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Title 農薬および有機スズ化合物の環境、食品残留性に関する 研究
Title Author(s) Citation Issue Date URL 農薬および有機スズ化合物の環境、食品残留性に関する 研究( Dissertation_全文 ) 永美, 大志 Kyoto University (京都大学) 1999-03-23 https://doi.org/10.11501/3149708 Right Type Textversion Thesis or Dissertation author Kyoto University ( ヅ 農薬およ び有機ス ズ化合物 の 環境、食品残留性に関する研究 d n u o p m o nC i t o n a g r dO n ea d i c i t s e nP so e i d u t S s d o o dF n sa t n e m n o r i v n nE si e u d i s e R 1999年 永美大志 Hiroshi NAGAMI 目次 序論 第 I章 多成分同時分析方 法の開発 第 1節 殺 菌 剤 の 多 成 分 分 析 法 の 開 発 1.緒言 2.実験方法 3.結果および考察 -1分析方法の開発 3 -2添加回収実験および 定量 下限値 3 -3定性確認 3 4.要約 5 第 2節 発 芽 防 止 剤 の 新 規 分 析 法 の 開 発 1.緒言 2.方法 3.結果および考察 -1分析方法の開発 3 -2.添加回収実験および 定量下限値 3 .定性確認、 -3 3 4.要約 3 1 第 3節 船 底 、 魚 網 防 汚 剤 の 新 規 分 析 法 の 開 発 1.緒言 2.方法 3.結果および考察 -1.抽出操作 3 -2.精製操作 3 液体クロマトグラ フィー . -3 3 .添加回収実験 -4 3 4.要 約 0 2 第 E章 新規に開発した分 析法を用いた農薬 および 有機スズ化合物の 食品残留性 第 1節 難 防 除 病 害 に 使 用 さ れ る 殺 菌 剤 の 食 品 残 留 1.緒言 2.調 査 3.結果および考察 .ワドンコ病対策殺 菌剤の検出状況 -1 3 Iの検出状況 .ジカノレボキシイミド系殺菌斉J -2 3 4.要約 26 Iの食品残留 第 2節 発 芽防止斉J 1.緒 言 2.調査 1 3 1 . 結果および考察 3 般 ヒドラジド -1.マレイン一 3 序論 2.クロルプロファム 3 4. 要約 現 缶 、六 万 種以上も ω人 L有 機 化合物が実用化さ れて い る。これらの 人 工 有 機化 学物 35 質は人間生活に利 便性を与える一方 で、ヒトを含む様 々な生物にリスク をもたらすこと も知られてきた。 PCBによるカネミ油症 事件、水俣湾、阿 賀野川の布機水銀 中毒などは 食 品 汚 染 を 介 し て 発 生 し た も の で あ る 。また、農薬によ る農作業者暴露、 悪用による急 性 障 害 も 発 生 し てきた。こ ωような事例 と し ては 、パラチオンによる 農作業者の中毒死 、 パ ラ コ ー ト 混入 飲料 に よ る 殺 人 、 地 下 鉄 サ リ ン 事 件 な ど が 挙 げ ら れ る 。 価酎 ヒト を 含 む 生 物 の 環 境 の 保 全 の た め 、これらの化学物質 の環境動態、毒性 会把握する ことが望まれるが、す べての化学物質を監視するのは困難なのが現状である(市川, 生 浮残ル 一町議臥 伽例 留いれ 土ロ期行 残ミ 壌シ川 のプ沼減移式 定判確半の 明摘案一例制 E --J 問問問問草山間 寸 謹 EL1234 第第魚 39 1988)。 本 研 究 の 主 た る 対 象 で あ る 農 薬 は 、第 二次大戦後使用量 が急速に増え、農 作物の生産 性会向上させる 一 方 で 、農作業者暴露、食品 汚染、環境汚染など のリスクが、なお危 倶さ れている 。 日本では有効成分 数で 400 余 り 、 製 剤 名 で 6000 種 余 り の 銘 柄 が 製 造 、 販 ている(日本催物防 売の許可(以下、農 薬取締法の用語であ る"農薬登録"と略 す)をうけー 疫協会, 1997)0 1962年 に Rachel Ca工 son氏 (1962)は "silent Sp工 ing"を著し、 留 内 ヲ λ/ γ 金 壌 土 の JW ク 47 有 機 塩 素 系 農 薬 な ど の環境残留性、環 境毒性などの問題 点を指摘した 。い わ ゆ る 先 進 諸 国では、 DDTの生物濃縮による鳥 類の繁殖障害、除草 剤ペンタクロロフェ ノーノレによる Z︿ン fb けり/ ン ku υ ιト ⋮ 吋 ヤ 33 1! 花 1234 蹴 一 一 一 雄 信 一 Y開 一 一 五 一 第 3節 トリブチノレスズ化 合物の養殖鮮魚中の 残留 1.緒言 . 調査 2 3.結果および考察 -1.養殖鮮魚中の TBT残留レベル 3 天然魚などの TBT残留レベノレ 2. 3 4. 要約 魚類の繁死など、 農薬の環境毒性や 残留性が問題とさ れ、 1970年 代 に 入 っ て 有 機 塩 素 系 殺 虫 剤 な ど の 禁 止 の 措 置 が 取 ら れ る に 至 っ た 。 日本でも 1971年 農 薬 取 締 法 が 、 そ れ までの製剤の品質 保証を中心とした 法体系から、環境 、食品残留性、毒 性についても規 制 し よ う と す る 法 体 系 へ転換した。その とき 、評価が義務づけら れた毒性は、 表 1 左 第W章 総 合 考 察 55 第 V章 要 約 I章 第V Surnrnary 欄 の と お り で あ る 。しかし、その後 も有機リン系殺虫 剤の遅発性神経毒 性などの発見は 59 続き、 1985年 に は 、 表 1右欄まで追加された (植村ら, 1988; 植 物 防 疫 講 座 編 集 委 員 63 会 1997)。 なお 、 こ の 農 薬 に 対 す る 毒 性 試 験 の 要 求 は 、 医 薬 品 、 食 品 添 加 物 以 上 に 厳 しいものであり、農薬施用による慢性毒性の発生を未然に防いだ効果は大きい。 謝辞 しかし、その後も 新たな毒性影響の 発見はあった 。その顕著な事例 が水田除草剤クロ 文献 ロニトロフェン (CNP)問題といえよう 。CNPは、ベトナム戦争 で大量にアメリカ 軍が使 対象化合物一覧 .対象化合物の分子 構造 1 .対象化合物のオク タノール/水分配係数など 2 用した枯葉剤とともにダイオキシンを不純物として含む危険性が高く、長年発癌性が危 慎 さ れ て き た 。 1985年 に 新 潟 大 学 の 山 本 教 授 は 胆 嚢 ガ ン の発生割合が、世 界の中で日 本 に 、 日 本 の 中 で 新 潟 県 に 、 新 潟 県 の 中 で 平 野 部 に 高 い こ と を 報 告 し た 。 同教授はそ 略語一覧 1 11 底お よび養 殖用 の仕 切 網 な どに フ ジツボ、 貝 類 お よ び 藻 類 が 付 着 す る の を 防 止 す る た め 表 1 農 薬 登 録 に 際 し て 必 要 と さ れ る 毒性 試 験 (植村 ら (1988 )およ び植物防疫講座編集 委 員会 (1997)より) 試験項目 1972年通達 使 用 さ れ 始 め た 。 1970年代に入って、 フランス の 内湾 で 、 カキが 石灰 化異 常 か ら生産 量 の激減に 至 り、その原因物 質 として TBTが 疑 われ た 。ユ982年 有 機 ス ズ の使 用 規 制 法 1985年通達 が制定され、 製 剤l 000000× × × × × × × × × 一 一一一一一一一 一し 一な 一定 規 一 一要 一不 一× 一要 一則 0 0一 原体 0 0 0 × × × O O ム ムム 0 0 0 0 O 非食用 0 0 0 0 0 0 0 0ム ム ム ム ム ム 0 0 0 0 食用 0 0 0 0 0 0 0 0ムム ム0 0 0 0 0 0 0一 一一一一一一 O 一 一一 一 つ 一て 一よ 聾 一に 一合 す 一場 一 0 0 0 0 一0 0 O 。一一一一 一一 非食用 生新 ;毒;'仁﹂性性ぼ 一 性性性性樹桝劃劃球儲 λn叫 q 一ム 毒 毒毒激刺性性口皮及申性性験性性酢和 一 口皮入刺次作発経経生出毒ン試形原内縦 一 経 経 吸 次 一層 遅 性 牲 針 急 性 ガ 殖 奇 異 体 体 一μ 広 性 性 性 一膚 膚 性 急 急 亜 亜 慢 発 繁 催 変 生 生 一 急急 急眼皮皮急亜亜 012345678 0 12345678911111 ュ 111一 食用 こ の 湾 の カ キ の 生産 高 は 急 速 に 復 元 し た (丸山, 1992)。日本でも 、1980 年 代 に 入 り 、 養 殖 鮮 魚 な ど の TBT 汚染が注目され、 実 態 調 査 に よ り 相 当 量 の残留が明 らかとなり、 1991年 に 養 殖 用 の 網 へ の使用が禁止された (松永ら , 1996)。 こ れ ら 有 機 塩 素 系 農 薬 の あ る ものおよび有機スズ 化合物などは、 1990年代に入り、 フロリダワニの ペ ニス萎縮、貝類の 雌性障害、ヒトの 精子減少など の原 因 と な る 環 境 残 留性内分泌系撹乱化合物として、極めて微量の残留が問題となることが指摘されはじめ ている (Colbo工 n et al., 1996; Cadbury, 1997)。 米 国 環 境 保 護 局 は 、 人 工 化 学 物質について今までに行われてきた発癌性調査に加え、大規模な内分泌系撹乱毒性のス クリーニグを 1998年 か ら 始 め よ う と し て い る 。 以上に例示したように、農薬をはじめとする 人 工化学物質については、急性毒性以外 に、長期 ・ 微量摂取によるヒトなど へ の慢性毒性の有無が問題となる 。 また、その危険度 を評価するために は、いわゆる毒性 学的な毒性の把握 とともに、水、 土壌、大気、食品 などで の動 態 の 定 量 的 な 把 握 が 欠 か せ な い 。 しかしながら、食 品や土 壌 中 に お け る 化 学 物 質 の 残 留 量 の 定 量 は 、妨 害 物 質 を 除 く た め の ク リ ー ン ア ッ プ 、機 器 分析を行う上での検出限界の問題など克服すべき事項が山積していて、極めて困難であ の要因分析を行い、 1987年 に は 、新 潟 県 に お け る 胆 嚢 ガ ン の 多 発 の 原 因 と し て 水 田 除 る。現 状 で は 、簡 便 で 多 成 分 を 同 時 に 把 握 で き る 分 析 法 お よ び 適 切 な 調 査 方 針 が 重 要 と 草剤の使用との関係、が 、中でも CNPと の 関 係 が 最 も 疑 わ れ る と し た (Yamamotoetal., なる 。筆 者 は こ の よ うな考え方のもと 、分析困難とされる 化合物の簡便な分 析法および、 1987)。 教 授 は そ の 後 も 毒 性 デ ー タ の 検 討 、水 道 水 中 の CNP 汚 染 の 調 査 、疫 学 デ ー タ より多成分を対象 とできる同時分析 法の開発研究、開 発した分析法を用 いた残留レベノレ の 吟 味 な ど を 進 め 、新 潟 県 平 野 部 に お け る 胆 嚢 ガ ン の 多 発 の 要 因 と し て CNP の疑いの の 調 査 と と も に 、長 期 に 渡 る 現 地 調 査 に よ り 有 機 塩 素 系 農 薬 の 環 境 残 留 特 性 の 見 直 し を み が 最 後 に 残 る と 報 告 し て き た (Yamamo七o et al., 1993)。 1993年の報告を受け、 行 っ て き た。 厚 生 省 は 、山 本 教 授 の 研 究 の 再 評 価 を 行 い 、因 果 関 係 は 明 ら か で は な い が 、CNP使 用 量 農 薬 の 食 品 あ る い は 環 境 中 の残 留 分 析 は 1980年 代 ま で は 、主 に ガ ス ク ロ マ ト グ ラフ と胆嚢ガン発生の地域集積性との相関は否定することが出来ないとの結論に達し、 ィー (GC) を用 い て 行 わ れ て き た。 GCは 高 温 で 気 化 さ せ た 化 合 物 を 分 離 測 定 す る 方 法 1994年 CNP の一 日摂取許容量を撤回 した(環境庁 , 1994a)。 これを受けて、 農 林 水 カ ミ であり 、揮 発 性 で な い 農 薬 に つ い ては 、前 処 理 と し て 誘 導 体 化 を 行 う 必 要 が あ る 。 し 産 省 は 1996年、 CNPの 農 薬 登 録 を 更 新 し な い と い う 形 で 生 産 販 売 を 終 了 さ せ た ( 農薬 し、こ の こ と は 、 分 析 者 に 多 大 の 労 力 を 求 め 、多 く の 検 体 に つ い て 多 数 の 化 合 物 を 分 析 検 査 所 ,1997)。 山 本 教 授 の 最 初 の 報 告 か ら 10年 近 く 、 ま た 日 本 で CNPが 使 用 さ れ は す る 必 要 の あ る 、環 境 動 態 お よ び 食 品 残 留 調 査 を 困 難 と す る こ と が し ば し ば で あ っ た 。 じめてから 30年 の 歳 月 を 経 て い た。 また 、気 化 し や す い農薬の場合でも 吸着、分解などに より、 GC で は 分 析 困 難 と な る こ 本研究の対象物質 の一つであるトリ ブチノレスズ化合 物 (TBT)は 、 1960年 代 か ら 、 船 ともあった。 このような事情は、 1990年 代 の キ ャ ピ ラ リ ー カ ラ ム GC の普及により 、 か な り 緩 和 さ れ 、 多 成 分 分 析 法へ の 応 用 も 盛 ん で あ る が 、 ま だ ま だ 分 析 の 難 し い 化 合 物 2 3 も少 な く な い 。 一 方 、 液 体 クロ マト グラ フィー (LC) は 、 移 動 相 が 常 温 液 体 で あ る た 第 I章 多成分同時分析方法の開発 め、脂溶性か らイオン性ま で対 象 物 質の 幅 が 広 く 、 前 処 理 を 簡 便 に 出 来 る と い う利 点 が ある 。 しかし、 GCに比 べ 、① 分 離 能 力 が 劣 る ② 検出器の感度が低いなどの 欠点があり、 第 1節 殺菌剤の多成分分析法の開発 1980年 代 ま で 残 留 分 析へ の 応 用 例 は 少 な か っ た。 ところが、 1990年 前 後 の LC用 検 出 器 の 技 術 革 新 は 目 覚 し く 、 農 薬 な ど の 残 留 分 析 に も 使 用 可 能 な レベ ノレに達したと考えら れた 。 そ こ で 筆 者 は LCを 中 心 に 、 分 析 方 法 の 開 発 研 究 を 行 っ た 。 1.緒言 有機合成農薬とくに、防除の難しい病虫害に対する農薬は、次々と開発、発売され、 また、環境動態、食品残留について広範な調査を可能とするためには、分析の前処理 使 用 さ れ て い る 。従 っ て 、 農 薬 の 食 品 残 留 実 態 の 把 握 の た め に は 、 新 規 農 薬 に つ い て も 方 法 の 合 理 化 、 簡 便 化 も 欠 か せ な い 。前処理方法としては、液々 分配、フロリジノレ、イ 包含できる、汎用性のある多成分分析方法が求められる 。 しかし日本では、厚生省が オン交換カラムなどが用いら れてきたが、 1980年 代 ま で は 、 多 く の 分 析 者 が 古 典 的 農 1993年 ま で 20年 近 く 残 留 規 制 対 象 農 薬 を 25種までに据え置いてきたこと もあって、 薬を古典的クロマトグラフィーにより分析するための前処理法から抜け出せずにいた。 多 成 分 分 析 法 の 開 発 は 1990年 代 前 半 ま で 立 ち 後 れ て き た 。 筆者は、分析法開発の対象とした化学物質の特徴に合わせ、それぞれに過去の方法で合 本節では、日本でとくに殺菌剤の大量施用が問題とされている温室栽培イチゴを例に 理 的 で な い と 考 え ら れ る と こ ろ の 改 善 を 試 み た 。す な わ ち 、 こ れ ら の 結 果 を 2章 に 分 け 取 り 上 げ た。 すなわち、 て 取 り ま と め た 。第 I章 で は 分 析 法 の 開 発 研 究 に つ い て 、 第 E章 で は 新 規 に 開 発 し た 分 除用殺菌剤に加えて、温室栽培のそ菜類の各種糸状菌病対策に使用されているジカボキ 析法による食品残留調査について述べる 。 シ イ ミ ド 系 殺 菌 剤 の 残 留 実 態 調 査 を 一斉 に 行 え る 手 法 の 検 討 を 行 っ た 。この結果、液体 ところで、比較的残留性の高い農薬は一般に水、土壌、大気などの問で循環し、土壌 Sphaerothecahumuliの 感 染 を 原 因 と す る ウ ド ン コ 病 の 防 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー お よ び ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー を 用 い て 10種 12成 分 の 殺 菌 剤 な か ら 作 物 へ 移 行 す る も の と 考 え ら れ る 。土 壌 は 脂 溶 性 で 揮 発 性 が 中 程 度 以 下 の 農 薬 の 貯 ら び に そ れ ら の 代 謝 物 2 成 分 、 合 計 14 化 合 物 の 同 時 分 析 法 を 開 発 し た (Nagami, 留 場 所 と し て 重 要 で あ る 。 土壌中では、農薬の分解は 主に微生物が寄与するとい われ、 1997a)。 農薬の環境残留性を予想するため、この微生物による分解は重要な位置を占めている (金津 , 1992)。 第 四 章 で は 有 機 塩 素 殺 菌 剤 プ ロ シ ミ ド ン お よ び 有 機 塩 素 系 殺 虫 剤 デ ィ ノレドリン、クロノレデ、ンについての長期に渡る現地調査により土壌残留性の見直しを行っ 2. 実 験 方 法 2-1.試 薬 お よ び 標 準 品 殺菌剤標準溶液:トリアジメ ホン、キノメチオネート、フ ェナリモノレ、イプロジオン 、 た結果を述べる。 本 研 究 で 扱 え た 農 薬 な ど の 種 類 は 、 有 効 成 分 数 で 400 を 超 え る と い わ れ る 農 薬 の 中 ピ ン ク ロ ゾ リ ン プ ロ シ ミ ド ン お よ び ピ リ フ ェ ノ ッ ク ス は 、 Table1-1の 右 端 に 示 し た で ほ ん の 一部 に 過 ぎ な い が 、 園 、 自 治 体 な ど が 行 う 包 括 的 な 環 境 動 態 調 査 お よ び 食 品 残 企業から農薬標準品を購入し 、それぞれトノレエンに溶解 し、適宜、希釈、混合して用 いた。 留調査についての調査方針および分析方法の策定のために、本研究が有用な提言となる ミクロブタニル、ピテノレタノール、トリフルミゾーノレおよびトリアジメノーノレは、同様 に農薬標準品を購入し、それ ぞれアセトニトリノレに溶解 し、適宜、希釈、混合し、最 終標 ことを願うものである 。 準液は水/アセトニトリノレ (60+40)溶 液 と し て 用 い た 。 フロリジノレ :和光純薬製フロリジノレ PRに 10v/ w o l oの純水を加え、数分間激しく 振り 混ぜたのち、数時間放置し て用いた 。 有 機 溶 媒 :アセトニトリノレは高速液体 クロマトグラフ用を用いた 。そ の 他 は 残 留 農 薬 分析用を用いた。 4 5 Table 工-1. Eluted patterns of the chemicals from Florisil columndl and standard supply corporatlons Eluate Chemical Group-1 Chinomethionate Fena工imol Iprodione P工ocymidone Z-Pyrifenox E-Pyrifenox Triadimefon vinclozolin Group 2 α-Bitertanol Etb J /HxC) 5+95 Eluted rate (老) Et/Hx Et/Hx Et 15+85 40+60 100も 23 15 2-2.分析操作 市販のイ チゴ 20 g を有姿の まま取り 、リン酸 ナトリウ ム 緩衝液 (100 mMNa2 HP04 + 50 凶 1NaH2 P04)aq 20 r n L とアセトン 100 r n Lを加え、 数分間ホ モ ジナイズ した。ホ Atnd ) /Hx 20+80 Standard supply Inc. Wakoel Wako Wako Wako HayashiF) Hayashi Wako Wako 58 78 83 71 81 84 81 88 51 36 Wako 63 30 (Hayashi)g) Hayashi GL Scih) s-Bitertanol Myclobutanil 75 18 α-Triadimenol 71 21 s-Triadimenol Triflumizole 85 4 58 27 (Wako)i) Wako a ) Florisil (10v/同 hydrated,3g) was packed into 12 mm 中 grass column,and the eluates were 30 mL,respectively. b ) Diethylethel c ) n-Hexane d ) Acetone e ) Wako Pure Chemicals Inc. (Ohsaka,Japan) f ) Hayashi PU工e Chemicals Inc. (Ohsaka,Japan) g ) Analyt工cal standard of Hayashi Pure Chemicals Inc. contained α-,s-Bitertanol at the ratio of 80:20 h ) GL Science Inc. (Tokyo,Japan) i ) Analytical standard of Wako Pure Chemicals Inc. contained α-,s-Triadimenol at the ratio of 25:75 モジネー トを東洋 j 慮紙 No.5Aにより裳 j 慮過し、残 j 査をアセト ン 5 r n Lで数回洗 った o j 慮液と洗液を合わせ、 10U J C ) NaClaq 200 r n Lおよび酢酸エチノレ 100 r n Lを加え、数 分 間振濯し た。下層 を捨て、 上層を 100 1 0 NaC1aq 100 r n Lで 3回洗い、脱水、留去し、 残澄をジエチノレエーテノレ/ヘキサン (25+75)に溶解した。この溶液をフロリジノレカラム (10%含水、 5 g、12 r n r n 中)に負荷し、ジエチノレエーテル/ヘキサン (40+60)を 50 r n L、 つづいて アセトン /ヘキ サン (20+80)を 50 r n L流下した 。 流下液をそ れぞれ留去 し、第 一画分は ヘキサン 溶液 5r n Lとして電 子捕獲検 出器付ガ スクロマ トグラフ (GC-ECD)に 、 第二画分は水/アセトニトリノレ (60+40)溶液 2 r n L として高速 液体クロマ トグラフー ダ イオード アレイ検 出器 (LC-DAD)に供した 。 2-3.添加回収 実験 Table 1-1のグ、ループ 2に示した 6化合物については、 Figu工 e 1-1 Bに示した 検 体に 100%回収され た場合の 検液中の 濃度が 1μg/rnL となるよ うに添加 し、直ち に分 析操作を 行った 。 Table1-1の グ ノレープ 1に示した 8化合物については、 Figu工 e1-2 B に示した 検体に 100%回収され た場合の 検液中の 濃度がそ れぞれ標 準溶液と 同じに なるよう に添加し 、直ちに 分析操作 を行った 。 2-4.分析装置 および条 件 G C- E C D :装置; HP-5890、 カ ラ ム ; ① J&WDB-17 ② J&W DB-1 0.25μrnx 0.25 即時 x 30 r n、昇温 ;140 C(1 r n i n )→ (10 C/rnin)→ 300 C( 5 r n in)、注入口 ; 0 0 0 O c He、 150kPa" 230 、注入; スプリッ ト (50:1 )、 3 凶 、 検 出 器 ; N2 、 80 rnL/rnin、 300C 0 L C-DA D :装 置 ; Wate工 s 820、510、712、991、 カ ラ ム ; 野 村 化 学 Develosil ODS-HG-5 4 r n r n 中 x 150 r n r n、 移 動 相 A; (0.25% ト リ エ チ ノ レ ア ミ ン + 0.1% H3P04)aq/アセトニ トリノレ (55+45) 、 B; (0.2501 0 ト リ エ チ ノ レ ア ミ ン + 0.1% H3P04)aq/アセトニトリノレ (30+70)、 グ ラ ジ エ ン ト ; A→ (1% アセトニトリノレ / r n in)→ B→ A( 5 rnin)、 0.6 rnL/rnin、測定波 長範囲:210-350 n r n、注入量 ; 50μL ガスクロ マトグラ フ質量分 析:装置 ; HP-5890、5971、カラム ; HP Ult工 a-20.11 μrnxO.20nu 叫 x 25 r n、 昇温;110 C(1r n in)→ (10 C/rnin)→ 300 C、注入口; He、 0 6 0 7 0 A 4 A 6 8 2 45 7 0 . 0 1 6 0 . 0 0 0. 0 0 2 0 .0 0 。 5 10 15 2 0,m i n 。 5 10 15 20 三 つ B ↓ ↓ 0. 0 1 0 . 0 0 0 . 0 0 1 0. 0 0 2 0 . 0 0 Figure 工-1. Multiple UVchromatograms of several fungicides standard ( A ) and the test solu七 工 on ( B ) from strawberry by LC-DAD Instrument; Waters 820,510 ( 2 units), 712, 991,Column; Nomuどa ChemicalsInc. DevelosilODS-HG-54mm 中x150mm, Mobilephase;A; (0.25も 七riethylamine + 0.1も H3P0 ) a q / acetonitrile (55+45), B 4 ; (0.25も triethylamine + 0.1も H3P04)aq / acetonitrile (30+70),Gradien七; A→ (日 acetonitrile/min)→B→A(5min),0.6 mL/min,Injection; 50 ~L , UV range; 210-350 nm. 1, 2;α-, s-Triadimenol, 3 ; Myclobutanil, 4, 5 ; α-, s-Bitertanol,6 ; Triflumizole 8 E 'igure 工 ー 2. Gaschromatograms of several fungicides standard ( A ) and the test solution ( B ) from strawberry by GC-ECD with DB-17 Instrument; Hewlett-packard 5890,Column; J&W DB-17 0.25 凶nx 0.25 m 中x 30 m,Injector; He,150 kPa,230oC,Injection; split (50:1),3 ~L , Oventemp.; 1400C( 1min)→(10oC/min)→ 3000C( 5min),Detector; N2 80 mL/min,300oC. 1 ; Vinclozolin,2 ; Triadimefon,3 ; Proc戸n idone,4, 5 ; Z-, E-Pyrifenox,6 ; Chinomethionat,7 ; Iprodione,8 ; Fenar工mol 9 50kPa, 20OO C、注入;スプリットレス、 1μL、イオン化; E1 A 3. 結 果 お よ び 考 察 8 3-1.分析方法の開発 今回対象とした、 10 種の殺菌剤およびその代謝 物、計 14 化合物のうち、 トリプノレ 7 2 3 ミゾーノレは、抽出時の液性が酸性でもアノレカリ性でも分解しやすいため(後藤・加藤 , A吐 hU 円 ﹁ ナイズした 。 また、 +hu 1987)、イチゴは有姿のまま取り 、中性のリン酸緩衝液とア セトンを加えた後、ホモジ トリアジメノールについて は窒素・リン検出器付ガス クロマトグラ フ (GC-NPD)を用いた分析法が多いが 、 この化合物は分子内に水酸 基を有するため、分 析時の GC 注入口の状態などに左右さ れやすい 。今回、高速液体クロマト グラフ ーダイ オードアレイ検出器 (LC-DAD)に よる分析を試みたところ、 本化合物が 225 nm付近を 最大とする u v吸収を持つことがわかった 。 Table 1-1には " ' . . . J 人」 ー 」 1001 0含水フロリジルカラ ムからの殺菌剤の溶出挙動 を示した 。トリアジメノーノレ分画になるべく脂溶性物質を持 o 三 三 ヱo エ ξ玉 二 三 三 o エ ε:; 二三 o mln ち込まないフロリジルカラ ムの第一溶出条件として、 40%ジエチノレエーテノレ ・ ヘキサン 溶出を選択した 。 この選択により 、ミ クロブタニノレ、トリプノレミゾールおよびビテノレタ ノーノレが第 二分画に入ったため、 LC-DADによる一斉分析を試みたとこ ろ、 FigureI-1 B A のような、標準液のクロマ トグラムが得られた 。 これら 4化合物については 0.1-10 μg/mL の濃度範囲で直線性を示し た 。 。ートリアジメノーノレ、 。ービテノレタノールも同 様に直線性を示した。また 、第一分画に溶出する 8化合物については 、 DB-17 および DB-1 を用いた GC-ECDにより、それぞれ Figure 1-2 A、 Figure 1-3 A のような クロマトグラムが得られ 、 Table 1-2 に示した濃度を中心に 1/3""'3倍の範囲で直線 性を示した 。 Scheme 1-1 には、開発した分析法の流 れを示した 。 3-2.添加回収実験および定量下 限値 TableI-2には、対象とした 14化合物を、 100%回収できた場合の検液が標 準溶液 の濃度になるようイチゴに 添加し、回収率を求めた結 果を示した 。 14化合物について の回収率は 76-92%の範囲であり 、多成分残留分析法として は十分なものであった 。 o . モ ラ エo Figure 1-1、1-2,1-3 それぞれの下段 ( B )は、イチゴから得た検液の クロマトグラム 例である 。今回目標とした、定量下 限値 0.01μg/g一工 awにおいては、 GC-ECDのカラ ムとして DB-17を用いることにより、 E-ピリフェノックス以外は妨 害ピークは認めら れなかった 。 Eーピリフェノックスについては、 10 検体中 2 検体で、妨害ピークが認め られたので、 DB-1 を用いて GC-ECD を行なっ たところ 、定量下限値を大きく下回 るク Figure 工 ー3 . Gaschrornatograrns of several fungicides standard ( A ) and 七he test solution ( B ) frorn strawberry by GC-ECD with DB-1 Colurnni J&W DB-1 0.25 ド r n x 0.25 mm 中x 30 r n, The othersi see Figu工e 1-2. 10 11 ↓ samole 20α(cut carefully by kitchen knife not to be crushed pulpy) add 20川 (100mMNa2HP04 + 50川 町 04 )刊 and100mL of acetone homogenize for 3 min and filter with Toyo No.5A wash the residue with acetone 5 mL for 3 times Filtrate + Washinαs add 200 mL of 10毛 h 山 and 100 mL of 叫 lace山 shake for 3 min uooer lave工 wash 山 100 mL of 10も NaC1aq for 3 山 es dehydrate and evaporate Residue ↓Elute with ca. 3 ml of dieth向 山 1/川 exane (25+75) Florisil column (10も hydrated,5 q,12 mmゆ) elute with 50 mL of diethylethel/n-hexane (40+60) Fi工st fraction elute with 50 mL of acetone/n-hexane (20+80) Second fraction ↓ ↓ Evaporate First fract工on and dilute w工th n-Hexane,and analyze by gas chromatography w工th e1ect工on capture detector. Evaporate second fraction and dilute with H2 0/acetonitrile (60:40), and analyze by liquid ch工omatography with d工ode array detector. SchemeI-1. Analyticalmethodforseveralfungicidesresiduesinstrawbe工ry ロマトグラムが得ら れた。 3-3.定性確認、 1992、93年 1-3月 に 奈 良 市 内 の ス ー パ ー マ ーケ ットで販売された イチゴについて調 査した結果、ピン クロゾリンが検出 されなかったほか は、 9農 薬 13成 分 が 検 出 さ れ た 。 LCに よ り 検 出 さ れ た α、。ートリアジメノーノレ、ミクロブタニル、 α、。ービテノレタノー ノレおよびトリプノレミゾーノレについて、 DADに よ り 定 性 し た 。 Figure 1-4には、 αー ト リアジメノーノレま たはトリフノレミゾ ールが検出された検 液のライブラリーサ ーチ結果 を示した 。 図 中 上 段 は 検 液 の ク ロ マ ト グ ラ ム 、 下 段 に は 検 液 と 標 準 品 の uv吸収スペク トノレが重ね書きさ れているが、スペク トノレの形状が一致 していたので定性確 認とした 。 GC-ECD により検出されたト リアジメホン、プロ シミドン、キノメチ オネート、フェナ リモル、 Z、 一 Eーピリフェノック スおよびイプロジ オンについて GC-MSにより定性した 。 Figure 1-5には、トリアジメ ホンまたはキノメ チオネートが検出 された検液のマス ク ロマトグラムを示 した 。図中上段のようにト ータノレイオンクロ マトグラフで標準溶 液と Table工 ー2 . Recoveryrates,detectionlimits,standardconcentrations of the chemicals Chemical Recovery rateal (毛) Group-1 Chinomethionate Fenar工mol Detect工on limit (μg/g-raw) Concentration in standard solution (μg/mL) 83 士 6 0.005 0.050 85 t :5 0.005 0.10 1prodione 90 t :5 0.01 0.20 P工ocymidone Z-Pyrifenox 86 士 3 0.005 0.005 0.10 0.10 E-Pyr工fenox 76 t :4 79 t :3 0.005 0.10 Tr工ad工mefon 85 士 4 0.005 0.10 vinclozolin 92 士 2 0.003 0.050 α-B工tertanol 76 t :4 0.005 1.0 s-Bitertanol Myclobutanil 78 士 4 0.005 1.0 1.0 G工oup 2 78 t :3 0.01 α-Tr工adimenol 77 士 5 0.01 s-Triadir 間 的l Triflumizole 79 士 5 0.01 75 士 7 0.005 1.0 a ) Figure represents (mean)士(s.d.) of the recove工y tests ( n = 3). 同じ保持時間に単独 ピークが得られ、そ のマススペクトノレ は下段のようになり 、主たる フラグメントイオンの出現割合が標準溶液と同様であったので定性確認とした。 4. 要 約 10種 の 殺 菌 剤 12成 分 お よ び そ の 代 謝 物 2成分、合計 14化 合 物 が 同 時 分 析 で き る 分 析 法 を 作 成 し た 。 14 化 合 物 の 回 収 率 は 76-92%であり、液体クロ マトグラフィ一一 ダ イ ー ド ア レ イ 検 出 器 (LC-DAD)お よ び 電 子 捕 獲 検 出 器 付 き ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー を 用 い る こ と に よ り 、 定 量 下 限 値 0.01 附 /g以 下 が 得 ら れ た 。 本分析法により市販イチゴの残留分析を行ったところ、ピンクロゾリンを除く 9 殺 菌 剤 お よ び そ の 代 謝 物 、 合 計 13化合物が検出され、 LC-DADおよびガスクロマ トグラ フィー質量分析計により定性された。 第 2節 発 芽 防 止 剤 の 新 規 分 析 法 の 開 発 1.緒言 バレイショの長期保 存のためには発芽防 止が重要で、あり、 マレイン酸ヒドラジ ドは収 穫前に発芽防止の ため使用される一 般的な薬剤である (香月ら, 1995)。 しかし、本剤 12 13 の残留分析の公定法 (Lane,1963,65; 農薬残留分析法研究班, 1995;Association of Official Analytical Chemists, 1995)は、操作が煩雑なうえ、分 析感度、 定性能力ともに低く、残留レ ベノレの把握は困難であるた め、その残留調査例はほとん ど ない 。 しかし、本剤は水溶性で、弱 陰イオン性という物性を有す るので、液体クロマトグ ラフィーによる分析が可能 と考えられた 。 ・ I f・ ・ . -・ 、, l 2'.' . . ・-・ " 3 t l..c) fl." 一方 、収穫後使用される発芽防 止剤のなかで最も 一般的といわれるクロルプ ロファム "(. 11., 1 " , の化学的性状は、前節で述 べた化合物群と同程度の脂 溶性を有していて、前節と 同様な 2 0. 1 8Illi n T r i f l u m i z o l e 9.28min T r i a d i m e n o l 方法で分析された事例はあ る 。 しかし、フライドポテトにつ いて若干の報告(関田ら, 1985; Nagayama and Kikugawa, 1992)が認められる程度である 。 F c = J このような発芽防止剤を使用した農産物を原材料とする加工食品における残留調査 、 に際しては、両者の同時分 析法の開発が欠かせない 。 ca c コ 、 、 、 、 』ーー-ー--噌~ プロファムの残留を同時に 、簡便に分析できる方法を 開発した (Nagami, 1997b)。 I l l i ' 2 5 0 そこで本節では、ポテトチッ プスを対象に取り上げ、マレ イン酸ヒドラジドとクロノレ 、旬 、 ー、、 、 、 、 ー 2 5 0 3 5 0 3 0 0 3 5 0 2. 方 法 Figure1-4. UVchromatogramsandspectraofthestrawberrysamplesdetected the residues of triadimenol or Triflumizole 2-1.標準品および試薬 農薬標準溶液:マレイン酸 ヒドラジド (MLHD)は和光純薬製農薬標準品をメタノーノレ に溶解、希釈して、最終標準液は水/メタノーノレ (50+50)溶液として用いた 。 クロノレプ ロファム (CIPC)は和光純薬製農薬標準品をトノレエンに溶解、希釈して用いた。 フロリジノレ:和光純薬製フロリジノレ PRに 10 v/w%の水を加え、数分間激しく 振り TIC: C1020-l.0 混ぜたのち、数時開放置し て用いた。 200000 Triadimefon . j . 刻 。 。 ふ ・ o )O.・ 010・ o 1. 100 1 20 1・ . 1o 60 1. 180 01 11.1・ 1 to 11.22 ・ fi¥目 C))O 0).0, い, ・ 1 00 10.20 10. 2-2.分析操作 J). ) , , "vereq. 有機溶媒、無水硫酸ナトリウ ム :残留農薬用を用いた 。 C h i n o m e t h i o n a t e ↓ ・・。 ・f 11.2, ・ to 1. 1)25 .in ・ Av r 9 57 ‘ 。 、 C1020-l.0 2 0 6 1 ( ・ , , ・ } 234 市販のポテトチップスを 15g取り、無水硫酸ナトリウム 15gおよびメタノーノレ 150 mLを加え、直ちにポリトロンを 用いて 3分間ホモジナイズした 。これを東洋 鴻 紙 No.5A により震鴻過し、残澄をメタノーノレ 10mLで 3 回洗った 。 i 慮液と洗液を合わせ 、アセ 208 トニトリノレ 30 mLおよびヘキサン 150 mLを加え、 3分間振還した。静置後 、下層を 1 1 6 148 174 ~l~J~1 取り、抽出溶液とした 。 抽 出 溶 液 の 1/3 を取り、溶媒を留去し、残 j 査をメタノーノレに溶解、懸濁させた 。懸 濁 液 を 東 洋j 慮紙 No.5Aで j 慮過し、残澄を少量のメタノーノレで、数回洗い、 j 慮;夜と洗液を 合わせメタノーノレを加え 2.5mL とし、水を加え 5mL とした 。これにヘ キサン 2.5mL Figure 1-5. Masschromatograms of the strawberry samples detected the residue of triadimefon or chinomethionat 14 15 を加え、 3分 間 は げ し く 振 り 混 ぜ た 後 、 遠 心 分 離 し (3000 rpm x 5 min)、下層を取 ス に よ り 追 い 出 す な ど 操 作 が 込 み 入 っ て い る 。 さらに測定は、検 液全体の 460nm付 近 り 、 MLHD測定のため液体ク ロマトグラフ ーダ イ オ ー ド ア レ イ 検 出 器 (LC-DAD)に供し た。 の 吸 光 度 を 測 る も の で 定 性 能 力 が 低 く 、 検 出 下 限 は 2 ppm までである 。 ところが、 抽 出 溶 液 の 2/3を 、 10%)食 塩 水 200 mL、 ヘ キ サ ン 50 mLと合わせ、 3分 間 振 塗 し Newsome(1980a)お よ び 島 村 ら (1987)は 、 ジ ャ ガ イ モ 中 で の MLHD は 、 遊 離 型 た。 下層を棄て、上層 を 10%食 塩 水 50 mLで 3回洗い、脱水、留去 し、残 j 査をヘキサ MLHD(f工 ee-MLHD)が 主 た る 存 在 形 態 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 これを受けて、 ンに溶解した 。 この溶液をフロリ ジルカラム ( 10%含水、 3 g、 12 m m ゆ)に 負 荷 し 、 King(1983)、 Vadukul(1991)お よび Cessna(1991)は、メ タ ノ ー ル 抽 出 し て 、 分 析 ジエチノレエーテル/ヘキサン (10+90)を 30 mL流下した 。 流 出 液 を 留 去 し 、 残 j 査をト を行っている 。本 研 究 で は こ の 点 に 着 目 し 、 ポ テ ト チ ッ プ ス か ら の 抽 出 に メ タ ノ ー ル を ノレエンに溶解し 1 mLとし、 C1PC測 定 の た め ガ ス ク ロ マ ト グ ラ フ 質 量 分 析 計 (GC-MS) 選 択 した。 このことにより、 C1PC と抽出などの操作 を共有でき 、 2化 合 物 と も に 十 分 にイ共した 。 な添加回収率を得た。 抽 出 液 か ら中性脂質を除く ためヘキ サンとの液々分配 を行い、下層 を 取 っ た 。このと 2-3.添加回収実験 きメタノーノレの 1/5 量 の ア セ ト ニ ト リ ル を 加 え る こ と に よ り 、 層 分 離 を 促 し た。 下 層 発 芽 防止 剤 2種 が と も に 検 出 さ れ な か っ た 検 体 に 、100% 回 収 さ れ た 場 合 の 検 液 中 の 濃 度 が 標 準 溶 液 の 濃 度 と 同 じ に な る よ う に 添 加 し 、直ち に 分 析 操 作 を 行 い 、 定 量した 。 MLHD は水溶性なので、さ らに、 水/メタノ ー ノレ/ヘ キサン (1+1+1)分配により さらに 精製した。 2-4.分析装 置および条件 LC-DAD:装 置 ;Waters510、 712、 991、 カ ラ ム ; 旭 化 成 AsahipakNH2P50 4.6 m m中 x 250 m m、移動相; (0.6%トリエチノレアミン+ 0.2% H3P04)aq/メ タノ ー ノレ (95+5)、 0.6 mL/min、測定波長 範 囲 ; 200-400 nm、定量波長; 330 nm、 注 入 量 ; 50μL GC-MS: 装置; HP-5890、5971、カラム; RestekRTX-200、 0.20μmx 0.18 o は free一MLHD用と C1PC用 に 分 割 し 、 精 製 を お こ な っ た 。 m 中x 20 m、昇温; 80 C(1 min)→ 10 C(1 C/min)→ 250 C、注入部; He、 50 kPa、 o 0 0 注入 法 ; ス プリッ ト ( 1 :20)、 3 μL、 イ オ ン 化 法 ; E1、定量イオン; m/e = 213、 定性イオン ; m/e = 171、 154 液体クロマトグラフィー ( L C )は 陰 イ オ ン 交 換 カ ラ ム を 用 い 、 移 動 層 の 液 性 を 中 性 に す る こ と に よ り 、 保 持 さ せ た 。 MLHD 50 ngのクロマ トグラムは、 Figure 1-6 A の ようになり 、注入 量 5-500 ngの 範 囲 で 応 答 と の 問 に 比 例 関 係 が 認 め ら れ た 。 Figu工 e 1-6 B には、 free一MLHDが 検 出 さ れ な か った サンプノレの クロマ トグラ ムを示した 。 一 方 C1PCは、分割したメタノーノレ溶液から、 ヘ キサンに転溶し、フロリジノレカラム により精製した。 C1PC 3 ngの選択イオンマスク ロマトグラムは、 Figure 1ー7A の ようになり、注入 量 0.3-30ngの範囲で応答との関 係は、(応答 ) α (注入量)1.15 と なった 。 Figure 1ー7 B には、 C1PC が 検 出 さ れ な か っ た サ ン プ ル の ク ロ マ ト グ ラ ム を示した 。 Scheme 1-2 に は 、 開 発 し た分 析 法 の 流 れ を 示 し た 。 3. 結 果 お よ び 考 察 3-1.分 析 方 法 の 開 発 こ こ で は 、 マ レ イ ン 酸 ヒ ド ラ ジ ド (MLHD) とクロノレプロファム (C1PC)の 同 時 分 析 法 を 目 的 に 研 究 を 行 っ た 。 MLHD は タ バ コ 中 で の 存 在 形 態 と し て 、 MLHD-O-s-Dー glucoside (Frear and Swanson, 1978) お よ び MLHD-N- s-D-glucoside (Tagawa et al., 1995)となった結合型が 報告されている 。 従 って 、MLHDの公定分 析 法 は 、 ヒ ド ラ ジ ン に 分 解 す る と と も に 蒸 留 し 、 比 色 法 で 定 量 す る も の で あ る (Lane, 1963,65; 農 薬 残 留 分 析 法 研 究 班 ,1995; AssociationofOfficialAnalytical Chemists, 1995)。 しかし、この分解 作業は 50%NaOH 中 で の 加 熱 を 行 い 、 窒 素 ガ 16 3-2.添 加 回 収 実 験 お よ び 定 量 下 限 値 Table1-3に 添 加 回 収 実 験 結 果 お よ び 定 量 下 限 値 を 示 し た 。MLHDお よ び C1PC両 化 合物について、 80%程度の回収率が得ら れ、 MLHDについては 0.1 阿 /g-rawまで検 出できるようになった。 3-3.定性確認、 f工 ee一MLHDは 0.3μg/g一工 awを最高に、 20検体中 5検 体 か ら 残 留 を 認 め た 。 Figu工 e 1-6C には free-MLHDが 検 出 さ れ た サ ン プル のクロマ トグラ ムを、 Figure1-6D に ]7 D 4巨 samole 15α-raw S04and 150 mL of methanol Iadd 15 g of anhydrous Na2 Ihomogenize promptly for 3 min Ifilter with Toyo No.5A and wash with 10 mL of methanol for 3 times. Filtiate t ~ashinαs add 30 mL of acetonitrile and 150 mL of hexane,and shake for 3 min. .(separatetocleanupforfreemale工chydraz工deandchlorpropham : Lower1ayer measurement) 。 。 D2 。 D One-third of the lower laver ↓ evaporate and dissolved the 工esidue in methanol susoens工on ↓ filte工 with Toyo No.5A and wash with methanol for a few times. Filtrate + Washinas … …… H 5ake up 5 mL. addl2.5 mL of hexane, o.m rot2 add watet shake for 3 min and centrifuge (3000 rpm x 5 min). Water'methanol laye工 〈コー 0 5 2 m 0n 5 3 Figure 工-6. UVchromatograms andspectra ofmaleichydrazide standardand the test solutions from potato chips by LC-DAD Instrumenti Waters 510, 712, 991,Colurnni Asahi Chemicals Inc., n,Mobile phasei (0.6% triethylamine r n 中x 250 r n r n Asahipak NH2P50 4.6 r + 0.2% H3POq)aq / Methanol (95+5),0.6 mL/min,UV rangei 200-400 nm, QuantifyUVi 330nm,Injection; 50μL. A; Standard (50ng),B,Ci Test solutions,Di UVspectrumofthepointedpeakofchromatogramC,which was overwritten with that of maleic hydrazide standard. ↓ Liαuid chromatoαraohv with diode arrav detector for free male工c hydraz工de measurement. Two thirds of the lower laver ↓ add 200 mL of 10宅 NaCl aq and 50 mL of hexane,and shake for 3 min. Uooer laver l M w i t h m m L o f 1 0毛 叫 … 3 山 , and evaporated. S04 dehydrate with anhydrous Na2 dissolved in hexane ). Florisil column (10毛 hydrated,3 g, 12 mm中 …………凶 el/ hexane ( 川 evaporate the eluate and dissolve with toluene make up to 1.0 mL. Gas chromatoαraphy mass spectrometr~ for chlorpropham detection. l . Analytical method for two sprout inhibitors in potato chips ー2 Scheme 工 . Recovery rates and detection limits of two ー3 Table 工 sprout inh工b工to工S Sprout inhibitor Figure I-7. Selected ion chromatograms of chlorpropham standard and the test solutions from potato chips by GC-MS Inst工umenti Hewlett-Packard5890,5971,Colurnni Restek,RTX-200 0.20 a Recovery rate ! も) ( 81 i 5 0.1 Chlorpropham 79 i 4 0.01 ) Figure represents (mean)i(s.d.) of the recove工y a n = 3). tests ( 0 He,50 kPa,230C,Injectioni split (1:20),3μL,Ionization; EI, 3 Quantify ioni m/e =213,Qualify ioni m/e = 171,154. A; Standard ( ; Test solutions. ng),B,C o 18 (μg/g-raw) Maleic hydrazide 1min)→(10C/min)→ 250C,Injectori ; 8OOC( 中x20m,Oventemp. O.18rnrn 問 x o Detection limit 19 は MLHDにあたるピークの UVスペクトノレを標準溶液のも のと重ね書きした。スペクト ノレが 一致して いることから定性確認とし た 。 2. 方 法 2-1. 標準品および試薬 C1PCについては 0.11μg/g-rawを最高に、 20検体中 9検体から残留を認めた。 トソブチノレスズクロリド (TBTC)標準溶液 :東京化成製 TBTC標準品(純度 95%)を 、 Figure 1-7 C には C1PCが検出されたサンプノレのク ロマトグラムを示した 。ス キャ エタノーノレに溶解し、 100 ンモードのトータノレイオ ンクロマトグラフィーでは 単独ピークが得られなかっ たので、 (40+60)溶液として用いた 。 m/e=213、 171、 154の応答比が標準品と 一致したことで定性確認と した 。 附 /mL ま で 希 釈 し た 後 、 最 終 標 準 液 は 水 / メ タ ノ ー ル イオン交換樹脂 : ダウケミカル社製 Dowex 50Wx8 100-200mesh を一 晩水に膨 潤させ、 3N HC1" 3N NaOH で交互に 2-3回洗浄し、げ型として使用 した 。 4. 要約 有機溶媒、無水硫酸ナトリウ ム :移動相に含有させるメタノ ーノレは液体クロマトグラ ポテトチップス中の発芽防 止剤、マレイン酸ヒドラジ ド (MLHD)とクロノレプロファム フィー (LC)用を用い、その他は残留農 薬用を用いた 。 ( C工PC)の簡便な同時残留分析法を 作成した 。試料からメタノーノレで、抽出し、液々分配 により中性脂質を除去した 。 MLHDは、再度液々分配し、ダイ オードアレイ検出器付き 2-2.分析 操作 液体クロマトグラフィーによ り分析した。 C1PCは、含水フロリジノレカラムにより精製 市 販 鮮 魚 の 筋 肉 を ホ モ ジ ナ イ ズ し 、 そ の 10g を取り、 10N NaOHaq/エタノーノレ し、ガスクロマトグラフ質 量分析計により定量した 。本分析法による MLHD、C1PCの回 ( 20+80 ) 100 mLを加え、 850Cで 1時間加熱還流した 。放冷後 、分解液を 500 mL分 収率および検出限界は 、それぞれ 81: : t5、 79: : t4%、 0.1、 0.01μg/g-工awであった 。 液漏斗に移し、水 100 mLを加え、ヘキサン 100 mL及 び 50 mLで 2回抽出した 。ヘ 市販ポテトチップスからの MLHDの検出事例については、 UVスペクトノレにより 、 CIPC キサン層を合わせ 、水 50 mLで洗い、(1% HC1 + 5% NaC1 )aq 50 mLを加え 5分 の検出事例については、 3つの選択イオンの応答比に より定性確認した。 間振とうした 。 ヘ キサン層を水 50mLで 2回洗浄し、 400C以下で留去し、残澄をメタ ノールユ omLに溶解した 。 調整したイオン交換樹脂を 、 内径 14mmのガラスカラム管に高さ 20mmになるよう 第 3節 船底、魚網防汚剤の新規分析法の開発 に充填し 、水、メタノールで、 洗浄した 。 このカラムに 、上記のメタノーノレ溶液を全量流 下し、カラムをメタノーノレ 10mLで洗浄した後 、HC1/メタノーノレ(0.5+99.5 ) 30mL 1. 緒 言 で溶出した。 トリフゃチノレスズ化合物 (TBT) は、 1960 年 代 か ら 、 船 底 、魚網防汚剤として広く使 用されてきたが 、1980年代に入って養殖魚などへ の TBTの残留が懸念されるように な った 。 しかし 、1980年代の TBT分析法の主流は トリブト、 チノレスズクロリドとしてガス ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー (GC)に よ る 定 量 で あ っ た ( 厚 生 省 生 活 衛 生 局 , 1985; 環 境 庁 , 溶出液に (101 0 HCl + 501 0 NaCl)aq 60 mLを加え 、ヘキサン 30 mLで抽出し、ヘ キサン層を水 30mlで 2回洗った 。ヘ キサン層を 400C以下で留去し、残澄を約 1.5mL のメタノーノレに溶解し、 0.3mLの水を加え 、窒素気流により 1ml とし、 UV検出器付 き LC (LC-UV)に供した 。 1984; 森崎ら , 1985; 森山ら , 1985; Arakawa et al., 1981)。 この分析法は、 GC分析時および前処理カラム における不可逆吸着などの 問題があり、高度に熟練し て いないと再現性を得ること が困難なものである 。 TBTは、陽イオン性と同時に、 脂溶性を有するという、特 徴ある化合物である 。本節 2-3.添加回収 実験 ハ マ チ 、 タイの可食部に、それぞれ 20 阿 添 加 し 、 直 ち に 分 析 操 作 を 行 い 、 定 量 し た。 また 、検出限界付近については 、サワラの可食部に 2μg添加し回収率を求めた 。 では、このような特徴を踏 まえ 、液体クロマトグラフィー (LC)による、養殖鮮魚に残 留する TBT の分析方法を研究し 、簡便な前処理操 作 による 、再現性の良 い定量方法を 開発した(永美ら , 1988)。 2-4.分析 装置 お よび条件 L C-U V: 装置 ; 島津製作所 LC-3A、 SPD-1、カラム ;Nucleosil-5SA4.0mm 中 20 21 x150mm、移動相 ;(6.24g/LNaH2P04+0.6v/v% H3P04)aq/メタノーノレ (40+60)、 cu HF L 0.7 mL/min、測定波長 ; 200 nm、 注入量 ; 100 )ω ( 諒 3. 結 果 お よ び 考 察 3-1.抽出操作 パ V . C-H℃ トリブ、 チルスズ化合物を生体試料から抽出する方法としては 、塩酸 とメタノールの混 o 寸 ベ ω パ F 液 と ホ モ ジ ナ イ ズ す る 方 法 ( 厚 生 省 生 活 衛 生 局 , 1985; 環 境 庁 , 1984; 森 崎 ら , 凶 D J [ ユ985; 三 島ら , 1981)が多かったが、魚試料にこの方法を用いるとヘキサンなどへ転 o ひ4 溶を行うとき 、 エ マルジョンの発生により分析操作 の遅延などを 引 き 起 こ す こ と が し ば しばであった 。 一方、森山ら (1985)が報告したアノレカリ分解法は、 完全に液状となり ヘキサン転溶時に滞ることもなく 、精製法と の関連も良かったので 、抽出法として、 Cコ 。 2 0 1 0 40 30 Eluate ( I l lL ) ち ー , 、 一ー 0 工 ・ n どっム m o rR 工 戸ρv 一入一 、 λ叩 d -lm 寸よ 3-2.精製操作 h μ C I-8. Elutedpatter口 of tributyltin exchange column (Dowex 50WxS,H +f o r r n, Eluate; HCl/methanol ( 0.5+99.5) Fi~~re O 1-AMA の方法を用いた。 c r n ) ト リ フゃチノレスズクロリ ド(TBTC)は高い脂溶性と同時に 陽イオン性を有する 。 その精 製には、 アルミナカラム(厚生省生活衛生局 , 1985; 森山ら F 1985; 三島ら , 1981) 、 シリカゲ、ルカラム(森崎ら, 1985; Arakawa et al.,1981) 、 イオン交換カラム(環 境庁 , 1984)などが用いられていた 。 ここで、は、 これら二つの性質を利用できる、 イ オン交換カラムとヘキサン転溶による精製で HPLC 用 検 液 が 簡 便 に 得 ら れ る の で は な いかと考え、 その操作条件を検討した。 TBTCを陽イオン交換樹脂 Dowex 50W にメタ ノーノレ溶液で負荷すると保持され、 さらに 50 mLのメタノールを流下しでも全く溶出 されなかった。続いて、 HClを 0.5v/v%量含むメタノーノレを流下すると、 TBTの溶出 は Figure I-8 のようなパターン を示した 。 この結果により精製カラムからの溶出液 量は 30 mLとした 。 Scheme I-3~こは; 、 開発した分析法の流れを示した 。 3-3.液体クロマトグラフィ ー 液体クロマトグラフィー (LC)カラムとしては、 シ リ カ ゲ ル を ベ ー ス に ス ル ホ ン 酸 基 を修飾した陽イオン交換カラムを用い、移動層は 0.03Mの NaH2P04 と H3P04 とを用い た緩衝水溶液とメタノーノレとの混液とした。メタノーノレ割合を 6001 0としたのは、 TBTC Saロl 0 decomposewith 100mLof 10NKOHaq/ethanol (20+80) for 1hour at 85C add 100 r n L of water and extract with n-hexane twice (100,50 r n l ) He~'{ ane l aveど h¥ . J ith 50 r n L 0f J ー も HCl + 5も NaCl)aq for 3 min shake with 50 mL of ( wash with 50 mL of water twice evaporate below 40t dissolve with 10 mL of methanol 中x 2 cm) Ion exchanqe column (Dowex 50Wx8,H form,14 mm W 陥 wa 臼s h the c山 mn 叫 W lt 凶 山 h 1 ω o叫 mL ぱ 0f 削 me 坑t 凶h 凶an elu七e with 30 m n L of HC1/methanol (0.5+99.5) 1 HCl'me七hanol solution add 60 mL of (日 HCl + 5も 叫 )aq extract with 30 ml of n-hexane Hexane laver wash with 50 mL of water twice ↓ t ↓ evaporate below 40t dissolve the residue with 1.5 mL of methanol add 0.3 r n L of wate工 and concentrate to 1.0 mL unde工 N2 gas がイオン性を示すと同時に脂溶性が高いためか 、 メタノールを多く含ませた方が TBTC の ピー クの形状が 良好であったため、移動層中の塩が析出しないうちで最高に近いメタ Scheme 工-3. Analytical method for tributyl七in cornpounds ノ)ル割合を選択したことによる 。 uv測定波長については、 200 nm付近が最も S/N 22 23 比が大きかったのでこの波 長とした 。 TBTC 1 μgのクロマトグラムは、 Figure 1-9 A のようになり、注入量 0.1-1仰 の範囲で応答との聞に比例 関係が認められた 。Figure B 一一- A blank 七e st standard(1μq) 1-9 Bには、ブランク試料の検液のクロマトグラムを、 Figure 1-9 Cにはハマチか ら TBTC TBT0.7μg/g-rawを検出したクロマトグラ ム を示した 。以上の結果から得られた TBT の検 出限界 は、 0.1μg/g-工awであった 。 ミ48 ・ TBTC 3-4.添加回収 実験 Table 1-4には ハマチ タイ 、およびサワラにおける TBTの添加回収実験結果を 示 した。 2.0μg/g一工aw 相当および検 出限界付近 、い ずれ の添加 実験区にお いても 、 87-90%の高 い 回収 率が得られ 、 良好 とい えた 。 許世、~ ]~ 4. 要約 液 体 ク ロマ トグラフ ィー ( LC)による 、鮮魚 に残留す る ト リ ブチノ レ ス ズ化 合物 (TBT) 一- ー Re七en七ion time ( m i n ) 、 F の簡便な 分析 方 法 を開発した 。前処理 と して 、試料を アノレカ リ分解後 、イ オン交換 カラ ' Z : : . . . . ムに よ り精製し た 。 陽イオン交換 タイ プの 分析 カラ ムと、紫外吸光光度検出器と を用い Figuどe 工-9. UVchromatogramoftributyltinchloride standardandthetest solutions of blank run and yellowtail muscle Column; Nucleosil-5SA ( 4mm 中x15cm),Col. Temp.; 40oC,Mobilephase; ( 6. 24g/LNaH2 P 0 4+0. 6も H3 P 0 4 )aq/methanol (40+60),O .7mL/min, Measure UVi 200 nm,1njected volumei 100μL る LCに よ り定量で きた。 本分析法による TBTの回 収 率お よび検出限界 はそれぞれ 、 87-9001 0、 0.1μg/g-工 awであった 。 Table工-4. Recoveryratesoftributyltinaddedtothemuscleofthefresh fishes Fish Yellowtail Sea bream Spanish mackerel 。 。 。 Addedamount ( μ g ) Foundamount ( μ g ) Recoveryrate (も) 7.3 7.2 6.9 7.3 20 25.4 23.6 24.5 24.6 87 士 4 3.8 3.7 3.5 3.7 20 20.7 20.7 21.1 22.0 87 士 3 0.2 0.3 0.2 0. 2 2.0 2.1 2.1 1.9 2.0 90 : !5 25 24 第 E章 新 規 に 開 発 し た 分 析 法 を 用 い た 農 薬 お よび 有機 ス ズ 化 合 物 の 食 品 残 留 性 ジカノレボキシイミド系殺菌剤のなかで、ピンクロゾリンは、有機汚染物 質の毒性の中 で 現 在 最 も 注 目 さ れ て い る 内 分 泌 系 撹 乱 物 質 の 一 つ で (Crain et al., 1997)、エス テ ロ ゲ ン 様 作 用 (Kelece e七 al., 1994)を示すといわれている 。 プ ロ シ ミドン もエ ス テ ロ ゲ ン 様 の 作 用 を 示 す こ と が 報 告 さ れ て い て (Hosokawa e七 al., 1993)、 内 分 泌系撹乱物質であることが疑われている 。 第 1節 難 防 除 病 害 に 使 用 さ れ る 殺 菌 剤l の食品残留 2. 調 査 1.緒 言 1990 年前後に近畿以西のイチゴの市場では 、 品種 "豊 の 香 が 急 速 に 売 上 を 伸 ば し 1992お よ び 1993年 の 1-3月 に 奈 良 市 内 の ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト か ら イ チ ゴ の 品 種 " H た(岡山 , 1991)。 しかし、この品種は他品種に比べ Sphaerotheca humuli の感染 を原因とするウドンコ病に擢病性が高く、殺菌剤による防除効果の劣ることが明らかに 豊 の 香 "、"女 峰 "に つ い て 各 年 、 各 品 種 そ れ ぞ れ 5 検 体 を 購 入 し 、 ヘ タ を 取 り 試 料 と し た。 1992 年の調査項目は、ウドンコ病対策殺菌剤であるトリアジメホン、ピテルタノ ーノレ、トリフノレミゾール、キノメチオ不一ト、フェナリモノレの 5農 薬 に 加 え て プ ロ シ ミ ド されてきた(池田 , 1991; Tanigawa et al., 1993; 金 磯 , 1995)。 従 っ て 、 本 病 ン、イプロジオンおよびピンクロゾリンの合計 8農 薬 を 対 象 と し て 行 っ た 。次年までに、 害に対する殺菌剤の多用とそれに基づく食品残留が懸念されるが、ほとんど実態は明ら 病 ウ ドンコ病対策殺菌剤として、ピリフェノックスおよびミクロブタニノレの 2農薬が、 「 かにされていない。 また、ジカノレボキシイミド系殺菌斉Ijはイチゴの栽培時および流通時に発生する重要な 害 虫 お よ び 雑 草 防 除 指 針 J(奈良県農林部 ,1992)に追加されたので、 1993年 の 調 査 で はそれらも追加して残留を調べた。 病害である BotrytisCinereaによる灰色カビ病の防除に対して有効な薬剤であり、 なお 、ウドンコ病対策殺菌剤のうちキノメチオネートを除く 6農薬は、エノレゴ、ステロ 食品残留がしばしば報告されている(永山ら , 1986-89; Luke et al., 1988)。 本節では 、第 I章 、第 1節 で 開 発 し た 分 析 法 を 用 い て 市 販 イ チ ゴ 中 の 殺 菌 剤 の 残 留 調 査を行った ( Nagami, 1997a )。 ーノレ合成阻害を作用機序としている殺菌剤で EBI剤と呼ばれている 。 3. 結 果 お よび 考 察 なお、分析対象とした各殺菌剤は 、 以 下 の 毒 性 が 懸 念 さ れ て い る も の で あ る 口 ブェナリモノレは、発癌のイニシエータ性に加えてプロモータ性を持つ可能性が疑われ、 現 在 も 毒 性 の 有 無 を 明 ら か に し よ う と 研 究 が 続 け ら れ て い る (paolini et al., 1996; Palut et al., 1997 )。 3-1.ウドン コ病 対 策 殺 菌 剤 の 検 出 状 況 1992お よ び 93年 の 1-3月 に 奈 良 市 内 の ス ー パ ー マ ー ケ ッ トで 販 売 さ れ た イ チ ゴ に つ い て 調 査 し た 結 果 を 、そ れ ぞ れ Table I I -1、I I-2に示した 。 ピンクロゾリンが検出 さ れ な か っ た ほ か は 、 9農 薬 13成 分 が 検 出 さ れ た 。 しかし 、調査した 20検体、 10農 トリアジメホンは 、ラットに対し 50-100mg/kg投与することにより 、常同症、過動 症などの神経症状を惹起し 、こ れ が ド ー パ ミ ン の 吸 収 阻 害 に 基 づ く こ と が 明 ら か に さ れ てし1る ( Walker and Mailman, 1996)。 ピリフェノックスは 、その毒性 評価 で 、 5% 水 和 剤 で 眼 に 対 し 刺 激 性 、皮 膚 に 対 し 軽 微な刺激性 、また、亜急性毒性試 験 で は 、ラッ トの 高 用 量 投 与 群 で 体 重 増加抑制、肝重 量増加が見られた程度で、重視すべき毒性はな い と報告されて い る(日本化薬 ,1991 )。 トリアルミゾールは 、その毒性評価で 、眼粘 膜 に 対 す る 弱 い一 次 刺 激 性 と皮膚感 作性 を誘発する可能性、また 、亜急性毒性試験では 、体重 増 加 抑 制 、 肝 臓 に 対 す る影響が見 られた程度で 、重視すべき毒性はないと報告されている ( 日 本 曹 達 , 1986)。 26 薬 に つ い て 基 準 値 を 上 回 る 残 留 は な か っ た 。 なお 、 Table I I -1、I I-2の右端に厚生省 による食品中の残留基準 ( 括 弧 内 は 環 境 庁 に よ る 登 録 保 留 基 準 )を示した。 検 出 状 況 の 大 き な 特 徴 の 一 つ は 、ウ ド ン コ 病 対 策 農 薬 が 品 種 に よ り 大 き く 偏 っ て 検 出 されたことである。すなわち 、品種 "女 峰 "からは 、1992年 は 5検体につき 5農 薬 の 残 留 を 検 査 し 、全く検出されなかった(検出割合 <1/25=4%)。一 方、品種 "豊の香 "5検 体 か ら は の べ 9 回検 出 した ( 検 出 割 合 9/25=36%)0 1993年 で は 7農 薬 を 検 査 し 、 H 女 峰 "にお け る検出割合が 6/35=1701 0、"豊 の 香 "では 13/35=37% であった 。 これら の 殺 菌 剤 に つ い て は 、秋山ら ( 1997)は 、 1994-96年 兵 庫 県 に 入 荷 し た 園 内 産 イ チ ゴ 3 検 体 に つ い て 6殺 菌 剤 を 調 査 し 、 トリフノレミゾーノレ 、 ピテノレタンーノレを 1回づっ検出 27 TableI-1. Fungicide residues in the st工awberries on the market in Nara,Japan on Jan.-Mar. 1992 Fungicide Concentration (Ug/g-rawl Var工ety Toyonoka N¥ohou 1 Sample No 2 3 4 5 6 7 8 9 10 For powdery m工ldew control c) Bitertanola) 0. 27 0.02 Chinomethionat 0.03 Fenarimol 0.01 0.03 Triadimefonb) 0.04 0.02 Triflumizole 0.08 0.01 Dicarboximides Iprodione 0.08 procymidone 0.48 0.07 0.05 0.05 0.03 vinclozolin Max工mum residue limit 1 .0d) 0. 5 1 .0 ( 0.5)e) 2.0 20 ( 3) ( 20 ) a ) Figures represents the sum of α-bitertanol and s-bitertanol b ) c ) d ) e ) Figures represents the sum of triadimefon,α-triadimenol and s-triadir 日 n ol Not detected Figures are maximum 工esidue limits by the Japanese Ministry of Health and Welfare Figures in the parentheses are notified limits for the p工ohibition against agricultural use by the Environment Agency of Japan 28 TableI I 2. Fungicide residues in the strawberries on the market in Nara,Japan on Jan. -Mar. 1993 Fungicide Concentration (~g/g-rawl Max工mum residue N¥ohou To¥onoka Variety limit 20 19 17 18 16 15 13 14 12 Sample No 11 For powdery mildew control 1 .0d) Bitertanola) 0.13 c ) 0. 5 Chinomethionat 1 .0 0.02 0.11 0.05 0.01 0.02 Fenarimol 1 .0 0.03 0.02 0.07 Myclobutanil 2. 0 0.11 Pyrifenoxf) 0.02 0.03 b ( 0.5)号) 0.01 0.04 ー Triadimefon) 2.0 0.03 0.01 0.01 0.15 0.01 T工iflumizole Dica工boximides 20 Iprodione ( 3) 0.02 0.33 0.05 0.11 0.27 0.15 0.09 procymidone (20) vinclozolin a )-e ) see Table 4-1 f ) Figures represents the sum of Z-pyrifenox and E-pyrifenox 29 した(検出割合 2/18=11%)。一 方、欧米では、 Luke et al.ユ ( 988)が 、 1982-1986 年に米国食品医薬品局 (US-FD且)のロスアンゼルス管轄区に入荷したイチゴ 342 検 体 についてフェナリモノレ、 トリアジメホン、ミクロブタニノレの 3 剤の残留を調査し、 一 、 度も検出しなかった(検出割合 <1/1026=0.1%) 0 camoni et al.(1993)は 1990-91年にイタリアでフェナリモルの残留を調査し、イチゴ 215検体から全く検出 、 1989-94 しなかった(検出割合 <1/215=0.4%) 0Neiderte七 al.(1994、1996)は 年にカナダでイチゴ 323検体についてフェナリモノレ、トリアジメホンの残留を検査し、 ( 996) 一度も検出しなかった(検出割合 <1/646=0.2%)0 Dejonckhee工 e et al.ユ は 、 1991-93年にベルギーでイチゴ 72検体についてフェナリモノレ 、 トリアジメホン、 0)。 ピテノレタノーノレの残留を調査し、全く検出しなかった(検出割合 <1/216=0.501 以上のように、イチゴ中のワドンコ病対策農薬の検出状況は、日本で特異的に高いこと が明らかである。 この結果は、日本で栽培されるイチゴの品種が "豊の香 "に偏 重していて 、 r "とよの か "がウド ンコ病に最も,寵病性で ・・・・・生産現場では防除技術が確立できていない状態 にあり、生産者のあいだに混乱が生じている J(岡山, 1991)状況を反映しているものと 推察される 。 岡山 (1991)はウドンコ病防除のために、育苗期からの殺菌剤による防除 の励行、株間に噴口を入れての横向け散布に加えて、古葉、下葉を掻き取りハウス外へ の持ち出すこと、などを提案している。しかし 、これ らの作業は生産者に労働強化を求 めるものである 。もともと、「とよのかは、うどんこ病に対しては抵抗性はまったくなく 擢病性で発生する J(本多, 1988)ことを前提として導入された品種である D 現在最も 体について分析したところ、プロシミドンは米国で登録されていないため 1 検体しか 検出されなかったが、ピンクロゾリンについては約半数の 169検体が 0.1 附 /gを上 回っていた(検出割合 49%)0 Neidert et al.(1994、1996)が、カナダで 1989-94 年 に か け て イ チ ゴ 323検体調査したところ 14検体からピンクロゾリンを検出した(検 出割合 4%)0 Ambrus etal. (1991)は欧州、13 ヶ国の市場調査を行い、検出限界 0.1 I合 1.6%)、イプロジオンが 236 μg/gで、プロシミドンが 129 検体中 2 検体(検出害J 検体中 6 検体(検出割合 2.5%)、 ピ ン ク ロ ゾ リ ン が 129 検体中 2 検体(検出割合 1.501 0 )であったと要約した 。今回の調査において、 0.1μg/g を上回った検体の割合 は 、 20%(20検体中 4検体)であり、東京都衛生研究所の調査(永山ら,ユ 986-89; 小 林ら, 1992) とともに、Am brus e七 al. (199ユ ) 、 Neidert et al. (1994、1996) の検出割合と、 Luke et al.(1988)の結果との中間であった 。 4. 要 約 1992お よ び 93年 の 1-3月に奈良市内のスーパーマーケットで販売されたイチゴに ついて調査した結果、ピンクロゾリンが検出されなかったほかは、 9農 薬 13成分が検 出された 。 全ての検出事例について園内の残留基準を上回るものはなかった。 ジカノレボキシイミド系殺菌剤が品種を問わず 60-70%の検体から 1種のみ検出され た。 この割合は、欧米のいくつかの調査結果の中間にあった 。一方、ウドンコ病対策農 薬は、品種"豊の香"からは一つの検体から最高で 5 種が検出され、全検体の平均検出 割 合 は 37%であった 。 品種 "女峰 "か らは一つの検体から 2種まで検出され、全検体の 平均検出割合は 10%であった。これらの割合は、欧米(検出割合 <0.4%)に比べ、格 効力の高いエノレゴ、ステローノレ生合成阻害剤 (EBI 剤)に対しても耐性菌の出現の報告が 段 に 高 い も の で あ っ た 。 この結果は、"豊の香"が、奈良県、福岡県などの農業技術者 ある(大塚・宗, 1990; 中野ら, 1992)ことからも、奈良県農林部 (1992)が提唱する ように「耕種的防除の推進」、すな わち「耐病性の品種の導入 Jを検討する必要が あると考 える 。このことは、巨費を投じて開発された殺菌剤の有効性を長持ちさせることにも繋 が指摘する 、 r1990 年前後に近畿以西のイチゴの市場で品種 "豊の香"が急速に売上を 伸ばしたが、ウドンコ病に擢病性が高いため、その防除に生産現場が混乱している J( 岡 山 1991)状況を反映している ものと推察される。殺菌剤の過度の使用を避けるために、 がるものである 。 耕種的防除、とくに耐病性の品種への転換を検討する必要があると考える 。 3-2.ジカルボキシイミド系殺菌剤j の検出状況 ジカノレボ、キシイミド系殺菌剤については 、プロシミドンが 20検体中 12検体とい う I-2)。永山ら (1986-89)および刀、林 ら (1992)は 、 高率に検出された (Table II-1、I 1985-88 ならびに 91年度に東京都に入荷したイチゴ 17検体中 2検体から 0.1μg/g を 上 回 る プ ロ シ ミ ド ン を 検 出 し た ( 検 出 割 合 11%)。一方、欧米では、 Luke e七 al.(1988)が 1982-1986年に FDAのロスアンゼ、ノレス管轄区に入荷したイチゴ 342検 30 31 第 2節 3. 結 果 お よ び 考 察 発芽防止剤の食品残留 3-1.マレイン酸ヒドラジド Figure II-1 に遊離型マレイン酸ヒドラジド (free-MLHD)の検出状況を示した 。 1.緒言 近年、農産物の輸入は年毎に増加している 。 このような状況の中で、輸入農産物中の 0の検体から残留を認めた 。 MLHDについては、残留分析の 0.3μg/g-rawを最高に 2501 農薬残留、とくに長距離輸送、長期保存を可能にする ためのポストハーベス ト使用農薬 公定法が繁雑、低感度であったため、バレイショおよ び加工品についての調査報告は少 の残留は、食品残留のなかで重要な位置を占める 。これまでにも、レモンのヘタの変色 なく、 Newsome(1980b)が標準使用量の MLHD をバレイショの収穫前に散布したとこ を防ぐため使用された 2,, 4-Dの残留(津村ら ,1992)、小麦の防虫のために用いられて ろ、収穫後も 4 きた有機リン農薬の残留(河村ら , 1980)などが注目されてきた。 0の検体から 0.1 査では、 2501 附 /g-raw程度の残留が認められたと報告した程度である 。 今回の調 問 /g-raw以上 の free-MLHDが検出され、残留頻度の バレイショでは長期保存のためには発芽防止が重要 であり、マレイン酸ヒドラジド 高い農薬の一つで、あることが明らかとなった 。 また、検出事例 5 件のうち 4 件は、国 (MLHD)および、クロノレプロファム (CIPC)が 多 く 用 い ら れ る が 、 と く に 前 者 は 、 分 析 、 4検体からであった 。厚生省の食 産パレイショを使用したことを諮ったメーカー 1社 法の煩雑さなどで食品中の残留実態が明らかにされて こなかった 。一方 、収穫後使用さ 品衛生基準は、バレイショについて 50附 /g-rawであるが、加工品については設定さ れる発芽防止剤の中で最も一般的といわれるクロノレプ ロファムは、しばしば加工品の残 れていない 。 留調査も行われてきた (Ritchie e七 al., 1983; Lewis et al., 1996)。 しかし 日本では加工品として基準設定されていないため、バ レイショ加工品の残留分析の報告 3-2.クロルプロファム Figu工e II-2 にクロルプロフ ァム (CIPC)の検出状況を示した 。 0.11μg/g-raw 、 Nagayama and Kikugawa(1992)および関田ら (1985)がフライドポテトについ は 0の検体から残留を認めた 。柏倉ら(1995)は、圏内で市販されたポテトチ を最高に 4501 て行った程度であった 。 MLHDの生物影響としては、ヒト末梢リンパ球の DNAに損傷を与え (Ribasetal., ップス 11検体のうち 、 4検 体 (36%)から CIPCを 0.02-0.07μg/g-工awの範囲で検 1995)、 Vicia faba 染色体異常検査ではポジティブスタンダードに用いら れている 出した。検出頻度、濃度ともに、著者の調査結果と同 程度といえる 。 一方、ポテトチッ (Kanaya et al., 1994)。一方、 CIPCの生物影響としては、肝ミトコンドリアの呼 プスと並んで消費量の多いフライドポテトについては、 吸、肝ミクロソーム脂質過酸化作用などに影響を与える (YamanoandMorita,1993) 、 1988、89年東京都に入荷した冷凍ポテトおよび都内で販売され Kikugawa(1992)が こと、妊娠マウスに 1500 mg/kg投与することにより、胎児に脳露出、短口蓋などの ているフライドポテトについて残留調査を行い、それ ぞれ 40%ならびに 70%の検体か 発育障害を示すこと (Tanaka et al., 1997)などが報告されている 。 ら 0.1-1μg/g-rawの濃度範囲の CIPCを検出したと報告している 。 このフライドポ 本 節 で は 、 市 販 ポ テ ト チ ッ プ ス に つ き MLHD お よ び CIPC の 残 留 調 査 を 行 っ た Nagayama and テトの残留濃度と比較すると 、今回のポテトチップスの調査結果は、 1桁ほど低めであ ると考えられる。 Nagayama and Kikugawa(1992)は、冷凍ポテトを 180 C の大豆 0 (Nagami, 1997b)ロ 油で 4分 間 揚 げ CIPCの移行を調べている 。この結果では、 CIPCがポテトから 20%程 2.調査 、 0.20 度失われ、その殆どが大豆油に溶出していた。また、 関田ら (1985)は 1994年 4月から 1995年 3月に奈良市内のスーパーマーケットから、ポテトチッ プ 附 /g- rawの CIPCが残留していた冷凍ポテトを、食用油で 250 C 3分間加熱処理してポテ 0 スを主要メーカー(カルビー、ナピスコ、ハウス、ブルボ、ン、明治、 S&B)につきに原則とし 、 0.09 ト中の CIPC が て均等に、 20件購入し、試料とした 。 うち、国産パレイショを使用したことを謡った 、 0.33μg/g-rawのパレイショから、加工を経た皮付きポテトには 0.08 al.(1996)は ものは、 1社の 4検体であった 。 附 分析は、第 I章、第 2節で開発した方法を用いた。 32 附 /g-raw に 減 少 し た と い う 結 果 を 得 て い る 。 Lewis e七 /g-raw、ポテトチップスには 0.02 附 /g-工aw が残留していたと報告している。 、 CIPC の残留量は食用油が再使用であるか否かに依存す Ritchie et al. (1983)が 33 ると述べたように、ポテトチップスでは、油へ溶出する割合がさらに大きいことが想起 される。これらのことから、フライドポテトとポテトチップスとの聞の CIPC濃 度 の 差 を 説 明 し う る と 考 え ら れ る 。 厚 生 省 の 食 品 衛 生 基 準 は 、 パ レ イ シ ョ に つ い て 50 0.2 1.0 μg/g-rawであるが、加工品については設定されていない 。 { ト ム 0.1 iO5 ロ ・ 0 H + + E e h d J 0.2 ム ¥ 凶 h 注 目 こ d a 、 1 。 。 。 。 ム 4 C L 甘 J 4 ムムム 4. 要 約 市販ポテトチップスの残留調査を行った 。遊離型マレイン酸ヒドラジド υ L ロ ω O J 。 た。 ム 'M + > 0.1L一 なわち、二剤のいずれかが検出された検体の割合は、 70%であり、ポテトチプス中の 発芽防止剤の残留については、両剤の残留実態を把握してゆくことが、重要と考えられ .05卜 ロ 0 0 に ロ υ 。) 全ての検体について、 free-MLHD と CIPC両化合物の複合検出事例はなかった 。す 0.02 ム ・ . .・ ・・ ー ・ (f工 ee- MLHD)は 、 0.3μg/g-rawを最高に 25%の検体から残留を認めた。クロノレプロファム (CIPC)は 、 0.11μg/g-rawを最 高に 45%)の検体から残留を認めた 。 free-MLHD と Not 00000 detected 00000 CIPC との複合検出事例はなかった口すなわち、二剤のいずれかが検出された割合は、 0.01Lー ム 7001 0であり、ポテトチプス中の発芽防止剤の残留については、両弗j の残留実態を把握 00000 Figure n-1. Distribu七ion of free rnaleic hydrazide residues in potato chips Not ムムム A ム detected ムム A ム ム ム Figure n-2. Distribution of chlorpropham residues inpotato chips してゆくことが、重要と考えられた。 第 3節 トリブチルスズ化合物の養殖鮮魚中の残留 1.緒言 有機水銀、有機塩素系農薬などの環境残留性の高い化合物は、しばしば水系を汚染し、 食物連鎖により、魚介類などに高度に濃縮して、ヒトなどの汚染物質の摂取経路として 重要となってきた。 、 1960 年 代 か ら、フジツボ、貝類、藻類の付着を トリブチノレスズ化合物 (TBT) も 防止するため船底および養殖用の仕切網に使用されてきた D しかし、 1980年前後にフ ランスの Arcachon湾でカキの生産量の激減の原因物質であることが明らかにされた 0 1980 年代半ば、日本でも水産庁の調査により養殖魚などへの残留が確認され(杉田, 1992)、厚生省生活衛生局 (1985)は 、 TBT の汚染対策を水産庁に要請するとともに、 各都道府県等に残留実体調査を命令した。 本節では、 1986、87 年に奈良県内で市販された養殖鮮魚の残留、あわせて天然魚の 調査を行った(永美ら, 1988)。 35 34 1 本物 質は、海水中 の濃度 10附 /Lのレベノレでカキに石灰化異 常を起こす (Waldock 3μg/Lという極微量のレベノレで貝類に and Thain, 1983)他にも、海水中の濃度 10- 雌個体を雄性化させる作用 を示し (Gibbs et al., 1987)、今日しばしば取り上げら . Residue of tributyltin in themuscle of the fresh fishes on 3 T Table I the marke七 in Nara,Japan in 1986-87 れる環境残留性内分泌系撹乱物質の 一つで あることが明らかになっている (Horiguchi et al., 1997)。 ま た 、 ヒ ト に と っ て も 目 、 皮 膚 、 粘 膜 刺 激 性 な ど が されている(内 強く、 TBTを網に染め込む作業に従事 してきた漁業者の健康問題 も懸念、 藤, 1991)。 Concentration (ug/g-raw) Not cultured Mackerel 2 0.1 0.2 0. pilchard 0.3 0.8 0.1 Saurel 0.3 0.6 nda) Si11agioid 0.4 0.4 Sole Spanishmackere1 adaib) Am Cultured Yellowtail Sea bream 2.調査 マダイ 5 1986ならびに 87年に奈良県内で市販された 養殖鮮魚であるハマチ 6検 体 、 nd nd nd ロd nd nd nd nd nd nd nd nd nd nd nd ) ) Not detected (<0.1μg/g-raw a 検体、また、天然魚 7魚種(アジ、アマダイ、イワシ、カレイ、キス、サパ、サワラ)15検 体 b) Branchiostegus japonicus を購入し、可食部のみを第 1章、第 3節で開発した方法を用いて 分析した 。 3. 結 果 と 考 察 ,-i から TBTを検出した 。一方、天然魚 15検体からは検出されなかっ た。当時の養殖鮮魚 うな TBT残留について、厚生省生活 衛生局 (1985)は、暫定的な許容指針濃度と して、 ,-i am 'e A Sea bl max .… , . . .. ・ …一 一 ー ・・ ー ・・ ・ 一一 ー . . .. .. .二二 二 :…日 …. 二 . 二 二 . . . .. 二 .. . . 二 : 二二Q: :9: : : : 二: . 仁二 . 1988 1990 1992 1994 1996 ⋮ 1986 u 一角 1984 。 & Sea bream 一ρ uh }[(︺ に、他の TBT化合物が第二種特定化学物 質に指定され、水産庁など が、日本国内にお I 回・干 市山 T 1990年までのスズキに 0.8 μg/g-rawを上回る残留が散見されて いた 。 チルスズオキシドが第一種 特定化学物質 このような状況から、 1990年にピストリブ、 ロYellowtail ・ …4 F 一 一一 ・ ι 1988-90年の竹内(1991)らの調査結果ではホタテガ イに、環境庁の調査 (1994b)では、 。 oYellowtai1 -出 T I 十B aT g一工 aw を示した 。本調査でも、ハマチ 1 検体は暫定基準に達してい たし、 0.8 阿 / υ口 w 。 ロo-?HωLHパ 口m 戸 υ 中の TBT残留レベノレを把握するため に筆者が開発した分析法は有 用であった 。 このよ (院の何│凶¥凶ミ の調査結果を示した 。養殖鮮魚からは 0.8μg/g一工 awを最高として 11検体中 10検 体 h⋮ a 一 企 ト⋮ OAQU Table IJ-3 には、 1986および 87年に奈良市内で市販された 、鮮魚中の TBT残留 。⋮ 一 3-1.養殖鮮魚中の TBT残留レベノレ 1998 Year ける魚網防汚剤としての使 用を自粛するよう行政指導 した(松永ら , 1996)。 その後、 厚生省生活衛生局 (1994)は、都道府県などに調査を 行うよう通知し、奈良県で も 1994 年以降調査が行なわれた。 Figu工e IJ-3 には、奈良県に入荷した 、養 殖 ハ マ チ 、 タイ 中の TBT濃度の推移を示した 。 著者の分析結果のユ 986、87年 10-1 Figure I-3. Residue of tributy1tin in the muscle of the cultured fresh 87 and 1994-96 fishes on the market in Nara,Japan in 1986, 同 /g-rawのオー ダから、 1994-96年(奈良県衛生研究所 ,1995-97)には 1桁近く低くなっており、厚 生省を中心とした、養殖鮮 魚の TBT残留対策が 、効果を あげていることが読み取れ る 。 36 37 有機塩素系農薬の土壌残留性の再評価 第皿章 3-2.天然魚などの TBT残留レ ベル 日本における TBTの使用規制は、養殖仕切網には全面禁止されたもの の 、船舶の船 底防汚斉Ijとしてポリマータイプの使用は認められてる 。 第 1節 有機塩素系殺菌剤プロシミドンの土壌残留性 、 "平成 6年 版 化 学 物 質 と 環 境 "の中で、 TBTの汚染レベノレは生物 、 環境庁 (1994b)は 底質において概ね横這い、水質については改善ないし 、横這いの状況と総括した。栗田 1. 緒言 、 1993-96年に静岡県近海で養殖または漁獲された魚介類につ いて調査し、 ら (1997)は 農薬の土壌残留は、環境中の主たる残留形態であると ともに、そこで育成された作物 TBTの残留濃度は養殖魚と沿岸魚の差がなく、 4年 間 横 這 い で あ っ た と 報 告 し た 。また、 に汚染をもたらしてきた 。次節で述べる、ディルドリンなど有機塩素系殺虫剤 は、農薬 Takahashi etal.(1997)は駿河湾の深海魚に、汚染の拡大が見られていると 報告し 登録が失効して 25年以上経った現在でも、土壌残留、作物への移行が 報告されている た。以上のように、日本近海では、まだまだ、 TBT汚染は減少していない 。 (中村, 一方 、世界全体では、 TBT化合物も有機塩素系農薬と同様に、発展途上国での 使用規 、 制が遅れていて、世界的使用量はほぼ横這いといわれて いる(堀口, 1998)0 TBTは 今後とも監視すべき化合物のーっと言える 。 1990; 吉田ら, 1992)。 農 薬 の 長 期 に わ た る 土 壌 残 留 お よ び 作 物 へ の 移 行 を 防止するため、農薬取締法の 1971年改正では、登録時に、土壌残留性のチェックが行 もることとなっている 。 わj 一般に 、土壌中 の農薬の減少過程は四つの半減期により説明され 、それぞれ の半減期 の主たる要因は、第ー が蒸散、第二が流亡と光分解、第三が浸透と拡散、そ して第四が 4. 要約 微生物分解であり、土壌吸着後数週間から一年以内の 減少は第三半減期により、一年以 1988-89年に奈良県に入荷した養殖鮮魚中のトリブチノレス ズ化合物 (TBT)の残留 を調査したところ、 0.8μg/g-rawを最高として 11検体中 10検 体 か ら 検 出 し た 。 一 方、天然魚 15検体からは検出されなかった。当時の養殖鮮魚中の TBT残留レベノレを把 握するために本分析法は有用であったり ユ 966; 上経ったあとの減少は第四半減期により表現されると 言われている (Edwards, 金 津 , 1992)。 ところが、農薬取締法による検定では、農薬が使用さ れてから、一年以内の推移で行 われていて、第四半減期は把握されていないのが現状 である 。 Iが使用された圃場における土壌 本節では、イチゴのハウス栽培のためプロシミドン斉J 残留性を長期にわたり追跡し、第四半減期を評価する とともに、土壌から作物への移行 を調査した (Nagami, 1996)。 殺菌剤プロシミドンは、ピンクロゾリン、イプロジオン とともにジカノレボ、キシイミド 系 殺 菌 剤 で 、イチゴの灰色カビ病などの防除のため 1980年代前半から使用されてきて いる(藤浪ら, 1981)。 日本では、プロシミドン、イプロジオンが主に使用さ れ、一方、 米国では主にピンクロゾリンが使用されている。 プロシミドンの毒性については、第 E章、第 1節 で 述 べ た 、 環 境 残 留 性 内 分 泌 系 撹 乱 物質の疑いがある他に、 1 MHXaHTIOBa J lB a H o B (1989)がその毒性評価において、 Y ウサギの 20 mg/kg x 6月の試験区でアテローム性動脈硬化症の初期に似た 形態学的 所 見 を 観 察 し 、ロシアでプロシミドンの残留基準を設定する場合、 本毒性が重要である と報告している。 38 39 2.方法 ー ¥ : 1 ' l 一一一一一一一ー一一一一一 一一ーー一一一一一一一ー一一一ー「 2-1.試薬および 標準品 プロシミド ン標準溶液 :和光純薬 製プロシミ ドン農薬標 準品をトル エンに溶解 し、適 ム A2 ca.20叫 宜希釈して 用いた 。 「ーーーーーーーーーーー一一ーーーー一一ーーーーー一 一ーーー -1 oA1 フロリジノレ:和光純薬製フロリジノレ PR~こ 10 v/w%の水を加え 、数分間激 しく振り A3 口! V 混ぜたのち 数時間放置 して用いた 。 ー ・ ・ ぐ : 有機溶媒: 残留農薬試 験用を用い た 。 . 50m a c 「ーーーーーーーー一一一一一一一一一一一一ーー一一一一ー一「 : ) . ー ・ 」一一一一一一ーーーーーーーーー一一ーーー一一ー一一一一ー -1 2-2.土壌および 農作物の調 査 調査した二 つの圃場 (A、 B)は、奈良市 横井町(奈 良盆地東北 部)にあり 、原則とし て l口 B3 ム B2 B1 1 水固と畑作 が 1 年毎に行わ れている 。周囲の圃 場でも同様 な作付けが 行われてい る 。 Road 土質は圃場 A、B それぞれ、 砂壌土、壌 土であった 。 この地域の 平均気温、 降水量の平 mである(奈良地方気象台, 1997)。 イチゴを栽 培す n 年値は、そ れぞれ 14 C、 1300 r 0 1破 線 で示したよ うに 1圃場につき 2棟のハウス が組まれ、 ィ I I るときは、 Figure I チゴの百を 定植した後 (11月下旬 -12月上旬)に年 1回(圃場 A1984-1988年、圃場 B 1985-1989年)、プロシ ミドン (PRCM)剤が標準施 用法に従っ て薫煙され た 。その後は . Investigated points in the field for proc戸nidone 工esidue in 1 l l Figure i soil Two greenhouses for strawberry production a工e constructed in the dotted line,which were fumed with procymidone once a year (field A 1984-88,field B 1985-89) in late November or early December. 圃 場 人 B および周囲 の圃場でも 使用されて いない。使 用された PRCMの量は、 l回で約 2 であった 。 、 5年間の総計 で約ユ .5 g1m m2で 0.3 g1 土壌の調査 は、圃場 A については 1989年 10月から 1995年 4月まで原則 として 3 ヶ月に l回、ハウス 内 2地点、ハウ スとハウス の中間 1地点につい て、表面か ら約 15 cm深さまでを 移植ゴテに より採取し た。圃場 B については 1991年 1月 -1995年 4月 l , . . .. l l . . . OOI l , 一一 ..........4 ... 、 1991 農作物につ いては 、圃場 A において栽 培されたイ チゴ果実を 1990年 2、4月 一 ・ … l. 企 ー】 , . . . .. , l l . … A. 企 年 2月の 3回、圃 場 l , 。 O - 一口 o ロ < . . h J d J O J O + E ロ + L 0 9・ : : : : ローーロロ 0ロ ー ーー 0 剤の使用が 止められて 約 1年経過して から始めた ことになる 。 ';" - " " " "" " '" ~::à:'::". l : : : : -' 0 それぞれハ ワス内 1地点、 原則として 6ヶ月にユ回 調査した 。従って、こ の調査は PRCM ・ .. ー0 . ロ 二白: 口 0⋮ にハワス内 であった 3地点につい て同様に調 査した 。 1995年 10月以降は、 圃場 A、B 0 00 0 :0: : 二: .1 与 O 〉 、 o 、 切 、b 、 B においてハ ウス内で栽 培されたホ ウレンソウ 、コマツナ 、大根、 キクナ、ミ ツバを 1991年 3、4月に採取し た 。 1 0 0 . 0 8 8 c e D 2-3.土壌および 農作物の前 処理 m以上のレキ および植物 片を取り除 き分析に供 した 。含水率は 、約 n 土壌試料は、 2 r 10 gを取り、 110 Cで恒量にな るまで乾燥 し、減量割 合を測定し た 。 各試料にお ける 0 含水率は、 2園場ともに 畑状態で 10-30%、水田状態 で 30-60%、であった 。 90 ce D 2 9 c e D r a e Y ht n o M 4 9 c e D . Persistence of procyrnidone in field A 2 l l Figure i 0,口; Al,A3 are in the greenhouses which had been fumed with proc戸nidone. ム ; A2 is between the greenhouses. 40 41 イチゴ果 実はそのまま検体とし、そ の他については地上 1cmのところで茎葉部と茎 根部に分け、数分間の水洗 いにより土をよく落とした 後に 、プロシミドンの残留を測 定 した。キクナの 茎根部については比較的高 い移行が検出されたので 、さらに主根と毛根 C、注入;スプリ ッ トレス、 1μL、イオン化; EI 入口; He、 50kPa" 200O LC:装置; Waters 510、 712、 991、 カラム; Shodex DS-613 6mrn中x 150 mm、 移動相 ;水/アセトニトリノレ (10+90)、 0.8mL/min、注入 量 ;50μL、分取範囲; ca. 7-9 min に分けて測定した 。 3. 結果および考察 2-4.分析操作 土壌は、乾燥重量として 10 g を取り、アセトン 50 mL を加え、 5分間超音波処理 査 慮過し 、残 j 慮紙 No.5Aにより j 、 30分放置後さらに 5分間超音波処理し 、東 洋 j を行 い をアセトン 5mLで 3回洗った。憶液と洗液とヘキサン 50mLそして 10% NaClaq100 mLを合わせ、 5分振とうした 。 下層を棄てヘキサン層を 10% NaClaq 50 mLで 3 回 洗い、脱水、留去し、残留物 をヘキサンに溶解した 。ヘキサン溶液をフロリジノレカラム 0含水 、 3 g、 12 mm ゆ)に負荷し、ジエチノレエーテノレ/ヘキサン (85+15)を 30mL (1001 0 流下した 。流出液を、 40Cで留去し、ヘキサンで 2mL として検液とし、電子捕獲 検出 3-1.土壌残留の状況 圃場 A の各地点における PRCM残留濃度の推移を Figure III-2に示した 。A1地点は 調査開始から 1年 間 の 平 均 で 0.10 阿 /g-d工y、A2地点、 A3地点は A1地点 のそれぞ れ 2/3、 1/5程度の濃度であった o A3地点の残留濃度がとくに低 いのは PRCMがハウ ス内で薫煙されるため、ハ ウス外である A3地点の土壌への移行が少な かったことによ A3地点がその濃度比を保って 減少していることは、 るものと考えられる 。また、 A1"A2、 PRCMが土壌に固着されやすいこ とを示唆している 。圃場 B についての各地点における PRCMの残留濃度の推移を Figure 皿 -3 に示した 。ハウス内 3地点から 0.059-0.14 器付きガスクロマトグラフ (GC-ECD)で定量した 。 農作物は、生重量で 10 gを取り、アセトン 50 mL と合わせホモジナイズしたの ち、 土壌と同様に処理した 。ただし、キクナはクロマ トグラム上の妨害が著しい ため、フロ リジノレカラムについて、ジエチノレエーテル/ヘキサン (97.5+2.5)を 30mL流下しこれ μg/g-d工y と圃場 A と同レ ベノレの PRCMが検出され 、経年推移 も同様であった 。 3-2.土壌残留の定性確認、 土壌中の濃度として 0.1 μg/g を上回った検液について、 マスクロマトグラムを測 0 を捨て、ジエチノレエーテノレ/ヘキサン (85+15)を 30 mL流下した 。 流出液を、 40 Cで 濃縮し検液とした。 ミツバは、キクナと同様に 処理しでも、測定が困難で あったので、 検液をアセトニトリノレで 1 mL とし、その 250μL を液体クロマトグラフ (LC)に注入 0 NaClaq 5 mLを合わせ、ヘキ し、プロシミドン溶出部分 を分取した 。分取液と 101 定した結果の 1例を Figure III-4に示し た。図中上段のように、トータノレイオンクロ マトグラムで単独ピークが 得られ、このピークのマス スペクトルは、下段のよう に PRCM の分子イオンである m/e = 283、その同位体イオンである m/e = 295、そして主た 0 0 NaClaq 食塩水 10 mLで洗 サン 2.5 mLで 2回抽出した 。ヘキサン層を合わせ 101 るフラグメントイオン m/e = 96 が標準品と同様の割合でみ られた 。 このことから 、 0 い、脱水、留去し、残留物 をヘキサンに溶解して 1 mL として検液とした 。 土壌中に PRCMが残留していることが定性 確認された 。後に述 べ る作物移行についても 同様に定性確認された 。 、 :7% 1 プ ロ シ ミ ド ン の 回 収 率 お よ び 定 量 限 界 は 、 土 壌 と ミ ツ バ 以 外 の 野 菜 で 90: :19%、 0.01μg/gであった 。 1 0.005μg/g、ミツバで 78: 3-3.土壌中の第三 、四 半減期 地点且 1、B1の約 5年 間 の PRCM濃度の推移について回帰分 析を行ったところ、 PRCM 2-5.分析 装置および条件 の 土 壌 中 の 半 減 期 は そ れ ぞ れ 2.1、 2.4 年 程 度 、 そ の 95%信 頼 区 間 は 1.7-2.7" GC-ECD: 装置 ; HP-5890、 カラム; J&W DB-1、 DB-17 0.25μm x 0.25 mrn中 1min)→ (10 C/min)→ 300 C、注入口;He、 150kPa、 230C、 x30m、 昇温; 140 C( 0 注入 ;スプリット 1.8-3.7年と推定された 。一 方、河野ら (1985)は宮崎県内の圃場で施用か ら 60 日間 0 0 0 )、 3μL、検出器 ; N2、 80 mL/min、 300C (50:1 調査し、 PRCMの土壌中での半減期は施設 内では 115 日、露地では 54 日であったと報 0 告している 。 また、 Walker and Sa工 ah(1990)も、施用から 70 日までの減少過程を ガスクロマトグラフ質量分 析計:装置;HP-5890、 HP-5971、カラム;HPUltra-2 追跡し、 70 日程度で半減したことを報 告している 。 とれらの結果は、著者の推 定値と 0.11μm x 0.20 mm中 x 25 m、昇 温 ; 110 C( 1min)→ (10 C/min)→ 300 C、 注 0 42 0 0 43 5-10 倍 もの 開きが ある。 この理由とし ては、土壌特性、 ハ ウス の設置の有無等の条 件 も 考 慮 す る 必 要 も あ る が 、 調 査 時 期 の 相 違 が 主 因 で あ る 可 能 性 が 高 い。 す な わ ち 、 ( 966)が総括するよ うに、土壌中の農薬の減少 過程は四 つの半 減期 に より Edwa工ds ユ 説明され、土壌吸着後数週 間から 一年以内の減少は第 三 半減期により、 一年以上経 った (hH℃l凶 ¥凶 ミ ) あとの減少は第四半減期に より表現されると 言 われる 。従って、河野 ら (1985)および 、 PRCMの第三 半減期を報告し、著者は第 四半減期を捉 Walke工 and Sarah(1990)は 口 えたものと考えられる 。 1ト O. ロ 0 司 , ・ ちなみに、他の農薬 の第三、第四半減期につい ては、いくつかの報告がな されている 。 ~: :~:i~~ 令J ω H ' 1 - c ) . l ( ω e 。 ロ • コ し 能 勢 (1987)は、べノミルでそれぞれ 15 日と 266 日、イソプロチオランでそれ ぞれ 9.4 ・ ・ . それぞれ 24 日と 437 日、トリアジメホンでそれ ぞれ 4.1 日と 651 日、フェナリモノレで、 、 γ-BHCの土壌半減期が 5週 は 日と 442 日となると推定した 。 また、湯島ら (1973) 間から 15-20週間に、デイノレドリン のそれが 9週間から 4-7年に、 DDTでは 18週間 0.01 4 9 y a M 2 9 y a M r a e Y ht n o M 0 9 ya M から 5-8年にも延びるとしている 。 中村 (1990)も、ディルドリンについて 使用からユ 年毎に測定し、はじめの 一年で約 1/3に減少したあと 10年間 0.1ppm前後の値で推移 D-3. Persistence of procymidone in field B Figure I B3areinthegreenhouseswhichhadbeenfumed B2, ,ム,口;B1, with proc戸nidone e したと報告している 。 農薬の長期的残留ならびに その半減期は、農薬の使用 から l 年 以上経過した後の調査によ って初めて明らかに出来る のに対し、農薬取締法に示さ れた 土壌残留性の検定の方法は、 Ybundance ' 「農薬の使用の直後における採取の時から、 1年未満に採 取した試料について、・・・・・その残留量の分析値を比較し、二分の一以下に減少した値 TIC: CJ29-02.0 目 。 50 が確実に示されているかど うかを確認する 。 J (農林省告示, 1971) と明記されている 。 40000 すなわち、現行の農薬取締 法では、登録審査時に長期 的な半減期を検討しない考 え方に JOOOO なっている 。今回の調査では、第三 半減期を測定することはで きなかったが、 A、B 圏場 での PRCMの第四半減期は 2.2年程度であった 。 3-4.土壌から作物への移行 Average 6000~ t 12.1)5 o ‘min.: CJ29 02.0 to 12.18 ・ (φ,・} 283 96 I を調査した結果を Table m-1 に示した 。 イチゴの実からは 3 固とも検出されなかっ 5000 た。一 方、野菜についてはキクナ の茎根部を除いて 0.005-0.037 4000 285 JOOO 2000 1000~ 圃場 A"Bのハウス内で、 1990、91年に栽培された野菜について 、 PRCMの移行の有無 附 /g-工aw の範囲 であった 。キクナは茎葉部は他の野 菜と大差ないものの、茎根 部に相当量の含有を認め た。そこで、主根と毛根に 分けて測定したところ、主 根は茎葉部と同程度であっ たのに 9 に JD55 255 叫II~ 対し、毛根から土壌の 5倍を超える PRCMが検出され、高度の生物濃 縮性が示唆された 。 土壌から作物への農薬の移 行を評価する指標としては 、作物中の農薬濃度を土壌 中の濃 Figure ID-4. Masschromatogram of the soil sample detected the residue of proc戸nidone 度で除して「吸収率 (010)Jと呼ぶ場合が多い 。 今回の調査結果からホウレ ンソウ、大根 45 44 の吸収率を 求めると、 野菜の可食 部で 5-10%となった。Table 国一 2には、 Suzukiet Table ID-l. procymidone concentrations in the crops planted in the greenhouses where procymidone levels in the soil ranged 0.06-0.14 ~g/g-dry. Crop Strawberry(3times) Crown daisy Crown daisy Japanese honeywort Radish Spinach b Komatsuna ) al.(1973) と Lichtenstein e七 al.(1970)が示した有 機塩素系殺 虫剤の吸収 率と 本研究の結 果とを同時 に示した 。こ れらは、ほぼ等しい値で、 PRCMは殺虫剤と 殺菌剤 の違いはあるものの土壌残留と作物移行については有機塩素系農薬の範曙に入ると見 Fruit Uα/α-raw) Concentration ( Main Foliage Root root a . nd nd / nd 0.005 0.016 0.017 0.013 0.005 0.010 Root hair ることが妥 当 と思われる 。 PRCMについての 環境庁の登 録保留基準 は、果実 3 附 /g、 野 菜 2 附 /g、芋 類 0.2 阿 /g、豆類 2 阿 /g と告示され ている 。今回の調査結果では、 年 に 1回を 5年間、延 べ 5回程度の PRCMの薫煙によ る土壌残留 の結果とし て、根 菜類 0.20 0.021 0.84 0.036 0.007 0.018 0.009 にユ 0-2μg/g程度までの 移行に止ま った 。 しかし、本 剤は 1作付けにつ いて最高 5固 までの使用 が認められ ていて、こ のような使 用が実行さ れると、土 壌残留とそ の結果と 1 しての作物 への移行 として、根 菜類などで 10- 阿 /g程度の濃度 が予想され る 。 <0.005 ~g/g-raw) a) Not detected ( b) Brassエca Rapa 4. 要 約 殺菌剤プロ シミドン (PRCM)が、使用さ れ約 1年経過した 二つの農耕 地の土壌残 留調 Table r-2. Uptake rates to crops of 0どganochlorine insecticides and procymidone Uptake rate (も) This study Suzuki(1973) ) 0 7 9 1 ( n i e t s n e Licht Article l e i d procymidone l b l a Crop Pesticide BHC DLD END α-,sDLD HCE y-CD Spinach Radish root Radish foliage 10 11 20 18 3 3 y-,d-BHC 19 8 22 6 6 5 7 2 19 10 13 12 4 3 8 4 9 10 2 ) y-Chlordane ) Dieldrin, b) Heptachlorepoxide, c a n i r d n E ) e , e d i r o ) Benzenehexachl d 15 査を行ったところ、 0.05-0.14μg/g-d工y 程度の残留 を認めた 。約 4年間の継続 調査 による残留 濃度の推移 について回 帰分析を行 った結果 、PRCMの土壌中の 第四半減期 は それぞれ 2.1、 2.4年、その 95%信頼区間は 1.7-2.7、 1.8-3.7年と推定さ れた 。 さらに、こ の農耕地に おいて栽培 された作物 への移行を 調査したと ころ、イチ ゴからは 検出されな かったもの の、野菜の 可食部で 0.005-0.017 阿 /g-raw程度の移行 を認 めた 。 これらの結 果から 、 PRCMが残留性が 高く 、作物移行 性のある有 機塩素系農 薬の 範曙に 入 ることが示 唆された 。 第 2節. 有機 塩素 系 殺 虫 剤 デ ィ ル ド リ ン 、 ク ロ ルデ ンの 土 壌 残 留 性 1. 緒舌 高い残留性 および発癌 性などの毒 性のため、 デイノレド リンなどの 有機塩素系 殺虫剤は 、 1971年に圏内で の農薬とし ての使用を 禁止された 。 しかし、こ れらの殺虫 剤は、この 10年でも土壌 残留の結果 として 、国内各地で 食品中の残 留事例が散 見されてき た(吉田 ら,1988,92; 鳥取県衛生 研究所 ,1988; 栃木県衛生 研究所 ,1989; 小 )11 ら,ユ991; 望月ら , 1991; 奈 良 県 衛 生 研 究 所 , 1992; 横浜市衛生 研究所 , 1993)。 有機塩素系 殺虫剤の多 くおよびダ イオキシン 、 PCBは、近年で は内分泌系 撹乱物質で ・ 1985; Kubiak et al., 1989;Colborn et al.,1996; ある (Jacobsonet al, 46 47 Cadbury, 1997)といわれ、これまで問題とされていなかった微量の残 留による生物 を検出 した検液に つ いて 、マスクロマ トグラムを測定した結果を Figure III-5に示し た。図中上段のように、トータノレイオンクロマトグラ ムで単独ピークが得られ、このピ 界への影響の再検討が求められている 。 本節では、いくつかの農耕地土壌を調査し、デイノレドリンおよびクロノレデンの残留を 認め、その推移を長期にわたり追跡し、第四半減期の見 直しを行った (Nagarni,1997c)。 ークのマススペクトノレは下段のように、 DLDの分子イオンおよび主たるフラグメントイ オンが標準品と同様の割合でみられた 。 よって、土壌中に DLD が残留していることの 定性確認とした 。 この残留の原因としては、 1971年まで農薬として認められていたアノレドリンが使用 . 方法 2 され土壌中で DLDに代謝されて、または DLDが使用され、そのまま残存しているもの 2-1.試薬および標準品 殺虫剤標準溶液:デイノレドリン、 transークロノレデン、 cis-クロノレデンおよび transノナクロノレは和光純薬製農薬標準品をトノレエンに溶解し、適宜、希釈、混合して用いた 。 であると 推察される 。 この DLD残留につき、約 6年間の追跡調査を行ったところ、土壌中 DLD濃度の経年 推移は Figure III-6のようになった。 この推移について回帰分析を行ったところ、圃 その他は 、前節と同様である 。 場内 2地点での第四半減期はそれぞれ 28年と 27年、その 95%信頼区間は 13年 2-2.調査および前処理 限大および 12年 無 無限大と算出された 。 n x 20 )、 D(50 r n n x 20 r 調査した農耕地は、前節の A、B に加えて 2 圃場 (C(20 r Table m-3 には、 DLDの第四半減期についての日本および欧米の研究報告の いくつ c、D についても圃場 A、 かを報告年順で列挙したが、 1970年代には大きく相違する報告が混在していた 。すな ))で、いずれも奈良市横井町(奈良盆地東北部)にある 。 圃場 n r B と同様に水田と畑が交互に作付けされている 。調査は、圃場 A が 1990年 4月から、 圃場 Bが 1991年 4月から、圃場 cが 1991年 10月から 1998年まで、原則として 6 わち、宮部ら (1973)は名古屋市内で 2年間の調査を行い、また Suzukietal.(1975) は北九州市内で 1.5年間の調査を行い、両者とも DLDの土壌中濃度は減少がみられな n以上の磯およ r n ヶ月に l回、表面から約 15crn深さまでを移植ゴテにより採取し、 2 r し1か僅かにみられる程度で、 DLDの残留は長期に及ぶだろうと報告した 。 その一方で¥ 、 1991年 10月に 1回調査した 。1971年 以 び植物片を取り除き試料とした 。圃場 D は 半減期 1-2年とする報告が 4つあり、とくに、川原 (1973)の報告値、 1年 程 度 は 農 林 前には、圃場 cではアルドリン製剤またはデイノレドリン製剤が、また 、圃場 B では A、 省としての当時の見通しであったものと思われる 。 このような開きは、 1960、70 年 代 クロノレデン製剤またはへプタクローノレ製剤が使用されていたが 、その使用量は不明であ 、 1965年以前の 13の研究を総括 の国外の報告でも同様であった。 Edwards(1966)は る。 し 2年程度であるとした 。 Lichtenstein et al. (1970)は、米国ウィスコンシン州、│ 、Dそれぞれ、砂壌士、壌土、壌土、砂壌土であった 。各試料に 土性は圃場 A、B、c における調査から 4 年と、また Freernan et al. (1975)は、米国オハイオ州におけ おける含水率は前節と同様に測定した結果、 4圏場ともに畑状態で 10-30%、水田状態 る調査から 3年と報告した 。 一方 、 Herrnason et al. (1971)は米国カノレフオノレニア で 30-60%、であった。 州における調査から 13年と報告した 。以上のように、 1960、70年代においては、 DLD の第四半減期の報告値には大きな開きがあったが、そ の後調査が続くに従って「長期に 2-3.分析操作、分析装置、分析条件 残留する Jという報告だけになった 。すなわち、埼玉県農業試験場の中村 (1990)は、県 前節と同様に行った。ただし、フロリジルカラムからの 溶出液としては、ジエチノレエ Lを用いた。 n ーテノレ/ヘキサン(2+98) 30 r p'一DDT 告した。また、 Martijn et al. (1993)は、オランダの農耕地において、 Ip、 3-1.デイルドリン cよりデイルドリン 、 11971年 で は 0.288 pprnであったが、 1972年の調査では 0.088 pprnまで減少 は したものの、その後の減少は認められず、・・・・・ 0.1 pprn 前後の値で推移した J、と報 . 結果および考察 3 4圃場のうち圃場 内の農耕地 50地点をユ 971年から 1986年まで調査した結果を平均し、土壌中の DLD の第四半減期は約 20 年 で 、 DLD はそれ以上 であった Jと報告した。筆者の調査におい (DLD)を 0.05μg/g-dry程度検出した 。 DLD 48 49 mい F叫 訂 円 。 国1 吋 0 ・ - 0 CCH ・ UOODD- 2000= hEU000= uoDOO-- CD- uuoDD M日D O D - - MODDO- 回目 O ιユコ H Z →ロ a 4 H n u n - O M喧' M M O 一 一 一 白。 ・O O H M - M O H M -& O H M - m O H M - 一 一 喜左 工 一 Bt lZ4亨 OHM ア「己 uoDO ・ 白 ~[~ピ HH 2 MOOOO-- ・M O H H・a口 ︼ F H・Rロ 2七一一- 口七主仁J mlVHH ロ ロ ωコnm a 3 C ヨ 日 N コ 一 ∞ω︼ ↓ 創出計叶││﹂剖剖判叶叶ゴ斗司川叶ゴイ叫叫叶計司リイ副叶叫叶司司斗14 20N 20 凶山口一= ︼ロロ一-- o== M凶 叫==' . . Q MODM トJ HOD-- の wuo ー ド ﹄=ニ=一回国 ∞ 004l い u 。 ! . 守 宅 l炉 0 E 0 ド↑ ・ . ! ・ OMmOM ωO乙けF 。のけ l 也∞ > < • : 品 . > < , . 曲 。 AV---- v a a' 。 0 0 汁luhF • 。 一 。 EE 1 . 一-=一一一 一=一一一 山口守一一二一一- .. N1VM iUM け ZODけFlJ﹁omw円 け町、 ωロ ω 叫円いのド戸汁戸同。 凶ω 町 呂 ω呂 ω のFHO目印けOQ円ω E O同 庁 げω ω Oい﹁ド ω ﹀HO 乱 。 け の の け ゆ 仏 け げ の 円 。ωい(凶戸。 oH川 町 - t . 。 ο oド(凶円いロハ﹁ロ r OH川(凶l 吋 550 ロOH H) 0 • 。 句。同ωいωけのロのの Oのけ luo 1m 、 0 Cコ lroH(凶円九﹁ロ ( 凶 29 ・ 向。国 ︿﹀ . u 01 Concentmtiqg(μg/g-dry) . Reported va1ues of forth ha1f-1ife) of die1drin in the agricu1tura1 1and of temperate 3 I I TableI U℃ C1ay 10am e-- 1 ↑L I t In Japan Kouchi Japan Kouchi Nagoya Hirosh工ma ea αJE ae rp e m‘ ve At zone or co1der Soi1 Forth Area/region character ha1f-1ife (years) Average rainfa11 (mm/year) 1 ) Longc 1 Edwards(1966) 2 mq aE C q} し ↑ ym 14 可 ︼ 0 1ょ ta t 4d1 0 1 ial ne14 q し 14qM ↑ 01ム・工 '工 J q ベd ﹁ p﹂ 口 μ R U 司︿ J 寸よ llvs rtk r1- 工 aoe AU4 SES AU ES3u 占 寸 工 0 tJc e pf11a OO 汀n -工 rXE--nA USH 口noU EW ι O 手ム e vrし s l i ph'工 ・ e d-'工 a n BL 、 mRWCO 内︿J i 門川J 寸 nHJ , lJ ﹃ n 工 - 700 工 . 9 Lichtenstein(1970) Hermason(1971) Freeman(1975) M >20 (11) 766 (500) (930) 7.3 (13) r ↑ ﹂ a Nether1ands si1t u n (1100) (1300) nHJ (14) (14) QJ ) d q n Lo 27 1-VA Sa工tama Nara 、、 G (1600) id. Suzuki(1975) ム十﹂ id. d ﹁ q M id. (16) au r us m (2600) (1600) (1600) 唱 Kitakyuushuu 2 ) LonqC id. C1ay,Si1t,Sand Gray 10w1and Soi1 Volcanicashandosoil LK ・ 工 (16) (15) (15) 1 Nishimoto(1971) Kawahara(1973) Ishimoto(1973) Miyabe(1974) Hankawa(1974) an (2600) NT )b) 6 1 ( Report 唱 。 a) Artic1es which c1ear1y reported the fourth ha1f-1ife are cited,and artic1es by which 1 cou1d read the fourth Ha1f-1ife c1ear1y are a1so cited. Figures in the parentheses were cited the va1ue of the station near by the researched fie1ds from "Chrono1ogica1 scientific tab1es 1998 (Japan)" (Tokyo Astronomica1 observatory 1997) ) A 1itt1e ornodecrease ofdie1drinresidues inthe fie1d soi1swere observed inthe experimental c term. n 工n 1971 and dec工eased r p 0 fie1d soエls was 0.288 p d) The average of dieldr工n res工due amounts in 5 to 0.088ppm 工n 1972,bu七 did not decrease in fo1lowing 15 years at the leve1 of 0.1 ppm. 51 ても、 27年程度はあるのではないかと 推察された。 TIC: C1020-1.D 3-2.クロノレデン 120000 圃場 A、B よりクロノレデン製斉Ijまたはへプタクロノレ製剤の成分の中で比較的残留しや 100000 すい transークロノレデン(七 r一CD)、cisークロノレデン (cis一CD)および trans-ノナクロ 80000 または へプタクロノレ製剤 ノレ(口 -NC)を検出した。いずれの圃場 でも、クロルデン製剤l 60000 の成分の中で比較的消失しやすいへプタクロノレ (HC)、オキシクロルデン (Oxy一CD) お 40000 よび HCの代謝物であるヘプタクロノレエポキシド (HCE)は検出しなかった。調査期 間を 通じて 3物質の検出量の割合は tr-CD:cis-CD:tr-NC=10:4-5:4-7程度で大きな変 動はなかったので、その和(クロノレデン類濃度)をとると、調査当初で圃場 A、B それぞ れ 0.015、 0.020 附 tr-CD 20000 rlme -> e c n a d 両己 n ^verage of 11.216 to 11.285 min.: CI020-1.D (+,') 1) 3 7 3 10000 /g-d工y程度 の残留であった。 8000 デ、ン類 (CDs)を検出した検液について、マ スクロマト グラムを測定した結果を レ クロ ノ 6000 Figure 回一 7に示した 。図中上段のように、 トータノレイオンクロマトグラムで trーCD、 M トイオンがそれぞれ対応す る標準品と同様の割合でみ られた 。よっ て、土壌中に CDs が残留していることの定性 確認とした 。 HCEおよび Oxy-CD Bの CDs残留の原因としては、①比 較的消失しやすい HC、 圃場 A、 . Masschromatogram of the soil sample detected the 7 l l Figure i residues of chlordanes .1 O 、 D で検出されていない③ A、 B 両圃場 が検出されておらず、古い 汚染である②圃場 c 0信頼区間は、それぞれ 5-11お 土壌中の第四半減期はそれ ぞれ 7年と 6年、その 9501 50.01 00 0 ・ . , _ , 0 0 ように推移した。この推移に つ いて回帰分析を行ったとこ ろ圃場 A、B における CDsの ・ • • ・o ・ . . , 。 。 ・ ・ I-8の l さらに 5年および 4年にわたる追跡調査を行た ところ 、CDs濃度は Figure 1 o . 。 た tr-CDなどが残留したのではな し、かと推察した 。 (hH℃l凶¥∞ミ ていたへプタクロノレ製剤jまたはクロノレデン製剤が使用され、その成分として含まれてい (咽 の周囲 100メートノレ以内に家屋はない、の三点か ら、1971年まで農薬として認められ JI ~L,:;~ 3HM 2 7 H J川川 山 llr 幻 2 十│以 は一例として tr-CDにあたるピークのマススペク トノレを示したが、主たるフ ラグメン ⋮Mm 4000 cis-CDおよび tr-NC それぞれのリテンションタ イムに単独ピークが得られ 、下段に • 。ー F吋 j I ( H . , _ , Z Q) u Z O よび 5-9年であった 。 仁J 農耕地における CDs の第四半減期については、 国内では報告されていない 。 国外で 、 Hermas0n et a1. (1971)は 5年と報告した。 筆者の は、 Edwards(1966)は 1年 1 0 0 O. 9 8 t c O 結果は、 DLDと同様に、 Edwards(1966)との開きが大きく、 Hermasonetal. (1971) に近いといえる 。 また、クロルデン製剤は、 1971 年に農薬としての使用を禁 止されてから、 1986 年 までに約 16、OOOtonの原体が輸入されシロアリ 防除剤として使用されてき た (植村ら F 3 t-9 c O 1 9 ct O r a e Y / h t n o M 5 9 t c O istences of chlordanes in 七wo agriculture fields ごs l-8. Pel l Figure i Field A . ; Field B cis-chlordane ) Figurerepresentsthesumoftrans-chlordane, a and trans-nonachlor. o; 52 53 2μ 1988)。本剤が施用された家屋の取 り壊し後の残土については、 10 g/g以上の残留 第W章 総 合 考 察 が予想され(安田ら, 1991)、注意が必要と考える 。 ちなみに、 DLD も 1972-1981年 の問に原体量で 380ton輸入され、シロアリ防除剤 として使用されてきた 。CDs と同様 筆者は、農薬などの危険度 を評価するための重要な因 子である、曝露量および環 境動 態の把握を目途に、残留分 析法の簡便化、不明であっ た農薬の残留実態の調査、 および の注意が必要と思われる 。 環境残留特性の再検討を行 ってきた 。 4. 要約 四つの農耕地について、 1970年代前半以来用いられてい ない有機塩素系殺虫剤の 残留分析法を新規に開発し た 。 壌残留の経年変化を調査し た 。 一つの圃場より、デイノレドリンを 0.05開 /g-dry程度検出した 。 6年追跡調査を行 たところ、この圃場におけるデイノレドリンの第四半減期は 27 年程度、その 95%信 頼 区間は 12年 第 I章では、 3節に分け、それぞれ性質の 大きく異なる農薬および有 機スズ化合物の 第 1節では、 10 種の殺菌剤の同時分析法の 開発を行った 。 これらの殺菌剤を含む農 薬の多くは、オクタノーノレ/水分配係数の対数(logpow)が 2 以上である 。 これらは、 アセトンなどにより作物から 抽出し、酢酸エチノレなどに 転溶し、フロリジル、シリカ ゲ 無限大と算出された 。 二つの圃場よりクロノレデン類をそれぞれ 0.015、0.02阿 /g-d工y 程度検出した。そ れぞれ 5 年ならびに 4 年間追跡調査を行たところ 、二つの圃場におけるクロ ルデン類 濃度の土壌中の第四半減期 はそれぞれ 7年と 6年、その 95%信頼区間は、それぞれ 5-11 ノレなどのカラムによる精 製ののち、ガスクロマトグ ラフィー グラフィー (LC)により定量される 。筆者の提案した分析法は、 pH 中性で安定に抽出さ れる logpowが 2以上の農薬に広く適用でき るものである 。 これらの農薬の中には、 および 5-9年であった 。 (GC)または液体クロマト トリアルミゾール、ピリフ ェノックスのように、酸性 下では 不安定で中性付近で安定に抽 出されるものがある一方、キ ャプタン、クロロタロニノレ な どのように中性付近では、不 安定で、酸性側で安定に抽出 されるものなどがある(後藤 ・ 加藤, 1987)。 現在、園内での残留分析方 法の検討の中心になってい る厚生省の残留農薬迅速分 析法 開発検討委員会 (1997)では、単にアセトンのみで 抽出し、回収率を検討して いるが、 pHを酸性あるいは中性に保持 して検討しておく必要性が 指摘できる 。 また、精製に用いるフロリジノレは含水させることを提案したい。活性化フロリジノレは、 logpowが 5以上の古典的な有機塩素系 殺虫剤の相互分離には優れ ているが、現在主流 となっている logPowが 2-4程度の農薬の一部に対して 、しばしば不可逆吸着を起 こ させるためである。また、 活性度の管理も容易ではな い。含水させることにより ある程 度不活性化させることにな るが、活性度を一定に保て 、多成分分析法への適用が 有利と なると考える。 本節ではまた、グラジエン ト LC とダイオドアレイ検出器を 用いての残留分析が定量、 定性手段として有用である ことを実証した。グラジエ ント LCでは、ベースラインのド リフトは避けられず、目的 ピークの UVスペクトノレは、 ドリフトの上に乗ることにな り 定性性が疑問視されていた 。しかし、ベースライン補 正機能を用いることにより 、ピー ク高さで数rnAU、検体中の残留量で、 10-2 RU Fb 54 阿 /g-rawの桁まで定性確認できるこ とを しば指摘される 。こ のよ うな生産者 の置かれ た状況 によ り、圃 場にお いては農薬の過度 明らかにできた 。 第 2節で対象としたマレイン酸 ヒドラジドのように 、logpowが 2 を下回るような物 質は、液々分配の後、 LC分析を行うことが有用でま た安価であり、このような 方針が 多成分分析法を成功させてい る 。すなわち、合成抗菌剤の 残留分析公定法(厚生省生 活 衛生局, 1990)は各剤について個別に分析 することを要求し 、 それぞれに煩雑な方法 は 13 種の抗菌剤jにつ い て上記のような方針で一斉 分析を であったが、村山ら (1991) 可能とした。 さらに、永美ら (1992)はこの方法で 2種の抗菌剤についても分析 可能で、 あることを報告した 。今後 、質量分析計など LC用検出器の発展により分析 能力の向上 が期待される 。水溶性農薬で、しばしば食品残留が問題となるアセフ ェート (logPow -0.96,Geenetal.,1984) およびメタ ミ ドフォス (logPow-0.8,上杉ら ,1997) の使用と農薬に耐性を示す 病害虫の 早期発生との悪循環が起き てき た。このこ とが 環境 I 汚染、食品汚染および農作 業者の農薬暴露の増加を もたら してきた。 イ チゴ 中の殺菌斉J 。 の検出状況は、その 一端を 筆者の調査が捉えたと 言 えよ う 1990 年 代 も 後 半 に 入 り 、 " 環 境 保 全 型 農 業 " あ る い は "LISA (Low Input Sus七ainable Agriculture)"という概念、も定着しつつあ り、地方農業試験場でも耕 、 種的防除方法の研究 も盛んである(岡山ら , 1997; 白木ら , 1998)。 生 産 現 場では これらの研究成果の活用と ともに、気候に適合した品 種および作型を見直す必要 が あ ろ う。一 方、流通業者および消費者 には、農作物の大きさ、形 の不揃い、少々のキズはあ って当然であるなどの意識 改革が望まれる 。 抽 についても 、現在は水層を塩化ナトリウ ム等でほとんど飽和溶液と し 、酢酸エチノレで、 述 べ たマレイン酸ヒドラジドに ついては、本研究の分析方 法を用いることに 第 2節で、 は液々分配での ク リーンアップ 出するといった前処理が行わ れている 。しかし 、これで、 より、初めて残留実体が明 らかとなった 。一般的な同時分析方法で は検出できない農薬 はほとんど期待できずクロ マトグラフィー装置に負担 をかけてしまう 。今回マレイン酸 のなかに 、食品残留を注意すべき農薬 があることを再認識させた 。このような農薬とし ヒドラジドに適用したよう な液々分配の水側を取る方 針が有用となる可能性は高 い 。 チノレスズ化合物は、陽イオ ン性と同時に脂溶性 (logpow 第 3 節で対象とした トリブ、 。 4.0-4.1/pH 7ーユ0, Arnold et al., 1997)を有する 、個性的な化合物 で あっ た ては 、ジチオカーパメート系殺菌 剤、ベンゾイミダゾーノレ 系殺菌剤なども挙げられる だ ろう 。 クロノレプロファムおよびマレイン酸ヒドラジドの残留実態は、パレイショ の発芽防止 しかし、主に用 い られてきた精製法はこの特 性を十分に利用していると はいいがたい。 剤 の よ う に 貯 蔵 、流通段階での管理のため 使用される農薬が加工後に も残留し、食品衛 この相反するともいえる物 性に着目して開発した抽出 、精製法はガスクロマトグ ラフィ 生上重要な位置を占めるこ とを改めて認識させるもの である 。 一分析にも応用できる 。 また、ここ 10年 の LC用検出器の改良により環境 庁の調査に 第 3節 で 述 べ たトリブPチノレスズ化合物は 、日本における養殖鮮魚中 の残留については 0 改善を見たものの 、その残留性、海水中の濃 度として 10 ng/L という極めて低いレ ベ おける統 一定量限界は確保できる 。 ・ 1987)ことから見て、 PCB 生殖機能の撹乱という毒性 を発現する (Gibbsetal, ノレで、 第 H章では、第 I章で開発した分析法を用 いて 、食品残留について調査し た 。 などとともに 人類が製造した化合物の中 でも大きな問題を苧んだ化 合物の一つである 。 の残留については 、欧米と比べ格段に 第 1節で述べたイチゴのウ ドンコ病対策殺菌剤l 地球的視野に立って 、使用規制を行ってゆく必 要があろう 。 高いものであった 。現在日本の市場を席巻し ている品種 "豊 の 香 "のウドンコ病に対す る無防備さが 、イチゴ農家を困惑させてい る(池田 ,1991;Tanigawaetal.,1993; 第 皿章では 、長期にわたる現地調査に より農薬の土壌残留性の見 直しを行った。 金磯 , 1995)。殺菌剤jの過度の使用を避けるため に 、耕 種 的防 除 、 とくに 耐病性の品 土壌残留性の高 い農薬を規制することは 、農薬取締法の 1971年改正の骨子の 一つで 種への転換を検討する必要 があると考える 。このことは、巨費を投じ て開発された殺菌 ある 。 しかし 、土壌残留性の検定の方法 は 、 「農薬の使用の直後における採取の時から、 剤の有効性を長持ちさせる ことにも繋がる 。 ・・・・・ その残留量の分析値を比較 し 、二分の 一以下 1 年未満に採取した試料につ いて 、 日本は、農耕地の単位面積 あたりの農薬の投入量は 、二位の欧州を 5 倍 以 上 引 き 離 に減少した値が確実に示さ れているかどうかを確認す る J(農林省告示 , 1971) と明記 安藤 1990)。 この要因として 、品種名 、形 状 、色 、キズの有無を偏 しての 一位である ( されて い る。 一 方、農薬が使用されてから 数週間後から 1 年までの土壌残留性は、第 重する日本の流通業界の要 求を、農業生産者が受け 入れざるを得ず 、必ずしも風土に適 三 半減期で表現され 、農薬の使用から 1 年以上経過した後の長期的 残留は 、第四半減 していない品種を栽培し 、いわゆる "芸術品 "を出荷することが強要され てきたと、しば 期によって表されるといわ れている 。このことは、現在の農薬 取締法の求める試験が長 56 57 期的残留を把握する ものでは ないことを意味す る 。 第 V章 要 約 プロシミドンにつ いては、第三半減 期は半年以 実際、第 1節で、述べた有機塩素殺菌剤l 1985; Walker and Sarah 1990)、一方 、 著 農薬をはじめとし て、人工有機化学 物質は人問生活の 利便性を与える 一方で、環境汚 者の調査により、 第四半減期は 2年以上と推定され た 。 ところが、中村 (1990)が示し 染、食品汚染、作 業者暴露などを介 して、ヒトを含む 様々な生物にリス クをもたらして た埼玉県内のデータを用いれば、 DLD が使用の直後にお ける採取の時から 1 年未満に きた 。現在も次々と新 たな化合物が合成 され、使用前に残 留性、毒性の試験 は行われる 四分の一以下に減 少したことが示さ れたこととなり、 土壌残留性試験を 通過しかねない 。 ものの、科学的、 また経済的制約に より十分なものと はいえない 。現在は六万以上 もの 農薬取締法の骨子の 一つである、土壌 残留性の高い農薬 の締め出しのため には、第四半 人工有機化合物が 使用され、農薬に 限っても有効成分 で 400 を上回る有機化合 物が使 減期を把握する必要 がある 。 用されていると言 われている 。また、その危険 性故、使用禁止と なった有機化合物 も多 内との報告がいくつかあり(河野ら, このような土壌残 留により、プロシ ミドンは次年に栽 培された作物につ いても土壌か くあるが、それら の環境中の残存量 についても明らか になっていないも のも少なくない 。 ら移行した結果とし て、検出される可能 性がある 。永山ら (1991)および小林ら (1994) ヒトを含む生物環 境の保全のため、 これらの化学物質 の毒性、環境動態 および食品汚染 は、東京都に入荷 した無農薬あるい は減農薬と称する 作物から、プロシ ミドンを検出し レベルを把握する ことが必要である が、その実体が不 明のままである化 合物も少なくな ているが、土壌な どからの移行を念 頭に置いておく必 要がある 。 い。その原因の一つ に、環境中あるい は食品中の汚染レ ベノレの定量のた めの簡便な測定 さらに、プロシミ ドン以外にも、現 在登録を受けてい る農薬の中で、第 四半減期が 1 年を上回るものとして、フェナリモノレ 、イソプロチオラン などが報告されて いる(能勢 , 方法が開発されて いないことも挙げ られる 。 著者は、農薬など の環境動態、食品 汚染レベノレを明 らかにすることを 目的として、主 に液体クロマトグ ラフィー (LC) を活用して、いく つかの農薬などの 簡便な分析方法 1987)。 第 2節で述べたデイノレドリンの土壌半減期は推定値が 27年程度と非常に長 いもので を研究開発し、ま だ実体が明らかに なっていない、そ れらの食品残留レ ベノレの把握を行 あった。デイノレドリンの他にも、 DDT類、ダイオキシン、 PCB、 トリブチノレスズなど、 ってきた 。さらに、長期に わたる現地調査に よる有機塩素農薬 の環境残留特性の 見直し 残留性および微量 残留による毒性の 両面を再評価を行 ってゆくことが求 められよう 。 を行った 。 本研究で扱えた農 薬などの種類は、 有効成分数で 400 を超えるといわれ る農薬のな 1. イチゴなどで防除 の難しい病害であ る、 Sphaerotheca humuli を原因とするウ かでほんの一部に 過ぎないが、国、 自治体などが行う 包括的な環境動態 調査および食品 ドンコ病に対して 使用される殺菌剤 7 種(トリアジメホン ,キ ノメチオネート ,フェナ 残留調査について の調査方針および 分析方法の策定の ために、本研究が 有用な提言とな ト リフノレミゾーノレ ,ピリフェノックス) に加 ミ クロブタニノレ ,ピ テルタノーノレ , リモノレ , ることを原買うものである 。 えて、 Botrytis cinereaを病原とする灰色 カピ病対策に使用 され、従来から比 較的 高濃度の残留が報告されているジカノレボ、キシイミド系殺菌剤 3 種(イプロジオン,ピン クロゾリン ,プロシミドン)の 同時分析法を作成 した 。 トリプノレミゾーノレの分解を防ぐ ため試料を中性の緩 衝液とアセトンの混 液で抽出し、酢酸エ チノレに転溶して含 水フロリ ジルカラムで精製 を行った 。 本分析法による、 10 種の殺菌剤 12 成分およびその代 謝 物 2成分、合計 14化合物の回収率は 76-92%であり、液体クロ マトグラフーダイ オー ドアレイ検出器 (LC-DAD) および電子捕獲検 出器付きガスクロ マトグラフを用い るこ とにより定量下限 値を 0.01μg/g-raw以下とすることが できた 。 開発した分析方法 を用いて 1992および 93年に奈良市内で市 販されたイチゴ 20検 58 59 体について残留調 査を行ったところ 、ピンクロ ゾ リンを除く 9 殺菌剤が検出され、 いずれかが検出され た割合は、 7001 0であり、ポ テトチプス中の発 芽防止剤の残留に つ LC-DADおよびガスクロマト グラフー質量分析計 (GC-MS)により定性確認さ れた 。全て いては、両剤の残 留実態を把握して ゆくことが、 重要と考えられた。 の検出事例につい て日本の残留基準 を上回るものはな かった 。 ジカノレボ、 キシイミド系殺菌斉J Iが品種を問わず 60-700 1 0の検体から 1種のみ検出され 本分析法は、ポテ トチップス中の free一MLHDの残留実態を明ら かにするために、 極 めて有用な方法と いえる 。 た。 この割合は、欧米 のいくつかの調査 結果の範囲内であ った 。一 方、ウドンコ病対 策 農薬は、品種 "豊の香 "からは 一つの検体から最 高で 5 種が検出され、全 検体の平均検 3. LCによる養殖鮮魚に 残留するトリブチ ルスズ化合物 (TBT)の簡便な分析方法 を作 出割合は 3801 0であった 。品種 "女峰 "からは 一つの検体から 2種まで検出され、 全検体 成した 。 前処理として、試 料をアルカリ ・ エタノーノレで、 分解した後、ヘキ サン へ転溶し、 の平均検出割合は 10%であった 。 これらの割合は、欧 米(検出割合 <0.401 0 )に比べ、 ヘ キサン層を塩酸食 塩水と振塗するこ とによりトリブチ ノレスズクロリド (TBTC) とし、 格段に高いもので あった 。 この結果は、奈良 県、福岡県などの 農業技術者が指摘 する、 イオン交換カラム により精製した 。 11990 年前後に近畿以西の イチゴの市場で品種 "豊の香"が急速に 売上を伸ばしたが、 陽イオン交換タイ プの分析カラムと 紫外吸光光度検出 器とを用いる LCにより定量で この品種はウドン コ病に擢病性が高 いため ,その防除に生産現 場が混乱している 」状況 きた 。 木 分 析 法 に よ る TBT の 回 収 率 お よ び 検 出 限 界 は そ れ ぞ れ 、 87: t40I o 、 0.1 を反映しているも のと推察される 。殺菌剤の過度の 使用を避けるため に、耕種的防除、 μg/g-rawであった 。 とくに耐病性の品 種への転換を検討 する必要があると 考える 。このことは 、巨費を投じ て開発された殺菌 剤の有効性を長持 ちさせることにも 繋がる 。 開発した分析方法 を用いて 1986および 87年に奈良県に入荷 した鮮魚について 可食 部への TBT残留調査を行った 。 養殖鮮魚からは、 0.8 μ/g-rawを最高として 11検 体中 10検体から TBTを検出した 。一 方、天然魚 15検体からは検出さ れなかった 。 当 2. ポテトチップス中 の発芽防止剤、マ レイン酸ヒドラジ ド (MLHD) とクロノレプロフ ア 時の養殖鮮魚中の TBT残留レベルを把握 するために、本分 析法は有用であっ た 。 ム (C工PC)の簡便な同時残留 分析法を作成した 。バレイショ中で の MLHDの主たる存在 形態が非結合型 (f工ee-MLHD)であることに着目 し、試料を MLHD の溶解度の高いメ タ 4. 有機塩素系殺菌剤 プロシミドン (PRCM)が 5年間使用され、最 後の使用から約 1年 ノールで、抽出した 。メタノーノレ抽出液 から中性脂質を除く ためヘキサンとの液 々分配を 経過した 二つの農耕地の土 壌残留調査を行い 、 0.05-0.14附 /g-dryの残留を認めた 。 行った。ここで上層と下層の分離を高めるため、メタノーノレのユ / 5量のアセトニトリノレ これらの農耕地は、 奈良市横井町(奈良 盆地東北部)にあり 、田、畑両用でき、 土性はそ を加えた 。 れぞれ、壌士、砂壌土である 。 この地域の平均気 温、降水量の平年 値は、それぞれ 140C、 下層の 1/3 を取り、再度液々分配(ヘキサン/メタノーノレ/水)を行い、メタノーノレ/ 1300 mmである 。約 4年間の継続調査に よる PRCMの土壌中の残留濃 度の推移につい 水の層を取り、陰 イオン交換タイプ の分析カラムを用 いる LC-DADにより free一MLHD て回帰分析を行った 結果、 PRCMの土壌中の第四半 減期はそれぞれ 2.1、 2.4年、その を分析した 。 95%信 頼 区 間 は 1.7-2.7、1.8-3.7年と推定された 。 さらに、この農耕 地において栽 下層の 2/3 については、 1 回目の液々分配の 下層をヘキサンへ 転溶し、含水フロ リ ジノレカラムで精製して GC-MSに供し、 CIPCを定量した 。 本分析法による 、MLHD,CIPCの回収率および検 出限界は、それぞ れ 81士 5,79: t40I o 、 0.1, 0.01 μg/g-rawであった 。 培された作物への 移行を調査した結 果、イチゴからは 検出されなかった ものの、根菜類 な ど の 可 食 部 で 0.005-0.017 阿 /g-raw 程 度 の 移 行 を 認 め た 。 これらの結果から PRCMは、土壌残留性が 高く、作物移行性 のある有機塩素系 農薬の範│轄に入 るものと推 察された 。 開発した分析方法 を用いて 1994および 95年に市販されたポ テトチップス 20検 体 について残留調査 を行った。 f工ee-MLHDは 、 0.3μg/g-rawを最高に 20検体中 5検 5. 奈良市横井町の四 つの農耕地につい て有機塩素系殺虫 剤の土壌残留を調 査した。こ 体から残留を認め、 uvスペクトノレにより定性確認した 。 CIPCは 、 0.11阿 /g-rawを れ ら の 農 耕 地 の 場 所 、 土 性 な ど は 前 項 と 同 様 で あ る 。 一つの圃場よりデイ ノレドリン 最高に 9 検体から残留を認 めた。 両斉J Iの複合検出事例は なかった 。すなわち、二剤 の (DLD)を 0.05 問 /g-d工 y程度検出した 。約 6年間の継続調査に よる DLDの土壌中の 60 61 残留濃度の推移に ついて回帰分析を 行った結果、この 圃場における DLD の第四半減期 0信頼区間は 12年 は 27年程度、その 9501 I章 第V Summary 無限大と算出され た 。 この結果は、 DLDの 土壌半減期が、 1980年以前に見積られ た値より、ー桁近 く大きいことを示 すものであ る。 二つの圃場よりク ロ ルデン類 (CDs)をそれぞれ 0.015、0.02附 /g-dry程度検出し た。 それぞれ 5年および 4年間の追跡調査に よる CDsの土壌中の残留濃 度の推移につ Artificial 0工ganic chemicals such as pesticides have facilitated certain conveniences to human life but they also pose risks to plants and animals including humans due to environmental pollution, food contamination and worker exposure. The toxicity and pe工sistence of いて回帰分析を行 った結果 、二つの圃場にお ける CDs 濃度の土壌中の第 四半減期はそ these substances is estimatedbeforemarketing,but theseestimations れぞれ 7年と 6年、その 95%信頼区間は、それ ぞれ 5-13および 4-9年であった 。 are not adequate because of scientific and economic limitations. 000ormoreofa工tificialorganicchemicalsa工ecommonly Currently,60, used,andnew chemicals are be工ngdeveloped and synthesized one after another. As for pest工cides, 400 or more chem工cals are cu工工 ently registered. Furthermore,manychemicals have alreadybeenbanneddue to the associated risks. For many of these banned chemicals, the persistent residues in the environment and continuing influences on animals and plants a工e still not fully understood. Therefore,the protection of 七he environment requi工es a bette工 understanding of toxicities and environmental fates of pesticides,but those of many pesticides were not investigated sufficiently. One of the causes of this situation is the lack of a simple yet precise analytical method for residue levels of pesticides in foods and the environmen七s. The autho工 investigated the environmentaユ fates of the chemicals, particularly foodcontaminationbypesticides,anddevelopeda simple andprecisemethod fordetecting residues ofpesticides andorganotin compounds on using liquid chromatography (LC) mainly,focusingonthe residue levels of pesticides and organotin compounds 工n foodstuffs. Furthermore, the persistence of organochlor工ne pest工C工de were reestimated with long-term f工eld research. . A multiresidueanalyticalmethodwasestablishedfor7fungicides 1 phaerothecahumuli - Myclobutanil, usedtocontrolpowderymildewbyS Bitertanol, Triflumizole, Triadimefon, Pyrifenox, Chinomethionat, 62 63 Fenarimol , and 3 dica工boximides - Iprodione, procymidone, Vinclozolin -,and a market survey was carried out in Nara,Japan. Powderymildewis aseriousprobleminthecultivationofstrawberr工es 2 . A simultaneous analytical method for two sprout inhibitors - in Japan. The dicarboximides have often been reported as a residue maleic hydrazide (MLHD) and chlorpropham (CIPC) in many foodstuffs. chips was established,and a ma工ket survey was carried out in Na工a, Homogenization of st工awberry samples was carried out after add工ng 一 工e sidue in potato Japan. the neutral buffer solution and acetone to preven七 七 he degradation Because f工ee一MLHD 工s the major form in potato,and methanol seems of triflumizole. The extract was cleaned up with hydrated florisil tobeabetter solvent forMLHDextract工on,the samplewas homogenized column chromatography. Fourteen chemicals were recovered in ranges withmethanol. The extract was partitionedwith hexane to 工emovethe of 75-92も, and the detection limits of those were lowe工 than 0.01 triglyceride. In this process,acetonitrile was added at 20 v/vも of μg/g-raw by liquid chromatography with diode array detector(LC-DAD) methanol for better separation w工th hexane layer. One third of the lower layer was cleaned up for free一MLHD by and gas chromatography with electron capture detector (GC-ECD)・ This analytical method was used for a market survey 工n Na工a,Japan partitioning in H2 0/methanol/hexane (1+1+1). The H2 0・methanol layer in 1992-93. The residues of 9 fungicides except vinclozolin were was analyzed by LC w工th an工on exchange column and DAD for free一MLHD detected in the strawberry samples,and we工e identified with LC-DAD measure立lent. and gas chromatog工aphymass spect工ometry (GC-MS). All the detected substances were below the maximal 工esidue limits in Japan. up with hydrated florisil column,and was offered to GC-MS for CIPC Dicarboximides were detected in 60-70も of the strawberry samples for both ' Toyonoka' and ' Nyohou' varieties. The incidence Two thirds of the lower layer was extracted to hexane,and cleaned 0f dicarboximides 工esidues by our survey seemed to be in the mid-range between those detected in North Amer工ca and Europe. However,fungicides to control powdery rnildew were detected more oftenin ' Toyonoka'thanin ' Nyohou' . Theincidenceofthesefungicide residues shown in our survey seemed to be remarkably h工 gh than those detection. The recovery rate and detection limit of f工ee一MLHDwere 81土 5も, 0.1 μg/g-raw, and those of CIPC were 791 :4も, 0.01 μg/g-raw respectively. This analytical methodwas applied to a market surveyof 20 samples ofpotatochipspurchasedfromsupermarketsinNara,Japan,in1994-95. The detection rate of free一MLHD was 25も with a maximal amount of 0.3 seems to reflect the μg/g-raw,and that of CIPC was 45も with a maximal amount of 0.11 μg/g situation describedby agricultural technologists 工nNaraprefecture raw. The工e was no sarnple in which the two sprout inhibito工s were asfollows:"InthesalesofstrawberryinJapan,thevariety ' Toyonoka' detected together,that is to say,the detection rate of for either wonpopularity rapidly in the late 1980's. However,this varietyhas substances was 70も . Th工s analytical method for MLHD 工s useful for no resistance to powdery mildew; farmers are at their w工t's end,not surveying the residue level of MLHD in potato chips. of North America and Europe. This α 王n owing how to control this fungi.H k 工e sult It seems advisable to consider ex 三c hanging the va工iety ' Toyonoka' fo工 one that is more 工esistan七 to 3. A LC method detecting residues of tributyltin compounds (TBT) 、, powde工ymildew in fresh fish was established,and a market survey was carried out on st工aw ぷ vberries,andto reta工nthe effect工venessof these fungicides. in Nara,Japan. 64 65 The muscle of fresh fish was decomposed with alkaline'ethanol,and TBT compounds were extracted to hexane,and converted to tributyltin chloride (TBTC) byshakingwithHCl'NaCl aq. The solutionwas cleaned no residue detected in strawberry samples. PRCMpersistence in soil and t工anslocation rate to crops suggested that PRCM falls into the category of long-lived organochlorine pesticides. 0・ methanol solut工on. up with ion exchange column,and converted to H2 methanolsolutionwasanalyzedbyLCwiththecationexchange 0・ TheH2 5. Residues oforganochlorineinsecticidesweresurveyedin4 fields column and UV detector. The recovery rate and the detection limit of inNara,Japan,and the residue of dieldrin (DLD) was found in a field :4も, 0.1μg/g-raw respectively. : TBT were 87i with a level of 0.05μg/g-dry. Regression analyses on the transition This analytical methodwas applied to amarket surveyof fresh fish of DLD residue in the field for 6.5 years showed that the fourth TBT was half-life of DLD was about 27 years in soil,and its 95も confidence detected from 10 of 11 cultured fresh fish samples and the maximal interval ranged 12 years to infinity. This result and reports in the amount was 0.8μg/g-raw. However,there was no residue detected in 1990's suggested that the fou工th half-life of DLD in soil is larger purchased from supermarkets in Nara, Japan, in 1986-87. the muscles from 15 wild fresh fish. In the late 1980's, this analytical method was useful for surveying the 工esidue level of TBT than the values est工mated before 1980. Residuesofchlordanes (CDs) were foundintwofields. Theresidual amounts of CDs in these two fields were about 0.015,0.020 ~g/g-dry in cultured fresh fish. atthebeginningofthis study. Regressionanalysesonthe transition of of CDs residues in two fields for ca. 5 years resulted that fourth organochlorine fungicide procymidone (PRCM) in soils,and uptake by half-lives of CDs were 7, 6 years in these soils, and their 95も 4 Two fields were investigated the persistence plants from soils. The fields selected for this study we工e both 工n confidence intervals ranged 5-11,5-9 years,respectively. the north east area of Nara Basin in Japan at lat. 34 38N,long. 135 50E. In this region,the average temperature is 14 C and the average rainfall is 1600 mm/year. The soil types in these fields were loam and sandy loam 工espectively,and the fields have been cultivated for bothriceandvegetables. ThesefieldswerefumedwithPRCMfor5years so as to strawberry production,and the residue survey was carried out 1yearafter the last fumigation. The residue levels of PRCMwere 0.05-0.14μg/g-dry at the beginning of this study. Cu工rently, there a工e more than 400 a工tificial chemicals use as pesticides. However,fewer than 20 pesticides were investigated in this study. Nevertheless,the author hopes this study provides the useful advice forthedevelopmentof ananalyt工calmethodandplanning for inclusive investigations of environmental fate and food contamination by pesticides. Regression analyses on the transitions of PRCM residues 工n two fields for ca. 4 years resulted that the fourth half-lives of PRCM in these soils were 2.1,2.4 years,and the 95も confidence intervals ranged 1.72.7, 1.8-3.7 years respectively. PRCM translocation from soil to vegetables grown in these fields was detected in the amount of 0.005-0.017μg/g-raw,whereas there was 66 67 文献 謝辞 秋山由美 ,吉岡直樹,矢野美穂 ,三橋隆夫,武田信幸 (1997) 農産物中の残留農薬実態調査 (1994-1996年度).食品衛生学雑誌 38:381-389 A m b ど us A., Buys M.,Miyamoto J., Otto S. 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