Comments
Description
Transcript
放射線低減のための山武市としての取り組み
放射線低減のための山武市としての取り組み (1)山武市の現状 山武市では、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故発生 後の平成 23 年 5 月下旬から幼稚園、小中学校、保育所等(私立を含む)及び公 園等を中心に大気中の放射線量の測定を実施してきました。 さらに、γ線モニタリングポスト調査を行っている市内事業者からの測定資 料を提供していただいております。 平成24年3月における測定結果は次の通りです。 学校等では3月26日及び27日に、市内37箇所について市及び山武郡市広域行政 組合消防本部所有の測定機:Mirion Technologies社製RDS-30放射線サーベ イメータによる測定を行い、毎時0.06~0.19マイクロシーベルトでした。 公園等では3月26日及び27日に、さんぶの森公園他7箇所について県所有の測 定機:日立アロカメディカル社製シンチレーション式サーベイメータ TCS- 172Bで測定を行い、毎時0.07~0.10マイクロシーベルトでした。 また、参考として松尾町下大蔵にあります富士フイルムRIファーマ株式会 社千葉事業所において毎日測定しておりますγ線モニタリングポストDPM- 201B型の測定値は3月26日、3月27日0.096(1日の平均・マイクロシーベルト/ 時)でした。 (2)国の取り組み 環境省では高さ1mの位置で毎時0.23マイクロシーベルト以上の場合は汚染 状況重点調査地域に指定することとしています。また、平成23年8月26日に原子 力災害対策本部において「除染に関する緊急実施基本方針」が決定され、平成 23年10月21日に文部科学省、原子力災害対策支援本部において「福島県以外の 地域における周辺より放射線量の高い箇所への文部科学省の対応について」の 取組が示されました。 (3)山武市の放射線量 山武市の放射線量は、毎時 0.06~0.19 マイクロシーベルトで、環境省の航空 機モニタリングの調査結果においても比較的低い値で、汚染状況重点調査地域 に指定される数値ではありません。ただし、雨水などの影響により放射性物質 は偏在しており局所的に線量率の高い場所が予想されます。比較的高い放射線 量の原因となっているポイントは、雨水が集まるところ及びその出口、植物及 びその根元、泥・土がたまりやすいところ、微粒子が付着しやすい構造物です。 (4)山武市の取り組み 公共施設等において、高さ1mの位置で毎時0.23マイクロシーベルト(※1) を超えた場合、施設管理者の責任において除染作業を実施することとします。 なお、高さ 1mの位置で毎時 0.23 マイクロシーベルト以下の場合は施設管理 者の判断により除染作業を行うこととします。 また、平成 24 年 5 月より市内の身近な生活環境の放射線量を把握するため、 市が所有する放射線量測定器の貸し出しを行います。 (5)除染作業 除染作業については、側溝の泥の除去、落ち葉の回収、樹木の剪定、水によ る洗浄ブラッシング等を行います。汚染場所から除去された汚染土等は、土の う袋などに詰め、その土のう袋をビニール袋に入れ、原則発生した敷地内に埋 設することとします。覆土の厚さは 30 ㎝以上(※2)とし、適切な場所(人が あまり近付かないような場所)において保管します。 除染の効果を客観的記録として事後に残すため、事前に測定した場所の放射 線量については、除染後にも測定し、除染効果を確認します。併せて除染前後 の写真も撮影し記録にします。 ☆参考☆ ※1 平成23年12月14日環境省令第34号第5条で定められている放射線量とす る。また、国際放射線防護委員会(ICRP)は、自然放射線と医療被曝を除 く放射線量を年間1ミリシーベルト(ICRP2007勧告、放射線の管理基準。平 常時1ミリシーベルトに抑える)としています。また、事故とは関係なく、 自然界の放射線が元々存在しております。 1時間当りの線量試算 ・1日24時間の生活を、屋外8時間、屋内16時間とする。(平成23年4月19日、 文部科学省が「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的 考え方」で、児童生徒等の受ける線量を考慮する上で想定した生活パターン) ・屋内は、屋外の数値に0.4を乗じた値とする。(国際原子力機関(IAEA)が 示した木造家屋における低減係数) 1ミリシーベルト÷365日÷(8時間+16時間×0.4) =毎時0.19マイクロシーベルト 自然界(大地)からの放射線量毎時0.04マイクロシーベルト 0.19マイクロシーベルト+0.04マイクロシーベルト =0.23マイクロシーベルト 自然界からの放射線量のうち宇宙からの放射線量は含んでおりません。 ※2 平成23年8月26日原子力災害対策本部が定めた「市町村による除染実 施ガイドライン」より 覆土厚さと放射線遮へい効果 5 ㎝では 51%、10 ㎝では 74%、15 ㎝では 86%、30 ㎝では 98%です。