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第 6 報 - NPO法人 生物多様性研究・教育プロジェクト

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第 6 報 - NPO法人 生物多様性研究・教育プロジェクト
生物多様性研究・教育プロジェクト(NPO 法人)
平成 28 年(2016)ブッポウソウ速報(第 6 報)
6 月 2 日(木)
一般公開情報
1.ブッポウソウの産卵が最盛期を迎えています。
5 月下旬から始まった産卵が最盛期を迎えています(図 1)。
図 1.産卵の準備をしているブッポウソウのメス
1
メスは,産卵が近づくと盛んに巣箱の中に入り,巣材をならして産卵のためのベッド作りをします。
図 1 はスズメが運んだワラを自分の産卵に都合のよいように踏み固めているところです。このぐら
いの量のワラが積まれている巣箱では,ワラの中にスズメの卵(受精卵)が埋もれてしまっている
ことがあります。(ふ化することはありません。)
現在(6 月 1 日)産卵数が一番多いところは 4 つ生まれています(図 2)。最大は 5 つで,それ以上
の数になることはありません。この巣箱では,もう一つ産まれる可能性が高いです。
図 2.4 つの卵が生まれている巣箱(最多の産卵数は 5 つ)
2.スズメが作った巣の中に強引に入り込んだブッポウソウ(メス)
この時期は,巣箱の中でシジュウカラやスズ
メが産卵し,子育てを行っています。スズメの
巣は,ワラを大量に運び,中に穴を作ってそ
の中(産室)に卵を生みます。
図 3 をご覧ください。左下に穴があり,その奥
の chamber(産室)で産卵が行われます。ヒナ
がふ化すると,巣箱の中からヒナの声が聞こ
えます。また,親鳥も餌を運んでくるので巣
箱にヒナがいることが分かります。
図 3.巣箱の中に作られたスズメの巣
2
高梁市中井町にかけた巣箱を見に行った時に,巣箱の外にたくさんのスズメが集まっていました。
図 4 を見ると,巣箱のついた電線にスズメが 7~8 匹もとまっているのがわかります。2m ほどのと
ころにはブッポウソウもとまっています。この個体はおそらくオスでしょう。ただとまっているだけで,
スズメを追うことはありません。気にもしていないようです。
図 4.巣箱の近くに集結したスズメとその近くにとまっているブッポウソウ
この巣箱は,昨年(2015)に設置したものですが,昨年は入りませんでした。今年も早くからスズメ
に占領されており,周囲にも十分な数の
巣箱が設置されているので,ブッポウソ
ウはまず入らないだろうと思い,ブッポウ
ソウが来る前にワラを取り除かないで置
きました。
中をのぞいたら,なんとブッポウソウが侵
入していました。巣材が入り口のすぐ近く
まで来ており,近すぎて体全体を移すこ
とができません。頭部の見えないブッポ
ウソウの写真になっています。
図 5.スズメの巣を踏みつけているブッポウソウのメス
3
しかし,この巣箱で産卵するかはまだ分かりません。この地域は昨年と比べ,ブッポウソウの数が
増えています。
3.北房町(新見市)のブッポウソウ
多様性プロジェクトの巣箱は,吉備中央町と高梁市の東部,それに新見市の一部にもかけられて
います。図 6 に示した地域は,昨年(2015)はブッポウソウが来ていませんでした。ブッポウソウの
子育てに適する環境であることは誰の目にも明らかです。ホトトギスも到着し始めています。
図 6.北房町の雑木林. 左から 2 番目の電柱に架けられた巣箱で産卵があった。
北房町のこの地域には,ブッポウソウはほとんど飛来
しません。なかなか数が増加しにくい地域なので,今
年も来ないかと思っていましたが,とうとう現われまし
た(図 7)。
この地域で新たに産卵するペアはもういないと思いま
す。トータルで,この地域では 1 ペアの増加になります。
ブッポウソウの個体数は,まさに算術級数的にしか増
加してゆきません。
図 7.左から 2 番目の巣箱で生まれた卵.ワラはスズメが運んだもの.
4
4.例年と比べ,今年飛来したブッポウソウの数は増えたか?
吉備中央町では数は減っています。特に豊野周辺では大幅に減少です。 原因は大体わかります。
原因については,全部の集計が終わった後に(会員限定情報として)連絡いたします。
それでは。
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