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ルイスハンミョウの移動計画について
1 資料-2 マリンピア沖洲環境調査検討委員会 第5回事後調査計画検討部会 ルイスハンミョウの移動計画について 平成20年8月27日 徳島県 県土整備部 港湾空港整備局 港湾空港課 2 議題(2) ルイスハンミョウの移動計画について 1.基本条件の整理 1)目標達成基準とこれまでの取り組み 2)移動開始の前提条件 3)人工海浜における生息環境状況の概要 4)餌料環境(漂着ゴミ)の状況 5)餌料環境(徘徊性動物)の状況 2.ルイスハンミョウの生息状況について 1)沖洲海岸におけるルイスハンミョウ成虫確認個体数推移(平成5年度∼平成19年度) 2)ルイスハンミョウ成虫確認個体数推移(平成5年度∼平成20年度) 沖洲海岸と吉野川河口砂州の比較 3)ルイスハンミョウ成虫確認個体数推移(平成18年度∼平成20年度) 4)大口径巣孔(3.8mm以上)の確認数推移(平成18年度∼平成20年度) 5)大口径巣孔の確認数位置(平成20年度) 6)ルイスハンミョウ成虫と大口径巣孔数の推移(平成18年度∼平成20年度) 7)吉野川河口砂州におけるルイスハンミョウ成虫確認個体数推移(平成16年度∼平成20年度) 8)沖洲海岸と吉野川河口のルイスハンミョウ成虫・大口径巣孔数比較(平成20年度) 3.ルイスハンミョウの移動計画について 1)人工海浜における生活史の完結 2)人工海浜における蛹∼成虫への羽化確認状況 3)ルイスハンミョウの捕獲・移動方法(案) 3 1.基本条件の整理 1)目標達成基準とこれまでの取り組み 人工海浜 目標達成レベル1 ルイスハンミョウの生息環境の構築 平成19年度にルイスハンミョウ成虫 自然移動 ・物理的条件の構築 ・生物的条件の構築 回廊から人工海浜への自然移動 ルイスハンミョウの自然移動を目指した回廊整備により、平成19年度に 人工海浜においてルイスハンミョウ成虫が確認された。 4 2)移動開始の前提条件 移動開始の前提条件として、人工海浜においてルイスハンミョウの生息環境が 整うとともに、ルイスハンミョウが生活史を完結できることを確認する必要がある。 ・餌料環境調査 ・底質 ・地盤高 ・植生 ・漂着ゴミ ・地下水 ・波高観測(荒天時) ・成虫分布 ・幼虫分布 ・人工海浜における羽化の確認 5 3)人工海浜における生息環境状況の概要 (平成20年度) ・漂着ゴミ ・植生 ・餌料環境 ※底質・地下水位等は昨年度から大きな変動は見られない。 6月期に入り、自然系ゴミ(植物片等)が漂着し、ヒメハマトビムシも増加。 ルイスハンミョウの生息環境基盤が整いつつある。 漂着ゴミ調査(毎月調査実施地点) 4)餌料環境(漂着ゴミ)の状況 ■自然系・工業系別の漂着ゴミ量 ■人工海浜部 人工海浜部 St.16 St.15 St.14 St.12 St.11 St.13 北側海浜 回廊部 ■北側海浜 回廊部 6 漂着ゴミ調査(毎月調査実施地点) ■自然系漂着ゴミの内訳 ■人工海浜部 人工海浜部 St.16 St.15 St.14 St.12 St.11 St.13 北側海浜 回廊部 ■北側海浜 回廊部 7 8 ■人工海浜部 St.16 St.15 4月期 6月期 St.15 St.15 4月期 6月期 St.12 St.12 St.14 ■北側海浜 回廊部 St.12 St.11 St.13 漂着ゴミの状況写真 5)餌料環境(徘徊性動物)の状況 餌料環境調査の結果 ■ヒメハマトビムシ採取個体数 ※採集個体数は、各区間の平均値を示す。 人工海浜における流木の漂着状況 9 10 餌料環境調査の結果 ■ヒメハマトビムシ採取個体数(夜間・昼間別) 北側海浜 (回廊部) H ● G ● F ● E ● 人工海浜部 D ● ●C ●B 北側海浜 (保全区) ※採集個体数は、各区間の平均値を示す。 夜間:日没直前設置−日の出直後回収,昼間:日の出直前設置−日没直後回収 A ● 南側 海浜 2.ルイスハンミョウの生息状況について 11 1)沖洲海岸におけるルイスハンミョウ成虫確認個体数推移 (平成5年度∼平成19年度) ※中央連絡橋を境に北側海浜と南側海浜に区分 ※年度調査における最大確認数 ルイスハンミョウ成虫の確認個体数は右肩下がりで減少。 平成19年度の成虫確認個体数は、平成5年度の約1/20に減少。 2)ルイスハンミョウ成虫確認個体数推移(平成5年度∼平成20年度) 沖洲海岸と吉野川河口砂州の比較 12 台風23号災害 (H16.10) 第2期事業 着手 人工海浜概成 (H17.9) (H19.3) ※年度調査における最大確認数 13 3)ルイスハンミョウ成虫確認個体数推移(平成18年度∼平成20年度) 平成18年度 平成19年度 平成20年度 14 4)大口径巣孔(3.8mm以上)の確認数推移(平成18年度∼平成20年度) 平成18年度 平成19年度 平成20年度より人工海浜で初めて大口径巣孔を確認。 平成20年度 15 5)大口径巣孔の確認数位置(平成20年度) 7 希少種保護のため非公開 人工海浜部 北側海浜 (回廊部) 沖洲海岸潮干狩り 新聞記事 貝毒発生 (平成20年6月20日∼7月11日) 北側海浜 (保全区) 南側 海浜 16 6)ルイスハンミョウ成虫と大口径巣孔数の推移(平成18年度∼平成20年度) 成虫 平成18年度 平成19年度 平成20年度 大口径巣孔(3.8mm以上) 平成18年度 平成19年度 平成20年度 17 7)吉野川河口砂州におけるルイスハンミョウ成虫確認個体数推移 (平成16年度∼平成20年度) 平成20年度7月期は1400個体を超え、例年と比較して 確認個体数が多くなっている。 18 8)沖洲海岸と吉野川河口のルイスハンミョウ成虫・大口径巣孔数比較(平成20年度) 成虫 大口径巣孔 19 3.ルイスハンミョウの移動計画について 3. 1)人工海浜における生活史の完結 卵 人工海浜において成虫の産卵 行動を確認(H20.5.23) 成虫 人工海浜において大口径巣孔 を最大16確認(5月期-2) ルイスハンミョウの生活史 幼虫 人工海浜における成虫羽化の 確認について ・夏季におけるルイスハンミョウ成虫の個体数を追跡。 ・巣孔が塞がった後にコンテナを設置。 ⇒7月第1回調査時にコンテナ3箇所程度を設置。 蛹 大口径巣孔の掘りおこしにより、ルイスハンミョウの幼虫 2個体を確認(24.5mm,21.3mm) 人工海浜において蛹から成虫に羽化することが可能であることを確認。 20 2)人工海浜における蛹∼成虫への羽化確認状況 平成20年7月7日 ■設置位置図 3.8mm以上の大口径巣孔が塞がったこ とを確認し、トラップ3箇所を設置。 2 1 3 平成20年7月14日 希少種保護のため非公開 1箇所でルイスハンミョウ成虫の羽化を 確認(番号3)。トラップ1箇所を近くの巣 孔上に移動。 1 2 3 平成20年7月17日 ■気温 7月14日、新たに移動したトラップでル イスハンミョウ成虫を確認(番号4)。 1 2 3 平成20年7月22日 4 7月7日に設置したトラップでルイスハン ミョウ成虫を確認(番号1)。 2 1 平成20年7月23日 7月22日に新たに移動・設置したトラッ プで4個体目を確認。 人工海浜において4個体の羽化を確認。 3 21 3)ルイスハンミョウの捕獲・移動方法(案) 平成20年 項目 4月 5月 6月 7月 8月 平成21年 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 卵期 ルイスハンミョウ生活史 幼虫期 蛹期 成虫期 成虫の移動 移動計画(案) 幼虫の移動 工事施工計画 成虫の捕獲・移動 越冬個体の捕獲・移動 大口径(3.8mm以上)巣穴の幼虫の捕獲・移動 大口径(3.8mm以上)巣穴の幼虫の捕獲・移動 南側水域 ルイス生息範囲外 南側水域 ルイス生息範囲区間 (成虫の捕獲・移動) ・平成20年秋季以降、回廊部・北側・南 側海浜で捕獲した成虫を速やかに人工 海浜に移動。 ・翌年春季にも越冬個体を捕獲した場 合は人工海浜に移動。 人工海浜 回廊部 北側海浜 南側海浜 (幼虫の捕獲・移動) ・平成20年度秋季に大口径巣孔を掘り、 ルイスハンミョウの幼虫であるかを確認 の上、速やかに人工海浜に移動。 ・翌年春季にも大口径巣孔を確認した 場合、同様に移動。 幼虫及び成虫の捕獲・移動時の留意点 ※大口径3.8mm以上の巣穴を対象に掘りおこしを行い、幼虫を捕獲する。捕獲した幼虫は、写真撮影・ 体長計測を行い速やかに移動させる。 ※成虫を捕獲した場合、幼虫同様、写真撮影・体長計測・雌雄判別を行った上で速やかに移動させる。 人工海浜の餌料環境について ※人工海浜部においてエリザハンミョウ成虫が約600個体(平成20年8月)確認されている。 秋季・春季、2度の移動実施により、可能な 限りルイスハンミョウの取りこぼしを無くす。