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協同組合関西地盤環境研究センター 第19回職員研修会 レポート・レジメの作成法 2008年10月20日 澤 孝 平 1 2 目次 1.レポート・レジメとは 1.レポート・レジメとは 2.書式・レイアウト 3.分かりやすい文章 • 広辞苑(第3版,新村出編,岩波書店,1983)より (1)レポート(Report): ①報告、報道、 ②報告書、学術研究報告書 (2)レジメ(Résumé): 梗概、大意、摘要、要約 参考文献 小笠原喜康(2002):大学生のためのレポート・ 論文術,講談社. 3 4 1.2 テーマ設定の方法 1.1 レポートの作成過程 ① 与えられたテーマについての基礎情報収集 (a) 自分が興味のあるもの インターネット・新聞・辞典など ② 具体的テーマの設定 (b) その分野の基本的な概念・事項 ③ 具体的テーマに関する資料の収集 (c) 自分が知らない言葉・分からない言葉 専門学術書・雑誌・論文など ④ レポート作成 5 6 1 1.3 レポート作成のポイント <例1> 地球環境問題について 地球環境問題については多くの人が関心を示している。砂 漠化の進行、地球温暖化、オゾン層の破壊など、まさに地球 規模の問題となっている。我々の世代だけでなく、子々孫々 までもこの美しい地球を伝えるためには、何をせねばならな いか、何ができるかを真剣に考え、行動しなければならない。 各国が自国の利益のためだけでこの問題を論じているだけ では、真の解決にはならないであろう。 (1) 表題と最初の数行 ¾言いたいこと・言うべきことを簡潔に書く。 (2) 分節化と箇条書き ¾章・節・項と箇条書きを有効に使う。 (3) 図、表、写真、グラフの使用 「大変だぁ! ¾図表は言葉以上にものを言う。 ¾言いたいことを表示する図表をつくる。 大変だぁ!」 だけでは評論である。 7 8 2. 書式とレイアウト <例2> 砂漠化の原因と対策 地球環境問題には熱帯雨林の減少と砂漠化の進行、大気 中のCO2の増加と温暖化の進行、異常気象による大災害の 発生など、多くの問題が提起されている。このレポートでは、 砂漠化の進行について取り上げ、その実態と原因を明らか にし、現在行われている各種の対策について述べる。 1. 砂漠化の実態 2.1 書式(ページ設定) (1)用紙:A4用紙を縦長で横書き (2)文字数と行数:40字×40行(1600字) (3)余白:上下左右ともに25∼30mm (4)フォント:明朝10.5ポイント (5)ページ数:中央下または右上 図−1は1965年と1997年のゴビ砂漠の地図である。 分節化と箇条書き 9 2.2 レイアウト 10 (3)卒業論文のレイアウト(参考) <例1> (1)レポートのレイアウト ¾レポートには普通表紙をつける。 ¾表紙の内容:テーマ名・タイトル・提出日・氏名 (2)レジメのレイアウト ¾レジメには普通表紙をつけない。 ¾第1ページに、テーマ名・タイトルと共に、提出 日・氏名を記入 11 表紙 はじめに(要旨) 目次(図版目次) 第1章 序論/緒論 第2章 ・・・・ 第・・章 結論/結語 引用・参考文献一覧 おわりに(謝辞) 参考資料 <例2> 表紙 目次(図版目次) 序章 第1章 ・・・・ 第・・章 終章 参考資料 引用・参考文献一覧 謝辞 12 2 2.3 本文の書き方 (4)章・節・項の表示 第1章 第1節 第1項(or (1)) 2.3.1 文体 <例2> <例1> 1. ¾ 「・・・である」体 1.1. 1.1.1. 以下 (1) (2)・・・・ 1) 2)・・・・ ① ② ・・・・ (a) (b)・・・・ 以下 (1) (2)・・・・ 1) 2)・・・・ ① ② ・・・・ (a) (b)・・・・ – 「・・・だ」は使わないこと – 「・・・のである」、「・・・と思われる」、「・・・ではないか」、 「・・・ではないかと思う」 など感情的あるいはあいま いな表現は使わないこと 13 14 2.3.3. 英字と数字の表記 2.3.2 段落 ¾ 頭一字落として表記する。 ¾ 5、6行に1回段落をとる。 ¾ 1段落10行以上にはならないようにする。 ¾ すべて半角で表記する。 – 例えば、JIS A 1210、ASTM、BS、DIN – 一字だけで日本語表記する場合、全角でも良い。 例:A君、B市 ¾ 数字は算用数字を用いる。 – 熟語や成句、固有名詞などは漢数字を用いる。 例:一つ、二つ、数十人、幾千、一番町、七曲り、一堂に、二 言はない 15 2.3.4 人物の表記 16 2.3.5 符号 ¾ 敬称は使わない。 – 「氏」、「女史」、「先生」、「教授」などは使わない。 (1) 禁則 ¾ 何度も同じ人物を表記する場合 ¾行頭や行末につけてはならない符号 – 最初のみフルネームとする。 – 2回目以降は姓、ファースト・ネームだけとする。 – 行頭禁則:、 。 , . - ’ ” ) } ] > 」 など – 行末禁則:‘ “ ( { [ < 「 など ¾ 外国人の場合 ¾大抵は自動的に処理されるソフトが多い。 – 最初だけアルファベット表記も書く。 ¾「っ、ゃ、ょ」等の小さい文字や「!?・∼」などの 符号類はなるべく行頭に置かないほうが良い。 ¾ 自分のことは一般に「筆者」と表記する。 17 18 3 (2)疑問符「?」と感嘆符「!」 (4) ( ¾ 技術論文やレポートでは使わないほうが良い。 ¾ どうしても使うときは、その直後は一字空ける。 )内の句点「。」 ¾( )で説明する文の最後に句点「。」を つけない。 ¾ 同様に引用文の「 つけない。 (3)繰り返し記号 ¾ 「々」のみが使用できる。 」の最後にも「。」を ¾例外 – 政府公文書 – (例) 国々、人々、年々、日々 – そこで文が終わる場合 ¾「〃」、「仝」、「ゝ」、「ゞ」 などは使わない。 – 改行される会話文 19 20 (6) 中黒「・」 (5) 読点「、」 ¾ 誤読を誘うような付け方に注意する。 ¾ 句点:文章の意味上の区切り (例)− ここで、はきものを脱いでください。 – これは難しい。 ¾ 読点:読むときの音声上の区切り − ここでは、きものを脱いでください。 – これは、とても難しい。 ¾あまり頻繁につけない。 ¾ 中黒:表記の視覚上の区切り ¾あまり少なすぎない。 – これは、男性・女性に関わらず難しい。 ⇒ なるべく、短文・単文にすること 21 22 (7) 強調 (8) かぎ(「 ¾ 意味を強調するために、傍点(˙)・傍線(—)・ダ ブルコーテーション(“ ”)をつけることがあるが、 多用しないこと。 ¾ 同様の主旨で、斜字体やゴチック体も使われる が、これも多用しないこと。 ¾ 引用文に傍点や傍線をつけるときには、その最 後に(傍点筆者)と書き添える。 ¾ 引用文に初めから傍点や傍線がついている時 には、(傍線原著)と書き添える。 ¾ 次の場合に使用するが、多用しないこと。 23 – – – – 」) 会話の部分 注意を喚起したい部分 引用した文や語句の部分 標題や見出し ¾ 引用の場合、長いものはなるべく本文から切り 離して、引用の上下で1行空けるのが良い。 24 4 2.4 注釈や引用文および引用・参考 文献の書き方 ¾ 注釈:本文に用いる用語などを説明するために つける文 ¾ 引用文:本文の内容を補足したり、補強するため に、他の著書や論文からその一部分をそのまま 掲載する文 ¾ 参考文献:本文を記述するためにその内容を参 考とした書籍や論文 2.4.1 本文中での引用文の表記 (1)短い引用文 ¾本文中に「 」を使って引用する。 – この問題に関して澤孝平は「地盤汚染の基準作成 に地盤工学の技術者がもっと関与すべきである5)」 (澤,1999,p.5)と述べている。 近年型 従来型 25 26 2.4.2 本文中での表記 (2)長い引用文 ¾前後1行の空白行と左右に2∼4文字空ける (左側だけでもよい)。 (1) 従来型 近年の地盤改良工法は地盤環境問題と深く関係しており、こ の件に関して澤孝平らは次のように述べている。 ¾注釈、引用文献、参考文献の別なく本文中に通し番 号1)の小さな肩数字2)をつける。 – 章末あるいは巻末にその通し番号順に一括して表記する。 地盤改良と環境問題との関係は次の4つに分 類できる。すなわち、(1)地盤環境問題を解決する ための地盤改良工法、(2)地盤改良工法が地盤環 境に与える影響、(3)廃棄物を処理処分するため の地盤改良工法、(4)廃棄物を有効利用するため の地盤改良工法である6)。(澤ら,2000,p.3) ¾長所:①本文を読むのに邪魔にならない。 ②逆参照がやりやすい。 ¾短所:①本文を読んでいるときに引用文献の出典が即座 に分からない。 これは、材料学会の地盤改良部門委員会で行われた研究 成果をまとめたものである。・・・・・・ 27 (2) 近年型 ¾ 注釈:(注1)のように本文中に書く。 ¾ 参考文献:著者名と発行年のみを括弧つきで(澤, 2003)と書く。 ¾ 引用文献:引用文末に著者名・発行年・引用箇所 を括弧つきで(澤,2003,p.123)と書く。 – 章末や巻末に注釈と引用・参考文献一覧とを別々に 表記する。 ¾長所:①本文を読んでいるときに引用文献の出典が即座 に分かる。 ②章末の表記が楽で、修正も簡単である。 ②一括して表記するのに労力がかかる。 28 2.4.3 章末・巻末での一括表記 (1) 基本 ¾論文・報告を読む人が、著者が引用し参考にして いる文献を確実に探し当てることができるように 記述する。 ¾わが国では、科学技術情報流通技術基準 (SIST:Standards for Information of Science and Technology)で定められている。 ¾短所:①本文を読むのに邪魔になる。 ②逆参照がやりにくい。 29 30 5 <雑誌論文> (2) 従来型 <著書> 著者名(翻訳者名):書名,出版者名,出版年,引 用ページ,(シリーズ名). 澤孝平,渡辺康二,ほか:地盤工学,森北出版,1999, pp.23-24,(建設工学シリーズ). 澤孝平:環境問題を解決する地盤改良技術,日本材料 学会,材料,第49巻・第5号,2000.5,pp.515-520. Morgenstern, N. R. and Tchalenko, J. S. : The Microscopic Structure in Kaoline subjected to Direct Shear, Geotechnique, Vol.17, 1967, pp.309-328. 「,.」を「、。」としてもよい。 文献が2行以上にわたるときは、2行目以降は2,3文字 落とす。 引用ページが複数のときは、「pp.」と表記する。 著者氏名:論文名,発行機関名,雑誌名,特集名, 巻・号,発行年,引用ページ 「発行 機関名」は著名な雑誌や雑誌名から機関がわ かる場合などは省力できる。 31 32 <雑誌論文> (3) 近年型 <著書> 著者名(出版年):書名,(シリーズ名),出版社名 著者名(出版年):論文名,雑誌発行機関名,雑誌 名,巻(号),ページ. 澤孝平(2000):環境問題を解決する地盤改良技術,日 本材料学会,材料,49(5),pp.515-520. 澤孝平,渡辺康二,ほか(1999):地盤工学,(建設工学 シリーズ) ,森北出版. Taylor, D. W. (1948) : Fundamental of Soil Mechanics, Wiley Interscience, New York. Morgenstern, N. R. and Tchalenko, J. S. (1967): The Microscopic Structure in Kaoline subjected to Direct Shear, Geotechnique, Vol.17, pp.309-328. 33 34 (2) 新聞記事の表記 2.4.4 その他の表記方法 (1) インターネット資料の表記 記事テーマ,発行年月日(曜日),新聞名,朝刊夕 刊の別,版数,ページ(引用段). サイトの運営主体(記事の日付):情報テーマ,サ イトURL,情報入手日. 科学技術者の倫理確立−近畿化学協会、4月に「工学 倫理研究会」発足,平成15年2月28日(金曜日), 産経新聞,朝刊,15版,p.18. 国土交通省道路局:施策紹介・重点施策,道路施策の ポイント,平成16年度道路施策のポイント, http://www.mlit.go.jp/road/road/h16p/01.html, 2004.4.13取得. 引用段は上からのカラムのことであるが、表記するこ とが読者の参照に役立つ場合に明記する。 インターネット情報は頻繁に更新されるので、情報入 手日も記載する。 記事の日付は可能な限り記載する。 35 36 6 3.2 表現方法の具体例 3.分かりやすい文章 (1)「が・り・し」を多用しない 3.1 よい文の三原則 ¾ 「・・・であるが、∼でもある。」 ⇒「・・・である。しかし∼でもある。」 (1) 短文・単文にせよ。 (2) 修飾語を多用しない。 (3) 主語・述語関係を明確にせよ。 ¾ 「・・・であり、かつ∼である。」 ⇒「・・・である。そして∼でもある。」 「竹俣一雄,鶴田顕三(1979):原稿の書き方−よく わかるルールとポイント,ナツメ社.」より 37 (2) 接続詞を正確に使う ¾ 「・・・し、∼し、----する。」 ⇒「・・・する。そして∼する。さらに----する。」 38 (3) 指示代名詞の使い方 ¾ そして ¾ しかし ¾ また ¾ さらに ¾ すなわち ¾ なぜなら ¾ というのは ¾ 一方、他方 ¾ 「これ」・「それ」・「あれ」・「どれ」 ¾ 「何をさしているか」を明確にすること ¾ 指示代名詞の指すものを繰り返して述べる方が よい時もある。 39 (4) 「・・・のである。」、「∼と考える。」 を減らす 40 次回課題 「地球環境問題」について ¾ 強調の表現「・・・のである。」は、重い表現にな る。 ¾ 「∼と考える。」は、論文やレポートで多用すると 煩雑である。 ・A4版1ページ以内 ・メールにて澤まで ・提出期限:11月10日(月)17:00 ¾ 「----と思う。」は、技術論文には不向きである。 41 42 7