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紀要15号の発刊にあたり - 岩手県立産業技術短期大学校
紀要第 15 号の発刊にあたり 平成 27 年 3 月 日頃から岩手県産業技術短期大学校の運営ならびに人材教育活動にご理解とご支援を頂き感謝申し上 げます。この度、本校における教育研究活動の最近の成果を盛り込んだ紀要第 15 号を発刊することにな りました。 当校には矢巾校と水沢校の2つのキャンパスがあり、8 技術科(定員 160 名)で産業の各分野の技 術者の育成に当たっています。専門課程の教育訓練においては、最近の科学技術の進展や産業技術の動 向に的確に対応できるように、常にカリキュラムの見直しや新しい教材の開発などに努めています。さ らに、学生に対しては、専門の知識や技術・技能の習得に加えて、それぞれの専門分野についての強い 興味と意欲をもたせるような指導を心掛けています。卒業研究における学生の創意工夫を生かしたもの づくりの取り組み、海外研修(ドイツ)による海外産業技術動向の把握や国際的視野の獲得など、本校 独自の教育訓練や、若年者ものづくり競技大会や技能五輪全国大会への選手派遣、全国総合技能展への 出品など、外部行事への積極的な参加を奨励し、学生の勉学・訓練意欲の向上に努めています。 今般、第 52 回技能五輪全国大会において、配管職種に出場した当短大水沢校建築設備科の女子学生が 銅賞を獲得しました。女子選手の活躍は、産業技術分野で女性ものづくり人材の養成と活躍に大きな期 待が寄せられている中で、 “ギケジョ”(技術系女子)の育成と採用に関係する人々にインパクトを与え るもので、本校としても、高校及び産業界と連携して、ギケジョ・サプライチェーンの一翼を担い、産 業技術人材の育成の中でギケジョ育成に積極的に取り組む決意を新たにしています。 専門課程の人材教育に加えて、短期応用課程の「産業技術専攻科」 (就業年限 1 年、定員 10 名)では、 オーダーメイドカリキュラムなどの特色ある産学連携カリキュラムを通して、 「一歩先のものづくりをリ ードするエンジニア」の育成を行っています。県内外の産業界及び教育訓練機関から強い関心と高い評 価を頂いています。 能力開発研修科(短期専門課程)では今年度、岩手県内の在職者を対象にした能力開発セミナーを矢 巾・水沢の両キャンパスで開設し、1,324 名の受講者の研修に当たりました。また求職者を対象にした委 託訓練の研修では、871 名の受講者の研修に当たりました。 現在、 ものづくり産業の分野で 3D-CAD や 3D-プリンターに代表されるデジタル設計・製造機器が続々 と登場し、誰もがものを作り売ることができる、“メーカームーブメント”と称される新しいものづくり 産業の潮流が成長しつつあります。このものづくりの最大の特徴は、デジタルマニュファクチャリング とウェブ技術の融合であり、それを担うスマホ・ウェブ世代の産業技術人材の育成が求められています。 少子化が進む中で 18 歳世代の若者をいかに確保し、どのような技術力を身に着け、そしていかに産業 界の要請に応える人材として送り出せるかが重要な課題です。この紀要を通して、学生の伸びしろが期 待できるカリキュラムの検討や教員のファカルティ・ディベロプメント(授業方法の改善や教員の研究 会・研修への参加、論文投稿)への積極的な取り組みなどを検討しています。本校の教育研究活動の最 近の状況についてご理解を頂き、また本校における人材教育のあり方について、忌憚のないご意見を賜 りますようお願い申し上げます。 岩手県立産業技術短期大学校校長 馬 場 守