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子牛の免疫力アップ バナナオレ 子牛の免疫力アップ
NOSAI たんこう No.109 子牛の免疫力アップ 診療所 だより バナナオレ 80 家畜診療所 家畜診療課 技師 水品智菜 安心のネットワーク 胆江 子牛は成牛に比べて免疫的に成熟しておらず、病気になりやすいことが知られています。 子牛の下痢症は免疫力の成熟が阻害され、その後の成長にも影響を及ぼします。 バナナには糖分、炭水化物、カリウムなどのミネラル、ビタミンB・Cなどのビタミン 類および食物繊維などの豊富な栄養成分が含まれ、免疫活性化作用があります。子牛の免 疫力の増強・下痢の予防としてバナナオレを試してみませんか。 1 バナナオレの作り方 皮をむいたバナナを、月齢に合わせた定量の人工哺乳用ミルクに混ぜてミキサーを使ってかくはんします。 1回分のバナナ給与量の目安は、子牛の体重1kgに対して2gです。例えば、体重50kgの子牛には 2g×50=100gのバナナ(中くらいのもの1本)を給与します。バナナは薬ではないので、だいたいの量で 大丈夫です。 2 いいバナナ ついじゅく 新しいものではなく、追熟してシュガースポット(茶色の斑点)の多く出たバナナの方が免疫活性化作用 が高いといわれています。バナナに含有されている免疫活性化作用のある物質は、熱変化に強いので冷凍保存 が可能です。一度に大量仕入れした場合は追熟(常温に数日間放置)させた後、皮をむいた状態で冷凍させる と便利です。 3 給与期間 生後2日目から2週間くらいが最も効果的なようです。生後1日目は初乳(免疫グロブリン)の吸収に集中 してもらうためにバナナは給与しません。 また、ホルスタイン育成農家で子牛導入後、7日間バナナを給与することにより、下痢や肺炎などの感染症 が減少しているという報告もあります。 人工哺乳していない場合は、バナナをそのまま与えてもOKです。 免疫力を上げて、牛も人も元気に過ごしたいものですね。 シュガースポット 熟したバナナ 新しいバナナ 6 ル