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報告:ウガンダ・カリンズ森林のチンパンジースタディーツアー

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報告:ウガンダ・カリンズ森林のチンパンジースタディーツアー
報告:ウガンダ・カリンズ森林のチンパンジースタディーツアー
−動物園の飼育係が参加しました−
久川智恵美1、江草真治2、櫻庭美千代3、田島俊一郎4、堀口由美子5
(1わんぱーくこうちアニマルランド、2広島市安佐動物公園、3秋田市大森山動物園、
4
横浜市立よこはま動物園、5横浜市立野毛山動物園)
はじめに
野生動物を適正に飼育する上で、その動物が実際に生息している環境や生態を知ることは非常に重要なことである。国産の動物では、動物園人がフィールドで調査をおこなうことも増
えてきた。園内での飼育繁殖と生息地での調査研究は、動物園の役割である「
種の保存」
をおこなっていく上の大きな柱となっている。野生チンパンジーを観察する手段は、一部の旅行
会社で取り扱っているツアーに参加するか、個人的に現地に行くなどの限られた方法しかなかった。また、動物園人は長期の休暇取得が難しく、動物園の繁忙期に重なるツアーは利用
することができない場合が多い。2008年6月、ウガンダ共和国カリンズ森林のチンパンジースタディーツアーに参加することができたので報告する。
表1
月 日
カリンズ森林のエコツーリズム
カリンズ森林では1992年から京都大学などによるチンパンジーの調査研究がはじまり、2003
年からエコツーリズムが開催されるようになった。エコツーリズムは観光によって自然を保護し
ていく方法で、現在アフリカの多くの場所で採用されている。カリンズ森林のエコツーリズムは
京都大学霊長類研究所の橋本千絵氏を中心におこなわれており、調査体験できることが大き
な特徴である。また、現在よこはま動物園職員の川口芳矢氏が海外青年協力隊員として滞在
している。
行程
行
動
6月15日
関西国際空港より出発
6月16日
ドバイ着 乗り換え ウガンダ共和国エンデベ着
6月17日
カリンズへ車で移動
6月18日
∼
研究者指導のもとチンパンジー観察調査
6月20日
ツアーの全行程は12日間で、そのうちチンパンジーの調査は4日間であった。またクイーン
エリザベス公園、ンガンバ島チンパンジー保護施設、ウガンダ野生動物教育センター(
エンデ
ベ動物園)
を視察した。(表1)
カリンズ森林のチンパンジー
観察できたのは、研究者の調査対象となっているMグループとエコツーリズムのために人付
けされているSグループであった。4日間すべて、チンパンジーを観察することができた。
親子。このときは2組の親子と若者♀が
一緒にいた。
ムサンガの実を食べるおとな♂
親から子にグルーミング
6月21日
周辺村落を訪問するコミュニティーツアー
6月22日
午前中チンパンジー観察 午後クイーンエリザベス公園に移動 ボートサファリ
6月23日
クイーンエリザベス公園でゲームドライブ 午後・首都カンパラへ
6月24日
チンパンジー保護施設、ウガンダ野生生物教育センター(エンテベ動物園)視察
6月25日
エンデベ発ドバイへ 乗り換え後関西国際空港へ
6月26日
関西国際空港着
交代して子から親にグルーミング
口いっぱいのムサンガを、いったん出し
てまた食べた。
くつろぐおとな♂ このとき近くにもおとな
♂がいた。
イチジクの実を食べるおとな♂
ベッド
最後に
江草真治
安佐動物公園
今回のツアーは、参加者のほとんどが動物園人だったこともあり、チンパンジーの保護施設とウガンダ
野生動物教育センター(
エンデベ動物園)の視察もできた。どちらにもたくさんのチンパンジーが保護され
ていた。また、カリンズ森林では保護区の周りはお茶畑やバナナ畑が広がり、チンパンジーの住む場所
が少なくなっていることがわかった。野生チンパンジーの厳しい現状を考えさせられるツアーとなった。
野生のチンパンジーがどんなところで、どのように暮らしているのか、本やテレビの映像などをもとにイメージして、これ
までチンパンジーの飼育業務に当たってきました。しかし、それはイメージでしかなく、現実ではありませんでした。今
回初めて野生の姿をほんの少しですが、_間見ることができて、今後のイメージもより現実に近いものとなるような気が
します。私が出会ったチンパンジーたちは、皆毛艶がよく、体格も想像以上に大きく見えました。そして、離合集散とい
われますが、実際こんなにも離れ離れで暮らしているとは思いもよらず、毎日顔をつき合わせて暮らしている飼育下の
チンパンジーたちの心労を思うと、何とかしないといけないという思いにさせられました。現地でお世話いただいたス
タッフの方々に感謝しています。ひとつ残念だったのは、ンガンバチンパンジーサンクチュアリの見学時間が短かった
ことです。実ロ飼育にかかわっている者として、いろいろと聞いてみたいことが山ほどありました。
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物
園
2009年2月に、動物園関係者対象のツアーを開催するそうです。
ツアー会社は「道祖神」http://www.dososhin.com/
くわしくは、サイトで。
清水桃子 一般参加
私は、野生のチンパンジーを見るのもアフリカへ行くのも初めてでした。水汲みの体
験した後は何日も体中が痛くてミシミシと音がしそうな感じでしたし、普通の道路を
140kmものスピードで走る車が当たり前のようにいたり、とウガンダは見るもの全て
においてカルチャーショックでした。野生のチンパンジーはとても毛艶が良く、子供た
ちの遊ぶ姿も楽しげで、何日でも見ていられるくらい魅力的でした。動物園で見るチン
パンジーがとても寂しげでみすぼらしく、かわいそうに見えてしまいました。どんな体
験もすべて楽しく勉強にもなり、刺激にもなり、またウガンダに行きたいと思えるツ
アーでした。
ンガンバ島
島全体がチンパンジー保護
施設になっている
ンガンバ島の夜間収容施設
島は森になっていて、ここに
帰ってこないこともあるそう
エンデベ動物園の
チンパンジー放飼場
木が傷んでだめにな
ることが無いそう
保護されていた
チンパンジー
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