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第14回大阪府市統合本部会議資料
資料3-7
府市港湾事業のあり方について
平成24年6月19日
《港湾タスクフォース》
TFリーダー
【府都市整備部港湾局】
河野港湾局次長
TFサブリーダー
【市港湾局】 徳平計画整備部長
1
目
I 大阪湾諸港の一元化
III 統合の方向性
p3-11
1 大阪湾諸港と釜山港の比較
2 大阪湾諸港の課題と方向性
3 大阪湾諸港のあるべき姿
II 府市港湾局の現状と課題
1 府市港湾の現状
2 現状分析
3 府市港湾局の課題
次
1
2
3
4
p12-65
p66-73
府市統合の考え方
経営形態の比較
現港務局制度の課題
新港務局設立に必要な制度改正等
IV 統合プラン(案)
p74-80
1 新港務局で実施する事業(案)
2 新港務局の収支(試算)
3 新港務局の組織(案)
V 統合の効果
p81-84
1 府市統合の効果
2 府市統合に関するヒアリング
V I まとめ
p85-87
1 基本的方向性(案)
2 新港務局設立に向けたスケジュール(案)
2
I 大阪湾諸港の一元化
1 大阪湾諸港と釜山港の比較
2 大阪湾諸港の課題と方向性
3 大阪湾諸港のあるべき姿
3
I-1 大阪湾諸港と釜山港の比較
・大阪湾諸港の規模は、釜山港とほぼ同規模
⇒狭いエリアに4つの港湾管理者が存在している。
大阪湾諸港
釜山港
(神戸港・尼崎西宮芦屋港・大阪港・堺泉北港・阪南港)
(北港・釜山新港)
尼崎西宮芦屋港
(兵庫県)
神戸港
北 港
釜山新港
大阪港
(神戸市)
25km
(大阪市)
25km
10km
堺泉北港
(大阪府)
阪南港
(大阪府)
○港湾取扱貨物量(2009年)
226,536千トン(内、コンテナ取扱個数4,090千TEU)
○港湾取扱貨物量(2009年)
226,182千トン(内、コンテナ取扱個数11,954千TEU)
4
I-2 大阪湾諸港の課題と方向性
■大阪湾が抱える課題
日本の経済成長を牽引するため、港湾の国際競争力低下に歯止めをかけるととも
に、利用者ニーズに合ったより使いやすい港への改革が求められている。
具体には
①日本の国家戦略を担う阪神港の国際競争力強化
⇒貨物の集荷力向上等や港湾コストの低減等により、減少する基幹航路の維持・拡大を図り、
関西の経済・産業の成長を支えることが必要
②管理者ごとの縦割り管理から一元的な管理による物流の効率化
⇒湾全体で施設を有効活用し、利用者ニーズに応じた施設の利用調整やスケールメリットを活
かした貨物集積を行うこと等により、広域物流の効率化を図ることが必要
⇒限られた予算を有効活用し、湾全体で優先される事業に集中投資を図ることが必要
③埠頭の管理コストの削減・サービス水準の維持向上
⇒老朽化により維持管理コストが増大するとともに、利用者ニーズへの機動的な対応が難しく
なっており、効率的な港湾の管理運営体制を構築することが必要
⇒港湾管理者は物流以外の多様な業務を担っており、業務の整理が必要
5
I-2 大阪湾諸港の課題と方向性
大阪湾内縦割り港湾管理の課題
■管理者ごとでの港湾機能フルセット対応による非効率性
〇各港にコンテナ埠頭、中古車埠頭、青果物埠頭、リサイクル
施設などが立地
■湾全体で見た空間利用・施設利用に偏り
〇大都市圏を抱える大阪港の狭い港域に港湾機能が集中する一
方、隣接する尼崎西宮芦屋港や堺泉北港の空間には余裕あり
○大阪港・神戸港への物流の集中などにより、貨物車の都心部
への流入による慢性的な渋滞が発生
■港湾管理者ごとに投資計画を策定
〇それぞれの港湾管理者がその自治体の財政状況で予算を策定する
ので、投資の選択と集中に限界
6
I-3 大阪湾諸港のあるべき姿
○大阪湾諸港の港湾管理の一元化
大阪湾が抱える課題①(国際競争力強化)、②(縦割り管理)に適切に対応するには、
・地域の利害に左右されず広域の利益を優先し、意思決定や裁量権を一元化すること
が必要。
⇒ 『大阪湾諸港の港湾管理の一元化を行う』
・一元化の効果をより一層高めるためには、広域化にあわせて港湾物流を専門的に担
う体制が必要。
⇒ 『一元化を行う業務として、主に物流に係る事業を対象とする』
○民間活力を取り入れた機動的かつ効率的な港湾運営
への変革
大阪湾が抱える課題③(コスト低減・サービス水準向上)に適切に対応するには、
・より機動的かつ効率的な体制構築に向け、採算性を考慮した上で、可能なところから
港湾運営の民営化を行う。
7
I -3 大阪湾諸港のあるべき姿
■大阪湾諸港の港湾管理の一元化のメリット
○利用者の視点に立った道路、鉄道及び空港等の物流施策との連携による広域物流戦略
の構築が可能となる。
○広域防災施策との連携による、大阪湾全体で取り組む被災時の物流体系の確保につい
て、取り組みの強化が図られる。
○投資の「選択」と「集中」や、施設の適正な配置を行うことにより、利用者(ユーザー、プレ
イヤー)にとって最適な投資、施設の提供をタイムリーに実現することが可能。
○規模拡大により、利用者(ユーザー、プレイヤー)に提示する商品(施設)が多様化するこ
とから利用者の進出機会の増加が期待できる。
○人材やノウハウ、予算の有効活用による運営の効率化を図ることにより、コスト低減の実現。
8
I -3 大阪湾諸港のあるべき姿
■大阪湾諸港の港湾管理の一元化組織の選択肢
港務局
根拠法
団体の性格
港湾法第4条
営利を目的としない公法上の法人
(地方公共団体ではない)
構成自治体
○現に、港湾施設を管理する地方公共団体
○従来、港湾施設の設置・維持管理の費用を
負担した地方公共団体
○予定港湾区域を地先水面とする地域を区域と
する地方公共団体
設立(変更)に必要 ○構成自治体の議会の議決(定款)
な手続き
○設立・予定港湾区域等の公告
○国土交通大臣の同意
代表者
議会の関与
財務
参考事例
一部事務組合
広域連合
港湾法第33条、地方自治法第284条
港湾法第33条、地方自治法第284条
特別地方公共団体
特別地方公共団体
○事務の一部(港湾管理者業務)を共
同処理する普通地方公共団体(都道府
県や市町村)
○事務の一部(港湾管理者業務)を広域にわ
たり総合的かつ計画的に処理する普通地方公共
団体
○構成自治体の議会の議決(規約)
○予定港湾区域等の公告
○国土交通大臣の同意
○総務大臣の許可
○管理者
○構成自治体の議会の議決
○予定港湾区域等の公告
○国土交通大臣の同意
○総務大臣の許可
○連合長
○委員長
港務局を代表し、業務を総理
・委員会:港務局の施策を決定し、事務の運営を
指導統制
・委員:港湾に関し十分な知識と経験を有する者
等
○定款の変更(構成自治体の議会の議決)
○規約の変更、解散等(構成自治体の議 ○規約の変更、解散等(構成自治体の議会の
○委員の任免(構成自治体の議会の議決)
会の議決)
議決)
○一部事務組合の予算・決算等(組合の ○広域連合の予算・決算等(広域連合の議会
議会の議決)
の議決)
○原則として、独立採算制
○財源は構成自治体からの負担金や使用 ○財源は構成自治体からの負担金や使用料収
経費(港湾工事に要する費用は除く)は、
料収入等
入等
使用料等の収入をもって賄わなければならない
○債券発行可能(総務省協議を経て発行した前例 ○地方債発行可能
○地方債発行可能
なし)
○損失が生じれば、構成自治体が補填
○構成自治体のみが出資。
新居浜港
苫小牧港(北海道、苫小牧市)、石狩湾
新港(北海道、石狩市、小樽市)、名古
屋港(愛知県、名古屋市)、四日市港
(三重県、四日市市)、境港(鳥取県、
―
島根県)、那覇港(沖縄県、那覇市、浦
添市)
9
I -3 大阪湾諸港のあるべき姿
■大阪湾諸港の港湾管理の一元化にふさわしい組織形態
「港務局」は、一定の制度改正を行うことにより、以下のことが実現できる。
○物流に特化した専門組織とすることが可能
○背後の行政体に独立して、一体の港湾としての管理運営が可能
○運営・経営に重点を置く 時代に適する制度
○機動的・柔軟なサービスの提供が可能
制度改正後の「新港務局」は、国際競争力の強化・利用者ニーズ
に対応する観点からも、大阪湾4港湾管理者一元化に最もふさわ
しい組織形態となる。
一定の制度改正
・港務局制度は「港湾法」に定められているが、具体的な制度設計が必要
・安定した経営基盤とするために、地方税法の改正が必要
・物流に特化した組織とするために、海岸法の改正が必要
など
(制度改正等についてはIII-4で詳細に記載)
10
I -3 大阪湾諸港のあるべき姿
 急がれるあるべき姿
『大阪湾諸港の港湾管理の一元化・港湾運営の変革』の実現
国際競争にさらされる中、湾全体での阪神港の機能強化は待ったなしの状況
能力を最大限発揮するためにも、あるべき姿の早期実現が必要
■基本的な考え方
独立採算を基本に、安定した経営基盤の維持と利用者ニーズに柔軟に対応できる「新港務局」
の組織・システム構築に向けた法制度改正に取り組む。
「新港務局」による大阪湾4港湾管理者一元化を可及的速やかに目指す。
【将 来】
【現 在】
尼崎西宮芦屋港
神戸港
神戸港
大阪港
尼崎西宮芦屋港
大阪港
堺泉北港
阪南港
(港湾の一元管理)
堺泉北港
阪南港
11
II 府市港湾局の現状と課題
1 府市港湾の現状
①
②
③
④
⑤
府市港湾の位置図
堺泉北港・阪南港、大阪港の現状
府市港湾局の事業構成
府市港湾局の会計状況
府市港湾局の今後の事業費の見込み
12
II -1-① 府市港湾の位置図
・大阪府が堺泉北港以南の計8港の港湾管理者、大阪市が大阪港の港湾管理者として、区域を分けて業務を行っている。(府市とも
に、港湾法第33条に基づく地方公共団体単独による港湾管理)
国際拠点港湾
堺泉北港
重要港湾
阪南港
大阪港
国際戦略港湾
大阪港
地方港湾
二色港
地方港湾
泉佐野港
地方港湾
泉州港
地方港湾
尾崎港
堺泉北港
二色港
阪南港
泉州港
泉佐野港
深日港
地方港湾
淡輪港
地方港湾
深日港
尾崎港
淡輪港
13
II -1-② 堺泉北港・阪南港、大阪港の現状
・堺泉北港・阪南港と大阪港の特色(取扱貨物の状況等)
港
格
(千トン)
(輸移出入別)
色
大阪港
国際拠点港湾
重要港湾
国際戦略港湾
2,301
85,283
(全国第12位)
(全国第9位)
公共
私設
15,633(23%)
52,176(77%)
1,994(87%)
307(13%)
78,179(92%)
7,105 (8%)
輸
輸
移
移
2,902 (4%)
25,438(38%)
17,738(26%)
21,731(32%)
21 (1%)
450(19%)
68 (3%)
1,762(77%)
10,053(12%)
25,095(29%)
21,767(26%)
28,368(33%)
主要取扱品目
特
阪南港
67,809
H22取扱貨物量
(公専別)
堺泉北港
出
入
出
入
石油製品、完成自動車(輸出)
原油、LNG(輸入)
フェリー貨物(移出)
原油、フェリー貨物(移入)
エネルギー関連・在来貨物主体
の港湾
金属くず(輸出)
木材チップ、原木(輸入)
原木(移出)
砂・砂利(移入)
一般バルク貨物主体の港湾
【H22大阪湾における各港の取扱貨物量シェア】
※参 考
・神戸港;85,532(千トン)
・尼崎西宮芦屋港;4,506(千トン)
鋼材、産業機械(輸出)
衣服・見廻品・はきもの(輸入)
フェリー貨物(移出)
フェリー貨物(移入)
尼崎西宮
芦屋港
1%
コンテナ貨物主体の港湾
堺泉北港
28%
神戸港
35%
大阪港
35%
阪南港
1%
14
II-1-③ 府市港湾局の事業構成
大阪港
堺泉北港、阪南港
港湾管理者
府
市
港
湾
局
で
共
通
の
事
業
○港湾事業
・港湾計画の作成や貨物集荷・航路誘致等のポートセールス、港湾区域・臨港地区内の規制、
公有水面埋立免許など
・防波堤、航路、岸壁、上屋、荷役機械、道路・緑地等の港湾施設の整備・管理運営など
○埋立事業
・埋立地の造成、基盤整備など
○環境事業
・廃棄物埋立護岸の整備・管理運営など
海岸管理者
○海岸事業(港湾区域内)
・防潮堤などの海岸保全施設等の整備・管理運営など
府
市
港
湾
局
で
異
な
る
事
業
府港湾局
市港湾局
○地方港湾の整備・管理運営
(二色港、泉佐野港、泉州港、尾崎港、淡輪港、深日港)
○海岸事業(港湾区域以外)
○受託事業(漁港)
○集客施設等の管理運営
○ポートタウンの関連業務 など
15
II-1-④
府市港湾局の会計状況
1 現状(4)
■大阪府営港湾
【会計・事業区分図】
・港湾の機能、利用向上に資するための港湾施設の整備
・港湾施設の運営及び維持管理、施設機能改善・更新
・港湾、海難事故防止事業、港湾保安対策事業、港湾統計業務
・港湾の利用促進や航路誘致及び港湾関連用地への企業誘致
【会計区分】
○港湾事業(一般会計);
岸壁より海側(岸壁、航路、泊地、防波堤など)
○港湾整備事業(特別会計(法非適用));
陸側(荷役機械、荷捌地、上屋、臨海土地造成事業など)
【港湾事業(一般会計)の状況】
第1部( 経常収支)
科目
H19
H20
H21
H22
H23
歳入
11
11
10
10
10
港湾使用料
10
11
10
10
10
その他
1
0
0
0
0
歳出
13
11
10
10
31
人件費
6
6
6
6
5
物件費
7
5
4
4
5
公債費
20
※公債費…H23年度より事業ごとに区分計上となった。
単位:億円
第2 部( 資本収支)
科目
H19
H20
H21
H22
H23
歳入
20
20
29
16
14
国庫支出金
4
4
4
3
2
起債
7
6
8
4
8
その他収入
9
10
17
9
4
歳出
23
23
31
19
15
港湾建設費
10
8
6
7
5
国直轄事業負担金
12
14
22
11
6
港湾施設改修費
2
2
2
1
3
単位:億円
一般会
計
港湾事業
特別会
計
臨海土地造成
(臨海部土地造成事
業)
港湾整備
(港湾機能施設整備事
業)
【港湾整備事業特別会計の状況】
第1部(経常収支)
科目
営業収益(施)
営業外収益(施)
営業収益(埋)
営業外収益(埋)
収入計
営業費用(施)
営業外費用(施)
営業費用(埋)
営業外費用(埋)
支出計
第2部(資本収支)
科目
起債(施)
固定資産売却代金(施)
その他収入(施)
起債(埋)
固定資産売却代金(埋)
その他収入(埋)
収入計
建設改良費(施)
起債償還金(施)
その他支出(施)
建設改良費(埋)
起債償還金(埋)
その他支出(埋)
支出計
起債残高(H23末)
○港湾整備:150億円
単位:億円
H19
H20
H21
H22
H23
38
38
36
35
36
0
0
0
0
0
95
11
10
9
9
0
0
0
0
0
133
50
46
45
45
9
11
10
13
12
5
5
4
4
4
5
3
3
2
2
6
6
5
5
4
25
24
22
23
21
単位:億円
H19
H20
H21
H22
H23
12
10
12
9
14
0
1
10
5
5
4
6
17
40
55
30
27
2
40
2
27
14
13
18
59
133
37
93
1
20
5
4
66
18
114
38
110
1
21
6
3
88
11
129
○臨海土地造成202億円
45
91
1
17
8
3
70
11
109
27
74
7
18
16
4
51
2
98
16
II-1-④ 府市港湾局の会計状況
■大阪市港湾局の会計区分
○本市港湾事業は「一般会計」及び「港営事業会計」により会計処理を行っている。
○事業としては、岸壁、防波堤等の港湾施設や臨港緑地の整備を行う大阪港修築事業、高潮対策のための港湾地帯防災事業
及び廃棄物埋立処分場の整備を行う港湾環境整備事業等については「一般会計」(港湾整備事業)により処理を行っており、
補助・直轄事業として国費が投入されるとともに市税を充当している。
○また、岸壁等の基本施設の整備に対応して、港湾の機能を効率的に発揮させるために必要な埠頭用地、上屋、荷役機械等
を整備する港湾施設提供事業(港湾機能施設整備事業)、及び流通施設用地や保管施設用地等物流の効率化に資するもの
や都市機能用地等を造成する大阪港埋立事業(臨海部土地造成事業)については、収益性の高いものとして、地方公営企業法
の財務規定等を適用した「港営事業会計」により処理を行っている。
決算の推移
【一般会計】
第1部(経常収支)
科 目
H19
歳入
97
港湾使用料
28
賃貸料
64
その他
5
歳出
268
人件費
36
物件費
13
公債費
219
【港営事業会計】
単位:億円
H20
96
27
63
6
240
34
13
193
H21
91
22
62
7
245
31
13
201
H22
89
20
63
6
231
28
12
191
科目
H23
89
23
62
4
248
29
13
206
営業収益(施)
営業外収益(施)
特別利益(施)
営業収益(埋)
営業外収益(埋)
特別利益(埋)
収入計
営業費用(施)
営業外費用(施)
特別損失(施)
営業費用(埋)
営業外費用(埋)
特別損失(埋)
第2部(資本収支)
科 目
H19
歳入
258
国庫支出金
11
財産売却代
41
起債
164
その他
42
歳出
268
大阪港修築費
127
振興事業費
2
港湾地帯防災事業費
9
港湾環境整備費
114
特別会計繰出金
0
諸支出金
16
支出計
H20
234
25
23
153
33
243
176
2
19
40
0
6
H21
324
18
4
266
36
333
116
2
20
28
164
3
単位:億円
収益収支
H22
107
15
23
51
18
107
88
2
13
2
0
2
H23
81
8
7
37
29
95
72
2
11
1
1
8
H19
68
5
1
132
19
1
226
51
6
0
153
22
0
232
H20
66
5
3
83
21
0
178
54
6
0
84
19
0
163
H21
59
8
1
59
13
164
304
57
5
1
67
16
692
838
H22
48
9
1
53
12
4
127
54
5
1
59
17
0
136
H23
54
9
1
108
11
0
183
53
6
1
102
18
0
180
H19
23
0
1
5
1
9
39
17
29
0
12
106
1
165
H20
20
0
1
24
0
7
52
13
23
0
33
75
11
155
H21
10
2
1
9
0
266
288
3
28
0
19
142
11
203
H22
11
2
1
14
0
23
51
4
23
0
24
87
8
146
H23
13
0
1
43
0
14
71
10
22
0
56
31
11
130
資本収支
注)H23は予算、(施)は港湾施設提供事業、(埋)は大阪港埋立事業を指す。
科目
企業債(施)
固定資産売却代金(施)
雑収入(施)
企業債(埋)
固定資産売却代金(埋)
その他収入(埋)
収入計
建設改良費
企業債償還金(施)
その他支出(施)
埋立事業費
企業債償還金(埋)
その他支出(埋)
支出計
起債残高(H23末)
(施):168億円
(埋):1,460億円
17
II-1-⑤ 府市港湾局の今後の事業費の見込み
■大阪府
注:事業費は平成25 年度~平成32年度の概算額であり、
実施を想定している主な事業を記載している。
今後の主な事業(事業費)
一般会計
国※1:大津航路浚渫・堺2区耐震強化岸壁整備(44億円)
府※1:汐見3号岸壁整備(36億円)、汐見沖岸壁整備(10億円)
泉大津大橋改修(8億円)、阪南2区耐震強化岸壁(14億円)
海岸高潮対策(41億円)
特別会計
(港湾整備事業)
府:荷役機械改良他(12億円)
特別会計
(臨海土地造成事業)
府:阪南2区インフラ整備(12億円)、汐見沖地区インフラ整備(43億円)
■大阪市
今後の主な事業(事業費)
一般会計
国※1:YC岸壁整備(174億円)、主航路浚渫(432億円)、南港東岸壁(33億円)
貸付※2:YC上物整備(41億円)、C1-4等改良(84億円)
市※1:防潮堤耐震化等(119億円)、橋梁耐震化(26億円)、
緑地整備(32億円)
港営事業会計
(港湾施設提供事業)
市:南港東埠頭用地(27億円)
港営事業会計
(大阪港埋立事業)
市:夢洲土地造成(143億円)
18
※1:国費含む、※2:自己資金含む
II 府市港湾局の現状と課題
2 現状分析
① 府港湾局の現状分析
② 市港湾局の現状分析
19
II-2-① 府港湾局の現状分析
(1)港勢
■大阪府営主要港湾の施設の状況
港湾区域面積
航路
国際拠点港湾 堺泉北港
重要港湾 阪南港
9,000ha
1,500ha
○堺航路(水深10m 幅員250m 延長6.9km)
○浜寺航路(水深16m 幅員300m 延長6.8km)
○大津航路(水深12m 幅員300m 延長2.2km)
○大津南航路(水深12m 幅員300m 延長3km)
○岸和田航路
水域施設
(泊地)
○浜寺泊地 544ha
○大津泊地 220ha
○木材泊地 86ha
○貝塚南泊地 57ha など
係留施設
[主要公共岸壁]
○助松1号岸壁(水深9m 延長280m)
○助松8号岸壁(水深12m 延長480m)
○汐見5号岸壁(水深12m 延長720m) など
※合計 岸壁・物揚場;延長15.3km
[主要公共岸壁]
○岸和田1号岸壁(水深10m 延長185m)
○岸和田2号岸壁(水深12m 延長240m)
○新貝塚2号岸壁(水深7.5m 延長780m) など
※合計 岸壁・物揚場;延長8.3km
・その他、エネルギー等関連企業の私設岸壁
・その他、石油類精製関連企業の私設岸壁
荷さばき施設
○荷さばき地(助松埠頭等) 66ha
○荷さばき地(阪南1区等) 32ha
上屋
○府営上屋 25棟
※堺泉北埠頭㈱所有上屋 7棟
○府営上屋 1棟
臨港交通施設
○臨港道路 36km
○臨港道路 27km
その他
○荷役機械(ガントリークレーン) 3基
○木材整理場・貯木場 91ha
(岸壁・物揚場)
など
(水深12m 幅員250m 延長2.4km)
20
II-2-① 府港湾局の現状分析
■ 入港船舶・取扱貨物量・貨物の内訳・公民比率
(1)港勢
隻
万トン
80,000
9,000
70,000
7,522
8,208
8,155
8,076
8,123
7,809
8,000
7,357
7,330
7,122
取扱貨物(公)
6,000
50,000
5,644
5,345
5,232
40,000
5,604
5,690
5,188
5,568
取扱貨物(民)
5,895
5,359
4,735
30,000
20,000
2,177
2,169
2,098
2,432
2,551
2,518
2,241
1,744
1,763
4,000
船舶(公)
3,000
船舶(民)
0
H13
H14
H15
H16
取扱貨物量の内訳(H22)
LPG
3%
その他
7%
H18
H19
H20
H21
H22
LNG
12%
フェリー貨物
(完成自動車
含む)
15%
(公)・・・公共バース
(民)・・・民間バース
公民比率(H22)
公共
バース
25%
原油
26%
鋼材
10%
石油製品
11%
H17
船舶
1,000
0
重油
6%
5,000
2,000
2,228
10,000
セメント
2%
砂利・砂
4%
化学薬品
4%
取扱貨物
7,000
6,479
60,000
民間
バース
75%
21
II-2-① 府港湾局の現状分析
(1)港勢
■府営港湾の特色
〇広域的インフラの港湾
堺泉北港
入港隻数大
取扱貨
物量小
阪南港
取扱貨
物量大
入港隻数小
○堺泉北港の特色
・工業港:近畿経済を支える堺泉北臨海工業地帯の
産業活動に貢献
・エネルギー港湾:原油・LNG等のエネルギー資源輸
入について大阪湾の約9割を受持つ
・特定貨物の拠点港:青果輸入・中古車輸出・合板輸
入の西日本有数の拠点港
・商港:充実した内航RORO定期航路
○阪南港の特色
・商 港:木材の取り扱いを主として、背後市の産業と
の連動
・阪南2区:物流機能に加え、新たな産業用地の提供
泉州港
○泉州港の特色
・関西国際空港
の海上アクセス
・空港機能の支援
・重厚空港貨物輸送
漁港的な港湾
尾崎港・深日港
プレジャーボートパーク的な港湾
泉佐野港・
二色港・淡輪港
〇地域インフラの港湾
22
II-2-① 府港湾局の現状分析
(1)港勢
~青果の輸入(大浜埠頭)~
シトラス類(グレープフルーツ・レモン・オレンジ)の輸入 西日本の約半数を占める
輸入青果物の取扱量(H22年度)
グレープフルーツ
レモン
オレンジ
合計
取扱量(千カートン)
1,729
898
1,401
4,028
関西シェア(%)
53.7
81.2
42.3
52.7
~中古車の輸出(助松埠頭&汐見埠頭)~
~合板の輸入(汐見埠頭)~
平成22年 全国 325万㎥
堺泉北港・阪南港合わせて、全国2位
大阪,
24万㎥
東京,
16万
名古屋,
46万㎥
平成22年 全国84万台
堺泉北港は全国5位
(単位:台)
140,000
133,252
124,615
博多,
24万
120,000
125,745
堺+岸和田,
45万㎥
100,000
106,102
101,000
99,800
80,000
92,672 60,000
40,000
67,916
20,000
千葉,
28万
出典:財務省貿易統計
横浜,
37万㎥
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
0
23
II-2-① 府港湾局の現状分析
(1)港勢
内航RORO定期航路・内航フェリー航路
小樽港
内航定期航路
苫小牧港
RORO船
フェリー
堺泉北港
15便/週
1便/日
大阪港
14便/週
7便/日
秋田港
※H24.5月時点
新潟港
舞鶴港
岩国港
2便/週
東播磨港
1便/週
敦賀港
堺泉北港
(大阪府)
新門司港
1便/日
千葉港
1便/日
【堺泉北港の利点】
①大阪湾諸港で唯一、関東への
デイリー便(毎日寄港)が寄港
②定期航路が寄港する岸壁が
近接、トランシップに便利
③周辺に多数の民間倉庫・府営
上屋があり、貨物の保管配送
に便利
細島港
3便/週
宮崎港
3便/週
宇野港
4便/週
三島川之江港
1便/日
④大都市圏に近接し、道路網が充実
荷下ろし後スムーズな配送が可能
24
II-2-① 府港湾局の現状分析
(1)港勢
■ 堺泉北港・阪南港利用者ニーズ
荷主
(不満)
(満足)
•使用料を下げて欲しい。
・大消費地である阪神地域に立地していること。
•水深が浅いため、原油タンカーを満杯にできず、他港で降
ろしてから入港しないといけない(積替えコストが発生)。
・大阪市内への交通の便が非常によい。
•夜間離桟を認めていない。(海上保安署の問題)
•日本独自の慣習に捉われて港湾間で競争をしている場合
ではなく、日本全体で港湾戦略を考えるべき。
船会社
(満足)
(不満)
・助松埠頭内でトランシップが可能。(内航RORO船)
・輸出貨物が少ない。(外航船)
港運事業者
(不満)
•使用料を下げて欲しい。
(満足)
•船の寄港数が少ない。
・大阪港よりも使用料が安い。
•粉体貨物、砂・砂利、スクラップ等を取扱える埠頭を増やし
て欲しい。
•港湾管理者だけが一つになっても効果はなく、税関を含め
た行政体が一つにならなければ意味がない。
25
II-2-① 府港湾局の現状分析
(2)財政状況
•
•
•
•
億円
35
府営港湾は、過去3か年、※収入が支出を上回っており、どちらも堺泉北港が全体の約80%
を占めている。(新規建設投資等は除く)
荷さばき施設等(荷さばき地、上屋、荷役機械、野積場等)の使用料収入が収入の約70%を
占めており、係留施設は約7%に過ぎない。また、水域占用料は、約16%を占めている。
支出は、荷さばき施設等が約43%、係留施設が約27%を占めており、次いで臨港道路と水
域施設がそれぞれ約11%を占めている。
金額面での特徴として、係留施設は支出が収入の約3倍である。また、府営港湾であるが
故に負担せざるを得ない市町村交付金が全体の約17%も占めている。
府営港湾収支
33
32
収入
30
30
支出
26
24
25
23
20
15
10
5
0
H20
H21
H22
※収入と支出について(一般会計の港湾事業、港湾整備事業特別会計の港湾整備事業の合計)
収入:府営港湾における港湾施設等の使用料等(水域占用料、入港料を含む。普通財産の貸付料は含まず)
支出:堺2区と汐見沖地区の新規建設に要した支出及び起債償還に係る支出を除いた維持管理等に要した支出(人件費を含む。)
26
II-2-① 府港湾局の現状分析
(2)財政状況
■府営港湾(H22 港別収支)
(単位:億円)
阪南港, 5
17%
泉州港,
0.5
地方港湾, 1
3%
堺泉北港, 25
80%
収入
32
深日港,
0.2
泉佐野
港, 0.2
淡輪港, 0.002
二色港,
0.08
尾崎港, 0.02
淡輪港, 0.02
阪南港, 4
19%
泉州港,
0.07
尾崎港,
0.2
地方港湾, 1
5%
堺泉北港, 17
76%
支出
23
深日港, 0.4
二色港,
0.4
泉佐野港, 0.1
10
8
6
4
2
収支差
9
8
堺
泉
北
港
阪
南
港
地
方
港
湾
二
色
港
泉
佐
野
港
尾
崎
港
淡
輪
港
深
日
港
1
0.42
0.12
0
▲ 0.06
▲2
▲ 0.30
泉
州
港
▲ 0.16
▲ 0.02
▲ 0.21
27
II-2-① 府港湾局の現状分析
(2)財政状況
■府営港湾(H22 施設別収支)
荷役機械, 0.2
1%
その他, 7.2
23%
荷さばき地, 16.6
52%
外郭施設, 1.3
4%
臨港道路, 0.6
2%
緑地, 0.001
水域施設, 5.2
16%
係留施設, 2.3
7%
収入
31.9
上屋, 2.6
11%
荷さばき地,6.8
30%
支出
22.7
収支
9.2
(単位:億円)
上屋, 5.7
18%
給水施設,
0.02
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
▲ 2.0
▲ 4.0
▲ 6.0
保安施設, 0
未供用地, 0.1
給水施設, 0.08
0.5%
荷役機械, 0.3
2%
その他, 6.9
30%
外郭施設, 0.22
1%
貯木場, 0.02
臨港道路, 2
11%
水域施設, 2
11%
緑地, 0.5
2%
保安施設,
1.2
5%
貯木場, 0.004
係留施設, 6.2
27%
未供用地, 0.02
9.8
2.8
1.0
水
域
施
設
外
郭
施
設
係
留
施
設
臨
港
道
路
給
水
施
設
緑
地
保
安
施
設
0.06
▲ 1.9
▲ 3.9
▲ 0.5
▲ 1.2
荷
さ
ば
き
地
3.1
荷
役
機
械
貯
木
場
0.02
上
屋
未
供
用
地
0.1
▲ 0.2
28
II-2-① 府港湾局の現状分析
(2)財政状況
■府営港湾(H22 施設別支出の内訳 単位:億円)
一般会計施設
特別会計施設
委託
料, 2.0
16%
人件
費, 4.7
40%
事務費
等, 2.0
17%
人件費,
2.6
24%
工事請
負費,
3.2
27%
事務費
等, 1.9
18%
水域施設、外郭施設、
係留施設、臨港道路、
給水施設、緑地、
保安施設
支出
委託
料, 1.5 工事請
14% 負費,
1.0
10%
人件費,
7.3
32%
市町村
交付金,
3.7
34%
事務費
等, 3.9
17%
市町村交付金(内訳)
委託料,
3.5
15%
工事請負
費, 4.3
19%
市町村交
付金, 3.7
17%
阪南市,
0.009
泉佐野
市,
0.003
忠岡
町,
0.03
1%
岬町,
0.002
高石市,
0.1
3%
貝塚市, 堺市,
0.4
0.2
11%
岸和田 5%
市, 0.8
21%
荷さばき地等、上屋、
荷役機械、貯木場、
保安施設
泉大津
市, 2.2
59%
※人件費及び事務費等については、事業費等により按分したものである。
※事務費等・・・需用費、役務費、事務費など
※市町村交付金・・・国有資産等所在市町村交付金法による交付金。固定資産税の代替的措置として設けられた制度
【港 湾 整 備 事 業 特 別 会 計 の 当 面 の 状 況 】
H19
歳出
港湾整備
臨海土地造成
歳入
港湾整備
H20
H21
H22
H23
58
42
42
43
58
100
96
110
90
67
59
54
53
50
58
115
89
103
85
67
1
12
11
7
0
起 債 等 除 く実 質 収 入 ( H 2 2 ま で は 同 程 度 で 推 移 )
臨海土地造成
15
△ 7
△ 7
△ 5
0
・港 湾 (使 用 料 等 )36億
合計
16
5
4
2
0
臨海土地造成
港湾整備
歳入-歳出
(億 円 )
H22まで は 決 算 額 、H23は 予 算 額 。
起 債 残 高 (H23末 ) ○ 港 湾 整 備 :150億 円 、○ 臨 海 土 地 造 成 202億 円
・臨 海 (賃 貸 )9億 (分 譲 は H19の 86億 円 以 降 な し)
29
II-2-① 府港湾局の現状分析
(2)財政状況
港湾鋼構造施設の更新(予防保全による施設の長寿命化)
港湾鋼構造施設の更新
H31年に施設の更新
がピークを迎える
更新年度と施設数(寿命50年)
10
更新費用
施設数
8
6
4
2
440億円の
更新年度と費用(寿命50年)
更新費用が
必要
60
(
億 50
円
) 40
30
20
10
0
0
更新年度
更新年度
予防保全し、寿命を30年延伸(施設の寿命を50年 ⇒
60
(
億
円 50
)
予防保全に要する費用
80億円
更新費用
40
80年へ)
予防保全することで施設を
長寿命化し、更新費用を平準化する。
第1ステージ
第2ステージ
第3ステージ
30
20
20億円/年
4.0億円/年の予防保全
10
4.0億円/年
0
20年間で
更新費用
440億円
年度
予防保全費
80億円
▲360億円
歳出縮減
30
II-2-① 府港湾局の現状分析
(2)財政状況
堺泉北港(一般上屋 22棟)
稼働率 全体80%
上屋築年代別
汐見埠頭
小松埠頭
海貨40%
8%
50%
松の浜埠頭
33%
大浜埠頭
塩浜埠頭
横持13%
41%
19%
陸陸23%
17%
15%
空き24%
汐見埠頭 0
4
25%
小松埠頭 0
4
51%
20%
69%
9%
0%
松の浜埠頭 0
30%
10% 1%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
※府営上屋に一時保管されている貨物の内訳
・海貨・・・直近の岸壁を利用した海上貨物
・横持・・・直近以外(他港含む)の岸壁を利用した貨物
・陸陸・・・純粋に陸上輸送された貨物
・空き・・・未使用
※稼働率の算出にあたっては、面積と利用実績を考慮し、算出する。
・稼働率=利用実績(海貨、横持、陸陸)面積/利用可能面積(平成23年度11月現在)
3
大浜埠頭
2
塩浜埠頭
2
0
0
1
昭和30年代
0
2
0
1
2
4
3
4
昭和40年代
5
6
昭和50年代
31
資料:大阪府港湾局
7
II-2-① 府港湾局の現状分析
(3)事業
■埋立事業
汐見沖地区(泉大津フェニックス)
•
•
•
•
進捗状況 約205ha
管理型区画(約65ha)約52ha竣功、 安定型区画(約140ha)約55ha竣功
堺泉北港汐見埠頭沖のフェニックス事業
用地の一部を分譲用地として整備。
一般会計で護岸を建設し、廃棄物の海面
処分により埋立てるため、必要となるのは
インフラ整備のみ。
現在はインフラ整備が不十分な状態のた
め、利用可能な範囲での活用(賃貸)とし、
1.8億円/年の収入。
収支計画に見込む賃貸収入を得るべく引
き続きインフラ整備を行い、企業誘致を推
進する。
管理型区画
工業 用地
約5ha
安定型区
画
緑地
多目的広
場
約25ha
中古車ストックヤード
約27ha
―11m岸
壁
平成22年度末の状況
(面積:ha)
土地処分
売却計画
(金額:億円)
事業費・売却収入
88
総事業費
売却済
0
事業費※
未売却
0
売却収入累計
未完成
88
(S61~H22:事業中)
資産・負債
344
19
0
H22の収支
起債
未償還元金
18
未売却地
時価評価額
0
※期間中の支払利息・建設事務費等を含む。
支払利息
0.3
事業費
1.9
未完成地
賃貸収入
1.8
32
II-2-① 府港湾局の現状分析
(3)事業
進捗状況 約142ha 約43ha竣功
■埋立事業
阪南港阪南2区(ちきりアイランド)
•
•
•
•
•
•
•
緑地
阪南港の岸和田市沖を埋め立てて分譲用地として整備。
H14~19に用地を売却。その収入は事業費を大きく下回
る。
多額の費用を要する護岸及び売却を急いだ部分の埋立
は概成し、現在は建設残土等の受け入れにより埋立費用
は不要。
当面は優先的整備区域(48ha、467億円(「60ha、731億
円」の内数))のインフラ整備のみ行う。
未売却地は全て賃貸(一部は商談中)し、0.5億円/年の
収入。
今後も収入が事業費を上回ることは極めて困難な見通し
で、少しでも赤字を減らすべく企業誘致を推進する。
現在空き区画はなく、H24から次期公募用地のインフラ整
備を予定。
-12m×3
バース
埠頭
用地
-7.5m×3
バース
製造業
用地
保管施
設用地
マリー
ナ用地
供給処理施
設用地
岸和田市貝塚市
クリーンセン
ター
海
浜
干
潟
(第1期製
造業用地)
平成22年度末の状況
(面積:ha)
土地処分
売却計画
(金額:億円)
事業費・売却収入
60
総事業費
売却済
21
既執行額※
未売却
3
未完成
36
(S61~H22:事業中)
売却収入累計
731
366
194
資産・負債
H22の収支
起債
未償還元金
192
未売却地
時価評価額
18
※期間中の支払利息・建設事務費等を含む。
支払利息
3.9
事業費
0.2
未売却地
賃貸収入
0.5
33
II-2-① 府港湾局の現状分析
(3)事業
■海岸事業 【一般会計】
・高潮災害、東南海・南海地震津波災害から府民の生命財産を守るため
海岸保全施設(防潮堤・護岸・水門等)を整備、維持管理する
府所管海岸保全区域延長
・国交省河川局管轄
35.7km
(河川局・港湾局重複含む)
・国交省港湾局管轄
29.8km
・農水省水産庁管轄
8.3km
・農水省農村振興局管轄
0.2km
計
74.0km
【海岸事業(一般会計)の事業規模】
(億円)
H19 H20 H21 H22 H23
歳出
13
10
12
9
9
使用料
0.5
0.5
0.4
0.3
0.3
国庫補助
4
3
4
2
2
財源
府負担
8.5
6.5
7.6
6.7
6.7
その他
0
0
0
0
0
府負担は地方債と一般財源。H22までは決算額、H23は予算額。歳出には公債費・人件費は含まれず。
海岸管理図
34
II-2-① 府港湾局の現状分析
(4)組織
■大阪府港湾局の組織・人員
次長( 事務)
大阪府港湾局長
総務企画課長
次長( 技術)
経営振興課長
平成24年度体制
計画調整課長
堺泉北港湾事務所長
阪南港湾事務所長
総務グループ
入札契約、諸給与、法人指導、物品調達等
企画・ 管理グループ
予算決算、議会調整、埋立免許、法規事務、連絡調整等
危機管理グループ
地震津波対応、ソ ー ラ ス警備等
経営振興グループ
港湾振興、港湾経営戦略、企業誘致、ポー トセー ルス等
開発調整グループ
泉大津フ ェニック ス事業 及び 賑いづくり、阪南二区事業
施設運営グループ
港湾施設の貸付・使用許可、海岸管理指導、港湾統計等
計画グループ
港湾計画、地方港湾審議会、大阪湾諸港の連携強化等
事業グループ
建設事業、維持管理事業の予算管理、中期保全計画等
設備グループ
港湾・海岸・ソ ー ラ ス等の機械・電気設備の管理、設備補修・更新等
管 理 課
管内港湾・海岸区域の管理・使用許可、巡視業務等
建 設 課
港湾・海岸・漁港施設の維持建設
維 持 課
港湾・海岸・漁港施設の維持補修
管 理 課
管内港湾・海岸区域の管理・使用許可、巡視業務等
建 設 課
港湾・海岸・漁港施設の維持建設
維 持 課
港湾・海岸・漁港施設の維持補修
深日出張所
管内施設の管理、維持補修等
人 員 体 制 の 推 移
事 務
技 術
現 業
合 計
H 20.4
H 21.4
H 22.4
H 23.4
53
63
64
(2 )
(3 )
(7 )
51
59
60
(2 )
(7 )
52
61
60
(6 )
48
57
58
(1 1 )
180
(1 1 )
173
(1 3 )
170
(1 1 )
163
(1 9 )
191
(2 )
(3 )
186
再任用は( )内で外数
191
(3 )
182
平成24年4月 現員数
常 勤
(5 )
(3 )
再任用
事 務
技 術
現 業
50
68
34
(
計
152
(
合 計
2 )
6 )
( 13 )
(
21 )
173 人
新公会計制度
による事業別
従事人員
港湾事業
106.3
人
【内、特会職員 45 人】
海岸事業
58.3
人
( 再任用職員は 0.6 人換算 )
35
II-2-② 市港湾局の現状分析
(1)大阪市港湾局の事業
大阪市港湾局では、物流ニーズに対応するため、港の機能整備・管理やポートサービスを行い、近畿経済の生
産と消費に長期に渡って支えてきた。
また、臨海部に求められる機能は、時代とともに変化し、港湾機能以外に防災対策や、都市機能やレクリエー
ション機能や廃棄物処理に関するものなど多岐に渡るもとのとなり、現在は港湾局がそれらの業務を一括して行
っている。
市港湾局の事業
物流関係事業
港湾施設(航路、岸壁、上屋など)の整備・管理、ポートサービスの提供等を行っている
ほか、港湾施設の配置計画の策定やポートセールス等を実施している。
防災保安事業
高潮・津波・地震などの自然災害から市民の生命・財産を守る「防災対策」や、港内へ
の不正な侵入を防止し、テロ等から船舶や港湾施設を守る「保安対策」を行っている。
港湾環境事業
臨海部
まちづくり事業
一般廃棄物や産業廃棄物、浚渫土砂や陸上残土を受入れる廃棄物最終処分場の
整備や、河川及び海域における汚染底質を浚渫除去する公害防止対策事業を実施
している。また、市民に親しまれる港づくりをめざして、臨海部の緑地の整備事業を
実施している。
咲洲、舞洲、夢洲などの新臨海部や在来臨海部において、「まちづくり計画の作成」、
「土地の造成等」、「公共インフラの整備及び管理」、「土地の分譲及び管理」、「まちづ
くり支援施設の整備及び管理運営」、「規制誘導」等の事業を行うものである。
※以上4事業に分けて、過去に事業分析を実施、H19年に公表
36
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業>
■大阪港の施設の状況
国際戦略港湾 大阪港
港湾区域面積
4,684ha
航路
○主航路(水深14m 幅員350~400m 延長9.2km)
○北航路(水深10m 幅員200m 延長2.6km)
係留施設
○岸壁(国、市)
(岸壁・物揚場)
[埠頭㈱]
・夢洲C10~C12※1(水深15~16m 延長1,100m) ○C1-4岸壁(水深13.5m、 延長
・南港C9岸壁 (水深13m 延長350m)
1400m)
・南港C6,7岸壁(水深12m 延長600m)など
○C8岸壁(水深14m、延長350m)など
※岸壁・物揚場延長 計 42.3km
※岸壁延長 計 4.8km
荷さばき地
○荷さばき地(市) 104ha
荷役機械
○ガントリークレーン(市)4基 ○揚炭機(市)1基
上屋
○上屋(市) 82棟
臨港交通施設
○臨港道路 128km(トンネル・橋梁含む)
注)その他私設岸壁等あり
※1:国有港湾施設
[埠頭㈱]
[埠頭㈱]
[埠頭㈱]
※2:コンテナ埠頭のみ、岸壁面積含む
81ha※2、[DICT]
16基、[DICT]
20 ha
4基
10棟※3
※3:ライナー埠頭内の上屋含む
37
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
隻
<物流関係事業>
■大阪港(入港船舶・取扱貨物量・貨物の内訳・公民比率)
万トン
45,000
12,000
40,000
35,000
30,000
8,976
8,650
8,087
25,000
9,315
8,969
9,668
9,553
9,314
10,000
9,298
8,528
8,094
7,839
8,645
8,330
8,659
8,513
8,557
8,000
8,196
7,373
取扱貨物
取扱貨物(公)
取扱貨物(民)
7,818
6,000
20,000
船舶
船舶(公)
15,000
4,000
10,000
2,000
5,000
889
811
639
670
655
1,040
1,111
1,102
721
710
0
0
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
取扱貨物量の内訳(H22)
セメント
2%
家具装備品
2%
H22
※H18から一部係留施設
について、(公)・(民)
の区分の変更あり
(公)・・・公共バース
(民)・・・民間バース
公民比率(H22)
民間
バース
8%
その他
27%
取合せ品
2%
化学薬品
2%
産業機械
染料・塗料・合成
3%
H21
船舶(民)
フェリー貨物
41%
衣服・身廻品・
はきもの
樹脂・その他化
電
気機械
6% 鋼材
学工業品
7%
5%
3%
公共
バース
92%
38
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業>
■大阪港の取扱貨物量(H22年)
外貿貨物
35,147,587㌧
コンテナ貨物
30,256,386㌧
フェリー貨物
34,772,320㌧
内貿貨物
50,135,737㌧
■外貿貨物量の推移
千トン
■大阪港H22年コンテナ取扱個数
1,980,029TEU
輸入 1, 110,622TEU
輸出
869,407TEU
H23コンテナ取扱個数(速報)
2,173,389TEU
輸入:1,214,109TEU
輸出: 959,280TEU
アジア以外
アジア
45 %
アジア
89 %
11%
アジア
以外
55 %
57%
21%
11 %
39
出典
大阪港統計資料等
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業>
■他港との比較(H22取扱貨物量の公共と専用(民間)の割合)
(万トン)
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
専用 10,000
公共 8,000
6,000
4,000
2,000
0
18,000
16,000
14,000
12,458
12,000
10,000
5,906
8,000
710
1,239
6,000
4,000
6,512
2,000
■他港との比較(H22取扱貨物量)
(万トン)
20,000
7,063
6,112
1,819
7,818
6,735
494
2,474
0
東京港
横浜港 名古屋港 大阪港
神戸港
博多港
2,963
2,996
移入
2,453
1,795
2,093
移出
2,837
4,529
1,143
3,157
1,357
東京港
輸入
7,607
2,177
2,270
輸出
1,504
2,539
4,192
5,004
2,240
958
351
1,032
628
神戸港
博多港
2,509
1,005
横浜港 名古屋港 大阪港
■他港との比較(H22外貿コンテナ個数)
(万TEU)
400
350
300
250
207.8
138.7
200
116.4
150
100
173.9
160.3
50
123.0
111.1
92.6
86.9
109.2
37.1
34.9
神戸港
博多港
0
東京港
出典
横浜港 名古屋港 大阪港
各港統計資料等
輸入
輸出
40
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業>
■国際コンテナ戦略港湾の取組み
背 景
アジア諸国の港湾との国際的な競争の激化
我が国港湾のフィーダーポート化
リードタイムの増加やコストの上昇等による産業の国際競争力低下の危惧(産業の海外転出)
国際コンテナ戦略港湾の取り組み
日本のコンテナ港湾のさらなる選択と集中
連携港湾を含む西日本各地からの国内コンテナ貨物の阪神港への集約
基幹航路の維持・拡大
荷主に対する低コスト、多頻度・多方面、確実な国際輸送サービスの提供
わが国経済の成長エンジンとなる産業の国際競争力強化に寄与
国力・地域力
の向上
41
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業>
① 西日本の産業と国際物流を支えるゲートポートとして、機能拡大(基幹航路の維持・拡大)
② 釜山港等東アジア主要港湾と対峙できる港湾サービスを確保し、国内ハブ機能再構築
③ 基幹航路の拡大に向けた取扱貨物量を確保、東アジアの国際ハブポートとして機能
目指すべき姿
現状(2008年) 400万TEU
うち フィーダー 38万TEU
トランシップ
0
計
38万TEU
うち 北米航路
■国際コンテナ戦略港湾の取組み
集荷目標取扱量
2015年
490万TEU
うちフィーダー 110万TEU
トランシップ 20万TEU
計
130万TEU
うち 北米航路
70万TEU
_
47万TEU
主な戦略
2020年
590万TEU
うちフィーダー
130万TEU
トランシップ 100万TEU
計
230万TEU
うち 北米航路
75万TEU
① 集荷機能の強化
(阪神港でのみ可能な定期内航
フィーダー網の再構築)
② 産業の立地促進による創荷
③民の視点から阪神港のコンテナ
ターミナル全体を一元的に経営
する港湾経営主体の確立
フィーダー船の大型化及び集荷機能強化
によるコスト減、リードタイム短縮
↓
集荷ネットワークの更なる充実
企業進出に対するインセンティブ・規制
緩和
↓
物流企業・次世代先端産業の立地推進
大阪・神戸両埠頭公社の株式会社化・経
営統合、民間からの人材・資本の導入、
ポートセールス等港湾管理者権限委譲
↓
民の視点からの港湾経営を実現
北海道へ
宇
部
博
多
三
田
尻
中
関
ひ小
び 倉門
き 司
別
府
大
分
志
布
志
水
島
松
山
今
治 新 伊
居 予
浜 三
島
岡
山
高
詫 松
間
小 姫
豆 路
島
徳
島
阪神港
和
歌
山
細
島
八
代
奄
美
大
沖徳 島
永之
良島
部
那
覇 与
論
大 広
島
徳 岩竹
山 国
宮
崎
油
津
北海道へ
東北へ
42
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業>
■港湾運営会社制度(国際戦略港湾の場合)
港湾運営会社(港湾法43条の11)
行政財産
の貸付
支援
国
荷役機械などの
整備に係る支援
監督
公共性確保のた
めのチェック
◎運営計画に基づき、港湾運営に関する業務を一
元的に担う
◎公設民営
岸壁、ふ頭用地(行政財産)を国や港湾管理者か
ら借受け
荷役機械などの上物は自社で整備
◎申請に基づき国土交通大臣が、埠頭群を運営す
る者として戦略港湾ごとに1つに限って指定
(指定要件)
埠頭群の運営の事業内容が当該国際戦略港湾の
港湾計画に適合すること 他
↓
港湾計画で「港湾運営会社」が運営する区域を位
置づけ(港湾法3条の3)
投
資
投資家
料
金
サ
ー
ビ
ス
行政財産の
貸付
協力
港湾計画など
港
湾
管
理
者
監督
公共性確保の
ためのチェック
利用者(船社等)
43
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業>
■港湾施設における港湾管理者と各主体との関係
係留施設等
コ
ン
テ
ナ
フ
ェ
リ
ー
(
R
在
O
R
O
来
)
プ
ラ
イ
ベ
ー
ト
ユーザー(荷主・船社など)
整備・所有
港湾計画
港湾管理者
港湾管理者あるいは国、
港湾運営会社、(一部メガオペ)
港湾管理者
あるいは国
臨
港
道
路
臨
港
緑
地
等
市民など
プレイヤー(港運事業者など)
港湾運営会社(一部メガオペ)
水
域
施
設
(
航
路
等
)
ユーザー、プレイヤー、
利 用
管理運営
外
郭
施
設
(
防
波
堤
等
)
民間事業者
港湾管理者
など
港湾管理者
公共
(港湾運営会社からの提案が可能)
民間事業者
港湾管理者
港湾管理者
など
あるいは国
公共
港湾管理者
(港湾運営会社からの
提案が可能)
※港湾管理者:港湾法第4条の港務局または同法第33条の地方公共団体
港湾運営会社:国際戦略港湾(京浜港、阪神港)及び国際拠点港湾(堺泉北港など)において、コンテナ、フェリー等に関する港湾運営を一元的に担う会社
44
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業>
■利用者ニーズ
荷主
(満足)
・大阪港は消費地の至近港として輸入貨物の取り扱いコスト
の削減に貢献している。また、輸入貨物の配送拠点として倉
庫立地に適している。
・外貿では充実した中国航路により、様々な入荷スケジュー
ルに対応しやすい。また、定時性の高い国際フェリー航路が
運航(上海2航路(週1.5便)、釜山1航路(週4便))している。
・内貿では豊かなフェリー・RORO航路を有しており、日本全
国へのモーダルシフト輸送の拠点として利用することが可
能。
(不満)
・コンテナゲートの渋滞等が原因となり、コンテナターミナル
への迅速な搬出入が実現できていない。一方、トラック事業
者にとっては車両回転率が悪くなっている。
・大阪港を利用した輸出入を行う場合、基幹航路の便数が
少ないため不便である。
・時間外ゲートオープンに積極的に取り組んでほしい。
船会社
(満足)
(不満)
・大消費地の至近港として、アジアを中心とした輸入貨物が
集まる。
・国際的に見て港湾コストが高い。
・運航調整による弾力性のある入出港が実現できてい
る。 (外航船)
・瀬戸内を通る九州・四国との物流拠点として大阪港は高
いポテンシャルを有している。(内航フェリー)
港運事業者
・輸出貨物の集荷力が弱い。
・貨物の取扱能力が不足している。
・大阪港は他の港と比較してインセンティブが少ない。
・多目的バースは夜間照明が貧弱なところがある。
(不満)
・安価な空コンテナ置き場が不足している。
(満足)
・輸入貨物を中心にコンテナ貨物が順調に増加している。
・貨物の取扱能力が不足している。(夢洲において、利用船
社の増加により、岸壁延長が不足してきている。)
・港湾施設が老朽化している。
・ 他港と比べて施設使用料が高めである。
45
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<防災保安事業>
■防潮堤等の耐震化
防潮堤の耐震改修整備状況
此花区
港 区
大正区
防潮堤の耐震化率
8.0km
7.0km
6.0km
5.0km
4.0km
3.0km
2.0km
1.0km
0.0km
目標耐震化延長 17.8km
6.2km
4.3km
6%
H8
16%
H13
防潮扉の電動化率
住之江区
平成23年度末整備箇所
約6.2km
平成24年度以降整備箇所 約11.6km
180基
150基
120基
90基
60基
30基
0基
110基
64%
75%
50%
2.8km
1.0km
100%
24%
35%
25%
0%
H18
H23
目標電動化基数 172基
132基
77%
149基
87%
100%
80%
60%
40%
20%
0%
H13
H18
H23
46
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業・防災保安事業>
■ライフサイクルコストの低減に向けた取り組み
【市設構造物(岸壁・防潮堤・橋梁)における経過年数割合の推移】
整備年次
施設名
データ
基準時期
10年後
20年後
S35以前
想定耐用
年数以上
(想定耐用年数)
H13~H22
H3~H12
S56~H2
S46~S55
S36~S45
H23.1
橋梁(50年)
10.92%
42.43%
19.90%
20.65%
6.10%
0.00%
0.00%
6.10%
26.75%
H23.1
岸壁(50年)
6.96%
13.97%
11.21%
35.74%
27.46%
4.66%
4.66%
32.12%
67.86%
H23.1
防潮堤(50年)
4.23%
10.04%
12.55%
51.99%
21.19%
0.00%
0.00%
21.19%
73.18%
※整備年次は施設延長の割合で算出
整備後の経過年数の割合
0%
橋梁
(50年)
岸壁
(50年)
10%
20%
30%
10.92%
6.96%
40%
50%
60%
42.43%
13.97%
70%
80%
19.90%
11.21%
35.74%
20.65%
0~10年
12.55%
10~19年
6.10% 0.00%
4.66%
10年後
51.99%
20~29年
100%
27.46%
20年後
防潮堤
4.23% 10.04%
(50年)
90%
30~39年
21.19%
40~49年
現在
0.00%
50年以上
47
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<物流関係事業・防災保安事業>
■ライフサイクルコストの低減に向けた取り組み
港湾施設の増加・老朽化の進展に伴う
維持管理経費の増大
維持管理計画に基づく
予防保全型の維持補修
ライフサイクルコスト縮減
計画に基づき維持補修を実施
するには財源の確保が必要
↓
現状の予算では十分な対応が不可能
↓
事後対応型の補修となり、結果的に
より多額の費用が発生
維持管理計画の内容に基づく適切な維持管理が実施できるよう財源の確保が必要
48
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<港湾環境事業>
■フェニックス事業(背景)
・昭和50年代、大都市圏において廃棄物処分場確
保が困難な自治体が急増
・昭和56年に「広域臨海環境整備センター法」(略称:セン
ター法)が制定
・大阪湾広域臨海環境整備センターが事業実施主体となり、
近畿圏(大阪市を含む2府4県168市町村(H23.9月現在))の
廃棄物を処理するための処分場を大阪湾に整備(大阪湾
圏域広域処理場整備事業)
49
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<港湾環境事業>
■フェニックス事業(スキームの改善)
~事業スキーム改善の背景~
【スキーム変更要因 】
【当初事業スキーム 】
【変更事業スキーム 】
『廃棄物の処理及び
清掃に関する法律』の改正
<港湾管理者>
廃棄物埋立護岸整備を委託
財政負担の公平化
『不動産鑑定評価基準』の改正
広域処理対象区域の排出事業者
が530億円を負担(大阪沖、神
戸沖)
<大阪湾センター>
事 業 実 施
『国庫補助制度等』の変更
埋立竣功後、
港湾管理者に
土地の売却が困難
土地引渡し
↓
廃棄物埋立護岸使用料
348億円(大阪沖)
建設費償還が困難
↓
<港湾管理者>
港湾管理者負担増
土地を売却⇒建設費を償還
廃棄物埋立護岸使用料回収額 単位:億円
護岸建設費
建設利息
事業費
国庫補助
補助裏
A
B
C=A-B
地方交付税 港湾管理者
負担額
D
E
護岸使用料
での回収額
G=C+D-E
大阪沖
880
234
646
188
132
702
348
神戸沖
541
123
418
125
178
365
182
1,421
357
1,064
313
310
≒1,060
530
合計
※実質負担額=建設費-国庫補助金+建設利息-地方交付税
50
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<港湾環境事業>
■公害防止対策事業
公害防止対策事業:有機汚泥及び有害汚泥を除去し、大阪港の水環境保全を図る。
事業箇所図
公害事業対策区域
有機汚泥対策
汚染土量(m3)
河川護岸部
(安治川・尻無川)
対策済土量(m3)
37,900 m3 (終了)
進捗率(%)
37,900 m3
100.0%
ア
正蓮寺川
公害事業対策区域
安治川
三十間堀川
底
質
ダ
イ
オ
キ
シ
ン
類
対
策
イ
AR6
AL8
AR8
524
尻無川
咲洲(南港)
地区
大正内港
(福町堀)
木津川
木津川運河
汚染面積(m2)
対策済土量(m3)
進捗率(%)
正蓮寺川
19,000 m3
21,000 m2
0 m3
0.0%
大正内港(福町堀)
37,000 m3
33,000 m2
8,080 m3
21.8%
木津川運河及び河口付近
282,000 m3
169,000 m2
5,240 m3
1.9%
木津川
497,000 m3
258,000 m2
0 m3
0.0%
旧住吉川
23,000 m3
18,000 m2
0 m3
0.0%
尻無川
60,000 m3
58,000 m2
0 m3
0.0%
三十間堀川
7,000 m3
6,000 m2
0 m3
0.0%
計
925,000 m3
563,000 m2
13,320 m3
1.4%
凡例
有機汚泥対策(河川護岸部)ア、イ
及び河口付近
南
港 WL
t
汚染土量(m3)
南 6
底質ダイオキシン類対策
旧住吉川
なお、底質ダイオキシン類の対策
区域を大まかに示したものであり、
枠内全ての水域面積に汚染された
底質が存在するものではない。
南 9
-1
51
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<臨海部まちづくり事業>
■土地分譲(売却実績、起債償還)
(単位:億円)
(単位:億円)
280
2,000
2,000
1,800
1,800
1,600
1,600
1,400
1,400
1,200
1,200
1,000
1,000
800
800
600
600
400
400
200
200
0
230
180
130
80
30
-20
起債償還金(利子を含む)
土地売却収益
資金剰余額
起債残高
0
注)
・起債償還金(利子含む)、土地売却収益、資
金剰余額は左軸、起債残高は右軸
・港営事業会計のうち、大阪港埋立事業のみ
を抽出
(単位:億円)
H23年度見込
H17年度
H18年度
H19年度
H20年度
H21年度
H22年度
起債償還金(利子を含む)
101
155
127
103
168
110
52
土地売却収益
151
175
89
41
12
2
26
資金剰余額
146
257
243
199
60
△ 10
3
起債残高
1,320
1,199
1,720
1,669
1,536
1,464
1,460
※2007年度に夢洲地区の会計移管を行ったため、起債残高が大幅に増加している。
2009年度に、(株)大阪ワールドトレードセンタービルディングに係る損失補償を行っている。
52
資金剰余額には、大阪港振興基金62億円は含んでいない。
II-2-② 市港湾局の現状分析
(2)各事業の状況
<臨海部まちづくり事業>
■集客施設等の利用者数の状況
300,000
12,000
250,000
10,000
(単位:人)
舞洲運動広場
200,000
8,000
舞洲体育館
左軸
舞洲野球場
150,000
6,000
100,000
4,000
舞洲野外活動施設
なにわの海の時空館
舞洲陶芸館
50,000
2,000
0
帆船あこがれ
右軸
0
H18
H19
H20
H21
H22
■南港ポートタウン関連業務
①ノーカーゾーン施策
・南港ポートタウンは昭和52年のまちびらき当初から、この地域への自動車の進入を原則禁止することによって、自動車公害等から
住民を守り、静かで緑豊かなまちづくりを目指すことを目的に、住民、警察等との協力関係のもと「ノーカーゾーン」を実施している。
②ポートタウン駐車場
・ポートタウン駐車場は、ノーカーゾーンを導入したことにより、域外に住民専用の駐車場として整備した。
施設概要:延床面積 90,562m2、台数:(月極)5,819台、(一時貸し)342台
③ポートタウン管理センター
・ポートタウン管理センターは、大阪港振興㈱との区分所有となっており、本市専有部分には住之江区役所サービスコーナーや集会室
53
など、地域住民の生活に必要不可欠な施設があり、同社に管理委託している。
II-2-② 市港湾局の現状分析
(3)改革の取組状況
取組みが進んでいるもの
H19年に公表した事業分析の取組みの方向性等について、下記の通り、これまで取組みを行ってきている。
■物流関係事業
○市直営による岸壁給水事業の廃止(H20年3月)
○引船事業の民間移行(H23年3月末までに市所有8隻のうち6隻減船、2隻は巡視及び民間補完)
○綱取事業の民間移行(H21~H23年度)
○老朽化した施設(ガントリークレーン・サイロ等)を売却(⇒約7億円、H21~H23年度)
○民間による荷捌き地、ガントリークレーンの整備・運営(夢洲地区、H21年10月運営開始)
○既存施設を活用した埠頭再編の取組み(咲洲地区)
○(財)大阪港埠頭公社の株式会社化(H23年4月)
■防災保安事業
○大阪港地震・津波アクションプランの策定(H20年4月)
○防潮堤の耐震化や防潮扉の電動化(電動化:H24年3月末で約87%完了)
■港湾環境事業
○フェニックス事業の排出者負担スキームを構築し、H24年度から護岸使用料を徴収(⇒約348億円)
■臨海部まちづくり事業
○全庁的な組織による企業誘致の取組み
○民間ニーズに応じた土地売却を進めるため、事前登録制度を試行実施(H22年度~)
○ふれあい港館を売却(⇒約7億円、H23年12月)
○舞洲陶芸館は民間へ賃貸(H22年4月~)
○(株)ユー・エス・ジェイの株式売却(H21年5月)
○(株)大阪ワールドトレードセンタービルディングの解散(H22年7月)
54
II-2-② 市港湾局の現状分析
(3)改革の取組状況
引き続き取組みを進めているもの
H19年に公表した事業分析の取組みの方向性や新たな取組みについて、引き続き取組みを行っていく。
■物流関係事業
○維持管理計画に基づく予防保全型の補修
○既存施設の利用転換・売却
○大阪港埠頭(株)と神戸港埠頭(株)の経営統合
○大阪港埠頭ターミナル(株)、大阪港木材倉庫(株)、(株)大阪港トランスポートシステム
の資本的関与見直し
■防災保安事業
○防潮堤の耐震化の促進や防潮扉の電動化
○集中監視システムの改良
○国の地震動の想定の見直しに伴う津波対策の検討
■港湾環境事業
○公害防止対策事業の実施
■臨海部まちづくり事業
○公共インフラ(道路、下水、緑地)の管理一元化
○民間ニーズに応じた土地利用計画の変更
○築港地区の活性化に向けた取組み及び(株)海遊館の資本的関与見直し
○なにわの海の時空館の廃止に向けた検討
○帆船あこがれの活用方策を検討
55
II-2-② 市港湾局の現状分析
(3)改革の取組状況
職員数
○大阪市港湾局職員数
派遣職員も含めると、
26%削減(699/945)
(人)
1000
20%削減
863
900
800
169
700
600
500
863
689
臨海部まちづくり事業
148
66
400
138
1000
689
900
港湾環境事業
800
92
防災保安事業
700
116
物流関係事業
600
462
346
500
300
行政職
400
480
200
現業職
300
343
100
200
401
343
100
0
0
H17年度
H23年度
H17年度
H23年度
○外郭団体への派遣職員数
H17年度 82人(10団体)→H23年度 10人(3団体)
56
II-2-② 市港湾局の現状分析
(3)改革の取組状況
参考 組織図
※H24.5.1現在 658人
(非常勤職員含む。)
港 湾 局
総 務 部
総 務 担 当
経営監理担当
(1) 局の文書、人事、予算、決算及び物品並びに局業務の進行管理及び
事務改善に関すること
(2) 港湾の管理運営の企画に関すること
(3) 他の部及び室の主管に属しないこと
監理調整担当
営業推進室
販売促進担当
(1) 所管不動産(他の部の所管に属するものを除く。)の管理、処分
及び利用の調整並びに不動産の取得 及び借入れに関すること
(2) 臨海地域開発に係る企画及び連絡調整に関すること
(3) 臨港地区内における行為及び構築物の規則に関すること
財産活用担当
開発調整担当
計 画 整 備 部
計 画 担 当
振 興 担 当
工 務 担 当
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
環境整備担当
(6)
保全監理担当
施設管理担当
(7)
(8)
港湾の計画に関すること
港湾の工事等の補償に関すること
港湾施設の利用促進及び普及宣伝に関すること
港湾区域、臨港地区、港湾隣接地域及び海岸保全区域に
おける工事等の規則基準に関すること
局所管工事の検査その他局業務の技術的な監理
に関すること
局所管施設及び設備の設計、工事又は製造及び維持
管理に関すること
港湾の環境の整備及び保全に関すること
局所管施設の管理運営に関すること
防災保安担当
海 務 担 当
設 備 担 当
緑地管理担当
57
II-2-② 市港湾局の現状分析
(3) 改革の取組状況
決算比較
一般会計(岸壁等港湾施設の整備、高潮対策、廃棄物処分場整備など)
535 【支出】
物流
203
【収入】
△203
【差引税等】
単位:億円
407
※支出には、人件費、公債費を含む。
防災保安
26
港湾環境
181
332
182
178
29
臨海まちづくり
125
2005年度
(H17年度)
△223
83
42
2010年度
(H22年度)
8
100
184
142
117
2005年度
(H17年度)
20
18
11
5 7
26
2010年度
(H22年度)
+22
126
81
148
36
18
78
16
2005年度 2010年度
(H17年度)
(H22年度)
人件費の縮減や投資的経費の抑制などにより約4割(203億円)の事業費を削減
投資的経費を削減させ、市債の新規発行を抑制することで、将来の公債費の圧縮を図る
【主な増減】
人件費≪4事業≫
△ 10
維持管理費 ≪4事業≫ △ 10
廃棄物処分地整備≪港湾環境≫
△ 94
北港テクノポート線整備≪臨海≫
△ 73
(53→43)
(45→35)
(96→2)
(皆減)
起債収入≪4事業≫
大阪港振興(株)株式売却≪物流≫
大阪港埠頭公社貸付金返還金≪物流≫
咲洲トンネル通行料≪物流≫
△ 166
△ 27
△ 11
△ 6
(218→52)
(皆減)
(22→11)
(10→4)58
II-2-② 市港湾局の現状分析
(3) 改革の取組状況
決算比較
港営事業会計(港湾施設提供事業、大阪港埋立事業)
【収入】
【支出】
【差引】
507
419
物流
92
△137
116
△307
※支出には、人件費、企業債償還金を含む。
282
臨海まちづくり 87
327
391
200
△169
83
87
24
63
195
117
2005年度 2010年度
2005年度
2010年度
(H17年度)
(H17年度)
(H22年度)
(H22年度)
単位:億円
2005年度
(H17年度)
△82
△4
△78
2010年度
(H22年度)
臨海部まちづくりの土地造成は、基本的には起債を財源として事業を実施し、土地売却収入を
もとに起債の償還を行うスキーム
土地売却については、企業ニーズが土地の所有から利用に変化していることや国内外の厳しい
経済情勢により、低調な状況。
【主な増減】
人件費≪2事業≫
△ 4 (16→12)
企業債償還金≪2事業≫
△ 4 (141→137)
土地売却原価≪臨海≫ △ 128 (130→2)
土地売却収入≪臨海≫
損益勘定留保資金≪2事業≫
△ 149 (151→2)
△ 145 (167→22)
59
II-2-② 市港湾局の現状分析
(3) 改革の取組状況
決算比較
大阪市港湾局決算額の主な増減内訳 (支出)
【単位:億円】
【港営事業会計】
【一般会計】
【増減】
535
332
△203
投資的経費
246
公債費
191
人件費
53
2005年度
(H17年度)
419
投資的経費
63
維持管理経費
45
【増減】
35
43
2010年度
(H22年度)
△137
39
土地売却原価
130
△183
△10
その他経費
60
維持管理経費
191
282
33
29
2
△10
△128
74
+14
28
△5
公債費
141
137
△4
16
12
△4
±0
△10
人件費
2005年度
(H17年度)
2010年度
(H22年度)
60
II-2-② 市港湾局の現状分析
(3) 改革の取組状況
決算比較
大阪市港湾局決算額の主な増減内訳(収入)
【単位:億円】
【港営事業会計】
【一般会計】
【増減】
407
184
△223
507
200
その他収入
67
その他収入
有価証券
売却代
貸付金返還金
【増減】
△307
17
27
24
損益勘定留保資金
167
企業債収入
起債
13
218
国庫支出金
26
土地賃貸料
66
使用料
29
2005年度
(H17年度)
24
0
13
+7
△27
△11
52
△166
12
△14
63
△3
20
2010年度
△9
(H22年度 )
土地売却収益
51
△16
151
22
26
2
△145
+13
△149
土地賃貸料収益(埋立)
38
51
+13
使用料
71
48
△23
2005年度
(H17年度)
2010年度
(H22年度)
61
II 府市港湾局の現状と課題
3 府市港湾局の課題
62
II-3 府市港湾局の課題
■ 大阪府港湾局の現状と経営課題
視点
現状評価
港勢
・府営港湾の取扱貨物量は、大阪湾諸港の取扱貨物量(以下、大阪湾貨物量という)の約3割を担
う。
【堺泉北港】
・工業港、エネルギー港として近畿の産業活動を支えるとともに、青果、中古車、合板は西日本有
数の取扱いとなっており、大阪湾貨物量の約28%を担う。
・RORO船の定期航路が多く、充実したネットワークを有する。
【阪南港】
・金属くず、木材チップ、砂・砂利など一般バルク貨物を取り扱うが、大阪湾貨物量の約1%に過ぎ
ない。
【地方港湾】
・地方港湾は、フェリーの廃止等により取扱貨物量はわずか。
経営課題
・大阪港との更なる機能分担
・工業港、エネルギー港としての機能
維持・利便性向上
・特定貨物の拠点港としての機能維
持・拡大
・地方港湾の管理運営のあり方
・過去3年間、港湾施設の使用料等の収入が維持管理、事務費等に要した費用を上回る。
・厳しい財政状況の下、維持補修経費に重点、新設改良としての投資的経費の確保が困難。
・港湾事業と海岸事業の計で予算枠が決定され、海岸事業に重点投資した場合は、港湾事業の必
要な予算確保が困難。
【港湾一般会計】
・経常的収支については恒常的に一般財源の投入が必要。
・維持管理等の支出が港湾施設使用料等の収入を上回る。
【港湾特別会計】
・港湾整備事業は荷捌地や上屋等の使用料収入等で継続的な黒字基調、臨海土地造成事業は
事業スキーム上、土地売却年度以外は起債償還等により赤字となるが、特別会計全体では黒字
を確保。
・一般財源に依存しない運営
組織
運営
・人員削減が続き組織体制のあり方が課題。
・港湾技術・振興の専門家の育成、継
承
・指定管理者制度の導入
・業務の外部委託
事業
・港湾物流に関連した事業に加え、
府民、市民の貴重な生命・財産を守る防災事業としての海岸管理に係る事業
干潟、緑地など港湾の自然環境の創造、環境保全に係る事業
産業用地の確保や都市的な機能の用地を含めた埋立事業
を担う。
・港湾組織として担うべき事業の整理
財務
状況
・事業の仕分け及び選択と集中による
需要に応じた投資的資金の確保
・維持管理費用の削減(特に老朽化し
た上屋の運営のあり方)
・臨海土地造成事業の土地賃貸・分譲
の促進、収支確保
63
II-3 府市港湾局の課題
■ 大阪市港湾局の現状と経営課題
視点
現状評価
経営課題
港勢
・コンテナ貨物やフェリー貨物の割合が大きい。
・アジア諸国の港湾との国際的な競争が激化している。 ・国際コンテナ戦略港湾の取組み
・埠頭㈱を含む公共施設の果たしている役割が大きい。 ・施設運営の効率化
財務状況
・維持補修費の確保
・施設の老朽化の進展に伴い維持補修費が増大して
いる。
[一般会計]
・選択と集中により、投資的経費を削減しているが、公 ・今後の投資的経費の確保
債費の占める割合が大きい。
[港営事業会計]
・分譲だけでなく賃貸など土地需要の多様化や景気動 ・大阪港埋立事業の収入の確保
向により、大阪港埋立事業の売却収入が減少している。
・支出において公債費の占める割合が大きい。
組織運営
・多種多様な事業を行う組織である。
・職員の約半数が現業職である。
・組織のスリム化
・民間委託化の推進
・港湾事業や海岸事業(防災)、埋立事業や集客施設
の管理運営、南港ポートタウンなど業務が多岐にわ
たっている。
・事業の整理
・物流に特化
事業
64
II-3 府市港湾局の課題
■ 府市港湾局の現状と経営課題
視点
現状評価
経営課題
港勢
●堺泉北港の取扱貨物は、エネルギー・在来貨物が中心、大阪
港の取扱貨物はコンテナ・フェリー貨物が中心であり、一定の役
割分担ができている。
●港の特徴を活かした集荷・創荷や
利便性の向上の取り組み
●エネルギー港湾としての機能拡充
●国際コンテナ戦略港湾の取組み
財務
状況
●施設の老朽化の進展に伴い維持補修費が増大している。
●厳しい財政状況の下、投資的経費の確保が難しい。
●臨海部の土地造成事業については、収支が厳しい。
●維持補修費の確保
組織
運営
●多種多様な事業を行っている組織である。
●人員削減が続き組織体制のあり方が課題である。[府]
●職員の約半分が現業職である。[市]
●組織のスリム化
●港湾技術・振興の専門家の育成、
継承
●民間委託化の推進
事業
●物流以外に、埋立事業、環境事業、海岸事業(防災)など業務
が多岐にわたっている。
●地方港湾の管理運営などの業務も行っている。[府]
●集客施設の管理運営、南港ポートタウンなどの業務も行って
いる。[市]
●事業の整理及び物流に特化した
組織の構築
●投資的経費の確保
●臨海部の土地造成事業の収支改
善
65
Ⅲ 統合の方向性
1
2
3
4
府市統合の考え方
経営形態の比較
現港務局制度の課題
新港務局設立に必要な制度改正等
66
Ⅲ-1 府市統合の考え方
■大阪湾諸港の課題
■府市港湾局の課題
○管理者ごとでの港湾機能フルセット対応による非効率性
○湾全体で見た空間利用・施設利用に偏り
○港湾管理者ごとに投資計画を策定
○利便性の向上
○維持補修費や投資的経費の確保(選択と集中)
○物流に特化した組織の構築
○新港務局による大阪湾4港湾管理者一元化を
可及的速やかに目指す
○物流の効率化や利用者サービスの向上の観点
から府市港湾管理者の統合を目指す
■府市統合の考え方
大阪湾4港湾管理者一元化に先駆けて、第一ステップとして府市統合を実現し、統合
効果を早期発現させる。
【現 在】
【STEP1】
尼崎西宮芦屋港
【STEP2】
尼崎西宮芦屋港
神戸港
神戸港
神戸港
大阪港
堺泉北港
阪南港
尼崎西宮芦屋港
大阪港
堺泉北港
阪南港
大阪港
堺泉北港
阪南港
(港湾の一元管理)
(港湾の一元管理)
67
67
Ⅲ-2 経営形態の比較
■府市港湾管理者の統合における経営形態として、以下の3つについて検討を行う。
港務局
根拠法
団体の性格
港湾法第4条
営利を目的としない公法上の法人
(地方公共団体ではない)
構成自治体
○現に、港湾施設を管理する地方公共団体
○従来、港湾施設の設置・維持管理の費用を
負担した地方公共団体
○予定港湾区域を地先水面とする地域を区域と
する地方公共団体
設立(変更)に必要 ○構成自治体の議会の議決(定款)
な手続き
○設立・予定港湾区域等の公告
○国土交通大臣の同意
代表者
議会の関与
財務
参考事例
港湾法第33条、地方自治法第284条
広域自治体
(大阪港の港湾管理者を市から府に変更)
港湾法第33条、地方自治法
特別地方公共団体
普通地方公共団体
○事務の一部(港湾管理者業務)を共
同処理する普通地方公共団体(都道府
県や市町村)
----
○構成自治体の議会の議決(規約)
○予定港湾区域等の公告
○国土交通大臣の同意
○総務大臣の許可
○管理者
○当該地方公共団体の議会の議決
○予定港湾区域等の公告
○国土交通大臣の同意
一部事務組合
○委員長
○知事(首長)
港務局を代表し、業務を総理
・委員会:港務局の施策を決定し、事務の運営を
指導統制
・委員:港湾に関し十分な知識と経験を有する者
等
○定款の変更(構成自治体の議会の議決)
○規約の変更、解散等(構成自治体の議 ○条例の改廃や予算・決算など地方自治法第
○委員の任免(構成自治体の議会の議決)
会の議決)
96条に規定されている事項(当該地方公共
○一部事務組合の予算・決算等(組合の 団体の議決)
議会の議決)
○原則として、独立採算制
○財源は構成自治体からの負担金や使用 ○財源は税等や使用料収入等
経費(港湾工事に要する費用は除く)は、
料収入等
使用料等の収入をもって賄わなければならない
○債券発行可能(総務省協議を経て発行した前例 ○地方債発行可能
○地方債発行可能
なし)
○損失が生じれば、構成自治体が補填
○構成自治体のみが出資。
新居浜港
苫小牧港(北海道、苫小牧市)、石狩湾
新港(北海道、石狩市、小樽市)、名古
屋港(愛知県、名古屋市)、四日市港
(三重県、四日市市)、境港(鳥取県、
―
島根県)、那覇港(沖縄県、那覇市、浦
添市)
68
Ⅲ-2
経営形態の比較
■府市港湾管理者の統合における経営形態の比較検討
○港務局
・港湾法第4条に基づく地方公共団体から独立した組織であり、港湾に専門的知識を
有する委員で構成する委員会が施策を決定し、独立採算を財務原則としている。
○一部事務組合
・港湾法第33条及び地方自治法第284条に基づき、普通地方公共団体の事務を共同処理
する組織であり、議会の関与が比較的大きく、財源としては構成自治体からの負担金など
がある。
・府市のみの一部事務組合の場合、新たな大都市制度移行に伴い解散となる。
○広域自治体(大阪港の港湾管理者を大阪市から大阪府に変更)
・港湾法第33条及び地方自治法に基づく、普通地方公共団体であり、議会の関与が大きい。
・上記2案とは異なり、新たな組織の設立ではなく、港湾管理者の変更である。
港務局は、新たな大都市制度の移行後も地方公共団体から独立した組織で、港湾の有
識者からなる委員会が施策を決定するため、一部事務組合や広域自治体に比べると府市
港湾管理者の統合においてふさわしい経営形態と考えられるが、現行制度では課題が多
く、制度改正が必要である。
69
Ⅲ-3 現港務局制度の課題
課
現行制度の港務局
題
○物流以外の業務も行う組織になる。
港湾管理者は純粋な港湾機能以外に・・・
⇒高潮・津波対策等(防災)
⇒廃棄物処分場等(環境)
対象
物流
荷主、船社、港運事業者等
高潮・津波対策
市民
廃棄物処分場
(フェニックス)
近畿2府4県市町村
民間事業者
○構成自治体の財政的関与が大き
い組織になる。
・財源が使用料収入等のみで独立採算
は困難
・港湾管理者の経営形態の中で、港務局
のみ、固定資産税等の課税あり
○限られた人材・財源を様々な業務
に分配するため、本来の港湾管理者
が目指すべき、国際競争力の強化
や利用者ニーズへの対応が実現し
にくい。
○構成自治体から独立した組織に
ならず、機動的・柔軟なサービスの
提供ができない。
上記の課題を解決するため、一定の制度改正により、物流に特化し、機能的・柔軟
なサービスの提供が可能な「新港務局」を設立し、港の国際競争力の強化を目指
す必要がある。
70
Ⅲ-4 新港務局設立に必要な制度改正等
「新港務局」設立には、以下の制度改正が必要不可欠である。
物流に特化した組織形態とするためには・ ・・
■海岸事業の整理
○港湾区域における海岸管理は、地方公共団体から独立した法人格をもつ港務局が実施するのでは
なく、防災行政として地方公共団体の責務で担う事業であり、海岸法の改正が必要
■環境事業の整理
○廃棄物埋立護岸に関する業務は、地方公共団体から独立した法人格をもつ港務局でなく、環境行
政として地方公共団体が担う事業である。また、事業者と排出団体等が財政負担の公平化の観点の
もとで合意できる新たな事業スキームの構築にも取り組んでおり、事業主体及び事業スキームについ
て、広域臨海環境整備センター法の見直しも含め検討が必要
■埋立事業の整理
○臨海部の埋立事業により造成した土地は、府民・市民・事業者など多様な利用者を対象として、港
湾や都市・産業利用などの用途に活用するものであるため、様々な行政課題への対応という観点から
地方公共団体が担う事業である。→事業実施についての制度の整理が必要
■都市基盤施設等の整理
○臨海部において、まちづくりとも密接に関連し、一般車両や一般市民の利用にも供している道路や
緑地等については、都市的な基盤施設としての役割が大きいため、都市基盤行政として地方公共団
体が担う事業である。
○干潟造成等の自然環境創造事業は大阪湾の環境改善に資するものであり、広域的な視点により
地方公共団体が担う事業である。
⇒財産のあり方の整理や事業実施についての制度の構築等が必要
71
Ⅲ-4 新港務局設立に必要な制度改正等
安定した経営基盤の維持を図るためには・・・
■法改正
〇港湾管理者の経営形態の中で港務局のみが固定資産税、都市計画税、不動産取得税等の公租公
課がかかるため、それらが非課税となるよう地方税法の改正が必要
■法改正以外
〇公共インフラとしての岸壁・防波堤等の整備費(既投資の起債償還含む)は、公共事業として構成自
治体の負担が必要
〇新港務局の資金調達力を高めるため債券発行に関する省庁協議が必要
〇収入が見込めない公共インフラの管理運営について、構成自治体からの経費の負担が必要
その他
○港務局について、より広域からの港務局への出資のあり方などさらによりよい制度とするために、
今後の検討の進捗に伴い、その他にも、港湾法も含めた制度改正が必要となる可能性がある。
72
Ⅲ-4 新港務局設立に必要な制度改正等
新たな組織を設立するためには・・・
■新港務局設立に向けて
○新港務局で実施する事業についての会計処理のあり方について整理が必要である。
(収支試算についてIV-2参照)
〇「新港務局」の経営基盤を確立させるためには、財産・債務の整理が必要である。
○人事・給与制度をはじめとする組織運営にかかる制度設計が必要である。
(組織案についてIV-3参照)
■新港務局以外について
○「新港務局」に引き継がない物流以外の業務については、引き続き府市の各部局など(地方公共団
体)で、より効率的な執行体制の構築を行い、実施する。
○人員の配置の見直しについては、府市の各部局など全庁的に取り組む必要がある。
73
IV 統合プラン(案)
1 新港務局で実施する事業(案)
2 新港務局の収支(試算)
3 新港務局の組織(案)
74
IV-1 新港務局で実施する事業(案)
府
市
港
湾
局
で
共
通
の
事
業
港湾管理者
○港湾事業
・港湾計画の作成や貨物集荷・航路誘致等のポートセールス、港湾区域・臨港地区内の規制、
公有水面埋立免許など
・防波堤、航路、岸壁、上屋、荷役機械、道路・緑地等の港湾施設の整備・管理運営など
新
港
務
局
○埋立事業
・埋立地の造成、基盤整備など
○環境事業
・廃棄物埋立護岸の整備・管理運営など
海岸管理者
○海岸事業(港湾区域内)
・防潮堤などの海岸保全施設等の整備・管理運営など
府港湾局
○地方港湾の整備・管理運営
(二色港、泉佐野港、泉州港、尾崎港、淡輪港、深日港)
○海岸事業(港湾区域以外)
○受託事業(漁港)
市港湾局
○集客施設等の管理運営
○ポートタウンの関連業務
など
新
港
務
局
以
外
(
府
市
の
各
部
局
な
ど
)
※
府
市
港
湾
局
で
異
な
る
事
業
大阪港
堺泉北港、阪南港
※「新港務局」に引き継がない物流以外の業務については、引き続き府市の各部局
など(地方公共団体)で、より効率的な執行体制の構築を行い、実施する。
75
IV-1 新港務局で実施する事業(案)
■新港務局以外の組織が担う事業の基本的な考え方
■港湾事業における都市基盤施設等の整理
○臨海部において、まちづくりとも密接に関連し、一般車両や一般市民の利用にも供している道路や緑地等については、都市的な基盤
施設としての役割が大きいため、地方公共団体が担う事業である。
○干潟造成等の自然環境創造事業は大阪湾の環境改善に資するものであり、地方公共団体が担う事業である。
■埋立事業の整理
○臨海部の埋立事業により造成した土地は、府民・市民・事業者など多様な利用者を対象として、港湾や都市・産業利用などの用途に
活用するものであるため、様々な行政課題への対応という観点から地方公共団体が担う事業である。
■環境事業の整理
○廃棄物埋立護岸に関する業務は、地方公共団体から独立した法人格をもつ港務局でなく、環境行政として地方公共団体が担う事業
である。また、事業者と排出団体等が財政負担の公平化の観点のもとで合意できる新たな事業スキームの構築にも取り組んでおり、事
業主体及び事業スキームについて、検討が必要である。
○有害汚泥などの除去を行っている公害防止対策事業についても、環境行政として地方公共団体が担う事業である。
■海岸事業の整理
○港湾区域における海岸管理は、地方公共団体から独立した法人格をもつ港務局が実施するのではなく、防災行政として地方公共団
体の責務で担う事業である。
■地方港湾
○漁港的利用、地域の賑わいの場として利活用されており、地域活性化の拠点として、地方公共団体が担う事業である。
■集客施設の管理運営、ポートタウン関連業務等
○臨海部のまちづくりの一環として実施してきたこれらの事業については、物流に特化する新港務局ではなく、地方公共団体が担う事業
である。
※上記、地方公共団体に係る基礎自治体もしくは広域自治体の役割分担については、新たな大都市制度移行に伴い検討していくものと
する。
76
IV-2 新港務局の収支(試算)
平成24年度予算をベースに、制度改正の実現や事業の整理を前提に「新港務局」の収支を試算
■収支(仕組み)
○新港務局の収入
・収益的収入: 港湾施設等の使用料・土地賃貸料
・資本的収入:起債収入・国庫支出金・減債基金取崩など
○新港務局の支出
・収益的支出:管理費、人件費、減価償却費など(交付金を除く)
・資本的支出:建設費、起債償還、減債基金積立など
■収支(試算)
○新港務局の収支見込み
【収益的収支】
収
入
支
出
(単位:億円)
大阪港
(市)
14.5
24.8
39.3
国庫支出金
1.5
1.2
2.7
その他収入
12.3
1.0
13.3
64.4
計
28.3
27.0
55.3
22.3
29.5
建設費等
22.9
20.9
43.8
2.3
3.4
5.7
起債償還(元金)
11.7
25.9
37.6
18.5
81.1
99.6
その他支出
14.1
-
14.1
27.8
49.7
77.5
計
48.7
46.8
95.5
▲20.4
▲19.8
▲40.2
大阪港
(市)
施設使用料等
36.1
63.2
99.3
土地賃貸料
10.2
67.6
77.8
計
46.3
130.8
177.1
管理費等
9.0
55.4
人件費
7.2
起債償還(利息)
合
計
(単位:億円)
堺泉北港
阪南港(府)
堺泉北港
阪南港(府)
計
■試算の結果
【資本的収支】
計
起債収入
収
入
支
出
合
注)
・人件費は全て収益的支出に計上している。
・収益的収支に計上すべき減価償却費は、本試算では計上してい
ない。
・起債償還:一般会計分は発行自治体で償還、港湾事業特別会計
(府)及び港営事業会計分(市)は港務局で償還するものとして計上
している。
・資本的収支のその他収入・支出は減債基金積立・取崩等である。
計
(制度改正等実現の場合)
・収益的収支では約78億円の黒字となる
一方、資本的収支では約40億円の資金
不足となる。
計
■検討課題
・主に資本的支出で実施される港湾工事
に要する経費の取扱いの整理(負担者・
負担工事・金額・府市按分)
・剰余金に対する構成自治体への納付、
欠損金に対する構成自治体からの補填
の整理(金額・按分)
・残債の整理
・今後の債券発行の手法等の整理
・固定資産税等の扱い
(参考)制度改正等が実現できず、起債償還を全て港務局が返済かつ課税もかかる
場合の支出増
(単位:億円)
堺泉北港
阪南港
大阪港
計
固定資産税等
17.3
33
50.3
起債償還
33.2
214
247.2
固定資産税等で約50億
円、起債償還で約247億円
の支出が発生し、組織運営
が困難となる。
注)起債償還は、海岸・港湾事業を含む
77
IV-2 新港務局の収支(試算)
■新港務局において今後取り組む主な事業
注:事業費は平成25 年度~平成32年度の概算額で
あり、実施を想定している主な事業を記載している。
直轄事業※1
大津航路浚渫・堺2区耐震強化岸壁整備(44億円)
YC岸壁整備(174 億円)、主航路浚渫(432億円)、南港東岸壁(33億円)
補助事業等※2
汐見3号岸壁整備(36億円)、汐見沖岸壁整備(10億円)
泉大津大橋改修(8億円)
阪南2区耐震強化岸壁(14億円)
起債事業
荷役機械改良他(12億円) 、南港東埠頭用地(27億円)
貸付金事業※3
YC上物整備(41億円)、C1-4等改良(84億円)
※1:国費含む、※2 国費含む、※3:自己資金含む
78
IV-3 新港務局の組織(案)
現状の組織人員をベースに、制度改正の実現や事業の整理を前提に「新港務局」の組織規模を試算
■府港湾局(現状)
行政職
(H24年4月1日現在、単位:人)
現業職
■新港務局
計
(単位:人)
行政職
新港務局
業務量
64.7
21.1
85.8
上記以外
58.1
20.7
78.8
合計
122.8
41.8
164.6
注)常勤換算人数(再任用1人当たり0.6人)
■市港湾局(現状)
行政職
(H24年5月1日現在、単位:人)
現業職
計
143.3
122.6
265.9
上記以外
188.7
203.4
392.1
合計
332.0
326.0
658.0
計
府港湾局
64.7
21.1
85.8
市港湾局
設立時見込
143
105
248
市港湾局
将来見込
151
42
193
計
新港務局
業務量
現業職
207.7 ~
215.7
126.1 ~
63.1
333.8 ~
278.8
注)組織人数については、今後新港務局の制度設計に合わせ
て、詳細な検討が必要である。
※市港湾局の現業職は、設立時までに18名の退職予定含む
将来見込みは業務の民間委託化により達成可能な人員数
■新港務局業務内容
■検討課題
・府市からの派遣職員とするか固有職員とするかの整理
・全国に港務局固有職員は存在しないため、固有職員について制度設計が必要
(委員、監事についても検討が必要)
・業務の民間委託化に伴い、現業職員の再配置等の措置が必要
(参考)港湾法抜粋
(委員長等の給与)
第二十五条 港務局は、常勤する委員、監事及び職員に対して、給与を支払わなければならない。
2
前項の給与の額は、その職務の内容と責任に応ずるものでなければならず、且つ、当該地方における同様な職務
に従事する者の給与と同等の基準において定められなければならない。但し、港務局を組織する地方公共団体の
長(該当者が二人以上ある場合は、高い給与を受けている者)の給与をこえるものであつてはならない。
3 第一項の給与を受ける委員及び監事は、報酬を得て他の業務に従事してはならない。
(公務員たるの性質)
第二十六条 委員、監事及び職員は、刑罰法規の適用については、法令により公務に従事する者とみなす。
・委員会の運営
・新港務局の総務、計理、人事・厚生
・国や構成自治体(府市)との調整
・港湾計画の作成、臨港地区規制、埋立免許事務
・港湾施設の建設・改良のための工事等委託
・港湾の振興、ポートセールス
・港湾施設の補修工事のための工事等委託
・港湾施設の維持管理のための業務等委託
・直営による緊急補修業務
など
79
IV-3 新港務局の組織(案)
■新港務局の組織図(想定)
委員会
地方港湾審議会
監 事
事務局
監
査
・
検
査
に
関
す
る
こ
と
総 務 部 門
企画振興部門
事業・管理部門
法規・報道・人事・予算・財産等
に関すること
計画・港湾戦略・振興等
に関すること
工事・維持・運営等
に関すること
総
務
・
人
事
に
関
す
る
こ
と
予
算
・
経
営
方
に針
関等
す
る
こ
と
規不
制動
等産
の
管
理
に・
関臨
す
る港
こ地
と区
港
湾
計
画
・
事
に業
関計
す
る画
こ等
と
戦
略
港
湾
・
総
に合
関特
す
る区
こ等
と
利
用
促
進
・
宣
に伝
関等
す
る
こ
と
施
工
監
理
・
施
に設
関保
す
る全
こ等
と
大
阪
港
の
工
事
に・
関管
す
る理
こ等
と
工堺
事泉
・北
管港
理・
阪
に南
関港
す
るの
こ
と
80
V 統合の効果
1 府市統合の効果
2 府市統合に関するヒアリング
81
V-1 府市統合の効果
■大阪湾諸港の港湾管理の一元化の第一ステップとして、府市港湾管理者を統合すること
の効果
●長年の課題である大阪湾諸港の港湾管理の一元化に先行して府市統合を実現すること
が、湾一元化の促進に寄与
●人材やノウハウ、予算の有効活用による運営の効率化や意思決定の迅速化
●両港の役割分担のより明確化や重複機能の集約を行うことにより、利用者にとって利用し
やすい港が実現、港の有効活用が可能
●港湾エリアの規模拡大、ポートセールスの窓口一本化により、利用者に提示できる施設が
多様化し、利用者の選択肢が増加
82
V-2 府市統合に関するヒアリング
項目
堺泉北港 ・ 阪南港
ヒアリング先
荷主 3社、船社4社、港運事業者 6社、倉庫業 2社、
陸運関係 1社 計16社
大阪港
荷主 4社、船社 3社、港運事業者等 5社 計12社
・手続きや窓口の一本化が図れる 【荷主2社、港運1社、 ・施設使用料等の低廉化、料金体系の統一化、サービス
倉庫業2社、陸運1社】
の向上 【荷主2社、船社1社、港運3社】
・施設使用料等の低廉化、料金体系の統一化、サー
ビスの向上 【荷主2社、船社1社、港運1社、倉庫業1社】
府市統合に
期待すること
・港湾施設の集約や施設の有効活用
【港運2社、倉庫業
1社】
・国際競争力の強化 【港運1社】
・集荷力や知名度アップ 【船社1社】
・手続きや窓口の一本化が図れる 【船社1社、港湾関連1社】
・意思決定の迅速化、港湾戦略の統一 【港運1社】
・港湾施設の集約や施設の有効活用 【港運1社】
・政府に対する発言力の向上、国予算の重点配備 【港運1
社】
・コストを意識した無理のない港湾経営が可能 【港運1社】
・料金が高くなる懸念 【荷主1社、船社3社、港運5社、倉庫
・コスト削減によるサービスの低下 【荷主1社、港運2社】
業1社】
・料金が高くなる懸念 【港運2社】
府市統合に
懸念すること
・港湾機能の集約により、既存利用者が不便になる
のでは 【船社2社、港運2社】
・管理者の目が行き届かなくなるのでは 【港運1社】
・管理者の目が行き届かなくなるのでは 【荷主2社、倉
・財源の確保と一元化が可能かどうか 【港運1社】
庫業1社】
・府市統合のみの効果に疑問 【港運1社】
・独立採算により大規模投資ができない組織になる懸念
【港湾関連1社】
83
V-2 府市統合に関するヒアリング
項目
堺泉北港 ・ 阪南港
大阪港
・民営化には問題がある、民間と行政の役割分担が
必要 【荷主3社、船社2社、港運6社、倉庫業2社、陸
運1社】
・港湾管理の形態が変わることによる影響が想像できない、
課題が見えない 【荷主2社、船社1社、港湾関連1社】
・大阪港・堺泉北港の強みのアピールと弱みの改善
【荷主1社、船社1社、港運2社、倉庫業2社、陸運1社】
その他
・国の組織(税関、入国管理局、海上保安庁など)のシン
グルウィンドウ化や、各組織内での湾単位の一本化が望
まれる 【船社1社、港運1社】
・港湾区域を統合する場合の港運免許などへの影
響【荷主1社、港運2社、倉庫業1社】
・日本の港湾は高コスト構造、港湾物流の合理化が必要
・民営化は賛成、民営化による柔軟・迅速な対応が
可能となる 【船社3社】
・既に民間ベースで集積が図られているため、今後もさら
に貨物を集積したい 【港運1社】
【船社2社】
・港湾区域統合によるコスト削減、知名度アップ 【荷
主1社、船社1社、倉庫業1社】
・日本の港湾は高コスト構造、港湾物流の合理化が
必要 【荷主2社】
・港湾における商慣習が課題【船社1社、港運1社】
・陸運業者は立場が弱い【陸運1社】
84
VI まとめ
1 基本的方向性(案)
2 新港務局設立に向けたスケジュール(案)
85
VI-1 基本的方向性(案)
大阪湾諸港の港湾管理の一元化の第一ステップとして、物流
に特化し、また機動的・柔軟なサービスの提供が可能な「新港
務局」により、府市の港湾管理者の統合(大阪港・堺泉北港・阪
南港)を目指す。
●「新港務局」設立には、以下の制度改正が必要不可欠である。
・物流に特化した組織形態とするための海岸法などの改正等
・安定した経営基盤を維持するための地方税法の改正等
●「新港務局」の経営基盤を確立させるためには、財産・債務の整理が必要
である。
●「新港務局」の体制を検討するとともに、設立に伴う人員の配置の見直し
については、府市の各部局など全庁的に取組む必要がある。
●「新港務局」に引き継がない物流以外の業務については、引き続き府市の
各部局など(地方公共団体)で、より効率的な執行体制の構築を行い、実
施する。
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VI-2 新港務局設立に向けたスケジュール(案)
H23年度
TFで検討
3/29 4/24
論 中
点 間
整 報
理 告
H24年度
H25年度
H26年度
H27年度以降
6月
と
り
ま
と
め
・府市共
同案の
策定
⇒国への
制度提
案
■法改正協議
・海岸法、地方
税法等
(国交省、総
務省、その他
関係省庁)
※
基
本
的
方
向
性
案
所
要
の
法
制
度
改
正
(
)
■物流以外の業務の整理
■債務・人員の整理
■新組織設立に向けた準備等(事務局組織、
委員の選任、 財産の確定、会計など)
■国交省、総務省、その他関係省庁及び沿岸
市町等との調整
定
款
・
条
例
改
廃
・
補
正
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議
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決
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意
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(
大
阪
港港
、
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)
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4
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一局
元
化設
]立
※25年度中の法改正は最速のスケジュールであり、
このためには、国の理解と積極的かつ迅速な対応が不可欠
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