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平成 28 年度 佐賀県施肥・病害虫防除・雑草防除のてびき <麦類・野菜

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平成 28 年度 佐賀県施肥・病害虫防除・雑草防除のてびき <麦類・野菜
平 成 28 年 8 月 3 日 作成
平成 28 年度
Ⅰ
麦
佐賀県施肥・病害虫防除・雑草防除のてびき
<麦類・野菜・花き・飼料作物>
-防除関係参考資料-
類
1.ムギ類の品種耐病性 ···················································· 529
2.2剤同時処理によるシロトビムシ類に対する防除効果 ······················ 529
3.麦わら処理方法が雑草の発生におよぼす影響 ······························ 530
4.試験圃場におけるタデ科雑草の残草量 ···································· 531
Ⅱ
野
菜
類
1.ミツバチに対する薬剤散布の影響 ········································ 532
2.マルハナバチに対する薬剤散布の影響 ···································· 537
3.イチゴにおける天敵利用の留意点 ········································ 537
4.微生物農薬利用の留意点 ················································ 540
5.天敵類に対する農薬の影響 ·············································· 547
6.コンフューザーV使用上の留意点 ········································ 548
Ⅰ
麦
類
1.ムギ類の品種耐病性〔目次に戻る〕
1)大麦品種のオオムギ縞萎縮病抵抗性
品 種 名
Ⅰ型
S
R(ym 5)
R(ym 5)
R(ym 5)
R(ym 5)
R(ym 3)
R(ym 5)
R(ym 5)
R(ym 3)
R(ym 3)
R(ym 5)
あまぎ二条
ニシノゴールド
ミハルゴールド
ほうしゅん
しゅんれい
サチホゴールデン
ニシノチカラ
ニシノホシ
西海皮60号(煌二条)
はるしずく
イチバンボシ
ウイルスの系統
Ⅱ型
Ⅲ型
(Ⅳ型)
R
S
S
R
S
S
R
S
S
R
S
S
R
S
S
R
R(ym 3)
S
R
S
S
R
S
S
R
R(ym 3)
S
R
R(ym 3)
S
R
S
S
Rは抵抗性、Sは感受性
ym5は木石港3由来、ym3ははがねむぎ由来の抵抗性遺伝子
Ⅳ型は佐賀県内では未確認。
2)コムギ縞萎縮病に対する品種耐病性
強
シロガネコムギ
チクゴイズミ
ニシノカオリ
中
やや弱
弱
2.2剤同時処理のシロトビムシ類に対する防除効果〔目次に戻る〕
以下のデータは、福岡県農業総合試験場において、平成 24~25 年度の2カ年間にわたって本
種に対して農薬登録がある薬剤を2剤同時処理で 行われた試験成績です。
キヒゲンR-2フロアブルとバッサ粉剤30DLもしくはアドマイヤー水和剤の同時処理は、
先にキヒゲンR-2フロア ブルの種子塗沫を行った後にバッサ粉剤30DLもしくはアドマイ
ヤー水和剤の種子粉衣で行われました。
キヒゲンR-2フロアブルとバッサ粉剤30DLもしくはアドマイヤー水和剤の同時処理は、
単用処理と比較して防除効果の向上が認められました。
表 2剤同時処理のシロトビムシ類に対する防除効果(平成24、25年 福岡農総試試験成績一部修正)
出芽苗率
薬 剤 名
平成24年
平成25年
キヒゲンR-2フロアブル + バッサ粉剤30DL
26.4% ( 8.3)
48.8% (40.7)
キヒゲンR-2フロアブル + アドマイヤー水和剤
23.6% ( 7.4)
37.6% (31.3)
バッサ粉剤30DL
12.0% ( 3.8)
24.4% (20.3)
アドマイヤ-水和剤
7.2% ( 2.3)
13.2% (11.0)
キヒゲンR-2フロアブル
3.6% ( 1.1)
18.8% (15.7)
無処理
3.2% ( 1
注)( ) 内の数値は指数で、試験薬剤の出芽苗率/無処理区の出芽苗率
- 529 -
)
1.2% ( 1
)
3.麦わら処理方法が雑草の発生におよぼす影響〔目次に戻る〕
以下のデータは、佐賀県稲わら・麦わら適正処理対策会議において、佐賀県農業試験研究セ
ンターを中心に、平成 23~24 年度の2カ年間にわたって行った現地試験によるものです。
水稲、大豆及び水稲、大豆後作の麦作においても、焼却に比べ、すき込みすることで雑草の
発生量が多くなる傾向は見られませんでした。
(1)水稲圃場
(2)大豆圃場
(3)麦圃場
- 530 -
4.試験圃場におけるタデ科雑草の残草量〔目次に戻る〕
以下のデータは、農研機構九州沖縄農業研究センターにおいて、薬剤処理と土入れの有無によ
るタデ科雑草に対しての抑草効果を確認した試験成績です。
図
A 市試験圃場におけるタデ科雑草の残草量
1) 残草量は生重(g/㎡)
2) 横軸の日付は除草剤処理日
3) TM:ハーモニー75DF 水和剤、IOX:アクチノール乳剤
4) 同じアルファベットの処理区には 5%水準で有意差がな
い(Tukey's HSD 検定)
5) 土入れは 3 月 8 日の除草剤処理後に実施
「農研機構九州沖縄農業研究センター 大段よりデータ提供」
- 531 -
Ⅱ.野
菜
類 〔目次に戻る〕
1.ミツバチに対する薬剤散布の影響(適用内容は「いちご」です)
ミツバチは他の昆虫(害虫)に比べ、農薬とりわけ殺虫剤に対し感受性が高く、散布によ
って訪花活動が著しく低下したり、死亡することがある。薬剤散布にあたっては比較的影響
の少ない薬剤を選択するとともに、巣箱は外に出しておき、影響がなくなってから搬入する。
なお、散布はハウスのサイドを開放して行い、散布後は換気に努める。
表
各種防除薬剤のミツバチに対する影響
(JA さが肥料農薬課・平成 28 年作成)
平成28年度版 いちご 農薬散布後のミツバチ導入可能日数
【必ずお読み下さい・・・・本表をご覧になる上での注意事項】
※農薬の選択・使用にあたっては、最新の登録内容をご確認下さい。
※散布時には、巣箱を外に出して下さい。
※ミツバチは薬液が乾いてから導入して下さい。
※「ミツバチ導入可能日」欄の見方・・・例えば「3日」と書いてある場合、散布3日後から導入できます。
※散布当日にミツバチを導入できる薬剤について、本表では 「1日」(散布の翌日導入)と記載しています。
※低温、曇天など訪花活動が不活発になると予想される場合は、「ミツバチ導入日数」に幅がある薬剤は、
長めの日数を設定しましょう。・・・例えば「2~5日」と記載されているなら、散布5日後から導入して下さい。
※表中の導入可能日は、気温などの気象要因で変化する場合があります。そのために生じた事故に対する
責任は負えませんので予めご諒承下さい。
☆殺虫剤 いちご 農薬散布後のミツバチ導入可能日数
殺 虫 剤
薬剤名
ミツバチ
導入可能
日数
ハ
ダ
ニ
系統
アーデント水和剤
2日
ピレスロイド
○
アカリタッチ乳剤
1日
脂肪酸エステル
○
アクタラ粒剤5
30日
ネオニコチノイド
アタブロン乳剤
1日
IGR
アディオン乳剤
20~30日
ハ
ス
モ
ン
ヨ
ト
ウ
コ
ガ
ネ
ム
シ
類
○
平成28年7月
ス
リ
ッ
プ
ス
類
備考
○
○
定植時植穴処理
○
○
ピレスロイド
○
○
定植時植穴土壌混和
または 育苗期後半株元散布
○
・コナジラミ類にも登録
・薬液が乾けば影響なし
○
コナジラミ類、うどんこ病にも登録
アドマイヤー1粒剤
30日
ネオニコチノイド
アニキ乳剤
1日
マクロライド
○
アファーム乳剤
2日
マクロライド
○ ○
ウララDF
ア
ブ
ラ
ム
シ
類
備考参照
ピリジンカルボキサミド系
エコピタ液剤
1日
還元澱粉糖化物
エスマルクDF
1日
BT
オレート液剤
1日
オレイン酸
カウンター乳剤
1日
IGR
○
○
カスケード乳剤
1日
IGR
○
○
ガゼット粒剤
35日
カーバメート
○
適用害虫「野菜類」のオオタバコガ
○
○
- 532 -
コナジラミ類にも登録
○
・アブラムシ:本圃定植時、株元散布又は植穴土壌
混和
・コガネムシ幼虫:仮植床植付時全面土壌混和
殺 虫 剤
薬剤名
コテツフロアブル
コルト顆粒水和剤
ミツバチ
導入可能
日数
10日
ハ
ダ
ニ
系統
ピロール系
ハ
ス
モ
ン
ヨ
ト
ウ
ア
ブ
ラ
ム
シ
類
○ ○
備考参照 その他
コ
ガ
ネ
ム
シ
類
ス
リ
ッ
プ
ス
類
備考
○
○
・コナジラミ類にも登録
・放飼期間中は使用しない
○
コナジラミ類、うどんこ病にも登録
コロマイト水和剤
1日
マクロライド
○
サンクリスタル乳剤
1日
脂肪酸グリセリド
○
サンマイトフロアブル
4日
ピリダベン
○
シーマージェット
2日
混合剤
○
除虫菊乳剤
1日
ピレスロイド
スカイマイトくん煙剤
1日
オキサゾリン系
スタークル/アルバリン粒剤
40日
ネオニコチノイド
スターマイト
1日
その他
○
ホコリダニにも登録有
スパイデックス
1日
天敵農薬
○
ハダニを捕食するカブリダニ
スピノエース顆粒水和剤
2日
スピノシン
ダブルフェースフロアブル
1日
混合剤
○
ダニサラバフロアブル
1日
その他
○
ダニトロンフロアブル
1日
フェノキシピラゾール系
○
チェス顆粒水和剤
1日
ピリジンアゾメチン系
ディアナSC
3日
スピノシン
テデオン乳剤
1日
有機硫黄
デルフィン顆粒水和剤
1日
BT
○
トルネードエースDF
1日
オキサダイアジン系
○
ニッソラン水和剤
コナジラミ類にも登録
○
くん煙剤。うどんこ病に登録有
○
○
くん煙剤 農薬登録失効
○
定植時植穴土壌混和
○
カルボキサニリド系+フェノキシピラゾール系
○
○
○
○
備考参照 チアゾリジノン系
○
薬液が乾けば影響なし
ネマキック粒剤
10日
有機リン
定植前、全面土壌混和、ネグサレセンチュウ
ネマトリンエース粒剤
1日
有機リン系
定植前、全面土壌混和、ネグサレセンチュウ、ハダニ
ノーモルト乳剤
1日
IGR
ハチハチフロアブル
6日
バリアード顆粒水和剤
1日
ネオニコチノイド
バロックフロアブル
1日
オキサゾリン系
○
ピラニカEW
1日
ピラゾール系
○
ファルコンフロアブル
1日
IGR
○
フェニックス顆粒水和剤
1日
ベンゼンジカルボキサミド系
○
プレオフロアブル
1日
その他
○
プレバソンフロアブル5
1日
アントラニルアミド系
○
ベストガード水溶剤
6日
ネオニコチノイド
ベネビアOD
1日
ジアミド
マイトクリーン
1日
フェノキシエチルアミン系
○
○
○
○
コナジラミ類にも登録
○
うどんこ病に登録あり。
オオタバコガにも登録
○
○
○
- 533 -
○
マルハナバチは10日
○
殺 虫 剤
薬剤名
ミツバチ
導入可能
日数
ハ
ダ
ニ
系統
ハ
ス
モ
ン
ヨ
ト
ウ
マッチ乳剤
1日
IGR
○
マトリックフロアブル
1日
IGR
○
マブリックジェット
3日
ピレスロイド
マブリック水和剤20
1日
ピレスロイド
マラソン乳剤
7~10日
○
ア
ブ
ラ
ム
シ
類
コ
ガ
ネ
ム
シ
類
ス
リ
ッ
プ
ス
類
備考
○
○
くん煙剤
○
有機リン
○
○
○
モスピランジェット
1日
ネオニコチノイド
○
○ くん煙剤
モスピラン顆粒水溶剤
1日
ネオニコチノイド
○
○ コナジラミ類にも登録
モスピラン粒剤
1日
ネオニコチノイド
○
モベントフロアブル
1日
ケトエノール
○
定植時植穴土壌混和または
定植時及び生育期株元散布
コナジラミ類にも登録
○ ハダニ類にも登録(灌注処理)
ラービンフロアブル
7日
カーバメート
ロディーくん煙顆粒
7~10日
ピレスロイド
○
開花中は使用しない
ピレスロイド
○
ロディー乳剤
ロムダンフロアブル
1日
○
IGR
定植30日後まで
くん煙剤
○
○
☆殺菌剤 いちご 農薬散布後のミツバチ導入可能日数
灰
色
か
び
病
う
ど
ん
こ
病
○
○
ミツバチ
導入可能
日数
系統
アグロケア水和剤
1日
拮抗微生物
アミスター20フロアブル
1日
ストロビルリン
○
○
アフェットフロアブル
1日
アニリド系
○
○
インプレッション水和剤
1日
拮抗微生物
○
○
インプレッションクリア
1日
拮抗微生物
○
○
エコショット
1日
拮抗微生物
○
殺 菌 剤
薬剤名
オーソサイド水和剤80
備考参照 保護剤
○
ガッテン乳剤
1日
その他
カリグリーン
1日
炭酸水素カリウム
カンタスドライフロアブル
炭
そ
病
平成28年7月
萎
黄
病
備考
○
○
・薬剤が乾けば影響なし
・芽枯病にも登録
○
備考参照 アニライド系
○
○
○
○
薬液が乾けば影響なし
クリーンカップ
1日
混合剤
○
ゲッター水和剤
1日
混合剤
コロナフロアブル
1日
無機硫黄系
○
サプロール乳剤
1日
EBI
○
BT剤+銅剤
○
- 534 -
殺 菌 剤
薬剤名
ミツバチ
導入可能
日数
系統
サンヨール
1日
有機銅
サンリット水和剤
1日
EBI
シグナムWDG
備考参照 混合剤
ジーファイン水和剤
1日
混合剤
ジャストミート顆粒水和剤
1日
混合剤
ストロビーフロアブル
灰
色
か
び
病
う
ど
ん
こ
病
○
○
〇
炭
そ
病
○
○
〇
〇
フェンヘキサミド+フルジオキソニル
○
1日
ジカルボキシイミド
○
セイビアーフロアブル20
1日
フェニルピロール
○
ダイマジン水和剤
1日
混合剤
○
トリフミンジェット
1日
・ストロビルリン+アニライド系
・薬液が乾けば影響なし
炭酸水素ナトリウム+銅
○
スミレックス水和剤
備考
乳剤。 アブラムシ、ハダニに登録有
○
備考参照 ストロビルリン
萎
黄
病
薬液が乾けば影響なし
菌核病に登録有
○
○
イミノクタジン+フェンヘキサミド
EBI
○
くん煙剤
トリフミン水和剤
備考参照 EBI
○
薬液が乾けば影響なし
ハーモメイト水溶剤
備考参照 炭酸水素ナトリウム
○
薬液が乾けば影響なし
○
バイオトラスト水和剤
1日
拮抗微生物
○
バイコラール水和剤
1日
トリアゾール
○
バリダシン液剤5
1日
抗生物質
パンチョTF顆粒水和剤
育苗期:炭そ病、輪斑病に登録有
芽枯病、角斑細菌病に登録有
備考参照 混合剤
○
シフルフェナミド+トリフルミゾール
薬液が乾けば影響なし
くん煙剤
フルピカくん煙剤
1日
アニリノピリミジン
○
○
フルピカフロアブル
1日
アニリノピリミジン
○
○
プロパティフロアブル
1日
ベンゾイルピリジン系
ファンタジスタ顆粒水和剤
1日
ベンジルカーバメート
○
ファンベル顆粒水和剤
1日
ベンジルカーバメート
○
ベルクート水和剤
○
○
備考参照 イミノクタジン
○
○
○
本圃:うどんこ病
育苗期:炭そ病、うどんこ病
薬液が乾けば影響なし
○
炭そ病:仮植前の苗根浸漬
仮植時又は本圃:潅注
ベンレート水和剤
1日
ベンズイミダゾール
○
萎黄病:仮植前の苗根浸漬
仮植時~仮植期間の潅注
ボトキラー水和剤
1日
拮抗微生物
○
○
ボトピカ水和剤
1日
拮抗微生物
○
○
○
○
ポリオキシンAL水和剤
1~2日
抗生物質
ポリオキシンAL乳剤
3~7日
抗生物質
○
モレスタン水和剤
3~9日
キノキサリン系
○
- 535 -
ダクト内投入登録有り
殺 菌 剤
薬剤名
ミツバチ
導入可能
日数
系統
灰
色
か
び
病
う
ど
ん
こ
病
炭
そ
病
萎
黄
病
備考
疫病、根腐病の防除薬剤
定植時作条土壌混和
リドミル粒剤2
1日
フェニルアマイド系
ルビゲン水和剤
1日
EBI
ロブラールくん煙剤
1日
ジカルボキシイミド
○
ロブラール水和剤
1日
ジカルボキシイミド
○
○
☆その他(植調剤)
薬剤名
ビビフルフロアブル
ミツバチ
導入可能日
1日
系統
プロヘキサジオン
〔目次に戻る〕
- 536 -
効果
徒長防止
備考
2.マルハナバチに対する薬剤散布の影響 〔目次に戻る〕
マルハナバチはトマトの交配の目的で県下でも導入が進んでいる。ミツバチと同様に殺虫
剤に対して感受性が高く、散布によって訪花活動が著しく低下したり、死亡することがある。
薬剤散布は放飼前に行う。放飼後の薬剤は比較的影響の少ない薬剤を選択するとともに、巣
箱は外に出しておき影響がなくなってから搬入する。
各薬剤のマルハナバチに対する影響日数については、 日本バイオロジカルコントロール協
議会のホームページ(URL:http://www.biocontrol.jp/)を参照。
3.イチゴにおける天敵利用の留意点 〔目次に戻る〕
(1)
基本的な考え方
環境にやさしい農業を進めるため、施設害虫に対する天敵利用の実用化が検討され、多
くの天敵が生物農薬として登録されている。
天敵は①授粉昆虫に対し影響がない、②薬剤抵抗性がない、③生産物に残留の問題がな
い、④散布作業が安全等の優れた利点がある。しかし、化学合成農薬と同じレベルの速効
的で高い効果は期待できない。一般に、天敵類の効果が現れるまでには、早くても2週間、
通常1~2ヶ月かかる。また、害虫は天敵類にとっては餌なので、その根絶は難しい。さ
らに、目的の害虫以外の病害虫が発生した場合、その防除が極めて制限される場合がある。
したがって、市販されている天敵類を使用する場合は、その性質を理解し、総合的な防
除体系の中に組み入れることが成功のカギとなる。
成功のカギとなる条件
1.施設内に害虫を侵入させない。
施設内に害虫(目的以外の害虫も含めて)持ち込まないよう、育苗から防除を徹底
する。さらに、定植前に粒剤を処理すると効果的である。初期密度を抑えることがポ
イントである。
2.適切な導入の時期(季節)を選ぶ。
天敵類が活動できる温度条件はチリカブリダニで 17~28℃、オンシツツヤコバチで
20~27℃となっている。天敵は高温に弱く、30℃以上では活動に大きく影響するので、
施設内の温度管理には十分気を付ける。導入できない時期には薬剤等で管理する。
3.害虫の発生初期段階に放飼する。
害虫をごく少数でも発見したら放飼する。このとき、スポット的な発生であれば、
そこに集中的に天敵類を放飼し、残りを施設全体に放飼すると効果的である。
4.農薬等の影響を受けないようにする。
(1)
天敵類に影響の少ない農薬を選ぶ( 次々ページの表を参照)。
(2)
薬剤散布が必要な場合は、できるだけスポット処理にする。
- 537 -
(2)
天敵(チリカブリダニ及びミヤコカブリダニ)を利用したハダニ類の防除体系
本県の試験事例とこれまでの知見を基に作成した使用方法を以下に示す。〔目次に戻る〕
①
天敵を利用したハダニ類の防除体系とポイント
10 月下旬頃
ハダニ類の密度を0頭レベルにするために天敵に悪影響の少ない殺ダニ剤を散
布
*天敵によるハダニ類の防除を成功さ せるためには、天敵放飼 前にハダニ類の密度を0頭
レベルに抑えておくことが最重要。
*ハダニ類の発生が多い場合は、殺ダニ剤を2回程度散布する。
11 月上旬頃(ビニル被覆後)
ス パ イ カ ル E X ( ミ ヤ コ カ ブ リ ダ ニ ) 2,000~ 3,000 頭 /10a
を放飼
*放飼時期(ビニル被覆後)を厳守する。
*殺ダニ剤散布後7日目頃に放飼する。以下の各放飼時期にも共通である。
*天敵の効果は遅効的であるため、ハダニ類の密度が低い時期( 0~0.5 頭/複葉)に放飼
して、定着させることが基本である。特に、スパイカル(ミヤコカブリダニ)はハダニ
類の極低密度時から放飼 する。
*天敵放飼後は、必ず定期的にハダニ類の寄生状況を観察する。なお、ハダニ類が寄生し
ている場所に事前に目印を付け、その付近を経時的に観察するとよい。
* 放 飼 1 ヶ 月 後 にハ ダニ 類 の 密 度 が 低 下し てい た 場 合 は 効 果 有り と判 断 し て よ い 。 なお 、
密度調査が困難な場合は、ハダニ類の坪状の発生が見あたらなければ、効果有りとする。
12 月上旬頃
スパイカルEX(ミヤコ)またはスパイデックス(チリカブリダニ) 5,000 頭
/10a を放飼
*放飼時期を厳守する。
*放飼前のハダニ類の密度が 0.5 頭以上/複葉の場合、天敵に悪影響の少ない殺ダニ 剤(第
1表参照)散布後に天敵を放飼する。これは、以下の各放飼時期にも共通である。
1月中下旬頃
スパイデックス(チリカブリダニ) 2,000~3,000 頭/10a を放飼
防除効果が認められ、さらに厳寒期によりハダニ類の発生が認められない場合は、この
時期の放飼は省略してもよい。
2月中旬頃
スパイデックス(チリカブリダニ) 2,000~3,000 頭/10a を放飼
ハダニ類の増殖に好適な時期(3月以降)に入る前に、天敵を放飼する。
3月中下旬頃
スパイデックス(チリカブリダニ) 2,000~3,000 頭/10a を放飼
気温の上昇にともない、ハダニ類の密度が急激に高まり、天敵だけでは防除が困難な場
合がある。そのため、放飼後に効果が認められない場合は、天敵に悪影響が少なく、効果
が期待できる殺ダニ剤を散布する。
4~5月頃
ビニル開放後は圃場外からの侵入等により、ハダニ類が急激に増加する場合が多い。そ
のため、天敵の寄生が認められても、ハダニ類の密度が高まるような場合は早急に殺ダニ
類を散布する。
- 538 -
②
密度調査方法
日常観察
*圃場全体を歩き、ハダニ類による被害(上位展開葉のカスリ状の葉)の有無を調べる。
*ハダニ類の発生場所には 目印をつけて、被害の進展度合いを随時調べる。
定期観察
天敵放飼前、放飼後約7~ 10 日間隔で、1区より 100 株を抽出し、1株当たり1複葉、
計 100 複葉(古葉、新葉に偏ることなく、均一に抽出)に寄生するハダニ類雌成虫数を経
時的に調査する。なお、 100 株は 50 株の2ヶ所とする。
③
天敵に影響の少ない殺ダニ剤・殺虫剤・殺菌剤等
*殺ダニ剤・殺虫剤・放飼前後は、天敵に悪影響の少ない薬剤を使用する (日本バイオロ
ジカルコントロール協議会ホームページ http://www.biocontrol.jp/を参照)。
*殺菌剤:モレスタン水和剤を除き、主な殺菌剤は天敵に対する悪影響が少ない。
第1表
イチゴの主要害虫と天敵に影響の少ない殺虫剤の例〔目次に戻る〕
対象病害虫
薬 剤 名
ハダニ類
マイトコーネフロアブル、コロマイト水和剤、バロックフロアブ
ル、アカリタッチ乳剤、ニッソラン水和剤
アブラムシ類
チェス水和剤、モスピラン水溶剤
ミカンキイロアザミウマ
マッチ乳剤、カスケード乳剤、スピノエース顆粒水和剤、モスピラ
ン水溶剤
ハスモンヨトウ
デルフィン顆粒水和剤、ゼンターリ顆粒水溶剤、ノーモルト乳剤、
トルネードフロアブル、プレオフロアブル、カスケード乳剤
オオタバコガ
デルフィン顆粒水和剤、ゼンターリ顆粒水溶剤、プレオフロアブル
*アカリタッチ乳剤の使用については以下の事項に注意する。
・薬剤散布後果実が長時間ぬれた状態が続くと薬害が発生する場合があるため、できるだ
け果実の着果がない時に使用する。
・幼虫~成虫に対して効果は有るが、卵には効果がない。そのため、約7日間 隔の2回散
布が基本である。
・単用散布(葉面散布剤を含め混用は厳禁)、使用濃度は 2,000 倍とする。
・薬液が乾きやすい時間帯及び気象条件下で使用する。
・35℃以上のような高温時期(時間帯)には薬害が発生する恐れがあるので使用しない。
・樹勢・草勢が低下している場合は薬害を生じる 恐れがあるので使用しない。
④
天敵購入時の留意点
*輸入資材のため、希望時期に入手できない場合が あるので、放飼時期の2週間前頃まで
に申し込みすることが望ましい(例:火曜日に購入申し込み→翌週火曜日に天敵到着、
木曜日に購入申し込み→翌週木曜日に天敵到着)。
*天敵は到着後にできるだけ早急に(到着当日に)放飼する。もし、放飼出来ない場合は、
直射日光の当たらない冷暗所や5℃の冷蔵庫で保管する。天敵製剤はヨーロッパからの
空輸のため、使用現場での保存期間は短いと考える。
- 539 -
⑤
天敵放飼時の留意点
*天敵は移動するが、可能な限りむらのないように放飼する。特に、高設栽培では、畝間
を移動しにくいと思われるので、均一に放飼する。ただし、ハダニが発生している場所
にはスポット的に多めに放飼する。
*天敵を放飼する場合は、容器内の偏りを少なくするために、 まず静かに数回まわしてか
ら、フタを外す。その後、容器をゆっくり回しながらキャリアー(天敵を保護する緩衝
資材:バーミキュライト、オガクズ等)とともに、畦の中央部のイチゴの葉に放飼する。
⑥
栽培管理上の留意点
*ハダニ類の寄生は、定植から保温開始時期までは地面に接した下位葉に多いので、密度
低下を図るために、下葉かぎ・園外での処分を必ず実施する。
*ハダニ類の発生場所を把握するために、発見した場合、目印となる園芸用支柱等を必ず
立てる。
*チリカブリダニの生育適温は 20~30℃、ミヤコカブリダニは 15~30℃である。そのた
め、イチゴの栽培管理温度内であったら生存は可能である。ただし、天敵の生育適温よ
りも、温度が高すぎたり、低すぎる場合は、活動が鈍り生長速度もゆるやかになる。
4.微生物農薬利用の留意点 〔目次に戻る〕
はじめに
微生物農薬は、登録された使用方法を守れば基本的に効果を発揮しうるが、その効果は
病害虫を一気撲滅するような化学農薬とはかなり異なり、むしろ病害虫と共存しながら被
害を抑制していくような効果を示すのがほとんどである。したがって、対応できる圃場条
件や散布適期が限られるなど通常の農薬散布とはかなり異なる処理方法となることが多い。
そのため、生物農薬の特徴や使用方法をよく理解し、圃場の状態に留意しながら使用する
ことが基本である。ここでは、BT剤を除く微生物農薬について野菜・花卉類へ登録のあ
る主なものについて一覧とした。
主な生物農薬の登録一覧(天敵昆虫・天敵ダニ)
農薬種類名
商品名
作物名
野菜類(施設栽培)
おうとう(施設栽培)
ばら(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
果樹類(施設栽培)
花き類・観葉植物
(施設栽培)
豆類(種実)(施設栽培)
いも類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
ばら(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
カブリダニPP
チリトップ
チリカブリダニ剤
2016年6月現在
日本植物防疫協会HPより
スパイデックス
チリガブリ
チリカ・ワーカー
次頁へ続く
- 540 -
適用病害虫名
ハダニ類
ナミハダニ
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
(つづき)主な生物農薬の登録一覧(天敵昆虫・天敵ダニ)
農薬種類名
商品名
作物名
適用病害虫名
ツヤトップ
ツヤコバチEF30
ツヤパラリ
ツヤトップ25
野菜類(施設栽培)
ポインセチア(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
コナジラミ類
コナジラミ類
オンシツコナジラミ
コナジラミ類
コナジラミ類
オンシツコナジラミ
イサエアヒメコバチ・
ハモグリコマユバチ剤
マイネックス
野菜類(施設栽培)
ハモグリバエ類
コレマンアブラバチ剤500
アフィパール
コレパラリ
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
ほうれんそう(施設栽培)
シクラメン(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
アブラムシ類
アブラムシ類
アザミウマ類
ケナガコナダニ
アザミウマ類
アザミウマ類
野菜類(施設栽培)
アブラムシ類
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
トマト(施設栽培)
ミニトマト(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
むくげ(施設栽培)
ハモグリバエ類
ハモグリバエ類
ハモグリバエ類
マメハモグリバエ
マメハモグリバエ
アブラムシ類
ワタアブラムシ
野菜類(施設栽培)
アザミウマ類
アザミウマ類
アザミウマ類
コナジラミ類
コナジラミ類
アブラムシ類
アブラムシ類
アザミウマ類
ハダニ類
ハダニ類
ハモグリミドリヒメコバチ剤
ミヤコスター
システムミヤコくん
ミドリヒメ
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類
果樹類
花き類・観葉植物
(施設栽培)
豆類(種実)
いも類
茶
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
果樹類
花き類・観葉植物
(施設栽培)
豆類(種実)(施設栽培)
いも類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
チチュウカイツヤコバチ剤
ベミパール
野菜類(施設栽培)
エンストリップ
オンシツツヤコバチ剤
ククメリスカブリダニ剤
コレマンアブラバチ剤250
イサエアヒメコバチ剤
ククメリス
メリトップ
コレトップ
アブラバチAC
ヒメトップ
ヒメコバチDI
イサパラリ
ハモグリコマユバチ剤
コマユバチDS
ヤマトクサカゲロウ剤
カゲタロウ
タイリクヒメハナカメムシ剤
サバクツヤコバチ剤
ナミテントウ剤(ナミトップ)
アリガタシマアザミウマ剤
オリスターA
トスパック
タイリク
リクトップ
エルカード
サバクトップ
ナミトップ
ナミトップ20
アリガタ
スパイカルEX
ミヤコカブリダニ剤
ミヤコトップ
スパイカルプラス
野菜類(施設栽培)
スワルスキー
スワルスキーカブリダニ剤
なす(露地栽培)
果樹類(施設栽培)
マンゴー(施設栽培)
花き類・観葉植物
(施設栽培)
豆類(種実)(施設栽培)
いも類(施設栽培)
スワルスキープラス
野菜類(施設栽培)
果樹類(施設栽培)
- 541 -
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
カンザワハダニ
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハダニ類
ハモグリバエ類
タバココナジラミ類
(シルバーリーフコナジラミを含む)
コナジラミ類
アザミウマ類
チャノホコリダニ
アザミウマ類
ミカンハダニ
チャノキイロアザミウマ
アザミウマ類
コナジラミ類
アザミウマ類
チャノホコリダニ
コナジラミ類
アザミウマ類
チャノホコリダニ
コナジラミ類
アザミウマ類
チャノホコリダニ
ミカンハダニ
(つづき)主な生物農薬の登録一覧(天敵昆虫・天敵ダニ)
農薬種類名
商品名
作物名
マンゴー(施設栽培)
花き類・観葉植物
(施設栽培)
スワルスキープラス
豆類(種実)(施設栽培)
スワルスキーカブリダニ剤
いも類(施設栽培)
システムスワルくん
チャバラアブラコバチ剤
キイカブリダニ剤
ナミテントウ剤(テントップ)
ヒメカメノコテントウ剤
ヨーロッパトビチビアメバチ剤
チャバラ
キイトップ
テントップ
カメノコS
ヨーロッパトビチビアメバチ
リモニカスカブリダニ剤
リモニカ
アカメガシワクダアザミウマ剤
アカメ
ギフアブラバチ剤
ギフパール
野菜類(施設栽培、
ただし、トマト、ミニトマトを除く)
かんきつ(施設栽培)
マンゴー(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
なす(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
れんげ
野菜類(施設栽培)
ピーマン(施設栽培)
なす(施設栽培)
野菜類(施設栽培)
ピーマン(施設栽培)
とうがらし類(施設栽培)
主な生物農薬の登録一覧(BTを除く天敵微生物・天敵線虫等)
農薬種類名
商品名
適用病害虫名
チャノキイロアザミウマ
アザミウマ類
コナジラミ類
アザミウマ類
チャノホコリダニ
コナジラミ類
アザミウマ類
チャノホコリダニ
アザミウマ類
ミカンハダニ
チャノキイロアザミウマ
アブラムシ類
アザミウマ類
アブラムシ類
アブラムシ類
アルファルファタコゾウムシ
アザミウマ類
タバココナジラミ
タバココナジラミ
アザミウマ類
アブラムシ類
アブラムシ類
2016年6月現在
日本植物防疫協会HPより
作物名
適用病害虫名
ボーベリア ブロンニアティ剤
バイオリサ・カミキリ
うど
たらのき
果樹類
かえで
しいたけ
桑
ペキロマイセス フモソロセウス
水和剤
プリファード水和剤
野菜類(施設栽培)
バーティシリウム レカニ水和剤
マイコタール
野菜類(施設栽培)
マンゴー(施設栽培)
きく(施設栽培)
トルコギキョウ(施設栽培)
センノカミキリ
センノカミキリ
カミキリムシ類
ゴマダラカミキリ
ハラアカコブカミキリ
キボシカミキリ
ワタアブラムシ
コナジラミ類
コナジラミ類
チャノキイロアザミウマ
ミカンキイロアザミウマ
ミカンキイロアザミウマ
ボーベリア バシアーナ剤
バイオリサ・マダラ
ボーベリアン
まつ(枯損木)
マツノマダラカミキリ
キャベツ
ハスモンヨトウ
えだまめ
ハスモンヨトウ
アスパラガス
いちご
しそ(花穂)
食用ぎく
レタス
きく(葉)
つるむらさき
しそ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
だいず
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ核多角体病ウイルス
水和剤(Fu-1株)
ペキロマイセス テヌイペス乳剤
ハスモン天敵
ゴッツA
野菜類(施設栽培)
ハスモンヨトウ核多角体病ウイルス
水和剤(A9株・C3株)
ハスモンキラー
えだまめ
いちご
レタス
つるむらさき
しそ
バジル
だいず
ボーベリア バシアーナ水和剤
ボタニガード水和剤
メタリジウム アニソプリエ粒剤
パイレーツ粒剤
野菜類(施設栽培)
トマト
野菜類(施設栽培)
マンゴー
- 542 -
うどんこ病
アブラムシ類
コナジラミ類
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
コナジラミ類
アザミウマ類
コナジラミ類
アザミウマ類
チャノキイロアザミウマ
(つづき)主な生物農薬の登録一覧(BTを除く天敵微生物・天敵線虫等)
農薬種類名
商品名
作物名
野菜類
たらのき
かんしょ(茎葉)
オリーブ(葉)
果樹類
スタイナーネマ カーポカプサエ剤
バイオセーフ
いちじく
なし
りんご
ふさすぐり
オリーブ
花き類・観葉植物
さくら
ヤシ
芝
豆類(種実)
いも類
かんしょ
パスツーリア ペネトランス水和剤
(顆粒)
スタイナーネマ グラセライ剤
パストリア水和剤
バイオトピア
野菜類
ネコブセンチュウ
いちじく
ネコブセンチュウ
いも類
ネコブセンチュウ
野菜類
いちご
ブルーベリー
ハスカップ
ネキリムシ類
ハスモンヨトウ
ヒメコガネ幼虫
ナガチャコガネ幼虫
アブラムシ類
コナガ
コナジラミ類
アザミウマ類
アオムシ
コナジラミ類
コナジラミ類
オオタバコガ
チャノキイロアザミウマ
クワシロカイガラムシ
リンゴコカクモンハマキ
チャノコカクモンハマキ
チャハマキ
コガネムシ類幼虫
シバオサゾウムシ幼虫
タマナヤガ
シバツトガ
スジキリヨトウ
ネキリムシ類
ネキリムシ類
コガネムシ類幼虫
野菜類
ボーベリア バシアーナ乳剤
ボタニガードES
チャハマキ顆粒病ウイルス
・リンゴコカクモンハマキ顆粒病
ウイルス水和剤(フロアブル)
ハマキ天敵
スタイナーネマ グラセライ剤
バイオトピア
キャベツ
トマト
ミニトマト
レタス
マンゴー
茶
りんご
茶
茶
芝
芝
スタイナーネマ グラセライ剤
バイオトピア
適用病害虫名
ハスモンヨトウ
センノカミキリ幼虫
アリモドキゾウムシ
イモゾウムシ
オリーブアナアキゾウムシ幼虫
コスカシバ
モモシンクイガ
キボシカミキリ幼虫
ヒメボクトウ
ヒメボクトウ
スグリコスカシバ
オリーブアナアキゾウムシ幼虫
キンケクチブトゾウムシ幼虫
ハスモンヨトウ
コスカシバ
ヤシオオオサゾウムシ幼虫
シバオサゾウムシ幼虫
タマナヤガ
ハスモンヨトウ
ハスモンヨトウ
アリモドキゾウムシ
イモゾウムシ
豆類(種実)
いも類
かんしょ
- 543 -
2016年6月現在
日本植物防疫協会HPより
主な生物農薬(病害対象)の登録一覧
農薬種類名
商品名
作物名
きゅうり
トマト
バチルス ズブチリス(D747)
・ポリオキシン水和剤
クリーンサポート
なす
花き類・観葉植物
(ばら、きくを除く)
きく
ばら
ピーマン
トウガラシマイルドモットルウイルス
弱毒株水溶剤
グリーンペパーPM
アグロバクテリウム
ラジオバクター剤
バクテローズ
非病原性エルビニア カロトボーラ
水和剤(顆粒)
バイオキーパー水和剤
エコメイト
とうがらし類
果樹類(りんごを除く)
りんご
きく
ばら
野菜類
かんきつ
シクラメン
ばれいしょ
稲
野菜類
バチルス ズブチリス(MBI600)
水和剤
ボトキラー水和剤
かんきつ
なし
ぶどう
マンゴー
花き類・観葉植物
適用病害虫名
うどんこ病
灰色かび病
ハダニ類
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
うどんこ病
すすかび病
灰色かび病
ハダニ類
ハダニ類
白さび病
ハダニ類
うどんこ病
ハダニ類
トウガラシマイルドモットルウイルス
によるモザイク病
トウガラシマイルドモットルウイルス
によるモザイク病
根頭がんしゅ病
根頭がんしゅ病
根頭がんしゅ病
根頭がんしゅ病
軟腐病
かいよう病
軟腐病
軟腐病
いもち病
うどんこ病
灰色かび病
灰色かび病
黒星病
灰色かび病
灰色かび病
灰色かび病
いもち病
褐条病
苗立枯細菌病
タラロマイセス フラバス水和剤
タフブロック
稲
苗立枯病(リゾープス菌)
苗立枯病(トリコデルマ菌)
苗立枯病(フザリウム菌)
ばか苗病
もみ枯細菌病
稲(箱育苗)
トリコデルマ アトロビリデ
水和剤(フロアブル)
稲
エコホープ
稲(箱育苗)
野菜類
バチルス ズブチリス(QST-713)
水和剤
インプレッション水和剤
セレナーデ水和剤
かぼちゃ
トマト
ミニトマト
ししとう
いちご
食用ゆり
にら
おうとう
ぶどう
もも
ネクタリン
すもも
ブルーベリー
ハスカップ
豆類(種実)
いも類
ホップ
からしな(種子)
- 544 -
苗立枯病(リゾープス菌)
いもち病
ごま葉枯病
苗立枯細菌病
苗立枯病(リゾープス菌)
ばか苗病
もみ枯細菌病
ばか苗病
もみ枯細菌病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
葉かび病
葉かび病
黒枯病
うどんこ病
葉枯病
白斑葉枯病
灰星病
灰色かび病
灰星病
灰星病
灰星病
斑点病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
2016年6月現在
日本植物防疫協会HPより
(つづき)主な生物農薬(病害対象)の登録一覧
農薬種類名
商品名
作物名
野菜類
バチルス ズブチリス(QST-713)
水和剤
家庭園芸用
インプレッション水和剤
トマト
ミニトマト
ししとう
食用ゆり
にら
おうとう
ぶどう
もも
ネクタリン
すもも
ブルーベリー
いも類
野菜類(トマト、
ミニトマトを除く)
バチルス ズブチリス(Y1336)
水和剤
バイオワーク水和剤
トマト
ミニトマト
野菜類(トマト、
ミニトマトを除く)
トマト
バチルス ズブチリス(Y1336)
水和剤
バチスター水和剤
ミニトマト
かんきつ
マンゴー
バチルス ズブチリス(MBI600)
水和剤
ボトピカ水和剤
シュードモナス フルオレッセンス
水和剤(顆粒)
ベジキーパー水和剤
花き類・観葉植物
野菜類
ピーマン
いちご
にら
キャベツ
はくさい
バチルス ズブチリス(D747)
水和剤(顆粒)
エコショット
ブロッコリー
レタス
非結球レタス
野菜類
トマト
ミニトマト
食用ゆり
にら
しそ
セルリー
パセリ
かんきつ
おうとう
なし
ぶどう
あんず
ブルーベリー
ハスカップ
ゆり
たばこ
トリコデルマ アトロビリデ水和剤
ドライ
エコホープドライ
稲
適用病害虫名
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
葉かび病
黒枯病
葉枯病
白斑葉枯病
灰星病
灰色かび病
灰星病
灰星病
灰星病
斑点病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
灰色かび病
軸腐病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
うどんこ病
白斑葉枯病
黒腐病
黒腐病
黒斑細菌病
黒腐病
花蕾腐敗病
腐敗病
腐敗病
灰色かび病
葉かび病
葉かび病
葉枯病
白斑葉枯病
斑点病
斑点病
斑点病
灰色かび病
灰星病
黒星病
黒斑病
うどんこ病
灰色かび病
かいよう病
灰色かび病
灰色かび病
葉枯病
灰色かび病
いもち病
苗立枯細菌病
苗立枯病(リゾープス菌)
ばか苗病
もみ枯細菌病
- 545 -
2016年6月現在
日本植物防疫協会HPより
(つづき)主な生物農薬(病害対象)の登録一覧
農薬種類名
商品名
作物名
野菜類
トマト
タラロマイセス フラバス水和剤
(SAY-Y-94-01)(フロアブル)
タフパール
ミニトマト
なす
いちご
バチルス シンプレクス水和剤
(顆粒)
モミホープ水和剤
トリコデルマ アトロビリデ水和剤DJ
エコホープDJ
稲
稲
アスパラガス
たばこ
野菜類
(キャベツを除く)
キャベツ
にんにく
ねぎ
キャベツ
はくさい
はくさい
ブロッコリー
適用病害虫名
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
灰色かび病
葉かび病
すすかび病
炭疽病
苗立枯細菌病
もみ枯細菌病
いもち病
褐条病
苗立枯細菌病
苗立枯病(リゾープス菌)
ばか苗病
もみ枯細菌病
紫紋羽病
白絹病
菌核病
コニオチリウム ミニタンス水和剤
(顆粒)
ミニタンWG
バリオボラックス パラドクス水和剤
(顆粒)
フィールドキーパー
水和剤
ズッキーニ黄斑モザイクウイルス
弱毒株水溶剤
キュービオZY-02
きゅうり
バチルス ズブチリス(D747)
・メパニピリム水和剤
クリーンフルピカ
きゅうり
うどんこ病
野菜類(トマト、
ミニトマト、ピーマン、
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
斑点病
うどんこ病
黒枯病
灰色かび病
うどんこ病
すすかび病
灰色かび病
白星病
うどんこ病
灰色かび病
葉枯病
うどんこ病
灰色かび病
白斑葉枯病
うどんこ病
灰色かび病
白斑病
うどんこ病
灰色かび病
斑点病
うどんこ病
灰色かび病
斑点病
うどんこ病
灰色かび病
斑点病
灰色かび病
黒星病
灰色かび病
トマト
ミニトマト
ピーマン
なす
しょうが
食用ゆり
バチルス ズブチリス
(HAI-0404)水和剤
アグロケア水和剤
にら
ほうれんそう
しそ
セルリー
パセリ
かんきつ
なし
ブルーベリー
花き類・観葉植物
(ばらを除く)
ばら
野菜類
きゅうり
銅・バチルス ズブチリス(D747)
水和剤
クリーンカップ
ケミヘル
トマト
ミニトマト
にんじん
- 546 -
菌核病
黒腐菌核病
黒腐菌核病
根こぶ病
根こぶ病
根こぶ病
根こぶ病
ズッキーニ黄斑モザイクウイルス
の感染によるモザイク症
及び萎凋症
うどんこ病
うどんこ病
うどんこ病
灰色かび病
褐斑病
斑点細菌病
べと病
疫病
すすかび病
葉かび病
疫病
すすかび病
葉かび病
黒葉枯病
2016年6月現在
日本植物防疫協会HPより
(つづき)主な生物農薬(病害対象)の登録一覧
農薬種類名
タラロマイセス フラバス水和剤
(SAY-Y-94-01)
商品名
作物名
タフブロックSP
稲
野菜類(はくさい、ブロッコリー、
キャベツを除く)
軟腐病
キャベツ
はくさい
シュードモナス ロデシア水和剤
マスタピース水和剤
ブロッコリー
シュードモナス ロデシア水和剤
かんきつ
もも
ネクタリン
小粒核果類
マンゴー
いも類
マスタピース水和剤
野菜類
バチルス アミロリクエファシエンス
水和剤
トマト
ミニトマト
にら
おうとう
インプレッションクリア
豆類(種実)
いも類
ラクトバチルス プランタラム水和剤
5
野菜類
いも類
ラクトガード水和剤
適用病害虫名
いもち病
苗立枯細菌病
苗立枯病(リゾープス菌)
苗立枯病(トリコデルマ菌)
苗立枯病(フザリウム菌)
ばか苗病
もみ枯細菌病
黒斑細菌病
軟腐病
黒斑細菌病
軟腐病
黒斑細菌病
軟腐病
花蕾腐敗病
かいよう病
せん孔細菌病
せん孔細菌病
かいよう病
枝枯細菌病
軟腐病
うどんこ病
灰色かび病
葉かび病
葉かび病
白斑葉枯病
灰星病
うどんこ病
灰色かび病
うどんこ病
灰色かび病
軟腐病
軟腐病
天敵類に対する農薬の影響〔目次に戻る〕
日本バイオロジカルコントロール協議会のホームページをご参照ください。
URL:http://www.biocontrol.jp/
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6.コンフューザーV使用上の留意点 〔目次に戻る〕
(1)
設置上の留意点
・ほ場全体に設置する。
・設置は7月中下旬を目安に行う。(効果は3~4ヶ月間認められる)
・設置は単棟施設ごとに、両サイドの畝のフラワーネット(通路側の上段部)に1 本ずつ
行う。また、ほ場周縁部に当たる畝には、内側の畝よりも数を5割程度増やして設置す
る。
(2)
その他
・本剤を設置したほ場においても、ほ場 外から交尾メスが飛び込み被害を生じることがあ
るため、ほ場内を観察し、幼虫の寄生、食害が認められる場合は薬剤を散布する。
・本剤による交尾阻害効果を確認するため、施設横にモニター 用トラップを設置する。
(効果がある場合はほとんど捕獲されない)
・施設の出入口、側面への防虫ネット(目合い4 mm)設置を組み合わせれば、効果がより
高まる。
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