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埼玉県推進基本計画(案)

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埼玉県推進基本計画(案)
【 資料 】
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会
ラグビーワールドカップ 2019
埼玉県推進基本計画(案)
2016 年 5 月
2020 オリンピック・パラリンピック
/ラグビーワールドカップ 2019
埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画の位置づけ及び構成
本県は、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会においてオリンピックで4競
技、パラリンピックで1競技が開催される予定である。
また、ラグビーワールドカップ 2019 についても埼玉県と熊谷市が開催都市の1つに決定
している。
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカップ 2019
(以下「両大会」
)に向けて、本県では 2015 年 11 月、県内の自治体、企業、大学、各種団
体等で構成される「2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼
玉県推進委員会」(以下「埼玉県推進委員会」)を発足させ、開催に向けた準備を進める体
制を整備した。
埼玉県推進基本計画は、基本理念やビジョンの実現に向けて、官民を問わず一体となっ
て取り組むべき基本的な事項と方向性についてまとめたものである。
今後、本推進基本計画をもとに各分野において具体的な実施内容の検討を進めるととも
に、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下「東京 2020
組織委員会」
)並びに公益財団法人ラグビーワールドカップ 2019 組織委員会(以下「RWC2019
組織委員会」
)との連携強化、そしてより多くの県民や関係者の参画を促しながら着実に準
備を進めていく。
【本計画の位置づけ(イメージ)
】
実施計画
基
本
理
念
・
ビ
ジ
ョ
ン
推
進
基
本
計
画
基 本 理 念 や ビ ジ ョ ンの
実 現 に 向 け た 基 本 的な
事項と方向性を規定
事
業
実
施
ラ
グ
ビ
ー
ワ
ー
ル
ド
カ
ッ
プ
2
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1
9
東
京
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オ
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ピ
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ク
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パ
ラ
リ
ン
ピ
ッ
ク
大
会
後
の
レ
ガ
シ
ー
へ
推進基本計画の具体化
として各分野で詳細な
実施計画を策定
1
本計画は、次の 6 項目で構成する。
Ⅰ 開催概要・計画の背景
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の本県開催競技並びにラグビーワ
ールドカップ 2019 の概要について記載するとともに、本推進基本計画策定の背景とし
て本県スポーツのポテンシャルや本県を取り巻く環境の変化動向、オリンピック・パラ
リンピックやラグビーワールドカップの効果等についてまとめたもの。
Ⅱ 基本理念・ビジョン
両大会の開催に向けて掲げた基本理念とビジョン。
Ⅲ 両大会に向けた埼玉県推進委員会の取組 ~価値あるレガシーを残すために~
基本理念・ビジョンに基づき、開催準備を通じて大会後も価値あるレガシーが残せる
よう取り組む事項と方向性をまとめたもの。
「レガシーとは」
オリンピック憲章には国際オリンピック委員会(以下「IOC」
)の役割として「オリン
ピック競技大会のよい遺産(レガシー)を開催国と開催都市に残すことを推進すること」
と規定されており、IOC によればレガシーとは「長期にわたる特にポジティブな影響」
とされている。
1964 年東京オリンピックでは、新幹線や高速道路の開通など、インフラ整備を中心に
様々なレガシーが残された。
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会に向けては、東京 2020 組織委員会
が大会前から計画的にアクションに取り組み、各分野でハード・ソフトの両面にわたる
レガシーを創出することで、次世代の日本社会の姿を子供たちに示すことを目指すとし
ている。
また、RWC2019 組織委員会においても大会開催後のレガシー創出に向けた取組を計画
的に推進するとしている。
Ⅳ キャンプ誘致ビジョン
「両大会に向けた埼玉県推進委員会の取組」の一部ではあるが、スポーツ振興や地域
振興として期待の大きいキャンプ誘致に関して基本方針と方向性をまとめたもの。
Ⅴ 推進体制とスケジュール
本推進基本計画を推進するための推進体制とスケジュールについて記したもの。
Ⅵ その他
本推進基本計画に取り組むために必要な附属資料。
2
目
I.
次
開催概要・計画の背景
1. 開催の概要
1.1 東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会
……6
1.2 ラグビーワールドカップ 2019
……7
2. 計画の背景
2.1 全国に誇る本県スポーツのポテンシャル
……9
2.2 本県を取り巻く環境の変化動向
……12
2.3 オリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップの効果 ……14
2.4 両大会に向けて
……14
II. 基本理念・ビジョン
1. 基本理念
……16
2. ビジョン
……17
III. 両大会に向けた埼玉県推進委員会の取組
〜価値あるレガシーを残すために〜
1.スポーツの多様な可能性の実現
……21
2.世界に誇れるおもてなし
……27
3.先進的な取組の世界への発信と地域産業の活性化
……34
4.文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解
……36
5.ビジョンである「SAITAMA
……41
PRIDE」と組織委員会との連携
IV. キャンプ誘致ビジョン
1. 事前キャンプ誘致の意義と留意点
……44
2. 組織委員会の対応
……46
3. 事前キャンプ誘致の基本方針と方向性
……48
4. 誘致活動の手法
……49
V.
推進体制とスケジュール
VI. その他
……54
……60
3
I.開催概要・計画の背景
Ⅰ.開催概要・計画の背景
1.開催概要
1.1 東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会では、オリンピックでバスケ
ットボール、サッカー、ゴルフ、射撃の 4 競技、パラリンピックで射撃が埼玉県
内で開催される予定である。
その会場と日程は、以下の通り。
(IOC に提出した「立候補ファイル」より)
競技
【オリンピック】
バスケットボール
サッカー
ゴルフ
射撃
【パラリンピック】
射撃
会場
日程
さいたまスーパーアリーナ
埼玉スタジアム2○○2
霞ヶ関カンツリー倶楽部
陸上自衛隊朝霞訓練場
2020 年 7 月 25 日~8 月 9 日
2020 年 7 月 22 日~8 月 8 日
2020 年 7 月 30 日~8 月 8 日
2020 年 7 月 25 日~8 月 2 日
陸上自衛隊朝霞訓練場
2020 年 8 月 26 日~9 月 2 日
※バスケットボールの競技会場は立候補ファイル提出時は夢の島ユースプラザアリーナ B であったが、
その後の IOC 理事会でさいたまスーパーアリーナへの変更が承認された。
6
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅰ.開催概要・計画の背景
1.2 ラグビーワールドカップ 2019
ラグビーワールドカップは、夏季オリンピック、FIFA ワールドカップサッカー
に次ぐ三大国際スポーツイベントの一つで、2019 年に第 9 回大会が日本で開催さ
れる。
全国 12 開催都市で開催される予定で、埼玉県・熊谷市もその一つ。埼玉県内で
は熊谷スポーツ文化公園の熊谷ラグビー場が試合開催会場になっている。
熊谷ラグビー場は、この大会に向けて大規模改修する予定である。
■ ラグビーワールドカップ 2019 の大会概要
主催
ワールドラグビー
参加チーム
20 チーム
開催予定時期
2019 年 9 月 20 日~11 月 2 日(44 日間)
試合形式
全 48 試合
1)予選プール
:5 チーム×4 プール(プール内総当たり戦)40 試合
2)決勝トーナメント :準々決勝、準決勝、3 位決定戦、決勝 8 試合
試合会場
開催都市
試合開催会場
札幌市
札幌ドーム
岩手県・釜石市
釜石鵜住居復興スタジアム(仮称)
埼玉県・熊谷市
熊谷ラグビー場
東京都
東京スタジアム
神奈川県・横浜市
横浜国際総合競技場
静岡県
小笠山総合運動公園エコパスタジアム
愛知県・豊田市
豊田スタジアム
大阪府・東大阪市
東大阪市花園ラグビー場
神戸市
神戸市御崎公園球技場
福岡県・福岡市
東平尾公園博多の森球技場
熊本県・熊本市
熊本県民総合運動公園陸上競技場
大分県
大分スポーツ公園総合競技場
7
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅰ.開催概要・計画の背景
■ 熊谷ラグビー場
(主な改修内容)
・ 老朽化改修、スタンドの新設
・ 座席数
3 万席(うち仮設席 6 千席)
・ 照明設備、大型映像装置の設置
・ 工事施工期間
平成 28 年度~平成 30 年 8 月(予定)
8
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅰ.開催概要・計画の背景
2.計画の背景
2.1 全国に誇る本県スポーツのポテンシャル
(1)スポーツ王国としての環境・条件
本県は、多くの県民がスポーツに親しんでいる。特に子供たちに広く浸透し、
スポーツ少年団員の数は日本一である。各種スポーツを支えるスポーツボラン
ティア登録者数も日本一であるほか、国民体育大会の都道府県別順位も、常に
上位の成績を収めている。
また、首都・東京の都心や羽田・成田の両国際空港からのアクセスの良さ、1
年間の快晴日数は国内トップ(2013 年)であること、
「埼玉スタジアム2○○
2」
、
「さいたまスーパーアリーナ」等の国際レベルのスポーツイベントを開催
できる大型施設を有していることなど、各種スポーツの場として立地、環境、
施設面においても優れている。
(2)大規模スポーツ大会の開催による運営ノウハウの蓄積
近年、本県では多くの大規模スポーツ大会が開催されており(下表参照)
、
国際大会を含めた大規模スポーツ大会の運営ノウハウが蓄積されている。
■ 埼玉県の大規模スポーツ大会の開催実績
年
2002 年
2004 年
2006 年
2008 年
2011 年
2013 年〜
2014 年
2015 年
大会名
FIFA ワールドカップサッカー大会
第 59 回国民体育大会「彩の国まごころ国体」
第 4 回全国障害者スポーツ大会
FIBA バスケットボール世界選手権
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)
第 95 回日本陸上競技選手権大会
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
日本スポーツマスターズ 2014 埼玉大会
さいたま国際マラソン
会場
埼玉スタジアム 2○○2
県内各地
さいたまスーパーアリーナ
県内各地
熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
さいたまスーパーアリーナ及び周辺
県内各地
さいたま市内・越谷市内
(3)プロチーム・国内有数の実業団チーム
本県には、県内を本拠地とする 6 つのプロスポーツチーム(Ⅰ-1)の他、
国内トップレベルの実業団やクラブチームが数多く活動している。
2010 年にはそれらの主なチームが連携して「プライドリームス埼玉」※
を結成し、地域のスポーツ振興活動にも取り組んでいる。
※プライドリームス埼玉とは、
「スポーツで埼玉をもっと元気に!!」をキャッチフ
レーズに、埼玉県を代表するスポーツチームによって 2010 年 3 月に設立。浦和レッド
ダイヤモンズや埼玉西武ライオンズなど 9 チームが加盟。
(Ⅰ-1)
浦和レッドダイヤモンズ、大宮アルディージャ(J リーグ)
、埼玉西武ライオンズ(プロ野球パシフィック
リーグ)
、武蔵ヒートベアーズ(プロ野球独立リーグ・ベースボール・チャレンジ・リーグ)
、埼玉アストラ
イア(日本女子プロ野球リーグ)
、埼玉ブロンコス(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリ
ーグ)
9
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅰ.開催概要・計画の背景
主なチームの分布を下図で示す。
■ 埼玉県の主要なスポーツ資源(プロ・トップチーム)
(4)世界で活躍するトップアスリートの輩出
本県では、様々な国際大会で活躍する選手を数多く輩出しており、2015 年に
ロシアのカザンで開催された世界水泳選手権では、瀬戸大也選手や星奈津美選
手など本県ゆかりの選手が金メダルを獲得したほか、同年 11 月に開催されたさ
いたま国際マラソンにおける日本人トップの吉田香織選手も本県出身選手であ
る。
また、2015 年、全国大会で優勝した高校生・中学生は 129 人にのぼり、東京
2020 オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカップ
2019(以下「両大会」
)での若い世代の活躍も大いに期待できる状況にある。
東京 2020 オリンピック競技大会に向けては、埼玉県ゆかりの選手の日本選
手団に占める割合をできるだけ 20%に近づけられるよう国体など埼玉県代表と
して活躍しているアスリートのうち、オリンピック出場が期待できる選手を強
化選手に指定し、支援する取組を実施する。
さらには、障害者のスポーツにおいても東京 2020 パラリンピック競技大会に
向けて活躍できる選手を1人でも多く輩出できるよう才能ある選手を強化選手
として継続的に育成・強化する取組を実施する。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅰ.開催概要・計画の背景
(5)充実したスポーツ施設
先述した国際レベルのスポーツイベントを開催できる大型施設をはじめ、
各種競技のための高機能なスポーツ施設が県内各地に立地しており、
「スポー
ツ王国・埼玉」を支える基盤となっている。
■ 全国知事会のスポーツ合宿マッチングサイト「Sports Camp Japan」
埼玉県内登録施設
http://sportscamp.jp/
(2016 年 3 月末予定)
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅰ.開催概要・計画の背景
2.2 本県を取り巻く環境の変化動向
(1)急激な高齢化の進行と生産年齢人口の減少
本県の総人口は 2015 年頃にピークを迎え、その後、減少していくことが
見込まれている。
国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」)の推計によると、本県
の高齢者人口(65 歳以上)は 2010 年には 146 万人であるが、今後急速に高
齢化が進行し、2025 年にかけて約 50 万人増加(増加率 35%、全国 2 位)す
ると予想されている。特に 75 歳以上の高齢者数の増加率は 100%で全国 1 位
となる見込みである。
また、生産年齢人口(15~64 歳)も 2000 年の 501 万人をピークに減少が
始まっており、社人研の推計に基づくと 2040 年には 348 万人まで減少する
と見込まれている。
急激な高齢化に伴い医療費、介護費の負担が増大することから、その抑制
のために健康寿命延伸に向けたスポーツや健康・予防活動に、より多くの県
民が参加することが求められている。
また、生産年齢人口の減少と比例して就業者数が減少することになれば本
県の社会経済の活力低下は避けられず、女性やアクティブシニアなど潜在的
な人財の社会参加が重要になっている。
(2)経済を取り巻く社会環境の変化
本県では経済のグローバル化による競争の激化や生産年齢人口の減少と
いった厳しい社会環境の変化にさらされている。
こうした状況の中、各種産業の魅力と生産性をより一層、高めるとともに、
新たな成長を導く次世代産業や先端産業の創出、海外に目を向けた事業展開、
スポーツ・健康産業の創出や観光の一大産業としての確立など、社会環境の
変化に対応した取組が求められている。
(3)地域コミュニティの弱体化
高齢化や人口減少が進行する中、地域における人間関係の希薄化や地域コ
ミュニティの弱体化が指摘されている。
また人口急増県である本県は、県民の愛県心が薄い※といった調査結果も
ある。
地域の誇りや郷土愛の醸成、地域コミュニティの再生や創生を図るために
も、地域活動への参加につながるきっかけづくりや活躍の場づくり、また活
動の目的や目標の明確化など、県民や地域が一丸となって新しい取組に果敢
に挑戦し、支え合うことが求められている。
※リクルート 2010 年ご当地調査において、埼玉県は
・地元に愛着を感じるか
47 位 ・地元のおすすめ度 47 位
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅰ.開催概要・計画の背景
(4)環境・エネルギー問題と持続可能性
2011 年の東日本大震災に起因した原子力発電所の事故による電力不足という
現実に直面し、エネルギー問題、そして資源や環境の持続可能性について、県民
誰もが考えさせられた。
持続可能な未来を子供たちに引き継ぐためにも、エネルギー問題の解決やリサ
イクル、自然との共生など、県民一人ひとりの生活や産業活動を見直し、持続可
能性を考慮したライフスタイルや社会経済システムへの転換が求められている。
(5)大規模災害やテロの脅威
地球温暖化に伴う異常気象により、大規模な土砂災害やゲリラ豪雨、巨大台風
の到来など今までに経験したことのない新たな自然災害の脅威にさらされてい
る。
また、2015 年には、パリ同時多発テロのほか、アメリカのカリフォルニア州で
の銃乱射事件など、凶悪なテロ犯罪が全世界に拡散してきている。
県民等の安全・安心を確保するためにも、災害や大規模イベントにおけるテロ
の被害を未然に防止する対策とともに、不測の事態に備えたより実践的な訓練等
の実施が求められている。
(6)交通インフラと多言語・バリアフリー対応
本県は、2015 年 3 月に上野東京ラインが開通し、首都東京へのアクセスが向上
した。また、同年 10 月には圏央道県内全区間が開通し、東北自動車道や関越自
動車はもちろん、中央自動車道や東名自動車道が圏央道でつながり、我が国にお
ける交通の要衝として、一段とポテンシャルが高まった。
このポテンシャルを活かし、さらに県外・海外から人を呼び込むためにも、多
言語表記や Wi-Fi 整備、公共交通のバリアフリー化、幹線道路の整備等の取組が
求められている。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅰ.開催概要・計画の背景
2.3 オリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップの効果
オリンピック・パラリンピックは世界最大のスポーツ・文化の祭典として、ま
たラグビーワールドカップも三大国際スポーツイベントの一つとして多くの注目
と関心を集める大会である。
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカッ
プ 2019(以下「両大会」
)にはスポーツの持つ魅力を存分に伝える力があり、県民
のスポーツへの関心を高め、スポーツ人口やスポーツ関連産業の拡大を図ること
が期待できる。
さらに両大会には、県民に何らかの形で参加したい、関わりたいと思わせる求
心力があり、開催に合わせた人財育成や地域づくりなどの絶好の機会となる。
また、全世界から関係者や観戦客が来県することによる消費需要のほか、競技
会場や会場周辺の整備による雇用や県内企業受注機会の創出、世界に向けた先進
的取組や県産品の発信による海外展開など、本県経済の活性化も期待できる。
2.4 両大会に向けて
本県スポーツのポテンシャルを最大限に活かし、両大会を県下一丸となって成
功させることで、本県の国際的な評価、存在感を高める。同時に、障害者のスポ
ーツを含めた競技スポーツ基盤の更なる強化を図るとともに、県民のスポーツ・
健康への関心や、社会的・文化的活動への関心の高まりを捉え、各種取組の参加
人口の拡大や両大会の開催に焦点を合わせた目標設定などを行っていく。
また、開催準備と合わせ、選手や関係者、外国人観戦客等をもてなす環境の整
備、両大会の開催を契機とした本県の先進的取組の発信による新産業の創出や海
外を相手とした販路の開拓など様々な分野でレガシーを創出し、未来へと継承す
る。
14
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
II.基本理念・ビジョン
Ⅱ.基本理念・ビジョン
1.基本理念
埼玉県推進委員会では、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビ
ーワールドカップ 2019(以下「両大会」)という全世界が注目するビッグイベントの開催
に向けて、次の基本理念のもと、開催に向けた準備に取り組む。
オール埼玉による取組み
スポーツを通じたレガシーの創出
(1)オール埼玉の取組
県や市町村などの自治体や企業、大学、各種団体など、多様な主体が一丸と
なり、アスリートはもちろんのこと、多くの県民に参加・活躍いただく「オー
ル埼玉」体制で両大会を成功に導く。
(2)スポーツを通じたレガシーの創出
前回の東京オリンピック・パラリンピック競技大会は私たちに将来への夢や
希望、そして新たな時代への進化を体感させてくれた。
両大会においてもスポーツを中心に様々な施策に取り組み、埼玉の未来の発
展につながるレガシーを創出する。
1.
16
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅱ.基本理念・ビジョン
2.ビジョン
また、埼玉県推進委員会では両大会を本県が世界に向けて大きな飛躍を果たす絶好のチ
ャンスと捉え、2019 年、2020 年の目指すべき姿として次のビジョンを掲げる。
上記のビジョンに沿った展開の目指すイメージは次の通りである。
(1)スポーツの多様な可能性の実現




世界で活躍できる若手アスリートを育成する。
本県のスポーツ分野のポテンシャルを活かし持続的な地域振興につなげる。
世代や障害の有無を越えて、誰もがスポーツに親しむ環境をつくる。
高齢社会における健康増進などスポーツの役割を広げる。
(2)世界に誇れるおもてなし
 両大会で本県を訪れる人たちの心に残るおもてなしを実現する。
 県内各地でイベントを展開し、本県の多様な魅力を発信する。
 大会参加国の文化を理解し、ボランティアなどで国際交流を図る。
(3)先進的な取組の世界への発信と地域産業の活性化
 本県の先端産業やエネルギー政策の成果を世界に発信する。
 外国人観光客にとって魅力あるまちづくりを進め、リピートが見込める質
の高い観光を目指す。
 プロスポーツをはじめスポーツツーリズムの開発やスポーツイベントの誘
致などスポーツ関連産業を振興し、地域経済の活性化を図る。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
III.両大会に向けた埼玉県推進委員会の取組
〜価値あるレガシーを残すために〜
Ⅲ.両大会に向けた埼玉県推進委員会の取組
両大会に向けた埼玉県推進委員会の取組
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカップ 2019
(以下「両大会」
)に向けて、前章で掲げた「基本理念」と「ビジョン」に基づき、開催準
備等を通じて大会後も価値あるレガシーが残せるよう埼玉県推進委員会として取り組む事
項と方向性をまとめる。
取組は次の 5 つを柱とし、オール埼玉体制で推進していくが、ラグビーワールドカップ
2019 まであと 3 年、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会まであと 4 年とい
う期間を考慮し、具体的な取組について PDCA サイクルを活用しつつ東京 2020 組織委員会
や RWC2019 組織委員会の動き等に応じて、変更することも想定している。
(1)スポーツの多様な可能性の実現
世界で活躍する埼玉県出身アスリートの輩出
スポーツ関連産業の成長
スポーツによる地域の活性化
誰もが親しみを持って取り組める生涯スポーツの推進と健康長寿社会の実現
パラリンピックを契機とした共生社会の実現
(2)世界に誇れるおもてなし
世界からのお客をもてなす人づくり
誰もが快適に過ごせるまちづくり
安全・安心な埼玉県の実現
県外や海外に向けた埼玉県のイメージ向上と認知拡大
(3)先進的な取組の世界への発信と地域産業の活性化
先端産業創造プロジェクトの世界への発信
水素社会の構築とエネルギーの地産地消の実現
海外をターゲットとした地域産業の活性化
スポーツ関連産業の成長(再掲)
スポーツによる地域の活性化(再掲)
(4)文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解
埼玉県の文化芸術の力を結集し、次世代に継承される文化プログラムの実現
教育プログラムによるオリンピック・パラリンピック教育の推進
多様性を受け入れ尊重する多文化共生社会の実現
(5)ビジョンである「SAITAMA PRIDE」と組織委員会との連携
「SAITAMA PRIDE」の取組による県民の自信と誇りの醸成
組織委員会と連携した大会開催支援
20
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
1.スポーツの多様な可能性の実現
1.スポーツの多様な可能性の実現
スポーツには競技以外にも関連産業の育成や地域振興、健康増進など、様々な可能性が秘め
られている。これらの可能性を本県の高いスポーツポテンシャルを最大限活用して実現して
いくことを目指す。
この取組として、次の5つのレガシーに向けた具体的な取組の方向性を示す。
(1)世界で活躍する埼玉県出身アスリートの輩出
国際大会における本県出身アスリートの活躍は、多くの県民に夢や感動を与え
るとともに、郷土への誇りやスポーツへの関心、そして一人ひとりのチャレンジ
精神を高めることにもつながる。
埼玉県推進委員会では、両大会で活躍が期待される選手の育成強化を図るとと
もに、大会後も様々な国際大会で活躍できる選手を数多く輩出するための取組を
行う。
ア アスリートの育成強化
本県出身のアスリートが両大会に出場し、活躍できるよう有望選手を強化
選手に指定し、海外遠征や強化合宿等の費用を助成するとともに、選手の身
体能力を測定・分析し、トレーニングメニューを提供するなど、スポーツ科
学の知見を活かした支援を行う。
イ 次世代のアスリート発掘
スポーツ能力に優れた素質を持つ子供たちを組織的に発掘し、ジュニア期
からアンチドーピング教育を含め、発達段階に応じた適切な育成プログラム
を実施するとともに、関係団体と連携しながら一貫指導体制の整備を行う。
ウ
県内スポーツ団体の活動支援
本県のスポーツ団体の中には、事務局体制等が未整備で競技人口の拡大に
つながる取組を継続的に行うことができない団体も見受けられる。両大会の
開催を機に、ガバナリティや財政基盤の確立など各団体の自立した運営につ
ながる取組を支援する。
エ
子供たちの観戦支援
両大会で世界のトップアスリートを直に見ることで、視野の拡大と人間の
可能性、オリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップの精神等
を感じてもらうため、少しでも多くの県内の子供たちが両大会の試合を生で
観戦できるよう、資金的な応援体制の構築に向けて取り組みを進める。
21
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
1.スポーツの多様な可能性の実現
(2)スポーツ関連産業の成長
プロスポーツ王国である米国に比べて経済規模が小さい我が国のスポーツ関連
産業は、今後大きく飛躍する余地を残していると言われている。
両大会を機により多くの県内スポーツ関係者に「スポーツをビジネスにつなげ
る」という意識付けを行うとともに、本県のスポーツポテンシャルを最大限に活
用してスポーツ関連産業を本県経済の成長分野に押し上げる。
ア
県内プロチーム・実業団チームの魅力向上
県内のプロチーム等の更なる魅力向上と集客アップに向けて、注目度の高
いポスターの横にチームポスターを掲示するなど注目度を利用した周知活動
を展開するとともに、自治体や企業の厚生事業等への試合観戦の利用を促す。
また、
「プライドリームス埼玉」の活動について、子供たちのスポーツ教室
のみならず全ての年齢層に対する交流事業や、様々な地域行事への参加を促
すなど、地域との結びつきをより強固なものとする取組を積極的に支援する。
イ
県内スポーツ施設へのインバウンド※の取り込み
県内には様々な競技に対応した充実したスポーツ施設が数多く存在する。
ゴルフやサッカー、ラグビーなど本県で開催される競技の施設に加え、事前
キャンプ誘致等にも取り組み、各施設の知名度や付加価値の向上を図る。
また、外国人等にも利用しやすい環境として ICT 化や多言語表記の整備を
進めるとともに、アニメやゆるキャラ等を含めた地域の様々な観光資源とス
ポーツ施設を融合させたスポーツツーリズム※を推進する。
※「インバンド」とは
インバウンド(inbound)とは、外から入ってくる旅行、一般的に訪日外国人旅行を指す。
(JTB 総合研究所 観光用語集から)
※「スポーツツーリズム」とは
スポーツツーリズムは、スポーツを「観る」
「する」ための旅行そのものや周辺地域観光に加
え、スポーツを「支える」人々との交流、あるいは生涯スポーツの観点からビジネスなどの多目
的での旅行者に対し、旅行先の地域でも主体的にスポーツに親しむことのできる環境の整備、そ
してMICE推進の要となる国際競技大会の招致・開催、合宿の招致も包含した、複合的でこれ
までにない「豊かな旅行スタイルの創造」を目指すものである。
(スポーツ・ツーリズム推進連絡会議 スポーツツーリズム推進基本方針から)
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
1.スポーツの多様な可能性の実現
ウ スポーツ医科学の研究成果の実践と多様な新商品の開発
スポーツ医科学の分野では、各競技に効果的なトレーニング方法のほか、運
動と健康の関係や、栄養の取り方など様々な研究が進んできている。
運動能力を更に高めたい人、短時間で効果的な健康づくりを進めたい人など
様々なニーズに合わせ、これら研究成果の実践と商品化を目指す。
特に、健康づくりにおいてはデータを蓄積し、より効果的な健康管理に活
用することが期待されていることを踏まえ、ICT を活用した取組を積極的に
支援するとともに、パラリンピックを機に障害者や高齢者など運動機能に障
害を有する人でも安心して健康づくりに参加できるよう運動補助具の開発を
支援していく。
また、スポーツ栄養学に基づくアスリート向け弁当や、山ガールに代表さ
れる機能性を兼ね備えたファッションなど、幅広い分野でスポーツ関連ビジ
ネスにつながる新商品の開発も支援していく。
エ
プロチーム選手等の活用
県内で活躍する多くのプロ選手等は本県にとって貴重な地域資源である。
特に競技生活を終えた元選手は、各競技に精通しており、スポーツに関連
した様々なビジネスの経営者や助言者となり得る存在である。
これら元選手にセカンドキャリアの教育支援を充実させるとともに創業や
就業に向けた支援を行う。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
1.スポーツの多様な可能性の実現
(3)スポーツによる地域の活性化
スポーツによる地域の活性化に向けて、スポーツを通じた国際交流やスポーツ
イベントの誘致、街のにぎわいの創出など、様々な交流を促進する取組を進める。
また、それぞれの取組に当たっては、前述のスポーツ関連産業の成長に基づく
取組と関連付けながら進めていく。
ア
スポーツを通じた国際交流
県内スポーツ団体やプロチームなどが保有する人的ネットワークを最大限
活用して事前キャンプ誘致に取り組むとともに、政府が進める「ホストタウ
ン」※を活用し、文化や経済面も含めた海外との継続的な交流を目指す。
※「ホストタウン」とは
政府が、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、全国の自治体と大
会参加国・地域との人的・経済的・文化的な交流を図るとともに、スポーツ立国、共生社会の
実現、地域の活性化、観光等に資する観点から推進しているもの。ホストタウンは、
「経済財政
運営と改革の基本方針 2015」
(平成 27 年 6 月 30 日閣議決定)などの多くの政府決定において推
進することとされており、ホストタウンを通じ、オリンピック・パラリンピックの効果を東京
のみならず全国津々浦々まで波及させることが強く期待されている。
イ
スポーツイベントの誘致
地域のスポーツ熱の高まりや選手、地域、施設の知名度向上、海外や県外
からの参加によるにぎわい創出などを図るため、これまで培ってきた大規模
スポーツイベントの開催ノウハウを活用し様々なスポーツイベントの誘致に
取り組む。
これらのイベントにおいて、より強固な人的ネットワークを構築するとと
もに、スポーツツーリズムなどビジネスにつなげることを目指す。
ウ
にぎわい創出に向けたスポーツ施設の改修
スタジアムやアリーナ等のスポーツ施設の改修にあたっては、
「スマート・
ベニュー」※の概念を導入し、試合が無い日でも恒常的に人々が集い、交流
することができるにぎわい拠点として整備することを目指す。
特に、両大会の競技会場にあっては、各競技の聖地として大会後のスポー
ツイベントの誘致や恒常的な集客につながる整備を進めていく。
※「スマート・ベニュー」とは
これまでの日本国内におけるスポーツ施設は、公共的な役割のもと、郊外に立地する単機能
型体育施設として建設されてきた。これに対し、今後、街づくりやコンパクトシティの中核を
担う交流施設は、スポーツ施設としての機能以外にも多機能複合型、民間活力導入、街なか立
地、収益向上等が考えられることから、これら要素を備えた交流施設を「スマート・ベニュー」
として定義し、なかでもスタジアムやアリーナ等に着目するもの。
(株式会社日本政策投資銀行スマート・ベニュー研究会報告書から)
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
1.スポーツの多様な可能性の実現
(4)誰もが親しみを持って取り組める生涯スポーツの推進と健康長寿社会の実現
両大会を機に世代や障害の有無を越え、県民誰もがスポーツに親しめる環境づ
くりに取り組むとともに、急速な高齢化に直面する本県の状況を踏まえ、スポー
ツによる健康長寿社会の実現を目指す。
特に、スポーツ無関心層に積極的にアプローチし、スポーツへの関心を促す取
組を実施していく。
ア
地域の身近なスポーツ環境の整備
県民のスポーツ実施率(週に 1 回以上スポーツをする 20 歳以上の県民の
割合)の目標値(平成 30 年度)である 60%以上をいち早く達成できるよう、
スポーツ施設として学校施設等の利用促進や身近な施設の活用、新たなスポ
ーツクラブの在り方等について検討し、誰もが地域単位でスポーツに親しめ
る環境を整備する。
イ
誰もがスポーツに親しむ環境づくりへの支援
誰もが身近な地域でスポーツに親しむ、高齢者が孫と一緒に運動ができる、
近所の人達の集会所としての機能を併せ持つなど、幼児から高齢者そして障
害者やあらゆる世代を意識したスポーツ環境の整備や、女性をターゲットに
したスポーツ環境の整備を積極的に支援する。
ウ
スポーツ無関心層へのアプローチ
スポーツ無関心層へのアプローチとして、スポーツの良さや素晴らしさを
知ってもらうことを最初のステップとして、より多くの県民に両大会を観戦
していただくよう気運醸成に取り組む。
また、文化や芸術、アニメ、グルメなど様々な分野とスポーツを組み合わ
せたイベントの開催や情報発信を行いスポーツへの関心を喚起するほか、職
場や地域におけるラジオ体操やウォーキングなど誰もが取り組み易い運動
を奨励し、次の行動変容へ移行するきっかけづくりに取り組む。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
1.スポーツの多様な可能性の実現
(5)パラリンピックを契機とした共生社会の実現
東京 2020 パラリンピック競技大会に向けて、東京 2020 組織委員会では「東京
は初めて2回のパラリンピックを開催する都市になるとともに、高齢社会である
日本にとって、パラリンピックは真の共生社会の確立に向けた、またとないきっ
かけになる」としている。
埼玉県推進委員会においても、障害者のスポーツについての理解促進やスポー
ツ環境の整備、障害の有無を越えた交流の拡大、障害者のボランティア活動参加
など、共生社会の実現に向けた取組を推進していく。
ア
障害者のスポーツの理解促進
障害者のスポーツの理解促進に向けて、パラリンピック競技の体験会を開
催し、その魅力や楽しさを体感していただくほか、パラリンピアンによる講
演会を実施し、障害者のスポーツの素晴らしさを伝えていただく。
また、九都県市による広域的な PR 等にも取り組むとともに、彩の国パラリ
ンピック育成強化事業の強化指定選手に焦点を当てた広報等について検討を
行う。
イ
障害者のスポーツ環境の整備
障害者が身近な地域でスポーツに親しめるよう障害者交流センターなど公
的施設等の整備・充実や利用促進、スポーツ指導員の養成研修などを進め、
スポーツを行う障害者の裾野の拡大を図る。また、障害者アスリートの発掘
や選手層の拡大、障害者自身の健康の維持や増進を図っていく。
ウ
障害の有無を越えた交流と障害者によるボランティア
障害者スポーツと各種スポーツのイベントを一体的に開催し、様々な交流
企画を通じて障害者スポーツへの関心や障害者への理解促進など心のバリア
フリーに取り組む。
また、障害者がスポーツを支えるボランティアとして活躍できる取組を支
援し、今後の更なる社会参加につなげていく。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2.世界に誇れるおもてなし
2. 世界に誇れるおもてなし
両大会には県外や海外から多くの観戦客等が見込まれている。両大会を観戦するために来
県した方々へ心に残るおもてなしにより多くの感動を与え、本県の良さや魅力を体感してい
ただくため、ハード・ソフトの両面から準備に取り組み、世界に誇れるおもてなしを目指す。
この取組として、次の 4 つのレガシーに向けた具体的な取組の方向性を示す。
(1)世界からのお客様をもてなす人づくり
世界に誇れるおもてなしの実現に向け、接客の中心となる人財の育成に取り組
む。観光関連事業者やボランティア、県民の参加など、両大会の気運醸成と絡め
て取り組み、活動の普及や参加人数の拡大を図る。
また、大会後においても本県への再訪問や持続的な地域活動等につながる取組
を展開する。
ア 観光関連事業者を対象とした取組
観光庁による外国人旅行者のアンケート結果では、来日して困ったこととし
て「無料公衆無線 LAN 環境」に次ぎ、
「コミュニケーション」、
「目的地までの公
共交通の経路情報の入手」が挙げられている。
これらの対応として両大会に当たり、県内の商店主や宿泊・交通事業者など
観光関連事業者を対象に気運醸成を図るとともに、外国人対応セミナーの開催
や「指さしコミュニケーションシート」※の普及・拡大、進歩著しい多言語翻
訳機能アプリの導入のほか、観光関連事業者の自発的な取組を支援する。
※「指さしコミュニケーションシート」とは
外国人観光客とのコミュニケーションツールとして、宿泊編、飲食編、物販編と接客シーン
別に必要な会話フレーズを掲載。外国語が日本語と併記されており、外国語がわからなくても
お互いに指でフレーズを確認し、コミュニケーションを図る。英語、中国語、韓国語版がある。
イ ボランティアの発掘、募集、育成
両大会にとってボランティアの活躍は大会の成功に欠かせないものであり、
2012 年のロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会においても成功の
要因としてボランティアの存在が挙げられている。
両大会に向けてはボランティアの発掘、募集、育成として以下の取組を行
う。
(ア)両大会における県内ボランティアの体系化
県内の既存ボランティアの種類や数を調査・把握するとともに、大会
毎に必要なボランティア体制を検討し、2019 年、2020 年、さらには大会
後もボランティアが持続的かつ有効に活用できるようデータベース化や
育成・活用計画を立てる。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2.世界に誇れるおもてなし
(イ)ボランティアの裾野拡大とその後の社会への参画の促進
各種ボランティアについて、インターネット等を活用した募集に関
する情報発信や時間が限られた人でも気軽に参加できる活動機会の創
出など、県内市町村や団体の協力を得ながら発掘・募集を進める。
特に、女性やアクティブシニア及び外国人住民の参加を積極的に促
し、これをきっかけとした持続的な地域活動への参画を目指す。
(ウ)学生ボランティアの積極的な登用
高校生や大学生など学生ボランティアの積極的な登用を行い、リー
ダーとしての養成や準備段階から言語学習を施すなど、将来的に国際
社会で活躍できる人財や地域のリーダー人財として育成を図るととも
に、その後の活用につながる仕組みを構築する。
ウ
県民に向けた気運醸成と様々な活動への参画の促進
オール埼玉体制の確立に向けて、県民に対する気運醸成に取り組み、両大
会への関心を高めるとともに、より多くの県民がボランティア活動やおもて
なし活動への参画を果たせるよう、
様々な媒体や機会を通じて PR していく。
最終的には、両大会の県内開催競技や競技会場を知らない県民が1人もい
なくなるよう以下の取組を実施していく。
(ア)開催気運の盛り上げ
2016 年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会
の感動を効果的に伝えるとともに、その後もチケット販売やボランテ
ィア募集に合わせたキャンペーンなどの機会を活用し、開催気運の盛
り上げと県民の参画機会を PR する。
(イ)県内開催競技の体験イベントの実施
両大会の県内開催競技の体験イベントやトップアスリートとの交流
会等を開催市だけでなく県内各地で実施し、競技や競技会場の認知を
高めていく。
(ウ)様々な媒体を活用した広報活動
ホームページや SNS など ICT を活用した PR に加え、県や市町村庁舎
の壁面、公用車両等の活用など、行政が保有する媒体資源を効果的に
活用した広報活動を展開する。
また、行政機関だけでなく、地元メディアや地域の企業・団体(交
通機関、大型商業施設や商店街等)との協力、連携によって幅広い層
に対して情報を発信していく。
(エ)組織委員会との連携
気運醸成として両組織委員会と協働し、カウントダウンイベントを
同時開催するなど、より発信力を高めた取組を実施する。
また、オリンピックにおける聖火リレーやラグビーワールドカップ
におけるトロフィーツアー等、両大会の組織委員会が実施するプレ行
事に対して積極的に関わり、本県としてより効果的な広報活動が可能
となるよう両組織委員会に働きかける。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2.世界に誇れるおもてなし
(2)誰もが快適に過ごせるまちづくり
両大会の競技会場周辺や観光地等の無料 Wi-Fi 対応や多言語案内表示、バリア
フリーの推進など海外からの訪問客や障害者にも開かれたまちづくりを行う。
また来県者に誇れる景観づくりや美化運動の推進、暑さ対策や渋滞緩和などの
交通対策などにも力を入れ、誰もが快適に過ごせるまちの実現に向けた取組を行
う。
ア Wi-Fi 環境や多言語案内表示の整備
競技会場周辺や主な観光地、宿泊地など観戦客のルートを想定した多言語
案内表示や Wi-Fi 環境の整備を効果的に進める。
また、東京都作成の案内サイン標準化指針等も活用し、交通事業者や医療
機関等の民間事業者とともに誰もが安心して利用できる統一的な案内表示を
整備することで万人に開かれたまちづくりに取り組む。
イ バリアフリーの推進
障害者や高齢者が安心して移動、滞在できるよう鉄道駅のエレベーターや障
害者用トイレの設置を促進するほか、バスのバリアフリー化や会場周辺施設の
起伏や段差の解消など共生社会に向けたハード面の整備にも取り組む。
ウ
会場までのアクセスルートのにぎわい創出と整備
ラグビーワールカップ 2015 イングランド大会では、最寄駅から競技会場ま
でのアクセスが、わくわく感を盛り上げる場であったり、諸外国との交流の
場であったりと徒歩の時間を忘れさせる楽しい空間であった。
埼玉県推進委員会においても、最寄駅から競技会場までのアクセスルート
ににぎわいを創出することで、競技観戦のみならず、来県者に会場までの移
動も楽しんでもらえる仕組みを構築する。
また、歩道の拡幅など観光客が安心して周遊できる道路空間の整備にも取
り組んでいく。
エ 暑さ対策
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会とラグビーワールドカッ
プ 2019 はまさに盛夏と残暑の中での開催となる。特に炎天下での観戦や移動、
待機時などにおける熱中症を防ぐとともに暑熱によるストレスを軽減する取
組が必要である。
そのため競技会場の周辺や最寄駅からのアクセスルートの遮熱性舗装、ク
ールスポットの整備のほか、植栽による日陰づくりや打ち水、団扇など日本
の夏を快適に過ごす伝統的な手法なども取り入れて進めていく。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2.世界に誇れるおもてなし
オ
宿泊対策
両大会には、国内外から多くの観戦客や観光客が来県することが想定され
ているが、本県にはもともと宿泊施設が少なく、来県者などの宿泊施設の確
保が課題となっている。
そこで民泊やホームステイなどの取組とともに、宿泊施設として有効活用
が期待できる既存建築物を最大限活用した本県ならではの宿泊対策を実施し
ていく。
例えば、夏季休暇中の学生寮の活用や民間会社の空き社宅・寮をリフォー
ムしての活用、埼玉版 Airbnb※による民間空き住宅の活用などを検討してい
く。
※「Airbnb」とは
Airbnb(エアビーアンドビー)とは宿泊施設・民宿を貸し出す人向けのウェヴサイトで、世
界 192 か国の 33,000 の都市で 80 万以上の宿を提供している。2008 年 8 月に設立され、サン
フランシスコに本社を置き、非公開会社 Airbnb,inc.により所有、運営されている。
カ
環境美化対策
来県者が、何度でも埼玉県に訪れたくなるような環境美化対策に取り組む。
両組織委員会との調整も図りつつ、競技会場周辺や観光地における花の植
栽や会場への移動ルートの景観改善等に加え、今後大会までに実施される
様々なイベントを通じてモデル的にゴミの減量化やリサイクルの徹底などに
取り組むとともに段階的にその規模を拡大して本番に備えるなど本開催に向
けた準備を進める。
キ
交通対策
来県された選手や大会関係者、観戦客などへのストレスを感じさせない輸
送手段の確保や円滑な輸送を図るとともに、一般交通や環境への影響の最小
限化に取り組む。
具体的には、関係団体(国、両組織委員会、関係道路管理者・交通管理者
など)や民間事業者(鉄道・バス・タクシーなど)と連携し、安全で円滑な
輸送ルートを確保するとともに、交通需要マネジメントによる渋滞緩和対策
(臨時列車やシャトルバスの運行、パークアンドライド、オリンピック・プ
ライオリティルート※など)を進めていく。
※「オリンピック・プライオリティルート」とは
指定された大会関係車両が優先的に走行可能な道路のこと。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2.世界に誇れるおもてなし
ク 人権対策
2014 年 12 月、IOC 総会で性的指向による差別禁止をオリンピック憲章に盛
り込むことが決議されたほか、東京 2020 組織委員会の大会開催基本計画にも
性的指向の差別禁止が位置づけられている。
埼玉県推進委員会においても両大会に向けて LGBT※に対する理解や、ヘイ
トスピーチ※対策など、差別や偏見など人権問題の解決に向けた取組を進め
ていく。
※「LGBT」とは
性的少数者を指す言葉で、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシ
ャル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の頭文字をとった総称。
※「ヘイトスピーチ」とは
特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動。
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埼玉県推進基本計画
2.世界に誇れるおもてなし
(3)安全・安心な埼玉県の実現
「安全・安心」は来県者に対する最大の義務であり、万全な準備と対策が必要
である。テロ対策や大規模自然災害への対策のほか、大会に備えた公共施設の整
備、医療対策に取り組み、大会後も安全で安心な埼玉県の実現につなげる。
ア
大会期間中の安全・安心対策の推進
国や両組織委員会等の関係機関との連携を強化し、官民が一体となった安
全・安心を担う危機管理体制を構築する。
また、大会期間中に防災情報を多言語で発信することも検討する。
イ
大会に備えた安全で安心な公共施設の整備
道路交通環境や公共施設の適切な整備改善を促進し、防災上、安全で安心
なまちづくりを推進する。
ウ
テロ、災害対策
官民連携によるテロ対策活動の推進、テロの未然防止及び発生時の事態対
処に必要な装備資機材の整備や警備体制の構築のほか、消防による警戒体制
の構築、震災や風水害等の大規模自然災害への対策を推進していく。
エ
医療対策
県内の医療機関との連携に加え、ボランティアに対しての緊急時の対応の
周知徹底や、観戦客や大会関係者が安心して大会に参加できるよう臨時救護
所・救護コーナーの設置など必要な医事・救護体制を整える。
オ
救急対策
大会開催時の急病人等の発生に備え、円滑な救急搬送体制を整えるととも
に、多数傷病者発生時における行政機関及び県内医療機関等との連携体制を
構築する。
32
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2.世界に誇れるおもてなし
(4)県外や海外に向けた埼玉県のイメージ向上と認知拡大
両大会は世界中から注目が集まるビッグイベントであり、本県の多彩な魅力を
県外・海外に発信するまたとない機会である。計画的かつ効果的な情報発信を実
施し、県外・海外へ向けた本県のイメージ向上と認知拡大を図る。
ア 県外に向けた取組
県外に向けた広報活動としては、本県でも両大会の競技が開催されること
に加え、本県のイメージ向上に繋がることも意識し、観光面や文化面なども
配慮した計画的な情報発信を進めていく。
具体的には SNS など ICT を利用した PR、両組織委員会の実施するイベント
等と連動したプロモーション活動、イメージ向上を目的とした動画の作成な
どに取り組む。
イ 海外に向けた取組
両大会を通じて、海外からの観戦客の取り込みは見込めるものの、試合観
戦だけでは一過性の来県で終わってしまう危険性がある。
そのため、来県した海外観戦客に先端産業や環境産業など県内企業の技術
力を体感してもらう機会を設けるなど、新たな海外展開を誘発する様々な取
組を実施していく。
また、本県の認知向上に向けて事前のプロモーションにも力を入れて取り
組む。
33
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
3.先進的な取組の世界への発信と地域産業の活性化
3. 先進的な取組の世界への発信と地域産業の活性化
両大会には多くの外国人が来県するとともに世界中の有力メディアが集まることから本県
等の取組が全世界から注目されることになる。これを絶好の機会として、先進的な取組を世
界に発信するとともに、海外をターゲットとした地域産業の活性化を目指す。
この取組として、次の 3 つのレガシーに向けた具体的な取組の方向性を示す。
(1)先端産業創造プロジェクトの世界への発信
今後、更なる経済のグローバル化や労働力人口の減少等が見込まれる中、新た
に本県経済を成長へと導くため、ナノカーボンや医療イノベーション、ロボット、
新エネルギー、航空・宇宙の 5 分野からなる先端産業創造プロジェクトに取り組
んでおり、両大会を機にその成果を世界に向けて発信することで、世界規模での
普及や販路拡大を目指す。
ア
先端ロボットの開発と両大会での活用
高齢化の進展を見据え、身近な生活を支えるロボットの開発支援等を加速し、
両大会で多くの外国人観戦客等に体験していただく機会を設けるなど、世界
に向けて製品や技術を大いにアピールする。
イ
先端医療・福祉機器の開発と両大会での活用
両大会での活用が想定される医療・福祉機器の開発支援等を加速し、上記
ロボット同様、様々な体験の機会を設け、アピールする。
ウ
ナノカーボンや新エネルギー、航空・宇宙分野の開発成果の両大会での展示
ナノカーボンや新エネルギー、航空・宇宙分野の開発成果についても、両
大会やテストイベント期間中に競技会場付近を念頭に展示会を開催し、本県
の優れた技術を世界に発信する。
(2)水素社会の構築とエネルギーの地産地消の実現
環境負荷の低減やエネルギー供給源の多様化につながる次世代エネルギーであ
る水素について、普及加速に向けた先駆けとなる取組を実施するとともに、持続
可能で低炭素な社会の構築のためにもエネルギーの地産地消に向けた取組を実施
し、世界に発信する。
ア
水素社会構築に向けた取組
水素社会の構築に向け、選手や関係者、観戦客の本県競技会場への移動に
燃料電池自動車の活用を図るとともに、競技会場周辺への水素ステーション
の整備を促進し、水素エネルギーの普及加速につなげる。
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埼玉県推進基本計画
3.先進的な取組の世界への発信と地域産業の活性化
イ エネルギーの地産地消の推進
埼玉エコタウンプロジェクトなど再生可能エネルギーや分散型エネルギー
の活用などによるエネルギーの地産地消の取組を世界に向けて紹介し、取組
の更なる普及拡大を図る。
(3)海外をターゲットとした地域産業の活性化
両大会を機に、海外でも人気の高いアニメや酒などを活用したツーリズムを開
発し、リピートが見込める質の高い観光を目指すとともに、食を中心とした販路
拡大やハラル対応、外国人向けの伝統工芸品・名産品づくりなど、海外をターゲ
ットとした販路の拡大に取り組む。
ア 本県への再訪問につながるツーリズムの開発
県内には、アニメの他にも日本食や酒、ゆるキャラなど高いポテンシャル
を有する海外で人気の観光資源が存在する。
これらをテーマとして、酒蔵体験や日本食の料理体験、着ぐるみ体験など、
よりコアな客層をターゲットとしたツーリズムを開発し、持続的なリピータ
ーの獲得を図る。
イ 食を中心とした海外等への販路拡大
両大会の観戦客や事前キャンプ等において、本県産の農産物を提供するこ
とで、付加価値向上とファン獲得を図るとともに、海外に向けた販路拡大に
も取り組む。
ウ 特定の国や地域を対象とした新商品の開発
ハラル対応※など、特定の国や地域に対応した食材や料理、医薬品や化粧
品を開発し、海外への販路拡大につなげる。
※「ハラル」とは
イスラム法で許された項目のことで、端的にはイスラム法上で食べることが許さている食
材や料理を指す。イスラムの法の下では豚肉を食べることが禁じられているが、その他の食品
でも加工や調理に関して一定の作法が要求される。また、アルコールが禁忌のほか、医薬品や
化粧品などにも適用範囲が及ぶことがある。
エ 伝統工芸品や名産品等の新商品の開発等
より多くの外国人に本県が築き上げた「和」の文化を体感いただけるよう
本県の伝統工芸品や名産品等について外国人の嗜好に合わせた商品やサービ
スを開発し、本県のお土産や記念品として定着させる。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
4.文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解
4. 文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解
文化や教育は、オリンピック・パラリンピック精神に通じるものであり、東京 2020 オリン
ピック・パラリンピック競技大会に向け、東京 2020 組織委員会では、2015 年 2 月に策定し
た大会基本計画で、文化に関し、
「東京 2020 大会で最高の文化プログラムを実現するため、
東京、日本、そして世界の文化における最高の要素を取り出し、大会ビジョンから発想を得
た多様なプログラムを展開。
」と掲げている。
また、教育に関しても「東京 2020 大会ビジョンに基づき、教育プログラムを通じてオリン
ピック・パラリンピックの持つ力強いメッセージを日本全国に伝える。」としている。
埼玉県推進委員会においても両プログラムを通じ、文化芸術による本県の魅力の発信や、
多文化理解、共生社会の実現に向けた取組を実施する。
この取組として、次の 3 つのレガシーに向けた具体的な取組の方向性を示す。
(1)埼玉県の文化芸術の力を結集し、次世代に継承される文化プログラムの実現
オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であるだけでなく、文化の祭
典でもある。両大会は埼玉県で育まれてきた文化芸術の魅力を世界に発信する絶
好の機会であり、埼玉県版文化プログラムを展開することにより、さらに本県の
文化芸術の振興を図っていく。
文化プログラムを進める上で、多様な人たちが参加する文化イベントを行うこ
とにより、お互いの理解を深め、両大会への参加意識も醸成していく。また、芸
術家、NPO、文化団体、文化施設、市町村と連携し、協働して取り組んでいくこと
で本県の文化芸術の力を結集し、次世代に継承される文化プログラムを展開する。
ア
埼玉を特色付ける文化芸術の魅力を高め世界の人をおもてなし
埼玉ならではの文化資源や人財を活用した多彩なプログラムを展開し、多
様な文化圏の人との交流を図るとともに、プロの芸術家のほか、子供、青少
年、高齢者、障害者や外国人などあらゆる人たちが参加するプログラムを展
開する。
イ
あらゆる場所であらゆる人が参加し触れ合う多彩な文化プログラム
彩の国さいたま芸術劇場の蜷川幸雄芸術監督総合演出による「1 万人のゴー
ルド・シアター」など世界に先駆けた取組、近藤良平氏演出による障害者ダ
ンス公演など、他県に類のない取組を展開するとともに、普段は接すること
のできない海外の文化芸術に触れるプログラム、企画段階から子供や青少年
が参加し、未来の文化芸術の担い手の育成につながるプログラム等、伝統芸
能、演劇、音楽、現代アートなど多彩なジャンルのプログラムを展開してい
く。
また、パラリンピックの文化プログラムとして、これまで開催してきた障
害者アートフェスティバルを発展させ、さらに注目度の高い、芸術性に優れ
た障害者アートのプログラムにも取り組む。
36
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
4.文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解
ウ
オール埼玉ネットワーク体制での文化プログラムの展開
文化プログラムを展開していくために自治体や個人、NPO、企業など多様な主体
が連携・協働するネットワークを構築し、大会後もレガシーとしてそのネットワ
ークを拡大・発展させ、本県の文化芸術を支える人財育成に取り組んでいく。
エ
世界に向けた埼玉の文化芸術情報の発信強化
本県で開催される文化芸術の事業、イベント等を集約し、外国語で世界に PR す
るほか、外国人レポーターにその魅力を伝えてもらう等の取組を行う。
オ
次世代に継承される文化芸術レガシーの創出
文化プログラムを展開するに当たり構築された様々なネットワークやノウハウ
を生かし、両大会のレガシーとして文化芸術の更なる振興に努めるほか、人口減
少、少子高齢化社会、障害者への心のバリア、コミュニティの衰退など様々な社
会的課題の解決につながるプログラムを展開し、持続可能な社会の実現を目指す。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
4.文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解
(2)教育プログラムによるオリンピック・パラリンピック教育の推進
オリンピック・パラリンピックは、これまで開催都市と国に大きな社会変革を
もたらし、とりわけ若者や子供たちを鼓舞し、勇気と感動を与えてきた。
オリンピック憲章では、
「オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高
め、バランスよく結合させる生き方の哲学である。オリンピズムはスポーツを文
化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するものである。
」そして「オリンピズ
ムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会を奨励することを目指し、
スポーツを人類の調和のとれた発展に役立てることにある。
」としている。
また、RWC2019 組織委員会が示す大会ビジョンでは、
「本気でぶつかるからこそ
生まれる、人と人とのつながり。恐れずに前に進み続ける姿勢。闘う相手への深
い尊敬。ラグビーで育まれる精神はプレーヤーだけでなく、今の社会を生きる上
ですべての人に必要と言えるものです。このワールドカップを単なるスポーツイ
ベントではなく、フィールドを超えてラグビー精神を広く発信する場とし、大会
をより良い世の中の実現へとつなげていきます。
」としている。
これらは、豊かな情操と道徳心、自主・自律の精神、公共の精神、伝統や文化
を尊重し、我が国と郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態
度を養うことなどを定める教育基本法の「教育の目標」や学習指導要領、また、
埼玉県教育振興基本計画の理念にも相通ずるものである。
これを踏まえ、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会とラグビーワ
ールドカップ 2019 を、子供たちの成長にとってまたとない重要な機会と捉え、オ
リンピック・パラリンピック教育を活用していく必要がある。
埼玉県の子供たち一人ひとりを伸ばすための取組を確実に推進し、
・ 人生を主体的に切り拓くことができる。
・ 郷土や我が国の歴史、文化を誇りに思い、世界から尊敬される。
・ 異なる考えや多様な価値を受け入れることができる広い視野と寛容な心を
持っている。
・ 公共の精神を尊重し地域や埼玉、そして日本の将来を考えることができる。
等の人財を育成していくとともに、大会の経験を通じ、その後の人生の糧とな
るような掛け替えのないレガシーを子供たちに残していくことを目指す。
具体的には、過去の事例を踏まえつつ、オリンピック・パラリンピック教育の
趣旨を実現できるよう、ボランティア活動などの思いやりを育む教育や伝統文化
を尊重するグローバル人財の育成など、これまで各市町村・学校が取り組んでき
た活動の充実・拡大を図りながら、東京 2020 組織委員会が策定する教育プログラ
ムを活用し具体的実施方法等を検討していく。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
4.文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解
【過去の事例】
○長野オリンピック・パラリンピック
1998 年の長野オリンピック・パラリンピック冬季大会では、長野市が「一校
一国交流活動」として、一つの学校が一つの国を応援し交流を深める取組を実
施。パラリンピックの選手と車椅子バスケなど障害者のスポーツの体験を通じ
て子供たちは人間の誇り、優しさ、ひたむきさ、美しさを学んだ。
○2002 年 FIFA ワールドカップサッカー大会
アフリカのカメルーンが大分県の中津江村を準備キャンプ地として訪れ、そ
こでは村民一体となったカメルーンとの交流プログラムが実施されるなど、子
供たち、各国選手、役員との交流を通じ、国際理解や友好を一段と深めること
ができた。
○2008 年全国高等学校総合体育大会(インターハイ)
埼玉県内においても 2008 年に開催された全国高等学校総合体育大会(インタ
ーハイ)において、県内の高校生一人ひとりがこの大会の準備や運営等に関わ
る「高校生一人一役活動」を展開し、延べ 18 万人の高校生が積極的に大会の開
催を支援した。
(3)多様性を受け入れ尊重する多文化共生社会の実現
両大会は、あらゆる面で世界が多様であることが示される機会であり、その多
様性を肯定し、受け入れ、互いに認め合うことの重要性を改めて認識するととも
に、多文化共生社会を育む契機とすることが重要である。特に、県内に在住する
日本人住民と外国人住民が大会の準備段階から成功に向け互いに手をとり協力し
合うことで、大会後もお互いを尊重し共に地域社会を支える存在となることが期
待される。
両大会に向けた準備や開催を通じて、「ことばの壁」「制度の壁」「こころの壁」
が解消され、真の多文化共生社会が実現することを目指した取組を進める。
ア 多様性を尊重する国際交流、国際理解の促進
日常の生活の中で、外国人とのコミュニケーションや、外国文化に接する
機会の少ない県民にとって多様性を受け入れるためには、まず日本と外国と
の文化や習慣の違いを理解することが必要である。外国人や外国語・文化に
対する興味が高まるこの機会を捉え国際理解につながる交流事業を促進する。
(ア) 国際理解・交流の促進
在日大使館の外交官や JICA ボランティア経験者による学校訪問、留学
生等に対するホームステイのあっせんなど海外の文化や考え方の紹介を
行う機会を創出する。
また、各市町村の姉妹友好都市など海外との交流を一層活発にさせる
とともに、
「ホストタウン」を活用して大会後も継続する交流関係を構築
する。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
4.文化・教育プログラムによる本県の魅力発信と多文化理解
(イ)
(ウ)
(エ)
イ
やさしい日本語の普及
国際理解を促すために「ことばの壁」の解消は重要である。各地域
で行われている日本語教室の活動を支援するとともに、
「やさしい日本
語」の普及を進める。
外国人総合相談センター埼玉の拡充
外国人住民の支援を主な目的として運営している外国人総合相談セ
ンター埼玉の活動の幅を広げ、観光案内などにも対応できるよう体制
を強化する。
NGO やボランティア団体との連携
外国の文化や習慣の違いを理解した上で活動している国際協力の
NGO やボランティア団体、市町村の国際交流協会などの活動を支援し
活性化を図る。
多文化共生人財の育成
多文化共生社会の実現のためには、人財の育成が欠かせない。両大会で必
要となる外国人案内ボランティアの育成を契機としてリーダー人財の育成や
外国人住民の社会参画を促進する。
(ア)
(イ)
(ウ)
地域の核となるボランティアリーダーの育成
外国人案内ボランティアの育成にあたっては、大会後の各地域での
多文化共生事業の核となる人財育成につながるよう、県内全域にわた
るボランティアリーダーを育成する。
外国人住民の社会参画の促進
本県には、約 14 万人の外国人住民が在住しており、県民の約 2%を
占めるとともに、その出身国は 150 か国にもわたる。特に日本での在
住歴が長く日本語が堪能な外国人住民は、社会貢献意欲は高いものの
活動に必要な研修等を受講する機会が乏しい。
外国人案内ボランティアとして外国人住民を研修により育成するこ
とで、大会後も外国人と日本人を繋ぐ貴重なキーパーソンとして社会
参画を促す。
また、ともに研修を受講する日本人にとっても多文化共生に対する
意識を醸成する貴重な機会とする。
外国人案内ボランティアのデータベース化
外国人案内ボランティア研修の修了者をデータベース化し、オリン
ピック・パラリンピックの都市ボランティアとしての活躍を進めると
ともに、各地域で開催される国際スポーツ大会や祭りなどの場で、市
町村を超えた多文化共生人財として活躍できるよう環境を整備する。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
5.ビジョンである「SAITAMA PRIDE」と組織委員会との連携
5. ビジョンである「SAITAMA PRIDE」と組織委員会との連携
埼玉県推進委員会が実施する全ての取組について、ビジョンである「SAITAMA PRIDE」を掲
げて推進するとともに、大会開催支援として東京 2020 組織委員会や RWC2019 組織委員会と競
技会場や開催市等とのパイプ役となり、関係者間の円滑な情報伝達を行う。
(1)「SAITAMA PRIDE」の取組による県民の自信と誇りの醸成
本推進基本計画で定めた本章及び次章のキャンプ誘致の取組については、埼玉
県推進委員会によるオール埼玉体制のもと、「SAITAMA PRIDE」を掲げて取り組む
とともに、着実な準備と両大会の成功を通し、レガシーとして大会後の県民の更
なる自信と誇りを醸成する。
(2)組織委員会と連携した大会開催支援
両大会の運営主体である両組織委員会と競技会場や開催市等とのパイプ役とし
て、大会開催に向けた支援を行うほか、東京 2020 オリンピック・パラリンピック
競技大会の追加競技への対応を行う。
ア 情報共有や意思伝達の場づくり
世界的なビッグイベントである両大会に向けては、多くの関係者や関係機
関が同時並行的に業務に携わることになる。これら関係者等がそれぞれの役
割に基づき、効果的、効率的に準備を進められるよう、定期的かつ時宜を得
た意見調整の場を設けるとともに、情報が来ない等の事態を起こさぬよう情
報の連絡体制の整備や窓口の明確化に取り組む。
イ 関係団体への支援
両組織委員会との連携において、組織委員会が作成する計画を埼玉県に合
う内容にプランニングし、関係団体を支援する役割を担う。
(例)文化プログラム、教育プログラム、レガシープログラム等
ウ 追加競技への対応
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の追加競技・種目として
以下の 5 競技は東京 2020 組織委員会から IOC に対して提案され、2016 年のリ
オデジャネイロで開催される IOC 総会において決定されれば、正式競技とな
る。
東京から近隣である本県は追加種目の会場となる可能性もあり、追加種目
として決定した際には、埼玉県推進委員会としての対応を協議していく。
(提案された追加競技)
野球・ソフトボール
空手
スケートボード
スポーツクライミング
サーフィン
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
IV.キャンプ誘致ビジョン
1.事前キャンプ誘致の意義と留意点
1.事前キャンプ誘致の意義と留意点
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカップ
2019(以下「両大会」
)を通しスポーツ王国として新たなステージへとつなげ、県民
に自信と誇りをレガシーとして残すためにキャンプ誘致活動に取り組む。
埼玉県は両大会共に競技会場があるという最大の優位性を持ち、東京からのアクセ
スの良さ、東北・北陸・上越新幹線の玄関口であるという交通のネットワーク拠点、
国内有数のスポーツ施設、プロスポーツチームも多数ホームタウンとしているなど、
事前キャンプ誘致に対する優位性が高い。
この優位性を活かし、誘致活動を一過性のものとならないよう、誘致活動を通して
埼玉県全域にスポーツを通じたレガシーを創出させる。
地域にとっての事前キャンプ誘致のメリット等
両大会では、メダルを狙う強豪国・チーム等を中心に、時差調整や最終的なコンデ
ィショニングのため、本番直前に日本で事前キャンプを行いたいというニーズが一定
程度あると思われる。2008 年の北京オリンピック・パラリンピック競技大会の際には、
17 競技で 25 か国以上が日本国内で事前キャンプを実施したと報告されている。
本県は、県内に競技会場があり、また、東京会場からも近く、高速道路網の充実で
アクセスも良いことから、事前キャンプを誘致しやすい条件を有している。
一般的に、事前キャンプを誘致することによる地域のメリットとして以下の事項が
あげられる。
1)メディアによる情報発信
2)練習公開や指導教室の開催等による子供向け啓発プログラムの展開
(チーム側に協力意向があることが前提)
3)歓迎会、壮行会や地元イベントへの参加等による住民との交流機会の創出
(チーム側に協力意向があることが前提)
4)誘致国との国際交流の推進(交換留学生制度や経済産業交流への発展等)
5)誘致国に向けたシティプロモーション(観光誘客等)
このようなメリットがある反面、誘致に取り組むに当たり、その狙いが明確でない
と、誘致に成功してもそこで得られた効果が一過性に終わったり、「誘致には成功し
たものの住民の不満だけが残され、自治体事業としては失敗」といった事態も起こり
得る。
こうした事態を招かないために、誘致の狙いや都市政策における役割を明確にし、
レガシー創出の取組を誘致活動の中に位置付けていく事が求められる。
そのことによって、万一誘致に失敗した場合でも、「誘致には失敗したが、誘致の
過程を通じて活動目的に沿ったレガシー形成には成功」といった総括も可能となる。
2002 年 FIFA ワールドカップサッカー大会時にカメルーンチームの事前キャンプを
誘致した大分県中津江村(当時)が好例である。
44
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
1.事前キャンプ誘致の意義と留意点
レガシー創出に向けた一貫した取組の必要性
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決定して以降、地方都
市が開催効果を享受する手段として事前キャンプ誘致への関心が高まり、2015 年 7
月時点で全国で 400 を超える自治体が誘致意向を示している。すでに誘致活動に取り
組んでいる自治体も多く、その動向は、やや過熱気味ともいえる状況となっている。
2012 年のロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会では、約 1,000 の施設が
キャンプ誘致の意向を示していたにも関わらず、実際に各国チームの事前キャンプに
使用されたのはそのうちの 1 割程度であった事実から見て、誘致を成功させるにはか
なり戦略的な対応が必要といえる。
一方で、激しい地域間競争の中で、ともすれば「誘致することが目的」となり、本
来の目的を見失う事のないように留意する事も重要である。
2002 年 FIFA ワールドカップサッカー大会では、組織委員会の公式ガイドブックに
掲載された事前キャンプ候補地は 80 におよび、各自治体間で激しい招致合戦が繰り
広げられた。その結果、一部の地域を除いて、誘致に成功しても、事前キャンプが一
過性の出来事に終わり、レガシーを創出するに至らなかった地域が大半であったとい
う事実から学ぶべき点は多い。
リスクのアセスメント
事前キャンプの誘致に当たっては、チームが希望する環境の整備(施設改修や仮設
物の設置等)、宿泊施設と練習施設間の移動手段の提供等のコスト負担を求められる
可能性がある。対象国との良好な関係を構築したり、住民との交流機会を設けるため
には、歓迎レセプションやイベント開催等の経費もかかる。
また、事前キャンプ誘致には以下のリスクが伴うことについても事前に検証してお
く必要がある。
1)一定期間、チームが施設を占用することによって住民利用が制限される。
2)誘致対象国・チームの事情で計画が変更されるケースが頻繁にある。
場合によっては中止になる事もある。
3)早期に誘致が決定しても、誘致対象国が予選突破できず来日が実現しない
ケースも想定される。
4)受入条件の解釈の相違等からトラブルが発生する可能性もある。
5)練習が非公開で行われたり、住民と交流を図る時間が取れないなど、
交流の機会が確保できない場合もある。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2.組織委員会の対応
2.組織委員会の対応
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の選定プロセス、東京 2020 組織委員会
の対応
東京 2020 組織委員会では、
国内の事前キャンプ候補地を紹介するガイドを作成し、
2016 年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会終了後にホームペ
ージ等で公表する方針で、2015 年 4 月 1 日から 2018 年 7 月 31 日までを申請期間と
して掲載情報の募集を行っている。掲載には、国際競技連盟(以下「IF」)基準に基
づき同組織委員会が定めた施設等の要件を満たすことが条件となっている。
また、同組織委員会の役割は各国・地域に対する情報提供のみで、掲載情報に対す
る問い合わせ等の対応は、すべて自治体側で行う必要がある。
一方、施設の所有者や自治体が独自にチームとの直接交渉などで、事前キャンプの
誘致活動に取り組むことも可能である。チーム側が事前キャンプを行うのに十分な施
設であると判断すれば、候補地ガイドに掲載されていない施設であっても事前キャン
プ地に選ばれる可能性がある。
■ 事前キャンプ候補地ガイドの練習施設(会場)に係る要件
(例:競泳)
・IF 基準
「競技領域」
FINA、又は IPC-sw の仕様に則っていること
・JASF 公認プールのうち、国際基準又は国内一般(AA)に該当するもの
・50m の長水路
・1 レーンの幅は 2.5m
「競技用具・設備」
競技用具は FINA、又は IPC-sw の仕様に則っていること
・移動型・固定型ペースクロック
・レーン毎のスタート台(スターティングブロック)
・5m フラッグ
・プール全体の照度は(全灯時)1,500lux 以上
・推奨事項
「サポート」
・ウェイト(フリーウェイト)トレーニング室 ※プールに近接
※全国知事会が作成するスポーツ合宿マッチングサイト「Sports Camp Japan」
全国知事会では、東京 2020 組織委員会のキャンプ候補地ガイドの掲載要件をクリア
できる施設が一部の施設に限られる可能性があることから、より幅広い施設の情報を
収集・公開し、全国でスポーツ合宿の誘致促進を図ることを目的としてスポーツ合宿
マッチングサイトを開設した。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2.組織委員会の対応
ラグビーワールドカップ 2019 の選定プロセス、RWC2019 組織委員会の対応
ラグビーワールドカップ 2019 のキャンプ地選定プロセスは 2016 年 5 月頃に公表さ
れる見通しである。選定プロセスは全て RWC2019 組織委員会を通して進められ、誘致
する自治体は出場チームや主催者と直接交渉を行えない方針となっている。
同組織委員会では、現時点での出場チームのキャンプ地要件(想定)として、以下
の事項をあげている。
<以下全ての施設が近い範囲内にあることが望ましい>
◇ チームホテル
約 50~60 名が宿泊、大半はツイン利用(+シングル数部屋)
、宴会場を
使用(食事会場、会議室、メディア対応会場等)
◇ 屋外練習場
ロッカー・医務室等を完備した天然芝ラグビーピッチ、スクラム練習エ
リア(ピッチとは別)、非公開練習用目隠し
◇ 体育館(十分な高さのあるバスケットコート 1 面以上)
◇ ジム(フリーウェイト中心のトレーニング用スペース&設備)
◇ 時間貸切可能な 25m プール 3 レーン以上(屋内)
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
3.事前キャンプ誘致の基本方針と方向性
3.事前キャンプ誘致の基本方針と方向性
戦略的な取組の構築
事前キャンプ誘致に当たっては、地域の特性や課題を踏まえ、目的やレガシーの目
標を明確にした上で取り組む。そして、その目的に沿って、誘致活動段階からキャン
プ終了後のレガシー継承まで、戦略的なシナリオを描く。
万一誘致が叶わなかった場合にも、取組過程で得られた成果を総括し、その成果(レ
ガシー)を活かした取組をその後も持続させるように努める。
アスリートファースト
受入れに当たっては、事前キャンプを実施するチーム、選手のニーズに応え、大会
で最高のパフォーマンスを発揮できるよう最善を尽くす。
地域一丸の受入体制
アスリートファーストの視点に立った受入れを行うためには、練習施設だけでなく、
宿泊・食事、移動手段からオフ時のリフレッシュ環境にいたるまで、チームが求める
ニーズに柔軟に対応し、多方面にわたる関係機関との調整等にワンストップで対応す
る事が求められる。このため、受入市町村において、県、競技団体、関連する民間事
業者等と有機的な連携を図り、地域が一体となった受入体制を構築する。そこにおい
て想定される各々の役割分担を、以下の表に示す。
■ 関係団体の役割分担(例)
関係団体
県
市町村
主な役割





県施策としての基本方針の明確化
市町村に対する情報提供・取組のガイドライン提示
シンボル的な誘致プロジェクト主導
広域連携による受入コーディネート
市町村の取組に対する支援
 誘致戦略の策定(目的の明確化とレガシー創出シナリオ)
 誘致、受入体制の構築と推進プロデュース
 事後評価と関連施策へのフィードバック
練習施設
管理者
 ベストな練習環境の提供努力
 ニーズに応じた柔軟な運営サービス(例:早朝練習への対応等)
地元
競技団体
 行政との協働による誘致活動
 誘致する競技団体ニーズの把握
 競技面での受入対応(専門的な要望事項への対応、トレーニングマッチの
セッティング等)
民間事業者
(宿泊・輸送等)
 ニーズに即したサービス改善の努力
 行政と関連事業者間の密接な連携体制の構築
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
4.誘致活動の手法
4.誘致活動の手法
事前キャンプ誘致活動のタイプ
キャンプ誘致のためのプロモーション活動は、キャンプ地側から誘致対象国の競技
団体等にアプローチする「PUSH 型」と、東京 2020 組織委員会公式ガイド等を通じた
問い合わせや誘致対象国にチャネルを持つ関係者等の仲介による対象国からのオフ
ァーに対応する「PULL 型」に分けられる。
■ 誘致プロモーションのタイプ
プロモーション方法
PUSH 型
事前に誘致対象国・競技を一定程度フ
ォーカスし、そのターゲット国、競技
関係者にアプローチする方式
PULL 型
組織委員会の公式ガイド案内や関係
者の紹介による問い合わせに対応し
て誘致活動を行う方式
誘致成功のポイント
対象国競技団体のキャンプ地決定権
を有するキーマンとのコネクション
海外競技団体から相談を受ける可能
性の高い日本の国内競技連盟(以下
「NF」)等のキーマンとのコネクシ
ョン
各々の活動のポイントは、以下のとおりである。
PUSH プロモーション
 誘致対象競技、国・地域などの設定
 埼玉県の優位性を効果的にアピールするプレゼンツールの作成
 当該競技の NF 関係者、大使館や、対象国・競技関連団体等へのアプローチ
PULL プロモーション
 問い合わせに対応した誘致活動(現地視察の勧奨など)の実施
 対象競技の県内競技団体等と連携した問い合せへの的確な対応や視察受け
入れ体制の構築
 視察受け入れプログラムの作成、準備
(コース設定、シナリオ作成、通訳や交通手段の手配など)
誘致活動の手順
2020 年までの誘致活動の進め方の標準的モデルを次ページに示す。2016 年のリオ
デジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会終了後に事前キャンプ地選定活
動が本格的に動き出すと見込まれるが、PULL 型プロモーションが本格化するのは東京
2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の競技別の予選大会が始まる 2018~2019
年で、それ以前は大会に出場が確実な団体競技の強豪国や個人種目(陸上競技、水泳
など)に出場が見込まれる国・地域への PUSH 型プロモーションが中心となる。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
4.誘致活動の手法
■ 誘致活動の進め方(事前キャンプ誘致の一般的プロセス)
第 1 ステップ
第2ステップ
第3ステップ
第4ステップ
(平成 27 年度)
(認知促進)
(視察勧奨・受入れ)
(条件折衝・契約)
推進基本計画の策定
(PUSH 型)
基
礎
調
査
ア
ク
シ
ョ
ン
プ
ロ
グ
ラ
ム
の
作
成
誘
致
ビ
ジ
ョ
ン
の
作
成
大使館・NF 等
への
プロモーション
対象国・競技関
連団体
アプローチ
(PULL 型)
組織委員会
候補地ガイド掲載
プロモーション
ツール製作
 ターゲット国関係者へ
国
際
大
会
等
で
の
広
報
・
ロ
ビ
ー
活
動
のプレゼンテーション
 仲介者紹介ルート/
個別人脈ルート等を
通じたロビー活動等
 最終決定のため
(視察勧奨)
 各国・関連競技団体
等からの問い合わせ対
応
 キーマン招聘、視察受
の視察受入
 受入条件提示・
折衝
 契約
入れ
地域の課題に対応した
レガシー創出のための取組
誘致活動検討の視点
事前キャンプの誘致活動を的確、かつ効果的に推進する方策の検討の視点を以下に
整理する。
地域のプロチーム・実業団チームとの連携
プロチームや国内トップレベルで活動する実業団・クラブチームは、海外のチ
ームや競技団体と人的なネットワークを保有していることが多い。
そのチャネルを活かし、市町村等が地域に拠点を置くチームと連携することで、
その競技の海外チームの事前キャンプを誘致することも考えられる。受入時にそ
の競技に精通したスタッフが対応できることやチームが練習パートナーの役割
を果たせることも、誘致に当たってのアピールポイントとなるため、プロチーム
や実業団チームのホームタウンである市町村等はチームとの連携の強化及びそ
れを踏まえた事前キャンプ誘致活動が効果的である。
大学との連携
2012 年のロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会の事前キャンプで
は、多くの大学が各国チームの受入れを行っている。体育系の学科を有する大学
は、練習施設やジムなどのトレーニング環境が充実しているケースが多い。
また、学生ボランティアがトレーニングのサポートをすることも可能である。
こうした利点を活かせるため、早期から大学との連携体制を確立することが必
要である。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
誘
致
決
定
・
キ
ャ
ン
プ
受
入
準
備
4.誘致活動の手法
両大会の競技会場との連動
事前キャンプの目的の1つは、本番直前の移動負担をできる限り軽減すること
であるため、本番会場からアクセスのよい場所に適切な練習施設と宿泊施設を確
保できれば、海外チームの事前キャンプを誘致出来る可能性が高くなる。
埼玉県で競技が行われるバスケットボール・サッカー・ゴルフ・射撃の 4 競技
については、その視点から誘致戦略を組み立てる事が可能である。また、熊谷市
で開催されるラグビーワールドカップ 2019 についても同様であるため、開催競
技に照準を合わせたキャンプ誘致活動も有効であると言える。
広域連携による推進
県内においては、事前キャンプを受入れ可能な競技施設はあるものの国際レベ
ルのアスリートに対応できる宿泊施設が域内にない市町村も多い。温水プールや
ウェイトトレーニング施設、雨天練習場など、近隣市町村の保有資源と組み合わ
せることで効果的な事前キャンプ受入パッケージを構築できるケースもある。こ
うした視点から、市町村単独でなく、周辺市町村と連携した誘致活動の推進も視
野に入れて検討を進めることが望ましい。
利用場面に沿った PR ツールの整備
事前キャンプの誘致活動においては、対象者や使用場面に応じて候補地の優位
性を的確にアピールできるツールを準備する必要がある。早期に活動を開始する
ためには、例えば、単なる施設写真ではなく、大会等で使用されているアクティ
ブな印象を与える写真や映像の入手など、誘致戦略の検討段階から、調査活動と
並行してプロモーションツール整備の準備を進めることが必要である。
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
V.推進体制とスケジュール
Ⅴ.推進体制とスケジュール
推進体制とスケジュール
東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカップ 2019(以下
「両大会」
)に向けた埼玉県の推進体制及びスケジュールは以下の通りである。
1
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
平成 27 年 11 月、両大会の開催に向けたオール埼玉体制の組織である「2020 オリンピック・
パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会」が設置された。
(1)主な事業
ア 両大会に向けた広報・機運醸成事業
イ 両大会の開催運営支援事業
ウ その他必要な事業
(2)構成員
ア 会 長:知事
イ 副会長:県議会議長、県議会ラグビー振興議員連盟会長、県議会東京オリン
ピック・パラリンピック応援議員連盟副会長、市長会会長、町村
会会長、競技会場市長(6市)、副知事、警察本部長、県教育長
ウ 顧 問:県選出国会議員、県議会議員、市町村議会議長、県教育委員
エ 委 員:市町村長、スポーツ団体、経済・教育・報道等各関係団体等
(3)会議(体系図は別紙1参照)
ア 総会
委員をもって組織し、会則の制定・改廃や予算・決算等について議決する。
イ 常任委員会
会長、副会長、常任委員をもって構成し、総会から委任を受けた事項や総会
を開催するいとまがない緊急事項等を担任する。
ウ 専門委員会
2020 年オリンピック・パラリンピック専門委員会とラグビーワールドカ
ップ 2019 専門委員会を設置する。
エ 部会
部会は、会長から付託された専門的な事項を調査・審議する。
※ 推進基本計画策定部会
本推進基本計画を策定する部会として、平成 27 年 12 月に設置された。
構成員は別紙 2 参照。
(開催実績)
第 1 回 平成 28 年 1 月 25 日 10:00~12:00 埼玉教育会館 103 会議室
第 2 回 平成 28 年 2 月 4 日 15:00~17:00 埼玉教育会館 103 会議室
第 3 回 平成 28 年 3 月 23 日 15:00~17:00 埼玉教育会館 201 会議室
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埼玉県推進基本計画
Ⅴ.推進体制とスケジュール
2
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 庁内推進会議
平成 27 年 4 月、埼玉県庁内において、全庁的な協力体制を構築するとともに、両大
会の開催を通じて本県の持続的発展に結び付けることを目的に設置された。
(1)主な検討事項
ア 両大会を円滑に開催するための支援
イ 両大会に関する情報収集及び提供
ウ 両大会を契機とした埼玉県の将来的発展に向けた取組の検討、実施
エ 前各号に掲げるほか、両大会に関連する施策の推進に関すること
(2)構成
ア 議長 :知事
イ 副議長:副知事
ウ 委員 :各部局長等
(3)幹事会
庁内推進会議を補佐するために設置された会議
(構成)
幹事長:県民生活部スポーツ局長
幹 事:各部局主管課長
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埼玉県推進基本計画
Ⅴ.推進体制とスケジュール
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埼玉県推進基本計画
Ⅴ.推進体制とスケジュール
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埼玉県推進基本計画
Ⅴ.推進体制とスケジュール
3 東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会並びにラグビーワールドカップ 2019
に向けた埼玉県推進委員会のスケジュール
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
VI.その他
Ⅵ.その他
1.東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会 競技会場一覧
(平成 28 年 3 月末現在)
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
ス
ポ
ー
ツ
庁
文
科
省
内
閣
官
房
人
事
院
内
閣
府
宮
内
庁
警
察
庁
金
融
庁
消
費
者
庁
復
興
庁
アクセシビリティ協議会(共催)
○建築部会
○交通・アクセス部会
○コミュニケーション・サービス部会
総 法 外
務 務 務
省 省 省
多言語対応協議会
オリパラ準備局
東京都
オリパラ推進本部会議
全国知事会
○輸送検討会
○技術検討会
大会組織委員会
連携会議
九都県市
セキュリティ連絡調整
会議
顧問会議(首相等)
輸送連絡調整会議(共催)
○大会関連ボランティア分科会
○都市ボランティア検討部会
連携
運営主体
都ボランティア活動推進協議会
○交通分科会
○道路分科会
○観光・サービス分科会
関係自治体等連絡協議会(共催)
連携
委員:オリパラ大臣、大会組織委員会長
開催自治体の首長
各省庁が責任を持って開催準備及び関連する組織を担う
スポーツ庁長官
文化を通じた機運醸成等関係府省
会議
木材利用ワーキングチーム
セキュリティ幹事会
東京都との連絡協議
暑さ対策関係府省連絡会議
ホストタウンに関する関係府省連絡会議
関係府省庁連絡会議
オリンピック・パラリンピック担当大臣
本部長:首相
本部員:各国務大臣
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会
推進本部
国
国・大会組織委員会
支援・連携・協力
事務局 : 埼玉県オリンピック・パラリンピック課
埼玉県ラグビーワールドカップ大会課
幹事長 スポーツ局長
幹事 各部局主管課長
庁内推進会議 幹事会
議長 知事
副議長 副知事
委員 各部局長等
庁内推進会議
埼玉県
事務局 : 埼玉県オリンピック・パラリンピック課
埼玉県ラグビーワールドカッフ大会課
各部会
2020年オリンピック・パラリンピック専門委員会
(常任委員会)
総会
会長 埼玉県知事
副会長 県議会議長、さいたま市長、熊谷市長ほか
委員 市町村長、スポーツ団体、
経済・教育・報道等各関係団体ほか
顧問 県選出国会議員、県議会議員、
市町村議会議長ほか
埼玉県知事を会長とし、県内の政財界・スポーツ団体など
多様な主体からなるオール埼玉体制の組織。
2020オリンピック・パラリンピック/ラグビー
ワールドカップ2019埼玉県推進委員会
埼玉県
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた国・大会組織委員会と埼玉県の体制図 (平成28年4月現在)
Ⅵ.その他
2.東京 2020 オリンピック・パラリンピックに向けた国・大会組織委員会と埼玉県の体制図
(平成 28 年 4 月現在)
埼玉県推進基本計画
61
Ⅵ.その他
3.ラグビーワールドカップ 2019 に向けた体制図
62
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅵ.その他
4.ホストタウン推進要綱
63
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅵ.その他
5.ホストシティ・タウン構想推進のための地方財政措置の考え方について
64
2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
Ⅵ.その他
6.参考 URL
○ 東京 2020 組織委員会
https://tokyo2020.jp/jp/
・顧問会議
https://tokyo2020.jp/jp/organising-committee/structure/advisory-meeting/
・関係自治体等連絡協議会
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2015/11/40pbo201.htm
○ 東京都オリンピック・パラリンピック準備局
http://www.2020games.metro.tokyo.jp/
・多言語対応協議会
http://www.2020games.metro.tokyo.jp/multilingual/
・東京都ボランティア活動推進協議会
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2015/08/40p8v101.htm
○ 内閣官房東京オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会推進本部事務局
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/tokyo2020/
○ スポーツ庁
http://www.mext.go.jp/sports/
○ 全国知事会 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部
http://www.nga.gr.jp/data/activity/committee_pt/2020tokyo/index.html
○ ラグビーワールドカップ 2019 大会公式サイト
http://www.rugbyworldcup.com/
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2020 オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ 2019 埼玉県推進委員会
埼玉県推進基本計画
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