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平成27年7月1日 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 燃料
平成27年7月1日 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 燃料電池推進室 室長 戸邉 千広 水素エネルギー利活用の意義 【水素エネルギー利活用の意義】 【水素エネルギー利活用の形態】 ①省エネルギー 燃料電池の活用によって高いエネルギー効率が可能 ②エネルギーセキュリティ 水素は、副生水素、原油随伴ガス、褐炭といった未利用 エネルギーや、再生可能エネルギーを含む多様な一次エ ネルギー源から様々な方法で製造が可能であり、地政学 的リスクの低い地域からの調達や再エネ活用によるエネ ルギー自給率向上につながる可能性 ③環境負荷低減 産業ガス 従来 産業ガスや 特殊用途 燃料電池自動車 (FCV) 2009年市販開始 2014年市販開始 エネルギー 利用本格化 FC:燃料電池 将来 日本の燃料電池分野の特許出願件数は世界一位である 等、日本が強い競争力を持つ分野 家庭用燃料電池 (エネファーム) 現在 水素は利用段階でCO2を排出しない。さらに、水素の製 造時にCCS(二酸化炭素回収・貯留技術)を組み合わせ、 又は再エネを活用することで、トータルでのCO2フリー化 が可能 ④産業振興 ロケット燃料 FCフォークリフト FCバス 水素発電・業務用FC 多様な 用途 水素ジェット航空機 FCスクーター ポータブルFC FC鉄道車両 1 水素社会実現に向けた対応の方向性 フェーズ1(水素利用の飛躍的拡大):現在~ 足元で実現しつつある、定置用燃料電池や燃料電池自動車の活用を大きく広げ、我が国が世界に先行する 水素・燃料電池分野の世界市場を獲得。 フェーズ2(水素発電の本格導入/大規模な水素供給システムの確立):2020年代後半に実現 水素需要を更に拡大しつつ、水素源を未利用エネルギーに広げ、従来の「電気・熱」に「水素」を加えた新た な二次エネルギー構造を確立。 フェーズ3(トータルでのCO2フリー水素供給システムの確立):2040年頃に実現 水素製造にCCS(二酸化炭素回収・貯留)を組み合わせ、又は再生可能エネルギー由来水素を活用し、 トータルでのCO2フリー水素供給システムを確立する。 フェーズ1 2020年 東京オリンピックで 水素の可能性 を世界に発信 2030年 2040年 2017年 家庭用燃料電池に加え、業 務・産業用燃料電池を市場 投入 2020年頃~2020年代半ば 燃料電池車の普及拡大を 促進する水素価格・車両価 格の実現 フェーズ2 フェーズ3 開発・実証の加速化 水素供給国との協力関係の構築 2020年代後半 海外からの水素供給システム 確立 2030年頃 水素発電の本格化 水素供給体制の構築見通しを踏まえた 計画的な開発・実証 2040年頃 CO2フリー水素供給システム確立 2 燃料電池自動車(FCV)の普及・拡大 FCV普及 + 水素ステーション整備 → 双方に同時に取り組む必要 ①燃料電池自動車の導入支援 ①水素ステーションの整備補助 • FCVの市場投入に先行し、水素S Tの整備費用の一部を補助 • 初期需要創出の観点から、FCVの 量産効果を下支えする導入補助 ②燃料電池等の技術開発 • FCVの低コスト化、高耐久化に向け て、燃料電池・水素タンクの技術開 発等を促進 高速道路へも配置 合計100箇所程度 ②低廉な水素ステーションの開発等 • 圧縮機や蓄圧機等の構成機器の 低コスト化に向けた技術開発 • 移動式STの活用 ③規制見直し ③海外展開に向けた制度整備 • 世界統一基準と国内法令の調和や、 相互承認を推進 <4大都市圏中心> FCV市場投入 水素ステーション集中配置 • 高圧ガス保安法等の規制について、 欧米の規制を参考にしつつ、圧力 容器の設計基準、使用可能鋼材 の制約等を見直し 3 日本全国の水素ステーションの整備状況 全国:81箇所(開所:23箇所) 首都圏:37箇所 東京都 中京圏:20箇所 愛知県 静岡県 三重県 岐阜県 名古屋市④② 岡崎市 刈谷市② 豊田市② 安城市 日進市 清須市 みよし市 豊橋市 浜松市 津市 四日市市 羽島郡 北部九州圏:12箇所 福岡県 山口県 佐賀県 大分県 福岡市③① 北九州市② 大野城市 古賀市 糟屋郡 周南市 佐賀市 大分市 関西圏:12箇所 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 徳島県 大津市 京都市 大阪市③① 茨木市②① 泉南郡 尼崎市 徳島市 千代田区 港区 江東区② 目黒区 大田区①① 杉並区 荒川区 板橋区 練馬区 八王子市 埼玉県 さいたま市②② 川越市 春日部市 狭山市 越谷市 戸田市 千葉県 千葉市 松戸市 成田市 八千代市 印旛郡 神奈川県 横浜市④② 相模原市 藤沢市 伊勢原市 海老名市 山梨県 甲府市 ※ 赤字は移動式 (2015年6月末現在) 4 諸外国の水素ステーション整備状況 国内外の商用水素ステーションの整備状況(日本が先行) 日本 23箇所が開所、58 箇所が整備中 別途、再生エネル 整備状況 ギー由来の小型水 素ステーションとし て4箇所が整備中 2015年度中に100 箇所程度 (参考) 整備目標 米国 欧州 韓国 カリフォルニア州: 実証ステーション8箇 所のみ、51箇所を整 備中 ドイツ: 15基が開所※、23箇 所を整備中 13箇所が開所※ カリフォルニア州: 2016年末まで68箇所 2024年までに100箇 所 ドイツ: 2015年までに50箇所 2017年までに100箇 所 2023年までに400箇 所 2015年までに43基 2020年までに168基 ※ ドイツ及び韓国の開所済みの水素ステーションについては、商用ステーションか、実証ステーションかが不明。 5 パッケージ型や移動式水素ステーション等の活用 パッケージ型水素ステーション 移動式水素ステーション 従来型の水素STと比べて、コスト/設置 面積を低減可能 固定式の水素STが設定されていない地域 への水素供給が可能 販売価格:2.5億円未満(パッケージ機器のみ) 設置面積:12.8㎡ ST面積: 560㎡(モデルケース) 販売価格:2億円~(機器のみ)+運送用トラック 設置面積:14㎡ ST面積: 150㎡(モデルケース) [出典]神戸製鋼所 [出典]大陽日酸 6 水素ステーションに関するこれまでの規制見直し 1.天然ガススタンドとの併設が可能へ(平成26年4月) 既存の天然ガススタンドとの併設により、建設及び運用コストが削減。 併設が 可能に 2.水素充塡用ノズルの軽量化へ (平成26年10月) 3.水素スタンドに設置する蓄圧器の材質 を鋼製から複合材料(炭素繊維)へ (平成26年11月) 安全係数の緩和の手続き簡素化により、重量の半減 が可能に。 炭素繊維の使用により、1/3程度のコスト削減。 重量約 半減 コスト 削減 安全係数:4倍 重量4.7kg(国産) 安全係数:3倍 重量:1.9kg (国産) 安全係数:2.4倍 重量:2.8kg (ドイツ製) 7 次世代エネルギー供給インフラとしての魅力の向上 水素ステーションを活用した燃料電池自動車の新たな需要創出等について支援 <新規需要創出活動補助のスキーム> 補助率 2/3 補助上限額 2,200万 円 補助 国 項⽬ 執⾏団体等 インフラ事業者 主な活動例(想定) ①水素供給設備の利便性確保 に必要な活動 ガソリンスタンドと遜色ない営業日数の確保 FCVに関するユーザーからの情報収集(車両関連の質問等) 移動式ステーションに対するユーザー反応の情報収集 等 ②潜在的なユーザーに対する 広報、需要喚起活動 水素充填デモンストレーション FCV試乗会 水素ステーションの見学・体験会 受容性、認知度に関するユーザーアンケート調査 広報活動(ビラ・チラシ、基礎知識に関するパネル展示) 等 8 水素ステーションの整備に係る新たな目標の検討 「水素・燃料電池戦略協議会」において中長期的な目標策定に向けた検討を開始。 自動車メーカーの販売計画 トヨタ FCV生産見込み台数: 2015年 700台 2016年 2,000台 2017年 3,000台 トヨタ MIRAI 日産 早ければ2017年に FCVを発売予定 ホンダ 2015年度中にFCV の販売を目指す 日産 TeRRA(テラ) ホンダ FCVコンセプト 水素ステーションの優先整備箇所の特定イメージ 関西圏 水素STの水素供給能力 乗用車の販売台数密度 中京圏 北部九州圏 + 水素製造・調達拠点 からの距離 ユーザーの許容可能な 水素STまでの距離 ・ ・ ・ FCVの 航続可能距離 ※四大都市圏の中でも水素STの空白地帯が存在 水素ステーションの優先整備箇所の特定 首都圏 9 ご静聴ありがとうございました 水素エネルギーナビ http://hydrogen‐navi.jp/ 10