を進めていま
す。お客様に対する品質を高めるためには、単に
製品品質を向上させるだけではなく、サービス
品質も向上させることが必要で、品質統括本部
や営業、開発など全社のあらゆる部門間で相互
コミュニケーションを図ることが重要です。こう
したコミュニケーションの中から、お客様からの信
頼が生まれて、お客様から安心して乗れるという
声を頂けるのではないかと思っています。今後の
当社の取り組みに期待して頂きたいと思います。
7
役員メッセージ
工場での環境および品質への取り組みは
どうなっていますか ?
常務取締役 生産統括部門担当
前田 眞人
工場における環境保全への取り組みについて聞かせ
て、その対象がいつからいつまでに生産された車
てください。
なのかを明確にする取り組みを実施しています。
前田 まずは、地球温暖化と大気汚染への対策が重
ある完成車について、いつどこで作られたエンジ
要と考えています。地球温暖化に対しては、特に
ンで、そのエンジンのシリンダーブロックはいつ鋳
CO 2 排出量の削減を進めています。CO 2 排出量
込んだものか、というようなことを詳細に記録し、
1990年度比6%削減という目標が京都議定書で掲
追っていけるようにしています。すでにお客様の
げられていますが、当社では、2003年度で24%減、
安全に関係する部品を優先し、車体関係で 56 部
2004年度で32%減となっています。大気汚染に関
品、エンジン関係で21 部品がトレサビリティ可能
する取り組みとしては、最近法律が改正されて注
となっており、いずれはすべての部品を対象にす
目を集めているVOC(揮発性有機化合物)低減へ
役
員
メ
ッ
セ
ー
ジ
る予定です。
の取り組みを重点的に行っています。VOC規制に
最後に将来に向けた環境保全への考えがありました
は法律で定められた基準と自社で定めた基準があ
ら聞かせてください。
り、各工場とも法律基準は達成していますが、よ
前田 社員の意識改革が重要だと考えています。ま
り厳しい自社基準として、2010 年までに 2000 年
ずクルマという製品を扱っている以上、排出ガス
比30%低減という数値目標を掲げて、達成に向け
などによって環境に負担をかけているということ
た改善策を実施しています。例えば、水島製作所
を社員一人ひとりが自覚する必要があります。そ
では水性塗料を使用することでVOC 排出量の大
の上で環境を無視してクルマの生産はできないと
幅削減に成功しました。
いう大前提を忘れることなく、各工程で環境に配
それでは、
物流についてはどのような取り組みをして
慮した改善策を実施していきます。それから環境
いるのですか?
は、地域だけで考えるのではなく、地球という単位
前田 まずは、完成車を効率的に輸送化することに
で考える必要があるので、植林といった地球規模
よって、輸送時に排出されるCO2 の量を低減させ
の環境への奉仕活動も積極的に行っていきます。
ています。この取り組みは、目標値に対して予定通
り推移していますが、これからもさらなる効率化
を目指していきます。また梱包では、木材の使用量
を削減しています。例えば海外輸送時では、木製の
梱包資材をスチール製に変更したり、リターナブル
と呼ばれる輸送後に梱包資材を返却するルールを
定めて、実施しています。こうした取り組みの結果、
木材の使用量については2004年度こそ目標値に及
ばなかったものの、2005年度には15%低減(2000年
度比)という目標値を達成する見込みです。
生産といえば品質にも関わりが大きいですが、
品質向
上に向けた取り組みについて聞かせてください。
前田 まずは不具合を出さないこと、そして万一不
具合が出た場合にも迅速に対応できるようなシス
テムを構築しています。具体的には、不具合を減
らすために、生産工程の中で品質を作り込む
「ISQC」
(In Stage Quality Creation)と呼ばれる
システムを採用し、生産における初期工程から品
質管理を徹底して行っています。万一不具合が見
つかった場合には、
「トレサビリティ」といいまし
※ 社員によるインタビューを実施し、
本人の言葉で答えています。
8
経営フェーズ
大切なお客様と社会のために、
走る歓びと確かな安心を、
こだわりをもって、提供し続けます。
当社の存在意義と進むべき方向を明確にするために、この度、企業理念を制定しました。
今後、すべての企業活動はこの企業理念に基づいて進めてまいります。
企業理念
三菱グループ 三綱領/企業理念/経営基本3原則
私たちは、過去の企業風土・体制と訣別し、新し
い三菱自動車の未来を作るため、気持ちを新たにス
企業理念
●“大切なお客様と社会のために”
(お客様第一主義に徹します)
タートしました。今後、信頼回復・会社再生に向け
お客様からご満足頂くことを最優先に企業活動
てありとあらゆる努力をしていく上で、企業として
を行います。そのためには、環境問題への対応や
の存在意義と進むべき方向を示すため、2005 年1 月
安全性の追求に全力を尽くし、お客様のご満足を
の「三菱自動車再生計画」発表と同時に、すべての企
通して社会から信頼される企業を目指します。
業活動の根幹となる、新しい企業理念を制定しまし
●“走る歓びと確かな安心を”
た。この企業理念は、三菱グループの三綱領の精神
(三菱自動車のクルマ作りの方向性を明確にします)
を受け継ぐとともに、
「三菱自動車再生計画」策定の
三菱自動車がお客様に提供するクルマは“走る歓
過程で、社内で多くの議論を尽くしてできあがった
び”と“確かな安心”という2 つの考え方を反映し
ものです。また、新たな企業理念のもと、経営基本3
ます。クルマ本来の魅力である走行性・走破性
原則を掲げました。
と、お客様に永く安心してお乗り頂ける安全性・
耐久性を両立したクルマづくりを行います。
●“こだわりをもって”
三菱グループ 三綱領
(三菱自動車らしいこだわりを大切にします)
三菱グループは、独立会社の集まりではあります
お客様にご満足して頂けるようなクルマの新しい
が、経営の根本理念として三綱領を共有しています。
価値を見出し、お客様のカーライフをより豊かなも
●所期奉公
のにするために、どんな小さなことでもこだわり
事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力す
ると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも
をもって、クルマ作りに取り組んでまいります。
●“提供し続けます”
(継続性を重視します)
貢献する。
●処事光明
三菱自動車は信念と情熱を持って継続的な挑戦
公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開
を行うことで、三菱自動車らしさを進化させたク
性、透明性を堅持する。
ルマをお客様に提供し続けます。
●立業貿易
全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。
三菱グループ 三網領
企業理念
経営基本 3 原則
● 所期奉公 …… 豊かな社会の実現と地球環境の維持への貢献
● 処事光明 …… フェアプレイに徹する
● 立業貿易 …… グローバルな視野で
大切なお客様と社会のために、
走る歓びと確かな安心を、
こだわりをもって、
提供し続けます。
● コンプライアンスを実践し、
安全を追求し、
お客様を大切にします。
● 各ステークホルダー
(利害関係者)
に対し積極的に
情報開示を行い、
透明性を高めていきます。
● 経営責任を明確にし、
経営計画を達成していきます。
9
経
営
フ
ェ
ー
ズ
事業再生
三菱自動車 再生への取り組み
当副社長の任命、事業再生推進部の新設、
「三菱自
当社は、お客様や市場の信認を回復するために、
め、2005 年 4 月に取締役会の諮問機関として「事
経営の抜本的な構造改革が必要と考え、早急に解決
動車再生計画」の進捗状況をモニタリングするた
業再生モニタリング委員会」を設置しました。
しなければならない2 つの大きな問題に対し、真摯
に取り組んでまいりました。
1つはリコール問題で失った信頼の回復、もう1 つ
信頼の回復と事業構造改革に向け、
「三菱自動車
再生計画」の必達を最重要課題とし、経営諸施策に
は適正な利益を確保できる事業構造の再構築への取
取り組んでいくために、すべての役員および社員が、
り組みです。
新たに定めた企業理念のもとで、それぞれの業務で
体現してまいります。
●信頼回復に向けての取り組み
コンプライアンス体制を確立するため、社外の
目で当社の企業倫理・風土改革への指導・助言
を行う「企業倫理委員会」を2004 年 6 月に設立し
▲
▲
▲
ました。
P.39
三菱自動車再生計画
なお、過去のリコール業務における不適切な対
応に起因する一連の事態につきましては、2004年
当社は 2005 年 1 月に
「三菱自動車再生計画」
を発表しまし
9 月に市場措置の届出の完了、2005 年 3 月に事実
た。
この計画は、
クロス・ファンクショナル・チーム
(CFT)
と関
連職制が提案した事業戦略の諸施策に加えて、
中長期的な事業
関係調査と原因究明結果を踏まえた再発防止策、
元役員を含む関係者の処分・対応方針の公表を
安定化を目的とした提携・協業戦略、
財務強化策が盛り込まれ
ています。
当社はこの計画の遂行を通じて、
中長期的な事業の
行い、ひとつの区切りをつけることができました
安定化および財務の安定性と健全性の強化を図っていきます。
ことをご報告致します。
限られた経営資源で再生を果たすために、
事業の選択と集中を
進め、
「身の丈にあった事業規模で当社の強みを活かした商品
●事業構造改革のための取り組み
再生断行のための施策として、
「事業再生委員
会」を2004 年 6 月から1 年間の限定で設置しまし
た。社員へのインタビューやアンケートなどを通
じて抽出された経営課題に応じて、当社の変革と
を開発し、
お客様に満足して選んで頂ける会社」
に生まれ変わ
ることを目指しています。
●損益必達目標
(1)
2006 年度での黒字化
(当期利益 80 億円)
(2)
2007 年度での黒字体質定着化
(当期利益 410 億円)
再生に対する熱意と実行力を持った若手・中堅
社員を中心に、部門横断的な同委員会直属のクロ
ス・ファンクショナル・チーム(CFT)を立上げ
ました。このCFT より経営改革推進に向け、組織
の壁を乗り越えて、諸施策の提言を行いました。
これらの施策は、
「三菱自動車再生計画」に盛り込
み、2005年1 月に発表しました。
(右参照)
なお、経営実行力の強化に向け、2005 年 4 月に
組織改正を実施し、指揮命令系統の一本化・責任
●重点ポイント
(1)
お客様第一・信頼性の向上
・マーケティングからサービスまでお客様第一
・商品の徹底的な信頼性の向上
(2)
事業戦略
・下振れリスクを織り込んだ販売計画
・他自動車会社との事業提携の積極的推進
・過剰生産設備、
販売体制の適正規模化
(3)
資本・資金の増強
・財務体質の強化と再生資金の確保
の所在の明確化を図る体制としました。また徹底
したフォローアップ体制に改め、事業再生推進担
10
環境フェーズ ● 環境マネジメント
環境保全を最重要課題のひとつと認識しています。
環境保全は当社の最も重要な課題のひとつであるとの認識をもとに「環境指針」を定め、環境サステナビリティプランに
基づき継続的な環境保全に取り組んでいます。1993年から、社長を議長とする環境会議を設置し、全社で取り組んでいます。
環境指針
当社は1999年に企業経営における環境保全への取り組みを明確にした「環境指針」(下記参照)を策定しました。
「環境指針」では、環境保全が当社の最重要課題のひとつと認識し、継続的に環境保全に取り組むことと、マ
ネジメント/パフォーマンスの両面において積極的な取り組みを進めることを宣言しています。またこの指針を
▲
▲
▲
すべての製品・サービスなどに反映するため、
「環境サステナビリティプラン」
P.13-14 を策定し、具体
的な環境保全活動を進めています。
あ
三菱自動車 環境指針 (1999 年 8 月策定)
基本指針
地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであることを認識し、
(1)グローバルな視野に立ち、
車に関する開発、
購買、
生産、
販売、
サービスなどすべての企業活動の中で総力
を結集し、
環境への負荷低減に継続的に取り組みます。
(2)社会を構成する良き企業市民として、
積極的に地域や社会の環境保全活動に取り組みます。
行動基準
(1)製品のライフサイクルすべての段階において、
環境への影響を予測評価し、
環境保全に努める。
〈重点取り組み〉
● 温室効果ガスの排出量を削減して、
地球温暖化防止に努める。
● 環境汚染物質の排出を抑制し、
汚染の防止に努める。
● 省資源、
リサイクルを推進し、
資源の有効活用と廃棄物の低減に努める。
(2)環境マネジメントの充実に努め、
継続的に環境改善に取り組む。
(3)環境規制、
協定を遵守し、
自主管理目標を設定して環境保全に取り組む。
(4)国内外の関連会社や取引先などと協力し、
環境保全に取り組む。
(5)環境情報を積極的に公開し、
地域や社会との相互理解に努める。
▼
▲
▲
▲
《 環境サステナビリティプラン 》 具体的行動計画
P.13-14
環境指針が単なる理念とならないように、
その具体的行動計画を定めたものが、
中期環境行動計画です。
当社が自動車メーカーとして、
環境改善にどのように取り組んでいくかを以下の 4 つの観点から、
2002 年度
より 5 年間を目安とした具体的な行動計画として定め、
環境サステナビリティプランとして公表しています。
(1)環境マネジメント
※1
環境配慮設計、
ISO14001
認証取得推進をはじめとした環境に関するマネジメント体制の確立や情報公
開など。
国内外関連会社、
購売取引先や販売会社と連携した環境保全体制の充実。
(2)リサイクル
自動車や生産におけるリサイクルの推進など、
資源の有効活用と廃棄物の低減活動。
(3)地球温暖化防止
自動車の燃費向上、
CO 2 やフロンといった温室効果ガスの排出量削減など、
自動車本体だけでなく、
生産・物
流面も踏まえた活動。
(4)環境汚染防止
低公害車の開発・普及促進や自動車排出ガスの低減、
環境負荷物質の排出抑制など、
環境をクリーンに保つた
めの活動。
※1
11
ISO14001
(環境マネジメントシステムの国際規格)
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
組織体制
2004年8 月には、「環境会議」を常務会の一環と位
環境会議
置づけ、環境会議での決定事項は社方針であること
1993 年から社長を議長とする「環境会議」を設置
し、全社的な環境保全活動を推進しています。
を明確にしました。
2004年度の環境会議では、地球温暖化防止の一環
環境会議は年1 回開催し、環境保全への取り組み
である日本、欧州、米国の燃費問題対策を全面的に
の基本方針を決めるとともに、傘下の各部会が提案
見直し、社会動向の変化などを踏まえて今後の活動
した事項について、審議・決定しています。
計画を一部見直しました。
そこで決定された目標は、四半期ごとにフォロー
アップし、目標遂行に向け進捗管理を行っています。
環境会議は下図のように、「商品部会」「生産部会」
全社的な環境保全活動を推進するため、1999 年5
で構成されています。また「使用済自動車の再資源
月に環境部を設置しました。その後、人員を増強し
化等に関する法律」(以下、自動車リサイクル法)へ
2000 年 4 月に「環境技術部」と改名しました。また
の対応を目的として、2001年8 月より「自動車リサイ
2004 年6 月には、国内外リサイクルに関する法律へ
クル法対応検討会」が設置されましたが、2005年1 月
の迅速な対応を図るため設置された「リサイクル推
1 日の法施行をもって、以後「環境マネジメント・リ
進室」を同部に吸収し、環境技術部は全社的な環境
サイクル部会」にて対応することとしました。
保全戦略の立案や、環境会議の事務局を担当してい
ます。
部会長 : 商品開発・環境統括部門担当
(相川常務取締役)
※1
議
長
:
社
長
︵
常
務
会
の
一
環
︶
事
務
局
:
環
境
技
術
部
生産部会
部会長 : 生産統括部門担当
(前田常務取締役)
自
動
車
リ
サ
イ
ク
ル
法
対
応
検
討
会
連携
I
S
O
1
4
0
0
1
技術戦略委員会
・名古屋分科会
・水島分科会
・パワートレイン分科会
・パジェロ製造分科会
環境保全推進チーム
省エネルギー推進チーム
連携
生産技術分科会
製品物流分科会
DfE推進WG
環境マネジメント・リサイクル部会
マーケットWG
部会長 : 商品開発・環境統括部門担当
(相川常務取締役)
情報公開WG
※2
環境負荷物質管理WG
※2
環
境
サ
ス
テ
ナ
ビ
リ
テ
ィ
プ
ラ
ン
へ
の
取
り
組
み
《 環境組織体制 》
商品部会
組
織
体
制
環境専任組織 環境技術部
「環境マネジメント・リサイクル部会」の3 つの部会
環
境
会
議
環
境
指
針
自動車リサイクル法対応検討会は 2005 年 1 月 1 日の法施行をもって、
環境マネジメント・リサイクル部会に統合
社
内
教
育
/
啓
発
物流合理化推進チーム
(工場内の物流改善)
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
関
連
会
社
と
の
取
り
組
み
12
環境フェーズ ● 環境マネジメント
環境サステナビリティプランを公表し、環境保全活動を
推進中。
環境サステナビリティプランは毎年環境会議で審議され、見直ししています。
2004年度は事業再生計画をベースに、複数項の目標を新たに設定し直しました。
(1)環境マネジメント
分類
中期目標項の※印∼ 2004 年度中に目標が見直され変更になった項目
項目
環境配慮設計
DfE* の適用 * Design
環境マネジメントシステム
ISO14001 認証
生産関連会社との連携
情報公開
中期目標
for Environment
● DfE システムの完成、
製品開発への適用(※期限を 1 年延長)
社内・関連会社
●認証取得拠点の拡大、
活動推進
取引先
●新規含む全取引先での認証取得推進(※期限を区切らず継続目標へ)
販売会社システム
●全販売会社における環境マネジメントシステムの構築・実行(※期限を 1 年延長)
国内
●定期的なグループ連絡会開催や情報誌の発行による環境プラン推進
海外
●環境取り組みの相互交流や規制動向の把握など、
海外主要工場との連携強化
情報公開
●環境報告書の継続発行、
環境情報の継続的な発信・充実
(2)リサイクル
分類
項目
中期目標
自動車におけるリサイクル
国内
●自動車リサイクル法対応および円滑なリサイクルのための推進活動
欧州
●リサイクル実効率 95%達成の推進活動、引き取り義務に対応可能なネットワーク構
環境負荷物質
●鉛、
水銀、
六価クロム、カドミウム使用制限対応(国内・欧州)
(システム構築・運用充実、
環境負荷物質管理、
適正処理、
情報公開など)
築、
情報提供など
埋立処分量
●全工場での埋立処分量ゼロ化(当社規定値 0.1%未満)
の維持
リサイクル
●廃棄物の再資源化率 98%以上【∼ 2005 年度末】
副産物
●金属くず、
鋳物廃砂の低減(売上高比率 2001 年度比 1.7%低減)
【∼ 2006 年度末】
水資源
●使用合理化による水使用量低減(2000 年度比 5%低減)
【 ∼ 2005 年度末】
分類
項目
中期目標
自動車の燃費向上
国内
●国内 2010 年燃費基準の早期達成( ※∼ 2007 年度)
欧州
●欧州燃費 2009 年自主目標の達成に向けた燃費改善
エアコン冷媒
代替フロン
(HFC134a)
の 使用量削減
●新型車への省冷媒エアコンシステム
(1995 年比 20%以上削減)
の拡大採用
代替フロン非使用エアコン
● CO 2 エアコンの開発促進
生産工程におけるリサイクル
(3)地球温暖化防止
●欧州規制(HFC134a 全廃)
の対応(2005 年度より新規追加)
生産・物流
CO 2 排出量の削減
工場
●工場の省エネによる排出量 1990 年度比 20%以上低減【∼ 2010 年度】
完成車輸送
●車輸送効率化による排出量 2000 年度比 6%以上低減【∼ 2005 年度】
●木材梱包ケース使用量の売上高比率 2000 年度比 15%以上低減
【∼ 2005 年度】
梱包、
包装資材
(4)環境汚染防止
分類
項目
低公害車
独自の技術搭載車
低排出ガス車
(MIEV 技術)
中期目標
MIEV 技術の研究開発 ●インホイールモーターを適用した各種自動車技術の研究開発(2005 年度からの新規目標)
電気自動車
●電気自動車(EV)、
ハイブリッド電気自動車(HEV)
の開発および実証試験
燃料電池車
●次期燃料電池車(FCV)の導入(※計画見直しにより一部内容修正)
(※計画見直しにより一部内容修正)
その他クリーンエネルギー車
●アイドリングストップ実用化に向けての研究継続
低燃費、
低排出ガス車
●国内新優遇税制対象車の販売台数比率向上
登録車: 75%以上 / 軽自動車: 55%以上【∼ 2005 年度】
※2
※3
●低排出ガス認定車(新 ULEV 車 新
SULEV 車 )
の国内登録車販売台数比率
85%達成【∼ 2005 年度】
●車室内 VOC の低減
車室内環境
VOC
(揮発性有機化合物)
生産における環境負荷物質の
VOC
●当社全体平均 42g/㎡以下に排出量を抑制【∼ 2009 年度末】
( ※全社平均値管理へ)
低減
ダイオキシン
継続的に規制値達成されており、
2004 年度よりサステナビリティプランから外し、
通常管理へ
13
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
【評価は年度単位の目標に対する評価 ○:目標達成(順調に進捗) △:遅延しているが早期挽回が可能 ×:年度目標未達で計画の変更が必要】
2004 年度実績
評価
2005 年度目標
にて認証取得済)
●取得率 93.6%(379 社/405 社)
×
●新規取引先含め、
全取引先での取得推進
●販社への産廃処理に関する指導、
説明会。
推進体制の見直し
×
●環境マネジメントシステムの再構築とその実行
●定期的なグループ連絡会開催や情報誌発行による環境プラン推進
○
●定期的なグループ連絡会開催や情報誌発行による環境プラン
P.20,25
P.15
P.27
P.34
P.18
P.56
▲
▲
▲
●取得済み認証の 2004 年度版への移行。
開発部門の認証取得
▲
▲
▲
△
▲
▲
▲
●推進体制の見直し
(国内・海外関連会社を含む主要生産関連施設
参照項
▲ ▲
▲ ▲
▲ ▲
●今年度末までにシステム完成、
製品開発への適用を開始
▲
▲
▲
×
▲
▲
●配慮する環境項目精査が必要となり、
推進体制を見直し
P.17
推進
●海外主要工場の取り組み状況把握、
省エネ目標設定サポート
○
●環境報告書の和英同時発行(2004 年 8 月)、パンフレット発行、 ○
●海外主要工場の取り組み状況把握、
CO 2 削減目標の提案など
●社会・環境報告書へ名称変更し、より分かりやすく充実した環
境報告書を作成
当社 HP にコンテンツ追加(2004 年 6 月)
など
2004 年度実績
評価
○
●認証指令改定フォロー、
解体情報の提供、
取り組み状況の公開
●国内新型車の環境負荷物質使用量調査(収集システム遅れにより遅延)
●リサイクル実効率 85%達成の確認
△
●新型車における環境負荷物質使用量調査の随時実施
P.26-27
●全工場で埋立処分量ゼロ化を維持
○
●リサイクル率 98%以上の継続維持
●売上高比率 2001 年度比 0.7%増加
△
●中期目標達成に向けた活動推進
● 2000 年度比 5%以上低減を継続維持
○
● 2000 年度比 5%低減の維持
評価
×
2005 年度目標
▲
▲
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲
○
●リサイクル率 98%以上を継続維持
●ガソリン乗用車:該当 7 区分中 4 区分達成
P.36-37
六価クロムの切り替え対応立案
●各 EU 規制への対応。
●全工場で埋立処分量ゼロ化を継続維持
2004 年度実績
P.35-38
●認証指令改定フォロー、解体情報の提供、取り組み状況の公開
●各 EU 規制に対する適合化の完了。
社内管理システム稼動
P.29
P.29,53
P.29
P.30,53
参照項
● 2007 年度前倒し達成必達に向けた施策の立案
▲
▲
ガソリン貨物車:該当 15 区分中 10 区分達成
P.21,57
●事業再生計画により、燃費達成全体を見直し。目標期限の 2 年延長を決定
● 2005 年新型車に省冷媒タイプのエアコンを採用
●基礎研究の一時中断があり、
計画が遅延
△
● CO 2 エアコンシステムの評価・改良
●欧州代替フロン規制: 2005 年度からの新規目標につき実績なし
−
●法規対応と導入計画の策定
● 1990 年度比 20 %以上低減を維持
○
● 1990 年度比 20%以上低減の維持
● 2000 年度比 6 %以上低減を達成
○
● 2000 年度比 6%以上低減の維持
●生産台数変動によるリターナブルラック出荷減などにより、売上高比率 2000 年度並
△
リターナブル化をさらに推進し、
中期目標値の玉成を図る
●非木材化、
2004 年度実績
評価
2005 年度目標
●事業再生計画に伴い、
EV/HEV 戦略を見直し
×
● MIEV 試験車での性能評価
●次期燃料電池車の開発計画見直し
○
●次期燃料電池車の開発計画再編
●アイドリングストップ開発計画見直し
×
●アイドリングストップシステムの玉成
●新優遇税制対象車比率
×
●新優遇税制対象車比率の中期目標値の達成
×
●新 ULEV/新 SULEV 車の販売台数比率の中期目標値
○
● VOC 低減技術の促進、
新型車への折込
P.22,57
○
●全社平均 VOC 排出量 42g/㎡以下に向けた長期計画の見直し
左記のとおり
−
−
▲
▲
▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲
●一部塗装ラインの水性化により、
前年比 11%低減
*1 ASR : Automotive Shredder Residue
(自動車破砕くず)
*2 新 ULEV :平成 17 年基準排出ガス 50%低減
(☆☆☆)
した車
*3 新 SULEV :平成 17 年基準排出ガス 75%低減
(☆☆☆☆)
した車
P.23
85%達成
2004 年度目標 登録車: 75%⇒実績 58.3%
●低 VOC 材の開発・新型車への適用
P.23
▲
▲
軽自動車: 2004 年度目標 20%⇒実績 30.7%
●低排出ガス認定車の販売台数比率
P.24
[登録車]: 75%以上 / [軽自動車]: 55%以上
登録車: 2004 年度目標 65%⇒実績 49.5%
環
境
サ
ス
テ
ナ
ビ
リ
テ
ィ
プ
ラ
ン
I
S
O
1
4
0
0
1
へ
の
取
り
組
み
社
内
教
育
/
啓
発
参照項
▲
▲
▲
●当社独自システムの研究開発および実証試験
P.28,53
P.33
P.33
▲
▲
▲
−
P.22
▲
▲
▲
● 2005 年度からの新規目標につき実績なし
P.21
P.22
▲ ▲
▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲
事業性を踏まえた施策の立案
●技術および、
○
▲
▲
▲
×
▲ ▲
▲ ▲
▲ ▲
●事業再生計画により、
対応計画見直し
●省冷媒エアコンを採用したコルトを発売
組
織
体
制
参照項
▲
▲
● ASR※1リサイクル率向上やその他リサイクルの推進
引取品目適正処理体制の構築など)
●引き取り義務に対応できるネットワークの構築
2005 年度目標
●リサイクルシステム対応、その他リサイクル関連情報を含む情報公開
▲
▲
○
▲
▲
●自動車リサイクル法対応(システム構築、リサイクル料金公表、
環
境
指
針
P.22
P.30,32
P.32
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
関
連
会
社
と
の
取
り
組
み
14
環境フェーズ ● 環境マネジメント
ISO14001 認証を取得し環境啓発・教育活動を実施。
国際規格 ISO14001の認証取得をはじめ、製作所ごとの環境監査の実施、環境活動の重要性を理解するための社内教育、
環境窓口担当者の設置など、さまざまな環境活動とその啓発を行っています。
ISO14001 への取り組みなど
ISO14001 認証取得
緊急時の対応
環境マネジメントシステムの国際規格である
生産活動における安全操業と環境負荷低減のた
ISO14001 の認証を国内の全製作所ならびに国内、
め、適正な運転基準・作業標準を定めて安定した操
海外の主要関連会社において取得しています。
業に努めています。また、天災や日常の作業で想定
される事態も想定した「緊急時の対応方法」を定め、
国内
●名古屋製作所
●パワートレイン製作所
●水島製作所
1998 年 11 月
1998 年 11 月
1998 年 12 月
定期的に訓練を実施しています。
国内関連会社
●パジェロ製造
(株)
●三菱自動車エンジニアリング
(株)
●水島工業
(株)
●水菱プラスチック
(株)
●三菱自動車ロジスティック
(株)
環境事故・苦情・訴訟
1999 年 7 月
2000 年 2 月
2001 年 10 月
2002 年 6 月
2003 年 11 月
2004年度は、環境に関した事故はありませんでした。
住民苦情は、2004 年度において10 件ありました。騒
海外関連会社
● NedCar
(オランダ)
● MMNA
(米国)
● MMTh
(タイ)
● MMPC
(フィリピン)
● MMAL
(オーストラリア)
1999 年
2001 年
2001 年
2001 年
2003 年
音、臭気などが大半で、原因究明・発生源対策の改
9月
3月
6月
7月
3月
善に努めるとともに、工場周辺の巡回を行い不具合
の早期発見に心掛けています。
環境に関する訴訟については、自動車排出ガス関
環境監査
係で、2002 年 10 月 29 日に第 1 次東京大気汚染公害
当社では、製作所ごとに年1回以上の内部監査と
理中です。第 2 次∼ 5 次東京大気汚染公害訴訟につ
訴訟の第1審判決が出ましたが、控訴により継続審
第三者機関による年1回の外部審査の受審を行っ
いては、東京地裁にて審議中です。
2004年度に国土交通省に届け出た製品リコールの
ています。
内部監査では、内部監査員資格認定制度により社内
うち、環境に関連するものは4件ありました。1件は
外の教育を受け、認定された内部監査員が600∼700
デリカ(商用車)ディーゼル車のDPF(ディーゼル微
項目に及ぶチェックシートにより確認し、そこで指摘
粒子除去装置)の不具合によりPM(粒子状物質)の
を受けた事項については、最高責任者のチェック&レ
排出量が基準値を超える恐れがあるものです。残り
ビューを受け、的確な是正措置を実施しています。
3件はデリカ(商用車、触媒後付け装着車)
、デリカト
2004年度の各製作所における外部審査結果では、
ラック、ランサー
(M/T教習車)のマフラーに関する
重大な不適合、軽微な不適合はなく、観察事項とし
もので、メインマフラー前部の排気管に亀裂が入り
て4 件の指摘を受けたため、直ちにシステムの是正
折損などにより騒音が増大する恐れがあるものです。
を実施しました。
いずれも対策品への交換などにて対応しています。
各製作所での内部監査のしくみ
レビュー
組 織( 製 作 所 )
最 高 責 任 者( 所 長 )
結果の報告
監査の指示
環 境 管 理 責 任 者( 担 当 副 所 長 )
・監 査 結 果 取りまとめ
・展 開 事 例 の 公 開
・監 査 計 画 作 成
・監 査ポイントの 指 示
結果の報告
監査の指示
監査チーム
監査チーム
監査チーム
監査の実施
○○部
是正処置の確認
△△ 部
××部
被監査部門
15
監査チーム
※※部
ISO事務局
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
社員教育/啓発
社員教育
環
境
指
針
環境関連資格の取得推進
新人研修、エンジニア研修などで新人から中堅社
主な資格所有者数
区分
員を対象に環境教育を実施するとともにISO事務局
担当部門を中心に主に製作所の社員向けに、環境活
公害防止管理者
合計(人)
主任
4
大気
16
動の重要性を理解するための、社内教育を継続的に
ダイオキシン
実施しています。
水質
23
騒音
12
4
振動
環境窓口担当者の設置
エネルギー管理者
多岐にわたる環境活動を職制の枠を越えて遂行す
るため、また社内コミュニケーションの向上を目的
として、各地区・各部に率先して環境活動の推進を
行う環境窓口をマネジメントクラスの社員を中心に
設置しました。この窓口担当者を対象に環境法規の
65
熱
15
電気
14
計
29
環境月間活動
環境月間の活動内容
(2004 年 6 月)
動向や、当社の環境活動への理解を深めるため、各
項目
内容
地区にて環境活動説明会を実施し、約270 名が参加
啓発活動
環境月間ポスターの掲示
立て看板設置による PR 活動
しました。また、全社員に環境報告書の要約版を配
地区別ニュース
(新聞)
に掲載
布し、環境窓口担当者から説明を行い、理解活動に
努めました。今後も年に1 回開催する予定です。
イントラネット掲示
実践活動
地域清掃活動などの実施および積極的参加
るために、2004年12月より月に1回『環境かわら版』
社会貢献やコンプライアンスまで幅広い情報を、紙を
削減するため社内メールを利用して配信しています。
環境施設の点検および測定実施
廃棄物の処理・処分委託先調査
また部門間の環境コミュニケーションの向上を図
を環境技術部より発行しています。環境に限らず、
6
計
環境管理責任者による工場環境巡視
その他
社員アイドリングストップの呼びかけ実施
組
織
体
制
環
境
サ
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ラ
ン
I
S
O
1
4
0
0
1
へ
の
取
り
組
み
構内樹木の点検整備
各種団体行事参加
2005 年の活動
従来は各地区毎に実施していた環境月間の活
動を、
2005 年 6 月より全社活動として開始し
社
内
教
育
/
啓
発
ました。
夏期軽装活動を実施し室温を 28 ℃に
徹底、
不要照明のさらなる見直しや環境保全に
関する提案活動により、
意識向上を図り確実な
成果をあげました。
また 7 月には
「チーム・マ
環境活動説明会
イナス 6%」
活動にも参加しました。
※1
アイドリングストップ 活動の推進
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
車両のアイドリングストップの実施については、
社員への指導とともに、敷地内に乗り入れるお客様
や納入業者にも協力をお願いしています。
※1
アイドリングストップ
車が止まっている時に、
エンジンがかかっている状態を「アイドリング」
といい、
大気汚染を防止するため、
不必要なときには車のエンジンを止めること。
関
連
会
社
と
の
取
り
組
み
16
環境フェーズ ● 環境マネジメント
さまざまなステークホルダーとのコミュニケーションを重視。
環境報告書の発行はもちろん、インターネットを通じた情報提供など、環境に関する情報をさまざまな機会に公開しています。
また国内の生産関連会社との連携を取って、環境への取り組みを積極的に推進しています。
コミュニケーション
インターネットを通じた情報提供
環境報告書/製作所レポートの発行
1999年9 月の初版以来、毎年日本語版と英語版の
当社ホームページ内の環境ページ「環境への取り
2 ヵ国語で発行しており、冊子による配布を行うと
組み」では、過去すべての環境報告書、環境サステナ
ともにインターネットで公開しています。
ビリティプランなど、環境に関する情報を公開して
います。
また、国内 3 製作所においても地域とのコミュニ
特に車種別環境情報では、お客様が自動車のグリー
ケーションに活用するため、環境活動についての製
作所レポートを発行しています。
ン購入を検討される際の参考に、主要車種の環境情
環境報告書の発行履歴
報を提供しています。
初 版(1999 年版)
第 2 版(2000 年版)
第 3 版(2001 年版)
第 4 版(2002 年版)
第 5 版(2003 年版)
第 6 版(2004 年版)
第 7 版(2005 年版)
また、小学生自動車相談室、子供向けサイト「こど
1999 年 9 月
2000 年 8 月
2001 年 9 月
2002 年 10 月
2003 年 7 月
2004 年 8 月
2005 年 9 月
もクルマミュージアム」でも環境と自動車の関係に
ついて紹介しています。
※ 2005 年版は社会・環境報告書
環境パンフレットの発行
自動車づくりにおける環境への取り組みをまとめ
た環境パンフレット「環境と自動車づくり」(小学生
向け)を2004年6 月に発行しました。
このパンフレットは、工場見学者や環境授業支援、
Web http: //www.mitsubishi-motors.com/corporate
/environment/j/
販売会社において配布しています。
外部行事への参加
低公害車の普及広報活動として、
各地で開催される展示会やフェアなどに当社の各種低公害車を出展しています。
2004
年度の主な参加実績は下表の通りです。
2004 年度の主な参加行事
自動車技術展 人とくるまのテクノロジー展 2004
主催者
(社)
自動車技術会
実施日
実施地域
5/19 ∼ 21
横浜
エコカーワールド 2004
環境省他
6/5 ∼ 6
横浜
第 15 回世界水素エネルギー会議
水素エネルギー協会、
(独)新エネルギー
6/28 ∼ 30
横浜
・産業技術総合開発機構(NEDO)
低公害車フェア 2004in おおさか
大阪府、
大阪市他
9/17 ∼ 19
大阪
オール・エコカー・フェスティバル in 和歌山マリーナシティ
和歌山市
10/21 ∼ 23
和歌山
エコカー体験フェア in おだわら
小田原市他
10/31
小田原
第 10 回日本 EV フェスティバル
日本 EV クラブ
11/3
筑波
京都府低公害車フェア in けいはんな
京都府
11/14
京都
第 2 回ひろしま低公害車試乗・展示会
広島県、広島市他
11/26
広島
京都環境フェスティバル 2004
京都府他
12/11 ∼ 12
京都
2/9 ∼ 11
東京
3/10 ∼ 11
横浜
ENEX2005 第 29 回地球環境とエネルギーの調和展
平成 16 年度 JHFC セミナー
17
(財)
省エネルギーセンター
水素・燃料電池実証プロジェクト(JHFC)
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
関連会社との取り組み
の法規動向と低濃度PCBの問題を取り上げました。
国内生産関連会社との連携
また、2005年1月からスタートした自動車リサイク
主要生産会社であるパジェロ製造(株)は、当社の
環
境
指
針
ル制度についての情報も記載しました。
環境会議生産部会のメンバー
(パジェロ製造分科会)
として、
当社製作所と相互の情報交換を活発に行い、
▲
▲
▲
環境への取り組みの推進を図っています。
P.28
組
織
体
制
また、他の生産関連会社との連携は、年 2 回開催
している「三菱自動車グループ工場環境連絡会」で
行っています。2004 年度からは、水島工業(株)
、水
菱プラスチック(株)の2 社で2004 年 7 月と12 月に
開催し、環境管理上の技術的課題、メンバー会社の
環境取り組み状況などの情報交換を行いました。
また、関連取引先企業 65 社を対象に年 2 回「工場
環境トピックス」を発行し、法規制の動向や環境問
題に関する各種情報の提供を行っています。
第15号は大気汚染防止法におけるVOC排出抑制
第 15 号 工場環境トピックス
パジェロ製造株式会社
水島工業株式会社
パジェロ製造株式会社(以下 PMC)
では、
環境保
水島工業
(株)
では、
環境保全への取り組みを強化
全 の取り組みを強 化するため、1 9 9 9 年 7 月 に
ISO14001 認証を取得、
三菱自動車の環境サステ
するため、
2001 年 10 月に ISO14001 認証を取
得し、
2004 年には第1回更新審査を受けました。
ナビリティプランをもとにした「PMC 中期環境行動
計画」を策定し、
環境保全推進委員会と省エネ推進
環境への取り組みは
「水島工業中期環境行動計画」
に基づき
「年度環境マネジメントプログラム」
を作成
委員会で構成される環境会議を中心に現場における
環境負荷の低減活動に取り組んでいます。
また岐阜
し、
各推進項目について具体的改善計画と目標を設
定して活動し、
社長主催による環境会議で進捗状況
県「環境配慮事業所」にも登録されています。
をフォローしながら環境負荷の低減に取り組んでい
主な取り組みとして、
廃棄物の埋め立てゼロレベ
ル化
(ゼロエミッション)
、
省エネルギー、
リサイクル
ます。
の促進など、
環境負荷を下げるための目標を設定し
て取り組んでいます。
水菱プラスチック株式会社
水菱プラスチック(株)では、ISO14001 認証
を 2002 年 6 月に取得し、
活発な活動を行ってい
ます。
取り組み体制としては、
環境マネジメント部会、
省
資源・リサイクル部会、
地球温暖化防止部会の 3 つ
の部会を軸として、
環境目標を設定し積極的に取り
組んでいます。
3 部会では、
環境目標を
「環境マネジメントの充
実、
オフィスにおける環境保全活動」
「省資源・リサ
イクルの推進、
埋立廃棄物ゼロ化推進」
「CO 2 排出抑
制、
環境負荷物質の低減」
などに定め、
活動を行って
います。
環
境
サ
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S
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り
組
み
社
内
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啓
発
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ン
関
連
会
社
と
の
取
り
組
み
18
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
さまざまな角度から環境配慮設計を実施しています。
当社では、DfEと呼ばれる環境配慮設計とそのマネジメントシステムを確立し、開発・設計プロセスにおける環境負荷に
配慮した基準や体制などを明確化し、環境マネジメントレベルの継続的な向上を目指しています。
自動車ライフサイクルにおける環境負荷
自動車は、その一生∼「つくる」 「つかう」 「もど
す」∼を通じ、さまざまな形で環境に対して負荷を
地球環境
地球温暖化
オゾン層破壊
与えます。地域に密着した環境問題から地球規模
の環境問題に至るまで、広く関わりを持っていま
す。当社は長期的かつ広範囲への環境負荷を継続
広
範
囲
的に低減するため、総合的な取り組みを行ってい
長
期
間
広域環境
酸性雨
廃車処理
ます。
自動車ライフサイクル ※1 の各段階における主な
INPUT(エネルギーなどの投入)/OUTPUT(環
地域環境
大気汚染
自動車騒音
境への排出)は下図に示すとおりです。各段階にお
ける環境負荷と、その低減への取り組みについて、
空間
時間
以下のページで具体的に紹介します。
製品のライフサイクルとそれに関連する企業活動
(製品開発においては、使用時の環境負荷の低減や、
リサイクル関連を特に重視)
エネルギー
電力
都市ガス
石油類
用水など
ガソリン
軽油など
ガソリン
軽油など
開発・設計
生 産
物 流
販 売
P.20-P.26
P.28-P.32
P.33
P.34
CO2
SOx
NOx
VOC
排水
騒音
化学物質
産業廃棄物
CO2
NOx
CO
HC
PM
騒音など
CO2
NOx
CO
HC
PM
騒音など
P.52-P.56
P.33
P.57-P.58
再生可能素材など
調 達
P.27
※1
19
製品の使用
リサイクル
P.35-P.38
エアバッグ
フロン
ASR
P.35
中古部品、再生部品など
再生可能素材、廃バンパーなど
部品・素材メーカー
自動車ライフサイクル
ここでは工業製品開発における設計から廃棄・リサイクルまでのことをいいます。
(PLM: Product Lifecycle Management 「製品ライフサイクル管理」
の概念と同じ)
業
者
で
適
正
に
処
理
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
リサイクル
再生・再利用
環
境
フ
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ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
開発・設計
開
発
・
設
計
Df E の推進
LCA への取り組み
Df E とは環境配慮設計(Design for Environ-
LCA ※3(ライフサイクルアセスメント:Life Cycle
ment)のことで、ライフサイクル全体の環境負荷に
Assessment)とは、原料採掘から廃棄/リサイクル
配慮して開発・設計を行うこと、またそのマネジメ
までの環境に与える影響を予測評価する手法です。
当社ではe-DES の評価ツールとして位置づけ、地
ントシステムのことです。
当社では現在、Df E 推進のための独自のマネジメ
ントシステム「e-DES」
(イーデス: environmental
球温暖化防止の評価物理量にLCA によるライフサ
イクルCO2 排出量を用いることとしました。
Design & Evaluation System)の早期適用を目指
製造段階については、車両の設計データからLCA
しています。e-DES は、開発・設計での環境配慮の
計算用の部品別材料別重量リストを整備し、これを
進め方について、具体的な基準や手続き、体制など
もとに加工工程を特定し、CO2 排出量を算出します。
を明確化するもので、製品の環境性能と開発・設計
ここでいう部品の最小構成は約500 分類、材料は約
環境マネジメントレベルの継続的向上を目的として
80 分類です。加工工程は、原則として材料にリンク
います。e-DES の重点取組分野は図の3 つの分野と
して特定されます。各加工工程に対し予め内製工場
しました。e-DESの進め方は、次の通りです。
などで調査されたCO2 排出量の原単位データ(単位
●「MMDS」の中で「クオリティゲート(QG
※2
)
」で
調
達
生
産
重量当り)が準備されており、CO2 排出量は材料重
量との積算によって算出されます。
管理する。
●プロジェクトごとに、開発とりまとめ担当者をリー
ダーとし、設計および定量化部門スタッフによる
DfE チームを結成し、推進する。
●進め方について、プロジェクトごとに改善検討する。
●重点取組分野に関連する物理量(環境INDEX)に
対して、開発初期段階から目標設定と評価を行う。
●独自の考え方に基づく、環境配慮の管理指標を適
e-DES の環境 INDEX
重点取組分野
資源消費・
廃棄物の抑制
●製品の環境情報をまとめる。
発売中のモデル
推進
次期モデル
環境汚染
推進
LCA 値
(CO2)
排出ガス値
環境負荷物質使用量
ASR 基準重量
車両重量
燃料消費率
(10 ・ 15 モード)
3R
(Reduce,Reuse,
Recycle)
指標
物
流
LCA 計算での部品の分類
(一部)
地球温暖化
推進
ライフステージとの関連
製造段階 使用段階 廃棄段階
地球温暖化の防止
環境汚染の防止
用し、発売中のモデルを越えることを狙う。
e-DES による DfE 推進のイメージ
環境 INDEX
資源消費・廃棄物
(単位: kg)
部品小分類
部品名称
M2****
M5****
M5****
M5****
M6****
M1****
WHEEL&TIRE
REAR SIDE STRUCTURE
FENDER SHIELD
REAR FLOOR
FRONT SEAT ASSY
CYLINDER BLOCK
車種 A
車種 B
39.4
46.6
18.9
29.4
33.3
22.3
51.2
60.9
42.5
28.5
30.4
31.4
販
売
LCA 計算での材料の分類(一部)
中心へ向かうほど環境負荷が小さい
材料名称
構造用鉄鋼材
構造用合金鋼
熱可塑性エストラマー
ポリアミド
アルミニウム合金板
線・綿材
※2
材料コード
31
32
77
78
53
23
▲
▲
クォリティゲート
(QG)
MMDS
(新型車開発プロジェクト全体のマネジメントツール)
(参照 P.44)
に規定されている、
プロジェクト進捗状況を確認・管理する評価時点
(ゲート)
の
ことであり、
商品コンセプトの決定
(ゲート F)
から最終品質確認段階
(ゲート A)
までに、
6 つのゲートが設けられている。
P.43,44
LCA の国際規格として ISO14040 シリーズがある。
リ
サ
イ
ク
ル
※3
20
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
商品での地球温暖化防止と大気汚染防止のための取り組み。
地球温暖化防止のため、二酸化炭素の排出量の低減をはじめ、エアコン冷媒の使用量の削減などに積極的に取り組んでいます。
平成17年基準排出ガス75%低減レベル☆☆☆☆を主力車種で達成するとともに、
車室内環境の改善にも全力で取り組んでいます。
CVT※4 の採用を約 30%まで拡大
地球温暖化防止
金属ベルトで動力を伝達し、連続・無段階に変速
地球温暖化の一因とされる温室効果ガス排出量
が可能なCVT は、エンジンをつねに高効率な領域
を削減する目的で、以下のような取り組みを推進し
で使用できるため、燃費改善に寄与します。当社は、
ています。
小型・軽量の CVT を開発し、2000 年 5 月発売のラ
ンサーから順次小型車に採用しています。2004年度
二酸化炭素
(CO2)
排出量の低減
の当社製登録車において、CVT を採用している車
※1
自動車からのCO2 排出量削減のため、省エネ法
種数は、全体車種数の約3 割を占めています。
※2
により基準エネルギー消費効率(燃費目標基準 )
が設定されています。
(目標年度:ガソリン車は
2010 年度、ディーゼル車は 2005 年度)当社では、
2010 年燃費基準の早期達成を目指し、新型車発売
のタイミングに合わせて、エンジン・駆動系の改良、
軽量化、転がり抵抗・空気抵抗低減などの燃費改善
CVT 採用車種一覧
全車
全車
1.5L エンジン車
ターボ車を除く
4WD 車を除く
ターボ車を除く
コルト
コルトプラス
ランサー
ランサーワゴン
ランサーカーゴ
ディオン
を進めています。2004年度に販売した車種では、13
車種55 型式が2010 年の燃費目標基準を達成してい
駆動プーリー
ます。2004 年度は、ガソリン乗用車の該当7 区分中
4 区分で基準値を達成しました。ガソリン貨物車
スチールベルト
(MT)では該当 8 区分中 5 区分で、ガソリン貨物車
(AT)では該当 7 区分中 5 区分で基準値を達成しま
従動プーリー
した。燃費基準達成車の生産台数比率は、ガソリン
ローの状態
乗用車で66%から69%に、ガソリン貨物車(全車)で
オーバードライブの状態
CVT 機構
(イメージ)
63 %から87%に向上しました。
▲
▲
▲
P.57
排出ガスも低減する高効率エンジン
燃費改善、排出ガス低減、さらには出力向上に寄
与するMIVEC
※3
エンジンをグランディス、コルト、
コルトプラスに順次搭載してきました。
このMIVEC エンジンは、従来のMIVEC 機構を
自動マニュアルトランスミッション( AMT )の
採用
2004 年度に欧州で発売したコルトでは、自動マ
ニュアルトランスミッションを採用し、スポーティ
な走行を実現するとともに、従来のマニュアルトラ
ンスミッションに対してEUモード燃費で5%向上す
るなど低燃費性を発揮しています。
発展させた新しい構造を採用しています。特にコル
ト、コルトプラスでは、新たにオールアルミ製エンジ
ンを採用して小型・軽量化を実現し、高出力と低燃
新技術を採用した省エネエアコンシステム
グランディスのエアコンは、冷房性能の向上と、
費を両立させるとともに、低排出ガス車(平成17 年
実用燃費の改善を両立させる目的で、以下の新技術
基準排出ガス75%(☆☆☆☆)および50%(☆☆☆)
を採用しました。
低減した車)の認定を受けています。
●要素部品(エアコンコンプレッサー、エアコンユ
ニット、コンデンサー)の高効率化
●制御の最適化(省エネ制御、エアコンとエンジン
の協調制御)
●エアコン自体の重量低減
※1
※2
※3
※4
21
省エネ法:正式名称
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
燃費目標基準:乗用車および車両総重量 2.5t 以下の貨物車に設定されている。
MIVEC
(Mitsubishi Innovative Valve Timing Electronic Control System)
:三菱自動車の可変バルブタイミング機構付エンジンの総称。
CVT
(Continuously Variable Transmission)
:無段変速機。
エンジン性能を効率よく引き出すことが可能。
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
エアコン冷媒
(HFC134a)
使用量の削減
リサイクル
再生・再利用
地球温暖化の原因となるCO2 よりも高い温室効
果を持つHFC134a の使用量削減のため、1997年以
快適で安全な車内空間を提供するため、材料や加
降の新型車から「熱交換器の小型化」
「高効率コンデ
工法の改良により内装部品から発生する有機溶剤
ンサーによる省冷媒タイプのエアコンの採用」の取
などの揮発性化学物質の低減を図っています。その
り組みを進めています。2004年度に発売したコルト
結果、新型グランディスは内装部品の改良で、旧型
プラスにもこの取り組みを採用しました。また、エ
に比べ接着剤から発生する成分については3 分の1
アコンメーカーと共同で、HFC134a の代わりに
以下と大幅に低減し、また塗装から発生する成分に
CO2 を冷媒とするエアコンの開発も進めています。
ついても3 分の2以下に低減しています。
内装部品の改良内容(化学物質低減方法)
大気汚染防止
日米欧をはじめ多くの国・地域で自動車排出ガス
規制の強化が進められ、日本では昭和41年から自動
車の排出ガス規制が開始され、年々強化されてきま
した。現在最もクリーンなガソリン車の排出ガスレ
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
車室内環境の改善
天井
消臭加工表皮材による化学物質の吸着・分解
インパネ
表面塗料の有機溶剤を低減
ドアトリム
オーナメント表皮接着剤の有機溶剤を低減
開
発
・
設
計
調
達
グランディス車内の化学物質発生量の比較
【接着剤から発生する成分】 【塗装から発生する成分】
新型
ベルは、当時の規制値に対して1/100のレベルに達
しています。当社は、規制への早期対応、よりクリー
ンな排出ガスレベルの実現に取り組んでいます。
生
産
旧型
車室内濃度(μg/m 3)
車室内濃度(μg/m 3)
試験条件:実車測定(盛夏の屋外、一日放置相当)
ガソリンエンジンの排出ガス低減
当社では、2004年度に発売した、eKワゴン、コル
また、タバコ臭、生活臭、ホルムアルデヒドなどを
成17 年基準排出ガス75%低減レベル☆☆☆☆」に17
型式、
「平成17 年基準排出ガス50%低減レベル☆☆
を、2003 年 5 月に自動車業界ではじめて新型グラン
☆」に53型式が適合しました。
P.57 これらの
コルトプラスへも採用しました。タバコ臭や生活臭
低排出ガス車は、2004年度の販売台数の67%を占め
であるアンモニア臭に対しては速やかな消臭能力を
ています。また、
「平成 17 年基準」に「平成 12 年基
示し、ホルムアルデヒドに対しても優れた消臭効果
準」を加えた超-低排出ガスレベル以上の販売台数
を発揮します。この消臭機能は、触媒作用によるも
比率は、73.5%となりました。
ので、消臭剤自体は変化しないため持続性がありま
▲
▲
▲
ト、ランサーなどが低排出ガス車の認定を受け、
「平
吸着し、水や二酸化炭素などに分解する消臭加工
米国では2003年よりカリフォルニア州大気資源局
※5
(CARB)から PZEV (Partial Zero Emission
Vehicle)
として認定されたギャランを発売しています。
ディスの天井材に採用し、2004 年10 月にはコルト、
物
流
す。このほか、空気中の花粉や塵だけでなく排出ガ
スなどの悪臭を取り除く脱臭機能つきクリーンエア
フィルターも採用しています。
販
売
吸着・分解
水
タバコ臭
二酸化炭素
生活臭
化学物質
リ
サ
イ
ク
ル
※5
PZEV
(Partial Zero Emission Vehicle)
:クリーンなガソリン車に与えられる ZEV 規制が定める認証区分。PZEV5 台分で ZEV1 台分に相当。
22
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
低公害車の研究開発を推進。
電気自動車や天然ガス自動車、燃料電池自動車の研究開発を積極的に推進し、次世代の低公害車の誕生に向けて
さまざまな研究開発を行っています。
低公害車の研究開発
燃料電池自動車
電気自動車
当社は、グランディスをベースとした、3 列シート
電気自動車
※1
(EV) は、走行
のミニバンでは日本ではじめてとなる「MIT-
中排出ガスを一
SUBISHI FCV 」で2003年10 月に大臣認定を取得
切出さない環境
しました。
※3
2004 年度も経済産業省主導の水素・燃料電池実
車両ですが、航続
証プロジェクト(JHFC : Japan Hydrogen Fuel
距離を延ばす、充
コルト EV(電池実験車)
電時間を短縮す
Cell Demonstration Project)に参画、東京・横浜
などの公道上での走行試験を通じて、性能、環境特
るなど克服すべき課題もあります。
当社は、将来を見据えたEV の研究開発を継続し
ており、2001 年から高性能モーター/バッテリーを
性、安全性に関する基礎データを収集し、実用化に
向けた技術を蓄積しています。
搭載した実験車「エクリプスEV」でラリーなどに参
加し、2004年からは高性能リチウムイオン電池を搭
載した「コルトEV 実験車(電池実験車)
」で電池の
実用性確認試験などを行っています。
なお、モーターやリチウムイオン電池の性能は、こ
こ数年で大きく向上し、EV の走行性能や航続距離
の改善、充電時間の短縮、車両軽量化などに大きく
MITSUBISHI FCV
貢献することが期待されており、実用的なEV の可
システムレイアウト
能性が高まりつつあります。
リチオムイオン電池の性能向上
二次電池
150
Wh/Kg
エ
ネ
ル 100
ギ
ー
密
度
︵
水素タンク
EV用Li-on
大容量
最近5年間の
EV用Ni-MH
高出力
性能向上
50
HEV用Li-ion
HEV用Ni-MH
自動車用船
︶
0
500
駆動装置
燃料電池システム
電気二重層Capacitor
1000
1500
2000
2500
3000
出力密度(W/Kg)
天然ガス自動車
天然ガスを燃料とし、CO2 の排出量がガソリン車
と比べて少なく、黒煙も排出しないクリーンエネル
ギー自動車です。当社は、軽商用車の天然ガス
※2
自動車(CNG車)
を販売しています。
主要諸元
車名
MITSUBISHI FCV
全長/全幅/全高
4755/1795/1690 mm
車両重量
2,000kg
乗員
5人
最高速度
140km/h
航続距離
150km
▲
▲
▲
燃料電池
形式
固体高分子形(バラード社製)
システム
出力
68kW
水素タンク
貯蔵方式
圧縮水素
充填圧力
35MPa
容量
117L
P.57
ニッケル水素
二次電池
モーター
CNG ミニキャブ
※1
※2
※3
23
EV : Electric Vehicle
(電気自動車)
CNG : Compressed Natural Gas
(圧縮天然ガス)
FCV : Fuel Cell Vehicle
(燃料電池自動車)
形式
交流誘導モーター
最大出力
65kW
最大トルク
210N・m
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
リサイクル
再生・再利用
次世代型電気自動車 MIEV(Mitsubishi In-wheel motor Electric Vehicle)
当社は、
駆動系をコンパクトに収めることができる
「インホイールモーター」
と、
エネルギー密度などの性能面で有利な
「リチウムイオン電池」
を技術の核とした次世代型電気自動車の開発を推進しています。
開発する車両を含めた、
これら
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
開
発
・
設
計
の技術の総称を
『MIEV』
(Mitsubishi In-wheel Motor Electric Vehicle)
と名づけ、
ハイブリッド電気自動車や燃
料電池車への展開も視野に入れた技術開発を進め、
環境の世紀にふさわしいクルマづくりを目指します。
●インホイールモーター
駆動システムをコンパクトにホイール内部へ収めること
MIEV
インホイールモーター
で、
車両レイアウトの自由度を飛躍的に高めることがで
きます。
このため、
ベースとなる電気自動車は勿論、
ハイ
調
達
電気自動車
ブリッド車への展開や、
燃料電池スタックや水素タンク
など大きなスペースを必要とする燃料電池車への展開
が容易となります。
●オール・ホイール・コントロール技術の進化
インホイールモーターを4輪に搭載することによって、
リチウムイオン電池
インバータ
複雑な駆動系(トランスミッション、
ドライブシャフト、
デファレンシャルギヤなど)を必要としない 4 輪駆動シ
ハイブリッド車
ステムが可能になります。
また、
各輪の駆動力・制動力
を高度に独立制御することができるため、
高い運動性能
を得ることができます。
燃料タンク(ガソリン)
●リチウムイオン電池
リチウムイオン電池は、
従来の鉛電池やニッケル水素電
生
産
エンジン/発電機
池と比較して、
エネルギー密度や寿命といった性能面で
有利です。
当社は、
この高性能電池に早くから注目し、
こ
燃料電池車
れを搭載した『三菱 HEV』
( 1996 年)、
『 FTO-EV』
(1998 年)
『
、エクリプス EV』
(2000 年)
を製作し、
24
時間連続走行試験や、
公道走行試験などにより実用性能
燃料タンク(水素)
を確認してきました。
物
流
燃料電池
COLT-EV ∼インホイールモーター実験車∼
MIEV コンセプトの第一弾として、
ベース車となるコル
トの後輪に独自開発のインホイールモーターを搭載した実
験車
「コルト EV」
を製作しました。
現在テストコース上で
の走行を実施中で、
インホイールモーターの課題の明確化
とその克服に向けて取り組んでいきます。
リチウムイオン電池
駆動用インホイールモーター
インバータ
コルト EV 主要諸元
車名
全長
全幅
全高
空車重量
乗員
最高速度
一充電走行距離
(10・15 モード)
種類
モーター
:減速機内蔵式 最大出力
最大トルク
最高回転数
寸法
搭載数
種類
電池
容量
電圧
寸法
搭載数
制御装置
駆動方式
タイヤ
COLT-EV
3,885mm
1,680mm
1,550mm
1,150kg
5人
150km/h
150km
永久磁石式同期モーター
20kW
600N・m
1,500rpm
直径 310mm × 220mm
2基
リチウムイオン
40Ah
14.8V
194mm × 175mm × 116mm
22 個
インバータ制御
後輪駆動
185/55R15
販
売
リ
サ
イ
ク
ル
24
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
独自の「3R 設計」を幅広く展開しています。
リサイクル性向上の取り組みについて、2004年度発売の新型車コルトプラスで行った取り組みを中心にご紹介します。
「3R設計」の積極的な推進により、省資源化をはじめリサイクルの容易化、環境負荷物質の削減を行いました。
リサイクル性向上の取り組み
車両開発の初期段階からリサイクル可能率や環境
負荷物質低減などの目標を設定し、当社独自の
「リサイクル設計ガイドライン」に基づいた 3R ※1 設
計を積極的に推進しています。
熱可塑性樹脂への代替
●燃料ホース
●フードウェザストリップ
●テールゲートウェザストリップ
オレフィン樹脂の採用
●外装部品(バンパー、
ラジエターグリルなど)
●内装部品(インストルメントパネル、
トリムなど)
コルトプラスにおけるリサイクル容易樹脂採用部分
リデュース設計
省資源化や長寿命化に努めています。
省資源化へさまざまな取り組みをしています
小型・軽量化
●シリンダーブロックのアルミ化
●インテークマニホールドやシリンダヘッドカバーの樹脂化
●コネクティングロッドの薄幅化
●高張力鋼板の採用による板厚低減
(ボディ、シャシー部品など)
●テーラードブランクの採用
(ボディパネル、ドアパネルなど)
部品点数削減
●ワイヤーハーネスの削減
●インパネ、
ドア、
ヘッドライニング等のモジュール化
ボディサイドパネルへのテーラードブランク適用例
接合部
サイドパネル
再生材料を随所で再利用しています
工程内端材のほか、他産業廃材についても再利用
を拡大しています。
工程内端材の再利用
●バンパー、
フロントグリルなど
●フロアインシュレータ (カーペット端材)
他産業廃材の再利用
長寿命化への取り組みも行っています
耐久性・耐食性の向上
●タイミングチェーン採用によるメンテナンスフリー化
●防錆鋼板の適用拡大(ボディ、
シャシー、
エンジン部品)
●ボディシーラー、
アンダーコート材の適用範囲拡大
●エアクリーナーケース (古紙と食品容器等の再生 PP 樹脂)
●エンジンオイルレベルゲージ(飲料容器の PET ※2ボトル)
●ダッシュパネル吸音材
(飲料容器の PET ボトルや使用済みの衣類など)
分別や解体が容易になる工夫を行っています
材料マーキングや分別・解体容易化構造の採用
リユース/リサイクル設計
コルトプラスでは以下の取り組みにより、リユー
により、リサイクルの際に同一材料ごとの分別容易
化にも配慮しています。
ス/リサイクルにも配慮しています。
原材料も工夫しています
リサイクルが容易な樹脂を積極的に採用してい
ます。
材料マーキングの実施
● 100g 以上の樹脂・ゴム部品に実施
●バンパーなど大物部品への連続マーキング実施
分別・解体容易化構造の採用
●バンパーの板金製リーンフォース廃止
●締結ボルト点数の削減
フロントバンパー: 2 点 → 0 点
リヤバンパー: 4 点 → 2 点
※1
※2
25
3R :リデュース
(排出削減)、
リユース
(再使用)
、
リサイクル
(再利用)
PET
(Polyethlene Terephthalate)
:ポリエチレンテレフタレート。
飲料用の容器、
写真フィルム、
磁気テープなどに用いられる。
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
リサイクル
再生・再利用
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
鉛フリー材を積極的に採用しています
2002 年度発売のコルトに対し、コルトプラスでは
新たにホイールバランスウエイトなどを鉛フリー化
しました。これにより鉛使用量は、1996 年の1/10 以
下まで削減し、自工会の2006年目標を前倒しで達成
ゴムホースのマーキング例
開
発
・
設
計
しました。今後の新型車については、さらなる使用
量低減を進めていきます。
●ホイールバランスウエイト
●燃料タンク
●ボディ用電着塗料
●ガラスセラミックプリント
●コネクティングロッド、軸受など
リヤコンビランプのマーキング例
環境負荷物質の削減
調
達
鉛・水銀・カドミウム・六価クロムの環境負荷4
水銀・カドミウム・六価クロムの全廃を目指して
います
物質については、欧州の「使用済自動車に関する欧
コルトプラスでは、水銀についても自工会目標を
州議会および閣僚理事会指令」に基づき、原則使用
達成しています。さらにコンビネーションメーターの
禁止が 2003年7月から始まりました。国内において
照明に関しては、バックライトにLED(発光ダイオー
も日本自動車工業会(以下、自工会)が新たに削減目
ド)を採用し水銀フリー化しています。カドミウム
標を設定しており、当社は、これら環境負荷物質の
については、家電製品なみに極微量含まれる一部の
使用ゼロに向けた努力を続けています。
電子部品などを除き全廃しています。六価クロムは、
ボルトなどの亜鉛メッキ部品の保護被膜として使用
自工会の削減目標
(新型車)
対象物質
削減目標
鉛
2006 年 1 月以降:
10 分の 1 以下(96 年比)
水銀
2005 年 1 月以降:以下を除き使用禁止
・液晶ディスプレイ
・コンビネーションメーター
・ディスチャージランプ
・室内蛍光灯
カドミウム
2007 年 1 月以降:使用禁止
六価クロム
2008 年 1 月以降:使用禁止
生
産
していますが、耐食性や締めつけトルクなど使用上の
問題のない部品から順次代替品への変更を進め、引
き続き六価クロム全廃に向け取り組んでいきます。
環境負荷物質管理ガイドラインで自主的な管理対
象物質を設定
さらに上記の環境負荷4物質以外についても、自主
物
流
的な管理対象物質を「環境負荷物質管理ガイドライ
ン」として設定し、製品に含有する環境負荷物質デー
タを IMDS※3により収集しています。また、社内 シス
テムで集計、一元管理し、使用量削減に向けた取り組
みを強化していきます。
販
売
再生材料の利用
材料メーカー・部品メーカーとの共同開発を通じ
て、
当社独自の発想で再生材料の利用拡大を進め
ています。
エアバッグ布端材の再生によるキャニ
スターケース※4を世界ではじめて開発し、
採用拡
食品容器リサイクル材
※5
大を進めています。
またポリプロピレン
(PP)
製
食品容器の再生材と古紙からなる
「古紙入り再生
PP エアークリーナーケース」をコルトやランサ
ーなど多くの車種に採用しています。
キャニスターケース
(エアバッグリサイクル材)
※3
※4
※5
紙管(古紙)
エアクリーナーケース
IMDS
(International Material Data System)
製品の材料データを各サプライヤから収集・データベース化し、
加入カーメーカーにデータを供給する国際的なシステム。
キャニスターケース
(Canister Case)
:燃料タンクから発生したガソリン蒸気を一時的に吸着する装置。
PP
(Polypropylene)
:ポリプロピレン。
フィルムや成型製品、
また溶融紡糸として繊維製品などに用いられる。
リ
サ
イ
ク
ル
26
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
調達と生産の現場でも環境保全に注力しています。
調達では部品や資材などの取引先に ISO14001認証の取得を要請し、グリーン調達を推進しています。
また生産では環境保全の取り組み体制を確立するとともに、省エネルギーに努めています。
調 達
※1
環境負荷物質の情報管理
グリーン調達
当社では2000 年 11 月から、調達における環境保
欧州では廃車指令に基づき4 物質(鉛、水銀、カド
全活動を「グリーン調達」として取り組みを開始し、
ミウム、六価クロム)が原則使用禁止となり、一方、
部品や資材を調達している全取引先に対し以下の内
国内でも自工会が 4 物質の削減目標を設定するな
容をお願いしています。
ど、環境負荷物質に対する管理が国内外で強化され
● ISO14001(環境マネジメントシステムの国際規
つつあります。
当社はこの対応として、自動車に含まれる環境負
格)認証取得
荷物質の把握と一元管理のため、材料データを収集
●部品・資材などの納入品に含まれる環境負荷物
す る 国 際 的 な シ ス テ ム I M D S( I n t e r n a t i o n a l
質の情報開示
Material Data System)を利用して環境負荷物質
(納入品に含まれる)の情報を収集しています。2004
ISO14001 認証の取得
年度は、新たに3 車種の情報収集を開始しました。今
環境サステナビリティプランにあるように、「全取
後も順次、新型車展開していく予定です。
引先におけるISO14001 認証取得の推進(∼2004 年
度末)」を目標に取り組みました。
2004 年度は27 社が新たに取得し、ISO14001 認証
を取得した取引先数は379社となりました。
認証取得状況
(社数)
の推移
(%)
(社)
100
400
取得社数
取得率
300
80
200
60
100
40
0
2001
2002
2003
2004
20
環境負荷物質対応説明会の開催
環境負荷物質規制への対応のため、
部品や資材を調達し
ている取引先とのさらなるコミュニケーション向上を図る
ため、
本年 4 月に約 260 社(335 名)
に対して、
「三菱自
動車の環境負荷物質対応について」説明を行いました。
環境負荷物質規制に関する法規動向および当社の対応
を説明し、
EU 有害物質規制適合や IMDS への入力など当
社取り組みへのご理解を頂き、
協力を要請致しました。
活発な質疑応答が行われ、
特に六価クロムフリー化に関
する内容に質問が集中していました。
環境負荷物質対応説明会の様子
※1
27
グリーン調達
ここでは、
調達段階における環境保全活動と定義し、
文房具などオフィスで使用する物などの購入に関する環境保全活動は含まない。
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
リサイクル
再生・再利用
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
生 産
環境保全の取り組み体制
当社では、環境会議生産部会の傘下に各分科会を、さらに各分科会に複数の推進チームを設置しています。環
開
発
・
設
計
境保全推進チームでは、工場における環境負荷の低減や環境影響の未然防止の具体的な取り組みを進めていま
す。省エネルギー推進チームでは、定期的に省エネ活動をチェックし、電気、ガス、用水などの使用量削減に向
けて取り組んでいます。
環境会議生産部会の組織体制と取り組み
事務局
(事務局会議)
調
達
・名古屋分科会
環境保全推進チーム
・水島分科会
・パワートレイン分科会
・パジェロ製造分科会
生産部会
省エネルギー推進チーム
物流合理化推進チーム
(各サイトにおける環境負荷低減の監視など)
(2回/年)
連携
・
・生産技術分科会
生産技術分科会
新規課題への取り組み
・製品物流分科会
完成車物流におけるCO 2 排出量の削減
省エネルギー(地球温暖化防止)
地球温暖化防止の観点から、電力、燃料などのエネ
KD補用品梱包の改善
生
産
省エネルギーの改善事例
水島新塗装工場における省エネルギー
ルギー使用量の低減およびそれに伴う温室効果ガス
冷水蓄熱塔
夜間の電力エネルギー
(冷水)
を蓄
熱槽に蓄え、そのエネルギーを昼
間の空調などに利用しています。
電力負荷の平準化につながり、省
エネ性と経済性に優れた冷水発生
システムです。
であるCO2 の発生量抑制に取り組んでいます。
▲
▲
▲
P.53
主な省エネルギーの取り組み
物
流
1.コージェネレーションシステム※2 の適正運転
2.動力源(エアー、スチーム)の送気圧低減
小型ボイラ
33 台の小型ボイラ
(2t)
を負荷の
変動に合わせた台数に制御するこ
とで、効率の高い運転を可能にし
ました。
3.非生産時の消費エネルギー最小化
(給排気ファンの停止他)
4.高効率機器の導入
5.操業条件、運転条件の見直し
販
売
(設定温度、乾燥炉着火時間他)
6. 焼却炉の廃熱回収利用。
(スチーム回収)
焼却炉の廃熱利用ターボモーター
名古屋製作所では、焼却炉からの
排熱をボイラで使用し、発生した
蒸気を利用してターボモーターを
回転させファンの電力量を削減し
ています。さらに余った蒸気は工
場で使用し、効果的にサーマルリ
サイクルを進めています。
※2
また、省エネだけでなく騒音も低減できるフリク
ションコンベア(チェーンのないコンベア)を採用す
ることや、余った蒸気を利用して200KW のタービ
ンを設置し発電していることなどによって、省エネ
を進めています。
リ
サ
イ
ク
ル
コージェネレーションシステム:燃料を用いて発電するとともに、
その際に発生する排熱を冷暖や給湯などに有効利用する省エネルギーシ
ステム。
28
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
廃棄物の低減や、大気・水質汚染などの防止を推進。
生産工程において、廃棄物の低減をはじめ、大気汚染防止、水質汚濁防止、騒音・振動の防止に努めています。
※1
3R の推進
最終処分ゼロ化 の維持
生産工程から排出される廃棄物については、環境
再資源化
(Reuse, Recycle)
負荷の低減、資源有効利用による循環型社会形成の
廃棄物を他の原料として再利用する「マテリアル
観点から、再資源化率の向上、埋立処分量の低減な
リサイクル」や、廃油、廃プラスチック類の焼却熱エ
どを中心に取り組んでいます。
ネルギーを回収利用する「サーマルリサイクル」を
※2
これらはまず工法改善や材料歩留り 改善により
行っています。さらなる分別の推進により、サーマ
発生量の抑制に努め、それでも発生したものは可能
ルリサイクルからマテリアルリサイクルへの転換も
な限り再生・再利用を進め、最終的に残ったものに
併せて取り組んでいます。
副産物の発生抑制
(Reduce)
ついて埋立処分をします。
当社では埋立処分量低減を重点項目として、廃棄
廃棄物 3R 対策の推進が求められている中、当社
物発生量の抑制、再利用の拡大などにより最終処分
では廃棄物発生量の中の約90%(2004 年度実績)を
量(埋立処分量)のゼロ化に取り組んでいます。
占める、金属くず、鋳物廃砂について、2006 年度末
最終処分ゼロ化は、2002 年3 月に全製作所で達成
までに「製品の生産量に対する発生量比率(売上高
以来、2003、2004 年度も維持しています。2004 年度
あたり発生量)
」を2001年度実績に対し約2%低減す
の廃棄物総発生量(186 千t/年)に対し、再利用など
ることを目標に活動を進めていますが、2004年度の
による再資源化率の向上(99.8%)と、焼却処理など
売上高あたりの発生量は13.8t/億円で、2001 年度よ
による廃棄物の減量(0.13%)により、最終処分率
り0.7%悪化となりました。
0.05%となり、
ゼロ化の維持を達成しました。今後も、
主な施策
さらなる3Rの推進に取り組んでいきます。
1.テーラードブランク工法の採用による歩留り向上
▲
▲
▲
2.プレスでの2部品成形による歩留り向上
P.53
3.機械加工面積低減による切削くずの低減
2004 年度廃棄物処理の流れ
再利用率( 96.41% )
金属くず
廃油
再資源化
紙くず
96.26%
)
(
鉱さい
ガラス・陶磁器くず
廃
棄
物
汚泥
廃プラスチック
廃油、廃液類
紙くず、木くず
●再生金属
●再廃油
●再生紙
●路盤材
●セメント原料など
99.82%
焼却灰
焼却等処理
( 3.69% )
サーマルリサイクル
( 3.41% )
熱回収
●スチーム
●燃料(助燃油)
直接埋立処分( 0.04% )
ガラス・陶磁器くず、その他鉱さい
減量分( 0.13% ) 埋立処分( 0.05% )
再資源化の実施例
発生源
廃棄物の種類
資源化有効利用の事例
発生源
廃棄物の種類
資源化有効利用の事例
鋳造工程
鋳物廃砂
製鉄原料、
路盤材
工場全般
廃油
再生油、
燃料
プレス工程
金属スクラップ
製鉄用材料
廃プラスチック類
樹脂原料、
セメント原料、
燃料
塗装工程
化成スラッジ
セメント原料
排水処理汚泥
セメント原料
塗料カス
燃料
ガラス・陶磁器屑
ガラス原料、
路盤材
洗浄用シンナー
再生シンナー、
燃料
集塵ダスト
セメント原料
研磨スラッジ
セメント原料
焼却灰
路盤材(溶融固化処理後)
紙屑類
再生紙原料
事務所ほか
※1
※2
29
最終処分ゼロ化
当社では、
廃棄物発生量に対する埋立処分率が 0.1 %以下であることを
「ゼロ化」
と定義しています。
歩留り
原材料のうち、
実際に生産に用いられる部分の割合。
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
大気汚染防止
リサイクル
再生・再利用
●VOC ※3(揮発性有機化合物)
工程系排水は工程ごとに汚濁負荷の状態が異な
車体塗装工程において、高塗着効率塗装機の導入
るため、それぞれ適正な一次・二次処理を行った後、
や、新塗装工法の採用および、色替え時における塗
総合排水処理装置にて活性炭ろ過などの高度排水
装ガンの洗浄に低溶剤洗浄方法の採用、洗浄用シ
処理システムにより、排水の浄化に努めています。
ンナーの回収率向上や、オーブンへの排出ガス処理
※4
※5
COD などについて法規制値などより厳しい自主管
水島工場では、車体塗装工場のリニューアルプロジ
理基準で管理しています。緊急時の対応についても
ェクトにおいて、低溶剤タイプの水性塗料の採用
非常用貯水槽の設置などで万全を期しています。
により、VOC使用量が、大幅な低減となりました。
▲
▲
▲
P.53-55
開
発
・
設
計
公共用水域への放流水の水質は、
窒素、
リン、BOD、
装置の設置により溶剤の排出抑制に努めています。
●SOx(硫黄酸化物)
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
水質汚濁防止
※6
また閉鎖性水域(湖沼、海湾)の富栄養化 の原因
物質である窒素・リンを削減するため、それらを含
まない生産副資材の採用や、脱窒などの処理システ
代より硫黄分の少ない灯油または都市ガスなどの
ムを組み合わせた排水処理装置を設けるなど、富栄
クリーンエネルギーに切り替え、硫黄酸化物の排
養化の防止に努めています。
▲
▲
▲
ボイラー、工業炉など燃焼設備の燃料を、1970 年
調
達
P.53-55
出量を極めて低いレベルに抑制しています。
▲
▲
▲
●NOx(窒素酸化物)
P.53-55
低 NOx ボイラーの導入や、低 NOx バーナーの使
騒音・振動防止
用により、窒素酸化物の排出抑制に努めてきまし
工場周辺地域への影響を少なくするため、騒音・
た。近年、地球温暖化対策の一環として導入した
振動の主な発生源であるプレス、コンプレッサー、各
コージェネレーションにより、相対的に窒素酸化
種送風機やエンジン試運転場などは、低騒音機器・
物の排出量が増えていますが、コージェネレーショ
振動防止機器の導入やこれら発生源設備の配置の工
ンによる電熱併用利用により窒素酸化物を総合
夫、建物の遮音、防音・防振対策などを行っています。
的に低減しています。今後も、省エネルギー対策
新規設備導入時には、敷地境界における騒音・振
の推進により、窒素酸化物排出量の排出抑制に努
動レベルのシミュレーション予測を行い、適切な対
めていきます。
策を実施しています。
生
産
物
流
水使用の合理化
生産工程では工業用水、井戸水、上水(市水)を工
程用水として使用しています。これら用水使用につ
いては、省資源の観点から、工場ごとに水使用量低
減のアクションプランを策定し、水使用の合理化を
継続的に進めています。
※3
※4
※5
※6
防音壁設備
VOC(Volatile Organic Compounds)
トルエン、キシレンなど常温で揮発しやすい有機化合物の総称。
BOD
(Biochemical Oxygen Demand)
生物化学的酸素要求量。
水の汚染を示す指標のひとつで好気性微生物が一定期間中に水中の有機物
(汚物)
を酸化・分解する際に消費する残存酸素量 のこと。
COD(Chemical Oxygen Demand)
化学的酸素要求量。
水の汚染を表す指標のひとつで、
水中の有機物を酸化するのに消費される酸素の量のこと。
富栄養化
湖沼・海湾のような閉鎖水域に、
窒素・リンなどの栄養塩類が過剰供給されることにより、
プランクトンの異常な増殖を生じ、
赤潮やアオコの発生など
による漁業被害や水の着臭などの水質悪化を招く。
販
売
リ
サ
イ
ク
ル
30
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
臭気の低減や、土壌汚染の予防に努めています。
脱臭設備を設置し、パトロールによる臭気のモニタリングも実施しています。
土壌地下水汚染の予防についても、観測井戸を設置するなど自主的な取り組みを進めています。
PCB の保管
臭気の低減
臭気発生源としては、鋳造設備、塗装設備、排水処
変圧器やコンデンサに絶縁油として封入されてい
理施設などがあり、活性炭吸着、燃焼(直接燃焼式、
るPCB(ポリ塩化ビフェニール)については、法に基
触媒燃焼式、蓄熱式)
、薬液洗浄方式などによる脱臭
づき適正に管理しています。2004年度末における届
設備の設置など、臭気の性状に応じた処理対策を実
出の総保管台数は1,245台となっています。
施しています。
また日常管理面では工場周辺地域のパトロールに
よる臭気のモニタリングや臭気シミュレーションに
よる臭気拡散解析を行っています。
PCB 専用保管庫
土壌地下水汚染の予防
人の健康への影響を未然に防止するため、当社で
排水処理場の脱臭装置
は、従来より地下水(既設井戸)の有害物質などにつ
いて調査し、汚染のないことを確認していますが、
化学物質の管理
昨今土壌汚染に対する国民の関心が高まっているこ
化学物質の使用について、従来から「化学物質有
とから、順次観測用井戸を設置し地下水のモニタリ
害性事前審査システム」により、新規化学物質の性
ングを行っています。また、当社はこの問題に適切
状および利用計画の内容を精査の上、導入可否の事
に対処していくため、2001 年 7 月に「土壌環境保全
前審査を実施しています。また、化学物質ごとのリ
検討タスクチーム」を設置し、社としての方向づけ、
スクレベルを勘案し、優先度の高い化学物質から排
工場ごとの汚染リスクの調査、土壌汚染の未然防止
出抑制に取り組んでいます。
措置に関するマニュアルの制定など、自主的な取り
また、取り扱い上の安全確保(危険物としての配
組みを進めています。
慮、作業環境)ならびに地域環境の保全を図るため、
取り扱い設備などの日常点検に努めています。
▲
▲
▲
P.54,55
PRTR 対象物質排出移動量推移
(t/年)
3500
3000
2500
地下水の観測用井戸
2000
1500
1000
500
0
31
2000
2001
2002
2003
2004
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
リサイクル
再生・再利用
水性塗装を採用した水島製作所乗用車塗装工場の紹介
2004 年 8 月から稼動した新塗装工場では、
環境に配慮
し、
さまざまな環境負荷低減に取り組んでいます。
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
開
発
・
設
計
(エネルギー・騒音については P.28,30 をご参照ください)
● 大気汚染物質の排出量低減
1.
中塗り、
上塗り塗料に有機溶剤の少ない水性塗料を使用
することにより、有機溶剤量を以前の塗装工場に比べ
70%近く削減し VOC 排出量を大幅に低減しました。
2.
塗着効率の良い静電ガンや塗装膜厚を均一化するための
新塗装工場
システム
(レシプロ自動機を塗装ロボットに変更)
を採用
し塗料使用量を削減し、
VOC 排出量の削減も実施してい
調
達
ます。
3.
色替時の洗浄経路を短くすることにより塗料ロスを少な
くし、
VOC の低減を図っています。
4.
ホルムアルデヒドの排出抑制を図るためすべての乾燥炉
に蓄熱式の排出ガス処理装置を設置しました。
これによ
りホルムアルデヒドを 95%以上分解除去しています。
ロボットによる塗料使用量の低減
生
産
大江工場跡地の土壌調査結果と対策について
当社名古屋製作所大江工場跡地では、
土地の売却に伴う土地改変の機会を契機として、
名古屋市の条例に基づき土壌およ
び地下水汚染に関する調査を実施してまいりました。
2004 年 10 月に調査結果がまとまり、
その結果と対策内容を名古屋
市へ報告しました。
その後、
2005 年 3 月までに名古屋市の指導を得ながら適切に対策を実施しました。
■ 汚染状況
■ 対策と今後の対応
2004 年7月から、工場敷地内において土壌調査および
地下水調査を実施した結果、環境基準 ※1 を超える VOC と
揮発性有機化合物の汚染が判明した工場の跡地は、汚染
原因となる土壌の掘削除去と適切な場外処分を行いました。
重金属が検出されました。
(環境基準に対して VOC :最大
24 倍、重金属:最大 8 倍)
これらの VOC 汚染の原因は、過
今後、売却先と共同で地下水のモニタリングを実施し管理
物
流
していく予定です。
去に洗浄に使用していた洗浄剤が漏洩し地中に浸透したた
めと考えられます。また重金属の汚染については、塗装に使
用していた鉛・フッ素が漏洩し地中に浸透した可能性が考
えられますが、鉛・フッ素ともにこの地域で確認されている
自然的要因による濃度とほぼ同レベルです。
販
売
■ 健康への影響
工場敷地境界で地下水を分析した結果、揮発性有機化合
物はすべての地点において基準に適合していました。このこ
とから工場敷地外へ拡散している恐れはなく、健康への影響
はないものと考えています。
※1
リ
サ
イ
ク
ル
環境基準
環境を保全する上で維持されることが望ましい基準のことで、
環境基本法に定められており、
人の健康を保護するため、
生活環環境基準値はそれぞれの
物質ごとに定められています。
32
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
物流におけるCO2 排出量の低減および販売会社の
マネジメントシステム構築に取り組んでいます。
物流では、輸送効率の向上と梱包資材の削減を軸とした物流システムの構築により、環境への配慮を推進しています。
また部品の回収・再生など環境保全・リサイクルの取り組みで重要な販売会社とも連携して環境保全に取り組んでいます。
物 流
物流システム
生産・販売・サービス段階における輸送効率の向上や梱包資材の削減について、環境に配慮した物流システ
ムの構築に積極的に取り組んでいます。
調達物流
生産部品物流
完成車物流
ノックダウン(KD)※1
補修部品物流
部品メーカーで製造された部品の各工場、またパーツセンターへの輸送
工場間での生産用部品の輸送
工場で製造された車両のモータープール(保管・配車場所)への輸送
モータープールから各販売会社への輸送
モータープールから海外販売会社への輸送
海外生産拠点向け生産用部品の輸送
パーツセンターから各販売会社への補修用部品の輸送
物流図
調達物流
生産部品物流
部品
三菱自動車
各工場
部品メーカー
国内
完成車物流
完成車
モータープール
国内販売会社
海外
ノックダウン
(KD)
KD部品
海外工場
補修部品物流
海外販売会社
部品
部品センター
部品販売会社
補修部品
海外部品デポ
輸送効率向上への取り組み
梱包・包装資材の削減への取り組み
国内での完成車物流について、次のような輸送の
海外の生産・販売会社へKD 部品や補修部品を出
効率化を推進し、CO2 排出量の低減を図っています。
荷する際の梱包・包装資材の削減に努めています。
※4
※2
●リターナブルラック/ボックス の利用拡大
●モーダルシフト の推進
補修部品出荷におけるリターナブル率は、豪州向
●トレーラーの積載効率の向上
※3
●アイドリングストップやデジタル式タコグラフ
活用の運行管理効率化の推進
●他社メーカーとの協同輸送の拡大
これらの活動により、2004年度の国内完成車輸送
け推進などにより2004年度は41%(前年度比25%
増)となりました。引き続き、KD 部品・補修用部
品の出荷において利用拡大を図ります。
●梱包、包装仕様の見直し、簡素化
におけるCO2 排出量は、出荷1 台あたり換算排出量
KD 部品の出荷において、中国向け梱包などのス
の比較において、2000 年度比 6%の低減目標を達成
チール化を推進し木材使用量の削減を図ります。
しました。今後も取り組みを推進し、継続的な環境
また、ストレッチフィルム包装採用などの仕様見
改善を実施していきます。
直し、材質変更により簡素化、省資源に努めます。
※1
※2
※3
※4
33
ノックダウン
(KD)
部品の状態で輸出し、
現地の工場で車を組み立てること。
モーダルシフト
環境負荷低減やコスト低減などを目的に、
トラック・船・鉄道などの輸送手段を組み合わせ、
貨物輸送の最適化を図ること。
デジタル式タコグラフ
乗務員の詳細な運行状況データ
(時間・速度・距離・エンジン回転数等)
を収集。
コンピュータで解析し、
運転効率の向上に役立てる。
リターナブルラック/ボックス
部品梱包に使用されたラック/ボックスを、
輸送先の現地で荷卸し後、
1/3 ∼ 1/10 程度にコンパクトに折り畳んで日本へ回送する。
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
リサイクル
再生・再利用
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
販 売
開
発
・
設
計
販売会社の役割
当社の製品は、販売会社を通してお客様のもとに
届きます。販売会社は、車の販売、点検・修理、使用
済自動車の引き取りなど、お客様のカーライフをサ
ポートする窓口となります。また販売会社の企業活
動においては、産業廃棄物や使用済自動車の適正処
理、部品の回収・再生など環境保全・自動車リサイク
環境保全活動マニュアル
「販売会社における環境問題への
取り組み」
ルのための取り組みなど重要な役割も担っていま
す。当社は、全国の販売会社に対して、環境保全活動
に関する支援・啓発を推進し、企業グループとしての
活動のレベルアップを図っています。
調
達
販売会社は、社長自らの陣頭指揮により、責任の
所在を明確にした社内横断的な体制のもと、環境取
り組みに関するマネジメントシステムを構築し、継
続的実行に努めています。また2005 年1 月より施行
された自動車リサイクル法については、コンプライ
アンスの観点からも適正に対応しています。
生
産
販売会社の環境取り組み状況
販社の全景
乗用車販売会社
販売会社は、環境負荷物質の回収、産業廃棄物の
適正な処理、修理/交換したバンパーの保管、一般ご
みの分別など日々改善を進めています。一方で、地
域に密着した清掃活動などにも積極的に参加してい
ます。また、環境マネジメントシステムの国際規格
物
流
であるISO14001 などの認証取得にも積極的に取り
組んでいます。
販社サービス工場
販売会社の環境取り組み体制
当社は、環境関連の法規制の遵守はもとより、環
販
売
境保全、環境負荷を低減する体制およびその実行が
重要であると考えています。2002 年に策定した「三
菱自動車ディーラースタンダード」では、販売会社
の環境取り組みを要件に組み入れ積極的に取り組ん
でいます。
販社廃棄物管理状況-1
販社廃棄物管理状況-2
販売会社の環境取り組み体制を整えるため、三菱
自動車販売協会の協力を得て、ISO14001(環境マネ
部品販売会社
ジメントシステムの国際規格)の手法を取り入れた
部品販売会社は、直接的に産業廃棄物が発生しな
環境保全マニュアル「販売会社における環境問題へ
いので、事業系一般ゴミの分別、地域貢献活動など
の取り組み」を2000 年に発行し、2003 年 1 月に改訂
に重点をおいて活動を行っています。
リ
サ
イ
ク
ル
しました。
34
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
自動車リサイクル法への対応。
2005年1 月 1日から自動車リサイクル法が施行されました。
シュレッダーダスト・エアバッグ類・フロン類を引き取り、リサイクル・適正処理を積極的に推進しています。
リサイクル
別した後に残るシュレッダーダストを引き取ってリ
使用済自動車のリサイクル
サイクルすることが義務づけられています。
当社は、ARTに参画し共同でシュレッダーダスト
[ 国内 ]
2005年1 月から自動車リサイクル法がスタートし
のリサイクルに取り組んでいます。シュレッダーダ
ました。当社は自動車メーカーの役割として、使用
ストの処理方法については、埋立てを極力減らすた
済自動車から発生するシュレッダーダスト(自動車
め、マテリアルリサイクルやサーマルリサイクルを
※1
の場合ASR )
・エアバッグ類・フロン類を引き取り、
行っているASR 処理施設と委託契約を結んでリサ
リサイクル・適正処理を積極的に推進しています。
イクルを推進しています。またシュレッダーダスト
またお客様にご負担頂くリサイクル料金は、車の型
を発生させない処理方法として、廃車ガラを直接電
式ごとに2004年7 月から当社のホームページなどで
炉・転炉に投入し鉄を原材料として回収する全部
公表しています。シュレッダーダスト・エアバッグ
再資源化も積極的に推進しています。
類・フロン類のリサイクル・適正処理の実績とリサ
自動車リサイクル法では、ASRのリサイクル率を
イクル料金の使途については収支実績として毎年度
2005 年度以降 30%以上(リサイクル実効率 88%)、
公表します。
2010 年度以降 50%以上(同 92%)、2015 年度以降
※ 2005 年 1 ∼ 3 月の実績は下表右側を参照
70%以上(同95%)と設定されています。
※2
当社はARTの一員として、シュレッダーダストの
メーカーなど 12 社で結成した ART を中心に、
シュレッダーダストのリサイクルを推進
処理費用の低減、リサイクル率目標の早期達成を目
指しています。また、ガラス、廃プラスチックのリサ
使用済自動車は、引取業者、フロン類回収業者、解
イクルについても検討を進めています。
体業者を経て最後に解体自動車(廃車ガラ)として
なお、2004年度(1∼3 月)の再資源化率は、ASR、
破砕業者が引き取り破砕処理(シュレッディング)
エアバック類ともに法定基準値を達成しました。
されます。
自動車メーカーには、破砕業者から有用金属を分
自動車リサイクル法全体の流れ
リサイクル適正処理実績
資金管理法人 (財)自動車リサイクル促進センター
リサイクル料金の預託
引取台数
払渡し
ASR
自動車メーカー・輸入業者・指定再資源化期間 (財)自動車リサイクル促進センター
新車購入者
フロン類破壊施設
エアバッグ類
リサイクル施設
シュレッダーダスト
リサイクル施設
シュレッダーダスト
リサイクル施設
エアバッグ類
フロン類
有限責任中間法人 自動車再資源化協力機構
フロン類・エアバッグ類の引き取り・再資源化
フ
ロ
ン
類
最終所有者
引取業者
使用済自動車の
引渡し
引取
報告
物の流れ
情報の流れ
金の流れ
※1
引渡
報告
使
用
済
自
動
車
の
引
渡
し
回
収
料
金
フロン類
回収業者
引取
報告
エ
ア
バ
ッ
グ
類
フ
ロ
ン
類
引渡
報告
チーム
回
収
料
金
エ
ア
バ
ッ
グ
類
2,334 台
14,995 台
解体業者
使
用
済
自
動
車
の
引
渡
し
引取
報告
引渡
報告
解
体
自
動
車
の
引
渡
し
シュレッダー
業者
4,107 個
5,356 kg
基準値
ASR
60.1%
30%以上 *
エアバッグ類
94.5%
85%以上
シュレッダー
ダスト
プレス・せん断
処理業者
3,565 t
(2005 年 1 月∼ 3 月)
実績値
チーム
解体自動車
全部利用者
処理量
21,429 台
再資源化率
中古車購入者
(2005 年 1 月∼ 3 月)
*2005 ∼ 2009 年度
リサイクル料金の収支実績 (2005 年 1 月∼ 3 月)
破砕業者
金額
引取
報告
情報管理センター (財)自動車リサイクル促進センター
引取
報告
払渡し預託金
150.2
百万円
再資源化等費用
171.9
百万円
△ 21.7
百万円
収支
ASR
(Automobile Shredder Residue)
廃車を工業用シュレッダーにかけて細断・破砕し、
金属などの有用物を分別した後に生ずる自動車の廃棄物のこと。
(主にプラスチック、
ガラス、
ゴムなどからなり、
一般にシュレッダーダストと呼ばれる)
※ 2 ART
(Automobile shredder residue Recycling promotion Team :自動車破砕残さリサイクル促進チーム)
シュレッダーダストのリサイクルを適正、
円滑かつ効率的に実施する目的で、
当社を含む国内自動車製造会社 11 社
(いすゞ自動車、
スズキ、
ダイムラー・クライスラー日本、
日産自動車、
日産ディーゼル工業、
富士重工業、
ピー・エー・ジー・インポート、
フォード・ジャパン、
マツダ、
三菱ふそうトラック・バス)
で 2004 年 1 月に結成した合議機関。
その後 2004 年 9 月に
(財)
自動車リサイクル促進センターが加入。
35
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
リサイクル
再生・再利用
2005 年 85%の達成を目指してエアバッグ類の
リサイクルを推進
フロン類の回収と破壊を推進し、
地球温暖化防止
に寄与
エアバッグ類の処理は、自動車メーカーなどが設
フロン類はカーエアコンの冷媒として、従来はフ
※3
立した有限責任中間法人自動車再資源化協力機構
ロンCFC-12※4、現在は代替フロンHFC-134a ※5 が使
に業務を委託して共同で行っています。エアバッグ
用されています。当社は、従来からオゾン層破壊の
類の処理は、車載状態で作動処理する方法(車上作
要因とされるフロンCFC-12に対し、
動)と車両から取り外し回収して処理する方法があ
●1994 年1 月までに生産車へのフロンCFC-12 使用
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
開
発
・
設
計
を全廃
ります。
車上作動は、車両に搭載の状態でエアバッグに電
気信号を送ることにより作動処理します。当社は、
1999年以降生産した車両に、車上作動が容易な一括
作動システムを搭載しています。
取り外し回収の場合は、解体業者が取り外したエ
アバッグ類が全国に分布する指定引取場所からエア
●車両整備のためのフロン回収・再生装置を全販
売会社に配備
●関連業界と協力してCFC-12 の回収・破壊システ
ムの構築
などに取り組み、1998 年 10 月に全国展開を完了し
ています。
新冷媒のHFC-134a については、地球温暖化防止
エアバッグ専用の炉の中で加熱しガス発生剤を反応
の目的で、使用量の少ない省冷媒タイプのカーエア
させ無害化した後、ガス発生器本体を回収し金属材
コンを導入しています。
▲
▲
▲
バッグ類処理施設に集められます。処理施設では、
P.22
料としてリサイクルしています。エアバッグ類のリ
2002 年10 月に施行されたフロン回収破壊法の規
サイクル率は、2005 年85%の目標に対して、2004 年
定は2005年1 月から自動車リサイクル法に移行しま
度は94.5%を達成することができました。
した。フロン類の処理は従来、自動車リサイクル促
エアバッグ類を適正に処理するため、解体業者向
調
達
生
産
進センターに業務を委託して、フロン類回収業者か
けの作業マニュアルや車両ごとの装備情報を冊子や
ら引き取り、フロン類処理施設で破壊していました
電子ファイルなどで提供しています。
が、2005 年1 月からエアバッグ類と同様に有限責任
エアバッグ類の処理方法
中間法人自動車再資源化協力機構に委託して行っ
ています。
車
上
作
動
取
外
し
・
回
収
一括作動
・一括作動処理用コネクターと
一括作動処理ツールを結線して
作動処理
個別作動
・個々のエアバッグをバッテリーと
結線して作動処理
リサイクル技術の開発に取り組んでいます
物
流
自動車の配線(ハーネス)は銅線で構成されてお
り、使用済自動車を最終的に鉄に再生する際、この
・取り外したエアバッグインフレーターや
シートベルトプリテンショナーを
回収ケースに梱包して、
エアバッグ類処理施設へ
銅の成分が鉄の品質を低下させます。
鉄再生の前に配線を取り除き、高品質の鉄原料に
リサイクルするため、配線の解体容易化構造の開発
に取り組んでいます。
ハーネスの解体実験
※3
※4
※5
有限責任中間法人自動車再資源化協力機構
(Japan Auto Recycling Partnership)
自動車リサイクル法により、
自動車メーカー・輸入業者に義務づけられたフロン類の回収・破壊とエアバッグ類の引き取り・再資源化を
一元的に実施することを目的として、
自動車メーカー・輸入業者が基金を出資して 2004 年 1 月に設立した機関。
CFC-12
(クロロフルオロカーボン)
フロン。
オゾン層破壊の原因とされ、
温室効果も非常に大きい
(CO2 の約 7,100 倍)
HFC-134a
(ハイドロクロロフルオロカーボン)
の一種とされる。
オゾン層を破壊しないが、
温室効果ガス
(CO2 の約 1,300 倍)
販
売
リ
サ
イ
ク
ル
36
環境フェーズ ● 環境負荷低減への取り組み
電子マニフェストで使用済自動車の適正処理推進を管理。
フロンの回収と発煙筒の回収・リサイクルでは、販売会社と協力し適切に処理。
また下取り時の使用済自動車の引き取りには、インターネットを利用した電子マニフェストに入力し適正に管理するなど、
環境への配慮を行っています。
社の販売会社全社で引取業者として自治体に登録
しました。
[ 欧州(EU)]
欧州では、2000年10月に発効した「使用済自動車
お客様のご依頼により使用済自動車を引き取り、
に関する欧州議会および閣僚理事会指令」に基づき
適正にリサイクルルートにのせる役割を担っています。
EU 加盟国のほとんどで国内法が発効しています。
カーエアコン用フロンを適正に回収できる体制を
取っています
使用済自動車の効率的かつ確実な引き取り・リサ
イクル体制については、
現地販売・生産会社
(MME)
フロン回収破壊法から継続して、自動車リサイク
が中心になって各国の実情に合わせた体制を構築中
ル法のフロン類回収業者として166 社中101 社の販
です。国によっては業務提携先のダイムラー・ク
売会社で自治体に登録しています。
使用済自動車から適正にフロンを回収し、指定引
ライスラー社と協力して推進しています。2004 年 7
き取り場所へ送る役割を担っています。
月と2005 年 1 月に環境負荷物質使用が猶予期限切
れとなる部品に対してもきめ細かくフォローし、期
限以降は規制に適合した車・部品が市場に出るよ
う対応しています。
国内販売会社の活動
お客様から自動車リサイクル法のご理解を得る役
割を担っています
フロンの回収
フロン回収・破壊システム
販売会社では、新車販売時(使用中の自動車につ
いては、車検時または廃車時)にお客様へ法律の内
フロン
フロン
容とリサイクル料金の負担についてご説明し理解を
高圧ガス
【ユーザー】
廃棄の依頼
得る役割を担っています。
空容器
【フロン類回収業者】
【運搬業者】
収集運搬
当社では販売会社において、お客様へのリサイク
空容器 【フロン破壊工場】
契約
ル法に関する理解活動推進やリサイクル法に対応し
各自動車メーカー
契約
契約
有限責任中間法人 自動車再資源化協力機構
た業務をサポートするため、研修会開催や説明資料
電子マニフェストで使用済自動車を管理
制作・配布などを実施しています。
新車の商談・下取り時に、使用済自動車として引
使用済自動車のリサイクルを推進するため、166
き取るかを的確に判断し、対応しています。使用済
業務マニュアルや説明用ツール
自動車として引き取る場合には、引取業者として使
用済自動車の引き取り・引き渡し、フロン類回収業
者としてフロン類の引き取り・引き渡しの情報をイ
※1
ンターネットを利用した電子マニフェスト
に入力
し、適正に管理しています。
電子マニフェストの流れ
情報管理センター (財)自動車リサイクル促進センター
最
終
所
有
者
引
取
・
引
渡
引取業者
電子マニュフェストによる
情報の流れ
物の流れ
※1
37
引
取
・
引
渡
フ
ロ
ン
類
の
引
渡
フロン類回収業者
フ
ロ
ン
類
の
引
渡
フ
ロ
ン
類
の
引
取
引
取
・
引
渡
引エ
ア
渡バ
ッ
グ
類
の
解体業者
引エ
ア
渡バ
ッ
グ
類
の
エ
ア
バ
ッ
グ
類
の
引
取
自動車メーカーの指定取引場所
電子マニフェスト
自動車リサイクル法に規定され、
使用済自動車の引き取り・引き渡しを確実に記録して処理の状況や責任を明確にする電子データによる
管理表のこと。
A
S
R
の
引
渡
引
取
破砕業者
A
S
R
の
引
渡
A
S
R
の
引
取
特に、製品使用時の環境負荷低減、
リサイクルを重視
開発・設計
調 達
生 産
物 流
販売/製品の使用
再生素材など
リサイクル
再生・再利用
関連業界と協力し、販売会社で交換した期限切れ
を除去した後、樹脂再生メーカーでペレットに加工
発炎筒の回収・再資源化を行うルートを 2002 年 4
され、部品メーカーにて、自動車部品に再生されま
月に構築しました。
す。現在、バッテリーケース、センターダクト、フィ
発炎筒回収・リサイクルルート
ラーネックプロテクターなどの多くの樹脂部品に再
開
発
・
設
計
生材が適用されています。
A ルート
︵回
発収
炎窓
筒口
メ会
ー
社
カ
ー
︶
B ルート
販
売
会
社
環
境
フ
ェ
ー
ズ
●
環
境
負
荷
低
減
へ
の
取
り
組
み
回収したバンパーは、金属ブラケットなどの異物
期限切れの発炎筒を回収・リサイクル
部
品
販
売
会
社
リ
サ
イ
ク
ル
業
者
エンジンやトランスミッションなどの再生部品を
再利用
エンジン、トランスミッション、パワーステアリン
グギヤボックスなど、販売会社で交換した部品の一
部を新品同様に整備し、販売しています。ユーザー
調
達
ニーズへの対応、販売会社の廃棄物削減を目的に
部品の回収・再生
品目の拡大を進めており、2003 年 7 月よりターボ
バンパーを回収・リサイクルし、
自動車部品に再
生しています
従来、修理時に発生した廃バンパーは、シュレッ
ダー処理後、埋立て処分されていました。しかし廃
チャージャーを追加しています。
中古部品の販売で資源の有効活用を促進
資源の有効活用を促進する取り組みの一環とし
棄物の低減、資源の有効活用といった観点から、
て、全国で発生する使用済自動車から再利用可能な
1997 年 5 月よりポリプロピレン製廃バンパーの回
部品を回収してリサイクル部品として商品化してい
収・リサイクルを当社の販売会社にて実施していま
る大手リサイクル部品ネットワークと提携し販売を
す。2004 年度は、全国の販売会社から合計69,534 本
開始しました(2002年7 月∼)
。販売会社でお客様が
のバンパーの回収を行いました。
リサイクル部品ネットワークのリサイクル部品を検
生
産
索し、希望の部品があればそれを活用して修理をす
ることも可能です。
物
流
バンパー回収・リサイクル
販売会社および
主要修理工場
回収委託業者
樹脂再生業者
樹脂部品
メーカー
利用例
バッテリーケース
センターダクト、
フィラーネックプロテクター
販
売
回収バンパー
適用例(上:センターダクト、下:フィラーネックプロテクター)
リ
サ
イ
ク
ル
38
社会フェーズ
企業倫理意識の浸透に取り組んでいます。
社会からの信頼を勝ち取り、誠実な企業といわれるために、2004年の6 月以来、
『コンプライアンス第一』
、
『安全第一』、
『お客様第一』の三つの理念を掲げて活動しています。特にコンプライアンスなければ再生なしという覚悟で取り組んでいます。
企業倫理
く浸透させる活動を継続していきます。
企業倫理の確立と実践に向けて
これらのアクションプログラムの推進状況は、取
当社は、2000年のリコール問題発生の際に、必要
締役会の諮問機関として社外の有識者で構成され
なリコール届出を行うとともに、不具合情報の二重
る企業倫理委員会(2004年6 月発足)に報告され、委
員の方々から指導・助言を頂いています。
管理や指示改修を廃止するなど対応策をとっていま
(企業倫理遵守推進体制下図参照)
した。しかしながら、その時点での不具合情報の調
査対象期間や調査範囲が不十分であったことが分か
【 企業倫理委員会の主な指摘事項 】
り、2004 年に1998 年以前の指示改修について41 件
●コンプライアンスという言葉が、社員の知識の
の追加リコールを行いました。
レベルに留まっていては機能しない。各人の具
当社はこのことを真摯に反省し、
『三菱自動車
企業倫理
※1
体的な行動の基準となるよう浸透を図らなけれ
』
(骨子参照)の徹底を図るために、2004
ばならない。
年 6 月にCSR 推進本部を立ち上げ、下図に示す『コ
●コンプライアンスについて、社員一人ひとりが
ンプライアンス第一のためのアクションプログラ
的確な判断を行えるように自覚していくことと
ム』を実行しました。2005 年度は、2004 年度の取り
同時に、コンプライアンスに関する情報が風通
組みをさらに徹底させ、
『自覚から実践』をテーマと
し良く、
経営に伝わる仕組みが大切。
します。そして、お客様の信頼を失うような過ちを
●女性の意見の吸い上げ・活用を一層進めること。
二度と繰り返さないよう、社員一人ひとりの心に深
企業倫理遵守推進組織体制
意見具申
「三菱自動車 企業倫理」骨子
企業倫理委員会
取締役会
会長
.法令、社内規定および社会の
ルールを遵守する
社長
.お客様や社会との良好な
本部長
コミュニケーションを図る
報告
. 公正、公平かつ透明性ある
指
揮
・
監
督
ビジネス活動をする
CSR推進本部
企業倫理遵守徹底
具体的施策の
指示・指導
.社会と共生し社会とともに繁栄を目指す
コンプライアンス部
ヘルプライン 社員相談室
. 人権を尊重し意欲と能力を発揮できる
企業倫理
問題相談
ヘルプライン
外部弁護士
企業倫理遵守徹底
部長=コードリーダー
社内環境をつくる
企業倫理担当役員
報告・伺出
コンプライアンス・オフィサー
相談・報告
(社外有識者により構成)
指
導
・
助
言
企業倫理遵守徹底
企業倫理問題相談
各種の相談
各
種
の
相
談
関連会社・販売会社社員、派遣社員、OB
当社と雇用契約のある社員
*部長=コードリーダーとし、部内の企業倫理遵守徹底の責任明確化。
*各本部内に「コンプライアンス・オフィサー」を新設し、本部長を補佐し本部内の企業倫理遵守徹底を担当する。
コンプライアンス 第一のためのアクション・プログラム
会長・社長による企業倫理遵守最優先宣言
2004年6月29日
全役員による誓約書提出
企業倫理組織体制・
規程の再構築
2004年6月29日
2004年7月
2005 年企業倫理
遵守促進計画立案
2005年2月
企業倫理委員会
全役職員向け企業倫理
セミナー実施
企業倫理委員会による
定着度評価
2004年7月/8月
2005年1月末
CSR推進本部
各部門ごとの企業倫理
問題検討会の実施
2004年8月/9月
全社員からの誓約書提出
全社員対象の企業倫理
浸透度調査
2004年12月末
2004年11月末
39
※1
三菱自動車 企業倫理: 2001 年 10 月に改訂した企業倫理遵守のポイントなどを記載した 16 ページの冊子
アクションプログラム実施内容
(前ページ『コンプライアンス第一のためのアクショ
ンプログラム』参照)
社
会
フ
ェ
ー
ズ
企業倫理浸透度調査
上記のセミナーや検討会などを通じて、真に社員
が「三菱自動車 企業倫理」を理解し、それに沿って
企
業
倫
理
業務を行っているか11 月に浸透度を調査しました。
企業倫理遵守最優先宣言
2004 年 6 月に、岡 前会長、多賀谷前社長が「企
業倫理遵守最優先」を宣言し、このプログラムはス
その結果、社員の企業倫理意識を高めるためには
「三菱自動車 企業倫理」の実用性を改善する必要の
あることが分かりました。
タートしました。この宣言にあたっては、全役員が
そこで、企業倫理問題検討会で洗い出された各職
企業倫理を遵守する旨の誓約書に署名し、経営トッ
場の課題を基に50事例を取り上げ、解決の考え方を
プが率先垂範することを約束しました。また、2005
示すヒント集を作成し、実用性を補完しました。
年1 月に社長に就任した益子修が、自ら企業倫理担
当役員に就任し、2005 年3 月18 日に、改めて企業倫
全社員を対象とした企業倫理遵守に係る誓
理遵守最優先宣言を行いました。
約書
お
客
様
と
の
関
わ
り
このプログラムを通して「三菱自動車 企業倫理」
企業倫理遵守組織体制の再構築
2004 年8 月に、企業倫理担当役員の指揮下、各本
部内の企業倫理遵守浸透を責務とするコンプライア
の内容とその重要性を十分に理解した社員は、誓約
書を提出することとし、2005年4月末時点で98%に
あたる社員が署名しました。
ンス・オフィサーを新たに 18 名任命しました。ま
た、部長をコードリーダーとしてコンプライアン
品
質
その他の取り組み
ス・オフィサーの指揮下に置き、社員一人ひとりに
浸透するよう、組織体制を強化しました。
自浄を促すヘルプラインの拡充
2000 年に設置した社内の相談窓口に加え、2004
企業倫理セミナー
年度から、新たに弁護士による社外の相談窓口を設
全役員向けに「CSR と企業コンプライアンス研
置しました。また、相談者が不利益を被ることがな
修」を開催しました。また、全社員向けには、国内全
いよう、社内規程として内部通報者保護規準を制定
5 地区、計 14 回、1 万 3 千人を対象とし、
「CSR 推進
しました。
安
全
本部長による企業倫理セミナー」を開催しました。
個人情報保護の取り組み
各職場における企業倫理問題検討会
「三菱自動車 企業倫理」の理解を深め、実際に行
動できるよう、具体的な事例を研究する企業倫理問
当社では、事業活動を通じて取り扱わせて頂く個
人情報の重要性を認識し、個人情報保護についての
方針を定め、適切に取り組みを行っています。
題検討会を、コードリーダーを中心に各職場ごとで延
この方針に基づき、個人情報管理責任者を任命し
べ800回実施しました。この検討会では、各職場にあ
て管理体制を構築、個人情報保護に関する社内規則
る課題の洗い出しと解決に向けた議論も行いました。
やルールを制定し、研修会や e ラーニングを通じて社
社
会
と
の
交
流
員へ教育を実施しました。また、モバイルパソコンの
暗号化など安全措置も推進しています。2005年度か
らは内部監査を実施し、取り組み状況の自主チェッ
クを行なっています。
Web http://www.mitsubishi-motors.co.jp/privacy/index.html
社
員
と
の
関
わ
り
40
社会フェーズ
お客様の声に、
さらに耳を傾けていきます。
お客様からのお問い合わせ窓口の受付時間を拡大するとともに、お客様から頂いた貴重なご意見を社内に
フィードバックする仕組みを強化しています。
また、お客様の声を反映した福祉車両の開発に力を入れるとともに、東京と大阪に展示施設を設置しています。
カスタマーコミュニケーション
お客様相談センター
当社では、お客様からのお問い合わせ窓口として
お客様視点の販売店サポート体制
当社では、高度な整備技術体制を全国的に展開
「お客様相談センター」を1968年より設置し、さまざ
す る た め 、全 国 1 0 ヵ 所 に テ ク ニ カ ル セ ン タ ー
まなお問い合わせに対し「迅速・的確・親切」をモッ
(Technical Center)を配置し、お客様および販売店
トーに、お客様に最高の満足を感じて頂くために、
さまざまな取り組みを実施してまいりました。2003
へのサポート体制を強化しています。
三菱自動車グループの総力をあげて、お客様の満
年10 月には、お客様相談センターの受付を週7 日体
足を根底で支えられるよう努力しています。
制(12/31 ∼ 1/3 を除く 361 日体制)とし、従来は休
具体的には、次のような内容を実施しています。
みだった日曜日にも受付を行ってお客様の利便性の
●販売会社をバックアップして、診断が難しく、高
向上を図っています。
度な技術が必要な不具合への対応を行う。
●販売会社と連携して、修理・クレーム・商品情報
を直接収集し、品質向上に役立てる。
●販売会社と連携して、整備性、作業性を検証し、作
業時間の短縮を図るとともに修理費用の低減を
図る。
テクニカルセンター
(10 カ所)
お客様相談センター
お客様相談センター
0120-324-860
販売店
札幌
お客様
オープン時間 9∼17時(土・日:9∼12時/13時∼17時)
サポート体制強化
お客様の声の普及活動
仙台
貴重なお客様の声をさまざまな手段で関連部門に
長岡
倉敷
伝え、お客様の目線で商品やサービス作りを行うこ
東関東
とを目的として「カスタマーボイスサイクル」の確立
を推進しています。
定期的なレポートのほかに、お客様の声を社内の
厚木
福岡
高槻
岡崎
四国
多くの社員が身近に感じ、
お客様視点での商品・サー
ビスづくりに反映できるよう、年に数回、品質部門、
生産部門、
開発部門向けの集合研修「生の声セミナー」
を開催し、お客様の意見を伝えています。
国内の品質情報だけでなく、海外の品質情報につ
いても、当社独自のQIP system ※1を使い、海外の関
連会社を含む当社製品の品質情報(開発∼市場)を
一元管理し、情報の伝達スピードのアップを図り、
お客様の満足度向上に努めています。
※1
41
QIP system
品質情報統合システム
(Quality Information Pool)
といい、
品質不具合情報を一括管理するためのシステム。
社
会
フ
ェ
ー
ズ
福祉車両
企
業
倫
理
福祉車両「ハーティラン」シリーズ
福祉車両「ハーティラン(心と心をつないで一緒
に走ろう、という意味を込めた造語)シリーズ」をご
用意しています。車いすを必要とする方や、歩行お
よび車の乗り降りが困難な方への特別な装備を施
し、
「車いす仕様車」
「乗降補助仕様車」
「運転補助仕
お
客
様
と
の
関
わ
り
様車」など幅広い車種でさまざまなニーズにお応え
しています。
当社は1991 年から本格的に福祉車両の開発に取
り組んでまいりました。1992 年には乗用車「シャリ
オ」の車いす仕様車を投入し通産省(当時)の「グッ
ドデザイン賞」を受賞しました。投入当初からボラ
ンティア団体の皆様のご意見を頂きながら開発しま
した。
「ハーティラン」のシリーズ名はこうした「お
品
質
客様の声に耳を傾けながら開発した車」という開発
の基本精神も込められています。
2003 年 5 月には「グランディス」に助手席への乗
降を容易にする「助手席ムービングシート仕様車」
を、2003年10 月には自操式の「ランサー」に「セルフ
トランスポート仕様車」を設定しました。
ミニキャブ、タウンボックスの「車いす仕様車」は
軽自動車でありながら小型車並みの広いスペースを
[常設展示場]
三菱バリアフリーラウンジ大阪
大阪市福島区福島7-20-1
近畿三菱自動車販売(株) 西梅田店1F
TEL:06-6453-3961
営業時間 10:00∼18:30
休館日 月曜日
[常設展示場]
三菱バリアフリーラウンジ多摩
東京都多摩市唐木田1-16-1
東京三菱自動車販売(株)
多摩ニュータウン店2F
TEL:042-337-8860
営業時間 10:00∼18:30
休館日 月曜日
有しており、特にご好評を頂いています。
11月にはリフト式のリフトを一新、ユーザーの皆
(臨時休館日、展示車両の変更が
ございますのでお問い合せください)
(臨時休館日、展示車両の変更が
ございますのでお問い合せください)
安
全
様からさらに使いやすくなったとの評価を頂いてい
ます。
また、お客様が選びやすいように車や機器に実際に
触れて頂ける常設展示場の設置、全国各地における
イベント・展示会・試乗会への協力を積極的に行って
います。
車いす仕様車
乗降補助
仕様車
助手席回転スライ
ドシート仕様車
助手席ムービング
シート仕様車
運転補助
仕様車
セルフトランス
ポート仕様車
車いすに座ったままの乗降が
可能
スムーズに乗降しやすいよう
助 手 席 シ ー ト が 回 転 、車 外 へ
スライド
さらにスムーズに乗降しやす
いよう助手席シートが電動で
回転し、車外へスライドダウン
車いすの収納がスイッチひとつ
で簡単に。車いすの方がご自身
で運転するための装置を装備
2004 年国際福祉機器展
最新情報はホームページをご覧ください。
ミニキャブバン、
タウンボックス
eK ワゴン、コル
ト、コルトプラス、
ディオン
eK ワゴン、ディオ
ン、グランディス
ランサー
社
会
と
の
交
流
社
員
と
の
関
わ
り
Web http://www.mitsubishi-motors.co.jp/heartyrun/
42
社会フェーズ
品質向上への継続的な改善に取り組んでいます。
リコール問題に対する徹底的な調査を実施し、再発防止に向けた取り組みを実施しています。
高品質な商品をまとめるためのプロセスマネジメントシステムを導入し、部門間の連携を高め、課題を総合的に解決し、
着実に品質レベルを向上させています。
品 質
再発防止に向けた追加の取り組み
品質マネジメントシステムと品質方針
リコール問題の原因究明調査結果を踏まえ、すで
従来は、製作所ごとにISO9002 : 1994 を取得して
に実施している指示改修廃絶のためのプロセス改革
いましたが、ISO9001 : 2000マネジメントシステムの
や、リコール業務処理の迅速化に加え、以下をはじめ
認証取得に際し、2003年に全社での統一認証を取得
とする追加改善施策を実施しています。
しました。
●品質情報の経営システムへの取り込み
また、2004 年 7 月∼ 9 月で社外認証機関による維
市場不具合情報の措置状況を、リコールを行う案
持審査を受け、ISO9001 : 2000 の認証継続を日本
件に留まらず、リコール不要と判断した案件につい
(JAB)および英国(UKAS)の認可機関から認めら
ても、取締役会に報告。
●品質保証部門の強化
れました。
ISO9001 : 2000 の要件としては、顧客・法令など
2004年6月に実施した品質統括本部の設立に加え、
の要求事項を満足させることがあり、継続審査に合
人員増強によるテクニカルセンターの強化や、販売
格したことにより、当社の品質管理システムが良好
会社への技術支援の強化を実施。
であることが社外からも認められています。
●社員の品質問題に対する意識向上
全社員に対するリコール関連法規制などの研修や、
品質マネジメントシステムの継続的改善
キャリアパスとしての品質部門へのローテーショ
スパイラル
アップ
ンを実施。
●社員就業規則の一部改正
リコール業務に対する意識向上と再発防止に向け、
社員の製品品質に対する責任や、お客様の安全に
対する責任を、就業規則の懲戒条項を改定するこ
とにより明確化。
経営者の責任
お
客
様
要
望
・
法
令
測定・分析
および改善
資源の運用管理
製品実現
商品コンセプト検討
設計・開発
リコール対象車をお知りになりたい方は以下のホー
Web
http://u-cfc.mitsubishi-motors.co.jp/Recall/
ListRecall.do
QG-F
QG-E
リコール情報について
ムページアドレスで検索ができます。
お
客
様
※1
QG -Z
QG-D
QG-C
要
求
事
項
QG-B
インプット
生産準備
生 産
販売・流通
QG-A
アウトプット
満
足
度
製品
サービス
品質方針
・私たちは、
“ コンプライアンス第一”、
“ 安全第一”、
“ お客様
第一”
に徹し、
お客様に信頼される企業になります。
・私たちは、
全員が品質に責任を持ち日々改善に努めます。
・私たちは、
“ MMDS”
を運用して業務と製品の質の向上に
努めます。
※1
43
QG(Quality Gate):商品創造プロセスの主要段階において、”
すべての要件が満たされていること、および、製品、工程ともに要求される水準に
達していること”
を確認する評価地点
(Check Point)。トップマネジメントの指示・管理の手段として機能する。
(P.20 注釈参照)
MMDS(Mitsubishi Motors Development System)
社
会
フ
ェ
ー
ズ
ISQC(In Stage Quality Creation)
当社では、生産工程の中で品質を作り込む活動を
商品づくりのプロセスには、クオリティゲートシ
ISQC と名づけて、全生産現場に展開しています。
ステムの考え方を核とするMMDSを2001年以降導
入しています。クオリティゲートシステムとは、商品
基本的な考え方は、構造の重要性に応じてレベル
開発のそれぞれの節目で、すべての部門での商品づ
の高い管理を実施するというものです。その管理内
くりの活動について、達成すべき到達点を予め定め、
容も、締付け・点溶接といった作業要素ごとに、4M
到達度合いを総合的に審査・評価する意思決定シ
(構造・設備工具・工法・人)それぞれについて管
理要領を定めて、不具合を発生させないようにして
ステムです。
います。
それぞれのクオリティゲートでは、トップマネジ
メントによる判断を加えることにより、品質をはじ
例えば締付けについては、一般個所は通常の工具
めとしたすべての商品特性について妥協しない商品
を使用するのに対し、重要個所は、通常の工具を使
づくりを進めています。
用した後に追加でトルクレンチを使用したり、締付
例として、モデル承認タイミングであるクオリティ
け力をコントロールできる計測機能付の工具を使用
ゲートD、開発を完了するクオリティゲートB、量
しています。さらに重要な個所では、再確認も行っ
産を開始するクオリティゲートAでの主な審査・評
ています。
価項目を下図に示しています。実際には、各項目ご
これらを適用する基準と、工具・作業指示内容・作
とによりきめ細かな目標とサプライヤ、カスタマー
業者の熟練度などのガイドラインを組み合わせて、
という責任者が規定されて運用されています。
間違いが起こらないように作業を行っています。ま
例えば、クオリティゲートAで、最終量産仕様で
た、確実な作業をするには構造の改善と重要個所の
のクロスカントリー耐久を再度実施するといったよ
管理要領の明確化が不可欠なため、主に開発段階で
うな、より高い品質レベルを確保するための手法も
品質を保証しやすい構造を採用したり、生産する上
採用されています。
での注意事項を図面に記載するようにしています。
企
業
倫
理
お
客
様
と
の
関
わ
り
品
質
eK ワゴン以降、コルト、グランディスなどの新型
車はこのシステムから生み出され、着実に品質レベ
安
全
ルを向上させています。
MMDS
(Mitsubishi Motors Development System)
デザイン承認
開発開始
商品開発の流れ
クオリティゲート
審査・評価項目
商品企画
設計構想
F
□
□
□
□
□
設計仕様
試作車検証
市場投入
量産
品質確認
開発完了
量産開始
E
D
C
B
A
装備仕様固定
事業性
デザイン固定
生産計画
品質目標
□
□
□
□
□
立上り計画
設計品質確認
生産準備計画
法規適合性
サービス計画
□
□
□
□
□
量産車品質
耐久信頼性
生産工程
認証取得
サービス体制
(32項目)
(23項目)
(28項目)
Z
社
会
と
の
交
流
社
員
と
の
関
わ
り
44
社会フェーズ
交通事故低減への取り組みを強化しています。
三菱自動車では、交通事故低減のため、予防安全性能や衝突安全性能などの車両安全性能向上をはじめ、
交通安全に関する啓発や安全運転教室の実施などを推進。さまざまな面で交通安全のための活動を行っています。
交通安全
交通安全対策の考え方
交通死亡事故低減のための取り組み
日本では、2004 年の 1 年間に 7,358 人もの尊い命
予防安全性能の向上
が交通事故によって失われています。2004 年1 月に
事故を未然に防ぐためには、車の基本性能である
は政府から、
『世界一安全な道路交通』を目指して政
「走る」
「曲がる」
「止まる」がドライバーの意思に忠実
府目標※1
『交通事故死者数を10年間(2013年までに)
に行えることが重要です。当社ではABS やブレーキ
で5,000 人以下』が出されました。当社では、交通事
アシストなどの装備の拡大や、当社独自の電子制御
故が自動車によってもたらされた最大の負の遺産で
技術を駆使した「アクティブスタビリティコントロー
あることを認識し、社会への責任を果たすため、今
ルシステム(ASC ※2 )
」の採用拡大などにより、予防
後も交通事故低減に取り組んでいきます。
安全性能のさらなる向上に取り組んでいきます。
交通安全対策には、
「人」
「車」
「道路環境」の3 つの
要素が重要とされています。当社は、より安全な車
衝突安全性能の向上
万一の衝突の際には、乗員が受ける衝撃を緩和
を開発し、お客様に提供していくことは勿論のこと、
し、かつ十分な空間が確保できる車体構造が重要で
クルマに安全にお乗り頂くための啓発活動を今後も
す。当社の衝突安全強化ボディ「RISE ※3 」をさらに
進めていきます。
進化させ、前面、側面、後面の全方位での衝突安全
交通事故の現状と当社の安全装備の拡大
性能を向上させていきます。また、
エアバッグやシー
ここ数年、日本では交通事故死者数は減少傾向に
トベルトプリテンショナー、むちうち低減シートな
あります。これは、エアバッグや衝突安全ボディな
ど、乗員を保護する装置の性能向上・高機能化と合
ど車両安全対策の効果の表れと考えられます。一
わせて、乗員が受ける傷害を軽減する車両の開発に
方、負傷者と合わせた死傷者は増加の傾向にあり、
取り組んでいきます。
全体の死傷者数は120 万人に迫っています。事故を
未然に防ぐ予防安全性能のより一層の向上が必要
となっています。
当社では、交通事故のない社会を目指して、今後
も安全装備の性能向上や高機能化、新技術の開発に
衝突安全強化ボディ RISE
ストレートフレーム構造
取り組んでいきます。
日本の交通事故死者数・死傷者数の推移
(死者数/人)
当社の安全装備の装着拡大状況
(生産台数ベース)
(死傷者数/万人)
12,000
160
120
80
死傷者数
7,500
6,000
'94
ABS
ブレーキ
アシスト
助手席
エアバッグ
シートベルト
プリテンショナー
'96 '04
'96 '04
衝突安全強化ボディ
RISE
100
死者数
10,500
9,000
(%)
'96
'98
'00
'02
'04
75
50
40
25
0
0
'96 '04
'96 '04
'96 '04
警察庁公表データより作成
※1
※2
※3
45
政府目標
10 年間で
(2013 年までに)
交通事故死者数を 5,000 人以下にすることを目指す
(2004 年 1 月 19 日 第 159 回国会 小泉内閣総理大臣施政方針演説)
Active Stability Control System
車両に装備された各センサー類によって急なハンドル操作や滑りやすい路面での車体の不安定な動きを感知すると、
4 輪のブレーキ力とエンジン出力を独立で自動制御し、
車両の安定性を向上させる。
Reinforced Impact Safety Evolution
高エネルギー吸収構造と高剛性キャビン構造の衝突安全強化ボディ。
オフセット前面衝突や側面衝突でも、
高レベルの衝突安全性を実現。
社
会
フ
ェ
ー
ズ
また、
「安全博士のセーフティ講座」
、
「ハッピード
歩行者を保護する技術の拡大
ライブ講座」などの安全運転パンフレットの発行や、
乗員の安全性に加えて、歩行者や自転車、二輪車
などの保護に対しても安全な車づくりが求められ
Web サイト「安全なドライブのために」による安全
ています。歩行者や自転車などをいち早く確認す
運転情報の発信を行っています。当社では、お客様
るための視界向上技術(ノーズビューカメラ、リヤ
の交通安全意識の向上に役立つ、これらの啓発活動
ビューカメラなど)や歩行者保護対応ボディの採用
を今後も積極的に行っていきます。
企
業
倫
理
を拡大し、歩行者保護性能のさらなる向上に取り組
んでいきます。
お
客
様
と
の
関
わ
り
安全運転教室や安全情報の発信
クルマに安全にお乗り頂くためには、安全装備の
機能を正しく理解して頂くことや、安全運転の方法
を身に付けて頂くことが重要です。当社では、ビギ
ナードライバーを対象とした安全運転の体験プログ
※4
ラム「クルマの学校 」を開催し、多くの方に参加頂
いています。
安全運転パンフレット
品
質
「クルマの学校」講習会風景
ホームページ上での情報提供
Web http://www.lcomi.ne.jp/otoku/t/lcomi-car/
Web
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/special/
safety/index.html
安
全
当社の安全対策と当社車両が関わった事故での年間死者数の推移
1995年対比
26%低減 ※ 5
予防安全装備の拡大
・ABS・ブレーキアシスト
・アクティブスタビリティ
コントロールシステム(ASC)
・セーフティ機能付パワーウィンドウ
衝突安全装備の拡大
・ブリテンショナー&フォースリミッターシートベルト
・フロントエアバッグ、
サイドエアバッグ、
カーテンエアバッグ
・衝突安全強化ボディ: RISE
歩行者保護対策
・歩行者保護対応エンジンフード
・歩行者保護対応ワイパー構造
交通安全啓発活動
1995
政府目標
に貢献
社
会
と
の
交
流
予防安全性能の向上
衝突安全性能の向上
歩行者保護技術の向上
交通安全啓発活動
交通事故のない
社会を目指す
2004
2013
当社車両が関わった交通事故での死者数は、
2004 年には 1995 年に比べ 26%減少しました。
これは車両の安全対策による効果の表れと考えられます。
今後も交通事故のない社会を目指して、
安全性能の向上や安全運転の啓発活動に
努めていきます。
※4
全国の販売店で開催。
1995 年から開始し、
これまでに 2,000 名以上のお客様が参加。
三菱自動車と(株)サンケイリビング新聞社とのタイ
アップによる開催もあり。
※ 5 (財)
交通事故総合分析センターの集計結果による。
社
員
と
の
関
わ
り
46
社会フェーズ
さまざまな場面で社会との交わりを大切にしています。
当社は地域社会とのさまざまな交流を大切にしています。工場見学、地元教育施設との関わり、
工場周辺の清掃など地域社会との交流や貢献活動を積極的に行っています。
また小学生向けの自動車相談室を開設、総合学習への協力など学校教育にも取り組んでいます。
社会との交流
地域社会との交流
名古屋製作所
環境活動は、工場内だけではなく地域住民の皆様
各製作所では、工場見学や地元教育施設との関わ
と協力して取り組んでいます。岡崎市が主催する「街
りなどの活動を通して、地域の住民の皆様との交流
頭沿い線の早朝ゴミ拾い活動」や自主活動として「工
を深めています。
場周辺のゴミ拾い活動」などに工場の各職場から参
水島製作所
加して、岡崎市の美化活動に協力しています。
水島製作所では、地域の住民の皆様に環境への
取り組みを知って頂くとともに、各種交流を行い
コミュニケーションの向上を図っています。また、
地域社会に対しても工場のグラウンドを開放した
り、台風被災地域へのボランティア活動にも積極的
に参加しています。
岡崎工場周辺のゴミ拾い活動
パワートレイン製作所
昼休みを利用して、工場周辺の道路の美化を図る
「歩クリーン」
(門掃き清掃)を行い、健康づくりを兼
ねた地域奉仕活動として、社員はもとより近隣住民
の方からも好評を頂いています。近年は、各職場の
桜祭り
(工場のグラウンドを地域の皆様に開放)
有志が定期的に自主清掃を実施しています。
そのほか、御室・天神川を美しくする企業協議会
が昭和53 年に結成されて以来、当社は幹事会社とし
て活動に積極的に参画してきました。年 2 回の河川
パトロールと水質の自主分析、河川周辺の清掃活
動、環境問題に関する講演会の開催、広報誌の発行
など河川美化に関わる幅広い活動を行っています。
台風被災地域へのボランティア
(被災された地域への早期復旧に協力しました)
パワートレイン製作所の環境巡視活動
(副所長が環境管理責任者となり、
3 ∼ 4 ヵ月に 1 回の割合で工場内外
の環境巡視を実施しています。
その際には、
巡視だけでなくクリーン活
動も同時に実施しています)
コスモスボランティア
(岡山国体へ向けて、
八間川沿いに地元周辺の皆様と一緒にコスモスを
植えるボランティアに参加しました)
47
小学生自動車相談室
社
会
フ
ェ
ー
ズ
学校教育への協力
小学生向けの専用フリーダイヤル「小学生自動車
小学校の社会科授業への協力として、自動車づく
相談室」を1993年以来毎年開設しています。小学生
りと環境に関する出張授業を本社地区、岡崎地区で
を対象にした専門の相談室を設置しているのは自動
それぞれ4 校行い、電気自動車の試乗やリサイクル
車業界でも当社だけのユニークな取り組みです。子
部品の展示など子供たちに自動車産業への理解を深
供向けパンフレット「こんにちは三菱自動車です。
」
めてもらう活動を実施しています。
では、自動車ができるまでを工場ラインのイラスト
また総合学習の一環として修学旅行時などに当社
で分かりやすく説明したり、環境への取り組みを紹
を訪問される中・高生の受け入れも実施しており、
介しています。
昨年は14 校65名の方が来社されました。
ショールームでの実車見学、当社の環境・安全へ
の取り組みの紹介をベースに、自動車産業への理解
を深めて頂くための説明会や、さまざまな質問にも
企
業
倫
理
お
客
様
と
の
関
わ
り
お答えしています。
関心をお持ちの方は
0120-324-860までご連絡
ください。
品
質
小学生自動車相談 室
0120-175-250 (7月∼11月)
また子供向けサイト「こどもクルマミュージアム」
ディスカッション風景
では、環境と自動車の関係を分かりやすく紹介する
環境ページ「地球環境を守ろう!」を開設しています。
展示施設「三菱オートギャラリー」
安
全
1917年の三菱A 型に始まる当社の発展と歩みを、
社員だけでなく一般のお客様にもご理解頂けるよ
う、1989 年に「三菱オートギャラリー」を技術セン
ター(愛知県岡崎市)内に開設し、以来、15 万人を
超えるお客様にご来場頂いています。
ホームページ上での情報提供
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/social/exchange/
Web
kids/index.html
ご来館の際は、あらかじめお申込みください。
◆開館時間
8:15∼17:15
◆休館日
土・日曜日(5月・8月・年末年始に連休有り)
◆お申し込み・お問い合わせ先
三菱自動車工業株式会社
技術開発センター 企画管理部
コミュニケーション総括グループ
〒444-8501 愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地
TEL:0564-32-5204
社
会
と
の
交
流
社
員
と
の
関
わ
り
48
社会フェーズ
社員ひとりひとりを大切にし、
コミュニケーションが活発な企業を目指します。
社員ひとりひとりが、やりがいのある仕事に取り組めるような仕組みづくりを行っています。
社員との関わり
人事施策
社内コミュニケーション
会社は社員にとって「創造性の発揮と仕事を通じ
事業再生をスムースに実行するには、会社と社員
た自己実現の場」であるという考えから、当社では
が同じ目的意識を持つことが大切です。そのために
社員を「自立した個人」として、お互いに「高い志を
は、会社と社員をつなぐ社内コミュニケーションが
共有する対等の関係であるというスタンスに立ち、
重要な役割を果たします。当社では、社内報、イント
2002 年から管理職そして一般社員の人事制度を改
ラネット、対話集会など、いろいろな場を通じて社
※1
革しています。また同時に、会社を支える人財 の
内外の情報やトップの方針を共有し、社員とトップ
育成に取り組んでいます。これらを推進する人事部
の双方向の交流を行っています。
※2
門では、各種人事施策のPDCAサイクル を着実に
実行していくとともに社員のサポートに徹していき
社内報
(Reborn
(リボーン)
国内版/海外版)
2004年9 月にこれまでの社内報を全面リニューア
ます。
ルし「再生に向かう気持ち応援誌」として創刊しま
社員制度
した。
それぞれのポジション・職務に期待される「役割」
また、世界中の三菱自動車グループで働く社員に
を基軸として、各人の役割の遂行度合いや役割に応
向けて、海外版を2004年10月から新規に発行し、電
じた目標の達成度合いを、年齢や過去の功績ではな
子配信しています。
く、時価主義の観点から評価・処遇(昇進・昇給)を
行います。
人財育成方針
自立したプロフェッショナル人財の育成を目指し
て、キャリアの開発支援を行います。
戦略的な次世代ビジネスリーダー育成の『リー
ダーシップ教育』
、体系的なマネジメントスキルを強
化する『マネジメント教育』、専門知識や技術の向
上・伝承のための『プロフェッショナル/ものづくり
教育』
、キャリア開発や、各部門の情報共有をすすめ
部門間の風通しをよくするための部門間ローテー
ションなどがあります。
人財育成ポリシー
個を尊重します
エンプロイアビリティの向上を支援します
学習する組織の実現を目指します
教育理念 3C のサポート
Challenge(チャレンジのための強い Will)
Change (変革のための高い Skill)
Career (キャリア構築のための自立 Mind)
※1
※2
49
社内イントラネット動画配信
(Reborn ビデオニュース)
お客様の声、販売会社の声、製造現場の改善の取
り組みなど、文字や写真のみの紙面では伝えきれな
い情報、ニュースを厳選して2005 年5 月から社内の
イントラネットに掲載しています。
社内報・動画いずれのReborn も企画・取材・原
稿作成・編集をすべて社員の手で行っています。社
員からの情報提供、原稿寄稿や掲載依頼など多数の
協力もあり、社内に浸透しています。
人財
当社では、
「社員
(人)
」を財産と捉え、
社内の部署名にも
“人財”
と標記しています。
PDCA サイクル
計画
(Plan)、
実行
(Do)、
評価
(Check)、
改善
(Act)
のプロセスを順に実行し、
改善後に計画を実行し、
継続的な業務改善活動を推進するマネ
ジメント手法。
イントラネット
当社内外の情報を集約し、直近のできごとから、
情報を提供しています。
働ける環境づくりを目指しています。
▲
▲
▲
社の業務標準などの基本情報まで、広範囲にわたる
社
会
フ
ェ
ー
ズ
いても、シニア制度の充実に努めており、定年後も
また全役員および社員に適用する「企業倫理」
において、セクシャル・ハラスメントの禁止を宣言
P.40
企
業
倫
理
し、違反した場合の処罰(就業規則に沿う)
、啓発研
修の実施、各地区に相談窓口を設置し、全社員への
周知徹底を図っています。
安全衛生
安全成績
「安全はすべてに優先する」を基本理念に、究極の
目標「災害ゼロ」を目指し、安全管理システムの構
お
客
様
と
の
関
わ
り
築、労働災害防止活動を継続して推進しています。
交通安全
社長との対話集会
自動車メーカーに勤務する社員の責務として交通
率直な対話を通して、トップの信念や考えを直接
ルールの遵守を徹底するために、社員への安全運転
社員に語りかけるとともに、社員からは社員の生の
講習会、通勤車両の一斉点検、新入社員への危険感
声や現場からの問題提起を行っています。
受度テストなどを実施しています。また、情報の共
品
質
有化、安全意識の向上の目的で、交通事故・違反体験
などの届出を義務づけています。特に、重大な違反・
事故に対しては厳しく臨むとともに、その撲滅に向
け全社員一丸となって努力しています。
健康づくり
「健康は自ら作り、管理するもの」を基本に、継続
的な活動を実施しています。
社長ダイレクトライン
社員のアイデアや意見を、直接社長に提案できる
ように、窓口を設置しています。
2004年度は1,400件を超えるアイデア・意見が社
員から寄せられ、さまざまな方面で社員の声が反映
されています。
●自主健康管理・健康づくり運動
●保健士・栄養士による保健指導・健康相談、疾病
予防教育、体力テストなど
メンタルヘルス
日常のコミュニケーションによる早期発見・早期
治療が抑止効果として重要であり、相談しやすい体
制・環境を構築し、取り組んでいます。
社員福祉
ニーズの多様化に鑑み、ボランティア休業制度の
安
全
●精神科医・カウンセラーの配置(面談)
●健康保険組合での健康相談(電話)
社
会
と
の
交
流
●管理者へのメンタルヘルス教育
設定、社員が福祉サービスを自由に選択できる制度
(カフェテリアプラン)を導入しています。育児や家
族の介護が必要な社員に対しては、育児休業制度、
介護休業制度などの支援策をはじめ、勤務時間への
配慮などの諸制度の充実に努めています。
目下、次世代育成支援対策推進法の認定を目指
し、諸活動を展開しています。高年齢者の雇用につ
社
員
と
の
関
わ
り
50
データ集
企業情報
■ 会社概要(2005 年 3 月 31 日現在)
■ 三菱自動車グループ
三菱自動車グループは、三菱自動車工業(株)、子会社112
会社名 三菱自動車工業株式会社
設立 1970年(昭和45年)4 月 22日
社および関連会社 41 社(2005 年 3 月 31 日現在)で構成さ
本社所在地
れ、乗用車およびその部品の開発、生産、販売を行ってい
資本金
〒108-8410 東京都港区港南二丁目16番4号
ます。
642,300百万円
発行済み株式数 4,254,521,405株(含む優先株式)
1 北海道河東郡音更町
ホームページアドレス
Web
4 岐阜県加茂郡坂祝町
・十勝研究所
パジェロ製造(株)
(PMC)
2 東京都港区
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
5 京都府京都市
・本社
会社の目的
(1)自動車およびその構成部品、交換部品ならびに付属品
の開発、設計、製造、組立、売買、輸出入その他の取引業。
(2)農業機械、産業用エンジンなどおよびその構成部品、
交換部品およびに付属品の開発、設計、製造、組立、
売買、輸出入その他の取引業。
(3)中古自動車およびその構成部品ならびに交換部品お
よび付属品の売買。
・技術センター
・パワートレイン製作所
(エンジン/トランスミッション生産)
東京都港区
三菱自動車ロジスティクス(株)
6 岡山県倉敷市
(国内の製品輸送)
・水島製作所(車両生産)
東京都品川区
三菱自動車テクノサービス(株)
(新車点検や整備の一部)
1
3 愛知県岡崎市
・技術センター
・名古屋製作所(車両生産)
愛知県岡崎市
三菱自動車エンジニアリング(株)
(製品開発の一部)
(4)計量器などの販売。
(5)損害保険および自動車損害賠償保障法に基づく保険
6
の代理業。
5
4
2
3
(6)金融業。
(7)前各号に付帯関連する事業。
全国
東京三菱自動車販売(株)など
(乗用車/部品販売)
(注)このうち、農業機械に関する事業は現在営んでいない。
全国
東京三菱自動車部品販売(株)など
(国内の補用部品の販売)
4
5
1
3
1 米国
Mitsubishi Motors North America, Inc. (MMNA)
(生産・販売)
4 オランダ
Netherlands Car B.V. (NedCar)
(生産)
5 欧州
Mitsubishi Motors Europe B.V. (MME)
(販売)
51
2
2 オーストラリア
Mitsubishi Motors Australia Limited (MMAL)
(生産・販売)
3 タイ
Mitsubishi Motors Thailand Co., Ltd. (MMTh)
(生産・販売)
デ
ー
タ
集
■ 2004 年度業績
2004年度の連結売上高は、2兆1,226億円(前年度
比15.8%減収)
、営業損失は、1,285億円(前年度比316
億円悪化)となりました。
売上高
(億円)
32,767
対前年度の減益要因としては、販売台数減少など
企
業
情
報
38,849
40,000
32,007
30,000
25,194
21,226
による悪化が1,290億円、ワランティー費用増加184
億円などがあります。増益要因としては、北米での
販売奨励金の圧縮や日本国内での広告宣伝自粛な
20,000
10,000
どによる販売促進費関連での削減効果が534億円、
米国販売金融債権関連が313億円、その他削減効果
0
'00
'01
'02
'03
製
作
所
デ
ー
タ
'04
があります。
主な営業外費用は、通常の利息収支に加え、当連
結会計年度の増資における新株発行費用129億円お
営業利益(損失)
(億円)
よび持分法投資損失130億円などにより、経常損失
600
は1,792億円
(前年度比689億円悪化)
となりました。
300
0
特別損失は、減損損失844億円、三菱ふそうトラッ
ク・バス株式会社の株式譲渡契約に基づく損失補
-300
-600
償747億円、構造改革損失295億円、特別対策費(愛
-900
車無料点検費用)252億円、固定資産売却損145億円
828
900
402
△739
△969
-1,200
-1,500
などであり、これらの影響などにより、当期純損失
△1,285
'00
'01
'02
'03
'04
関
連
会
社
デ
ー
タ
は4,748億円となりました。
経常利益(損失)
単独
連結
(億円)
11,635 億円
21,226 億円
営業利益
△ 622 億円
△ 1,285 億円
経常利益
△ 852 億円
△ 1,792 億円
当期利益
△ 5,262 億円
△ 4,748 億円
0
11,234 億円
15,893 億円
-500
3,301 億円
3,248 億円
625 千台
1,322 千台
12,094 名
36,970 名
売上高
総資産
株主資本
車両売上台数
社員数
1,000
543
500
-1,000
119
低
公
害
車
△941
△1,103
-1,500
-2,000
△1,792
'00
'01
'02
113
374
'03
'04
当期純利益(損失)
(億円)
1,000
環
境
会
計
0
-1,000
-2,000
△2,154
-3,000 △2,781
-4,000
三菱自動車 アニュアルレポート 2005
詳しくは、当社のアニュアルレポート 2005 をご参照ください。
Web
-5,000
△4,748
'00
'01
'02
'03
'04
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/corporate/
ir/irlibrary/anual.html
注)2002 年度までトラック・バス事業を含む。
2002 年度は、海外連結子会社の会計期間変更による影響を含む。
沿
革
そ
の
他
52
データ集
製作所データ
CO2 排出量原単位
(千 t-CO2/億円)
/CO2 排出量
(千 t- CO2)
2004 年度エネルギー使用量の内訳
(千t-CO2/億円)
その他(コークス、ガソリン、軽油)7%
35
28.3
30
灯油・A重油 4%
25
コージェネ用都市ガス
(千t-CO2)
600
500
400
300
200
100
0
9%
193千kL/年
(原油換算)
330
購入電力
64%
都市ガス
16%
'90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04
廃棄物の発生量/処分量と最終処分率
(千t)
発生量
処分量
6
186
200
廃プラスチック類 1.2%
その他 0.7%
一般廃棄物 1.4%
汚泥 1.7%
廃油 5.0%
4
100
0
2004 年度廃棄物発生量の内訳
(%)
処分率
300
2
'97
'98
'99
'00
'01
'02
'03
0.05
0
'04
発生量
(千m )
57.7%
32.3%
用水別使用量推移
3
金属くず
186千t/年
鉱さい
上水
工業用水
井戸水
10,000
8,000
6,000
4,724
2004 年度用水使用量の内訳
4,000
上水
17%
2,000
0
'90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04
4,724千m3/年
SOX 排出量の推移
(t)
井戸水
100
33%
工業用水
50%
80
60
40
30
20
0
'90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04
BOD・COD の推移
NOX 排出量の推移
(t)
その他
(t)
ガスタービン
300
250
50
29.8
128
COD
40
200
BOD
30
150
100
20
50
0
53
'90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04
10
'90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04
名古屋製作所岡崎工場( ISO14001
大気
物質
NOx
所在地
設立
敷地/建物
延面積
社員数
主な
生産品目
生産工程
愛知県岡崎市
橋目町字中新切1
1977 年
425,000/
160,000m 2
2,000 人
乗用車
プレス、
溶接組立、
塗装、
組立、
樹脂成形
デ
ー
タ
集
取得: 1998 年 11 月 )
設備
小型ボイラー
ボイラー
乾燥炉
焼却炉
小型ボイラー
ばいじん
ボイラー
乾燥炉
焼却炉
SOx
( 燃料 S 分規制)
ホルムアルデヒド 乾燥炉
ダイオキシン 焼却炉
規制値 排出状況
単位
ppm
120
40
ppm
100
52
ppm
250
40
ppm
200
90
g/Nm3 0.1
0.008
g/Nm3 0.1
0.006
g/Nm3 0.1
0.026
g/Nm3 0.1
0.053
wt%
1
0.001
mg/Nm3 30
6.2 *
ng-TEQ/Nm3 10
1.2
水質
物質
BOD
COD
SS
油分
全窒素
全リン
銅
亜鉛
マンガン
全クロム
鉛
単位
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
規制値 最大
20
4.1
20
9.0
20
1.0
2
1.0
15
11.0
2
0.07
0.5
0.03
1
0.1
3
0.3
0.1
0.02
0.1
0.011
最小
1.2
2.6
1.0
0.5
6.2
0.01
0.01
0.01
0.1
0.02
0.005
平均
2.5
4.0
1.0
0.7
8.1
0.04
0.02
0.04
0.16
0.02
0.09
*「県民の生活環境の保全等に関する条例」施行により塗装乾燥炉ホルムアルデヒド排出濃度規制適用開始
('04・10・1 ∼)
PRTR 対象物質
(ダイオキシン類の単位は g-TEQ/年、
その他の単位はすべて kg/年)
物質名
取扱量
亜鉛の水溶性化合物
6,247
アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)
12,076
ビスフェノール A 型エポキシ樹脂
9,839
エチルベンゼン
59,380
エチレングリコール
165,989
キシレン
382,958
1.3.5-トリメチルベンゼン
18,142
トルエン
603,293
ニッケル化合物
931
ベンゼン
13,864
ホルムアルデヒド
81
マンガン及びその化合物
1,874
合計
1,274,674
ダイオキシン類
0.217
大気
排出量
公共用水域
0
0
0
20,303
0
122,356
3,211
133,323
0
95
81
0
279,369
0.069
19
0
0
0
567
0
0
0
9
0
0
93
689
0.000
移動量
下水道 廃棄物
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.000
776
362
333
50
0
151
0
150
501
0
0
615
2,939
0.149
リサイクル量
0
0
0
0
0
26,250
0
50,610
0
0
0
0
76,860
0.000
消費量
除去処理量
5,452
11,701
9,495
37,847
161,596
179,353
14,544
377,559
421
13,769
0
1,165
812,901
0.000
0
12
11
1,180
3,826
54,848
387
41,650
0
0
0
0
101,915
0.000
企
業
情
報
製
作
所
デ
ー
タ
関
連
会
社
デ
ー
タ
※消費量:反応により他物質に変化もしくは製品に含有して持出される量 ※除去処理量:焼却・分解・反応などにより他物質に変化した量
水島製作所( ISO14001
取得: 1998 年 12 月 )
大気
物質
NOx
設備
ボイラー
乾燥炉
ばいじん
ボイラー
乾燥炉
SOx
( 燃料 S 分規制)
所在地
設立
敷地/建物
延面積
社員数
主な
生産品目
生産工程
岡山県倉敷市水島海
岸通 1-1
1943 年
1,245,400/
484,700m 2
4,200 人
乗用車、
軽自動車
自動車用エンジン、
トランスミッション
鋳造、
鍛造、
機械加工、
プレス、
溶接組立、
塗
装、
組立
規制値 排出状況
単位
ppm
150
55.2
ppm
230
33.7
g/Nm3 0.1
0.003
g/Nm3 0.1
0.002
wt%
0.5
0.06
水質
物質
BOD
COD
SS
油分
全窒素
全リン
銅
亜鉛
マンガン
全クロム
鉛
最小
平均
単位 規制値 最大
mg/l
20
49.8
1.5
8.9
mg/l
20
20
1.5
7.4
mg/l
20
5.3
0.3
0.8
mg/l
1
0.3
0.3
0.3
mg/l
60
16
3.8
8.1
mg/l
8
10.9
0.1
1.6
< 0.01 < 0.01 < 0.01
mg/l
3
mg/l
5
0.04
0.04
0.04
mg/l
10
0.19
0.01
0.1
mg/l
0.5 < 0.005 < 0.005 < 0.005
mg/l
0.1 < 0.005 < 0.005 < 0.005
PRTR 対象物質
物質名
亜鉛の水溶性化合物
2-アミノエタノール
低
公
害
車
(単位: kg/年)
取扱量
30,539
4,701
ビスフェノール A 型エポキシ樹脂
6,948
エチルベンゼン
175,010
エチレングリコール
976,809
キシレン
733,174
酢酸 2-エトキシエチル
701
有機スズ化合物
14,448
1.3.5-トリメチルベンゼン
11,968
トルエン
690,794
ニッケル化合物
5,275
フェノール
1,392
フタル酸ビス(2 エチルヘキシル)
2,506
ベンゼン
12,955
ポリ(オキシエチレン)= アルキルエーテル
6,122
ポリ(オキシエチレン)= ノニルフェニルエーテル
1,050
ホルムアルデヒド
1,450
マンガン及びその化合物
4,408
合計
2,680,252
排出量
大気
公共用水域
0
0
0
107,062
0
393,532
617
0
9,800
290,282
0
0
0
39
0
0
130
0
801,462
570
0
0
0
0
0
0
0
0
0
633
0
0
0
61
10
0
253
1,527
移動量
下水道 廃棄物
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5,194
0
208
5,276
0
14,573
49
722
771
4,861
2,849
0
75
0
6,061
1,040
0
1,546
43,226
リサイクル量
消費量
0
0
0
22,352
0
108,634
0
0
0
126,258
0
0
0
0
0
0
0
0
257,244
24,776
0
6,740
31,756
976,809
189,810
0
13,726
0
38,458
1,794
0
2,431
12,917
0
0
0
2,609
1,301,826
除去処理量
0
4,701
0
8,564
0
26,625
35
0
1,397
230,934
0
1,392
0
0
0
0
1,320
0
274,968
環
境
会
計
沿
革
そ
の
他
※消費量:反応により他物質に変化もしくは製品に含有して持出される量 ※除去処理量:焼却・分解・反応などにより他物質に変化した量
54
製作所データ
パワートレイン製作所京都工場( ISO14001
大気
物質
NOx
所在地
設立
敷地/建物
延面積
社員数
主な
生産品目
生産工程
京都市右京区
太秦巽町1
1944 年
289,500/
251,400m 2
1,200 人
自動車用エンジン、
トランスミッション
鋳造、
機械加工、
組立
取得: 1998 年 11 月 )
設備
ボイラー
溶解炉
加熱炉
乾燥炉
単位
規制値 排出状況
ppm
150
78
ppm
200
103
ppm
180
110
ppm
230
87
ガスタービン ppm
70
50
ボイラー g/Nm3 0.1
ばいじん
0.004
溶解炉
g/Nm3 0.1
0.048
加熱炉
g/Nm3 0.2
0.087
乾燥炉
g/Nm3 0.2
0.096
SOx
( 燃料 S 分規制)
wt%
0.5
0.12
< 1.1
ダイオキシン アルミ溶解炉 ng-TEQ/Nm3 5
水質
物質
BOD
COD
SS
油分
全窒素
全リン
銅
亜鉛
マンガン
全クロム
取扱量
ビスフェノール A
エチルベンゼン
エチレングリコール
キシレン
クロム及び 3 価クロム化合物
492
11,245
4,246
55,051
80,654
1,341
1,050
15,932
128,761
77,495
3,480
3,354
5,865
27,391
416,358
0.008
メチレンビズ = ジイソシアネート
合計
ダイオキシン類
最大
24
15
11
1
10
0.2
< 0.05
< 0.05
0.3
< 0.05
最小
2
10
<5
<1
0.9
< 0.1
< 0.05
< 0.05
< 0.5
< 0.05
平均
9.2
12
6.7
1
5.4
0.1
< 0.05
0.3
0.2
< 0.05
(ダイオキシン類の単位は g-TEQ/年、
その他の単位はすべて kg/年)
物質名
HCFC-225
ヘキサメチレンテトラミン
トルエン
フェノール
ふっ化水素及びその水溶性塩
ベンゼン
ホルムアルデヒド
規制値
600
−
600
5
240
32
3
5
10
2
注)下水道へ放流
PRTR 対象物質
2-(ジエチルアミノ)エタノール
単位
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
排出量
大気
公共用水域
290
25
0
127
0
0
0
0
355
0
0
8
5,865
0
6,670
0.008
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.000
移動量
リサイクル量 消費量
下水道
廃棄物
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.000
6
5
127
19
0
477
32
15,932
10
64,692
0
0
0
2,739
84,039
0.000
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.000
196
11,215
4,118
54,905
80,654
864
1,019
0
128,396
0
3,480
3,346
0
24,652
312,846
0.000
除去処理量
0
0
0
0
0
0
0
0
0
12,803
0
0
0
0
12,803
0.000
※消費量:反応により他物質に変化もしくは製品に含有して持出される量 ※除去処理量:焼却・分解・反応などにより他物質に変化した量
パワートレイン製作所滋賀工場( ISO14001
大気
物質
NOx
ばいじん
所在地
設立
敷地/建物
延面積
社員数
主な
生産品目
生産工程
滋賀県湖南市小砂町
2-1
1979 年
172,800/
78,300m 2
500 人
自動車用エンジン
機械加工、
組立
取得: 1998 年 11 月 )
規制値 排出状況
設備
単位
150
91
ボイラー ppm
0.003
ボイラー g/Nm3 0.1
水質
物質
BOD
COD
SS
油分
全窒素 *
全リン *
銅
亜鉛
マンガン
全クロム
最大
最小
平均
単位 規制値
mg/l
20
5.5
1
2.7
mg/l
20
6.9
1
3.4
mg/l
20
4
0.5
1.4
mg/l
5
0.5
0.5
0.5
mg/l 12/8 6.0/6.2 0.5/2.5 2.2/4.0
mg/l 1.2/0.6 0.1/0.1 0.1/0.1 0.1/0.1
<0.01 <0.01 <0.01
mg/l
1
<0.01 <0.01 <0.01
mg/l
1
<0.1
<0.1
<0.1
mg/l
10
<0.01 <0.01 <0.01
mg/l
0.1
* 工場により規制値が異なる
(既設工場/新設工場)
PRTR 対象物質
物質名
キシレン
トルエン
合計
(単位: kg/年)
取扱量
1,321
1,142
2,463
排出量
大気
公共用水域
2
3
5
0
0
0
移動量
下水道 廃棄物
0
0
0
17
0
17
リサイクル量
0
0
0
消費量
除去処理量
1,303
1,139
2,442
0
0
0
※消費量:反応により他物質に変化もしくは製品に含有して持出される量 ※除去処理量:焼却・分解・反応などにより他物質に変化した量
数値説明
表中の専門用語について
規制値は法律、
条令、
公害防止協定の本文中で最も厳しい数値を記載していま
す。
また、
大気排出状況は最大値を示しています。
PRTR については、
主に第1
種指定化学物質のうち、
取扱量 1t/年以上のものについて記載しています。
NOx : 窒素酸化物
SOx : 硫黄酸化物
BOD: 生物化学的酸素要求量
COD: 化学的酸素要求量
SS : 水中の懸濁物質濃度
ND : 検出限界以下
55
関連会社の工場データ
デ
ー
タ
集
■ 国内主要関連会社の工場環境データ
(2004 年度)
パジェロ製造
(株)( ISO14001 取得: 1999 年 7 月 )
企
業
情
報
所在地
岐阜県加茂郡坂祝町酒倉 2079 番地
社員数
1,380 人
設立
1943 年 12 月
主な生産品目
乗用車
敷地/建物延面積
189,183/127,524m 2
生産工程
プレス、
溶接組立、
塗装、
組立
大気
水質
物質
設備
単位
規制値
排出状況
NOx
ボイラー
ppm
180
69
PH
乾燥炉
ppm
39
COD 総量
kg/日
< 0.01
BOD
mg/l
< 0.025
SS
mg/l
ばいじん
ボイラー
g/Nm3
230
0.2*
乾燥炉
g/Nm3
0.2
物質
平均
規制値
最大
最小
5.8 ∼ 8.6*
7.2
6.8
6.9
39.3
20 *
24.5
16.0
19.5
4.1
0.5
1.1
19
< 1.0
2.8
1.0
< 1.0
< 1.0
18.2
8.9
13.6
6.3
2.6
4.8
単位
油分
mg/l
50 *
5*
窒素総量
kg/日
25.6
リン総量
kg/日
7.0
製
作
所
デ
ー
タ
* 町との公害防止協定による規制値
(加茂郡坂祝町)
水島工業(株)( ISO14001 取得: 2001 年 10 月 )
所在地
岡山県倉敷市水島高砂町 2 番 1 号
社員数
295 人
(派遣社員含み 400 人)
設立
1957 年 2 月
主な生産品目
自動車用部品
敷地/建物延面積
23,361 / 21,811m 2
生産工程
溶接組立、
塗装、
組立
大気
水質
物質
該当施設なし
規制値
最大
最小
平均
5.8 ∼ 8.6
8.3
6.5
7.1
14.0
1.9
9.0
21.0
1.7
10.1
17.0
ND
4.5
ND
ND
0.5 未満
単位
PH
COD
mg/l
BOD
mg/l
30(40)*
30(40)*
SS
mg/l
50(60)*
油分
mg/l
5
関
連
会
社
デ
ー
タ
* 県条例による上乗せ規制値
(岡山県)
水菱プラスチック(株) ( ISO14001 取得: 2002 年 6 月 )
所在地
岡山県浅口郡船穂町水江 1424 番地
社員数
602 人
設立
1968 年 10 月
主な生産品目
自動車用部品
敷地/建物延面積
67,600 / 39,000m 2
生産工程
樹脂成形、
塗装、
組立
大気
低
公
害
車
水質
物質
単位
PH
該当施設なし
COD
mg/l
BOD
mg/l
SS
mg/l
油分
mg/l
規制値
最大
最小
平均
5.8 ∼ 8.6
7.9
7.4
7.7
30 以下 *
20 以下 *
4.5
0.7
2.4
6.9
ND
1.4
50 以下 *
5 以下 *
6.7
ND
1.2
0.3
ND
0.3未満
* 県条例による上乗せ規制値
(岡山県)
■ 海外主要関連会社の CO2 排出量
(2004 年度)
(千t-CO2)
100
82.6
80
82.7
電気
天然ガス
環
境
会
計
その他
60
41.6
40
23.2
20
0
MMNA(米国) NedCar(オランダ) MMAL(オーストラリア)
沿
革
そ
の
他
MMTh(タイ)
※:天然ガスに都市ガスを含む。CO2 排出量への換算は共通の換算値を使用
56
データ集
低公害車
主な低排出ガス認定車
(2005 年 3 月末現在) 低公害車の出荷実績
(2004 年度)
排出ガスレベル
通称名
乗用車
登録車 軽自動車
コルト
SULEV
(Super Ultra Low Emission Vehicle)
低公害車 天然ガス自動車
低燃費かつ
低排出ガス
認定車 * 1
コルトプラス
ランサー
ランサーワゴン
ランサーカーゴ
貨物車
登録車 軽自動車
合計
0
0
35
35
21,694 20,791
1,487
0
43,972
18,181 34,945
2,711 44,038
99,875
0
0
3,582
0
52
114
0
eK-WAGON
eK-SPORT
☆☆☆☆
eK-CLASSY
グランディス
ULEV
(Ultra Low Emission Vehicle)
eK-ACTIVE
ミニカ
376
3,206
62
0
ミニカバン
タウンボックス
ミニキャブバン
☆☆☆
ミニキャブトラック
超-低排出ガス
エアトレック
LPG 自動車 * 2
合計
4,198 44,125 147,578
40,313 58,942
注) 電気自動車、
ハイブリッド自動車およびメタノール自動車の実績はなし
* 1 省エネ法に基づく燃費基準早期達成車で、
かつ、
低排出ガス車認定実施要領に基づく低排出ガス認定車
* 2 当社の LPG 車は、
グリーン購入法対象車ではありません
★★★
登録車における低排出ガス車販売比率
軽自動車における低排出ガス車販売比率
100%
100%
80%
80%
60%
60%
40%
40%
20%
20%
0%
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
3月
0%
その他
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
3月
重量区分別平均燃費
ガソリン乗用車
(km/L)
25
(km/L)
2002年度
2003年度
2004年度
20
25
20
燃費基準の達成
(km/L)
2002年度
2003年度
2004年度
燃費基準の達成
25
15
10
10
10
5
5
5
1000 1250 1500 1750 2000 2250
0
軽1000 軽量1250中量1250 中量1500
軽750
軽875
構造A 構造B 構造A 構造B
構造B
2002年度
2003年度
2004年度
燃費基準の達成
15
875
ガソリン貨物 AT
20
15
0
57
ガソリン貨物 MT
0
軽1000 軽量1250 中量1250中量1500
軽750
軽875
構造A 構造B 構造A 構造B
構造B
デ
ー
タ
集
■ 代表的な車の主要環境データ
車名
パジェロロング ランサーカーゴ
eKワゴン
コルト
コルトプラス
ランサー
類別呼称
M
Casual
Sport
MX-E
EXCEED-Ⅰ
E
車両型式
DBA-H81W
DBA-Z21A
DBA-Z23W
DBA-CS2A
LA-V73W
DBE-CS2V
2WD
2WD
2WD
2WD
スーパーセレ
2WD
駆動装置
駆動方式
企
業
情
報
クト 4WD Ⅱ
変速機
3A/T
INVECS-Ⅲ
INVECS-Ⅲ
INVECS-Ⅲ
INVECS-Ⅱ
INVECS-Ⅲ
CVT
スポーツモード
CVT
スポーツモード
CVT
4A/T
6-CVT
エンジン
型式
総排気量(L)
最大出力(ネット)
(kw(PS)/rpm)
最大トルク
(N・m(kgf・m)/rpm)
環
境
情
報
燃料消費率 10・15 モード燃費
(km/L)
CO 2 排出量
(g/km)
4G15
6G72
(MPI)
4G15
1.499
1.468
2.972
1.468
68(92)
77(105)
66(90)
132
(180)
66(90)
/6000
/6000
/5250
/5500
/5250
62
(6.3)
124(12.6)
141(14.4)
133(13.6)
265
(27.0)
133(13.6)
/4000
/4000
/4000
/3750
/4000
/3750
19.4
20.5
18.2
16.2
8.2
15.8
120
113
128
143
283
147
◎
◎
◎
◎
4A90
4A91
MIVEC
MIVEC
0.657
1.332
37
(50)
/6500
3G83
平成 22 年度燃費
基準 +5%達成
平成 22 年度燃費
基準達成
排出ガス
平成 17 年排出ガ
ス基準 75 %低減
○
○
☆☆☆☆
☆☆☆☆
☆☆☆☆
★★
ス基準 50 %低減
八都県市、LEV-6
指定低公害車
関
連
会
社
デ
ー
タ
☆☆☆☆
☆☆☆☆
平成 12 年排出ガ
製
作
所
デ
ー
タ
○
○
○
○
○
○
騒音
加速騒音規制レベル
76
76
76
76
76
76
エアコン
冷媒の使用量(g)
415
550
550
500
760
500
1/3 以下達成
1/10 以下
1/10 以下
1/3 以下達成
1/3 以下達成
1/3 以下達成
達成
達成
バンパー、
フー
低
公
害
車
HFC134a
鉛使用量('96 年比)
リサイクルしやすい材料を
バンパー、
フー
バンパー、
イン
バンパー、
イン
バンパー、
イン
天井、
フードウ
使用した部品
ドウェザスト
パネ、
内装トリ
パネ、
内装トリ
パネ、
内装トリ
ェザストリッ
ドウェザスト
リップ、
インパ
ム、
ラジエター
ム、
ラジエター
ムなど
プ、
ダッシュパ
リップ、
インパ
ネ、
内装トリム
グリルなど
グリルなど
ッド、
内装トリ
ネ、
内装トリム
など
リサイクル材の使用
エアクリーナ
エアクリーナ
エアクリーナー エアクリーナー
ーケース、
フロ
吸音
吸音材、 ーケース、
ケース、
吸音材、 ケース、
アカーペット、 エンジンオイル エンジンオイル
吸音材、
遮音材
レベルゲージ
材、
遮音材など
レベルゲージ
ムなど
など
カーペット、
吸
エアクリーナ
音材など
ーケース、
レゾ
環
境
会
計
ネーター、
吸音
材、
遮音材など
など
主な車種の代表類別についてのみ記載。
その他車種・類別については下記当社 WEB ページをご覧ください。
Web http://www.mitsubishi-motors.co.jp/social/environment/cartype/index.html
沿
革
そ
の
他
58
データ集
環境会計
2004 年度の環境会計の基本的考え方
環境省の環境会計ガイドライン 2002 年版を参考に以下の条件で策定しています。
●環境保全以外の目的も含む複合的なコストについては、
差額計算
(総額から環境保全目的以外のコストを控除)
を原
則とし、
それが困難な場合は環境保全に寄与する割合を推定して算出しています。
●設備投資については、
減価償却費で計上しています。
■ 環境保全コストの推移
金額(百万円)
分類
(1)事業エリア内コスト
①公害防止コスト
内訳
'99 年
'00 年
'01 年
'02 年
'03 年
'04 年
4,118
4,414
4,305
3,421
3,221
3,186
98.9%
(2,299)
(2,109)
(2,116)
(1,503)
(1,458)
(1,603)
(109.9%)
(78.2%)
②地球環境保全コスト
③資源循環コスト
前年度比
(109)
(122)
(120)
(58)
(110)
(86)
(1,710)
(2,183)
(2,069)
(1,860)
(1,653)
(1,497)
(90.6%)
83
87
140
103*
361
767
212.5%
(2)上・下流コスト
(3)管理活動コスト
1,068
942
1,113
1,165*
822
693
84.3%
(4)研究開発コスト
32,342
35,605
39,233
27,887
26,958
23,417
86.9%
(5)社会活動コスト
335
279
157
132*
135
133
98.5%
(6)環境損傷対応コスト
合計
55
66
49
37*
3
16
−
38,001
41,393
44,997
32,532*
31,500
28,212
89.6%
注)
'01 年度末までは三菱ふそう
(MFTBC)
を含む。
三菱自動車と三菱ふそう共通のコストが多いため合計値を記載
*
2004 年度環境保全コストの合計
2004 年度環境保全コスト構成比
環境損傷対応コスト 0.06%
社会活動コスト
(百万円)
50,000
40,000
38,001
41,393
44,997
0.47%
11.29%
上・下流コスト 2.72%
管理活動コスト 2.46%
32,532 31,500
28,212
30,000
事業エリア内コスト
20,000
研究開発コスト
10,000
0
83.00%
'99
'00
'01
'02
'03
'04
環境保全コスト各項目の主な内容は以下の通りです。
(1)省エネ、省資源、廃棄物処理などの環境対策に関わるコスト
(2)使用済部品の回収などのコスト
(3)ISO14001、社員への環境教育などのコスト
(4)燃費向上、排出ガス低減、リサイクルなどの研究開発に関わるコスト
(5)環境関連の外部団体への寄付金・会費などのコスト
(6)国、地方公共団体などへの賦課金などのコスト
この中でも当社が特に重視している製品自体の環境負荷低減(研究開発コスト:約 83%)と、生産段階での環境
対策に関連するコスト(事業エリア内コスト:約11.3%)が、環境保全コストの大半を占めています。
なお、環境保全コスト総額の売上高に対する比率は2.4%です。
59
デ
ー
タ
集
■ 環境保全効果
投入資源に関する効果
エネルギー投入量(原油換算)
(千 kL)
'03 年
'04 年
前年度比
214
193
90.2%
特定の管理対象物質投入量
(t)
6,014
4,374
72.7%
生産工程での水資源投入量
(千 m3)
4,870
4,724
97.0%
370
330
89.2%
2,136/97
1,090/130
51.0%/134.2%
224
186
83.0%
0.074
0.0925
125.0%
排出する環境負荷および
温室効果ガス排出量
(千 t-CO2)
廃棄物に関する効果
特定の化学物質排出量/移動量
(t)
廃棄物等発生量
(千 t)
廃棄物最終処分量
(千 t)
総排水量
(m3)
NOx/SOx 排出量
(t)
4,287
3,812
88.9%
201/32
158/30
78.6%/93.8%
−
−
−
産出する財・サービスに
重量区分別平均燃費
関する効果
廃バンパー回収量
(千本)
72.9
69.5
95.3%
その他の環境保全効果
輸送に伴う温室効果ガス排出量
(千 t-CO2)
27.5
17.0
61.8%
参照ページ
P.53
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲
環境パフォーマンス指標
(単位)
▲
▲ ▲
▲
▲
▲ ▲
▲
▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲
▲
▲
▲
環境保全効果の分類
P.53
P.31,54,55
P.53
企
業
情
報
P.53
P.31,54,55
P.29,53
P.29
−
P.57
−
P.38
P.33
製
作
所
デ
ー
タ
環境保全効果とは、「組織の事業活動による環境負荷量やその増減」を意味しています(環境省ガイドライン)
。
前年度と比較すると、全体的に低減傾向にありますが、売上高比で見ると増加となっています。
なお、記載されているもの以外のデータは、本報告書内の関連ページを参照ください。
■ 環境保全対策に伴う経済効果
(実質的効果)
金額
(百万円)
関
連
会
社
デ
ー
タ
効果の内容
収益
廃棄物のリサイクルまたは使用済み製品などのリサイクルによる事業収入
費用節減
省エネルギーによるエネルギー費の節減
省資源またはリサイクルに伴う廃棄物処理費の節減
用水購入費用の節減
1,986
233
△ 94
101
環境保全対策に伴う経済効果とは、「組織が環境保全活動を行う中で、その組織にとって生じた収益や、費用の節減・
低
公
害
車
回避」を意味しています(環境省ガイドライン)
。
収益については、生産工程で排出される金属くずの売却益が中心です。廃棄物処理費用は、前年度からの節減額を
示していますが、逆に増額となりました。部品輸送における梱包箱の再利用やリサイクル容器の使用に努めましたが、
リコール部品回収の増加により、回収費用および部品の処理費用が大幅に増加したことが要因です。
なお仮定的な計算に基づく経済効果(環境リスクの回避効果など)は取り上げていません。
環
境
会
計
沿
革
そ
の
他
60
データ集
環境活動の歴史
■ 環境活動年表(1990 年代からの主要な活動と技術のみ記載 )
企業活動
1991
1992
1993 「三菱自動車環境プラン」を策定するとと
生産活動/リサイクル
先進技術
MVV※1エンジンを発表
100g 以上の樹脂部品に材料識別コードを刻印
※2
コージェネレーションシステム導入
(大江工場)
MIVEC、
MIVEC-MD ※3 エンジンを発表
「リベロカーゴ CNG
(天然ガス自動車)」
を発表
もに
「環境に関する基本理念」
を制定
「環境会議」
を設置
新 車 に お け る エ ア コ ン 用 冷 媒※4
フロン
1994
「リベロ電気自動車」
を一般発売
CFC-12 を全廃し、新冷媒 HFC-134a に
すべて切り替え
1995
生産工程における 1.1.1-トリクロロエタ
ンを全廃
※5
ガソリン筒内噴射エンジン
「GDI」
を開発・発表
「三菱 HEV」を開発し、カリフォルニア州大気資源
局 CARB で実用実験実施
1996
1997
GDI エンジン搭載車
「ギャラン/レグナム」
の発売
主要関連会社とMMCグループ工場環境
販売店で修理交換されたバンパーを回収し
連絡会を設置
てリサイクル開始
「ミニキャブバン CNG」
を発売
コージェネレーションシステムを京都工場
に導入
1998 「三菱自動車使用済自動車リサイクル自
ステムの全国展開を完了
名古屋/京都/水島製作所が
テ ト ラ ク ロ ロ エ チ レ ン 、ジ ク ロ ロ メ タ ン※7
※6
ISO14001
1999
2000
2001
エアコン用フロン(CFC-12)回収・破壊シ
主行動計画」
を発表
の認証を取得
MVV エンジンを新規格軽自動車に標準搭載
を全廃
直噴ディーゼルエンジンを新型
「パジェロ」
に搭載
環境部
(現:環境技術部)
を設置
「三菱自動車環境指針」
を制定
※8 )
GDI-ASG(アイドルストップ 搭載車「ピスタ
「三菱自動車環境報告書」
初版を発行
チオ」
を新開発
グリーン調達 ※9 を開始
GDI-CVT を新型
「ランサーセディア」
などに搭載
名古屋・パワートレイン製作所で廃棄物の
実験用試作車「エクリプス EV」の四国一周公開試
埋立処分ゼロ化を達成
験を実施し、
1 充電で 400km 超を走行
古紙 + 再生 PP ※10 を使用したエアクリー
ナーケースを開発
2002
中期環境行動計画「三菱自動車環境サス
テナビリティプラン」
を公表
2003
水島製作所で廃棄物埋立処分ゼロ化を達成
(これにより全製作所にてゼロ化達成)
※11
新型「コルト」が当社初の「超-低排出ガス」
の認
定を取得
エアバッグ布端材の再生材を使用したキャ
コンセプトカー『i』国際自動車連盟規格の環境性能
ニスタケースを世界ではじめて開発
試験において、同試験初の排出ガス/燃費とも最高
格付け 5 ツ星を取得
燃料電池自動車『MITSUBISHI FCV』国土交通大
臣認定を取得
2004
水島製作所において、水性塗料※12採用の新
塗装工場稼動
※ 1 MVV エンジン: MVV とは Mitsubishi Vertical Vortex の略。
省エネルギーを目指し、
縦渦による希薄燃焼方式を採用
※ 2 コージェネレーションシステム:燃料を用いて発電するとともに、
その際に発生する排熱を冷暖房や給湯などに有効利用する省エネルギーシステム
※ 3 MIVEC、
MIVEC-MD : MIVEC とは Mitsubishi Innovative Valve timing &lift Electronic Control System の略。
可変バルブタイミング・リフト
機構をそなえ、
低中速でのトルクアップ、
高速での高出力化を実現。
MD とは Modulated Displacement の略で可変排気量のこと。
休筒により実用燃費
の大幅な向上を実現
※ 4 冷媒:冷やすための媒体のこと。
CFC-12(R12)は、
フロン規制の対象とされ、
HFC-134a(R134a)への切替が進められた。
現在は、
HFC-134a も地球
温暖化の原因物質とされており、
使用量の削減などに取り組んでいる
※ 5 GDI : GDI とは Gasoline Direct Injection の略。
シリンダー内にガソリンを直接噴射することにより、
低燃費と高出力を実現
※ 6 ISO14001 :環境マネジメントシステムの国際規格
※ 7 テトラクロロエチレン、
ジクロロメタン:塩素系洗浄剤の一種。
環境中に排出されても安定で、
地下水汚染の原因物質とされている
※ 8 アイドルストップ:信号待ちなどで自動車が停車した際に、
燃費向上・排出ガス削減のためにエンジンを止めること
※ 9 グリーン調達:環境への負荷の少ない物品およびサービスを優先調達すること。
ここでは、
文房具などのオフィスで使用する物品の購入は含まない
※ 10 再生 PP : PP とはポリプロピレンの略。
廃食品容器などを再生利用したポリプロピレンのこと
※ 11 超-低排出ガス:
「低排出ガス車認定実施要領」
に基づき国土交通省が認定。
平成 12 年排出ガス基準 75%低減
※ 12 水性塗料:有機溶剤を使わない、
あるいは使用量を大幅に減らし、
水で代替した塗料。
揮発性有機化合物を低減できるため、
大気汚染対策につながると
して注目されている
61
デ
ー
タ
集
■ 報告書における環境配慮
FSC 認証紙の採用
本報告書は、森林認証制度を運営する国際 NGO である FSC
(Forest Stewardship Council)
の認証紙を使用しています。
FSC 認証紙は、違法伐採などを許さない管理された森林から、必要な量のみ伐採し、森林を取り巻く自然生態系への影響に配慮
した、いわば循環型の森林から作られる紙です。
企
業
情
報
三菱自動車はこの循環型森林活動に賛同し、FSC 認証紙と再生紙を使途によってバランス良く使い分けることが、持続可能な
社会づくりへの一歩であると考えています。当社では、この環境報告書以外に、環境パンフレットや車種カタログにおいても積極
的に FSC 認証紙を採用しています。
(ID 番号 FSC-JPN-0008)
インク/印刷工場
大豆油インクの使用、水なし印刷を採用しており、印刷は ISO14001 認証印刷業者で行っています。
■ 環境省「環境報告書ガイドライン(2003 年度版)」との対応表
ガイドラインの項目
主な該当ページ
製
作
所
デ
ー
タ
基本的項目
経営責任者の緒言
報告に当たっての基本的要件
事業の概況
P3-8
P1,P17, 裏表紙
P51-52
事業活動における環境配慮の方針・目標・実績等の総括
事業活動における環境配慮の方針
事業活動における環境配慮の取組に関する目標、計画及び実績等の総括
事業活動のマテリアルバランス
環境会計情報の総括
P11
P13-14
P19
P59-60
環境マネジメントの状況
環境マネジメントシステムの状況
環境に配慮したサプライチェーンマネジメント等の状況
環境に配慮した新技術等の研究開発の状況
環境情報開示、環境コミュニケーションの状況
環境に関する規制の遵守状況
環境に関する社会貢献活動の状況
P12, P15-16, P18, P28
P27
P20-26, P57
P17, P41, アンケート
P15, P30-32, P53-56
P16-17, P47-48
事業活動に伴う環境負荷及びその低減に向けた取組の状況
総エネルギー投入量及びその低減対策
総物質投入量及びその低減対策
水資源投入量及びその低減対策
温室効果ガス等の大気への排出量及びその低減対策
化学物質の排出量・移動量及びその管理の状況
総製品生産量又は総商品販売量
廃棄物等総排出量、廃棄物最終処分量及びその低減対策
総排水量及びその低減対策
輸送に係る環境負荷の状況及びその低減対策
グリーン購入の状況及びその推進方策
製品・サービスのライフサイクルでの環境負荷の状況及びその低減対策
P28,
P29,
P30,
P21,
P31,
P52,
P29,
P30,
P33
P27,
P20,
P53
P53
P53
P28, P33, P53, P57
P54, P55
P57
P53
P53
P57-P58
P34-38
社会的取組の状況
社会的取組の状況
関
連
会
社
デ
ー
タ
低
公
害
車
環
境
会
計
P39-50
第三者レビューについて
報告書に掲載する情報は社内で慎重に精査し、中立性・信頼性の確保にできる限り努めていますが、中立性・信頼性を向上す
るツールのひとつとして、「第三者レビュー」があります。
現在、この第三者レビューそのものの中立性・信頼性を確保するため、レビューの形態・ガイドラインなどが種々研究されてい
る途上にあり、こうした基盤の今後の整備状況を見ながら、第三者レビューの実施を検討していく予定です。
沿
革
そ
の
他
62
三菱自動車 社会・環境報告書 2005
発行 2005 年 9 月
お問い合わせ先
三菱自動車工業株式会社
環境技術部
〒 108 - 8410 東京都港区港南二丁目 16 番 4 号
TEL : 03 - 6719 - 4207 FAX : 03 - 6719 - 0042
本書は、FSC認証紙と大豆油インクを使用し、
水なし印刷を採用しています。
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