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Ⅳ
エネルギー別の状況
石 炭
石炭は、中心的なエネルギー源として利用されています。一次エネルギー消費量は過去30年間に
わたり年率4.3%で伸びており、2000年∼2030年までの間において、伸び率は低下するものの、
年平均2.2%で増加することが予測されています。
中国は世界最大の石炭消費国ですが、国内に石炭資源が豊富にあり、日本や韓国に石炭を輸出して
います。政府としても今後石炭輸出を強化していく予定ですが、急増する国内需要をまかないつつ、
輸出を拡大できるかは不透明な状況です。
■ 図12-1
中国の石炭一次エネルギー消費量
■ 図12-2
中国の石炭生産量、石炭輸出量の推移
(百万トン/石油換算)
1,000
(百万トン/石油換算)
1,500
1,278
1,200
900
61.01
石炭純輸出量
石炭生産量
800
854
900
2.07
2.09
3.16
0.61
20
5.55
0
-20
538
400
691
300
313
300
1971
1980
1990
2001
0
2010
2030 (年)
[推計] [推計]
出典
IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003(1971年∼2001年)
IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002(2010,2030年推計)
石 油
石油の消費量は、運輸部門が牽引する形で、
194
207
1971
1973
1980
400
-80
1985
1990
1999
2000
-100
2001(年)
578
336
300
235.54
200
でいます。ただし、主な国内供給源である中国
100
東部の油田が寿命を迎えることから、国内生産
0
まかなわなければなりません。
1995
中国の石油一次エネルギー消費量
江省)などの従来からある国内油田に加えて、
したがって、増加する消費量分の大半を輸入で
-40
-60
419
(百万トン/石油換算)
600
年々需要が増大してくことが予想されます。
量は長期的には増大しないものと思われます。
699
311
■ 図13-1
500
最近では、渤海沖などの沖合油田の開発が進ん
678
出典
IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
年々増加しています。今後、自動車の普及に伴い、
これに対し、国内の供給面では、大慶油田
(黒龍
670
537
200
192
100
0
40
18.07 25.85
500
642
600
600
60
40.58
700
80
94.45
115.68
43.18
1971
1980
1990
2001
2010
2030 (年)
[推計] [推計]
出典
IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003(1971年∼2001年)
IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002(2010,2030年推計)
現在、原油輸入の大半は中東からの輸入ですが、これに加えて、中国国営の中国石油天然氣集団
公司などが、インドネシア、カザフスタン、ベネズエラ、スーダン、イラン、ペルーにおいて探査権・
産出権の獲得をしています。
9
■ 図13-2
中国の石油需給バランス
(百万トン/石油換算)
300
87.08
石油純輸入量
原油及びNGL生産量
270
60.88
80
93 年以来、石油輸入国に転じ、
60
以降年々輸入量が拡大している。
81.79
20.59
240
100
輸入
40
20
-17.57
210
3.77
2.99
180
0
-31.2
-10.99
160
163
164
150
-20
-40
138
150
-60
127
-80
108
120
-100
90
60
-120
55
-140
40
-160
30
0
-180
1971
1973
1980
1985
1990
1995
1999
2000
-200
(年)
2001
出典:IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003
天然ガス
天然ガスの一次エネルギー消費量は今後30年間で約5倍に増大すると予測されますが、一次エネ
ルギー消費量全体としては、依然として低い水準で、約7%にとどまります。
中国国内のガス田は、西部の3盆地(タリム盆地、四川盆地、オルドス盆地)と中国大陸沖合が主な
産出地です。これを消費地である東部沿岸地域に輸送するため、タリム盆地と上海間全長4,000km
を結ぶ「西気東輸」
、東シナ海沖から沿岸地帯まで海底パイプラインで結ぶ「海気登陸」が建設中です。
また、LNG受入ステーションが、広東省(2005年から供給開始予定:オーストラリア北西大陸棚
プロジェクトからLNG輸入予定)
と福建省(2007年から供給開始予定:インドネシアタングープロ
ジェクトから LNG 輸入予定)に建設中であり、輸入計画が着々と進んでいます。このほかにも上海
南部の浙江省、天津にも300万t/年規模のLNG受入ステーションを建設予定です。
● 国産天然ガス…「西気東輸」
西部タリム盆地における天然ガスを上海などの東部地域に輸送
する。2000年9月に着工し、2005年のメインパイプライン
供給開始を目標とする。東部区間は完成し、今年 1 月 18 日に
商業運転を開始。
● 海洋天然ガス…「海気登陸」
海洋ガス田から産出される天然ガス(海南島沖、東シナ海沖など)
を海底パイプライン経由で輸送。
■ 図14
中国のガス一次エネルギー消費量
(百万トン/石油換算)
160
151
140
120
100
80
57
60
33.4
40
出典
IEA ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2003(1971年∼2001年)
IEA WORLD ENERGY OUTLOOK 2002(2010,2030年推計)
10
20
12.0
15.8
1980
1990
3.1
0
1971
2001
2010
2030 (年)
[推計] [推計]
■ 図15 中国の天然ガスパイプライン図
ロシア極東
サハリン
輸入100億K
西シベリア
輸入200∼300億K
満州里
松遼盆地
754億K
大慶
Baikonguan
克拉瑪伊
中央アジア諸国
輸入300億K
シュンカル盆地
253億K
石河子
ウルムチ
長春
ハミ
鞍山
柳園
タリム盆地
5,150億K
敦煌
50
∼
12
0億
武威
渋北
ゴルムド
西寧
天津市
滄州
永清
石家荘
靖辺
蘭州
韓城
連雲港
中原油田
信陽
青百江
成都
四川盆地
7,025億K
射洪 渠県
淮北
淮南
定遠
南京
100億K
杭州
付家廊
重慶市
確認原始埋蔵量(2000年)
平湖ガス田
紹興 岱山
春暁ガス田
大蘓島
麗水ガス田
南昌
長沙
南通
上海
寧波
金華
越渓 重慶
東海盆地
842億K
塩城
合肥 50∼ 常州
忠県
Qili
凡 例
武漢
潜江
渤海湾盆地
龍口 2,755億K
威海
孤島
掠兄 煙台
済南 徑鴬 膠州
青島
泰安
日照
濮陽
侯馬
鄭州
洛陽
西安
大連
北京市
太原
楡林
鳥審旗
銀川
甘塘
3億K
3
オルドス盆地
4,088億K
K
張掖
ツァイダム盆地
1,472億K
県
フホホト
塔中
温州
遵義
LNG受入ステーション
炭層ガス
油・ガス田
一般都市
省都
既設パイプライン
2001年∼2005年期間のパイプ・ライン建設計画
2006年∼2010年期間のパイプ・ライン建設計画
2011年∼2020年期間のパイプ・ライン建設計画
福州
LNG、260万t(2007年)
大理
楚雄 昆明
貴陽
蒿嶼
アモイ
桂林
盤江
景洪
台湾
韶関
広州市 汕尾
深セン
秤頭角
マカオ
江門
香港
南寧
(出所)日本エネルギー経済研究所
Ⅴ
興隆台
撫順
遼陽
コルラ
柯克亜
鉄法
新民
瀋陽
トルファン盆地
256億K
膳善
輪南
Kuibage
依蘭
ハルビン
大慶油田
十万大山
鉄州
(東シナ海)
LNG、300万t(2005)
500万t(2009)
湛江
海口
東方 楽東
鶯歌海
鶯歌海盆地
1,606億K
剥東
東南盆地
884億K
三亜
崖城ガス田
(南シナ海)
電力事情
電源構成
中国全体の発電設備容量は、3億1,900万kW(2000年時点)であり、2005年時点では、中国全体
で約4.8億kWに、2010年には6.5億kW、2020年には9.51億kWに達する計画を立てています。
1. 石炭 石炭資源が豊富に埋蔵されていることに加えて、石炭火力発電所の建設コストも低いため、新設
される発電所の大半は石炭火力発電所となります。
2. 天然ガス
天然ガス火力発電は、現在、極めて低い水準にありますが、今後は、普及促進が国の重要課題と
位置づけられており、今後、構成比率は上昇することが見込まれます。
3. 原子力発電
原子力発電については、91年に初めて運転が開始され、現在、広東省、浙江省にある、9基の原子力
発電所(672.4万kW)が稼働しており、100万kW2基が現在建設中(江蘇省)です(2004年4月時点)
。
最新の計画によれば、2020年までに3,600万kW程度に拡大する計画で、発電電力量に占める
割合は、2030年には5%に増加します。
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