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欧州環境情報
情 報 報 告
ウィーン
欧州環境情報(12月号)
世界、風力発電と太陽光発電が化石燃料と同様の競争力を持つ
Bloomberg New Energy Finance 社が発表した技術及び地域別の詳細な分析によると、
今年、再生可能エネルギーと化石燃料の間での生産コスト比較に大きな変化があったとし
ている。調査会社による世界中の個人取引やプロジェクトに関連した数千のデータポイン
トに基づいた 2015 年下半期の電力の平準化コストの最新版では、最も広く普及している再
生可能技術である陸上風力発電と結晶シリコン太陽電池はともに、ガス火力発電所と石炭
火力発電所のコストが上昇している一方で、今年度はコストが減少している。
BNEF の研究では、陸上風力発電の世界の均等化発電コスト(LCOE)は、結晶シリコン太
陽光電池が 129 ドル/MWh から 122 ドル/MWh に下降している一方で、上半期の 85 ドル
/MWh から 83 ドル/MWh に下降していることを示している。同じ期間において、アメリカ
での石炭火力発電は 66 ドル/MWh から 75 ドル/MWh へと、アジア太平洋地域では 68 ドル
/MWh から 73 ドル/MWh へと、欧州では 82 ドル/MWh から 105 ドル/MWh へと上昇して
いる。ガスタービンコンバインド発電の LCOE はアメリカでは 76 ドル/MWh から 82 ドル
/MWh へ、アジア太平洋地域では 85 ドル/MWh から 93 ドル/MWh へ、欧州、中東、アフ
リカ地域では 103 ドル/MWh から 118 ドル/MWh へと上昇している。
Bloomberg New Energy Finance 社の欧州、中東及びアフリカを管轄する Seb Henbest
氏は、「我々の報告書は 2015 年での風力及び太陽光発電コストが安価になり続けているこ
とを示しており、これは安価な技術だけでなく、より低い財務費用によるものである。一
方、石炭とガスは低い稼働率を背景により高くなっている。」と述べている。均等化コス
トは電力発電の限界 MWh を考慮するだけでなく、先行資本や開発費用、資本コスト、借
入れによる資金調達、運営・メンテナンス料金もまた考慮されている。
他の低炭素エネルギー技術の中で、洋上風力発電は世界平均のLCOEを176ドル/MWhか
ら174ドル/MWhまで減少しているが、バイオマス燃焼発電の均等化コストは134ドル/MWh
に留まっている一方で、風力、太陽光、石炭、ガスよりも著しく高価なままである。石炭
や火力のように原子力は、世界の地域によって非常に異なっているが、アメリカと欧州、
中東とアフリカはそれぞれ261ドル/MWh、158ドル/MWhまで均等化コストが上昇している。
BNEFの国レベルの調査結果の中で、英国及びドイツにおいて、陸上風力発電は炭素コス
トを考慮に入れた場合、ガス火力発電と石炭火力発電に十分に対抗できる競争力を有する
とされている。英国では、陸上風力発電の2015年下期の均等化発電コストは、コンバイン
ドサイクルガス発電の115ドル/MWh、石炭火力発電の115ドル/MWhと比較し、平均85ドル
/MWhになると予想されており、ドイツでは、陸上風力発電はガス火力発電の118ドル/MWh、
石炭火力発電の106ドル/MWhと比較し80ドル/MWhである。中国では、陸上風力発電は77
ドル/MWh であり、113ドル/MWhのガス火力発電より安価であるが、太陽光発電が109ド
ル/MWhである一方、石炭火力発電の44ドル/MWhよりはるかに高価である。米国では、石
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炭及びガス火力発電は、陸上風力発電の80ドル/MWhと太陽光発電の107ドル/MWhに対し
て65ドル/MWhと、依然として安価である。
Bloomberg New Energy Finance社のアナリストであるLuke Mills氏は、「発電コストは
米国のシェールガスブームや、再生可能エネルギーの普及による稼働率の変化、東アジア
における地域ガス生産量の不足、欧州の炭素価格、世界各国での原子力発電に関する規制
の相違といった影響を反映し、地域ごとに大きく変化し続けている。しかし、陸上風力発
電と太陽光発電はともに確立された発電技術に対して5年または10年前に想定されていた
よりもはるかに多くの競争力を有している。」と述べている。
欧州、欧州地中海電力市場プラットフォームを発足
欧州委員会の気候行動・エネルギー委員のMiguel Arias Cañete氏とモロッコのエネルギ
ー大臣であるAbdelkader Amara氏は、地域の電力市場に関する協力のための新しい地中海
連合のプラットフォームを発足した。モロッコのRabatで10月12日に発足されたそのプラ
ットホームは、地中海連合諸国の電力ネットワークと市場を徐々に統合することを目的と
している。EUに加盟している地中海連合国は15の南地中海、アフリカ、中東諸国から構成
されており、それらはアルバニア、アルジェリア、ボスニアヘルツェゴビナ、エジプト、
イスラエル、ヨルダン、レバノン、モーリタニア、モナコ、モンテネグロ、モロッコ、パ
レスチナ、シリア(一時停止中)、チュニジア及びトルコである。まず、そのプラットフォー
ムは地中海南部と東部の沿岸の国を統合することに焦点を当てている。中長期的には、プ
ラットフォームはその後、EU諸国とこれらの市場の統合を想定している。
Arias Cañete氏は、「EU諸国だけでなく、地中海南部及び東部の国々も電力の手頃で持
続可能な供給を保証するために共通の目標を共有する必要がある。発足されたプラットホ
ームは安定で競争力のある電力を確保するために共通の利点を作成する地域電力市場に向
けて努力する必要があるだろう。」と述べた。全体としての目標は、電力を物理的、技術的
及び法的な障壁無しに国境を超え交換が可能な地域電力市場を達成することである。
ポーランド・リトアニア、ポーランド-リトアニア間の最初のガス相互接続がバルト諸国の
エネルギー隔離を終了させる
ポーランドとリトアニア間の最初のガス相互間接続は、バルト海地域の長期的な孤立を
終了させ、地域に新たな経済活力で必要とされるエネルギーをもたらすだろう。欧州委員
会委員長のJean Claude Juncker氏はポーランド-リトアニア間のガス相互間接続(GIPL)に
関する補助金協定の調印を歓迎した。これにより供給の安全性が増加させる突破口となり、
欧州のエネルギー市場へより多くの弾力性をもたらすことが期待されている。
EUのエネルギー連合の戦略の中心的要素は、エネルギーインフラにおける欠けている部
分を埋め合わせることである。参加加盟諸国により示されている結束力は、全てのEU諸国
をより強化し潜在的な不足に対しより弾力的にしている。参加国は将来EU域内のエネルギ
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ー市場への地域統合を更に強化しようと協力して取組んでいる。委員会は、エネルギーが
最も必要とされる流れ、全ての加盟国が少なくとも3つのエネルギー資源にアクセスでき
ることを確保できる繋がりを作成するよう専心している。バルト海地域とEUのエネルギー
市場の他の部分との間の欠けている国境を越えた連結を構築することが委員会の優先事項
である。
今回の署名は促進者が2019年12月までにパイプラインを完成させることを目的に建設工
事を開始することを可能にしている。バルト三国とポーランドはエネルギー政策を担当す
る大臣にプロジェクトの実施を監視し、合意された予定に沿い建設が進むことを保証する
よう命じている。署名の際には、現在の州或いは政府の長が、更なる相互間接続を進め、
エネルギー市場の弾力性を強化する約束を確認するための声明を発表した。
欧州、将来に向けた欧州全体の水素インフラを計画
欧州の都市における水素輸送に関するコンソーシアム(HyTEC)は、4年間に渡る水素燃
料電池自動車の実証プロジェクトの開発に関する取組みの結果を発表した。HyTECは欧州
全域で技術を展開させる方法を探ることを目的としている。HyTECから得られた結果は水
素輸送インフラを探す際の重要な考慮事項に関して政府及び各都市に通知される。これは
この技術が実現可能であるという理解を確実にし、将来急成長する水素エネルギー市場の
採択において重要な役割を果たすと考えられている。水素燃料自動車は、使用の際には排
気ガスを排出せず、ガソリンまたはディーゼル燃料により電力を供給される従来の自動車
の代替物となり得る。都市環境下では、そういった技術の展開が改善された空気の質や公
衆衛生に明確に貢献することができる。現在は都市にゼロエミッション車の展開について
早急な焦点が当てられている。HyTECの活動は空気の質を改善するための燃料電池技術の
ソリューションを提供する上でより良い信頼性を提供している。
HyTECはより良いエネルギー効率の輸送ソリューションを開発するため、主要な交通機
関やインフラ企業、欧州委員会の燃料電池水素合同事業より共同出資を受けている。それ
はロンドン及びコペンハーゲンに新しい欧州での水素燃料自動車を展開する中心地を作る
よう設定しており、欧州全域の新規および既存の燃料電池自動車の実証プロジェクトにリ
ンクされている。
主要な目的は、主要都市周辺の水素燃料供給インフラの展開を含めたインフラネットワ
ーク開発のための最善の方法を理解することである。特に水素輸送部門の持続的な成長を
促進するための戦略に焦点を当てている。これは欧州全域で早期の実用化段階に入った場
合、特に重要となる。
欧州、23%の温室効果ガス削減のパリ気候変動会議に先立ちEUがリーダーシップを示す
欧州環境庁(EEA)が発表した報告書によると、EUは20%の温室効果ガス排出量を削減す
る2020年目標の達成に向け軌道に乗った状態にあると報告している。
“2015年の欧州の傾向
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と予測”と題された報告書は1990年から2014年の間に温室効果ガス排出量は23%減少し、
記録上最低レベルに到達したことを明らかにしている。加盟国による最新の予測では、EU
は2020年までに現在の方針で24%の削減を目指しており、また加盟国により既に計画され
ている追加的な措置で25%の削減を目指している。EUは既に少なくとも40%の排出量削減
を目的とする2030年目標に向け取組んでいる。
欧州委員会の気候変動・エネルギー委員のMiguel Arias Cañete氏は、「欧州は、1990年
から2014年にかけ46%の経済成長をしており、同期間に23%の排出量カットに成功してお
り、この結果は当然と言える。これは、欧州がパリ気候会議に先立ち公約を守り、気候及
びエネルギー政策が機能していることを強く示している。そして、我々は既に今年初めに
発表した新しい提案でパリ公約を実現するための第一歩を踏み出している。」と述べている。
EEAのHans Bruyninckx氏は、
「温室効果ガスを削減及びエネルギー効率と再生可能エネ
ルギーへの投資といった欧州の努力は具体的な利益をもたらしている。また我々の報告書
は、EUが2020年の気候目標に向かい軌道に乗っていることを示している。同様に、2030
年と2050年のそれぞれの長期的目標を達成するために、欧州におけるエネルギーの生産と
使用法に関し根本的な変化が求められている。
」と述べている。
EEAの報告書では、2014年の温室効果ガス排出量の概算見積によれば、2014年は2013
年と比べ4%減少したことを明らかにしている。これは、部分的にはエネルギー需要を低下
させた異例の暖冬の影響によるものである。これはEU国内の温室効果ガス排出量が2014年
に1990年比の23%であったことを示している。
温室効果ガス排出量の削減は2020年以後も継続されるが、より遅いペースとなることが
予測されている。加盟国から提出された予測によると、計画された排出量は2030年までに
1990年比で27~30%となると予測されている(27%は現在の措置によるもの、30%は加盟
国により計画されている追加措置を実施した場合の数値)。そのため、2030年までに40%の
削減を達成する目標を満たすために新しい政策の導入が必要とされている。
欧州、公衆衛生の改善のため飲料水のより効率的な監視を導入
欧州での健康で清潔な飲料水の利用を促進するため、欧州全域にわたって飲料水の監視
を改善する新しいEU規則が導入されようとしている。最初のステップとして、欧州市民の
“Right2Water”イニシアチブと呼ばれる、欧州委員会により採択された新しい規則は、欧
州内の約10万か所の給水ゾーンでどのように飲料水が監視されているのかを明確にし、加
盟国へ柔軟性を提供している。これは公衆衛生を完全に保護しつつ、リスクに基づいた管
理により焦点を当てることを可能にしている。
飲料水指令のこの改正はより良い公平で包括的な水供給を確保する法律を採用しようと
する市民及び欧州議会の要求に対する反応である。それは不必要な負担を削除するため、
加盟国が改善されたEU規則を実施することを可能にしている。加盟国は現在、リスク評価
に基づき、いくつかでの飲料水の給水ゾーンで有害物質を発見するのに危険がないことを
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考慮すると、どのパラメータを監視するべきかということを決定することができる。彼ら
はまた、公衆衛生の懸念に備えた監視物質リストを拡張するだけでなく、給水ゾーンにお
けるサンプリングの頻度の増減を選択することが可能である。
パラメータの監視とサンプリング頻度の柔軟性は市民の健康保護を確保することを満足
する条件の数により決定付けられる。その新しい規則は、既に食品衛生法規で使用されて
いる“危険分析と重要管理点(HACCP)”や飲料水水質世界保健期間(WHO)のガイドライン
により定められた水安全計画法の原則に従っている。
スロベニア、エネルギー消費における再生可能エネルギーシェアが暖冬の影響により低下
スロベニア共和国統計局は、昨年の最終エネルギー消費量は4.4%下落の467万石油換算
トンであったと発表した。この下落は暖冬の影響によるものであり、最も下落幅が大きか
ったものは地域熱(16%の下落)と燃料の木材消費量(19%の下落)であった。昨年13.7%のシ
ェアを持っていた再生エネルギーからのエネルギー消費量は全体で11%へと下落した。天
然ガスと石油及び固体燃料の消費量は比較的少ない減少幅であったが、暖房油は前年同期
比と比べ21%の急激な減少を示した。
スロベニアでは2014年の最終エネルギー消費のほぼ半分、すなわち47.4%は石油製品と
いう形で消費されており、2番目に高いシェアは電力(23.1%)であった。再生可能エネルギ
ーの後には天然ガス(11.3%)、熱(3.3%)、固体燃料(1.1%)が続いている。家庭でのエネルギ
ーのほとんどは暖房用途(61%)に消費されている。総エネルギー消費量は2013年から14%下
落している。木材燃料は合計で43,558TJのエネルギー消費量のうち42%と、エネルギー資
源の中で普及している。太陽光エネルギーは大部分は温水用途に用いられ、455TJであり、
熱ポンプから回収された周囲熱からの703TJのエネルギーは空間暖房と温水加熱に使用さ
れている。これらのカテゴリーは両者とも4%増加している。
電力総生産は16.1TWhから17.4TWhへ上昇しており、水力発電施設は1.4TWh以上の上
昇し6.6TWhを記録している。昨年スロベニアは自国の水理的な条件を利用し56%の国内エ
ネルギー需要を自国の資源を用いて賄っている。水力発電の電力生産量は過去最高を記録
し、2013年に比べ32%高く、干ばつに襲われた2003年と比べると2倍であったと報告書は
述べている。また、再生可能エネルギーは総エネルギー供給のうち19%の貢献を果たして
いる。全体的な木材は固体廃棄物のによる発電量は2013年の26,302TJから23,441TJへと下
落した一方で、産業廃棄物や非再生可能資源の総使用量は1,453TJから1,809TJへと増加し
た。
キプロス、2020年に向けたエネルギー削減量を14.5%に設定
キプロス政府は2020年に向けたエネルギー削減目標を14.5%に設定したと、エネルギー
だし人が発表したと、キプロスのメールポータルが報じた。キプロス通産観光省のStelios
Chimonas事務次官は、現在1%ごとの省エネルギー率は約1000万ユーロに相当すると述べ
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ている。報告では2014年から2020年の期間の家庭及びビジネスでの2つの省エネ及び更新
計画目標は3200万ユーロに設定されている。最初のステップは既に開始されており、家庭
やビジネスへの政府補助金を含む1400万ユーロが割当てられている。第2のステップには
銀行融資を必要としている。政府はエネルギー消費の低迷にもどづくエネルギー削減目標
を達成したいと考えている。
Chimonas事務次官は、その意図は現時点では4つの省庁の従業員では作業量を処理でき
ないとして、民間部門から処理量を支援するために人を雇うことであると述べている。公
式発表によると、2004年から2013年までは4700万ユーロが再生可能資源(RES)ファンドか
ら省エネルギー資金計画へ転用されている。政府はエネルギー消費の低迷予想(主には金融
逼迫)に基づくエネルギー削減目標を達成したいと考えている。
同様の予測によると、エネルギー消費量は2018年よりも早く2013以前のレベルに立ち直
ると予測されている。その予測はまたエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの
高い普及率の期待に基づいている。キプロスは、国内法をエネルギー効率と再生可能エネ
ルギーに関連した3つのEU指令に置き換える必要がある。議会は、再生可能エネルギーフ
ァンドの実行可能性を確保するために政府が必要だと見なしている“一時的なグリーン税
制”を7月に承認した。
アルバニア、エネルギー共同体が20%の効率を採用
第13回エネルギー共同閣僚理事会がエネルギー共同事務所にてアルバニア大統領参加の
下アルバニアのTiranaで開催された。欧州委員会の気候変動・エネルギー委員のMiguel
Arias Cañete氏は「エネルギー共同体は、EUの近隣諸国におけるEUのエネルギー、環境、
競争の蓄積の効率的な実施を確保する上で最も効果的である。今日の閣僚理事会は、再度
持続可能な方法でEUとエネルギー共同体のエネルギー市場の緊密な統合を達成するため
の重要なステップとなる。今回の会議で採択した20%のエネルギー効率目標は締約国にEU
加盟国と同等の水準を置くものである。さらに、TEN-E規制の採用が真に汎欧州エネルギ
ーインフラシステムの基盤を規定している。」と述べた。
理事会により採択されたエネルギー効率に関するEU指令2012/27/EUは、2020年までに
20%の目標を設定し、更なる改善のための方策を敷きつつ、エネルギー共同体におけるエ
ネルギー効率の促進のための措置の枠組を確立している。
トルコ、炭素報告書で排出量の20%カットを想定
新しい研究では長期のグリーン政策は初期の経済的苦痛の後に報われると述べている。
アナドル通信社の報告書によると、トルコは15年以内に太陽光、風力及び地熱発電を含む
再生可能エネルギー源を使用することにより温室効果ガスを20%削減しようとしている。
最初にトルコの財政に傷をつける恐れのある環境に優しい政策は、長期的に見れば成功
すると、著者は主張している。世界自然保護基金(WWF)とイスタンブール政策センター、
独立研究機関により用意された100ページの報告書は、イスタンブールのKarakoyで行われ
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た記者会見にて発表された。報告書では、12月にパリで開催される国連気候変動交渉に先
立ち、新しい地球規模の気候変動計画を設定することを目的としている。報告書の著者で
ありイスタンブールBilkent大学の経済学教授であるErinç Yeldan氏は、太陽光、風力、水
力及び地熱発電を含む再生可能エネルギー資源はトルコで2030年までに電力生産の約40%
を占めるべきだと述べている。また、同氏は、我々は炭素排出量を20%以上削減すること
は達成可能だと述べている。
2010年、トルコの1人当たりの二酸化炭素排出量の総計は4.13トンである。これは報告
書によると、OECDの平均値である10.12トンを大きく下回っている。しかし、トルコ統計
研究所の調査によると二酸化炭素換算としてのトルコの温室効果ガス排出量は、1990年比
で2013年では110.4%増加している。
報告書はまた、グリーン政策の適用は導入初期において国民所得のある程度の損失を発
生させる恐れがあるが、2025年以降にはこの損失分は消えうせるとしている。
欧州、太陽光パネルに関する義務の廃止の嘆願をEUへ提出
Solar Power Europe社によると、全ての主要な政治団体を代表する欧州議会のメンバー
が中国からの太陽光パネル及びモジュールに関する相殺関税とダンピングの防止を行う最
低輸入価格を終了するよう欧州委員会に求めた。EUの非常に野心的な気候目標では、EU
の通商政策はこの目標を達成することができるよう、出来うる限りのことを行う必要があ
ると、スウェーデンからの来議員であるChristofer Fjellner氏は述べている。また同氏は、
「しかし、自由貿易の制限と太陽光パネルへの高い最小輸入価格を課すことにより、我々
は一般市民と企業が炭素排出量を削減することをより困難にしている。それが私が委員会
がダンピング防止の義務と最小輸入価格を廃止する約束を願う理由である。」と述べている。
欧州委員会はまた、19のEU加盟国を代表する21の太陽光発電協会から9月22日に措置を
廃止する要求を受領した。以前は欧州太陽光発電産業協会として知られていた団体による
と、ダンピング防止と相殺関税の障壁は2013年から実施されており、それ以来設置数は半
減している。欧州における2014年では、新設容量はわずか7GWという結果であったと報告
書では述べている。
署名は今年の予定通り最小輸入価格と義務を終了するよう明確なメッセージを持って送
付されており、これは欧州の80%の太陽光発電部門の意思を表しているとSolarPower
Europe社のJames Watson氏は述べている。また同氏は、「我々は職務を超えて協力し、最
高品質の太陽電池製品がEUで促進されることを確保しなければならない。」と強調してい
る。
その呼掛けにはギリシャ、ブルガリア、キプロス、クロアチア、ルーマニア、スロベニ
アからの国家団体も含まれている。Solar Power Europe社はまた、いくつかのEU加盟国に
おける支援メカニズムの急激で遡及的な変化の問題について、他の再生可能エネルギー業
界団体との共同書簡の中で、責任ある欧州委員会関係者に呼掛けている。太陽熱、地熱、
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バイオエネルギー、風力、太陽光及び超国家的組織による嘆願によると、規制の変更は既
存の計画の経済性を損ないEUの国家補助ルールの準拠しているかを検証されていない。
欧州における再生可能エネルギーへの投資は2011年の1億705万ユーロから2014年の
580万ユーロへと減少し、わずか4年で半減しているとその書簡では述べられている。更に、
昨年中国の継続的な経済成長は713億6000USドルであったとしている。
欧州、EU加盟国でのカドミウム汚染防止塗料の制限改正を支持
EU加盟国は欧州化学物質庁 (ECHA)が提案するカドミウムと防汚塗料中の化合物
の既存の制限の改正を支持している。その改正は、市場での使用が禁止されている防
汚塗料の既存の使用制限を拡大する可能性がある。これは現在0.01%のカドミウム金
属濃度限度に基づいている。
修正理由としては以下が挙げられている。
・“使用”とは意図的な使用のみと解釈されるため、カドミウム不純物を除外する。
・限界値無しに制限を強制することは困難である。
カドミウムはもはや意図的には塗料に用いられてはいないが、船舶や海洋構造物に
使用される同ベースの防汚塗料中に不純物として少量発見されている。亜鉛の含有量
が質量比で10%を超える塗料の場合、カドミウム濃度は質量比で0.1%を超えるべき
ではない。
現在の亜鉛系塗料の特例と塗料製品に関する制限には変更の予定はない。ECHAの
リスク評価委員会と社会経済分析委員会は、昨年末の提案制限に自らの意見を採択し
た。
欧州、データギャップが非フタル酸可塑剤のリスク評価を妨げる
スウェーデンの研究によると、非フタル酸可塑剤の重要なデータギャップは、リス
ク評価を妨げているとしている。綿密な調査の結果、研究者らは、それらの多くは化
学物質の代謝経路の知識の欠如に起因していると述べている。可塑剤は、ポリマーに
耐久性と柔軟性を提供している。長年に渡り、DEHPといったフタル酸エステル類は
可塑剤市場を支配していたが、商用製品からの漏出、及び健康への影響の懸念が代替
物への移行を促進している。いくつかの場合において、そのような動きは規制作用に
より推進されている。例えば、DEHP, DIBP, BBP 及びDBPはREACH規則の下での
承認の対象となっている。スウェーデン環境研究所とストックホルム大学の研究者は、
多量生産化学物質であるほぼ全ての商用製品に広く使用されている 20の代替可塑剤
に関する科学的データについて見直しを行った。
代替可塑剤からのヒトへの健康リスクは低いように思われると、研究者らは述べて
いる。しかし、研究者らは人間への曝露データは限られたものであるため、完全な結
論を見出すことは難しいと警告している。代替化学品の毒性情報は利用可能であるが、
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特に発がん性や内分泌かく乱といった領域ではデータギャップが存在している。
DINCHは一般的に、医療機器、玩具、食品包装材等にDEHPといったフタル酸エス
テル類の変わりに用いられる。結果として、チームは化学物質の緊密で慎重なバイオ
モニタリングを要求している。可能であれば、研究者らは人間の許容一日摂取量或い
は無効レベルと人間の摂取率を比較することにより、化学物質のリスク比率を計算し
ようとした。ほぼ全ての場合において、比率は低いリスクを示すものであった。しか
し曝露の増加に伴い、化学物質のいくつかのリスク比率が増加する可能性があると研
究者らは予測している。
研究者らはまた、体内の化学物質に何が起こるかを研究する分析ツールが欠落して
いる問題を強調している。ストックホルム大学の環境科学と分析化学部門のThuy Bui
氏は、「どの代謝物を探すべきか分からないため、人間の血中や尿中のそれらを分析
する手法を開発することはできない。」と述べている。
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