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自己評価 21 - 九州保健福祉大学

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自己評価 21 - 九州保健福祉大学
目
次
Ⅰ
大学薬学部の現況及び特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
Ⅱ
目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
Ⅲ
総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
Ⅳ
自己点検・評価書作成のプロセス・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
Ⅴ
基準ごとの自己評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
『理念と目標』
1 理念と目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
『教育プログラム』
2 医 療 人 教 育 の 基 本 的 内 容 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13
(2-1) ヒ ュ ー マ ニ ズ ム 教 育 ・ 医 療 倫 理 教 育
(2-2) 教 養 教 育 ・ 語 学 教 育
(2-3) 医 療 安 全 教 育
(2-4) 生 涯 学 習
(2-5) 自 己 表 現 能 力
3 薬 学 教 育 カ リ キ ュ ラ ム ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 24
(3-1) 薬 学 教 育 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 達 成 度
(3-2) 大 学 独 自 の 薬 学 専 門 教 育 の 内 容
(3-3) 薬 学 教 育 の 実 施 に 向 け た 準 備
4 実 務 実 習 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 37
(4-1) 実 務 実 習 事 前 学 習
(4-2) 薬 学 共 用 試 験
(4-3) 病 院 ・ 薬 局 実 習
5 問 題 解 決 能 力 の 醸 成 の た め の 教 育 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 55
(5-1) 自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 学 習
『学生』
6 学 生 の 受 入 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 59
7 成 績 評 価 ・ 修 了 認 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 67
8 学 生 の 支 援 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 70
(8-1) 修 学 支 援 体 制
(8-2) 安 全 ・ 安 心 へ の 配 慮
『教員組織・職員組織』
9 教 員 組 織 ・ 職 員 組 織 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 84
(9-1) 教 員 組 織
(9-2) 教 育 ・ 研 究 活 動
(9-3) 職 員 組 織
(9-4) 教 育 の 評 価 / 教 職 員 の 研 修
『施設・設備』
1 0 施 設 ・ 設 備 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 101
(10-1) 学 内 の 学 習 環 境
『外部対応』
1 1 社 会 と の 連 携 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 108
『点検』
12
自 己 点 検 ・ 自 己 評 価 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 117
-1-
Ⅰ
大学薬学部の現況及び特徴
( Ⅰ ∼ Ⅲ で 文 字 数 は 6000 字 以 内 と し て く だ さ い 。
1
現
況
6 年制薬学教育プログラムと 4 年制教育プログラムがリンクしている場合には、
本「現況」欄に状況を記載してください。
(1)大学薬学部・薬学科名
九州保健福祉大学薬学部・薬学科
(2)所在地
宮 崎 県 延 岡 市 吉 野 町 1714-1
(3)学生数、教員および職員数
学生数
2
特
629名
教員
48名
職員(実習センター)2名
徴
平 成 4 年 の 改 正 医 療 法 で 薬 剤 師 は 医 療 を 担 う 一 員 と し て 位 置 づ け ら れ 、ま た 地 域 医
療 水 準 向 上 の た め に 、倫 理 観 、使 命 感 、実 行 力 に 富 む 2 1 世 紀 の 社 会 需 要 に 応 じ た 広
く 社 会 に 貢 献 で き る 薬 剤 師 養 成 が 必 要 と な っ て い る 。本 学 薬 学 部 薬 学 科 で は 、こ の よ
う な 多 様 な 社 会 的 要 請 に 応 え る た め に 、臨 床 薬 剤 師 養 成 の 取 り 組 み に お い て 、「 薬 学
教 育 モデ ル・コア カ リキ ュ ラム 」を 基 盤と した 教 養教 育、基礎 薬 学、医療 薬 学、実務
実習の充実した教育課程に加え、患者のバイタルサイン等から正確な薬効評価を行
い 、 適 正 な 処 方 設 計 を 医 師 に 進 言 、「 患 者 を 中 心 と し た 医 療 」 を サ ポ ー ト で き る 独 自
の薬剤師教育を行うことを特徴とする。
薬 学 6 年 制 教 育 に は 、医 療 技 術 の 高 度 化 、医 薬 分 業 の 進 展 な ど に 伴 う 医 薬 品 の 安 全
管 理 と い っ た 社 会 的 要 請 に 応 え る 担 い 手 と し て 問 題 解 決 能 力 を 有 す る「 質 の 高 い 薬 剤
師 」 が 求 め ら れ る と い う 社 会 的 背 景 が あ る 。2 0 世 紀 の 科 学 技 術 の 発 達 は 、薬 学 ( 医
薬 品 開 発 と そ の 適 正 使 用 に 関 す る 学 問 ・ 技 術 )を 急 激 な 勢 い で 進 展 さ せ 、医 療 に お け
る 薬 剤 師 の 役 割 を よ り 大 き な も の に 変 化 さ せ た 。こ の 変 化 は 、2 1 世 紀 に 入 り 超 高 齢
化 社 会 の 到 来 を 踏 ま え 、生 命 科 学・ 情 報 科 学 テ ク ノ ロ ジ ー の 時 代 に 相 応 し た 高 度 な 薬
品 ・ 医 療 情 報 を 医 師 ・ 看 護 師 ・ 患 者 に 提 供 し 、「 患 者 を 中 心 と し た 医 療 」 を サ ポ ー ト
で き る 人 材 育 成 を 求 め て い る 。 し か し 、 薬 剤 師 は 、「 患 者 に 触 れ て は い け な い 」 と い
う 誤 っ た 認 識 が あ っ た た め 、患 者 に 薬 物 の 治 療 効 果 が 現 れ て い る の か 、ま た 副 作 用 が
出 て い な い の か 、薬 剤 師 自 ら 確 認 を お こ な う 教 育 が な さ れ て い な か っ た 。そ こ で 、本
学 で は 、薬 に 関 す る 高 度 な 知 識 に 加 え て 、薬 効 評 価 の た め に 患 者 の バ イ タ ル サ イ ン や
臨 床 検 査 値 を 総 合 的 に 解 析 で き る 薬 剤 師 教 育 に 取 り 組 ん で い る 。即 ち 、患 者 に 直 接 触
れ る こ と に よ っ て 、薬 物 が 適 切 に 効 果 を 現 し て い る の か 、ま た 副 作 用 が 発 現 し て い な
いかなど、正確な患者の薬効評価を可能とする新たな職能教育が本学の特徴となる。
-2-
さ ら に 、漢 方 薬 の 薬 効 評 価 に お け る 患 者 の「 証 」の 取 り 方 な ど に つ い て も 東 洋 医 学 教
育 の 中 で 取 り 組 ん で い る 。医 師 不 足 が 叫 ば れ る 現 在 、薬 剤 師 が 患 者 の バ イ タ ル サ イ ン
等 か ら 正 確 な 薬 物 効 果 の 把 握 を 行 い 、適 正 な 薬 物 療 法 を 医 師 に 進 言 、「 患 者 を 中 心 と
す る 医 療 」を サ ポ ー ト で き る 薬 剤 師 教 育 は 、チ ー ム 医 療 が 叫 ば れ る 中 で 不 可 欠 な も の
になっていくと確信する。
Ⅱ
目的
本学薬学部薬学科では、「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸
ばし、社会に有為な人材を養成する」という建学理念のもと、豊かな教養に支えら
れた専門教育と職能人として主体的に学び考える能力を身に付けた薬の専門家の養
成を目的としている。即ち、「患者を中心とする医療の場において、バイタルサイ
ンを含む患者からの情報を基に、医師と連携を計り、最善の薬物療法を支援できる
有能な薬剤師を育成する」ことを目標としている。
本 学 で は 、病 院 で の 薬 剤 師 業 務 の 中 で 特 に ベ ッ ド サ イ ド 業 務 お よ び 高 度 な 薬 物 療 法
支 援 能 力 を 重 視 し 、 ま た 保 健 薬 局 、 一 般 用 医 薬 品 ( OTC) 販 売 を 含 む コ ミ ュ ニ テ ィ 薬
局 で の 地 域 予 防 医 学 に 貢 献 で き る 能 力( か か り つ け 薬 局 薬 剤 師 )を 重 視 す る 教 育 を お
こなう。
本学が位置する宮崎県のみならず大分・鹿児島両県では、高度医療への移行を踏
まえ、地域医療水準の向上のために有能かつ実践的な医薬分業に対応できる薬剤師
を一人でも多く求めている。本学ではこの要望に応えるために、「患者を中心とし
た医療」をサポートでき、セーフティマネージャーとして高度な技能を有し、病院
薬局および地域保健薬局等で即戦力となる薬剤師を養成する。具体的には、病院薬
局および保健薬局で、適正な薬物療法を支援できる薬剤師;薬物の効果を患者のバ
イタルサイン等から適切に判断して医師の治療方針や看護業務と連携しての臨床活
動 が で き る 薬 剤 師;治 験 コ ー デ ィ ネ ー タ ー( CRC)と な れ る 薬 剤 師;ガ ン 専 門 、糖 尿
病専門薬剤師や手術薬剤師等、より医療現場に連結した薬剤師である。さらに、広
く地域の人々の健康を考え「予防医学」への重要なアプローチとして「生活習慣の
改善」と共に「予防食品・予防栄養素」の知識等「予防薬学」の観点から患者へア
ド バ イ ス が で き る 薬 剤 師;栄 養 サ ポ ー ト チ ー ム( NST)の 一 員 、製 薬 企 業 で 医 薬 情 報
担 当 者 ( MR) と し て 活 躍 で き る 薬 剤 師 、 即 ち 有 能 か つ 倫 理 観 、 使 命 感 、 実 行 力 に 富
む21世紀の社会需要に応じた広く社会に貢献できる即戦力を有する薬剤師の養成
を目指す。
現在、薬剤師は医薬分業の進展の中で、より能動的な職責を担うことが期待され
ている。そして質を問われる以上、薬剤師には医薬品提供の知識・技術は言うに及
ばず、専門職としての意識向上や患者等への義務、生命倫理等、様々な内容への深
い理解が要求される。特に適正な薬物療法には、医師と患者の間に、薬剤師による
-3-
情 報 の 橋 渡 し が 重 要 で あ る 。こ れ か ら の 薬 剤 師 に は 薬 に 関 す る 高 度 な 知 識 に 加 え て 、
バイタルサインを含めた患者の体の状態を的確に把握できる能力が求められる。な
ぜなら、これからの薬剤師は、医師から「今、患者に使用している薬は本当に効果
が出ているのか、副作用は出ていないのか、もっと有用な薬はないのか?」と相談
され充分対応できる能力がチーム医療の一員として求められるからである。
ま た 、医 療 技 術 の 高 度 化 に 伴 う 医 薬 品 の 安 全 管 理 、疾 病 予 防 を 見 据 え た「 予 防 薬 学 」
と い っ た 観 点 も 要 求 さ れ る 。本 学 で は 、こ れ ら の 要 求 に 応 え る こ と が で き る 質 の 高 い
薬剤師を養成する。
Ⅲ
総括
平 成 20 年 12 月 の 中 央 教 育 審 議 会 の 答 申 「 学 士 課 程 教 育 の 構 築 に 向 け て 」 に お い
て、大学全入時代を迎え、大学入試によって高校の質保証や大学の入口管理を行う
ことが困難であることが指摘されている。今、文部科学省は、卒業時において学生
に充分な知識・技能・態度が身についているのか、即ち「学士力」によって大学評
価 が 行 わ れ る べ き と の 見 解 を 示 し て い る 。こ の 観 点 か ら 本 学 薬 学 科 の 評 価 を 考 え る 。
本学薬学科の教育目標は、国家試験合格ではなく、その先の有能な薬剤師養成に
ある。そのため、臨床を重視した本学独自の教育システムを取り入れており、学生
の高いモチベーション醸成と合わせて、それを実現するために教員が一丸となって
支 援 し て い く 体 制 が 構 築 さ れ て い る 。本 学 薬 学 科 で は 3 期 生 ま で 卒 業 し た が 、第 92
回 そ し て 第 94 回 薬 剤 師 国 家 試 験 に お い て 、新 卒 合 格 率 97% 以 上 を 達 成 し 2 度 の「 日
本 一 」 に 輝 い て い る 。 一 方 、 総 合 格 率 に お い て も 、 3 年 連 続 90% 以 上 を 達 成 し て い
る 。 今 回 実 施 さ れ た 共 用 試 験 の CBT に お い て も 、 4 年 生 全 員 が 受 験 し 、 全 員 が 本 試
験 の み で 合 格 し て い る 。ま た 、週 刊 東 洋 経 済 (2009.10.24)の 特 集「 本 当 に 強 い 大 学
2 0 0 9 」 に お い て 、 本 学 科 は 就 職 ラ ン キ ン グ 〔 九 州 ・ 沖 縄 地 区 (理 系 )〕 で 第 1 位
(98.6%)で あ る と 報 道 さ れ た 。さ ら に 、卒 業 生 の 職 場 に お い て は 、薬 剤 師 と し て 高 く
評価されていることからも、本学科の卒業生は「高い学士力」を有することが客観
的にも証明されている。
従って、本学の優れた点は、入学時の偏差が決して高くない新入生を卒業時には
「高い学士力」を備える人材に育て上げる教育システムを構築していることにある。
改 善 を 要 す る 点 に つ い て は 、「 バ イ タ ル サ イ ン が 読 め る 薬 剤 師 教 育 」 な ど 先 進 的 な
取 り 組 み に つ い て は 高 く 評 価 さ れ る も の の 、こ れ ら の 取 り 組 み は 薬 剤 師 全 体 の 問 題 で
あ り 、さ ら に 広 く 全 国 の 薬 学 部 へ 情 報 発 信 し て い く パ イ オ ニ ア と し て の 役 割 が 問 わ れ
て い る 。薬 剤 師 の 情 操 教 育 に お い て は 、学 内 で も 医 療 人 と し て の 倫 理 観 を 維 持 し 、さ
ら に 高 め る た め の 教 育 が 必 要 で あ る 。基 礎 学 力 向 上 へ の 種 々 の 取 り 組 み は 一 定 の 成 果
が 得 ら れ て い る が 、入 学 し て く る 学 生 が 、高 校 時 代 に こ れ ら の 基 礎 科 目 の 一 部 ま た は
全 部 を 履 修 し て き て な い 状 況 を 鑑 み て 、更 な る 創 意 工 夫 と 根 気 強 い 教 育 が 必 要 で あ る 。
医 療 安 全 教 育 で は 、全 学 年 を 通 じ て 総 合 的 に み た 場 合 、比 較 的 、1∼ 2 年 次 と い っ た 低
学 年 に 科 目 が 偏 っ て い る 傾 向 が あ る 。ま た 、薬 害 被 害 者 を 招 い て の 講 義 が 、薬 剤 師 を
-4-
十 分 に 理 解 し 把 握 し て い な い 時 期 の 1 年 次 後 期 で あ り 、時 期 的 な 問 題 を 検 討 す る こ と
も 必 要 で あ る 。学 生 の 自 己 表 現 能 力 に つ い て は 、学 生 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン や プ レ ゼ
ン テ ー シ ョ ン の 能 力 を 適 切 に 向 上 さ せ ら れ る よ う に 、指 導 者 で あ る 教 員 に 対 し て 、適
切 な 教 育 の や り 方 、 指 導 の 仕 方 を 身 に つ け ら れ る よ う な FD 研 修 会 な ど を 開 催 し 、 教
員 の 指 導 力 ア ッ プ を は か る 取 り 組 み が 必 要 で あ ろ う 。個 々 の 教 育 到 達 目 標 に 対 す る 割
振 り 時 間 に つ い て は 、臨 床 能 力 の 高 い 薬 剤 師 養 成 を 目 指 す 本 学 独 自 の 観 点 か ら 、必 ず
しも実務実習モデル・コアカリキュラムに合致していないことから、検討を要する。
実 務 実 習 に つ い て は 、実 習 施 設 確 保 の 都 合 に よ り 、全 て の 学 生 を 帰 省 先 又 は 大 学 所 在
地 の ア パ ー ト 等 の 居 住 施 設 か ら 通 え る 実 習 施 設 に 配 置 す る こ と が 困 難 で あ る 。一 部 の
学 生 は 大 学 の 確 保 し た ホ テ ル 等 の 宿 泊 施 設 に 宿 泊 し 実 習 を 行 う こ と に な り 、居 住 施 設
か ら 通 え る 範 囲 内 で の 実 習 施 設 確 保 が 課 題 で あ る 。自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 の 学 習 態 度 の 醸
成 の た め に は 、 教 員 の 指 導 力 向 上 が 求 め ら れ 、 そ の た め に FD が 必 要 と 考 え ら れ る 。
入 学 希 望 者 の 父 兄 よ り 、ノ ー ト テ イ キ ン グ の 補 助 を 必 要 と す る 者 へ の 対 応 が な さ れ て
い な い 点 を 指 摘 さ れ た が 、早 期 に 市 民 の 中 に ノ ー ト テ イ キ ン グ に 対 応 し た ボ ラ ン テ ィ
ア 支 援 シ ス テ ム の 確 立 が 求 め ら れ る 。本 学 教 員 組 織 で は 、教 員 の 96% が 薬 剤 師 ま た は
医 師 資 格 を 有 し て お り 、さ ら に 実 務 経 験 を 有 す る 教 員 を 積 極 的 に 採 用 す る こ と に よ り 、
教 育 目 標 に 沿 っ た 薬 剤 師 養 成 を 実 践 で き る 教 員 組 織 と な っ て い る が 、さ ら な る 充 実 が
求 め ら れ る 。学 力 に お い て は 、評 価 シ ス テ ム が 構 築 さ れ て い る が 、薬 剤 師 と し て の 倫
理 観 や 使 命 感 を ど の よ う に 測 る の か 考 え て 行 く 必 要 が あ る 。 FD に つ い て は 、 教 授 法
の 多 様 性 を 認 め た 上 で 、知 識 の 偏 重 に な ら な い よ う 、薬 剤 師 の 倫 理 観 及 び 使 命 感 等 を
全 教 員 で 高 め て い く さ ら な る 取 り 組 み が 求 め ら れ る 。最 後 に 、薬 学 教 育 自 己 評 価 実 施
委 員 会 に よ る 自 己 点 検 ・ 評 価 は 、と も す る と「 自 己 評 価 書 作 り 」に 大 き な ウ エ イ ト が
置 か れ て い る こ と は 否 め な い 。そ れ に 伴 い 各 部 会 で の 自 己 点 検 ・ 評 価 作 業 も「 自 己 評
価 書 作 り 」で 終 わ り が ち で あ る 。今 後 は 、こ の 実 施 委 員 会 が 本 来 の 自 己 点 検 ・ 評 価 を
サ ポ ー ト 、チ ェ ッ ク す る 機 関 と し て 十 分 に 役 割 が 果 た せ る よ う 改 善 し て ゆ く 必 要 が あ
る。
-5-
Ⅳ
自己評価・評価書作成のプロセス
平 成 20年 12月 に 自 己 評 価 21の 学 内 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ を 立 ち 上 げ 、平 成 20年 度 後 期
認 定 試 験 資 料 か ら 集 め る こ と と し た 。 平 成 21年 6月 に は 「 自 己 評 価 21」 の 自 己 点 検 ・
自 己 評 価 を 実 施 す す る た め に 九 州 保 健 福 祉 大 学 薬 学 教 育 委 員 会( 構 成 員 : 学 部 長 、学
科 長 、自 己 評 価 実 施 委 員 長 、実 施 委 員 会 各 部 会 責 任 者 )お よ び 自 己 評 価 21報 告 書 を 作
成するために具体的な作業を実施する委員会として8つの部会からなる九州保健福
祉大学教育自己評価実施委員会を組織した(◎は部会責任者)。
九州保健福祉大学(九保大)薬学教育自己評価委員会
九州保健福祉大学(九保大)薬学教育自己評価実施委員会
① 基本的事項検討部会︵◎薬学部長、薬学科長、
自己評価実施委員長︶
中項目1、
委員
OSCE
② カリキュラム部会︵◎教務委員長、リメディ
アル教育担当委員長他 )
中項目2、3、5
③ 実務実習部会︵◎実務実習委員長、
委員長他︶
長、 CBT
中項目4
④ 入試・成績評価部会︵◎入試委員長他︶
中項目6、7
⑤ 学生生活部会︵◎キャリアサポートセンター
委員長、学生委員長、人権教育推進委員長他︶
中項目8
10
⑥ 教育研究組織部会︵◎教育開発・研究推進中核
センター教育開発部門委員および研究推進部門
委員、 OSCE
委員長他︶
中項目9
⑦ 施設・設備部会︵◎学科研究機器委員長、環
境・排水管理委員長、図書委員他︶
中項目
⑧ 外部対応部会︵◎公開講座委員長、産学官連
携推進委員長、広報委員他︶
中項目
11
12
そ の 他 、根 拠 と な る 資 料 お よ び デ ー タ 収 集 ・ 整 理 担 当 の 教 員 数 名 を こ の 自 己 評 価 実 施
委 員 会 の 構 成 員 と し 、さ ら に 教 務 課 、学 生 課 、入 試 広 報 課 等 の 事 務 職 員 に も 協 力 を 依
頼した。
平 成 21 年 7 月 10 日 に 「 自 己 評 価 21」 学 科 説 明 会 を 行 い 、 原 稿 作 成 を 依 頼 し た 。
必 要 が あ れ ば 各 部 会 に お い て ミ ー テ ィ ン グ を 行 っ た 。 平 成 21 年 11 月 末 ま で に 第 一
回目の原稿を各部会に提出し、各部会ごとにミーティングを行い加筆修正を検討し
た 。 平 成 22 年 1 月 12 日 に 各 部 会 ご と の 最 終 原 稿 を 実 施 委 員 長 に 提 出 し 、 九 州 保 健
福祉大学薬学教育自己評価委員会にて 1 月∼2 月にかけて数回にわたり自己点検・
評 価 原 稿 の 最 終 チ ェ ッ ク を 行 っ た 。平 成 22 年 4 月 17 日 ま で に 自 己 評 価 書 を 送 付 し 、
さらに大学ホームページに公表予定である。
-6-
Ⅴ
基準ごとの自己評価
『理念と目標』
1
理念と目標
基準1−1
各大学独自の工夫により,医療人としての薬剤師に必要な学識及びその応用能力
並びに薬剤師としての倫理観と使命感を身につけるための教育・研究の理念と目標
が設定され,公表されていること。
【観点
【観点
【観点
1 -1 -1 】 理 念 と 目 標 が ,医 療 を 取 り 巻 く 環 境 ,薬 剤 師 に 対 す る 社 会 の ニ ー ズ ,
学生のニーズを適確に反映したものとなっていること。
1 -1 -2 】 理 念 と 目 標 が , 教 職 員 及 び 学 生 に 周 知 ・ 理 解 さ れ , か つ 広 く 社 会 に
公表されていること。
1 -1 -3 】 資 格 試 験 合 格 の み を 目 指 し た 教 育 に 偏 重 せ ず , 卒 業 研 究 等 を 通 じ て
深い学識及びその応用能力等を身に付けるための取組が行われてい
ること。
[現状]
本学薬学部薬学科では、「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸
ばし、社会に有為な人材を養成する」という建学理念のもと、豊かな教養に支えら
れた専門教育と職能人として主体的に学び考える能力を身に付けた薬の専門家の養
成を目的としている。即ち、「患者を中心とする医療の場において、バイタルサイ
ンを含む患者からの情報を基に、医師と連携を計り、最善の薬物療法を支援できる
有能な薬剤師を育成する」ことを目的として教育を行っている。
現在、医師不足が大きな社会問題となっており、薬剤師の医療における役割は、
大きく変化しつつある。そしてその変化を加速するのは、「薬剤師は患者に触れず
して、薬物の効果が現れているのか?副作用が現れていないのか?適正な判断はで
きない。」という認識であろう。適正な薬物療法には、医師と患者の間に、薬剤師
による情報の橋渡しが重要である。従って、これからの薬剤師には薬に関する高度
な知識に加えて、バイタルサインを含めた患者の体の状態を的確に把握できる能力
がチーム医療の一員として求められる。そのため、本学では「実習用患者ロボット
を 使 用 し た 模 擬 ベ ッ ド サ イ ド 実 習 」等 を 導 入 し て お り 、
「患者のバイタルサインが読
め る 薬 剤 師 能 力 の 開 発 」に 取 り 組 ん で い る 。こ の 本 学 独 自 の 臨 場 感 あ る 取 り 組 み も 、
学生の「医療人としての倫理観および使命感」醸成に繋がっている。
また、薬剤師として将来、疑問に思う処方箋に出会った時、学生時代の知識を基
準 に せ ず 、必 ず 最 新 か つ 権 威 あ る 論 文 等 の 資 料 で 再 確 認 す る 必 要 が あ る 。そ の 結 果 、
やはり処方箋に疑義があるのであれば、その資料を医師に提示、説明できる能力が
重要である。そこで、本学の卒業研究は、その薬剤師としての能力を充分身につけ
-7-
させることを学習目標としている。また、実験で卒業論文を作成したいと考える学
生には、実験研究も可能としている。論文指導においては、学科教務委員会が作成
した「薬学科卒業論文指導のしおり」を参考とし(1‐1‐①卒業論文指導のしお
り )、 指 導 教 員 が 異 な っ て も 指 導 に 整 合 性 が と れ る よ う 配 慮 し て い る 。 ま た 、 各 研
究室では、卒業研究指導の観点からも、最新の研究に取り組む必要があり、外部資
金を導入した研究も活発に行われている。
現 在 は、超高 齢 化社 会の 到 来に より 、老 人 保健 、老 人 福祉 、地 域 医療 、社 会 保障等
の ニ ー ズ に 対 応 し た 医 療 知 識・技 能・技 術 を も ち 、社 会 か ら 信 頼 さ れ る 倫 理 観 、責 任
感 、使 命 感 を 兼 ね 備 え た 優 秀 な 医 療 従 事 者 が 求 め ら れ て い る 。薬 学 部 に お け る 教 育 目
標 は 建 学 の 理 念 を 踏 ま え 、上 述 の 社 会 に 要 求 さ れ る 人 材 を 育 成 す る こ と に あ る 。こ の
理 念 お よ び 目 標 は 、入 学 式 に お け る 学 長 、理 事 長 の 訓 辞 、告 辞 と し て 表 明 さ れ る と 共
に 、入 学 後 に 開 催 さ れ る 学 部 長 講 話 、学 科 長 講 話 、各 種 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン( 学 部 全
教 員 出 席 ) 、 さ ら に 、 新 入 生 に 対 し て 毎 年 4月 に 1泊 2日 の 研 修 会 で 周 知 が 図 ら れ て い
る 。こ の 研 修 会 に も 全 教 員 が 同 行 し 、チ ュ ー タ ー 別 に 班 別 体 制 が と ら れ て い る 。こ の
行 事 に よ り 教 員 と 学 生 間 の 交 流 は 勿 論 の こ と 、学 生 間 の 親 睦 が 図 ら れ る と と も に 、学
部 の 理 念・目 的・教 育 目 標 の 周 知 が 図 ら れ て い る 。学 部 の 教 育 目 標 は 、最 低 月 1 回 以
上 の 教 授 会 と 学 科 会 議 に よ り 徹 底 さ れ 、講 義 や 実 習 に 反 映 さ れ る 。ま た 、学 部 の 理 念 ・
目 的 ・ 教 育 目 標 の 社 会 に 対 す る 公 表 に つ い て は 、イ ン タ ー ネ ッ ト の 学 科 ホ ー ム ペ ー ジ
や 本 学 入 学 案 内 で 、さ ら に 学 部 長 に よ る ラ ジ オ 番 組 出 演 や 学 部 教 員 に よ る 中 学 校 や 高
等学校での薬学紹介模擬授業などでも積極的に実施している。
[点検・評価]
優れた点
・「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸ばし、社会に有益な人材
を養成する」という理念が明確である。
・「患者を中心とする医療の場において即戦力のある基礎、応用力のある、倫理観
そして使命感をもつ薬剤師を育成する」という教育目的が明確である。
・ 大 学 が 独 自 に 工 夫 し た 、「 患 者 の バ イ タ ル サ イ ン が 読 め る 薬 剤 師 能 力 の 開 発 」 は 、
新たな医療人としての薬剤師職能を拡大するものであり、社会ニーズを反映したも
のである。
・理念および教育目的は、入学式における学長、理事長の訓辞、告辞として表明さ
れると共に、入学後に開催される学部長講話、学科長講話、各種オリエンテーショ
ンで教職員及び学生に周知徹底されており、さらにホームページなどで広く社会に
公表されている。
・卒業研究の学習目的は明確かつ具体的に提示されており、学生指導方法について
も学科全体で整合性がとられている。
-8-
改善を要する点
・本 学 は 6 年 制 教 育 に お い て 、
「 患 者 の バ イ タ ル サ イ ン が 読 め る 薬 剤 師 養 成 」な ど 独
自の教育プログラムを開発し新たな薬剤師の職能拡大に取り組んでいるが、社会に
対するアピールが不足していると思われる。
[改善計画]
現在、6 年制教育における最高学年が 4 年であり、上記取り組みが進行中である
ため、適切なフィードバックをかける状態にはない。
-9-
基準1−2
理念と目標に合致した教育が具体的に行われていること。
【観点
1 -2 -1 】 目 標 の 達 成 度 が , 学 生 の 学 業 成 績 及 び 在 籍 状 況 並 び に 卒 業 者 の 進 路
及び活動状況,その他必要な事項を総合的に勘案して判断されてい
ること。
[現状]
本学薬学部薬学科では、「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸
ばし、社会に有為な人材を養成する」という建学理念のもと、豊かな教養に支えら
れた専門教育と職能人として主体的に学び考える能力を身に付けた薬の専門家の養
成を目的としている。即ち、「患者を中心とする医療の場において、患者からの情
報を基に、医師と連携を計り、最善の薬物療法を支援できる有能な薬剤師を育成す
る」ことを目標として教育を行っている。
薬剤師は、「患者に触れてはいけない」という誤った認識があったため、患者に
薬物の治療効果が現れているのか、また副作用が出ていないのか、薬剤師自ら確認
をおこなう教育がなされていなかった。そこで本学では、薬に関する高度な知識に
加えて、薬効評価のために患者のバイタルサインや臨床検査値を総合的に解析でき
る薬剤師教育に取り組んでいる。即ち、患者に直接触れることによって、薬物が適
切に効果を現しているのか、また副作用が発現していないかなど、正確な患者の薬
効評価を可能とする新たな職能教育に取り組んでいる。さらに、漢方薬の薬効評価
においても、患者に触れる実際の「証」の取り方などについて学んでいる。医師不
足が叫ばれる現在、薬剤師が患者のバイタルサイン等から正確な薬物効果の把握を
行い、適正な薬物療法を医師に進言、「患者を中心とする医療」をサポートできる
教育は、チーム医療が叫ばれる中で不可欠なものである。
また、薬剤師として将来、疑問に思う処方箋に出会った時、学生時代の知識を基
準 に せ ず 、必 ず 最 新 か つ 権 威 あ る 論 文 等 の 資 料 で 再 確 認 す る 必 要 が あ る 。そ の 結 果 、
やはり処方箋に疑義があるのであれば、その資料を医師に提示、説明できる能力が
重要である。そこで、本学の卒業研究は、その薬剤師としての能力を充分身につけ
させることを学習目標としている。また、実験で卒業論文を作成したいと考える学
生には、実験研究も可能としている。論文指導においては、学科教務委員会が作成
した「薬学科卒業論文指導のしおり」を参考とし、指導教員が異なっても学生指導
に 整 合 性 が と れ る よ う 配 慮 し て い る ( 1 ‐ 2 ‐ ① 卒 業 論 文 指 導 の し お り )。 ま た 、
各研究室では、卒業研究指導の観点からも、最新の研究に取り組む必要があり、外
部資金を導入した研究も活発に行われている。
本学薬学科では、前述の如く病院での薬剤師業務の中で特にベッドサイド業務及
び高度な薬物療法支援能力、また、地域予防医学に貢献できる能力を重視する教育
を行っている。これらの取り組みは、文部科学省に高く評価され、特に「バイタル
- 10 -
サ イ ン が 読 め る 薬 剤 師 教 育 」は 全 国 薬 学 部 の 模 範 と な る べ く「 医 療 人 GP」に 採 択 さ
れている。この文部科学省の支援により、臨床系の学内教育において使用する患者
ロボットを多く導入するなど、さらに充実した学内教育体制が確立している。
薬剤師業務が劇的に変化する中、「有能な薬剤師」を養成しようとする様々な本
学 独 自 の 取 り 組 み が 、結 果 と し て 高 い 国 家 試 験 合 格 率 に 結 び つ い て い る 。第 92 回 薬
剤 師 国 家 試 験 合 格 率 全 国 48 校 中 第 1 位 、 第 93 回 は 56 校 中 5 位 、 そ し て 第 94 回 で
は 61 校 中 第 3 位 と 、3 年 連 続 で 90% を 超 え る 総 合 合 格 率 は 全 国 で 本 校 の み で あ る 。
さ ら に 第 92 回 と 第 94 回 は 、新 卒 合 格 率 97% で 日 本 一 と な っ て い る こ と は 、理 念 と
目標に合致した教育が具体的に行われていることへの証明となろう。ちなみに、第
92 回 国 家 試 験 を 受 験 し た 1 期 生 は 、入 学 者 147 名 の 内 、留 年 無 し で 120 名 が 卒 業 し
て 国 家 試 験 を 受 験 、 合 格 者 は 117 名 ( 入 学 者 の 80% ) に 達 し て い る 。
ま た 、 卒 業 生 の 就 職 に つ い て は 、 週 刊 東 洋 経 済 2009 年 10 月 24 日 特 大 号 「本 当 に
強 い 大 学 2009」の 就 職 率 ラ ン キ ン グ で 、本 学 薬 学 部 は 九 州・沖 縄 地 区 (理 系 )第 1 位 、
全 国 (理 系 )第 3 位 と 報 告 さ れ て い る 。卒 業 後 の 進 路 で は 、調 剤 薬 局 、病 院 薬 局 、地
方公務員、自衛官上級職、大学院など、多彩な実績がある。
[点検・評価]
優れた点
・薬に関する高度な知識に加えて、薬効評価のために患者のバイタルサインや臨床
検査値を総合的に解析できる薬剤師教育、即ち患者に直接触れることによって、薬
物が適切に効果を現しているのか、また副作用が発現していないかなど、正確な患
者の薬効評価を可能とする新たな職能教育に取り組んでいる。
・漢方薬の薬効評価において、患者に触れる実際の「証」の取り方などについても
学んでいる。
・薬 剤 師 と し て 将 来 疑 問 に 思 う 処 方 箋 に 出 会 っ た 時 、学 生 時 代 の 知 識 を 基 準 に せ ず 、
必ず最新かつ権威ある論文等の資料で再確認し、その結果、やはり処方箋に疑義が
あるのであれば、その資料を医師に提示、説明できる能力が重要である。卒業研究
においては、その職能向上を明確な学習目標としている。
・「有能な薬剤師」を養成しようとする様々な本学独自の取り組みが、結果として
高 い 国 家 試 験 合 格 率 に 結 び つ い て い る 。第 92 回 国 家 試 験 を 受 験 し た 1 期 生 は 、入 学
者 147 名 の 内 、 留 年 無 し で 120 名 が 卒 業 し て 国 家 試 験 を 受 験 、 合 格 者 は 117 名 ( 入
学 者 の 80% )に 達 し た 。第 92 回 と 第 94 回 は 、新 卒 合 格 率 97% で 日 本 一 と な っ て お
り、理念と目標に合致した教育が具体的に行われていることへの証明となろう。
改善を要する点
・現在、多数の患者ロボットを使用した患者対応教育が実施されているが、さらに
教育を徹底するには少人数教育が理想であり、さらなる設備の充実が望まれる。
- 11 -
[改善計画]
現 在 、6年 制 教 育 に お け る 最 高 学 年 が 4年 で あ り 、上 記 取 り 組 み が 進 行 中 で あ る た め 、
適切なフィードバックをかける状態にはない。
- 12 -
『教育プログラム』
2
医療人教育の基本的内容
(2 -1 ) ヒ ュ ー マ ニ ズ ム 教 育 ・ 医 療 倫 理 教 育
基準2−1−1
医療人としての薬剤師となることを自覚させ,共感的態度及び人との信頼関係を
醸成する態度を身につけさせ,さらにそれらを生涯にわたって向上させるための教
育が体系的かつ効果的に行われていること。
【観点
【観点
【観点
【観点
2 -1 -1 -1 】全 学 年 を 通 し て ,医 療 人 と し て 生 命 に 関 わ る 薬 学 専 門 家 に 相 応 し
た 行 動 を と る た め に 必 要 な 知 識 ,技 能 ,及 び 態 度 を 身 に つ け る た
めの教育が行われていること。
2 -1 -1 -2 】医 療 全 般 を 概 観 し ,薬 剤 師 の 倫 理 観 ,使 命 感 ,職 業 観 を 醸 成 す る
教育が行なわれていること。
2 -1 -1 -3 】 医 療 人 と し て , 医 療 を 受 け る 者 , 他 の 医 療 提 供 者 の 心 理 , 立 場 ,
環 境 を 理 解 し ,相 互 の 信 頼 関 係 を 構 築 す る た め に 必 要 な 知 識 ,技
能,及び態度を身につけるための教育が行われていること。
2 -1 -1 -4 】単 位 数 は ,(2-2)∼ (2-5)と 合 わ せ て ,卒 業 要 件 の 1 / 5 以 上 に 設
定されていることが望ましい。
[現状]
建 学 の 理 念 お よ び 教 育 上 の 理 念 と 目 標 に 基 づ き 、倫 理 観 、使 命 感 、実 行 力 に 富 む 21
世 紀 の 社 会 の ニ ー ズ に 応 じ た 、広 く 社 会 に 貢 献 で き る 薬 剤 師 養 成 の 目 的 を 達 成 す る た
め 、薬 剤 師 の 倫 理 観 、使 命 感 構 築 へ の 取 組 み を 教 育 課 程 の 1 セ ッ シ ョ ン と し て 編 成 し
て い る 。 す な わ ち 、「 薬 学 は 化 学 物 質 ( 薬 ) を 扱 い つ つ 生 命 を 考 え る 、 人 の 温 も り に
包 ま れ た 学 問 で あ る 」と の コ ン セ プ ト の 下 に 、入 学 直 後 よ り 下 記 科 目 を 設 け 、薬 学 お
よ び 薬 剤 師 が 社 会 に 果 た す べ き 使 命 を 自 覚 さ せ る と と も に 、医 療 人 と し て の 倫 理 観 構
築および患者を中心とした温かみのある医療をサポートできる薬剤師養成を目指し
て い る ( 2 -1 -1 -① 学 生 便 覧 、 2 -1 -1 -② 平 成 21年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス ) 。
1 ) 総 合 教 育 必 須 科 目 : キ ャ リ ア 教 育 ( 1年 : 2単 位 ) 、 エ ン カ レ ッ ジ 教 育 ( 1年 : 2
単 位 ) ・ ・ コ ア カ リ : A ヒ ュ ー マ ニ ズ ム に つ い て 学 ぶ ( 2) 医 療 の 担 い 手 と し て の 心
構 え 、 B イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン ( 1) 薬 学 へ の 招 待 に 対 応 。
2 ) 総 合 教 育 選 択 科 目 : QOL概 論 ( 1年 : 1単 位 ) 、 人 間 の 尊 厳 ( 1年 : 1単 位 ) ・ ・ コ
ア カ リ : A ヒ ュ ー マ ニ ズ ム に つ い て 学 ぶ ( 1) 生 と 死 に 対 応
3 ) 基 礎 教 育 選 択 科 目 : 倫 理 学 ( 1年 : 2単 位 ) ・ ・ 医 療 人 と し て の 倫 理 観 構 築 の 基
礎を学ぶ
4 ) 専 門 教 育 必 須 科 目 : 薬 学 入 門 ( 1年 : 1単 位 ) 、 医 療 概 論 ( 1年 : 1単 位 ) 、 薬 学
と 生 命 倫 理 Ⅰ ・ Ⅱ ( 2年 ・ 3年 : 各 1単 位 ) コ ア カ リ : A ヒ ュ ー マ ニ ズ ム に つ い て 学 ぶ
( 1) 生 と 死 ・ ( 2) 医 療 の 担 い 手 と し て の 心 構 え 、 ( 3) 信 頼 関 係 の 確 立 を 目 指 し て
に対応。また、この講義では、薬剤師としての倫理観や使命感をより高めるために、
薬害被害者を招いての講演も実施した。
5 ) 専 門 教 育 選 択 科 目 : 早 期 体 験 学 習 ( 1年 : 1単 位 ) ・ ・ コ ア カ リ : B イ ン ト ロ ダ
- 13 -
ク シ ョ ン ( 2) 早 期 体 験 学 習 に 対 応 。
こ れ ら の 科 目 を 通 し 、早 い 時 期 か ら ヒ ュ ー マ ニ ズ ム 醸 成 、医 療 倫 理 醸 成 お よ び 人 間
性 を 養 う と と も に 、高 学 年 の 専 門 教 育 科 目 に お い て も 随 時 こ れ ら の 領 域 に 関 連 付 け た
講義を心掛けている。
[点検・評価]
優れた点
・ヒューマニズム教育・医療倫理教育に関するカリキュラムは、「薬学教育モデル・
コアカリキュラム(コアカリ)」に準拠して体系化されており、将来「薬剤師」にな
るというモチベーションと倫理観を低学年から与えることができるよう位置づけら
れており評価される。
・ 卒 業 要 件 で あ る 所 要 単 位 : 217単 位 の う ち 、 こ の 領 域 ( 上 記 1 ) ∼ 5 ) の ヒ ュ ー マ
ニ ズ ム 教 育 ・ 医 療 倫 理 教 育 ) の 単 位 数 は 、 13単 位 ( 6.0%) で あ り 、 「 観 点 2 -1 -1 4」に照らしても、量的配分に問題ないと言える。
[改善計画]
薬 剤 師 教 育 に お い て 、学 内 で は 患 者 不 在 の た め 医 療 現 場 の 臨 場 感 を も た せ る の は 不
可 能 で あ る が 、学 内 で も で き る 限 り の 更 な る 薬 剤 師 と し て の 倫 理 観 を 維 持 し 高 め る た
め の 教 育 が 必 要 で あ る 。特 に 、実 務 実 習 前 の 実 務 実 習 事 前 学 習 に お い て は 、更 な る 倫
理観を養う教育が必要である。
- 14 -
(2 -2 ) 教 養 教 育 ・ 語 学 教 育
基準2−2−1
見識ある人間としての基礎を築くために,人文科学,社会科学及び自然科学など
を広く学び,物事を多角的にみる能力及び豊かな人間性・知性を養うための教育が
体系的かつ効果的に行われていること。
【観点
【観点
【観点
2 -2 -1 -1 】薬 学 準 備 教 育 ガ イ ド ラ イ ン を 参 考 に す る な ど ,幅 広 い 教 養 教 育 プ
ログラムが提供されていること。
2 -2 -1 -2 】学 生 や 社 会 の ニ ー ズ に 応 じ た 選 択 科 目 が 用 意 さ れ ,時 間 割 編 成 に
おける配慮がなされていること。
2 -2 -1 -3 】薬 学 領 域 の 学 習 と 関 連 付 け て 履 修 で き る カ リ キ ュ ラ ム 編 成 が 行 わ
れていることが望ましい。
[現状]
大 学 全 入 時 代 と な り 、薬 学 部 入 学 者 の 基 礎 学 力 低 下 が 指 摘 さ れ て い る 。薬 学 の 専 門
科 目 を 習 得 す る た め に は 、ま ず 、化 学 、生 物 、物 理 、数 学 等 の 基 礎 学 力 が 必 須 で あ る 。
本 学 の 教 養 教 育 と し て 、 ま ず 、 1年 次 前 期 に 、 化 学 Ⅰ ( 基 礎 教 育 必 須 科 目 : 2単 位 ) ・
化 学 Ⅱ ( 基 礎 教 育 選 択 科 目 : 2単 位 ) ・ 化 学 演 習 Ⅰ ( 基 礎 教 育 自 由 科 目 : 2単 位 ) 、 生
物 Ⅰ( 基 礎 教 育 必 須 科 目:2単 位 )・生 物 Ⅱ( 基 礎 教 育 選 択 科 目:2単 位 )、物 理 Ⅰ( 基
礎 教 育 必 須 科 目 : 2単 位 ) ・ 物 理 Ⅱ ( 基 礎 教 育 選 択 科 目 : 2単 位 ) 、 薬 学 数 学 ( 専 門 教
育 必 須 科 目 : 1単 位 ) を 開 講 し 、 こ れ ら の 基 礎 科 目 の 学 力 向 上 に 意 欲 的 に 取 り 組 ん で
い る 。そ の 取 り 組 み は 下 記 の 通 り で あ る( 2 -2 -1 -① 学 生 便 覧 、2 -2 -1 -② 平 成
21年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス ) 。
1)リメディアル委員会の設置:基礎学力構築のための方策を立て実行する。
2 ) 入 学 者 の 化 学 ・ 生 物 ・ 物 理 の 基 礎 学 力 診 断 : 入 学 時 ( 4月 ) と 1年 前 期 終 了 時 ( 9
月 ) に 実 施 し 、 両 者 の 比 較 に よ り 基 礎 学 力 の 習 熟 度 を 判 定 す る 。 ま た 、 4月 の 試 験 結
果は学力別クラス編成の資料とする。
3 ) 1年 次 前 期 の 化 学 Ⅰ ・ 生 物 Ⅰ ・ 物 理 Ⅰ お よ び 薬 学 数 学 の 小 人 数 ク ラ ス 編 成 : 2ク ラ
ス制
4 ) 1年 次 前 期 の 基 礎 教 育 選 択 ・ 自 由 科 目 ( 化 学 Ⅱ ・ 化 学 演 習 Ⅰ 、 物 理 Ⅱ ・ 生 物 Ⅱ )
の学力別クラス編成:学生の学力レベルに応じた適切な講義の実施。
5)時間外補講の実施:正規の授業だけでは理解が十分でない学生を対象に実施。
6 )集 中 講 義 の 実 施 : 前 期 終 了 時 に 化 学 の 基 礎 計 算 能 力 が 不 足 し て い る 学 生 を 対 象 に
前期試験終了後に実施。
7 )入 学 前 教 育 : 合 格 内 定 者 を 対 象 と し た 大 学 受 験 予 備 校 の 通 信 教 材 に よ る 入 学 前 教
育
8 ) 後 期 に 化 学 演 習 Ⅱ ( 基 礎 自 由 科 目 : 2単 位 ) と 薬 学 数 学 演 習 ( 専 門 自 由 科 目 : 1単
位)を開講:前期で十分な学力を習得できなかった学生を対象に実施。
こ れ ら の 取 り 組 み に お い て は 、担 当 教 員 が 、「 教 育 と は 、 教 員 が 単 に 知 識 を 学 生 に
- 15 -
伝 え るだ けで は なく 、教 育 を通 じて 学 生の 行動(知 識・技 能・態 度)に価 値 ある 変 化
を も た ら す こ と ( 薬 剤 師 の た め の ワ ー ク シ ョ ッ プ ) 」 と し て 捉 え 、講 義 の 方 法 お よ び
評 価 法 等 を 相 違 工 夫 し 、学 生 の モ チ ベ ー シ ョ ン や 能 力 を 最 大 限 に 引 き 出 し 、専 門 教 育
科目の理解へとつながるように努めている。
ま た 、一 般 教 養 的 授 業 科 目 で は 、基 礎 教 育 選 択 科 目 と し て 、心 理 学( 1 年:2 単 位 )、
哲学(2 年:2 単位)、人間関係論(2 年:2 単位)、総合教育選択科目として、日
向 国 地 域 論( 1 年:2 単 位 )を 開 講 し 、幅 広 い 教 養 を 身 に つ け さ せ て い る 。ま た 、国
際 的 な 視 野 を 持 っ た 活 動 が で き る よ う 国 際 保 健 福 祉 論( 総 合 教 育 選 択 科 目:2 単 位 )、
国際人道援助論(総合教育選択科目:2 単位)を開講している。
さらに、医療人として情報社会に対応するための情報教育必須科目として、メデ
ィアリテラシー(1 年:2 単位)、情報処理入門(1 年:2 単位)、情報教育選択科
目 と し て 、情 報 処 理 演 習( 2 年:2 単 位 )、専 門 教 育 選 択 科 目 と し て 、医 療 情 報 学( 3
年:1 単位)、医療情報学演習(4 年:1 単位)を開講している。
[点検・評価]
優れた点
・化学、生物、物理、数学等の基礎科目においては、薬学教育モデル・コアカリキュ
ラ ム の SBOに 準 拠 し た 体 系 化 が な さ れ る と と も に 、 専 門 教 育 へ の 連 携 と 創 意 工 夫 が な
されており評価できる。
・ 基 礎 学 力 向 上 へ の 種 々 の 取 り 組 み は 一 定 の 成 果 が 得 ら れ て お り 、限 ら れ た 時 間 数 の
下で、教養を養うために熟慮した科目編成がとられている。
・ 卒 業 要 件 で あ る 所 要 単 位 : 217単 位 の う ち 、 こ の 領 域 ( 教 養 科 目 ) の 単 位 数 は 、 36
単 位 ( 16.6%) で あ り 、「 観 点 2 -1 -1 -4 」 に 照 ら し て も 、 量 的 配 分 に 問 題 な い と 言
える。
[改善計画]
化 学 、生 物 、物 理 、数 学 等 の 基 礎 学 力 向 上 へ の 種 々 の 取 り 組 み は 一 定 の 成 果 が 得 ら
れ て い る が 、全 学 生 が 薬 学 の 専 門 科 目 を 理 解 し て ゆ く た め の 基 礎 学 力 を 身 に つ け る 状
況 に は 至 っ て い な い 。入 学 し て く る 学 生 が 、高 校 時 代 に こ れ ら の 基 礎 科 目 の 一 部 ま た
は 全 部 を 履 修 し て き て な い 状 況 を 鑑 み て 、更 な る 創 意 工 夫 と 根 気 強 い 教 育 が 必 要 で あ
る。次年度は、講義に実験的要素を盛り込んだものを検討している。
- 16 -
基準2−2−2
社会のグローバル化に対応するための国際的感覚を養うことを目的とした語学教
育が体系的かつ効果的に行われていること。
【観点
【観点
【観点
2 -2 -2 -1 】 英 語 教 育 に は ,「 読 む 」,「 書 く 」,「 聞 く 」,「 話 す 」 の 全 て の 要 素
を取り入れるよう努めていること。
2 -2 -2 -2 】医 療 現 場 ,研 究 室 ,学 術 集 会 な ど で 必 要 と さ れ る 英 語 力 を 身 に つ
けるための教育が行われるよう努めていること。
2 -2 -2 -3 】英 語 力 を 身 に つ け る た め の 教 育 が 全 学 年 に わ た っ て 行 わ れ て い る
ことが望ましい。
[現状]
「 社 会 の グ ロ ー バ ル 化 に 対 応 す る た め の 国 際 的 感 覚 を 有 す る 薬 剤 師 」の 養 成 の た め 、
語学教育への取組みを教育課程の1セッションとして編成している。
基礎教育必須科目としてネィティブスピーカーが担当する英語Ⅰ(1 年前期:2
単 位 )、英 語 Ⅱ( 1 年 後 期:2 単 位 )を 開 講 し て い る 。専 門 分 野 の 英 文 読 解 能 力 向 上
の た め に 、基 礎 教 育 必 須 科 目 と し て 、外 書 購 読 Ⅰ ∼ Ⅲ( 1 年 ∼ 3 年:各 2 単 位 )、理
科系作文法Ⅰ(1 年前期:2 単位)、専門教育選択科目として、薬学英語Ⅰ(2 年:
1 単 位 ) 、薬 学 英 語 Ⅱ( 4 年 : 1 単 位 )を 開 講 し て い る 。 ま た 、 実 験 結 果 や 研 究 結 果
を論文にまとめることができるようになるための基礎として、1 年前・後期に理科
系 作 文 法 Ⅱ( 必 須:各 2 単 位 )に よ り 、理 科 系 文 章 の 構 成 と 基 礎 的 作 成 法 を 学 ぶ( 2
-2 -2 -① 学 生 便 覧 、 2 -2 -2 -② 平 成 21 年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス ) 。
[点検・評価]
優れた点
・論 文 の 書 き 方 お よ び 英 語 の 基 礎 か ら 専 門 文 献 講 読 ま で 幅 広 く 学 習 す る こ と が で き る
科目編成である。
・「 英 語 Ⅰ・Ⅱ 」で は 、英 語 を 母 国 語 と す る 専 任 教 員 の 担 当 に よ り 、実 践 的 な 英 語 を
習 得 する こと が でき る。「外 書講読 Ⅰ ∼Ⅲ 」、「薬 学英語 Ⅰ・Ⅱ」で は、医 薬の 研 究
や 医 療 の 現 場 で 用 い ら れ て い る 英 語 を 専 門 的 な 内 容 と と も に 学 ぶ こ と が で き 、最 新 か
つ適確な医薬情報を医師等に提供するための能力が養える。
・ 卒 業 要 件 で あ る 所 要 単 位 : 217単 位 の う ち 、 こ の 領 域 ( 外 国 語 科 目 ) の 単 位 数 は 、
16単 位 ( 7.4%) で あ り 、 「 観 点 2 -1 -1 -4 」 に 照 ら し て も 、 量 的 配 分 に 問 題 な い と
言える。
[改善計画]
カ リ キ ュ ラ ム を 作 成 す る 際 に 、外 国 人 研 究 者 の 講 演 会 を 頻 繁 に 開 く な ど 常 に 国 際 的
な雰囲気も味わせる機会をつくるように、学部をあげて対応していく。
- 17 -
(2 -3 ) 医 療 安 全 教 育
基準2−3−1
薬 害 ・ 医 療 過 誤・ 医 療 事 故 防 止 に 関 す る 教 育 が 医 薬 品 の 安 全 使 用 の 観 点 か ら 行 わ
れていること。
【観点
【観点
2 -3 -1 -1 】薬 害 ,医 療 過 誤 ,医 療 事 故 の 概 要 ,背 景 及 び そ の 後 の 対 応 に 関 す
る教育が行われていること。
2 -3 -1 -2 】教 育 の 方 法 と し て ,被 害 者 や そ の 家 族 ,弁 護 士 ,医 療 に お け る 安
全 管 理 者 を 講 師 と す る な ど ,学 生 が 肌 で 感 じ る 機 会 提 供 に 努 め る
と と も に ,学 生 の 科 学 的 か つ 客 観 的 な 視 点 を 養 う た め の 教 育 に 努
めていること。
[現状]
薬害・医療過誤・医療事故を防止するには、薬剤師が医療人として患者の立場を
十分に理解し、患者中心の医療を実施する担い手であるという意識の基に、過去の
過ちの検証から同様の過ちを繰り返さない学習が必要である。このような考え方を
根 本 と し 、 こ れ に 沿 っ た 講 義 や 演 習 ・ 実 習 が カ リ キ ュ ラ ム に 組 ま れ て い る ( 2 -3 1 -① 平 成 21 年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス ) 。 医 療 倫 理 教 育 全 般 に つ い て は 、「 倫 理 学 ( 1
年 次 )」な ど ヒ ュ ー マ ニ ズ ム に つ い て の 科 目 で 学 習 し 、詳 細 は 基 準 2 − 1 − 1 参 照 の
とおりである。薬害・医療過誤・医療事故については、基礎科目の「キャリア教育
( 1 年 次 )」、専 門 教 育 科 目 の「 薬 学 入 門( 1 年 次 )」、「 医 療 概 論( 1 年 次 )」、「 薬 学 と
生 命 倫 理 Ⅰ( 2 年 次 )」、
「 薬 学 と 生 命 倫 理 Ⅱ( 2 年 次 )」お よ び 5 年 次 の 選 択 に よ り 臨
床 薬 学 コ ー ス の「 セ ー フ テ ィ ー マ ネ ー ジ メ ン ト 演 習 」、予 防 薬 学 コ ー ス の「 食 品 医 薬
品 相 互 作 用 論 」、両 コ ー ス 共 通 の「 乱 用 薬 物・毒 物 学 」と い っ た 多 く の 科 目 に お い て 、
それらの具体例の概要を紹介し、なぜそのような不幸な出来事が発生したのか、と
い う 状 況 や 背 景 を 分 析 し 、そ れ ら に 対 す る 対 応 策 を 説 明 し て い る 。
「 薬 学 入 門 」に お
いては、薬害肝炎被害者を講師とした授業も行い、薬害を直接受けた被害者からの
生 の 声 を 聞 く こ と に よ り 、学 生 が 肌 で 感 じ る 機 会 を 与 え て い る 。
「実務実習事前学習
( 4 年 次 )」で は 、現 役 の 病 院 薬 剤 師 を 講 師 と し て 、実 際 の 医 療 現 場 で の 医 療 事 故 や
ヒヤリハット例とそれらの対応策の紹介とそれらの防止策についての講義をもうけ
て い る 。 ま た 、「 医 事 法 学 演 習 ( 4 年 次 )」 で も 、 薬 事 法 に 関 わ る 医 療 問 題 と い う 視
点から薬害訴訟をとりあげ、演習を行っている。
[点検・評価]
優れた点
・医薬品の安全使用の意識付けは、なるだけ早期から学習を始めることが重要であ
る 。 上 記 の と お り 、 1 年 次 か ら 「 倫 理 学 」、「 薬 学 入 門 」、「 医 療 概 論 」 に お い て 、 医
薬品の安全使用の意識と行為について学ぶことは重要である。また、その後の 2 年
- 18 -
次以降にも、科目は用意されており、数多くの機会をつくり、教育効果を高める配
慮がされている。
・薬害被害者や医療現場からの薬剤師を講師とした講義をもうけており、学生が実
際に直接の関係者からの生の声を聞くことにより、大きな学習効果が期待できる。
・上記の科目は、5 年次の科目を除けば、すべてが必修科目に指定されており、学
生は薬害・医療過誤・医療事故の防止について、必ず自覚し対応できるようになら
なければならない仕組みになっている。
・以上のように、医薬品の安全使用の意識の構築と行為(防止から対応まで)を数
多くの科目を通して学習することにより、しっかりと身につけられるような教育プ
ログラムが組まれていると考えられる。
改善を要する点
・全 学 年 を 通 じ て 総 合 的 に み た 場 合 、比 較 的 、1∼ 2 年 次 と い っ た 低 学 年 に 科 目 が 偏
っている傾向がある。また、薬害被害者を招いての講義が、薬剤師を十分に理解し
把握していない時期の 1 年次後期であり、時期的な問題を検討することも必要であ
る。
[改善計画]
全 学 年 を 通 し て 、薬 害 ・ 医 療 過 誤 ・ 医 療 事 故 を 防 止 す る と い う 意 識 と 行 為 を 維 持 し
高 め る よ う 、 適 切 な 科 目 配 分 を 検 討 す る 。 特 に 3年 次 以 降 の 学 年 に も 、 こ れ ら の 科 目
の い く つ か を 配 分 す る こ と に よ り 、全 学 年 に わ た る 教 育 が 可 能 に な る 。ま た 、高 学 年
に お い て も 、薬 害 や 医 療 事 故 の 被 害 者 や そ の 家 族 を 招 い て の 講 演 会 や 講 義 な ど を 入 れ
る。
- 19 -
(2 -4 ) 生 涯 学 習 の 意 欲 醸 成
基準2−4−1
医療人としての社会的責任を果たす上での生涯学習の重要性を認識させる教育
が行われていること。
【観点
2 -4 -1 -1 】医 療 現 場 で 活 躍 す る 薬 剤 師 な ど に よ り 医 療 の 進 歩 や 卒 後 研 修 の 体
験談などに関する教育が行われていること。
[現状]
薬学生は、薬剤師となるべき適切な教育を受け、卒業し免許を取得すればいいと
いうわけではない。薬剤師となってからも、医療人として患者の立場を十分に理解
し、患者中心の医療を実施する担い手であるという意識を維持し、法律遵守、新た
な医薬品や医療について正しい知識や使用法を生涯にわたって学習する必要がある。
従 っ て 、そ の よ う な 卒 業 後 の 生 涯 学 習 を 視 野 に 入 れ た 教 育 も 行 わ な け れ ば な ら な い 。
こ の よ う な 目 的 に 沿 っ た 講 義 や 演 習 ・ 実 習 が カ リ キ ュ ラ ム に 組 ま れ て い る ( 2 -4 1 -① 平 成 21 年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス )。 基 礎 科 目 の 「 キ ャ リ ア 教 育 ( 1 年 次 )」、 専 門
教 育 科 目 の「 薬 学 入 門( 1 年 次 )」、
「 早 期 体 験 学 習( 1 年 次 )」、
「 実 務 自 習 事 前 学 習( 4
年 次 )」と い っ た 科 目 に お い て 、生 涯 学 習 の 重 要 性 を 認 識 さ せ る 授 業 が 行 わ れ て い る 。
「早期体験学習」では、学生は実地に薬剤師の活動を見ながら、現場の薬剤師から
直 接 、薬 剤 師 と し て の 自 覚 や 技 能 を 維 持 す る 具 体 的 な 方 策 に つ い て 学 ぶ 。ま た 、
「実
務実習事前学習」においても同様に、薬剤師を講師として招き、生涯学習の意義に
ついて学ぶことができる。
[点検・評価]
優れた点
・医療において薬剤師としての責務を果たすことは、薬剤師の社会的責任である。
これを行うためには、卒業後も生涯にわたり学習することが必要であり、その意識
は大学での教育から始めなければならない。カリキュラムには上記のような科目が
設定されており、生涯学習の重要性を学生に認識させる教育プログラムが組まれて
いる。
・「 早 期 体 験 学 習 」以 外 の「 キ ャ リ ア 教 育 」、
「 薬 学 入 門 」、
「 実 務 自 習 事 前 学 習 」は 必
修科目に指定されており、学生に生涯学習の重要性について、十分に認識させる仕
組みになっている。
改善を要する点
・全学年を通じて総合的にみた場合、比較的、1 年次といった低学年に科目が偏っ
て い る 傾 向 が あ る 。ま た 、
「 早 期 体 験 学 習 」に つ い て は 人 数 制 限 の た め 、選 択 科 目 で
- 20 -
ある点が懸念される。
[改善計画]
全学年を通して、薬剤師が社会的責任を果たすための生涯学習の重要性を認識さ
せるべく、適切な科目配分を検討する。特に 2 年次以降の学年にも、これらの科目
のいくつかを配分することにより、また別の科目において生涯学習の重要性を認識
させる講義を取り入れることにより、全学年にわたる教育が可能になる。
- 21 -
(2 -5 ) 自 己 表 現 能 力
基準2−5−1
自分の考えや意見を適切に表現するための基本的知識,技能及び態度を修得す
るための教育が行われていること。
【観点
【観点
【観点
2 -5 -1 -1 】聞 き 手 及 び 自 分 が 必 要 と す る 情 報 を 把 握 し ,状 況 を 的 確 に 判 断 で
きる能力を醸成する教育が行われていること。
2 -5 -1 -2 】個 人 及 び 集 団 の 意 見 を 整 理 し て 発 表 で き る 能 力 を 醸 成 す る 教 育 が
行われていること。
2 -5 -1 -3 】 全 学 年 を 通 し て 行 わ れ て い る こ と が 望 ま し い 。
[現状]
自分の意見や考えを適切に表現すること、状況を的確に判断し、聞き手が必要と
する情報を把握すること、集団の意見を整理してまとめることなどは、薬剤師が医
療人として患者の立場を十分に理解し、患者中心の医療を実施する上で重要な要素
である。このようなコミュニケーション能力を中心に醸成する講義や演習・実習が
カ リ キ ュ ラ ム に 組 ま れ て い る ( 2 -5 -1 -① 平 成 21 年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス )。基 礎 科
目 の 「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 論 ( 1 年 次 )」、「 総 合 学 習 Ⅰ ( 1 年 次 )」、「 総 合 学 習 Ⅱ ( 2
年 次 )」、「 総 合 学 習 Ⅲ ( 3 年 次 )」、 専 門 教 育 科 目 の 「 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 概 論 ( 1 年
次 )」、「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 演 習 ( 4 年 次 )」 と い っ た 多 く の 科 目 に お い て 、 上 記 の
ような目的を達成するための、基本的知識、技能および態度を修得する。また、2
年次以降のそれぞれの実習や演習で行われるグループディスカッションとプレゼン
テーションでも、これらを醸成することになる。
[点検・評価]
優れた点
・近年、若者のコミュニケーション能力の低下が問題となっている中で、薬剤師に
とって必須のコミュニケーション能力を高める学習は、全学年を通じて行わなけれ
ばならない。上記のように、全学年にわたって数多くの科目においてコミュニケー
ションやプレゼンテーションについて学習し、実際に行うことにより、これらの能
力をしっかりと向上させられるような教育プログラムが組まれていると考えられる。
改善を要する点
・担当する教員の中には、コミュニケーションやプレゼンテーションの能力向上を
指導する能力が低い教員もいる。このような科目は、従来の 4 年制薬学部では積極
的に取り入れられていなかったため、教員が個別に努力し、多くを試みているもの
の、教員自身が適切な指導がわからず苦労している点がある。
- 22 -
[改善計画]
学生のコミュニケーションやプレゼンテーションの能力を適切に向上させられる
ように、指導者である教員に対して、適切な教育のやり方、指導の仕方を身につけ
ら れ る よ う な FD 研 修 会 な ど を 開 催 し 、教 員 の 指 導 力 ア ッ プ を は か る 取 り 組 み を 行 う 。
- 23 -
3
薬学教育カリキュラム
(3−1)薬学教育モデル・コアカリキュラムの達成度
基準3−1−1
教育課程の構成と教育目標が,薬学教育モデル・コアカリキュラムに適合してい
ること。
【観点
3 -1 -1 -1 】各 科 目 の シ ラ バ ス に 一 般 目 標 と 到 達 目 標 が 明 示 さ れ ,そ れ ら が 薬
学 教 育 モ デ ル・コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 教 育 目 標 に 適 合 し て い る こ と 。
[現状]
本 学 で は 、毎 年 各 教 員 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 い 、自 ら の 講 義 が 薬 学 教 育 モ デ
ル コ ア カ リ キ ュ ラ ム の ど の SBOに 対 応 し て い る か 明 示 さ せ て い る 。 そ の 結 果 を ふ ま え
て 、シ ラ バ ス に お い て は 、一 般 目 標 と 到 達 目 標 と を 明 示 し て い る 。ま た 、対 応 す る SBO、
授 業 計 画 、評 価 基 準 、オ フ ィ ス ア ワ ー 、 各 講 義 で の 到 達 目 標 、 資 料 等 に つ い て も 明 示
している。
シ ラ バ ス 作 製 に 当 た っ て は 、教 務 委 員 会 及 び 自 己 点 検 自 己 評 価 委 員 会 が「 薬 学 教 育
シ ラ バ ス フ ォ ー マ ッ ト 」お よ び「 シ ラ バ ス 作 成 上 の 注 意 」を 作 製 し 、表 記 や 記 載 方 法
の統一を図ると共に、コアカリキュラムとの整合性、不備な点をチェックしている。
作製したシラバスについて次ページに一例を示す。
薬 学 部 シ ラ バ ス は 、製 本 の 上 、学 年 開 始 時 に 学 生 に 配 布 し て い る 。ま た 、 全 学 年 を
通 し た 科 目 間 の 関 連 を 示 す 図 を 作 製 し 、学 年 開 始 時 の ガ イ ダ ン ス に お い て シ ラ バ ス の
内 容 と 共 に 学 生 に 配 布 し 、明 示 し て い る( 2 -2 -1 -① 学 生 便 覧 、2 -2 -1 -② 平 成
21年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス ) 。
[点検・評価]
シ ラ バ ス の 形 式 を 統 一 し 、目 標 を 明 示 す る こ と は 、教 員 に 関 し て も コ ア カ リ キ ュ ラ
ム の 内 容 を 熟 知 し た 上 で 講 義 を 行 う こ と に な り 有 効 で あ る と 考 え ら れ る 。し か し な が
ら 、薬 学 科 所 属 の 専 任 教 員 に 関 し て は 、コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 存 在 お よ び 内 容 は 熟 知 し
て い る が 、他 学 科 教 員 、非 常 勤 教 員 に 関 し て は 知 ら れ て い な い 場 合 が 多 い 点 に 問 題 が
あ る 。ま た 、学 生 に 関 し て も コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 内 容 を 知 ら し め る こ と が 必 要 で あ る 。
科 目 間 の 連 携 に つ い て は 、学 生 に 資 料 と し て 配 付 し て い る 点 が 有 効 で あ る が 、シ ラ
バスとともに製本した方が望ましい。
[改善計画]
他学科教員に対する薬学教育コアカリキュラムの説明会を行いコアカリキュラム
の 内 容 を 熟 知 し て も ら い 、協 力 し て も ら う 。ま た 、薬 学 教 育 シ ラ バ ス の 概 要 に つ い て 、
- 24 -
- 25 -
コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 説 明 と 共 に シ ラ バ ス 作 成 上 の 注 意 文 書 を 配 布 し 、シ ラ バ ス 作 製 に
協力してもらう。
コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 内 容 に つ い て 、学 年 開 始 時 の ガ イ ダ ン ス の 機 会 に 学 生 に 説 明 す
る 時 間 を 設 け る 。ま た 、各 講 義 の 最 初 に 、講 義 の 概 括 と コ ア カ リ キ ュ ラ ム に お け る 位
置づけの説明を行う。
科 目 間 の 連 携 図 に つ い て も 、21年 度 に お い て は 、薬 学 部 シ ラ バ ス を 製 本 し た 際 に 中
に記載している。
- 26 -
基準3−1−2
各到達目標の学習領域に適した学習方略を用いた教育が行われていること。
【観点
【観点
【観点
3 -1 -2 -1 】 講 義 , 演 習 , 実 習 が 有 機 的 に 連 動 し て い る こ と 。
3 -1 -2 -2 】医 療 現 場 と 密 接 に 関 連 付 け る た め ,具 体 的 な 症 例 ,医 療 現 場 で の
具体例,製剤上の工夫などを組み込むよう努めていること。
3 -1 -2 -3 】患 者 ・ 薬 剤 師 ・ 他 の 医 療 関 係 者 ・ 薬 事 関 係 者 と の 交 流 体 制 が 整 備
され,教育へ直接的に関与していることが望ましい。
[現状]
本 学 の カ リ キ ュ ラ ム で は 、高 校 ま で の 化 学・生 物 学・物 理 学・数 学 の 総 復 習 を 行 う
リ メ デ ィ ア ル 教 育 、ま た 薬 剤 師 と し て の モ チ ベ ー シ ョ ン を 高 め る た め の「 エ ン カ レ ッ
ジ 教 育 」「 キ ャ リ ア 教 育 」「 薬 学 入 門 」 な ど を 1年 次 に 導 入 教 育 と し て 配 置 し て い る 。 1
年次後期から始まる専門教育では、段階的に到達目標を明示した学習を行っている。
下 記 に 2010年 度 現 在 の カ リ キ ュ ラ ム 中 の 化 学 系 講 義 を 例 に 取 り 、実 習 と 講 義 と の 連
携 に つ い て 示 す ( 3 -1 -2 -① 平 成 21年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス ) 。
学 生 は 、1 年 次 後 期 の「 無 機 化 学 Ⅰ 」
「 有 機 化 学 Ⅰ 」の 内 容 を 受 け て 、2年 次 前 期「 無
機 化 学 Ⅱ 」「 有 機 化 学 Ⅱ 」 で さ ら に 深 い 内 容 を 勉 強 し 、 2年 次 後 期 の 「 薬 化 学 実 習 」 で
実 験 を 通 し て 有 機 化 学 の 内 容 を 実 際 的 に 学 ぶ 。 さ ら に 、 実 験 を ふ ま え て 、「 有 機 化 学
Ⅲ 」、3年 次 以 降 の「 有 機 化 学 Ⅳ 」、ま た 応 用 的 な「 生 物 有 機 化 学 」
「反応有機化学」
「医
薬品化学」を学ぶことになる。
「生薬学」
「 分 析 化 学 」な ど 他 の 科 目 に つ い て も 同 様 に 講 義 の 過 程 で 実 習 を 配 置 し 、
実 験 と 座 学 と が 有 機 的 に 相 互 作 用 す る よ う に 考 慮 し て い る 。ま た 、こ の よ う な 配 置 は 、
他の生物系、薬理薬剤系の講義についても同様である。
1年後期
2年前期
無機化学Ⅰ
無機化学Ⅱ
有機化学Ⅰ
有機化学Ⅱ
薬用植物学
生薬学
2年後期
3年前期
3年後期
4年前期
有機化学Ⅲ
有機化学Ⅳ
薬化学実習
生物有機化学
反応有機化学
医薬品化学
和漢薬学
東洋医薬学
天然医薬品化学Ⅰ
天然医薬品化学Ⅰ
生薬学実習
分析化学Ⅰ
分析化学Ⅱ
分析化学Ⅲ
機器分析化学
応用機器分析化学
分析化学実習
物理化学Ⅰ
物理化学Ⅱ
放射化学・薬品学
薬剤学Ⅰ∼Ⅲ
薬物動態学Ⅰ∼Ⅱ
講 義 の 内 容 に 関 し て は 、 1年 次 後 期 の 専 門 科 目 か ら 医 療 現 場 と の 関 連 を 意 識 し た 講
義 を 行 っ て い る 。 例 え ば 、 紫 外 可 視 吸 光 光 度 法 (「 分 析 化 学 Ⅰ 」) で は 、 錠 剤 の 溶 出 試
- 27 -
験を例に取る計算を行ったり、
「 総 合 学 習 Ⅰ 」で は SGDの 題 材 と し て と し て 医 薬 品 添 付
文 書 の 内 容 調 査 研 究 を 行 う こ と な ど を 行 っ て い る 。ま た 、薬 理 ・ 薬 剤 系 の 講 義 に 関 し
て も 実 際 の 症 例 を 本 に し た 講 義 を 行 っ て い る 。「 生 理 ・ 薬 理 学 Ⅰ ∼ Ⅵ 」 に お い て は 、
薬 理 学 の み な ら ず 症 例 を 元 に し た 病 態 生 理 学 を 講 義 し て い る 。「 薬 物 治 療 学 Ⅰ ∼ Ⅵ 」
においては、薬物の投与方法、投与設計等まで詳細な講義を行っている。
さ ら に、実習 に おい ても「実 務 実習 事 前学 習Ⅰ 、Ⅱ 」にお い て、薬剤 の 配合 禁忌 に
つ い て 実 際 の 薬 剤 を 用 い て 体 験 さ せ 、医 療 現 場 と の 関 わ り を 意 識 し た 講 義 を 行 っ て い
る。
ま た 、 1年 次 前 期 の 「 キ ャ リ ア 教 育 」 に お い て は 、 医 師 、 薬 局 薬 剤 師 、 製 薬 企 業 関
係 者 等 に 特 別 講 義 を 依 頼 し て お り 、「 薬 学 入 門 」に お い て は 、C型 肝 炎 な ど の 薬 害 患 者
の方に特別講義をお願いしている。
さ ら に 、本 学 教 員 の ほ と ん ど は 薬 剤 師 免 許 を 保 持 し て お り 、多 く は 病 院 薬 剤 部 あ る
い は 調 剤 薬 局 に 所 属 し た 実 務 経 験 が あ る ( 現 在 、 教 授 3名 、 准 教 授 2名 、 講 師 4名 、 助
手 ・ 助 教 6名 )。 ま た 、 医 師 資 格 を 持 つ 教 員 が 1名 い る 。 こ れ ら の 教 員 は 、 実 習 ・ 講 義
等 を 介 し て 自 ら の 薬 剤 師 と し て の 経 験 を 学 生 に 教 授 す る と 共 に 、オ フ ィ ス ア ワ ー 等 で
学 生 と 交 流 を 行 っ て い る 。 特 に 、 1年 次 前 後 期 の リ メ デ ィ ア ル 科 目 に は こ れ ら の 臨 床
系 教 員 が 多 く 参 加 し て お り 、学 生 の 早 期 体 験 と し て モ チ ベ ー シ ョ ン を 高 め る こ と も 行
っている。
[点検・評価]
講 義 と 実 習 の 有 機 的 な 関 連 に つ い て は 、問 題 が な い と 思 わ れ る 。ま た 、教 員 型 の 教
員 の 講 義 を 積 極 的 に 聴 講 し あ う シ ス テ ム を 設 け て お り 、こ れ も 連 携 を 行 う 上 で 有 効 で
あ る 。し か し な が ら 、講 義 間 の 連 携 を 総 合 的 に 調 整 す る シ ス テ ム が な い こ と は 問 題 で
ある。
講 義・ 実 習 と 実 際 の 医 療 現 場 と の 連 携 に 関 し て は 、個 々 の 講 義 内 で の 連 携 は あ る も
のの、講義によっては未だに充分でない場合もある。
本学教員は臨床系薬剤師が多く、学生が薬剤師の職能について学ぶ機会は多いが、
他の医療系職種と接する機会は未だ充分ではない。
[改善計画]
講 義 間 の 連 携 、医 療 現 場 の 内 容 と の 連 携 に 関 し て は 、各 講 義 の 関 連 担 当 教 員 で 、講
義 内 容 に 関 す る 会 議 、講 義 内 容 資 料 の 交 換 等 を 行 う こ と に よ っ て 、他 の 教 員 の 講 義 内
で ど の よ う な ト ピ ッ ク ス を 講 義 し て い る か に つ い て の 詳 し い 情 報 を 得 て 、そ れ を 自 ら
の 講 義 に 活 用 す る 必 要 が あ る 。そ の た め の 組 織 作 り 、ア ン ケ ー ト 調 査 等 を 行 う 必 要 が
ある。
現 在 、医 師 の 資 格 を 持 つ 教 員 に「 医 学 概 論 」等 の 講 義 や 特 別 講 義 を 行 っ て も ら っ て
- 28 -
い る が 、こ れ を 更 に 増 加 さ せ る 。ま た 、医 療 機 関 に 就 職 し た 卒 業 生 の 講 演 会 を 行 っ て
もらうことなどを計画している。
- 29 -
基準3−1−3
各ユニットの実施時期が適切に設定されていること。
【観点
3 -1 -3 -1 】当 該 科 目 と 他 科 目 と の 関 連 性 に 配 慮 し た 編 成 を 行 い ,効 果 的 な 学
習ができるよう努めていること。
[現状]
次 ペ ー ジ に 本 学 カ リ キ ュ ラ ム の 全 体 配 置 図 を 示 す 。化 学 系 か ら 医 療 系 ま で の 科 目 は 、
同 じ 系 の 科 目 、ま た 他 の 系 の 科 目 と 密 接 に か つ 有 機 的 に 関 連 し て い る 。こ の カ リ キ ュ
ラ ム で は 、下 記 の 点 に 留 意 し て 科 目 を 各 学 年 に 配 置 し て い る( 3 -1 -3 -① 学 生 便 覧 、
3 -1 -3 -② 平 成 21年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス ) 。
1 ) 倫 理 観 、 使 命 感 構 築 に 関 わ る 科 目 を 1年 次 ∼ 4年 次 の 全 学 年 に 配 置 し て い る 。
2)英語教育を全学年に配置している。
3 ) SGDに よ る デ ィ ス カ ッ シ ョ ン を 行 う 科 目 を 1∼ 3年 次 の 各 学 年 に 配 置 し て い る 。
4 ) 各 科 目 は 、 例 え ば 、「 有 機 化 学 Ⅰ 」 ∼ 「 有 機 化 学 Ⅳ 」、「 生 理 ・ 薬 理 学 Ⅰ 」 ∼ 「 生
理 ・ 薬 理 学 Ⅴ 」、「 薬 物 治 療 学 Ⅰ 」 ∼ 「 薬 物 治 療 学 Ⅵ 」 の よ う に 、 順 序 立 て て 基 礎 か ら
先 端 教 育 ま で を 行 う よ う に 配 置 し て い る 。従 っ て 、学 生 は 科 目 の 位 置 づ け を 容 易 に 理
解することが出来る。
5 ) 系 が 異 な る が 内 容 が 関 連 す る 科 目 ( 例 え ば 、「 物 理 化 学 」 と 「 薬 剤 学 」) に 関 し て
は、順序を考慮して配置している。
本カリキュラムの概念図は、入学時、学年開始時に学生に配布している。
[点検・評価]
カリキュラムの配置時期を総合的に考えて有機的に連携できるように配置してい
る 点 は 有 効 で あ る と 評 価 で き る 。ガ イ ダ ン ス 時 に 行 っ て は い る も の の 、こ の よ う な 講
義 群 内 で の 関 係 、配 置 時 期 や 内 容 に つ い て 学 生 に 周 知 さ せ る 点 で は 、各 講 義 群 の 担 当
教員からも行う必要がある。
[改善計画]
カ リ キ ュ ラ ム の 組 み 立 て に 関 し て は 、入 学 学 生 の レ ベ ル 、進 度 等 を 考 慮 し て 1∼ 2年
起 き に 見 直 し を 図 る 必 要 が あ る 。講 義 間 の 連 携 、内 容 に 関 し て 各 々 の 系 の 責 任 者 か ら
具体的な説明を講義の最初に行う必要がある。
- 30 -
化学・物理系専門教育
1年後期
2年前期
無機化学Ⅰ
無機化学Ⅱ
有機化学Ⅰ
有機化学Ⅱ
2年後期
3年前期
3年後期
4年前期
有機化学Ⅲ
有機化学Ⅳ
薬化学実習
生物有機化学
反応有機化学
医薬品化学
天然医薬品化学Ⅰ
天然医薬品化学Ⅰ
薬用植物学
生薬学
和漢薬学
東洋医薬学
分析化学Ⅰ
分析化学Ⅱ
分析化学Ⅲ
機器分析化学
4年後期
生薬学実習
応用機器分析化学
分析化学実習
物理化学Ⅰ
物理化学Ⅱ
放射化学・薬品学
薬剤系専門教育
薬剤学Ⅰ
薬剤学Ⅲ
薬剤学Ⅱ
基礎薬物動態学
薬剤学実習
薬物動態学Ⅰ
薬物動態学Ⅱ
製剤学
調剤学
薬物治療学Ⅰ
薬物治療学Ⅲ
薬物治療学Ⅴ
薬物治療学Ⅱ
薬物治療学Ⅳ
薬物治療学Ⅵ
薬局方概論
一般用医薬品学
一般用医薬品学演習
(5年次)
(6年次)
治験コーディネーター論
生化学系専門教育
基礎生化学
生化学Ⅰ
生化学Ⅱ
臨床検査学
生化学Ⅲ
細胞生物学
ウイルス学
生化学実習Ⅰ
細菌学
免疫学
遺伝子工学
腫瘍薬品学
生化学実習Ⅱ
薬理系・医療系・衛生系専門教育
機能形態学Ⅰ
機能形態学Ⅲ
機能形態学Ⅱ
生理・薬理学Ⅰ
生理・薬理学Ⅲ
生理・薬理学Ⅱ
生理・薬理学Ⅳ
生理・薬理学Ⅴ
応用薬理学
生理・薬理学Ⅵ
薬理学実習Ⅰ
薬理学実習Ⅱ
病理学
環境科学
臨床医学概論
衛生化学Ⅰ
衛生化学Ⅱ
公衆衛生学
薬物代謝学
衛生化学実習
- 31 -
食品栄養学
栄養管理学
基準3−1−4
薬剤師として必要な技能,態度を修得するための実習教育が行われていること。
【観点
【観点
3 -1 -4 -1 】科 学 的 思 考 の 醸 成 に 役 立 つ 技 能 及 び 態 度 を 修 得 す る た め ,実 験 実
習が十分に行われていること。
3 -1 -4 -2 】実 験 実 習 が ,卒 業 実 習 や 実 務 実 習 の 準 備 と し て 適 切 な 内 容 で あ る
こと。
[現状]
基 準 3 − 1 − 3 の カ リ キ ュ ラ ム 関 連 図 に 示 す よ う に 、実 験 実 習 は 2年 次 後 期 か ら 4年
次まで行われている。
2年 次 後 期 ∼ 3年 次 後 期 の 実 習 に お い て は 、薬 化 学 な ど の 基 礎 薬 学 分 野 を 主 に 、コ ア
カ リ キ ュ ラ ム に 準 拠 し た 技 能 態 度 の 習 得 を 目 指 し て い る 。各 実 習 の 内 容 は シ ラ バ ス に
記載されている。また、実習開始時に、全体説明会を開催し、実験実習の意義、安全
注意、環境問題に対する配慮を説明している。
4 年 次 の 実 務 実 習 事 前 学 習 は 、そ の 名 の と お り 、実 務 実 習 の 準 備 と し て 適 切 な 実 習
であり、実務実習において必要とされる技能、態度について十分に学習している。
年次
2 年次後期
3 年次前期
3 年次後期
4 年次前期
4 年次後期
実習
薬化学実習
生薬学実習
薬剤学実習
実務実習事前
実務実習事前
分析学実習
生化学実習
薬理学実習
学習Ⅰ(ベッ
学習Ⅱ(ベッ
基礎生化学実習
基礎薬理学実
衛生薬学実習
ドサイド、病
ドサイド、病
院薬局、
院薬局、
保険薬局)
保険薬局)
習
[点検・評価]
・ 実 験 実 習 の 時 期 及 び 内 容 が 4年 次 の 実 務 実 習 事 前 学 習 お よ び 5 年 次 の 実 務 実 習 に 対
する準備となっている点は評価できる。
・内容的に、コアカリキュラムに準拠している点は評価できる。
・ 高 校 に お け る 実 験 学 習 が 少 な く な っ て き て い る 点 を 考 え る と 、2 年 次 後 期 か ら の 開
始時期が相応しいかどうか、今後検討する必要がある。
[改善計画]
・ 原 行 の 実 験 実 習 は 、講 義 で 学 習 し た 後 実 験 を 行 う こ と に な っ て い る が 、よ り 早 期 に
講義と平衡した状態で初歩の化学実験実習を行えないか、検討する。
- 32 -
基準3−1−5
学生の学習意欲が高まるような早期体験学習が行われていること。
【観点
【観点
3 -1 -5 -1 】 薬 剤 師 が 活 躍 す る 現 場 な ど を 広 く 見 学 さ せ て い る こ と 。
3 -1 -5 -2 】学 生 に よ る 発 表 会 ,総 合 討 論 な ど ,学 習 効 果 を 高 め る 工 夫 が な さ
れていること。
[現状]
1年前期の「キャリア教育」の中で、保険薬局、病院などに勤務している卒業生
が、薬剤師の役割について、くすりの卸の方が薬の流通、患者接遇などについて講
義を行っている。
医薬品を取り巻く環境についての知識を提供した上で、薬学出身者が働く現場の
見学により、社会における薬学の位置づけ、薬学に対する理解を深め、医療人とし
ての道徳と倫理観を学ばせる。本科目では、電話対応などの社会人マナーについて
学び、1 年の夏休み期間に 1 日間、病院、薬品工場、薬の卸を体験し、学生間で意
見交換を行う。最後に、見学、意見交換などで学んだことについての報告書を提出
する。
[点検・評価]
・見学後の意見交換会は、他の見学施設の情報を得ることで、将来の職場選択の参
考になるようにしている。
・学生が、社会人マナーおよび電話の対応の講義・演習で、マナーについての意識
を持つようにする。
・卸 の MS に 同 行 す る こ と に よ っ て 、病 院 薬 局 、保 険 薬 局 を 違 っ た 視 点 で 観 察 す る こ
とができる。
・学 生 は 、宮 崎 大 学 病 院( 当 大 学 か ら の 依 頼 )、大 分 大 学 病 院 と 鹿 児 島 大 学 病 院( 各
施 設 か ら の 見 学 の 案 内 を 利 用 )、旭 化 成 薬 品 工 場 、翔 薬( 薬 の 卸 )か ら 一 施 設 の み を
見学させている。
・担当教員が数名のため、夏休み期間内に学生全員を多くの医療現場に引率できな
い。
・1 年の前期のうちに目的も理解できずに履修届を提出し、夏休み期間中に行うた
め、他県からの学生は、科目を選択していない。
[改善計画]
・1 年 で の 履 修 登 録 で 大 学 生 活 に 慣 れ て い な い こ と も 考 慮 し 、2 年 次 で も 履 修 登 録 が
できるようにする。
・見学施設を増やすために、施設見学における引率を各講座 1 名が対応する。
- 33 -
(3−2)大学独自の薬学専門教育の内容
基準3−2−1
大学独自の薬学専門教育の内容が,理念と目標に基づいてカリキュラムに適確に
含まれていること。
【観点
【観点
【観点
3 -2 -1 -1 】大 学 独 自 の 薬 学 専 門 教 育 と し て ,薬 学 教 育 モ デ ル ・コ ア カ リ キ ュ
ラ ム 及 び 実 務 実 習 モ デ ル・コ ア カ リ キ ュ ラ ム 以 外 の 内 容 が カ リ キ
ュラムに含まれていること。
3 -2 -1 -2 】大 学 独 自 の 薬 学 専 門 教 育 内 容 が ,科 目 あ る い は 科 目 の 一 部 と し て
構成されており,シラバス等に示されていること。
3 -2 -1 -3 】学 生 の ニ ー ズ に 応 じ て ,大 学 独 自 の 薬 学 専 門 教 育 の 時 間 割 編 成 が
選択可能な構成になっているなど配慮されていることが望まし
い。
[現状]
1∼ 4年 次 の 科 目 は 、基 本 的 に 薬 学 教 育 モ デ ル・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム 及 び 実 務 実 習 モ デ
ル・コアカリキュラムに準拠しているが、さらに、本学独自の専門教育内容として、
4年 次 後 期 の 「 腫 瘍 治 療 学 」 は 、 遺 伝 子 工 学 等 に 詳 し い 基 礎 科 学 領 域 教 員 、 病 院 薬 剤
部 出 身 教 員 、医 師 の 三 者 の オ ム ニ バ ス 講 義 と し て 癌 治 療 の 最 先 端 領 域 の 知 識 を 種 々 の
方 面 か ら ま と め て 講 義 す る も の で あ り 、現 在 の 医 療 現 場 で 重 視 さ れ て い る 癌 専 門 薬 剤
師 養 成 を 見 据 え た も の で あ る 。ま た 、「 一 般 用 医 薬 品 学 」「 栄 養 管 理 学 」「 食 品 栄 養 学 」
等 は 本 学 独 自 の 専 門 科 目 で あ り 、実 務 実 習 で 必 要 と さ れ る 一 般 用 医 薬 品 、輸 液 な ど に
ついての詳しい知識を事前に得ることが出来る。
さ ら に 、 本 学 で は 、 5年 次 よ り 「 臨 床 薬 学 コ ー ス 」 と 「 予 防 薬 学 コ ー ス 」 の 2コ ー ス
制を取っており、学生はそれぞれコースを選択してアドバンスト教育を受ける。
「 臨 床 薬 学 コ ー ス 」 で は 、「 セ ー フ テ ィ マ ネ ー ジ メ ン ト 演 習 」「 先 端 医 療 学 」「 病 院
薬 学 演 習 」を コ ー ス 必 修 選 択 科 目 と す る 。こ れ ら の 講 義 お よ び 演 習 に よ っ て 、主 と し
て 病 院 薬 剤 師 に と っ て 必 要 と さ れ る ア ド バ ン ス ト 知 識 を 修 得 す る も の で あ る 。「 予 防
薬 学 コ ー ス 」 は 、「 薬 局 経 営 管 理 学 」「 一 般 用 医 薬 品 学 演 習 」「 食 品 医 薬 品 相 互 作 用 論 」
を コ ー ス 必 修 選 択 科 目 と す る 。こ れ ら の 講 義 お よ び 演 習 に よ っ て 、主 と し て 薬 局 薬 剤
師 に と っ て 必 要 と さ れ る ア ド バ ン ス ト 知 識 を 修 得 す る も の で あ る 。ま た 、両 コ ー ス 共
に 、 学 生 は 、「 乱 用 薬 物 ・ 毒 性 学 」「 漢 方 治 療 学 演 習 」 の う ち 1科 目 以 上 を 修 得 す る 必
要 が あ る 。こ れ ら の 本 学 独 自 の 専 門 教 育 内 容 は 科 目 化 さ れ て お り 、当 然 の こ と と し て
シラバス等にも記載されている。
[点検・評価]
こ れ ら の ア ド バ ン ス ト 科 目 は 2010年 度 か ら 開 始 さ れ る た め 、現 在 の 状 態 で は ま だ 始
まっておらず、問題点を指摘することは困難である。
[改善計画]
2010年 度 の 実 施 結 果 を 観 察 し て 、 問 題 点 が あ れ ば 改 善 す る 予 定 で あ る 。
- 34 -
(3−3)薬学教育の実施に向けた準備
基準3−3−1
学生の学力を,薬学教育を効果的に履修できるレベルまで向上させるための教育
プログラムが適切に準備されていること。
【観点
【観点
3 -3 -1 -1 】個 々 の 学 生 の 入 学 ま で の 履 修 状 況 等 を 考 慮 し た 教 育 プ ロ グ ラ ム が
適切に準備されていること。
3 -3 -1 -2 】観 点 3 -3 -1 -1 に お け る 授 業 科 目 の 開 講 時 期 と 対 応 す る 専 門 科
目の開講時期が連動していること。
[現状]
少 子 化 、大 学 全 入 化 に 伴 い 、 入 学 ま で に 生 物 学 、 化 学 、物 理 学 を 履 修 し て き て い る
も の は 様 々 で あ る 。ま た 、た と え 履 修 し て き て い た と し て も 、理 解 度 に は 大 き な 差 異
が 存 在 す る 。 多 様 な 学 生 の 理 解 度 に 対 応 す る た め に 、 本 学 で は 1年 前 期 に リ メ デ ィ ア
ル科目を多数設けており、能力別クラス編成を一部導入している。
入 学 直 後 に 学 生 の 学 力 を 測 定 す る た め に 数 学 及 び 化 学 の 試 験(「 統 一 試 験 」)を 行 う 。
「 化 学 Ⅰ 」「 生 物 学 Ⅰ 」「 物 理 学 Ⅰ 」 は 必 修 講 義 で あ り 、 全 学 生 が 受 講 す る が 、 2ク
ラ ス 制 と し て 少 人 数 講 義 を 行 う 。こ れ ら の 講 義 で は 、高 校 レ ベ ル の 各 々 の 科 目 内 容 全
て を 広 く 概 観 す る 。「 化 学 Ⅱ 」「 生 物 学 Ⅱ 」「 物 理 学 Ⅱ 」 は 選 択 講 義 で あ り 、 試 験 の 結
果 、学 力 が 充 分 で な い 者 お よ び 高 校 の 時 に 未 履 修 の 学 生( 全 体 の 約 1/3∼ 1/2)が 受 講
す る 。こ れ ら の 講 義 に よ っ て 、よ り き め 細 か い 学 力 に 合 わ せ た 講 義 を 行 う こ と が 出 来
る 。 さ ら に 、 薬 学 で は 化 学 の 比 重 が 大 き い こ と を 考 え て 、「 化 学 演 習 Ⅰ 、 Ⅱ 」 を 設 け
て い る 。こ れ は 少 人 数 の 補 講 講 義 で あ り 、理 解 度 が 低 い 学 生 に 対 し て マ ン ツ ー マ ン に
近い形で、問題演習等を通して、専門科目を勉強するための基礎学力を養成する。
ま た 、学 生 の 計 算 力 低 下 は 薬 剤 師 養 成 の 上 で 最 も 注 意 す べ き 事 柄 で あ る 。本 学 で は
「 薬 学 数 学 」を 設 け て 、薬 剤 師 と し て の 実 務 に 応 じ た 計 算 能 力 に 重 視 し た 教 育 を 行 い 、
あわせて化学計算能力の補強を行っている。
こ れ ら の 科 目 は 、1年 前 期 に 設 け て お り 、学 生 に 勉 強 す る 習 慣 を 付 け さ せ る と 共 に 、
1年 後 期 か ら 始 ま る 専 門 教 育 科 目 で の 勉 強 の た め の 基 礎 学 力 を 養 成 す る 。さ ら に 、1年
前 期 末 で の 成 績 を 考 慮 し て 、 理 解 度 が 充 分 で な い 学 生 に 対 し て は 、 1年 後 期 に 「 薬 学
数 学 演 習 」「 化 学 演 習 Ⅱ 」 の 補 講 講 義 を 設 け て い る 。
ま た 、 1年 前 期 の 「 エ ン カ レ ッ ジ 教 育 」、「 キ ャ リ ア 教 育 」 に よ っ て 、 薬 剤 師 と し て
の モ チ ベ ー シ ョ ン を 養 成 し 、 1年 前 後 期 の 「 理 科 系 作 文 法 Ⅰ 、 Ⅱ 」 を 通 じ て 、 学 生 の
読解力、記述力養成を図っている。
[点検・評価]
2009年 度 に カ リ キ ュ ラ ム 改 訂 を 行 い 、 こ れ ら の リ メ デ ィ ア ル 科 目 を 実 施 し た 。 1年
- 35 -
間 の 結 果 、あ る 程 度 の 結 果 が 得 ら れ た と 感 じ て い る 。少 人 数 補 講 に よ り 、学 生 の 質 問
も活発となり、理解度が充分でない学生の比率も減少した。
し か し な が ら 、少 子 化 に 伴 う 定 員 充 足 率 の 減 少 に よ り 、従 前 で は 想 定 し て い な か っ
た レ ベ ル の 学 力 低 下 が 見 ら れ る 。ま た 、高 校 の ゆ と り 教 育 の 結 果 、実 験 学 習 時 間 が 減
少しているため、実験に伴う化学知識の習得が困難な学生も多い。
[改善計画]
リ メ デ ィ ア ル 科 目 の 中 で 、講 義 、演 習 形 式 の み な ら ず 、簡 単 な 化 学 実 験 を デ モ ン ス
トレーションする、あるいは学生に実施させるなどの方策が必要と考えている。
ま た 、リ メ デ ィ ア ル は 、大 学 入 学 前 に も 行 う べ き で あ り 、入 学 前 に 化 学 等 の 履 修 状
況を把握して、勉強を勧めさせる方策も必要である。
1年前期
1年後期
化学Ⅰ(少人数、2部授業)
無機化学Ⅰ
2年前期
有機化学Ⅰ
分析化学Ⅰ
化学Ⅱ
化学演習Ⅰ
物理学Ⅰ(少人数、2部授業)
化学演習Ⅱ
物理化学Ⅰ
分析化学Ⅰ
物理学Ⅱ
生物学Ⅰ(少人数、2部授業)
機能形態学Ⅰ
機能形態学Ⅱ
基礎生化学
生物学Ⅱ
薬学数学
分析化学Ⅰ
無機化学Ⅰ
薬学数学演習
理科系作文法Ⅰ
理科系作文法Ⅱ
- 36 -
有機化学Ⅰ
分析化学Ⅱ
4
実務実習
(4−1)実務実習事前学習
基準4−1−1
教育目標が実務実習モデル・コアカリキュラムに適合し,実務実習事前学習が適
切に行われていること。
[現状]
本学習の目的は、卒業後、医療、健康保険事業に参画できるようになるために、
病院実務実習・薬局実務実習に先立って、大学内で調剤および製剤、服薬指導など
の 薬 剤 師 業 務 に 必 要 な 基 本 的 知 識 、技 能 、態 度 を 修 得 す る 、と い う 実 務 実 習 モ デ ル ・
コ ア カ リ キ ュ ラ ム の 一 般 目 標 に 則 り 、そ の 達 成 の た め に 掲 げ ら れ た 77 項 目 の 到 達 目
標 に 対 応 し た 下 記 の 1 ) ∼ 6 ) に つ い て 学 ん で い る ( 4 -1 -1 -① 実 務 実 習 事 前 学
習 の コ ア カ リ へ の 対 応 )。
1)病院薬局における調剤、医薬品の適正な使用に関する基本的知識、技能態度を
修得する。
2)コミュニティーファーマシー(地域薬局)の社会的役割と責任を理解し、地域
医療に参画できるようになるために、保険調剤、医薬品管理、情報提供、医療保険
制度、薬局製剤についての基本的な知識、技能、態度を修得する。
3)薬物投与法と注射薬調剤に関する基本的知識、技能、態度を修得する。
4)病院薬剤師業務及びリスクマネジメントに関連する基本的知識、技能、態度を
修得する。
5)コミュニティーファーマシー(地域薬局)の社会的役割と責任を理解し、地域
医療に参画できるようになるために、保険調剤、服薬指導、疑義照会、一般用医薬
品 ( OTC) に つ い て の 基 本 的 な 知 識 、 技 能 、 態 度 を 修 得 す る 。
6 )患 者 の 病 態 を 把 握 し 、安 全 か つ 有 効 な 薬 物 投 与 法 に つ い て の 基 本 的 知 識 、技 能 、
態度を修得する。
[点検・評価]
優れた点
・到達目標の全項目を学習した。
・TDM、持 参 薬 調 査 、バ イ タ ル サ イ ン の 確 認 、救 命 救 急 、皮 下・筋 肉 内 注 射 、採 血 、
尿分析、一般用医薬品、簡易懸濁法など実務実習モデル・コアカリキュラムに記載
のない独自の項目についても学習した。
[改善計画]
今後、本学習の成果に関する検証を行い、学習効果の不十分な部分の学習方法を
修正し、より効果的な実務実習事前学習の確立を目指す。
- 37 -
基準4−1−2
学習方法,時間,場所等が実務実習モデル・コアカリキュラムに基づいて設定さ
れていること。
[現状]
学習方法は実習を主体とし、その中に講義・演習を交える設定となっている。
時 間 は 学 生 一 人 当 た り 90 分 ×126 コ マ を 設 定 し 、実 務 実 習 モ デ ル・コ ア カ リ キ ュ
ラ ム の 設 定 時 間 90 分 ×122 コ マ を 僅 か な が ら 上 回 っ た 時 間 設 定 と な っ て い る 。
場所は全て実習室となっているが、講義、演習、スモールグループディスカッシ
ョンも実習室の中で行われている。
[点検・評価]
優れた点
・総時間数が実務実習モデル・コアカリキュラムの設定を僅かに上回っている。
改善を要する点
・個々の到達目標に対する割振り時間は、臨床能力の高い薬剤師養成を目指す本学
独自の観点から、必ずしも実務実習モデル・コアカリキュラムに合致していない。
・場所も上記観点から全て実習室となっており、実務実習モデル・コアカリキュラ
ムに合致はしていない。
[改善計画]
今後、本学習の成果に関する検証を行い、必要に応じ個々の到達目標に対する時
間配分を見直し、より効果的な実務実習事前学習の確立を目指す。
- 38 -
基準4−1−3
実務実習事前学習に関わる指導者が,適切な構成と十分な数であること。
[現状]
本学習に関わる指導者は、実務家教員10名(教授3名、准教授・講師5名、助
教 1 名 、 助 手 1 名 )、 そ の 他 の 臨 床 現 場 で の 勤 務 経 験 を 有 す る 医 療 系 教 員 7 名 ( 教
授1名、准教授1名、講師1名、助教・助手4名)である。
[点検・評価]
優れた点
・本学習は、6年制薬学部の実務家教員比率の標準である六分の一(17%)を上
回った20%(10名)の実務家教員を含む、全教員に対する教員比率35%(1
8名)の臨床現場での勤務経験を有する医療系教員によって行われている。
改善を要する点
・実務家教員が赴任して時間が経過することにより、現場から乖離することが問題
である。
[改善計画]
・実務家教員が赴任して時間が経過することにより、現場から乖離するため、定期
的に大学付属病院等に派遣して、知識を最新の物とできるようなシステムの構築を
目指す。
- 39 -
基準4−1−4
実施時期が適切に設定されていること。
【観点
【観点
4 -1 -4 -1 】実 務 実 習 に お け る 学 習 効 果 が 高 め ら れ る 時 期 に 設 定 さ れ て い る こ
と。
4 -1 -4 -2 】実 務 実 習 の 開 始 と 実 務 実 習 事 前 学 習 の 終 了 が 離 れ る 場 合 に は ,実
務実習の直前に実務実習事前学習の到達度が確認されているこ
とが望ましい。
[現状]
4 年 次 前 期 に 90 分 ×45 コ マ 、 4 年 次 後 期 に 90 分 ×81 コ マ が 設 定 さ れ て い る 。
4年次後期の終了時期は12月初旬である。これまでにアドバンスト科目以外の多
くの講義は終了している。
[点検・評価]
優れた点
・4年次の薬物治療学等の講義と並行して、事前学習を行っており、学生の実務実
習内容把握には適した実施時期である。
改善を要する点
・事前学習終了後も、実習施設を学生が自由に勉学できるように開放してはいる
が、実務実習事前学習の終了後から実務実習開始まで、5 か月間と長い点が問題で
ある。
[改善計画]
・実務実習開始直前の5年次5月に、事前学習到達度確認のための補習学習を計画
している。
- 40 -
(4−2)薬学共用試験
基準4−2−1
実 務 実 習 を 履 修 す る 全 て の 学 生 が 薬 学 共 用 試 験( CBTお よ び OSCE)を 通 じ て 実 務 実
習を行うために必要な一定水準の能力に達していることが確認されていること。
[現状]
実 務 実 習 に み あ う CBT の 一 定 水 準 確 保 :
本学薬学部では、薬学生として学外で適切な指導の下にその実務を学習できるよ
うになるために、以下のように学内で「患者を中心とした医療」をサポートするた
めに必要かつ十分な基礎的知識と問題解決能力を培っている。
1)入学時に、薬学部独自にガイダンスを開き、薬学教育の全体像を俯瞰できるよ
うに説明を行っている。
2 ) 優 れ た 臨 床 薬 剤 師 に な る た め の 薬 学 教 育 の 全 体 像 を 俯 瞰 す る た め 、入 学 直 後 に
一泊で研修会を行っている。
3)1 年前期に薬学の基礎となる「化学」「物理学」「生物学」について、高校時
の学力が不十分と判断された学生、あるいは高校時に履修していない学生にリメデ
イアル教育を行っている。
4)本学の充実したチューター制度を活用して適切な個別学習指導を行っている。
5)本学薬学部のカリキュラムは、薬学教育モデル・コアカリキュラムにしたがっ
て 組 ま れ て い る た め 、 す べ て の 講 義 は コ ア カ リ キ ュ ラ ム の SBOs に 対 応 し て い る 。
し た が っ て 、学 生 は 実 務 実 習 に 向 け て 必 要 な 一 定 水 準 の 基 礎 的 知 識 と 問 題 解 決 能 力
を培うことができる。
6 ) 4 年 次 に 「 ま と め 」 と し て 、「 基 礎 薬 学 総 合 演 習 」( 8 単 位 ) を 設 け て 、 薬 学 教
育モデル・コアカリキュラムに沿った系統的講義を行っている。
実 務 実 習 に み あ う OSCE の 一 定 水 準 確 保 :
4 年次に学生は 2 または 3 クラスに分かれ、実務実習事前学習ⅠとⅡで模擬保険
薬 局( 臨 床 薬 学 第 1 講 座 担 当;ス タ ッ フ 5 名 )、模 擬 病 院 薬 局( 臨 床 製 剤 学 講 座 担 当;
ス タ ッ フ 5 名 )、ベ ッ ド サ イ ド 実 習 室( 臨 床 薬 学 第 2 講 座 担 当;ス タ ッ フ 5 名 )の 三
実習室を、ローテーションで回り、それぞれの実習を行う。
OSCE に 関 す る 薬 剤 師 の 基 本 技 能 は 、三 つ の 実 習 で 身 に つ け る こ と が で き る よ う に
プログラムを作成している。実習模擬保険薬局実習では、計数調剤及び模擬患者を
用いて外来患者の対応の技能・態度を修得する。模擬病院薬局実習では、計量調剤
(散剤・液剤・軟膏剤)及び薬剤鑑査の技能・態度を修得する。ベッドサイド実習
室では、輸液などの無菌製剤の調製、模擬患者への服薬指導及び模擬医師への疑義
照 会 の 技 能・態 度 を 修 得 す る 。OSCE に 関 す る 内 容 の 実 習 に 加 え て 、次 の よ う な 薬 剤
師の業務を体験させ、学生のモチベーションを向上させるようにも努めている。
- 41 -
模擬保険薬局実習では保険薬局薬剤業務を体験する。実習内容は、①散剤・液剤
の配合変化,②調剤報酬とレセプトコンピュータ、③保険薬局調剤、④薬局製剤、
⑤処方鑑査・疑義照会、⑥処方解析、⑦薬剤情報文書作成、⑧服薬指導、⑨薬歴管
理 、 ⑩ 薬 剤 の 用 法 指 導 、 ⑪ 一 般 用 医 薬 品 ( OTC 薬 ) の 選 択 で あ る 。 保 険 薬 局 の 基 本
的な薬剤業務を体験することで、病気に罹らない(または悪化しない)ように予防
す る 観 点 か ら 、薬 や 患 者 の 問 題 点 を 抽 出 す る 能 力 の 必 要 性 を 理 解 す る こ と が で き る 。
模 擬 病 院 薬 局 実 習 で は 、処 方 せ ん 鑑 査 で 、電 算 化 シ ス テ ム の 患 者 の 情 報( 既 往 歴 、
処方歴、検査歴、注射処方歴)を基に、様々な観点(医薬品添付文書情報、医薬品
の特性、処方意図、調剤上の注意)から問題点を抽出する能力(問題認識能力)を
身につける。実薬を用いた模擬調剤で、処方せんの疑義照会を医師(教員)に対し
て行うという設定で、ロールプレイ形式で学生個々に対応している。記載不備など
が含まれる処方せんや調剤で生じるミスからセーフティマネジメントについて学ぶ。
処方せん鑑査に重点をおいた実習で、セーフティマネジメントの観点から薬を使用
す る 患 者 を 想 像 し 、様 々 な 問 題 点 を 抽 出 す る 能 力 の 必 要 性 を 理 解 す る こ と が で き る 。
ベ ッ ド サ イ ド 実 習 室 で は 、医 師 か ら 期 待 さ れ る 臨 床 能 力 を 有 す る 薬 剤 師 の 養 成 の た
め に 、薬 学 的 技 術 を 導 入 し た 投 与 設 計 に お い て 高 い 薬 物 効 果 を 引 き 出 し 患 者 の 苦 し み
を軽減する方法を考える実習を行っている。
実 習 内 容 は 、① 投 与 ル ー ト や 投 薬 方 法 に つ い て 、② TDM 解 析( PEDA を 用 い た 薬 物 投
- 42 -
与 設 計 )、 注 射 手 技 、 採 血 、 尿 分 析 な ど に つ い て 。 ③ 経 管 栄 養 剤 の 調 製 ・ 流 動 性 の 評
価 、④ 褥 瘡 ケ ア に 関 す る 実 習 、⑤ イ ン ス リ ン 製 剤 の 使 用 法 、自 己 採 血 お よ び 血 糖 値 測
定 ( 見 学 の み )、 肺 活 量 計 の 使 用 法 、 非 侵 襲 的 機 器 ( レ ー ザ ー 血 流 画 像 化 装 置 ・ 末 梢
血 管 観 察 装 置 な ど )の 使 用 目 的 と 測 定 法 、お よ び 遺 伝 子 診 断 、⑥ フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ
ン ト 人 形 、ACLS ト レ ー ナ ー お よ び 高 性 能 生 体 ミ ュ レ ー タ を 用 い て の バ イ タ ル サ イ ン の
確 認 、一 次・二 次 救 急 蘇 生 法 お よ び そ の 時 の 薬 物 治 療 法 の 実 際 で あ る 。実 習 で 、患 者
の存在しない学内において高性能シミュレータを患者と想定することができる。
学 生 が 実 務 実 習 を 行 う に あ た っ て の 必 要 な 能 力 は 、 OSCE の 試 験 課 題 、 評 価 表 に 類 似
し た も の を 準 備 し て 学 生 個 々 に つ い て 修 得 度 を 確 認 し て い る 。実 習 中 に 薬 剤 調 製 な ど
を 繰 り 返 し 練 習 で き る 場 所 な ど を 準 備 し て い る 。実 習 で 身 に つ け た 技 能 を 再 確 認 で き
る よ う に 実 習 の 復 習 期 間 を 設 け 、ま た 一 定 水 準 の 技 能 に 達 し て い な い 学 生 に つ い て は
個 別 指 導 を 行 っ て い る 。最 終 的 に 、事 前 実 習 に お い て 実 務 実 習 を 行 う た め に 必 要 な 一
定 水 準 の 技 能 に 達 す る よ う に 指 導 さ れ た 学 生 が 、 OSCE で 評 価 さ れ る 。
こ の 実 務 実 習 事 前 学 習 は 、 文 部 科 学 省 「 医 療 人 G P 」 に 採 択 ( 2006∼ 2008 年 )
された内容をもとにしている。
[点検・評価]
実 務 実 習 に み あ う CBT の 一 定 水 準 確 保 :
優れている点
・極めの細かいリメデイアル教育を行っている。
・チューター制度を活用した学習指導を行っている。
・薬学教育モデル・コアカリキュラムに沿った系統的講義を行っている。
・ 文 部 科 学 省 「 医 療 人 G P 」 に 採 択 ( 2006∼ 2008 年 ) さ れ た 先 端 的 な 臨 床 実
習を行っている。
・ 以 上 の 結 果 、 本 年 度 4 年 生 の CBT で は 、 す べ て の 学 生 が 本 試 験 で 合 格 し た 。
実 務 実 習 に み あ う OSCE の 一 定 水 準 確 保 :
優れている点
・学生に技能の修得度に応じて個別指導を行っている。
・実習時間内に学生個々が練習できる時間、場所を準備している。
・OSCE の 課 題 中 心 で は 、制 限 時 間 内 に 作 業 が 終 了 す れ ば い い と い う 意 識 に な り 、 学
生は薬剤師の役割を理解することができていないため、基本的な調剤の流れを理解
できるように模擬調剤などを加えている。
・能動的な薬剤師を目指すために、患者のフィジカルアセスメントを行う技能を身
につけるような実習も行っている。
- 43 -
改善を要する点
・ 学 生 は 、OSCE 合 格 が 到 達 目 標 に な り 、医 療 現 場 に ふ さ わ し い 姿 、セ ー フ テ ィ マ ネ
ジメントを意識した調剤技能の重要性が伝わらない。
・過度の緊張により課題を終了できない学生についての指導法を検討する必要があ
る。
・医療現場で使用されている水剤台などが高額なため、実習では簡易のもので代用
している。
[改善計画]
・全国的な入学生の学力低下に対応するために、リメデイアル教育の更なる充実が
必要である。
・
「 患 者 を 中 心 と し た 医 療 」を サ ポ ー ト す る 薬 剤 師 を 養 成 す る 本 学 の 目 的 か ら 、単 に
薬学教育モデル・コアカリキュラムに沿った講義内容ではなく、臨床現場における
症状、疾患、病態と直結した薬学教育モデル・コアカリキュラム内容の講義を行う
必要がある。
・よ り よ い リ メ デ イ ア ル 教 育 の あ り 方 や 臨 床 現 場 に 即 し た 講 義 の あ り 方 に つ い て は 、
現在学部をあげた取り組みが行われている。
・普段から過度の緊張時でも実力を発揮できるようなトレーニング教育が必要であ
る。
- 44 -
基準4−2−2
薬 学 共 用 試 験 ( CBTお よ び OSCE) を 適 正 に 行 う 体 制 が 整 備 さ れ て い る こ と 。
【観点
【観点
【観点
4 -2 -2 -1 】 薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー の 「 実 施 要 綱 」( 仮 ) に 沿 っ て 行 わ れ て い
ること。
4 -2 -2 -2 】 学 内 の CBT委 員 会 お よ び OSCE委 員 会 が 整 備 さ れ , 機 能 し て い る こ
と。
4 -2 -2 -3 】 CBTお よ び OSCEを 適 切 に 行 え る よ う , 学 内 の 施 設 と 設 備 が 充 実 し
ていること。
[現状]
CBTを 適 正 に 行 う 体 制 の 整 備 :
薬 学 共 用 試 験 実 施 要 綱 に 沿 っ て 以 下 の よ う に CBTを 実 施 し た 。
実 施 ス ケ ジ ュ ー ル:体 験 受 験 は 9月 10、11日 に 、本 試 験 は 12月 21、22日 に 行 っ た 。
体 験 受 験 と 本 試 験 の 前 に は 、 そ れ ぞ れ テ ス ト ラ ン ( 9月 1日 と 12月 15日 ) と 学 生
チ ュ ー ト リ ア ル ( 9月 7日 と 12月 18日 ) を 行 っ た 。
CBT実 施 要 員 :学 内 CBT統 括 者 ( 学 部 長 ) 、 実 施 責 任 者 、 シ ス テ ム 責 任 者 ( 補 助 2
名 ) 、 学 内 CBT委 員 ( 3名 ) が 実 施 準 備 と 運 営 を 行 い 、 19、 20年 度 の CBTト ラ イ ア
ル を 含 め て す べ て の 薬 学 教 員 が 主 任 監 督 者( 講 師 以 上 )と 補 助 監 督 者( 2名 )を 体
験した。
CBT試 験 内 容 と 試 験 時 間 割 と 受 験 者 数:試 験 内 容 と 標 準 的 な 試 験 時 間 割 を 遵 守 し
て 、1日 2室( 各 教 室 で 27あ る い は 28人 が 受 験 )を 使 い 、2日 間 で 111人 が 受 験 し た 。
CBT実 施 の 注 意 事 項 : 監 督 者 の 注 意 ・ 確 認 事 項 、学 生 へ の 諸 注 意 、欠 席 者 や 遅 刻
者 の 扱 い 方 を 学 内 CBTマ ニ ュ ア ル に 含 め 、 監 督 者 に 徹 底 し た 。
CBT実 施 結 果 : CBT実 施 責 任 者 が 薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー と の パ イ プ 役 と な り 、 学
内 CBT統 括 者( 学 部 長 )の も と シ ス テ ム 責 任 者( 補 助 2名 )と 学 内 CBT委 員( 3名 ) が
連 携 を 密 に と り 実 施 準 備 と 運 営 を 行 っ た 。そ の 結 果 、何 の 問 題 も な く CBTを 終 了 で
きた。
OSCE を 適 正 に 行 う 体 制 の 整 備 :
薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー の 「実 施 要 綱 」に 基 づ い て 九 州 保 健 福 祉 大 学 OSCE 運 用 マ ニ
ュ ア ル ( 資 料 ) を 作 成 し 、 OSCE を 実 施 し て い る 。
OSCE 委 員 会 の 構 成 メ ン バ ー は 、 試 験 課 題 の 各 領 域 担 当 者 の 6 名 、 臨 床 系 の 教 員 3
名 、基 礎 系 の 教 員 3 名 で あ る 。委 員 会 の 役 割 は 、毎 年 の OSCE に 向 け て の 直 前 外 部 評
価者講習会などの企画、本試験・再追試験の日程、評価結果などを審議し、決定す
ることである。
OSCE の 実 施 体 制 と し て 図 の よ う な 組 織 を 作 っ て 、 運 営 し て い る 。
- 45 -
OSCE の 試 験 会 場 は 、6 つ の 実 習 室( 100 名 対 応 )、学 生 が 自 習 す る 演 習 室( 16 ブ ー
ス )、3 講 座 の 臨 床 系 実 習 室 を 使 用 す る 。学 生 が 、交 流 し て 情 報 の 漏 え い に な ら な い
ように動線を考慮してステーションを配置している。
[点検・評価]
CBTを 適 正 に 行 う 体 制 の 整 備 :
優れた点
・実 施 責 任 者 が 薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー か ら 得 た 情 報 が 、シ ス テ ム 責 任 者 、学 内 CBT
委 員 に よ り 速 や か に 処 理 さ れ 、薬 学 教 員 全 員 に 徹 底 で き る 円 滑 な 流 れ が 構 築 で き
た 。こ の 結 果 、薬 学 共 用 試 験 実 施 要 項 に 沿 っ て 何 の 支 障 も な く CBT を 終 え る こ と
が で き た た め 、 学 内 CBT 委 員 会 が 十 分 に 整 備 さ れ 、 機 能 し た と 考 え ら れ る 。
改善を要する点
・ 学 生 や 教 員 の 拘 束 時 間 を で き る だ け 短 縮 し 、 集 中 し て CBT を 実 施 す る た め に 、
コンピューターの増設が必要である。
OSCE を 適 正 に 行 う 体 制 の 整 備 :
優れた点
・外部評価者として県病院薬剤師会、県薬剤師会の薬剤師の協力を得て、課題にお
ける適正な運営、評価に努めた。
- 46 -
・ 課 題 に 必 要 な 医 薬 品 、資 材 な ど の 手 配 に 時 間 が か か る こ と が 予 想 さ れ た の で 、大
学 の 会 計 課 、く す り の 卸 、宮 崎 県 庁 薬 務 課 と 事 前 に 購 入 の 流 れ に つ い て 打 ち 合 わ せ
を行った。
・OSCE に 関 す る 情 報 が 漏 え い し な い よ う に 、関 連 資 料 を 管 理 番 号 の つ い た フ ァ イ ル
に 綴 じ て 評 価 者 、運 営 ス タ ッ フ に 渡 し 、終 了 後 全 て 回 収 し た 。そ の 後 、シ ュ レ ッ ダ
ーにて廃棄した。
改善を要する点
・医 療 現 場 で 使 用 さ れ て い る 水 剤 台 及 び 散 剤 台 が 試 験 会 場 に な い た め 、簡 易 の も の
で代用している。
[改善計画]
・ 現 在 CBT を 実 施 し て い る L L 教 室 、 情 報 処 理 室 の コ ン ピ ュ ー タ ー 台 数 を 増 や し 、
すべてのコンピューターのシステムのバージョンを上げる方向で検討している。
・ 必 要 数 の 水 剤 台 、ク リ ー ン ベ ン チ な ど を 購 入 し 、学 生 が 実 務 実 習 先 で 戸 惑 わ な い
ようにする。
- 47 -
基準4−2−3
薬 学 共 用 試 験 ( CBTお よ び OSCE) の 実 施 結 果 が 公 表 さ れ て い る こ と 。
【観点
4 -2 -3 -1 】実 施 時 期 ,実 施 方 法 ,受 験 者 数 ,合 格 者 数 及 び 合 格 基 準 が 公 表 さ
れていること。
【観点
4 -2 -3 -2 】 実 習 施 設 に 対 し て , 観 点 4 -2 -3 -1 の 情 報 が 提 供 さ れ て い る
こと。
[現状]
CBT 本 試 験 の 結 果 に つ い て は 、 合 否 の み を 教 務 課 か ら 文 書 で 学 生 に 個 別 に 配 布 し
た 。OSCE 本 試 験 の 結 果 に 関 し て は 、合 否 及 び 不 合 格 の 場 合 は 不 合 格 の 領 域 番 号 の み
を 教 務 課 か ら 文 書 で 学 生 に 個 別 に 配 布 し た 。 CBT に 関 し て は 、 本 年 度 は 再 試 験 を 行
わ な か っ た が 、OSCE 再 試 験 に 関 し て は 本 試 験 同 様 に 合 否 の み を 教 務 課 か ら 文 書 で 学
生に個別に配布した。
CBT お よ び OSCE の 結 果 及 び 合 格 基 準 に つ い て は 、 平 成 22 年 4 月 に 大 学 ホ ー ム ペ
ージに公表する予定である。
[点検・評価]
個人上保護の観点からは問題がないと思われる。
[改善計画]
・毎年 2 月に行う薬剤師指導者会議にて途中経過を報告する。
平 成 21 年 度 薬 学 共 用 試 験 結 果
実施日程
受験者数
合格者数
合格基準
CBT
本試験:
平 成 21 年 12 月 21,22 日
追再試験なし
111
111
正 答 率 60% 以 上
OSCE
本試験:
平 成 21 年 12 月 5, 6 日
追再試験:
平 成 22 年 2 月 20 日
111
111
細 目 評 価 70% 以 上
概略評価5以上
111
111
共用試験
- 48 -
基準4−2−4
薬 学 共 用 試 験 ( CBTお よ び OSCE) の 実 施 体 制 の 充 実 に 貢 献 し て い る こ と 。
【観点
4 -2 -4 -1 】 CBT問 題 の 作 成 と 充 実 に 努 め て い る こ と 。
【観点
4 -2 -4 -2 】 OSCE 評 価 者 の 育 成 等 に 努 め て い る こ と 。
[現状]
CBT 実 施 体 制 の 充 実 :
本 学 薬 学 部 の カ リ キ ュ ラ ム は 、コ ア カ リ キ ュ ラ ム に し た が っ て 組 ま れ て い る た め 、
す べ て の 講 義 は コ ア カ リ キ ュ ラ ム の SBOs に 対 応 し て い る 。し た が っ て 、学 内 CBT
委 員 会 が 指 定 し た SBOs に 関 す る 問 題 の 作 成 は 、基 本 的 に そ の SBOs を 講 義 し て い
る教員が行う。問題作成に関しては、各教員は関連分野の教員と連携して作問し、
作 問 さ れ た 問 題 は 、 さ ら に 、 学 内 CBT 委 員 会 に よ り 精 査 さ れ 、 訂 正 、 修 正 、 変 更 ,
加 筆 が 行 わ れ る 。 ま た 、 学 内 CBT 委 員 会 か ら 各 教 員 に 指 定 さ れ る 問 題 作 成 数 は 、
実質必要数より多い。
OSCE 実 施 体 制 の 充 実 :
薬 学 共 用 試 験 セ ン タ ー が 提 案 し て い る OSCE 評 価 者 の 条 件 を 下 記 に 示 す 。
必須条件
評価者として参加する大学の直前評価者講習会に参加すること。
※ 直 前 評 価 者 講 習 会 と は:OSCE実 施 日 ま で に 各 大 学 で 開 催 さ れ る 、実 際 に 実 施 す る
課題の講習会のことである。本講習会では評価方法に関する十分な説明、評価表を
用いた評価の模擬練習(シミュレーション)とその後の質疑応答などを行う。
望ましい条件
1 .評 価 者 養 成 伝 達 講 習 会 プ ロ グ ラ ム に 準 拠 し た 評 価 者 養 成 講 習 会 に 参 加 し て い る
こ と 、 も し く は こ れ ま で に 開 催 さ れ た OSCEト ラ イ ア ル に 評 価 者 と し て 参 加 し て い る
こと。
・評価者養成講習会とトライアルの主催大学は何れでも良い。
2 . 認 定 実 務 実 習 指 導 薬 剤 師 で あ る こ と ( OSCE実 施 日 ま で の 申 請 予 定 者 を 含 む ) 。
※ 望 ま し い 条 件 1と 2を 共 に 満 た す こ と が 望 ま し い が 、 ど ち ら か 一 方 の 条 件 を 満 た す
ことで可とする。
注意事項
・評 価 者 は 、大 学 ご と に 養 成 さ れ る も の で あ り 、複 数 大 学 か ら OSCE評 価 者 の 要 請 を
受けた場合は、それぞれの大学の直前評価者説明会に参加する必要がある。
・OSCE評 価 者 の 守 秘 義 務 は 大 学 で 開 催 し た 評 価 者 養 成 講 習 会( 平 成 21年 度 に 入 っ て
から実施されたものは必須)から生じるので、誓約書の取得など各大学で責任を持
って適切な対応を行う必要がある。
- 49 -
認 定 実 務 実 習 指 導 薬 剤 師 の 認 定 要 件 に は 、基 本 的 素 養 を 有 す る 者 で あ る こ と を 確 認
の う え 、実 務 経 験 及 び 勤 務 状 況 等 に つ い て 所 定 の 研 修 応 募 要 件 を 満 た し 、か つ 、認 定
要 件 と し て 、ワ ー ク シ ョ ッ プ 形 式 及 び 講 習 会 形 式 の 研 修 を 受 講 す る こ と が 求 め ら れ て
いる。また、 基本的素養には、①十分な実務経験を有し薬剤師としての本来の業務
を 日 常 的 に 行 っ て い る こ と 、② 薬 剤 師 を 志 す 学 生 に 対 す る 実 習 指 導 に 情 熱 を 持 っ て い
る こ と 、③ 常 日 頃 か ら 職 能 の 向 上 に 努 め て い る こ と 。④ 実 習 の 成 果 に つ い て 適 正 な 評
価ができる者であること、の4項目がある。
OSCE 評 価 者 の 条 件 を 満 た す よ う に OSCE 評 価 者 育 成 の た め に 、 評 価 者 養 成 伝 達 講 習
会 プ ロ グ ラ ム に 準 拠 し た 評 価 者 養 成 講 習 会 を 開 催 し て い る 。さ ら に 、当 大 学 の 教 員 は 、
タスクフォースや運営スタッフとして認定実務実習指導薬剤師の認定要件の1つで
あ る 認 定 実 務 実 習 指 導 薬 剤 師 養 成 ワ ー ク シ ョ ッ プ に 協 力 し 、OSCE 評 価 者 の 一 つ の 条 件
を満たすように努めている。
な お 、認 定 実 務 実 習 指 導 薬 剤 師 養 成 ワ ー ク シ ョ ッ プ は 、認 定 実 務 実 習 指 導 薬 剤 師 の 資
質 の 向 上 お よ び 薬 学 生 の 実 務 実 習 を 行 う 病 院・薬 局 に お け る 適 切 な 指 導 体 制 の 確 保 に
資することを目的とするものである。
[点検・評価]
CBT 実 施 体 制 の 充 実 :
優れた点
・ 教 員 へ の CBT 問 題 作 成 の 割 り 振 り や 作 成 問 題 の 精 査 が 円 滑 に 行 わ れ て い る 。
・ 学 内 CBT 委 員 会 か ら 各 教 員 に 指 定 さ れ る 問 題 作 成 数 が 実 質 必 要 数 よ り 多 い た め 、
幅広いタイプの作問を行う必要があり、作問教員の作問能力の向上に貢献している。
OSCE 実 施 体 制 の 充 実 :
・2009 年 10 月 に 大 分 県 病 院 薬 剤 師 会 の 勉 強 会 に お い て 、OSCE に つ い て の 説 明 を 行 っ
た。
・ 2009 年 12 月 に 当 大 学 の 施 設 を 使 用 し て 、 宮 崎 県 の 薬 剤 師 に 対 し て 認 定 実 務 実 習 指
導薬剤師養成ワークショップを開催した。
[改善計画]
・ 今 後 さ ら に 薬 学 教 育 者 ワ ー ク シ ョ ッ プ を 本 学 及 び 宮 崎 県 に お い て 開 催 し 、OSCE 評
価者の養成に協力する。
・地域において、模擬患者の養成体制を整える。
- 50 -
(4−3)病院・薬局実習
基準4−3−1
実務実習の企画・調整,責任の所在,病院・薬局との緊密な連携等,実務実習を
行うために必要な体制が整備されていること。
【観点
4 -3 -1 -1 】 実 務 実 習 委 員 会 が 組 織 さ れ , 機 能 し て い る こ と 。
【観点
4 -3 -1 -2 】 薬 学 部 の 全 教 員 が 積 極 的 に 参 画 し て い る こ と が 望 ま し い 。
[現状]
実 務 実 習 の 企 画・調 整 は 実 務 実 習 委 員 会 に お い て 行 っ て い る 。そ の 構 成 委 員 は 薬 学
科 長 、 臨 床 薬 学 第 一 講 座 教 授 ( 委 員 長 )、 臨 床 製 剤 学 講 座 教 授 、 臨 床 薬 学 第 二 講 座 教
授 で あ る 。ま た 学 科 に 実 務 実 習 セ ン タ ー が 設 置 さ れ 、実 務 実 習 委 員 会 の 指 示 の 下 で 実
務 実 習 に 関 す る 業 務 が 行 な わ れ て い る 。さ ら に 臨 床 系 講 座 教 員 で 構 成 さ れ る 実 務 実 習
支 援 委 員 会 、薬 学 科 全 教 員 で 構 成 さ れ る 実 務 実 習 担 当 者 会 議 が 組 織 さ れ 、問 題 に 応 じ
実 務 実 習 委 員 会 か ら の 要 請 に よ り 実 務 実 習 の 円 滑 な 実 施 に 携 わ っ て い る 。な お 実 務 実
習に関する責任は薬学部長が負っている。
病 院・薬 局 と の 連 携 に 関 し 、実 務 実 習 関 連 で 何 ら か の 問 題 が 発 生 し た 場 合 は 、大 学
の 実 務 実 習 セ ン タ ー が 窓 口 と な り 、そ の 情 報 が 掌 握 さ れ る 。問 題 事 項 は 実 務 実 習 セ ン
タ ー か ら 実 務 実 習 委 員 会 へ 報 告 さ れ 、実 務 実 習 委 員 会 は 直 接 、あ る い は 実 務 実 習 支 援
委 員 、実 務 実 習 担 当 者 へ の 指 示 を 経 て 、適 宜 実 習 施 設 指 導 者 へ の 対 応 が 行 わ れ て い る 。
問 題 が 大 き い 場 合 は 、実 務 実 習 委 員 会 か ら 学 科 会 議 へ 報 告 さ れ 、大 学 と し て の 対 応 を
協 議 し た 後 、実 務 実 習 委 員 会 、実 務 実 習 セ ン タ ー を 通 じ て 実 習 施 設 指 導 者 へ の 対 応 が
行 わ れ る ( 4 -3 -1 -① 実 務 実 習 に 関 す る 学 科 内 組 織 及 び 実 習 施 設 と の 連 携 )。
学 科 で は 全 教 員 が 実 務 実 習 担 当 と な り 、少 な く と も 月 1 回 、実 習 施 設 の 訪 問 ま た は
電 話 連 絡 に よ り 実 習 指 導 者 と 連 絡 を と り 、具 体 的 な 実 習 の 進 め 方 に 関 す る 協 議 を 行 い 、
円 滑 な 実 習 の 実 施 が 図 ら れ る 。ま た 実 習 学 生 の 到 達 目 標 の 形 成 的 評 価 を 行 い 、実 習 施
設 指 導 者 と 協 力 し 、指 導 が 行 わ れ る 。ま た そ の 過 程 に お い て 、実 習 に 関 す る 問 題 事 項
が 見 出 さ れ た 場 合 は 、実 習 施 設 指 導 者 と 訪 問 指 導 担 当 者 が 協 議・協 力 し 解 決 に あ た る 。
訪 問 指 導 担 当 者 が 個 人 で 対 応 で き な い 場 合 は 、実 務 実 習 委 員 会 へ 報 告 し 、問 題 の 内 容
に応じ、上記と同様適宜対応が行われる。
さ ら に 年 1 回 実 習 開 始 直 前 、本 学 薬 学 部 全 教 員 と 学 生 お よ び 実 習 施 設 指 導 者 の 出 席
に よ る 、実 務 実 習 情 報 交 換 会 が 開 催 さ れ 、学 生 の 事 前 学 習 到 達 度 の 確 認 、個 々 の 学 生
の 実 務 実 習 到 達 目 標 の 確 認 な ど が 行 わ れ る 他 、実 務 実 習 に 関 す る 計 画 か ら 評 価 ま で の
全般的な問題を協議し、その解決とより一層の実務実習の向上が図られている。
- 51 -
[点検・評価]
優れた点
・ 実 務 実 習 委 員 会 が 年 間 を 通 し 定 期 的 に お よ び 必 要 に 応 じ 臨 時 に も 開 催 さ れ 、実 務 実
習の企画・調整、評価、実習施設指導者との連携が行われている。
・実務実習情報交換会が毎年定期的に開催され、実習施設との連携がとられている。
・全 教 員 が 実 務 実 習 担 当 者 と し て そ の 実 施 に 参 加 し て い る( 4 -3 -1 -② 実 務 実 習 訪
。
問指導記録)
[改善計画]
・実務実習センターに専任教員を配置し、機能強化を図る予定である。
- 52 -
基準4−3−4
学生の病院・薬局への配属が適正になされていること。
【観点
【観点
【観点
4 -3 -4 -1 】学 生 の 配 属 決 定 の 方 法 と 基 準 が 事 前 に 提 示 さ れ ,配 属 が 公 正 に 行
われていること。
4 -3 -4 -2 】学 生 の 配 属 決 定 に 際 し ,通 学 経 路 や 交 通 手 段 へ の 配 慮 が な さ れ て
いること。
4 -3 -4 -3 】遠 隔 地 に お け る 実 習 が 行 わ れ る 場 合 は ,大 学 教 員 が 当 該 学 生 の
実習及び生活の指導を十分行うように努めていること。
[現状]
学生の実習施設への配属は、病院、薬局共に九州山口地区実務実習調整機構の
調 整 に よ り 行 わ れ て お り 、公 正 に 行 わ れ て い る( 4 -3 -4 -① 実 務 実 習 受 入 先 ・ 学 生
配 属 リ ス ト )。
学 生 の 配 属 に 際 し て は 、 公 的 交 通 機 関 の 使 用 に よ り 30 分 以 内 で 到 達 で き る 施 設 と
し 、本 学 か ら 調 整 機 構 へ の 調 整 依 頼 を 行 い 、調 整 機 構 に お い て は そ の 趣 旨 に 則 っ た 実
習施設の調整が行われている。
大 学 の 立 地 場 所 か ら 遠 隔 地 で の 実 習 学 生 に 対 し て は 、少 な く と も 月 1 回 以 上 の 教 員
に よ る 訪 問 ま た は メ ー ル 等 に よ る コ ン タ ク ト に よ り 、実 習 状 況 の 把 握 、生 活 指 導 等 を
行っている。
[点検・評価]
優れた点
・助教以上の全教員による全実習施設訪問指導が行われ、成果をあげている。
・実務実習の実施にあたり、保護者に対してさらなる負担は求めていない。
・ 自 宅 か ら 実 務 実 習 施 設 に 通 え な い 場 合 で あ っ て も 、保 護 者 に 対 し て ホ テ ル 代 等 の 負
担を求めていない。
改善を要する点
・ 実 習 施 設 確 保 の 都 合 に よ り 、全 て の 学 生 を 帰 省 先 又 は 大 学 所 在 地 の ア パ ー ト 等 の 居
住 施 設 か ら 通 え る 実 習 施 設 に 配 置 す る こ と が 困 難 で あ り 、一 部 の 学 生 は 大 学 の 確 保 し
たホテル等の宿泊施設に宿泊し実習を行っている。
・ 居 住 施 設 か ら 通 え る 範 囲 内 で の 実 習 施 設 確 保 が 課 題 で あ り 、実 習 施 設 開 拓 を 視 野 に
置いた地域への貢献に努めなければならない。
[改善計画]
・ 助 教 以 上 で 行 っ て い た 実 習 施 設 の 訪 問 指 導 を 、次 年 度 よ り 助 手 以 上 の 全 教 員 参 加 で
- 53 -
行う予定である。
・従来 、宮崎 県、鹿 児島 県、大 分県 の 3県 のみ で 実務 実習 を 行っ てい た が、次年 度 よ
り 沖 縄 県 で の 実 習 も 行 い 、自 宅 か ら 通 え る 施 設 で の 実 習 学 生 数 を 僅 か な り と も 増 や す
予定である。
- 54 -
5
問題解決能力の醸成のための教育
(5−1)自己研鑽・参加型学習
基準5−1−1
全学年を通して,自己研鑽・参加型の学習態度の醸成に配慮した教育が行われて
いること。
【観点
【観点
5 -1 -1 -1 】 学 生 が 能 動 的 に 学 習 に 参 加 す る よ う 学 習 方 法 に 工 夫 が な さ れ て
いること。
5 -1 -1 -2 】1 ク ラ ス あ た り の 人 数 や 演 習・実 習 グ ル ー プ の 人 数 が 適 正 で あ
ること。
[現状]
建学理念のもと、豊かな教養に支えられた専門教育と職能人として主体的に学び
考える能力を身に付けた薬の専門家の養成を目的としていることから、全学年を通
し て 、自 己 研 鑽・参 加 型 の 学 習 態 度 の 醸 成 に 配 慮 し た 教 育 を 行 う こ と が 重 要 で あ る 。
導入教育で自己研鑽・参加型の学習態度を植え付けるために、入学直後に学科の
全教員も参加する 1 泊 2 日の宿泊研修を実施しており、その中で新入生は、これま
での勉強法やこれからの大学での勉強に対する取り組み方をスモールグループディ
ス カ ッ シ ョ ン (SGD)で 考 え さ せ る こ と に し て い る 。
本学科では、低学年において自宅での学習時間を考慮したうえで、講義後に宿題
を課している。この宿題は、講義があった翌日午前 9 時までに、薬学研究等1階ロ
ビーに設置されたポストに投函するよう指定されている。宿題の内容は、各担当教
員 の 裁 量 に 任 さ れ て い る が 、「 今 回 の 授 業 で 貴 方 は 、 ど の よ う な 内 容 を 学 ん だ の か 、
自 ら 調 べ た 内 容 を 含 め て ま と め な さ い 。」と い っ た も の も あ り 自 己 研 鑽 の 学 習 態 度 の
醸成に配慮した教育がなされている。この宿題は、チェックを受けて後日学生に戻
されることになっている。2 年後期から開始される基礎系実習では、レポート作成
でグループ討論できるよう実習後に講義室を解放したり、ロビーにミーティングテ
ーブルや椅子を設置して自己研鑽・参加型の学習態度の醸成に配慮している。個々
の授業においても、一方的な知識の伝達とならないよう、学生が主体的に学習に取
り組む配慮を求めている。また、自己研鑽・参加型の学習態度の醸成のために、各
教員は出来る限り時間を割いて学生の質問に答えるようにしている。
また、薬剤師として将来、疑問に思う処方箋に出会った時、学生時代の知識を基
準 に せ ず 、必 ず 最 新 か つ 権 威 あ る 論 文 等 の 資 料 で 再 確 認 す る 必 要 が あ る 。そ の 結 果 、
やはり処方箋に疑義があるのであれば、その資料を医師に提示、説明できる能力が
重要である。そこで、本学の卒業研究は、薬剤師として主体的に問題点を見出し、
解決する能力を醸成することを学習目標としている。卒業研究指導においては、学
科教務委員会が作成した「薬学科卒業論文指導のしおり」を参考とし、指導に教員
間のばらつきがでないよう整合性がとれる配慮をしている(5‐1‐1‐① 卒業
- 55 -
論 文 指 導 の し お り )。
[点検・評価]
優れた点
・ 導 入 教 育 の 宿 泊 研 修 に お い て 、 SGD を 用 い て 「 こ れ ま で の 勉 強 法 や こ れ か ら の 大
学での勉強に対する取り組み方」などを考えさせている。
・大学において宿題を課すことは珍しいと思われるが、自己勉強法を確立するため
に有効である。
・教員は、研究中であっても可能な限り学生の質問対応を優先するよう要請されて
おり、各授業における教育の質の均一化が図られている。
改善を要する点
・自己研鑽・参加型の学習態度の醸成のためには、教員の指導力向上が求められ、
そ の た め に FD が 必 要 と 考 え ら れ る 。
・FD に つ い て は 、積 極 的 に 取 り 組 ん で い る が 、そ の 内 容 も 含 め て 検 討 し て い く 必 要
がある。
[改善計画]
薬学者ワークショップに、全教員を参加させることによって、教員の教育力の向
上を図る。
- 56 -
基準5−1−2
充 実 し た 自 己 研 鑽・参 加 型 学 習 を 実 施 す る た め の 学 習 計 画 が 整 備 さ れ て い る こ と 。
【観点
【観点
【観点
5 -1 -2 -1 】自 己 研 鑽 ・参 加 型 学 習 が ,全 学 年 で 実 効 を 持 っ て 行 わ れ る よ う 努
めていること。
5 -1 -2 -2 】自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 学 習 の 単 位 数 が 卒 業 要 件 単 位 数( 但 し ,実 務 実
習の単位は除く)の1/10以上となるよう努めていること。
5 -1 -2 -3 】 自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 学 習 と は 、 問 題 立 脚 型 学 習 ( PBL) や 卒 業 研 究
などをいう。
[現状]
「基 準 5-1-1」で 述 べ た 如 く 、 自 己 研 鑽 ・ 参 加 型 学 習 が , 全 学 年 で 実 効 を 持 っ て 行
われるよう努めている。自己研鑽・参加型学習を実施するための学習計画として明
確に示されているのは、本学では総合学習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲおよび卒業研究である。
卒業研究(特別研究Ⅰ、Ⅱ)
薬剤師として将来、疑問に思う処方箋に出会った時、学生時代の知識を論拠にし
てはいけない。必ず、最新かつ権威ある資料で再確認する必要がある。すなわち、
最新の権威ある資料を調査しても、やはり処方箋に疑義があるのであれば、その資
料を医師に提示、説明できる能力が薬剤師の職能として重要である。卒業研究にお
いては、その薬剤師としての能力を高めることを目標とする。また、実験で卒業論
文を作成したいと考える学生は、実験研究を通してその論理的な思考の構築法の習
得を目標とすることも可能である。
調査論文
( SBOs)
1)与えられた課題から、主題を自ら選ぶことができる
2)主題に対する解答を見つけるにあたって、最新かつ権威ある資料を探すことが
できる
3)個々の資料から、関連する内容を抜き出すことができる
4)3)の資料をまとめることができる
5)まとめた資料を基に、自分の考えを他人にプレゼンテーションできる
[点検・評価]
優れた点
・卒業研究においては、その学習目標が明確である。
改善を要する点
・通常の講義や実習においても、自己研鑽・参加型学習を実施するための明確な指
針が示されていない。
・自 己 研 鑽・参 加 型 学 習 の 単 位 数 が 卒 業 要 件 単 位 数( 但 し 、実 務 実 習 の 単 位 は 除 く )
の1/10以上となっておらず、カリキュラムの工夫が必要である。
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[改善計画]
卒業研究の開始時期の検討、学生が希望する研究テーマと配属研究室との整合性
についての検討が必要であろう。
- 58 -
『学
6
生』
学生の受入
基準6−1
教育の理念と目標に照らしてアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)が設
定され,公表されていること。
【観点
【観点
6 -1 -1 】 ア ド ミ ッ シ ョ ン ・ ポ リ シ ー ( 入 学 者 受 入 方 針 ) を 設 定 す る た め の 責
任ある体制がとられていること。
6 -1 -2 】 入 学 志 願 者 に 対 し て , ア ド ミ ッ シ ョ ン ・ ポ リ シ ー な ど 学 生 の 受 入 に
関する情報が事前に周知されていること。
[現状]
本学では学則第1条に「本学は、教育基本法および学校教育法の本旨にのっとり、
国 際 化 社 会 に 向 け て 、介 護 ・ 福 祉 ・ 医 療 ・ 薬 学 に 関 す る 理 論 お よ び 社 会 の 問 題 を 教 育
研 究 し 、応 用 能 力 を 持 つ 人 格 を 陶 冶 す る こ と を 目 的 と す る 」と 謳 い 、教 育 基 本 法 お よ
び 学 校教 育法 の 本旨 と国 際 化社 会に 向 けた 介護・福 祉・医 療・薬学の 専 門職 人の 教 育
を 目 的・使 命 と し て い る 。本 学 の 受 け 入 れ 方 針 と し て は 、本 学 の 目 的・使 命 を 目 指 し
た 質 の 高 い 学 生 と 同 時 に 多 様 性 を 持 っ た 学 生 を 確 保 す る こ と で あ る 。患 者 と の 信 頼 関
係 を 保 ち 、安 心 で き る 医 療 を 提 供 す る 心 豊 か な 人 間 性 を も つ 、高 い 知 識 と 技 術 を 有 す
る 即 戦 力 あ る 薬 剤 師 を 養 成 す る こ と を 本 学 部 の 教 育 理 念 と し て い る 。入 学 者 受 け 入 れ
方 針 を 受 験 生 が 具 体 的 に 理 解 で き る よ う に 平 成 18年 度 か ら 薬 学 科 が 求 め る 学 生 像 と
し て 、「 学 力 で は 計 れ な い 医 療 人 と し て 高 い 潜 在 能 力 を 持 つ 人 材 を 求 め て い ま す 。即
ち、「信頼される有能な薬剤師」になりたいという強い意志、そして向学心に燃え、
他 の 人 と 良 好 な 人 間 関 係 を 構 築 で き る 人 材 を 求 め ま す 。」と 本 学 部 ホ ー ム ペ ー ジ 上 に
記 載 す る と と も に 、 高 校 へ の 訪 問 や 出 張 講 義 の 際 に PRを 行 っ て い る 。
入 試 区 分 と し て 、AO 入 試 、推 薦 入 試 、指 定 校 入 試 等( 基 準 6 − 2 参 照 )に み ら れ る
ような多様な入試を行って、目的とする多様な人材を確保することを計画している。
[点検・評価]
・ 本 学 の 受 け 入 れ 方 針 は 、教 育 理 念 の「 学 生 一 人 ひ と り の も つ 能 力 を 最 大 限 に 引 き 出
し引き伸ばす」を遵守している。
・本 学 に お い て は 、18 歳 人 口 の 減 少 や 地 理 的 不 利 等 に よ り 志 願 者 総 数 が 減 少 し て い る 。
・ 学 生 の 学 力 を 確 保 す る た め に 多 様 な 入 学 者 に 対 応 し つ つ 、受 け 入 れ 方 法 に 変 更 や 改
善の余地がないか、再度検討することが必要と考える。
・多様な入試区分を設定していることは高く評価される。
・入試の区分と求める人材の特質についての公表は不十分である。
- 59 -
[改善計画]
・ 入 学 者 の 受 け 入 れ 方 針 に つ い て は 、基 本 的 に は 現 在 の も の を 維 持 す る が 、本 学 部 と
競 合 す る 他 県 の 他 大 学 に 薬 学 部 新 設 が あ り 、徐 々 に 低 学 力 層 の 入 学 者 を も 受 け 入 れ て
き て い る 。受 け 入 れ 方 針 を よ り 具 体 的 に 理 解 し て も ら う た め 、平 成 18年 度 募 集 要 項 よ
り 学 部 ・ 学 科 の 求 め る 学 生 像 も 明 ら か に し た 。入 学 者 受 け 入 れ 方 法 に つ い て は 、本 学
の 入 試 委 員 会 に お い て 、各 学 部 の 意 見 を 踏 ま え つ つ 随 時 検 討 す る 。教 育 目 標 の 達 成 を
今 後 と も 維 持 す る 具 体 的 な 方 策 に つ い て 、教 育 開 発・ 研 究 推 進 中 核 セ ン タ ー の 教 育 開
発部門を中心として検討している。
・ホームページ等で各々の入試区分で必要とされる能力について公表を行う。
- 60 -
基準6−2
学生の受入に当たって,入学志願者の適性及び能力が適確かつ客観的に評価され
ていること。
【観点
【観点
【観点
6 -2 -1 】 責 任 あ る 体 制 の 下 , 入 学 者 の 適 性 及 び 能 力 の 評 価 な ど 学 生 の 受 入 に
関する業務が行われていること。
6 -2 -2 】 入 学 者 選 抜 に 当 た っ て , 入 学 後 の 教 育 に 求 め ら れ る 基 礎 学 力 が 適 確
に評価されていること。
6 -2 -3 】 医 療 人 と し て の 適 性 を 評 価 す る た め , 入 学 志 願 者 に 対 す る 面 接 が 行
われていることが望ましい。
[現状]
入学者選抜試験実施体制の適切性:
本 学 の 入 学 者 選 抜 試 験 実 施 体 制 に つ い て は 、開 学 時 よ り 入 試 広 報 室 に よ っ て 行 わ れ
ている。入試区分により体制は若干異なるが、代表的な体制について記述する。
入 試 前 日 ま で の 準 備 と し て は 、入 試 広 報 室 長 の 管 轄 下 に 入 試 広 報 室 が 学 生 募 集 、入 試
実 施 に 関 す る 業 務 を 担 当 し て い る 。入 試 制 度 の 変 更 お よ び 募 集 要 項 に 関 し て は 、学 部
長と協議し入試広報室長が入試委員会(委員長は学長、構成員は学部長・学科長等)
に 提 案 し た 後 、各 教 授 会 に お い て 決 定 さ れ る 。入 試 問 題 出 題 に つ い て は 、問 題 作 成 検
討委員会(委員長は学長)の下に、各科目の出題者(責任者を含む)が担当し、問題
内 容 の チ ェ ッ ク は 科 目 ご と に 出 題 者 同 士 で 実 施 し て い る 。入 試 日 当 日 に つ い て は 、入
試 委 員 長 を 中 心 に 入 試 本 部 が 置 か れ 、教 科 科 目 の 出 題 担 当 者 を 待 機 さ せ 実 施 し て い る 。
入 試 監 督 者 ・ 面 接 者 は 、各 学 部 学 科 よ り 選 出 さ れ た 教 員 に よ っ て 構 成 さ れ て い る 。入
試 会 場 に は 、 志 願 者 20 名 に 入 試 監 督 者 1 名 と 事 務 担 当 者 を 加 え て 常 に 複 数 名 を 配
置 し て い る 。面 接 試 験 で は 基 本 的 に 2 名 体 制 で 行 い 、そ の 際 は 必 ず 教 授 1 名 を 含 め
た 面 接 者 で 実 施 し て い る 。大 学 入 試 セ ン タ ー 試 験 の 実 施 に つ い て は 、実 施 要 綱 等 を 決
定 す る 実 施 委 員 会( 委 員 長 は 学 長 、各 学 部 長 と 各 部 署 長 で 構 成 )を 設 け て い る 。ま た 、
実 施 準 備 等 に つ い て は 、実 施 小 委 員 会( 委 員 長 は 事 務 局 長 、各 部 署 責 任 者 で 構 成 )を
設けている。
薬 学 部 の 指 定 校 入 試 は 、専 願 入 試 と し て 指 定 校 で 薬 剤 師 を 目 指 す 目 的 意 識 と 意 欲 を
持った学生の受け入れに努めている。
平 成 22 年 度 入 試
入試区分
推 薦 A日 程
出願期間
試験日
10月 19日 (月 )∼ 11月 2日 (月 )
11月 7日 (土 )
合格発表日
11月 14日 (土 )
11月 8日 (日 )
推 薦 B日 程
11月 24日 (火 )∼ 12月 8日 (火 )
12月 13日 (日 )
12月 19日 (土 )
前期
1月 8日 (金 )∼ 1月 25日 (月 )
1月 30日 (土 )
2月 6日 (土 )
1月 8日 (金 )∼ 1月 27日 (水 )
2月 3日 (水 )
2月 13日 (土 )
- 61 -
2月 4日 (木 )
2月 5日 (金 )
中期
2月 8日 (月 )∼ 2月 22日 (月 )
2月 27日 (土 )
3月 6日 (土 )
後期
3月 1日 (月 )∼ 3月 17日 (水 )
3月 21日 (日 )
3月 26日 (金 )
センター利用
1月 8日 (金 )∼ 2月 5日 (金 )
個別学力検査
2月 13日 (土 )
(前期)
センター利用
は行わない
2月 8日 (月 )∼ 2月 19日 (金 )
2月 27日 (土 )
2月 23日 (火 )∼ 3月 19日 (金 )
3月 26日 (金 )
(中期)
センター利用
(後期)
上 記 以 外 に 指 定 校 入 試 、 AO 入 試 を 実 施
入学者選抜基準の透明性:
本 学 の 入 学 者 選 抜 基 準 に つ い て は 、入 試 区 分 と 志 願 者 数 、受 験 者 数 、入 学 手 続 者 数
等 に よ り 合 格 基 準 が 若 干 変 動 し て い る 。薬 学 部 で は 、一 般 入 試 に お い て は 、総 合 点 の
みでの評価である。センター利用入試においても同様に総合点のみでの評価である。
ま た 、課 外 活 動 の 成 果 を 評 価 し 入 学 者 選 抜 に 反 映 さ せ る 制 度 と し て 特 別 推 薦 入 試 が あ
り 、 評 価 基 準 は 全 学 的 な も の で あ る 。 薬 学 部 の 一 般 推 薦 入 試 は 、 A日 程 ・ B日 程 と も に
基 礎 学 力 検 査 ( 化 学 ( 必 須 ) 、 英 語 、 数 学 、 生 物 、 物 理 ( う ち 1科 目 選 択 ) ) ・ 調 査
書 の 総 合 点 評 価 に よ り 選 考 し て い る 。 AO 入 試 で は 、 課 題 レ ポ ー ト お よ び 面 談 で 評 価
し て い る 。推 薦 入 試 、一 般 入 試 で は 、 と も に 第 2・ 第 3志 望 の 入 学 希 望 を 記 入 で き る よ
うにしている。
各年の入試問題を検証する仕組みの導入状況:
一般入試については、問題作成検討委員会(委員長は学長)の下に、各科目の出題
者( 責 任 者 を 含 む )が 担 当 し 、問 題 内 容 の 確 認 は 科 目 ご と に 出 題 者 同 士 で 担 当 し て い
る 。 出 題 者 に つ い て は 、 ほ ぼ 毎 年 同 一 教 員 で 作 成 を 行 っ て い る 。現 在 は 、 各 年 の 入 試
問 題 を 検 討 す る 仕 組 み に つ い て は 、出 題 者 ご と の 確 認 し か 行 わ れ て い な い の が 現 状 で
あ る 。た だ し 、い く つ か の 科 目 で は 、科 目 出 題 者 会 議 を 開 き 、試 験 ご と に 出 題 内 容 を
検討することを開始している。
[点検・評価]
入学者選抜試験実施体制の適切性:
・本学の入学者選抜試験体制は適正といえ、開学以来、大きな問題は生じていな
い。
・受験機会を増やす方針から、地方会場での入試を全国的に行っており、それから
- 62 -
派生する問題として出張者の拘束時間が長時間になることがあげられる。
入学者選抜基準の透明性:
・全て の 入試 に おい て合 格 者は 総合 的 に選 抜さ れ、会 議( 入試 委 員会・教 授 会)で承
認 さ れ る も の で あ る た め 、本 学 の 入 学 者 選 抜 の 合 格 基 準 に つ い て の 透 明 性 は 極 め て 高
いと評価できる。
各年の入試問題を検証する仕組みの導入状況:
・問題を作成する立場とは違った視点で、入試問題としての適切性を検討すること
は、出題範囲が広く、かつ、中身が詳細な入試問題にあっては不可欠である。
・今後は、各年の入試問題について十分検討できる組織作りが必要である。
・思い込みや確認の甘さが出ることもありうるため、学内検討だけでなく外部機関
の専門的な視野による点検を導入することも必要である。
[改善計画]
入学者選抜試験実施体制の適切性:
・ 地 方 会 場 の 設 置 場 所 は 受 験 生 の 都 合 を 第 一 に 考 え て い る が 、出 張 者 の 拘 束 時 間 を 少
な く す る 努 力 も 必 要 で あ る 。両 者 の バ ラ ン ス が 取 れ る よ う 入 試 広 報 室 で 毎 年 度 検 討 す
る。
・入学者選抜の目的は、本学が掲げる教育の理念にそって、なおかつ専門職養成の
学部としての基準に適した該当者を選抜することである。特に、一般入試において
は 、 各 学 部 ・ 学 科 の 平 成 18 年 度 学 生 募 集 要 項 に 掲 載 の 「 求 め る 学 生 像 」 に そ っ た
選抜が可能になるよう入学試験の科目等の設定を入試委員会において今後検討する
入学者選抜基準の透明性:
・特に問題はない。
各年の入試問題を検証する仕組みの導入状況:
・ 今 後 は 入 試 問 題 を 検 証 す る 仕 組 み の 導 入 を 積 極 性 に 推 進 し 、全 て に お い て 検 討 ・ 改
善を考えていかなくてはならない。
- 63 -
基準6−3
入学者定員が,教育の人的・物的資源の実情に基づいて適正に設定されているこ
と。
【観点
【観点
6 -3 -1 】 適 正 な 教 育 に 必 要 な 教 職 員 の 数 と 質 が 適 切 に 確 保 さ れ て い る こ と
(「 9. 教 員 組 織 ・ 職 員 組 織 」 参 照 )。
6 -3 -2 】 適 正 な 教 育 に 必 要 な 施 設 と 設 備 が 適 切 に 整 備 さ れ て い る こ と(「 10.
施 設 ・ 設 備 」 参 照 )。
[現状]
本 学 部 薬 学 科 ( 平 成 15 年 4 月 に 開 設 ) は 、 現 在 学 生 は 6 年 制 課 程 4 年 生 ま で の
在 学 で あ る が 、 教 員 組 織 は 、 教 授 16 名 、 准 教 授 5 名 、 講 師 9 名 、 助 教 5 名 の 専 任
教 員 で 構 成 さ れ て い る 。 ま た 、 本 学 科 の 入 学 定 員 は 180 名 で あ り 、 専 任 教 員 1 人 当
た り の 新 年 度 入 学 者 数 は 5.1 名 で あ る 。
学部の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況に関しては、
基準10−1−3に記載されているように必要十分な設備が整備されている。
[点検・評価]
・ 本 学 科 で は 、教 員 の 95% 以 上 が 薬 剤 師 資 格 を 有 す る こ と で 教 育 目 標「 即 戦 力 あ る 臨
床薬剤師養成」を実践できる教員組織ということができる。
・設置計画通りに教員組織が機能していると評価している。
・専 門 に 直 接 関 連 す る 基 礎 教 科 に つ い て も 学 科 専 任 教 員 に よ っ て 担 当 で き る 点 は 長 所
である。
・ 専 任 教 員 に 対 し て 助 手 の 比 率 が 大 き い が 、専 任 教 員 1 名 あ た り の 学 生 数 は 必 ず し も
少なくない。
・ 現 状 の 施 設 ・ 設 備 は 6年 制 ・ 薬 学 に お い て 4年 前 に 文 科 省 よ り 設 置 認 可 さ れ た も の で
薬 学 教 育 ・ 研 究 を 行 う 上 に お い て 最 新 の 機 器 備 品 を 備 え て い る 。現 在 の と こ ろ 薬 学 教
育 研 究 を 実 施 し て い く 上 で 標 準 レ ベ ル の 施 設 、設 備 と し て 機 能 し て お り 、ほ ぼ 満 足 す
べき状態であると考えている。
[改善計画]
・入学者数の適正化に対して、定員削減を計画している。
・ 今 後 必 要 な 教 育 研 究 施 設 お よ び 設 備 の 整 備 に つ い て は 、学 部 教 授 会 や 教 育 開 発 ・ 研
究推進中核センターを中心に検討する。
- 64 -
基準6−4
学生数が所定の定員数と乖離しないこと。
【観点
【観点
6 -4 -1 】 入 学 者 の 受 入 数 に つ い て ,所 定 の 入 学 定 員 数 を 上 回 っ て い な い こ と 。
6 -4 -2 】 入 学 者 を 含 む 在 籍 学 生 数 に つ い て , 収 容 定 員 数 と 乖 離 し な い よ う 努
めていること。
[現状]
入 学 定 員 に 対 す る 入 学 者 の 割 合 は 、 平 成 2006 年 度 の 定 員 超 過 率 は 2.5% 、 2008
年 度 は 8.9% で あ っ た 。
学科
入試の種類
2006 年
2007 年
2008 年
2009 年
度
度
度
度
志願者
455
362
408
274
合格者
313
329
363
265
入学者
104
89
89
64
入学定員
130
75
64
65
志願者
156
229
181
136
センター利用入
合格者
143
228
177
136
試
入学者
23
29
22
17
入学定員
20
30
23
25
志願者
15
21
37
22
合格者
15
21
37
22
入学者
15
21
37
21
入学定員
10
20
20
20
志願者
-
4
19
24
合格者
-
4
18
24
入学者
-
4
18
19
入学定員
-
15
15
15
志願者
263
51
67
33
合格者
204
47
66
33
入学者
63
21
30
12
入学定員
40
60
58
55
志願者
889
667
712
489
合格者
675
629
661
480
入学者
205
164
196
133
入学定員
200
200
180
180
一般入試
指定校推薦
薬学科
AO 入 試
公募推薦入試
計
- 65 -
2006 お よ び 2008 年 度 に 入 学 定 員 を 上 回 る 学 生 を 受 け 入 れ た た め 、 翌 年 は 合 格 者
の 歩 留 ま り を 若 干 過 大 予 測 し た 結 果 、 そ れ ぞ れ 2007 と 2009 年 度 は 入 学 者 が 定 員 を
大 幅 に 下 回 っ た 。な お 、3 月 現 在 の 在 籍 学 生 数 は 629 名( 収 容 定 員 の 83% )で あ る 。
[点検・評価]
・平 成 2008 年 度 の 入 学 定 員 に 対 す る 入 学 者 の 割 合 は 109% で あ っ た が 、2009 年 度 は 、
74%と 定 員 割 れ し て お り 、 安 定 し た 状 態 で は な い 。
[改善計画]
・適正な入学者の割合を維持するためには、合格者の入学歩留まりをより適切に予
測することが必要であり、その判断資料の収集及び分析を入試広報室と協力して実
施 す る 。 ま た 、 入 学 定 員 数 に つ い て も 140 名 へ の 削 減 を 計 画 し て い る 。
- 66 -
7
成績評価・修了認定
基準7−1
成 績 評 価 が ,学 生 の 能 力 及 び 資 質 を 正 確 に 反 映 す る 客 観 的 か つ 厳 正 な も の と し て ,
次に掲げる基準に基づいて行われていること。
(1)成績評価の基準が設定され,かつ学生に周知されていること。
(2)当該成績評価基準に従って成績評価が行われていること。
( 3 )成 績評 価 の結 果が ,必要 な関 連 情報 とと も に当 事者 で ある 学生 に 告知
されていること。
【観点
7 -2 -1 】 進 級 要 件 ( 進 級 に 必 要 な 修 得 単 位 数 及 び 成 績 内 容 ), 留 年 の 場 合 の
取り扱い(再履修を要する科目の範囲)等が決定され,学生に周
知されていること。
[現状]
本学における教育課程は、
「 大 学 設 置 基 準 」に 定 め ら れ た 単 位 制 に 基 づ い て い る 。
本学では、各年次に配当された授業科目全てに単位数が定められており、その授業
科 目 を 履 修 し た 者 に 対 し て は 、 試 験 又 は そ の 他 の 方 法 に よ り 、 学 則 第 36 条 に 基 づ
き学習の評価を行う。そして合格した者に当該科目の単位を認定する。
1)薬学科において当該科目の単位は、授業時間数の 3 分 2 以上出席し、かつ単位
認定試験に合格したときに認定される。各学年に課せられた実習科目の単位は、
該当する学年で修得することが定められている。なお、これらの基準は当該年
度の最初に教務課および薬学科教務担当教員より学生全員に周知され、かつ九
州保健福祉大学学生便覧に明記されている(104頁)。単位認定基準は次の
とおりである。
単位修得の認定・学習の評価の基準
以 下 の 基 準 で 単 位 修 得 の 認 定 、 学 習 の 評 価 を 行 い ま す 。 ( 学 則 第 36 条 )
評
価
評
点
判
定
単位の認定
100∼ 80
優
(A)
点
79∼ 70
良
合
(B)
認
定
点 格
69∼ 60
可
(C)
点
59∼ 0
不可
(D)
不
点
合
不 認 定
格
放棄
(E)
E
- 67 -
2)1)で示した基準により厳密に評価を行っているが、次の理由で単位認定試験
を 受 験で きな か った 学生( 放棄;E )なら びに 合 格点 に達 し なか った 学 生( 不
可;D)にはそれぞれ追試験ならびに再試験を実施した。(学生便覧17頁)
<追試験>
①公欠と認められるもの(別途定める)
②病気
③公共交通機関の不通・遅延
④就職試験等
⑤その他やむをえざる理由と認められる場合
な お 、 追 試 験 を 実 施 し た 場 合 の 学 習 の 評 価 は 100 点 を 最 高 点 と し た 。
<再試験>
再 試 験 を 実 施 し た 場 合 の 学 習 の 評 価 は 70 点 を 最 高 点 と し た 。
3 )1 )、2 )で 示 し た 単 位 認 定 の 実 施 基 準 に 加 え て 、当 該 年 度 の 最 初 に 教 務 課 お よ
び薬学科教務担当教員より学生全員に進級と留年について次のように周知されてい
る(学生便覧104頁)。
配当年次およびそれより低学年に開講されている必修科目の単位を規定数以上修
得 で き な い 場 合 進 級 で き な い( 留 年 )。ま た 、実 習 科 目 の 未 修 得 単 位 が あ る と き は 、
進級できない。在学中6回を超える留年及び同一年次に2回を超える留年は認めら
れない。(休学等の場合は、この限りではない。)
共 用 試 験 ( C B T : C omputerB asedT est お よ び O S C E : O bjective
S tructured C linical E xamination) に 合 格 し な け れ ば 、 実 務 実 習 Ⅰ 及 び Ⅱ を 受
講できない(4年次留年)。
また、試験の公正を図るために、実施マニュアルを学科で作成し、それに則って
行 わ れ て い る ( 7 -1 -① 薬 学 部 に お け る 試 験 監 督 実 施 マ ニ ュ ア ル ) 。
[点検・評価]
・学生便覧に、評価基準を記載し、シラバスに評価方法を記載して学生に周知させ
ている点は評価できる。
・成績評価は厳密かつ公正に行われている。
・進級基準の規定単位数は、明示しておらず、毎年教授会にて決定している。
[改善計画]
・進級者について掲示により公表を行うことを計画している。
- 68 -
基準7−2
履修成果が一定水準に到達しない学生に対し,原則として上位学年配当の授業科
目の履修を制限する制度が採用されていること。
[現状]
学生は当該年度の最初に教務課にて履修登録を行わなければならない。その際に、
履 修 で き る 科 目 は 、当 該 年 次 以 下 に 配 当 さ れ て い る 科 目 に 限 ら れ て い る こ と が 九 州 保
健 福 祉 大 学 学 生 便 覧 に 明 記 さ れ て お り 、学 生 に 周 知 さ れ て い る 。従 っ て 、基 準 7 − 1
に 示 し た よ う に 、留 年 し た 学 生 は 上 位 学 年 で の 配 当 科 目 が 履 修 で き な い こ と が 厳 密 に
守 ら れ て い る 。 ま た 、 共 用 試 験 結 果 の 取 り 扱 い は 以 下 の と お り で あ る ( 7 -2 -① 学
生便覧)。
1 )共 用 試 験( CBT:Computer Based Test お よ び OSCE: Objective Structured Clinical
Examination の 両 方 ) に 合 格 し な か っ た 学 生 は 、 5 年 次 に 開 講 さ れ る 「 実 務 実 習 Ⅰ 」
および「実務実習Ⅱ」を受講できない。
2 )当 該 学 生 は 、4 年 次 か ら 5 年 次 へ の 進 級 を 認 め ず 、4 年 次 に 留 め お く こ と と す る 。
[点検・評価]
・現行の制度で、上位学年の履修は全くできない制度になっている点は評価できる。
[改善計画]
特になし。
- 69 -
8
学生の支援
(8−1)修学支援体制
基準8−1−1
学生が在学期間中に教育課程上の成果を上げられるよう,履修指導の体制がとら
れていること。
【観点
【観点
【観点
8 -1 -1 -1 】入 学 者 に 対 し て ,薬 学 教 育 の 全 体 像 を 俯 瞰 で き る よ う な 導 入 ガ イ
ダンスが適切に行われていること。
8 -1 -1 -2 】入 学 前 の 学 習 状 況 に 応 じ て ,薬 学 準 備 教 育 科 目 の 学 習 が 適 切 に 行
われるように,履修指導がなされていること。
8 -1 -1 -3 】履 修 指 導( 実 務 実 習 を 含 む )に お い て ,適 切 な ガ イ ダ ン ス が 行
われていること。
[現状]
入 学 時 に 、全 学 の ガ イ ダ ン ス に 加 え て 薬 学 部 独 自 に ガ イ ダ ン ス を 開 き 、薬 学 教 育 の
全 体 像 を 俯 瞰 で き る よ う に 説 明 を 行 い 、履 修 手 続 き 、必 要 単 位 数 、講 義 の 選 択 な ど を
含 め た 履 修 手 続 き に つ い て 具 体 的 な 指 導 を 行 っ て い る 。ま た 、優 れ た 臨 床 薬 剤 師 に な
る た め の 薬 学 教 育 の 全 体 像 を 俯 瞰 す る た め 、一 泊 で 研 修 会 を 行 っ て い る 。そ の 後 、各
学 生 に 対 し て チ ュ ー タ ー ( 現 在 チ ュ ー タ ー 1 人 の 各 学 年 当 た り の 学 生 数 は 6∼ 7 名 で
あ る ) が 履 修 の 相 談 を 受 け て 、適 切 な 履 修 登 録 を 指 導 し て い る 。特 に 、 リ メ デ イ ア ル
教 育 と し て 、 1 年 前 期 の 選 択 科 目 の う ち 、 薬 学 の 基 礎 と な る 「 化 学 」「 物 理 学 」「 生 物
学 」に つ い て は 、高 校 時 の 学 力 が 不 十 分 と 判 断 さ れ た 学 生 、あ る い は 高 校 時 に 履 修 し
て い な い 学 生 に 履 修 す る よ う 、 ま た 「 薬 学 英 語 」「 医 学 英 語 」 に つ い て も 受 講 す る よ
う チ ュ ー タ ー が 積 極 的 な 指 導 を 行 っ て い る 。留 年 生 に 対 し て も 全 体 的 な ガ イ ダ ン ス と
チ ュ ー タ ー に よ る 個 別 指 導 を 行 い 、適 切 な 履 修 に つ い て 説 明 、指 導 し て い る 。実 務 実
習 に つ い て は 、そ の 意 義 と 実 習 中 の 態 度 に つ い て ガ イ ダ ン ス を 行 い 、学 生 が 支 障 な く
実習が行えるように配慮している。
[点検・評価]
優れた点
・チューター制度を活用した適切な履修指導を行っている。
・ 1 年 前 期 の リ メ デ イ ア ル 教 育 や 実 務 実 習 に 対 す る 履 修 指 導 、ま た 、留 年 生 に 対 す る
履修指導が充実している。
改善を要する点
・現在、後期履修科目も前期に履修届を提出することになっているが、選択科目に
関 し て は 授 業 内 容 の 理 解 が 不 十 分 の ま ま で 後 期 の 履 修 届 を 提 出 す る こ と に な り 、こ の
点は改善の余地がある。
- 70 -
[改善計画]
・ 選 択 科 目 の 履 修 届 は 授 業 内 容 を 確 認 し た 後 に 提 出 さ せ る よ う に 、登 録 手 続 き の 時 期
に柔軟性を持たせるよう検討を始めている。
- 71 -
基準8−1−2
教員と学生とのコミュニケーションを十分に図るための学習相談・助言体制が整
備されていること。
【観点
8 -1 -2 -1 】担 任 ・ チ ュ ー タ ー 制 度 や オ フ ィ ス ア ワ ー な ど が 整 備 さ れ ,有
効に活用されていること。
[現状]
本 学 に は チ ュ ー タ ー 制 度 が あ る( 8 -1 -2 -① 学 生 便 覧 、8 -1 -2 -② オ ー プ ン
キャンパス配布資料
九 保 大 に 入 っ て 薬 剤 師 に な ろ う !!)。 薬 学 部 で は 、 現 在 チ ュ
ー タ ー 1 人 が 各 学 年 当 た り 6∼ 7 名 の 学 生 の 学 習 、成 績 相 談 や 学 生 生 活 に 関 す る 相 談 、
指導、助言を行っている。
大学全体としてオフィスアワーの制度を設けており、とくに薬学部においては、
シラバス内にオフィスアワーを明記している。さらに、オフィスアワーにかかわら
ず、基本的に教員は随時学生の来訪を受け入れ、学生の勉学、生活などの相談に対
処している。教員の在席、不在を確認するため、全学で導入された在席表示システ
ムが活用されている。
[点検・評価]
優れた点
・チューター制度が充実しているため、教員と学生とのコミュニケーションが十分
に図られている。
・オ フ ィ ス ア ワ ー を 制 度 化 し て お り 、学 生 と 教 員 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は 密 で あ る 。
改善を要する点
・大学に健康管理センターを設け、医師免許を持つ教員が対応しているが、学生の
カウンセリング体制には不十分な点がある。
[改善計画]
・健康管理センター員の補充、センター開館時間の延長などを検討する。
- 72 -
基準8−1−3
学生が在学期間中に薬学の課程の履修に専念できるよう,学生の経済的支援及び
修学や学生生活に関する相談・助言,支援体制の整備に努めていること。
【観点
【観点
8 -1 -3 -1 】学 生 の 健 康 相 談( ヘ ル ス ケ ア ,メ ン タ ル ケ ア な ど ),生 活 相 談 ,
ハラスメントの相談等のために,保健センター,学生相談室を
設置するなど必要な相談助言体制が整備され,周知されている
こと。
8 -1 -3 -2 】医 療 系 学 生 と し て の 自 覚 を 持 た せ ,自 己 の 健 康 管 理 の た め に 定
期的な健康診断を実施し,受診するよう適切な指導が行われて
いること。
[現状]
学生への経済的支援:
学 生 生 活 へ の 経 済 支 援 を 目 的 と し た 各 種 の 奨 学 金 制 度 が あ る 。奨 学 金 貸 与 者 数 は 学
生 総 数 の 40% 以 上 に あ た り 、希 望 者 は 年 々 増 加 し て い る 。主 な も の は 下 記 の 通 り で あ
る( 8 -1 -3 -① 学 生 便 覧 P185
学 生 相 談 、奨 学 金 制 度; P186
教 育・学 費 ロ ー ン )。
九州保健福祉大学奨学金:2 年次以降毎年選考して成績優秀者の若干名に学納金の
年間相当額が支給される創立者加計勉奨学金と学習意欲がありながら経済面で修学
困 難 な 学 生 ( 年 間 10 名 以 内 ) に 、 毎 年 選 考 し て 一 般 奨 学 金 と し て 学 納 金 の 年 間 授 業
料の半額相当が支給される。
日本学生支援機構奨学金:毎年 4 月に新入生と在学生に分けて申し込み説明会を
行っている。
県・そ の 他 の 奨 学 金:本 学 に 募 集 依 頼 が あ る も の は 掲 示 板 で 周 知 す る 。実 態 把 握 は
難 し い が 、 全 学 生 の 2∼ 3% 程 度 が こ の 奨 学 金 を 受 け て い る 。
高 梁 学 園 教 育 後 援 会 奨 学 金:本 学 園 教 育 後 援 会 に よ る 奨 学 金 で あ る 。卒 業 見 込 み で
あ る 学 納 金 未 納 者 に 対 し て 毎 年 2 月 に 募 集 を 行 い 、 50 万 円 を 限 度 と し て 貸 与 す る 。
教 育・学 費 ロ ー ン:銀 行 に よ る 国 の 教 育 ロ ー ン と 高 梁 学 園 提 携 に よ る 教 育 ロ ー ン や
学費ローンとして信販会社を紹介している。
学 生 の 生 活 健 康 相 談 ( 8 -1 -3 -② 学 生 便 覧 P187
健 康 管 理 ):
全 学 的 に 健 康 管 理 セ ン タ ー が 生 活 健 康 相 談 を 行 っ て い る 。薬 学 部 で は 、チ ュ ー タ ー
を 介 し て 健 康 管 理 セ ン タ ー に 連 絡 す る 場 合 が 多 い 。平 日 の 9 時 か ら 17 時 ま で 実 施 し 、
学 生 が 健 康 管 理 セ ン タ ー を 何 時 訪 れ て も 対 応 で き る 体 制 を と っ て い る 。ま た 、近 年 急
増 し て い る イ ン タ ー ネ ッ ト や 携 帯 電 話 を 介 在 し た 詐 欺 に つ い て は 、状 況 に 応 じ て 学 生
課と連携して対応している。
本学全体の学生健康管理施設設備として、医務室がある。ベッド 2 台、応急処置
用具、一般市販薬を設置し、養護教諭資格を持った学生課職員 1 名を配置している。
ま た 、生 活 健 康 相 談 は 、相 談 室 を 2 室 設 け る こ と に よ り 、個 人 の プ ラ イ バ シ ー に 配 慮
し て い る 。学 生 の 健 康 管 理 の た め に 、毎 年 度 4 月 に 学 生 定 期 健 康 診 断 を 実 施 し て い る 。
- 73 -
薬 学 部 で は 97%以 上 の 受 診 率 で あ る 。
学生の健康相談には専任職員 1 名と兼任職員 3 名が、精神的健康相談については
主 に 心 理 相 談 員( 3 名 の う ち 臨 床 心 理 士 2 名 )が 担 当 し て い る 。薬 学 部 で は 医 師 免 許
を持つ教員が直接学生の相談を受けている。
応 急 、緊 急 処 置 は 、学 生 課 の 医 務 室 担 当 職 員 か ら 連 絡 を 受 け た 校 医 及 び 産 業 医 が 対
応 し て い る 。 緊 急 、 応 急 措 置 と し て 学 内 に AED( 自 動 体 外 式 除 細 動 器 ) を 設 置 し て い
る ( 8 -1 -3 -③ 学 生 便 覧 P188
AED)。
健 康 増 進 法 第 25 条 に あ る 間 接 喫 煙 の 防 止 対 策 と し て は 、 特 定 の 喫 煙 場 所 を 除 き 構
内を禁煙にしている。
ハラスメントの相談:
本 学「 キ ャ ン パ ス・ハ ラ ス メ ン ト 防 止 対 策 規 程 」に 基 づ き 、薬 学 部 で は キ ャ ン パ ス ・
ハラスメント相談員を設置し、学生からの相談・苦情を受け付けている。
[点検・評価]
優れた点
・ 学 生 の 生 活 健 康 相 談 員 の 担 当 日 を 調 整 し て 、随 時 対 応 で き る た め 、始 め て の 学 生 で
も気楽に相談できる。
・ 健 康 管 理 の た め の 医 務 室 で は 個 別 の 相 談 室 を 設 け て い る た め 、学 生 が 周 囲 の 目 を 気
にせずに、自分の生活健康状態を話すことができる。
・ 学 生 定 期 健 康 診 断 結 果 は 前 年 度 受 診 結 果 と 比 較 し な が ら 見 る こ と が で き 、医 療 系 学
生として自分の健康状態を客観的に把握できる。
・ キ ャ ン パ ス ・ ハ ラ ス メ ン ト 相 談 員 の 氏 名 ・ 連 絡 先 が 周 知 さ れ 、被 害 に 遭 っ た 学 生 は
直接相談員に相談できる。
改善を要する点
・ 延 岡 市 内 の 衣 食 住 経 費 は 首 都 圏 と 比 べ か な り 安 い が 、奨 学 金 が 十 分 あ る わ け で は な
く、学生にふさわしいアルバイトのみでは生活が困難な場合がある。
・ 学 年 進 行 と と も に 学 生 数 が 増 加 し 、現 在 の 奨 学 金 受 給 者 総 数 の 増 加 が 考 え ら れ る た
め、奨学金の開拓を進める必要がある。
・ 生 活 相 談 内 容 が 多 岐 に わ た る た め 、相 談 員 と チ ュ ー タ ー と の 綿 密 な 連 携 体 制 を 作 る
ことが課題である。
・ カ ウ ン セ リ ン グ 室 の 遮 音 性 が あ ま り 高 く な い の で 、健 康 相 談 内 容 が 室 外 に 聞 こ え る
ことがある。
・ 今 後 、学 生 の 健 康 相 談 数 の 増 加 が 予 想 さ れ る た め 、身 体 的 健 康 相 談 担 当 者 数 を 増 や
す必要がある。
・ハラスメントそのものを未然に防ぐ体制を作ることが今後の課題である。
- 74 -
[改善計画]
・学生が受給しやすい低金利の奨学金の開拓を、市などに働きかける。
・ 生 活 相 談 内 容 の 多 様 化 に 対 応 す る た め に 、定 期 的 に 相 談 員 と チ ュ ー タ ー が 意 見 交 換
会を行う場を設定する。
・ 健 康 生 活 相 談 室 の 施 設 設 備 、特 に 遮 音 性 の 問 題 の 改 善 を 図 る 必 要 が あ る が 、当 面 は
相談内容によって時間帯を調整するなどで、学生のプライバシーを確保する。
・ 健 康 診 断 受 診 の 意 味 や 再 検 査 の 重 要 性 に つ い て 、年 度 は じ め の オ リ エ ン テ ー シ ョ ン
等の機会を通して学生に一層の周知を図る。
・医師である教員を相談員に追加して体制強化を図る。
・ ハ ラ ス メ ン ト の 発 生 を 未 然 に 防 ぐ た め 、教 職 員 お よ び 学 生 向 け に パ ン フ レ ッ ト を 作
成 、配 付 す る と と も に 、キ ャ ン パ ス ・ ハ ラ ス メ ン ト お よ び 人 権 保 護 の 研 修 会 を 開 催 す
る予定である。
- 75 -
基準8−1−4
学習及び学生生活において,人権に配慮する体制の整備に努めていること。
[現状]
学 長 委 嘱 の「 人 権 教 育 推 進 委 員 会 」が 、委 員 長 の 下 に 各 学 部 お よ び 事 務 局 の 教 務 課
か ら 1 名 ず つ 選 出 さ れ た 計 11 名 で 構 成 さ れ て い る 。 さ ら に 、 上 記 委 員 会 メ ン バ ー と
は 別 に 、学 長 委 嘱 の キ ャ ン パ ス ハ ラ ス メ ン ト 相 談 員 5 名 が 委 員 会 の 下 に 構 成 さ れ て い
る 。キ ャ ン パ ス ハ ラ ス メ ン ト 相 談 員 の 氏 名 と 連 絡 先 は 構 内 の 各 棟 に 掲 示 し て あ り 、周
知されている。
[点検・評価]
優れた点
・人 権 に 配 慮 す る こ と は 、大 学 入 試 の AO 入 試 や 指 定 校 入 試 な ど 面 接 を 実 施 す る 際 に 、
き い て は い け な い こ と と し て 、宗 教 、 部 落 、解 放 運 動 、労 働 運 動 か ら 家 族 の こ と な ど
を 含 め て 、面 接 者 に 周 知 徹 底 さ れ て い る 。本 学 で 実 施 し て い る チ ュ ー タ ー 制 の 中 で の
学生生活の指導においても、人権に配慮されている。
・キ ャ ン パ ス ハ ラ ス メ ン ト 、ア カ デ ミ ッ ク ハ ラ ス メ ン ト 、セ ク シ ャ ル ハ ラ ス メ ン ト 等 、
相談員に気軽に相談でき、深刻化する前に問題解決できている。
・ 宮 崎 県 内 で 、「 人 権 に つ い て 考 え る 県 民 の 集 い 」 も 年 に 1 回 行 わ れ て お り 、 全 て の
県 民 が あ ら ゆ る 種 別 の 人 権 問 題 に つ い て 学 び を 深 め 、人 権 に 対 す る 啓 発 の 一 翼 を 担 っ
ている。
(「 人 権 に つ い て 考 え る 県 民 の 集 い 」 平 成 22 年 2 月 2 日
10:00∼ 16:30 JA AZM ホ
ール)
[改善計画]
・ 新 任 の 教 職 員 に 対 し て「 学 生 の 学 習 お よ び 生 活 に お け る 人 権 の 配 慮 」を 就 任 時 に 周
知 徹 底 さ せ る 必 要 が あ る 。ま た 、大 学 関 係 者 が 県 内 で 行 わ れ る「 人 権 に つ い て 考 え る
県 民 の 集 い 」に で き る だ け 多 く 参 加 し て い く よ う に 案 内 し 、人 権 問 題 に 関 す る 知 識 を
得ることが必要であると考える。
- 76 -
基準8−1−5
学習及び学生生活において,個人情報に配慮する体制が整備されていること。
[現 状 ]
2005 年 4 月 1 日 よ り「 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 法 律 」の 施 行 に と も な い 、本 学 に お
い て は 、収 集 し た 個 人 情 報 の 取 り 扱 い に つ い て 、教 育 機 関 と し て 適 切 に 取 り 扱 っ て い
る 。 ま た 、本 学 が 個 人 情 報 に 関 し て 、 学 外 に 委 託 や 提 供 等 を 行 う 場 合 に つ い て も 、 一
定 基 準 を も と に 十 分 な 指 導 や 監 督 を 行 っ て い る 。ま た 本 学 は 、学 生 が 充 実 し た 学 習 や
有 意 義 な 学 生 生 活 を 送 る こ と が で き る よ う に 、教 育 支 援 ・ 生 活 支 援 を 行 っ て お り 、こ
れ ら の 支 援 の た め に 、入 学 願 書 出 願 時 、入 学 時 お よ び 在 籍 中 に 、学 生 に 係 る 個 人 情 報
を 収 集 し 活 用 し て い る 。そ し て 、学 生 に 対 し て は 、個 人 情 報 の 提 供 等 の 中 止 を 求 め る
場 合 に は 、事 前 に 各 担 当 課 で 相 談 す る よ う 指 導 し て い る( 8 -1 -6 -①
学 生 便 覧 P190
個 人 情 報 の 主 な 利 用 目 的 お よ び 個 人 情 報 の 内 容 )。
さ ら に 学 生 が パ ソ コ ン を イ ン タ ー ネ ッ ト に 接 続 す る 際 に は 、 MAC ア ド レ ス に よ る ハ
ー ド ウ ェ ア の 認 証 シ ス テ ム と 学 生 の ID・パ ス ワ ー ド に よ る Web 認 証 シ ス テ ム を 併 用 運
用して不正アクセスの防止を行っている。
[点 検 ・ 評 価 ]
優れた点
・ 学 生 の 個 人 情 報 に つ い て は 、関 連 事 務 と 各 学 生 担 当 の チ ュ ー タ ー に 集 中 管 理 さ れ て
お り 、無 関 係 な 部 署 、教 員 等 の ア ク セ ス が で き な い よ う に な っ て い る こ と か ら 、外 部
に安易に情報が漏泄することはない。
改善を要する点
・ 緊 急 時 、特 に 休 日 等 に お い て は 、逆 に 担 当 者 以 外 が 学 生 の 情 報 が 得 に く い な ど の 問
題 点 が あ る 。ま た 過 去 の 情 報 漏 え い 事 例 の 多 く が 人 的 ミ ス に よ っ て 発 生 し て い る こ と
から、早急に情報セキュリティポリシーの策定が必要である。
・個人情報に配慮する姿勢が欠けている学生が見受けられる。
[改 善 計 画 ]
・ 情 報 セ キ ュ リ テ ィ ポ リ シ ー の 策 定 は 、学 園 全 体 で の 調 整 が 必 要 で あ る 。今 後 関 係 各
部局との連絡を一層密にすることで早急な策定を目指す。
・学生に対する個人情報保護の重要性の啓蒙並びに指導が必要である。
- 77 -
基準8−1−6
身体に障害のある者に対して,受験の機会が確保されるとともに,身体に障害の
ある学生について,施設・設備上及び学習・生活上の支援体制の整備に努めている
こと。
[現状]
入学試験の出願資格に身体の障害に関する項目は設けていないが、申し出に応じ
個 々 に 対 応 し て い る 。主 に 薬 学 部 卒 業 の 必 須 要 件 で あ る 参 加 型 長 期 実 務 実 習 が 可 能 で
あるか、という観点から入学許可を検討することになる。
本 学 は 全 館 が バ リ ア フ リ ー 構 想 に 基 づ き 建 設 さ れ て い る 。例 え ば 各 棟 の 玄 関 前 に は
緩 や か な ス ロ ー プ が あ り 、玄 関 扉 は 自 動 で 開 閉 し 、階 段 手 摺 な ど 随 所 に 点 字 ブ ロ ッ ク
が 設 置 さ れ 、エ レ ベ ー タ ー に は 音 声 ア ナ ウ ン ス が 装 備 さ れ て い る 。障 害 者 用 ト イ レ が
全 て の 健 常 者 用 ト イ レ に 併 設 さ れ 、さ ら に 身 障 者 用 ト イ レ 内 に は 緊 急 呼 び 出 し ボ タ ン
が 設 置 さ れ て い る 。2 階 建 て の 棟 に も エ レ ベ ー タ ー を 設 け 、す べ て の エ レ ベ ー タ ー に
は 車 椅 子 に 着 座 し て 操 作 で き る 位 置 に も ボ タ ン が 配 置 さ れ て い る 。講 義 室 に は 車 椅 子
用 に 足 下 お よ び 前 後 左 右 に 広 い 空 き ス ペ ー ス を 確 保 し た 机 を 設 置 し て い る 。講 義 室 の
出 入 り 口 は わ ず か な 力 で 開 閉 で き る 引 き 戸 と な っ て い る 。た だ し 、現 在 ま で 援 助 を 必
要とする障害を持った学生は入学していない。
・
[点検・評価]
優れた点
・建 物 内 に は 障 害 物・段 差 が ほ と ん ど な く ス ム ー ズ な 移 動 が 可 能 で あ る 。ド ア 、エ レ
ベーター、トイレなど学内のいたる所にバリアフリーの構想が良く表れている。施
設 ・ 設 備 に お い て は 、身 体 に 障 害 の あ る 者 が 学 び の 機 会 を 損 な う こ と の 無 い よ う 、十
分に配慮されているといえる。
改善すべき点
・ 入 学 希 望 者 の 父 兄 よ り 、ノ ー ト テ ィ キ ン グ の 補 助 を 必 要 と す る 者 へ の 対 応 が な さ れ
て い な い 点 を 指 摘 さ れ た 。市 民 の 中 に ノ ー ト テ イ キ ン グ に 対 応 し た ボ ラ ン テ ィ ア 支 援
システムが確立していない。
[改善計画]
・地域におけるボランティア支援システムの確立を図る。
- 78 -
基準8−1−7
学生がその能力及び適性,志望に応じて主体的に進路を選択できるよう,必要な
情報の収集・管理・提供,指導,助言に努めていること。
【観点
【観点
8 -1 -7 -1 】学 生 が そ れ ぞ れ の 目 指 す 進 路 を 選 択 で き る よ う ,適 切 な 相 談 窓
口を設置するなど支援に努めていること。
8 -1 -7 -2 】学 生 が 進 路 選 択 の 参 考 に す る た め の 社 会 活 動 ,ボ ラ ン テ ィ ア 活
動等に関する情報を提供する体制整備に努めていること。
[現状]
本学ではキャリアサポートセンターを設置し、
「自分に何ができるのか」
「何をやり
た い の か 」を 自 分 自 身 で 明 確 に し て 自 己 決 定 で き る 力 を 身 に 付 け る よ う に 、学 生 一 人
ひ と り の ニ ー ズ 、適 性 に 応 じ た き め 細 か な 指 導 支 援 を 行 っ て い る 。キ ャ リ ア サ ポ ー ト
セ ン タ ー で は 、セ ン タ ー 職 員 に 加 え 各 学 部 学 科 キ ャ リ ア サ ポ ー ト 委 員 の 協 力 の も と に 、
またチューターはじめ多くの教員との連携のもとに、以下の業務を行っている。
1)学生との個別面談によるキャリア指導
個 別 面 談 は 進 路 指 導・支 援 の 根 幹 を な し て い る 。多 く の 学 生 が キ ャ リ ア サ ポ ー ト セ
ン タ ー に 来 室 す る よ う 、部 屋 の レ イ ア ウ ト と 職 員 の 対 応 が 配 慮 さ れ て い る 。面 談 に は
セ ン タ ー の 専 任 職 員 3 名 が あ た り 、臨 時 職 員 1 名 が そ の 補 助 を し て い る 。全 学 部 学 科
の 学 生 を 対 象 と す る が 、キ ャ リ ア 意 識 や 就 職 活 動 状 況 な ど の 調 査 を 随 時 行 い 、面 談 の
効 率 化 を 図 っ て い る 。セ ン タ ー 職 員 に 加 え て 、チ ュ ー タ ー も ま た 日 頃 か ら 学 生 に 接 す
ることで、進学・就職の意思決定に大きく関わっている。
2 ) 掲 示 ・ 閲 覧 ・ WEB を 介 し た 就 職 関 連 情 報 の 提 供
3)外部講師による進路ガイダンスの開催
薬 学 部 生 対 象 の 進 路 ガ イ ダ ン ス で は 、特 定 の 企 業 ・ 病 院 を 対 象 と せ ず に 、薬 剤 師 が
関 わ る 様 々 な 職 種 、大 学 院 で の 研 究 活 動 、進 路 ご と の 就 職 ・ 進 学 活 動 の 時 期 と 方 法 な
どを紹介している。
4)採用先などの事業所訪問
本 学 卒 業 生 の 採 用 先 を 中 心 に 、セ ン タ ー 職 員 が 九 州 各 地 お よ び 岡 山・広 島 方 面 の 病
院 、薬 局 、介 護 福 祉 施 設 、一 般 企 業 を 定 期 的 に 訪 問 し て い る 。求 人 の 開 拓 と 情 報 収 集 、
卒 業 生 の 状 況 確 認 な ど が 目 的 と な る 。訪 問 に よ っ て 得 ら れ る 現 場 の 最 新 の 情 報 は 、学
生の面談指導においておおいに活用されている。
5)求人先と学生との面談会の開催
薬 学 部 3 年 生 お よ び 4 年 生 が 参 加 し 現 場 の 薬 剤 師 と 直 に 話 を す る「 薬 剤 師 の 仕 事 説
明 会 」を 実 施 し て い る 。こ れ は 採 用 面 接 で は な く 、キ ャ リ ア 教 育 の 一 環 と し て 位 置 づ
け ら れ 、教 員 も 可 能 な 限 り 参 加 し て 、医 療 現 場 で の 考 え 方 や 大 学 側 へ の ニ ー ズ を 知 る
有用な機会となっている。
6)採用担当者との懇談会への参加
- 79 -
学 園 お よ び 関 連 学 園 の 主 催 す る 就 職 懇 談 会 が 福 岡 、広 島 、大 阪 、東 京 で 各 1 回 ず つ
開 催 さ れ 、各 学 部 の 学 部 長 ・ 学 科 長 と キ ャ リ ア サ ポ ー ト 委 員 が 出 席 し 、採 用 側 と の 情
報 交 換 を 行 っ て い る 。薬 学 部 の 該 当 教 員 も 出 席 し 、病 院 、保 険 薬 局 、ド ラ ッ グ ス ト ア 、
製 薬 企 業 の 大 勢 の 採 用 担 当 者 に 会 い 、就 職 や 医 薬 業 界 の 動 き に 関 す る 最 新 の 情 報 を 入
手している。
こ れ ら の キ ャ リ ア 支 援 活 動 に 基 づ い た「 個 別 指 導 重 視 に よ る キ ャ リ ア 意 識 形 成 に 基
づ く 就 職 支 援 体 制 の 構 築 」 が 平 成 2 1 年 度 「 大 学 教 育 ・ 学 生 支 援 推 進 事 業 」学 生 支 援
推 進 プ ロ グ ラ ム に 採 択 さ れ 、そ の 結 果 、防 音 型 カ ウ ン セ リ ン グ ス ペ ー ス と 求 人 表 デ ー
タ 閲 覧 シ ス テ ム の 導 入 に よ っ て 、プ ラ イ バ シ ー を 尊 重 し た 個 別 キ ャ リ ア 指 導 と 自 宅 か
らの高速な就職情報検索が可能となった。
以 上 の 直 接 的 な 進 路 指 導 ・ 就 職 支 援 と と も に 、薬 学 部 の カ リ キ ュ ラ ム で は 、学 生 の
進 路 選 択 に 関 わ る 科 目 と し て 1 年 次 に 基 礎 科 目 「 キ ャ リ ア 教 育 」( 3 -1 -7 -① 平 成
21 年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス
p.7)お よ び 専 門 教 育 科 目「 早 期 体 験 学 習 」
( 3 -1 -7 -② 平
成 21 年 度 薬 学 部 シ ラ バ ス
p.80) を 設 け 、 入 学 直 後 か ら の キ ャ リ ア 意 識 形 成 を 図 っ
て い る 。キ ャ リ ア 教 育 で は 、例 え ば「 医 療 に 関 わ る ビ ジ ネ ス 構 造 」を と り あ げ る な ど 、
薬剤師の職能と社会との関わりを広く理解させようとしている。
学 生 が 積 極 的 に 社 会 と 関 わ る 機 会 を 提 供 す る こ と は 、進 路 選 択 に お お い に 寄 与 す る
も の で あ る 。本 学 で は 、ボ ラ ン テ ィ ア セ ン タ ー が 延 岡 市 内 の 病 院 ・ 介 護 福 祉 施 設 等 に
お け る ボ ラ ン テ ィ ア の 募 集 を 行 っ て い る 。本 学 QOL 研 究 所 で は 、病 院 ・ 保 険 薬 局 ・ 大
学 間 の 連 携 を 図 る 学 術 集 会 を 定 期 的 に 開 催 し 、学 生 に 案 内 し て い る 。ま た 、実 務 系 教
員が中心となり、薬剤師会の学術集会へ積極的に学生を参加させている。
[点検・評価]
優れた点
・キ ャ リ ア サ ポ ー ト セ ン タ ー お よ び チ ュ ー タ ー 制 に よ る 個 別 面 談 指 導 体 制 が 確 立 さ れ 、
学 生 の 適 性 、個 性 、ニ ー ズ を 考 慮 し た 進 路 相 談 窓 口 と し て い ず れ も 有 効 に 機 能 し て い
る。
・ 学 生 に 就 職 や ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 の 情 報 を 提 供 す る の み な ら ず 、教 職 員 が 進 路 に 関 す
る最新の情報と人脈を得るための機会が設けられている。
改善を要する点
・現 時 点 で は 全 学 年 に 渡 る 進 路 支 援 の 明 確 な ロ ー ド マ ッ プ が 示 さ れ て い な い 。特 に 5 、
6年次での対策を早急に検討する必要がある。
[改善計画]
・ 共 用 試 験 と 実 務 実 習 の 時 期 に 配 慮 し た 6 年 次 ま で の 進 路 指 導・ 就 職 支 援 計 画 を 作 成
す る 。特 に 来 年 度 は 5 年 次 学 生 を 対 象 に 採 用 担 当 者 を 加 え て の 就 職 面 談 会 を 実 施 す る 。
- 80 -
基準8−1−8
学生の意見を教育や学生生活に反映するための体制が整備されていること。
【観点
【観点
8 -1 -8 -1 】在 学 生 及 び 卒 業 生 に 対 し て ,学 習 環 境 の 整 備 等 に 関 す る 意 見 を
聴く機会を設け,その意見を踏まえた改善に努めていること。
8 -1 -8 -2 】学 習 及 び 学 生 生 活 に 関 連 す る 各 種 委 員 会 に お い て は ,学 生 か ら
の直接的な意見を聴く機会を持つことが望ましい。
[現状]
本 学 は チ ュ ー タ ー 制 を と り 、チ ュ ー タ ー と 学 生 と の 日 常 的 な 会 話 や 進 路・成 績 等 に
関 す る 面 談 を 通 し 、随 時 学 生 の 意 見 を 取 り 上 げ て い る 。加 え て 、学 生 が 気 軽 に 教 員 と
話 す 雰 囲 気 が 学 部 全 体 で 醸 成 さ れ 、空 き 時 間 を 用 い 授 業 内 容 へ の 質 問 な ど が 頻 繁 に 行
わ れ て い る 。前 期 ・ 後 期 に 授 業 ア ン ケ ー ト を 実 施 し 、自 由 記 述 に よ り 学 習 環 境 ま で 含
めた意見を収集している。
学 生 か ら の 意 見 に 対 し 、学 習 面 に 関 し て は 薬 学 部 教 務 委 員 会 が 、生 活 面 に 関 し て は
薬 学 部 学 生 委 員 会 が 、必 要 に 応 じ 学 生 を 交 え て 話 し 合 い 検 討 に 当 た っ て い る 。今 ま で
に 、 厚 生 施 設 の 充 実 、自 習 室 の 確 保 と 使 用 な ど 、 学 生 の 視 点 に 基 づ く 学 習 ・ 生 活 環 境
の整備が行われてきた。
卒 業 生 が 実 習 補 助 や 学 会・セ ミ ナ ー 等 、就 職 懇 談 会 等 で 来 学 し た 際 に 意 見 交 換 を 行
うことはあるが、広く卒業生の意見を聴く機会は設けられていない。
[点検・評価]
優れた点
・ 学 生 と の 直 接 対 話 に よ る 意 見 収 集 の 機 会 が 学 部 全 体 と し て 設 け ら れ 、そ れ に 対 応 す
る仕組みが確立されていると考えられる。
・薬 学 部 教 務 委 員 会 と 薬 学 部 学 生 委 員 会 が 学 生 へ の 対 応 に 十 分 に 機 能 し 役 割 を 果 た し
ている。
改善を要する点
・卒業生の意見を聞く機会が十分に確保されているとは言い難い。
[改善計画]
・ 卒 業 生 か ら の 意 見 を 収 集 す る 仕 組 み と し て 活 用 で き る よ う に 、薬 学 部 同 窓 会 を 設 立
し卒業生との連絡体制を整備する。
- 81 -
(8−2)安全・安心への配慮
基準8−2−1
学生が安全かつ安心して学習に専念するための体制が整備されていること。
【観点
【観点
【観点
【観点
8 -2 -1 -1 】 実 習 に 必 要 な 安 全 教 育 の 体 制 が 整 備 さ れ て い る こ と 。
8 -2 -1 -2 】実 務 実 習 に 先 立 ち ,必 要 な 健 康 診 断 ,予 防 接 種 な ど が 実 施 さ れ
ていること。
8 -2 -1 -3 】 各 種 保 険 ( 傷 害 保 険 , 損 害 賠 償 保 険 等 )に 関 す る 情 報 の 収 集 ・
管 理 が 行 わ れ ,学 生 に 対 し て 加 入 の 必 要 性 等 に 関 す る 適 切 な 指
導が行われていること。
8 -2 -1 -4 】事 故 や 災 害 の 発 生 時 や 被 害 防 止 の た め の マ ニ ュ ア ル が 整 備 さ れ ,
講習会などの開催を通じて学生及び教職員へ周知されている
こと。
[現状]
本学では、2 年次後期から 3 年次後期まで、下記の表に示す基礎薬学実習を行って
いる。これらの実習では、学生を 2 つのグループに分けた少人数実習を行っており、
教員による安全に関する配慮が行き届くように留意している。
特 に こ れ ら の 実 習 で は 、酸 塩 基 、有 機 溶 媒 等 の 危 険 な 医 薬 品 や 有 害 微 生 物 等 を 取 り
扱 う た め 、実 習 開 始 前 に 特 別 講 義 を 行 い 、安 全 教 育 を 行 っ て い る 。安 全 教 育 に 際 し て
は 、「 実 習 に 関 す る マ ニ ュ ア ル 」 を 配 布 し 、 安 全 に 留 意 し た 身 だ し な み 、 行 動 、 薬 品
汚 染 時 の 対 応 等 に つ い て も 詳 細 に 記 載 し 注 意 を 行 っ て い る ( 8 -2 -1 -①
実習に関
す る マ ニ ュ ア ル )。 こ の よ う な 安 全 に 関 す る 注 意 は 、 各 実 習 の 当 初 に も 繰 り 返 し 行 っ
て お り 、実 習 開 始 前 に 不 適 切 な 服 装 、身 だ し な み に 関 す る チ ェ ッ ク も 毎 時 行 っ て い る 。
ま た 、実 習 中 の 万 一 の 事 故 に 対 し て は 、学 内 の 健 康 管 理 セ ン タ ー と 常 時 連 絡 を 取 り 、
軽 度 な 火 傷 や 切 り 傷 等 に 関 し て は 対 応 で き る よ う に し て い る 。ま た 、時 間 外 の 事 故 に
関 し て は 、学 外 の 医 療 機 関 と 契 約 し て 、密 接 に 連 絡 を 取 る シ ス テ ム を 取 っ て い る 。そ
の 他 、 消 火 栓 、 防 災 シ ャ ワ ー 、 AED な ど の 設 備 が 実 習 室 近 傍 に あ り 充 実 し て い る 。
年次
実習
2 年次後期
3 年次前期
3 年次後期
4 年次前期
4 年次後期
薬化学実習
生薬学実習
薬剤学実習
実務実習事
実務実習事
分析学実習
生化学実習
薬理学実習
前 学 習 Ⅰ( ベ
前 学 習 Ⅱ( ベ
基礎生化学実習
基礎薬理実習
衛生薬学実習
ッドサイド、 ッドサイド、
病 院 薬 局 、保
病 院 薬 局 、保
険薬局)
険薬局)
4 年 次 よ り 始 ま る 「 実 務 実 習 事 前 学 習 Ⅰ 、 Ⅱ 」 は 「 ベ ッ ド サ イ ド 実 習 」「 病 院 薬 局
実習」
「 調 剤 薬 局 実 習 」の 3 つ に 分 か れ て 少 人 数 で 行 う 。実 習 開 始 前 に 、同 様 な 服 装 、
身 だ し な み 等 の 安 全 教 育 を 行 っ て い る 。ま た 、実 習 内 で AED を 取 り 入 れ た 救 命 活 動 の
実践なども行っており、学生の安全に関する意識を高める為に役立っている。なお、
- 82 -
本 学 で は 、 AED は 実 習 室 や 講 義 室 近 傍 に 多 数 設 置 さ れ て お り 、 学 生 便 覧 中 に 設 置 場 所
が記載してある。
実 務 実 習 参 加 に 当 た っ て は 、実 習 前 に 参 加 学 生 全 員 に 対 し て ツ ベ ル ク リ ン 反 応 検 査
を 受 け る こ と を 指 導 し て い る 。ま た 、受 け 入 れ 先 機 関 と 事 前 に 連 絡 を 取 り 、必 要 と さ
れ る 予 防 接 種 に 関 す る 情 報 を 得 て い る 。水 疱 瘡 、麻 疹( は し か )、流 行 性 耳 下 線 炎( お
た ふ く か ぜ )、 風 疹 な ど に つ い て は 、 受 け 入 れ 先 か ら 必 要 と さ れ る 場 合 に 、 参 加 学 生
に 対 し て 抗 体 検 査 を 行 い 、陽 性 で な い 場 合 は ワ ク チ ン 接 種 を す る こ と を 指 導 し て い る 。
ま た 、学 生 は 毎 年 度 始 め に 健 康 診 断 を 受 診 し て お り 、こ れ ら の 結 果 を ふ ま え て 安 全
に実務実習が行えるように配慮している。
さ ら に 、実 務 実 習 中 の 事 故・災 害 等 に 関 し て は 、実 習 管 理 セ ン タ ー か ら の メ ー リ ン
グリスト配信による情報管理を計画している。
教 育 研 究 活 動 中 の 事 故 や 障 害 等 に 対 処 す る た め に 、本 学 で は 入 学 直 後 に ガ イ ダ ン ス
を 行 い 、「 学 生 教 育 研 究 災 害 傷 害 保 険 」「 学 研 災 付 帯 賠 償 責 任 保 険 」に 必 ず 加 入 す る こ
とを指導している。
事 故 、災 害 時 の 対 応 に 関 し て は 、宮 崎 県 北 部 に「 暴 風 警 報 」と「 大 雨 警 報 」が 同 時
に 発 令 さ れ た 場 合 、あ る い は「 大 雪 警 報 」が 発 令 さ れ た 場 合 に は 休 講 措 置 を 執 る こ と
が 定 め ら れ て お り 、学 生 に は 学 生 便 覧 等 で 周 知 さ せ て い る 。ま た 、自 然 災 害 に よ り 交
通 機 関 が 不 通 に な っ た 場 合 に は 、復 旧 を 待 っ て 登 校 す る こ と を 学 生 便 覧 等 に 指 導 し て
いる。
ま た 、学 生・ 教 職 員 参 加 の 防 災 ・ 防 火 訓 練 を 開 催 す る こ と に よ っ て 、安 全 に 関 す る
意識を高めている。
[点検・評価]
・ 本 学 で は 、天 災 時 の 対 応 に 関 す る マ ニ ュ ア ル は 事 務 部 門 の 対 応 部 分 の み し か 存 在 し
て お ら ず 、教 員 、 学 生 に 対 し て は 存 在 し て い な い 。 ま た 、 台 風 な ど に よ る 休 講 時 の 学
生への連絡方法も学内掲示のみであり充分とは言えない。
・実習前の予防接種、実習中の事故等に対する対応に関しては、6 年制としては来年
度が初めての実務実習となるため、現在計画中の部分が多い。
[改善計画]
・ 天 災 時 の マ ニ ュ ア ル を 作 製 し 、教 員 及 び 学 生 に 対 し て 周 知 さ せ る 。 現 在 、 学 生 の メ
ー リ ン グ リ ス ト シ ス テ ム を 立 ち 上 げ 中 で あ り 、こ れ の 活 用 、あ る い は ホ ー ム ペ ー ジ の
活用等により台風等の天災に対する連絡システムを設置することが必要であろう。
- 83 -
『教員組織・職員組織』
9 教員組織・職員組織
(9−1)教員組織
基準9−1−1
理念と目標に応じて必要な教員が置かれていること。
【観点
【観点
【観点
9 -1 -1 -1 】 大 学 設 置 基 準 に 定 め ら れ て い る 専 任 教 員 ( 実 務 家 教 員 を 含 む )
の数及び構成が恒常的に維持されていること。
9 -1 -1 -2 】教 育 の 水 準 の 向 上 を よ り 一 層 図 る た め に 専 任 教 員 数( 実 務 家 教
員 を 含 む )が 大 学 設 置 基 準 に 定 め ら れ て い る 数 を 大 幅 に 超 え る
よ う 努 め て い る こ と( 例 え ば ,1 名 の 教 員( 助 手 等 を 含 む )に
対 し て 学 生 数 が 1 0 名 以 内 で あ る こ と が 望 ま し い )。
9 -1 -1 -3 】 観 点 9 -1 -1 -2 に お け る 専 任 教 員 は 教 授 , 准 教 授 , 講 師 , 助
教の数と比率が適切に構成されていることが望ましい。
[現状]
本 学 部 薬 学 科 専 任 教 員 ( 6年 制 ) の 平 成 21年 度 在 籍 状 況 は 、 35名 ( 教 授 : 16名 、 準
教 授 : 5名 、 講 師 : 9名 、 助 教 : 5名 ) お よ び 助 手 15名 で あ る 。 設 置 基 準 上 必 要 な 専 任
教 員 数( 21名 )を 大 き く 上 回 っ て い る 。教 授 数 も 設 置 基 準 上 必 要 な 専 任 教 員 数 の 半 数
以上である。
本 学 科 の 平 成 18年 度 の 入 学 定 員 は 200名 で あ り 、 平 成 20年 度 か ら 180名 と な っ て い る 。
平 成 22年 か ら は 140名 の 予 定 で あ る 。 教 員 1 人 当 た り の 学 生 数 は 6名 以 下 ( 5.1) と な
っ て い る 。現 在 6年 制 の 学 生 は 4年 生 ま で の 在 籍( 収 容 定 員:760名 )で あ り 、教 員( 助
手 を 含 む ) 一 人 あ た り の 学 生 数 は 15名 で あ る 。 完 成 年 度 で は 21名 と な る 。
[点検・評価]
・学科としての教員数および教授数も基準を満たしている。
・教授 ,准教 授,講 師,助教 の 数と 比 率お よび 年 齢構 成は 、バ ラ ンス 等 適正 に構 成 さ
れている。
・ 本 学 科 で は 、教 員 の 96% が 薬 剤 師 ま た は 医 師 資 格 を 有 す る こ と お よ び 実 務 経 験 を 有
す る 教 員 を 積 極 的 に 採 用 す る こ と に よ り 、教 育 目 標 に 沿 っ た 薬 剤 師 養 成 を 実 践 で き る
教員組織となっている。
[改善計画]
・今後も必要な教員の確保や適切な配置の維持に努める。
- 84 -
基準9−1−2
専任教員として,次の各号のいずれかに該当し,かつ,その担当する専門分野に
関する教育上の指導能力と高い見識があると認められる者が配置されていること。
(1)専門分野について,教育上及び研究上の優れた実績を有する者
(2)専門分野について,優れた知識・経験及び高度の技術・技能を有す
る者
[現状]
本 学 の 専 任 教 員 は 、九 州 保 健 福 祉 大 学 教 員 選 考 基 準 に よ り 厳 格 な 選 考 が な さ れ 、教
育 研 究 上 の 能 力 が あ る 者 と し て 採 用 さ れ て い る 。現 在 の 専 任 教 員 35 名 全 員 が 学 位( 博
士 : 34 名 、 修 士 : 1 名 ) を 有 し 、 31 名 が 薬 剤 師 免 許 、 1 名 が 医 師 免 許 ( 1 名 ) を 有 す
る 。大 学 病 院 薬 剤 部 等 で 実 務 を 担 当 し て き た 臨 床 系 専 任 教 員 が 11 名 配 置 さ れ 、ま た 、
実務実習事前学習に備え、実務経験を有する臨床系教員(助手)を増員した。
専 任 教 員 の 91 % が 薬 剤 師 ま た は 医 師 資 格 を も っ て い る こ と か ら 、 主 要 科 目 は ほ と
んど全て本学科専任教員を配置している。また、専門に直接関連する化学、生物学、
物 理 学 、数 学 等 の 基 礎 教 科 に つ い て も 学 科 専 任 教 員 を 配 置 し て い る 。本 薬 学 科 は 小 講
座制をとっており、それぞれの講座は基礎系薬学(有機化学、物理化学、分析化学、
生 化 学 、生 薬・天 然 物 化 学 、微 生 物 学 な ど )、臨 床 系 薬 学( 薬 理 学 、薬 剤 学 、製 剤 学 、
薬 物 治 療 学 な ど )、 衛 生 薬 学 系 ( 環 境 科 学 、 衛 生 化 学 、 公 衆 衛 生 学 な ど )、 情 報 学 、 法
学 の 分 野 を 担 当 し 、主 要 教 科 へ の 専 任 教 員 の 適 正 な 配 置 を 設 定 し て い る 。ま た 、各 講
座 共 そ れ ぞ れ の 研 究 課 題 を 設 定 し 研 究 活 動 を 行 い 、国 際 学 術 雑 誌 、国 際 学 会 な ど に 多
くの研究発表を行っている。
[点検・評価]
優れた点
・専任教員として十分な資質を有する者が適正に配置されている。
・ 主 要 教 科 へ の 専 任 教 員 配 置 は 高 度 な 整 合 性 が と れ て お り 、高 い 教 育 効 果 が 期 待 さ れ
る。
・実務を担当してきた臨床系専任教員が多数配置されている。
・研究面からの教員組織の適切性、妥当性も高く評価される。
[改善計画]
・ 教 育 効 果 を 配 慮 し て 、基 礎 教 科 に つ い て も 学 科 専 任 教 員 を 配 置 し て い る が 、こ れ 専
任教員の負担が大きくなっているので改善策を検討したい。
- 85 -
基準9−1−3
理念と目標に応じて専任教員の科目別配置等のバランスが適正であること。
【観点
【観点
【観点
【観点
9 -1 -3 -1 】薬 学 に お け る 教 育 上 主 要 な 科 目 に つ い て ,専 任 の 教 授 又 は 准 教
授が配置されていること。
9 -1 -3 -2 】 教 員 の 授 業 担 当 時 間 数 は , 適 正 な 範 囲 内 で あ る こ と 。
9 -1 -3 -3 】 専 任 教 員 の 年 齢 構 成 に 著 し い 偏 り が な い こ と 。
9 -1 -3 -4 】教 育 上 及 び 研 究 上 の 職 務 を 補 助 す る た め ,必 要 な 資 質 及 び 能 力
を有する補助者が適切に配置されていることが望ましい。
[現状]
専 任 教 員 の 91 % が 薬 剤 師 ま た は 医 師 資 格 を 有 し て い る こ と か ら 、 主 要 科 目 は ほ と
ん ど 全 て 本 学 科 専 任 教 員 を 配 置 し 、専 門 に 直 接 関 連 す る 基 礎 教 科 に つ い て も 学 科 専 任
教 員 を 配 置 し て い る 。教 員 の 平 均 講 義 担 当 時 間 数 は 、教 授 が 9.2コ マ /週 、准 教 授 と 講
師 が 6.8コ マ /週 で あ っ た( 9 -1 -3 -① 薬 学 教 員 授 業 担 当 時 間 数 表 )。全 教 員 の 年 齢
構 成 と し て は 、20歳 か ら 35歳 未 満 が 43% 、35歳 か ら 50歳 未 満 が 39% 、50歳 以 上 が 20%
を 占 め 、 教 員 の 年 齢 構 成 に 著 し い 偏 り は な い と い え る ( 9 -1 -3 -② 薬 学 科 年 齢 別 確
認 表 )。ま た 、薬 学 科 内 に は 実 務 実 習 教 育 を 円 滑 に 行 う た め に 薬 学 部 実 務 実 習 セ ン タ
ー が 設 置 さ れ 、 常 時 2名 の 職 員 が 配 置 さ れ て い る 。
[点検・評価]
優れた点
・ 薬 学 教 育 の 4年 制 か ら 6年 制 へ の 移 行 に 伴 い 、基 礎 教 科 担 当 お よ び 臨 床 系 専 任 教 員 を
補 充 し た こ と に よ り 専 任 教 員 配 置 は 高 度 な 整 合 性 が と れ て お り 、高 い 教 育 効 果 が 期 待
される。
・本 学 科 の 教 育 目 標「 即 戦 力 あ る 臨 床 薬 剤 師 養 成 」を 実 践 で き る よ う 、大 学 病 院 薬 剤
部 等 で 実 務 を 担 当 し て き た 臨 床 系 教 員 が 16名( 教 授 3名 、 准 教 授 3名 、 講 師 3名 、 助 教 2
名 、 助 手 5名 ) 配 置 さ れ て い る 。
・講 師 以 上 の 教 員 の 年 齢 構 成 で は 、30歳 か ら 50歳 ま で の 教 員 が 62% を 占 め て い る の で 、
学習や学科としての取組みなどを含め実効性に富み、特に問題はない。
[改善計画]
・ 専 任 の 教 授 又 は 准 教 授 の 配 置 は 適 正 で 、年 齢 構 成 に お い て も 41 歳 か ら 45 歳 に ピ ー
ク を な す 分 布 と な っ て お り 、専 任 教 員 の 年 齢 構 成 に 問 題 は な い 。し か し な が ら 、情 報
処 理 教 育 、リ メ デ ィ ア ル 教 育 、実 習 等 の 教 育 を よ り 効 果 的 に 行 う た め に 、 今 後 、 文 部
科 学 省 の ス チ ュ ー デ ン ト ア シ ス タ ン ト の 補 助 制 度 を 積 極 的 に 活 用 し 、教 員 の 指 導 の 下
に学生のアルバイトの配置を計画している。
- 86 -
基準9−1−4
教員の採用及び昇任に関し,教員の教育上の指導能力等を適切に評価するための
体制が整備され,機能していること。
【観点
9 - 1 -4 -1 】 教 員 の 採 用 及 び 昇 任 に お い て は , 研 究 業 績 の み に 偏 る こ と 無 く ,
教育上の指導能力等が十分に反映された選考が実施されている
こと。
[現状]
本学はこれからの時代を担う医療福祉の専門技術者を養成するための実学系の大
学 と し て 平 成 11 年 に 開 学 し た 新 し い 大 学 で あ る 。 す べ て の 学 科 で 国 家 試 験 の 受 験 資
格 が 取 得 で き る 編 成 と な っ て い る 。こ の こ と か ら も 学 内 で の 人 材 育 成 に 加 え て 、様 々
な 大 学 、施 設 、病 院 等 か ら 専 門 性 を 有 す る 優 秀 か つ 経 験 豊 か な 人 材 を 採 用 す る こ と で 、
教育・研究面での充実に努めている。
教 員 人 事 は 、「 九 州 保 健 福 祉 大 学 学 則 」 、「 九 州 保 健 福 祉 大 学 教 員 選 考 基 準 施 行 細
則 」 に 従 っ て 、 教 育 ・ 研 究 実 績 、社 会 活 動 お よ び 各 学 部 の 人 員 構 成 並 び に 年 齢 等 を 踏
ま え 、個 人 の 主 観 が 入 ら な い よ う 総 合 的 な 見 地 か ら 選 考 す る こ と を 目 標 に 実 施 し て い
る 。採 用 が 必 要 な 場 合 、全 国 か ら 広 く 優 秀 な 教 員 候 補 者 を 求 め て お り 、場 合 に よ っ て
は公募により教員候補者を決定している。教員候補者の採用は、学科長が事前に総
長 ・ 学 長 ・ 学 部 長 と 調 整 を 行 う 。学 科 長 は 学 部 長 を 通 じ て 教 員 候 補 者 を 学 長 に 、 さ ら
に 学 長 か ら 理 事 長・総 長 に 推 薦 し 、理 事 長・総 長 が 採 用 を 決 定 す る 。教 員 候 補 者 の 資
格審査にあっては、全学審査委員会(学長、副学長、研究科長・学部長で構成)に申
請 書 類 を 提 出 す る 。委 員 長 で あ る 学 長 は 、全 学 審 査 委 員 会 を 開 催 し 教 員 選 考 基 準 に 基
づ き 格 付 け の 協 議 を 行 う 。さ ら に 専 門 分 科 会 で 審 査 を 行 っ た 後 、全 学 審 査 委 員 長 は 総
長 と 協 議 を 行 う 。 そ の 後 に 学 部 専 任 教 授 会 で 承 認 す る 。な お 、 採 用 に あ た っ て は 、 法
人 本 部 と 連 携 を 取 り な が ら 、候 補 者 と 採 用 条 件 に つ い て 交 渉 を 行 い 、よ り 良 い 人 材 の
確 保 に 努 め て い る 。学 内 の 昇 格 は 、法 人 本 部 と 格 付 け 枠 の 協 議 の 後 、教 員 採 用 と 同 様
の 手 続 に よ り 昇 格 を 決 定 す る 。た だ し 、資 格 審 査 の 申 請 に つ い て は 、薬 学 部 で は 基 本
的 に 小 講 座 制 を と っ て い る こ と か ら 、学 部 長・学 科 長( 他 薦 )よ り 申 請 を 受 け 付 け て
いる。
教員採用の格付け審査基準は、学位、教員歴、研究業績、社会(地域)貢献、学会
等 の 役職 、受 賞 歴( 全国 レ ベル )・特許 等、年 齢、文 部科 学 省( 設置 審 議会 )教 員審
査 の 項 目 か ら 必 修 要 件 を 設 定 し 高 い レ ベ ル で の 選 考 を 行 っ て い る 。格 付 け 審 査 は 、上
記 の 選 考 基 準 に 基 づ き 全 学 審 査 委 員 会 お よ び 専 門 分 科 会 、専 任 教 授 会 の 3 段 階 で 行 わ
れ る 。な お 、専 門 分 科 会 で は 、専 門 分 野 の 研 究 業 績 等 の 審 査 の 公 平 性 を よ り 高 め る た
め 、 本 学 園 も し く は 関 連 学 園 の 学 外 者 か ら 当 該 専 門 分 野 の 教 授 を 委 員 と し て 1名 選 出
し 、本 学 教 授 4 名 と 合 わ せ た 計 5 名 で 審 査 を 行 っ て い る 。選 考 基 準 の 研 究 業 績 は 、研
究 論 文の「査 読 」、「単 著・第一著 者 」の有無 の 件数 、著 書・訳書・研 究 報告書・作
品 で の 件 数 な ど に よ り 具 体 的 な 数 値 が 基 準 と し て 示 さ れ て い る 。ま た 、選 考 基 準 項 目
- 87 -
の中で教育活動、学外(地域)貢献、受賞歴(全国レベル)、学内貢献、競争的資金
への申請等の項目等も選考基準の対象としている。
教 員 の 教 育 研 究 活 動 に つ い て の 評 価 方 法 は 、様 々 な 形 で な さ れ て い る 。学 生 ア ン ケ
ー ト に よ る 授 業 評 価 、科 学 研 究 費 等 の 外 部 資 金 や 学 内 共 同 研 究 費 の 獲 得 、ま た 学 会 学
術 雑 誌 、当 大 学 紀 要 へ の 投 稿 状 況 や 当 大 学 に 付 設 さ れ て い る QOL 研 究 機 構 の 研 究 プ ロ
ジェクトへの研究員としての参加の状況等から自然にその評価がなされる体制にあ
る 。そ の ほ か 、同 系 列 大 学 で あ る 吉 備 国 際 大 学 と の 共 同 研 究 発 表 会 の 場 が 持 た れ 、第
三 者 評 価 に よ り 、優 れ た 研 究 及 び 教 育 方 法 は 表 彰 さ れ る な ど 、様 々 な 形 で 多 面 的 に 評
価されている。
9 -1 -4 -① 「 九 州 保 健 福 祉 大 学 教 員 選 考 基 準 施 行 細 則 」
• 教員格付け審査基準と審査手続きに関する申し合わせ
o
新 規 採 用 格 付 基 準 -別 表 1
o
昇 任 人 事 の 格 付 基 準 -別 表 2
o
大 学 院 研 究 科 担 当 教 員 基 準 博 士 課 程 -別 表 3 − 1
o
大 学 院 研 究 科 担 当 教 員 基 準 修 士 課 程 -別 表 3 − 2
o
学 校 法 人 高 梁 学 園 教 員 格 付 け 審 査 の 手 続 及 び 審 査 委 員 会 の 構 成 -別 表 4
o
学 校 法 人 高 梁 学 園 教 員 専 門 分 科 会 ( 大 学 ) -別 表 5
o
教員資格申請書(新採用)
o
教員資格申請書(昇任用)
o
教員資格申請書(大学院担当・昇任を伴う大学院担当用)
[点検・評価]
優れた点
・ 教 員 人 事 は 、「 九 州 保 健 福 祉 大 学 学 則 」 、「 九 州 保 健 福 祉 大 学 教 員 選 考 基 準 施 行 細
則 」 に 従 っ て 、 教 育 ・ 研 究 実 績 、社 会 活 動 お よ び 各 学 部 の 人 員 構 成 並 び に 年 齢 等 を 踏
ま え 、個 人 の 主 観 が 入 ら な い よ う 総 合 的 な 見 地 か ら 選 考 す る こ と を 目 標 に 実 施 さ れ て
いる。
・教員採用の格付け審査基準は、学位、教員歴、研究業績、社会(地域)貢献、学会
等 の 役職 、受 賞 歴( 全国 レ ベル )・特許 等、年 齢、文 部科 学 省( 設置 審 議会 )教 員審
査の項目から必修要件を設定し高いレベルでの選考を行っている。
・ 格 付 け 審 査 は 、上 記 の 選 考 基 準 に 基 づ き 全 学 審 査 委 員 会 お よ び 専 門 分 科 会 、専 任 教
授 会 の 3 段 階 で 行 わ れ る 。な お 、専 門 分 科 会 で は 、専 門 分 野 の 研 究 業 績 等 の 審 査 の 公
平 性 を よ り 高 め る た め 、本 学 園 も し く は 関 連 学 園 の 学 外 者 か ら 当 該 専 門 分 野 の 教 授 を
委員として 1 名選出し、本学教授4名と合わせた計5名で審査を行っている。
- 88 -
改善を要する点
・教員採用は一部公募されているが、基本的には全て公募が望ましい。
・教員の教育における能力評価が、不十分である。
[改善計画]
・ 現 在 、大 学 全 体 で 人 事 評 価 シ ス テ ム の 構 築 が 急 が れ 、昨 年 度 に ト ラ イ ア ル が 終 了 し
本年度から実施されることになっている。
- 89 -
(9−2)教育・研究活動
基準9−2−1
理念の達成の基礎となる教育活動が行われており,医療及び薬学の進歩発展に寄
与していること。
【観点
【観点
【観点
【観点
9 -2 -1 -1 】医 療 及 び 薬 学 の 進 歩 発 展 に 寄 与 す る た め ,時 代 に 即 応 し た カ リ
キ ュ ラ ム 変 更 を 速 や か に 行 う こ と が で き る 体 制 が 整 備 さ れ ,機
能していること。
9 -2 -1 -2 】時 代 に 即 応 し た 医 療 人 教 育 を 押 し 進 め る た め ,教 員 の 資 質 向 上
を図っていること。
9 -2 -1 -3 】教 員 の 資 質 向 上 を 目 指 し ,各 教 員 が ,そ の 担 当 す る 分 野 に つ い
て ,教 育 上 の 経 歴 や 経 験 ,理 論 と 実 務 を 架 橋 す る 薬 学 専 門 教 育
を行うために必要な高度の教育上の指導能力を有することを
示 す 資 料( 教 員 の 最 近 5 年 間 に お け る 教 育 上 又 は 研 究 上 の 業 績
等 )が ,自 己 点 検 及 び 自 己 評 価 結 果 の 公 表 等 を 通 じ て 開 示 さ れ
ていること。
9 -2 -1 -4 】専 任 教 員 に つ い て は ,そ の 専 門 の 知 識 経 験 を 生 か し た 学 外 で の
公的活動や社会的貢献活動も自己点検及び自己評価結果の公
表等を通じて開示されていることが望ましい。
[現状]
カ リ キ ュ ラ ム 変 更 に 関 し て は 、薬 学 部 教 務 委 員 会 が 適 時 見 直 し を 図 っ て お り 、2006
年 度 に 大 幅 改 定 し た カ リ キ ュ ラ ム に つ い て 、2008 年 度 に さ ら に 見 直 し を 図 り カ リ キ
ュラム改訂を行った。
教 員 の 資 質 向 上 の た め に 、薬 学 教 育 者 ワ ー ク シ ョ ッ プ に 毎 回 教 員 を 派 遣 し て い る 。
ま た 、 教 員 相 互 で の 授 業 参 観 や FD 研 修 会 へ の 出 席 等 に よ り FD を 行 っ て い る 。
また、教育。研究上の業績に関しては、学内で業績集を発行するとともに、ホー
ムページ上にて教員プロフィールとして公表している。
学外での公的活動や社会的貢献活動も積極的に行っている(表1)
表1
学外での公的活動や社会的貢献活動一覧
名称
件数
公開講座等
1
各種委員・委嘱等
20
講師派遣(講演会・研究会)
21
ボランティア関係(災害・生活支援・イベント等)
3
産学官・高大連携関係
8
その他(地域貢献に関する事項について)
7
[点検・評価]
・カリキュラムの見直しおよび改定を行っている点は評価できる。
・ 本 学 教 員 は FD に 熱 心 で あ る 点 も 評 価 で き る 。
- 90 -
・業績については、研究上の業績はホームページに記載されているが、教育上業績
に関する記載は不十分である。
[改善計画]
・業績等について公開するために、ホームページの充実を図る。
- 91 -
基準9−2−2
教 育 の 目 的 を 達 成 す る た め の 基 礎 と な る 研 究 活 動 が 行 わ れ ,医 療 及 び 薬 学 の 進 歩
発展に寄与していること。
【観点
【観点
9 -2 -2 -1 】教 員 の 研 究 活 動 が ,最 近 5 年 間 に お け る 研 究 上 の 業 績 等 で 示 さ
れていること。
9 -2 -2 -2 】最 新 の 研 究 活 動 が 担 当 す る 教 育 内 容 に 反 映 さ れ て い る こ と が 望
ましい。
[現状]
薬 学 は 、生 命 科 学 を 基 盤 に ヒ ト を 対 象 と す る 生 命 現 象 を 考 察 し 、ま た 広 く 生 体 と 物
質 と の か か わ り を 明 ら か に す る 研 究 領 域 を 含 む 。そ こ で 得 ら れ た 知 識 や 発 見 に 基 づ い
て 、ヒ ト の 生 命 と 健 康 を 守 り 、福 祉 に 貢 献 す る こ と を 目 的 と す る 。一 方 、薬 学 部 は 人 々
の 健 康 を 増 進 、維 持 し 、ヒ ト と 環 境 の 調 和 ・ 保 全 を は か る 薬 剤 師 を 養 成 す る 教 育 機 関
で も あ る 。す な わ ち 、薬 学 部 薬 学 科 に は 、薬 剤 師 の 教 育 と 薬 学 研 究 と い う 二 つ の 重 要
な 役 割 が あ る 。こ の バ ラ ン ス の 取 り 方 は さ ま ざ ま で あ る が 、本 学 科 の 基 本 方 針 と し て 、
教育のみならず研究にも同等の活力を注いでいる。本学科は小講座制をとっており、
それぞれの講座は基礎系薬学(有機化学、物理化学、分析化学、生化学、生薬・天然
物化学、微生物学)、臨床系薬学(薬理学、薬剤学、製剤学、薬物治療学)、衛生薬
学系(衛生化学、公衆衛生学)、感染症治療学、東洋医薬学、情報学、法学の分野を
担 当 し 、そ れ ぞ れ の 研 究 課 題 を 設 定 し て い る 。こ の よ う に 広 範 囲 に わ た る 領 域 に お い
て 研 究 活 動 を 行 っ て い る の で 、薬 学 科 全 体 と し て 見 れ ば 研 究 テ ー マ は 多 岐 に 及 ぶ 。し
かしながら、いずれの研究テーマも「薬物、毒物、環境、薬学制度・法令、薬学情報
に 関 す る 課 題 を 扱 い 、健 康 や 福 祉 に 貢 献 す る こ と を 目 的 と し た 研 究 」と い う 薬 学 科 共
通 の 理 念 の 基 に 行 わ れ て い る 。 研 究 テ ー マ は 60 件 に 及 び 、 薬 学 ・ 医 学 系 に 集 中 し て
い る 傾 向 は あ る が 、そ の 応 用 範 囲 は 広 く 過 去 、 現 在 、 未 来 に わ た り 、 学 内 に お け る 他
学 部 と の 連 携 は も と よ り 産 官 学 連 携 へ と 展 開 さ れ て い る 。本 学 科 で は 毎 年 年 度 別 に 学
術 論 文 、学 会 発 表 等 を ま と め た 業 績 集 を 作 成 す る と と も に 、大 学 研 究 紀 要 に も 毎 年 業
績 を 掲 載 し て い る ( 9 -2 -2 -① 九 州 保 健 福 祉 大 学 薬 学 部 研 究 業 績 集 ) 。 著 書 の 5 年
間 の 総 数 は 501 編 で あ り 、国 際 ・ 国 内 学 会 の 発 表 数 は 年 平 均 約 155 編 を 数 え る 。論 文
は 年 平 均 約 77 編 が 公 表 さ れ て い る 。 論 文 で は 、 査 読 の あ る 論 文 が 全 体 の 90% 以 上 で
あ る 。こ れ は 各 年 に 分 け て み て も 同 様 で 、薬 学 部 教 員 は 査 読 の あ る 論 文 で 成 果 を 報 告
し、毎年安定した論文業績を出している。
[点検・評価]
薬 学 部 教 員 の 研 究 活 動 を 論 文 、著 書 、学 会 発 表 で 検 討 し た と こ ろ 、多 少 の 変 動 は あ
る が 、毎 年 安 定 的 に 遜 色 の な い 業 績 を 公 表 し て い る こ と が わ か る 。他 大 学 の 薬 学 部 と
同 様 、研 究 成 果 の 公 表 の 中 心 は 論 文 と 学 会 発 表 で あ る 。多 く の 論 文 は 査 読 の あ る 欧 文
- 92 -
であり、研究成果は厳密な審査を受け評価されたものが、国際的に公表されている。
薬 学 部 で は 教 員 の 研 究 の 活 性 度 を 把 握 ・ 点 検 す る た め に「 薬 学 部 教 職 員 業 績 集 」を 平
成 15年 度 よ り 毎 年 発 行 し て い る 。こ の 業 績 集 は 全 教 員 の 研 究 活 動 、研 究 費 や 特 許 の 取
得状況などもまとめられており、各教員の研究活動を客観的に評価するのに役立つ。
こ の 業 績 集 を 通 じ て 全 教 員 の 1年 間 の 研 究 成 果 が 公 開 さ れ る た め 、 教 員 間 で の 切 磋 琢
磨 が 当 然 と な り 、研 究 活 動 を な お ざ り に は で き な い 状 況 に な る 。業 績 集 は 21年 度 の 発
刊 で 7年 目 と な り 、 十 分 に 機 能 す る 検 証 シ ス テ ム の 一 つ と し て 評 価 で き る で あ ろ う 。
研 究 の 連 携 に つ い て み る と 、薬 学 部 教 員 は 積 極 的 に 共 同 研 究 を 学 外 の 研 究 者 と 行 っ て
い る 。 共 同 研 究 は 主 に 国 内 の 大 学 ・ 研 究 所 ・ 病 院 の 研 究 者 と 行 っ て い る が 、中 に は 海
外 の 研 究 者 と の 共 同 研 究 も あ り 、論 文 や 学 会 で の 発 表 数 の 結 果 と 同 様 に 、国 際 的 に 活
発 に 活 動 し て い る こ と を あ ら わ す も の で あ る 。ま た 、平 成 16年 度 か ら は QOL研 究 機 構 ・
薬 学 研 究 所 で の 学 内 共 同 研 究 が 行 わ れ 、こ れ ら の 成 果 は 毎 年 年 度 ご と に 研 究 報 告 書 が
刊 行 さ れ 公 表 さ れ て い る 。平 成 17∼ 19年 度 に は 文 部 科 学 省 の 都 市 エ リ ア 産 学 官 連 携 基
盤 研 究 に 、平 成 20年 度 か ら は 都 市 エ リ ア 産 学 官 連 携 一 般 型 に 採 択 さ れ 地 域 と 連 携 し た
研 究 を 行 っ て い る 。こ れ ら の 地 域 に 密 着 し た 共 同 研 究 は 、多 少 な り と も 地 域 の 活 性 化
に役立っているものと考えている。
改善を要する点
・ 本 学 部 に は 大 学 院 薬 学 研 究 科 が 設 立 さ れ て い な い の で 、研 究 の 働 き 手 と い え る 大 学
院生がいない。
[改善計画]
・ 薬 学 部 教 員 間 で は 協 力 し あ う 体 制 が で き て お り 、こ う し た 長 所 を 有 効 に 利 用 す る こ
と が 、今 後 の さ ら な る 発 展 に 必 要 で あ ろ う 。薬 学 部 は 小 講 座 制 を と っ て い る が 、講 座
内 に お け る 個 人 の 研 究 に つ い て も 、講 座 間 の 研 究 協 力 と 同 様 の こ と が 言 え る 。さ ま ざ
ま な 研 究 キ ャ リ ア を も っ た 教 員 が 集 合 し て い る た め 、同 一 講 座 内 で も 研 究 分 野 が 複 数
存在する場合がある。講座内でも各教員がこれまで築いてきた研究をお互い尊重し、
ポジティブな協力により研究を広く展開することが望ましい。
・ 現 状 で は 講 座 内 で の 個 人 研 究 に 大 き な 問 題 は 発 生 し て い な い が 、今 後 も こ の 姿 勢 を
維 持 し な け れ ば な ら な い 6 年 制 薬 学 部 で は 実 務 実 習 期 間 が 長 く 、本 学 の カ リ キ ュ ラ ム
においては講座配属が実質 6 ヶ月となり他大学と比較して短くなっている。
・現在、今後の研究活動を充実させてゆくために大学院の設置を計画している。
- 93 -
基準9−2−3
教 育 活 動 及 び 研 究 活 動 を 行 う た め の 環 境( 設 備 ,人 員 ,資 金 等 )が 整 備 さ れ て い
ること。
[現状]
教 育・研 究 の た め の 設 備 は 、薬 学 部 教 育 研 究 棟( 6 階 建 、4 号 棟 )、薬 学 専 用 講 義
実 習 等 ( 3 階 建 、 7 号 棟 )、 講 義 棟 ( 2 階 建 、 5 号 棟 ) お よ び 薬 用 植 物 園 か ら 成 る 。
実習室には、臨床薬学実習専用のベッドサイド実習室、模擬薬局、模擬調剤薬局も
整備されている。また、学生が自習できる演習室もある。4号棟には、講座研究室
と 機 器 室 が あ り 、 主 な 研 究 機 器 は 、 LC/MS/MS, GC/MS, NMR, AFM, 原 子 吸 光 光 度 計 、
マ ル チ キ ャ ピ ラ リ ー DNA 解 析 シ ス テ ム 、 蛍 光 顕 微 鏡 ル ミ ノ イ メ ー ジ ア ナ ラ イ ザ ー な
どである。教育研究のための人員は基準9−1に示してある。教育のための資金と
しては、学生生徒等納付金収入に加え、外部からの競争的補助金を獲得している。
研究資金も学園本部からの他、科研費や産学官共同研究費などの外部資金を獲得し
ている。
[点検・評価]
優れた点
・現状の設備は、薬学の教育研究を実施するために十分に整備されており、満足す
べき状態である。資金も学納金収入の他に、外部獲得資金として、薬学教育のため
の 「 医 療 人 GP」 で 高 額 補 助 金 ( 7500 万 ) を 獲 得 し て お り 、 ま た 、 研 究 資 金 で も 科
研 費 や 産 学 官 共 同 研 究 費 ( 4 億 5000 万 ) の 獲 得 が あ り 、 満 足 す べ き 状 態 で あ る 。
[改善計画]
・将来的には大学院の設置を考え、それに向けて検討する。また、教育研究や施設
設備の充実のため、外部獲得資金の増収を計る。
- 94 -
基準9−2−4
専任教員は,時代に適応した教育及び研究能力の維持・向上に努めていること。
【観点
9 -2 -4 -1 】実 務 家 教 員 に つ い て は ,そ の 専 門 の 知 識 経 験 を 生 か し た 医 療 機
関・薬 局 に お け る 研 修 な ど を 通 し て 常 に 新 し い 医 療 へ 対 応 す る
ために自己研鑽をしていること。
[現状]
薬 剤 師 に は 、抗 が ん 剤 を は じ め 新 た な 薬 の 情 報 収 集 、薬 物 療 法 に お け る 幅 広 い 知 識
や 、薬 に か ら む 医 療 事 故 の 防 止 な ど 、医 療 現 場 で 求 め ら れ る 役 割 が 重 み を 増 し て い る 。
大 学 の 薬 学 教 育 は 、質 の 高 い 薬 剤 師 を 養 成 す る た め 、現 行 の 4 年 か ら 6 年 に 延 長 さ れ
た 。そ こ で 、大 学 で は 、こ れ に 応 え ら れ る よ う 臨 床 教 育 を 充 実 さ せ 、継 続 さ せ る 必 要
が あ る。また 、厚 生 労働 省・文 部科 学 省は 、夜 間 大学 院や 公 開講 座、通信 講 座な どを
通じて、大学が薬剤師の生涯学習を支援することなども求めている。
学 園 の「 学 生 一 人 ひ と り の も つ 能 力 を 最 大 限 に 引 き 出 し 引 き 伸 ば し 、社 会 に 有 為 な
人 材 を 養 成 す る 」 と い う 建 学 の 理 念 の も と 、薬 学 部 で は 、「 患 者 さ ん を 中 心 と し た 医
療 」を 実 践 す る た め に 医 療 薬 学 に 重 点 を お い た 教 育 を 行 っ て お り 、高 い 専 門 知 識 と コ
ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 授 け 、生 涯 に わ た っ て 最 先 端 医 療 に 対 応 で き る よ う 努 力 す る
薬剤師の養成を目標としている。
こ の 目 標 を 達 成 す る た め 、臨 床 系 の 教 員 に は 、医 療 現 場 に お い て 患 者 の ニ ー ズ の 変
化 、日 進 月 歩 の 医 療 の 進 歩 に 触 れ 、薬 剤 師 の 技 能 を 向 上 ・ 継 続 さ せ る た め の 研 修 が 必
要 で あ る 。そ の た め に は 、臨 床 系 の 教 員 、特 に 薬 剤 師 経 験 の 浅 い 教 員 に は 医 療 現 場 に
おける実務経験を積ませることが必要である。そこで、各臨床系講座の若手教員は、
週に 1 日病院薬局又は調剤薬局において研修を行っている。
[点検・評価]
優れた点
・臨 床 薬 学 第 一 講 座 で は 、助 手 1 名 が 保 険 薬 局 に お い て 、臨 床 製 剤 学 講 座 で は 、助 手
1 名が病院において、研修を行っている。
・それぞれの研修先で学んだことを他のスタッフに、情報提供を行っている。
[改善計画]
・他の教員に対しても研修の機会を設けることを検討する。
- 95 -
(9−3)職員組織
基準9−3−1
教育活動及び研究活動の実施を支援するための事務体制を有していること。
【観点
【観点
9 -3 -1 -1 】学 部 ・ 学 科 の 設 置 形 態 及 び 規 模 に 応 じ て ,職 員 配 置 を 含 む 管 理
運営体制が適切であること。
9 -3 -1 -2 】実 務 実 習 の 実 施 を 支 援 す る 事 務 体 制・ 組 織 が 整 備 さ れ ,職 員 が
適切に配置されていることが望ましい。
[現状]
教 育 活 動 を 支 援 す る 事 務 体 制 と し て 、ス チ ュ ー デ ン ト サ ポ ー ト セ ン タ ー 、キ ャ リ ア
サ ポ ー ト セ ン タ ー 、ラ ー ニ ン グ サ ポ ー ト セ ン タ ー 、附 属 図 書 館 、健 康 管 理 セ ン タ ー な
ど が あ る 。ス チ ュ ー デ ン ト サ ポ ー ト セ ン タ ー の 中 に 、教 務 担 当 部 長 、学 生 担 当 部 長 が
おかれている。これらの組織は全学部に対して学部横断的に設置されている。
さ ら に 、き め 細 か い 学 生 指 導 の た め に 、薬 学 部 内 に 実 務 実 習 セ ン タ ー を 設 置 し 、専
任 職 員 を 配 置 し て 、 病 院 実 習 お よ び 薬 局 実 習 の 支 援 を し て い る ( 9 -3 -1 -①
便覧
組織図
学生
p4)。
教 育 研 究 を 支 援 す る 事 務 体 制 と し て 、学 外 連 携 推 進 室 が 外 部 研 究 資 金 の 獲 得 や 、産
学 官 共 同 研 究 を 支 援 し て い る 。ま た 、教 育 開 発 ・ 研 究 推 進 中 核 セ ン タ ー も 置 か れ て い
る。
[点検・評価]
優れた点
・ 教 務 部 と 学 生 部 を 統 合 し た ス チ ュ ー デ ン ト サ ポ ー ト セ ン タ ー は 、学 生 サ ー ビ ス を 一
元化する組織であり、評価できる。
・ 教 員 に 対 す る FD 研 修 も 定 期 的 に 実 施 さ れ て お り 、 評 価 で き る 。 ま た 、 教 育 開 発 ・
研 究 推 進 中 核 セ ン タ ー に よ り 、大 学 の 研 究 活 動 も 活 発 に 行 わ れ 、外 部 資 金 も 獲 得 で き 、
評 価 で き る 。外 部 獲 得 資 金 は 事 務 局 で 管 理 さ れ 、適 正 に 使 用 さ れ て お り 、評 価 で き る 。
・ 学 科 内 に 実 務 実 習 セ ン タ ー が 設 置 さ れ 、専 任 職 員 を 置 き 、実 務 実 習 中 の 学 生 と の 連
絡等を完備していることは評価できる。
[改善計画]
・ ス チ ュ ー デ ン ト サ ポ ー ト セ ン タ ー の 目 的 は 学 生 サ ー ビ ス で あ り 、そ の た め 常 に 学 生
の満足度を高める努力が求められる。
・職 員 に 対 す る 人 事 評 価 制 度 に よ り 、職 員 各 自 が 向 上 し て い く よ う に 努 め る 。FD 研 修
も法人本部と連携して検討していかなければならない。
- 96 -
(9−4)教育の評価/教職員の研修
基準9−4−1
教 育 の 状 況 に 関 す る 点 検・評 価 及 び そ の 結 果 に 基 づ い た 改 善・向 上 を 図 る た め の
体制が整備され,機能していること。
【観点
【観点
【観点
9 -4 -1 -1 】教 育 内 容 及 び 方 法 ,教 育 の 成 果 等 の 状 況 に つ い て ,代 表 性 が あ
る デ ー タ や 根 拠 資 料 を 基 に し た 自 己 点 検・自 己 評 価( 現 状 や 問
題 点 の 把 握 )が 行 わ れ ,そ の 結 果 に 基 づ い た 改 善 に 努 め て い る
こと。
9 -4 -1 -2 】授 業 評 価 や 満 足 度 評 価 ,学 習 環 境 評 価 な ど の 学 生 の 意 見 聴 取 が
行 わ れ ,学 生 に よ る 評 価 結 果 が 教 育 の 状 況 に 関 す る 自 己 点 検 ・
自 己 評 価 に 反 映 さ れ る な ど ,学 生 が 自 己 点 検 に 適 切 に 関 与 し て
いること。
9 -4 -1 -3 】教 員 が ,評 価 結 果 に 基 づ い て ,授 業 内 容 ,教 材 及 び 教 授 技 術 な
どの継続的改善に努めていること。
[現状]
薬 学 部 の 使 命 は 、有 能 な 薬 剤 師 を 養 成 す る こ と に よ り 国 民 の 健 康 を 守 る こ と 、ま た
最先端の研究ができる人材を養成することにより工業立国としての繁栄に寄与する
こ と で あ ろ う 。本 学 は 、新 設 大 学 で あ り 6 年 制 学 生 が 卒 業 す る 平 成 24年 に 大 学 院 博 士
課 程 を 設 置 予 定 で あ る 。従 っ て 本 学 学 部 教 育 は 、現 時 点 に お い て 、前 者 の 有 能 な 薬 剤
師 養 成 に 主 眼 を 置 く も の で あ る 。薬 剤 師 を 目 指 す 薬 学 科 で あ れ ば 、薬 剤 師 国 家 試 験 を
受 験 さ せ 合 格 さ せ る こ と が 求 め ら れ る 。そ し て 薬 剤 師 国 家 試 験 は 、薬 剤 師 法 の 規 定 に
基 づ い て 厚 生 労 働 大 臣 が 、薬 剤 師 と し て 必 要 な 知 識 及 び 技 能 を 身 に つ け て い る か 否 か
に つ い て 問 う も の で あ る 。従 っ て 、学 内 で 作 成 さ れ た 模 擬 試 験 そ し て 国 家 試 験 の 結 果
は 、学 科 の 教 育 内 容 及 び 方 法 ,教 育 の 成 果 等 の 状 況 に つ い て 適 正 に 判 断 で き る 代 表 性
あるデータであると考えている。
本 学 で は 高 学 年 で の 薬 学 教 育 集 大 成 の 学 力 確 認 と し て 、自 分 た ち で 試 験 問 題 を 作 成
し 模 擬 試 験 を 頻 繁 に 実 施 し て い る 。こ の 問 題 作 成 に お い て は 、試 験 対 策 委 員 会 か ら 試
験 毎 に 詳 細 な 問 題 レ ベ ル の 指 示 が 出 さ れ 、教 員 は そ の 基 準 に 合 致 し た 作 問 が 要 求 さ れ
る 。そ の 作 問 の 中 で 教 員 は 、出 題 分 野 ご と に 集 ま り 必 ず ミ ー テ ィ ン グ を 開 い て 各 自 作
成した問題が基準に合致したものであるのか適否を検討する仕組みが構築されてい
る 。 こ の 取 り 組 み は 、学 部 教 員 の 資 質 向 上 に 大 き な 力 と な っ て い る 。 さ ら に 、定 期 的
に 実 施 さ れ る 模 擬 試 験 に お い て は 、同 じ 教 科 の 中 で も 個 々 の 教 員 の 担 当 領 域 毎 に 成 績
が 開 示 さ れ 、個 々 の 教 員 が 担 当 す る 領 域 の 教 育 目 標 が 達 成 さ れ て い る の か 否 か 明 確 に
な る よ う 徹 底 し て い る 。各 教 員 は 、開 示 さ れ た 成 績 に 基 づ い て 講 義 内 容 の 改 善 を 行 う
ことができる。
本 学 で は 、全 教 員 が 自 分 の 担 当 す る 教 科 の 講 義 概 要 に 加 え て シ ラ バ ス を 学 生 に 提 示
す る シ ス テ ム が 整 っ て い る 。従 っ て 、学 生 は シ ラ バ ス に 明 記 さ れ た 学 習 目 標 が 達 成 さ
れ た と 考 え る か 否 か を 含 め て 講 義 ア ン ケ ー ト に 答 え て い る 。学 生 ア ン ケ ー ト の 結 果 は 、
- 97 -
教 科 ご と に 集 計 し 担 当 教 員 に 結 果 を 知 ら せ て い る 。従 っ て 、教 員 は 学 生 ア ン ケ ー ト の
結 果 か ら も 、自 分 の 講 義 に フ ィ ー ド バ ッ ク を か け る こ と が 可 能 と な っ て い る( 9 -4 1 -①
授業アンケート結果集計表)。
こ れ か ら の 薬 剤 師 業 務 が 劇 的 に 変 化 す る 中 、有 能 な 薬 剤 師 を 養 成 す る た め の「 教 育
状 況 に 関 す る 点 検 ・ 評 価 シ ス テ ム 」が 有 効 に 機 能 し 、結 果 と し て 高 い 国 家 試 験 合 格 率
に 結 び つ い て い る 。 第 92 回 薬 剤 師 国 家 試 験 合 格 率 全 国 48 校 中 第 1 位 、 第 93 回 は 56
校 中 5 位 、そ し て 第 94 回 で は 61 校 中 第 3 位 と 、3 年 連 続 で 90% を 超 え る 総 合 合 格 率
は 全 国 で 本 学 の み で あ る 。さ ら に 第 92 回 と 第 94 回 は 、新 卒 合 格 率 97% で 日 本 一 と な
っ て い る 。 ち な み に 、 第 92 回 国 家 試 験 を 受 験 し た 1 期 生 は 、 入 学 者 147 名 の 内 、 留
年 無 し で 120 名 が 卒 業 し て 国 家 試 験 を 受 験 、合 格 者 は 117 名( 入 学 者 の 80% )に 達 し
ている。
以 上 の こ と か ら 、 教 員 が , 適 正 な 学 生 の 学 力 評 価 結 果 に 基 づ い て ,授 業 内 容 ,教 材
及 び 教 授 技 術 な ど の 継 続 的 改 善 に 努 め る こ と が で き る シ ス テ ム が 完 備 し 、機 能 し て い
るからこそ、上記の成績を収めることができたと考えている。
[点検・評価]
優れた点
・ 教 員 が 担 当 す る 領 域 に お い て 、学 生 の 学 力 が 目 標 に 達 し て い る か 否 か 明 確 に 判 断 す
る統一された評価システムが構築されている。
・ 個 々 の 教 員 の 教 育 法 へ の フ ィ ー ド バ ッ ク に 、他 の 教 員 か ら の 意 見 を 取 り 込 む こ と を
可能とするシステムが構築されている。
・国家 試 験の 成 績は 、教 員 が、適正 な 学生 の学 力 評価 結果 に 基づ いて 、授 業 内容 、教
材 及 び 教 授 技 術 な ど の 継 続 的 改 善 に 努 め る こ と が で き る シ ス テ ム が 完 備 し 、機 能 し て
いることを示しており、高く評価される。
改善を要する点
・ 学 力 に お い て は 、評 価 シ ス テ ム が 構 築 さ れ て い る が 、薬 剤 師 と し て の 倫 理 観 や 使 命
感をどのように測るのか考えて行く必要がある。
・ 薬 剤 師 と し て 望 ま し い 態 度 に つ い て も 評 価 シ ス テ ム が 無 く 、教 育 方 法 の 改 善 に 取 り
組む環境では無い。
・ 学 生 ア ン ケ ー ト の 結 果 が 教 員 個 人 に 対 し て は 公 表 さ れ て い る が 、学 生 及 び 他 の 教 員
に公表していない。
[改善計画]
・現 在 、薬 剤 師 と し て の 倫 理 観 や 望 ま し い 態 度 等 を 評 価 す る 基 本 的 な 方 法 論 に つ い て
議論を開始している。
・学生アンケートの開示を計画中である。
- 98 -
基準9−4−2
教 職 員 に 対 す る 研 修( フ ァ カ ル テ ィ・デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト 等 )及 び そ の 資 質 の 向
上を図るための取組が適切に行われていること。
[現状]
本 学 は 、 教 育 開 発 ・ 研 究 推 進 中 核 セ ン タ ー 教 育 開 発 部 門 の 下 で 、 全 学 的 に FD へ
の 取 り 組 み が な さ れ て い る 。本 年 も「 平 成 21 年 度 九 州 保 健 福 祉 大 学 FD 研 修 会 」が
実 施 さ れ 、 テ ー マ を 「 学 生 の 基 礎 学 力 育 成 か ら 専 門 教 育 へ 」 と し 、 各 学 部 よ り FD
の事例発表があり、続いてパネルディスカッションが行われている。
薬 学 部 で は FD 活 動 と し て 日 本 薬 学 会 が 主 催 す る 全 国 薬 学 教 育 者 ワ ー ク シ ョ ッ プ
に学部教員を逐次派遣しており、薬学教育における理想的な教育目標、教育指導方
法について学んでいる。薬学教育における全国薬学教育者ワークショップは、薬剤
師教育におけるスタンダードとなるべきものと位置づけられており、本学でも既に
ワ ー ク シ ョ ッ プ 開 催 、タ ス ク フ ォ ー ス の 養 成 を 担 当 す る な ど 積 極 的 に 取 組 ん で い る 。
現 在 、全 国 薬 学 教 育 者 ワ ー ク シ ョ ッ プ に 参 加 で き た 教 員 は 90% を 超 え て お り 、教 員
間で問題点の共有や解決法についてワークショップに基づいた活発な意見が交わさ
れるようになっている。したがって、ワークショップを基本した本学薬学教育にお
ける理想的な教育目標、教育指導方法確立について統一化が進行しており、適切な
FD 活 動 に 組 織 的 に 取 組 ん で い る 。
また、毎年3月に高梁カンファレンスが開催され、教育・研究上の教員の取り組
みについて発表する機会を設けている。
学部の取り組みとしては、教員による他の教員の授業参観を奨励している。教員
は短時間であっても、他の教員の講義の進め方や講義を受ける学生の反応を観察す
る こ と に よ っ て 、そ の 講 義 テ ク ニ ッ ク 等 を 自 分 の 授 業 に 反 映 で き る 体 制 と し て い る 。
また、学生による授業アンケートを学期末に全科目で実施している。解析されたア
ンケート結果は各教員に戻され、より優れた講義づくりの参考となるよう配慮して
いる。
本学では高学年での薬学教育集大成の学力確認として、自分たちで試験問題を作
成し模擬国家試験を頻繁に実施している。この問題作成においては、試験対策委員
会から試験毎に詳細な問題レベルの指示が出され、教員はその基準に合致した作問
が要求される。その作問の中で教員は、出題分野ごとに集まり必ずミーティングを
開いて各自作成した問題が基準に合致したものであるのか適否を検討する仕組みが
構築されている。この取り組みは、学部教員の資質向上に大きな力となっている。
- 99 -
[点検・評価]
優れた点
・ 全 学 的 に FD へ の 取 り 組 み が な さ れ て い る 。
・学部として独自に、日本薬学会が主催する全国薬学教育者ワークショップに教員
を逐次派遣しており、薬学教育における理想的な教育目標、教育指導方法について
学んでいる。
・教員による他の教員の授業参観を奨励している。教員は、他の教員の講義の進め
方や講義を受ける学生の反応を観察することによって、その講義テクニック等を自
分の授業に反映できる体制としている。
・学生による授業アンケートを学期末に全科目で実施している。解析されたアンケ
ー ト 結 果 は 各 教 員 に 戻 さ れ 、よ り 優 れ た 講 義 づ く り の 参 考 と な る よ う 配 慮 し て い る 。
・試験対策委員会からの詳細な問題レベルの指示作問が要求される。その作問の中
で教員は、出題分野ごとに集まり必ずミーティングを開いて各自作成した問題が基
準に合致したものであるのか適否を検討する仕組みが構築されている。
改善を要する点
・教員は、学部の理念や目標を充分理解できていると考えているが、その理念や目
標をどのように各自の授業や実習に反映させていくのか、組織としての取り組みが
求められる。
・教授法の多様性を認めた上で、知識の偏重にならないよう、薬剤師の倫理観及び
使命感等を全教員で高めていく取り組みが求められる。
[改善計画]
・ 学 部 に お い て も 、 独 自 の FD 研 修 会 等 を 開 催 し て い く 予 定 で あ る 。
- 100 -
『施設・設備』
10 施設・設備
(10−1)学内の学習環境
基準10−1−1
薬学教育モデル・コアカリキュラム及び薬学準備教育ガイドラインを円滑かつ効
果的に行うための施設・設備が整備されていること。
【観点
【観点
【観点
1 0 -1 -1 -1 】効 果 的 教 育 を 行 う 観 点 か ら ,教 室 の 規 模 と 数 が 適 正 で あ る こ
と。
1 0 -1 -1 -2 】参 加 型 学 習 の た め の 少 人 数 教 育 が で き る 教 室 が 十 分 確 保 さ れ
ていること。
1 0 -1 -1 -3 】演 習・実 習 を 行 う た め の 施 設( 実 験 実 習 室 ,情 報 処 理 演 習 室 ,
動 物 実 験 施 設 , RI 教 育 研 究 施 設 , 薬 用 植 物 園 な ど ) の 規 模 と
設備が適切であること。
[現状]
現 有 の 教 育・研 究 施 設 お よ び 設 備 は 教 育 研 究 棟 (6 階 建 、4 号 棟 )総 延 床 面 積 5580.00
㎡ 、薬 学 専 用 講 義 お よ び 実 習 棟 (3 階 建 、7 号 棟 )5583.76 ㎡ 、他 学 部 と の 共 有 講 義 棟
(2 階 建 、5 号 棟 )1637.35 ㎡ お よ び 薬 用 植 物 園 1190.00 ㎡ か ら な る 。4 号 棟 お よ び
7号棟に収容されている教育研究設備は以下の通りである。
4号棟:
(1 階 ) 事 務 室 、 学 生 ロ ッ カ ー 室 、 機 器 室 (NMR、 原 子 吸 光 光 度 計 を 設 置 )、 動 物 飼 育 室
1 ∼ 4 (各 55.2 ㎡ )、 管 理 実 験 施 設 、 ベ ッ ド サ イ ド 実 習 室 (134 ㎡ )、 模 擬 病 院 薬 局
(163 ㎡ )、 模 擬 調 剤 薬 局 (135 ㎡ )、 無 菌 室
(2 階 ) 会 議 室 、情 報 教 育 室 、研 究 機 器 室 (TDM)、演 習 室 1 ,2 (各 演 習 室 少 人 数 用 の 演
習室4部屋に分割
各 部 屋 26 ㎡ )、 組 織 培 養 実 験 室 1 ,2 、 感 染 症 治 療 学 研 究 室 、
東洋医薬学研究室
(3 階 ) 演 習 室 3 ,4 (各 演 習 室 は 少 人 数 用 演 習 室 4 部 屋 に 分 割
各 部 屋 26 ㎡ )、実 務
実 習 セ ン タ ー 、 機 器 分 析 室 1 ,2
(4 階 ) 薬 剤 学 研 究 室 、 臨 床 製 剤 学 研 究 室 、 臨 床 薬 学 Ⅰ 研 究 室 、 臨 床 薬 学 Ⅱ 研 究 室 、
薬品製造化学研究室
(5 階 ) 薬 理 学 Ⅰ 研 究 室 、 薬 理 学 Ⅱ 研 究 室 、 生 化 学 Ⅰ 研 究 室 、 生 化 学 Ⅱ 研 究 室 、 薬 学
情報学研究室、医事法研究室、
(6 階 ) 薬 化 学 研 究 室 、 分 析 学 研 究 室 、 衛 生 薬 学 研 究 室 、 公 衆 衛 生 学 研 究 室 、 生 薬 学
研究室
7号棟:
(1 階 ) 学 生 ロ ッ カ ー 室 、 講 義 室 31( 258.46 ㎡ ) 、 講 義 室 32( 258.46 ㎡ ) 、 第 1 実
習 室 ( A ) 335.96 ㎡ 、 第 1 実 習 室 ( B ) 336.96 ㎡
(2 階 ) 講 義 室 33( 367.21 ㎡ )、講 義 室 34( 367.21 ㎡ )、第 2 実 習 室( A )336.96 ㎡ 、
- 101 -
第 2 実 習 室 ( B ) 336.96 ㎡
(3 階 ) 第 3 実 習 室 ( A ) 336.96 ㎡ 、 第 3 実 習 室 ( B ) 336.96 ㎡
な お 、 研 究 室 内 の 専 任 教 員 研 究 室 ( 教 授 、 準 教 授 、 講 師 ) は 29室 、 合 計 4652.00 ㎡
( 実 験 室 を 含 む ) で あ る 。 ま た 、 6 号 棟 ( QOL研 究 機 構 棟 ) に も 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ
等 を 設 置 し た 薬 学 科 の 分 析 室 お よ び 研 究 室 が あ る( 4 号 棟 1 階 と 3 階 の 機 器 室 に 設 置
されている主な研究機器類は基準9−2−3を参照)。
少 人 数 教 育 お よ び 自 主 学 習 用 の 教 室 と し て は 、4 号 棟 2 階 と 3 階 の 演 習 室 を 各 4 部
屋 に 分 割 し ( 各 部 屋 26 ㎡ )、 少 人 数 で 使 用 で き る 部 屋 を 16部 屋 確 保 し て い る 。 こ れ
ら の い く つ か は OSCE試 験 に も 使 用 し て い る 。ま た 、40名 前 後 の 学 生 に 対 す る 演 習 形 式
の 講 義 で は 、 大 学 の 共 有 講 義 棟 (5 号 棟 )の 第 31、 32、 33、 34( 各 83.8 ㎡ ) の 講 義 室
を 使 用 し て い る 。 7 号 棟 講 義 室 34( 367.21 ㎡ ) に は 情 報 コ ン セ ン ト を 備 え 、 情 報 処
理 教 育 の 講 義 に も 使 用 し て い る 。大 学 内 で は 無 線 LANに よ り 電 子 メ ー ル や Webに ア ク セ
ス 可 能 で 、 講 義 資 料 の 配 布 や 学 生 と 教 員 と の 連 絡 に も 利 用 さ れ て い る 。 ま た 、 CBTに
は 大 学 共 有 の LL教 室 (1号 棟 ) 108.8 ㎡ と 情 報 処 理 室 (1号 棟 ) 192.38 ㎡ を 用 い て い
る。その他、大学内には留学を目的とする学生に対する語学教育をサポートしたり、
ネ イ テ ィ ブ ス ピ ー カ ー と の 英 会 話 ト レ ー ニ ン グ が で き る ラ ー ニ ン グ・ サ ポ ー ト・ セ ン
ターが設置されている。
[点検・評価]
・現状 の 施設・設 備 には 、7 年 前に 4 年制・薬 学 にお いて 設 置さ れた も のに 加え 、4
年 前 に 6 年 制・薬 学 生 の 教 育 お よ び 設 備 の 充 実 を 目 的 と し て 増 設 さ れ た 7 号 棟 が あ る 。
し た が っ て 、現 在 の と こ ろ 、6 年 制 薬 学 モ デ ル ・ コ ア カ リ キ ュ ラ ム 及 び 薬 学 準 備 教 育
ガ イ ド ラ イ ン を 円 滑 か つ 効 果 的 に 実 施 す る た め の 標 準 レ ベ ル 以 上 の 施 設・設 備 を 有 し
ており、ほぼ満足すべき状態であると考えている。
[改善計画]
・将来的には大学院の設置を考えている。それらに必要な教育研究施設および設備
の整備については、学部教授会や教育開発・研究推進中核センターを中心に現在検
討しているところである。
- 102 -
基準10−1−2
実務実習事前学習を円滑かつ効果的に行うための施設・設備が適切に整備されて
いること。
[現状]
薬剤師がベッドサイドで行う薬剤管理指導業務全般の実習を施行できるベッドサ
イド実習室、調剤薬局業務の実習を施行できる模擬調剤薬局、病院薬局業務の実習
を施行できる模擬病院薬局の設備があるため(この 3 つの施設はそれぞれの講座で
担 当 し て い る 。1 講 座 あ た り の 教 員 数 は 4 か ら 5 名 で あ る )、4 年 次 学 生 を 3 組 に 分
割 し 3 講 座 で 担 当 す れ ば 160 名 ま で は 円 滑 か つ 効 果 的 に 行 う こ と が で き る 。 さ ら に
は 200 名 が 同 時 に 実 習 で き る 室 も 完 備 し て い る た め 、 4 年 次 学 生 を 分 割 し な く て も
実習可能である。
[点検・評価]
優れた点
・実習は4年次学生を3組に分割して行われているため、薬剤師の業務や技術を広
範囲に詳しく教授できる。
・ 本 学 薬 学 科 は 他 大 学 の 薬 学 科 に 比 べ 臨 床 系 教 員 は 多 く 、 教 員 1 名 当 た り 学 生 10
か ら 15 名 と 、 学 生 一 人 ひ と り に ま で 指 導 が 行 き 渡 っ て い る 。
・実務実習先の学生の評価は、他大学の学生より、臨床的知識と技能が高いとの声
が 聞 か れ る 。 指 導 薬 剤 師 の 評 価 表 の 点 数 は 平 均 で 4 以 上 ( 5: た い へ ん 優 れ て い る 、
4: 優 れ て い る 、 3: 普 通 、 2: 劣 っ て い る 、 1: た い へ ん 劣 っ て い る ) が ほ と ん ど で
ある。
[改善計画]
・平 成 18 年 度 よ り 薬 学 6 年 制 の 定 員 を 120 名 か ら 200 名 に 増 や し た 経 緯 が あ り 、こ
の 年 度 以 降 に 入 学 し た 学 生 が 学 年 で 160 名 よ り 多 い た め に 、上 記 の 3 つ の 実 習 室( ベ
ッドサイド実習室・模擬調剤薬局・模擬病院薬局)だけでは施行しにくい場合が想
定 さ れ る が ( た だ し 、 4 年 次 160 名 以 上 で 実 習 を 行 う ケ ー ス は 定 員 割 れ や 留 年 な ど
を 考 慮 す る と 現 在 2 年 次 と 3 年 次 の 2 学 年 程 度 で あ る )、200 名 が 同 時 に 使 用 で き る
実 習 室 を 併 用 す る こ と で 改 善 で き る も の と 考 え る 。た だ し 、平 成 22 年 度 入 学 定 員 を
140 名 に 削 減 ( 現 状 の 入 学 志 願 者 の 推 移 お よ び 入 学 し て く る 学 生 の 質 の 担 保 を 分 析
した結果より導かれた定員)したため、数年後は、実習において施行しにくいケー
スはなくなるものと推測できる。
- 103 -
基準10−1−3
卒 業 研 究 を 円 滑 か つ 効 果 的 に 行 う た め の 施 設・設 備 が 適 切 に 整 備 さ れ て い る こ と 。
[現状]
現 有 の 研 究 施 設 お よ び 設 備 は 、 教 育 研 究 棟 (6 階 建 、 4 号 棟 )、 6 号 棟 ( QOL研 究 機
構 棟)、薬用 植 物園 、実 験 室・実習 室 排水 処理 施 設お よび 図 書館 で、4号 棟 に収 容 さ
れている研究設備は以下の通りである。
(1 階 )
機 器 室 (19.5 ㎡ ):
原 子 吸 光 光 度 計 、 高 分 解 能 GC/MS、 円 偏 光 二 色 性 分 散 計 、 原 子 吸 光 光 度 計
N M R 室 (31.7 ㎡ ):
400MHz核 磁 気 共 鳴 装 置
動 物 飼 育 室 1 ∼ 4 (各 55.2 ㎡ )、 洗 浄 室 お よ び 実 験 室
(2 階 )
中 央 機 器 室 : (49.7 ㎡ )
紫 外 可 視 分 光 光 度 計 、 赤 外 分 光 光 度 計 、 LC/MS/MS、 遠 心 エ バ ポ レ ー タ ー 、
液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ 、旋 光 度 計 、フ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー お よ び 細 胞 分 取 装
置 ( FACS)
組 織 培 養 実 験 室 1 (29.3 ㎡ ):
低温室
組 織 培 養 実 験 室 2 (26.5 ㎡ ):
超純水製造装置
(3 階 )
機 器 分 析 室 1 (29.3 ㎡ ):
生 体 分 子 研 究 シ リ ー ズ 装 置 類( 蛍 光 顕 微 鏡 ル ミ ノ イ メ ー ジ ア ナ ラ イ ザ ー 、
マ ル チ キ ャ ピ ラ リ ー DNA解 析 シ ス テ ム 等 )、高 速 冷 却 遠 心 機 、多 機 能 超 高
速 遠 心 機 、 リ ア ル タ イ ム PCR装 置
機 器 分 析 室 2 (26.5 ㎡ ):
共焦点レーザー走査顕微鏡、フルオロイメージアナライザー
1 階 ∼ 3 階 の 共 通 研 究 機 器 の 運 営 お よ び 管 理 は 、薬 学 科 研 究 機 器 委 員 会 お よ び 各 機 器
担当教員により行っている。
(4 階 )
薬剤学研究室、臨床製剤学研究室、臨床薬学Ⅰ研究室、臨床薬学Ⅱ研究室、
薬品製造化学研究室
(5 階 )
薬 理 学 Ⅰ 研 究 室 、 薬 理 学 Ⅱ 研 究 室 、生 化 学 Ⅰ 研 究 室 、 生 化 学 Ⅱ 研 究 室 、 薬 学
情報学研究室、医事法研究室、
(6 階 )
薬 化 学 研 究 室 、 分 析 学 研 究 室 、 衛 生 薬 学 研 究 室 、 公 衆 衛 生 学 研 究 室 、生 薬 学
研究室
4 階 ∼ 6 階 の 専 任 教 員 研 究 室 ( 教 授 、 準 教 授 、 講 師 ) は 29室 、 合 計 4652.00 ㎡ ( 実 験
室 を 含 む ) で あ る 。 ま た 、 6 号 棟 ( QOL研 究 機 構 棟 ) に も 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ 等 を 設
置した薬学科の分析室および研究室がある。
- 104 -
ま た 、2 階 、3 階 に 2 0 名 ず つ 収 容 で き る 演 習 室 を 1 6 部 屋 完 備 し て お り 、卒 業 研
究において学生が常時使用できるように配慮している。
文 献 検 索 お よ び 情 報 収 集 の た め に 、SCOPUSお よ び SiFinderが 学 生 が 使 用 可 能 な 状 態
になっている。
[点検・評価]
・卒 業 研 究 を 円 滑 か つ 効 果 的 に 行 う た め の 研 究 機 器 に 関 し て は 標 準 レ ベ ル 以 上 の も の
を 有 し て い る が 、6 年 制 の 完 成 年 度 で あ る 再 来 年 度 の 5 、6 年 生 の 研 究 室 配 属 を 考 え
ると、研究室のスペースに関しては若干狭く感じられる。
・ 学 術 雑 誌 に つ い て は 、価 格 の 高 騰 に も か か わ ら ず 、ほ ぼ 現 状 の 維 持 が で き て い る こ
と は 評 価 で き る が 、雑 誌 の 購 読 数 は 決 し て 多 い も の で は な く 、オ ン ラ イ ン ジ ャ ー ナ ル
の導入も不十分といえる。
[改善計画]
・ 大 学 院 の 設 置 の 際 、必 要 な 研 究 施 設 お よ び 設 備 の 拡 充 に つ い て 、学 部 教 授 会 や 教 育
開発・研究推進中核センターを中心に現在検討しているところである。
- 105 -
基準10−1−4
快 適 な 学 習 環 境 を 提 供 で き る 規 模 の 図 書 室 や 自 習 室 を 用 意 し ,教 育 と 研 究 に 必 要
な図書および学習資料の質と数が整備されていること。
【観点
【観点
【観点
1 0 -1 -4 -1 】 図 書 室 は 収 容 定 員 数 に 対 し て 適 切 な 規 模 で あ る こ と 。
1 0 -1 -4 -2 】常 に 最 新 の 図 書 お よ び 学 習 資 料 を 維 持 す る よ う 努 め て い る こ
と。
1 0 -1 -4 -3 】快 適 な 自 習 が 行 わ れ る た め 施 設( 情 報 処 理 端 末 を 備 え た 自 習
室 な ど )が 適 切 に 整 備 さ れ ,自 習 時 間 を 考 慮 し た 運 営 が 行 わ
れていることが望ましい。
[現状]
附 属 図 書 館 の 総 面 積 は 1,898 ㎡ で あ り 、 1 階 部 分 と 2 階 部 分 と か ら な る 。 全 館 バ リ
ア フ リ ー 設 計 で 、玄 関 ホ ー ル に エ レ ベ ー タ ー を 配 し 、ま た 、視 覚 障 害 者 の た め の 誘 導
帯 を 設 け る な ど し て 障 害 者 の 利 用 し や す い よ う 配 慮 し て い る 。閲 覧 座 席 数 は 268席 で 、
学 生 収 容 定 員 に 対 す る 座 席 数 の 割 合 は 14.3% で あ る 。開 館 時 間 は 、平 日 9:00∼ 20:00、
土 曜 ・ 日 曜 ・ 祝 日 9:00∼ 18:00 で 、 休 館 日 は 、 夏 季 休 暇 、 年 末 年 始 ( 詳 し く は 館 内
掲 示 お よ び ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 連 絡 )と な っ て い る 。機 器・備 品 関 係 で は 、入 り 口 に 学
生 証 を 読 み 取 る 入 館 ゲ ー ト を 設 置 、 出 口 に ブ ッ ク デ ィ テ ク シ ョ ン シ ス テ ム (BDS)を 備
え て お り 、 学 生 は 荷 物 を 持 っ た ま ま 入 館 可 能 で あ る 。 図 書 館 シ ス テ ム と し て は 、2 台
の サ ー バ ー で 、業 務 用 端 末 4 台 、閲 覧 用 端 末 3 台 、蔵 書 検 索 用 端 末 10台( Web-OPAC)を
運 用 し 、 ま た 、 館 内 や 講 義 棟 に お い て 無 線 LANで イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 大 学 図 書 館 ホ ー
ムページにアクセスすることによって蔵書検索も可能である。
図 書 の 購 入 に 関 し て は 、各 学 部 の 専 任 教 員 に よ る 購 入 希 望 図 書 、シ ラ バ ス に 示 さ れ
た 参 考 文 献 、学 生 か ら の 希 望 図 書 、図 書 選 定 担 当 の 図 書 館 職 員 が 選 定 し た 図 書 な ど を
収 集 し て い る 。こ の よ う な 資 料 収 集 の 結 果 、附 属 図 書 館 が 現 時 点 で 所 蔵 し て い る 図 書
は 、 約 63,000 冊 、定 期 刊 行 物 は 164種 ( 電 子 ジ ャ ー ナ ル 26種 を 含 む ) と な っ て い る 。
図 書 の 受 け 入 れ は 、平 成 19 年 度 1,670 冊 、20 年 度 約 1,408 冊 、21 年 度 1,251 冊
で 、 財 政 事 情 の 厳 し い 状 況 が 続 く 中 、 平 成 19 年 度 か ら 若 干 減 少 傾 向 に あ る が 、 教 育
と 研 究 に 不 可 欠 な 定 期 購 読 雑 誌 購 入 に 関 し て は 、平 成 20年 度 と 21年 度 に お い て は 同 数
を 維 持 し て い る ( 平 成 20年 度 : 和 雑 誌 97種 、洋 雑 誌 41種 、 電 子 ジ ャ ー ナ ル 25種
平成
21年 度 : 和 雑 誌 97種 、 洋 雑 誌 41種 、 電 子 ジ ャ ー ナ ル 26種 ) 。
薬 学 科 で は 、学 生 の 自 習 室 と し て 講 義 室 の 1 室 を 解 放 す る と と も に 、少 人 数 の 自 習
室 と し て 、 26 ㎡ の 演 習 室 を 16室 備 え て い る 。 こ れ ら 全 て の 自 習 室 に お い て 無 線 LAN
に よ る 学 内 LANへ の ア ク セ ス が 可 能 で あ る 。
[点検・評価]
・ 図 書 館 の 開 館 時 間 に 関 し て は 、 平 成 17年 度 よ り 閉 館 時 間 を 18: 00か ら 20: 00 に 延
- 106 -
長 し 、 土 ・ 日 ・ 祝 日 も 9: 00∼ 18: 00 開 館 と す る な ど 、 学 生 が 利 用 し や す い 環 境 作 り
を目指している点で評価できる。
・ 館 内 に は 閲 覧 用 端 末 、蔵 書 検 索 用 端 末 ( OPAC) 、 無 線 LANの 設 置 等 、 情 報 提 供 の イ ン
フラ整備も迅速に行い順調に機能しているといえる。
・ 学 術 雑 誌 に つ い て は 、価 格 の 高 騰 に も か か わ ら ず 、ほ ぼ 現 状 の 維 持 が で き て い る こ
と は 評 価 で き る が 、本 学 図 書 館 の 購 読 数 は 決 し て 多 い も の で は な い 。ま た 、現 状 維 持
に終始し、新たに創刊される雑誌に十分に対応できていないことも問題である。
[改善計画]
・ 現 在 、図 書 資 料 の 収 集 方 針 を 変 更 す る 予 定 は な い が 、 各 学 部 ・ 学 科 か ら 選 出 さ れ た
図 書 委 員 を 中 心 に 、 需 要 の 多 い 専 門 分 野 の 新 刊 書 を 網 羅 的 に 備 え 、か つ 専 門 分 野 に お
け る 基 本 図 書 の よ り 一 層 の 充 実 に 努 め る た め 、蔵 書 の 選 定 を 行 っ て い く 。
・ 今 後 も 、教 員 の 恒 常 的 な 協 力 が 必 要 で あ る の で 、 図 書 委 員 会 を 中 心 に 図 書 館 の 運 営
等についての検討を続けて行く。
・ 学 術 雑 誌 に つ い て も 、電 子 ジ ャ ー ナ ル 導 入 の 促 進 、洋 雑 誌 コ ン ソ ー シ ア ム 等 の 動 向
を 踏 ま え 、本 学 に お け る 教 育・ 研 究 の コ ア ジ ャ ー ナ ル と な る も の を 限 ら れ た 予 算 の 中
で選定していく。
- 107 -
『外部対応』
11 社会との連携
基準11−1
医療機関・薬局等との連携の下,医療及び薬学の発展に貢献するよう努めている
こと。
【観点
【観点
【観点
1 1 -1 -1 】地 域 の 薬 剤 師 会 ,病 院 薬 剤 師 会 ,医 師 会 な ど の 関 係 団 体 及 び 行 政
機関との連携を図り,医療や薬剤師等に関する課題を明確にし,
薬学教育の発展に向けた提言・行動に努めていること。
1 1 -1 -2 】 医 療 界 や 産 業 界 と の 共 同 研 究 の 推 進 に 努 め て い る こ と 。
1 1 -1 -3 】医 療 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク へ 積 極 的 に 参 加 し ,協 力 し て い る こ と が 望
ましい。
[現状]
地 域 薬 剤 師 会 に 大 学 よ り 1 名 、 理 事 と し て 参 画 し て い る ( 定 例 理 事 会 : 1 回 /月 )。
こ の 会を 通じ 、大 学 の行 事 等を 伝え て いる 。地 域 医師 会と は 三師 会( 医・歯・薬 の 理
事 が 参 加 )を 通 し 、各 会 の 意 見 交 換 を 行 っ て い る 。こ の 場 で も 薬 学 部 の 薬 学 6 年 制 の
実 習 や 研 究 内 容 を 伝 え て い る( 三 師 会 に お い て 、薬 学 科 で の 高 機 能 シ ミ ュ レ ー タ を 用
い た 救 急 救 命 の 実 習 を 紹 介 し た と こ ろ 、医 師 会 よ り 医 師 の 救 急 救 命 研 修 に 高 機 能 シ ミ
ュ レ ー タ を 貸 し て 欲 し い と い う 要 請 が あ っ た )。 病 院 薬 剤 師 会 に 関 し て は 、 本 学 教 員
の 数 名 が 委 員 と し て 参 加 し て お り 、薬 学 部 の 現 況 に つ い て 意 見 交 換 の 場 が あ る 。地 域
薬剤師との共同研究も行われている。
薬 薬 薬( 薬学 部・県 病薬・県 薬)連 携 講演 会を 開 催し 、地 元 薬剤 師と の 交流 を行 っ
ている。
本 学 薬 学 科 基 礎 系 講 座 と 産 業 界 と の 共 同 研 究 は 、都 市 エ リ ア の 助 成 金 を も と に 順 調
に 進 ん で お り 、バ イ オ マ ス の 観 点 か ら 地 元 特 産 物 を 用 い て 開 発 が 行 わ れ て い る 。さ ら
に、医療機関との共同研究も講座単位で行われている。
医療人GPの助成金で施行したバイタルサインチェックやフィジカルアセスメン
ト の 薬 学 へ の 導 入 と そ の 内 容 に 関 し 、 本 学 薬 学 部 の HP に 掲 載 し 、全 国 に 発 信 し て い
る 。 特 に 地 域 薬 剤 師 へ の 講 演 や 研 修 会 な ど も 行 っ て い る ( 11-1 -① )。
[点検・評価]
・バ イ タ ル サ イ ン チ ェ ッ ク や フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト 実 習 の 薬 学 6 年 制 へ の 導 入 の 取
組 は 日 本 病 院 薬 剤 師 会( 日 病 薬 )で 高 く 評 価 さ れ 、日 病 薬 の み な ら ず 学 会 等 か ら も 本
実習担当者への講演や研修会への依頼が多くなってきている。
・ 地 域 薬 剤 師 を 対 象 と し た 研 修 会 の 開 催 や 研 究 指 導 ( 薬 剤 師 の 身 分 は QOL 薬 学 研 究
所研究員)も行っており薬剤師会における薬学部の存在意義は大きい。
・産業界との共同で地元特産物のマンゴーでワインが既に開発され販売されている。
- 108 -
・ 地 域 医 療 機 関 の 薬 剤 師 と の 共 同 研 究 に よ り 、学 会 発 表 や 論 文 投 稿 な ど を 行 っ て お り
成 果 が 上 が っ て き て い る 。薬 剤 師 の 中 に は 、共 同 研 究 に お い て 学 位 取 得 を 目 指 す も の
も 現 わ れ て い る 。し か し な が ら 、近 未 来 に 薬 剤 師 を 発 展 さ せ て い く た め に 必 要 な 薬 剤
師の新技術開発の基礎的研究はあまり行われていない。
[改善計画]
・ 産 業 界 と の 共 同 研 究 は 都 市 エ リ ア の 助 成 金 で 順 調 に 運 営 さ れ て い る た め 、本 助 成 金
が 平 成 22 年 3 月 ま で で 終 了 し た 場 合 は 、そ の 後 の 産 業 界 と の 研 究 運 営 は 難 し く な る 。
したがって、今後、薬学科では大型の助成金の採択に力を入れていく予定である。
・「 薬 剤 師 と な っ た と き に 役 立 つ テ ー マ 」 を 考 慮 に 入 れ た 特 別 研 究 を 行 う 。
・ そ の 一 環 と し て 地 域 の 医 療 機 関 と の 連 携 を 図 り 、宮 崎 近 郊 に て 開 催 さ れ る 勉 強 会 等
への参加や医療機関との共同研究をこれまで以上に積極的に推進していく。
- 109 -
基準11−2
薬剤師の卒後研修や生涯教育などの資質向上のための取組に努めていること。
【観点
1 1 -2 -1 】地 域 の 薬 剤 師 会 ,病 院 薬 剤 師 会 な ど の 関 係 団 体 と の 連 携・協 力 を
図 り ,薬 剤 師 の 資 質 向 上 を 図 る た め の 教 育 プ ロ グ ラ ム の 開 発・提
供及び実施のための環境整備に努めていること。
[現状]
生 涯 学 習 は 地 域 薬 剤 師 を 対 象 と し て 薬 剤 師 研 修 会 等( 隣 県 を 含 む )に 講 師( 学 内 外 )
を 派 遣 す る 活 動 を 実 施 し て い る( 表 1 )。さ ら に 、4 年 次 の 実 習 に 関 し て は 地 域 薬 剤
師の参加および見学ができるよう実習の日程と内容を地域薬剤師会へ連絡している。
表 1
地域薬剤師を対象とした生涯学習
名称
開催日
依頼元
講師派遣(人数)
第 14 回 薬 薬 薬 連 携
H21.7.3
延岡市西臼杵郡薬剤師会
1
勉強会
日向市東臼杵郡薬剤師会
九州保健福祉大薬学部
宮崎県病院薬剤師会
H21.11.15
宮崎県病院薬剤師会
1
H22.1.24
大分県薬剤師学
1
研修会
第 15 回 大 分 県 薬 剤
師学術大会
[点検・評価]
優れた点
・ 現 在 、平 均 し て 3 ヵ 月 に 一 度 の 頻 度 で 地 域 薬 剤 師 会 の 開 催 す る 研 修 会 等 に 講 師 を 派
遣 し て い る 。本 学 卒 業 生 に 対 し て も こ れ ら の 講 演 会 や 卒 後 教 育 に 参 加 す る よ う に 積 極
的に呼び掛けている。
・ 病 院 薬 剤 師 会 に お い て も 、不 定 期 で は あ る が 本 学 実 務 家 教 員 に よ る 講 演 な ど も 行 っ
ている。
・薬剤師会研修会等に講師を派遣している。
改善を要する点
・ 現 在 は 宮 崎 県 に 限 定 し て い る が 、今 後 は 実 務 実 習 で 学 生 が 派 遣 さ れ る 近 隣 地 域 に 拡
充することが望ましい。
- 110 -
[改善計画]
・ 卒 業 生 に 対 し 卒 後 研 修 会 の 開 催 を 知 ら せ る た め に 本 学 HPに 開 催 通 知 を 掲 載 す る 。
・同窓会等で卒業生の卒業後連絡先を逐次把握できるようにして卒業生との情報交
換を密に行える環境を整備することを検討している。
- 111 -
基準11−3
地域社会の保健衛生の保持・向上を目指し,地域社会との交流を活発に行う体制
の整備に努めていること。
【観点
【観点
【観点
1 1 -3 -1 】地 域 住 民 に 対 す る 公 開 講 座 を 定 期 的 に 開 催 す る よ う 努 め て い る こ
と。
1 1 -3 -2 】地 域 に お け る 保 健 衛 生 の 保 持・向 上 に つ な が る 支 援 活 動 な ど を 積
極的に行っていることが望ましい。
1 1 -3 -3 】 災 害 時 に お け る 支 援 活 動 体 制 が 整 備 さ れ て い る こ と が 望 ま し い 。
[現 状 ]
1)QOL研究機構
薬 学 部 を 含 め た 全 学 的 な も の と し て 、 平 成 16 年 度 に 文 部 科 学 省 の 「 私 立 大 学 学 術
研 究 高 度 化 推 進 事 業 : オ ー プ ン ・ リ サ ー チ ・ セ ン タ ー 整 備 事 業 」で 採 択 さ れ た 研 究 プ
ロ ジ ェ ク ト で あ る QOL 研 究 機 構 の 中 に は 、 社 会 の 重 要 課 題 で あ る 「 Quality of Life
( 生 活 の 質 )」 の 向 上 を 研 究 テ ー マ と し 、 社 会 福 祉 学 研 究 所 、 保 健 科 学 研 究 所 、 と と
も に 薬 学 研 究 所( 薬 物 の 副 作 用 と QOL と の 関 連 お よ び 支 援 法 開 発 )が 設 置 さ れ 、研 究
以 外 に も 講 演 、 シ ン ポ ジ ウ ム 等 が 市 民 公 開 と し て 計 7 回 開 催 さ れ て い る ( 11-3 -①
QOL 研 究 機 構 研 究 報 告 書 )。
2)延岡市民大学院及び公開講座
平 成 12 年 度 か ら 延 岡 市 と 共 同 で 「 の べ お か 市 民 大 学 院 」 を 開 講 し 、「 地 域 」「 福
祉 」 を キ ー ワ ー ド に 本 学 の 特 色 を 出 し て い る 。 毎 年 48 名 の 募 集 に 対 し 、 そ れ を 超
え る 応 募 が あ り 、抽 選 で 受 講 生 を 決 定 し て い る 状 況 に あ る 。こ の「 の べ お か 市 民 大
学 院 」で は 平 成 1 6 年 以 降 、毎 年 2∼ 3 名 の 薬 学 部 教 員 が 講 師 を 務 め て い る 。ま た 、
平 成 13 年 度 か ら 実 施 し て い る 本 学 の 「 公 開 講 座 」 は 、 各 学 部 か ら 選 出 さ れ た 教 員
に よ り 構 成 さ れ る 公 開 講 座 委 員 会 で 企 画 立 案 し 、こ れ ま で に「 地 域 に 生 き る 」、「 地
域 を 創 る 」、「 地 域 に 実 り を 」 な ど の メ イ ン テ ー マ で 、毎 年 、 本 学 部 の 教 員 も 講 師 を
務 め 、1 講 座 2 時 間 、年 6 回 シ リ ー ズ で の 公 開 講 座 を 開 催 し て い る 。
「のべおか市民
大 学 院 」、「 公 開 講 座 」 と も 市 民 に 広 く 受 講 生 を 募 集 し て い る 。
薬学部教員の行なった近年の主な講演等は、次の通りである。
平成19年
①定金豊:脳血管性認知症の予防物質の探索
②徳永仁:「地域の底力/発信の場に」(公開講座)
③川原正博:アルツハイマー病はどのような病気か
④鈴木彰人:栄養サポートチーム
平成20年
① 河 内 明 夫 : テ レ ビ コ マ ー シ ャ ル か ら 知 る OTC医 薬 品 と セ ル フ メ デ ィ ケ ー シ ョ ン
②佐久嶋明世:身近な薬用植物―健康・未病・病気・食品・薬―
- 112 -
平成21年
①渡辺渡:インフルエンザウイルスを知る
②松岡俊和:学ぼう!
身の回りの情報・通信
③河内明夫:あなたのくすりの「おかね」のはなし
3)出張講義
近 隣 高 校 の 要 請 に よ り 、本 学 で は 出 張 講 義 を 行 な っ て お り 、薬 学 部 教 員 も 積 極 的
に 協 力 し て い る 。薬 学 部 教 員 の 行 な っ た 近 年 の 主 な 出 張 講 義 は 、次 の 通 り で あ る( 同
内 容 の も の は 一 回 の み 記 載 )。
平成19年
①渡辺渡:保健科学の内容を知ろう
②高橋悟:サプリメントはお肌をキレイに出来るのか?
③比佐博彰:身近な薬の効く仕組み
④宇佐見則行:色と食品添加物
⑤武藤純平:薬学ってなんだ?
平成20年
①河内明夫:薬局へ行ってみよう
②山本隆一:環境ホルモンを考える
③黒川昌彦:鳥インフルエンザはなぜ怖いの?
④ 本 屋 敏 郎 : 医 療 系 、 薬 剤 師 ”を め ざ す 皆 さ ん へ
⑤渡辺渡:新薬の開発
∼
タミフル誕生秘話
∼
平成21年
①平井正巳:くすりってなんだろう!
②宇佐見則行:くすりと身体
③前田和彦:命の倫理∼脳死と臓器移植∼
④高村徳人:薬についての面白い話と薬剤師の技
4)災害時の支援活動体制
学 部 と し て で は な い が 、学 内 に 災 害 支 援 の ボ ラ ン テ ィ ア 団 体 が あ り 、台 風 等 の 災
害時に薬学部の教員や学生が災害支援時のボランティア活動を行なっている。
[点 検 ・ 評 価 ]
・「 公 開 講 座 」 や 「 の べ お か 市 民 大 学 院 」 に つ い て は 、 毎 年 好 評 で あ る こ と か ら 、 今
後も継続して開催する。
・ 内 容 的 に も 人 間 や 地 域 に こ だ わ り な が ら 大 学 の 特 色 を 生 か し 、生 涯 教 育 と し て 密 着
型の展開を図っている。
・「 出 張 講 義 」 に 関 し て も 一 定 以 上 の 評 価 を 得 て い る 。 そ し て ど れ に お い て も 薬 学 部
教 員 は 積 極 的 に 協 力 し 、参 加 し て い る 。こ れ に よ り 地 域 社 会 と の 交 流 や 保 健 衛 生 上 の
- 113 -
意識向上についても一定の貢献が図られている。
・ 災 害 支 援 時 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 に つ い て は 、市 民 や 行 政 か ら も 期 待 さ れ る ほ ど の 信
頼と評価を得ている。
[改 善 計 画 ]
・「 公 開 講 座 」 や 「 の べ お か 市 民 大 学 院 」 に つ い て は 、 毎 年 行 な わ れ て い る た め 、 テ
ー マ 設 定 が 難 し く 、マ ン ネ リ 化 す る 傾 向 が 否 め な い 。ま た 、受 講 生 も 限 定 さ れ た 年 齢
層 に 偏 る 傾 向 が 見 ら れ る 。新 た な テ ー マ 設 定 や 内 容 の 転 換 が 必 要 で あ り 、今 後 は 実 施
さ れ た 公 開 講 座 等 の 評 価 を で き る 限 り 詳 細 に 解 析 し 、受 講 生 の ニ ー ズ に 応 え た テ ー マ
の見直しを検討することが望まれる。
・ 周 辺 地 域 に お け る 保 健 衛 生 環 境 の 変 化 を 鋭 敏 に 察 知 し 、市 民 に 望 ま れ る テ ー マ を 考
案することが望まれる。
・ 災 害 支 援 時 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 に つ い て は 、薬 学 部 の 特 色 を 生 か し た 参 加 方 法 も 考
える。
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基準11−4
国際社会における保健衛生の保持・向上の重要性を視野に入れた国際交流に努め
ていること。
【観点
【観点
【観点
1 1 -4 -1 】英 文 に よ る ホ ー ム ペ ー ジ な ど を 開 設 し ,世 界 へ の 情 報 の 発 信 と 収
集が積極的に行われるよう努めていること。
1 1 -4 -2 】大 学 間 協 定 な ど の 措 置 を 積 極 的 に 講 じ ,国 際 交 流 の 活 性 化 の た め
の活動が行われていることが望ましい。
1 1 -4 -3 】留 学 生 の 受 入 や 教 職 員・学 生 の 海 外 研 修 等 を 行 う 体 制 が 整 備 さ れ
ていることが望ましい。
[現 状 ]
1)英文ホームページ
全 学 用 の ホ ー ム ペ ー ジ に 英 語 、中 国 語 、韓 国 語 の サ イ ト が あ り 、薬 学 部 の 基 本 情
報は発信できるようになっている。
2)国際交流・研修
薬 学 部 単 独 で は な い が 、 本 学 は 、「 世 界 で 活 躍 で き る 人 材 を 育 て る 」 と い う 基 本
方 針 を 持 ち 、 高 梁 学 園 教 育 交 流 協 定 校 は 11 の 国 と 地 域 に 及 ぶ 。 そ し て 薬 学 部 を 有
す る 米 国 の シ ェ ネ ン ド ー ア 大 学 と 緊 密 な 連 携 を と っ て お り 、既 に 訪 問 団 の 受 け 入 れ
等 交 流 を 開 始 し て い る 。ま た 、毎 年 薬 学 部 学 生 の 数 名 が 米 国 協 定 校 へ の 訪 問 団 に 参
加して海外研修を行っている。
ま た 薬 学 部 で は コ ロ ラ ド 大 学 名 誉 教 授 Dr.A.T.Tu、ミ シ シ ッ ピ 大 学 教 授 Dr.I.K.Ho
などを招き、講演会を開催している。
留 学 生 の 受 入 れ に つ い て は 、学 部 設 置 か ら 間 も な い こ と も あ り 、実 現 し て い な か
っ た が 、 平 成 22 年 度 以 降 は 受 入 れ を 前 提 と す る こ と に な っ て い る 。
ま た 薬 学 部 教 員 の 国 際 学 会 へ の 参 加・ 発 表 も 積 極 的 に な さ れ 、国 際 交 流 を 行 な っ
ている。
[点 検 ・ 評 価 ]
優れた点
・ 本 学 の 基 本 方 針「 世 界 で 活 躍 で き る 人 材 を 育 て る 」に 基 づ い て 教 育 研 究 交 流 が 実 施
されており、基本方針の適切性は高く評価される。
改善を要する点
・留学生を受け入れた際の、日本語教育プログラムの整備等に問題が残る。
[改 善 計 画 ]
・ 高 梁 学 園 教 育 交 流 協 定 校 は 11 の 国 と 地 域 に ま た が り 多 く 存 在 す る が 、 薬 学 部 を 擁
- 115 -
す る 大 学 は 少 な い こ と か ら 、さ ら に 薬 学 部 を 擁 す る 米 国 以 外 の 大 学 と の 提 携 促 進 に つ
いて、教育開発・研究推進中核センターと国際交流委員会で検討を開始する。
・ 本 学 に 設 置 さ れ て い る ラ ー ニ ン グ サ ポ ー ト セ ン タ ー の 利 用 を 活 発 化 し 、留 学 生( 他
学科)と交流できる機会をこれまで以上に設けることが望ましい。
- 116 -
『点
12
検』
自己点検・自己評価
基準12−1
上 記 の 諸 評 価 基 準 項 目 に 対 し て 自 ら 点 検・評 価 し ,そ の 結 果 を 公 表 す る と と も に ,
教育・研究活動の改善等に活用していること。
【観点
【観点
【観点
1 2 -1 -1 】自 己 点 検 及 び 評 価 を 行 う に 当 た っ て ,そ の 趣 旨 に 則 し た 適 切 な 項
目が設定されていること。
1 2 -1 -2 】 自 己 点 検 ・ 評 価 を 行 う 組 織 が 設 置 さ れ て い る こ と 。
1 2 -1 -3 】自 己 点 検・ 評 価 を 行 う 組 織 に は ,外 部 委 員 が 含 ま れ て い る こ と が
望ましい。
[現状]
平 成 20年 12月 に 自 己 評 価 21の 学 内 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ を 立 ち 上 げ 、平 成 20年 度 後 期
認 定 試 験 資 料 か ら 集 め る こ と と し た 。 平 成 21年 6月 に は 「 自 己 評 価 21」 の 自 己 点 検 ・
自 己 評 価 を 実 施 す べ く 九 州 保 健 福 祉 大 学 薬 学 教 育 委 員 会 お よ び 自 己 評 価 21報 告 書 を
作成するために具体的な作業を実施する委員会として8つの部会からなる九州保健
福祉大学教育自己評価実施委員会を組織した。
◆九州保健福祉大学薬学教育自己評価委員会
構 成 メ ン バ ー : 薬 学 部 長 、薬 学 科 長 、薬 学 教 育 自 己 評 価 実 施 委 員 長 お よ び 九 州
保健福祉大学薬学教育自己評価実施委員会各部会責任者
( 教 務 委 員 長 、実 務 実 習 委 員 長 ま た は OSCE委 員 長 、入 試 委 員 長 、
学生委員長、キャリアサポート委員長、教育開発・研究推進中
核センター 教育開発部門長または研究推進部門長、学科研究
機器委員長、図書紀要委員長、公開講座委員長または産学官連
携推進委員長)
◆九州保健福祉大学薬学教育自己評価実施委員会
「 自 己 評 価 21」の 各 基 準 評 価 を 効 率 的 に 実 施 す る た め に 8 つ の 部 会 に 分 け 行 っ
た。◎は各部会責任者
① 基本的事項検討部会(◎薬学部長、薬学科長、自己評価実施委員長)
I∼ IVお よ び Vの 中 項 目 1 大 学 の 理 念 ・ 目 標 に 関 す る 事 項 、
中 項 目 12 自 己 点 検 ・ 自 己 評 価
② カリキュラム部会(◎教務委員長、リメディアル教育担当委員長他)
中項目2 医療人教育の基本的内容、中項目3 薬学教育カリキュラム、
中項目5 問題解決能力の醸成のための教育
③ 実 務 実 習 部 会 ( ◎ 実 務 実 習 委 員 長 、 OSCE委 員 長 、 CBT委 員 長 )
中項目4 実務実習
④ 入試・成績評価部会(◎入試委員長他)
中項目6 学生の受入れ
中項目7 成績評価・修了認定
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⑤ 学生生活部会(◎キャリアサポートセンター委員長、学生委員長、人権教育推
進委員長他)
中項目8 学生の支援
⑥ 教育研究組織部会(◎教育開発・研究推進中核センター教育開発部門委員、研
究 推 進 部 門 委 員 、 OSCE委 員 長 他 )
中項目9 教育組織・職員組織
⑦ 施 設・設 備 部会(◎ 学 科研 究機 器 委員 長、環境・排水 管 理委 員長 、図 書 委員 他)
中 項 目 10 施 設 ・ 設 備
⑧ 外部対応部会(◎公開講座委員長、産学官連携推進委員長、広報委員他)
中 項 目 11 社 会 と の 連 携
その他根拠となる資料およびデータ収集・整理担当教員数名
平 成 21年 7 月 10日 に 「 自 己 評 価 21」 学 科 説 明 会 を 行 い 、原 稿 作 成 を 依 頼 し た 。必 要 が
あ れ ば 各 部 会 に お い て ミ ー テ ィ ン グ を 行 っ た 。平 成 21年 11月 末 ま で に 第 一 回 目 の 原 稿
を 各 部 会 に 提 出 し 、各 部 会 ご と に ミ ー テ ィ ン グ を 行 い 加 筆 修 正 を 検 討 し た 。平 成 22年
1月 12日 に 各 部 会 ご と の 最 終 原 稿 を 実 施 委 員 長 に 提 出 し 、 九 州 保 健 福 祉 大 学 薬 学 教 育
自 己 評 価 委 員 会 に て 1月 ∼ 2月 に か け て 数 回 に わ た り 自 己 点 検・評 価 原 稿 の 最 終 チ ェ ッ
ク を 行 っ た 。 平 成 22年 4月 17日 ま で に 自 己 評 価 書 を 送 付 予 定 し 、 大 学 ホ ー ム ペ ー ジ に
て公表予定である。
[点検・評価]
優れた点
・ 薬 学 教 育 自 己 評 価 実 施 委 員 会 は 、[現 状 ]で の 説 明 の と お り 薬 学 科 の あ ら ゆ る 委 員 会
から構成員が選出され、薬学科全ての教授が自己評価作成に関与している。さらに、
事 務 職 員 も 種 々 の 資 料 作 成 に 参 加 協 力 し て い る 。 し た が っ て 、「 自 己 評 価 21」の 実 施
体 制 に 大 き な 問 題 点 は な く 、薬 学 科 の 総 合 的 な 点 検・ 評 価 を 行 う 必 要 な 体 制 が 整 え ら
れているものと考えている。
改善を要する点
・薬 学 教 育 自 己 評 価 実 施 委 員 会 に よ る 自 己 点 検・評 価 は 、と も す る と「 自 己 評 価 書 作
り 」に 大 き な ウ エ イ ト が 置 か れ て い る こ と は 否 め な い 。そ れ に 伴 い 各 部 会 で の 自 己 点
検・評 価 作業 も「 自 己評 価 書作 り」で終 わ りが ち であ る。今後 は、こ の 実施 委員 会 が
本 来 の 自 己 点 検 ・ 評 価 を サ ポ ー ト 、チ ェ ッ ク す る 機 関 と し て 十 分 に 役 割 が 果 た せ る よ
う改善してゆく必要がある。
[改善計画]
・「自己評価書作り」に終始してしまいがちな自己点検・評価作業を本来の有意義
- 118 -
なものにするためには、薬学教育自己評価実施委員会の役割を再度検討し、明確化
するとともに、自己点検・評価の結果を受けて、それを改善・改革へと導くための
システムの構築を検討する。
- 119 -
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