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29年度 水稲施肥設計基準

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29年度 水稲施肥設計基準
平成29年度JA水稲施肥設計基準
埼玉みずほ農業協同組合
1等良食味米づくり!猛暑∼冷夏まで、どんな天候にも負けない水稲施肥のポイント
1.元肥+穂肥の体系施肥が理想的!(7月穂肥期の天候に応じて穂肥量を加減調整が可能)
元肥5:穂肥5の同じ施肥配分割合が基本(例:コシヒカリ必要窒素6.0㎏N前後 元肥の窒素量3㎏+穂肥3㎏)*但し、品種や作型、肥料配合成分等によって差異ある場合がございます。ご不明時はJAまでご相談下さい。
(元肥)は標準量
(*下表施肥設計書参照)で多施用は禁止!(倒伏や食味低下の原因に)
(穂肥)で加・減の調整しましょう。(天候及び生育状況を勘案して)
(穂肥施用量の決定法)
(高温)時は多めに(スタミナ切れによる白未熟粒シラタ乳白米防止のため*下図表参照) ②曇雨天(低温)時は少なめに(特に「コシヒカリ」は倒伏防止のため)
①猛暑
2.元肥一発(穂肥成分入り)肥料使用時のポイント
標準量
(*下表施肥設計書参照)の施用が基本(多いと倒伏や食味低下の原因になるので注意する!少ない場合は穂肥時に追肥が可能でリカバーできる)
①猛暑(高温)時は、一発肥料でも追肥(穂肥時期)が必要(スタミナ切れによる白未熟粒シラタ乳白米防止のため*下図表参照) ②曇雨天(低温)時は追肥無しでそのままで良い(特に「コシヒカリ」は倒伏防止のため)
3.ケイ酸や微量要素入の肥料、資材の施用で、どんな天候にも大丈夫な稲体づくりと地力増進向上効果あり!
ケイ酸加里質の穂肥「穂肥エース244号」の施用が 一石二鳥 で効果的!また、ケイ酸入土壌改良材「粒状ケイカル」
「マルチサポート」
「BMようりん」
「農力アップ」
「フミンPS」
「硫マグ」等の活用でさらに地力増進向上!
ケイ酸や微量要素の効果は ①細胞壁を厚短桿化させ倒伏防止②受光態勢の改善による登熟向上③病害虫抵抗力向上④アミノ酸形成・食味向上等々あり、どんな天候にも負けない良質米生産の最重要素となります。
【乳白米とは?】
1.白未熟粒は登熟期の高温による佅へのデン
プン蓄積が不十分になることにより引き起こ
される現象です。
2.乳白米(白未熟粒)は胚乳全体が白くなる
乳白粒と一部が白くなる基部未熟粒(背白粒
や基白粒)に分かれます。
3.乳白粒は佅数が過剰なときに多く発生し、
基部未熟粒は登熟期の窒素栄養不足により増
えます。
乳白粒
心白粒
基部未熟粒
【乳白米の発生原因は?】
1.乳白米の発生には、出穂前後の高温(27度
以上20日間が目安)が大きく影響します。
2.良食味米生産のため窒素施肥を控えること
が登熟期の稲体疲労と栄養不足(スタミナ切
れ)を招き、結果的に乳白米を助長する原因
になります。
3.また近年、ケイ酸質資材など土づくり肥料
の散布が十分なされていないことも乳白米発
生を助長する原因になります。
腹白未熟粒
【乳白米を防ぐためには?】
1.乳白米の発生を防ぐためには、稲を高温に
さらさないようにすることや、登熟期の稲体を
健全に保ち、光合成を盛んにして佅へのデン
プンの蓄積を促進することが対策の基本です。
2.そのためには、作期、栽培管理、土づくり、施
肥など稲作の基本技術を励行することが必要です。
3.肥料との関係では、ケイカルなどの土づくり
肥料の散布や生育後半の葉色を落としすぎない
こと(食味低下に注意)が重要なポイントです。
【乳白米を発生させない施肥の考え方】
1.白未熟粒は登熟期の高温による佅へのデン
プン蓄積が不十分になることにより引き起こ
される現象なので、登熟期間に十分に光合成
を行えるように窒素栄養を維持することが重
要です。
2.そのためには、穂肥を適切に施すとともに、
地力の維持向上に努める必要があります。
%型体系
有機一発 標準タイプⅠ 標準タイプⅡ
② 有機配合「彩」いろどり100日タイプ
(11 − 7 − 7)
(元肥) 塩 加 燐
(14 − 14 − 14)
6.6
4.2
4.2
10.7
5.6
10.7
30㎏
(3.0㎏N)
−
30㎏
(3.0㎏N)
−
40 45㎏
(6.0∼6.75㎏N)
45㎏
(6.3㎏N)
33㎏
(6.6㎏N)
60㎏
(3.6㎏N)
8月
−
(穂肥)N K 化 成 C 6 号
(17 − 0 − 17)
−
40㎏
(5.6㎏N)
−
40㎏
(5.6㎏N)
(元肥) け や き 化 成 444
(14 − 14 − 14)
10.04
7.08 10.78
−
6.0
5.0
② 彩の米専用 584(中生用)
10.05 12.06
(15 − 18 − 14 − 3)
9.38
種まき 田植 分株 中干し 穂肥 出穂
%型
5.1
−
刈取
※高温時は掛け
流し冷却が有効
早期落水禁止(胴割米原因対策!)
(落水)出穂後30日目安
●元肥
●穂肥
●元肥
20㎏
−
(3.4㎏N)
●穂肥
稲体強化の主成分。ケイカル、ようりん、マルチサポート等の
②ケイ酸資材投入
土壌改良剤利用が効果的
(稲体強化策!)
③深耕
15cm深耕 、 根張量増進拡大 、 基礎体力向上。
(根張量拡大増進策!)
コシヒカリ作付時でも、5月10日以降∼の遅植により高温登
④遅植
(コシでも5/10以降植を!) 熟期の回避!
高温登熟期のコシヒカリから→中、晩生品種(高温耐性品種「彩
⑤品種変更
(コシ→中晩品種へ!) のきずな」等)への品種変更による高温登熟期の回避を!
シラタ白未熟の発生原因は、猛暑下の稲体疲労(夏バテ)と栄
養失調スタミナ切れ。対策は充分な栄養(穂肥)の施用。猛暑
⑥適正穂肥
(猛暑時は少し多めに!)時は一発肥料使用でも、肥切不足し、追肥(穂肥)必要な場合
もある。
⑦水管理
(早期落水絶対禁止!)
⑧適期刈取
(若干早刈を!)
−
●元肥一発
−
−
●元肥一発
−
−
●元肥一発(低コスト安価(低 PK)一発肥。PK 過剰田向) て下さい。
−
− ●動植物質有機100%、代掻き10日前までに施用
して下さい。(葉色板でチェック)
PK 不足の場合には、過石、ヨーリン、塩加で補っ
− ※食味向上剤(NPK 無し) ●中干しから穂肥前に散布する
30㎏
(2.4㎏N)
●穂肥
− ●有機50%+化成50%配合の元肥一発型
−
− ●有機56%+化成44%配合の元肥一発型
−
−
−
●元肥
30㎏
(5.1㎏N)
−
−
若干の早(若)刈フレッシュ刈を!(刈遅れは胴割米や茶米で
格下要因)
・葉色が極端に落ちた場合は状況に応じて追肥
−
−
左図参照。幼形期∼出穂∼糊熟期後期 は絶対湛水。早期落水
絶対禁止。落水目安は出穂後30日から!
2.穂肥について(下記参照)
(コシヒカリ)
植 付 期
出穂期(近年)
5月1日
7月21∼25日頃
5月10日
8月1∼2日頃
穂肥の時期(出穂 18 日前=幼穂長8∼ 15 ミリ(1 ∼ 2 ㎝頃 )葉色 4.0 以下)
➡
7月3日∼7日頃(5月1日植)
・葉色板、デンプンヨード反応などと、天候、生育条件に
より、時期決定する。(葉色板でチェック)
−
−
具体策
稲ワラや完熟堆肥鋤き込みを!(稲ワラ堆肥に含まれる「腐食
水田にメンテナンスする
浅水
25 30㎏
(3.0∼3.6㎏N)
項目(要約)
酸」の増加が、肥持ち良くし、収量、品質向上させる。「農力アッ
①土づくり
(稲ワラ鋤込増で品質向上!)プ」「ワラブレンド」の利用で腐熟促進と微量要素補給で肥沃
●穂肥
●元肥
37㎏
(4.44㎏N)
●穂肥
完全有機肥料 100%体系。※硫マグ(速効性苦
土(Mg マグネシウム)
)は食味向上に寄与する
食味改良向上剤(NPK 無し)
葉色落ちる場合、状況に応じて特栽米県基準が
化成 N 使用 3.0 ㎏までなので、有機N使用は
無制限のため「有機 100%アグレット 816」号
で追肥して下さい。
(葉色板でチェック)
晩生種
(彩のかがやき・日本晴)
出穂期(過去 10 年平均日)
植 付 期
5月 10 日
8月 10 ∼ 13 日頃
穂肥の時期(出穂 20 ∼ 23 日前=幼穂長2∼3ミリ(0.2 ∼ 0.3 ㎝頃)葉色 4.0 以下)
7月 20 日前後頃
中生種
(彩のみのり)
高温にやや弱い
(シラタ、胴割多くなる)
出穂期
植 付 期
8月5日前後
5月 10 日
穂肥の時期(出穂18∼20日前=幼穂長2∼10ミリ(0.2∼1㎝頃)葉色4.5以下)
・葉色板、デンプンヨード反応などと、天候、
生育条件により、時期決定する。
−
−
●元肥一発(特に彩のかがやき等の晩生種に適する肥効) て下さい。(葉色板でチェック)
67㎏
(10.05㎏N)
−
−
●元肥一発(彩のきずな等の中生種に適する肥効)
90㎏
(5.4㎏N)
−
−
●元肥
2.01
有機
有機一発
良食味︵特栽米︶
6.7
−
−
1.高温障害 ( 白未熟粒シラタ、胴割米)軽減
防止対策8つのポイント
50㎏
1.0
(10.0㎏N)
(元肥)
アグレットオール有機 673 号
(6 − 7 − 3 − 1)
※硫マグ(苦土+微量要素) 8.6
−
10月
−
穂肥エース 244(ケイ酸入)
(穂肥)
(12 − 4 − 14)
① 晩 生 用 M コ ー ト H020
10.0
(20 − 12 − 10 − 2)
−
9月
(コシの場合)平年日(近年)
(N窒素量)
㎏N
20㎏
−
※(0㎏N)
75㎏
(6.0㎏N)
60㎏
−
(6.6㎏N)
安 1 号
※一発型
普通︵化成︶栽培
※
①又は
②の
いずれか
7月
深水
有機
良食味︵特栽米︶
彩のきずな等の中生種・彩のかがやき・日本晴など晩生種の基準
※
①又は
②の
いずれか
(元肥)
苦土塩加燐安マップ 005 号
(10 − 20 − 15 − 5)
6.0 6.6 7.0 7.2 8.0 8.7
1.5
(穂肥)
穂肥エース 244(ケイ酸入)
(12 − 4 − 14)
(元肥)
苦土塩加燐安マップ 005 号
(10 − 20 − 15 − 5)
6.4
6.0
7.9
1.5
(穂肥)N K 化 成 C 6 号
(17 − 0 − 17)
① ★コ シ ス ー パ ー キ ン グ
6.0 6.75 7.2 8.1 6.4 7.2
−
(15 − 18 − 16)
② ★M コ ー ト 4 0 0 G
6.3
4.5
4.5 0.45
(14 − 10 − 10 − 1)
③ ★JA低コスト一発 088 号
6.6 2.64 2.64
−
(20 − 8 − 8)※ 15 ㎏袋
(元肥)
アグレットオール有機 673 号
(6 − 7 − 3 − 1)
※硫マグ(苦土+微量要素)
6.0
4.5
3.6
5.6
(0 − 0 − 0 − 25)
アグレットオール有機 816 号
(穂肥)
(8 − 1 − 6)
①有機一発ひとふりくん 888
6.0
6.0
6.0 0.75
(8 − 8 − 8 − 1)
※一発型
③の
いずれか
Mg 苦土
(N窒素量)
㎏N
6月
深水
K
穂
肥
P
追
肥
元
肥
N
5月
(落水)間断灌水
標準タイプⅠ 標準タイプⅡ
コ シ ヒ カ リ ・ あ き た こ ま ち 等 早 生 種 の 基 準
普
︶ 栽
通
︵化
成 培
②又は
4月
肥 料 名
①又は
出穂期に適切な
窒素量を維持す
ることが乳白米
を防ぐことにつ
ながる
作期と施肥時期と水管理法(コシの場合)
成 分 量(㎏)
(N%−P%−K%−苦土
(Mg)
%)
※
2014年
2015年
(稲体養分在存値)
施 肥 量(10a当り)
1袋当り含有量%
出穂後20日間平
均気温が27℃以
上になると乳白
米が発生しやす
くなる
5.9
20㎏
−
※(0㎏N)
(穂肥)
アグレットオール有機 816 号
−
(8 − 1 − 6)
−
有 機 こ め 一 発 999 晩 生 用 6.93 6.93 6.93
77㎏
(県特栽米基準化成5割減の場合)
(9 − 9 − 9)
−
葉色が極端に落ちた場合は状況に応じて追肥し
「彩のかがやき」について
− ※食味向上剤(NPK 無し) ●中干しから穂肥前に散布する
40㎏
(3.2㎏N)
中生種「彩のきずな」について……
キヌヒカリ代替の県奨励の新品種。作期、肥培管
理、刈期はキヌヒカリとほぼ同じ。高温にやや強。
県奨励の晩生種
特長は「良食味の晩生種」
●穂肥
●元肥一発(有機57%+化成43%)配合
作期、肥培管理などは「日本晴」とほぼ同じ。(刈期
は同じ∼+7日)高温にやや弱い(シラタ多くなる)。
※ 前作の稲ワラ等の残査が5∼6月中に、土中でガスを発生させます。稲の生育が抑制されますので年内 12 月 に稲ワラ腐熟促進微量要素土改良剤「スーパーワラブレンド」又は「農力アップ」の散布、耕起
をお奨めします。
(推肥成分「腐食酸」増加し、肥持良くし、収量、品質向上させる)
※ 微量要素(ケイ酸 , 苦土(= Mg マグネシウム), ミネラル分)の施用により食味品質向上、良質米作りに「マルチサポート」
「硫マグ」などの散布をお奨めします。
※ 種子更新100%=品質向上とJA米比率向上に皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます!
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