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コチラ(PDFデータ)
グラントワ・カンタートに寄せて 日本語は私たちの母語です。あなたも私も意識下で常にその母語で考え、感じ、 行動しています。それは「うた」っていることなんだ、と思うことはありません か?ときに口からでまかせのハミングをしたり、声を出して泣く声にメロディ があったり、いろんな場面であなたも私もうたっているのです。その原生のうた うた を、他の人に伝え、共に語りかけようとして合せる唱が生まれます。そこには美 しい母語が必要です。これまで多くの方が、美しい日本語について研究し語られ てきました。しかし、合唱曲では多くの指導者が努力を重ねてこられましたが、 今回のような日本語に特化したレクチャーを合わせたコンクールは初めてです。 ひとつの新しい流れのはじまりです。 グラントワのある目の前は日本海。ユーラシア大陸の東の国々と向かい合って います。向こう三軒両隣、仲良く助けあうのが昔からある人情ですね。今回は向 こう三軒から二軒、ロシア、中国から若い合唱団が訪ねて来ます。温かくお迎え しましょう。そして、彼らの母語を聞き、私たちの母語を聞いていただきましょ うた う。硬いこころを柔らかくするには話し合いが大切、言葉が理解できなければ唱 を通じあえば必ず友情が芽生え、こころ柔らかくなります。 「観るも良し歌うも良し」のグラントワ・カンタートに、ぜひこころと体をお運 びください。素敵な空間と人々がお待ちしています。 総合プロデューサー いわみ芸術劇場芸術監督 栗山文昭