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講座概要 【PDF:105KB】
2005 年度第2期 中南米理解講座「中南米入門:グローバル化と地域性」
中南米入門:グローバル化と地域性
毎週月曜日 全10回(10月3日∼12月12日/10月10日は休講)
U.S.エデュケーション・ネットワーク銀座校
●コーディネーターからのメッセージ
中南米とは別名ラテンアメリカとも呼ばれる地域です。地理的にはメキシコ以南の北米大陸、南米
大陸全域、およびカリブ海の島々からなる広大な領域です。そのため多様な地勢や気候を擁し、アマ
ゾンの熱帯雨林、アンデスの氷河、カリブ海のサンゴ礁などその景観は変化に富んでいます。歴史的
には紀元前より先住民族の手によって一部地域に都市が建設されはじめ、やがてマヤ・アステカ・イ
ンカなどの文明が開花しました。その後 15 世紀末のコロンブスの航海をきっかけにヨーロッパやアフリ
カから多くの人々が流入し、日本人をはじめとするアジアからの移民もそれに続きました。その結果現
在ではいくつもの文化が混在、混淆し、一見混沌としつつもダイナミックで創造的な社会が形成され
ています。
このような中南米地域を理解するための入門編として今回はじめて企画したのがこの講座です。そ
の特色は現在進行中のグローバル化の動きを視野に入れながら中南米の地域性を考察する点にあ
ります。現代は人・物・情報が大量、急速に地球上を移動する時代であり、中南米地域も例外ではあ
りません。そのような状況の下で生まれつつある新しい中南米の姿をお伝えしようと思います。またそ
の際に、経済、環境、医療、先住民族、メディア、文学など多様な視点を通じて中南米特有の地域性
が学べるように、講師陣にも多彩な顔触れを揃えました。特定のテーマについて深く学ぶためにも、
第1回
5月13日(金)
まずは中南米のさまざまな姿に触れていただきたいからです。
私たちから見れば地球の反対側にある中南米地域ですが、この講座を通じて少しでも身近に感じ
ていただければと願っています。
(野谷文昭・小池洋一・鈴木 紀)
第1回 10月3日(月)
開講にあたって
中南米入門
野谷文昭・小池洋一・鈴木 紀
3人のコーディネーターによる本講座を概観するシンポジウムを行います。
第2回 10月17日(月)
帝国医療とラテンアメリカの身体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 池田 光穂
「中南米入門」と題する本講座に、帝国医療や身体論というテーマがふさわしいのか講師自身が当
惑しています。本演題にあるように、ラテンアメリカという領域あるいは文化範疇が実際に〈身体〉をもつ
というのは全くの冗談であるかあるいは知的に高度な比喩的表現に他なりません。私ができるのは、中
央アメリカにおける私自身の経験から、現地の保健医療は今どんな状態におかれているのか、またどの
ようにして人々の生活の中に保健医療が組み込まれているのか、そしてまさにラテンアメリカの〈身体〉と
はいったい何なのかについてご紹介し、それらについて考察することでしょう。文学・文化・政治など第
一級の諸先生のハードコアな講演とは違う、儚くもまたか弱いソフトな肌をもつ〈身体〉という観点から入
る、これまでとは違ったもう一つの中南米入門になれば幸いです。
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2005 年度第2期 中南米理解講座「中南米入門:グローバル化と地域性」
第3回 10月24日(月)
新自由主義に抵抗する先住民族―メキシコ・サパティスタ運動の10年・・・・・・・・ 小林 致広
1994年1月1日、「サパティスタ民族解放軍(EZLN)」を名乗る数千人の先住民がメキシコ南東部チア
パス州の都市を占拠した。この日は、メキシコと米国、カナダによる「北米自由貿易協定」の発効日で、
協定が先住民農民への死刑宣告であるとして、マヤ系先住民が武器を手に、「もうたくさんだ」と叫んだ
のである。従来の民族解放勢力と異なり、EZLNは「権力の掌握」を目指していない。1994年1月以降、
EZLNは「武装放棄」も「武装蜂起」もせず、言葉による対話を掲げながら、新しい社会を創るため国内
外の市民社会と対話を重ねてきた。2001年、現政権が「先住民の権利と文化」を憲法に盛り込むことを
拒否したため、EZLNは先住民自治地区づくりを推進してきた。2005年7月、第6ラカンドン密林宣言を
発表、先住民問題に限らず、国の直面する諸問題を人々と協議しながら、新自由主義モデルとは異な
る国のあり方を模索すると宣言した。こうしたサパティスタ運動のもつ意味について検討したい。
第4回 10月31日(月)
グローバル化するマヤ・イメージ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 鈴木 紀
ラテンアメリカ社会の特徴として見逃せないのは、先住民族の存在です。グローバル化を地球規模で
情報交換が急増するプロセスととらえれば、グローバル化によって、私たちとラテンアメリカの先住民族
の人々の間にはどのような関係が生まれているといえるのでしょうか。本講義ではこの問題を、メキシコ
のマヤ民族を事例に考えてみたいと思います。雑誌や書籍、テレビ、展覧会などさまざまなメディアによ
って私たちに伝えられるマヤ・イメージは、どの程度「正確」なのでしょうか。私たち外国人が抱くマヤ・イ
メージに対して、当のマヤの人々はどのように対応しているのでしょうか。マヤの人々自身が発する「本
当の」マヤ・イメージはどんなところに見つかるのでしょうか。私のこれまでの調査資料を紹介しながら、
こうした問題を考えてみたいと思います。
第5回 11月7日(月)
地球全域化したバビロンにおいて「故郷喪失者」であるということ
―グローバル化の中のレゲエについて考える― ・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・ 鈴木 慎一郎
ジャマイカのレゲエの成立の背景には、15世紀末以来の西欧の覇権拡大の中で居場所を強制的に
移動させられてきた人々の体験もあれば、20世紀の交通・通信技術の発達もある。20世紀末にはさらに、
レゲエは脱領土化してそれ自体がひとつのグローバル文化という地位にまで達した。それもハリウッド
映画や英米のポピュラー音楽などとは異なり、いわゆる第三世界発のグローバル文化としてである。レ
ゲエの詞やレゲエ音楽の実践からは、少なくとも3つの傾向―「バビロン」(国家や国家間システムや多
国籍企業の支配)のせいで自己や共同体が本来の「らしさ」を得られずにいるという意識、ミソジニー
(女性嫌悪)、ホモフォビア(同性愛に対する恐怖)―を指摘することができる。これらはジャマイカの文
脈にとどまらずトランスナショナルな文脈にある程度共通している。3つの傾向の絡まり具合を注視し、そ
こにうかがえる可能性と限界またはそのどちらとも決めかねるようなものについて考えてみたい。
第6回 11月14日(月)
20世紀前半のラテンアメリカのメディアと外部世界 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・石井 康史
ラテンアメリカにおけるコミュニケーション・メディアの基本的な見取図を描くことがこの講義の目的で
す。出版・映画産業、ラジオ・テレビといった20世紀の主要メディア・テクノロジーは、ラテンアメリカの複
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2005 年度第2期 中南米理解講座「中南米入門:グローバル化と地域性」
数の国ぐにで1950年頃までに出そろいます。これらメディアのラテンアメリカにおける独自性を理解する
ために、本講義では歴史的結節点となりうる複数のエピソードを、特定の国におけるテクノロジーと文
化・社会の関係において考察します。たとえば出版物の大量流通と職業としての文筆業を可能にした
新しい出版テクノロジー、映画産業と第二次大戦・キューバ革命などといった歴史的エピソードは、ラテ
ンアメリカにおけるメディアと社会の関係を分かりやすい形で例示してくれているからです。こうした作業
を通じて、先端メディア・テクノロジーがラテンアメリカでどのように受容されて来たかの一端を描写し、分
析・理解することを目指します。
第7回 11月21日(月)
グローバル化の文学と文学のグローバル化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野谷 文昭
イスパノアメリカの文学がスペインの植民地文学であることをやめるのは19世紀末のことで、世界を意
識する詩人たちが現れたことによる。ダリオによってモデルニスモと名付けられたこの動きは1930年代
に盛んになるネルーダやパスらの前衛詩の運動を生むばかりか、ガルシア=マルケスらに代表される
1960年代の新しい小説のブームへと繋がっていく。この講義では、作家や詩人が世界をどう意識したか
を考えるとともに、1980年代に顕著になるいわゆるグローバル化に彼らがどう反応したかを検証する。そ
こからはおそらくローカルなものへのこだわる姿勢と世界に開かれる姿勢のふたつが見えてくるだろう。
すでに挙げた詩人や作家のほかに、とくにチリ出身のイサベル・アジェンデとグアテマラ出身のリゴベル
タ・メンチュウの最近の創作活動に注目してみたい。また、時間が許せば、キューバの新世代作家の動
きにも触れるつもりである。
第8回 11月28日(月)
〈構造改革〉とその帰結―日本との比較を交えて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 佐野 誠
近年,日本では「構造改革」の是非や評価をめぐって様々な議論が戦わされている。しばらく前に選
挙の争点となった郵政(とりわけ郵貯)民営化が,それを進める政権によって「構造改革」の「本丸」と位
置づけられていたことからもわかるように,「構造改革」の本質とは,経済活動のできるかぎり多くを市場
原理にゆだねることにある。自由化,規制緩和,民営化を進める,新自由主義の経済政策といいかえて
もよい。本講座の対象である中南米地域は,この意味での「構造改革」を世界に先駆けていち早く進め
たことで知られる。この講義ではその内容を概括したうえで,アルゼンチンを中心に中南米経済の「構
造改革」の社会経済的な帰結を明らかにし,さらにポスト新自由主義を志向した経済政策の経験(チリ,
ブラジル,アルゼンチン)や,「構造改革」の下で市民が編み出した様々な「生存維持戦略」についても
概説する。日本の場合との比較も簡単に行いたいと考えている。
第9回 12月5日(月)
グローバリゼーションとコーヒー ― フェアトレードの可能性 ・・・・・・・・・・・・・ 山本 純一
コーヒーは、「北」の需要に応じて「南」が生産し、「北」が取引市場を寡占的に支配、収益の大部分を
手にするという意味で、「南北問題」を象徴する商品作物である。そして、自由化・民営化を原理とする
経済的グローバリゼーションの影響は、コーヒーを主な商品作物とするメキシコ南部の先住民社会にも
及んでおり、そこに住む人々は、経済的グローバリゼーションに飲み込まれず、自立できる道を探求す
る必要に迫られている。だからこそ、最近日本でも耳にすることが多くなったフェアトレード(FT)、つまり、
非営利主義的な動機にもとづく先進諸国の市民社会との連帯によって展開されている貿易運動の重要
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2005 年度第2期 中南米理解講座「中南米入門:グローバル化と地域性」
性はますます高まっているといえよう。
グローバリゼーションの時代にあって、「下からのグローバリゼーション」とも呼べるFTとは何か、そし
てその望ましいあり方は?
この問いに十全に答えることはできないかもしれないが、本講義では、南北問題としてのコーヒーの
歴史とFT運動の現況を概観したのち、メキシコ国内最大のコーヒー生産地チアパス州において活動し
ている2つの協同組合の事例と担当者の実践活動を通して、コーヒーFT運動の可能性と課題を検討し
たい。
第10回 12月12日(月)
失われる森、よみがえる森 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 小池 洋一
ラテンアメリカでは経済グローバル化の只中にある。先進国、さらにアジアを市場とした穀物、野菜、
果物、牛肉、木材・パルプ、切花といった非伝統的一次産品生産が活発化した。それは経済活動を多
様にし雇用を産んだが、同時に広大な森林を破壊し、生物多様性を減少させた。グローバル化は、森
林だけではなく、化学肥料・農薬による水・土壌汚染、過剰業業による水産資源の枯渇、観光による海
洋汚染などをもたらした。ラテンアメリカはいわば資源を切り売りしてグローバル化した世界に参加した
わけだが、輸出などの流通、種子など重要な投入財部分はもっぱら外国企業によって支配され、生産
者であるラテンアメリカに配分される利益は小さい。一次産品輸出経済はまた、森林、土壌、水などが失
われるため、持続可能なものではない。ラテンアメリカでは他方で、森林を保全し森林を再生する試み
も行われている。アグロフォレストリー(森林農業)、エコツーリズム、熱帯林の生物多様性を利用した薬
品開発、先進国の消費者とのフェアトレード(公正貿易)などがそれである。森林を中心に環境破壊とそ
れを乗り越える試みを紹介したい。
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2005 年度第2期 中南米理解講座「中南米入門:グローバル化と地域性」
講師紹介
*本講座コーディネーター
野谷 文昭*(のや ふみあき)早稲田大学教育・総合科学学術院教授
卒論でインディヘニスモ小説を取り上げ、大学院ではネルーダをテーマに修論を書く。ネルーダ生誕
百周年の昨年、研究者としての功績を認められ、チリ大統領賞を受賞。一方、1970年代後半から、日本
でも注目され始めた<新しい小説>の翻訳・紹介を開始する。修士1年の夏休みにキューバを訪れ、こ
のときICAICで大量の映画を見たことが、のちに映画評論に手を染めるきっかけとなる。また作家や映
画人と出会う機会を生かし、インタビューも数多く手掛けている。長らく勤めた立教大学ではラテンアメリ
カ研究所所長として活躍。今年度から早稲田大学教育・総合科学学術院教授。ボルヘス会会長。著書
に『越境するラテンアメリカ』(パルコ出版)、『ラテンにキスせよ』(自由国民社)、『マジカル・ラテン・ミス
テリー・ツアー』(五柳書院)、訳書にガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』(新潮文庫)、プイグ
『蜘蛛女のキス』(集英社文庫)など。
小池 洋一*(こいけ よういち)拓殖大学国際開発学部教授
1971年立教大学経済学部卒業。アジア経済研究所研究員、地域研究第2部長などを経て現職。この間
サンパウロ大学経済研究所客員教授、英国サセックス大学開発研究所客員研究員などを歴任。現在、
ラテンアメリカ政経学会理事長、ブラジル中央協会理事、ポルトガル・スペイン語放送番組審議委員、
雑誌『オルタ』編集委員などを兼任。ラテンアメリカの開発と制度、環境問題などを調査。近著に『アマゾ
ン−保全と開発』(共著、朝倉書店、2005年)、『現代ブラジル事典』(共同監修、新評論、2005年)、『地
域経済はよみがえるか−ラテンアメリカの産業クラスターに学ぶ』(共編著、新評論、2005年刊行予定)
などがある。
鈴木 紀*(すずき もとい)千葉大学文学部助教授
ラテンアメリカの人々の文化的創造力に関心を持ち文化人類学を専攻。1982年日本メキシコ交換留学
制度でメキシコ、ユカタン州のユカタン大学に留学。以来、ユカタン州農村部への訪問を重ね、マヤ・ユ
カテコ民族の文化動態について調査を継続中。文化変化の要因となる先住民族運動や開発政策、お
よびそれらに対する建設的批判としての開発人類学についても研究を展開。論文 Tu ux k bin? : El
Dilema de Auto-Representación en un Movimiento Étnico de los Mayas Yucatecos 『千葉大学人文研
究』29、2000年、著書『開発学を学ぶ人のために』(共著、世界思想社、2001年)など。
池田 光穂(いけだ みつほ) 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授
1956年大阪市内で生まれました。鹿児島大学理学部生物学科卒業後、大阪大学大学院医学研究科博
士課程単位取得済退学。医科学修士。1987年から3年間、JICA青年海外協力隊員としてホンジュラス
共和国保健省に派遣されました。専門は医療援助協力の文化人類学的研究ですが、グアテマラにお
いて先住民が受けた内戦の暴力の社会的効果、コスタリカにおける生物多様性の社会的意味などにも
関心を持ち続けています。著書『実践の医療人類学』(2001)世界思想社、共著『マヤ学を学ぶ人のた
めに』(2004)世界思想社など。ホームページ:http://cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/
小林 致広(こばやし むねひろ) 神戸市外国語大学教授
1949年広島県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1981年から、神戸市外
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2005 年度第2期 中南米理解講座「中南米入門:グローバル化と地域性」
国語大学で民族学、民族誌学、中南米地誌などを担当。1978年度にメキシコ人類学歴史学研究所、1
988年/2002年度は社会人類学高等研究所に客員研究員として滞在。専攻分野はメソアメリカのエス
ノヒストリー。先スペイン期のアステカ社会、植民地期のメキシコ中央部先住民社会の変容、現代の中南
米の先住民運動を主な研究対象とする。著書として、Tres Estudios sobre el sistema tributario de los
mexicas (CIESAS 1993)、『メソアメリカ世界』(世界思想社、1995年)、『もうたくさんだ−メキシコ先住民
蜂起の記録1』(現代企画室、1995年)、訳書として、マルコス副司令官の『ラカンドン密林のドン・ドゥリ
ート』(現代企画室、2004年)『老アントニオのお話』(現代企画室、2005年)がある。
鈴木 慎一郎(すずき しんいちろう) 信州大学人文学部助教授
カリブ海の特に英語圏発の諸文化について研究している。1990年代前半の約3年間ジャマイカに滞在
し、西インド諸島大学モナ校で学びつつ、現地の文化について見聞を広めた。立教大学大学院文学研
究科博士後期課程修了。現職は信州大学助教授。単著『レゲエ・トレイン:ディアスポラの響き』(青土
社)、共編著『シンコペーション:ラティーノ/カリビアンの文化実践』(エディマン/新宿書房)、共著
『〈複数文化〉のために:ポストコロニアリズムとクレオール性の現在』(人文書院)、『カリブ・ラテンアメリカ
音の地図』(音楽之友社)など。
石井 康史(いしい やすし)慶應義塾大学経済学部助教授
東京大学教養学部教養学科(中南米分科)卒。スタンフォード大学修士(MA、ラテンアメリカ研究専攻)、
同大学博士(Ph.D、主専攻スペイン語・副専攻比較文学)。ダートマス大学Assistant Professorを経て
現職。専門は比較文学、とくにメディア研究の観点から文学を考えること。具体的な研究主題としては、
文字メディアのテクノロジー史と、作品内容とを平行して考察することなど。対象地域は主にアルゼンチ
ン、メキシコ、日本。論文"Da caneta à máquina de escrever" Historiografia literaria e as tecnicas de
escrita (do manuscrito ao hipertexto). Rio de Janeiro: Casa de Rui Barbosa, 2004.
佐野 誠(さの まこと) 新潟大学経済学部教授
1960年生まれ。新潟大学経済学部教授。博士(経済学)。1982年,早稲田大学政治経済学部卒業。東
北大学大学院経済学研究科博士課程(前期・後期)修了。東北大学経済学部助手を経て,1987∼89年,
外務省専門調査員(在アルゼンチン日本国大使館)。帰国後1998年より現職。2001年9月,アルゼンチ
ン国立ラプラタ大学国際関係研究所にて集中講義。2005年3月,NHK人間講座『「共生経済」が始まる』
(講師:内橋克人)第7∼8回にゲスト出演。主な著作:単著『開発のレギュラシオン』(新評論,1998年),
共著『ラテン・アメリカは警告する 「構造改革」日本の未来』(新評論,2005年),共著『反グローバリズム
の開発経済学』(日本評論社,2003年),共著『ラテンアメリカ経済学』(世界思想社,2003年),共著
Tres Casos de Japonización de la Relación de Empleo en Argentina , Revista de la CEPAL, número
80, agosto de 2003,共著Beyond Market-Driven Development, Routledge, 2005.
山本 純一(やまもと じゅんいち)
慶應義塾大学環境情報学部教授兼政策・メディア研究科委員
1973年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。 1974年9月から1975年6月に(財)日本スペイン協会
奨学生としてスペイン・マドリッド大学に留学。 1978年9月から1979年6月、日墨交換留学生として メキ
シコ・グアダラハラ大学に留学。 1981年9月 エル・コレヒオ・デ・メヒコ(メキシコ大学院大学) 経済研究
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2005 年度第2期 中南米理解講座「中南米入門:グローバル化と地域性」
センター経済学修士課程単位取得満期退学。翻訳・通訳者、塾講師、神奈川大学外国語学部非常勤
講師を経て、1995年4月慶應義塾大学環境情報学部助教授。2001年からは政策・メディア研究科委員
を兼任。 2002年4月から現職。 主要著作に、『連帯経済の構築と共同体の構造転換―メキシコ最貧困
州チアパスの経験から』、内橋克人・佐野誠編『ラテン・アメリカは警告する―「構造改革」日本の末来』
(いずれも新評論、2005年)、『メキシコから世界が見える』(集英社新書、2004年)、『インターネットを武
器にした<ゲリラ>――反グローバリズムとしてのサパティスタ運動』(慶應義塾大学出版会、2002年)、
など。
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