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簡便な「影が空中に浮く」装置の製作

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簡便な「影が空中に浮く」装置の製作
簡便な「影が空中に浮く」装置の製作
青森・野呂茂樹
091「影が色づく」(http://sky.geocities.jp/noroshigeki3/ )の続編です。
照明を落としただけの明るい部屋でも観察でき、
小型で持ち運びが容易で、赤青めがねでも偏光め
がねでも、動く物体の影絵が空中に浮遊するのを
スクリーン
3次元の像
影
観察できる装置を紹介します。
この装置は、左右の目の視差を利用して、専用の
物体
フィルターを通った2つの点光源からの光で物体
立体視用専用
めがね
の影をスクリーンに2つ投影し、これを専用のめが
ねで観察すると影が空中にとび出して見えるよう
にしたものです。吊り下げられた物体を動かすと、とび出した影は空中を浮遊するように見えます。
フィルター
光源装置
吊るされた物体
木板
2種のスクリーン
・この装置の材料はホームセンターや教材店で安価に購入できるものばかりで、工作も極めて容易です。
「つくり」
【装置全体】 前頁
『光源装置』
*単1電池4個と 4.8V-0.75A の豆電球 2 個がプラケースに入っている。この光源は非常に明るいので、
暗室でなくとも「立体影絵」の観察ができる。豆電球の前に専用のフィルター(赤青セロファン/光の
通す軸方向が直交した 2 枚の偏光板が貼られた透明板)を挿し込むことができるようになっている(写
真左)
。
*光源としては、高輝度LEDを用いた懐中電灯やペンシル型のライトも利用できる(写真右)。
【フィルターと専用めがね】
フィルターは、赤青セロファンが左右に貼られた透明プラ
板のものと、偏光の軸が直交する向きの2枚の偏光板が貼ら
れた透明プラ板のものが用意されている。これに対応して専
用めがねもフィルター同様に、紙枠に赤青セロファンが左右
に貼られたもの(反射光用と透過光用では赤青の位置が逆に
なっている)、偏光の軸が直交するように2枚の偏光板が貼られたものが用意されている。
【スクリーン】
スクリーンは、反射光用のものと透過光用のものとの2種類用意されている。反
射光用のものは厚紙にカラーペイイント(シルバー:ダイソー)が塗布されており、
赤青の光にも偏光にも対応できる。透過光用のものは半透明なプラ板でできている。
透過光用スクリーンの上に反射光用スクリーンがマジックテープで留めているの
で容易に着脱でき、目的のスクリーンを使用できる。
反射光用スクリーン
下に透過光用スクリーン
【使い方】
この装置では、赤青の2つの光を用いての反射光と透過光の場合と偏光を用いての反射光の場合との
計3通りの「立体影絵」を観察できる。
(1) 赤青の2つの光を利用する/反射光の場合
① スクリーンを反射光用のものにする。
② 豆電球の前に専用のフィルター(赤青セロファン)を挿し込み、光源装置のスイッチを入れる。
③ スクリーンに物体の赤青の影が映し出される。
④ この影を専用の赤青めがねで見ると、膨らみのある影が空中に浮遊しているのを観察できる。
ここに「立体影
空中に浮いて見える
絵」が見える
(2) 赤青の2つの光を利用する/透過光の場合
① スクリーンを透過光用のものにする。
② 光源装置のスイッチを入れる。
③ スクリーンに物体の赤青の影が映し出される。
④
この影をスクリーンの裏側から専用の赤青めがね(反射光のときとは赤青の左右を変えたもの)で
見ると、膨らみのある影が空中に浮遊しているのを観察できる。
ここに「立体影
空中に浮いて見える
絵」が見える
(3) 偏光を利用する場合
① スクリーンを反射光用のものにする。
② 豆電球の前に専用のフィルター(軸が直交した 2 枚の偏光板が貼られた透明板)を挿し込み、光源
装置のスイッチを入れる。
③ スクリーンに物体の 2 重の影が映し出される。
④ この影を専用の偏光めがねを通して見ると、膨らみのある影が空中に浮遊しているのを観察できる
(赤青めがねを用いたときより、よりシャープな影を見ることができる)
。
空中に浮いて見える
【参考文献】
・ 坂根巌夫『とび出す立体影絵』~「新あそびの博物誌」
朝日新聞社
・ 越市太郎『迫力の3D!』~「YPCニュースNo.188」
(横浜物理サークル)」
越先生からは、いろいろと情報提供いただきました。あり
がとうございました。
*平成 20 年度東レ理科教育賞奨励賞を受賞しました。
ここに「立体影絵」
が見える
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