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エンロン事件と内部統制 目次 - デジタル・フォレンジック研究会

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エンロン事件と内部統制 目次 - デジタル・フォレンジック研究会
エンロン事件と内部統制
石原公認会計士事務所
公認会計士・税理士 石原佳和
目次
エンロン事件とSOX法制定
JSOXとSOX法の相違点等
SOX法が求めている内部統制(COSO)
内部統制とIT
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2
©2012 石原公認会計士事務所 All rights reserved.
2012/9/7
エンロンとは
エンロン(Enron Corporation)は、アメリカ合衆国テキサス
州ヒューストンに本拠地を置く
州ヒュ
ストンに本拠地を置く、総合エネルギ
総合エネルギー取引とITビジ
取引とITビジ
ネスを行う企業。
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1,010億ドル(12兆1,200億円)全米売上げ第7位(2000)
従業員 21,000名(2001)
21 000名(2001)
2001年12月に破綻
破綻時の負債総額318億ドル(3兆8,160億円)
2002年7月のワールドコム破綻まではアメリカ史上最大の企
業破綻
登場人物
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アンドリュー・ファストゥ(エンロン元CFO)
ジェフリー・スキリング(エンロン元CEO)
リ
リ
(
)
ケネス・レイ(エンロン創業者)
ディビット・ダンカン(アンダーセンEP)
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2012/9/7
エンロン事件とは
2001年
8月14日
スキリングCEO辞任
10月16日
7~9月期決算発表、簿外取引などで特別損失10億円を計上
同月22日
SEC、エンロンのファンドに利益相反の疑いがあるとして調査すると
SEC
エンロンのファンドに利益相反の疑いがあるとして調査すると
発表
同月24日
ファストウCFOを更迭
11月8日
エンロン、SECに訂正報告 1997年までさかのぼり純利益を減額修
正
12月2日
エンロン 連邦破産法11条の適用を申請
エンロン、連邦破産法11条の適用を申請
2002年
1月9日
月9日
司法省、エンロンを刑事事件として調査開始、と発表
司法省、
ン ンを刑事事件として調査開始、と発表
同月10日
アンダーセン、エンロン関係書類の大量破棄を発表
同月15日
アンダーセン、エンロン担当会計士デビット・ダンカンの解雇を発表
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大和インベースター・リレーションズHP IRの話題より 引用(一部石原が加筆)
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エンロン事件とは
2002年
1月17日
エンロン、アンダーセンとの監査契約を解消
ン ン アンダ センとの監査契約を解消
同月22日
米連邦捜査局がエンロン本社を捜索
同月23日
レイ会長が辞任
2月2日
エンロン、社内調査結果を公表
同月7日
ファストゥ、議会証言で黙秘権を行使。スキリングはエンロンを退社
ファストゥ
議会証言で黙秘権を行使 スキリングはエンロンを退社
する時点で問題なしと証言。
3月14日
アンダーセン、司法妨害罪で起訴される
4月9日
アンダーセンでエンロンを担当したデビット・ダンカンが司法妨害を認
める
5月6日
アンダーセン裁判の初公判
アンダ
セン裁判の初公判
6月15日
ヒューストン連邦地裁陪審団、アンダーセンに有罪評決
8月31日
アンダーセン、監査業務を停止して事実上廃業
大和インベースター・リレーションズHP IRの話題より 引用(一部石原が加筆)
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エンロン事件の影響
上場企業及びその経営者への不信
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不適切な会計処理(連結外し、損失とばし)
過剰な報酬、自己株式の大量売却
会計事務所への不信
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報酬依存
調書の破棄
監督機関への不信
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SECおよびPOB、その他業界団体の監督機能への不信
監査制度への不信
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財務諸表監査への不信
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2012/9/7
US SOX成立の沿革
US-SOX成立の沿革
2002年2月14日
2002年4月25日
2002年6月18日
2002年7月15日
2002年7月19日
2002年7月24日
2002年7月25日
2002年7月30日
2003年6月
7
House Committee on Financial Services(下院金融サービス委員会(オ
クスリー委員長))に、"Corporate and Auditing Accountability,
Responsibility and Transparency Act
Responsibility,
Act"(企業及び監査の責任
(企業及び監査の責任・透明性に
透明性に
関する法)が提出される。
下院本会議で上記法案が賛成334、反対90で可決。法案は上院へ。
Senate Banking
g Committee(上院金融委員会(サーベンス委員長))で公
開企業会計改革・投資家保護法案が賛成17、反対4で可決。
業会計改革 投資家保護 案が賛成
決
上院本会議で下院法案が否決され、下院法案より厳しい内容の上院法案
が全会一致で可決。
法案一本化のための両院協議会開催
法案
本化のための両院協議会開催。上院の法案に比重が置かれる。
上院の法案に比重が置かれる
両院が合意に達し、the Sarbanes-Oxley Act of 2002(2002年サーベン
ス・オクスリー法)という法案名になる。
同法案が下院本会議(賛成423、反対3)、上院法会議(賛成99、反対0)
で共に可決。
で共に可決
大統領が署名して成立。
証券取引委員会 (SEC) が企業改革法の最重要条項に関する最終規則
(同法を適用 施行するための解釈)を発表。
(同法を適用・施行するための解釈)を発表。
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2012/9/7
US SOX法の概要
US-SOX法の概要
監査の独立性強化、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の改革、情報開示の強化、説明責任が規定さ
れた。目的は、企業会計・財務諸表の信頼性確保である。
特に重要視されたのが 経営者に対する 年次報告書の開示が適正である旨の宣誓書提出の義務づけ
特に重要視されたのが、経営者に対する、年次報告書の開示が適正である旨の宣誓書提出の義務づけ
(302条)、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した内部統制報告書の作成の義務づけ、公認会計
士による内部統制監査の義務づけ(404条)である。
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第1章(第101~109条):Public Company Accounting Oversight Board(公開会社会計監視委員会)
第2章(第201~209条):Auditor Independence(監査人の独立性)
第3章(第301~308条):Corporate Responsibility(会社の責任)
第4章(第401~409条):Enhanced Financial Disclosures(財務情報開示の強化)
第5章(第501条):Analyst Conflicts of Interest(証券アナリストの利益相反)
第6章(第601~604条):Commission Resources and Authority(証券取引委員会の財源と権限)
第7章(第701~705条):Studies and Reports(調査および報告)
第8章(第801 807条) Corporate and Criminal Fraud Accountability
第8章(第801~807条):Corporate
(企業不正および刑事的不正行為説明責任)
第9章(第901~906条):White Collar Crime Penalty Enhancement
(ホワイトカラー犯罪に対する罰則強化)
第10章(第1001条):Corporate Tax Returns(法人税申告書)
第11章(第1101~1107条):Corporate Fraud And Accountability(企業不正および説明責任)
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2012/9/7
US SOX法とJ SOXの違い
US-SOX法とJ-SOXの違い
適用対象(404条)の範囲
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小規模企業を評価対象から除外(適用延期の継続)
内部統制評価のフレームワーク
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4つの目的、6つの統制要素
4つの目的
6つの統制要素
不正に関する内部統制(Anti-Fraud Program)
評価範囲、運用評価の程度
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3勘定、少なくとも25件
内部統制監査の意見
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ダ
ダイレクトレポーティングとインダイレクトレポーティング
ク ポ
グと
ダ
ク ポ
グ
コーポレートガバナンス・内部統制に係る文化・研究
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COSO(米国)
COCO(カナダ)
ターンバルガイダンス(英国)
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2012/9/7
COSOとトレッドウェイ委員会
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Committee of Sponsoring organizations of Treadway
commission
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トレッドウェイ委員会によって、「不正な財務報告」に関するレポートが
提出され、「勧告」を実現するために組織されたのが、COSO
トレッドウェイ委員会によって、4つのセクターに対して勧告が行われて
トレッドウェイ委員会によって、4つのセクタ
に対して勧告が行われて
いる。
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公開企業に対する勧告
公認会計士に対する勧告
SECその他機関に対する統制環境と法の執行環境の改善に関する勧告
教育に関する勧告
日本に足りなかったもの
本 足
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調査と研究・教育
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
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コーポレートガバナンスの特徴(ムラ社会、株主総会の形骸化)
経営者 倫 観
経営者の倫理観
多能工化と効率化、職務分掌の欠如
内部統制構築に対する経営者へのアメとムチの整備
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2012/9/7
エンロンは内部統制で防げたか?
6つの主たる要因
 取締役の忠実義務違反(Corporate Governance)
 リスクの高い会計処理(Accounting
g & Disclosure))
 不適当な利益相反取引(Accounting & Disclosure)
 広範な非開示簿外取引(Accounting & Disclosure)
 過大な役員報酬(Corporate Governance)
 独立性の欠如(Auditor
独立性の欠如(Auditorʼss Independency)
The Role of the Board of Directors in Enronʼs
collapse より
内部統制の問題ではなかった。
SOX404は、経営者の「知りませんでした」の抗弁
を
をふせぐ効果しかなかった。
効
な
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2012/9/7
エンロン事件その後
2004年
1月17日
アンドリュー・ファストゥ
ド
詐
詐欺・マネーロンダリングで有罪
ダ
グ 有
を認める 刑期10年→のちに6年
2005年
5月31日
米最高裁判所、エンロンの監査資料をシュレッダーで破
棄した司法妨害罪で、アンダーセンに無罪判決
2006年
5月25日
ケニス・レイおよびスキリングに有罪の評決
7月5日
レイ会長が心臓マヒで死亡
10月23日
スキリング、証券詐欺、虚偽記載などで刑期24年4カ月
の判決 罰金4,500万ドル
大和インベースター・リレーションズHP IRの話題より 引用(一部石原が加筆)
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2012/9/7
内部統制とIT
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全社IT、IT全般統制
IT業務処理統制
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BIによるモニタリング、CAATによる監査
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
サンプルは1件、画面を見て確認
異常の有無の確認、検出
内部統制評価とフォレンジックの違い

目的、前提、一貫性の違い



適正性の合理的保証と不正の発見
経営者・会社組織との信頼関係の有無
証憑とデータ、組みこまれた統制、誤謬と改竄の発見、改竄の防止
デ
組
統
竄
竄
IT業務処理統制
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IT全般統制
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2012/9/7
略歴
公認会計士・税理士 石原 佳和
石原公認会計士事務所 代表

日本内部監査協会 CIAフォーラム「統計的サンプリング」研究会座長
登録ITエキスパート
登録ITエキスパ
ト、内部統制評価指導士
内部統制評価指導士

大阪大学大学院基礎工学研究科修了

平成10年10月、あずさ監査法人大阪事務所に入所
平成15年4月、外資系コンサルティング会社創業に参加
平成19年10月に独立 現在に至る
平成19年10月に独立、現在に至る



統計やコンピューターを利用した評価、監査技法やシステム監査等を専門としている
「Q&A監査のための統計的サンプリング入門(改訂版)」(共著)(金融財政事情研究
会)
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2012/9/7
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