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メディアの歴史2(紙の発明)
図書館資料論Ⅰ メディアの歴史2(紙の発明) 1.紙の発明と製紙技術の伝播 (1) 紙の定義 「( )を必須原料とし、これを水に懸濁させ膜状に抄(す)き上げて乾 燥して得たもの 」(日本大百科全書) 「おもに( )をすいて作った薄いもの」(広辞苑) (2) 紙の発明 ・105年(後漢)、( )が樹皮、布、魚網を用いて今日の紙の定義に当て はまる紙を発明し、当時の皇帝の和帝に献上したとされる。 (蔡侯紙) ・しかし、前漢の時代にはすでに紙が発明されていたともいわれており、この時代に作ら れたと思われる麻ぼろを原料とした紙が敦煌などで発見されている。 ・この人物は麻紙よりも良質な樹皮紙の技術を確立し、普及させたと考えられる。 ・蔡侯紙の製造過程(現在の紙の製造過程とほとんど同じ) 1.原料の麻のぼろなどを切り刻み、水で洗う。 2.草や木を燃やして、灰を採り、桶の中の水に入れ、笊(ざる)で濾過して灰汁(あ く)を作る。 3.水洗いしたぼろ切れを灰汁で煮る。 4.石臼で搗く。 5.繊維を水洗いする。 6.繊維を紙槽に入れ、かき混ぜて紙料液(原質)を作る。 7.木の枠に網をはった紙すき器(紙模)を両手で持って紙料液の中に入れ、紙料をす きあげる。 8.紙すき器ごと立て掛けて乾燥させる。 9.乾いたら、紙すき器から紙を剥がして出来上がり。 中国における紙の主な原料 → 麻、竹、稲藁、綿、コウゾなど (3) 製紙技術の伝播 ・150年ごろ 中国の辺境のトルキスタン地方まで製紙技術が伝播する。 ・751年 アラビア軍が唐軍をうち破る。(サマルカンド陥落) 製紙技術を持った捕虜によって製紙技術がアラビアに伝わる。 ・793年 バグダードに製紙工場が作られる。 ・10世紀 エジプトのカイロを中心にアマを原料とする製紙工場が数多く造られる。 ・11世紀 アフリカ沿岸地方で製紙が盛んになる。 ・1151年 ( )のバレンシア地方に製紙工場が造られる。(ヨーロッパに おける製紙工場の始まり) 以後、イタリア(1276)、フランス(1348)、ドイツ(1390)、イギリス(1494)、オラ ンダ(1586)などに順次製紙工場が建てられた。 ・1690年 アメリカのフィラデルフィアに製紙工場が造られる。 紙の主原料 中国−麻ぼろ ヨーロッパ−( )ぼろ 19世紀半ばに( )から製紙用パルプを大量に製造する方法が発明される。 ↓ 家内工業的な製紙工業→近代的な基幹産業としての洋紙・板紙工業が誕生する。 (4) 日本の製紙の歴史 ・610年 中国で発明された製紙技術→朝鮮を経て推古天皇の時代に日本に伝播。 ・和紙の特徴 コウゾ(楮)の皮を主体とし、これを木灰で蒸煮し、いったん長繊維のパ ルプにして使用。 ・室町時代にはガンピ(雁皮)から、江戸時代にはミツマタ(三椏)からも製紙用パルプ を製造することが可能になった。 2.紙の作り方(参考 富士商工会議所 http://www.fuji-cci.or.jp/paper/koutei.html) (1) パルプ ・パルプとは「木材から取り出した繊維」のこと ・パルプの種類 ( )パルプ 木材に含まれているリグニンも一緒にすりおろしたもの。主 に新聞用紙 ( )パルプ 硫酸塩などの薬品や熱を使ってリグニンを溶かし出し、繊維 だけを取り出したもの。 (2) 化学パルプの生産工程 1.パルピング(木材のチップから繊維を取り出す) 2.溶かす(水に分散させる) 3.漂白(取り出したパルプを白くする) 4.すく(細かいアミですくいあげ、シートにする) 5.仕上げ(乾燥させて巻きとる) パルプの原料(チップ) 皮をむいた木を細かくけずったもの 蒸解釜 熱を加えて繊維を取り出す ウオッシャー・スクリーン 繊維を洗って、ゴミ等の余分なものを取り除く 漂白装置 パルプの中の色のついた物質を取り除きパルプを白くする ワイヤーパート ドロドロになった液状のパルプをワイヤー(プラスチック製のあみ)の上で同じ 厚さに広げる プレスパート 上下のローラーでプレスして水分をしぼりとる ドライヤーパート 熱を加えて乾かし、更に水分をとる コーター 表面に塗料を塗り、なめらかに整える リワインダー カッター 仕上がった紙を卷き取りとる 決められた寸法に仕上げる 「紙の博物館」見学 最寄りの駅 山手線王子駅南口徒歩5分・南北線王子駅徒歩10分 地図 http://www.alpha-web.ne.jp/papermuseum/guide.htm 集合日時 5月22日(火) 午後3時(3時10分入場) 遅れてきた人はその旨を受け付けに申し出ること。 入場料 240円(通常料金は300円) 当日参加できない人は個人で見学すること。(感想文提出)