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『 グリーンズ 様 』
第2特集・ユーザー事例にみるシステム連携研究 株式会社グリーンズ FAX送信サービスへの切り替えで 発注業務のスピードアップと管理工数の削減を実現 ポイント ● 事業の急拡大に伴い、FAX送信の遅延が多発 ● FAXサーバーがサポート切れで安定性に不安 ● 送信時間の短縮や不達確認が容易になるなど効果大 事業の急拡大に伴う システム改築の必要性 ティホテル」 「ホテルグリーンパーク」 「グリーンホテル」 「ホテルエコノ」な ど、東海・北陸エリアで地域に密着し 創業:1957年 設立:1964年 本社:三重県四日市市 資本金:1億円 売上高:180億円 従業員数:2058名 http://www.greens.co.jp/ 会社概要 ム の 部 分 的 な 改 修 を 行 っ た。本 レ ポートでは、発注システムの改築を レポートしたい。 創業から 50 周年を迎えたグリーン た展開をしていくグリーンズホテル ズでは、早い時期から日常の領域で ズ事業。もう1つは、全国展開型とし 利用するエコノミー(ビジネス)ホテ て世界第 2 位のホテルチェーンであ 旧来のFAXサーバーの 深刻な問題点 ル に 着 目 し て、ミ ッ ド ク ラ ス や バ るチョイスホテルズインターナショ 同社はそれまで、各ホテル・レス ジェットクラスを独自の経営戦略の ナル社とマスターフランチャイズ契 トランから仕入先への発注に日本 もとに全国展開している。独自の戦 約を締結し、その主要ブランドの中で IBM の FAX サ ー バ ー「FAX Dire 略として、顧客のニーズを先取りする 主に「コンフォート」 「クオリティ」の ctor」を利用してきた。各ホテル・レ 複数ブランド展開がある。1つは「シ ブランドを全国展開するチョイスホ ストランの担当者が System i の画面 テルズ事業である。また、ホテル事業 から仕入先宛てに発注処理を行うと、 と並行して、レストラン、バンケット PC サ ー バ ー 上 の FAX サ ー バ ー へ (宴会)、ケータリングなどの事業を拡 データが送られ、公衆回線を経由し 赤塚太志氏 電算部 統括課長 金川浩士氏 電算部 係長 78 2008 No.8 大させてきた。 て仕入先の FAX 機に打ち出される仕 この間、同社の事業を支えてきたの 組みであった。 は、一貫して IBM のミッドレンジ機 ところが、このシステムにはいくつ で あ る。シ ス テ ム /36 か ら AS/400 かの問題があった。1 つは、FAX 送信 へ、そして System i5 へと移行し、今 用の回線が 4 本であったので、午前中 年 3 月にモデル 720(OS/400 V4R3) の早い時間帯に 69 店のホテルが一斉 か ら 520(i5/OS V5R4)へ 切り替 え に発注作業を行うと FAX サーバーの た。全社のシステム構成としては、シ 処理が追いつかなくなってしまい、 ステム導入当初は各ホテルにサー 大幅な遅延が起きていたことである。 バ ー を 配 置 す る 分 散 型 だ っ た が、 「仕入先に FAX が届くのが夕方にな 1990 年代初めに AS/400 へ移行した るということもありました」と電算部 時から1台の大型サーバーによる集 統括課長の赤塚太志氏は振り返る。 中型へ変更している。 もう1つの問題は、FAX Director 今年 3 月のサーバー切り替え時に がすでに販売中止となりサポート切 は、発注システムの改築と売掛システ れとなっていたために、 「万一、FAX サーバーがトラブルを起こしてしま ように、System i とは別に FAX 送信 に発注してくださいと、その都度、注 うと、対応できる人がどこにもいな 用サーバーを立てるとイチから構築 意を促していましたが、そうした心配 い。全店の業務に重大な支障が生じ しなければならず、時間的にそのよう がなくなりました」と金川氏は言う。 る」 (電算部係長の金川浩士氏)とい な 余 裕 は あ り ま せ ん で し た。ま た、 また、相手先に FAX が届かなかっ う 爆弾を抱えた 状況にあったこと ASP サービスであれば運用について た 場 合 の 不 達 通 知 が、@Tovas で は である。 工数をかけずに済むと考えました」と メールで担当者に返ってくる。それま 説明する。 では、不達を確認するには FAX Dire 時間・コスト・要員配置を 考慮しASPサービスを導入 @Tovas を利用する新システムで ctor のところへ行ってコンソールを も、発注業務の工程に大きな変更は 確認する必要があったので、 「管理面 そこで FAX サーバーに代わる仕組 ない。System i 上の発注画面から仕 の負荷が軽減された」という。 み を 探 し た が、そ の 時 の 考 え 方 は、 入先へ発注処理を行うと、仕入先の 同社では今後、@Tovas を使った仕 「コストがかからず、簡単に手直しが FAX 機から注文書を兼ねた「納品書」 入先 PC へのファイル送信も検討する できる」 (金川氏)というものであっ と「納品書控え」がプリントアウトさ 予 定。ま た、現 在 は System i か ら た。検討の結果、採用したのは、アイ れる。そして仕入先業者から納品さ @Tovas へのデータの受け渡しを仲 エ ス テ ク ノ ポ ー ト の UT/400-iPDC れ検品が済むと System i に入力処理 介している UT/400-iPDC を使い、発 (System i 上に配置)を経由して直接 され、それを月末に一括処理して支払 注データの PDF 保存を進める計画で FAX を相手先に飛ばすコクヨ S&T の う仕組みである。 ある。 インターネット FAX サービス「@To しかし、導入効果は大きかった。か 「現在はスプールに残しているので、 vas」である。 つて送信終了まで 7 ∼ 8 時間もかか いつでも PDF 化ができますが、管理 製品ではなくサービスを選択した ることがあったのが、 「30 分以内に完 体系を整備して取り組みたいと考え 理由について金川氏は、 「従来と同じ 了」するようになった。 「以前は、早め ています」と赤塚氏は抱負を語る。 基幹システム System i 520 UT/400-iPDC ノーツサーバー PDCサーバー ファイルサーバー ホテルシステム @Tovas センター インターネット ISDN インターネット 各店舗 リモート 接続端末 図表 グリーンズの@Tovas利用のシステム概要図 http://www.imagazine.co.jp/ 79