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脳死者からの臓器提供 に 関 す る 手 順 書

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脳死者からの臓器提供 に 関 す る 手 順 書
脳死者からの臓器提供
に 関 す る 手 順 書
(平成12年2月作成)
(平成17年12月一部改正)
平成22年8月一部改正
旭 川 医 科 大 学 病 院
目
次
1.脳死と判断した場合の対応 ......................................... 1
2.ネットワーク等への連絡 .................................... 1
3.コーディネーターの来院 ........................................... 2
4.全体打ち合わせ ................................................... 2
5.コーディネーターによる脳死判定及び臓器提供についての説明 ......... 2
6.脳死判定及び臓器提供に関する家族の承諾 ........................... 3
7.採血と組織適合性検査・感染症検査の実施 ........................... 3
8.全体打ち合わせ(2回目) ......................................... 3
9.検視などの犯罪捜査 ............................................... 4
10.法に規定する脳死判定等 ........................................... 4
11.死亡診断書の作成 ................................................. 5
12.ドナーの管理 ..................................................... 6
13.摘出手術開始時刻の設定 ........................................... 6
14.摘出チームの到着 ................................................. 6
15.摘出手術の準備 ................................................... 6
16.摘出チームによる診察及び検査(三次評価) ......................... 6
17.摘出手術 ......................................................... 6
18.死後の処置・お見送り ............................................. 7
19.関係官庁及び報道機関等への対応 ................................... 7
20.その他 ............................................................ 7
臓器提供に関する標準的なフローチャート ............................... 8
資料1 脳死判断書 ................................................... 9
資料2
脳死判定の的確実施の証明書 .................................. 10
資料3 脳死判定記録書 .............................................. 12
1.脳死と判断した場合の対応
(1)主治医は、患者の状態について、法に規定する脳死判定を行ったとしたならば、脳死
とされうる状態にあると判断した場合、家族(原則として、配偶者、子、父母、孫、祖父
母、及び同居の親族(以下「家族」という。))等から、臓器提供に関して意思表示カード
の所持等、患者が何らかの意思表示を行っていたかについて把握するよう努める。
法に規定する脳死判定を行ったとしたならば、脳死とされうる状態
器質的脳障害により深昏睡及び自発呼吸を消失した状態と認められ、かつ、器質的脳障害の
原疾患が確実に診断されていて、原疾患に対して行い得るすべての適切な治療を行った場合
であっても回復の可能性がないと認められる者に該当すると認められる者
ただし、下記1)~4)は除外する。
1)生後12週(在胎週数が40週未満であった者にあっては、出産予定日から起算して12週)
未満の者
2)急性薬物中每により深昏睡及び自発呼吸を消失した状態にあると認められる者
3)直腸温が摂氏32度未満(6歳未満の者にあっては、摂氏35度未満)の状態にある者
4)代謝性障害又は内分泌性障害により深昏睡及び自発呼吸を消失した状態にあると認めら
れる者
かつ、下記の①~④のいずれもが確認された場合
①深昏睡
②瞳孔が固定し、瞳孔径が左右とも4ミリメートル以上あること
③脳幹反射(対光反射、角膜反射、毛様脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射及び咳
反射)の消失
④平坦脳波
(2)主治医は、上記(1)と判断した場合には、家族等の脳死についての理解の状況等を
踏まえ、家族に以下の内容を口頭または書面により告げる。
(法改正により、患者本人の意
思表示が存在しなくても、家族の承諾があれば脳死下臓器提供が可能となった)
①臓器提供の機会があること
②臓器提供に係る概要・承諾に係る手続等に関しては、臓器移植ネットワーク(以下「ネ
ットワーク」という。
)等の臓器のあっせんに係る連絡調整を行う者(以下「コーディネー
ター」という。
)から説明が行われること。
その際、説明を聴くことを家族に強制してはならない。併せて、臓器提供に関して意思
表示カードの所持等、本人が何らかの意思表示を行っていたかについて把握するよう努め
る。家族がない場合はこの手続きは省略することができる。
(3)なお、法に基づき脳死と判定される以前においては、主治医は、患者の医療に最善の
努力を尽くす。
2.ネットワーク等への連絡
(1)コーディネーターによる説明を聴くことについて家族が希望した場合、主治医は、直
ちにネットワークに連絡する(連絡先:0120-22-0149)。
また、主治医は院内コーディネーターに連絡を取り、ネットワークへの連絡の際には同
席を求める。
なお、所属する診療科長及び病院長に家族がネットワークの説明を聴くことになったこ
とを報告する。
1
ネットワークは、24時間受信体制でこの情報に対応し、夜間などの場合、留守番電話
に電話番号、氏名等メッセージを入れれば、10分以内にコーディネーターから連絡があ
る。
(2)ネットワークへの連絡時に必要なドナー情報
①必須項目
A 病院名、部署、連絡者氏名、電話番号
B 年齢、性別、疾患名、発症年月日
C 臓器提供に対する家族の意向
D 臓器提供意思表示カード等を所持しているか
E 脳死とされうる状態の診断の有無
②わかる範囲でよい項目(詳細はコーディネーターが訪問時に確認する)
A 現在の病状
・バイタルサイン、昇圧剤の有無 etc
B 腎機能
・尿量:24時間量、時間量
・S-Cr:入院時、最新値
・BUN:入院時、最新値
C 感染症の有無
・HBs抗原、HCV抗体、HIV抗体、HTLV-1抗体
・肺炎、尿路感染症の有無
D 悪性腫瘍の有無
E 既往歴
F その他
3.コーディネーターの来院
(1)コーディネーターが来院し、情報収集を開始する。
(2)主治医は、コーディネーターへ下記の事項を説明する。
A 医学的情報
・入院後の経過、バイタルサイン、検査データ、薬剤の使用、レントゲン所見、既往歴
B 家族構成・背景・状況など
C 家族に実施した説明案内と家族の反応
D 脳死とされうる状態の診断の有無及び検査項目の確認
E その他
(3)児童(18歳未満)の場合は、虐待防止に必要な体制があること、当該児童への虐待
対応が行われた結果、虐待が行われた疑いがないと判断されたことをコーディネーターが
確認する。このことが確認されなければ、臓器提供の手続きを進めることはできない。
4.全体打ち合わせ
(1)病院長、診療科長、主治医、担当看護師長、院内コーディネーター、事務及びコーデ
ィネーターは状況確認のため打ち合わせを行う。
(2)打ち合わせにおける確認事項
・患者情報の共有
・脳死とされうる状態の診断までの経緯の確認
・承諾となった場合の連絡体制の確認
(3)病院長は、倫理委員会委員長に、臓器移植を前提とした法に規定する脳死判定の対象
となる患者(以下「ドナー候補者」という。)が発生する可能性があることを連絡する。
5.コーディネーターによる脳死判定及び臓器提供についての説明
2
(1)主治医もしくは院内コーディネーターは、派遣されたコーディネーターを説明者とし
て家族に紹介する。
(2)紹介を受けたコーディネーターは、家族に対して、以下の説明を行う(家族がない場
合はこの説明は省略する)
。
この際、家族が希望する場合には、主治医・院内コーディネーター・看護師長・担当看
護師は、この説明に立ち会うことができる。
① 脳死判定の概要
② 臓器移植を前提とした法に規定する脳死判定により脳死と判定された場合には、法に
おいて人の死とされていること
③ 本人が脳死判定に従う意思がないことを表示していない場合であって、次のいずれか
に該当するときに、脳死した本人から臓器を摘出することができること
ア 本人が臓器を提供する意思を書面により表示し、かつ、家族が摘出及び脳死判定を拒
まないとき
イ 本人が臓器を提供する意思がないことを表示しておらず、かつ、家族が摘出及び脳死
判定を行うことを書面により承諾しているとき
(3)コーディネーターは、本人の臓器提供及び脳死判定に係る意思について、特に臓器を
提供する意思がないこと、または法に基づく脳死判定に従う意思がないことの表示につい
ては、家族に対して十分に確認する。また、臓器を提供する意思を書面により表示してい
る場合には、併せて親族に対して臓器を優先的に提供する意思を表示しているか否かにつ
いて書面により確認する。
さらに、
「有効な意思表示が困難となる障害を有する者であることが判明した場合におい
ては、臓器摘出は見合わせること」となっており、コーディネーターは、有効な意思表示
が困難となる障害(例えば知的障害など)の有無を家族から聞き取り、かつ、既往歴・現
病歴等から情報を得る。
(4)コーディネーターは家族が、脳死判定を行うこと及び臓器を摘出することを承諾する
意思があるか否かについて確認すること。
(5)コーディネーターは、説明に当たっては、脳死判定を行うこと及び臓器を摘出するこ
とに関する家族の承諾の任意性の担保に配慮し、承諾を強要するような言動があってはな
らず、説明の途中で家族が説明の継続を拒んだ場合は、その意思を尊重する。また、家族
の置かれている状況にかんがみ、家族の心情に配慮しつつ説明を行う。
6.脳死判定及び臓器提供に関する家族の承諾(家族がない場合はこの項は省く)
(1)コーディネーターは、家族が脳死判定を行うこと及び臓器を提供することを拒まない
か否かについて確認する。
(2)家族に臓器提供の意思がある場合には、コーディネーターは脳死判定承諾書及び臓器
摘出承諾書の書面を作成して、原本を主治医、複写を家族に提供し、その写しをコーディ
ネーターが保管する。同時にこれらの承諾書は撤回することが可能であることを家族に告
げる。
7.採血と組織適合性検査・感染症検査の実施
(1)主治医は、脳死判定承諾書及び臓器摘出承諾書が提出された後に、コーディネーター
の依頼に基づき、持参された採血管にてドナー候補者の採血を行う。(採血量は60ml)
(2)コーディネーターは、血液サンプルをHLA検査センターに搬送し、必要な検査を実
施する。
8.全体打ち合わせ(2回目)
(1)病院長、倫理委員会委員長、診療科長、主治医、担当看護師長、院内コーディネータ
ー、事務及びコーディネーターは状況確認のため打ち合わせを行う。
①コーディネーターから報告
3
・家族面談の様子と承諾の経緯、承諾の範囲の報告
・今後予定されるスケジュールの説明
・情報公開時期について
②打ち合わせにおける確認事項
・ここまでの状況把握
・脳死判定委員の選出
・院内の連絡体制の確認
③事務もしくは院内コーディネーターは、下記の確保を行う。
・コーディネーターの待機場所
・摘出チームの待機場所
・コピー、FAX、院内PHS、パソコンの準備
・検視が行われる場合は警察官待機場所
9.検視などの犯罪捜査
(1)ドナー候補者が異状死体(確実に診断された内因性疾患により脳死であることが明ら
かである者以外の者)となる可能性があるときは、主治医は、第1回法的脳死判定が実施
される前(脳死とされうる状態の診断がなされ、家族から法的脳死判定の承諾を得た後)
に、ドナー候補者に対し法に基づく脳死判定を行う旨(脳死判定予定日時及び場所、連絡
責任者の氏名、住所、電話番号等必要な事項)を所轄警察署長に連絡する。
(2)この場合、連絡先が所轄警察、あるいは事故発生地の所轄警察であるかは地域によっ
て異なることがあるので、主治医と院内コーディネーターは、コーディネーターと事前に
連絡調整を行う。
(3)所轄警察は事前に状況検分や状況把握のため来院し、主治医や家族と面会する場合が
ある。
(4)主治医は、ドナーの身体について刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第229
条第1項の検視その他の犯罪捜査に関する手続きが行われるときは、捜査機関に対し下記
の書類等の写しを提供する等、必要な協力をする。
① 意思表示カード等本人の意思表示書面(存在する場合)
② 家族の脳死判定承諾書及び臓器摘出承諾書
③ 脳死判定の的確実施の証明書
④ 死亡診断書等
⑤ その他必要な書面
(5)検視その他の犯罪捜査に関する手続きが行われる時は、当該手続きが終了した後でな
ければ臓器を摘出してはならない。
(6)捜査機関による司法解剖が行われる場合には、解剖は心停止後に行われるため、現実
的には眼球以外の臓器を移植のために摘出することは困難である。
(7)児童において、虐待が行われた疑いがなく、当該児童から臓器摘出を行うことが可能
であると判断した場合でも、検視等が行われる場合には、捜査機関との連携を十分図る。
10.法に規定する脳死判定等
(1)主治医は、病院長に脳死判定及び臓器摘出に関する承諾が得られたことを報告すると
ともに以下の書類の写しを提出し、脳死判定等を行うための手続きを依頼する。
① 意思表示カード等本人の意思表示書面(存在する場合)
② 脳死判断書(資料1)
③ 脳死判定承諾書(コーディネーター持参書類)
④ 臓器摘出承諾書(コーディネーター持参書類)
(2)病院長は、倫理委員会委員長に倫理委員会の開催を要請する。
4
(3)倫理委員会委員長は、倫理委員会を招集し、脳死判定及び臓器摘出に関し、その実施
の是非を決定する。
なお、この際、児童(18歳未満)からの臓器摘出を行う場合には、虐待防止対策委員
会(仮称)において虐待が行われた疑いの有無の確認を行っているかを確認し、その可否
について判断すること。
(4)病院長は、倫理委員会での脳死判定及び臓器摘出の実施が承認されたのち、直ちに脳
死判定医の中から、脳死判定を行う医師2人以上を指名し脳死判定を依頼する。さらに脳
死判定の検証を行うため、以下の委員からなる脳死判定委員会を組織する。
① 病院長
② 脳死判定に関わらない脳死判定医
2名
③ 倫理委員会委員
1名
(5)依頼を受けた脳死を判定する医師は、以下を確認の上で、改めて法に規定する脳死判
定を全員の合議により行う。
① 本人が臓器を提供する意思を書面により表示し、かつ、家族が摘出及び脳死判定を拒
まないとき又は家族がいないとき
② 本人が臓器を提供する意思がないことを表示しておらず、かつ、家族が摘出及び脳死
判定を行うことを書面により承諾しているとき
※第1回法的脳死判定と第2回法的脳死判定は、必ず1名は同じ医師が実施する。
(6)法の規定に基づいて脳死判定を行った医師は、直ちに脳死判定の的確実施の証明書(資
料2)及び脳死判定記録書(資料3)を作成し、病院長に提出する。
※第1回法的脳死判定と第2回法的脳死判定は、少なくとも6時間(6歳未満の者にあ
っては、24時間)以上は空けること。
(7)病院長は、脳死判定委員会を開催し当該記録書の写しにより、法に規定する脳死判定
の検証を行う。
(8)病院長は、脳死判定の検証後、当該記録書の写しを主冶医に提供するとともに、倫理
委員会委員長に脳死判定の結果を連絡する。同時にこの写し2通をコーディネーターに提
供する。
(9)主治医は、診療録に当該記録書の写しを貼付する。
(10)脳死を判定する医師は、家族が希望する場合には、家族を脳死判定に立ち会わせる。
(注)法に規定する脳死判定の具体的な方法については、臓器の移植に関する法律施行規則
において定められているが、さらに個々の検査の手法については、
「法的脳死判定マニュア
ル」(厚生科学研究費特別研究事業「脳死判定手順に関する研究班」平成11年度報告書)
に準拠して行うこと。
ただし、脳幹反射消失の確認のうち、鼓膜損傷がある症例における前庭反射の確認につ
いては年齢に関わらず、平坦脳波の確認における基本条件等及び無呼吸テストの基本条件
等については6歳未満の者の場合において、
「小児の脳死判定及び臓器提供等に関する調査
研究」
(平成21年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)報告書)の
Ⅱの4の3)
、4)及び5)の(2)並びに別資料2のⅠの2及びⅡの2に準拠して行うこ
と。
11.死亡診断書の作成
(1)法の規定に基づき脳死判定を行った場合の脳死した者の死亡時刻については、脳死判
定の観察時間経過後の不可逆性の確認時(第2回目の検査終了時)とする。
(2)臓器摘出に係る脳死判定を行い、その後移植に適さない等の理由により臓器が提供さ
れない場合においても、当該脳死が判定された時点(2回目の検査終了時)をもって「死
亡」とする。
5
12.ドナーの管理
(1)主治医は、法に規定する脳死判定により法的に死亡とされた後において、提供される
臓器の機能をより良い状態で維持するために、呼吸循環等の管理を行う。
※ドナーの管理については、ネットワークからメディカルコンサルタント医の支援がある。
(2)コーディネーターは、良好な状態での臓器提供を可能とする目的でドナーの各データ
の収集を行い、必要に応じてドナーの管理条件の変更、追加検査を主治医に依頼するもの
とする。
13.摘出手術開始時刻の設定
(1)摘出手術開始時刻について、主治医は、ドナーの家族の意向、ドナーの全身状態、各
摘出チームの到着予定時刻、摘出後の臓器搬送手段(航空機、新幹線等の交通機関)
、レシ
ピエントの移植手術開始時刻、本院の都合等を考慮に入れながら、コーディネーターと協
議・調整の上で設定する。
(2)摘出手術開始時刻が決定した時点で、主治医は、病院長に報告し、コーディネーター
は、ネットワーク本部および各摘出チームに連絡する。
14 摘出チームの到着
(1)コーディネーターは摘出チーム派遣リストを病院に提出する。
(2)摘出チームは待機室へ向かう。
15.摘出手術の準備
(1)原則として摘出チームは、必要な器材、薬品、衛生材料等を持参するが、それ以外の
必要物品については、コーディネーターから本院に対して借用依頼があった場合は、それ
に応ずるものとする。
(2)摘出手術時には、手術室の事情を熟知した手術部看護師が手術室立会者(以下「立会
者」という。
)となる。立会者、麻酔医はコーディネーターと事前(第1回法的脳死判定と
第2回法的脳死判定の間)に立会者、必要物品、手術室のレイアウト、手順の概要等につ
いての打ち合わせと確認を行う。
(3)摘出手術時のドナー管理医、手術介助者(心・肺摘出:1名、肝摘出:1名)につい
ては、あらかじめコーディネーターが本院と協議のうえ調整するが、原則として摘出チー
ム側が配置する。
(4)立会者は、あらかじめ摘出チームとコーディネーターに手術室配置の説明を行う。
16
摘出チームによる診察及び検査(三次評価)
摘出チームはコーディネーター立会いのもと、ドナー候補者の診察・検査(三次評価)を
行う。
17.摘出手術
(1)立会者、摘出チームおよびコーディネーターは、臓器を摘出するに当たって、ドナー
に対して礼意を失わないよう留意する。
(2)各摘出チーム責任者は、摘出を行った各臓器毎に臓器摘出記録書を作成する。コーデ
ィネーターは同書類の写し2部を作成し、1部を主治医に提供し、1部をネットワークで
保管する。また摘出医は同書類を、ドナーの生前の提供意思を表示した書面、家族の摘出
承諾書、脳死判定の的確実施の証明書の写しを添付し、5年間保存する。
(3)手術中の記録は、摘出手術記録としてコーディネーターが記載し、後日病院
へ送付する。
(4)主治医は、病院長に摘出手術が終了したことを報告し、病院長は、倫理委員会委員長
に臓器摘出が終了したことを連絡する。
(5)各臓器摘出チームは、コーディネーターの指示のもとで後片付けを行い、立会者は後
6
片付けが終了した時点で現状復帰の確認を行う。医療廃棄物は本院において廃棄する。
18.死後の処置・お見送り
(1)病棟看護師は、摘出手術の終了後、原則として通常の方法に従って死後の処置を行う。
なお、処置に関する詳細については、あらかじめコーディネーターと相談の上決めておく。
(2)主治医、病棟看護師、院内コーディネーターは、家族への説明を行ったコーディネー
ター、摘出医とともに、家族等のお見送りする。
19.関係官庁及び報道機関等への対応
臓器提供に関する関係官庁及び報道機関等への対応は、病院長が別に定める要項に基づい
て行う。
20.その他
この手順書に定めるもののほか、臓器の提供に関しては、平成22年7月社団法人日本臓
器移植ネットワーク監修「臓器提供施設の手順書」を準用する。
7
臓 器 提 供 に関 する標 準 的 なフローチャート
主治医
脳 死 とされうる状 態 と判 断
脳 死 を判 定 する医 師
↓
臓 器 提 供 に関 する意 思 表 示 の存
在 、あるいはその可 能 性 の把 握
コーディネーター
↓有
摘 出 チーム
臓 器 提 供 の機 会 があること、コーディネー
ターの説 明 があることの提 示
↓ 報告
⇔ 【診 療 科 長 】⇔ 【病 院 長 】→ 【倫 理 委 員 会 委 員 長 】
コーディネーターの派 遣 要 請
↓
家 族 への紹 介
↓
家 族 への説 明 及 び脳 死 判 定 ・
臓 器 提 供 承 諾 書 の作 成
↓
→
承諾書受領
【病 院 長 】
↓
倫理委員会開催
← 【倫 理 委 員 会 委 員 長 】
↓ 承認
【病 院 長 】
↓
→
≪脳 死 判 定 委 員 会 を組 織 ≫
≪脳 死 判 定 医 の指 名 ・判 定 依 頼 ≫
法 に規 定 する脳 死 判 定 (1回 目 )
↓
法 に規 定 する脳 死 判 定 (2回 目 )
↓
脳死判定的確実施証明書、
脳 死 判 定 記 録 書 の作 成
↓ 受領
【病 院 長 】
↓
脳死判定委員会開催
↓ 了承
【病 院 長 】
→
【倫 理 委 員 会 委 員 長 】
↓
記 録 書 (写 し)を受 領
死 亡 診 断 書 の作 成
↓ 検視
臓器摘出手術
↓
臓 器 摘 出 記 録 書 の作 成
↓
記 録 書 (写 し)受 領
→ 【病 院 長 】
↓
死 後 の処 置
↓
お見 送 り
8
資料1
脳死判断書
脳死判断を受けた者
氏名
住所
性別
生年月日
年
脳死判断の日時
臨床診断
年
月
月
日
日生
午前・午後
1)
2)
3)
4)
時
分
器質的脳障害の診断
1)
2)
深昏睡
(JCS
瞳 孔 径 (左右とも 4㎜以 上)
(右
瞳孔 固定
・
GCS
㎜、
(右:有・無)
)
左
㎜)
(左:有・無)
脳幹反射の消失
対光反射
(右:有・無)
(左:有・無)
角膜反射
(右:有・無)
(左:有・無)
毛様脊髄反射
(右:有・無)
(左:有・無)
眼球頭反射
(
有
・
無
)
前庭反射
(右:有・無)
咽頭反射
(
有
・
無
)
咳反射
(
有
・
無
)
平坦脳波
(左:有・無)
(該当する・該当しない)
(注 急性薬物中每、低体温、代謝内分泌障害による脳死擬似状態ではないこと確認する。)
その他医師が必要と認めた事項
記録作成日
年
主治医
診療科等名
診療科長の了承
月
日
氏名
氏名
印
印
9
資料2
脳死判定の的確実施の証明書
脳死判定を受けた者
氏名
住所
性別
生年月日
年
月
日生
脳死判定の日時
(1回目の確認時)
年
月
日
午前・午後
時
分
(2回目の確認時)
年
月
日
午前・午後
時
分
所在地
旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号
判定医療機関
名称
旭川医科大学病院
1回目判定医(*担当の判定医全員の氏名等を記載)
氏名
氏名
住所
住所
(又は所属医療機関の所在地及び名称)
(又は所属医療機関の所在地及び名称)
2回目判定医(*担当の判定医全員の氏名等を記載)
氏名
氏名
住所
住所
(又は所属医療機関の所在地及び名称)
(又は所属医療機関の所在地及び名称)
以下の全てに該当することを確認した上で脳死の判定を実施しました。
・
脳の器質的な障害により深昏睡及び自発呼吸を消失した状態と認められる者
・
器質的脳障害の原因となる疾患が確実に診断されている者(CT 、MRI等の画像診断は必須)
・
回復の可能性がないと認められる者
10
脳死判定を受けた者は以下のいずれの者にも該当しません。
・
生後12週(在胎週数が40週未満の場合は出産予定日から起算して12週)未満の者
・
急性薬物中每により深昏睡及び自発呼吸を消失した状態にあると認められる者
・
直腸温、食道温等の深部温が摂氏32度未満(6歳未満の者は35度未満)の状態にある者
・
代謝性障害又は内分泌性障害により深昏睡及び自発呼吸を消失した状態にあると認められる者
・
自発運動、除脳硬直、除皮質硬直、けいれんが認められる者
脳死の判定に当たっては、以下の状態を確認し、少なくとも6時間(6歳未満の者は
24時間)を経過した後に再度、以下の状態を確認しました。
・
深昏睡
・
瞳孔が固定し、瞳孔径が左右とも4ミリメートル以上であること
・
脳幹反射(対光反射、角膜反射、毛様脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反 射及び咳反射)の
消失
・
平坦脳波
・
自発呼吸の消失
脳死の判定に当たっては、中枢神経抑制薬、筋弛緩薬その他の薬物が判定に影響してい
ないこと及び収縮期血圧(単位 mmHg)が次の数値以上あることを確認しました。
1歳未満:65
1歳以上13歳未満:年齢×2+65
13歳以上:90
年
月
日
作成者(判定医)
氏名
印
氏名
印
氏名
印
氏名
印
(*担当の判定医全員の記名押印又は自筆署名)
11
資料3
脳死判定記録書
脳死判定を受けた者
氏名
住所
性別
生年月日
年
月
日生
脳死判定の日時(*2回目の脳死判定終了時刻)
年
月
日 午前・午後
時
分
判定医療機関
名称 旭川医科大学病院
所在地 旭川市緑が丘東2条1丁目1番1号
判定医
氏名
氏名
住所
住所
(又は所属医療機関の所在地及び名称)
(又は所属医療機関の所在地及び名称)
氏名
氏名
住所
住所
(又は所属医療機関の所在地及び名称)
(又は所属医療機関の所在地及び名称)
脳死判定を受けた者及び家族の意思(ア~ウのいずれかに○をつける)
ア 脳死判定を受けた者が生存中に臓器を提供する意思を書面により表示しており、脳死
判定に従う意思がないことを表示していない
→ 家族が脳死判定を拒まない又は家族がいない
( 拒まない ・ 家族がない ・ 拒んでいる)
イ 脳死判定を受けた者が生存中に臓器を提供する意思がないことを表示しておらず、脳
死判定に従う意思がないことを表示していない
→ 家族が脳死判定を行うことを書面により承諾している
( 承諾している ・ 承諾していない )
ウ ア又はイに該当しない
12
脳死判定を受けた者が生存中に親族に対し臓器を優先的に提供する意思を書面により表示
している
( 表示している ・ 表示していない )
脳死判定を拒まない・承諾した家族
氏名
住所
脳死判定を受けた者との続柄
脳死判定への家族の立ち会いの有無
(
有 ・
無 )
原疾患名
前提条件
器質的脳障害による深昏睡、無呼吸
原疾患を確実に診断
CT、MRI等の画像診断
回復の可能性がない
( 該当する ・ 該当しない
( 該当する ・ 該当しない
(
有
・
無
( 該当する ・ 該当しない
)
)
)
)
除外例
生後12週(在胎週数が40週未満の場合は出産予定日から起算して12週)未満
( 該当する ・ 該当しない )
急性薬物中每
( 該当する ・ 該当しない )
直腸温、食道温等の深部温が摂氏32度未満(6歳未満の者は35度未満)の状態
( 該当する ・ 該当しない )
代謝性・内分泌性障害あり
( 該当する ・ 該当しない )
1回目の確認
開始日時
終了日時
年
午前・午後
月
年
午前・午後
月
生命徴候の確認
体温(開始時)
(終了時)
血圧(判定前)
(判定後)
心拍数(開始時)
(終了時)
(
(
収縮期
拡張期
収縮期
拡張期
(
(
時
時
2回目の確認
日
分
年
月
午前・午後
時
日
分
日
分
年
月
午前・午後
時
日
分
℃)
℃)
㎜Hg
㎜Hg
㎜Hg
㎜Hg
回/分)
回/分)
13
(
(
収縮期
拡張期
収縮期
拡張期
(
(
℃)
℃)
㎜Hg
㎜Hg
㎜Hg
㎜Hg
回/分)
回/分)
昇圧薬の使用(薬品名
(判定開始時)
(
)
無 )
(
有 ・ 無 )
中枢神経抑制薬、筋弛緩薬等の薬物の影響
( 有 ・ 無 )
(
有 ・ 無 )
姿勢・運動の確認
自発運動
除脳硬直
除皮質硬直
けいれん
(
(
(
(
有
有
有
有
必須項目
深昏睡
瞳孔径4㎜以上
瞳孔固定
脳幹反射
対光反射
角膜反射
毛様脊髄反射
眼球頭反射
前庭反射
咽頭反射
咳反射
平坦脳波
(
(
(
(
有 ・
有
有
有
有
・
・
・
・
無
無
無
無
)
)
)
)
(JCS
・GCS
)
(右
㎜、左
㎜)
(右:有・無、左:有・無)
(右:有・無、左:有・無)
(右:有・無、左:有・無)
(右:有・無、左:有・無)
( 有 ・ 無 )
(右:有・無、左:有・無)
( 有 ・ 無 )
( 有 ・ 無 )
(該当する
・ 無 )
自発呼吸
( 有 ・ 無 )
無呼吸テスト時のPaCO2、血圧及び不整脈
PaCO2
(テスト前)
㎜Hg
(午前・午後
時
分)
(テスト後)
㎜Hg
(午前・午後
時
分)
血圧
(テスト前)収縮期
㎜Hg
拡張期
㎜Hg
(テスト後)収縮期
㎜Hg
拡張期
㎜Hg
14
無
無
無
無
)
)
)
)
(JCS
・GCS
)
(右
㎜、左
㎜)
(右:有・無、左:有・無)
(右:有・無、左:有・無)
(右:有・無、左:有・無)
(右:有・無、左:有・無)
( 有 ・ 無 )
(右:有・無、左:有・無)
( 有 ・ 無 )
( 有 ・ 無 )
・ 該当しない) (該当する
補助検査
聴性脳幹誘発反応 ( 有
・
・
・
・
・ 該当しない)
( 有 ・
無 )
( 有 ・
無 )
(午前・午後
(午前・午後
収縮期
拡張期
収縮期
拡張期
㎜Hg
時
㎜Hg
時
㎜Hg
㎜Hg
㎜Hg
㎜Hg
分)
分)
昇圧薬の使用(薬品名
( 有
重篤な不整脈
( 有
)
・ 無 )
・ 無 )
( 有 ・
( 有 ・
無 )
無 )
その他判定を行った医師が特に必要と認めた事項
判定結果
記録作成日
(
脳死と判定される
年
月
・
脳死と判定されない
)
日
記録作成者(判定医)氏名
印
氏名
印
氏名
印
氏名
印
(記名押印又は自筆署名)
(注 )・ 脳 死 判 定 に 当 た っ て 測 定 し た 脳 波 の 記 録 ( 記 録 番 号
)
・脳死判定を受けた者が生存中に臓器を提供する意思を書面により表示していたとき
は、当該書面の写し
・脳死判定を受けた者が生存中に脳死判定に従う意思を書面により表示していたとき
は、当該書面の写し
・脳死判定を受けた者が生存中に親族に対し臓器を優先的に提供する意思を書面によ
り表示していたときは、当該書面の写し
・家族が脳死判定を拒まない・承諾する旨を表示した書面
を添付のこと。
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