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平成26年度 第3回皇居外苑濠水環境管理検討会

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平成26年度 第3回皇居外苑濠水環境管理検討会
平成26年度
第3回皇居外苑濠水環境管理検討会
資料3:局所的・一時的な水質対策に関する
実施方針
目
次
ページ
1. 目的........................................................................................................................ 1
2. 局所的・一時的な水質対策の検討方針 .................................................................. 2
2.1 検討方法 ................................................................................................................................. 2
2.2 対策技術の公募について ....................................................................................................... 3
2.3 事務所に寄せられている諸技術提案の整理(参考) ........................................................... 4
1. 目的
皇居外苑濠管理方針及び同水質改善計画においては、皇居外苑濠の水質目標を、アオコの大量発
生を防止することとしている。水質目標値及び暫定水質目標値もアオコの大量発生を防止するため
の水質として設定されている。
アオコの大量発生については、現行計画の当面の取組と今後の改善、並びに東京都の下水対策に
より平成 28 年度以降徐々に解消される見込みである。
その一方で、アオコの大量発生の防止が皇居外苑濠の望ましい水質とイコールであるかという議
論も存在する。
平成 32 年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、皇居周辺は、ロードレース会
場をはじめ複数の競技会場となることが予定されており(表 1.1、図 1.1)
、また、日本の象徴的な
場として多くの外国人を迎えることとなる。このような機会に皇居外苑濠はどのような水質である
べきかという議論は今後必要となる。
しかしながら、そのような議論も無制限にできるわけではなく、水質の悪化する夏の開催である
こと、水量やコストの制限を踏まえれば、一時的、局所的な水質目標という考え方もあり得る。こ
のような考え方に立てば、これまでの皇居外苑濠の対策とは別に、短期的、局所的な対策効果を主
眼とした対策の検討が必要となる。
表 1.1 東京オリンピック・パラリンピック会場予定地(2015.2.4 現在)
項目
会場
種目
ロードレース
皇居外苑
(スタート地点)
オリンピック
東京国際フォーラム ウェイトリフティング
日本武道館
柔道
パラリンピック 日本武道館
柔道
図 1.1
日程
7/25-7/29
7/25-8/4
7/25-7/31
8/28-8/30
対象濠
馬場先濠、日比谷濠
凱旋濠、桜田濠
日比谷濠
千鳥ヶ淵、牛ヶ淵
千鳥ヶ淵、牛ヶ淵
会場予定地(オリンピック)(2015.2.4 現在)
1
2. 局所的・一時的な水質対策の検討方針
2.1 検討方法
局所的・一時的な水質対策の検討にあたっては、対策条件を明示した上で対策技術の募集を行い、
対策を決定する。検討のフロー、スケジュール案を図 2.1 に示す。
第2期水質改善計画の策定
平成27年
モニタリング結果
対策条件の検討
必要となる改善項目を抽出
対策技術の公募
対策技術を募集
対策技術の一次選定
Yes
実証試験が可能か?
平成28年
~
平成30年
全体的な水質対策の目標を設定
実証試験方法の検討
詳細な評価を行う技術を選定する。
No
対策効果の確認
対策効果を実証実験または事例調査などにより
確認する。
実証試験の実施
対策技術の評価
対策効果を評価する。
対策技術の選定
適用する対策技術を選定する。
平成31年
詳細計画の検討、試験運用
平成32年
本運用の実施
詳細な設置計画、運用計画を立案する。
必要に応じて、試験運用を行う。
オリンピック実施にあわせて、本運用を行う
対策として有用であれば東京オリンピック・
パラリンピック以降も継続して実施
図 2.1
局所的・一時的な水質対策の検討フロー(案)
2
2.2 対策技術の公募について
(1) 対策技術の公募の目的
皇居外苑の水質浄化対策について、広く技術の公募を行い、より効果的、効率的な局所的・一時
的な水質浄化対策を選定する。
(2) 対策技術の募集の方法
対策技術の募集については、下記の方法で行う。
・皇居外苑ホームページへの掲載
・マスメディア等への報告
・過去に環境省へ技術提案があった企業等および環境省による環境技術実証事業(ETV)に登録さ
れている関連技術を有する企業等に対しては、メール等による募集のお知らせを送付
(3) 対策技術の要件
対策技術に求められる性能は下記の 3 つである。
① 近年も発生が多数確認され、景観悪化・悪臭の主要因となっているアオコの大量発生に対し
て有効な対策を対象とする。
② 薬品の投与は環境に悪影響が及ぶ可能性があるため、対象外とする。
③ 大規模な施設が必要となるもの、長期的な運用が必要となるもの、底泥対策等の間接的な対
策は除外する。
(4) 対策条件の設定
対策条件としては、毎年のモニタリング結果を参考に、近年の水質障害の発生箇所を対象に
設定する。
(5) 対策技術選定にあたっての評価基準
対策技術選定にあたっての評価基準は以下の通りとする。
表 2.1
コスト
評価基準(案)
評価内容
備考
実施コストの安い対策を優位に評価する。
初期コスト、ランニングコス
トの両方から評価
設置・撤去
設置・撤去の容易な対策を優位に評価する。
対策の効果
水質目標の達成度から評価
安定性
稼動条件など、安定的、確実に実施できる
対策を優位に評価する。
周辺環境への
周辺環境(水量、水質、景観)への影響の
影響
小さいものを優位に評価する。
3
2.3 事務所に寄せられている諸技術提案の整理(参考)
皇居外苑管理事務所において、水質改善計画策定後(平成 22 年以降)に企業等から収集された
技術提案(全 30 件)を次ページ表に示した。分類ごとにまとめると以下のようになる。
6
5
件数[件]
4
3
2
1
0
投
入
(
薬
剤
)
投
入
(
菌
類
)
酸
素
供
給
投
入
藻
類
殺
藻
凝
集
分
離
ろ
材
図 2.2
凝
集
沈
殿
接
触
酸
化
浚
渫
技術提案の種類
4
水
流
殺
菌
そ
の
他
表 2(1) H22.1~H26.10 に事務所に寄せられた諸技術提案
1
提案技術名
提案者
三菱オゾナイザ
三菱電機株式会社
技術概要
オゾナイザによりオゾンを発生し、殺菌・酸化、脱臭・脱色効果を発揮する。
分類
使用方法
藻類殺藻
水処理システムへのオゾナイザ
の導入。
2
呼吸する土
NPO 法人呼吸大学
籾殻を原料として調整された、特殊微生物を含む土。
投入
水底に投入。
(菌類)
3
活性液 E2
株式会社 OWV
(株式会社綜企画設計)
4
Spectro::lyser
荏原実業株式会社
木酢液である E2 には植物の活性化や凝集沈殿、有害微生物の駆除などの効果があり、
植物由来成分のため生態系への影響を最小限に抑えることができる。
紫外光から可視光までの吸光度を測定し、有機物・無機物・硝酸性窒素等の連続同時
5
ナノマイズシステム
大日テクノグリーン
6
バイオ活性水
株式会社環境ダイゼン
微細気泡を発生させ水の活性化と溶存酸素増加により水質改善。
有用微生物 GAM 菌(EM 菌の組合を変え強化)に特殊な餌と環境を与え長期間培養。
この有用微生物群が生産する酵素(抗酸化酵素)が環境汚染を解決する。
ミネラルクリアー
活性液 E2 を投入。
(薬剤)
その他
測定計器を観測。
測定が可能。
(liquid monitoring networks)
7
投入
アドクルーズ
アオコに付着して水底へ沈降させ、水中の好気性細菌を活性化し、水質を改善する。
酸素供給
投入
水中に設置。
バイオ活性水を投入。
(菌類)
投入
ミネラルクリアーの投入。
(薬剤)
8
DARI-AR
有限会社山王ビジネスドットコム
超微細気泡発生装置。好気性環境創出により、好気性菌が繁殖。その菌の働きによっ
酸素供給
水中に設置。
浚渫
水中に設置。
て有機物を分解させ、水質を浄化する。
9
生態系保全型
初雁工業株式会社
底泥資源化システム
特殊撹拌ポンプより底泥水をくみ上げ、遠心力にて砂を排除、スクリーンにてゴミを
取り除く。撹拌、凝集槽にて凝集剤を撹拌し、水と分離。上澄水は池に戻し、濃い底
泥は脱水処理する。脱水した土は用土として利用可能。
10
BioFAN
株式会社いあしす
水底から上昇流を起こし、ヘドロに酸素を供給する。活性化された水底と、風と太陽
酸素供給
水に浮かべる。
凝集沈殿
底質汚泥と浄化剤、空気を撹拌混
光の作用で水質が改善される。
11
空気混入撹拌技術
まちなみ育成会
自然石を数種、粉上に構成した水質浄化剤を現場の底質汚泥、水面の空気とともに撹
拌して水中の汚染分を沈殿する。空気を取り入れることにより、底質の微生物が好適
入し、水中に戻す。
に活性化し、また透明度が向上することにより水中での光合成が加速して安定した水
質の維持が可能となる。
12
13
ミネラルオーシャン
バブリア h
株式会社クラフトワークス
株式会社クラフトワークス
pH 調整や嫌気性バクテリアの抑制、好気性バクテリアの活性化によって水質を改善
投入
する。
(薬剤)
貧酸素対策用溶存ガス置換装置。貧酸素水を一旦液薄膜に変換することで効率良く酸
酸素供給
ミネラルオーシャンの投入。
バブリア h を水中に設置。
素溶解処理及び有害溶存期待を脱気処理する。処理水は排水域温度に比べ低いので、
地形に沿って流下し、底質直上は次第に好気的環境に置き換わる。底質部の貧酸素を
改善することにより、アオコの発生を抑制する。
5
表 2(2) H22.1~H26.10 に事務所に寄せられた諸技術提案
14
提案技術名
提案者
技術概要
分類
舗装名人・防草名人
株式会社クラフトワークス
主原料はマグネシウム。浚渫等により発生したヘドロを固化させ運搬を容易にする。
その他
使用方法
土に混ぜる。
また、発生したヘドロを 2 次製品とし、再び現場へ戻し、再利用することも可能。ヘ
ドロと混合することにより臭気の発生も抑えられる。
15
ミラクルソル
日本建設技術株式会社
多孔質間隙構造を有する、ガラス廃材を原料とした新素材。製造条件により吸水・非
接触酸化
ミラクルソルを水中に設置。
凝集分離
水処理装置を設置
吸水を調整可能。岩盤を含めた斜面緑化・屋外庭園や透保水性舗装工法などの保水材
として、水質浄化のろ過材・接触材として使用できる。
16
17
凝集磁気分離型水処理装置
株式会社日立製作所
インフラシ
「凝集」と「磁気分離」技術を組合せた水処理システムにより、水中の懸濁物質(SS)
(FMS)
ステム社
やりん等を高速で分離除去。
KLUG-MYSTAGOGUE
東洋エンジニアリング株式会社
1Mpa 以下に加圧されたアオコを含んだ水が、特殊ノズル群を通過する際瞬時減圧さ
株式会社カラサワファイン
れることにより、アオコ内部のガス胞を破壊し、浮上能力を奪う。その水を対向衝突
その他
KLUG-MYSTAGOGUE を 設
置。
させシースを破壊し排出。排出されたアオコは沈積する。
18
ジェットストリーマー
エビスマリン株式会社
流動発生装置で水温成層が消滅し、底層無酸素状態が解消する。
19
アオコキラー
エビスマリン株式会社
超音波照射型藻類制御装置。アオコに超音波を照射すると、細胞中の浮力調節を
水流
水中に設置
藻類殺藻
水中に設置
行う組織が破壊され、浮上できなくなり死滅する。
20
JOYMENT?
株式会社関西理研
不溶性の固形物を除去する。
ろ材
濾過装置の中に設置。
カルシウム、マグネシウム、珪素、アルミナ等の天然鉱石を素材とし、重金属成分を
投入
投入。
フジノスパイラル?
21
無機系凝固吸着粉
株式会社北越リプロ
吸着凝集、沈降させる。
22
αトリノ水
未病予防臨床医学研究所
水とわずかの食塩を加えたものを超振動撹拌しながら無隔膜電界方式にて電気分解し
殺菌
て生成された中性電解水。
有限会社アクアラボ
23
「生態系再生の新しい視点」高村典子著の記述にある参考文献の糖類天下実験や微生
投入
底泥上に紙を敷く。
投入
FUJI-3 を投入。
物ループ、ボトムアップコントロールを利用した、アオコの発生を抑制と予防するア
オコや植物プランクトンの汚濁制御方法を提案します。
24
FUJI-3
株式会社自然と共生研究所
FUJI-3 は通性嫌気性微生物と好気性微生物が共生した微生物資材であり、付着してい
る微生物が酸素の乏しい環境下でもヘドロを分解し、水質を改善する。
25
N-ザイム
アイエスオー・ソリューションカン
N-ザイムは5種類の微生物を含有しており、この微生物が有機物を消化する。
パニーリミテッド
26
ミネラルオーシャン
株式会社環境保全
(宇部マテリアルズ株式会社)
(菌類)
投入
N-ザイムを投入。
(菌類)
好気性細菌を活性化し、汚濁物質の分解を促進することで、水質を改善する。
投入
ミネラルオーシャンの投入。
(薬剤)
6
表 2(3) H22.1~H26.10 に事務所に寄せられた諸技術提案
27
提案技術名
提案者
技術概要
分類
アクアセイバア
日本セイバア株式会社
アクアセイバアは細かいソフトセラミックスに有用微生物を固定した素材であり、底
投入
質の有機物の分解を助け、生物膜による水の浄化などの効果がある。
28
CHOTAN
株式会社いあしす
検体(池水)に特殊炭素「CHOTAN」を添加し、水質浄化・改善を図る。
(株式会社 EEN)
29
EE21
使用方法
アクアセイバアを投入。
(薬剤)
投入
「CHOTAN」を添加
(薬剤)
株式会社いあしす
ダイオキシンと炭酸ガスを発生させることなくゴミを再資源化する、これまでの廃棄
(株式会社 EEN)
物処理装置の概念を一新するシステム。非燃焼・加熱熱分離方式で処理するため環境
その他
機器へコンテナを投入。
負担の尐ない廃棄物処理を行うことができる。
30
オリジンオイル
EWS Algae A12
株式会社オルカビジョン
化学薬品や濾過技術を一切使わず且つ低電力で、電気分解により微細藻類や汚水など
凝集分離
の固液分離を果たす。
7
8
Fly UP