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山県市教育振興基本計画【後期版】

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山県市教育振興基本計画【後期版】
山県市教育振興基本計画
(後期)案
~ほほえみ・感動・うるおいのある生涯学習のまちづくり~
山県市
(平成 27 年策定)
1
2
も く じ
第 1 章 山県市教育振興基本計画策定にあたって
1
第 2 章 山県市教育の現状(前期)と課題(後期)
1 児童生徒の学習・生活状況と課題
2 人口減少社会における教育課題
* 山県市教育振興基本計画(後期) 一覧表
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第 3 章 山県市教育振興基本計画の基本理念と政策の基本方向
1 基本理念
2 政策の基本方向
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第 4 章 「6 つの重点目標」と「21 の主要施策」
【重点目標 1】学ぶ意味や喜びを味わえる学習づくり
■主要施策 1 学習指導方法の工夫改善の推進
■主要施策 2 ふるさとの伝統や地域性を活かした特色ある教育活動の充実
■主要施策 3 学校間連携事業の充実
■主要施策 4 教育センター機能の充実と改革
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【重点目標 2】児童生徒のよさを生み出す環境づくり
■主要施策 5 学校整備の推進
■主要施策 6 学校適正規模化の推進
■主要施策 7 快適な学習環境整備の推進
■主要施策 8 読書活動の充実と情報教育の推進
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【重点目標 3】信頼に満ちた安心・安全な学校づくり
■主要施策 9 学校保健の充実と食育の推進
■主要施策 10 学校サポート体制の充実
■主要施策 11 緊急事態への態勢強化を推進
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【重点目標 4】「学び」と「活用」のサイクルの確立
■主要施策 12 乳幼児期からの家庭教育の推進
■主要施策 13 青少年健全育成の推進
■主要施策 14 新たな生涯学習人口の増加と地域づくりの推進
■主要施策 15 生涯スポーツの推進
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【重点目標 5】「ゆとり」と「うるおい」を実感できる文化芸術活動
■主要施策 16 文化芸術活動基盤の充実と活動の推進
■主要施策 17 市民の読書活動の推進
■主要施策 18 文化財や伝統芸能等の継承推進
■主要施策 19 国際理解教育の推進
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【重点目標 6】人間尊重の精神にあふれた人づくりの推進
■主要施策 20 学校における人権教育の推進
■主要施策 21 あらゆる場、あらゆる機会での人権教育の推進
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1
第1章
山県市教育振興基本計画の策定にあたって
1 策定の趣旨
山県市は、平成 15 年 4 月 1 日に、高富町、伊自良村、美山町の合併にともない、旧町村でそれぞれ策
定されていた方針と重点を見直して、「山県市の教育にかかわる方針と重点」を策定し、教育の充実に努
めてきました。特に、平成 17 年度から実施された「第 1 次山県市総合計画」のもと、「山県市の教育に
かかわる方針と重点」に、毎年度評価等の検討を加えてきました。また、山県市教育懇話会、山県市立小
学校及び中学校適正規模等検討委員会の提言により、
山県市教育の新たな課題が明らかとなってきました。
今日の経済・社会環境の変化は、家庭、地域、職場での人間関係に変化を生じさせています。少子化、
過疎地域の拡大による人口減少の一方、人口の移動・集中による問題が起きています。こうした中で、児
童生徒の学力や体力の向上、規範意識や社会性の涵養、いじめ問題や不登校児童生徒への対応、家庭・地
域の教育力の向上をはじめ、学校の適正規模化等、様々な教育課題に的確に対応する取組みが求められて
います。
このような状況の下で、平成 18 年 12 月に教育基本法が改正され、あらたな時代の教育の基本理念が示
されるとともに、同法第 17 条第 2 項において、地方公共団体は教育の振興のための施策に関する基本計
画を定めるよう努めることが規定されました。そして、平成 19 年 6 月には、学校教育法をはじめとする
教育関連三法が改正され、同年 3 月には、幼稚園及び小・中学校の新しい学習指導要領が告示される等、
教育制度の改正が順次進められるとともに、平成 20 年 7 月に国の教育振興計画、同年 12 月には県の教育
ビジョンが策定されました。本市としても、こうした教育改革の動きを踏まえ、新たな時代にふさわしい
教育を推進していく必要があります。
本市では、時代や社会の変化に対応した新しい教育を推進するため、目指す教育の理念や方向性を明ら
かにし、実現に向けた教育施策を総合的・計画的に推進する必要があると考え、「山県市教育振興基本計
画」を策定しました。
平成 26 年度、前期の計画期間 5 年間を終え、山県市教育委員会点検評価委員会の点検及び評価を踏ま
え、主要施策の見直しや改善を図りました。
今後も、この教育振興基本計画(後期)の着実な推進を通して、新しい山県市の教育を実現していきま
す。
1
2 振興基本計画の位置づけ
○ 新しい山県市教育の総合的かつ計画的な推進を図るため、今後 10 年先を見据え、基本的な方向や、
今後推進すべき具体的施策を明らかにする計画
○ 教育基本法第 17 条に基づいて策定する山県市の教育振興基本計画
【 教 育 基 本 法 第 17 条 】
政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育の振興に関する
施策についての基本的な方針及び講ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、
これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
2 地方公共団体は、前項の計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における
教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。
3 振興基本計画の期間
(1)「山県市教育振興基本計画」の計画期間は、平成 22 年度(2010 年)から平成 31 年度(2019
年)までの 10 年間とします。
(2)計画期間は、前期と後期の 2 区分として、必要に応じて見直しを図ります。
*後期を、平成 27 年度(2015 年)から平成 31 年度(2019 年)までの 5 年間とします。
4 振興基本計画策定の立場
○ 「山県は一つ」の願いのもと、山県市総合計画の一翼を担う視点で策定しました。
○ 生涯にわたって学び続ける山県市民への支援を視点に策定しました。
○ 山県市の教育について、広く知見を求め、「個の尊重」と「共生」をキーワードに策定しました。
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第 2 章 山県市教育の現状(前期)と課題(後期)
1 児童生徒の学習・生活状況と課題
(1)学力の状況
平成 25 年度と 26 年度の全国学力学習状況調査の結果によると、本市の小学生の学力状況は、国や県
に比べてやや下回り、中学生においては、国や県の平均値をやや上回ってます。今後も、基本的な学習
習慣と学習内容を確実に身に付けるとともに、自分の考えを筋道立てて思考、判断、表現できるよう、
各学校における個に応じた指導を一層充実させていく必要があります。
特に、「聞く・話す・書く」等の基本的な学習姿勢を徹底するとともに、主体的に学ぶ力や各教科の
学び方及び学習内容が身に付くよう、学習環境や指導方法を工夫し、個に応じたきめ細かな指導が求め
られます。
(2)学習習慣及び基本的生活習慣の状況
平成 26 年度の全国学力学習状況調査のうち、学習習慣について概観すると、平日の学習時間や復習
の習慣は平均値をやや上回っています。一方、一日当たりのゲームをする時間や携帯でインターネッ
トをする時間は、国や県の値に比べて下回っていますが、平日や休日の過ごし方に工夫が必要と考え
られます。その他の基本的な生活習慣については、多くの項目で国や県の値を上回っています。
(3)子ども子育ての状況
現在、放課後児童クラブが各小学校の近くの児童館や公民館(9 小学校区で 8 か所)を活用して設置
され、小学校 1 年生から 4 年生までの児童(885 人)を対象に 165 人が利用しています。放課後子ど
も教室は 9 校中、2 校実施、延べ 430 人が利用しています。
今後は、「放課後子ども総合プラン」に基づき、学校の一部を活用した放課後児童クラブ及び放課
後子ども教室の整備等の計画を検討していく必要があります。
本市の就学前乳幼児(平成 26 年度の 0 歳児から 5 歳児)の約 68%は、市内 8 保育園に入所してい
ます。このうち 5 歳児のみの入所率でみると約 70%となっています。その他約 30%は市内及び近隣の
幼稚園等に通っています。
本市の保育園の多くは、それぞれ小学校に隣接し、保育園ごとに特色ある教育活動が展開されてい
ます。今後も、幼児教育から小学校教育へのスムーズな接続と連携を目指して、各小学校と各保育園・
幼稚園とが基本的生活習慣の育成等、共同で取組を模索し、積極的に活動していく必要があります。
(4)いじめ等の問題行動、不登校の状況
いじめの認知件数は、年々減少していますが、平成 25 年度における市内小・中学校で発生したいじ
めは、小学校で 13 件、中学校で 11 件となっています。その内容としては、小・中学校ともに誹謗中
傷等の悪口が一番多く出現しています。また、中学校ではインターネットや携帯電話等での誹謗中傷
等が多く問題となっているところです。さらにこの種類のいじめ件数は、拡大が懸念されます。今後
は、情報活用能力の育成を図る一方で、情報モラルに関する教育の一層の充実が求められます。
各学校のいじめ防止基本方針の見直しや改善とともに、地域や関係機関とも連携し、一貫した対応
を進めていく必要があります。
平成 25 年度における小・中学校の不登校児童数(年間 30 日以上欠席)は、小学校では 1 名、中学
校では 17 名となっており、年々減少傾向にあります。市費雇用の職員の配置、学校と関係諸機関との
3
連携を密にした教育相談機能を充実させてきた成果が現れてきています。
(5)体力や健康をめぐる状況
平成 25 年度の児童生徒の体格は、全校平均を下回りました。また、体力・運動能力は、全国平均や
県平均より下回る傾向にあります。
基礎体力や体格の向上について、さらに学校における体育や健康に関する活動の充実や運動部活の
一層の活性化に取り組む必要があります。また、市内や県内等の様々な健康・スポーツイベントを活
用した取組を積極的に進めていく必要があります。
また、歯と口腔の健康づくりでは、平成 25 年度の中学 1 年生の虫歯罹患状況(DMFT指数)が
0.08 と全国トップレベルの値を示しました。さらに食育や基本的生活習慣づくりにつなげ、学校と
家庭が連携して取組を進めていく必要があります。
(6)障がいのある子どもの教育の状況
平成 26 年度の市立小・中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒は、33 名(知的障がい学級 26 名
と自閉情緒学級 7 名)でした。また、平成 21 年度に開始された高富小学校の通級指導教室は、年々在
籍児童が増加しています。
今後も、個に応じたきめ細かく的確な指導を早い時期から、関係機関が連携を密にして行っていくシ
ステムを強化していく必要があります。
また、市が主催する就学指導委員会や就学相談会を、実情に合わせて充実を図ると同時に、特別支
援学校との連携を深め、適切な就学指導を行うことが重要です。
2 人口減少社会における教育課題
(1)児童生徒数の減少
本市の小・中学校の児童生徒数は、2,247 人(平成 26 年 5 月 1 日現在)で、5 年後の平成 31 年に
は、約 1,800 人と予測されています。小学校では、全校児童数 100 人以下の学校が 9 校中 5 校あり、
その中で複式学級のある学校は 2 校です。
児童生徒数の減少により、全体としては小規模化、単学級化がますます進行すると考えられます。
小学校においては複式学級化、中学校においては大切な教育活動である部活動の縮小が問題点として
考えられます。また、小規模校のよさである親密な人間関係とは対照的に、交友関係が限定されて社
会性が育ちにくい等の問題も議論されています。これらの課題を解決しつつ、本市の地域性や伝統を
活かしながらこれからの学校教育の在り方を考えていく必要があります。
このような状況の中で、山県市立小学校及び中学校適正規模等検討委員会の答申(平成 19 年 8 月)
に基づいて基本方針を定め、市内小・中学校の適正規模化を推進しているところです。
特に山県市に生まれ育った子どもたちが、将来、大きな集団の中でも、自己を表現し、自信をもっ
てたくましく生活していくことができるよう、学校教育はもちろん家庭や地域が一体となって子ども
たちの指導にあたることが重要であると考えます。
(2)教職員の構成
岐阜県の教職員の年齢構成をみると、40 歳以上の教職員が 3 分の 2 を占めています。本市の場合、
4
校長・教頭を除く 40 歳以上の教諭は約 66%になります。小・中学校別では、小学校教諭の平均年齢
は約 46 歳、中学校教諭の平均年齢は約 40 歳となっています。今後、教職員の大量退職にともなう若
手教職員の採用により、年齢構成の二極化が予測されます。
本市においては、将来を担う優秀な教職員の確保のために、若手教職員に対しては基本的な指導力
を実践的に積み上げていく研修が大切です。そして、児童生徒からも地域からも信頼され、「力のあ
る教師」を育成することが重要課題です。本市に生活の本拠地を置く教職員はもちろん、全ての教職
員が「山県市の学校で力を発揮したい。」と思える教育環境の整備をしていく必要があります。
以上のような県費職員とは別に、本市においては市費による支援員等を平成 26 年度実績で 35 名雇
用しています。
◆学校教育をサポートする市費非常勤講師(平成 26 年度)
・学習支援員(主に学習指導に関する個別支援)・・・・・・・・・・・・13 名
・教育サポーター(主に学習指導や生活指導に関する個別支援)・・・・・6 名
・教育相談員(主に児童生徒や保護者との教育相談や適応指導)・・・・・4 名
・読書指導員(主に学校図書館の運営や児童生徒への読書指導)・・・・・8 名
・生活相談員(主に学校生活に不適応を示す児童生徒への自立支援)・・・4 名
学習支援員・教育相談員・読書指導員等はそれぞれの教育課題をもって各学校に配置されています。
今後も、一人一人の児童生徒のニーズに合わせた教育活動が展開できるように研修を充実していく必
要があります。
また、市職員である学校給食の調理員は、本務者 8 名と日々雇用調理員 30 名、合計 38 名体制で児
童生徒の食と健康を支えています。今後は、ベテラン調理員と将来の学校給食現場を担う新人の育成
を視野に入れた雇用を考えていく必要があります。
5
このページは、別紙一覧表です。
6
第 3 章 山県市教育振興計画の基本理念と政策の基本方向
1 基本理念
~ほほえみ・感動・うるおいのある生涯学習のまちづくり~
山県市教育の基本理念の趣旨は、個の尊重と共生にあります。古来より美しい山、美しい川に恵まれ、
豊かな文化に育まれた山県市民は、相互の連帯を大切に、信頼関係に満ちた生活をしてきました。
ところが今日、経済・社会環境の変化にともない、家庭、地域、職場での人間関係に変化が生じてきて
います。少子化、過疎地域の拡大による人口減少の一方、人口の移動、集中による問題も生じています。
今こそ、
山県市民が育んできた相互の連帯を見直し、
より確かなものとしていくことが求められています。
そこで、山県市の目指す『豊かな自然と活力のある都市が調和した安心で快適な住みよいまちづくり』
をふまえて、山県市教育振興基本計画の基本理念を『ほほえみ・感動・うるおいのある生涯学習のまちづ
くり』と定めました。ほほえみ・感動・うるおいを、次のように定義しました。
<ほほえみ>
・
思いやりのある人間関係づくり
・
温かい心の通う地域連帯感づくり
<感
動>
・
自分・人、自然・文化との出会いによる新たな感動づくり
<うるおい>
・
自己実現につながる学びがい・生きがいづくり
このような市の基本理念の達成に向け、次のように教育の課題を設定しました。
○
豊かな自己実現と明るい社会実現に努める人づくり
○
誰もが学べる生涯学習環境づくり
桔梗:山県市の花
誠実、従順、
変わらぬ愛・心、
清楚、気品、正義
<山県市民の子どもたちへの願い>
子どもたちが、ほほえみ・感動・うるおいにつつまれ、伸び伸びとたくましく育っていくことです。山
県で育った子どもたちが、桔梗に象徴される美しい心を持ち、ふるさと山県への敬愛の心をもち続けるこ
とを願っています。
7
2 政策の基本方向
◎ 基本方向 1
生涯学習の基礎を培い、特色ある学校づくりを推進する。
~『分かる授業・心にひびく教育』~
子どもたち一人一人が桔梗の花のように、誠実で気品に満ちた姿に育つことを目指し、各学校では特色
ある学校づくりを進めていくことが求められています。
このため、各学校は校長のリーダーシップの下に学校のビジョンを明らかにし、家庭や地域と密接に連
携した教育活動を充実して行きます。
また、学校教育に携わる教職員一人一人の資質、指導力の向上を図るとともに、経営体制づくりを進め、
確かな教育力を確立し、保護者や地域から信頼される学校づくりを推進します。
これに加え、学校の教育活動を推進する中で生じる多様な問題やニーズに応えるために、幼稚園・保育
園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の校種間や関係諸機関との連携をはかるとともに、各種団
体(NPO 法人・学校コラボレーター等)とも協働して、教育力の向上を図ります。
特に、小学校から中学校への移行期に起こるとされる学習上や生徒指導上の様々な問題を解消していく
ために、小・中学校の人事交流や、小・中学校合同の授業研究会や研修会を通して校種間の連携を推進し
ていきます。
こうした学校づくりを進めるには、小・中学校を一貫して、『分かる授業・心にひびく教育』を教育実
践上での共通の課題として位置づけ、ほほえみ・感動・うるおいに満ちた子どもたちの育成に取り組んで
いきます。
◎ 基本方向 2
豊かな心と健やかな体を育む生涯学習・文化芸術活動を推進する。
~『一人 1 学習・1 活動』~
山県市の求める『豊かな自然と活力のある都市が調和した安心で快適な住みよいまちづくり』を目指し、
豊かな自己実現と社会参加に楽しさや喜びを感じることができる市民、地域の子は地域の大人が守り育て
る地域社会を目指した生涯学習活動・文化芸術活動を推進します。
地域ぐるみの子育てを推進するため、乳幼児期からの子育てについて学ぶ、家庭教育や学校、家庭、地
域が一体となって子どもを育てる青少年育成活動を推進します。
また、生涯を通じて学ぼうとする市民、学んだことを地域社会のために活かそうとする市民を育成する
ために、誰もが学べる生涯学習の環境づくりを推進します。
こうした生涯学習・文化芸術活動の推進を「一人 1 学習・1 活動」を合言葉に、ほほえみ、感動、うる
おいのある生涯学習のまちづくりに取り組んでいきます。
8
第 4 章 「6 つの重点目標」と「21 の主要施策」
【重点目標 1】 学ぶ意味や喜びを味わえる学習づくり
○ 義務教育における基礎的・基本的な内容の確実な習得と、知識や技能を活用した学習の充実
を図ります。
○ 「ふるさと山県は一つ」の理念のもと、地域住民と連携し、地域への一体感や愛情・誇りが
もてる教育活動を充実します。
○ 児童生徒の学習づくりは、「分かる」授業づくりであり、教職員の授業力を高める研究授業
を充実します。
○ 特別な支援を必要とする児童生徒に、適切できめ細かな指導を行い、自立と社会参加への基
盤を育てます。
■主要施策1 学習指導方法の工夫改善の推進
~教職員の授業力を高め、児童生徒に確かな学力を育てます~
(1)『分かる授業・心にひびく教育』推進事業
(2)個別指導及び問題解決学習等授業改善事業
(3)学校管理訪問事業
(4)教職員の各種人事交流による学校活性化事業
■主要施策2 ふるさとの伝統や地域性を活かした特色ある教育活動の充実
~ふるさと山県に一体感や愛情・誇りがもてる児童生徒を育てます~
(1)学校提案型教育活動推進事業
(2)ふるさと大好き、わくわく体験事業
(3)地域とともにある学校の推進事業
(4)学校コラボレーター事業
■主要施策3 学校間連携事業の充実
~全ての学校が参加し、体を鍛え、豊かな心をはぐくみます~
(1)体力つくり・スポーツ振興事業
(2)芸術・文化教育推進事業
■主要施策4 教育センター機能の充実と改革
~各種事業推進のためのセンター機能を強化、効率化を図ります~
(1)力のある教師や支援員等を育てる教職員研修推進事業
(2)教育センター機能充実事業
(3)教育相談機能の充実事業(適応指導教室コスモス)
■主要施策 1 学習指導方法の工夫改善の推進
~教職員の授業力を高め、児童生徒に確かな学力を育てます~
(1)『分かる授業・心にひびく教育』推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】基礎学力定着のための授業改善に力点を置き「規律・学力・自己有用感」の 3 つの教育実践に
9
全小中学校で取り組むことができました。さらに基礎学力向上に向けた優れた教育実践の交流が様々
な会議に合わせて行われました。また、保育園等との連携を密にし、早期からの就学指導の強化を図
ることができました。
【課題】今後、要支援児童生徒の増加が見込まれるため、特別支援コーディネーター等を中心とした全
校の支援体制で基礎学力を身に付けるための授業改善や学習習慣づくり等が重要課題となってきます。
②事業の具体的内容(後期)
ア 『山県市立学校 3 つの実践』(規律、学力、自己有用感)を全ての小・中学校で一貫した共通実
践とします。
イ 基礎学力の向上と自己表現力の育成を図ります。
ウ 推進校指定や研修校指定による実践的な授業研究会や生徒指導事例研究会を行うことで、「力
のある教師」を育てます。
エ 特別支援コーディネーターや教育相談員の適正な配置、就学指導委員会・就学相談会の充実を図
り、保育園・幼稚園・特別支援学校との連携を深め、早期からの適切な就学指導を行います。
(2)個別指導及び問題解決学習等授業改善事業
①現状と課題
【現状】平成 26 年度の全国学力学習状況調査の結果、小学校の国語と算数の知識問題と中学校の数学の
知識問題において、下位層の割合は、全国や県より上回っています。この結果が全体の結果に大きく
影響していると言えます。また、習得した知識や技能を活用して、問題解決を図り思考力・判断力・
表現力を付ける学習においても十分な成果が得られていない実態があります。総合的にみるとこれら
の児童生徒の結果と質問紙の基本的な生活習慣や学習規律の状況には相関関係があります。
【課題】今後、下位層の児童生徒の基礎学力定着が重要課題となっています。そのために、少人数指導
においてさらに個別に指導できる体制づくりと見届けが必要です。
また、学習内容と児童生徒の実態を考慮し、習得と活用等の目的を明確にした授業改善を図る必要
があります。
②事業の具体的内容
ア 習熟度別学習等における下位 10%の児童生徒に対する個別指導と見届けを徹底し、基礎学力の向
上を図るための授業改善を行います。
イ 自ら調べてまとめ発表する学習や仲間と共同して学習すること等、問題解決の力(思考力・判
断力・表現力)や方法を身に付けるという目的を明確にした授業への改善を図ります。
ウ 小学校高学年における教科担任制や教科免許教員による個別支援等の配置された教職員の割当て
内でより質の高い授業を目指します。
(3)学校管理訪問事業
①成果と課題(前期)
【成果】各学校の教育目標や特色のある教育活動と「山県市立学校 3 つの実践」をつなぎ、具体的な学
び方の充実や個に応じた指導、よさの価値付け等が推進できました。また、危機管理体制を見直し、
実践的な「命を守る訓練」や服務規律の高揚等を図ることができました。
【課題】今後は、各学校の「山県市立学校 3 つの実践」の成果と課題を交流し、市としての授業改善の
重点や手だてを明確にすることが重要課題となってきます。
②事業の具体的内容(後期)
10
ア 『山県市立学校 3 つの実践』を小・中学校が一貫して重点化し、具体的な教職員や児童生徒の姿
が見られるよう訪問の趣旨徹底を図ります。
イ 全教職員の授業や活動を参観し、具体的に助言しながら、個々の教職員の授業力・生徒指導力等
の資質向上に努めます。
ウ 児童生徒に確かな学力を育成するために、教職員がゆとりをもって児童生徒に関わる時間を確保
できるよう、事務の効率化を進めます。
エ 児童生徒の安全確保や教職員の服務規律の徹底状況について指導助言を行います。
(4)教職員の各種人事交流による学校活性化事業
①成果と課題(前期)
【成果】広域人事交流対象者を計画的に派遣事業に推進し、若手教職員をどの学校にも配置することで
年齢層の平均化を図ることや市内異動において、同一校での在籍期間を短くすることで小・中学校の
活性化を図ることができました。また、中堅層のリーダーを育成するために、岐阜県教育委員会事務
局や研修校派遣等を積極的に行うことできました。
【課題】児童生徒の減少にともない、教職員の減少が進む中、本市に本拠地を置く教職員や広域人事交
流を終えた教職員が多いことから、今後は、市内研修校等市内の人事交流を積極的に進めるとともに
市町間交流等を計画的に進めていく必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 教職員の指導力向上のために、市内研修校への計画的な人事派遣を推進します。
イ 将来を担う中堅的立場の教職員を広域派遣すると共に、他市からも指導力ある教職員を受け入れ
て、教育活動の活性化を図ります。
ウ 市内の人事交流を盛んにし、学校の活性化と教職員のキャリアアップを図ります。
■主要施策 2 ふるさとの伝統や地域性を活かした特色ある教育活動の充実
~ふるさと山県に一体感や愛情・誇りがもてる児童生徒を育てます~
(1)学校提案型教育活動推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】本市では、各学校の伝統や校長の経営理念を尊重した各学校独自の教育活動の活性化を推進し
てきました。ふるさとの地域性や伝統を重んじつつ、校長の教育ビジョンに基づいて、予算を有効に
配分し、創意工夫にあふれた特色ある教育活動を生み出す学校提案型の事業を行ってきました。地域
の伝統産業や自然、人材の積極的な活用により、児童生徒が一層ふるさと山県に愛着や誇りがもて
る活動になりつつあります。
【課題】今後は、ふるさと山県に一体感や愛情・誇りがもてる児童生徒を育てるため、より一層活動
の目的を明確にした指導計画を立てることが課題となってきます。
「地域の自然・伝統・もの・ひと」
を最大限に活用した活動や教科書の内容と結び付けた体験活動等を工夫改善する必要があります。ま
た、小・中学校の教育課程を連結させたキャリア教育や環境教育・福祉教育・奉仕体験等、様々な教
育活動を工夫することができると考えます。
②事業の具体的内容(後期)
ア 地域の伝統産業や地域の自然、市の各種施設を有効に活用し、校区を中心に市域全体から人材を
活用する等、『ふるさとに学ぶ提案型体験活動』を一層推進します。
11
イ 校長の教育ビジョンを明確にし、地域や学校の伝統の上に立った創意あふれる「特色ある教育活
動」を推進します。
(2)ふるさと大好き、わくわく体験事業
①成果と課題(前期)
【成果】児童生徒が、ふるさと山県を愛し、心豊かな地域社会人を育てるために、本市の豊かな自然、
歴史、文化、人々にふれる体験や集団共同生活体験等、多様な体験活動を工夫して行うことができま
した。地域の自然や文化に触れながら、仲間と共にやり遂げる喜びが実感できる等の成果も得られま
した。ボランティア(学校コラボレーター等)として各学校へ出向き、児童生徒の学習を支援しなが
ら共に学ぶ市民が年々増加し、地域住民と一体となった学習活動が展開されるようになりました。
【課題】今後は、学校コラボレーター事業と連携して地域の指導者の確保、地域の自然、文化や施設を
十分活かした活動を工夫していく必要があります。各学校が共同して、地域がもつ教育力を最大限に
活かした魅力ある「ふるさと宿泊体験プログラム」をさらに開発していくことが重要課題となってき
ます。
②事業の具体的内容(後期)
ア 各学校の創意を活かし、地域の自然や施設を十分活用した魅力あふれる「宿泊体験プログラム」
を充実します。
イ 学校、地域、施設等の連携を強化し、体験活動の場や機会の開拓、指導者の確保等、地域住民と
共に創る学習活動を推進します。
(3)地域とともにある学校の推進事業 ~地域及び幼保・小中・高の連携~
①現状と課題
【現状】各学校では、教育活動を支援する学校評議員や学校コラボレーター等、様々な地域の方々や保
護者に協力いただき活動しています。また、児童生徒の登校や下校時における見守り活動等をする「見
守り隊」の地域組織もできてきました。
学校評議員も地域教育協議会委員を兼任し、学校運営及び教育活動や学校と家庭及び地域社会との
連携に関する内容等について連携し、地域とともにある学校づくりを進めているところです。
【課題】今後、学校と地域の人々がみんなでよく考え話し合っていくことや学校運営の方針や教育活動
をみんなで理解して一緒になって活動していくこと、校長を中心に人をつなぎ、学校の組織としての
力を引き出すこと等が効果的に実施されるよう学校運営協議会制度を活用した学校づくりを進めてい
く必要があります。また、幼保・小中の連携とともに、山県高等学校との連携を強化していく必要が
あります。
②事業の具体的内容
ア 学校の様々な教育活動が効果的かつ安全に実施できるよう地域力を活用した学校コラボレーター
事業を推進します。
イ 地域とともにある学校にするために、地域教育協議会を発展させ、「学校運営協議会」の設置を
推進し、具体的内容や計画、実施における成果と課題等の状況を把握し、指導助言します。
ウ 幼保・小中の連携を一層推進するとともに、山県高等学校との交流や連携の在り方を実践的に推
進します。
(4)学校コラボレーター事業
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①現状と課題
【現状】地域コーディネーターを中心に、事業の推進体制が確立されました。学校コラボレーター会員
の協力により、学校支援に成果を上げることができ活動が充実してきました。また、学校コラボレー
ター会員の生きがいづくりにも役立ちました。見守り隊により子どもたちが安心・安全に登下校でき
ました。
【課題】学校コラボレーター事業の充実には、地域と学校が一体となった活動を工夫することが必要と
なります。また、学校評議委員(地域教育協議会委員)が、学校コラボレーター事業に積極的に関わ
ることができる体制を築くことが課題となります。
②事業の具体的内容
ア 学校コラボレーター事業の普及活動、広報活動を積極的に行います。
イ 学校コラボレーターの登録者を広く公募するとともに、効果的な活動ができるよう学校コラボレ
ーター会員の定期的な研修会を実施します。
ウ 学校コラボレーター会員の行う学習支援活動等を拡大、充実し、効率的に行えるよう地域コーデ
ィネーターを中心として計画・調整の体制を確立します。
■主要施策 3 学校間連携事業の充実
~全ての学校が参加し、体を鍛え、豊かな心をはぐくみます~
(1)体力つくり・スポーツ振興事業
①成果と課題(前期)
【成果】各小学校では、時間割を工夫するなどして、できるだけ運動場へ出て体を動かして遊ぶ等、学
校ぐるみで運動することを奨励してきました。また、市内小学校 5・6 年生を対象に、体力や運動能力
の向上と生涯にわたって運動に親しむ態度を育むために、
山県市小学生陸上記録大会を平成 20 年度か
ら行っています。これまで 6 回に開催され、児童生徒の平均参加率は 32.8%でした。
各中学校の部活動については、7 月に山県市中学校総合体育大会を行っています。大会を通して技
能向上と他校との交流を図り、健全なスポーツ精神を養うことや部活動で仲間と切磋琢磨する場にな
っています。
【課題】小学校においては、陸上記録大会は本市の伝統的な行事になってきましたが、参加率が低いこ
とが課題です。今後は、開催時期や競技の種類を検討する等、児童の参加意欲を高めることが必要で
す。中学校においては、勝利至上主義に陥る傾向もあるので、指導者は運動部活動の教育的意義を理
解し、運営と指導の充実を図ることや総合型地域スポーツクラブ「たかとみスポーツクラブ」(TS
C)との関連や違いを周知することが課題です。
②事業の具体的内容(後期)
ア 毎年 10 月に山県市小学生陸上記録大会を実施し、児童の体力や運動能力の向上を目指します。
イ 毎年 7 月に山県市中学校総合体育大会を実施し、技能向上と他校との交流を図り、技能の向上と
健全なスポーツ精神を養う機会とします。
(2)芸術・文化教育推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】小・中学校文化事業推進委員会を設置し、「文学部」「絵画部」「書展部」「音楽部」の 4 つ
の部門で事業を行っています。文学部は、市内の小学生を対象に生活文・意見文を、中学生には、さ
13
らに詩・短歌・俳句も対象とした作品募集を行っています。応募作品の中から選りすぐった作品は文
集「やまびこ」に掲載し、広く紹介しています。絵画部・書展部は、それぞれ学年の発達に応じた作
品を募集し、秋に表彰式と作品展を行っています。音楽部は、小学校は 4 年生を、中学校は 2 年生を
それぞれ対象に、「音楽会」を花咲きホールで開催しています。これらの事業により、芸術・文化教
育の推進及び充実を図ることができました。
【課題】各部門担当教職員の指導力を向上させながら、児童生徒の作品の質を向上させることや、それ
ぞれの部の優れた作品をより多くの児童生徒・保護者・地域の方々に鑑賞していただく機会を増やす
工夫をする必要があります。また、担当者の負担を減らすために運営そのものの在り方を改善してい
く必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 文集「やまびこ」を活用して、表現活動や読書活動等の学習活動を充実するよう各校で工夫します。
イ 絵画・書写等の特に優秀な作品は、展示会を開催する等、市民に広く紹介します。
ウ 市音楽会を開催して、互いの学校の合唱の美しさや取組の素晴らしさを感じとることができるよう
交流会の方法を工夫します。
■主要施策 4 教育センター機能の充実と改革
~各種事業推進のためのセンター機能を強化、効率化を図ります~
(1)力のある教師や支援員等を育てる教職員研修推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】
市教育センターが独自に実施した教職員研修の平成25 年度ののべ参加人数は、
2,230 人でした。
市の教職員が 200 人であることを考えると専門職としての資質を高めるために、一人あたり約 11 回
の研修に参加し、力のある教師を育てることにつながりました。また、力のあるベテラン教師を「つ
なぎ塾」講師に委嘱し、夏期講座を開設して、教職員の資質向上を図りました。
市費雇用の学習支援員や教育サポーター、教育相談員,生活相談員についても主任学習支援員や主
任教育相談員、主幹教諭を中心に年に数回の研修会や各学校への定期的な巡回指導を行い、資質・能
力の向上に努めてきました。その結果、不登校児童生徒の減少や学級崩壊等のない落ち着いた学校経
営、学習・情報センター機能をもつ図書館運営等に貢献しています。
【課題】教育の内容や指導方法は日々変化し、進化しています。それに対応する教職員の研修意欲やニ
ーズを満たす講座内容や講座数を、限られた時間の中で確保することが必要となっています。
今後、ベテランの数が減少していく中、若手教職員の育成を目的とした研修をさらに推進していく
必要があります。また、個別の支援が必要な児童生徒の増加にともない、特別支援教育にかかわる研
修の機会を増やすとともに、市費雇用の支援員等の研修の質的な向上を図る必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 各種組織との連携や市内教職員の専門性や特技を活かして、教職員のニーズを満たす研修講座を開
設し、教職員の研修意欲や専門性の向上に努めます。
イ 採用から 10 年までの若手教職員の育成を目的とした研修講座を開設し、
教職員としての技能や資質
の向上に努めます。
ウ 別の支援が必要な児童生徒への効果的な対応ができるよう市費雇用の支援員等の資質・能力の向
上に努めます。
エ 幼稚園や保育園と連携したスタートカリキュラム作成を継続し、小学校と幼稚園・保育園が連携
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して情報交流を行い、就学前後の一貫した指導の充実に努めます。
(2)教育センター機能充実事業
①成果と課題(前期)
【成果】教育センターが開設し、5 年目になり、教職員の研修、児童生徒のための作品展の主催、教育
相談活動等、教育センターの位置づけが定着し、学校への支援・連携も充実してきました。また、セ
ンター施設や所蔵の備品が整備されてきたこともあり、平成 25 年度は、施設利用や備品の貸出が 380
件を数える等、有効に活用する学校や保育園が増加してきました。夏休み作品展では、のべ 4000 人
以上の児童生徒が作品応募し、優秀作品 100 点以上を展示してきました。
【課題】月刊誌、研究冊子、指導案等のセンター図書としての蔵書も充実してきましたが、テラステー
ションを活用したデータの共有が十分でないことが課題です。市教研の指導案、各種研修会資料や、
調査・研究資料等、市内の全ての教職員が積極的に活用できる運営システムを構築することが必要で
す。
②事業の具体的内容(後期)
ア 児童生徒の優秀な作品の保管場所を確保し、必要に応じて学習活動に利用できるよう工夫します。
イ センター施設や所蔵の備品、センター図書の充実を図ります。
ウ インターネットを活用して蓄積した教育実践や調査・研究の情報を市内の教職員が積極的に活用す
る啓発します。
(3)教育相談機能の充実事業(適応指導教室コスモス)
①現状と課題
【現状】本市の不登校児童生徒数は、年々減少する傾向にあります(平成 22 年度 26 名、平成 25 年度
18 名)。教育センター内に設置した適応指導教室コスモスには、市雇用の生活相談員 4 名を配置して
います。自主性を尊重した活動の場の提供と適切な指導援助を行うことにより、学校復帰者の増加に
つながっています。また、必要に応じて、家庭訪問、電話連絡、電話による悩み相談(コスモス相談)通
級援助、情報交換、個別懇談、スクールカウンセラーからの助言等も行っています。
【課題】
学校の教育相談担当教職員や市雇用の学校配置の教育相談員、
関係諸機関等と連携を密にして、
学校や適応指導教室になかなか通学できない児童生徒等、様々な様相を示す児童生徒にも対応できる
教育相談体制を構築していく必要があります。
②事業の具体的内容
ア 必要に応じてより効果的に生活相談員や教育相談員が対応できるよう配置や事業内容等を見直しま
す。
イ 生活相談の実践的な指導法の研修を日常的に実施するとともに、情報を確実に把握して指導に活
かします。
ウ 家庭に課題をもつ児童生徒については、福祉課や子ども相談センター、警察署等と連携し、相談
体制の強化に努めます。
15
【重点目標 2】児童生徒のよさを生み出す環境づくり
○ 児童生徒が伸び伸びと生活し、楽しく学習を深め、一人一人のよさや学級の高まりが位置付
く教室環境、学習意欲を引き出す学校環境を工夫します。
○ ふるさとの自然に親しみ、地球環境や生命を尊重し、大切にする心を培う快適な学校環境づ
くりに努めます。
■主要施策5 学校整備の推進
~だれもが安心で、だれにも快適な環境としての学校を創ります~
(1)非構造部材の耐震対策事業
(2)学校木質化推進事業
(3)学校施設の防災機能強化事業
■主要施策6 学校適正規模化の推進
~地域の実情や動向をみつめ学校の適正規模化を推進します~
(1)方針に基づいた統合推進事業
■主要施策7 快適な学習環境整備の推進
~全ての人に優しく、居心地のよい学習環境を整備します~
(1)冷暖房設備整備事業
(2)トイレ美化推進事業
(3)バリアフリー化推進事業
■主要施策8 読書活動の充実と情報教育の推進
~全ての児童生徒が読書に親しみ、快適に情報機器を活用できるようにします~
(1)「学習・情報センター機能をもつ図書館経営」推進事業
(2)学習用ICT整備・活用事業
■主要施策 5 学校整備の推進
~だれもが安心で、だれにも快適な環境としての学校を創ります~
(1)非構造部材の耐震対策事業
①成果と課題(前期)
【成果】学校施設は、子どもたちの活動の場であるとともに、非常災害時には地域住民の応急避難場所として
の役割を果たすことから、その安全性の確保は極めて重要です。
施設の耐震化については、耐震診断結果をもとにして耐震性の低い施設から、計画的に耐震化を進め、
平成 24 年度末に耐震化率 100%になりました。また、非構造部材の対策として、全ての施設の窓ガラスに飛
散防止フィルムを貼りました。
【課題】近年の大規模な地震では、天井材、照明器具、収納棚等非構造部材の頭上等への落下や転倒によ
る直接的な人的被害のほか、避難経路の通行阻害等の二次災害が発生しています。今後は、天井材の落
下防止や家具の転倒防止等非構造部材の対策を行う必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック」に沿って、天井材の落下防止対策及び収納棚等の転
倒防止対策を計画的に進めます。
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(2)学校木質化推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】市内の学校施設のほとんどが、鉄筋コンクリート造であり、仕上げ材のほとんどは非天然材料を使用し
ています。内装等の木質材料が教育効果や健康状態によい影響をあたえると言われています。
本市においても、高富小学校や高富中学校、平成 22 年度には美山中学校で木質化を積極的に進めてき
ました。
【課題】施設の老朽化が進み教室棟や給食棟等、施設の大規模改修が必要となってきています。できる
限り内装等の木質化を行う必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 施設の大規模改修にあわせ、
児童生徒のふれあう場所を中心として、
木質化への取組を進めます。
また、机・椅子等の更新時には山県市産木材の利用に努めます。
(3)学校施設の防災機能強化事業
①成果と課題(前期)
【成果】学校施設については、災害時における児童生徒の安全を確保し、また地域住民の避難場所とし
て必要な機能が発揮できるよう防災機能の強化を図ることが重要です。
市内 12 小中学校のうち 9 小中
学校の体育館トイレは、高齢者や車いす利用者等に使用可能な多目的トイレを設置しました。
【課題】災害時の避難場所として必要な機能が発揮できるよう、多目的トイレの設置や防災備蓄倉庫等
を整備する必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 多目的トイレが未整備の学校体育館トイレを計画的に改修します。また、各学校に防災備蓄倉庫
や自家発電設備等を計画的に整備して行きます。
■主要施策 6 学校適正規模化の推進
~地域の実情や動向をみつめ学校の適正規模化を推進します~
(1)方針に基づいた統合推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】「山県市小学校及び中学校適正規模基本方針及び推進計画」に基づいて、今後も過小規模の学
校が複数想定されることや各学校の地理的条件や教職員配置、地域コミュニティー等、児童生徒に軸
足を置き、将来を見据えて計画的に進めていくことを確認し、適正規模の見定めと計画の見直しをす
るとともに広報紙やホームページ等で広く市民に周知しました。
【課題】今後、出生数の減少や転出により、早い段階で複数の小学校では複式学級となる可能性があり
ます。また、中学校でも部活動や教職員配置等の問題がさらに現れてくることが予想されます。学校
適正規模基本方針及び推進計画に基づいて、複式学級解消のための学校統合に向けた計画的な取組が
必要です。
②事業の具体的内容(後期)
ア 学校適正規模基本方針及び推進計画に基づき、近い将来複式学級が想定される小規模小学校は、
学校統合の準備期間等を考慮し、就学前の早い段階で見定めを行い、保護者や地域住民の意見を聞
きながら、複式学級を解消するため学校統合の準備を進めます。
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イ 過小規模中学校については、小規模の特性を活かした特色ある教育活動を支援しながら、県費及
び市費による非常勤講師を配置し、複式状態を極力解消しつつ、学校統合の必要性を判断していき
ます。
■主要施策 7 快適な学習環境整備の推進
~全ての人に優しく、居心地のよい学習環境を整備します~
(1)冷暖房設備整備事業
①成果と課題(前期)
【成果】温暖化傾向から夏休みを除く期間においても真夏日が多く観測され、学習環境への影響が懸念
されています。このため、各学校の暑さ対策として、普通教室に扇風機を設置しました。また、図書
室・パソコン教室及びランチルームにはエアコンを設置しました。
【課題】近年は、異常な気温上昇に対応して、各学校では教室内の温度調整に苦慮している状況です。
エアコンの設置については、熱中症対策の有効な方法の一つであるため、市内小中学校全ての普通教
室に設置する必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 全普通教室にエアコンの設置を計画的に進めます。
イ 老朽化した暖房機器や空調設備については、計画的に更新を図るとともに省エネ等への取組を進
めます。
(2)トイレ美化推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】快適な学校環境を語る上において、トイレは重要な要素の一つにあげられます。トイレは児童
生徒が毎日利用する施設であり、清潔で美しいトイレ環境を維持することは教育上大切です。校舎ト
イレについては、市内 12 小中学校のうち 10 小中学校の校舎トイレは乾式化された洋式トイレを設置
しました。
【課題】未整備の 2 小学校のトイレは、湿式で臭いや湿気による衛生面に問題があり、清掃活動等では
解消できない設備的な問題があるため、トイレの乾式化や洋式化への計画的な整備が必要となってい
ます。
②事業の具体的内容(後期)
ア 計画的にトイレを乾式に施設改修を行います。
イ 和式便器から洋式便器への移行、併用を進めます。
ウ 教育面からトイレの清掃美化活動に積極的に取り組みます。
(3)バリアフリー化推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】身体に障がいのある児童生徒が安全に安心して学校生活を送ることができるよう施設の環境を
整えることは重要課題の一つと言えます。
近年改築を行った高富小学校、高富中学校、美山中学校はバリアフリーの理念のもとに建築しまし
た。その他の学校については、トイレ改修時に多目的トイレを整備しました。
【課題】未整備の学校のバリアフリー化は、十分とはいえない状況にあります。今後、計画的な整備を
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行っていく必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 障がいのある児童生徒の活動範囲における段差を極力解消し、壁面には手すりやスロープを設け
る等、障がい者に優しい施設環境の整備を進めます。
イ 未整備の学校は多目的トイレを設置します。
■主要施策 8 読書活動の充実と情報教育の推進
~全ての児童生徒が読書に親しみ、快適に情報機器を活用できるようにします~
(1)「学習・情報センター機能をもつ図書館経営」推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】学校図書館は、読書センター機能、学習センター機能、情報センター機能の役割を担っていま
す。児童生徒の確かな学力や豊かな人間性の育成のために、環境を整備し、様々に工夫された読書活
動が推進されています。本市では、「山県市子どもの読書活動推進計画(H24 年度)」をもとに多様
な活動を推進してきました。
また、読書指導員が教科書や授業内容にかかわって参考本や資料を用意することや図書館資料を使
って授業を行う等、教科等の日常的な指導に活用されています。また、パソコン室とつないでインタ
ーネットで調べ学習をする等、児童生徒の主体的な学習活動を支援しています。
【課題】どの学校においても読書量は増加傾向ではありますが、一般的に児童生徒の読書離れが指摘さ
れています。児童生徒の読書習慣の形成のため、興味関心をさらに高めるため楽しい図書館になるよ
う環境を整備し、学習・情報センターとして図書館資料を活用した情報ニーズへの対応や、情報活用
能力育成のための授業支援をする必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 読書活動の充実のため、今後も、全小・中学校に読書指導員を配置し、実践的な研修会を開催し
ます。
イ 学校図書館内の修繕や設備の充実に努め、PTAやボランティアを有効に活用して、学習・情報
センター機能をもつ学校図書館を創造します。
ウ 図書のバーコード化を推進するとともに各学校や市図書館とのネットワークづくりに努めます。
エ 児童生徒が一人で過ごしたり、年齢の異なる様々な人々との関わりをもったりすることができる
「心の居場所」となる場とします。
(2)学習用ICT整備・活用事業
<ICT;情報Information や通信Communication に関する技術Tecnology の総称>
①成果と課題(前期)
【成果】平成 23 年度からの計画的な整備により、全ての小・中学校のパソコン教室のパソコン更新が
平成 26 年度に完了しました。映像等を活用することで、視覚的に分かりやすい授業等を実現するこ
とや教職員一人一人の情報モラルやリテラシーの意識を高めることができました。
【課題】今後は、伊自良支所や職員室のサーバ更新や、教職員のパソコン更新等計画的な整備が必要に
なります。児童生徒の学力を向上させるため、各教科の最新教育ソフト等を活用した効果的な授業を
行うことができるICT環境の整備が重要課題となってきます。さらに、急速な発展・変化を続ける
インターネットや携帯電話、スマートフォン等ネット社会に対応した児童生徒教職員への情報モラル
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教育を徹底する必要性に迫られています。
②事業の具体的内容(後期)
ア 思考力・判断力・表現力等を育成するために、最新の視聴覚教材や教育機器を段階的、計画的に
整備します。
イ 学習課題への興味関心を高めたり、学習内容を分かりやすくしたりするために、授業でのICT
活用を推進します。
ウ インターネットや携帯電話、スマートフォン等の普及にともなって起こる「ネット上のいじめ」
問題に対応するために児童生徒及び教職員に対する情報モラル教育の徹底を図ります。
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【重点目標 3】信頼に満ちた安心・安全な学校づくり
○ 自分の健康の保持・増進に努めることができる児童生徒を育てます。
○ 思いやりの心と規範意識を身に付けた生活態度の育成に努めます。
○ いじめ・問題行動等への的確で素早い対応、特別支援教育・就学相談の充実を学校間、関
係諸機関との連携により推進します。
○ 服務規律の徹底と、相互理解に基づく教職員の協力体制を確立します。
■主要施策9 学校保健の充実と食育の推進
~健康な心身を育む学校保健・食育の充実に努めます~
(1)学校保健「心と体の健康」(歯と口腔の健康づくり)推進事業
(2)地産地消と食育推進事業
(3)調理場整備推進事業
■主要施策10 学校サポート体制の充実
~全ての児童生徒が等しく安全に学べる教育環境を創ります~
(1)学校支援員等配置事業
(2)教育・生活相談員配置事業
■主要施策11 緊急事態への態勢強化を推進
~安心・安全な学校を目指し、危機管理・安全教育を充実します~
(1)あんしんネットによる登下校等安全対策事業
(2)生徒指導連携強化事業
(3)いじめ防止対策推進事業
■主要施策 9 学校保健の充実と食育の推進
~健康な心身を育む学校保健・食育の充実に努めます~
(1)学校保健「心と体の健康」(歯と口腔の健康づくり)推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】心身ともに健康で、たくましい児童生徒の育成を目指し、『歯と口腔の健康づくり』に取り組
んでいます。各学校では、保健計画を立案して学年の発達に応じて実践的な能力や知識を学習してい
ます。特に、歯科医師会の専門的機関の協力と、家庭での取組との連携を強化しながら活動を充実さ
せています。全小中学校において長年継続して取り組んできたフッ化物洗口では、平成 25 年度の本
市全 12 歳児のDMFT指数〈D:一人あたりのむし歯、M:むし歯で抜いた歯、F:むし歯で修復し
た歯の合計で、集団のう蝕経験を表す指数〉は、全国でもトップクラスの数値という結果でした。
【課題】これまでの活動で構築してきた歯科医師会との連携体制をより強化し、専門的立場からの助言
を教育活動に活かし、健康な生活が送ることができる自己管理能力をさらに高めていく必要がありま
す。また、多岐にわたる保健教育の中でも、各学校の実情に合わせて重点的に活動を深めることも必
要となります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 学校と歯科医師会との連携を密にして、専門的立場からの助言を教育活動に活かします。
イ 各学校の実情に応じて年間計画を策定し、『心と体の健康』(歯と口腔の健康づくり)を目指し
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た保健教育の充実に努めます。
ウ これまでの成果をふまえ、フッ化物洗口の実践と歯肉炎予防における歯科保健教育(ブラッシン
グ指導等)を継続します。
(2)地産地消と食育推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】本市では、栄養教諭が中心となり、毎月「食育の日」を設定し、桑の木豆等の『山県ふるさと
食材』を活かす等地産地消を念頭において献立を作成してきました。児童生徒には、地域で生産され
る食材を地域で消費することの大切さを授業や給食等を通じて教えてきました。
【課題】地場産物の中には、市内全部の学校で使用することが数量的に困難な食材もあり、市の関係部
局との連携や、生産者とのより一層の協議が必要です。
②事業の具体的内容(後期)
ア 全小・中学校で「いい歯の日」、「食育の日」を設定し、『山県ふるさと食材』を活かす献立を
工夫し、その他の食材も地産地消を一層推進します。
イ 食育や地場産業の育成等の観点から、市の関係部局と問題を共有しながら食材の安定的な供給を
目指します。
ウ 児童生徒の朝食欠食や孤食等の食生活の改善に向けた食育の充実と家庭への啓発を進めます。
(3)調理場整備推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】市内の小・中学校 12 校は、全て単独の調理場を備え、隣接の専用ランチルームを併設していま
す。この全国的にも特徴がある学校給食の提供方式を継続し、安全でおいしい学校給食を児童生徒に
提供しています。ランチルームと調理場が直結しているため、児童生徒が調理員の仕事ぶりを目にす
ることができ、感謝の気持ち等が自然に育まれています。また、調理場の設備等は、安全性と効率性
に配慮して、その都度修理や改善を実施しています。
【課題】従来型ウエットシステムの 10 校は、安全管理上の問題から、ドライ運用に努めていますが、今
後は、改修に合わせ完全なドライシステムの導入を目指します。
②事業の具体的内容(後期)
ア 安全性と効率性を大切にして、調理場の整備を推進します。
イ ウエットシステムの調理場については、ドライ運用を徹底し、安全管理に努めます。
■主要施策 10 学校サポート体制の充実
~全ての児童生徒が等しく安全に学べる教育環境を創ります~
(1) 学校支援員等配置事業
①成果と課題(前期)
【成果】平成 26 年度は、学習支援員 13 名、教育サポーター6 名を各学校 1~2 名配置しました。要支
援児童生徒が増加している実態に応じて、複数の児童生徒に寄り添い、実態に即したきめ細かな指導
を継続してきました。その結果、不登校児童生徒の出現率が減少したり、落ち着いて学習や生活に取
り組む姿が増えてきたりする等、成果が現れています。
学習支援員等の資質向上については、主任学習支援員による支援の仕方等の研修会や学校訪問指導
22
により指導力等を高めていくことができました。
【課題】
今後も、
有効な支援ができるように学習支援員等の資質向上や支援体制の強化を図るとともに、
全ての学校の規模や実情に応じて、学習支援員や教育サポーターを配置して、児童生徒の実情に合わ
せた指導が必要です。
②事業の具体的内容(後期)
ア 各学校の要支援児童生徒の実情に応じて、全学校に各 1 名以上かつ児童生徒 100 人に 1 名の学習
支援員または教育サポーターの配置を目指し、全ての児童生徒の学業や生活を支援します。
イ 学習支援員等の研修会を企画し、情報交流や指導法の交流を行い、支援技能を高めます。
(2)教育・生活相談員配置事業
①現状と課題
【現状】平成 26 年度は、教育相談員を学校の実態に応じて 4 名と教育センター内にある適応指導教室
コスモスに生活相談員を 4 名配置しました。不登校児童生徒や保健室登校や様々な問題を抱え、学級
に入れない児童生徒、非社会的な児童生徒等、支援が必要な児童生徒を中心に学校と保護者、関係機
関との連携を密にしてきました。その結果、指導方法を共通理解しながら、積極的な相談活動を通し
て、不登校児童生徒の出現率が減少してきました。主任教育相談員によるケース会議や適切な支援の
在り方等の研修や訪問指導により学校や職員間、関係機関における教育相談体制が強化されてきまし
た。
【課題】各学校の必要に応じて、より効果的に教育相談員や生活相談員が適宜配置できるよう配置人数
や職務内容等を見直す必要があります。
②事業の具体的内容
ア 不登校児童生徒数の出現率の減少を目指し、教育相談員を配置し、各学校との連携体制を整備し
ます。
イ 児童生徒の実態に応じた学校、
家庭、
関係機関等の連携と相談活動が有効に働くようにするため、
生活相談員の職務内容等について見直します。
ウ 教育・生活相談員の実践等を通して、学校の教職員の教育・生活相談にかかわる資質・能力の向
上を図ります。
■主要施策 11 緊急事態への態勢強化を推進
~安心・安全な学校を目指し、危機管理・安全教育を充実します~
(1)あんしんネットによる登下校等安全対策事業
①成果と課題(前期)
【成果】「あんしんネット」事業では、12 校の小・中学校全ての児童生徒の保護者と教職員に対してI
Dとパスワードを発行し、教育委員会や各学校から発信した情報を携帯電話やパソコンで受信できる
ようにしています。発信する情報は児童生徒の安全面に関わることを中心にしており、近隣の市町で
発生した「不審者事案」や警報発令時の「災害情報」も発信しています。最近では、クマの出没情報
や学校行事・地域行事の案内等、保護者のニーズに応じた多様な活用がされ、注意喚起や啓発活動等
の効果をあげています。
平成 25 年度は、全保護者の 96%が登録しており、学校からの配信は 595 件に上ります。「あん
しんネット」の事業の導入により、学級の連絡網を用いた電話連絡に比べスピードや正確さが増し
23
ています。また、学校を単位として機能を使えるために、学校の行事連絡やPTA活動等の連絡に
利用する等、保護者に必要な情報を素早く配信することができています。
【課題】今後、「あんしんネット」登録率 100%を目指して、各学校や保護者への啓発を進めます。ま
た、さらに学校見守り隊や地域ボランティアの方々にも登録を勧め、地域住民が協力・連携して児童
生徒の登下校等の安全を守ることができるような危機管理システムの強化を推進していく必要があ
ります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 児童生徒の安全な登下校のために、学校関係者への登録を積極的に進めます。
イ 児童生徒の安全確保のために、教育委員会から一斉に「不審者情報」や「災害情報」を各小・中学
校・保育園及び保護者、地域ボランティアの携帯電話・パソコンに配信します。
ウ 各小・中学校から「配信元の学校単位」機能を使って、学校行事や緊急の連絡等、教職員や保護者
に必要な情報を配信できるよう啓発します。
(2)生徒指導連携強化事業
①成果と課題(前期)
【成果】山県市生徒指導連携強化委員会は、小中高一貫した生徒指導の在り方について、実践研究を
深めてきました。家庭や関係諸機関との連携を深めつつ、各学校段階に即した組織的、継続的な指
導・援助を推進しています。定期的な開催により、各学校の情報交流だけでなく、生徒指導につい
て共通理解や連携が図られているため、市内小・中学校、並びに高等学校に通学する児童生徒の健
全な育成を図ることにつながっています。
【課題】「地域の子は地域で育てる」という意識が高い本市の特長をさらに活かして、地域の諸団体
との連携をより強くするために、地域の方々と情報を交流する場を位置づける必要があります。ま
た、気になる幼児・園児・児童・生徒の就学に向けた幼保・小・中・高の連携を一層深める必要が
あります。今後、幼保・小・中・高の職員が、学習や生活習慣の発達やつながりを理解して指導で
きるよう、日常的に情報交流することや指導の在り方について研修する等、教職員の指導力向上を
推進する必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 中学校区別で幼保・小・中連携協議会を開催するとともに、市全体で情報交流や課題等の実践的
な検討を行う場として『山県市生徒指導情報交流会』を位置づけます。
イ 生徒指導連携強化委員会研修会(関係施設見学・講演等)を年 1 回開催し、生徒指導についての
最新の知識や指導法を学びます。
ウ 小中高研究部会を年 3 回開催し、9 小学校と 3 中学校と高等学校の生徒の様子について交流し、
課題を明確にして生徒指導の方向性を検討します。
(3)いじめ防止対策推進事業
①現状と課題
【現状】平成 25 年 9 月 28 日に「いじめ防止対策推進法」が施行され、本市においても全学校で「い
じめ防止基本方針」を作成し、「いじめ未然防止対策委員会」が機能し始めています。
平成 25 年度における市内小・中学校で発生したいじめの認知件数は、小学校で 13 件、中学校で
11 件となっています。年々減少していますが、その中身は、インターネットや携帯電話等の誹謗中
傷等が多く、この点については今後も拡大の恐れがあるととらえています。
24
いじめ防止基本方針の見直しや改善とともにそれに基づいた一貫した対応を進めていく必要があ
ります。
【課題】今後は、いじめ防止基本方針の見直しや改善とともに具体的な行動レベルの目標を掲げ取り
組み、それに基づいた一貫した対応を進めていく必要があります。
②事業の具体的内容
ア 各学校のいじめの実情に応じて、具体的な取組や対応、評価について検討し、いじめ基本方針の
見直しや改善をします。
イ 校内のいじめ未然防止対策委員会の体制の整備や保護者や関係機関の連携を強化します。
ウ 具体的ないじめ事案について全教職員が研修し、積極的な生徒指導力を培うとともに共通理解・
共通行動を図ります。
25
【重点目標 4】「学び」と「活用」のサイクルの確立
○ 健やかで心豊かな児童生徒の育成を目指して、家庭・地域の教育力の向上を図ります。
○ 青少年の健全育成を目指して、地域・家庭・学校の連携・協働・交流を図ります。
○ 地域のネットワークを広め確立するため、公民館が基点となる学習基盤を再構築します。
○ 健康で活力に満ちた市民の育成を目指して、学び活用する生涯学習社会の実現を図ります。
■主要施策12 乳幼児期からの家庭教育の推進
~家族ぐるみの楽しい家庭教育の在り方を啓発します~
(1)家族ぐるみの子育て実践事業
(2)放課後子ども総合プラン推進事業
■主要施策13 青少年健全育成の推進
~地域と家庭・学校が一体となって青少年を育てる体制を整備します~
(1)青少年健全育成事業
(2)成人式開催事業
■主要施策14 新たな生涯学習人口の増加と地域づくりの推進
~だれもが自主的に学ぶ生涯学習のまちづくりのための環境を整備します~
(1)生涯学習関係団体育成・支援事業
(2)公民館活性化事業
■主要施策15 生涯スポーツの推進
~だれもが気軽にスポーツを楽しむことができる環境を整備します~
(1)健康スポーツ推進事業
(2)全国大会等出場応援事業
(3)体育施設管理・建設事業
(4)体育施設指定管理事業
(5)スポーツ関係団体育成・支援事業
(6)総合型地域スポーツクラブ育成・支援事業
■主要施策 12 乳幼児期からの家庭教育の推進
~家族ぐるみの楽しい家庭教育の在り方を啓発します~
(1)家族ぐるみの子育て実践事業
①成果と課題(前期)
【成果】近年、核家族化により知識や経験不足から子育てに悩む保護者が増し、児童生徒が発信する信
号に対応できない等の問題が発生しています。また、不登校や非行等児童生徒に関する様々な問題も
多々見られます。
これらの家庭や保護者が抱える問題について、家庭教育学級を開催し、児童生徒の発達段階に応じ
た保護者の在り方を研修する場としてきました。また、同世代の保護者同士の交流を通して少しでも
子育ての悩みを解消し、子育ての楽しさを学ぶ場となるよう事業内容を工夫してきました。
【課題】今後は、魅力ある家庭教育学級を計画して少しでも参加者を増やせるような工夫をし、参加で
きない保護者に対しての積極的な啓発活動を工夫しいくことが必要です。
②事業の具体的内容(後期)
26
ア 全ての保育園・小・中学校において家庭教育学級を開設し、参加者を積極的に募ります。
イ 家庭教育学級を保護者の学習の場、保護者同士の交流の場として位置づけ年間計画を立て計画的
に開催します。
ウ 福祉課主管の子育てネットワーク協議会と情報交換等を行います。
(2)放課後こども総合プラン推進事業
①現状と課題
【現状】本市では、高富小学校及び富岡小学校でそれぞれ年 2 回、やまがたこども文化クラブにより放課
後子ども教室を実施しています。
【課題】放課後子ども総合プランとして、平成 26 年度に策定された平成 27 年度から平成 31 年度までの
5 年間の放課後子ども教室の事業計画を推進するにあたり、やまがた子ども文化クラブとの調整が必要
となります。また、放課後児童クラブとの連携についても進めていく必要があります。
②事業の具体的内容
ア やまがた子ども文化クラブによる放課後子ども教室を継続します。
また福祉課と教育委員会が連携
し、放課後子ども総合プラン事業の推進を図ります。
■主要施策 13 青少年健全育成の推進
~地域が家庭・学校と連携し、一体となって青少年を育てる体制を整備します~
(1)青少年健全育成事業
①成果と課題(前期)
【成果】山県市青少年育成市民会議では、青少年問題のもつ重要性に鑑み、広く市民の総意を結集し、
国、県及び市の施策と相呼応して、青少年の健全な育成を図ることを目的に、市及び各小学校区単位
で様々な活動を実施してきました。
●少年の主張大会
山県市
●中学生と市長と語る会
青少年育成市民会議
●青少年の非行・被害防止全国強調月間にともなう街頭啓発
●青少年育成推進大会
●携帯電話(スマートフォン)等の安心安全な利用についての宣言 等
●青少年の集い
小学校区
●夜間安全・安心パトロール
青少年育成市民会議
●クリーン活動
●小集会活動
【課題】今後は、市PTA連合会等の青少年育成関係団体との連携をより一層深化させ、青少年健全育
成事業の充実を図るとともに、小学校区単位での活動についても、同様に充実させていくことが大切
です。
②事業の具体的内容(後期)
ア 地域住民、学校、関係機関・団体との連携強化による青少年の健全育成運動を積極的に推進しま
す。(「家庭・学校・地域の連携と絆」構築に向けた運動・事業を推進します。小集会活動、清掃
活動、軽スポーツ大会等、ふれあい活動を充実させ、より多くの青少年の参加を促します。)
イ 心豊かな明るい家庭づくりを推進します。
(家庭の教育的役割を認識し、その充実と向上を図りま
27
す。
「家庭の日」の啓発に努めます。
)
ウ 青少年の健全な団体活動、
社会参加活動を促進します。
(青少年団体の育成と加入促進を図ります。
子ども会活動、青年団体活動の普及と実践を図ります。青少年の地域活動やボランティア活動への
参加を促進します。
)
エ 青少年の健全な社会環境づくりといじめや非行の防止に努めます。
(関係機関・団体、企業等の理
解と協力を得て、環境浄化に努めます。地域住民と学校が一体となり、青少年の非行防止活動を推
進します。地域・学校・家庭の連携を図り、地域組織による児童生徒の見守り活動等の登下校時に
おける安全対策を講じ、不審者から児童生徒を守るように努めます。携帯電話・スマートフォン等の
安心安全な利用について推進します。
)
(2)成人式開催事業
①成果と課題(前期)
【成果】実施する年度中に 20 歳を迎える本市に住民登録のある人および、市内の中学校を卒業した人を
対象に、市としてお祝いをし、新成人としての自覚をもたせることができました。
また、式典後に行われる記念パーティーは、新成人の中から実行委員を選出し、企画・運営を行って
おり、成人者の主体性を取り入れることができました。
【課題】実行委員の応募者が少ないため、早めに積極的な募集活動をする必要があり、また実行委員会
企画のパーティー内容の工夫も必要となります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 実施する年度中に 20 歳を迎える人をお祝いするため、
市としての式典及び実行委員会による記念
パーティーを行います。
イ 広報やまがた等を活用して、実行委員会委員の募集を行います。
ウ 厳粛なうちにも新成人が親近感をもつよう、今後も実行委員によるパーティーを企画します。
■主要施策 14 新たな生涯学習人口の増加と地域づくりの推進
~だれもが自主的に学ぶ生涯学習のまちづくりのための環境を整備します~
(1)生涯学習関係団体育成・支援事業
①成果と課題(前期)
【成果】市民自らが各自のニーズに応じて生涯学習を進めていくために、各年代や各地域の実情に応
じて様々な団体が組織され、積極的な活動が展開されています。行政も市民の主体的な学習活動を
支援し、自主的な運営や充実した活動を支えるために適切な助言ができるよう組織づくりを行って
きました。
【課題】活動内容等積極的なPRを行うと共に事業内容の見直しを図り、少子高齢化に対応した活動
を展開する必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 各団体が自主的に運営や活動ができるよう指導・助言体制を整備します。
イ 各団体・各会員の学習意欲を満たすことができる適切な指導者を紹介できるよう支援体制を強
化します。
ウ 該当団体と行政や他団体がスムーズに連携できるよう助言します。
28
(2)公民館活性化事業
①成果と課題(前期)
【成果】本市の公民館は、中央公民館3館、高富地域5館、美山地域7館の15館があります。中央館
の役割は、地区公民館との連携・支援と学習フェスタ、夏休み特別講座を市子ども文化クラブと合同
にて開設することができました。また、地区公民館の役割は、地域に即した行事と住民との協働によ
る地域づくりと地域の特色を生かした事業を行ってきました。
生涯学習ガイドを作成し市内全世帯へ配布し、39講座を募集し36講座に457名、夏休み特別
講座18講座に児童・生徒338名が参加し実施できました。また、サークルにおいても178サー
クル数の会員1,753名が継続し公民館活動をすることができました。
【課題】過疎・高齢化が進む公民館における住民ニーズを重視しながら、運営の見直しや講座内容の充
実を図る必要があります。また、公民館職員が講座募集など立案するための企画力アップが求められ
ます。また、資質の向上を図るために、スキルアップ研修が必要となります。
公民館施設は、昭和47年から62年までに建築されたため施設の老朽化が進み、年次計画に基づ
き照明・音響・消防設備・空調設備・トイレ洋式化などの改修工事が必要となります。だれもが、安
心・安全・快適に学ぶ生涯学習の施設として整備する必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 文化創造・地域づくりのために、住民と対話しながら充実した公民館講座の開設を図ります。
イ サークル活動が充実できるよう支援を継続します。
ウ 公民館長・主事のスキルアップをめざす研修会を実施します。
エ 美山中央公民館(ホール)は、多くの研究大会、講演会、芸能発表会などが開催されるため、音
響・照明の設備の充実を図ります。
オ 地区公民館トイレの洋式化改修を、順次整備します。
■主要施策 15 生涯スポーツの推進
~だれもが気軽にスポーツを楽しむことができる環境を整備します~
(1)健康スポーツ推進事業
①現状と課題
【現状】運動や日常の身体活動が健康づくりや病気の予防・改善に効果があることは、広く知られてい
ます。何歳から始めても、また、どのような身体状況であろうとも、体を動かすことのよい効果が期
待できると言われています。
近年の高齢化社会に対応した健康づくりの面からも市民の一層の健康増進を図るため、体育施設の
有効活用が必要です。
【課題】体育施設を広く気軽に利用していただくため、施設の無料化を図り、利用促進していく必要が
あります。
②事業の具体的内容
ア 市民の一層の健康増進を図る為と、少年スポーツの推進の為、社会体育施設及び学校開放施設を無
料で使用してもらい、健康寿命の増進・体育施設の有効利用を図ります。
イ 近年の高齢化社会に対応した健康づくりの面からも、レクリエーション的な運動プログラムの実践
を図ります。体育協会や体育振興会との連携を強化します。
(2)全国大会等出場応援事業
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①現状と課題
【現状】国際的又は全国的な文化及び体育の大会に出場する者に対し、全国大会等出場者応援金を支給
することにより、本市の文化及び体育の活動の充実振興と、出場準備等に係る経費を助成してきまし
た。
【課題】この事業については、該当される方の申請が必要になるため、今後も幅広い市民の方に全国大
会等出場応援金事業について周知徹底することが必要です。
②事業の具体的内容
ア 全国大会等出場応援金事業について、幅広く市民の方に周知徹底を図るとともに、出場選手につ
いても、広報等に掲載していきます。
(3)体育施設管理事業・建設事業
①成果と課題(前期)
【成果】市内体育施設(社会体育施設、学校開放施設)は、体育館、グラウンド、テニスコート等、44
施設があります。このうち社会体育施設 20 施設(2 施設社会体育施設に移動)は、指定管理団体に
委託しています。
年間の利用者数は、約 69 万人で、健康志向の高まりの為、増加傾向にあります。
◆平成 25 年度
市内体育施設数及び利用者数
地 域
施設数
社会体育
施設利用者数
学校開放
体育館
グラウンド
テニス等
(19施設)
(21施設)
(4施設)
合計人数
高 富
7
12
237,787
99,302
28,750
365,839
伊自良
2
6
81,277
48,517
3,770
133,564
美 山
11
6
136,148
52,304
844
189,296
合 計
20
24
455,212
200,123
33,364
688,691
◆体育施設の利用申請手続き等
施設区分
社会体育施設
学校開放施設
利用申請
前月+随時
年3期+随時
利用制限
制限なし
市内在住・在勤10名以上の登録団体
【課題】受付窓口の一本化は、体育施設指定管理事業の見直しにより、利用しやすいシステムに改善し
ていきます。
体育施設の老朽化の為、建て替えの必要性、又、多目的な要望に応える為に、(仮称)山県市多目的
体育館建設の必要性があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 社会体育施設や学校開放施設のさらなる積極的活用を推進します。
イ 体育施設の老朽化及び体育施設の多目的利用の必要性から(仮称) 山県市多目的体育館建設を推
進します。
(4)体育施設指定管理事業
①成果と課題(前期)
【成果】TSC(たかとみスポーツクラブ)では、月曜日も開館することにより、利用者のサービス向上
30
を図っています。伊自良・美山地区が追加されましたが、5年前より、利用者数は、131%に収入は
151%に増加しています。また、利用者からの要望にも柔軟に対応しています。
◆平成 20 年度と平成 25 年度の利用料金収入と利用者数の比較
社会体育施設利用料金比較
アH20
イH25
12,115,923円
18,312,001円
社会体育施設利用者数比較
イ‐ア
ウH20
+6,196,078円
エH25
176,507人
エ‐ウ
231,075人
≪151%≫
+54,568人
≪131%≫
【課題】新たなサービスを進めるとともに利用者のマナー向上に努めることが必要である。
②事業の具体的内容(後期)
ア TSC を指定管理者として、利用者のサービス向上に努めるため、定期的に管理・運営状況を把握
し、指定管理事業が適切に執行されるよう努めます。
イ 指定管理施設の修理・修繕等、TSC と連携して、使いやすい環境整備・運営に努めます。
(5)スポーツ関係団体育成・支援事業
①成果と課題(前期)
【成果】市スポーツ推進委員を中心に、ウォーキングイベントの企画と運営を実施することができまし
た。幅広い年齢層の参加者があり、今後も継続的に市内各地でイベントを計画し生涯スポーツの推進
及び普及に努めていきます。
市体育協会においても、国民体育大会を契機に、県民スポーツ大会への積極的な参加と競技力向上
による選手強化等も進んで取り組んでいます。また、市内 10 つの体育振興会においても、各地域でラ
ジオ体操・みんなの体操会を市スポーツ推進委員と連携し開催することができました。生涯スポーツ
では、「ソフトバレーボール」「グラウンドゴルフ」等の大会を継続的に開催することができました。
◆主な団体名と行事
団体名
山県市スポーツ推進委員会
登録数
26名
主な行事
・市グラウンドゴルフ大会 ・ウォーキングイベント
・市ソフトバレーボール大会
・軽スポーツ講習会
・市ラジオ体操・みんなの体操会
山県市体育協会
20団体
・岐阜県民スポーツ大会(参加)
・やまがたジョギング大会
・運動適正テスト ・スポ少認定員研修会
山県市スポーツ少年団
21団体
・「母集団」研修会
・スポーツリーダー兼認定員養成講習会
・リーダー研修会
山県市レクリエーション協会
1団体 ・ニュースポーツ普及推進活動
各地区体育振興会
10団体
・各地区市民運動会 ・各種軽スポーツ大会
・夏休みラジオ体操会 ・歩け歩け大会
【課題】心豊かなスポーツライフの実現に向けて、各種スポーツ関係機関・団体等のさらなる連携・協
働が必要となる。
②事業の具体的内容(後期)
ア 市スポーツ推進委員を中心に、市スポーツイベントの企画・運営、さらに地域におけるスポーツ
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振興等の指導助言を充実します。
イ 近年の高齢者社会に対応した健康づくりの面からも、体育協会や体育振興会との連携を強化しま
す。
ウ 市民が希望するスポーツ活動に積極的に参加できる環境を整備し、誰もが『気軽に実践できる運
動プログラム』の実践を図ります。
(6)総合型地域スポーツクラブ育成・支援事業
①成果と課題(前期)
【成果】本事業は、本市のスポーツ振興に大いに成果をあげています。総合型地域スポーツクラブであ
る「たかとみスポーツクラブ」(TSC)は、平成 25 年度で会員数 1,286 人、指導者数 119 人、38 名の
理事、社員により、各種スポーツ事業を展開しています。平成 13 年の発足以降、平成 19 年には NPO
法人格を取得し、平成 20 年度から高富地域の社会体育施設の指定管理者として発展し、岐阜県を代
表する総合型地域スポーツクラブと広く認められています。
現在の実施事業は、会員対象のスポーツスクール、スポーツ広場や、会員に限らず参加できるスポ
ーツ教室、スポーツイベント等があります。
【課題】TSC は、会員や受講生による会費や事業収入の確保に向けて、事業内容の充実や成年層を対象
とした事業を充実していくことが課題となります。
また、会員に魅力的な事業を展開するために、指導者の確保や資質の向上に努めていくことが求め
られます。市民のニーズや指導者の確保や活動エリアの拡大、長期的な見通しのある経営等、検討し
ていく必要があります。
②事業の具体的内容(後期)
ア 小学生スクール(11 種目)、中学生スクール(14 種目)、スポーツ広場(9 種目)の充実をはか
り、その他四季にあったクラブイベントを実施します。
イ 年 3 回(前期・中期・後期)に分けて、成人、中学生、小学生の 3 階層ごとに開催するスポーツ
教室を充実させます。
ウ 伊自良地域や美山地域でも活動できるよう環境を整備します。
32
【重点目標 5】「ゆとり」と「うるおい」を実感できる文化芸術活動
○ 文化芸術を享受し、感動・喜びが実感でき、市民が参画できる環境の整備を図ります。
○ 文化財、伝統芸能等の保護・保存に努め、継承・活用を図ります。
○ 国際理解教育を推進し、多文化共生社会に生きる人づくりを推進します。
■主要施策16 文化芸術活動基盤の充実と活動の推進
~施設を最大限に活用し、市民のニーズに合わせた活動を推進します~
(1)文化の里花咲きホール活用推進事業
(2)古田紹欽記念館活用推進事業
■主要施策17 市民の読書活動の推進
~子どもから大人まで、読書に親しむ環境を整備します~
(1)図書館運営の拡充事業
(2)読み聞かせ教室の開催事業
■主要施策18 文化財や伝統芸能等の継承推進
~市民のかけがえのない財産を学び、次世代に継承します~
(1)文化財保存事業
■主要施策19 国際理解教育の推進
~多文化共生社会を目指し、国際感覚を磨きます~
(1)青少年の海外派遣事業
(2)国際交流員受入事業
■主要施策 16 文化芸術活動基盤の充実と活動の推進
~施設を最大限に活用し、市民のニーズに合わせた活動を推進します~
(1)文化の里花咲きホール活用推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】花咲きホールでは、市民参加のコンサートや山県市の創作演劇の自主公演事業をはじめ様々な
分野で活躍するアーティストを派遣するアウトリーチ事業を積極的に展開し、乳幼児から高齢者まで
誰もが芸術文化に触れられる機会を提供できたとともに、参加できる環境を創出することができまし
た。また、当ホールを活用し市民音楽祭等の市民主体による芸術文化活動が展開されるようになって
きました。
【課題】花咲きコンサートや創作演劇等の市民参加型事業も定着してきていますが、更に参加者の拡大
を図り充実していくとともに、アウトリーチ事業の成果をホール公演に繋げていくための仕組みづく
りが課題となっています。
また、ホールボランティアについては、花咲きコンサート及びロビーコンサートの企画運営をはじ
めホールの運営に欠かせない重要な組織となっていますが、会員の減少が課題となっています。
②事業の具体的な内容(後期)
ア 乳幼児から高齢者まで幅広い年代を対象に、多様で質の高い芸術文化の鑑賞機会を提供します。
イ 小・中学校をはじめ保育園や地域へアーティストを派遣するアウトリーチ事業を積極的に展開し、
子どもたちを中心に多くの市民に芸術文化への理解、関心を促すとともに、ホール公演の集客に繋
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げていきます。
ウ 市民参加型事業の充実を図るとともに、市民が主体となり活動する芸術文化団体等の支援を行い
ます。
エ ボランティア組織を充実し、ホールの円滑な事業推進を図ります。
オ 舞台芸術振興会の育成、活性化を図ります。
(2)古田紹欽記念館活用推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】古田紹欽記念館では、古田紹欽氏の書や絵画、鈴木大拙氏をはじめとする交流関係の展示のほ
か、年 2 回の好日会(講演会・コンサートと市民茶会)、記念館の茶道ボランティアによる市民茶会、
子どもお茶教室、ものづくり講座等を開催。日本文化や地域文化の魅力を発信することができたとと
もに、貸し館や抹茶体験等の施設利用に繋げることができました。
【課題】開館 11 年目を迎えていますが、まだまだ周知が行き届いていないのが現状です。今後も日本文
化や地域文化に関する特別展の開催や様々な魅力あるイベントを通して、館の周知に努めていくとと
もに古田氏の研究を広く知ってもらうため、氏の著書や所有していた貴重な書籍を市図書館情報シス
テム等により公開していく必要があります。
②事業の具体的な内容(後期)
ア 日本文化や地域文化(偉人の顕彰等含む)、禅(哲学)に関わる特別展を開催し、市及び館の魅
力を情報発信します。
イ 市民茶会や講演会・コンサート、ものづくり講座等イベントを開催し、新規来館者の開拓や集客
に努めます。
ウ 茶道ボランティア組織を充実し、ボランティア主体による市民茶会等積極的な活用を図ります。
エ 図書館情報システム等の導入により、貴重な蔵書の公開を積極的に進めます。
■主要施策 17 市民の読書活動の推進
~子どもから大人まで、読書に親しむ環境を整備します~
(1)図書館運営の拡充事業
①成果と課題(前期)
【成果】高富図書室及びみやまジョイフル倶楽部図書室の蔵書整理により年度ごとに蔵書数が大きく変
動していますが、
毎年の図書購入予算により平成 25 年度末では約 9 万 4 千冊の蔵書を確保することが
できました。利用者サービスではインターネットから蔵書の検索や予約を行えるようにしたほか高富
図書室にも図書館情報システムを導入し、
本館同様にサービスを提供できるようになりました。
また、
他館との相互貸借制度や雑誌のスポンサー制度を活用した蔵書の補完のほか、夏季の時間延長等を実
施し、サービスの向上を図ることができました。
【課題】人口減や高齢化、若者の本離れ等により年々貸出し冊数が減少していることから、蔵書の充実、
利用者サービスの向上、小・中学校との連携強化等、読書向上に繋がる取組みを推進し、魅力ある図
書館づくりに努めていく必要があります。
②事業の具体的な内容(後期)
ア 新刊図書の購入、寄贈、他館との相互貸借により、図書貸出しサービスの充実を図ります。
イ 子どもの読書活動推進計画で計画されているように、小・中学校と連携を密にし、図書館・学校・
34
地域が一体となって、子どもの読書向上につながる活動の推進を図ります。
ウ 美術館・歴史民俗資料館を併設する複合施設の利点を活かし、様々なイベント等を開催し、学習の
場、憩い場として相互利用を促進します。
エ 調べ学習や読書等の利用者が長時間滞在できるよう、魅力ある施設の環境づくりを進めます。
(2)読み聞かせ教室の開催事業
①成果と課題(前期)
【成果】図書館の読み聞かせ教室は、「おはなしピーチク」等のボランティアの方により図書館本館で
毎週土曜日開催しているほか高富図書室で月に 1 回、みやまジョイフル倶楽部図書室で月 2 回開催、
親子らに絵本の素晴らしさや楽しさを伝え、絵本等の貸出し促進や家庭での読み聞かせに繋がってい
ます。
【課題】図書館での読み聞かせ教室の参加が少なくなっているのが現状です。読み聞かせ活動が市内の
小学校をはじめ児童館等の各施設で積極的に展開されていることも要因の一つといえますが、多くの
親子の参加が得られるよう創意工夫を凝らすとともに周知に努めることが必要となっています。
②事業の具体的な内容(後期)
ア 納涼読み聞かせ等の創意工夫を凝らした読み聞かせの取組を行います。
イ ものづくりやお遊びを取り入れた親子で楽しめる読み聞かせ講座を実施します。
ウ 家庭での読み聞かせを推進するため、絵本を充実するとともに展示等を通して貸出利用を促進し
ます。
エ 読み聞かせイベント開催等の広報活動を充実します。
■主要施策 18 文化財や伝統芸能等の継承推進
~市民のかけがえのない財産を学び、次世代に継承します~
(1)文化財保存事業
①成果と課題(前期)
【成果】文化財審議会を年数回開催し、国・県・市指定文化財等の保存・活用の推進を図っています。
考古資料や民俗資料等は、歴史民俗資料館での展示や、小学校等の出前講座で活用し、市民が先人の
文化に触れる機会を設け、文化財を活用した教育普及活動を実施しています。
市重要無形民俗文化財の保存会の活動や継承備品等の新調・修理に対し、補助金を交付し、また舞台公
演会を実施し、地域の伝統芸能や伝統行事の継承と推進を図っています。
市内において歴史・自然の勉強会を行っているボランティア団体への連携を強化し、郷土の歴史に
ついての調査・研究を推進しています。
【課題】指定文化財等について、市民への周知が十分図れていないため、調査・研究を推進し、文化財情
報の積極的な提供に努めていくことが必要です。
②事業の具体的内容(後期)
ア 文化財の調査・研究の推進や、市民への文化財情報の積極的な提供に努めます。
イ 地域の伝統芸能や伝統行事の継承と振興を図るために、文化財保存団体が行う後継者育成や公開
の充実に向けた取組を支援します。
ウ 文化財を活用した教育普及活動の充実を図ります。
エ 伝統芸能をまとめた保存版の冊子を作成します。
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■主要施策 19 国際理解教育の推進
~多文化共生社会を目指し、国際感覚を磨きます~
(1)青少年の海外派遣事業
①成果と課題(前期)
【成果】本市とアメリカ合衆国オレゴン州フローレンス市との交流を図ることができました。海外派遣
団員はホームステイ研修をすることにより、英会話の勉強はもとより異国の文化を肌で感じることが
でき、見聞が広がりました。
【課題】
海外派遣団員の参加申込者が少ない年があり、募集方法・実施時期の検討が必要となります。
現地のホストファミリーの確保について、現地協力者との充分な連絡・調整が必要となります。
②事業の具体的内容(後期)
ア アメリカ合衆国オレゴン州フローレンス市との友好都市提携に基づき、青少年を対象にした 5 泊
7 日のホームステイ研修を継続します。
(2)国際交流員受入事業
①現状と課題
【現状】本市とフローレンス市との友好都市協定に基づき、国際交流員 1 名を受け入れており、市内小
中学校での英語指導助手や、市内各中央公民館での英会話講座を行う等の交流を図ることができまし
た。
【課題】国際交流員の継続的な人材の確保や、本市の国際交流員の受け入れ体制の整備が課題です。
②事業の具体的内容
ア 市内小中学校での英語指導助手や、各中央公民館での英会話講座等の交流を行います。
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【重点目標 6】人間尊重の精神にあふれた人づくりの推進
○ 同和問題をはじめとする様々な人権問題についての理解と認識を深め、人権尊重の精神を
育成します。
■主要施策20 学校における人権教育の推進
~全教育活動を通し、人権尊重の精神がみなぎる学校をつくります~
(1)学校人権教育推進事業
■主要施策21 あらゆる場、あらゆる機会での人権教育の推進
~学習機会を充実させ、人権学習を推進します~
(1)社会人権教育推進事業
■主要施策 20 学校における人権教育の推進
~全教育活動を通し、人権尊重の精神がみなぎる学校をつくります~
(1)学校人権教育推進事業
①成果と課題(前期)
【成果】同和問題、いじめ問題をはじめとする様々な人権問題への正しい理解と認識を深め、人権感覚
を磨くことは非常に大切な学校教育課題のひとつです。各学校では、人権教育の全体計画を策定する
と共に、全ての教育活動を通して、人権教育を意識した活動を行っています。また、同和問題、人権
問題に関する教職員研修会を開催する等、児童生徒の教育に活かすよう努力しています。
【課題】各学校においては、全教育活動を通じて様々なトラブルを指導の機会ととらえて、人権尊重の
精神がみなぎる学校、地域を目指して『心にひびく教育』を一層推進していく必要があります。また、
「ひびきあいの日」の事業に保護者や地域が参加し、地域、学校、家庭が一体となった人権教育の推
進できるように、活動内容を工夫することが必要です。
②事業の具体的内容(後期)
ア 全教育活動で、道徳・人権問題を含めた『心にひびく教育』を推進します。
イ 同和問題・人権問題に関する研修や広報活動を充実します。
ウ 「ひびきあいの日」事業を実施し、学校・保護者・地域の方々とともに地域ぐるみの人権教育に
努めます。
■主要施策 21 あらゆる場、あらゆる機会での人権教育の推進
~学習機会を充実させ、人権学習を推進します~
(1)社会人権教育推進事業
①成果と課題(前期)
【現状】山県市社会人権教育推進協議会を設置し、社会教育における人権教育計画を作成し、人権教育
及び人権啓発に必要な事項を焦点化して指導を行っています。公民館等の各種学級や講座、講演会等
の機会を利用し幅広い年齢層に対して学習機会の提供を行うと共に、保育園や小・中学校の家庭教育
学級においては、年 1 回以上の人権同和学習を位置づけています。また、各種団体や機関に働きかけ、
人権教育の講演会を行っています。
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【課題】人権教育に造詣の深い専門家に助言を受け、市民の人権学習への意欲を高めるために、学習機
会を拡大していくことが大切です。
②事業の具体的内容(後期)
ア 山県市社会人権教育推進協議会を開催し今日的課題に対応した人権教育の充実に努めます。
イ 公民館等の各種学級や講座、各種団体と連携した講演会、家庭教育学級での人権学習会、人権教育
資料の作成等の学習機会を拡大します。
ウ 隣保館で講座を実施し、地域住民と周辺地域住民の交流促進を図り、人権同和教育を進めていきま
す。
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発行日 平成 27 年 3 月
発 行 山県市教育委員会
〒501-2192
岐阜県山県市高木 1000-1
TEL 0581-22-6844
FAX 0581-22-6851
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