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6 施設・設備等
6 施設・設備等 (a) 大学の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 【現状の説明】 (1) 校地・校舎 <391 ページ 1-(3)用途別校地校舎面積‐③参照> 1965年、本学キャンパスは京都市郊外の歴史的伝統豊かな自然環境に恵まれた洛北景勝の神山の地に国有 林の払い下げを受け、校地面積約66,000㎡、校舎面積約4,500㎡で、経済学部・理学部の2学部で開学した。 約40年が経過した現在では、学生数約13,000人、校地面積609,552㎡、校舎面積150,651㎡を保有し、7学部 ・大学院7研究科を持つ総合大学に成長した。 開学当初は校地取得の関係から、総合グラウンド(陸上競技場・野球場・馬場等)、第2体育館(武道用 体育館)等は、本山本部キャンパスから1~2km離れた周辺地域に整備をせざるを得なかったが、その後、 鞍馬街道を隔てた神山地区の国有林・民有地計141,421㎡の払下げを順次受け、その神山キャンパス内に正課 授業と学生の課外活動を共用する総合体育館を1996年に建設した。さらに2004年6月にはその東側隣接地に 正課授業の他、ラグビー・サッカー等の練習場となる第3グラウンド建設工事を着工、2006年12月の完成を 予定している。 大学が保有する校地は、基本的な固定資産であり、教育・研究環境の充実と施設・設備を整備拡充するた めには欠くことのできない重要な財産である。しかし近年、校地の取得難は校舎等の過密化の問題を抱え、 大学のキャンパス計画、施設設備の整備充実などを阻害する一つの要因となっている。また、それに加えて 大学が施設拡充のために校地を取得する場合には、開発行為等種々の規制を受けている。 開学以来、今日まで建設および取得した建物は大小あわせて 75 棟を数える。 建築または増築取得した建物の推移としては、1965 年から 1979 年の第1期施設整備事業では、教学施設 を中心に 26 棟を建設し、続く 1980 年から 1992 年の第2期施設整備事業には、主に研究施設を中心とした建 物 28 棟を建設した。この間には、1989 年の工学部開設に伴う関連施設としての 10 棟が含まれている。 1993 年から 2000 年の第3期施設整備事業では、学生生活関連施設の整備・拡充に重点を置き、学生の課 外活動施設を中心に建設、1996 年に総合体育館・課外活動棟を、また年々進展する国際的な学術交流、文化 交流等に対応するための中核施設として、1998 年に国際交流会館を完成させた。 また、既設の建物の内、3号館(1972 年度) 、保健管理センター棟(1981 年度) 、計算機センター棟およ び2号館(1983 年度) 、1号館(1988 年度) 、神山研修室棟(1995 年度)をそれぞれ増築した。また、学内 に分散する厚生施設を集約するため、1996 年・1999 年の2期に分けて新8号館を完成させた。 第 3 期施設整備事業の締めくくりとして、1999 年には新たに設置された文化学部に対応するための 11 号 館を建設、学内バリアフリー化の一環としてバスプール三叉路間にエスカレーターを設置するとともに、外 部からの進入路2路線を確保するために、バスプールから4号館南側を経て8号館に至る緊急車両進入路を 新設した。 そして現在推進中である第4期施設整備事業では、これまでの開発コンセプトである「大学機能の一拠点 化」 、 「学園庭園化構想」を基軸に恵まれた環境を可能な限り活用し、キャンパスアメニティ(キャンパス空 間・学習環境)の整備充実を主眼に、単なる既存施設のリニューアルに留まらない新しい時代に即応した施 設整備を推進している。この第4期施設整備事業におけるこれまでの建築物は、琵琶湖畔の松の浦セミナー ハウス(2001 年度) 、総合グラウンド管理棟(2001 年度) 、第4研究室棟(2001 年度) 、12 号館(2002 年度) 、 賀茂川寮(2002 年度)である。 また、ごく近いところでは、2004 年度から開設された法科大学院の専用校舎である 13 号館(2003 年度) 、 旧5号館の老朽化により建替えられた新5号館(2003 年度)がある。 さらに既述のとおり、2004 年6月には、第3グラウンドの建設工事に着手した。 (2) 研究施設 <392 ページ 2-(1)研究施設・設備―研究室等の保有状況・面積について参照> 専任教員の研究室については、大学設置基準において設置が義務づけられているため、専任教員すべてに 対し1名1研究室を基本として、各学部の校舎内および研究室棟(第1研究室棟、第2研究室棟、第3研究 室棟、第4研究室棟)に計 321 室(総面積 8,016 ㎡)設置されており、教員1人あたりの平均面積は 25.0 ㎡となる。その他、教員の教育研究条件を充実させるため、個人研究室が設置されている校舎には、共同研 355 究室(25 室)が整備されている。 大部分の個人研究室内には、机、椅子、ロッカー等の什器類や書架以外に、多くのコンピュータ等情報機 器が設置されており、教員の個人差はあるものの現状の広さでは狭く、物理的にスペースを確保することが 難しくなっている。 (3) 教育施設 (3)-1 教室 <393 ページ 2-(2)-①教室使用状況一覧表参照> 2003 年度は、5号館建替え工事にともない、旧5号館が取り壊されたが、その代替校舎として既に 12 号 館建設が 2002 年度に完成し、2003 年度から使用が開始されたことにより、教室数の不足という状態を招く ことなく、必要教室を充足することができた。2003 年度の教室使用率をみると、各号館とも収容人数が1人 から 49 人までの教室および 50 人から 99 人までの教室の使用率が概ね 40~50%となっており、3号館の 50 人から 99 人までの教室では 55%の使用率で最高値を示し、一方2号館の1人から 49 人までの教室は使用率 10%と最低値を示している。これは一週間の授業時間数を、30 時間として算出しているものであるが、水曜 日の午後や土曜日の午後など、実際には授業の行われていない時間もあるため、実質の使用率はもう少し高 いものとなる。また、2004 年度には、新5号館が完成し 30 人から 40 人規模の小教室や演習室、200 人から 400 人規模の中教室の使用が開始され、既存の各教室の使用率も緩和した。 356 (表1)建物建設(取得)の推移 棟 期 分 類 数 校 ―2003 年度末 財産目録より― 建 物 名 称 第1期 舎 8 本館、1号館、2号館、3号館、4号館、6号館(大教室棟)、 7号館、情報技術実験室棟(旧計算機科学研究所) 学生関連施設 2 保健管理センター棟、松の浦セミナーハウス、 体 設 2 第2体育館、厩舎 舎 3 五常寮、神山学生寮、津ノ国学生寮 管理関係その他 11 バスプールの便所棟、学内倉庫棟(7号館裏)、守衛棟、 受水棟、受電棟(電気室)、神山ボンベ棟、総合グラウン ド倉庫棟(旧現代体育研究所)、総合グランドポンプ棟、 津ノ国ボンベ棟、津ノ国書庫、北小松教職員保養所 校 舎 6 1号館別棟(工学部)、9号館、温室管理棟、温室棟、第 1実験室棟、第2実験室棟 棟 2 第1研究室棟、第2研究室棟 学生関連施設 6 神山ホール、中央図書館、放送局棟、本山広場学生ホール、 本山広場第2学生クラブハウス(茶室)、本山合宿所(林 間亭) アーチェリー矢受場、弓道場、総合グランド自動車部車庫 棟、体育ミーティング室、第2グランドクラブハウス、第 2グランドシャワー室、艇庫 育 寄 宿 研 第2期 体 施 究 育 設 7 舎 1 追分学生寮 教 職 員 住 宅 1 追分管理棟 管理関係その他 5 現代体育研究所倉庫、第 2 グランド倉庫棟、艇庫ボイラー 室、同窓会館、本山電気室 校 舎 2 10 号館、11 号館 棟 1 第3研究室棟 学生関連施設 3 8号館増築棟、課外活動棟、神山研修室棟 体 設 1 総合体育館 舎 2 国際交流会館、上賀茂学修所(旧神山グリーンハイツ) 管理関係その他 2 神山研修室棟便所棟、特高電気室棟 校 舎 4 5号館、12 号館、13 号館、閉鎖系温室 棟 1 第4研究室棟 学生関連施設 2 新松の浦セミナーハウス、洗濯棟 体 設 2 総合グラウンドトレーニング棟、総合グラウンド管理棟 舎 1 賀茂川寮 寄 宿 第3期 研 究 育 寄 施 宿 第4期 研 寄 施 究 育 施 宿 合計 75 面 積 45,839.35 ㎡ 37,785.29 ㎡ 40,223.17 ㎡ 25,026.3 ㎡ 148,874.11 ㎡ ① 取り壊し又は売却済の建物は含まない(2000 年度同調査より記載方法を一部変更) 。 ② 借用地およびすみれ幼稚園は含まない。 357 (3)-2 情報処理学習教室 <別掲> (3)-3 視聴覚教室 <394 ページ 2-(2)-②視聴覚教室(LL教室)設備一覧表参照> 前回報告時の第1LL教室・第2LL教室(3号館) 、第3LL教室・第4LL教室(1号館) 、10401C ALL教室・10402LL教室・10403LL教室・10405 マルチメディア教室、10406 マルチメディア教室(10 号館)の9教室に加えて、11205LL教室・11202CALL教室および 11201AV教室(11 号館)の3教室が 増加し、視聴覚教室全体で 12 教室となった。いずれの教室も高い使用率となっており、特にCALL教室の 使用が多くなっている。 (3)-4 体育施設・設備 <395,396 ページ 2-(3)体育施設使用状況参照> 本学の体育施設は、総合体育館(メインアリーナ・サブアリーナ・練習室・トレーニングルーム) ・パタ ーゴルフ練習場・神山テニスコート・ソフトテニスコート・市原テニスコート・総合グラウンド(野球場、 陸上競技場、トレーニングルーム、馬場、弓道場、自動車部車庫) ・第2グラウンド・第2体育館(柔道場・ 剣道場) ・射撃場・ヨット部艇庫(滋賀県唐崎)等から構成されており、正課授業の他、課外活動等に広く利 用されている。 なお、神山キャンパスには総合体育館・課外活動棟・ストリートバスケット練習場等を併設しており、多 くの学生が利用している。 【点検・評価】 (1) 校地・校舎 <389,390 ページ 1-(3)用途別校地校舎面積‐①②参照> 校地・校舎の現有面積と設置基準面積との比較をすると、大学全体の現有校地面積は612,724㎡で、学生1 人当たり47.30㎡となるが、文科省が規定する大学設置基準上の校地面積は331,884㎡で、学生1人当たりの 校地面積も25.60㎡となり、かなり校地として算入できる面積が減少する。ちなみに、私大連盟加盟大学の2 003年度の校地面積平均は学生1人当たり27.90㎡で、本学の大学設置基準上の面積については、学生1人当 たりの校地面積が、私大連盟平均をわずかながら下回っている。 しかし、全体的には設置基準上の現有校地面積331,884㎡に対して、大学設置基準校地面積は102,940㎡で あり、大学設置基準の一部改正により、従来、基準校舎面積の6倍から3倍(学生1人当たり10㎡)以上に 緩和されたことに伴い、設置基準面積と対比すると現有面積として228,944㎡の余裕ができた。 大学の用途別校舎面積については、全体で150,615㎡、学生1人当たり11.64㎡であるが、大学設置基準上 の現有校舎面積は、107,515㎡で、学生1人当たり8.30㎡となっている。大学設置基準校舎面積は、51,835 ㎡であることから、設置基準を55,680㎡上回っているが、2003年度私大連盟加盟大学平均の学生1人当たり の校舎面積11.70㎡と比較すると本学の設置基準校舎面積は平均よりも学生1人当たり3.50㎡低い数値とな っている。 しかしながら、現有の用途別校舎面積では、前回の自己点検・評価(2000年度)のデータ129,679㎡と比較 すると20,936㎡の増加となっており、 これは2002年度に12号館、 2003年度に新5号館が完成したことにより、 校舎面積は以前よりも余裕のあるものとなったことを示している。 また、本山本部キャンパスの敷地は256,021㎡であるが、この内校地に算入できる面積は174,153㎡で、残 りの敷地は緑地・法面・傾斜地となっている。キャンパス内の建設可能な敷地も、第1種中高層住居専用地 域、第3種風致地区等となっており、キャンパスそのものが丘陵の中腹で斜面地に位置しているため、建設 適地となる平坦地が少ない。 このように、キャンパスの敷地面積の割には緑地や法面が多いため、必然的に1人当たりの有効校地面積 や校舎面積も少ない。 学生の課外活動施設として、体育施設では正課授業と共用する総合体育館・総合グランドはもとより、第 2体育館(柔道・剣道場)・第2グラウンド・テニスコート(市原・神山)・弓道場・馬場・ゴルフ練習場等の 施設を整え、総合体育館にはメインアリーナ・サブアリーナ・練習室3室・トレーニングルーム・ミーティ ングルーム2室・会議室等がある。また、課外活動棟には練習室6室・ミーティングルーム・部室 30 室と約 411 ㎡のミニホールが野外ステージと一体となって整備されており、神山ホールには最大 1,600 人の収容能 力を持つ大ホールと大・小(120 名・60 名収容)セミナー室および和室(60 名収容)が設けられ、それぞれ 入学式・卒業式はもとより学会・研究会・職員の研修会をはじめ課外活動等の成果発表の場として広く利用 358 されている。また、最近では地域交流、貢献を目的として地域の中学校の音楽会や学習発表会に貸出しを行 っている。 福利厚生施設として、食堂(軽食堂含む) (合計 1,700 席) ・書店・コンビニエンスストア・旅行代理店お よびATM(銀行3・信用金庫1・郵便局1)を学内に設置しており、食堂については 13,000 名の学生に加 え教職員が昼食時間帯に集中することから混雑が著しかったが、昼食時に大教室棟ロビーで業者によるパン の臨時販売店を出店、また食堂やコンビニエンスストアでの弁当の販売を始めたことにより、食堂の混雑は 若干緩和されている。 その他、2001 年度に滋賀県志賀町の琵琶湖畔に建設された松の浦セミナーハウスは、宿泊施設を完備して おり、1995 年度に取得した神山研修室棟とともに主としてゼミや課外活動の合宿で広く利用されている。 (2) 研究施設 <392 ページ 2-(1)研究施設・設備―研究室等の保有状況・面積について参照> 個人研究室の面積は、各学部によってばらつきがあるものの、狭い研究室で 17.48 ㎡、広い研究室で 52.50 ㎡となっている。教員1人当たりの全体平均面積は 25.0 ㎡で、前回の本学の自己点検評価の 27.45 ㎡を下回 る結果となっている。これは、前回報告時以降、2001 年度に第4研究室棟が建設され、研究室数は増加して いるが、 一方では本学の施策である特色ある教育の推進に伴う専任教員の充実策により前回の 291 人から 320 人へと教員数が大幅に増加したことに起因している。 (3) 教育施設 (3)-1 教 室 <393 ページ 2-(2)-①教室使用状況一覧表参照> 1号館では 200 人~299 人、400 人~499 人の教室の使用率が高く 60%を超えている。また、3号館では 50 人~99 人の教室、本館では 50 人~99 人の教室、12 号館では 300 人~399 人の教室の使用率が高く、とも に 50%を超えているが、その一方で2号館の教室の使用率が低い。 このような状態は、1号館では一般教育科目の授業が主として開講され、3号館および本館では外国語学 部の専門科目や共通教育科目の語学科目が開講されていることから表れている。 また、2号館の教室の使用率が低いのは、学部の性格上授業の多くが実験室や教員の研究室で行われてい ることを示している。 (3)-2 情報処理学習教室 <別掲> (3)-3 視聴覚教室 <394 ページ 2-(2)-②視聴覚教室(LL教室)設備一覧表参照> LL機器の機種が使用教室毎に異なっているため、操作面での整合性がなく、使いづらいものとなってい る。 また、10 号館マルチメディア教室では、パソコンを使用した授業が可能であるが、現在ではまだ、ビデオ やDVDの使用が多いことから、教員がその使用方法を習得する必要があり、事務側もそのサポート体制を 構築する必要がある。 (3)-4 体育施設・設備 <395,396 ページ 2-(3)体育施設使用状況参照> 2003 年度における体育施設の年間使用状況を見ると、使用者数は 402,918 名で、正課授業では 18.7%の 75,346 名、課外活動では 80%の 322,334 名の利用である。残り 1.3%の 5,238 名は、その他の学生・教職員 による神山テニスコート・ストリートバスケット練習場等の利用である。 総合体育館には体育施設の他に、体育教員研究室・演習室・実験室および実習室を設置したことで、 「人 間形成」の一環である「体力づくりの場」としても、健康科学およびスポーツ科学を有機的に学習する環境 が整ったと考える。 【長所と問題点】 (1) 校地・校舎 本学キャンパスは、俗に「京都三山」と呼ばれる洛北景勝の地に位置していることから、建築物が直接自 然景観や風景に影響をおよぼすため、 ほぼ全域が風致地区および市街化調整地域に指定されている。 さらに、 神山地区については、1995年に制定された歴史的風土保全条例による指定を受け、大規模な開発は非常に難 しく、建設高さは最高15m~20mの制限と、勾配屋根の設置がほぼ義務づけられている。 359 近年、京都市は大学流出問題に積極的に取り組んでいるが、既に多くの大学が敷地不足、建物面積不足な どの理由から京都市郊外に移転建て替えを余儀なくされているのが実状である。 他の大学が郊外や他府県へと移転する中で、本学は「教育的効果」と「効率的施設管理」の観点から、従 前より「大学機能の一拠点化」を基本方針としており、校地としての用地取得には必然的に現キャンパスと 隣接していることを最優先にしながら、キャンパス整備を推し進めている。本山本部キャンパスに隣接する 民有地(旧石井邸)1,585㎡を2003年度に購入、将来の建設用地として1990年度に既に購入していた林間亭敷 地と併せて造成することにより、傾斜地が多く校舎建設に適した平坦地が極めて少ない本山本部キャンパス では貴重な校舎敷地となり、将来の学部・学科および大学院の再編に伴う新校舎や既存校舎の老朽化に伴う 代替校舎の建設のための用地とすることが可能となった。なお、当敷地の埋め立てには2004年6月から着工 した第3グラウンド建設の掘削に伴う残土(約12,000㎥)を利用する。 これにより、埋め立てに要する土砂の購入経費およびグラウンド建設に伴う残土処分代を節約できるとい うコスト面のメリットのみならず、鞍馬街道上の交通量緩和にも大きく寄与することとなる。 本学は、従来からキャンパス整備を実施するにあたっては、その恵まれた環境を損うことなく、歴史的風 土、自然環境の「保護」と、校舎建設という「開発」の言わば相反する行為の両立を図ることを目的とした 「学園庭園化構想」に基づき推進してきたものである。 第4期施設整備計画では、これまでの開発コンセプトである「大学機能の一拠点化」および「学園庭園化 構想」を基軸とし、恵まれた環境を最大限に活用しながら、キャンパスアメニティ(キャンパス空間・学習 環境)の整備充実を主眼に、単に既存施設のリニューアルに留まらない新しい時代に即応した施設整備を推 進している。 (2) 研究室 <392 ページ 2-(1)研究施設・設備―研究室等の保有状況・面積について参照> 現在、321 室の研究室が設置されているが、専任教員 320 人に対し、1室の研究室しか余裕がない。今後 の教員数の増加に対応するためには新たな研究室の増設が必要となり、そのため他の部屋を研究室に改修す る必要が生じている。 また、理・工学部の教員の大部分は、専用の研究室以外に授業で使用する実験研究室等を個人の研究室と して利用している。 (3) 教育施設 (3)-1 教室 <393 ページ 2-(2)-①教室使用状況一覧表参照> 前回の自己点検評価報告書でも指摘されているが、やはり各号館とも授業が2時限目~4時限目までに集 中しており、特に3号館ではこの時間帯の使用率が著しく高く、全く空き教室のない時間帯もある。また、 2003 年度は旧5号館が建替えのため取り壊され、12 号館をその代替校舎として先行して建設、その役割を果 たした。なお、大学全体で使用率の高い校舎は、3号館、大教室棟(6号館) 、本館で、比較的低い教室は2 号館となっている。 (3)-2 情報処理学習教室 <別掲> (3)-3 視聴覚教室 <394 ページ 2-(2)-②視聴覚教室(LL教室)設備一覧表参照> 情報処理学習機能を持たせたCALL(Computer Assisted Language Laboratory)教室は、これまで の 10 号館の 10401CALL教室、3号館第2LL教室に加えて 1999 年に完成した 11 号館に 11202CALL 教室が設けられ、大学全体で3教室となり、2003 年度では延べ 88 科目の授業が行われている。旧態依然と した語学教育のみではなく、語学教育に情報処理学習機能を付加することにより、マルチメディア的な教学 プログラムの展開を目指している。 しかしながら、その反面CALLシステムの操作が複雑で、扱える教員が限られているのが実状であり、 当初にCALL教室に割当てられた授業も情報処理教室に変更して行われることも多く見られる。さらに、 CALL教室には学生をアシスタントとして配置しているが、学生もマニュアルを参考に操作補助をしてい るものの、その扱いには苦労しているのが現状である。 また、LL教室やマルチメディア教室についても、CALL教室と同様に有効な使い方をしている教員は 一部であり、多くの教員がビデオやCD・DVDの使用に留まっている。 360 (3)-4 体育施設 <395,396 ページ 2-(3)体育施設使用状況参照> 本学の正課授業は、総合体育館・第2体育館・総合グラウンドおよび神山テニスコートで実施しており、 学生全員が屋内外競技を学べるカリキュラムを組んでいる。 しかしながら年間使用状況から見ても、限られた施設を正課授業と課外活動とで共用していることから、 過密状態となっているのが現状である。 【将来の改善・改革に向けた方策】 (1) 校地・校舎 校舎等の整備・充実については、策定された京都産業大学長期建設計画を基本にして毎年中身の見直しを 繰り返しながら、順次実施している。 開学以来約 40 年を迎え老朽化の進んだ建物もあり、建替えも含めた改修計画を立案している。 具体的には、旧5号館の老朽化に伴い、2003 年度に新5号館を建替え、さらに 2004 年度から開講した法 科大学院(ロースクール)専用校舎である 13 号館を建設した。 なお、この新5号館は、開学当初に建設した建物を撤去し、同じ場所に規模・機能を一新して建替えを行 った初めての建物であるが、その際に大きな問題となる教室不足を解消するために、工事の間に不足する教 室の受け皿として 12 号館を先行して完成させる(2002 年)など、常に経済的かつ効率的な建替え計画を立 案・実行している。 現在推進中である第4期施設整備計画における将来計画を列挙すると次のとおりとなるが、開発の基本コ ンセプトである「大学機能の一拠点化構想」および「学園庭園化構想」を基軸としながら進めていくことと なる。 現在策定されている第4期施設整備計画で,2015 年度までの計画を列挙する。 (1)-1 仮称理・工学部棟新築工事 学部・学科の再編に伴う新校舎建設と旧校舎の改修。 (1)-2 敷地整備工事(林間亭周辺造成) 建設適地の少ない本学にとって、林間亭周辺を造成することにより貴重な平坦地を生み出すことが可能と なる。なお、造成のための土砂は第3グラウンド建設に伴う掘削土を利用することで、コストの削減を図る。 (1)-3 8号館東エスカレーター新築工事 キャンパスネットワーク整備および8号館周辺の混雑緩和を目的とする。 (1)-4 屋根付歩道設置工事(バスプールエスカレーターから5号館まで) 本山地区内主要幹線である6号館(大教室棟)からバスプールエスカレーターまでを屋根付歩道で結ぶこ とにより、雨天時、キャンパス玄関から第4研究室棟まで濡れずに移動することが可能となる。 (1)-5 追分寮新築工事(追分寮西側) 神山・津ノ国学生寮の全面移転を計画。当該地は本山・神山地区に近接しており、寮生の快適性・利便性 の向上が図れるだけでなく、学生寮の統廃合を行うことで大きな経済効果が期待できる。 (1)-6 地下駐輪場新築工事(1次、バスプール駐輪場) 現状のバスプール駐輪場は、大学の玄関口としての景観上、相応しくないため、バスプール総合整備の第 1 次として、駐輪場を地下に移設する。 (1)-7 バスターミナル化工事(2次) バスプール総合整備の第2次工事として、路線バス・スクールバスの発着の効率化と学生の利便性向上を 目的とし、バスレーン等車道部分と待合・歩道部分の歩車分離、歩行移動ルートを全面屋根付とする。 (1)-8 ブリッジ架橋工事(3次) 本山地区と神山地区の交通アクセスをスムーズにし、より安全性を確保するため鞍馬街道上に陸橋(ブリ ッジ)を架橋する。 (1)-9 総合インフォメーションセンター新設工事 現在の守衛所がバスプールから奥まっていることから、バスターミナル化、ブリッジ架橋等が実現すれば、 本学キャンパスへのアプローチが一本化されるため、その玄関部分に総合インフォメーションセンターを建 設する。 (1)-10 総合グラウンド厩舎建替え工事 1968 年建設の現厩舎の老朽化が著しいため、建替えを計画している。 361 (1)-11 1号館建替え工事(情報技術実験棟含む) 1号館は情報技術実験棟と併せて開学当初に建設された建物(一部増築)であるが、2013 年には建設約 50 年を経ることから建替えを行う。 (1)-12 本館建替え工事 開学時の建物であるが、2013 年には建設後約 50 年を経ることから開学 50 周年記念事業として建替えを行 う予定である。仮称荒木記念館を併設し、本学の歴史・文化等の展示を行うメモリアルスペースとする計画 である。 (1)-13 大学院棟 大学院の再編に伴う新校舎および老朽化した校舎の建替え時の代替校舎として計画。 (1)-14 図書館蔵書棟 現在の中央図書館が蔵書で飽和状態となるため、新たな蔵書棟を建設する。 (1)-15 各館入退出管理システム集中化工事 各号館入口の施錠・開錠を守衛所で一括して可能とすることにより、効率化を図る。 今後も学生および社会のニーズに応えながら施設整備を進めていくこととなる。 本学が私立大学である以上「建学の精神」を再確認し、本学の将来あるべき方向を教学面、財政面、施設 面から検討し、21 世紀に生き残りをかけた施設整備事業として当面は「第4期施設整備計画」を鋭意推進し ていく。 本計画は、これまでの開発コンセプトである「大学機能の一拠点化」 、 「学園庭園化構想」を基軸に進める こととなるが、同時にバリアフリー対策や近年特に重要な取り組みが必要となっている環境問題に配慮した 事業の遂行を図らねばならない。 (2) 研究施設 1人1室として充実を図ってきた研究室であるが、今後は教員の研究のための施設というだけでなく、 2003 年1月に学長が打ち出した「教育研究総合施策」でも実施の方向性が示されているオフィスアワーのた めの空間としても、研究室の利用範囲は拡大していく。また、将来的にもIT関連機器や情報通信機器の個 人研究室への配備が数多くなることが予想されるため、研究室の充実については教員の意見を聞きながら構 築していかなければならない。 また、各研究室棟の共同研究室については、教員の共同利用が可能なようにコンピュータ等の高額な情報 機器を配備してきたが、現在では多くの情報機器が個人研究室に導入されていることから、複写機利用のみ に使用されているケースも見受けられる。 専任教員数が増加し、研究室不足が懸念される今日、その使用状態を精査のうえ、共同研究室を個人の 研究室に改修するなど、そのあり方、必要性を再検討しなければならない。 (3) 教育施設 (3)-1 教室 5号館建替による代替校舎として 12 号館を建設し、2003 年度より使用が開始され、2004 年度には新5号 館も使用が開始された。 これにより、教室数にゆとりができたことになるが、各号館とも授業による使用が2時限目から4時限目 に集中しており、時間帯によっては全く空き教室のない校舎もある。 使用の少ない1時限目(特に月曜日)や5時限目に授業を配することによって、各号館の教室を有効に利 用できるものと考える。 また、新5号館においては全ての教室にプロジェクター(5406 教室はDLP装置2台を設置)とスクリー ンが設置されている。現在プロジェクターが設置されていない教室については、設置を検討することが必要 である。ただし、その際に、老朽化した校舎の機器導入には建替え計画との調整を十分に検討する必要があ る。 新5号館では教員と学生の距離ができる限り近くなるよう、始めて横長の教室とし、学生および教員の好 評を得ており、今後新規に教室を設置する場合には重要な要素となる。 362 また、適切な教壇の高さや黒板とホワイトボードのいずれを設置するか等も教室新設の際には考慮しなけ ればならない。 (3)-2 視聴覚教室 LL教室、マルチメディア教室においては、装置を十分に使いこなしている教員が限られていることから、 使用方法についての講習やマニュアルの整備が必要である。 また、CALL教室については、10 号館の 10401CALL教室の装置が使いづらいなどの声が教員の間か ら出されており、語学教育におけるそのあり方の再検討を迫られている。現に 11 号館の 11202CALL教室 が 2005 年度から情報処理教室に変更される予定である。 (3)-3 情報処理教室 <別掲> (3)-4 体育施設 近年、体育会所属クラブ・サークル活動等の課外活動が増加傾向にあり、体育施設使用頻度は加速する一 方である。限られた施設を効率的・効果的に利用するため、スケジュールの変更等で施設を使用しない場合 は、速やかに施設使用取消届を提出するよう指導している。 また、新施設として 2006 年 12 月に第3グラウンド(ラグビー・サッカー等練習場)が、神山キャンパス 敷地内に完成予定である。現在使用中の2つのグラウンドは神山キャンパスから離れた立地場所にあるが、 第3グラウンドの完成に伴い正課授業および課外活動の一部を移行する計画で、 移動時間を大幅に軽減でき、 より効率的な施設運用が期待される。 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 【現状の説明】 (1) サーバおよび情報処理教室の整備状況 本学は、7学部、13,000 人を擁する総合大学であり、各専門分野から寄せられる情報教育システムへの要 望は多種多用となる。 これらの要望をひとつのシステムで対応することは不可能であることから、1999 年度より情報設備を三階 層に分け整備することにより、コストパフォーマンスの高い設備運用を図っている。 具体的には、専門分野に高度に特化した設備は学部内で整備し、可能なかぎり多くの専門分野で利用でき る「全学共通の情報処理教室」を整備してゆく方針を進めている。 また、予習・復習を行なえる汎用性の高い自習用教室も、それとは別に整備している。 363 図1 情報教育設備の構成<三階層図> 学部・学科の情報処理教室 学部・学科 専用設備 全学共同設備 10 号館情報処理教室 全ての学部で 共同利用 全学共通の情報処理教室 11 情報処理教室 サテライト設備 12302,32,5201 情報処理教室 図書館パソコン室 主に自習に利用されるサテ ライト教室・パソコン室 2002 年度からは、全学共同設備の再リース機によってサテライト設備だけでなく、教員研究室やクラブ ボックス、学生寮への配備を行った。これにより教員へは教材の準備環境および機器管理からの開放、学 生へは学習環境の提供を行った。2005 年度でも同様にサイクルを回し、全学共同設備の再リース機でそれ ぞれを置き換える予定である。 なお、各建物別の情報設備の整備状況については次のとおりである。 364 表2 全学共通の情報処理教室設備 教室名 1号館 10号館 10号館 OS名 11情報処理教室 IBM Netfinity3000 10201情報 処理教室 10202情報 処理教室 10203情報 処理教室 10204情報 処理教室 10205情報 処理教室 10206情報 処理教室 10301情報 処理教室 10302情報 処理教室 10303情報 処理教室 10405マルチメ ディア教室 10406マルチメ ディア教室 10号館教材 準備室 10号館 機器名 その他 コンテンツ室 台 導入年月 数 WindowsXP,Vinelinux 91 2000.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 94 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 109 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 49 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 49 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 49 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 49 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 64 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 94 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 49 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 1 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 1 2002.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 4 2002.4 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 1 1999.4 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 10 1999.4 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 5 1999.4 Power Mac G4 MacOSⅩ 1 1998.4 DELL Precision 330 WindowsXP 12 2002.4 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 1 1999.4 Power Macintosh G3 MacOS8.6 1 1998.4 10号館 ロビー Power Macintosh 8500 MacOS8.6 4 1998.4 大教室棟 各部屋教卓台 IBM Netfinity3000 WindowsXP 6 1999.4 5号館 各部屋教卓台 IBM ThinkPad R40 WindowsXP 29 2004.4 11号館 各部屋教卓台 IBM Netfinity3000 WindowsXP 1 1999.4 12号館 各部屋教卓台 IBM ThinkPad R40e WindowsXP 16 2003.4 その他 各建屋教員室 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 15 1999.4 365 表3 学部・学科の情報処理教室設備 教室名 3号館 機器名 第2LL教室 OS名 台 導入年月 数 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 41 2002.4 31情報処理教室 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 45 2002.4 4号館 41メディア演習室 IBMIntelliStation Epro WindowsXP 37 2001.4 5号館 5202情報 処理教室 WindowsXP,Vinelinux 40 2002.4 C1情報処理教室 IBM XSeries200 WindowsXP,Vinelinux 計算機科学 IBMIntelliStation Mpro Vinelinux 研究所 C2情報処理教室 SUN Ultra10など Solaris 2.8など 35 2002.4 55 2002.4 5 2002.4 IBMIntelliStation Mpro WindowsXP,Vinelinux 1 2002.4 IBMIntelliStation Mpro WindowsXP,Vinelinux 1 2002.4 IBMIntelliStation Epro WindowsXP,Vinelinux 1 2002.4 IBMIntelliStation Mpro WindowsXP,Vinelinux 21 2002.4 IBM XSeries200 4KB06 大学院講義室 4KB07 第4 大学院講義室 研究室棟 4KB08 大学院講義室 4KB10大学院 情報処理教室 11号館 11202CALL教室 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 62 2000.4 オープンパソコン教室 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 8 2000.4 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 1 2000.4 Power Mac MacOS 1 2000.4 教材準備室 13号館 メディア演習室 IBM ThinkPad G40 WindowsXP 42 2004.4 模擬裁判室 WindowsXP 3 2004.4 IBM ThinkPad G40 表4 主に自習に利用されるサテライト教室・パソコン室設備 教室名 3号館 5号館 12号館 図書館 機器名 OS名 32情報処理教室 IBM XSeries200 5201情報 処理教室 12302情報 処理教室 パソコン室 台 導入年月 数 WindowsXP,Vinelinux 91 2002.4 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 41 1999.4 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 41 1999.4 IBM Netfinity3000 WindowsXP,Vinelinux 49 1999.4 366 表5 CALL 教室 教室名 機器名 OS名 10401CALL教室 Fujitsu FMV 6400 DX2 WindowsNT4.0 10号館 台 導入年月 数 49 1999.4 10402LL教室 Fujitsu FMV 6400 DX2 WindowsNT4.0 1 1999.4 10403LL教室 Fujitsu FMV 6400 DX2 WindowsNT4.0 1 1999.4 表6 教育研究用サーバ設備 場 所 10 号館3階機械室 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 名称 OS名 ※セキュリティ上から記載しな い DNS, NIS, NTP, Radius Debian Linux Debian Linux DNS, NIS Debian Linux SMTP, POP3 Debian Linux WWW Debian Linux DHCP Debian Linux tftp(VMPS) Debian Linux arpwatch Debian Linux FTP, CGI 開発, NEWS Windows2000 Active Directory Windows2000 Active Directory プリント Windows2000 専用 OS NFS(メール) 専用 OS NFS Solaris LDAP Solaris バックアップ Debian Linux ユーザ情報管理 Windows2000 LCCM PVM TurboLinux3.0 CPU Vine Linux Active!mail(Web, IMAP) Debian Linux 課題提出システム Debian Linux Auto ASP Windows2000 ウイルス定義ファイル配信 Windows2000 CALL PDC, StudyWave WindowsNT4.0 server CALL BDC, プリント WindowsNT4.0 server 無線 LAN 用 DHCP Debian Linux インターネットコンセント DHCP Debian Linux Windows2000 IP/TV コンテンツ NFS 専用 OS Windows2000 WMT 配信 Windows2000 Real 配信 RMS Windows2000 Firewall 台 導 入 月 日 1 1999.4 1 1 2 2 1 1 1 1 1 4 1 1 1 1 1 2 1 1 2 4 2 1 1 1 1 1 1 4 2 3 2 1 2002.3 2002.3 2002.3 2002.3 2002.3 2002.3 2002.3 2002.3 2002.3 2002.3 2002.3 1999.4 2002.4 2002.4 2002.4 2002.4 1999.4 1999.4 2002.4 2002.4 2002.4 1999.4 2002.3 1999.4 1999.4 2000.4 2000.4 2000.4 2002.7 2000.4 2002.4 2004.3 これらの情報処理教室とサーバは、高速なバックボーン(Gigabit スイッチ)を経由して接続されている。 367 表7 クラブボックス・学生寮 教室名 機器名 OS名 台 導入年月 数 各建屋研究室 IBM Netfinity3000 WindowsXP 266 2002.4 各建屋ClubBox IBM Netfinity3000 WindowsXP 77 2002.4 追分寮 IBM Netfinity3000 WindowsXP 10 2002.4 国際交流会館 IBM Netfinity3000 WindowsXP 10 2002.4 葵寮 IBM Netfinity3000 WindowsXP 5 2002.4 津ノ国寮 IBM Netfinity3000 WindowsXP 3 2002.4 第二体育館 IBM Netfinity3000 WindowsXP 4 2002.4 神山寮 IBM Netfinity3000 WindowsXP 3 2002.4 賀茂川寮 IBM Netfinity3000 WindowsXP 3 2002.4 総合グラウンド管理棟 IBM Netfinity3000 WindowsXP 8 2002.4 弓道場 IBM Netfinity3000 WindowsXP 1 2002.4 厩舎 IBM Netfinity3000 WindowsXP 1 2002.4 神山研修室棟 IBM Netfinity3000 WindowsXP 4 2002.4 ※導入時期は 2002 年であるが、全学共同設備の再リース機であり、その導入日は更に3年前である。 (2) サーバおよび情報処理教室の維持・管理体制 情報センターでは、本学の学生(大学院生含む)を計算機運用補助員(アルバイト 登録者数 68 名)とし て雇用し、授業期間における、教室内の美化・プリンターなどの初期トラブル、機器操作の初歩的トラブル に対処している。 2001 年度より教育教材開発補助員(アルバイト 登録者数 23 名)を別途雇用し、教員か らの教材開発依頼の請負およびコンテンツ制作室の管理を行っている。 なお、1998 年度調査時、教室の運用補助については常駐を主としていたが、人件費を抑える目的から、自 習教室については巡回によるサポートにとどめ、高度な質問に対応できる大学院生等をメインカウンターに 常駐させるとともに、 夜間に開室する自習教室数を必要最低限に絞り、 運用補助を集中させることによって、 人件費の上昇を抑えている。 その後 2003 年度より対応マナーに重点をおきアルバイトを雇用したが、技術力の低下によりトラブル対応 能力が低下したため、2005 年度より従来の技術に重点をおいた採用を行う予定である。 表8 計算機運用補助員・教育教材開発補助員割当状況 教室名 10 号館メインカウンター 自習教室(10 号館,11 号館) サテライト教室(3室) 図書館パソコン室 教員サポート コンテンツ制作室 平 8:45-18:30 平 18:30-20:00 土 8:45-12:45 土 12:45-17:00 4 名(常駐) 1 名(巡回) 1 名(巡回) 1 名(常駐) 1 名(巡回) 1 名(常駐) 4 名(常駐) 1 名(巡回) 2 名(常駐) 1 名(巡回) 1 名(巡回) 1 名(常駐) 1 名(巡回) 1 名(常駐) 4 名(常駐) 1 名(巡回) 1 名(常駐) 1 名(常駐) 1 名(常駐) 1 名(常駐) (注)平日・土曜日とも、各2名の上級レベル補助員を 10 号館メインカウンターに常駐させ、当課担当 者との打ち合わせ、急を要するトラブル対処、補助報告書作成、教室の施錠確認等を行なわせてい る。 なお、学部学科の情報処理教室は、各教室の主管課が同様の運用補助員を雇用し、教室の運営を行ってい る。また、科目に関する専門知識が要求される授業補助員については、科目開講部署が必要に応じて雇用し 368 ている。 (3) セキュリティ 一部の解施錠が必要となる教室を除き、情報処理教室には入室管理システムを導入しており、盗難、部外 者の入室を阻止している。情報教室に設置しているパソコンには夫々ワイヤーでロックして盗難されにくい 環境としている。ユーザ認証機能があるOSを選択したことで更にセキュリティの強化を図っている。 (4) 利用者に対する配慮・サービス 新入生に対しては、オリエンテーションのなかで広報するとともに、本学計算機環境およびインターネッ トを利用するために必要となる利用者IDを交付している。 発刊物として、電子メール、操作方法など判り易く解説した「コンピュータガイド」を発刊している。 授業等に支障のない限りにおいて、自習用として、 「全学部共通の情報処理教室」から数室を、8:45~20:00 (土曜日は 17:00)まで開放し、学生の便宜を図っている。 (5) 委員会等の組織 全学生を対象にした共通情報教育の推進に関する事項を審議する機関として、 「情報教育委員会」が設置さ れている。 また、全学生を対象にした情報倫理に関する事項を審議する機関として「情報倫理委員会」が設置されて いる。 図2 情報関係委員会関連図 学 長 部 局 長 会 情報教育委員会 小委員会 情報倫理委員会 分科会 小委員会 【点検・評価/長所と問題点】 (1) サーバおよび情報処理教室の整備状況 利用者ID発行数 13,991 人(2004 年 10 月 26 日現在)に対して、最低限必要とされる能力を持つサーバ を用意している。今後教育の情報化に伴い、サーバ能力そのものより、サービス内容の充実が要求されるよ うになると推測している。 各情報処理教室の機器は、約3年のリースまたはレンタル契約を行っており、時代に促した機器を学生に 提供している。 また、学部生・大学院生総数に対する機器の導入台数は、12,884 人(2004 年 10 月末現在)に対して、教 育用サーバ・パソコン総数は 1,504 台であり、1998 年度調査の 4.4%、2000 年度調査の 11.1%に比較し、11. 7%と伸びを示している。 (2) サーバおよび情報処理教室の維持・管理体制 1999 年度新情報教育システム構築に伴う情報処理機器の大幅な増加に対しては、システム設計当初からネ ットワークを介しての集中管理を実施しており、管理者数の大幅な削減を実現している。またユーザへのサ ービス(サポートについては)計算機運用補助員(学生アルバイト)を利用するなど、現時点では充分な体 制が取れていると考える。 369 なお、計算機運用補助員の雇用に関して特に留意していることがある。 企業が単に低予算で労働力や知識を得るために学生アルバイトを利用するのとは異なり、当課では、賃金 イコール奨学金であると考えており、学生自身の成長を促す仕掛けを設けている。 ・ 一般的な問題解決技術の修得 計算機運用補助は、学生が問題解決技術を修得する上で、非常に適した業務であると考えられる。 当課では、計算機運用補助員が業務を通じて問題解決技術が修得できるよう、 (状況が許す限りにおい て)画一的なマニュアルによる作業指示ではなく、①問題に対して注意深く観察し、じっくり考えようと する態度、②論理的な探求法や推論の方法に関する知識、③それらの方法を適用する技術等について、各 学生のレベルに応じ成長を促すように指導する。 ・ 能力に応じたレベル分け 2000 年度から、それまでは全員が横並びであった計算機運用補助員を、知識量およびマネジメント能力 でレベル分け(給与も異なる)し、ピラミッド型の管理体制を作っている。 ピラミッド頂点の部分に、知識量だけではなくマネジメント能力にも優れた少数の大学院生、その下に 同様の能力を持つ若干名の学部生、さらに作業グループとしてその下に運用補助能力を持つ学部生または 新規雇用者を配置することにより、統制があり自律性をも有する業務体制が実現できたと考えている。 また、レベル分けすることにより、計算機運用補助員内に自然と教育体制が生まれ、各自が自己研鑚に 励むなど、結果的に計算機運用補助員全体のレベルが向上するという副次的なメリットも見えはじめてい る。 (3) セキュリティ 「新入生オリエンテーション」および授業内で、自己によるセキュリティ強化を促している。 さらに利用者ID発行時に注意を喚起し、パスワードの文字種、文字数の指定を行っている。 また 1999 年度からは新入生全員に利用者IDを交付しているが、パスワードの重要性を認識させるため および安全上の理由から、約1ヶ月の期限を設け、この間に1回以上パスワード変更することを義務付け、 期間中にパスワードを変更しなかった場合は、当該学生の情報を保護するため、一時的に利用者IDを利用 不可能とする措置を取った。 その後、2002 年度から利用者管理システムを一新し、記号などを含んだ無規則な8桁のパスワードを渡す ことで1ヶ月のパスワード強制変更制限をなくし、利用不可能になった学生のために授業が成り立たなくな る問題をなくした。 (4) 利用者に対する配慮・サービス 「コンピュータガイド」を発刊することにより、機器の操作から電子メールなどの操作を自習し、マスタ ーすることが可能となっている。 また、UNIXコンピュータの操作が必要となっていた「Sign 登録システム」 (利用者ID決定支援シス テム)を、2000 年度からは、Webベースで作成、 「ユーザサービス」として運用している。 このため、パソコン初心者でも簡単に、UNIXパスワードの変更 、メール送信時のローマ字氏名の 変更、メールの転送、個人ホームページの公開、ユーザ名変更等が行なえるなど、従来と比べより使いや すい環境を実現できたと考える。 電子メールについても、従来はUNIXコンピュータの操作(知識)が必要となっていたが、2000 年度か らはWebベースのメールソフト(Active!Mail)を導入し、より使いやすい環境を実現している。 インターネットニュースはサーバにログインすることで、どのクライアントからも共通の操作方法で見る ことが可能であり、操作性の統一を行っている。 デジタルコンテンツを作成するためにコンテンツ制作室(旧マルチメディア教室)を設置している。また IP‐TVおよびWMT(Windows Media Technology) Server, Real Server を導入し、これらの環境を用いてデ ジタル教材の学内放送を行なっている。将来的には学内で作成された教材の共有を目的とした、デジタルア ーカイブ構築を予定している。 なお、2000 年度からは、ユーザが書きこみ可能な電子掲示板を設け、大学構成員間のコミュニケーション 促進を行なうとともに、意見を直接聞くなど、 (全ての要求を即実現できるわけではないが)さらに満足度の 370 高い計算機環境を与えられるように努力した。このサービスはWeb学長室に引き継がれた。 2001 年度には、操作の難しさからユーザが減少したインターネットニュースをWeb掲示板に移行した。 学内ユーザ間の意見交換の場として活用されている。 インターネットニュースは 2005 年2月末をもって廃止 される予定である。 2002 年度より Linux のユーザ領域(NFS)と Windows のユーザ領域(CIFS)を相互にアクセス可能 な状態とし、ユーザの利便性を向上した。また使用可能容量もそれまでの 30MBから 90MBへ増加した。 (5) 問題点 まず過去の問題点に対する対処を説明した後、新たな問題点を挙げる。 問題1:Sign 登録システムにより円滑に各個人が利用者IDを決定することができるが、利用者全員のI Dがすべてユニークになるのは、非常に困難である。(1998) 対処1:利用者IDをユニークなものとしなくてはならない状況は変わっていないが、UNIX コンピュータ の利用が必要であった Sign 登録システムを、よりやさしいユーザインターフェイスを持つWeb ベースの「ユーザサービス」に変更することにより、容易にリトライができるような環境を提供 している。 問題2:電子メールの普及により、メールアドレスの間違いによる誤信が増加している。(1998) 対処2:マナーの問題であり、情報設備の増強で解決できる問題ではない。情報倫理委員会による「イン ターネット利用に関するガイドライン」の策定および学内刊行物への掲載、情報リテラシ科目の 必修化等、マナーに関する部分の教育を推進している。 問題3:各情報処理教室毎のコンピュータは、すべて同一のソフトウェアがインストールされ、台数分の ライセンスが必要になっているため、経費がかさむ。(1998) 対処3:メーカーのライセンス方式によるところが大きい。 市場原理からいえばライセンス料金の高いソフトは購入しないということになるが、現状の大学 における情報教育は、トレンドを完全には無視することができず、結果として、実社会でシェア が高い特定のソフトを導入することになるため、純粋に価格のみでソフトを選択することは不可 能である。 このような状況下ではあるが、当センターでは、メーカーまたは販売店との直接交渉を行ない、 また計画にマッチしたライセンス形態で契約することにより、スケールメリットを充分活かした 低コストでのソフトウェア(基本ソフトを含む)導入を行なっている。 問題4:頻繁に行われるアプリケーションのバージョンアップは、経費・人件費の増加と、操作の変更が 生じる。(1998) 対処4:商用OS(WindowsXP)および商用アプリケーションソフトが導入される教育用コンピュータの 増加に伴い、バージョンアップ経費は上昇傾向にあるが、2000 年度から導入している PC UNIX (TurboLinux)およびフリーアプリケーションソフトについては、商用OSに比べバグフィック ス等の対応がはるかに迅速に、また経費が発生しない形(無料)で行なわれるため、管理作業は より頻繁に行なえる状況になって来ている。 現在は、年に数度いくつかのソフトのバージョンアップをまとめて行なうようスケジュールをし ており、管理負荷の軽減を図っている。 また、このような管理手法を採用することにより、本導入前に不都合を調査したり、ユーザイン ターフェイスの変更等について、授業担当教員と相談・調整でき、よりよい環境の提供が可能と なっている。 問題5:本質的な授業と違うパソコン、アプリケーションの利用法そのものについての講義に時間を取ら れてしまう。(1998) 対処5:コンピュータリテラシ科目が必修化されており、各授業ごとにリテラシ教育を行なわなければな らないという問題は改善されつつあると思われる。 問題6:コンピュータ台数の増加に伴い、計算機運用補助員などのアルバイトと業務委託員への人件費が 増えつつある。(1998) 対処6:増加に対して単純に資源を投下するのではなく、補助員のマネジメントおよび自習教室を限定し 371 サポートを集中させるなど複数の手法を用い、人件費の上昇は最小限にとどめる努力を行なって いる。 問題7:情報処理教室が授業利用にて飽和状態になっているため、学生が自由に利用できる時間に限界が ある。学生が自由に利用できる情報処理教室の増設または利用時間の延長が必要である。(1998) 対処7:学部共通の情報設備として、1999 年度から 10 号館の運用を開始し、既存の情報処理設備を併せ ると、学生 10 名あたり1台の教育用コンピュータが提供できる状況にまで改善されているが、今 後初等中等教育において「教育の情報化」が進むにつれ、さらに情報設備の増強が必要と思われ る。 しかし、大学財政から見ても毎年の機器増強は困難と考えるため、学生のノートパソコン所有率 を上げ、大学側では情報コンセント(インターネットコンセント)の増設にとどめるような方策 も並行して行なっていく必要があると思われる。 問題8:現在利用者IDの変更はできないが、将来的に変更が可能なシステムへ改善する。(1998) 対処8:2000 年度から、在学中に1回、利用IDを変更できるシステムに改善した。 問題9:コンピュータリテラシ教育を早期に実施し、授業でパソコン、アプリケーションの利用法を講義 する必要がないようにするべきである。(1998) 対処9:文化学部、理学部、工学部においては専門科目のなかで、他の学部については「コンピュータ基 礎実習」科目を必修化し、入学早期にリテラシ教育を行なっており、改善されつつあると考える。 問題 10:情報処理教室毎のソフトウェアライセンスを同時使用ライセンス方式に変更し、経費の削減を図 る。(1998) 対処 10:ソフトウェア導入時は業者・メーカーとも充分打ち合わせ、サイトライセンスの採用等、最も安 価に購入できる形態を選択している。 また、メーカーなどの動向に注意し、同時使用ライセンス等、より安価な購入形態が発表・販売 された場合には、積極的に導入および変更するようにしている。 問題 11: 「教育の情報化」に関して、事務側と教員側の温度差がありすぎる。(2000) 対処 11:教員が情報化の知識を身に付ける機会が少なく、制度的にも職員の自己啓発制度のようなサポー トがない問題である。発想を転換し、教員は教育内容に力を入れ、デジタル化を「教員サポート」 で事務(学生アルバイト)が請け負うこととした。 次に、新たに発生している問題点を説明する。 (5)-1 2002 年度に導入した利用者管理システムの出来が悪い。富士通に発注したシステムであるが、納 期が大幅に遅れ、かつテストも不十分なままでの運用開始となった。仕様と違うタイミングで思いもよら ない挙動をするためイレギュラー処理を行う際に問題が発生する。(2004) (5)-2 計算機運用補助員の技術レベルが低下している。マナー重視の結果、必要な技術が一部欠落してい る。(2004) (5)-3 メールサーバの処理能力低下。実際は構築方法に問題があることが判明。(2004) 【将来の改善・改革に向けた方策】 (1) 利用者管理システムの再構築 安定度が高く、仕様どおりに動作する利用者管理システムを再構築することでイレギュラー処理はもちろ ん、新たな運用ができる体制を整える。再構築に当たっては、現在はもちろん将来にわたって全学を統一で きるシステムであることが望ましい。 (2) 技術レベル重視の計算機運用補助員の復活 トラブルに対応できてこそ、計算機運用補助員を運用する価値がある。原点に立ち戻り雇用体制を整える。 また、マナーに関しては当然無視する訳ではない。 (3) メールサーバの設計変更 372 スプール領域の高速化を図る。また、mbox 形式から maildir 形式にし、複数サーバ構成を可能にすること で将来の拡張性を確保する。 (4) LMS(Lerning Management System)サーバの導入 全学で共用できるLMSサーバを導入することで、高度な教育環境を提供する。教員、学生双方の利便性 を図るために、LMSサーバを一つに絞ることで全ての授業において統一された操作で使用できるシステム を目指す。 (c) 社会へ開放される施設・設備の整備状況 【現状の説明】 大学は、本学学生・教職員の教学施設のみならず、公益財産管理機関としての役割と地域社会に貢献でき 得る社会的使命を帯びている。地域に開かれた大学を目指して、教室・会議室・神山ホール・体育施設等を 地域住民・幼稚園・小中高等学校等や各種団体に行事開催場所として開放している。 神山ホールについては、音響効果が良く、また収容人数も大きいことから貸し出しの要望が非常に多いが、 大学行事や課外活動での使用が集中する春・秋にその要望が重なることから、貸与件数はまだまだ少ないの が現状である。また、体育施設についても、平常授業と課外活動による使用や、日・祝祭日には各クラブ加 盟団体・他大学・高等学校等団体等への貸与で年間スケジュールがほとんど埋められているため、地域住民 や一般市民への貸与には余裕のない状態となっている。 <397 ページ 3-(1)学外施設貸与使用料金の推移(2001 年度~2003 年度)参照> <398~400 ページ 3-(2)学内施設使用一覧表(2001 年度~2003 年度)参照> 【点検・評価】 本学の各施設は、国内外の優れた研究者が多数参集する学会会場として、また併せて地域の幼稚園・小中 高等学校等の音楽・文化発表会等や、各種団体および各種国家試験・資格試験の会場等として開放しており、 神山キャンパス内に走る自然散策路は、近年、地元の幼稚園児の遠足や、地域の歩こう会の散策路として地 域の人々に親しまれている。 しかしながら、利用件数を見ればまだまだ地域に広く開かれているとは言い難い。 【長所と問題点】 大学校舎敷地は第1種中高層住居専用地域等であり、劇場・映画館・演劇場・観覧場等の興業場として建 築することができない旨規定されている。そのため、神山ホール(講堂)は建築基準法上の法的規制を受け るなど興業的貸しホールとしての位置付けになっていないため、積極的に使用料等を徴収して施設の貸出し をすることには無理がある。また、体育施設は既述のとおり、授業とクラブ活動が過密状態であるため、物 理的に学外貸与できる余裕のない状態であり、特に要望の多い土・日・祝日は学外に開放する余裕がない状 態である。さらに、本学は京都市の郊外に位置し、広く一般市民に大学施設の利用を推進するうえで、大学 への交通アクセスにも課題がある。 【将来の改善・改革に向けた方策】 従来、教学上支障のない範囲で大学施設を開放してきたが、今後も学生・教職員をはじめ学内関係者の理 解と協力を得ながら大学施設としての使用用途を逸脱しない範囲で、一般市民等からの貸出し要望等に柔軟 に対応していく必要がある。 大学施設は、社会的要請もさることながら広く地域社会に開放できうる施設として、大学と地域社会のか かわり等、教学的・社会的見地に立ち、時代の要請に沿った本学独自の門戸開放に取り組んでおり、さらに 現在建設中の第3グラウンドの完成後には、キャンパスに隣接した競技場として総合体育館と併せて充実し たものとなることから、一層地域住民等からの貸し出し要望が多くなるものと考える。 地域貢献、地域交流の構築を施設開放の最も重要な目的とするのは従前どおりであるが、一方では貸し出 しに伴う光熱水費等のコストも看過できないため、今後は無料開放する部分と、一部有料貸与とするなど考 慮しなければならない時期にきている。 これについては、プロジェクトを立ち上げ、有料とする対象や内容および適切な使用料金等、具体的に検 討することとなる。 373 (d) キャンパス・アメニティの形成・支援のための体制の確立状況 【現状の説明】 本学は、非常に起伏の多いキャンパスであり、バスプール付近の最も低いところから、最も高いところに 位置する本館までは約 37mの高低差がある。しかしながら、この敷地を生かし、他大学に例を見ない自然環 境を有し、世界文化遺産に登録されている上賀茂神社を借景地としている。1965 年の開学以来この環境、ま た歴史的風土の地を損なうことなく、キャンパスの整備を進めている。 創立当初から今日まで、施設整備を第1期、第2期、第3期と段階的に実施してきており、現在は 2000 年4月から開始した第4期施設整備計画(2015 年まで)を推進中である。この計画の遂行に当たってのポリ シーは、教育の効果性、経営の効率化・合理化および学生の利便性を確保する「大学機能の一拠点化」と既 述の自然環境と歴史的風土の保全という観点からの「学園庭園化構想」であり、この方針はこれまでの施設 整備計画にも一環しているものである。 現在進めている第4期施設整備計画では、本学がさらに飛躍するために、正にキャンパスアメニティを主 眼に、従来の開発コンセプト(一拠点化と学園庭園化構想)を堅持し、恵まれた自然環境を生かしながら施 設整備を遂行している。特にバリアフリーや環境整備(ISO等)を主目標としている。 既に、学内で一番の勾配と高低差(16.4m)のあるバスプールと三叉路間には車椅子も利用できるエスカ レーター(全長 27.7m 全天候型(屋根付き) )を、また、雨天時等の移動を快適にするために、その第1 段階として8号館から 11 号館まで屋根付き廊下を設置した。今後も、8号館東側にエスカレーター、三叉路 から5号館までの屋根付き歩道の設置を計画している。 これらの他、本年までに次の施設を完了(進行中を含む)させている。 (1) 教育・研究関連 ・ 第4研究室棟新築・5号館建替え・12・13(法科大学院)号館新築・林間亭跡敷地造成工事(推進中) (2) 学生生活関連 ・ 琵琶湖畔松の浦セミナーハウス新築・総合グラウンド管理棟およびクラブハウス建替え・賀茂川寮新築 および五常寮リニューアル・第3グラウンドおよび管理棟新築(推進中) このように創立以来、段階的に施設整備を推進してきたが、快適なキャンパス作りを進めるとともに、工 事にあたっては「学園庭園化構想」をもとに植林・植栽を行い、自然環境の保全に務めている。 【点検・評価】 開学当初から、常に段階的に長期計画を立案し、計画案をその時代に応じ、常に見直しを図りながら現キ ャンパスを構築してきた。第3期からは学生生活関連の施設設備を重点として、教育・研究環境についても その向上を図り、建物の新築・リニューアル、敷地の拡大は学内の飛躍的な改善と言える。 これらの整備過程において、学内を「教育・研究」 ・ 「課外活動」 ・ 「学生の福利厚生」ゾーンに区分し、一 拠点の中にそれぞれの特性を生かせる環境の配置にも務め、快適なキャンパス空間の創出に務めている。全 体でも従来からの「本山キャンパス」と鞍馬街道を挟んで総合体育館・課外活動棟のある「神山キャンパス」 とに区分するに至っている。 近年は施設整備の基本コンセプトとともに、人に優しいキャンパスを目指し、新築・リニューアルの建物 については、バリアフリー設備を備え、また旧来の建物についてもスロープやトイレ等の改修を行い、可能 な限り本学独自のバリアフリー化を進めている。 また、2004 年4月1日からは建物内「全面禁煙」を実行するとともに、キャンパス内 25 箇所に喫煙場所 を設置し、2003 年5月施行の「健康増進法」に対応している。本学ではこれ以前から喫煙に関する啓蒙活動 を行い、2004 年2月にはさらにこの活動を充実させるためプロジェクトチームを立ち上げ、禁煙、マナーア ップ等のキャンペーンを行っている。しかし、喫煙に関する問題点はまだまだ山積しており、今後も大学構 成員が一体となって取組む必要がある。 現施設整備計画は既述のとおり、キャンパスアメニティの構築を主眼に進めているが、今後、教育的な視 点とサービスを受ける側(学生)の視点の双方を考え、学生自治会とのコンセンサスを図りながら進めてい かなければならない。 【長所と問題点】 本学キャンパスは、 ほぼ全域が風致地区に指定されているため、 周囲は緑豊かな自然環境に包まれている。 このような背景のもと、本学では京都の歴史的風土、環境、自然を守るという観点と大学の施設整備という 374 視点を常に整合させながら、その構想を遂行させてきた。その結果、本学のキャンパスは自然公園の中に在 るような、他に例を見ない特色あるものとすることができた。 本山キャンパスは敷地面積 256,021 ㎡(第1種風致地区面積 151,894 ㎡第5種風致地区面積 104,127 ㎡) を有するが、 第1種風致地区面積のうち 89.4%、 第5種風致地区面積のうち 23.1%が緑地面積となっている。 これを全体で見ると、実に 62.4%の緑地を有することになる。 しかしながら、施設整備の開発に当たっては、建物の高さ制限・市街化調整区域・歴史的風土特別保存区 域・第1・2種自然風景保全地区等の厳しい制限が、大きな障害となっている。従って、大学としてはこの 障害の緩和に向けて、絶えず行政への働きかけを行っている。 また、この開発規制に加えて、建設適地となる平坦地が少ない状況にある。過去からできる限りキャンパ ス隣接地で可能な土地について購入してきたが、それにも限度があり、施設の過密化等、今後の開発は工夫 を余儀なくされるものである。単に校舎等の建設敷地だけではなく、教員と学生の語り合える施設の設置に も支障を来たすことになる。このように平坦地の確保は本学にとっては重要な課題である。 バリアフリー化は着々と進行させているものの、本学の中心である本山キャンパスは非常に起伏があり、 数多くの階段があるため、車イスの利用や松葉杖による歩行が困難な状況になっている。しかし、この物理 的な障害を克服しながら、キャンパス内の移動が快適にできるよう、教育環境の整備を構築しなければなら ない。 【将来の改善・改革に向けた方策】 既に第4期施設整備計画として、次のことを考察している。 (1) 教育・研究関連 ・ 14 号館新築(理・工学部棟) ・大学院棟新築・1号館建替え・本館建替え(2015 年創立 50 周年事業) 大学をより活性化させるためには、大学内に長く学生を滞留させることを考えねばならない。そのため には現在授業の少ない5時限・6時限目に授業を多く設定することが必要であり、それに併せて学生が自 学自習できる場所(情報処理教室・実験実習室等)についても可能な限り時間延長を検討する必要がある。 これには、セキュリティの問題や職員の勤務時間の調整等、解決すべき課題が多いが、学生が少しでも長 く学内に滞留することができる環境を整えることを検討しなけれなならない。 また併せて、そのためには、本学の長年の課題となっている交通アクセスのさらなる改善も重要な要件と なり、同時に食堂の営業時間延長も避けられないものとなる。食堂の営業時間延長については、当然、採 算性の問題を度外視できないが、学生が長時間学内に滞留することになれば、その問題も同時に解決でき ることとなる。 今後オフィスアワーの実施により、研究室が学生と教員が親密に触れ合う「きめ細かな教育の場」とな るが、その他キャンパス内で学生と教職員、学生同士が自由に談笑できるスペースとして食堂は最も適し た場所である。そこは単に空腹を満たす場所というだけではなく、学生が教職員や学生同士と交流できる 場所ともなる。 食堂等が授業では得られない考え方、経験を積む場としての観点からも時間延長を含め、積極的に開放 すべきである。 また、今後の食堂のスタイルを考えるとき、学生のニーズを考慮したオープンカフェ等のお洒落な雰囲 気の店舗も必要とされ、スペースの確保やメニューの充実はもとより、店舗(空間)そのもののデザイン にも工夫を凝らすことが必要である。 (2) 学生生活関連 ・ 8号館東エスカレーター設置・屋根付歩道設置(三叉路~5号館) ・バスプール地下駐輪場・バスターミ ナル化・ブリッジ架橋(本山キャンパス・神山キャンパス間鞍馬街道上架橋) ・総合インフォメーション センター新築・総合グラウンド厩舎建替え これらが学生生活関連の施設整備計画となる。なお、課外活動に関する設備を考えた場合、公認団体の クラブにはそれぞれ部室が与えられている一方、届出団体等には部室がない状態である。そのため、活動 日にはその道具を持ちながら教室を移動している。少なくとも、学内で荷物を保管できるロッカー等を設 ける必要があると考える。 また、課外活動(公認)に必要な施設は十分ではないにしても、概ね整備されているが、その反面一般 学生やゼミ生がレクリエーション活動を行うためのスペースは皆無に等しい状況である。従って、これら 375 の学生が「憩う」場を提供していくことも検討していかなければならない。 (e) 「学生のための生活の場」の整備状況 【現状の説明】 本学が整備している「学生のための生活の場」としては、学生寮・セミナーハウス・コンビニ・書店等の 福利厚生施設等がある。 学生寮は、一般寮と体育寮に分けられ、一般寮は追分寮・葵寮の2棟で、体育寮としては、賀茂川寮・五 常寮・津ノ国寮・神山寮の4棟がある。追分寮は大学から徒歩約7分の位置で、通学に便利である。女子寮 である葵寮は、北大路駅に近く交通の便が良い場所にある。 また、国際的な文化または学術交流を目的とし、外国人留学生の住居を兼ねた国際交流会館が追分寮に隣 接している。 学内には福利厚生施設として8号館に食堂・書店・コンビニ・理髪店・旅行代理店および、郵便局・信用 金庫等のATMが設置され、3号館学生ラウンジにも都市銀行のATMが設置されている。 滋賀県志賀町の琵琶湖畔には、2001 年に松の浦セミナーハウスが新設され、神山研修室棟とともにゼミや クラブの合宿施設として広く使用されている。 その他、10 号館北側の池周囲にベンチ等を配置、2号館と3号館の間には人工芝を敷設し、ステージや噴 水を備えた池を設置している。また、神山キャンパス周辺には、1周約1kmの自然散策路があり、オリエ ンテーリングコースにも利用されている。 【点検・評価】 学生寮は男子寮のみ整備してきたが、2001 年に銀行の寮を賃借し、改修のうえ女子寮として葵寮を設置し た。すべて一人部屋で 152 名を収容できる。食堂、コミュニケーションの場である談話室、応接室、パソコ ン室等があり、浴室と 24 時間使用可能なシャワー室が設置されている。また立地条件もよく、買い物や外出 にも便利である。 賀茂川寮は、全学的な学生寮の絶対数不足を改善するため、2003 年3月に新築し、五常寮は、寮室仕様の 旧式化や老朽化が著しいことで、同年に改修をした。これらの寮は個室タイプでプライバシーを保護できる よう配慮されている。また追分寮と国際交流会館は同一敷地内にあり、外国人留学生と一般寮生との交流が 図られるとともに、施設管理にとっても効率的なものとなっている。 学生食堂は、10 号館・7号館および8号館に設置されているが、8号館にはファーストフード店や、AT M、書店、コンビニ等の福利厚生施設を集中させ効率的に配置することにより、学生は大きく移動すること なくこれら施設を利用できる。昼食時には、2002 年から大教室棟ロビー内でパンの臨時販売店が出店されて おり、飲食用のテーブル、椅子等を設置している。これにより学生食堂の混雑緩和が図られている。 老朽化が目立ち、利用者が減少していた松の浦セミナーハウスは、2001 年に新築し、ログハウス5棟(各 定員8名) 、食堂・セミナー室・浴室等を備えたコアハウスからなる。琵琶湖畔に近いという好立地条件もあ り、現在では、ゼミやクラブの合宿等で多数の利用者があり賑わっている。 その他、学生の憩いの場としてのスペースに重点をおき、8号館内やその周辺にベンチ・椅子・テーブル などを増設した。また 2004 年に新築された5号館1階には楕円形でガラス張りの談話コーナーを設置し、大 型プラズマテレビや円テーブル・椅子などを置き、学生の新たな憩いの場となっている。 【長所と問題点】 本学は、 「大学機能の一拠点化」を基軸に、緑に囲まれた静かで自然豊かな環境の中で「学園庭園化構想」 のもと、校舎等の建物は自然と調和が取れるよう設計され、学生は心豊かに自然の動植物を観察できる環境 にある。学生寮についても通学には便利な場所に立地しており、リニューアルされた寮の仕様については、 最近の学生のニーズに応えるべく一人部屋に改修した。 大学では継続して学生食堂や、学生の休憩スペースを増設し学生の満足度向上に努めているが、食堂にお いては、利用が集中する昼食時間帯にすべての学生を収容できず、今後も改善の必要がある。 【将来の改善・改革に向けた方策】 寮仕様については、従来2~4名が一室だったが、学生のニーズを考え、新設および改修された五常寮・ 賀茂川寮・葵寮では1名一室とした。今後、新築を計画している追分新寮でも1名一室とすることを考えて 376 いる。また、憩いの場の充実策として、8号館裏の菖蒲池周辺を整備する予定である。 (f) 大学周辺の「環境」への配慮の状況 【現状の説明】 本学のキャンパス整備のコンセプトは、大学諸機能の充実・発展・拡大などの計画を、単なる大学内部だ けのテーマとしてではなく、教育機関の範囲の中で、広く地域社会と共存するキャンパス・施設として対応 していくこと、具体的には、従来の教育研究の場としての建物利用のみでなく、生涯教育、各種セミナー開 催、体育館、グラウンド等の運動施設の一般活用、キャンパス内の庭園、遊歩道を利用した公共公園的空間 としての活用、街づくりへの参画など諸施策を実行し、地域住民に対して垣根を持たない大学を創造し、広 く社会に貢献することを基本としている。この観点に立脚する本学の施設整備コンセプトは、大学が地域社 会に存在する公的な財産管理機関としての認識から、地域社会に貢献する視点を持って実行してきた。 【点検・評価】 本学の施設整備は、京都の歴史的風土、環境、自然を大切にするという観点と、キャンパス建設という整 備・開発の両視点を、常に整合させることを基本にしてきた。この結果開学以来約40年を経て、本山・神山 一拠点のキャンパスは、あたかも自然公園の中にあるような他に例をみない特色あるものとすることができ た。 近年の京都里山は、保存が強調されるあまり、その大部分が放置森林に近い状態となり、結果的に保存で きない自然林が多くなっているというのが現状である。神山キャンパスは、敷地の70%以上を森林(人工林 含む)として残しながら、その中にネットワーク状の散策路を整備し、森林をメンテナンスできるようにす ると同時に、動植物が観察出来る自然散策路としての機能を持ち、地域にも解放し、大学のジョギングコー スを含めた運動鍛錬コースとしても活用できるように計画、整備を行ってきた。 本学の施設整備計画は、このように単なる学内利用だけの整備にとどまらない幅広い視点で、また、大学 は地域社会の財産でもあるとの視点を持って計画し実行している。その結果、本学の施設建設の実施にあた っては、地域住民からの反発はなく、協調的な関係を保っている。 【長所と問題点】 キャンパス整備は、本学の立地を考え、大学創設後設置された緑化委員会が建物周辺や法面に自然と調和 する樹木の栽培(緑化)を計画的に実施してきた。さらに良好な景観を創造していくため、山林等の開発造 成にあたっては切土、盛土の斜面地にはできるだけ早く自然と調和した造成計画を立案している。 初代荒木俊馬総長が洛北の景勝地『本山』に本学を創設以来、約40年を経ようとしているが、本学キャン パスは開学当初から比べると敷地で約9.2倍、建物面積で約34倍にまで、発展整備することができた。これは ひとえに荒木総長が『本山』というこの地を選択された“地の利”によるところが大きく、キャンパス周辺 に拡張の可能性が高い国有林や田畑が多く存在したことが大きく寄与した。また、この地は都心のキャンパ スに見られるような活動制限(騒音などの近隣問題)が少ないという利点もあり、正課および課外活動など がのびのびと行うことができる恵まれた環境でもある。 キャンパス整備は、一朝一夕に実現するものではなく、そうした“地の利”を有効に活用する“戦略”、 言い換えれば、将来のビジョンに則ったキャンパス整備が必要である。また、一方で、恵まれた環境を最大 限に活用するためには、地域社会とのコミュニケーションを含む地道な活動なくしては、実現は不可能と考 える。 神山キャンパス建設(総合体育館他)を例にとれば、主たる用地は国有林の払い下げにより入手ができた が、その国有林に至る周辺地は数多くの官・民有地があり、それらの土地を購入することができたために実 現できたといっても過言ではない。 神山キャンパスの地は、歴史的風土保全地域を始めとして京都でも有数の建築規制が厳しい地域であった が、京都府・京都市の関係部署や近隣住民の理解と協力のもと、緊密な打合せ・調整を重ね今日までの建築 が実現した。京都市『自然風景保全条例』は、神山キャンパス着工直後の1995年4月に制定されが、神山キ ャンパスはそのモデルケースとして京都市と各種の検討を行い、条例のコンセプトを具現化させた最初の実 例である。 【将来の改善・改革に向けた方策】 神山キャンパスは新しいキャンパス創造という大きなテーマであったが、本学の創立の地である本山本部 377 キャンパスでは、有効な建設適地が限られているという制約から、斜面地形を有効に利用した本学特有の建 築システムを採用することを含め、長期計画に基づいた土地購入を行い、その有効利用を図った。 また、建物整備においては、安易にスクラップ&ビルドを行うのではなく、開発・新築すべき施設と、既 存の施設(リニューアルを含む)利用とその時期・内容に応じて使い分けて行うことによって建物更新につ きものの代替地不足や仮移転・仮設建築などの問題を極力少なくした合理的な整備を行ってきた。このよう に考案された方法が、土地購入・建物建設コストを節減させると同時に、本学が位置する京都洛北の環境に も配慮した最適な方法であると考える。今後も学部・学科再編成に伴う教室棟、研究室棟の建設が予定され ているが、この方式を踏襲していく方針である。 (g) 施設・設備面における障害者への配慮の状況 【現状の説明】 1995年3月14日公布、同年10月1日施行(京都市の『京都市人にやさしいまちづくり要綱』は同年4月施 行)された『京都府福祉のまちづくり条例』の前文には『私たちは、心身に障害があっても、高齢になって も、地域社会を構成する一員として、安心して生活を営むことができ、自らの意志で自由に移動でき、社会 に参加することのできるまちに暮らし続けたいと願っている。そうしたまちの創出には、施設や交通機関等 の整備を進めるとともに、多様な人がお互いを理解し、日常的に交流し得る地域社会づくりを進めるという 両面からの生活環境の整備が必要である。 長寿社会を迎えた今日、 このような生活環境の整備にあたっては、 障害者や高齢者が暮らしやすいまちはすべての府民にとっても暮らしやすいまちであるという府民共通の認 識の下に、取り組むことが重要である。また、こうした取り組みを通じて、京都が有する歴史、文化、学術 等の世界的な蓄積を、全ての人が共有し、享受し得る環境づくりを進めることも京都の課題である。ここに、 私たち京都府民は、お互いの基本的人権を尊重し、福祉のまちづくりの実現に向け、一体となって、不断の 努力を傾けることを決意して、この条例を制定する。』とある。 本学においても、上記前文の主旨を含む新しい整備方針を加えた第2期施設整備事業から本格的にバリア フリー施設の整備を進め、具体的には、条例制定の8年前にあたる1987年竣工の中央図書館から、現行の条 例の規定内容とほぼ同じバリアフリー施設の整備を行ってきた。 【点検・評価】 京都府・京都市の条例に規定された施設整備基準に基づき、本学の整備方針もほぼ同様の内容で整備を行 っている。整備にあたっては、建物を健常者だけでなく障害者や高齢者にも使い易いように建設することを 基本とした上で、下記の①~⑫のバリアフリー施設を設置している。 ① 建物アプローチ部分(道路)から建物玄関までの規定幅以上の通路を確保(段差がある場合は、車椅子が 通行できるスロープ設置) ② 規定幅以上の建物玄関扉を設置(車椅子でも開閉可能な扉構造) ③ 規定幅以上の廊下を設置(段差がある場合は、車椅子が通行できるスロープ設置) ④ 障害者用トイレを主玄関のある階(1階)に1カ所設置(車椅子でも使用可能な構造のトイレ) ⑤ 各階1カ所以上のトイレブース・小便器に障害者用手すりを設置 ⑥ 必要部分に点字ブロックを設置(玄関、階段、トイレなど) ⑦ 必要部分に点字サイン表示を設置 ⑧ エレベーター 条例でも建物用途により整備規定に差異をつけているが、本学においても、より不特定多数が使用する建 物についてはエレベーターを設置してきた。条例では大学用途でのエレベーター設置義務(中央図書館・神 山ホールは必要)はないが、2001年度から整備を行う教室棟・研究室棟には、階数にかかわらずエレベータ ーを設置することにした。同年度に竣工した第4研究室棟、2002年度竣工の12号館、同じく2004年3月竣工 の新5号館、13号館にも設置している。 ⑨ 教室・演習室に引戸設置 2003年3月に竣工した12号館からは、原則として室の大きさにかかわらず教室・演習室には、必ず2カ所 以上の出入り口扉を設置し、その内1カ所は車椅子や障害者の方でも使い易い引戸(有効幅0.8m以上で自動 閉鎖機構付)にした。 ⑩ エスカレーター(例:バスプールエスカレーター) ⑪ 5号館~第4研究室棟~第3研究室棟~11号館の渡り廊下(屋根付き) ⑫ 屋根付き広場(例:8号館南側テント) 378 【長所と問題点】 上記①~⑨までのバリアフリー施設が完備した新築建物を、完備していない既設建物と屋内渡り廊下で各 階接続させることによって、既設建物も新設建物のバリアフリー施設を使うことができるようになり、利便 性が大きく向上した。建物配置や敷地形状によって全ての新築建物に適用はできないが、第4研究室棟(第 3研究室棟と接続)、12号館(2号館・3号館と接続)、13号館(4号館と接続)は、そうした観点も含め て建設している。 現在、本館、1号館および7号館については、①のみの対応である。エレベーターの設置と障害者用トイ レの設置が必要であると考えているが、建物の構造上いずれも対応が容易でない。第4期施設整備計画にお いて創立50周年事業として、教室棟である1号館および本館の建替工事を計画しているが、それまでに建物 の構造上有効な手立てが出来ないのが現状である。 【将来の改善・改革に向けた方策】 キャンパス全体におけるバリアフリー施設については敷地が広大ということもあり、各棟までは自動車で のアプローチが可能なため、降車地点以降からのバリアフリー施設整備を重点的に進めてきた。本学はキャ ンパス敷地の高低差が大きいため、 キャンパス全体のバリアフリー化は難しく、 段階的に整備を進めている。 なお、バスプールを総合的に整備する時期には、バリアフリーのキャンパスネットワークを完成させる予 定である。 ネットワークは、対障害者のみならず、雨天・積雪時も使用可能な屋根付き施設で計画しており、学生・ 教職員の快適で安全な歩行者専用ルートとなる。具体的な施設としては下記施設である。 ⑩ エスカレーター(例:バスプールエスカレーター) ⑪ 5号館~第4研究室棟~第3研究室棟~11号館の渡り廊下(屋根付き) ⑫ 屋根付き広場(例:8号館南側テント) 現時点では、5号館~第4研究室棟~第3研究室棟~11号館の屋根付き渡り廊下、8号館西側(8号館~ 5号館~11号館)屋根付階段、バスプールのエスカレーターなどが既に完成しているので、今後は新しいエ スカレーター設置などを含めそれらを接続していく(ネットワーク化)工事を予定している。 (h) 各施設の利用時間に対する配慮の状況 【現状の説明】 施設は大別すると「教室」 「神山ホール」 「体育施設」 「福利厚生施設」に区分できる。 「教室」 「神山ホール」 「体育施設」の利用時間は 8:00 から 20:00(陸上競技場・野球場は 7:00 から) 、 「福利厚生施設」は 8:30 から 18:00 を原則としている。 中でも教室と体育施設は、授業と課外活動の両面で使用している。授業での時間延長については柔軟に対 応しているが、概ねこの 20:00 までの原則が踏襲されている。理・工学部での実験系に関しては、教員の責 任において、時間管理されているものの 22:00 頃が目安となっている。また、課外活動に関して、教室の使 用時間は昼休みと授業終了後以降 20:00 までとなっており、体育施設も同様である。しかし、文化系・体育 系クラブとも公演前や大会前には事前に届け出ることによって、早朝の練習および 20:00 以降 21:00 まで の延長を認めている。また、神山ホールは学内での利用のみならず、学外への貸与もあることから、そのケ ースに応じて対応している。 福利厚生施設には食堂も存在することから、18:00 以降の延長要望もあるものの、利用者が激減すること から採算が取れず、赤字の要因となるため時間延長については見送っている。ただし、コンビニエンススト アに関しては、20:00 まで営業している。 【点検・評価】 学内諸施設の利用時間については、教職員・学生の要望に応じ、施設の管理上支障のない範囲で柔軟に対 応している。また、各施設 20:00 までとなっているものの、課外活動の関係からその時間を超えることが間々 あるが、各施設の管理者とはうまくコンセンサスが図られており、大きな問題には至っていない。 【長所と問題点】 一定の時間制限を設けることは管理運営上必然であり、現在のところそれが教職員・学生にも周知されて いる。従って、特に夜間における警備上の問題はなく、ほぼスムースに運営されている。しかし、これは 20:00 以降公共交通機関の便数が著しく減少することも要因と考えられ、必然として学生等がその時間までに退校 していると推測できる。これについては、他の項目でも記述しているとおり、交通アクセスの利便性を向上 させることが必要となる。 379 課外活動にかかる時間延長は書類による届出制としているため、管理者側からは状況把握が確実にできる ものの、一方では学生はその意味を充分に理解しているとは言い難い。 また、2004 年 4 月から法科大学院の開設に伴い、 「24 時間体制で勉学できる」と謳っているが、現在管理 上一部未整備な部分もあり、これに則した体制を早急に構築する必要がある。 【将来の改善・改革に向けた方策】 単に施設の利用時間の延長やその対応のみならず、学内での学生の滞留時間を長くさせることを考察する 必要がある。そのため、これらの項目を複合的に考察していく。また、学内の各施設警備については、大部 分を外部委託していることから、各施設現状の時間でその契約を行っている。従って、時間延長については 契約料等の問題があるが、これをクリアさせ学生の満足度を向上させるキャンパスとするため、学生のニー ズに対し管理上の規制に重点を置くのではなく、育成のための管理体制を構築する。 (ⅰ) キャンパス間の移動を円滑にするための交通動線・交通手段の整備状況 【現状の説明】 本学は一拠点型総合大学であるため、基本的にキャンパス間の移動の手段は必要ない。しかしながら、体 育授業用グランドがやや離れた場所に位置しているため、体育の授業の際には、グランドとキャンパス間の み「スクールバス(大型車両) 」を運行している。 【点検・評価】 ハードの面に関していえば、現状で特に問題はない。 【長所と問題点】 運用上の問題点を挙げるならば、授業時の天候によって、体育の授業場所が変更される。具体的には、雨 の場合には、バス移動が不要である場所に位置する総合体育館に変更になる。このように、リアルタイムに 連絡がない場合には、授業のない総合グランドに学生を運ぶことになり、授業に支障が生じることとなる。 【将来の改善・改革に向けた方策】 現状では、授業の場所の変更は、教員からの連絡を受けて電光掲示板に速やかに表示している。教員から の連絡が遅れると、学生を混乱させることになるので、天候が不明な場合には、教員との連絡を密に行う体 制が必要である。 (j) 施設・設備等を維持・管理するための責任体制の確立状況 【現状の説明】 施設・設備(電気・空調設備・給排水設備・電話設備・消防用設備・昇降機設備等)の維持・管理は管財 部で一括しておこなっており、他部署から補修・修繕の依頼があった際に内容を詳細に確認した後、しかる べき対応をしている。 施設および電気・空調・給排水設備等の設備関係で軽微な補修や修理については、常駐している業務委託 会社に依頼しているが、日常的な営繕の範囲を超えるものや日数を要するものについては、専門業者へ発注 している。 専門業者への補修・修理発注の際は、緊急の場合を除き複数の業者からの相見積をとり、修理内容の適切 性およびコストの抑制に努めている。 また、キャンパスの清掃には、学内施設、学外施設(体育施設・学生寮)でそれぞれ業務委託契約を行っ ている。 さらに警備については、守衛所に専任の警備職員3名および嘱託警備職員1名が交代で警備業務に携さわ り、毎日最低1名は 24 時間体制で勤務している。またそれに加えて業務委託による警備会社のガードマンが 常駐し、入学試験等の大規模行事が実施される際には適宜増員し、不測の事態に備えている。 本学では「学園庭園化構想」に基づき施設整備を行っているが、その結果キャンパス内の樹木の整備、造 園にも重点を置き、現在造園業者と業務委託契約を締結し、日々管理している。その結果、特に台風等によ る倒木には迅速に対応できている。 理・工学部の実験等で使用した実験試薬やガラス・プラスチック・廃油等の産業廃棄物は、それぞれの所 属により廃棄物の種類・数量を明示し、通常の産業廃棄物と特別管理産業廃棄物とに分類したうえ、業者に 処分を依頼している。 380 なお、保健管理センターから出される医療用廃棄物については同センターで、実験用動物の死体について は工学部で、それぞれ業務委託により処分している。 【点検・評価】 本学では、施設・設備等の維持管理のための専門職員は置かず、主としてそれらの状況を把握し、補修・ 修理の必要な際には管財部勤務の職員が委託業者や学外業者への指示を行っている。 また、電気・空調・衛生・ガス・上下水道・通信・放送設備およびエレベーター・危険物・放射線・動物 飼育室などの維持管理と取扱いについては専門業者と保守契約を締結し、定期的に検査を実施して安全管理 に努めている。 教育用・研究用施設については、それを使用管理する各部署の職員に不良個所等の発見通報に協力を委ね ている。 しかしながら、管財部以外の職員においては、施設・設備の維持管理は「管財部の業務である」という認 識から、維持管理に関する意識には温度差がある。 また、危険物とりわけRI関連施設の管理については工学部が行い、規程等により委員会を設置し、安全 管理に努めている。 なお、清掃については定期的に作業報告書を提出させ、その内容を点検している。 近年、オープンキャンパスや入学試験の多様化による大学行事が著しく増加しており、その都度清掃業者 に日常清掃以外の依頼が出されているが、現在のところ大きな支障はなく、概ね良好に作業がされている。 【長所と問題点】 施設・設備の維持管理体制については、専門職員を置かず、専門業者との保守契約や業務委託契約によっ て人件費の抑制を行っている。現在業務委託している施設・設備維持管理、造園・清掃・警備の状況は、結 果として概ね良好である。一方では増加の一途をたどる情報機器および実験機器の保守契約料が増大してい るのが現状である。 また、施設・設備の維持管理で忘れてはならないものは、防火を含めた防災対策であるが、本学では年に 2回から3回、教職員による消防訓練および学生自治会との協力による消防訓練を実施し、万一の事態に備 えており、地域消防署から一定の評価を得ている。 毎年消防計画を更新し、教職員への防火・防災意識の高揚を図るべく努力しており、さらなる教職員の防 火・防災に対する意識の高揚が望まれる。 【将来の改善・改革に向けた方策】 開学以来約 40 年が経過し、既存の建物や施設の老朽化が進んできており、その建替えを含めたリニューア ルが今後の懸案事項となる。 大学における施設・設備の予算配分については、近年の大学改革や教育研究設備改善のための経費を優先 し、管理経費である施設予算は抑制傾向にある。 しかしながら、健全な教育・研究活動の維持のためには、施設・設備の適切な維持管理は不可欠であり、 長期的ビジョンをもつ必要がある。これらは、管財部に所属する職員のみならず、教務・情報・総務・経理、 そして管財部が連携のうえ調整し、大学全体による取り組みを行い、計画的に構築していくことが肝要であ る。そのためには、まず第一に全学的に教職員の施設・設備の維持管理に関する意識高揚を図らねばならな い。 これまで、故障や修理の必要が生じて始めて補修、修理および調達を行っているが、耐用年数、故障回数、 修理状況等のカルテを作成し、計画的に実施できればより適切な維持管理が可能となる。 大学の管理すべき施設環境は、土地・建物・機器設備・インフラ設備等幅広く、これらを十分に認識し状 況の把握をしなければならない。また、施設関係業務は専門的要素が強く、補修・修理等技術職員が蓄積し た経験・知識により判断される場合が多いため、業者委託を含め的確な情報、図面の整理等、誰が担当して も判断できるよう構築しなければならない。 (k) 施設・設備の衛生・安全を確保するためのシステムの整備状況 (1) 電気関係 【現状の説明】 (1)-1 特別高圧受変電設備および高圧受変電設備 381 関西電力からの電力受電の現状は、松ヶ崎変電所から 22KV で本学特高電気室に送電されており、特高 22KV から高圧 6.6KV に変圧され、各建物に設置されているキュービクルに送電し変圧され、各分電盤に供給して いる。 特高変電所から 6.6KV で受けて本部電気室(2系統) ・本山電気室(5系統) ・11 号館(4系統)からは 6.6KV で各建物の屋内キュービクルへ送電している。 総合体育館は、特高受電ではなく、別系統の西賀茂変電所から 6.6KV で受電し、キュービクルにて 200 / 100Vに変圧し、各階に設置されている分電盤に送電している。 第2体育館および本館の高圧キュービクルは設置後 30 年以上が経過し、劣化が見込まれるため安全性を 考慮し改修する必要がある。なお、省エネ対策として高効率型の機器を導入したい。 各建物に設置されている高圧キュービクル内にある機器の設置年数が 15 年以上を経過したものについて は、順次取替えを実施していかなければならない。 1997 年度から実施してきた学内の架空送電線(高圧・低圧)の地中埋設化工事は 2001 年 5 月ですべて完 了した。すべての電柱を撤去して高圧・低圧・弱電・情報線等は完全地中埋設化となったため、学内の美観 および防災上の観点から大きく寄与している。 (1)-2 低圧電気設備 開学以来約 40 年が経過している建築物についての低圧設備の改修進捗状況は、分電盤の改修および照明 器具の改修は一部を残し完了した。また、新築建物については、省エネ対策を推進していく上で照明器具の 高効率化を進めていかなければならない。 今後、古い建物の照明器具を改修する場合は、省エネ対策としてインバーター方式から高効率化の照明器 具へ変更して行かなければならない。 (1)-3 弱電設備 中央監視盤・自動火災報知設備・インターネット(情報配線)回線設備・授業用放送設備・授業用視聴覚 設備等については、設置年度、耐用年数、使用状況等を考慮しながら適宜改補修を実施している。 2003 年の4月に本館・1号館・2号館・総合体育館・課外活動棟クラブボックス等に、2002 年に導入さ れた新情報教育システムにより、情報通信配線工事および電源工事を実施した。 電話交換機設備は設置後 12 年以上が経過し、交換機の個々の経年と共に部品供給ができなくなるため、 2005 年または 2006 年予算計上を行ったうえで取り替える予定である。またその際に併せて将来有望視され ているIP電話対応の交換機設備を導入する計画である。 各建物に入退出管理システムが導入されているが、現在、メンテナンス業者が各建物に出向いて個々に設 置されているコントローラーにてデータ入力・削除作業をしなくてはならず非常に効率が悪いものとなって いる。 (1)-4 その他の電気設備 神山ホール舞台調光設備・エレベーター・エスカレーター・放送局放送設備等があり、各設備の機能を良 好に維持するよう委託業者と保守管理契約を締結して、日常的に教育研究に支障をきたさないよう日々努力 している。 【点検・評価】 電力受電の経緯については、本部地区の 280KW 契約に始まり、1982 年キャンパス西側グラウンド取得によ り、本山地区を別系統で契約し1事業所2系統の変則的な形で受電していたが、1998 年 11 月に特別高圧受 電を導入し、統一した電力受電となった。 特高受電は、大学が当初想定していた使用電力量に満たなかったため需給契約内容を変更し、2000 年 10 月より契約電力を 3,000KW に変更した。 なお、2002 年 10 月1日からの電気料金の自由化に伴い、契約している契約種別が廃止となり、新しい制 度が導入され、新契約種別が安価であることが判明したので、関西電力と再契約を交わした。その後、新メ ニューが登場したため、再度安価な契約種別の変更を行った。 2004 年7月に6回契約電力 3,000KW を上回ったため、関西電力から契約電力の見直し依頼があり 2004 年 9月1日付で契約電力 3,200KW に変更した。 ただし、電力の自由化に伴い、経費削減のため他社との比較を行ってより安価な業者と契約していくよう 努めている。 382 キャンパス各所に点在しているキュービクル(変電設備) ・特高電気室棟および本山電気室に設置されて いる監視盤がそれぞれ 20 年以上経過し劣化が進んでおり、早期の改修と移設が必要となっている。 低圧・弱電設備についても、年々増大する負荷により各建物の配分電盤に容量不足が生じている。その他 の電気設備で、 特に授業用設備である放送設備のワイヤレスマイクのチャンネル数も 34 波しかなく今日まで 調整してきたが限界に近づきつつあり、今後取替えなど検討していかなければならない。インターネット回 線設備として 1996 年度に光ケーブルを各建物に敷設し、1997 年度には研究室・情報処理教室・事務室まで ターミナルサーバより情報配線の敷設を行った。 2002 年には、新情報教育システムの導入について各教室・各クラブボックス・総合体育館・課外活動棟に 情報通信配線工事および電源配線工事を実施した。 2002 年建設の 12 号館からの情報通信配線は、より多くの情報量が流せる配線の導入を開始した。現在よ り多くの情報量が流せる配線を利用している建物は、5号館および 13 号館である。 現在の電話交換機設備は 1992 年に設置されたINS1500 によるダイヤルイン方式の設備であり、設置後 12 年が経過し、部品供給が困難になってきており、早期に電話交換機設備(ダイヤルイン方式)の更新が必 要となってきている。その際、将来、有望視されているIP電話対応の電話交換機設備の導入を検討してい く必要がある。 現在導入している入退出管理システムは、各建物毎に本体を設置しているため、データの追加・削除は各 建物で作業をする必要がある。そのため、将来的にデータの追加・削除が一箇所で集中管理できるよう構築 していきたい。 【長所と問題点】 特別高圧予備線の引込みにより特高受電設備の異常時やメンテナンスのための対応が可能で、無停電作業 が容易に可能となった。また、電線の地中埋設化に伴い、落雷等の障害を受けなくなったため、コンピュー タ設備が安心して利用できるようになった。 特高変電所からは 6.6KV で各基点にキュービクル(変電設備)を設け重要負荷設備には非常用電源設備(予 備)として低圧で2系統送電(自動切換え)し緊急停電時等に対応している。 キャンパス各所に点在するキュービクルが殆ど屋外にあり、箱体の劣化が著しく、劣化部分からの雨水の 侵入等による事故が発生する可能性があるため、新築建物については屋内キュービクルの設置を進め、機器 の入れ替え等が発生した場合でも大型扉を設置し、容易に取替えができるよう配慮している。 【将来の改善・改革に向けた方策】 開学以来の懸案でもあった架空配線の地中埋設化は,1997 年に始まり、2001 年にすべて完了し、電柱の 撤去も完了した。 しかし、最近情報化の進展が非常に早く、地中埋設を行ったが予備配管がなくなってきているため、配管 の増設を今後検討しなければならない。 電気設備の改善点については、新築する際には、キュービクルを全て屋内に設置することにより経年劣化 を抑えることができることから、経費の削減につながる。なお、本館3階・4階へ送っている電源が3階の 分電盤から送電しており、これ以上の容量の機器の増設および設備の増設が難しく、電源の切り分け工事を 実施していく必要がある。 昨今、地球規模での環境問題が重要視されており、本学においても具体的な対策を打ち出す必要がある。 省エネルギー対策の観点から電力問題を見ると、コージェネレーションシステム(自家用発電機設備)の設 置、太陽光発電、深夜電力による蓄熱等の利用が考えらる。しかし、太陽光発電を設置した場合、多くのラ ンニングコストがかかる。一方では、本学が環境に配慮した設備投資を行いアピールするには、良い方策と も言える。 世界では環境にやさしいエネルギーシステムとして注目を集めている「コージェネレーションシステム」 があり、そのコージェネレーションシステムは設置場所の検討、騒音問題および設備投資に膨大な経費を伴 うことから導入については今後の課題である。 (2) 空調・上下水道・衛生設備 【現状の説明】 本学における本格的空調設備(冷暖房設備)はエネルギー源をガスに求め、ガスヒートポンプ方式(GH 383 P)により 1989 年を初年度とした 1991 年までの3ヶ年計画で整備を行った結果、各建物の教室・研究室・ 事務室等の全てに空調設備が完備された。初年度に設置した設備は、経年使用により機器の劣化および配管 の詰まり等が進んでおり、順次取り替えしていく必要がある。 各建物の資料室・会議室・実験室等の空調設備は、使用時間帯が教室等とは異なるので集中制御がしにく いため、 、電気エネルギーによる空調機(エアコン)設備を導入している。 2003 年度に新築および改築された賀茂川寮・五常寮・葵寮については冷暖房設備を完備した。追分寮・神 山寮・津ノ国寮については事務室・自習室・ミーティング室等の共用部分を除いては暖房設備のみとなって いる。 学内外の上水道および受水管設備は、1965 年開学以来の設備を配管等のひび割れまたは配管内部でのさび 等の詰まりにより 1984 年から順次配管替えを実施し概ね更新した。 また、第二受水槽および各建物の高架水槽についても設置から約 20 年近くが経っており順次取替えが必 要となってきている。 さらに 2004 年に大元となる第一受水槽の取替え作業を実施した。 建物内の給水配管についても現状確認のうえ、順次更新し、改修工事を実施していく必要がある。 【点検・評価】 空調設備の耐用年数は概ね 15 年といわれ、第一期に導入した設備は今年度で 16 年が経過して経年劣化が 進んでいるため調査して順次取替え等を検討しなければならない。 上下水道設備・衛生設備については、前述のように一般的な耐用年数に基づき更新工事を実施しており、 今後約 10 年は十分使用に耐えられる。また、建物内の給水配管についても耐用年数を加味して今後約6年は 十分使用できるものと思われる。 衛生設備は、その使用状況によって耐用年数にかなりのばらつきが見られるが、概ね約 15 年程度は使用 できる。順次更新時期が訪れるものと思われるので、設備の正常な機能を維持させるためには、こまめな点 検をすることによって、機器そのものの寿命を伸ばすことが可能となる。 【長所と問題点】 それぞれの機器については、メンテナンス業者によって日常的に点検整備を実施しているが、本学は湿度 が高いため機器の腐食が激しく一部の冷暖房空調機器については架台および側面パネルの取り替えを実施し てきたが、2年ないし3年ごとに塗装することによって寿命を延ばすことが可能である。 【将来の改善・改革に向けた方策】 冷暖房空調機器については、今後の課題として改修・新築時に部屋の使用方法等をよく考えた上でグルー プ分けをして、経費の無駄にならないようにしていくことが大切である。 384 施設・設備 1.校地・校舎 (1) 土地面積一覧表 用 途 面 積 ㎡ 所 在 地 坪 本山本部校舎敷地 256,021.26 77,446.43 京都市北区上賀茂本山1番地他29筆 神山校舎敷地 139,862.03 42,308.26 京都市北区上賀茂壱町口町1番地 他43筆 22,430.00 6,785.08 京都市左京区静市市原町712番地 他4筆 追分学生寮・ 国際交流会館敷地 神山学生寮敷地 2,127.00 津ノ国書庫・学生寮及び 第2体育館敷地 5,094.00 643.42 京都市北区上賀茂六反田町46番地2 1,540.94 京都市北区上賀茂津ノ国町7番地2 他1筆 五常寮・総合グラウンド敷地 93,039.00 28,144.30 京都市北区上賀茂神山1番地他17筆 第2グラウンド敷地 46,808.00 14,159.42 京都市左京区岩倉木野町252-1番地 他4筆 868.21 262.63 京都市左京区静市市原町969-1番地 他5筆 神山テニスコート敷地 7,387.00 2,234.57 京都市北区上賀茂壱町口町6番地3 他1筆 市原テニスコート敷地 12,759.47 3,859.74 京都市左京区静市市原町520-1番地 他23筆 松の浦セミナーハウス兼 教職員研修所敷地 10,437.71 3,157.41 滋賀県滋賀郡志賀町大字荒川750番地 他2筆 1,982.00 599.56 滋賀県滋賀郡志賀町大字荒川739番地 他1筆 第2グラウンド進入路敷地 松の浦セミナーハウス敷地 艇庫敷地 630.66 190.77 大津市下坂本1丁目字蟹川825番地1筆 北小松教職員保養所敷地 2,697.45 815.98 追分寮西側新寮建設予定敷地 3,579.00 1,082.65 滋賀県滋賀郡志賀町大字北小松梅の畦 947番地他2筆 京都市北区上賀茂神山7-59番地 他1筆 同窓会館敷地(法人) 651.23 プール等敷地(幼稚園) 176.00 53.24 京都市山科区椥辻平田町208番地他8筆 運動場(幼稚園) 1,250.00 378.13 京都市山科区椥辻平田町208番地他8筆 園舎敷地(幼稚園) 1,737.92 525.72 京都市山科区椥辻平田町208番地他8筆 609,537.94 197.00 京都市北区上賀茂山本町37番地 184,385.23 2004年3月31日現在 有形固定資産明細書より 385 (2) 建物別面積一覧表 番号 面 積 建 物 名 ㎡ 4,515.84 坪 1,366.04 1 本館 2 1号館 5,390.05 1,630.49 3 1号館別棟(工学部) 1,357.44 410.63 4 2号館 4,809.66 1,454.92 5 3号館 5,989.50 1,811.82 6 4号館 3,906.72 1,181.78 7 5号館 7,464.90 2,258.13 8 6号館(大教室棟) 5,200.00 1,573.00 9 7号館 2,802.60 847.79 10 8号館増築棟 4,455.26 1,347.72 11 9号館 2,053.02 621.04 12 10号館 10,005.44 3,026.65 13 11号館 4,043.12 1,223.04 14 12号館 4,851.01 1,467.43 15 13号館 4,849.09 1,466.85 16 第1研究室棟 3,263.09 987.08 17 第2研究室棟 2,667.68 806.97 18 第3研究室棟 1,350.24 408.45 19 第4研究室棟 3,256.61 985.12 20 第1実験室棟 2,360.16 713.95 21 第2実験室棟 1,826.54 552.53 22 情報技術実験室棟(旧計算機科学研究所) 1,797.78 543.83 23 中央図書館 8,988.33 2,718.97 24 保健管理センター棟 923.96 279.50 25 神山ホール 7,757.45 2,346.63 26 守衛棟 56.88 17.21 27 温室棟 100.00 30.25 28 温室管理棟 67.50 20.42 29 閉鎖系温室 50.00 15.13 30 国際交流会館 3,568.03 1,079.33 31 追分学生寮 4,829.86 1,461.03 32 葵寮 2,367.15 716.06 33 神山学生寮 1,806.70 546.53 34 五常寮 1,395.42 422.11 35 賀茂川寮 2,146.60 649.35 36 津ノ国学生寮 1,161.59 351.38 37 上賀茂学修所(旧神山グリーンハイツ) 313.84 94.94 38 追分管理棟 511.35 154.68 39 第2体育館 3,428.97 1,037.26 40 総合体育館 12,542.37 3,794.07 41 厩舎 709.77 214.71 386 番号 面 積 建 物 名 ㎡ 42 第2グラウンドクラブハウス 43 本山広場第2学生クラブハウス(茶室) 44 坪 106.03 32.07 66.15 20.01 総合グラウンド自動車部車庫棟 147.33 44.57 45 艇庫 221.26 66.93 46 放送局棟 111.14 33.62 47 弓道場 310.03 93.78 48 課外活動棟 2,491.72 753.75 49 現代体育研究所倉庫 20.70 6.26 50 第2グラウンド倉庫棟 19.25 5.82 51 総合グラウンド倉庫棟(旧現代体育研究所) 246.07 74.44 52 受水棟 29.74 9.00 53 受電棟(電気室) 84.96 25.70 54 神山ボンベ棟 11.85 3.58 55 総合グラウンドポンプ棟 20.59 6.23 56 学内倉庫棟(7号館裏) 19.68 5.95 57 津ノ国ボンベ棟 16.95 5.13 58 津ノ国書庫 1,001.25 302.88 59 松の浦セミナーハウス 191.56 57.95 60 北小松教職員保養所 301.13 91.09 61 バスプールの便所棟 20.13 6.09 62 アーチェリー矢受場 45.92 13.89 63 本山広場学生ホール 210.00 63.53 64 本山電気室 65.00 19.66 65 第2グラウンドシャワー室 9.03 2.73 66 艇庫ボイラー室 7.98 2.41 67 体育ミーティング室 74.02 22.39 68 本山合宿所(林間亭) 127.93 38.70 69 神山研修室棟 966.80 292.46 70 神山研修室棟便所棟 26.76 8.09 71 特高電気室棟 459.59 139.03 72 松の浦セミナーハウス プロパンボンベ室 14.40 4.36 73 松の浦セミナーハウス 屋外キッチン 12.00 3.63 74 松の浦セミナーハウス コア施設 637.11 192.73 75 松の浦セミナーハウス コテージ1 63.13 19.10 76 松の浦セミナーハウス コテージ2 63.13 19.10 77 松の浦セミナーハウス コテージ3 63.13 19.10 78 松の浦セミナーハウス コテージ4 63.13 19.10 79 松の浦セミナーハウス コテージ5 63.13 19.10 80 総合グラウンド管理棟 1,230.64 372.27 81 総合グラウンドトレーニング棟 156.29 47.28 82 洗濯棟 42.00 12.71 83 東京事務所(法人) 124.37 37.62 84 同窓会館(法人) 461.10 139.48 387 番号 面 積 建 物 名 ㎡ 坪 85 管理人室・車庫(幼稚園) 109.55 33.14 86 第一園舎(幼稚園) 865.67 261.87 87 第二園舎(幼稚園) 585.93 177.24 152,926.78 46,260.35 (2004年3月31日現在 有形固定資産明細書より) 388 389 390 391 392 (2) 教室の施設・設備 ① 教室使用状況一覧表(2003年度) 号館 1号館 2号館 3号館 4号館 大教室棟 本館 10号館 11号館 12号館 収容人数 教室数 使 用 状 況 収容人数別 教室数比率 延教室数 延使用数 延使用数 春学期 秋学期 12% 60 25 25 1~ 49 2 50~ 99 4 24% 120 58 100~199 6 35% 180 200~299 1 6% 400~499 3 500以上 合計 使用率 収容人数別 使用数比率 42% 11% 52 46% 25% 64 41 29% 24% 30 19 17 60% 8% 18% 90 59 52 62% 25% 1 6% 30 16 14 50% 7% 17 100% 510 241 201 43% 100% 1~ 49 6 40% 180 17 95 10% 18% 50~ 99 8 53% 240 71 75 30% 72% 100~199 1 7% 30 14 8 37% 11% 合計 15 100% 450 102 178 31% 100% 1~ 49 14 52% 420 196 196 47% 50% 50~ 99 10 37% 300 164 166 55% 42% 100~199 3 11% 90 29 28 32% 7% 合計 27 100% 810 389 390 48% 100% 1~ 49 6 35% 180 81 98 50% 43% 50~ 99 8 47% 240 81 82 34% 39% 100~199 1 6% 30 7 8 25% 4% 200~299 1 6% 30 16 11 45% 6% 500以上 1 6% 30 16 18 57% 8% 合計 17 100% 510 201 217 41% 100% 300~399 2 33% 60 32 29 51% 33% 500以上 4 67% 120 66 60 53% 67% 合計 6 100% 180 98 89 52% 100% 50~ 99 18 90% 540 280 285 52% 97% 100~199 2 10% 60 8 8 13% 3% 合計 20 100% 600 288 293 48% 100% 1~ 49 7 47% 210 80 87 40% 43% 50~ 99 8 53% 240 107 111 45% 57% 合計 15 100% 450 187 198 43% 100% 1~ 49 10 48% 300 57 59 19% 27% 50~ 99 9 43% 270 128 127 47% 60% 100~199 2 10% 60 24 30 45% 13% 合計 21 100% 630 209 216 34% 100% 1~ 49 23 79% 690 262 258 38% 84% 50~ 99 2 7% 60 9 10 16% 3% 100~199 3 10% 90 24 25 27% 8% 300~399 1 3% 30 16 17 55% 5% 合計 29 100% 870 311 310 36% 100% 393 394 (3) 体育施設使用状況(2004年度) ○総合体育館 体育施設および使用団体名 正 課 授 業 バスケットボール ハ ン ド ボ ー ル 男子バレーボール 課 クラブ 女子バレーボール メインアリーナ 外 バ ド ミ ン ト ン 活 チ ア リ ー ダ ー 動 クラブ・独立団その他 サークル他 サ ー ク ル 団 体 その他 学内行事・イベント 正 課 授 業 卓 球 器 械 体 操 課 クラブ フ ェ ン シ ン グ サ ブ ア リ ー ナ 外 チ ア リ ー ダ ー 活 クラブ・独立団その他 動 サークル他 サ ー ク ル 団 体 その他 学内行事・イベント 正 課 授 業 レ ス リ ン グ ボ ク シ ン グ 杖 道 課 練 習 室 1 クラブ 外 居 合 道 活 卓 球 動 チ ア リ ー ダ ー クラブ・独立団その他 サークル他 サ ー ク ル 団 体 正 課 授 業 合 気 道 課 日 本 拳 法 練 習 室 2 クラブ 外 少 林 寺 拳 法 活 クラブ・独立団その他 動 サークル他 サ ー ク ル 団 体 正 課 授 業 少 林 寺 拳 法 居 合 道 課 ボ ク シ ン グ クラブ 練 習 室 3 外 チ ア リ ー ダ ー 活 卓 球 動 クラブ・独立団その他 サークル他 サ ー ク ル 団 体 コントロールルーム 課 サークル他 サ ー ク ル 団 体 正 課 授 業 トレーニングルーム 課 利 用 許 可 証 個 人 外 クラブ ウエイトリフティング ゴ ル フ 練 習 場 神山テニスコート 正 課 正 課 クラブ 課 外 活 サークル他 動 その他 年間使用日数 年間使用者数 553 21,322 274 8,220 179 2,327 191 5,921 196 4,900 238 6,426 8 368 30 1,565 121 4,701 11 530 233 8,583 296 10,064 169 2,366 148 1,628 106 4,876 12 385 38 985 1 30 191 7,827 145 1,450 100 3,000 95 2,375 30 690 20 680 12 552 7 248 11 121 14 224 219 3,942 144 3,456 20 620 1 25 17 102 26 538 191 5,921 168 3,864 78 2,340 29 1,334 34 1,156 2 35 13 225 21 483 69 2,432 306 21,147 306 3,060 授 業 27 485 授 硬 式 庭 軟 式 庭 サ ー ク ル 団 教 職 業 球 球 体 員 265 236 2 2 37 9,248 6,372 32 14 156 395 ○第2体育館 柔 道 剣 場 道 場 正 課 外 正 業 道 ー 業 道 道 道 道 体 14 252 204 136 205 214 16 67 1 140 12,600 13,260 5,304 9,840 3,638 400 1,541 100 その他 正 課 課 クラブ 外 活 サークル他 動 その他 授 業 陸 上 競 技 ラ グ ビ ー ス キ ー 柔 道 学内行事・イベント 授 業 硬 式 野 球 準 硬 式 野 球 そ の 他 団 体 学内行事・イベント 239 359 220 50 10 7 248 208 167 1 3 8,097 31,951 14,300 2,350 500 110 9,650 12,064 5,511 120 90 正 課 課 授 業 利 用 許 可 証 個 人 0 361 0 9,261 正 課 業 28 1,183 ウエイトリフティング 218 2,180 課 授 業 馬 術 ア ー チ ェ リ ー 学内行事・イベント 193 362 318 3 702 8,688 7,950 75 課 授 業 ソ フ ト テ ニ ス 0 186 0 2,976 課 授 業 弓 道 学内行事・イベント 0 336 7 0 10,416 140 0 260 351 247 122 92 1 1 3 0 4,420 23,868 13,832 6,832 5,520 12 150 90 課 外 活 動 課 授 柔 ラ クラブ 課 クラブ サークル他 剣 空 杖 居 そ グ 授 ビ 手 合 他 の 団 ○総合グラウンド 正 陸 野 上 競 技 球 場 場 トレーニングルーム ウェイトトレーニング ルーム 課 外 活 動 課 課 クラブ クラブ 正 馬 場 課 外 クラブ その他 ソフトテニスコート 正 課 クラブ 弓 正 課 外 クラブ その他 道 場 授 ○第2グラウンド 正 課 外 活 動 課 授 業 陸 上 ホ ッ ケ ー サ ッ カ ー クラブ アメリカンフットボール 女 子 ラ ク ロ ス 男 子 ラ ク ロ ス サ ー ク ル 団 体 サークル他 そ の 他 団 体 その他 学内行事・イベント 396 3.施設貸与 (1) 学外施設貸与使用料金の推移(2001年度~2003年度) 施設使用料(冷暖房費含む) 前年比(%) 2001年度 1,269,299 2002年度 1,654,600 30.35 2003年度 1,880,156 13.63 397 (2) 学内施設使用一覧表 2001年度 使用月日 使 用 施 設 2001 年 4 月 21 日 (土) 5号館・大教室棟 使 用 目 的 2002年度春期情報処理 技術者試験 所 管 課 時 間 総合能力開発センター 7:00~17:00 スペイン語検定試験(DELE) 外国語学部事務室 8:00~18:00 2001 年 5 月 13 日 (日) 第1会議室・第2会議室 スペイン語検定試験(DELE) 外国語学部事務室 8:00~18:00 2001 年 6 月 3 日 (日) 1号館 商業英語検定(Cクラス) 日本商工会議所 総合能力開発センター 9:00~11:00 2001 年 6 月 10 日 (日) 1号館 日商簿記検定試験 総合能力開発センター 7:00~18:00 2001 年 6 月 24 日 (日) 3号館303教室 スペイン語技能検定試験 (財)日本スペイン協会 外国語学部事務室 12:00~17:00 2001 年 6 月 24 日 (日) 1号館 秘書技能検定試験 (準1級・2級)筆記試験 (財)実務技能検定協会 総合能力開発センター 8:00~18:00 2001 年 7 月 11 日 (水) 神山ホール 第1セミナー室 販売士検定試験(3級) 日本商工会議所 総合能力開発センター 9:00~12:00 2001 年 7 月 15 日 (日) 1号館 実用英語技能検定試験 財団法人 日本英語検定協会 2級・準2級・3級 総合能力開発センター 7:00~17:00 2001 年 10 月 3 日 (水) 神山ホール 第1セミナー室 販売士検定試験(2級) 日本商工会議所 総合能力開発センター 9:00~12:00 第66回総会(日本公法学会) 法学部事務室 13:00~17:00 2001年10月21日 (日) 5号館・大教室棟 2001年度秋期情報処理 技術者試験 総合能力開発センター 7:00~18:00 2001年10月21日 (日) 1号館 実用英語技能検定試験 財団法人 日本英語検定協会 2級・準2級・3級 総合能力開発センター 7:00~17:00 2001年度総会(日本保険学会) 法学部事務室 13:00~17:00 第1研究室棟:大会議室 2001 年 5 月 12 日 (土) 第1会議室・第2会議室 第1研究室棟:大会議室 2001 年 10 月 7 日 (日) 神山ホール 2001 年 10 月 8 日 (月) 514・515・516・517教室 2001年10月27日 (土) 神山ホール 2001年10月28日 (日) 516・517教室 2001年11月10日 (土) 3号館 スペイン語検定試験(DELE) 外国語学部事務室 8:00~18:00 2001年11月11日 (日) 1号館 秘書技能検定試験(準1・2級) 総合能力開発センター 筆記試験 8:00~18:00 2001年11月18日 (日) 3号館303教室 スペイン語技能検定試験 (財)日本スペイン協会 2001年11月18日 (日) 1号館 日商簿記検定試験(日本商工会議所) 総合能力開発センター 7:00~18:00 2001年11月23日 (金) 1号館 商業英語検定試験(B・Cクラス) 総合能力開発センター 日本商工会議所 9:00~11:00 2002 年 3 月 8 日 (金) 11号館 2001年度京都府立高等学校 情報教育研究会 13:30~16:30 2001年11月11日 (日) 314・316・318教室 398 外国語学部事務室 12:00~17:00 総合企画室 2002年度 使用月日 使 用 施 設 使 用 目 的 2002 年 6 月 2 日 (日) 1号館(多目的ルーム1) 春期情報処理技術者試験 情報処理技術者センター スペイン文部省検定試験(DELE) スペイン大使館 スペイン文部省検定試験(DELE) スペイン大使館 第二回年大会 日本第二言語習得学会 第二回年大会 日本第二言語習得学会 日本土地法学会 関西支部研究大会 商業英語検定 京都商工会議所 2002 年 6 月 9 日 (日) 1号館 日商簿記検定試験 2002 年 6 月 15 日 (土) 11号館402~404、407教室 西支部第18回例会 日本中世英語英文学会 販売士検定試験 京都商工会議所 秘書技能検定試験 (財)実務技能検定協会 TOEIC(IP) TOEIC運営委員会 TOEFL(ITP) カウンシフル ビジネス実務法務検定 京都商工会議所 販売士検定試験 京都商工会議所 法学検定試験会場設営 法学検定試験委員会事務局 2002 年 4 月 21 日 (日) 5号館大教室 第1研究室棟(大会議室 2002 年 5 月 11 日 (土) 第1会議室・第2会議室) 第1研究室棟(大会議室 2002 年 5 月 12 日 (日) 第1会議室・第2会議室) 神山ホール 2002 年 5 月 18 日 (土) 第1・第2・第3セミナー室 神山ホール 2002 年 5 月 19 日 (日) 第1・第2・第3セミナー室 2002 年 6 月 1 日 (土) 神山ホール 第1セミナー室 2002 年 6 月 23 日 (日) 1号館 103教室 2002 年 6 月 23 日 (日) 1号館(117・104教室) 2002 年 7 月 6 日 (土) 大教室 2002 年 7 月 6 日 (土) 11号館(11304教室) 2002 年 7 月 7 日 (日) 1号館 118教室 2002 年 7 月 10 日 (水) 本館 602教室 2002 年 7 月 27 日 (土) 403教室 5号館(16演習室) 2002 年 7 月 28 日 (日) 大教室棟(514・515・516・ 517・518・519教室) TOEIC公開試験 TOEIC運営委員会 所 管 課 時 間 総合能力開発センター 7:00~17:00 外国語学部事務室 8:00~18:00 外国語学部事務室 8:00~18:00 語学教育研究センター 事務室 語学教育研究センター 事務室 法学部事務室 終 日 終 日 11:00~18:00 総合能力開発センター 9:00~11:00 総合能力開発センター 8:00~17:00 文化学部事務室 9:30~18:00 外国語学部事務室 12:00~17:00 総合能力開発センター 11:30~17:30 総合能力開発センター 12:30~16:00 総合能力開発センター 12:30~16:00 能力開発センター 総合能力開発センター 9:00~12:00 法学部事務室 17:00~ 総合能力開発センター 9:00~17:00 2002年11月10日 (日) 11号館 304・403教室 法学検定試験実施 法学検定試験委員会事務局 販売士検定試験 京都商工会議所 秋期情報処理技術者試験 情報処理技術者センター スペイン語技能検定試験 (財)日本スペイン協会 スペイン文部省検定試験(DELE) スペイン大使館 スペイン文部省検定試験(DELE) スペイン大使館 秘書技能検定試験 実務技能検定協会 2002年11月17日 (日) 4号館 河合塾 全統模擬試験 2002年11月17日 (日) 1号館 2002年11月24日 (日) 403教室 簿記検定試験 京都商工会議所 法学検定試験会場設営 法学検定試験委員会事務局 商業英語検定試験 京都商工会議所 法学検定試験実施 法学検定試験委員会事務局 2002年12月21日 (土) 5号館・大教室棟 TOEIC(IP) 総合能力開発センター 12:30~16:00 2002年12月21日 (土) 11号館 304教室 TOEIC(IP) 総合能力開発センター 12:30~16:00 2003 年 1 月 26 日 (日) 5号館・大教室棟 TOEIC公開試験 TOEIC運営委員会 総合能力開発センター 8:30~17:00 2002 年 7 月 28 日 (日) 403教室 2002 年 10 月 2 日 (水) 神山ホール 第1セミナー室 2002年10月20日 (日) 5号館・大教室棟 2002年10月27日 (日) 1号館 103教室 第1研究室棟(大会議室 2002 年 11 月 9 日 (土) 第1会議室・第2会議室) 第1研究室棟(大会議室 2002年11月10日 (日) 第1会議室・第2会議室) 2002年11月22日 (金) 403教室 2002年11月23日 (土) 399 法学部事務室 8:30~17:00 総合能力開発センター 9:00~12:00 総合能力開発センター 7:00~17:00 外国語学部事務室 12:00~17:00 外国語学部事務室 8:00~18:00 外国語学部事務室 8:00~18:00 総合能力開発センター 11:30~17:30 7:30~16:30 総合能力開発センター 8:00~17:00 法学部事務室 17:00~ 総合能力開発センター 9:00~17:00 法学部事務室 8:30~17:00 2003年度 使用月日 使 用 施 設 2003 年 4 月 20 日 (日) 1号館 101~121教室 2003 年 5 月 17 日 (土)第1研究室棟 大会議室 2003 年 5 月 18 日 (日)第1会議室・第2会議室 使 用 目 的 春期情報処理技術者試験 情報処理技術者センター スペイン語検定試験(DELE) スペイン大使館 2003 年 7 月 6 日 (日) 1号館 118教室 簿記検定試験 京都商工会議所 秘書技能検定試験 実務技能検定協会 スペイン語技能検定試験 (財)日本スペイン協会 ビジネス実務法務検定(3級) 京都商工会議所 2003 年 7 月 6 日 (日) 1号館 105号室 貿易実務検定試験 2003 年 7 月 9 日 (水) 神山ホール 第1セミナー室 販売士検定試験 京都商工会議所 TOEIC公開試験 TOEIC運営委員会 法学検定試験会場設営 法学検定試験委員会事務局 2003 年 6 月 8 日 (日) 1号館 101~105教室 2003 年 6 月 22 日 (日) 1号館 又は本館 2003 年 6 月 22 日 (日) 3号館 303教室 2003 年 7 月 27 日 (日) 大教室棟 514~519教室 2003 年 7 月 27 日 (日) 神山ホール 第1セミナー室 1号館101~105・116教室 所 管 課 時 間 進路センター能力開発 7:00~18:00 外国語学部事務室 8:00~18:00 進路センター能力開発 8:00~17:00 進路センター能力開発 11:30~17:30 外国語学部事務室 12:00~17:00 進路センター能力開発 8:00~13:00 進路センター能力開発 終 日 進路センター能力開発 9:00~12:00 進路センター能力開発 8:30~16:30 法学部事務室 8:30~17:00 2003 年 8 月 3 日 (日)多目的ルーム・応接室 駿台模擬試験 管財課 8:00~20:00 2003 年 10 月 1 日 (水) 神山ホール 第1セミナー室 販売士検定試験 京都商工会議所 進路センター能力開発 9:00~12:00 2003年10月3日~5日 神山ホール (金~日) 第1~3セミナー室 学会開催 ロシア・東欧学会 法学部事務室 8:30~18:00 進路センター能力開発 7:00~17:00 1号館 101~105、 2003 年 11 月 9 日 (日) 1号館 102教室 秋期情報処理技術者試験 情報処理技術者センター スペイン語技能検定試験 (財)日本スペイン協会 秘書技能検定試験 実務技能検定協会 色彩能力検定試験 文部科学省認定 2003年11月15日・16日 第1研究室棟 大会議室 (土・日) 第1会議室・第2会議室 スペイン文部省検定試験(DELE) スペイン大使館 2003年11月16日 (日) 1号館 101~105教室 2003年11月30日 (日) 1号館 118教室 簿記検定試験 京都商工会議所 法学検定試験会場設営 法学検定試験委員会事務局 ビジネス実務法務検定(2級) 京都商工会議所 2003 年 12 月 7 日 (日) 1号館 105号室 貿易実務検定試験 2003年10月19日 (日) 113、115~121教室 2003年10月26日 (日) 3号館 303教室 2003 年 11 月 9 日 (日) 1号館又は本館 2003年11月16日 (日) 神山ホール 第1セミナー室 2004 年 1 月 25 日 (日) 大教室棟 514~519教室 11号館 11307教室 2004 年 2 月 22 日 (日) 1号館 101~105教室 TOEIC公開試験 TOEIC運営委員会 簿記検定試験 京都商工会議所 400 外国語学部事務室 12:00~17:00 進路センター能力開発 11:30~17:30 進路センター能力開発 10:30~14:20 外国語学部事務室 8:00~18:00 進路センター能力開発 8:00~17:00 法学部事務室 8:30~17:00 進路センター能力開発 8:00~13:00 進路センター能力開発 終 日 進路センター能力開発 9:00~17:00 進路センター能力開発 8:00~17:00 A 経済学部 (a) 学部等の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 【現状の説明】 IT化社会の到来に伴い、教員がPCとネット環境を活用した教育を行うことはもちろん、学生がそれら の扱いに習熟することの重要性も増してきている。また少人数授業の充実を図るにはそのための演習室が十 分な規模と機能を持つ必要がある。本年度から供用されている新経済学部・経営学部棟(5号館)は 18 の演 習室を持ち、そのすべてにPCやプロジェクターを初めとするマルチメディア教育に必要な機器が備えられ ている。 【点検・評価】 5号館が竣工したことにより、演習室を初めとする各種教室環境は教室数や面積でゆとりが生じ、またマ ルチメディア環境の充実に伴って授業の内容や進め方に幅をもたせることができるようになるなど、顕著な 改善が見られる。 【長所と問題点】 教室環境の改善により、教員が手軽にデジタルデータの教材を利用できるほか、学生もPC上で作成した 資料を活用できるなど授業の幅が広がり、また無駄な印刷の手間と時間が省け、柔軟な授業運営に資してい る。演習室のPCは情報処理教室のものと異なりノート型で、普段はキャビネットにしまわれていることな どから、学生が使い勝手などで戸惑うことなどあるが、今後習熟してゆくものと思われる。 【将来の改善・改革に向けた方策】 当面の改善すべき課題は見当たらない。 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 【現状の説明】 情報処理教室とマルチメディア教室で構成された本学 10 号館での授業は、 「経済データ処理実習」を初め として、情報処理形の授業において活用されてきている。今年度より活用されている経済学部・経営学部棟 である5号館は2つの情報処理教室を備えるほか、各教室にPCとプロジェクター、AV機器、インターネ ットコンセントなどを備え、教員のみならず学生もこれらを使った成果発表が可能となっている。 【点検・評価】 2つの情報処理教室は授業に利用されていないときは学生に解放されており、手軽にPC環境を活用でき る。学内のLANを活用しての教員からの資料の受け取りや課題の提出が可能になっており、学生は家や学 校で作成した課題を時間を問わず提出できるなど、学修上の便宜の改善にも役立っている。また無線LAN が使える範囲が拡大しつつあり、学内のネット環境を持参したPCで活用できる条件も整いつつある。 【長所と問題点】 平常時には十分な数のPCが供用されているといえるが、科目登録の時期などにはオンライン上で登録が 可能であるため一時的に混雑が無いとはいえない。 【将来の改善・改革に向けた方策】 スペースの問題から端末をこれ以上増やすことは困難であるが、既にほとんどの場合において十分といえ る環境が配備されていると考えられる。また無線LAN環境の整備の進展が進められており、固定端末にと らわれない環境を提供可能にすると考えられる。 B 経営学部 (a) 学部等の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 【現状の説明】 経済学部との共通棟である新5号館(2004 年2月改築)の施設として、中教室6室、小教室4室、演習室 14 室がある。講義室および演習室の設備には、パソコン、ビデオ・プロジェクタースクリーン、OHCが備 えられており、ネットワーク接続可となっている。経営学部では、大人数の講義を極力少なくして中小教室 の充実をはかっている。また、1階にオープンスペースを学生の談話空間として設けている。 401 【点検・評価/長所と問題点】 2004 年 10 月1日現在、本学部の在籍者数は 3,031 名(1年次生 715 名、2年次生 671 名、3年次生 748 名、4年次生 897 名)である。学生数との比較からすれば現状施設・設備は問題がないといえる。ただし、 5号館以外に大教室棟を使用しているが、プロジェクタースクリーンの配置や書画カメラの解像度に問題が ある。 【将来の改善・改革に向けた方策】 大教室棟のプロジェクタースクリーンの配置や書画カメラの解像度については、来年度より改善される予 定になっている。 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 【現状の説明】 新5号館(2004 年2月改築)には情報処理教室2室があり、パソコン、ビデオ・プロジェクタースクリー ン、OHCが備えられており、ネットワーク接続可となっている。 【点検・評価/長所と問題点】 学生数との比較からすれば現状施設・設備は問題がないが、①情報処理教室にセンターモニターがない、 ②SPSSなどの統計ソフトがインストールされていない、などの情報教育面での問題点がある。 【将来の改善・改革に向けた方策】 施設・設備のハード面と、学部生の学力向上のための教育・研究というソフト面との兼ね合いが問題であ る。情報処理教室へのセンターモニターの設置を大学当局に申し入れている。また、教育・研究に必要なソ フト(SPSSなどの統計ソフト)の追加も申請している。 C 法学部 (a) 学部等の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 【現状の説明】 法学部の教育目的を実現するための施設としては、まず挙がるのは、学生が講義等を受講する4号館であ る。次に挙げられるのは、資料収集や自習を行う図書館である。最後は、書籍を入手する学内書籍販売店も 挙げられる。 研究目的を実現するための施設としては、図書館しか存在しない。 【点検・評価/長所と問題点】 まず、4号館は、部分改修がなされているとは言え、変わりつつある教育目的に、設備が追いついていな い。小人数での教育と情報機器を用いた教育が求められているにもかかわらず、それに応える演習室の数が 少ない。また、学生の学習上の悩みに対応するため、法学部が独自に設置した履修相談室の設備の貧弱さは、 その機能を十分に発揮できない原因となっている。更に、分かりやすさを追求している講義も、学生が受講 する環境が劣悪である。大教室では後ろの席では声が聞こえず、多くの教室では黒板が見にくく、西日を防 ぐブラインドも壊れている。次に、図書館は、所蔵図書や自習スペースの数は十分であり、評価できる。最 後に、学内書籍販売店は、品揃えの少なさのために、学生の知的好奇心どころか学習意欲さえも減退させか ねず、しかも指定されている教科書の適時の調達さえできないこともある。 研究目的を実現するための施設として見ると、図書館には、問題が多い。まず、分類・整理は、書名か著 者名か混乱しており、洋雑誌の所蔵場所が、版の大きさで離れているなど、検索に機能的でない。次に、資 料(蔵書の少なさ)については、 「7図書館及び図書等の資料、学術情報」に譲る。 【将来の改善・改革に向けた方策】 4号館の建て替えを要望したが実現不可能との回答を得た。次善の策として、演習室については、ラウン ドテーブルを配置することを、履修相談室については、改修すること、ゼミの連絡用ボードやボックスを設 けること、教科書を揃えること、などを、大教室については、上下可動の二枚組のホワイトボードにするこ と、マイク・スピーカーを整備すること、ブラインドの修理、などを、提案する。次に、学内書籍販売店に ついては、他の書店に出店を認めることも視野に入れて、大学がサービス向上を申し入れるべきである。 図書館、特に分類・整理、については、優秀な司書の数を増やすこと、従来の分類・整理のやり直し、を 402 提案する。 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 【現状の説明】 まずプレゼンテーション設備は、学部特化の情報処理教室である 41 メディア演習室のほか、一部の演習室 には設置されている。またスクリーンのみが一部の教室・演習室に設置されている。最後にビデオ・DVD の機器は、どちらかのみが一部の演習室に設置されている。 【点検・評価/長所と問題点】 41 メディア演習室は教育に必要な設備をほぼ揃えているものの、4号館を見ると、他学部棟に比べて、プ レゼンテーション設備のある教室・演習室が少ない。そのため、ビデオやDVDを利用する際にも、一時的 な教室変更を強いられている。 【将来の改善・改革に向けた方策】 4号館の建て替えを要望したが実現不可能との回答を得た。次善の策としては、すべての教室にプレゼン テーション設備を設置すること、すべての演習室でビデオとDVDをともに使用できるようにすること、を 提案する。 D 外国語学部 (a) 学部等の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 【現状の説明】 本学部は3号館、10 号館、12 号館を使用し、講義、実習、演習を行っている。各教室には、基本的に視聴 覚教材を使用するための設備が整えられている。また、CALL教室、情報処理教室も設けられている。 【点検・評価】 教員現場からの要望に基づき、整備を進められてきた。 【長所と問題点】 年々、整備されてきているが、教室の数、使用方法等の点で、教育的見地から改善要望が出されている事 項もある。 【将来の改善・改革に向けた方策】 よりよい教育環境を実現するために、教員、学生の双方から、意見を聞いていくことも必要である。 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 【現状の説明】 情報処理機器は、CALL教室、情報処理教室に設けられている。 【点検・評価】 教室数、教室内の学生用PCの数、PCのソフトにおいて、まだ十分とは言えない。 【長所と問題点】 年々、整備されてきているが、特にマルチメディアを取り扱う設備は、常に新しくなっていくものであり、 それにどのように対応していくか、その更新状況を授業の担当者にどのように知らせていくか、また、マル チメディアによる教育ソフトをどのように開発していくか等が問題である。 【将来の改善・改革に向けた方策】 学内の情報センターとも連携を取り、設備の整備、設備運用の講習、そして人材の育成を進めていく。 E 文化学部 (a) 学部等の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 【現状の説明】 文化学部では英語の他に情報に力を入れて、最低限必要な必修科目としている。そのために、情報処理教 室とLL教室を合体させたCALL教室、その他にLL教室、様々な入力ソースに対応するAV教室、学生 403 の自習のためにPCを備えたオープンパソコンルームを各1教室ずつ設けている。CALL教室は、授業時 以外は自習教室として解放されている。さらに、教室によってはネットワークコンセントを設置して、学生 がノートPCを持ち込んでインターネットに接続できる環境を用意している。教室によってはプロジェクタ ーのようなプレゼンテーション装置も設置してある。 【点検・評価】 CALL教室、LL教室、AV教室は、授業の目的に応じて利用されており、効果を上げていると思われ る。特に、静止画や動画(映画)を用いた授業でよく使われている。学生がインターネットを使う場合には、 CALL教室とオープンパソコンルーム以外に現時点では手軽な利用方法はないために、授業時にはオープ ンパソコンルームが学生によって非常によく用いられている。 【長所と問題点】 文化学部の授業にはマルチメディアやインターネットを使ったものがあるので、11 号館の中にCALL教 室、LL教室、AV教室が設置されているのは大変に良い。 しかし、 (1) 数教室に設置されているプロジェクターの性能が悪く、極めて見にくい。また、入力を切り替えるスイ ッチャーの反応が悪く、使い勝手が非常に悪い。業者に故障を修理してもらっても直らないという報告も 聞いている。 (2) いくつかの教室に設置されているネットワークコンセントは、それを用いた授業がないために、残念な ことにほとんど利用されていない。 (3) AV教室の教卓には、トップにパソコン、扉をあけて、ビデオ、カセット・レコーダーの順にはいって いる。カセットの操作は、床に這いつくばってしないとだめで、広くて大きい教卓に平面に並べるような 改善が望ましい。 【将来の改善・改革に向けた方策】 CALL教室とオープンパソコンルームについては(b)を参照されたい。AV教室などのプロジェクタ ーやスイッチャーなどの不具合が指摘されているものについては取り替えを提案したい。ネットワークコン セントについてはそのままの予定ではあるが、 来年度 11 号館でも無線LANがCC環境のアカウントで利用 できるようになる予定なので、そちらに取って代わられていくことになろう。 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 【現状の説明】 文化学部では英語の他に情報処理に力を入れて、最低限必要な必修科目としている。そのために、情報処 理教室とLL教室を合体させたCALL教室、その他にLL教室、様々な入力ソースに対応するAV教室、 学生の自習のためにPCを備えたオープンパソコンルームを各1教室ずつ設けている。 CALL教室には、OSに Windows NT 2000 と Vine Linux のデュアルブートを採用した学生用PCが 60 台と教卓用PCが2台、他に学生用のセンターモニターが 30 台配備されている。また、ネットワークスキャ ナが1台と Linux のためにポストスクリプト対応のレーザプリンターが3台配備されており、基礎情報処理 実習、ELT、スペイン語の授業で利用されている。授業時以外は自習教室として開放されている。オープ ンパソコンルームには、 PCが8台、 レーザプリンターとネットワークスキャナを各1台が配備されている。 AV教室には、ネットワークコンセントが設置され、その他の教室でも学生がノートPCを持ち込んでイン ターネットに接続できる環境が用意されたもの、プロジェクターのようなプレゼンテーション装置が設置さ れたものもある。 【点検・評価】 CALL教室、LL教室、AV教室は、授業の目的に応じて利用されており、効果を上げていると思われ る。たとえば、2004 年度春学期のCALL教室の稼働率はほぼ5割で、基礎情報処理実習やELTにおいて、 MS Office やWebとメールの利用を中心とした情報処理教室的な使い方の他に、スペイン語のような語学 の授業でも使われている。特に、教卓用にディスプレイだけでなくPCも2台配備されているのは便利であ り、静止画や動画(映画)を用いた授業でよく使われている。学生がインターネットを使う場合には、CAL L教室とオープンパソコンルーム以外に現時点では手軽な利用方法はないために、授業時にはオープンパソ コンルームが学生によって非常によく用いられている。 404 【長所と問題点】 文化学部の授業にはマルチメディアやインターネットを使ったものがあるので、11 号館の中にCALL教 室、LL教室、AV教室が設置されているのは大変に良い。しかし、数教室に設置されているプロジェクタ ーの性能が悪く、極めて見にくい。また、入力を切り替えるスイッチャーの反応が悪く、使い勝手が非常に 悪い。業者に故障を修理してもらっても直らないという報告も聞いている。 CALL教室のOSである Windows NT 2000 の下には StudyWave というCALLのソフトウエアが位置し ており、出席者の把握などに便利な面はある。しかし一方で、それによるトラブルも起こっており、Windows XP が入っている全学の情報処理教室とは、アカウントやディレクトリ構成、およびソフトウエア構成におい て異なっている。プリンターは、老朽化のためか印刷時のトラブルも多い。また、オープンパソコンルーム のPCの少なさは、数年前のアンケートにおいて学生からも指摘され、増設の希望も出されている。 【将来の改善・改革に向けた方策】 CALL教室については、授業運営上教師からも必須とはされなくなった StudyWave を外し、シンプルな 構成にすることによってトラブルを減らし、OSも全学の情報処理教室と同じ構成にすることによって全学 との互換性を高める予定である。また、トラブルが多いプリンターの更改も予定されている。オープンパソ コンルームについては、PCの台数をできる限り増やして学生のニーズに応えたい。 F 理学部 (a) 学部等の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 <数理科学科> 【現状の説明】 各教員には個室の研究室があり、研究活動と密接に関係した卒業研究、また大学院学生の指導の場として も使用している。そのため,日常的に学生との対話を可能にして教育効果と研究効果を上げている。 また、各研究室には教員の要求に応じてさまざまな性能のコンピュータが配備され、学内LANを通じて インターネットに接続されている。学内の端末から、AMSの MathSciNet が利用でき、研究のために大いに 役立っている。また共同利用室にもコンピュータが設置されており、教員室にはカラープリンターが設置さ れ、ネットワークを通じて利用できる。 【点検・評価/長所と問題点】 教育研究に必要と考えられる基本的な設備は概ね配備されていると思われる。人的・時間的な制約のため に、その性能がフルに活用されているかどうかについて一律に判断することは難しい。 【将来の改善・改革に向けた方策】 コンピュータはソフトウェアの巨大化にともない、性能の高いものに逐次入れ替えの必要がある。予算の 許す範囲内で可能な限り新しいものとの入れ替えをやってゆかねばならないが、その際、必ず旧設備の使用 報告書、研究教育実績書などを義務づけ、同時に将来の研究教育計画書をも、提出する必要がある。その際、 理学部の教育理念、教育目標と如何に整合するか報告する必要がある。それが、予算の有効利用に結びつく。 <物理科学科> 【現状の説明】 学生実験では各実験テーマについて、老朽化あるいは機種変更が適当と判断された時にその都度、備品・ 装置を購入し保有している。各研究室にて行う卒業研究および大学院修士・博士課程の研究実験・演習では、 研究室毎に装置等を購入、保有している状況である。それらの装置の保守も行っている。予算は前年度に教 育研究設備整備計画として申請される。 【点検・評価/長所と問題点】 学生実験では実験テーマが固定・確立されているため、装置上の問題点は比較的見出せない。しかし昨今 の技術革新の影響を受け、実験手段も多様化しているため、実験テーマを含めて、常に実験設備の整備に心 がけなければならない。 卒業実験の研究等においては、これに使用する設備・装置の不備、老朽化、使用環境の悪化が問題点とな りつつある。さらに、多数の受講者があるときの対応は教育として十分とはいえない。使用する装置が大型 405 になればなるほど、そのことが顕著に現れる。 【将来の改善・改革に向けた方策】 学部学生の卒業、大学院の修士・博士課程の研究に用いる設備・装置等の整備が望まれる。ベーシックな 分析装置の整備を行い、機種の刷新を進め、これと同時に利用・維持体制を見直す必要があるかもしれない。 また、より良い教育・研究を行っていくために、修士・博士、卒論学生が各研究室内に各自のデスクを持ち、 常時研究に取り組める体制にすることが強く望まれる。 <コンピュータ科学科> 【現状の説明】 各教員には個室の研究室が割り振られている。また、必要とする教員には、実験室も割り振られている。 研究室、実験室には、LANが設けられ、全学的なネットワークを構成している。また、全学的な無線LA Nの設備も整備されつつある。各研究室には、事務連絡用のパソコンが配備されている。 【点検・評価/長所と問題点】 研究室に配備されている、連絡用のパソコンは、有効に活用していない研究室が多い。最初から必要であ ったかどうか、 疑問ではある。 情報教育のための教室に配備されているパソコンと同じ環境で使えるのなら、 非常に有効であったのだが、そうではなかったのが、問題である。パソコン等の情報機器は、4、5年もす れば旧型となり、使用に耐えなくなることが多い。研究室に配備されたパソコンを新機種に代えるには、予 算的に難しいこともあり、研究室のなかには旧型のパソコンを依然として使用しているところもある。 【将来の改善・改革に向けた方策】 おしきせの設備ではなく、教員が必要とする情報機器およびその他の設備を整備する必要がある。 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 <数理科学科> 【現状の説明】 コンピュータ実験の設備の一覧表があるが、ここに再録することはしない。 【点検・評価/長所と問題点】 教育に必要と考えられる基本的な設備は概ね配備されていると思われる。ただ、コンピュータを用いる授 業の教室は、中規模の教室が多く、ゼミなどの少人数の授業の際には、使われていないコンピュータが多数 あることになる。 【将来の改善・改革に向けた方策】 少人数仕様のコンピュータ教室を2、3室新設するか、可能であれば、中規模の教室を仕切って使えるよ うにし、コンピュータ資源の有効利用を図る必要がある。 <物理科学科> 【現状の説明】 コンピュータに関しては、ここ数年は状況に変化はなく、情報処理教室 10 号館を核として教育が行われて いる。しかし、コンピュータは様々な分野で応用されてきているため、その目的に応じたコンピュータ教育 がなされる必要がある。学生実験、数値計算などにも、頻繁に取り入れられている。そのためのコンピュー タの選定および教育は各教員の判断に委ねられている。 各教員に対しては研究室に設置されており、大学院生は共同利用室に設置されたコンピュータを利用して いる。 【点検・評価/長所と問題点】 コンピュータ環境は、比較的整備されていると思われるが、教育研究に供する場合、情報処理、データ解 析、資料作成、機器の制御等々昨今ますます多くの仕事を、コンピュータで行う必要がある。たとえば、コ ンピュータによる機器の制御などは、各教員に委ねられている。そのため、教員間の温度差による異なりが ある。 【将来の改善・改革に向けた方策】 コンピュータ環境は、比較的整備されていると思われるが、教育研究に供する場合、情報処理、データ解 406 析、資料作成等々昨今ますます多くの仕事を行うことが必要となりつつある。そのため、学生一人に一台の コンピュータを使える体制が好ましくなりつつある。 <コンピュータ科学科> 【現状の説明】 主に、情報処理教室(10 号館)および情報処理実験室棟にある教室(C1、C2)において、情報処理の 教育を行っている。 【点検・評価/長所と問題点】 数年ごとに機種を新しい物に変更し、ソフトウェアも充実しており、十分な情報処理機器が配備されてる。 今年度末から来年度にかけても、10 号館およびC1、C2にある機器の新機種への移行が予定されている。 10 号館の情報処理教室の運用については、学生のパソコン画面を教員がチェックする等の、授業時に必要と する機能が不十分であることが多い。 【将来の改善・改革に向けた方策】 効率的な教育を行うために教員が必要とする機能についてアンケート等をとり、それを実現する体制が必 要であると思われる。 G 工学部 <情報通信工学科> (a) 学部等の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 【現状の説明】 本学科の主な設備はコンピュータ設備であり、3、4年ごとに大幅な更新をおこなっている。最近の更新 は 2001 年で、プログラム演習、学生実験、卒業研究用に約 200 台のPC、WSとサーバを更新した。ネット ワークは 100MBPS が基本であるが、大実験室と情報センター間は 1000Base-SX による GigabitEthernet(1 Gpbs 帯域)を敷設している。この他、測定器や光通信分野の各種実験研究用装置についても、順次更新を行 っている。研究用には、1998 年にハイテクリサーチプロジェクトを申請し、補助金を得て、100 台のWSに よるクラスタシステムを構築し、共同利用を行っている。また、科学研究費等で各分野の研究設備を整備し ている。 【点検・評価】 学科の目標として、実験、演習を重視し、専任により計画、設備更新、保守を行っているために、設備と 教育内容は充実していると思われる。情報処理設備の更新は3年が最短であるが、設備更新ごとに教育内容 も変更せざるを得ないため、4年ごとに実施している。 【長所と問題点】 実験、演習担当者により、適切な情報処理設備を導入できることは長所である。ただし、PCなどの大量 の教育研究設備は補助金の関連で、全学の情報センター一括購入であり、予算執行時の自由度が極度に制限 されている。また、個別の設備も予算計画の作成時点から実際の執行までには数ヶ月の時間があり、その間 に諸般の状況の変化が当然有り得るにも関わらず、 現行の制度はそれに十分に対処できているとは言い難い。 【将来の改善・改革に向けた方策】 本分野における急速な技術革新の流れに遅れることなく教育研究の内容を高度化していくためには、一定 の年限ごとに、最新の機器・設備に計画的に更新していく必要がある。特にコンピュータ関連設備について は、最長でも5年の周期での更新が必須である。将来の施設の拡張・充実に関しては、建屋の増築・改築な どの抜本的な解決策が必要である。特に第2実験室棟については荷物運搬用の昇降機すら無く、各種の重量 物の搬入・搬出に多大な支障をきたしている。 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 【現状の説明】 PC、WS、サーバやネットワークなどの情報処理設備は教育研究両方に利用できる。本学科の情報処理 設備では特に研究用に限定しているものはない。4年ごとに設備更新を行い、プログラム演習、学生実験、 407 卒業研究用に約 200 台のPC、 WSとサーバを設備している。 ネットワークではPC間は 100Mbps であるが、 スイッチ間は1Gbps で接続している。また、OS、アプリケーションソフトウェアもグループライセンスで 利用可能である。 【点検・評価】 情報処理設備については基本的には適切に更新、配備を行っていると評価できる。大量のPC設備は全学 情報センター一括購入のため、各担当者の自由な機種選定は行っていない。また、一括購入によるOSやソ フトウェアのグループライセンスは便利である。 【長所と問題点】 大量のPC設備の更新を3、4年ごとに繰り返しているために、教育内容の更新計画も立てやすい長所が ある。しかし、各担当者は設備計画、更新、保守、教材作成と授業などをすべて行っているために、負担増 であることが最大の問題である。 【将来の改善・改革に向けた方策】 実験、演習、卒業研究などは情報処理設備を利用せざるを得ない。これらの充実が学科の目標であり、3、 4年ごとの更新をスムーズに進めるように、建物から実験室の構造、ネットワーク付帯設備など、根本的に 検討する必要がある。 <生物工学科> (a) 学部等の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適切性 【現状の説明】 生物工学科では、通常の講義は1号館で行い、実験授業および特別研究を第1実験棟で行っている。また、 マルチメディア教育やコンピュータ演習、生物工学演習は、パーソナルコンピュータを各自授業中に使用で きる 10 号館において行われている。 【点検・評価/長所と問題点】 上に述べた施設のうち、特に実験授業を行う第1実験棟が手狭であるため、様々な問題が生じていると言 える。たとえば、1年次生、2年次生の化学実験・生物実験はそれぞれ1階と3階の実験室で行っているが、 実験室の面積が狭いため、一学年全体の学生数が 70-80 名で一度には実験を行えない。この実験棟は、京都 の景観を守るために3階以上の高層建築を許可されていないため、全体的に手狭となっている。その結果各 研究室に収容しきれなかった、フリーザーやその他の機器など、直接学生の実験に必要ない機器が並んでい るため、運転のために大きな音を立てて講義の邪魔になっている。さらに、機器や重い実験器具などの運搬 をする際に、エレベーターが無いため、非常に不便である。 3年次生生物工学実験においても、同じ実験室を用いているので同様である。学生一人ひとりが独立して 実験を行えることが理想であるが、現実は2名で1組になるにも、機器(遠心機、電気泳動機器、ピペット マンなど)が足りない。今後少しずつでも機器を補充し、出来るだけ少人数で独立して実験が行えるように したい。また、実験室の天井にテレビを設置し実験中の教卓や白板の様子を写し、後ろの方の学生にも見え やすいようにしている。しかし、生物工学科が開講した当初(1989 年度)から時間も経過したため、これら の機器が老朽化し、はっきりと映像が映らないなどの不具合が生じている。次第に機器を更新する必要性が ある。また、白板の話が出たのでここで触れておきたいのだが、この実験室には黒板が無く、その代わりに 白板が設置されている。しかし、白板に書いた文字は遠くから読みにくいため、黒板を設置するべきであっ たと考えられる。 4年次生応用特別研究では、学生が各研究室に分属してから、個々の勉強机が足りない。というのも各研 究室あたりの実験室の面積が狭いため、個々の机を置く余裕がないためである。実験台も不足しており、分 属する4年次生全員(通常6−7名)全員が同時に実験するとぶつかり合うぐらい狭く、ノートを置く隙間さ えない。また、個々の研究室において、セミナー室や学生が食事したり休憩する部屋(自習室)もない。唯 一第 1 実験棟2階に共同研究室として、パーソナルコンピュータ5台が設置されているのみである。これで は、学部生および大学院生が研究室において落ち着いた環境で専門の論文を読み学習することが出来ないた め、十分な教育効果を上げることは難しい。 【将来の改善・改革に向けた方策】 現在、大学内では工学部生物工学科改革、大学院工学研究科改革を早急に実現するための計画案が練られ 408 ている。その改組計画が採択されると、新たな学部、大学院のための設備・施設計画が実施されることにな る。当然これらの新学部大学院は、現在の生物工学科を基盤にした組織になることは明らかであるため、そ の「施設・設備」計画にこれまでの経験と反省を十分取り入れるべきである。以上述べたように、学部改組 計画を早期検討・決定し計画的な施設および設備の更新と維持管理が必要である。その時留意すべきは、以 下の点であろう。 (1) 実験室の面積の拡充と在籍学生数に見合った実験台および学生用いすの確保 (2) 各研究室における学生の机の確保、学生のコミュニケーションスペースの確保 (3) 学生がグループでなく独立して実験が行えるように実験機器数の確保 (b) 教育の用に供する情報処理機器などの配備状況 【現状の説明】 京都産業大学は、開学以来コンピュータ専用の学科として日本初の理学部計算機学科を有しており、日本 国内ではコンピュータの導入と活用にもっとも熱心であるといっても過言ではない。1987 年には、コンピュ ータネットワークシステムKINGを施設している。1999 年に完成した 10 号館は、学内のコンピュータネ ットワークシステムKINGの新拠点として活用している。10 号館内の情報処理教室においては、マルチメ デイア教材などを利用した情報教育を行っている。4年次生以降の特別研究の場である第1実験棟と9号館 においては、各研究室にパーソナルコンピュータを配備し電子メールほかインターネットによる情報検索な ど高速度で処理が可能になり、卒業研究等の教育および、教員・大学院生の研究にも有効に用いている。 【点検・評価】 毎年 11 月に、研究用および教育用予算の申請が行われるが、定常的な教育研究用経費については、各教員 の裁量による予算計画に基づいて、毎年相当額が確保されてきている。しかし、現在の予算関係の制度では、 予算執行時の自由度が極度に制限されている。実際に施行される翌年には、コンピュータとハード面だけで なくソフトウェアのバージョンアップも必ずと言っていいほど行われている。それにも関わらず、そのまま の品目を購入することを前提としているので、新しくバージョンアップされた機器、およびソフトを購入す るときは「予算施行変更願」を提出しなければらない。これらの手間が、多くの負担となるにもかかわらず、 現行制度の見直しがされていない。 【長所と問題点】 コンピュータの取り扱いに自信がない教員のためには、そのトラブルに対処するため、10 号館内に「教員 サポート」デスクを設置し、常時、コンピュータに堪能な職員または学生が待機し様々な支援が行われてい る。 【将来の改善・改革に向けた方策】 予算施行の自由度を増すように予算申請制度の改革を行うべきである。 409