...

下関・宇部地域公害防止計画

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

下関・宇部地域公害防止計画
下関・宇部地域公害防止計画
平成18年3月
(平成21年3月 一部変更)
山
口
県
目
第1章
次
計画の概要
1
第1節
計画策定の趣旨
1
第2節
計画変更の趣旨
2
第3節
地域の範囲
5
第4節
計画の目標
5
第5節
計画の主要課題
5
1
自動車交通公害
5
2
河川の水質汚濁
5
3
常盤湖等の水質汚濁
5
第6節
公害防止計画の期間
5
第7節
関係法令による地域指定の概要
5
第2章
第1節
1
(1)
公害防止施策
10
主要課題への対応
10
自動車交通公害対策
10
主要幹線道路の自動車排ガスに係る大気汚染対策及び騒音対策
10
ア
当該課題に係る状況
10
イ
当該課題に係る要因分析
18
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
19
エ
今後講ずる施策及び達成目標
23
(2)
関連諸計画との関係
27
ア
山口県交通安全計画
27
イ
山口県の新しい道路整備計画
27
ウ
都市計画
27
2
河川の水質汚濁対策
(1)-1武 久 川 の B O D に 係 る 水 質 汚 濁 対 策
28
28
ア
当該課題に係る状況
28
イ
当該課題に係る要因分析
28
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
28
エ
講ずる施策及び達成目標
31
(1)-2友 田 川 の B O D に 係 る 水 質 汚 濁 対 策
32
ア
当該課題に係る状況
32
イ
当該課題に係る要因分析
33
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
33
エ
講ずる施策及び達成目標
35
河川の水質汚濁対策に係る共通施策
35
(2)
ア
工場・事業場対策
36
イ
生活排水対策
36
ウ
畜産排水対策、農業排水対策
37
エ
調査研究・監視体制整備
37
オ
環境教育・普及啓発
38
(3)
関連諸計画との関係
38
ア
総量削減計画
38
イ
瀬戸内海の環境の保全に関する山口県計画
38
ウ
生活排水対策推進計画
38
エ
流域別下水道整備総合計画
38
3
常盤湖等の水質汚濁対策
(1)-1常 盤 湖 の C O D に 係 る 水 質 汚 濁 対 策
39
39
ア
当該課題に係る状況
39
イ
当該課題に係る要因分析
39
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
41
エ
講ずる施策及び達成目標
42
(1)-2小 野 湖 の C O D 、 全 窒 素 及 び 全 り ん に 係 る 水 質 汚 濁 対 策
43
ア
当該課題に係る状況
43
イ
当該課題に係る要因分析
45
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
45
エ
講ずる施策及び達成目標
47
(1)-3豊 田 湖 の C O D 、 全 窒 素 及 び 全 り ん に 係 る 水 質 汚 濁 対 策
48
ア
当該課題に係る状況
48
イ
当該課題に係る要因分析
50
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
50
エ
講ずる施策及び達成目標
52
湖沼の水質汚濁対策に係る共通施策
53
ア
工場・事業場対策
53
イ
生活排水対策
53
ウ
畜産排水対策、農業排水対策
53
エ
調査研究・監視体制整備
54
オ
環境教育・普及啓発
54
(3)
関連諸計画との関係
54
(2)
第2節
1
大気汚染対策
55
大気汚染の概況
55
(1)
測定局数
55
(2)
設置状況
55
(3)
大気汚染の状況等
55
2
光化学オキシダント対策
58
(1)
光化学オキシダントに係る大気汚染の状況
58
(2)
当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
60
(3)
講ずる施策及び達成目標
60
ア
発生源対策
60
イ
緊急時対策
61
第3節
水質汚濁対策
62
1
水質汚濁の概況
63
2
河川の水質汚濁対策
69
3
湖沼の水質汚濁対策
69
4
海域の水質汚濁対策
69
(1)
海域の水質汚濁の状況
69
(2)
当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
71
(3)
講ずる施策及び達成目標
72
第4節
地下水汚染対策
75
(1)
地下水汚染の状況
75
(2)
当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
79
(3)
講ずる施策及び達成目標
79
第5節
土壌汚染対策
81
(1)
土壌汚染の状況
81
(2)
当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
81
(3)
講ずる施策及び達成目標
81
第6節
騒音・振動対策
82
1
自動車騒音対策
82
2
新幹線鉄道騒音対策
82
(1)
新幹線鉄道騒音の状況
82
(2)
当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
82
(3)
講ずる施策及び達成目標
84
3
航空機騒音対策
85
4
一般騒音等の対策
86
第7節
地盤沈下対策
87
第8節
悪臭対策
87
第9節
廃棄物・リサイクル対策
88
1
過去の施策の実施状況
88
(1)
一般廃棄物
88
(2)
産業廃棄物
88
2
(1)
過去の施策の評価分析
一般廃棄物
89
89
(2)
3
産業廃棄物
今後の施策
89
89
(1)
施策の基本的方向
89
(2)
関連諸計画の概要
90
(3)
廃棄物の発生抑制
91
(4)
減量化・リサイクルの推進
91
(5)
廃棄物の適正な処理の推進
92
第10節
土地利用対策
94
1
対策の基本的方向
94
2
関連諸計画の概要
94
3
土地利用計画の適切な運用
95
4
土地利用対策の推進
96
第11節
監視・観測体制の整備及び調査研究等の充実
97
1
監視・観測体制の整備
97
2
調査研究の充実
98
第12節
環境影響評価等
99
1
施策の基本的方向
99
2
環境影響評価等の実施
99
第13節
環境保健対策・公害紛争処理・不法投棄等不適正処理対策
99
1
健康被害の予防
100
2
公害紛争処理等
100
3
不法投棄等不適正処理対策
100
自然環境及び地球環境の保全
102
第3章
第1節
自然環境の保全
102
1
基本的な方向
102
2
施策の総合的かつ計画的な実施
102
(1)
すぐれた自然の保全
102
(2)
森林、農地、水辺等における自然環境の維持・形成
107
(3)
都市地域における自然的環境の確保等
109
(4)
社会資本整備等の事業の実施時の配慮
110
(5)
生物多様性の確保及び野生生物の保護管理
110
(6)
地域づくり等における健全で恵み豊かな環境の確保とその活用
111
第2節
地球環境の保全
113
1
施策の基本的な方向
113
2
地球規模の大気環境の保全
113
(1)
地球温暖化対策
113
(2)
オゾン層保護対策
116
(3)
3
第4章
第1節
酸性雨対策
116
その他の地球環境保全施策
116
各主体の自主的積極的取組に対する支援施策
118
各主体の取組
118
1
地方公共団体の取組
118
2
事業者の取組
119
3
住民の取組
119
4
民間団体の取組
120
第2節
環境教育・環境学習等の推進
120
1
環境教育・環境学習等の推進
120
2
環境保全の具体的行動の促進
121
3
環境情報の提供
122
第3節
第5章
環境保全に向けた取組の率先実行
計画の効果的実施
第1節
計画の推進体制と各主体の連携
122
124
124
1
計画の推進体制
124
2
各主体との連携
124
(1)
関係機関との連携
124
(2)
事業者との連携
126
(3)
住民との連携
126
第2節
経費の概要
127
第3節
各種計画との連携
127
1
環境保全計画との連携
127
2
諸計画との連携
127
3
防災型都市づくりに向けた取組
129
第4節
計画の進捗状況の点検
130
1
計画の進行管理
130
2
進捗状況の評価
130
資料
地域の概況
第1節
自然環境
132
132
1
地形
132
2
気象
132
3
水象
132
4
動植物等
133
第2節
人口
134
第3節
産業
134
1
概要
134
2
工業
134
3
農林水産業
134
4
商業
135
5
サービス・観光業
135
第4節
都市環境
135
1
土地利用
135
2
都市計画
135
3
都市施設等
136
4
交通運輸
138
第1章
第1節
1
計画の概要
計画策定の趣旨
環境質の状況
当地域は、山口県の南西部に位置し、化学、窯業、輸送用機械器具製造業及び火力発電
所等、古くから多くの工場等の立地が進み、工業や商業の一大拠点として発展してきてお
り、県下で最も人口が集中している地域である。また、東西に幹線道路、鉄道が貫通して
いるほか、特定重要港湾関門港の一翼を担う下関港や重要港湾宇部港があるなど海陸交通
の要衝でもある。
当地域においては、産業や人口の集中等により顕在化した大気汚染、水質汚濁や騒音等
の 公 害 問 題 に 総 合 的 に 対 処 す る た め 、 昭 和 50年 度 か ら 6 期 30年 間 に わ た り 公 害 防 止 計 画 を
策定し、実施してきた。
こ の 間 、 公 害 の 防 止 に 関 す る 諸 施 策 を 推 進 し て き た と こ ろ で あ る が 、 平 成 16年 度 に お け
る環境質の状況は以下のとおりである。
(1) 大 気 汚 染
二 酸 化 硫 黄 に つ い て は 、 11測 定 局 中 、 長 期 的 評 価 で は 全 局 に お い て 環 境 基 準 を 達 成 し
ている。
二 酸 化 窒 素 に つ い て は 、 環 境 基 準 と の 対 応 状 況 を み る と 、7 測 定 局 中 1 局 が 0.04ppmか
ら 0.06ppmま で の ゾ ー ン 内 、 他 の 6 局 が 0.04ppm未 満 と な っ て い る 。
一酸化炭素については、2測定局中、全局において環境基準を達成している。
浮 遊 粒 子 状 物 質 に つ い て は 、 11測 定 局 中 、 長 期 的 評 価 で は 全 局 に お い て 環 境 基 準 を 達
成している。
光化学オキシダントについては、6測定局全局において環境基準を達成していない。
ベンゼンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
トリクロロエチレンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成して
いる。
テトラクロロエチレンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成し
ている。
ジクロロメタンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
ダイオキシン類については、3測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
(2) 水 質 汚 濁
健 康 項 目 に つ い て は 、 30地 点 に お い て 延 べ 826項 目 を 測 定 し 、 全 て の 地 点 に お い て 、環
境基準を達成している。
河 川 に つ い て は 、 B O D ( 生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 ) の 指 標 で み る と 、 8 河 川 17水 域 中
1水域において環境基準を達成していない。ダイオキシン類の水質及び底質については、
4地点中、全地点において環境基準を達成している。
湖沼については、COD(化学的酸素要求量)の指標でみると、3湖沼3水域すべて
環境基準を達成していない。また、全窒素、全りんの指標でみると、類型指定されてい
- 1 -
る2湖沼2水域において環境基準を達成していない。
海域については、CODの指標でみると、9水域中3水域において環境基準を達成し
ていない。また、全窒素、全りんの指標でみると、6水域の全てにおいて環境基準を達
成している。ダイオキシン類の水質及び底質については、1地点で環境基準を達成して
いる。
地下水については、3地点で環境基準を達成していない。また、ダイオキシン類につ
いては、3地点中、全地点において環境基準を達成している。
(3) 騒 音
自 動 車 騒 音 に 関 し て は 、 11測 定 地 点 中 、 当 該 地 域 の 環 境 基 準 値 と 比 較 し て 、 4 地 点 に
おいて環境基準値を超過している。なお、環境基準達成状況の評価結果としては、評価
の 対 象 と し た 住 居 等 5,125戸 の う ち 、 692戸 ( 13.5% ) が 環 境 基 準 を 達 成 し て い な い 。
航空機騒音に関しては、4測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
新 幹 線 鉄 道 騒 音 に 関 し て は 、 平 成 15年 度 は 3 測 定 地 点 中 、 2 地 点 で 環 境 基 準 を 超 過 し
て い る が 、 平 成 16年 度 に つ い て は 測 定 を 行 っ て い な い 。
(4) 振 動 、 悪 臭
振動及び悪臭については、いずれについても苦情がある。
(5) 土 壌 汚 染
土壌汚染対策法に基づく指定区域が1件ある。
2
計画策定理由
当地域においては、このように依然として改善すべき課題が残されていることから、今
後も引き続き総合的な公害防止対策を講じていく必要がある。
このため、当地域に係る公害防止計画は、旧計画の施策の効果を評価分析し、施策間の
優先度や緩急度を勘案しつつ、環境基本法の理念に沿って、国の施策と有機的な連携を保
ちながら公害の防止に係る各般の施策を総合的、計画的に実施し、併せて公害の防止に資
するよう自然環境の保護に関する施策を実施することにより、公害の早急な解決を図ると
ともに、公害の未然防止の徹底に努め、もって地域住民の健康を保護し、生活環境を保全
する計画として策定するものである。
第2節
計画変更の趣旨
平 成 17年 度 か ら 現 在 に 至 る ま で の 間 、 現 行 計 画 に 基 づ く 各 種 の 施 策 が 講 じ ら れ て き た が 、
平 成 19年 度 に お け る 環 境 質 の 状 況 は 以 下 の と お り で あ り 、 依 然 と し て 改 善 す べ き 問 題 が 存
在することから、当該地域に係る公害防止計画については、計画内容を再検討の上、公害
防止に係る各種の施策を総合的かつ計画的に実施し、公害の早急な解決を図るとともに、
未然防止の徹底に努めるため、現行計画の変更を行うこととする。
(1) 大 気 汚 染
二 酸 化 硫 黄 に つ い て は 、 11測 定 局 中 、 長 期 的 評 価 で は 全 局 に お い て 環 境 基 準 を 達 成 し
- 2 -
ている。
二酸化窒素については、環境基準との対応状況をみると、7測定局中全局において
0.04ppm未 満 と な っ て お り 環 境 基 準 を 達 成 し て い る 。
一酸化炭素については、2測定局中、全局において環境基準を達成している。
浮 遊 粒 子 状 物 質 に つ い て は 、 長 期 的 評 価 で は 11測 定 局 中 、 10局 に お い て 環 境 基 準 を 達
成していない。
光化学オキシダントについては、6測定局全局において環境基準を達成していない。
ベンゼンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
トリクロロエチレンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成して
いる。
テトラクロロエチレンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成し
ている。
ジクロロメタンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
ダイオキシン類については、3測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
(2) 水 質 汚 濁
健 康 項 目 に つ い て は 、 29地 点 に お い て 測 定 し 、 全 て の 地 点 に お い て 、環 境 基 準 を 達 成
している。
河 川 に つ い て は 、 B O D ( 生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 ) の 指 標 で み る と 、 8 河 川 17水 域 中
全てにおいて環境基準を達成している。ダイオキシン類の水質及び底質については、4
地点中、全地点において環境基準を達成している。
湖沼については、COD(化学的酸素要求量)の指標でみると、3湖沼3水域すべて
環境基準を達成していない。また、全窒素は、2水域中、全水域において環境基準を達
成していない。全りんは、2水域中、全水域において環境基準を達成していない。
海域については、CODの指標でみると、9水域中2水域において環境基準を達成し
ていない。また、全窒素、全りんの指標でみると、6水域の全てにおいて環境基準を達
成している。ダイオキシン類の水質及び底質については、1地点で環境基準を達成して
いる。
地下水については、4地点で環境基準を達成していない。また、ダイオキシン類につ
いては、3地点中、全地点において環境基準を達成している。
(3) 騒 音
自動車騒音に関しては、9測定地点中、当該地域の環境基準値と比較して、3地点に
おいて環境基準値を超過している。なお、環境基準達成状況の評価結果としては、評価
の 対 象 と し た 住 居 等 3,766戸 の う ち 、 616戸 ( 16.4% ) が 環 境 基 準 を 達 成 し て い な い 。
航空機騒音に関しては、4測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
新 幹 線 鉄 道 騒 音 に 関 し て は 、 平 成 18年 度 に 1 測 定 地 点 中 、 1 地 点 で 環 境 基 準 を 超 過 し
て い る が 、 平 成 19年 度 に つ い て は 測 定 を 行 っ て い な い 。
(4) 振 動 、 悪 臭
振動及び悪臭については、いずれについても苦情がある。
- 3 -
第3節
地域の範囲
公害防止計画を策定する地域は、山口県の区域のうち、下関市及び宇部市の区域(平成
17年 10月 14日 現 在 の 区 域 ) と す る ( 図 1 − 3 − 1 参 照 ) 。
図1−3−1
下関・宇部地域公害防止計画策定地域図
- 4 -
第4節
計画の目標
本計画策定に当たっての汚染物質等の項目ごとの目標は表 1−4−1に示すとおりで
あ り 、 各 種 防 止 施 策 の 推 進 に よ り 、 目 標 が 平 成 22年 度 末 を 目 途 に 達 成 さ れ る よ う 努 め る も
のとして本計画を策定する。
な お 、 環 境 基 本 法 第 16条 に 基 づ く 環 境 基 準 等 が 設 定 又 は 改 定 さ れ た 場 合 及 び 新 た に 環 境
基準等の超過が生じた場合は、当該環境基準等に係る部分を変更した表をもって本計画の
目標とみなすものとする。
第5節
計画の主要課題
当地域の実情にかんがみ、本計画において特に重点的に解決を図るべき主要課題は、以
下のとおりとする。
1
自動車交通公害
大気汚染、騒音の著しい沿道における自動車交通公害の防止を図る。
2
河川の水質汚濁
水質汚濁の著しい河川のBODに係る水質汚濁の防止を図る。
3
常盤湖等の水質汚濁
常盤湖のCODに係る水質汚濁並びに小野湖、豊田湖のCOD、全窒素及び全りんに
係る水質汚濁の防止を図る。
第6節
公害防止計画の期間
本 計 画 の 実 施 期 間 は 、 平 成 17年 度 か ら 平 成 22年 度 ま で の 6 年 間 と す る 。
第7節
関係法令による地域指定の概要
当該地域における環境保全に関する個別課題に係る関係法令による地域指定の状況は、
表1−7−1のとおりである。
- 5 -
表1−4−1
計画の目標
区 分
1
大
気
汚
染
2 ①
目
標
適 用 区 域
考
「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和48年5月8日環境庁告示第25号)第1に 工 業 専 用 地
定める環境基準
域、車道その
他一般公衆が
通常生活して
光化学オキシダント 1時間値が0.06ppm以下であること。
いない地域又
は場所以外の
区域
本地域におけ
る主要な発生
源が、自動車
及び工場・事
業場であるこ
とを踏まえ適
切な対策を講
じる。
「地下水の水質汚濁に係る環境基準について」(平成9年3月13日環境庁告示第10 全計画地域
号)第1に定める基準値
適切な監視測
定の実施によ
り、実態の把
握及び原因の
究明に努める
とともに、現
時点で可能な
対策を講じ
る。
健 地
項
目
基
準
値
水
康
備
テトラクロロエチレン
0.01mg/ç以下
トリクロロエチレン
0.03mg/ç以下
シス-1,2-ジクロロエチレン
0.04mg/ç以下
総水銀
0.0005mg/ç以下
下
項
水
目
質
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
10mg/ç以下
②
「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和46年12月28日環境庁告示第59号)第1の 水質汚濁に係 本地域におけ
ア 2の(1)に定める基準値
る環境基準の る主要な要因
水域類型が指 は、生活排水
項
基
準
値
定されている であることを
生
目
利 用 目 的 の 適 応 性
水域
踏まえた適切
河
類
生物化学的酸素要求量(BOD)
な対策を講じ
汚
型
る。
活
川
AA 水道1級、自然環境保及びA以下の欄に
掲げるもの
A
水道2級、水産1級、水浴及びB以下の
欄に掲げるもの
2mg/ç
以下
B
水道3級、水産2級及びC以下の欄に掲
げるもの
3mg/ç
以下
C
水産3級、工業用水1級及びD以下の欄
に掲げるもの
5mg/ç
以下
D
工業用水2級、農業用水及びEの欄に掲
げるもの
8mg/ç
以下
E
工業用水3級、環境保全
10mg/ç
以下
環
濁
1mg/ç
以下
境
項
目
- 6 -
区 分
目
標
適用区域
備
考
②
「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和46年12月28日環境庁告示第59号)第1 水質汚濁に係 本地域におい
の2の(1)に定める基準値
る環境基準の ては、生活排
2 生
水域類型が指 水等の要因が
項
基
準
値
定されている あることを踏
目
利 用 目 的 の 適 応 性
水域
まえた適切な
活 イ
類
化学的酸素要求量(COD)
対策を講じ
水
型
る。
環
湖
AA 水道1級、水産1級、自然環境保全及びA以
下の欄に掲げるもの
1mg/ç
以下
質
境
A
水道2、3級、水産2級、水浴及びB以下の
欄に掲げるもの
3mg/ç
以下
汚 項
B
水産3級、工業用水1級農業用水及びCの欄
に掲げるもの
5mg/ç
以下
目
C
工業用水2級環境保全
8mg/ç
以下
沼
濁
項
類 目
型
基
準
値
利 用 目 的 の 適 応 性
全 窒 素
全
燐
Ⅰ
自然環境保全及びⅡ以下の欄に掲げるもの
0.1mg/ç 0.005mg/ç
以下
以下
Ⅱ
水道1、2、3級(特殊なものを除く。)
水産1種、水浴及びⅢ以下の欄に掲げるもの
0.2mg/ç 0.01mg/ç
以下
以下
Ⅲ
水道3級(特殊なもの)及びⅣ以下の欄に掲
げるもの
0.4mg/ç 0.03mg/ç
以下
以下
Ⅳ
水産2種及びⅤの欄に掲げるもの
0.6mg/ç 0.05mg/ç
以下
以下
Ⅴ
水
工
農
環
産
業
業
境
3
用
用
保
種
水
水
全
1 mg/ç 0.1mg/ç
以下
以下
「水質汚濁に係る環境基準について」(昭和46年12月28日環境庁告示第59号)
ウ 第1の2の(1)に定める基準値
海
項
目
類
型
基
準
化学的酸素要求量(COD)
A
水産1級、水浴、自然環境保全及びB以下
の欄に掲げるもの
2mg/ç
以下
B
水産2級、工業用水及びCの欄に掲げるも
の
3mg/ç
以下
域
C
値
利 用 目 的 の 適 応 性
環 境 保 全
8mg/ç
以下
- 7 -
水質汚濁に係
る環境基準の
水域類型が指
定されている
水域
本地域におけ
る主要な要因
は、工場・事
業場排水及び
生活排水であ
ることを踏ま
えた適切な対
策を講じる。
区 分
2
水
質
汚
ダ
イ
オ
キ
シ
ン
類
濁
目
標
適 用 区 域
基
準
値
地 域 の 類 型
騒
音
(1)
騒
音
考
「ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を 「ダイオキシン類に 適切な監視測定の
含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準について」(平成11年12月27日環 よる大気の汚染、水 実施により、実態
境庁告示第68号)第1の4及び5に定める基準値
質の汚濁(水底の底 の把握及び原因の
質の汚染を含む。) 究明に努めるとと
媒
体
基
準
値
及び土壌の汚染に係 もに、現時点で可
る環境基準につい 能な対策を講じ
水質(水底の底質の汚染を除く。)
1pg-TEQ/l以下
て」(平成11年12月 る。
27日環境庁告示第68
水底の底質
150pg-TEQ/g以下
号)第1による
「騒音に係る環境基準について」(平成10年9月30日環境庁告示第64号)
第1に定める基準値
3
備
昼
間
夜
間
AA
50 デシベル以下
40 デシベル以下
A及びB
55 デシベル以下
45 デシベル以下
C
60 デシベル以下
50 デシベル以下
騒音に係る環境基準 適切な監視測定の
の地域類型が指定さ 実施により、状況
れている地域
の把握に努めると
ともに、これを踏
まえた適切な対策
を講じる。
ただし、次表に掲げる地域に該当する地域(以下「道路に面する地域」
という。)については、目標値は上表によらず、次表の基準値の欄に掲げ
るとおりとする。
基
準
値
地 域 の 区 分
昼
間
夜
間
A地域のうち2車線以上の車線を有 60 デシベル
する道路に面する地域
以下
55 デシベル
以下
B地域のうち2車線以上の車線を有 65 デシベル
する道路に面する地域及びC地域の 以下
うち車線を有する道路に面する地域
60 デシベル
以下
この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、
上表にかかわらず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。
基
昼
準
値
間
夜
70 デシベル以下
間
65 デシベル以下
(備考)個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主と
して閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過す
る騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあって
は40デシベル以下)によることができる。
(2)
新
幹
線
鉄
道
騒
音
「新幹線鉄道騒音に係る環境基準について」(昭和50年7月29日環境庁
告示第46号)第1に定める基準値
地域の類型
基
準
Ⅰ
70
デシベル以下
Ⅱ
75
デシベル以下
- 8 -
値
新幹線鉄道騒音に係
る環境基準の地域類
型が指定されている
地域
適切な監視測定の
実施により、状況
の把握に努めると
ともに、発生源対
策に加え、沿線の
適切な土地利用の
誘導等を図る。
表1−7−1
区分
公害関係法令による各種地域指定等の状況
SOx
総
量
規
制
地
域
指
定
市名
下関市
K
値
6.0
NOx
総
量
規
制
地
域
指
定
−
湖
沼
水
特
法
指
定
地
域
C
O
D
総
量
規
制
地
域
指
定
生
活
排
水
対
策
重
点
地
域
−
○
−
騒音環境
基準類型
指定地域
(平 成 16年 度 末 現 在 )
騒
音
規
制
法
指
定
地
域
振
動
規
制
法
指
定
地
域
悪
臭
防
止
法
規
制
地
域
工
業
用
水
法
指
定
地
域
ビ
ル
用
水
法
指
定
地
域
県地
公下
害水
防採
止取
条規
例制
に
よ
る
農
用
地
土
壌
汚
染
対
策
地
域
−
−
−
−
−
−
−
−
一
般
騒
音
航
空
機
騒
音
新
幹
線
鉄
道
騒
音
△
△
△
△
△
△
S51.
2.13
S56.
4.1
S52.
3.8
S44.
5.1
S53.
5.1
S48.
5.1
△
△
△
△
△
△
S51.
2.13
H5.
4.1
S52.
3.8
S44.
5.1
S53.
5.1
S51.
5.1
条
指定年月日
S54.
S53.4.1
宇部市
○
指定年月日
S53.
4.1
(注 )1
2
3
4
3.5
(2.34)
6.12
−
−
○
S54.
S43.12.1
6.12
−
県環境政策課調べ。
○は、該当市町の区域全域、△は、該当市町の区域の一部が該当する。
条 は 、 山 口 県 公 害 防 止 条 例 に よ る SOx総 量 規 制 地 域 で あ る こ と を 示 す 。
( )内 は 、 大 気 汚 染 防 止 法 施 行 令 別 表 第 3 第 78号 に 規 定 す る 区 域 に 昭 和 49年 4 月 1 日 以 降
新設の施設に適用される特別排出基準である。
- 9 -
第2章
公害防止施策
前章で示された目標に対して、各種の公害防止施策等の推進により、平成22年度末を目
途に達成されるよう努めるものとして、以下の施策を講じる。また、新たに環境基準の超
過等が確認されたときは必要な対策を講じるものとする。
第1節
1
主要課題への対応
自動車交通公害対策
(1) 主要幹線道路の自動車排ガスに係る大気汚染対策及び騒音対策
ア
当該課題に係る状況
(ア) 光化学オキシダントに係る大気汚染の状況
下関・宇部地域では、自動車排出ガスや工場事業場からのばい煙等が一般環境に及ぼ
す影響を把握するため一般環境大気測定局を11局設置し常時監視している。
光化学オキシダントについては、平成16年度末現在、6局で測定を行っており、全局
において環境基準を達成していない(図2−1−1(1))。なお、平成19年度における
測定結果については、図2−1−1(1)のとおり平成16年度と同様に6測定局全局にお
いて環境基準を達成していない。
なお、自動車排出ガス測定局については県内においては周南地域の1局のみの設置で
あり、当該地域に設置はない。しかしながら、長府局においては、一般環境大気測定局
ではあるが一酸化窒素と二酸化窒素の割合から一酸化窒素が52.2%と他の一般大気測定
局(26.0∼35.2%)と比較して高い比率を示していることや近傍の工場等の状況から自
動車排出ガスの影響を受けていると考えられ、当該測定局においても、光化学オキシダ
ントは環境基準を達成していない。なお、二酸化窒素については、平成16年度末現在、
測定を行っている7局のうち長府局で0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内であり、他の
6局は0 . 0 4 p p m未満となっている。また、平成19年度における測定結果については、全
測定局で0.04ppm未満となった。
「光化学オキシダントの昼間の一時間値が0 . 0 6 p p mを超えた日数」の推移は、図2−
1−1(2)のとおりであり、増減の変化が著しい。
- 10 -
図2−1−1(1)
光化学オキシダント測定位置図
- 11 -
(日)
150
昼
間
の
一
時
間
値
が 100
0
.
0
6
p
p
m 50
を
超
え
た
日
数
(
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
長府局
図2−1−1(2)
彦島局
山の田局
中央局
宇部市役所
厚南市民センター
光化学オキシダントの昼間の1時間値が0.06ppmを超えた日数の推移
(イ) 自動車騒音に係る状況
当地域においては、平成11年4月に施行された騒音に係る環境基準(平成10年環境庁
告示第64号)に基づいて、道路に面する地域における環境基準達成状況の評価を実施し
たのは平成13年度以降であり、その状況については表2−1−1のとおりである。
表2−1−1 道路に面する地域における環境基準達成状況の評価結果
年度
平成13
平成14
平成15
平成16
一般
国道
11区間 47.5km
3,025/4,534 (67)
10区間 39.1km
2,355/4,762 (49)
9区間 23.7km
3,832/4,168 (92)
7区間 19.8km
1,887/2,553 (74)
県道
5区間 7.5km
1,591/1,780 (89)
3区間 8.1km
1,085/1,368 (79)
6区間 11.0km
895/1,060 (84)
4区間 6.6km
2,546/2,572 (99)
計
16区間 55.0km
4,616/6,314 (73)
13区間 47.2km
3,440/6,130 (56)
15区間 34.7km
4,727/5,228 (90)
11区間 26.4km
4,433/5,125 (86)
年度
平成17
平成18
平成19
一般
国道
10区間 38.8km
4,439/6,004 (74)
8区間 32.2km
3,889/4,731 (82)
4区間 16.3km
872/1,309 (67)
5区間 9.5km
661/ 914 (72)
5区間 15.9km
2,278/2,457 (93)
13区間 41.7km
4,550/5,645 (81)
9区間 32.2km
3,150/3,766 (84)
県道
計
(注)1
2
10区間 38.8km
4,439/6,004 (74)
分母は評価対象戸数、分子は環境基準達成戸数であり、()内は環境基準達成率(%)を示す。
県環境政策課調べ
- 12 -
平成16年度の環境基準達成状況は、11評価区間(図2−1−2(1))において評価の対
象とされた5 , 1 2 5戸のうち、692戸(13.5%)が環境基準を達成していない(表2−1−2
(1))。なお、これらの評価区間に係る11基準点における騒音測定値は、当該地域の環境
基準値と比較して、4地点において環境基準値を超過している(表2−1−3(1))。
表2−1−2(1)
番
号
市
名
評価区間
(センサス番号)
騒音に係る環境基準の達成状況(道路に面する地域−平成16年度)
測 定
年月日
評価区間の始点住所
評価区間の終点住所
評価区間
の延長
(km)
戸
数
基準点の
測定値
昼
夜
昼夜間とも
基準値以下
戸
昼間のみ
基準値以下
夜間のみ
基準値以下
%
戸
%
戸
3
3
%
昼夜間とも
基準値超過
戸
%
0 390
27
① 下関市
一般国道191号
(1099)
H16.11. 8
∼11. 9
下関市山の田本町
下関市安岡本町2丁目
4.9
1,434
75 71 1,003
※ ※
70
38
② 下関市
県道下関長門線
(4115)
H16.11. 4
∼11. 5
下関市一の宮町5丁目
下関市秋根北町
2.8
1,007
70 64
995
99
0
0 12
1
0
0
③ 下関市
県道下関港線
(4154)
H16.10.27
∼10.28
下関市南部町
下関市貴船町3丁目
1.3
904
69 65
904
100
0
0
0
0
0
0
④ 下関市
県道下関港垢田線
(6131)
H16.10.27
∼10.28
下関市後田町1丁目
下関市幡生町2丁目
1.5
554
68 63
543
98
0
0
9
2
2
0
⑤ 下関市
県道武久椋野線
(6143)
H16.11.14
∼11.15
下関市幡生町2丁目
下関市椋野町3丁目
1.0
107
69 64
104
97
0
0
1
1
2
2
⑥ 下関市
一般国道191号
(1101)
H16.12. 2
∼12. 3
下関市豊浦町川棚6903
下関市永田郷1114-1
2.6
198
70 64
※
137
69
0
0 61 31
0
0
⑦ 宇部市
一般国道190号
(1090)
H16.11.29
∼11.30
宇部市大沢西
宇部市松山町1丁目
4.0
420
65 60
420
100
0
0
0
0
0
0
⑧ 宇部市
一般国道190号
(1091)
H16.11.25
∼11.26
宇部市松山1丁目
宇部市鍋倉
3.1
177
73 69
※ ※
36
20
35
20
0
0 106
60
⑨ 宇部市
一般国道190号
(1094)
H16.10.12
∼10.13
宇部市流川
山陽小野田市丸河内
1.6
86
67 62
86
100
0
0
0
0
0
0
⑩ 宇部市
一般国道490号
(1202)
H16.11.25
∼11.26
宇部市大小路
宇部市松山町1丁目
2.5
205
64 58
205
100
0
0
0
0
0
0
⑪ 宇部市
一般国道2号
(1036)
H16.10.12
∼10.13
宇部市茶屋
山陽小野田市加藤
1.1
33
73 74
※ ※
0
0
6
18
0
0
27
82
26.4
5,125
4,433
86
79
2 527
10
地域計
-
-
2 86
(注) 夜間のみ、昼間のみ、昼夜間とも環境基準値超過の戸数は、79+86+527=692戸(13.5%)である。
※印の測定値については、環境基準値を超過している。
- 13 -
表2−1−3(1)
番
号
道路名
(()内センサス番号)
自動車交通騒音実態調査結果
測定場所
車
線
数
環
境
基
準
類
型
測 定
年月日
(平成16年度)
道
路
敷
地
境
界
か
ら
の
距
離
(m)
住
宅
等
か
ら
の
距
離
(m)
地
上
高
さ
(m)
等価騒音
レベル
(dB)
昼
夜
環
境
基
準
値
比
較
平成11年
交通量
(台数)
昼
夜
① 一般国道191号(1099)
下関市古屋町1−18−1
3
C
H16.11. 8∼11. 9
0.0
8.5
1.7
75
71
× 26,654
9,329
② 県道下関長門線(4115)
下関市秋根北町4−1
5
C
H16.11. 4∼11. 5
0.5
5.3
1.8
70
64
○ 26,745
8,024
③ 県道下関港線(4154)
下関市貴船町2−1−13
4
C
H16.10.27∼10.28
0.0
0.0
1.4
69
65
○ 17,155
5,147
④ 県道下関港垢田線(6131)
下関市後田町5−10−10
2
B
H16.10.27∼10.28
0.5
0.0
4.8
68
63
○ 15,722
4,559
⑤ 県道武久椋野線(6143)
下関市宝町4−21
4
C
H16.11.14∼11.15
1.1
1.5
1.4
69
64
○ 18,526
5,373
⑥ 一般国道191号(1101)
下関市豊浦町川棚7100−2
2
C
H16.12. 2∼12. 3
1.0
4.0
1.4
70
64
× 12,592
3,557
⑦ 一般国道190号(1090)
宇部市則貞2−5−46
4
C
H16.11.29∼11.30
0.5
0.5
1.6
65
60
○ 24,729
7,419
⑧ 一般国道190号(1091)
宇部市居能町2−4−6
4
A
H16.11.25∼11.26
0.5
1.0
2.0
73
69
× 25,928
8,556
⑨ 一般国道190号(1094)
宇部市東須恵2592−1
4
B
H16.10.12∼10.13
0.3
1.0
1.5
67
62
○ 27,928
9,216
⑩ 一般国道490号(1202)
宇部市北琴芝2−17−1
4
B
H16.11.25∼11.26
0.3
4.0
1.6
64
58
○ 19,285
4,713
⑪ 一般国道2号(1036)
宇部市船木4538
2
C
H16.10.12∼10.13
3.4
3.8
1.2
73
74
× 13,724
6,862
(注)1
2
3
県環境政策課調べ
○印は環境基準値以下、×印は環境基準値超過を示す。
備考欄のB、Cは、環境基準の類型を示す。なお、調査地点は全て幹線交通を担う道路に属する。
平成19年度の環境基準達成状況は、9評価区間(図2−1−2(2))において評価の対
象とされた3,766戸のうち、616戸(16.3%)が環境基準を達成していない(表2−1−2
(2))。なお、これらの評価区間に係る9基準点における騒音測定値は、当該地域の環境
基準値と比較して、3地点において環境基準値を超過している(表2−1−3(2))。
- 14 -
図2−1−2(1)
騒音に係る環境基準評価の位置図(平成16年度)
- 15 -
表2−1−2(2)
番
号
市
名
評価区間
(センサス番号)
騒音に係る環境基準の達成状況(道路に面する地域−平成19年度)
測 定
年月日
評価区間
の延長
(km)
評価区間の始点住所
評価区間の終点住所
基準点の
測定値
戸
数
昼
昼夜間とも
基準値以下
夜
昼間のみ
基準値以下
夜間のみ
基準値以下
昼夜間とも
基準値超過
戸
%
戸
%
戸
%
戸
%
① 下関市
一般国道2号
(1043)
H19. 5.28
∼ 5.29
下関市長府才川1丁目
下関市長府江下町3丁目
3.1
770
66 64
564
73
175
23
0
0
31
4
② 下関市
一般国道435号
(1182)
H20. 3.17
∼ 3.18
下関市豊田町大字浮石
下関市豊田町大字楢原
8.9
272
64 54
272
100
0
0
0
0
0
0
③ 下関市
県道粟野二見線
(4138)
H20. 1.24
∼ 1.25
下関市豊北町大字滝部
下関市豊北町大字二見
6.6
314
65 55
314
100
0
0
0
0
0
0
④ 下関市
県道安岡港長府線
(6137)
H19. 5.28
∼ 5.29
下関市富任町4丁目
下関市秋根北町
4.3
410
68 63
404
99
0
0
1
0
5
1
⑤ 下関市
県道南風泊港線
(6144)
H20. 1.31
∼ 2. 1
下関市大和町2丁目
下関市竹崎町3丁目
1.3
385
71 65
※
214
56
1
0 26
7 144
37
⑥ 下関市
県道田ノ首下関線
(6146)
H20. 1.31
∼ 2. 1
下関市彦島本村町6丁目
下関市彦島老町1丁目
1.7
630
65 58
630
100
0
0
0
0
0
0
⑦ 下関市
県道田ノ首下関線
(6145)
H19. 5.30
∼ 5.31
下関市彦島江の浦町3丁目
下関市彦島江の浦町1丁目
2.0
718
65 54
716
99
2
1
0
0
0
0
⑧ 宇部市
一般国道2号
(1035)
H19.12. 5
∼12. 6
宇部市下岡交差点
宇部市茶屋交差点
1.2
90
75 74
※ ※
0
0
9
10
0
0
81
90
⑨ 宇部市
一般国道190号
(1091)
H19.12. 3
∼12. 4
宇部市松山町1丁目交差点
宇部市鍋倉交差点
3.1
177
73 68
※ ※
36
20
35
20
0
0 106
60
32.2
3,766
3,150
84
222
6 27
1 367
9
地
域
計
-
-
(注) 夜間のみ、昼間のみ、昼夜間とも環境基準値超過の戸数は、222+27+367=616戸(16.3%)である。
※印の測定値については、環境基準値を超過している。
表2−1−3(2)
番
号
道 路 名
(センサス番号)
自動車交通騒音実態調査結果
測 定 場 所
車
線
数
環
境
基
準
類
型
測 定
年月日
(平成19年度)
車
道
端
か
ら
の
距
離
(m)
道
路
敷
地
境
界
か
ら
の
距
離
(m)
地
上
高
さ
(m)
等価騒音
レ ベ ル
(dB)
昼
夜
環
境
基
準
値
比
較
平成17年
交 通 量
(台数)
昼
夜
① 一般国道2号(1043)
下関市長府江下町3−15
4
B
H19. 5.28∼ 5.29
24
19
4.6
66
64
○
② 一般国道435号(1182)
下関市豊田町大字浮石字寺籠2593
2
X
H20. 3.17∼ 3.18
3.2
1.1
1.3
64
54
○
4,460
1,026
③ 県道粟野二見線(4138)
下関市豊北町大字滝部3140−1
2
X
H20. 1.24∼ 1.25
6.9
4.4
0.9
65
55
○
5,142
1,337
④ 県道安岡港長府線(6137)
下関市富任町4−4−1
2
B
H19. 5.28∼ 5.29
2.7
0.0
2.2
68
63
○
13,638
4,442
⑤ 県道南風泊港線(6144)
下関市大和町2−4−8
4
C
H20. 1.31∼ 2. 1
11.1
0.0
0.9
71
65
×
17,703
4,957
⑥ 県道田ノ首下関線(6146)
下関市彦島本村町6−1−2
2
C
H20. 1.31∼ 2. 1
3.0
0.0
1.4
65
58
○
7,208
2,018
⑦ 県道田ノ首下関線(6145)
下関市彦島江の浦町3−4−5
2
B
H19. 5.30∼ 5.31
4.3
0.5
1.8
65
54
○
7,648
2,141
⑧ 一般国道2号(1035)
宇部市大字船木579
2
C
H19.12. 5∼12. 6
5.6
5.6
1.4
75
74
×
13,770
6,885
⑨ 一般国道190号(1091)
宇部市居能町2丁目4−6
4
A
H19.12. 3∼12. 4
0.3
0.3
1.4
73
68
×
22,182
7,764
(注) 1 県環境政策 課調べ
2 ○印は環境基準値以下、×印は環境基準値超過を示す。
3 備考欄のB、Cは、環境基準の類型を示す。なお、調査地点は全て幹線交通を担う道路に属する。
- 16 -
35,369 15,166
図2−1−2(2)
騒音に係る環境基準評価の位置図(平成19年度)
- 17 -
イ
当該課題に係る要因分析
(ア) 光化学オキシダントについて
光化学オキシダントは、環境大気中の窒素酸化物と炭化水素類が太陽光の照射を受け
光化学反応を起こすことにより二次的に生成する物質で、その反応プロセスは極めて複
雑であり、発生機構がいまだ解明されていない点もある。
光化学オキシダント対策としては、原因物質と考えられる窒素酸化物についての工場
事業場等に対する固定発生源対策及び自動車等に対する移動発生源対策を実施してきて
いる。
下関・宇部地域の窒素酸化物の排出量は平成16年度で、13,584tであり、その内訳は、
工場・事業場(固定発生源)が11,613t(85.4%)、自動車が 1,826t(13.4%)を占
めていると推計され、自動車の割合は、平成5年度が 8.4%、平成10年度が10.8%、平
成16年度が13.4%と年々増加傾向にある(図2−1−3)。
また、光化学オキシダントを測定している宇部市内の一般環境大気測定局においても、
平成10年度の山口県調査では、平成9年度において、宇部市役所が52%、厚南市民セン
ターが59%と窒素酸化物の寄与濃度では自動車からの寄与が最大となっており、工場事
業場等の立地状況等から現状においても同様な状況であると考えられる。
これらのことからも、光化学オキシダント対策は、現状実施してきている原因物質と
考えられる窒素酸化物対策として、固定発生源対策に加え、移動発生源対策の重要性が
更に増していると考えられる。
なお、当該地域の窒素酸化物の排出量は平成16年度で、13,584tであり、その内訳は、
工 場 ・ 事 業 場 ( 固 定 発 生 源 ) か ら が 11,613t ( 85.4% ) 、 自 動 車 か ら が 1,826t ( 13.4
%)を占めていると推計された(図2−1−3)。
平成5年度
船舶
0.8%
自動車
7.7%
自動車 船舶
10.1% 0.7%
工場・
事業場
91.5%
図2−1−3
平成10年度
平成16年度
自動車
13.4%
工場・事
業場
89.2%
船舶
1.1%
工場・事
業場
85.5%
下関・宇部地域における窒素酸化物発生源別排出量割合の推移
- 18 -
(イ) 道路交通騒音について
当地域は、本州と九州を結ぶ主要幹線道路が横断する交通の要衝であり、高速自動車
国道の中国自動車道及び関門自動車道をはじめ、一般国道2号、9号、190号、191号、
435号、490号、491号と、これらに接続する主要地方道、一般県道、市道からなっている。
平成15年度末の自動車保有台数は約29万台で、平成10年度末に比べて約1万台増加し
ており、発生交通量は、逐年増加の傾向にある。
○
一般国道2号
一般国道2号については、2車線から4車線への拡幅整備や交差点の立体化による
交通流の円滑化に努めるとともに、信号機の高度化及び交通管制エリアの拡大等を実
施してきた。
しかしながら、当道路が本州と九州を結ぶ幹線道路であり、交通量の増加及び大型
車の混入率が比較的高いことが自動車騒音に係る環境基準値を超過している要因と考
えられる。
○
一般国道190号
当地域内の宇部市と山陽小野田市を結んだ一般国道2号に連なる幹線道路であり、
交差点の改良、信号機の高度化及び交通管制エリアの拡大等による交通流対策を実施
してきた。
しかしながら、当道路が宇部市及び山陽小野田市を結ぶ幹線道路であり、交通量の
増加と大型車の混入率が比較的高いことが自動車騒音に係る環境基準値を超過してい
る要因と考えられる。
○
一般国道191号
当道路については、拡幅整備、交差点改良や信号機の高度化及び交通管制エリアの
拡大等による交通流対策を実施してきた。
しかしながら、当道路の沿線の市街化が進み、朝、夕の通勤時間帯等における交通
量の増加が自動車騒音に係る環境基準値を超過している要因と考えられる。
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
(ア) 過去の施策の実施状況
当地域においては、公害防止計画策定以降、光化学オキシダントの主要原因物質とし
ての窒素酸化物に係る移動発生源対策として、また、主要幹線道路沿道における騒音対
策として、発生源対策、交通流対策、道路整備、沿道土地利用対策等を総合的に実施し
てきた。
(イ) 自動車交通公害に係る過去の共通施策
A
発生源対策
関係機関と連携して、車両の検査や騒音等の原因となる速度超過、整備不良及び過
積載車両等の違反に対する指導取締りを計画的、継続的に実施した。
- 19 -
B
交通流・交通量対策
(A) 交通流対策
自動車交通の円滑化を図るため、表2−1−4のとおり、交通管制システムの高度
化及び交通管制エリアの拡大、信号機の系統化、感応化等の高度化(改良)を計画的に
推進した。
また、円滑な交通流を阻害し、交通渋滞の原因となる駐車違反等の取締りを強化す
るとともに、交通実態に適合した最高速度、駐車禁止、一方通行、指定方向外通行禁
止等の交通規制を総合的に実施してきた。さらに、道路工事時の渋滞等の防止のため
の適正な道路使用の指導を行ってきた。
表 2−1−4
項
交通管制システム等の整備状況(平成16年度末現在)
目
種
類
交通管制エリアの拡充
信号機の集中制御化
信号機の高度化
系統化、感応化等
右折禁止等の交通規制
実
績
等
108.9 km (110.0 km)
298 基 (312 基)
1,656 箇所(3,162 箇所)
駐車禁止区間延長
887 km (814 km)
(注)県警察本部交通規制課調べ。
( )内は、平成19年度までの実績
人流対策として、公共交通機関の利用促進や自転車の利用促進等により、自家用自
動車の走行の抑制に努めてきた。山口県、下関市、宇部市では、事業所として職員の
ノーマイカー通勤を促進するとともに、毎年12月の「ノーマイカー通勤強調月間」の
開催等を通じて、企業・事業所等への啓発を図ってきた。また、宇部市では、平成17
年 度 に 「 地 域 と 連 携 し た ノ ー マ イ カ ー 運 動 2005」 事 業 を 実 施 し 、 3 ヶ 月 間 に わ た り
「従業員通勤用臨時バス運行」、「バス利用モニター」、「ノーマイカー通勤強化・
強調運動」等を開催し、主として通勤部門における自家用車の利用抑制を図った。
(B) 道路整備
○
バイパス等の整備
自動車交通を分散し、交通流を円滑化するために、一般国道2号、一般国道1
90号等の主要幹線道路において環境保全に配慮しつつ表2−1−5のとおりバ
イパス等の整備を行ってきた。
○
道路構造の改善
・交差点等の改良
交通混雑の著しい交差点について、道路交通の円滑化を図るため、表2−1−
6のとおり交差点の立体化等の整備を行った。
- 20 -
表 2−1−5
バイパス等の整備状況(平成19年度末現在)
道 路 名 等
事業主体
事 業 区 間
供用区間
事業年度
一般国道2号長府拡幅
国
L = 1.45km(4車線へ拡幅)
1.45km
S54 ∼ H15
一般国道2号下関拡幅
国
L = 2.7km(4,6車線へ拡幅)
0.8km
S50 ∼
一般国道190号厚東川大橋
国
L = 1.0km(6車線へ拡幅)
1.0km
H元 ∼
一般国道2号厚狭・埴生バイパス
国
L = 12.6km(バイパス整備)
12.6km
一般国道191号下関北バイパス
国
L = 6.8km(バイパス整備)
2.1km
H2 ∼
一般国道490号荒瀬バイパス
山口県
L = 2.7km(2車線へ拡幅)
0.4km
H6 ∼
一般県道西岐波吉見線
山口県
L = 4.4km(4車線へ拡幅)
4.4km
H4 ∼ H17
都市計画道路市道柳ヶ瀬丸河内線
宇部市
L = 1.8km(宇部市小松原町∼北琴芝)
1.8km
S59 ∼ H16
S48 ∼ H19
(注)国土交通省山口河川国道事務所、県道路建設課、各市調べ
表 2−1−6
交差点の改良状況
道 路 名 等
(平成19年度末現在)
事業主体
事 業 区 間
供 用 区 間
事業年度
一般国道2号(宇部市厚東)
国
L=0.3km(交差点改良)
L = 0.3km
H6∼ H8
一般国道2号(下関市長府印内)
国
L=0.3km(交差点改良)
L = 0.3km
H6∼ H7
一般国道9号(下関市黒門)
国
L=0.2km(交差点改良)
L = 0.2km
H7
一般国道190号(宇部市松山町)
国
L=0.1km(交差点改良)
L = 0.1km
H7
一般国道190号(宇部市則貞5丁目)
国
L=0.2km(交差点改良)
L = 0.2km
H8
一般国道190号(宇部市則貞6丁目)
国
L=0.2km(交差点改良)
L = 0.2km
H8
一般国道190号(宇部市西割)
国
L=0.3km(交差点改良)
L = 0.3km
H12∼H19
一般国道190号(宇部市東岐波)
国
L=0.3km(交差点改良)
L = 0.3km
H17
山口県
L=0.5km(立体交差化)
L = 0.5km
H4∼ H10
一般国道191号(下関市横野3丁目)
国
L=0.3km(交差点改良)
L = 0.3km
H16∼H17
一般国道191号(下関市吉見下)
国
L=0.2km(交差点改良)
L = 0.2km
H10∼H12
一般国道191号(下関市川棚駅前)
国
L=0.3km(交差点改良)
L = 0.3km
H13∼H14
都市計画道路唐戸筋川線
(注)国土交通省山口河川国道事務所、県道路建設課、都市計画課調べ
○
遮音壁の設置
中国自動車道及び山陽自動車道において、住宅地等への騒音の影響を軽減する
ため、必要な箇所に遮音壁を設置してきた。(表2−1−7)
表2−1−7
遮音壁の設置状況(平成16年度末まで)
道 路 名
設置場所
防音壁設置延長
山陽自動車道
宇部市
702m
平成13年度
山陽自動車道
下関市
894m
平成13年度
中国自動車道
下関市
3,872m
中国自動車道
下関市
296m
(注)西日本高速道路㈱調べ
- 21 -
事
業
年
度
昭和59年度∼平成11年度
平成12∼16年度
○
道路の低騒音舗装
主要幹線道路の交通騒音等の影響を低減させるため、表2−1−8に示す箇所
において低騒音舗装を行ってきた。
表2−1−8
低騒音舗装敷設状況
道 路 名
(平成19年度末現在)
地 点 名
道路延長
事業主体
事業年度
一般国道2号
宇部市楠町船木
0.65km
国
H15
一般国道190号
宇部市大沢
0.08km
国
H12
一般国道190号
宇部市沖宇部
0.83km
国
H11
一般国道190号
宇部市則貞
1.22km
国
H13
一般国道190号
宇部市松山町
1.62km
国
H15
一般国道190号
宇部市常盤町
0.699km
国
H15
一般国道2号
下関市才川
0.78km
国
H16
一般国道2号
下関市長府
0.14km
国
H16
一般国道2号
下関市江下町
0.65km
国
H16
一般国道2号
下関市長府
1.81km
国
H15
一般国道2号
下関市長府印内町
1.12km
国
H11
一般国道2号
下関市安養寺
0.147km
国
H16
一般国道9号
下関市長府東侍町
1.01km
国
H11
一般国道9号
下関市長府外浦町
0.204km
国
H12
一般国道9号
下関市阿弥陀寺町
0.297km
国
H12
一般国道9号
下関市阿弥陀寺町
0.377km
国
H13
一般国道9号
下関市南部町
0.904km
国
H13
一般国道9号
下関市細江町
1.34km
国
H12
一般国道191号
下関市竹崎町
0.3 km
国
H12
一般国道191号
下関市竹崎町
0.073km
国
H12
一般国道191号
下関市綾羅木本町
2.2 km
国
H13
一般国道191号
下関市梶栗町
1.95km
国
H14
一般国道191号
下関市新地西町
0.8 km
国
H19
一般国道191号
下関市吉見
1.5 km
国
H19
一般国道191号
下関市豊浦町大字黒井
1.0 km
国
H19
一般国道2号
下関市長府
3.38km
国
H14
国道491号
下関市小月
5.8 km
山口県
主要県道下関長門線
下関市秋根東
1.5 km
山口県
H10
主要県道下関長門線
下関市秋根
0.9 km
山口県
H13
国道490号
宇部市沼
1.8 km
山口県
H14
一般県道宇部空港線
宇部市沖宇部
2.2 km
山口県
H13
(注)国土 交通省 山口河 川国道 事務 所、県道路建設課調べ
- 22 -
H9∼H12
C
沿道土地利用対策等
主要幹線道路の沿道地域に係る土地利用計画の策定に当たっては、非住居系土地利
用を誘導するとともに、沿道における歩道、植樹帯等の設置を行い沿道環境の整備を
図ってきた。
D
調査研究・普及啓発
幹線道路における交通公害の防止対策を計画的、総合的に推進させるために、国、
県、警察本部、西日本高速道路株式会社及び山口県道路公社の関係機関で構成する
「山口県道路交通公害防止対策連絡会」において、自動車騒音対策に係る情報交換及
び対策の検討などを行い、道路計画、都市計画等各種計画と自動車交通騒音防止対策
の調整等を図っている。
また、各種講習会において、道路交通公害の防止に関する啓発活動を実施した。
なお、市及び道路管理者においては、幹線道路沿線における自動車騒音の実態を把
握するため、監視測定を継続実施してきた。
(ウ) 過去の施策の評価分析
○
光化学オキシダント対策
原因物質とされる窒素酸化物に係る移動発生源対策を実施してきたが、依然とし
て環境基準は達成されていない状況にあり、固定発生源対策はもとより、引き続き
移動発生源対策を実施していく必要がある。
○
自動車騒音対策
上記の交通流対策、道路整備対策等を実施してきており、かなりの改善はみられ
るものの依然として環境基準を達成していない地域があり、また、交通量の増加に
伴い、環境基準の維持について努めていく必要があり、引き続き対策を実施してい
く必要がある。
エ
今後講ずる施策及び達成目標
自動車交通の利便性から、自動車保有台数や自動車交通量は今後とも増加していくこ
とが予想されるため、主要幹線道路の自動車交通公害の改善を図るためには、地域の特
性を踏まえながら、これまで実施してきた種々の対策についてさらに効果的な実施方法
を検討しつつ、総合的な自動車交通公害対策を推進していく必要がある。
(ア) 達成目標
主要幹線道路沿道における騒音については、下記の個別施策を講じることにより、既
設の道路に面する地域については、騒音に係る環境基準が達成され又は維持されるよう
努めるものとする。
また、光化学オキシダントについては、発生原因と考えられる窒素酸化物等の排出量
の削減を推進することにより、環境基準達成に向けて努力していく。
(イ) 個別対策
A
交通流・交通量対策
- 23 -
以下に掲げる対策を引き続き実施し、交通の誘導・分散等により主要幹線道路にお
ける交通流の円滑化を図る。
(A) 信号機及び交通管制システムの高度化
信号機に系統化、半感応化、閑散時半感応化、多現示化等の機能を付加して信号機
の高度化を図り、交通管制エリアを拡大するとともに、交通管理の最適化を図るため、
新交通管理システム(UTMS)(※)の導入を推進し、表2−1−9に掲げる事業を平
成22年度までに推進する。なお、平成20年度については、信号機の高度化を11箇所実
施する。
※
光ビーコンを用いた個々の車両との双方向通信により、ドライバーにリアルタイムの交通情報を提供
する等、IT技術を利用して、交通の流れを積極的に管理し、「安全・快適にして環境にやさしい交
通社会」の実現を目指す交通管理システム。
(B) 効果的な交通規制の実施
右折レーンの設置が困難な場所について時間帯による右折禁止の交通規制を実施す
るなど、交通の状況に対応した効果的な交通規制を実施して交通流の円滑化を図る。
表2−1−9
交通管制システム等整備計画
事業主体名
県警察本部
地
域
交通情報提供装置
下関市、宇部市
8
信号機の高度化
箇所
36
箇所
(注)県警察本部交通規制課調べ
B
道路構造対策
(A) 道路整備
○
バイパス等の整備
一般国道2号、190号及び191号等の主要幹線道路におけるバイパス、道路拡幅
等を沿道環境に配慮しつつ表2−1−10のとおり推進し、交通流の円滑化、分
散化を図る。
○
道路構造の改善
・交差点等の改良
交通混雑の著しい交差点について、道路交通の円滑化を図るため、表2−1−
11のとおり交差点の改良を行うことにより、付近の交通流の円滑化を推進する。
○
道路の低騒音舗装
環境基準の達成率の低い地域等今後とも騒音が著しいと認められる箇所につい
は、関係機関と連携し道路の低騒音舗装の維持補修に努めるとともに、表2−1
−12に示す箇所において低騒音舗装を実施する計画である。
C
沿道対策
幹線道路の沿道の土地利用計画及び市街地開発事業計画の決定又は変更に当たって
は、騒音・振動の影響に配慮した適正な土地利用の誘導及び公共施設等の配置を図る。
D
局地汚染改善対策
○
遮音壁の設置
- 24 -
山陽自動車道等の騒音の著しい箇所において遮音壁等の設置が進められてきたが、
環境基準の達成率の低い地域等今後も騒音が著しいと認められる箇所には、関係機
関と連携・協議のうえ、遮音壁の設置等の対策を進め沿道環境の保全に努める。
表2−1−10
バイパス等の整備計画
道 路 名 等
事 業 内 容 等
距 離
事業主体
一般国道2号下関拡幅
4車線、6車線へ拡幅
2.7km
国
S50∼
一般国道191号下関北バイパス
4車線整備
国
H2∼
一般国道2号厚狭・埴生バイパス
4車線整備(H19年度末暫定2車線)
12.6km
国
S48∼ H19
一般国道490号宇部拡幅
4車線整備
6.0km
県
H5∼
一般国道490号荒瀬バイパス
2車線整備
2.7km
県
H6∼
一般国道491号上小月バイパス
4車線整備
2.1km
県
H5∼
一般県道西岐波吉見線
宇部市西岐波4車線整備
4.4km
県
H4∼ H17
一般県道妻崎開作小野田線
宇部市妻崎開作2車線整備
1.7km
県
H9∼ H18
一般県道武久椋野線
下関市武久町
0.4km
県
H7∼ H17
都市計画道路宇部湾岸線
宇部市東須恵唐∼中央町
4.5km
県
H6∼ H23
都市計画道路幡生綾羅木線
下関市幡生町∼武久町
1.2km
県
H9∼ H19
都市計画道路市道鍋倉草江線
宇部市草江
0.4km
宇部市
H15∼
市道武久新垢田西線
下関市武久町
0.65km
下関市
H11∼ H17
一般国道435号美祢∼豊田バイパス 2車線整備
5.4km
県
H6∼
一般国道491号荒木拡幅
2車線整備
0.8km
県
H15∼
一般国道491号豊田∼油谷バイパス 2車線整備
6.0km
県
H7∼
一般県道新下関(停)稗田線
4車線整備
1.1km
県
H15∼
一般県道下関川棚線
2車線整備
4.8km
県
H13∼
6.8km
事業年度
(注)国土交通省山口河川国道事務所、県道路建設課、都市計画課、各市調べ
表2−1−11
道 路 名
交差点の改良計画
地 点 名
道路延長
事業主体
事業年度
一般国道2号
宇部市瓜生野
0.3 km
国
H18∼
一般国道2号
宇部市茶屋
0.3 km
国
H20∼
一般国道190号
宇部市藤曲
0.1 km
国
H18∼
一般国道190号
宇部市西割
0.3 km
国
H12∼H19(事業完了)
一般国道190号
宇部市東岐波
0.3 km
国
H17(事業完了)
一般国道191号
下関市横野3丁目
0.3 km
国
H16∼H17(事業完了)
(注)国土交通省山口河川国道事務所、県道路整備課調べ
表2−1−12
道 路 名
低騒音舗装敷設計画
地 点 名
道路延長
一般国道191号
下関市上新地
1.05 km
一般県道下関港線
下関市椋野
1.3
km
事業主体
国
山口県
(注)国土交通省山口河川国道事務所、県道路整備課調べ
- 25 -
事業年度
H18∼
H21
(ウ) 共通施策
当地域における今後の主要幹線道路沿道等における自動車交通公害対策は、図2−
1−4に示す対策の体系に従って、発生源対策、交通流対策、道路整備、沿道土地利
用対策、普及啓発等の総合的な対策を強力に推進することとする。
また、各種開発行為による新たな発生交通量に係る大気汚染や騒音等の影響を未然
に防止するため、環境影響評価法及び山口県環境影響評価条例等に基づき環境影響評
価を適切に実施し、必要に応じ環境保全対策を講じるなど、環境の保全を図るものと
する。
発生源対策
交通流対策
自動車交通
公 害 対 策
道路整備
沿道土地利用対策
普及啓発
その他の対策
図2−1−4
A
移動発生源対策
車両検査、点検の徹底
整備不良車両の指導取締り
の強化
過積載車両に対する指導取
締りの強化
交通管制システムの整備
信号機の高度化
交通規制の合理化・高度化
バイパス等の整備
交差点の改良
道路舗装の維持補修(低騒音舗装)
遮音壁の設置
低公害車の普及等
環境基準の達成状況把握
監視測定体制の整備
自動車交通公害対策の体系
発生源対策
・移動発生源対策
関係機関と連携して車両の検査等の徹底や整備不良車両、過積載車両、速度超過
車両等に対する指導取締りの強化を引き続き実施する。
また、国の行う自動車騒音等の低減対策に加え、最新規制適合車及び低公害車の
普及促進を図る。
B
交通流・交通量対策
交通の誘導・分散等により交通流の円滑化を図るため、交通流対策を引き続き実施
する。
C
調査研究・普及啓発
(A) 普及啓発
規制速度の遵守、過積載の禁止等について各種講習会等により引き続き啓発を図っ
ていく。
環境教育・環境学習等の推進や各種広報媒体の活用等により低公害車の普及促進や
- 26 -
アイドリングストップ等のエコドライブの普及啓発活動の推進を図る。
(B) その他の対策
環境基準の達成状況を把握するために、監視測定体制の整備を図り、大気汚染常時
監視システムの適正な運営管理及び測定地点や測定間隔を定めた計画的な騒音監視を
引き続き実施するとともに、監視結果の公表等の情報提供及び環境保全施策への活用
を進める。
また、幹線道路における自動車交通公害対策を計画的、総合的に推進するため「山
口県道路交通公害防止対策連絡会」を活用するなど、関係機関との連携を密にする。
(2) 関連諸計画との関係
ア
山口県交通安全計画
交通安全対策基本法(昭和45年法律第110号)第25条の規定により、山口県交通安全
対策会議が毎年度作成する計画であり、同法第22条の規定により中央交通安全対策会
議が作成した「交通安全基本計画」に基づき、山口県の区域における交通安全施設の
整備及び交通障害の状況を把握し、交通の安全と円滑の確保及び交通公害の防止を図
るために必要な事項を定めている。
イ
山口県の新しい道路整備計画
21世紀における山口県の「未来の姿」として「やまぐち未来デザイン21」を策定
し、その理念に沿って、県民の一人一人が安全でかつ豊かな生活を享受できるように
様々な施策を実施している。
この中で、山口県の道路については、地域間の連携を強化するための移動時間の短
縮や住民生活の安全を確保するための快適な歩行空間の創造を目指す「ジョイフルロ
ード構想」を掲げ、この目的に向かって「ジョイロードプラン」に引き続き、平成20
年度からの「新しい道路整備計画」に沿って種々の道路整備事業を推進している。
ウ
都市計画
(ア) 下関都市計画
都市計画法(昭和43年法律第100号)に基づき、下関市の一部区域内において、都市
の健全な発展と秩序ある整備を図るため土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事
業について定めている。
(イ) 宇部都市計画
都市計画法に基づき、宇部市の一部区域内において、都市の健全な発展と秩序ある
整備を図るため土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業について定めている。
(ウ) 山陽都市計画
都市計画法に基づき、宇部市の一部区域内において、都市の健全な発展と秩序ある
整備を図るため土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業について定めている。
(エ) 豊浦都市計画
都市計画法に基づき、下関市の一部区域内において、都市の健全な発展と秩序ある
整備を図るため土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業について定めている。
- 27 -
2
河川の水質汚濁対策
(1)-1
ア
武久川のBODに係る水質汚濁対策
当該課題に係る状況
武久川のBOD濃度(75%値)の推移は、図2−1−5のとおり昭和51,52年度に汐
入橋で100mg/çと最高値を示して以降は改善の傾向にあり、平成15年度は汐入橋が環
境基準を満足し、平成16年度には測定開始以来初めてB類型の環境基準を達成した。
なお、平成19年度におけるBOD濃度(75%値)は、汐入橋(ZC-5)及び生野橋(ZC6)両地点において環境基準を達成した。
(mg/L)
120
100
︵
B 80
O
D
濃
度 60
︶
7
5
% 40
値
20
環 境 基 準E
環 境 基 準D
環 境 基 準C
環 境 基 準B
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
汐入橋(B類型)
図2−1−5
イ
生野橋(B類型)
武久川のBOD濃度の推移
当該課題に係る要因分析
武久川における主な汚濁要因は、BOD汚濁負荷量の割合がそれぞれ56%、40%と大
きな割合を占めている生活系と産業系と考えられる。また、河川流域が小さく流量も少
ないため、自浄作用が低下していた。しかし、平成2年に流域の下水処理場を建設し、
下水道の整備を進めたため、平成15年度末現在では、下水道普及率が84.1%、平成19年
度末現在では87.8%となり、着実に改善へ向かってきている。
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
(ア) 過去の施策の実施状況
武久川(B類型)については、平成16年度に初めてB類型の環境基準を達成した。
当地域の河川の水質汚濁対策として、これまでに実施してきた対策は、次のとおりで
ある。
- 28 -
A 生活排水対策
(A) 下水道の整備
武久川は、河川流域が小さく市街化区域の拡大や河川流量が少ないこともあって、
水質汚濁負荷量には生活排水が大きな割合を占めている。
このため、生活排水に係る汚濁負荷量を削減するためには、下水道の整備が緊要で、
かつ重要な対策であり、下関市においては、表2−1−13のとおり公共下水道の整
備を推進し、平成16年度末における普及率は58.2%であり、平成19年度末現在におい
ては64.6%となっている。
表2−1−13
区
下水道整備状況
行 政 区 域
分
下 関 市
処 理 区 域
終 末 処 理 場
面 積
(ha)
人 口
(千人)
面積
(ha)
人 口
(千人)
施設数
処理能力
(千m 3 /日)
H16
71,589
291.5
3,478
169.5(58.2)
7
101.3
H18
71,589
285.8
3,966
184.7(64.6)
7
118.9
(注)1 行政区域は、面積については「全国都道府県市区町村別面積調」(平成16,19年10月1日現在)、
人口については住民基本台帳人口による。
2 処理区域は、面積及び人口ともに県都市計画課調べ
3 処理区域の人口欄の( )内は、処理人口普及率[処理区域人口/行政人口×100 (%)]を示す。
(B) し尿処理施設の整備
し尿処理施設の整備については、下水道の整備を勘案しつつ、第2−1−14のと
おり整備を進めてきた。
表2−1−14
し尿処理施設整備状況
市 名 等
竣工年度
(平成16年度末現在)
規模(kç/日)
下 関 市
昭和46年度
80
豊浦・大津環境浄化組合
昭和56年度
128
計
処 理 方 式
備
考
嫌気性消化処理
焼却
208
(注)県廃棄物・リサイクル対策課調べ
(C) 浄化槽対策等
浄化槽については、国又は県の補助制度を活用しながら、下関市では平成16年度末
までに2,365基の浄化槽(合併処理)を設置し、平成19年度までの3年間で906基の設置
を行い浄化槽の設置基数を3 , 2 7 1基とした。また、建築基準法、浄化槽法、山口県浄
化槽保守点検業者登録条例及び浄化槽の設置等に関する指導要綱に基づき、適正な設
置及び維持管理の指導を行った。
- 29 -
(D) 広報、啓発、実践活動の促進
「山口県生活排水浄化対策推進要綱」に基づき、洗剤使用の適正化や台所排水対策の
普及啓発、家庭での実践活動の促進等、生活排水対策を総合的に進めてきた。
B 産業排水対策
(A) 排水規制
工場・事業場から排出される排出水については、水質汚濁防止法及び同法第3条第
3項に基づく上乗せ条例並びに山口県公害防止条例に基づき、排水基準及びCOD総
量規制基準の遵守状況を厳重に監視するとともに、適正な指導を行ってきた。
(B) 小規模事業場排水対策
排水基準等の適用されない小規模事業場に対しては、国が示した「小規模事業場排
水対策推進指導方針」等に沿って排出水等の実態の把握に努めるとともに、汚濁負荷
量の削減を指導してきた。
(イ) 過去の施策の評価分析
武久川(B類型)は、平成11年度においては次類型の環境基準を超過している状況にあ
ったが、平成15年度に汐入橋で環境基準を満足し、平成16年度にはB類型の環境基準を
初めて達成した。
水質汚濁要因については、発生源別BOD汚濁負荷量は表2−1−15、生活排水の
処理内訳は表2−1−16のとおりである。主な汚濁要因は、BOD汚濁負荷量の割合
がそれぞれ56%、40%を占める生活系と産業系と考えられるため、下水道の整備促進、
しゅんせつ及び河川浄化事業、生活排水浄化対策の啓発・実践活動の推進等総合的な河
川浄化対策を行ってきた。
表2−1−15
発生源別BOD汚濁負荷量
発生源別BOD汚濁負荷量(kg/日)
河 川 名
生 活 系
産 業 系
畜 産 系
そ の 他
計
H15
168(56.0)
121(40.1)
0.0(0.0)
12(3.9)
300(100)
H18
128(49.0)
121(46.4)
0.0(0.0)
12(4.6)
261(100)
武 久 川
(注)県環境政策課調べ、(
)内は構成比(%)
- 30 -
表2−1−16
生活系排水の処理内訳
生活系排水の処理内訳(人)
流 域 人 口
河 川 名
下 水 道
合併処理浄化槽
未 処 理
(人)
H15
23,577 (84.1)
267 (1.0)
4,173 (14.9)
28,017 (100)
H18
24,452 (87.8)
244 (0.9)
3,166 (11.3)
27,862 (100)
武 久 川
(注)1 県環境政策課調べ、( )内は構成比(%)
2 流域人口は、それぞれの河川水域(環境基準点)に係る平成15,18年度末の住民基本台帳に基づく推定人口である。
3 生活系排水の処理内訳は、上記2のうち下水道水洗化人口、合併処理浄化槽利用人口及び雑排水人口(単独浄化
槽利用人口、し尿処理場利用人口及び自家処理人口を加えたもの)の推計人口である。
エ
講ずる施策及び達成目標
(ア) 達成目標
武久川におけるBODについて、平成16年度に初めて環境基準の達成を果たしたが、
引き続き基準の達成を図っていく。このため、下水道のさらなる普及等、流域全体の対
策を推進し汚濁負荷の抑制を図ることとする。
(イ) 個別対策
A
排水処理施設の整備
生活排水による水質汚濁負荷量を削減するため、「山口県生活排水浄化対策推進要綱」
等に基づき、下水道等の生活排水処理施設の整備促進を図るとともに、普及啓発・実践
活動の推進等について、県・市の役割分担に応じて生活排水対策を推進する。
(A) 下水道の整備
当地域の都市内河川における水質保全を図るためには、生活排水等に係る汚濁負荷
量の削減が肝要であるため、これまで実施してきた公共下水道の整備を引き続き推進
する。
下関市における下水道の整備計画は、表2−1−17のとおりである。
表2−1−17
区
分
公共下水道
下水道整備計画
市
名
下 関 市
年
度
行政人口(千人)
処理人口(千人)
平成16年度
291.5
169.5
平成19年度
285.8
184.7
平成22年度
策定中
策定中
(注)1 行政人口は、平成16,19年度については住民基本台帳人口(平成17,20年3月末現在)である。平成22年度については、
現在新たな下水道計画を策定中であり算出していない。
2 各市調べ
(B) 汚泥再生処理センターの整備等
下関市においてし尿及び浄化槽汚泥を適正に処理するため、表2−1−18のとお
- 31 -
り汚泥再生処理センターの整備を行うとともに、現有施設の適正な維持管理等を図る。
表2−1−18
区
一般廃棄物処理施設整備計画
分
年 度
処理能力
新 増 設
平成17年度
358 kç/日
平成22年度
476 kç/日
新増設施設等
事業主体
計画内容
の内訳
下 関 市
198 kç/日
廃
198 kç/日
止
80 kç/日
汚泥再生処理センター
着工年度
竣工年度
平成17年度 平成18年度
(注)県廃棄物・リサイクル対策課、下関市調べ
(C) 浄化槽(合併処理)の普及促進等
下関市が策定している「生活排水処理基本計画」等に基づき、地域の実情に応じ、
「浄化槽設置整備事業費補助金要綱」による補助制度等を活用しつつ、平成17年度か
ら平成22年度の6年間で1,822基の浄化槽(合併処理)の普及促進を図る。
また、建築基準法、浄化槽法、山口県浄化槽保守点検業者登録条例及び「浄化槽の
設置等に関する指導要綱」に基づき、浄化槽の適正な設置及び維持管理の指導等に努
めるとともに、(社)山口県浄化槽協会と連携し、法定検査の実施率の向上を図る。
B
工場・事業場対策
(A) 法・条例に基づく排水規制等の徹底
水質汚濁防止法及び同法第3条第3項に基づく上乗せ条例並びに山口県公害防止条
例に基づき、排水基準及び総量規制基準(COD、全窒素、全りん)の遵守状況を厳
重に監視するとともに排水処理施設の改善及び適正な管理等の指導を引き続き実施す
る。
(B) 小規模事業場排水対策
排水基準等の適用されない小規模事業場に対しては、排出水等の実態把握に努める
とともに、汚濁負荷量の削減を指導する。
C
指導・普及・啓発
水系別生活排水浄化対策協議会を設置している水系については、当該協議会の活動
等による地域住民に対し生活排水対策の普及・啓発を行う。
(1)-2
ア
友田川のBODに係る水質汚濁対策
当該課題に係る状況
友田川のBOD濃度(75%値)の推移は、図2−1−6のとおりであり、上流のA類型
の胡麻多橋では毎年環境基準を達成しており、下流のB類型の安永橋では、環境基準の
超過が継続し次類型を上回る状況であるが、昭和54年度に28.0mg/çと最高値を示して
以降、水質が改善の傾向を示しているが、近年は横ばい傾向にある。
- 32 -
なお、平成19年度におけるBOD濃度(75%値)は、A類型の胡麻多橋が環境基準を満
足し、測定開始以来初めてB類型の安永橋で環境基準を達成した。
イ
当該課題に係る要因分析
友田川流域において発生するBODに係る汚濁負荷量を発生源別にみると、生活系
68.0%、 産 業 系 23.6%、 畜 産 系 0 %、 自 然 系 8.4%で あ り 、 生 活 系 が 最 も 大 き な 割 合 を 占 め
ている。
また、流域人口に対する下水道普及率は5 . 1%と下水道の整備が立ち遅れており、生
活系汚濁負荷量の高い要因となっている。なお、生活排水処理率は約19%となっている。
(mg/L)
30
25
︵
B 20
O
D
濃
度 15
︶
7
5
% 10
値
5
環境基準B
環境基準A
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
安永橋(B類型)
図2−1−6
ウ
胡麻多橋(A類型)
友田川のBOD濃度の推移
過去の施策の実施状況及び評価
(ア) 過去の施策の実施状況
友田川のA類型については、毎年環境基準を達成しているが、B類型については平成
16年度においてBODに係る環境基準を依然として達成していない状況にある。
当地域の河川の水質汚濁対策として、これまでに実施してきた対策は、次のとおりで
ある。
A 生活排水対策
(A) 下水道の整備
友田川は、河川流域が小さく市街化区域の拡大や河川流量が少ないこともあって、
水質汚濁負荷量には生活排水が大きな割合を占めている。
- 33 -
このため、生活排水に係る汚濁負荷量を削減するためには、下水道の整備が緊要で、
かつ重要な対策であり、下関市においては、本章第1節2(1)-1ウ(ア)A(A)の表2−1
−13のとおり公共下水道の整備を推進している。
(B) し尿処理施設の整備
本章第1節2(1)-1ウ(ア)A(B)
参照
(C) 浄化槽対策等
本章第1節2(1)-1ウ(ア)A(C)
参照
(D) 広報、啓発、実践活動の促進
本章第1節2(1)-1ウ(ア)A(D)
参照
B 産業排水対策
(A) 排水規制
本章第1節2(1)-1ウ(ア)B(A)
参照
(B) 小規模事業場排水対策
本章第1節2(1)-1ウ(ア)B(B)
参照
(イ) 過去の施策の評価分析
水質汚濁要因については、発生源別BOD汚濁負荷量は表2−1−19、生活排水の
処理内訳は表2−1−20のとおりである。主な汚濁要因は、BOD汚濁負荷量の割合
がそれぞれ68.0%、23.6%を占める生活系と産業系と考えられるため、下水道の整備促
進、しゅんせつ及び河川浄化事業、生活排水浄化対策の啓発・実践活動の推進等総合的
な河川浄化対策を行ってきた。
しかしながら、浄化槽普及率(合併処理)は14%にとどまり、下水道の整備は平成11年
度に一部区域が処理を開始したもののその普及率は平成16年度末現在で5%と僅かであ
り、依然として下流のB類型では環境基準を達成していない。なお、平成18年度におい
ては、下水道普及率が22.2%となり下水道の整備が推進された。
表2−1−19
発生源別BOD汚濁負荷量
発生源別BOD汚濁負荷量(kg/日)
河 川 名
生 活 系
産 業 系
畜 産 系
そ の 他
計
H15
195(68.0)
68(23.6)
0.0(0.0)
24(8.4)
287(100)
H18
169(64.8)
68(26.0)
0.0(0.0)
24(9.2)
261(100)
友 田 川
(注)県環境政策課調べ、(
)内は構成比(%)
- 34 -
表2−1−20
生活系排水の処理内訳
生活系排水の処理内訳(人)
流 域 人 口
河 川 名
下 水 道
合併処理浄化槽
未 処 理
(人)
H15
304 (5.1)
823 (13.9)
4,817 (81.0)
5,944 (100)
H18
1,392 (22.2)
699 (11.2)
4,170 (66.6)
6,261 (100)
友 田 川
(注)1 県環境政策課調べ、( )内は構成比(%)
2 流域人口は、それぞれの河川水域(環境基準点)に係る平成15,18年度末の住民基本台帳に基づく推定人口である。
3 生活系排水の処理内訳は、上記2のうち下水道水洗化人口、合併処理浄化槽利用人口及び雑排水人口(単独浄化
槽利用人口、し尿処理場利用人口及び自家処理人口を加えたもの)の推計人口である。
エ
講ずる施策及び達成目標
(ア) 達成目標
友田川におけるBODについて、平成22年度までに環境基準の達成を図る。
(イ) 個別施策
A
排水処理施設の整備
本章第1節2(1)-1エ(イ)A
B
参照
工場・事業場対策
本章第1節2(1)-1エ(イ)B
C
参照
指導・普及・啓発
本書第1節2(1)-1エ(イ)C
(2)
参照
河川の水質汚濁対策に係る共通施策
河川の水質汚濁対策は、図2−1−7に示す対策の体系に従い、生活排水対策を中心
とし、これに産業排水対策等を併せて進める。
推進体制の整備等
生活排水対策
発生源対策
下水道の整備
汚泥再生処理センターの整備
浄化槽(合併処理)の普及促進等
河川の水質
啓発・実践活動の促進
汚濁対策
法・条例に基づく排水規制等の徹底
産業排水対策
小規模事業場排水対策
畜産排水対策
環境対策
ごみ処理対策
監視測定体制の整備
図2−1−7
河川の水質汚濁対策の体系
- 35 -
ア
工場・事業場対策
(ア) 法・条例に基づく排水規制等の徹底
水質汚濁防止法、同法第3条第3項に基づく上乗せ条例及び山口県公害防止条例の
規定に基づき、特定事業場に対して排水基準の遵守状況を厳重に監視し、排水規制の
徹底を図る。
また、指定地域内事業場に対しては、総量規制基準の遵守状況を厳重に監視すると
ともに、COD、窒素及びりんの負荷量を低減するため排水処理施設の改善及び適正
な管理等の指導を行う。
(イ) 総量削減計画の推進
第5次総量削減計画及び平成19年度に策定した第6次総量削減計画に基づき、総量
規制基準の遵守の徹底を図り、汚濁負荷量の削減を図るとともに、排水基準等が適用
されない小規模事業場に対しては、国が示した「小規模事業場排水対策推進指導方
針」等に沿って、排出水の実態把握に努めるとともに、汚濁負荷量削減の指導を行う。
(ウ) 小規模事業場排水対策
排水基準等が適用されない小規模事業場に対しては、国が示した「小規模事業場排
水対策推進指導方針」等に沿って、汚濁負荷量削減の指導を行うとともに削減効果の
把握に努める。
イ
生活排水対策
「山口県生活排水浄化対策推進要綱」に基づき、公共下水道、農業集落排水処理施設
等の整備促進を図るとともに、浄化槽(合併処理)の設置とその適正な維持管理を指導す
る。
また、家庭での浄化実践活動、普及啓発の継続的な実施を行う。
(ア) 下水道の整備
当地域の都市内河川における水質保全を図るためには、生活排水等に係る汚濁負荷
量の削減が肝要であるため、これまで実施してきた公共下水道の整備を引き続き推進
する。
当地域における下水道の整備計画は、表2−1−21のとおりである。
表2−1−21
下水道整備計画
区
市
分
下 関 市
公共下水道
宇 部 市
名
年
度
行政人口(千人)
処理人口(千人)
平成16年度
291.5
169.5
平成19年度
285.8
184.7
平成22年度
策定中
策定中
平成16年度
177.4
116.2
平成19年度
174.3
115.1
平成22年度
未推計
119.3
(注)1 行政人口は、平成16,19年度については住民基本台帳人口(平成17,20年3月末現在)である。平成22年度について、
下関市では、現在新たな下水道計画を策定中であり算出しておらず、宇部市では、未推計である。
2 処理人口は、県都市計画課、各市調べ
- 36 -
(イ) 汚泥再生処理センターの整備等
本章第1節2(1)-1エ(イ)A(B)
参照
(ウ) 浄化槽(合併処理)の普及促進等
当地域の各市が策定している「生活排水処理基本計画」等に基づき、地域の実情に
応じ、「浄化槽設置整備事業費補助金要綱」による補助制度等を活用しつつ、表2−
1−22のとおり浄化槽(合併処理)の普及促進を図る。
また、建築基準法、浄化槽法、山口県浄化槽保守点検業者登録条例及び「浄化槽の
設置等に関する指導要綱」に基づき、浄化槽の適正な設置及び維持管理の指導等に努
めるとともに、(社)山口県浄化槽協会と連携し、法定検査の実施率の向上を図る。
表2−1−22
市
名
整備基数
浄化槽(合併処理)整備計画
事業年度;平成17∼22年度
下
関
市
宇
1,822
部
市
1,922
合
計
3,744
(注)各市調べ
(エ) 農業集落排水処理施設の整備
当地域における農業集落排水処理施設の整備計画は、表2−1−23のとおりである。
表2−1−23
農業集落排水処理施設整備計画
事業主体
地 区 名
処理人口(人)
事
業
年
度
下 関 市
角島尾山
710
平成17 ∼ 21年度
下 関 市
吉賀
990
平成16 ∼ 20年度
(注)県農村整備課調べ
ウ
畜産排水対策、農業排水対策
家畜ふん尿に起因する水質汚濁を防止するため、「家畜排せつ物の管理の適正化及び
利用の促進に関する法律」に基づき、「山口県資源循環型畜産確立基本方針」に沿って、
畜産経営体に対し家畜ふん尿を適正に管理するよう関係機関が連携して指導するととも
に、有機資源として土地還元等による有効利用の促進を図る。
また、各種助成、貸付、融資等の施策・制度を活用し、家畜ふん尿の処理・保管施設
の整備を促進するとともに、耕種農家と畜産農家との密接な連携による組織的な処理利
用を図り、環境保全対策を推進する。
エ
調査研究・監視体制整備
これまで実施してきた環境基準等の監視調査を継続して実施するとともに、測定機器
等の整備を行い、監視測定体制の充実を図る。
- 37 -
オ
環境教育・普及啓発
(ア) ごみ対策
河川のごみは、川辺の環境悪化のみならず、海域汚染の原因にもなっている。この
ため、今後とも引き続き関係団体等と連携するとともに、地域住民の意識啓発を行い、
河川環境の保全を図る。
(イ) 啓発・実践活動の促進
水系別生活排水浄化対策協議会を設置している水系については、当該協議会の活動
等による地域住民に対し生活排水対策の普及啓発を行う。
(3) 関連諸計画との関係
当地域を対象とした以下の関連諸計画と整合を図り、各種施策の推進を図っていく。
ア
総量削減計画
水質汚濁防止法(昭和45年法律第1 3 8号)第4条の3の規定により、山口県知事が定め
た計画であり、内閣総理大臣が定めた総量削減基本方針に基づき、山口県の区域におけ
る広域的な閉鎖性水域である瀬戸内海における水質汚濁負荷量の総量を削減する計画と
して定めている。第5次総量削減計画では、従来の化学的酸素要求量(COD)に、窒
素含有量及びりん含有量の削減が計画に盛り込まれた。現行の第6次総量削減計画は、
計画期間を平成17年度から平成21年度までとし、第5次計画の内容を引き続き推進する
こととしている。
イ
瀬戸内海の環境の保全に関する山口県計画
瀬戸内海環境保全特別措置法第4条の規定により、山口県知事が昭和56年度に定めた
計画であり、政府が策定した「瀬戸内海の環境の保全に関する基本となるべき計画」に基
づき、山口県の区域における瀬戸内海の環境の保全に関し実施すべき施策として定めて
おり、平成20年5月に変更を行っている。
ウ
生活排水対策推進計画
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第6条第1項の規定に基づ
き各市が策定した計画であり、浄化槽(合併処理)整備、農業集落排水処理施設整備等に
係る生活排水の適切な処理を図っている。
エ
流域別下水道整備総合計画
流域別下水道整備総合計画(以下「流総計画」という。)の策定は、昭和45年12月の
下水道法の一部改正により法制化され、水質環境基準が定められた河川、その他の公共
水域又は海域の水質汚濁が2以上の市町村の区域における汚水によるものである場合、
水質環境基準を達成するためにそれぞれの公共用水域の下水道整備に関する総合的な基
本計画(流総計画)を定めなければならないとされており、当地域においては、現在、
周防灘流総計画を策定中である。
- 38 -
3
常盤湖等の水質汚濁対策
(1)-1
ア
常盤湖のCODに係る水質汚濁対策
当該課題に係る状況
常盤湖はB類型に類型指定され、環境基準点が湖内3地点に設定されている。
常盤湖の湖沼のCOD濃度(75%値)の推移は、図2−1−8のとおりであり、常盤
湖では、濃度は平成11年度をピークとして低下傾向にあったが、近年はやや横ばい傾向
にあり、B類型の環境基準を達成していない。
なお、平成19年度におけるCOD濃度(75%値)は、やや上昇傾向にあり、B類型の
環境基準を達成していない。
(mg/L)
10
9
8
︵
C 7
O
D 6
濃
度 5
環境基準B
︶
7
5 4
%
値 3
2
1
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
常盤湖:RC-1(B類型)
図2−1−8
イ
常盤湖:RC-2(B類型)
常盤湖:RC-3(B類型)
COD濃度の推移(常盤湖)
当該課題に係る要因分析
常盤湖のCOD濃度(75%値)の推移は、図2−1−8のとおりであり、主な汚濁要因
はCOD汚濁負荷量の割合の高い生活系と考えられるため、下水道の整備促進、生活排
水浄化対策の普及啓発、実践活動の推進等の対策を行ってきた。
その結果、常盤湖流域に係る下水道普及率は平成15年度末で97%まで上昇したものの、
水質は平成14年度以降、横ばい傾向にある。
この要因として常盤湖の流域の市街地化が進み、流域面積も小さいことから、夏場を
中心に富栄養化に伴う内部生産の影響による汚濁負荷量の増加等によるものと考えられ
る。
- 39 -
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
(ア) 過去の施策の実施状況
当地域の湖沼の水質は、平成19年度において常盤湖についてはCODに係るB類型の
環境基準を達成していない状況にある。
常盤湖の水質汚濁対策として、これまでに実施してきた対策は、次のとおりである。
A 生活排水対策
(A) 下水道の整備
常盤湖のある宇部市においては、表2−1−24のとおり公共下水道の整備を実施
してきており、平成16年度末における普及率は65.5%であり、平成19年度末現在にお
いては66.0%となっている。
表2−1−24
下水道整備状況
行 政 区 域
区
処 理 区 域
終 末 処 理 場
分
面 積
(ha)
人 口
(千人)
面 積
(ha)
人 口
(千人)
施設数
処理能力
(千m 3 /日)
H16
28,767
177.4
2,549
116.2(65.5)
3
100.3
H19
28,769
174.3
2,817
115.1(66.0)
3
101.2
宇 部 市
(注)1 行政区域は、面積については「全国都道府県市区町村別面積調」(平成15,18年10月1 日現在)、人口については
住民基本台帳人口による。
2 処理区域は、面積及び人口ともに県都市計画課調べ
3 処理区域の人口欄の( )内は、処理人口普及率[処理区域人口/行政人口×100 (%)]を示す。
(B) 農業集落排水処理施設の整備
常盤湖がある宇部市における農業集落排水処理施設の整備状況は、表2−1−25
のとおりであり、宇部市の4地区において、4施設を整備し供用開始している。
表2−1−25
市
名
宇 部 市
農業集落排水処理施設整備状況
地区名
関係集落数
処理人口(人)
(平成16年度末現在)
供用開始
下小野
6
1,100
平成8年度
〃
花香
9
1,540
平 成 12年 度
〃
岩川
3
170
平 成 14年 度
〃
吉部
10
1,200
平 成 16年 度
(注)県農村整備課調べ
(C) 浄化槽対策等
浄化槽については、国又は県の補助制度を活用しながら、宇部市では平成16年度末
- 40 -
までに3,072基の浄化槽(合併処理)を設置し、平成19年度までの3年間で699基の設置
を行い浄化槽の設置基数を3 , 7 7 1基とした。また、建築基準法、浄化槽法、山口県浄
化槽保守点検業者登録条例及び浄化槽の設置等に関する指導要綱に基づき、適正な設
置及び維持管理の指導を行った。
(D) 広報、啓発、実践活動の促進
「山口県生活排水浄化対策推進要綱」に基づき、洗剤使用の適正化や台所排水対策
等について広報、啓発を行うとともに、家庭での実践活動等を推進した。
B 工場・事業場排水対策
(A) 排水規制
工場・事業場から排出される排出水については、水質汚濁防止法等の法令に基づく
排水基準及び総量規制基準(COD、全窒素、全りん)の遵守状況を厳重に監視する
とともに、適正な指導を行ってきた。
(B) 小規模事業場排水対策
排水基準等の適用されない小規模事業場に対しては、排出水等の実態把握に努める
とともに、汚濁負荷量の削減を指導してきた。
(イ) 過去の施策の評価分析
常盤湖については平成16年度においてCODに係るB類型の環境基準を達成していな
い状況にあり、常盤湖の流域が市街地内にあることから、過去にCOD汚濁負荷の主な
汚濁要因となっていた生活系の負荷量を削減するため、下水道の整備促進、生活排水浄
化対策の啓発・実践活動の推進等の対策を行ってきた。その結果、発生源別COD汚濁
負荷量は表2−1−26、生活排水の処理内訳は表2−1−27に示すとおり、下水道
普及率は平成15年度末で97%まで上昇したものの、水質は平成14年度以降、横ばい傾向
にある。
この要因として、常盤湖の流域の市街地化が進み、流域面積も小さく、流入水量が少
ないことから、夏場を中心に富栄養化に伴う内部生産の影響による汚濁負荷量の増加等
によるものと考えられる。
表2−1−26
発生源別COD汚濁負荷量
発生源別BOD汚濁負荷量(kg/日)
湖 沼 名
生 活 系
産 業 系
畜 産 系
そ の 他
計
H15
0.1(22.7)
0.14(31.8)
0.0(0.0)
0.2(45.5)
0.44(100)
H18
0.3(42.8)
0.1(14.4)
0.0(0.0)
0.3(42.8)
0.7(100)
常 盤 湖
(注)県環境政策課調べ、(
)内は構成比(%)
- 41 -
表2−1−27
生活系排水の処理内訳
生活系排水の処理内訳(人)
流 域 人 口
湖 沼 名
下 水 道
合併処理浄化槽
未 処 理
(人)
H15
4,263 (97.1)
51 (1.2)
75 (1.7)
4,389 (100)
H18
4,163 (96.8)
22 ( 0.5)
115 ( 2.7)
4,300 (100)
常 盤 湖
(注)1 県環境政策課調べ、( )内は構成比(%)
2 流域人口は、それぞれの河川水域(環境基準点)に係る平成15,18年度末の住民基本台帳に基づく推定人口である。
3 生活系排水の処理内訳は、上記2のうち下水道水洗化人口、合併処理浄化槽利用人口及び雑排水人口(単独浄化
槽利用人口、し尿処理場利用人口及び自家処理人口を加えたもの)の推計人口である。
エ
講ずる施策及び達成目標
(ア) 達成目標
常盤湖について 、 平成22年度に環境基準の達成を図る。
このため、水質汚濁要因となっている内部生産による影響を低減させることを主体と
して、次の対策を推進し負荷の抑制を図ることとする。
(イ) 個別施策
A 生活排水対策
(A) 下水道の整備
常盤湖の水質保全を図るためには、生活排水等に係る汚濁負荷量の削減が引き続き
肝要であるため、これまで実施してきた公共下水道の整備を引き続き推進する。
なお、常盤湖のある宇部市における下水道の整備計画は、表2−1−28のとおり
である。
表2−1−28
区
分
公共下水道
下水道整備計画
市
宇
名
部
市
年
度
行政人口(千人)
処理人口(千人)
平成16年度
177.4
116.2
平成19年度
174.3
115.1
平成22年度
未推計
119.3
(注)1 行政人口は、平成16,19年度については住民基本台帳人口(平成17,20年3月末現在)であり、平成22年度については
各市総合計画等に基づく推計人口である。
2 各市調べ
(B) 浄化槽の普及促進等
宇部市が策定している「生活排水処理基本計画」等に基づき、地域の実情に応じ、
「浄化槽設置整備事業費補助金要綱」による補助制度等を活用しつつ、平成17年度か
ら平成22年度の6年間で1,922基の浄化槽(合併処理)の普及促進を図る。
また、建築基準法、浄化槽法、山口県浄化槽保守点検業者登録条例及び「浄化槽の
設置等に関する指導要綱」に基づき、浄化槽の適正な設置及び維持管理の指導等に努
- 42 -
めるとともに、(社)山口県浄化槽協会と連携し、法定検査の実施率の向上を図る。
B
工場・事業場対策
(A) 法・条例に基づく排水規制等の徹底
水質汚濁防止法等の法令に基づく排水基準及び総量規制基準(COD、全窒素、全
りん)の遵守状況を厳重に監視するとともに排水処理施設の改善及び適正な管理等の
指導を引き続き実施する。
(B) 小規模事業場排水対策
排水基準等の適用されない小規模事業場に対しては、排出水等の実態把握に努める
とともに、汚濁負荷量の削減を指導する。
(1)-2
ア
小野湖のCOD、全窒素及び全りんに係る水質汚濁対策
当該課題に係る状況
小野湖(厚東川ダム貯水池)は、CODについてはA類型に類型指定され、全窒素及
び全りんについてⅡ類型に類型指定されている。
小野湖のCOD濃度(75%値)の推移は、図2−1−9のとおりであり、水質は平成
11年度において、測定開始以来初めてA類型の環境基準を達成したが、その後は再び上
昇した。平成15年度には少し低下したが、平成16年度においてもA類型の環境基準を達
成 し て い な い 。 な お 、 平 成 19年 度 に お け る C O D 濃 度 ( 75% 値 ) は 、 平 成 17,18年 度 に
環境基準を達成したものの再び上昇し環境基準を超過した。
小野湖の全窒素及び全りん濃度の推移は、図2−1−10及び図2−1−11のとお
りであり、全窒素濃度については、ほぼ横ばいで推移しているものの、Ⅱ類型の環境基
準を継続して達成しておらず、平成10年度には暫定目標の0.54mg/çを下回ったものの、
平成11年度以降は暫定目標値を上回っており、平成16年度は全窒素濃度の上昇が認めら
れる。なお、平成19年度における全窒素濃度については、ほぼ横ばいで推移しており環
境基準及び暫定目標を継続して達成していない。
また、全りん濃度については、Ⅱ類型の環境基準を継続して達成しておらず、暫定目
標の0.022mg/çも継続して上回っており、平成16年度は窒素と同様に上昇が認められる。
なお、平成19年度における全窒素濃度については、ほぼ横ばいで推移しており環境基
準及び暫定目標を継続して達成していない。
- 43 -
(mg/L)
8
7
6
︵
C
O
D
濃
度
4
環境基準A
3
︶
7
5
%
値
5
2
1
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
小野湖(A類型)
図2−1−9
COD濃度の推移(小野湖)
(mg/L)
1.2
1
0.8
全
窒
0.6
素
濃
0.4
度
暫定目標
0.2
環境基準Ⅱ
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
(年度)
小野湖(Ⅱ類型)
図2−1−10
暫定目標 0.54mg/l
全窒素濃度の推移(小野湖)
- 44 -
H16
H18
(mg/L)
0.06
0.05
全
り
ん
濃
度
0.04
0.03
暫定目標値
0.02
0.01
環境基準Ⅱ
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
小野湖(Ⅱ類型)
図2−1−11
イ
暫定目標 0.022mg/l
全りん濃度の推移(小野湖)
当該課題に係る要因分析
主な汚濁要因は、生活系と考えられるため、「山口県生活排水浄化対策推進要綱」に
基づき、下水道の整備や合併浄化槽の設置の普及促進など生活排水対策を促進している。
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
(ア) 過去の施策の実施状況
小野湖の水質は、CODについてはA類型の環境基準を達成しておらず、全窒素及び
全りんについても、Ⅱ類型の環境基準を達成していない状況にある。
小野湖の水質汚濁対策として、これまでに実施してきた対策は、次のとおりである。
A
生活排水対策
(A) 下水道の整備
小野湖流域については、下水道整備区域外となっている。
(B) 農業集落排水処理施設の整備
本章第1節3(1)-1ウ(ア)A(B)
参照
なお、表2−1−25のうち、宇部市下小野地区(1,100人)、花香地区(1,540人)、
岩川地区(170人)、吉部地区(1,200人)が小野湖に係る施設である。
(C) 浄化槽の整備等
本章第1節3(1)-1ウ(ア)A(C)
参照
(D) 広報、啓発、実践活動の促進
- 45 -
平成11年度に設置した厚東川水系森・川・海水環境ネットワーク協議会と連携して、
親と子の水辺の教室の開催、家庭でできる台所排水対策等について広報、啓発を行う
とともに、実践活動地区を設けるなど、生活排水浄化対策の促進を図ってきた。
B
工場・事業場排水対策
(A) 排水規制
工場・事業場から排出される排出水については、水質汚濁防止法等の法令に基づく
排水基準及び総量規制基準(COD、全窒素、全りん)の遵守状況を厳重に監視する
とともに、適正な指導を行ってきた。
(B) 小規模事業場排水対策
排水基準等の適用されない小規模事業場に対しては、排出水等の実態把握に努める
とともに、汚濁負荷量の削減を指導してきた。
また、宇部市では小野湖上流のゴルフ場と環境保全協定を締結し、CODや農薬の
排水基準の遵守状況を監視するとともに、減農薬、減肥料によるゴルフ場管理を推進
してきた。
(C) 畜産排水対策
家畜ふん尿による水質汚濁を防止するため、「山口県及び各地域資源循環型畜産推
進指導協議会」の組織的な活動を通じ、畜産経営体に対する実態調査、巡回指導等を
行い、「山口県資源循環型畜産確立基本方針」に基づき、家畜ふん尿を有効な有機資源
として捉え、耕種農家と畜産農家の密接な連携等による適正な処理により、土地還元
を積極的に推進し、汚水の排出の抑制を図ってきた。
C
その他の対策
(A) 湖沼水質保全施設の整備
小野湖において、ダム貯水池の水質汚濁を防止し、ダム環境の改善と河川の適正な
利用を図るため、表2−1−29のとおり水質保全施設を整備した。
表2−1−29
小野湖(厚東川ダム貯水池)水質保全施設の整備
事業主体
水 質 保 全 事 業
事 業 年 度
山 口 県
曝気装置設置(3基)
平成11 ∼ 14年度
(注)県河川開発課調べ
(イ) 過去の施策の評価分析
小野湖については、山間部にあるダム貯水池であり、農業集落排水施設及び浄化槽の
整備による生活排水対策を中心とした水質汚濁対策を行ってきており、発生源別COD
汚濁負荷量は表2−1−30、生活排水処理形態別人口の内訳は表2−1−31のとお
りである。
小野湖における平成16年度の水質は、図2−1−9及び図2−1−10、11のとお
りであり、当湖沼へ流入する生活系のCOD汚濁負荷量の割合は19.4%であるが、その
- 46 -
他山林等の土地の面的負荷が69.7%を占めており、小野湖への汚濁物質の流入負荷を軽
減するため、農業集落排水処理施設の整備促進、浄化槽(合併処理)の普及促進、生活排
水浄化対策の普及啓発、実践活動の推進等の対策を行ってきた。
その結果、農業集落排水処理率及び浄化槽(合併処理)普及率は、平成15年度末現在で
合わせて69.4%と平成10年度末に比較して5.9%の増である。
小野湖の水質汚濁機構については、上流域の他町における生活排水処理対策が遅れて
いること、また、生活排水等の流入負荷のみでなく、富栄養化に伴う内部生産の影響に
よる汚濁負荷量の増加等、湖沼特有の複合的な原因が考えられる。
表2−1−30
小野湖の発生源別COD汚濁負荷量
発生源別BOD汚濁負荷量(kg/日)
湖 沼 名
生 活 系
産 業 系
畜 産 系
そ の 他
計
H15
1.1(19.4)
0.4(7.0)
0.2(3.9)
3.8(69.7)
5.5(100)
H18
0.9(23.7)
0.4(10.5)
0.1( 2.6)
2.4(63.2)
3.8(100)
小 野 湖
(注) 県環境政策課調べ、下段( )内は構成比(%)
表2−1−31
小野湖流域の生活排水処理形態別人口の内訳
生活系排水の処理内訳(人)
流 域 人 口
湖 沼 名
下 水 道
合併処理浄化槽
未 処 理
(人)
( 農業集落排水を含む)
H15
0 ( 0)
1,943 (69.4)
856 (30.6)
2,799 (100)
H18
0 ( 0)
1,334 (83.1)
272 (16.9)
1,606 (100)
小 野 湖
(注)1 県環境政策課調べ、( )内は構成比(%)
2 流域人口は、それぞれの河川水域(環境基準点)に係る平成15,18年度末の住民基本台帳に基づく推定人口である。
3 生活系排水の処理内訳は、上記2のうち下水道水洗化人口、合併処理浄化槽利用人口及び雑排水人口(単独浄化
槽利用人口、し尿処理場利用人口及び自家処理人口を加えたもの)の推計人口である。
エ
講ずる施策及び達成目標
(ア) 達成目標
小野湖のCOD、全窒素及び全りんについて環境基準の達成を図る。
(イ) 個別施策
A
生活排水対策
(A) 下水道の整備
小野湖流域については、下水道整備区域外となっている。
(B) 浄化槽の普及促進等
本章第1節3(1)-1エ(イ)A(B)
参照
- 47 -
B
工場・事業場対策
(A) 法・条例に基づく排水規制等の徹底
本章第1節3(1)-1エ(イ)B(A)
参照
(B) 小規模事業場排水対策
本章第1節3(1)-1エ(イ)B(B)
参照
また、宇部市では小野湖上流のゴルフ場と締結した環境保全協定により、CODや
農薬の排水基準の遵守状況を監視するとともに、減農薬、減肥料によるゴルフ場管理
を推進する。
C
浄化対策
小野湖(厚東川ダム貯水池)において、平成11∼14年度で設置した曝気装置(3基)
の適切な稼働により、ダム貯水池の水質汚濁を防止し、ダム環境の改善と河川の適正な
利用を図る。
D
畜産排水、農業排水対策
本章第1節2(2)ウ
E
参照
環境教育・普及啓発
宇部市では、平成20年4月に小野湖畔に環境教育と市民交流の拠点施設として整備を
進めてきた「アクトビレッジおの」(※)をオープンし、環境教育、スポーツ、レクリエ
ーションをコンセプトとして、小野湖やその周囲の森林等の自然を活用した、自然体験
型の環境学習を行うことにより、小野湖の自然や水の大切さを認識してもらうとともに、
環境保全に対する意識の向上を図る。
※「アク トビ レッジお の」 は小野湖 やその周辺の自然を活用した様々な体験学習をしたり、
カヌーやボ ートに 乗っ たり、キ ャンプや合宿など、いろいろな体験や活動ができる施設
である。
(1)-3
ア
豊田湖のCOD、全窒素及び全りんに係る水質汚濁対策
当該課題に係る状況
豊田湖は、A類型に類型指定されており、全窒素及び全りんに係る環境基準のⅡ類型
に指定されている。
COD濃度(75%値)の推移は、図2−1−12のとおりであり、濃度は平成10年度
以降は横ばいの傾向にあり、A類型の環境基準を達成していない。なお、平成19年度に
おけるCOD濃度(75%値)については、横ばいの傾向が継続しており環境基準を達成
していない。
全窒素及び全りん濃度の推移は、図2−1−13及び図2−1−14のとおりであり、
豊田湖の全窒素濃度については、ほぼ横ばいで推移していたが、平成16年度には急上昇
した。Ⅱ類型の環境基準を継続して達成しておらず、暫定目標の0 . 4 4mg/çを上回って
いる。なお、平成19年度における全窒素濃度については、暫定目標値付近をほぼ横ばい
- 48 -
で推移しており環境基準及び暫定目標を継続して達成していない。
また、全りん濃度については、Ⅱ類型の環境基準を継続して達成しておらず、暫定目
標の0.017mg/çも継続して上回っている。なお、平成19年度における全りん濃度につい
ては、暫定目標値付近をほぼ横ばいで推移しており環境基準及び暫定目標を継続して達
成していない。
(mg/L)
8
7
6
C
O
D
濃
度
5
︵
4
環境基準A
3
︶
7
5
%
値
2
1
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
豊田湖(A類型)
図2−1−12
COD濃度の推移(豊田湖)
(mg/L)
1
0.8
全
0.6
窒
素
0.4
濃
度
暫定目標値
0.2
環境基準Ⅱ
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
(年度)
豊田湖(Ⅱ類型)
図2−1−13
暫定目標 0.44mg/l
全窒素濃度の推移(豊田湖)
- 49 -
H16
H18
(mg/L)
0.05
0.04
全
り
0.03
ん
濃
0.02
度
暫定目標値
環境基準Ⅱ
0.01
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
豊田湖(Ⅱ類型)
図2−1−14
イ
暫定目標 0.017mg/l
全りん濃度の推移(豊田湖)
当該課題に係る要因分析
生活系の汚濁負荷量が11.9%であり、上流は主に山林、農用地が占め、夏季における
内部生産の影響による汚濁負荷量の増加等によるものと考えられる。
ウ
過去の施策の実施状況及び評価
(ア) 過去の施策の実施状況
豊田湖の水質汚濁対策として、これまでに水質の現状把握と汚濁機構解明のため、平
成4年度に実施した水質調査等の結果を基に、県関係部局で構成する湖沼水質保全対策
連絡会議において具体的な対策の検討を加えて、平成8年2月に「豊田湖湖沼水質保全
対策推進計画」を策定し、総合的な水質保全対策を推進した。この他実施してきた対策
は、次のとおりである。
A 生活排水対策
(A) 下水道の整備
豊田湖流域については、下水道整備区域外となっている。
(B) 農業集落排水処理施設の整備
豊田湖がある下関市における農業集落排水処理施設の整備状況は、表2−1−32
のとおりである。
- 50 -
表2−1−32
市
名
農業集落排水処理施設整備状況
関係集落数
処理人口(人)
供用開始
大野
2
1,390
平成6年度
〃
菊川中央
9
5,500
平成7年度
〃
大河内
1
350
平成9年度
〃
上田部
1
1,030
平 成 11年 度
〃
白滝
1
230
平 成 11年 度
〃
楢崎
6
1,320
平 成 16年 度
下 関 市
地区名
(平成19年度末現在)
(注)県農村整備課調べ
(C) 浄化槽の整備等
本章第1節2(1)-1ウ(ア)A(C)
参照
(D) 広報、啓発、実践活動の促進
「木屋川水系生活排水浄化対策協議会」を平成15年度に改組した「木屋川水系森・
川・海水環境ネットワーク協議会」と連携し、浄化槽(合併処理)の設置促進、生活排
水の浄化対策の実践、水生生物の調査など普及啓発を行った。
B 工場・事業場排水対策
(A) 排水規制
工場・事業場から排出される排出水については、水質汚濁防止法等の法令に基づく
排水基準及び総量規制基準(COD、全窒素、全りん)の遵守状況を厳重に監視する
とともに、適正な指導を行ってきた。
(B) 小規模事業場排水対策
排水基準等の適用されない小規模事業場に対しては、排出水等の実態把握に努める
とともに、汚濁負荷量の削減を指導してきた。
(C) 畜産排水対策
本章第1節3(1)-2ウ(ア)B(C)
参照
(イ) 過去の施策の評価分析
豊田湖については平成16年度においてCODに係るB類型の環境基準及び湖沼の全窒
素及び全りんに係るⅡ類型の環境基準を達成していない状況にある。豊田湖は、山間部
にあるダム貯水池であり、農業集落排水施設及び浄化槽(合併処理)の整備による生活排
水対策を中心とした水質汚濁対策を行ってきた。これらの湖沼の水質汚濁要因等の評価
分析は次のとおりで、湖沼の発生源別COD汚濁負荷量は表2−1−33、生活排水処
理形態別人口の内訳は表2−1−34のとおりである。
- 51 -
表2−1−33
豊田湖の発生源別COD汚濁負荷量
発生源別BOD汚濁負荷量(kg/日)
湖 沼 名
生 活 系
産 業 系
畜 産 系
そ の 他
計
H15
0.2(11.9)
0.0(1.3)
0.0(2.0)
1.3(84.4)
1.5(100)
H18
0.4(23.5)
0.1( 5.9)
0.1( 5.9)
1.1(64.7)
1.7(100)
豊 田 湖
(注) 県環境政策課調べ、下段( )内は構成比(%)
表2−1−34
豊田湖流域の生活排水処理形態別人口の内訳
生活系排水の処理内訳(人)
流 域 人 口
湖 沼 名
下 水 道
合併処理浄化槽
未 処 理
(人)
H15
0 ( 0)
44 (16.5)
223 (83.5)
267 (100)
H18
0 ( 0)
47 (20.7)
180 (79.3)
227 (100)
豊 田 湖
(注)1 県環境政策課調べ、( )内は構成比(%)
2 流域人口は、それぞれの河川水域(環境基準点)に係る平成18年度末の住民基本台帳に基づく推定人口である。
3 生活系排水の処理内訳は、上記2のうち下水道水洗化人口、合併処理浄化槽利用人口及び雑排水人口(単独浄化
槽利用人口、し尿処理場利用人口及び自家処理人口を加えたもの)の推計人口である。
エ
講ずる施策及び達成目標
(ア) 達成目標
豊田湖のCOD、全窒素及び全りんについて環境基準の達成を図る。
(イ) 個別施策
A
生活排水対策
(A) 下水道の整備
豊田湖流域については、下水道整備区域外となっている。
(B) 農業集落排水処理施設の整備
豊田湖流域については、農業集落排水処理施設の計画はないが、下関市における農
業集落排水処理施設の整備計画等は、表2−1−35のとおりである。
表2−1−35
農業集落排水処理施設整備計画
事業主体
地 区 名
処理人口(人)
下 関 市
角島尾山
710
平成17 ∼ 21年度
下 関 市
吉賀
990
平成16 ∼ 20年度
下 関 市
菊川
(大野、菊川中央、上田部)
7,920
平成20 ∼ 22年度
(注)県農村整備課調べ
(C) 浄化槽の普及促進等
本章第1節2(1)-1エ(イ)A(C)
参照
- 52 -
事
業
年
度
備
考
機能強化
B
工場・事業場対策
本章第1節3(1)-1エ(イ)B
C
参照
畜産排水、農業排水対策
本章第1節2(2)ウ
参照
(2) 湖沼の水質汚染対策に係る共通施策
常盤湖、小野湖及び豊田湖の水質汚濁防止対策として、図2−1−15に示す対策の
体系に従い、常盤湖については下水道の整備促進、小野湖については浄化槽(合併処理)
の整備促進等の生活排水対策を中心として、産業排水対策及び湖沼水質保全施設による
浄化等を併せ、環境保全上の健全な水循環の視点に立った諸対策を総合的に推進する。
また、豊田湖については浄化槽(合併処理)の整備促進等の生活排水対策を中心とした施
策を推進する。
なお、小野湖の水質保全対策については、当地域外の上流地域からの流入負荷が大き
く寄与してしており、平成9年5月に県及び流域関係市町で策定した「湖沼水質保全対
策推進計画」に基づき、流域の関係市町が連携して一体となった水質保全対策を推進す
ることとする。
発生源対策
湖沼の水
質汚濁対
策
湖沼
水質
保全
対策
推進
計画
生活排水対策
産業排水対策
その他の排水対策
湖沼水質保全施設の整備
環境対策
監視測定体制の整備
図2−1−15
ア
イ
ウ
参照
生活排水対策
本章第1節2(2)イ
参照
畜産排水対策、農業排水対策
本章第1節2(2)ウ
環境監視の継続
水質汚濁機構の解明
常盤湖等の水質汚濁対策の体系
工場・事業場対策
本章第1節2(2)ア
下水道の整備
農業集落排水処理施設の整備
浄化槽(合併処理)の普及促進等
啓発・実践活動の促進
法・条例に基づく排水規制等の徹底
小規模事業場排水対策
畜産排水対策
参照
- 53 -
エ
調査研究・監視体制整備
本章第1節2(2)エ
オ
参照
環境教育・普及啓発
本章第1節2(2)オ
参照
(3) 関連諸計画との関係
本章第1節2(3)
参照
- 54 -
第2節
1
大気汚染対策
大気汚染の概況
(1) 測定局数
大気汚染常時監視測定網の整備状況は表2−2−1のとおりで、一般環境大気測定局
が11局である。
表2−2−1
大気汚染常時監視測定網整備状況
地
設
用
図
測
二
途
置
所 在 市 名
上
主
の
体
番
測
定
局
名
窒素酸
化 物
酸
地
化
硫
域
号
(平成16年度末現在)
一
酸
一
酸
化
窒
素
二
酸
化
窒
素
黄
化
炭
定
浮
遊
粒
子
状
物
質
素
光
化
学
オ
キ
シ
ダ
ン
ト
項
炭
水
化
素
メ
非
メ
タ
ン
タ
ン
○
目
気
象
日
射
量
テ
レ
メ
|
タ
装
置
風
風
温
湿
向
速
度
度
○
○
○
○
○
①
小月局
住
○
②
長府局
住
○
○
○
○
○
○
○
○
③
彦島局
住
○
○
○
○
○
○
○
○
○
④
山の田局
住
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
⑤
中央局
住
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
⑥
長府東局
商
○
○
○
○
○
⑦
勝山局
住
○
○
○
○
○
⑧
宇部岬小学校
商
○
○
○
○
○
○
○
⑨
宇部市役所
商
○
○
○
○
○
⑩
原小学校
住
○
○
○
○
⑪
厚南市民センター
住
○
○
○
○
下
関
下 関 市
○
○
市
山
口
○
○
○
○
○
○
○
○
○
宇 部 市
県
○
○
○
○
○
(注)測定局は全て一般環境大気測定局である。県環境政策課調べ
(2) 設置状況
一般環境大気測定局の位置は図2−2−1
のとおりである。
(3) 大気汚染の状況等
二酸化硫黄については、11測定局中、長期的評価では全局において環境基準を達成し
ている。
二酸化窒素については、環境基準との対応状況をみると、7測定局中1局が0.04ppmか
ら0.06ppmまでのゾーン内、他の6局が0.04ppm未満となっている。
一酸化炭素については、2測定局中、全局において環境基準を達成している。
浮遊粒子状物質については、11測定局中、長期的評価では全局において環境基準を達
成しているが、短期的評価では3局において環境基準を達成していない。
光化学オキシダントについては、6測定局全局において環境基準を達成していない。
ベンゼンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
トリクロロエチレンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成して
- 55 -
いる。
テトラクロロエチレンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成し
ている。
ジクロロメタンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
ダイオキシン類については、3測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
なお、平成19年度における評価結果は、二酸化硫黄については、11測定局中、長期的
評価では全局において環境基準を達成している。
二酸化窒素については、環境基準との対応状況をみると、7測定局全局が0.04ppm未満
であり環境基準を達成している。
一酸化炭素については、2測定局中、全局において環境基準を達成している。
浮遊粒子状物質については、11測定局中、長期的評価において1局が環境基準を達成
しているが、他の10測定局は黄砂の影響により1日平均値が環境基準を超える日が2日
連続したため環境基準を達成していない。
光化学オキシダントについては、6測定局全局において環境基準を達成していない。
ベンゼンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
トリクロロエチレンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成して
いる。
テトラクロロエチレンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成し
ている。
ジクロロメタンについては、2測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
ダイオキシン類については、3測定地点中、全地点において環境基準を達成している。
- 56 -
図2−2−1
大気汚染測定局位置図
- 57 -
2
光化学オキシダント対策
(1) 光化学オキシダントに係る大気汚染の状況
ア
光化学オキシダント
光化学オキシダントの測定は、平成16年度末現在、一般環境大気測定局の6局で行っ
ている。
当地域における光化学オキシダントは、平成16年度は6測定局すべてにおいて環境基
準を達成していない。
昼間の1時間値が0 . 0 6ppmを超えた日数の推移は図2−2−2(1)の、昼間の1時
間値が0 . 1 2ppmを超えた日数の推移は図2−2−2(2)のとおりであり、各年度によ
りバラツキがある。
また、当該地域では、測定開始以降、昭和52年度には下関市B地域(※)で、平成10
年度には宇部市で注意報を各々1回発令した。
なお、平成19年度における当地域の状況は、6測定局すべてにおいて環境基準を達成
しておらず、昼間の1時間値が0 . 0 6ppmを超えた日数も宇部市において増加する傾向が
ある。また、注意報については、平成19年度に宇部市において2回発令した。
※下関市における光化学オキシダント警報等の発令区域
下関市A地域
平成17年2月12日における下関市の区域のうち、彦島地区及び東大和町、大和町の地域
下関市B地域
平成17年2月12日における下関市の区域のうち、旧市域、川中地区、勝山地区及び安岡
地区の地域
下関市C地域
平成17年2月12日における下関市の区域のうち、長府地区、王司地区、清末地区、小月
地区及び王喜地区の区域
(日 )
150
昼
間
の
一
時
間
値
が 100
0
.
0
6
p
p
m 50
を
超
え
た
日
数
(
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
長府局
彦島局
山の田局
中央局
宇部市役所
厚南市民センター
図2−2−2(1)光化学オキシダントの昼間の1時間値が0.06ppmを超えた日数の推移
- 58 -
(日 )
10
昼
間
の
一
時
間
値
が
0
.
1
2
p
p
m
を
超
え
た
日
数
(
5
0
S49
S51
S53
S55
S57
S59
S61
S63
H2
H4
H6
H8
H10
H12
H14
H16
H18
(年度)
長府局
彦島局
山の田局
中央局
宇部市役所
厚南市民センター
図2−2−2(2)光化学オキシダントの昼間の1時間値が0.12ppmを超えた日数の推移
イ
窒素酸化物
二酸化窒素の測定については、平成16年度現在一般環境大気測定局の7局で行ってい
る。平成16年度では、1局が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内、他の6局が0.04ppm未
満となっている。二酸化窒素濃度の推移はほぼ横ばい傾向にある。
平成19年度においては、7測定局全局が0.04ppm未満となっておりほぼ横ばいで推移し
ている。
ウ
非メタン炭化水素及び全炭化水素について
非メタン炭化水素の測定については、平成16年度末現在一般環境大気測定局の5局で
行っている。午前6時から9時までの3時間平均値の年平均値の推移はほぼ横ばい傾向
にあるが、午前6時から9時までの3時間平均値の最高値は、全測定局で、中央公害対
策審議会答申で示された大気中炭化水素濃度の指針の上限値0.31ppmCを大幅に超えてい
る。
なお、平成19年度においては、平成16年度と同様に午前6時から9時までの3時間平
均値の年平均値の推移はほぼ横ばい傾向にある。
全炭化水素については、平成16年度末現在一般環境大気測定局の5局で行っている。
全炭化水素の午前6時から9時までの3時間平均値の年平均値は昭和55年度以降ほぼ
横ばいである。
なお、平成19年度においては、平成16年度と同様に午前6時から9時までの3時間平
均値の年平均値の推移はほぼ横ばい傾向にある。
3
3
※ ppmC:大気中の炭化水素類を表す単位で、1ppmCとは、空気1m 中にメタンに換算された物質が1cm 含
まれる場合をいう。
- 59 -
(2) 当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
光化学汚染は、環境大気中の窒素酸化物と炭化水素類の混合系が太陽光の照射を受け、
オゾンを主体とする光化学オキシダント等の2次汚染物質が生成されていることによっ
て生ずるものとされ、その反応プロセスは極めて複雑であり、発生機構がいまだ解明さ
れていない点もある。
そのため、当面の措置としてこれらの原因物質と考えられる窒素酸化物及び炭化水素
類について、固定発生源や移動発生源に対する窒素酸化物及び炭化水素類について総合
的な対策を進めてきた。
(3) 講ずる施策及び達成目標
引き続きこれらの原因物質と考えられる窒素酸化物及び炭化水素類について、図2−
2−3及び図2−2−4に示す対策の体系に従い、総合的な対策を推進することにより、
環境基準達成に向けて努力していく。
ア
発生源対策
(ア) 窒素酸化物の排出量の抑制
A
既存固定発生源対策
大気汚染防止法及び山口県公害防止条例に基づく排出規制の遵守を徹底するため、硫
黄酸化物の総量規制基準が適用される工場・事業場(表2−2−2)に対しては2年に
1回以上立入検査等を実施するとともに、他の工場・事業場を含め必要に応じて良質燃
料の使用や燃焼方法の改善、排煙脱硝装置の設置を指導するなど、排出量の低減を図る。
表2−2−2
(
大気汚染防止法及び山口県公害防止条例に基づく
硫黄酸化物総量規制対象工場・事業場数
(平成17年3月末現在)
大気汚染防止法
山口県公害防止条例
下関市
−
11(10)
宇部市
31(16)
−
)内は、 平成19年 度におけ る対象工場・事業場数
さらに、廃棄物処理施設を整備し、各種廃棄物のリサイクル化の推進により焼却物の
減量化を図り、窒素酸化物発生の低減を図る。
B
新規固定発生源対策
大規模工場の新増設に際しては、計画時における事前指導の実施等により、使用原燃
料、防止施設に関する適切な指導を行う。
C
移動発生源対策
自動車排出ガス対策については、国が実施する排出規制に加えて、道路網の整備、信
号機の高度化、交通管制システムの整備及び必要な交通規制の実施等により、交通流の
円滑化を推進する。
- 60 -
更に、整備不良車両の指導取締り等の自動車排出ガス対策も実施するともに、低公害
車の普及促進を図る。
(イ) 炭化水素の排出量の抑制
また、炭化水素については、光化学オキシダント発生状況を勘案しつつ、発生源の実
態把握、使用事業場等に対する排出抑制について適切な指導を実施する。
揮発性有機化合物(VOC)については、工場事業場の固定発生源対策として、平成
18年4月から大気汚染防止法に基づく規制が開始されるため、届出等の徹底や排出抑制
対策の指導の徹底を図ると共に規制対象とならない工場事業場に対し自主的な削減対策
の取り組みの推進を指導し、排出量の抑制を図る。
イ
緊急時対策
「山口県大気汚染緊急時措置要綱」に基づき、必要な措置を講じる。
窒素酸化物対策(窒素酸化物対策の項参照)
発生源対策
固定発生源対策
排出実態調査及び指導
石油製品貯蔵施設
炭化水素対策
有機溶剤使用事業場
移動発生源対策(窒素酸化物対策の項参照)
大気汚染測定結果の定時放送及び緊急時通報
光化学オキシ
緊急時対策
緊急時措置の徹底の指導
ダント対策
高濃度予報体制の検討
環境基準適合状況の把握
緊急時措置対策
環境監視対策
環境濃度把握による発生源防止対策
地域大気汚染管理に係る基礎資料の確保
大気汚染常時監視システム
の 適 正 な 運 営 管 理
オキシダント自動測定機の
適正な維持管理及び更新整備
非メタン炭化水素自動測定機の
適正な維持管理及び更新整備
テレメーターシステムの
適正な維持管理及び更新整備
図2−2−3
光化学オキシダント対策の体系図
- 61 -
既 存 固 定
発生源対策
工場・事業場に
対する監視・指導
立入検査の強化
煙道立入調査
自主測定の実施の指導
低 NOxバ ー ナ ー の 設 置 、
良質燃料の使用の指導
発生源対策
窒 素 酸 化 物
対
新設固定発
生源対策
低硫黄燃料使用、ばい煙処理施設の適切な設置の事前指導
固定内燃
機関対策
計画時における良質燃料の使用、
低 NOxバ ー ナ ー の 設 置 の 事 前 指 導
策
NOx低 減 の 総 合 的 対 策 の 実 施 を 指 導
必要に応じ、排煙脱硝装置を指導
関 連 計 画
移動発生源
対
策
交通管理基本
計画
自動車交通流対策
規制基準の遵守の徹底
低公害車の普及促進
環境基準適合状況の把握
環境濃度把握による発生源防止対策の効果の評価
環境監視対策
地域大気汚染管理に係る基礎資料の確保
大気汚染常時監視システム
の適正な運営管理
窒素酸化物自動測定機の適正
な維持管理及び更新整備
テレメーターシステムの適正
な維持管理及び更新整備
図2−2−4
窒素酸化物対策の体系図
- 62 -
第3節
1
水質汚濁対策
水質汚濁の概況
当地域における平成16年度の水質汚濁の状況は、健康項目については、河川、湖沼及び
海域の全水域で環境基準を達成している。
BOD又はCODについて環境基準の類型指定がされている公共用水域は、8河川17水
域、3湖沼3水域、4海域9水域、全窒素及び全りんについて環境基準の類型指定がされ
ている公共用水域は、2湖沼2水域、4海域5水域であり、水域類型の指定状況は表2−
3−1のとおりである。また、環境基準水域類型指定状況及び環境基準位置図は図2−3
−1のとおりである。
生活環境項目については、河川について、BODの指標でみると、17水系のうち友田川
水系(1)(B類型)の1水域において環境基準を達成していない。
湖沼について、CODの指標でみると、3水域すべてにおいて環境基準を達成していな
い。
海域について、CODの指標でみると、9水域のうち山口・秋穂海域(A類型)、宇部・
小野田地先海域(乙)(A類型)、響灘及び周防灘(A類型)の3水域において環境基準を達成
していない。
なお、平成19年度における水質汚濁の状況は、健康項目については、河川、湖沼及び海
域の全水域で環境基準を達成している。
生活環境項目については、河川について、BODの指標でみると、17水系の全水域で環
境基準を達成している。
湖沼について、CODの指標でみると、3水域すべてにおいて環境基準を達成していな
い。
海域について、CODの指標でみると、9水域のうち山口・秋穂海域(A類型)、宇部・
小野田地先海域(乙)(A類型)の2水域において環境基準を達成していない。
環境基準の達成状況は、図2−3−2のとおりである。
- 63 -
表2−3−1
ア
BOD又はCOD等
区
分
公害防止計画策定地域に係る水域類型の指定状況 (平成17年3月31日現在)
水
名
該当
達成
類型
期間
(1) 古川と厚東川との合流点より下流
B
イ
厚東川大橋(UC-3)
(2) 古川と厚東川との合流点から厚東川
ダムまで
A
イ
末信橋(UC-2)
称
厚 東 川
水
系
域
範
囲
環境基準点
指
定
年 月 日
備
考
昭和46年
5月25日
閣議決定
宇 部 市
昭和62年
4月21日
山 口 県
告
示
第390号
で改正
宇 部 市
宇 部 市
厚東川ダム下(UC-1)
河
真 締 川
水
系
(3) 厚東川ダムより上流
(小野湖に係る水域及び(4)に掲げる
水域を除く。)
A
イ
吉野橋(UC-6)
(4) 大田川(小野湖に係る水域を除く。)
A
イ
宇内橋(UC-7)
(1) 西宮橋上流50mの地点より下流
B
ロ
錦橋(RC-4)
琴芝橋(RC-6)
武 久 川
水
系
(2) 西宮橋上流50mの地点より上流
A
ロ
新橋(RC-5)
全域
B
ハ
汐入橋(ZC-5)
昭和50年
3月31日
山 口 県
告 示 第
309号の6
宇 部 市
宇 部 市
宇 部 市
下 関 市
生野橋(ZC-6)
綾羅木川
水
系
友 田 川
水
系
川
川 棚 川
水
系
粟 野 川
水
系
(1) 観月橋より下流
B
ロ
望洋橋(ZC-3)
下 関 市
(2) 観月橋より上流
A
ロ
石原橋(ZC-4)
下 関 市
(1) 山陰線鉄橋より下流
B
ロ
安永橋(ZC-1)
下 関 市
(2) 山陰線鉄橋より上流
A
ロ
胡麻多橋(ZC-2)
下 関 市
(1) 新井手堰より下流
B
イ
下村大橋(DC-1)
(2) 新井手堰より上流
A
イ
上畔橋(DC-2)
(1) 粟野川
((2)に掲げる水域を除く。)
A
イ
郷の橋(LC-5)
滑川との合流点
(LC-6)
昭和58年
4月12日
山 口 県
告
示
第363号
昭和50年
3月31日
山 口 県
告 示 第
309号の6
下 関 市
下 関 市
下 関 市
出合橋(LC-7)
木 屋 川
水
系
(2) 蓋之井川
AA
イ
蓋之井川合流点2Km
上流(LC-8)
(1) 吉田堰より下流
B
ロ
豊厚橋(SC-1)
(2) 吉田堰より上流(豊田湖に係る水域
を除く。)
A
ロ
豊東橋(SC-2)
鳴瀬橋(SC-3)
- 64 -
下 関 市
昭和47年
6月15日
山 口 県
告
示
第452号
下 関 市
下 関 市
区
分
水
名
称
域
範
囲
該当
達成
類型
期間
環境基準点
指
定
年 月 日
備
考
常 盤 湖
全域
B
イ
RC−1
RC−2
RC−3
昭和50年 宇 部 市
3月31日
山 口 県
告
示
第309号の6
小 野 湖
全域
A
ロ
OC−1
昭和62年
4月21日
山 口 県
告
示
第390号
宇 部 市
豊 田 湖
全域
A
ロ
TC−1
昭和62年
4月21日
山 口 県
告
示
第390号
下 関 市
響灘及び
周 防 灘
(下関)
(1) 宇部市黒崎と大分県長崎を結ぶ線、下関市網
代崎と北九州市八幡崎を結ぶ線及び陸岸に囲ま
れた海域であって豊前地先海域並びに昭和46年
5月25日閣議決定の宇部東港、宇部本港、工業
運河、栄川入江、 小野田港、宇部小野田地先海
域(甲)、宇部・小野田地先海域(乙)、奥洞海、
製鉄戸畑泊地、堺川泊地、洞海湾湾口部及び響
灘に係る部分を除いたもの(響灘及び周防灘)
A
イ
SD−3
SD−6
SD−15
SD−20
昭和49年
5月13日
環 境 庁
告
示
第39号
下 関 市
響灘及び
周 防 灘
(宇部・
小野田)
(2) 宇部東港
C
イ
UD−9
宇 部 市
(3) 宇部本港
C
イ
UD−10
昭和46年
5月25日
閣議決定
(4) 工業運河
C
ロ
UD−11
宇 部 市
(5) 栄川入江
C
イ
UD−12
宇 部 市
(7) 宇部・小野田地先海域(甲)
B
イ
UD−3
宇 部 市
(8) 宇部・小野田地先海域(乙)
A
イ
UD−1
宇 部 市
(1) 吉敷郡秋穂町大字東字赤石赤石鼻南端から宇
部市大字西岐波字黒崎1430の1に至る陸岸の地
先海域のうち(2)及び(3)に掲げる海域を除いた
もの
※ (2)(3)に掲げる海域は記述を省略
A
イ
YD−6
昭和56年
4月3日
山 口 県
告 示
第385号
宇 部 市
下関市網代崎から豊浦郡豊北町大字神田字島戸本
場岬北端に至る陸岸の地先海域
A
イ
JD−1
JD−2
JD−4
JD−5
JD−6
昭和57年
4月6日
山 口 県
告 示
第317号
下 関 市
湖
沼
海
※
宇 部 市
(1)(6)に掲げる海域は記述を省略
域
山
口
・
秋
穂
豊
浦
・
豊
地
北
先
- 65 -
イ
全窒素、全りん
区
分
水
名
称
小 野 湖
域
範
囲
全域
該当
達成
類型
期間
Ⅱ
ニ
環境基準点
OC−1
湖
沼
豊 田 湖
海
全域
Ⅱ
ニ
TC−1
指
定
年 月 日
平成10年
4月28日
山 口 県
告
示
第338号
平成10年
3月13日
山 口 県
告
示
第187号
考
宇 部 市
暫定目標
全窒素
0.54mg/l
全りん
0.022mg/l
下 関 市
暫定目標
全窒素
0.44mg/l
全りん
0.017mg/l
響灘及び
周 防 灘
(宇部・
小野田)
小野田市本山岬と同地点から南1000m地点を結
ぶ線、同地点と山口宇部空港南西端から南方
800mの地点を結ぶ線、同地点と宇部市大字西
岐波字黒崎1430番地の1を結ぶ線及び陸岸に囲
まれた海域(響灘及び周防灘(イ))
Ⅲ
イ
UD−3
響灘及び
周 防 灘
(下関)
下関市火ノ山下潮流信号所と北九州市門司埼灯
台を結ぶ線、 同市網ノ鼻と同地点から南東方
22,100mの地点(北緯33度48分19秒、東経131
度11分45秒。以下「B点」という。)を結ぶ
線、同地点と同地点から東方20,600mの地点
(北緯33度48分19秒、東経131度24分58秒。以
下「C点」という。)を結ぶ線、同地点と宇部
市黒埼を結ぶ線及び陸岸により囲まれた海域で
あって、響灘及び周防灘(イ)及び響灘及び周防
灘(ロ)に係る部分を除いたもの(響灘及び周防
灘(ハ))
Ⅱ
イ
UD−19
宇 部 市
SD−3
SD−6
下 関 市
下関市網代崎と北九州市八幡崎を結ぶ線、下関
市火ノ山下潮流信号所と北九州市門司崎灯台を
結ぶ線及び陸岸により囲まれた海域であって、
洞海湾に係る部分を除いたもの(響灘及び周防
灘(ホ))
Ⅱ
イ
SD−15
SD−20
下 関 市
吉敷郡秋穂町大字東字赤石字赤石鼻南端から宇
部市大字西岐波字黒崎1430の1に至る陸岸の地
先海域
Ⅱ
イ
YD−6
平成9年
10月31日
山 口 県
告
示
第733号
宇 部 市
豊浦郡豊北町特牛灯台から同町角島通瀬岬に至
る直線、同岬から福岡県妙見崎灯台に至る直
線、同灯台から下関市網代崎に至る直線及び陸
岸によって囲まれた海面のうち、山口県の海域
Ⅰ
イ
JD−1
JD−2
JD−4
JD−5
JD−6
平成9年
10月31日
山 口 県
告
示
第733号
下 関 市
域
山
口
・
秋
穂
豊
浦
・
豊
地
北
先
(注)1
平成9年
4月28日
環 境 庁
告
示
第19号
備
宇 部 市
備考欄には、当該水域に関係する公害防止地域内の市名を示した。
また、()内の市町は、公害防止計画指定地域外であるが、同一水域内であることから記載したものである。
さらに、暫定目標が設定されている場合には、暫定目標を示した。
2 達成期間は、イが「直ちに達成」、ロが「5年以内で可及的速やかに達成」、ハが「5年を超える期間で
可及的速やかに達成」、ニが「段階的に暫定目標を達成しつつ、環境基準の可及的速やかな達成に努める。」
を示す。
- 66 -
図2−3−1
水域類型指定状況及び環境基準位置図
- 67 -
図2−3−2
環境基準の達成状況
- 68 -
2
河川の水質汚濁対策
本章第1節2
3
参照
湖沼の水質汚濁対策
本章第1節3
4
参照
海域の水質汚濁対策
(1) 海域の水質汚濁の状況
ア
健康項目
健 康 項 目 に つ い て は 、 平 成 16年 度 に 4 海 域 11地 点 で 延 べ 315項 目 の 測 定 を 実 施 し 、 す
べての地点で環境基準を達成している。なお、平成19年度においても、平成16年度と同
様にすべての地点で環境基準を達成している。
イ
生活環境項目
(ア) 響灘及び周防灘海域(下関)
COD濃度(75%値)の推移は、図2−3−3のとおりであり、平成11年度以降は、C
OD濃度は上昇しており、平成16年度は環境基準を達成してない。なお、平成19年度に
おけるCOD濃度(75%値)は、全地点で環境基準を達成した。
全窒素については、全般的に減少傾向にあり、Ⅱ類型に指定された平成9年度以降毎
年度環境基準を達成している。
全りんについては、昭和58年度にやや低下が見られ、その後は横ばいの傾向にあるが、
Ⅱ類型に指定された平成9年度以降毎年度環境基準を達成している。
(mg/L)
4
3
︵
C
O
D
濃
度 2
環境基準A
︶
7
5
%
値
1
0
S50
S52
S54
S56
S58
S60
S62
H1
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
(年度)
下関:SD-3(A類型)
図2−3−3
下関:SD-6(A類型)
下関:SD-15(A類型)
下関:SD-20(A類型)
COD濃度の推移(響灘及び周防灘海域(下関))
- 69 -
H19
(イ) 響灘及び周防灘海域(宇部・小野田)
COD濃度(75%値)の推移は、図2−3−4のとおりであり、平成16年度はB類型及
びC類型は環境基準を達成しているが、A類型は達成していない。また、近年のCOD
濃度は横ばい傾向にある。なお、平成19年度におけるCOD濃度(75%値)は、B類型及
びC類型では環境基準を達成しているが、A類型は達成していない。
全窒素については、近年減少傾向にあり、Ⅱ類型及びⅢ類型に指定された平成9年度
以降毎年度環境基準を達成している。
全りんについては、昭和61年度に低下が見られたものの近年は横ばいで推移しており、
Ⅱ類型及びⅢ類型に指定された平成9年度以降毎年度環境基準を達成している。
(mg/L)
8
環境基準C
7
6
C
O
D
濃
度
5
︵
4
3
環境基準B
2
環境基準A
︶
7
5
%
値
1
0
S50
S52
S54
S56
S58
S60
S62
H1
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
(年度)
宇部・小野田:UD-9(C類型)
宇部・小野田:UD-10(C類型)
宇部・小野田:UD-11(C類型)
宇部・小野田:UD-12(C類型)
宇部・小野田:UD-3(B類型)
宇部・小野田:UD-1(A類型)
図2−3−4
COD濃度の推移(響灘及び周防灘海域(宇部・小野田))
(ウ) 山口・秋穂海域
COD濃度(75%値)の推移は、図2−3−5のとおりであり、近年横ばいで推移して
いるが、平成16年度はA類型の環境基準を達成していない。なお、平成19年度における
COD濃度(75%値)は、やや上昇傾向を示しA類型の環境基準を達成していない。
全窒素については、平成6年度の測定開始以降ほぼ横ばいであり、Ⅱ類型に指定され
た平成9年度以降毎年度環境基準を達成している。
全りんについては、平成6年度の測定開始以降ほぼ横ばいであり、Ⅱ類型に指定され
た平成9年度以降毎年度環境基準を達成している。
- 70 -
(mg/L)
4
3
︵
C
O
D
濃
度
2
環境基準A
︶
7
5
%
値
1
0
S50
S52
S54
S56
S58
S60
S62
H1
H3
H5
H7
H9
H11
H13
H15
H17
H19
(年度)
山口・秋穂:YD-6(A類型)
図2−3−5
COD濃度の推移(山口・秋穂海域)
(エ) 豊浦・豊北地先海域
COD濃度(75%値)の推移は、毎年度A類型の環境基準を達成しているが、近年は増
加する傾向にある。なお、平成19年度におけるCOD濃度(75%値)は、増加する傾向が
みられるが全地点で環境基準を達成した。
全窒素については、近年はほぼ横ばいであり、Ⅰ類型に指定された平成9年度以降毎
年度環境基準を達成している。
全りんについては、近年はほぼ横ばいであり、Ⅰ類型に指定された平成9年度以降毎
年度環境基準を達成している。
(2) 当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
ア
要因分析
(ア) 響灘及び周防灘海域(下関)
発生源別COD汚濁負荷量は、表2−3−2のとおりであり、生活系からの負荷量が
流入負荷量の52.5%を占めている。また、産業系からの負荷量も36.8%を占めている。
(イ) 響灘及び周防灘海域(宇部・小野田)
発生源別COD汚濁負荷量は、表2−3−2のとおりであり、沿岸に工場・事業場が
集中的に立地しているため、産業系からの負荷量が6 , 7 3 6 . 8 k g/日あり、流入負荷量の
69.8%を占めている。
(ウ) 山口・秋穂海域
発生源別COD汚濁負荷量は、表2−3−2のとおりであり、生活系からの負荷量が
1,938.6kg/日と流入負荷量の61.9%を占めている。
- 71 -
イ
施策の状況等
産業系の排水については、第1次から第5次までの総量削減計画に基づき対策を推進
してきている。特に第5次総量削減計画では、CODに加えて窒素及びりんの削減を実
施している。また、平成19年度に策定した第6次総量削減計画により引き続き負荷量の
削減に取り組んでいる。
生活排水の対策については、「山口県生活排水浄化対策推進要綱」に基づき、下水道
の整備や浄化槽(合併処理)の設置の普及促進など生活排水対策を促進している。
表2−3−2
発生源別COD汚濁負荷量
海域名
発生源別COD汚濁負荷量(kg/日)
産業系
生活系
その他
計
1,877.9(36.8)
2,679.3(52.5)
546.5(10.7)
5,103.6(100)
H18
1,849.9(40.0)
2,341.1(50.6)
433.1( 9.4)
4,624.1(100)
響灘及び周防灘 H15
6,736.8(69.8)
2,042.1(21.2)
868.4(9.0)
9,647.3(100)
7,815.8(74.3)
1,924.6(18.3)
776.3(7.4)
10,516.7(100)
山口・秋穂海域 H15
729.3(23.3)
1,938.6(61.9)
462.2(14.8)
3,130.1(100)
H18
690.3(24.1)
1,775.6(61.9)
403.6(14.0)
2,869.5(100)
豊浦・豊北
H15
271.7(32.7)
411.8(49.6)
147.2(17.7)
830.6(100)
地先海域
H18
262.2(34.4)
374.5(49.1)
125.4(16.5)
762.1(100)
計
H15
9,615.6(51.4)
7,071.8(37.8) 2,024.3(10.8) 18,711.7(100)
H18
10,618.2(56.6)
6,415.8(34.2) 1,738.4( 9.2) 18,772.4(100)
響灘及び周防灘 H15
海域(下関)
海域(宇部・小野田)
H18
(注)県環境政策課調べ、(
)内は構成比(%)
なお、宇部市小串地先の宇部港栄川運河上流部にある小型船溜まり泊地維持浚渫工事
として平成17年8月に行った事前調査でダイオキシン類による底質の汚染が判明し、そ
の濃度は2,700pg-TEQ/g(環境基準値:150pg-TEQ/g)であった。県では宇部港栄川運
河ダイオキシン類対策会議を設置し、学識経験者で構成する専門委員会の意見を聴きな
がら汚染の範囲や汚染原因等の調査を実施し、底質の浄化に向けた検討を進めている。
(3) 講ずる施策及び達成目標
ア
関連諸計画の概要
本章第1節2(3)
イ
参照
達成目標
すべての水域において環境基準を達成する。
ウ
健康項目
(ア) 監視・指導
- 72 -
健康項目に係る有害物質は、人の健康に重大な影響があるため、それぞれの発生源に
おいて厳重な注意と管理のもとに処理する必要がある。
今後とも追加された健康項目と合わせて、これまでに実施してきた発生源に対する監
視、指導を継続するとともに、排出水のクローズドシステム化等を図るよう指導する。
(イ) 宇部港栄川運河ダイオキシン類対策
宇部港栄川運河に堆積している高濃度ダイオキシン類を含む底質については、表2−
3−3のとおりしゅんせつ除去等を行い底質の浄化を図る。
表2−3−3
底質ダイオキシン類処理計画
事業主体
港 名
地区名
処理土量
実 施 年 度
山口県
宇部港
栄川運河
5,570m 3
平成21∼22年度
備
考
しゅんせつ除去等
(注)県港湾課調べ
エ
生活環境項目
(ア) 工場・事業場排水対策
本章第1節2(2)ア
参照
(イ) 生活排水対策
本章第1節2(2)イ
参照
(ウ) 畜産排水対策
本章第1節2(2)ウ
参照
(エ) 流出油等対策
石油コンビナート及び船舶の事故等による流出油等対策については、山口県地域防災
計画、山口県石油コンビナート等防災計画及び瀬戸内海西部海域排出油等防除計画に基
づき対処するとともに、応急用資材の整備等に努める。
さらに、今後とも関係行政機関と協力して、監視、指導を強化し、事故の未然防止及
び海洋環境の保全に努める。
(オ) 船舶廃油処理対策
船舶から発生するビルジ、水バラスト等の廃油は、廃油処理事業者の廃油処理施設に
おいて処理されているが、今後も関係行政機関と連携して、船舶に対する指導を強化し
海洋環境の保全に努める。
(カ) ごみ対策
海域の浮遊ごみは、港内からの発生、陸域からの不法投棄によるものがほとんどであ
- 73 -
り、海洋環境の保全に大きな障害となっている。
海域の浮遊ごみは、海洋汚染の一因となるため、関係団体等と連携し、不法投棄防止
のための指導の徹底を図るほか、監視取締りに努める。
(キ) 環境影響評価の実施
宇部・小野田地先海域等における各種の開発行為による環境汚染を未然に防止するた
め、国の環境影響評価法及び山口県環境影響評価条例に基づき環境影響評価を適切に実
施する。
(ク) 環境の監視・調査の実施
これまで実施してきた環境基準の監視調査及び瀬戸内海広域総合水質調査を継続して
実施する。
オ 富栄養化防止対策
(ア) 窒素及びりんの排水規制等
平成5年8月に告示された海域における窒素及び燐に関する排水基準の遵守を徹底す
る。響灘及び周防灘海域等における富栄養化防止対策としては、瀬戸内海における水質
汚濁負荷量の総量を削減する計画として定めた第5次総量削減計画において、従来のC
ODに加えて窒素及びりんを削減計画に盛り込んだ。また、平成19年度に策定した第6
次総量削減計画により引き続き窒素及びりんの負荷量の削減に努める。
なお、近年、周防灘においては、アサリの激減や養殖ノリの色落ち等、海域の窒素及
びリンの減少等に起因すると考えられる漁場の基礎生産力の低下が見られており、今後、
漁場生産力に関与する環境要因の解明と生産力回復対策の検討を進める。
(イ) 調査研究の実施
当海域の海域等においては、夏季から秋季にかけて赤潮が発生し、時には魚介類をへ
い死させる有害な赤潮が発生する。山口県水産研究センターにおいて、赤潮の原因とな
るプランクトンの発生機構の解明や予察技術の確立に努めるとともに、関係機関とも連
携して、漁業被害防止対策を図っている。
- 74 -
第4節
地下水汚染対策
地下水汚染防止対策については、トリクロロエチレン等の有害物質使用事業場に対し、
排出防止及び地下浸透防止の監視、指導を徹底して行うとともに、地下水の水質の常時
監視を継続して実施する。
(1) 地下水汚染の状況
ア
概況調査
地域全体の地下水質の概況を把握するため、県下を2kmメッシュに区分し、地下水汚
染物質を使用する工場・事業場等が立地するメッシュ内における飲用井戸の利用状況等
を考慮して調査地点を定め、地下水質の調査を実施している。
当地域において、表2−4−1(1)及び(2)のとおり概況調査を実施した結果、平成19
年度に下関市及び宇部市で各1地点ずつ環境基準を超過する有害物質が検出された。
なお、環境基準を超過した地点の位置図は、図2−4−2のとおりである。
表2−4−1(1)
概況調査結果
区 分
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
下関市
4/4
4/4
4/4
4/4
8/8
8/8
8/8
7/8
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
( 88)
12/12
12/12
12/12
12/12
15/15
15/15
15/15
12/13
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
( 92)
宇部市
(注)1 環境基準適合数/調査井戸数
2 県環境政策課調べ
表2−4−1(2) 平成19年度概況調査における環境基準超過地区一覧表
測
定
地
点
名
事業場
汚染物質名
市 名
地区名
地 点
下関市
長府
E−5
総水銀
宇部市
西中町
A−4
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
測定結果
(mg/l)
- 75 -
環境基準
内
外
(mg/l)
0.0008
事業場外
0.0005
13
事業場外
10
イ
定期モニタリング調査
当地域では、これまで地下水汚染が確認されている宇部市笹山地区において、トリク
ロ ロ エ チ レ ン 、 テ ト ラ ク ロ ロ エ チ レ ン 及 び シ ス -1,2-ジ ク ロ ロ エ チ レ ン に つ い て 、 地 下
水の継続的な監視を行うための定期モニタリング調査を周辺8井戸を対象として実施し
ており、その調査結果は表2−4−2のとおりである。
また、地下水汚染濃度の推移は、図2−4−1(1)、(2)及び(3)のとおりであり、テト
ラクロロエチレンは、高濃度で推移している。
なお、調査地点の位置図は、図2−4−2のとおりである。
表2−4−2
定期モニタリング調査結果(宇部市笹山地区)
測定結果(mg/l)
測定地点 測定項目
環境基準
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
0.0043 0.0023 0.0095
(mg/l)
C-9
トリクロロエチレン 0.030 0.014 0.016 0.016
0.008
C-10
テトラクロロエチレン 0.45
0.35
0.50
0.91
0.43
0.34
0.30
0.26
0.01
C-9
シスー1,2-ジクロロエチレン 0.074
0.14
0.19
0.041
0.041
0.047
0.030
0.053
0.04
(注)1 測定地点は、定期モニタリング地区内の最高濃度を示した地点
2 県環境政策課調べ
- 76 -
0.03
図2−4−2
地下水定期モニタリング地区
- 77 -
(mg/l)
0.18
トリクロロエチレン
0.16
C-9
C-10
C-11
C-15
0.14
0.12
0.10
0.08
0.06
0.04
環境基準
0.02
0.00
H10
H11
図2−4−1(1)
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
(年度)
H19
地下水汚染濃度の推移(宇部市笹山地区、トリクロロエチレン)
(mg/l)
1.00
テトラクロロエチレン
C-9
C-10
C-11
C-15
0.80
0.60
0.40
0.20
環境基準
0.00
H10
H11
図2−4−1(2)
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
(年度)
H19
地下水汚染濃度の推移(宇部市笹山地区、テトラクロロエチレン)
- 78 -
(mg/l)
0.40
シス-1,2-ジクロロエチレン
C-9
C-10
C-11
C-15
0.35
0.30
0.25
0.20
0.15
0.10
0.05
環境基準
0.00
H10
H11
図2−4−1(3)
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
(年度)
H19
地下水汚染濃度の推移(宇部市笹山地区、シスー1,2-ジクロロエチレン)
(2) 当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
地下水汚染地区については、汚染原因の究明調査を実施するとともに、テトラクロロ
エチレン等の有害物質使用事業場に対し排出防止及び地下浸透防止の監視・指導の徹底
を図るとともに地下水質の監視を継続して行っている。
なお、宇部市笹山地区においては、周辺事業場実態調査により判明した有害物質使用
事業場(テトラクロロエチレン使用事業場が1社)について、立入調査等を実施するな
ど原因究明を行ったが、周辺地下水からの検出状況や当該事業で使用されていない物質
(トリクロロエチレン)が検出されていることから、他の汚染源の可能性も否定できな
いため、汚染源を特定するには至らなかった。
しかしながら、当該事業場においては、地下水汚染防止対策を講ずるため、自主的に
敷地内の土壌中のテトラクロロエチレン等をガス吸引処理で除去しており、県はこれら
の対策の適正実施について指導している。
新たに汚染が確認された地区については、周辺井戸のモニタリング調査の実施、周辺
事業場実態調査等を行い原因の究明を進める。
(3) 講ずる施策及び達成目標
ア
今後講ずる施策
(ア) 有害物質使用事業場の監視・指導
地下水汚染に係る有害物質については、水質汚濁防止法及び山口県公害防止条例に基
づき、特定事業場等における有害物質を含む水の地下浸透禁止が規定されており、これ
- 79 -
らの法及び条例が適用される特定事業場等に対しては、規制基準の遵守状況について監
視・指導する。
また、その他の有害物質使用事業場に対しては、その使用実態の把握に努めるととも
に、定期的に立入検査を実施し、適正な使用・保管や排水処理施設の管理の徹底等の指
導を行う。
(イ) 飲用水対策の実施
水道事業者等が実施する水質検査の結果に基づき、水道事業者に対する適正な指導を
行い、飲料水の安全性の確保を図る。
また、水道の未普及地域については、水道事業者に対し水道の普及向上を促進すると
ともに、井戸水等の利用者に対しては、衛生指導の普及啓発により、井戸水等の飲用水
の自主管理の向上を図る。
(ウ) 地下水質の監視
水質汚濁防止法に基づき、地下水質測定計画を作成した上で地下水の常時監視を実施
する。
また、これまでに確認されている地下水汚染地区及び新たに確認された汚染地区にお
いては、地下水汚染の動向を監視するための定期モニタリング調査を地下水質測定計画
に基づき調査を実施する。
イ
達成目標
地下水質の回復には長期間を要するが、環境基準を達成することを目標とする。
- 80 -
第5節
土壌汚染対策
(1) 土壌汚染の状況
土壌汚染対策法が平成15年2月から施行され、その施行状況は表2−5−1のとおり
であり、法に基づく指定区域が、平成16年度末現在1件(テトラクロロエチレン)あったが、汚染
の除去が行われたことにより平成18年度に解除され、平成19年度末現在にはない。
また、土地の所有者等は、土地の売買、土地資産の評価及びISOの取得等のための
自主調査を実施しており、これにより土壌汚染が判明する場合がある。
表2−5−1
下関・宇部地域の土壌対策法施行状況(平成15年2月15日∼平成17年3月31日)
項
目
件
数
有害物質使用特定施設廃止件数
3
土壌汚染状況調査の結果報告件数
1
土地の利用方法からみて人の健康被害が生ずるおそれがない旨確認をうけた件数
2
土壌汚染状況調査の調査命令発出件数
0
指定区域指定件数
1(平成18年度に解除)
措置命令発出件数
0
環境政策課調べ
(2) 当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
下関・宇部地域には、有害物質使用特定施設を設置している工場・事業場が多く、法
の施行により、今後汚染の判明する件数は増加する。また、土地の取引に係る自主調査
が増加すれば、汚染された土地の判明も増加する。
(3) 講ずる施策及び達成目標
土壌汚染対策法の適正な執行に努めるとともに、有害物質の使用状況等の土地の履歴
情報を把握し、土壌汚染の可能性がある土地の周辺において、地下水の利用状況等の調
査を実施し、人への健康被害の未然防止に努める。
また、土地取引に係る自主調査により汚染が発見された場合、土壌汚染対策法に準じ
た措置等の実施について適切な助言を行う。
農用地においても計画的に重金属類概況調査を実施し、土壌汚染が発見された場合に
は、「農用地の土壌汚染防止等に関する法律」に基づき対策を講じる。
ダイオキシン類による土壌汚染については、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく
対策地域としての指定要件を満たす汚染が認められた場合は、同法に基づく対策地域の
指定、対策計画の策定及び計画に基づく対策を講じる。
- 81 -
第6節
1
騒音・振動対策
自動車騒音対策
(1) 自動車騒音の状況
本章第1節1(1)ア参照
(2) 当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
本章第1節1(1)イ及びウ参照
(3) 講ずる施策及び達成目標
本章第1節1(1)エ参照
2
新幹線鉄道騒音対策
(1) 新幹線鉄道騒音の状況
当地域の新幹線鉄道は、下関市の市街地及び宇部市の郊外を通過しており、昭和52年
3月に新幹線鉄道騒音の環境基準の地域類型の指定を行っている。
平成16年度は、当地域では新幹線鉄道騒音の測定を行っていない。
なお、平成18年度については、1測定地点中1地点で環境基準を超過していたが、平
成19年度については測定を行っていない。
(2) 当該課題に係る要因分析及び過去の施策の実施状況等
国鉄では新幹線鉄道騒音に対して、昭和50年3月の博多間開通後、その音源対策を実
施するとともに80ホン以上の地域の一般住宅に対して防音工事の助成を行い、障害防止
対策を進めたが、土地利用の適正化をも含めた音源、障害防止対策の強化が望まれた。
そのため、国鉄及び西日本旅客鉄道株式会社(以下「JR西日本」という。)では第1
次対策から第3次対策の新幹線鉄道騒音対策を実施してきてきた。
第1次75ホン対策
住宅密集地域が連続する地域
昭和60∼平成2年度
第2次75ホン対策
住宅集合地域
平成4∼8年度
第3次75デシベル対策
住宅集合地域に準じる地域
平成10∼14年度
また、同様に新幹線鉄道沿線家屋の防音工事等の障害防止対策が実施されており、対
策の申し出があったものについては完了している。
県では、新幹線鉄道騒音対策についてはJR西日本が実施する発生源対策等の促進を
図り、実施した騒音測定結果をJR西日本に送付するとともに対策の実施を要請してき
た。
- 82 -
表2−6−1
地上対策実施状況
項目
防
音
壁
平 成 1 6 年 度 末 ま で の 実 績
直型
20.6 km
( 22.9 km)
逆L型
3.8 km
(
5.1 km)
干渉型
1.5 km
(
1.3 km)
計
25.9 km
トンネル緩衝工
6箇所
0.1 km
( 29.3 km)
(
軌
レール削正
(平成12∼16年度)延べ
((平成17∼19年度)延べ
148.4 km
56.9 km )
道
バラスマット
新幹線の開業当時に設置
5.8 km
架線張力アップ
平成11年度末までにすべて済み
(参考)明かり区間延長
(
0.1 km)
5.8 km)
78.9 km
( 78.9 km)
20.6 km
( 20.6 km)
(注)JR西日本調べ:下関・宇部地域とは、下関市、宇部市(旧楠町)をいい、山陽小野田市は含まない。
()内は、平成19年度末までの実績を記載。
表2−6−2(1)
車両の区分
対策の項目
新幹線鉄道騒音の車輌対策実施状況
0系
車両
3パンタ
100系
車両
3パンタ
300系
車両
2パンタ
500系
車両
2パンタ
(平成16年度末現在)
700系
車両
2パンタ
700E系
車両
2パンタ
パンタグラフ半減
現在は、パンタグラフの多い0系及び100系車両を減少し、
新型車両(300系以上)で騒音低減対策を実施している。
パンタグラフカバ
ー取付
全車両設置済
77編成(100%)
パンタグラフすり
板変更
全車両設置済
77編成(100%)
(注)JR西日本調べ:対策済み車両(編成)と(
表2−6−2(2)
車両の区分
対策の項目
)内に対策済の割合(%)を記入。
新幹線鉄道騒音の車輌対策実施状況
100系
車両
2パンタ
300系
車両
2パンタ
500系
車両
2パンタ
700系
車両
2パンタ
(平成19年度末現在)
700E系
車両
2パンタ
N700系
車両
2パンタ
パンタグラフ半減
現在は、パンタグラフの多い0系及び100系車両を減少し、
新型車両(300系以上)で騒音低減対策を実施している。
パンタグラフカバ
ー取付
全車両設置済
83編成(100%)
パンタグラフすり
板変更
全車両設置済
83編成(100%)
(注)JR西日本調べ:対策済み車両(編成)と(
)内に対策済の割合(%)を記入。
- 83 -
表2−6−3
事
市
新幹線鉄道騒音に係る住宅防音工事実施状況
項
80ホン以上の対策実施状況
名
(平成16年度末現在)
75ホンを超え80ホン未満の対象
実施状況
対象世帯数
完了世帯数
対象世帯数
完了世帯数
下
関
市
51(51)
51(51)
139(139)
139(139)
宇
部
市
32(32)
32(32)
35(35)
33(33)
83(83)
83(83)
174(174)
172(172)
計
(注)JR西日本調べ:宇部市は旧楠町を含む。
()内は、平成19年度末までの実績を記載。
(3) 講ずる施策及び達成目標
新幹線鉄道騒音については、平成14年度までに、山陽新幹線沿線については、主に住
居地域を中心におおむね75デシベル以下が達成されたが、一部の地域で75デシベルを達
成していない地域が残されており、引き続き環境基準が達成されるよう、適切な監視測
定の実施により状況の把握に努めるとともに、次のような発生源対策等を実施する。
ア
対策の基本的方向
当地域における今後の新幹線鉄道沿線における騒音・振動対策は、図2−6−1に示
す対策の体系に従って、JR西日本に対し発生源対策及び障害防止対策の推進を強力に
働きかけるとともに、関係市と連携・協力し、沿線土地利用対策及び監視測定体制の充
実を図る。
地上対策
発生源対策
山陽新幹線鉄道沿線
車両対策
騒音・振動防止対策
緩衝工の設置
防音壁の改良
レール削正
架線改良等
パンタカバー取付け等
学校、病院等防音工事助成
障害防止対策
土地利用対策
住宅の防音、防振工事助成
沿線に即した土地利用の誘導
監視測定体制の整備
図2−6−1
イ
新幹線鉄道騒音、振動対策の体系
発生源対策
JR西日本が実施する次の発生源対策の促進を図る。なお、今後の列車の高速化に当
たっては、必要に応じて環境保全対策を講じさせるなど、環境保全に配慮するものとす
る。
(ア) 地上対策
トンネル出入口における微気圧波の対策のための緩衝工の設置を促進するとともに、
- 84 -
必要に応じ防音壁の改良などの騒音の低減対策を促進する。また、レール削正の深度
化を促進するとともに、必要に応じ架線の改良等の集電系音対策を促進する。
(イ) 車両対策
騒音等の低減を図るため、先頭形状の変更、車体の平滑化等車両改良の促進を図る。
ウ
障害防止対策
これまで対策実施の申し出があったものについては、これまでに対策が完了している
が、今後は、必要に応じて住宅防音工事の施工範囲の見直しも含めた新たな対策をJR
西日本に要請する。
エ
沿線土地利用対策
沿線の土地利用計画及び市街地開発事業計画の決定又は変更にあたっては騒音・振動
の影響に配慮した適正な土地利用の誘導及び公共施設等の配置を図る。
オ
監視測定体制の整備
山陽新幹線沿線の騒音・振動の監視測定を今後とも継続して実施し、必要に応じて
JR西日本に対し、対策の働きかけを行っていく。
3
航空機騒音対策
(1) 航空機騒音の状況
当地域には、第2種空港の山口宇部空港及び海上自衛隊小月飛行場が立地しており、
山口宇部空港には、B7 6 7、A3 2 1、MD−90機が宇部∼東京間を1日に8往復定期就
航している。
また、小月飛行場は、海上自衛隊の初級教育訓練課程用として使用され、初級練習機
のT−5型機による飛行訓練が実施されている。
平成16年度の航空機騒音の測定結果は、山口宇部空港2地点、小月飛行場2地点にお
いて測定し、全ての測定点で環境基準を達成している。
なお、平成19年度における航空機騒音の測定結果は、山口宇部空港2地点、小月飛行
場2地点において測定し、全ての測定点で環境基準を達成している。
(2) 過去の施策の実施状況等
小月飛行場周辺の航空機騒音対策として、防衛施設庁(現防衛省)は防衛施設周辺の
生活環境の整備等に関する法律第3条第2項に基づき、学校、病院等の公共施設に防音
工事を実施している。
また、一般住宅についても同法第4条に基づきWECPNL75以上の区域を指定し防
音工事の助成を行っておりその実施状況は、表2−6−4のとおりである。
- 85 -
表2−6−4
航空機騒音に係る住宅防音工事実施状況(小月飛行場)
(平成16年度末現在)
市町村名
平成12∼16年度実績
下 関 市
55
累計(新規・追加工事計)
世帯
846
世帯
(注) 県環 境政 策課調べ
4
一般騒音等の対策
(1) 一般騒音等の状況
当該地域の平成16年度の騒音苦情件数は34件であり、発生源別では、建設作業、工場
・事業場に係るものが多い傾向にある。一方振動に係る苦情件数は3件であり、近年は
少なくなってきている。
なお、平成19年度における騒音苦情件数は32件であり、振動に係る苦情件数は1件で
ある。
当地域における環境騒音の状況について、平成16年度の測定結果でみると、道路に面
する地域については、11地点(A及びB地域4地点、C地域7地点)のうち、当該地域
の環境基準値と比較して、4地点(A及びB地域1地点、C地域3地点)において環境
基準値を超過しており、環境基準の達成状況の評価としては、評価の対象とした住居等
5 , 1 2 5戸のうち、6 9 2戸(13.5%)が環境基準を達成していない。また、道路に面する
地域以外の地域については、測定を行った6地点(A及びB地域6地点)のうち4地点
(A及びB地域4地点)で環境基準を達成していない。
なお、平成19年度における環境騒音の状況について、道路に面する地域については、
9地点(A及びB地域4地点、C地域3地点及びX地域2地点)のうち、当該地域の環
境基準値と比較して、3地点(A及びB地域1地点、C地域2地点)において環境基準
値を超過しており、環境基準の達成状況の評価としては、評価の対象とした住居等
3 , 7 6 6戸のうち、6 1 6戸(16.3%)が環境基準を達成していない。
(2) 過去の施策の実施状況等
当地域における騒音規制法に基づく指定地域は、昭和44年5月に下関市及び宇部市に
ついて指定し、振動規制法に基づく指定地域は、昭和53年5月に下関市及び宇部市につ
いて指定している。また、騒音に係る環境基準については、昭和51年2月に下関市及び
宇部市について類型指定を行っている。
騒音規制法、振動規制法及び山口県公害防止条例に基づく特定施設等を有する工場等
については、届出時に指導を十分行うとともに、規制基準の遵守のための監視及び公害
防止協定による指導を行ってきた。
- 86 -
第7節
地盤沈下対策
下関・宇部地域においては、地盤沈下について該当するものはない。
第8節
悪臭対策
当地域における、悪臭防止法に基づく規制地域は、今後も必要に応じ規制地域の拡大及
び見直しを行う。
また、規制地域内の事業場及び指定工場について、規制基準が遵守されるよう計画的に
立入調査を実施し、悪臭防止対策の指導を行う。
なお、現行の特定悪臭物質の分析による調査指導法を補完するため、官能試験法(三点
比較式臭袋法)を採用した指導要綱を制定しているので、これを活用して効果的な悪臭防
止対策を推進する。
さらに、発生源事業場が防止対策を実施する場合は、資金融資制度の活用を指導すると
ともに、農林水産業種に係る苦情については、農林水産部局と連携を図り適切な指導を行
う。
- 87 -
第9節
1
廃棄物・リサイクル対策
過去の施策の実施状況
(1) 一般廃棄物
一 般 廃 棄 物 に つ い て は 、「 山 口 県 廃 棄 物 処 理 計 画 」 及 び 「 山 口 県 廃 棄 物 減 量 化 等 推 進
計画」に基づき、物の生産、物流、消費、廃棄、処理の各段階において、住民、事業者
及び行政が協力し、ごみの発生抑制、減量化、リサイクルを推進するとともに、適正処
理のための処理施設の整備等を次のとおり実施してきたところである。
ア
一般廃棄物処理施設の整備
ごみの減量化・リサイクル及び適正処理の観点から、各市において策定した「一般廃
棄物処理計画」に基づき、ごみ焼却施設2施設(598t/日)、ごみ固形燃料化施設1施
設 ( 28t / 日 )、 粗 大 ご み 処 理 施 設 4 施 設 ( 167t / 日 )、 リ サ イ ク ル プ ラ ザ 2 施 設 ( 97
t/日)及び最終処分場4施設(容量1,313千m 3 )を整備している。
イ
減量化・リサイクルの推進
(ア) 「循環型社会形成推進月間」等における事業の実施
山口県循環型社会形成推進条例に基づく「循環型社会形成推進月間」や国において定
めている「ごみ減量化・リサイクル週間」を中心として、住民への普及やマイ・バッグ
・キャンペーン運動の展開等を実施し、ごみの減量化・リサイクルの促進を図った。
(イ) 容器包装リサイクル法に基づく分別収集
各 市 に お い て 「 容 器 包 装 に 係 る 分 別 収 集 及 び 再 商 品 化 の 促 進 等 に 関 す る 法 律 」( 平 成
7 年 法 律 第 112号 )( 以 下 「 容 器 包 装 リ サ イ ク ル 法 」 と い う 。) 第 8 条 の 規 定 に 基 づ く 分
別収集計画(第5期計画)を平成19年度に策定し、容器包装の分別収集を実施している。
(ウ) 住民・事業者等を対象とした施策
・古紙類、古繊維、金属類、びん類等の資源ごみの回収を実施した団体等への助成金の
交付(下関市、宇部市)
・普及啓発(広報誌、チラシ、TVスポット等)
・販売店での簡易包装の推進
・リサイクルフェア、リサイクルバザー等の開催
(2) 産業廃棄物
廃棄物処理法及び山口県廃棄物処理計画に基づき、事業者等による産業廃棄物の適正
処理を確保するため、次の施策を実施してきた。
ア
適正処理の確保
事業者及び処理業者等に対する監視指導の強化を図るとともに、マニフェストシステ
ムの活用による処理ルートの確認等を行い、産業廃棄物の不適正処理の未然防止に努め
た。また、産業廃棄物の処理に関する講習会、研修会等を実施し、産業廃棄物の適正処
理の指導徹底を図った。
イ
減量化・再生利用の推進
産業廃棄物の交換制度を活用した産業廃棄物の有効利用のための情報の提供、斡旋を
- 88 -
行い、産業廃棄物の再生利用の促進に努めた。
ウ
融資制度の活用
中小企業者等による産業廃棄物処理施設の整備を促進するために、融資制度を活用す
るよう必要な指導、斡旋を行った。
エ
広域最終処分場の整備促進
最終処分場を安定的に確保するために、事業者処理責任の原則を踏まえつつ、公共関
与による広域最終処分場の整備を促進しており、関係市、関係事業者とともに海面埋立
計画地を活用した最終処分場の整備を進め、平成20年11月に宇部港東見初地区の最終処
分場が供用開始された。
2
過去の施策の評価分析
(1) 一般廃棄物
当地域のごみのリサイクル率の推移は、表2−9−1に示すとおりであり県平均と比
較すると大きく下回っていたが、近年では上昇傾向にあり、今後とも資源化に積極的に
取り組んでいくことが必要である。
表2−9−1
ごみのリサイクル率の推移
(単位:%)
年度
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
当地域
9.2
8.9
12.6
11.9
13.2
15.8
19.6
26.9
30.8
県平均
10.2
13.4
15.6
15.9
20.5
21.7
22.3
27.3
28.5
(注)環境省資料
(2) 産業廃棄物
当地域における産業廃棄物の排出量等について、実態調査を行った平成8年度、平成
12年度及び平成15年度における処理実績等の状況は、表2−9−2のとおりである。
平 成 12年 度 に お け る 産 業 廃 棄 物 の 発 生 量 は 、 平 成 8 年 度 に 比 べ て 1.1% の 増 加 と な っ て
いるが、平成15年度では、平成12年度に比べて14%の減少となっている。
表2−9−2
年
度
産業廃棄物の処理状況
(単位:千t)
発生量
中間処理量
処理残渣量
再生利用量
最終処分量
平成8年度
3,400
2,691
1,050
1,106
650
平成12年度
3,437
2,363
528
1,114
479
平成15年度
2,975
2,283
1,008
1,375
304
(注)平成8 年度、 平成12年度 及び 平成15年度山口県産業廃棄物実態調査報告書
3
今後の施策
(1) 施策の基本的方向
- 89 -
環境への負荷の少ない循環型社会の形成に向けた取組を一層推進し、次の世代により
よい環境を残していくために、廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進する
ための基盤となる制度として「山口県循環型社会形成推進条例」を平成16年3月制定し
た。
この条例の基本原則では、循環型社会の形成に向けて、すべての者の行動が自主的に
行われ、適切な役割分担と適正かつ公正な費用の負担の下に、可能な限り廃棄物の減量
化・リサイクルを行い、最後にどうしても排出される廃棄物を最少にとどめ、適正に処
分することとしている。
現在、具体的な施策を展開していくための基本となる「循環型社会形成推進基本計
画」の策定に着手しており、この計画をもとに、県民、事業者、市町村等との協働の下、
循環型社会の形成に向けた取組を推進していくこととしている。
(2) 関連諸計画の概要
ア
山口県廃棄物処理計画
廃棄物処理法第5条の3の規定により、本県における廃棄物の排出抑制、再使用、再
利用及び適正処理に関する施策を推進する指針として、平成14年3月に策定した計画で
あり、本計画の期間は平成13年∼17年度としている。
イ
山口県廃棄物減量化等推進計画
県民・事業者・行政が一体となって、県の実情にあったごみの減量化、リサイクルに
係る課題と目標を明確にし、その基本方針と具体的な行動計画を定めたものであり、平
成5年3月に策定したものを平成10年3月に全面改定しており、現行計画は、平成10年
度∼平成19年度を計画期間としている。
ウ
山口県ごみ処理広域化計画
ごみ焼却施設から排出されれるダイオキシン類の削減対策、焼却灰の高度処理対策、
リサイクルを推進するため、県内市町村が連携、協力し、広域的なごみ処理体制を確立
するための指針として平成11年3月に策定し平成14年3月及び16年3月の一部改正を行
っており、平成11年度∼平成20年度を計画期間としている。
エ
山口県分別収集促進計画
容器包装リサイクル法に基づき、県内市町村が地域の実態に応じ策定した分別収集計
画を集約し、策定した計画であり、現行計画は第5期計画である。
オ
一般廃棄物処理計画におけるごみ処理基本計画
廃棄物処理法第6条の規定により、各市がその区域内の一般廃棄物を管理し、適正な
処理を確保するための基本となる計画である。
カ
循環型社会形成推進基本計画
山口県循環型社会形成推進条例第8条の規定に基づき策定するとともに、廃棄物処理
法第5条の5の規定に基づく都道府県廃棄物処理計画として位置づけ策定した計画であ
る 。 ま た 策 定 済 み の 「 山 口 県 廃 棄 物 減 量 化 等 推 進 計 画 」、「 山 口 ゼ ロ エ ミ ッ シ ョ ン プ ラ
ン」等を見直し、本計画に反映・整理・統合して一本化した計画であり、平成18年度∼
平成22年度を計画期間としている。
- 90 -
(3) 廃棄物の発生抑制
ア
一般廃棄物
廃棄物は、製造、流通、消費のすべての段階で発生し、これらの各段階において、廃
棄物の発生抑制に努める必要があることから、山口県廃棄物処理計画等に基づき、県民、
事業者、行政がそれぞれの役割を明らかにしつつ、これらが一体となって取組を推進す
ることとし、住民への啓発等を実施しごみの発生・排出抑制を図る。
また、従量制による処理手数料の徴収等の経済的措置の活用を検討していく。なお、
市が設置する一般廃棄物処理施設について、表2−9−3に掲げる事業等を計画的に整
備する。
表 2−9−3
区
分
汚泥再生処理センター
一般廃棄物処理施設整備計画
年 度
処理能力
新 増 設
平成17年度
358 kç/日
平成22年度
476 kç/日
新増設施設等
事業主体
計画内容
の内訳
下 関 市
198 kç/日
廃
198 kç/日
止
80 kç/日
着工年度
竣工年度
平成17年度 平成18年度
(注)県廃棄物・リサイクル対策課、下関市調べ
イ
産業廃棄物
物の製造、加工、販売等に際して、使用原材料、生産工程等の見直し等により、事業
者における産業廃棄物の発生抑制の取組を推進する。
(4) 減量化・リサイクルの推進
ア
一般廃棄物
山口県廃棄物処理計画等の関連計画、容器包装リサイクル法等に基づき、次の対策に
取り組むことにより、廃棄物循環型社会の構築に努める。
(ア) 使用済み製品の再使用の推進
不用品交換制度が活発になるように事業者や県民を交えた情報ネットワークづくりに
努め、フリーマーケット等を活用し使用済み製品の再使用等を推進する。
(イ) 循環資源の回収・再利用の推進
当地域においては、各市分別収集計画に基づき、行政と市民とが適切な役割のもとに
分別収集を実施することにより、事業者に分別基準適合物を引き渡し、ごみの減量化、
リサイクルを推進する。また、家庭などから排出される資源ごみを自主的に回収する団
体に対し、引き続き奨励金を交付する資源回収推進事業等の実施を促進する。
イ
産業廃棄物
産業廃棄物の最終処分場の確保が極めて困難となってきており、事業者自身による排
出段階での排出抑制及び減量化・再生利用を促進する。また、廃棄物交換制度による事
業者間での需要供給情報を活用し、減量化・再生利用を促進する。
- 91 -
(5) 廃棄物の適正な処理の推進
ア
一般廃棄物
一般廃棄物の循環資源の回収・再利用の推進と適正処理を行うために、既存の処理施
設を活用していく。
イ
産業廃棄物
廃棄物処理法及び山口県廃棄物処理計画に基づき、事業者等による産業廃棄物の適正
処理を確保するため、次の施策を推進する。
(ア) 計画的処理の推進
産業廃棄物の排出量及び処理の現状を的確に把握するとともに、多量の産業廃棄物を
排出する事業者に対しては、産業廃棄物の減量その他の処理計画の策定を指示し、長期
的視点にたった産業廃棄物の計画的処理の推進に努める。
(イ) 適正処理の確保
事業者及び処理業者等に対する監視指導に対する監視指導の徹底を図るとともに、マ
ニフェスト等の普及促進を図り、産業廃棄物の不適正処理の未然防止に努める。また、
産業廃棄物の処理に関する講習会、研修会等実施し、産業廃棄物の適正処理の指導徹底
を図る。
(ウ) 融資制度の活用
中小企業者等による産業廃棄物処理施設の整備を促進するため、融資制度の活用を促
進するとともに、必要に応じその拡充強化を図る。また、その他の公的資金の活用に必
要な指導、斡旋を行う。
(エ) 広域最終処分場の整備促進
事業者処理の原則を踏まえつつ、表2−9−4のとおり公共関与による広域最終処分
場の整備促進に努める。
表2−9−4
広域最終処分場整備計画
事 業 主 体 名
(財)山口県環境保全事業団
(平成19年4月1日設立)
港
名
宇 部 港
地
区
東見初地区
処分容量
事 業 年 度
73 万m3
平成11年度∼
(供用開始:平成20年11月∼)
(注)県廃棄物・リサイクル対策課調べ
(オ) 不法投棄等防止対策
産業廃棄物監視パトロール班を宇部健康福祉センターに設置しており、これにより不
法投棄の巡回パトロール等を実施し、不法投棄の防止及び意識の啓発を図る。また、平
成12年6月から新たに発足させた不法投棄ホットライン事業を活用し、廃棄物の不適正
処理に関する情報収集と迅速な処理対応を図る。
ウ
廃棄物埋立護岸の整備
当地域の宇部港及び下関港において、航路及び泊地の整備に伴って発生する大量の
- 92 -
しゅんせつ土砂の処分及び廃棄物の適正処理を図るため、表2−9−5のとおり廃棄物
埋立護岸の整備を行う。
表2−9−5
事業主体名
山 口 県
下 関 市
廃棄物埋立護岸整備計画
港
名
宇 部 港
下 関 港
地
区
東見初
新
港
面
積
56 ha
32 ha
受 入 量
事業年度
494 万m
3
平成3年度∼
52 万m
3
平成11年度∼
(注)県港湾課、下関市調べ
エ
海洋性廃棄物
下関港、宇部港及び小野田港の港湾区域内等における海洋性廃棄物に対処して浮遊物
の回収や清掃を行っており、今後とも、浮遊物の回収や清掃を行う。
なお、廃船については、関係行政機関が連携し、船舶所有者による廃船の処理を指導
し、廃船の適正処理の推進に努める。
オ
ごみの散乱防止の推進
ごみの散乱防止のため、散在する空き缶等を回収活動を推進し、空き缶の再生利用を
を推進するとともに環境美化意識の高揚等を図る。
- 93 -
第10節
1
土地利用対策
対策の基本的方向
当地域は、本県の瀬戸内海沿岸の南西部に位置し、化学、窯業、石油及び火力発電所
等を中心とした臨海型工業の集積が高く、また、山陽新幹線鉄道、山陽自動車道などの
交通体系を背景とした新たな開発等により、今後の新たな発展が予想されている。
公害を防止し、良好な生活環境を保全するためには、発生源対策と併せて適切な土地
利用対策を講じることにより、公害の未然防止を図ることが重要になっている。
このため、国土利用計画法に基づく「国土利用計画(全国計画及び山口県計画)」及
び「山口県土地利用基本計画」を基本とし、各種の土地利用関連法令等の的確な運用に
より、適正かつ合理的な土地利用を図るとともに、都市施設の整備を推進することによ
り、公害の防止、生活環境の保全に配慮しつつ、市街地中心部においては、土地利用及
び都市機能の高度化と環境の整備を図る。また、市街地の無秩序な拡大を防止し、機能
的な都市の形成、快適な都市生活の実現のため、合理的な土地利用計画を立て、開発行
為、建築行為を計画的に誘導し、当地域の実情に応じた良好な都市の形成を図る。
2
関連諸計画の概要
(1) 国土利用計画(全国計画)
国土利用計画法(昭和49年法律第92号)第5条の規定により昭和51年5月に閣議決定
された計画であり、国土の均衡ある発展と総合的かつ計画的な国土利用のための長期計
画である。現行計画は平成29年を目標年次として、平成20年に策定された第四次計画で
ある。
(2) 国土利用計画(山口県計画)
国土利用計画法第7条の規定により、山口県が定めた計画であり、全国計画を基本と
し、計画的な県土利用を図るための基本指針となるものである。現行計画は平成22年を
目標年次として、平成10年に策定された第三次計画である。
また、市町村計画は、国土利用計画法第8条の規定により、市町村が定めた計画であ
り、山口県計画を基本とし、市町村基本構想に即しつつ、当該市町村区域における国土
の利用に関し必要な事項を定めている。
(3) 山口県土地利用基本計画
国土利用計画法第9条の規定により、山口県が定めた計画であり、国土利用計画(全
国計画及び山口県計画)を基本とし、山口県の区域における都市地域、農業地域、森林
地域、自然公園地域、自然保全地域を定めているほか、土地利用の調整等に関する事項
について定めている。当該計画は、当初計画を昭和50年度に策定し、昭和58年度に見直
し、必要な変更を随時行っている。
(4) 下関都市計画
本章第1節1(2)ウ(ア)
参照
(5) 宇部都市計画
- 94 -
本章第1節1(2)ウ(イ)
参照
(6) 山陽都市計画
本章第1節1(2)ウ(ウ)
参照
(7) 豊浦都市計画
本章第1節1(2)ウ(エ)
参照
(8) 下関港港湾計画
港湾法(昭和25年法律第2 1 8号)第3条の3の規定により、特定重要港湾下関港の港
湾管理者(下関市長)が定めた計画で、港湾の開発、利用及び保全の方針、港湾の能力、
港湾施設の規模及び配置、港湾環境の整備及び保全、土地造成及び土地利用計画等を定
めており、現行計画は、平成11年に改訂されたものである。
(9) 宇部港港湾計画
港湾法第3条の3の規定により、重要港湾宇部港の港湾管理者(山口県知事)が定め
た計画で、港湾の開発、利用及び保全の方針、港湾の能力、港湾施設の規模及び配置、
港湾環境の整備及び保全、土地造成及び土地利用計画等を定めており、現行計画は、平
成14年に改訂されたものである。
3
土地利用計画の適切な運用
(1) 国土利用計画、土地利用基本計画
当地域の土地利用に当たっては、地域の持つ特性を十分考慮し、国土利用計画法に基
づく「国土利用計画(全国計画及び山口県計画)」及び「山口県土地利用基本計画」を
基本とし各種の土地利用関連法令等の的確な運用により、適正かつ合理的な土地利用の
推進に努め、公害の防止及び自然環境の保全を図る。
(2) 都市計画
現行法制度においては、市街化区域・市街化調整区域、用途地域、特別用途地区、特
定用途制限地域、防火地域・準防火地域、風致地区、その他の地域地区等の制度があり、
これらの制度の活用により都市の発展動向に応じた土地利用計画の確立、実現を図る必
要がある。
都市計画の運用に当たっては、市街化区域及び市街化調整区域において、環境保全の
観点から次のとおり配慮する。
ア 市街化区域
(ア) 住居系地域
公害の防止を図り、緑と空間のある安全かつ快適な住環境に資するため、都市施設
の整備を図る。住居系地域の拡大については、特に幹線道路や新幹線等の騒音対策に
配慮し、緑豊かで安全かつ快適な住環境の形成に努める。
(イ) 商業系地域
効率的な土地利用と商業の集積を図るとともに、都市基盤の整備を進める。
(ウ) 工業系地域
発生源対策に万全を期するとともに、工場緑化等により、周辺環境の改善に努める。
- 95 -
工業系地域の拡大については、発生騒音対策等、隣接する地域への影響を考慮して設
定するよう努める。
イ 市街化調整区域
開発許可制度の運用に当たっては、自然環境の保全及び農林業との調和保全に十分配
慮した土地利用とする。また、市街地周辺の農用地は極力開発を抑制し、集団農用地と
することが相当な地域については、地域の特性に即した農業基盤の整備に努める。
4
土地利用対策の推進
(1) 交通施設周辺土地利用
公害の防止を図るため、騒音等の著しい交通施設等の周辺において、緑地帯の設置や
適正な土地利用の誘導を図る。
また、用途地域の指定に沿って、騒音等の影響を考慮し沿道の適正な土地利用の誘導
を図る。
(2) 開発行為の事前指導等
周辺の環境に影響を及ぼす可能性のある開発行為については適正な指導を行う。特に、
環境に著しい影響を及ぼすおそれがある事業等については、「環境影響評価法」及び平
成10年12月に制定した「山口県環境影響評価条例」に基づき環境影響評価を適切に実施
する。
(3) 住工分離対策
産業活動の生活環境への影響を軽減するため、生産、輸送等の都市活動が行われる場
と住居とを分離すること等により、都市活動による環境への影響が軽減される都市構造
を形成する。
環境保全を図るため、住居系、商業系、工業系等の用途区分に応じた適正な土地利用
の誘導等を推進する。
(4) 緑化の推進
緑地空間及び水辺空間の積極的な保全と創出、美しく良好な街並景観の形成等により、
ゆとりある快適な環境をつくる。
(5) 都市再開発
都市施設の整備を推進しつつ、市街地中心部においては再開発等により土地利用及び
都市機能の高度化と環境の整備を図る。
(6) 土地利用に当たっての配慮事項
やまぐち環境創造プラン及び山口環境プラン地域編等に示した地域環境特性及び環境
利用配慮事項等にも配慮しつつ、オープンスペースの確保、自然条件や防災施設の整備
状況を考慮した土地利用への誘導等により、環境汚染の未然防止及び災害に対する安全
性を高めるとともに、緑地及び水辺空間の確保等による快適な環境の形成を図る。
- 96 -
第11節
1
監視・観測体制の整備及び調査研究等の充実
監視・観測体制の整備
(1) 発生源の監視
ア
大気汚染
固定発生源である工場・事業場については、大気汚染防止法及び山口県公害防止条例
に基づく排出基準の遵守を徹底するため、立入検査を行う等により、監視・指導を実施
しているが、今後も測定機器の整備・技術の向上等による効果的な監視・指導体制の整
備を図る。
移動発生源である自動車については、関係機関の協力のもとに随時街頭検査を実施し、
整備不良車両等の監視を行う。
イ
水質汚濁
水質汚濁防止法及び同法第3条第3項に基づく上乗せ条例並びに山口県公害防止条例
の適用を受ける工場・事業場に対して適正な監視計画に基づき立入検査を実施し、排水
基準の遵守、地下浸透の禁止、自主測定の励行、排水処理施設の適正管理等の指導の徹
底を図るとともに、COD、窒素及びりんに係る総量規制対象工場に対し、総量規制基
準の遵守及び自主測定状況等の監視、指導を徹底する。
ウ
騒音・振動
騒音規制法、振動規制法及び山口県公害防止条例に基づく特定施設を設置する工場・
事業場に対し引き続き監視、指導の徹底を図るとともに、市に対する測定に関する技術
援助、職員の研修等を行い監視体制の充実を図る。
エ
悪臭
悪臭防止法及び山口県公害防止条例に基づく事業場等に対して引き続き監視、指導の
徹底を図るとともに、市に対する測定に関する技術援助、職員の研修等を行い、監視体
制の充実を図る。
(2) 環境の監視
ア
大気汚染
当地域においては、一般環境大気測定局11局において大気汚染の常時監視を行ってお
り、これらの測定データは、電話回線により県の中央監視局に毎時電送するシステムを
整備している。
また、山口県宇部健康福祉センター、下関市、宇部市及び主要工場に受令局を設置し、
中央監視局と有線で結び、高濃度汚染による警報等の発令の伝達を行い、ばい煙の減少
措置の協力要請等を行う体制をとっている。
今後とも、測定機器等の計画的な更新を図り、常に正確な測定データの収集を行い大
気汚染の状況把握に努める。
イ
水質汚濁
公共用水域の水質の汚濁状況の監視については、毎年度、水質汚濁防止法第16条第1
- 97 -
項に規定する水質測定計画を定めて、計画的に実施しており、平成16年度においては、
河川23、湖沼5及び海域17環境基準点で測定を実施しており、今後も継続して実施する。
また、地下水についても、毎年度、水質測定計画を定めて計画的に実施しており、今
後とも地下水汚染の状況把握のための概況調査及び地下水汚染地区等における定期モニ
タリング調査を継続して実施する。
ウ
騒音・振動
一般環境騒音については、環境基準の達成状況等の把握を行うため随時必要に応じて
測定を行う。
自動車交通騒音については、「騒音規制法第18条に基づく自動車騒音の状況に係る常
時監視の事務の処理基準について」(環管自発第0 5 0 6 2 9 0 0 2号)に基づいて適切な実施
計画を策定し、監視の対象となる道路に係る環境基準の達成状況の把握を着実に行う。
また、新幹線鉄道騒音、航空機騒音についても、県・市の連携・協力の下に環境基準の
達成状況等の把握をするとともに、道路交通振動及び新幹線鉄道振動については、実態
の把握を行うため、適切な地点を選定し、定期的に測定する。
なお、騒音・振動に係る測定は主として市において行ってきたが、自動車交通騒音に
ついては、平成12年度からは騒音規制法の一部改正に伴う自動車騒音の常時監視として、
平成12、13年度は県を主体に騒音測定を実施した。しかし、自動車騒音常時監視は、騒
音測定を行うことが目的ではなく、自動車騒音の状況及び対策の効果等を把握し、自動
車騒音公害防止の基礎資料となるよう、地域全体を通じて継続的に環境基準達成状況を
把握することが必要不可欠であること、また平成14年度以降は、計画地域内の下関市が
特例市となり、県のほかに下関市も自動車騒音常時監視を実施する必要があることから、
県及び下関市は、「騒音規制法第18条に基づく自動車騒音の状況に係る常時監視の事務
の処理基準について」(環管自発第050629002号)に基づいて適切な実施計画を策定し、
監視の対象となる道路に係る環境基準の達成状況の把握を、監視の対象となる道路の総
延長582.8kmについて、176.8km以上の評価を、5年間隔のローテーションで着実に行う。
エ
悪臭
悪臭調査については、発生源の監視を兼ねて随時測定を実施する。
オ
土壌汚染
農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、農用地土壌の汚染の状況を常時監
視する。また、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、土壌のダイオキシン類による
汚染の状況を常時監視する。
2
調査研究の充実
今日の複雑化した環境問題の解決のためには、調査研究による科学的知見の集積、関
連技術の開発・普及・環境の監視・測定の充実は極めて重要である。
このため、環境保健センター、産業技術センター等の県の試験研究機関について、そ
の機能の充実を図り、調査研究や関連情報の収集・分析の推進に努めるとともに、県内
外の大学・研究機関との連携・交流のもと、産学公協働による調査研究の実施や関連技
術の開発・普及にも取り組むこととしている。
- 98 -
また、大気、水質等の環境監視体制の充実を図り、環境白書等の自動車騒音に係る常
時監視結果等の公表等の情報提供及び環境保全施策への活用を進めることとしている。
第12節
1
環境影響評価等
施策の基本的方向
環境に著しい影響を及ぼすおそれのある開発事業等については、「環境影響評価法」
及び「山口県環境影響評価条例」に基づき、事業者が、事業による環境への影響につい
て調査や予測・評価等を行い、環境の保全に適切な措置を講じることとされている。
このため、山口県では現行の事業実施段階における環境アセスメントを適正に実施す
るとともに、事業に先立つ計画や施策策定の段階における環境アセスメント(戦略的環
境アセスメント)について調査研究を行うなど、環境アセスメント制度の充実を図る。
また、法や条例の対象規模に満たない事業のうち、県の公共事業においては、「環境
事前チェック制度」により環境に配慮した事業を実施しており、引き続き、本制度の徹
底、充実に努める。
さらに、地理情報システム(GIS)を活用した環境情報や、事業実施等に当たって
の生態系の維持・回復、ミティゲーションの導入、野生生物の生息・生育空間の確保な
ど、環境に配慮した取組を進めることとしている。
2
環境影響評価等の実施
本計画期間中に実施される事業のうち、環境影響評価法又は山口県環境影響評価条例
等の対象となっている事業は、表2−12−1のとおりである。
表2−12−1
環境影響評価等の実施状況
(平成19年度末現在)
開 発 事 業 の
事業の種類
事 業 の 名 称
事業主体
場 所
内 容 ・ 規 模
公有水面埋立
宇部港港湾整備
(東見初地区)
山口県
火力発電所
シグマパワー山口宇部 民間
発電所
環境影響
評価等の
実施状況
着 工 竣 工 法・条例
(予定) (予定) 等の区分
年 度 年 度
宇部市
埋立面積 80ha
評価書
(H7年9月)
H7
H17
国要綱
宇部市
石炭火力発電所
(出力 100万kw)
方法書
終了
H20
H23
環境影響
評価法
(注)県環境政策課調べ
- 99 -
第13節
1
環境保健対策・公害紛争処理・不法投棄等不適正処理対策
健康被害の予防
地域住民の健康を確保するため、今後とも住民の健康保持及び良好な環境確保に必要
な調査、研究等を行っていく。
2
公害紛争処理等
公害の中には、公害苦情では収まらず、苦情申立人が発生源に対して損害の賠償を求
めて争うというような公害紛争に発展するケースもみられる。
このような公害紛争を、一般的な訴訟手続きよりも簡便に、かつ、迅速適正に解決す
るために、県は公害審査会を設置し、当事者から申請があった場合に、あっ旋、調停及
び仲裁を行うこととしている。
また、行政機関における公害苦情の受理及び処理を適切に実施する。
3
不法投棄等不適正処理対策
(1) 監視指導体制
ア
産業廃棄物監視パトロール班の設置
不法投棄等不適正処理の早期発見、未然防止等を図るため、県下に3班の「山口県産
業廃棄物監視パトロール班」(各班警察官OB1名配置)を設置している。
宇部地区では、宇部健康福祉センターに拠点をおき、計画的にパトロール、立入検査
を実施する。
イ
県警との連携
警察本部から警察官1名の派遣を受け、警察機関と連携した対応を行う。
ウ
山口県産業廃棄物不法処理防止連絡協議会
下関市、警察本部、海上保安部、環境省、(社)山口県産業廃棄物協会と緊密に連携し、
情報交換等を図りながら、一層の産業廃棄物の不適正処理防止対策に努める。
エ
不法投棄等連絡協議会
各健康福祉センターに、住民、市町、業界団体、警察等からなる協議会を設置し、不
法投棄や不適正処理の情報交換や地域に即した対策、啓発等の取組を実施する。
オ
スカイパトロール
ヘリコプターによるパトロールを実施し、山間部等における不適正処理の監視を行う。
カ
夜間不法投棄パトロールの実施
不法投棄等の未然防止や早期発見、早期対応のため、夜間や土日休日におけるパトロ
ールを警備会社に委託し実施する。
キ
市町職員の県職員への併任
産業廃棄物に係る事務について、市町職員を県職員に併任し、産業廃棄物に係る立入
検査を実施できるようにし、現場確認や保全等の初期対応を可能にするなど、市町と連
携した監視体制の確立を図る。
- 100 -
ク
産業廃棄物適正処理推進対策
毎年9∼10月を「産業廃棄物適正処理推進期間」と定め、期間中に最終処分場の一斉
監視や野外焼却防止等の集中監視を実施し、関係事業者に対して強力な指導を行う。
(2) 不適正処理情報収集体制の整備
ア
フリーダイヤル「不法投棄ホットライン」の設置
各健康福祉センターが土日を含め24時間体制で、フリーダイヤルやEメールにより、
地域住民から不法投棄等不適正処理に関する情報を受け付け、地域に即した細かい対応
を行う。
また、県民等へ、新聞広告等により通報システムの周知や不法投棄等不適正処理防止
の啓発を図る。
イ
不法投棄監視連絡員の設置
各健康福祉センターが不法投棄等監視連絡員を委嘱し、不適正処理情報の通報を受け
るとともに、不法投棄等連絡協議会の場で情報交換等を行う。
ウ
郵便局との協力協定
県内郵便局と県とが協力協定を締結し、郵便局員が配達等通常業務の中で不法投棄等
を発見した場合に、関係市町や健康福祉センターに通報することにより、不適正処理の
早期発見、早期対応を行う。
(3) 産業廃棄物処理情報提供システムの運用
産業廃棄物処理業者の最新の許可情報(廃棄物の種類、処理方法等)を「県庁ホーム
ページ」で常時公開し、排出事業者等の活用により適正処理の推進を図る。
- 101 -
第3章
第1節
1
自然環境及び地球環境の保全
自然環境の保全
基本的な方向
当地域は、山口県の南西部に位置し、県内では最も人口が多く、古くから都市化、工
業化の進んだ地域である。海岸部は、周防灘西部から関門海峡を経て響灘に面し、変化
に富んでおり、その一部は瀬戸内海国立公園に指定されており、また、陸域部は、山地、
丘陵地が多く、市街地や業務地が沿岸部や河川の流域に分散しており、その周辺部には
自然の多く残っている山間地から構成され、動物の良好な生息環境を有するなど、自然
と地域活動のバランスのとれた地域となっている。
こうした現在の自然環境を保全することは、公害防止施策として重要であるほか、住
民の健康で文化的な生活を確保する上からも極めて重要である。また、健全な大気環境、
水環境、土壌環境等の保全施策等の公害防止施策の実施は、地域における多様な生態系
の健全性を維持・回復するとともに、日常生活、事業活動等の様々な場面で自然と人間
との豊かなふれあいを保ち、自然と人間との共生の確保にも有益なものである。このた
め、当地域の自然的社会的特性を踏まえつつ、以下のような基本的な方向に沿って自然
環境の保全施策を実施する。
2
施策の総合的かつ計画的な実施
地域の自然的社会的特性を踏まえつつ、自然環境の保全に関する諸法令等の適切な運
用を図り、自然公園等の保全と適正な利用、野生生物の保護管理、森林、農地、水辺地
等における自然環境の維持・形成、保健休養機能の促進、都市地域における自然的環境
の確保等の措置を講じるなど、自然とのふれあいを求める地域住民のニーズに応えつつ、
自然環境の保全を図る。
また、各種開発行為による自然環境への影響を未然に防止するため、環境影響評価法
等に基づき環境影響評価を適切に実施し、必要に応じ環境保全対策を講じるなど、自然
環境の保全に努める。
(1)
ア
すぐれた自然の保全
自然公園
当地域の自然公園は、表3−1−1及び図3−1−1のとおり、多島海、白砂青松等
のすぐれた島しょ部を核とする瀬戸内海国立公園があり、なかでも景勝地火の山と満珠、
干珠島は特別地域に指定されており、適正な保護及び利用を図っている。
今後とも、自然公園法に基づき適正な保護を図るとともに、野営場、遊歩道、その他
の公園利用施設を計画的に整備し、公園の利用の増進を図る。
- 102 -
表3−1−1
自然公園の指定状況
(平成19年度末現在)
面
公 園 名
特別保護地区
積 (ha)
特 別 地 域
瀬戸内海国立公園
−
42
北長門海岸国定公園
−
1,240
豊田県立自然公園
−
1,485
普 通 地 域
計
−
指 定 年 月 日
42
昭和31年5月1日
63
1,303
昭和30年11月1日
2,182
3,667
昭和37年3月1日
(注)県自然保護課調べ
イ
緑地環境保全地域等
当地域内のすぐれた生態系を維持している森林、学術的価値の高い自然物、特異な自
然環境を形成している土地等については、表3−1−2及び図3−1−1のとおり山口
県自然環境保全条例に基づき、緑地環境保全地域等に指定し、適正な保全を図っている。
これらの指定地区については、今後とも、適切な規制及び誘導により、その保全に努
める。なお、当地域には自然環境保全地域の指定はない。
表3−1−2
緑地環境保全地域等の指定状況
地 域 区 分
名
称
指定年月日
面積(ha)
関係市名
昭和48年3月13日
797.0
宇 部 市
赤間神宮紅石山樹林 昭和62年3月27日
3.6
下 関 市
龍王神社樹林
0.2
下 関 市
緑地環境保全地域 霜降山
自 然 記 念 物
(平成16年度末現在)
平成3年3月29日
(注)県自然保護課調べ
ウ
鳥獣保護区
当地域においては、鳥獣の保護繁殖を図るために必要な地域として表3−1−3及び
図3−1−2のとおり鳥獣保護区を設定している。今後とも存続期間満了のものは必要
に応じ更新し、野生鳥獣の保護、繁殖を図っていくものとする。
エ
特定植物群落
当地域には、表3−1−4のとおり環境省が自然環境保全基礎調査で選定した「特定
植物群落」がある。専門家の指導助言を踏まえ、それらの保全が図られるよう配慮に努
める。
オ
日本の重要湿地500
当地域には、表3−1−5のとおり生物の生息地として規模の大きな湿地や希少種が
生息する湿地等、環境省が「日本の重要湿地500」として選定した湿地がある。専門
家の指導助言を踏まえ、それらの保全が図られるよう配慮に努める。
- 103 -
表3−1−3
名
称
鳥獣保護区の設定状況(平成16年11月1日現在)
設 定 区 分
常盤
身近な鳥獣生息地
豊田湖
森林鳥獣生息地
火の山、霊鷲山
身近な鳥獣生息地
岐波
森林鳥獣生息地
壁島
集団渡来地
霜降山
森林鳥獣生息地
深坂
森林鳥獣生息地
歌野
森林鳥獣生息地
長谷
森林鳥獣生息地
角島
集団渡来地
清末、小月
身近な鳥獣生息地
東行庵
身近な鳥獣生息地
狗留孫山
身近な鳥獣生息地
高野
森林鳥獣生息地
土井ヶ浜
森林鳥獣生息地
江良
身近な鳥獣生息地
荒滝
森林鳥獣生息地
東万倉、丸山ダム 森林鳥獣生息地
小野
集団渡来地
(注)県自然保護課調べ
表3−1−4
所
在
地
宇部市常盤公園
下関市豊田町地吉・河内
下関市前田町火の山
宇部市東岐波区
下関市豊北町壁島
宇部市厚東区霜降山
下関市深坂
下関市菊川町上岡枝
下関市菊川町久野
下関市豊北町角島
下関市小月・清末
下関市大字吉田
下関市豊田町大字杢路子
下関市豊浦町高野・大門
下関市豊北町神田上・土井ヶ浜
下関市豊浦町江良
宇部市東吉部
宇部市大字木田・瓜生野、東万倉、芦河内
宇部市大字小野
面
積 (ha)
鳥獣保護区 特別保護地区
947
138
864
11
900
37
812
300
2
757
70
315
47
1,181
300
700
30
180
7
53
6
200
77
930
1,150
145
29
680
1,601
569
59
特定植物群落の選定状況(平成19年度末現在)
名
称
熊野神社のツルマンリョウ自生地
吉部大岩郷の植生
黒石八幡宮社叢
白滝山のツゲ群落
干珠樹林
満珠樹林
角島のハマオモト群落
七神社社叢
客大明神社叢
狗留孫山のアカガシ群落
乞月山樹林
蓋井島のヒゼンマユミ群落
住吉神社社叢
赤間宮社叢
天井ヶ岳のモミ林
吉母黒島樹林
狗留孫山スギ林
安徳天皇御陵墓樹叢
神上寺樹林
中山渓渓谷林
住吉神社社叢
吉見竜王神社社叢
若宮神社社叢
華山のアセビ林
一位ヶ岳のベニドウダン群落
天井ヶ岳のアオモジ群落
アオネカズラ群生地
阿川八幡宮イヌマキ巨樹群
小串エヒメアヤメ自生南限地帯
所
在
地
宇部市二俣瀬上山中
宇部市西吉部吉部市
宇部市厚南区黒石
下関市豊北町白滝山上部
下関市長府
下関市長府
下関市豊北町角島夢ヶ崎
下関市豊北町肥中
下関市豊北町大川
下関市豊田町
下関市蓋井島
下関市蓋井島
下関市楠乃
下関市園田
下関市豊田町
下関市吉母
下関市豊田町大字李路子
下関市豊田町大字地吉
下関市豊田町江良
下関市菊川町東中山
下関市豊北町根崎
下関市尾袋
下関市吉母
下関市豊田町
下関市豊田町
下関市豊田町
下関市豊田町江良
下関市豊北町阿川
下関市豊浦町
(注)県自然保護課調べ
- 104 -
面積(ha)
0.5
15.0
1.0
20.0
41.5
7.4
0.1
1.0
0.5
30.0
3.0
1.0
0.7
1.0
50.0
1.0
2.0
0.5
0.5
25.0
0.8
1.0
0.3
6.0
3.0
0.2
0.1
0.5
26.0
図3−1−1
自然公園等の位置図(平成19年度末現在)
- 105 -
図3−1−2
鳥獣保護区の位置図(平成16年11月1日現在)
- 106 -
表3−1−5
名
称
厚東川の河口
日本の重要湿地500選定状況(平成16年度末現在)
所在地
湿地タイプ
宇部市
藤曲地先
河口干潟、
塩性湿地
生物群
選
定
理
由
昆虫類
ベッコウトンボ、ヒヌマイトトンボ、イ
トアメンボなどの絶滅危惧種を含めた水
生・半水生昆虫が豊富にみられる。
底生動物
全国的に見て希少とされる種が豊富に生
息する。
厚狭川下流
農業用水系
宇部市
船木
水路
淡水貝類
ヒメマルマメタニシ・クルマヒラマキガ
イの生息地。
油谷湾
下関市
豊北町
藻場
海草、
海藻
アラメとホンダワラ属の群落が発達。水
深5m以深にカジメ群落が発達。
底生動物
日本海側にある広大な砂質干潟。ウミニ
ナ、イボウミニナ、ヒラドカワザンショ
ウなど希少種も生息。
(注)県自然保護課調べ
(2)
ア
森林、農地、水辺等における自然環境の維持・形成
森林の保全
森林は、自然環境の保全及び水資源かん養機能や国土保全機能等のいわゆる公益的機
能を有しており、この森林の公益的機能を十分に発揮させるためには、保安林制度、林
地開発許可制度及び森林計画制度を通じ、森林の適正な保全に努める必要がある。
当地域の森林面積は、平成17年度において62,771haで、地域面積の62.5%を占めてい
る。このうち特に重要なものは、保安林に指定しており、平成16年度末現在の指定面積
は表3−1−6のとおり10,789haで、森林の諸機能の保全のために開発等の行為が規制
されている。
今後も復旧治山事業、保安林改良事業等の治山事業の実施を検討するとともに、制限
林以外の森林についても、木材生産機能のほか、森林のもつ多面的な公益的機能を高度
に発揮しうるよう、保育、間伐等の積極的な推進により、健全な森林の維持・造成に努
める。
イ
農地
当地域の農地面積は、10,700haで、地域面積の10.7%を占めており、農地は、食料を
生産するだけでなく、その利用、管理を通じて国土の保全及び自然環境の保全又は緑豊
かなやすらぎとうるおいのある空間の提供など、地域にとって公益的機能を有するとと
もに、自然と都市の中間に位置する緩衝地帯としての役割も担っている。
このため、農業の有する自然循環機能等を生かし、自然環境の保全及び環境への負荷
の軽減に配慮した環境保全型農業を促進することにより、農地の有する環境保全機能の
維持を図り、農業の持続的発展が可能となるよう、農山村の生活環境整備等の総合的な
対策を通じた、農地の有効利用に努める。
- 107 -
表3−1−6
種
保安林の現況
(平成19年度末現在)
類
現 況 (ha)
水源かん養保安林
5,468
土砂流出防備保安林
4,550 (102)
土砂崩壊防備保安林
10
飛砂防備保安林
10
防風保安林
14
潮害防備保安林
3
干害防備保安林
157 (228)
防火保安林
( 2 )
魚つき保安林
146 ( 1 )
航行目標保安林
1
保健保安林
394 (426)
風致保安林
36
計
10,789 (759)
(注) ( )内は、兼種保安林で外数である。
県森林整備課調べ
ウ
水辺環境の保全等
海岸の自然環境の保全を図るとともに、海岸利用の多様化に対処しながら海岸整備に
努める。
また、当地域内において自然の状態が保たれ、海水浴、潮干狩り等に利用されている
海岸については、自然海岸の保全とその適正な利用を図るため、表3−1−7及び図3
−1−1のとおり山口県自然海浜保全地区条例により自然海浜保全地区に指定しており、
今後とも必要に応じて、山口県自然海浜保全地区条例に基づき自然海浜保全地区の指定
を行い保全に努める。
そのほか、湿地や干潟、藻場等の水辺地等の自然が有する浄化機能や緩衝機能の保全
に努めるとともに、水辺の生き物と親しむことなどができる親水性を増進するため、周
辺の植生等の自然環境や景観との調和に配慮しつつ、河川、海岸、湖沼、港湾等の水辺
地の特性に応じ、水辺環境の整備を進める。
表3−1−7
名
自然海浜保全地区の指定状況
称
(平成16年度末現在)
指定年月日
面積(ha)
関係市名
安岡自然海浜保全地区
昭和58年3月15日
1.39
下 関 市
室津自然海浜保全地区
昭和58年7月5日
2.54
下 関 市
小串自然海浜保全地区
昭和58年7月5日
0.43
下 関 市
ならび松自然海浜保全地区
昭和58年7月5日
1.25
下 関 市
犬鳴自然海浜保全地区
昭和58年7月5日
1.40
下 関 市
(注)県自然保護課調べ
- 108 -
(3)
ア
都市地域における自然的環境の確保等
都市地域における緑地保全
都市における緑地は、大気汚染、騒音等の環境保全上の支障の緩和や住民に憩いとや
すらぎの場を提供する重要な役割を果たしている。
このため、市街地及びその周辺における良好な自然環境を保全するため、都市計画法
に基づき表3−1−8のとおり風致地区や特別緑地保全地区を指定している。
今後とも、都市内に残された良好な自然環境を形成する樹林地等の保全を図るととも
に、地域の実情に即した街路樹、都市公園、公共施設の緑地帯等の整備を進め、都市に
おける緑とオープンスペースの確保を図る。
表3−1−8
風致地区及び特別緑地保全地区の状況(平成19年度末現在)
地域地区名
風致地区
名
称
最終決定年月日
面積(ha)
関係市名
昭和31年10月19日
約 10.0
宇部市
亀浦
〃
約 18.8
〃
〃
岩鼻
〃
約 27.1
〃
〃
維新山
〃
約 18.0
〃
〃
昭和36年11月17日
約360.9
〃
琴崎八幡
常盤
考
建設省告示第1,667号
建設省告示第2,633号
鍋倉山
〃
約
3.7
〃
〃
黄幡
〃
約
0.4
〃
〃
計
約438.9
壇之浦
昭和13年 5月 7日
約 53.8
下関市
紅紫山
〃
約 11.8
〃
〃
日和山
〃
約 16.6
〃
〃
小門
〃
約 37.9
〃
〃
武久海岸
〃
約 13.7
〃
〃
長府外浦海岸
〃
約 26.0
〃
〃
綾羅木海岸
〃
約125.3
〃
〃
計
特別緑地保全地区
備
櫟原如意寺
内務省告示第258号
約285.1
平成14年 9月 3日
約180
宇部市
(注)県都市計画課調べ
イ
都市公園等の整備
当 地 域 に お け る 平 成 19年 度 末 現 在 の 都 市 公 園 整 備 状 況 は 表 3 − 1 − 9 の と お り 、
464箇所、577.3haであり、地域住民1人当たり公園面積は13.2m 2 である。
都市公園は、都市におけるうるおいとやすらぎのある生活環境の確保や大気汚染、騒
音等の公害の緩和や災害、緊急時の避難場所、災害復旧の拠点としても重要な役割を果
たすことから、今後も県の整備目標や各市の「緑の基本計画」等に基づく公園緑地の長
期的な目標水準達成に向け、社会資本整備重点計画により積極的、計画的な都市公園の
整備を図る。
- 109 -
表3−1−9
都市公園等の整備状況
住区基幹公園
市
(平成19年度末現在)
都市基幹公園
名 区 分 街 区 近 隣 地 区
特 殊 緩 衝 都
市 広 域 広 場
計 公 園 緑 地 緑
地 公 園 公 園
運 動 総 合
小
計
公 園 公 園 公 園
計
小
公 園 公 園
箇所数
341
15
10
366
2
3
5
2
0
3
1
2
379
面積ha
38.9
29.8
52.1
120.8
26.8
47.7
74.5
22.4
0
1.1
122.5
0.9
342.2
箇所数
62
9
5
76
2
1
3
5
0
1
0
0
85
面積ha
19.3
10.6
13.8
43.7
14.8
157.8
172.6
18.7
0
0.1
0
0
235.1
箇所数
403
24
15
442
4
4
8
7
0
4
1
2
464
面積ha
58.2
40.4
65.9
164.5
41.6
205.5
247.1
41.1
0
1.2
0.9
577.3
下 関 市
宇 部 市
計
(注 )
ウ
122.5
県都市計画課調べ
都市緑化の推進
良好な都市環境を確保するため、都市空間の緑づくりを積極的に進めて、河川、道路、
その他の公共施設の緑化を推進するとともに、環境緑化運動の展開、緑化樹等の苗木配
布などを通じて地域住民の緑化思想の高揚を図る。
(4) 社会資本整備等の事業の実施時の配慮
道路、河川、空港、港湾等の社会資本整備等の事業の実施に当たって、自然環境への
影響を未然に防止するため、「環境影響評価法」等に基づき環境影響評価を適切に実施
し、必要に応じ、生物の生息・生育地の確保等の環境保全対策を講じるなど、自然環境
の保全に努める。
また、港湾においては、親水空間の確保等快適な環境を創造し、港湾利用者の憩いの
場に資するため、下関港及び宇部港において、表3−1−10のとおり港湾緑地を整備
する。
表3−1−10
事業主体
下 関 市
山 口 県
港
港湾緑地整備計画
名
地 区 名
面 積(ha)
整 備 年 度
下 関 港
東
港
2.2
平成3年度∼平成21年度
下 関 港
岬之町
2.9
平成12年度∼
宇 部 港
東見初
1.0
平成16年度∼平成28年度
(注)県港湾課及び下関市調べ
(5) 生物多様性の確保及び野生生物の保護管理
野生生物が生息・生育する自然環境の保全はおのずから公害の防止に資するものであ
る。野生生物は、生態系の重要な要素であり、自然環境の重要な一部を構成し、人類の
豊かな生活に欠かすことのできないものである。したがって、野生生物は、生物の多様
性の確保や種の保存等の観点から開発行為に際し保護管理の必要性が高いものである。
本県内において生息・生育が確認されている希少な野生生物は、表3−1−11のと
おりであり、これらの野生生物の保護管理等を図るため、次の施策を総合的かつ計画的
- 110 -
に推進する。
ア
各種開発行為等の実施に係る配慮
各種開発行為に係る環境影響評価等に際し、野生生物の生息・生育状況を調査すると
ともに、必要に応じその生息・生育地の保全等の措置を講じる。
なお、各種事業の実施に際して、事業の特性や具体性の程度に応じ、事前に十分に調
査・検討を行うとともに、影響を受ける可能性のある生物の生息・生育に対し適切な配
慮を行う。
イ
生息が確認されている希少種の保全対策
当地域において生息が確認されている希少種等については、その生息・生育地の確保、
個体の適正な保護管理等を図るため、生育環境の保全等の措置を講じる。
表3−1−11 「レッドデータブックやまぐち」選定種一覧
絶滅種
ほ乳類
鳥類
2
絶
滅
危
惧
種 準絶滅 情 報 地 域
ⅠA類 ⅠB類 Ⅰ 類 Ⅱ 類 危惧種 不足種 個体群
2
1
3
12
11
4
22
63
102
4
4
は虫類
両生類
1
淡水産魚類
2
10
4
19
14
48
昆虫類
5
クモ類
57
4
1
陸・淡水産貝類
1
1
維管束植物
8
4
20
74
212
計
(構成比(%))
5
1
6
8
5
40
7
7
12
8
273
47
224
82
コケ植物
626
28
3
316
83
28
23
2
5
甲殻類(カブトガニ含む)
計
28
313
237
95
1
1,076
( 0.3) (29.4) ( 7.7) ( 2.6) (29.1) (22.0) ( 8.8) ( 0.1)
(注)
※カブトガニは便宜的に甲殻類に含めている。
1) 絶滅種:我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
2) 絶滅危惧Ⅰ類:絶滅の危機に瀕している種
3) 絶滅危惧ⅠA類:ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
4) 絶滅危惧ⅠB類:ⅠAほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
5) 絶滅危惧Ⅱ類:絶滅の危機が増大している種
6) 準絶滅危惧種:存続基盤が脆弱な種
7) 情報不足種:評価するだけの情報が不足している種
8) 地域個体群:地域的に孤立している個体群で、絶滅の恐れが高いもの
出典:「レッドデータブックやまぐち」山口県環境生活部自然保護課発行(2002年、2003年)
(6)
ア
地域づくり等における健全で恵み豊かな環境の確保とその活用
地域づくり等における様々な取組
(ア) 快適な環境(アメニティ)の確保
A 良好な大気環境の確保
第2章第2節「大気汚染対策」により、良好な大気の確保に努めるとともに、地域住
民等の参加も得つつ、良好な大気に係る環境の状態のあり方を検討し、身近な大気環境
の状況について、調査を行う。また、緑化等の地域の自主的、積極的な取組を促進する。
- 111 -
B 良好な水環境の確保
第2章第3節「水質汚濁対策」により、良好な水域の確保に努めるとともに、水域の
水質・水量、水生生物、周辺植生といった水環境と地域住民が触れあう場の保全と形成
を図る。また、こうした場等における地域の環境保全活動の自主的、積極的な取組を促
進する。
C 景観保全
山口県景観ビジョンに基づき地域の特性に応じて、施設整備等において、周辺の自然
環境との調和に配慮した景観保全を図るための取組を進める。
D 歴史的環境への配慮
文化財保護等の各種制度を活用し、自然環境と一体をなしている歴史的環境の保全を
図る。
(イ) 民間環境保全活動の促進
平成9年4月に設置した「快適なくらしづくり山口県推進協議会」を通じて、県民、
事業者、民間団体が一体となった環境保全活動を推進するとともに、民間団体、企業、
市町村及び学校が実施する講習会や体験学習会等に環境アドバイザー、環境パートナー、
こどもエコクラブアドバイザーを派遣し、地域活動の支援・促進に努める。
イ
自然環境の健全な利用等を図るための取組
自然環境の健全なふれあい利用等を進めるため、様々な自然とのふれあいの場やその
利用方法等に関する情報の提供を進める。また、自然解説のための人材の養成及び確保、
自然観察会の開催や野外教育等を通じた機会の提供等を実施していく。
- 112 -
第2節
1
地球環境の保全
施策の基本的な方向
(1) 基本的な方向
地球環境問題は、人の社会経済活動による環境への負荷が長年にわたり蓄積されたこ
とにより生じたものであり、一人ひとりの行動に深く関わる人類共通の課題である。
地球温暖化、オゾン層の破壊などの環境問題は、その影響、被害が国境を越え、数世
代に及ぶことから、問題の解決には国際的な取組、国レベルでの取組のほかに、地域レ
ベルでの取組も必要となっている。そのために環境への負荷をでき限り少なくし、「循
環」を基調とする社会経済システムの実現を図ることが重要である。また、当地域で実
施する地球環境保全に係る施策は、当地域の公害の防止に資する施策としても重要であ
る。
こうしたことから、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済活動が環境への負荷
を増し、地球的な視野に立った地域の取組が必要であることを認識し、当地域において、
汚染物質等の排出抑制・適正処理対策、科学的な調査研究・監視・観測の充実、環境教
育・学習の推進を図る。また、県・関係市と海外の友好都市等の自治体間の国際交流な
どを通じ、これまで培ってきた環境の保全に関する経験や技術等の能力を活用しつつ国
際的取組を進める。
(2) 施策の総合的かつ計画的な実施
地球環境問題は、環境を分野別にとらえるのではなく、環境そのものを総合的にとら
えて対策を講じる必要がある。このため、社会経済活動を行うあらゆる主体が、それぞ
れの能力、役割分担に応じた地球環境保全に係る多様な対策や取組を展開できるよう、
平成7年度に「山口県環境基本条例」の策定、平成10年3月、「やまぐち環境創造プラ
ン」を策定するとともに、県庁内に設置した「環境政策推進会議」を活用し、また、行
政、事業者、県民で構成する「やまぐち環境パートナーシップ広域会議」等と連携しつ
つ、必要な施策を総合的かつ計画的に実施する。
2
地球規模の大気環境の保全
(1) 地球温暖化対策
地球温暖化問題は、身近なところから、継続して取り組むことが、その解決に向け最
も効果があることから、あらゆる主体の取組の活性化を図ることが地方公共団体の課題
である。
このような視点に立ち、本県では、平成10年6月から県民、事業者、行政が連携・協
力した「地球となかよし県民運動」を開始するとともに、それぞれの主体が目標をもっ
て取り組めるよう、具体的な取組内容や二酸化炭素の削減計画等を盛り込んだ「地球温
暖化防止行動プログラム」を作成し、各種の取組を推進している。また、宇部市では
「宇部市地球温暖化対策ネットワーク」と連携しながら、市民、事業者、学識者、行政
- 113 -
が一体となった地球温暖化対策事業を実施している。
また、「地球温暖化対策の推進に関する法律」(平成10年法律第117号)第21条に基づき、
京都議定書目標達成計画に即して、県の事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出抑制
等の措置に関する山口県地球温暖化対策実行計画を策定し、その実施状況を公表するな
ど必要な措置を講じている。
ア
二酸化炭素排出状況
地球温暖化防止対策に向けて、本県においては、「二酸化炭素の排出量を2010年に1990
年レベルの10%削減を目指す」という目標値を掲げ、県民、事業者、行政が連携・協力
し、自主的な取組みを推進してきたが、平成17年度に県におけるこれまでの取組状況の
検証や実態等も踏まえ「山口県地球温暖化対策地域推進計画」を策定し、目標達成に向
けた地域レベルの取組を強化している。
イ
対策
当地域の地球温暖化対策は、平成10年6月から「地球となかよし県民運動」により、
県民、事業者、行政が連携・協力して、温室効果ガスの排出抑制のための取組を実施す
るとともに、地域の概況、二酸化炭素の排出状況、地球温暖化に対する住民意識の対策
の現状等を踏まえ、次のとおり実施する。
(ア) 二酸化炭素排出抑制対策
A 二酸化炭素排出の少ない都市・地域構造の形成
都市緑化の推進、省エネルギー型の建築物の普及促進、ごみの減量化、資源化を推
進するとともに、焼却余熱等未利用エネルギーの利用促進を図る。
また、エネルギー効率の高いコージェネレーション等の導入を促進するほかクリー
ンエネルギー自動車・低公害車、低燃費車等の導入及び公共建築物の断熱構造化につ
いては、それぞれ第7章第4節のとおり促進することとする。
なお、当地域におけるごみ焼却余熱の利用については表3−2−1のとおりである。
表3−2−1
ごみ焼却余熱の利用
設置主体
施
下 関 市
宇 部 市
設
名
竣工年度
発電能力
余 熱 利 用
下関市奥山工場
平成14年度
4,980kw
場内発電、場外温水
宇部市環境保全センター
ごみ処理施設
平成14年度
4,000kw
場内発電、場外蒸気、
施設の冷暖房、給湯
(注)県廃棄物・リサイクル対策課調べ
B 二酸化炭素排出の少ない交通体系の形成
主要課題である交通公害対策に記述した発生源対策、交通流対策等を推進する。
なお、平成17年11月から平成18年1月に宇部市、中国運輸局山口運輸支局、企業・
事業所、宇部市地球温暖化対策ネットワークなどで構成する「地域と連携したノーマ
イカー運動2005」検討協議会において、マイカーの利用見直し公共交通機関利用促進
などの運動を行う。
C 二酸化炭素排出の少ない生産構造の形成
- 114 -
産業部門においては、経済的な効率化のみでなく、地球温暖化防止の観点からも、
エネルギーや資源の面で一層の循環・効率化を促進し、二酸化炭素排出量の削減の促
進に努める。
特に、昭和55年度から県が実施している廃棄物交換制度の充実を図り、産業廃棄物
の減量化・再利用等を促進するとともに、コンビナートにおける排熱の工程内利用及
び工程間利用等を促進し、二酸化炭素排出量の削減の促進に努める。
D 二酸化炭素排出の少ないライフスタイルの実現
二酸化炭素を削減するためには、地域からの身近な取組が重要であることから、「地
球となかよし県民運動」の中で、具体的な取組内容や二酸化炭素の削減計画等を盛り
込んだ「地球温暖化防止行動プログラム」(県民編、事業所編、行政編)に基づき、
取組を進めることとしている。
このプログラムに基づき、平成11年6月から「地球となかよし」アクション21を開
始しており、県民、事業者、行政それぞれが日常生活や事業活動等において自己点検
を実施し、省エネルギ−や二酸化炭素に関する自主的な取組を推進している。
なお、県及び関係市は、消費者・事業者としての率先行動計画(エコ・オフィス実
践プラン等)を策定し、率先的に実施することとしている。
(イ) メタンその他の温室効果ガスの排出抑制対策
A 廃棄物処理対策
可燃ごみの分別収集、リサイクルプラザによるリサイクルの推進により、最終処分
場への可燃ごみの搬入の低減に努める。
B 土壌生成温室効果ガス動態調査
メタンは水田からも放出されると指摘されており、これらのガスの発生実態を調査
し、今後の対応の基礎資料とする。
C 特定フロン等排出抑制対策
本節2参照
(ウ) 森林等の二酸化炭素の吸収源対策
第3章第1節2(2)の「森林の保全」や同節2( 3 )の「都市地域における自然的環境の
確保等」により、二酸化炭素の吸収源である森林等の保全整備を図る。
(エ) 各種県計画等への反映
県計画の改定、見直しの際に、地球温暖化防止の視点や対策を適切に盛り込むように
努める。
(オ) 普及啓発、支援の実施
地球温暖化についての適切な情報を、わかりやすい形で事業者や住民に提供するとと
もに、地球温暖化防止の啓発活動をするリーダーとして委嘱した「地球となかよし県民
運動」推進員の活動を通じ、地域における環境保全活動への参加が得られるよう誘導す
るための普及啓発、支援の充実に努める。
(カ) 国や市との連携
国や市との連携を図りながら対策の推進に努める。
- 115 -
(キ) 実態の把握
地球温暖化防止に寄与する対策の実施状況等について把握を行う。また、必要に応じ、
温室効果ガスの排出実態を把握する。
(2) オゾン層保護対策
県内の大気中にフロン類の動向を把握するため、昭和63年度から、毎年特定フロン3
物質の濃度測定を行っており、当地域の平成19年度の結果は表3−2−2のとおりで、
全国結果と同レベルの状況にある。
表3−2−2
大気中のフロン濃度調査結果
(平成19年度)(単位:ppb)
調査地点
フロン−11
フロン−12
フロン−113
宇部見初ふれあいセンター
0.22
0.48
0.075
(注)県環境政策課調べ
県では、フロン類の回収・処理を促進するため、平成7年度から市町へのフロン回収
機の無償貸与やフロン回収モデル事業に取り組むとともに、関係事業者、行政で組織す
る「山口県フロン適正処理推進協議会」(平成19年度末で解散)と連携しフロン類の回
収・処理の推進に努めている。
「フロン回収破壊法」、「家電リサイクル法」及び「自動車リサイクル法」によるフ
ロン類の回収・処理を進めるとともに、フロン類の回収業者等の登録・指導の徹底を図
るとともに、フロン類の回収・処理やオゾン層保護に向けた普及啓発に努める。
(3) 酸性雨対策
ヨ−ロッパや北米では、早くから酸性の強い降水が観測され、深刻な問題となってい
ることから、我が国においても、酸性雨の実態及びその影響を明らかにするための調査
が行われている。
本県においても酸性雨の実態を把握するため、昭和63年度から継続的に調査を行って
おり、pHが4台後半を示し、ここ数年、同様な傾向を示している。
しかしながら、現在のような酸性雨が今後も降り続けるとすれば、将来、酸性雨によ
る影響が現れる可能性も懸念されるため、酸性雨の原因物質の排出抑制のために、硫黄
酸化物対策及び窒素酸化物対策等により、酸性雨原因物質の排出抑制に努める。
3
その他の地球環境保全施策
(1) 県と中国山東省との技術交流の推進
本県と友好提携を行っている中国山東省の技術者等に対し環境保全に関する研修の実
施、分析機器の供与、併せて本県から指導技術者を派遣するなどの技術交流を行うこと
により、酸性雨等の地球環境問題についての理解と認識を深め、本県と中国山東省の相
- 116 -
互の環境保全対策を推進する。
(2) 環境技術交流の推進
日韓海峡沿岸地域との経済、文化、水産等の分野での国際交流ネットワークづくりを
進めるため、本県も日韓海峡沿岸県市道知事会議に参加し、平成12年度から環境交流事
業に本格参加している。また、宇部市でも宇部環境国際協力協会と連携して国際環境協
力事業を実施している。
- 117 -
第4章
各主体の自主的積極的取組に対する支援施策
多様な社会経済活動の中において、各主体が人と環境との関わりの重要性について理解
し、それぞれの立場に応じた公平な役割分担の下に相互に協力・連携して環境保全をめざ
した行動に自主的積極的に取り組む「環境パートナーシップ」の形成を図り、全ての主体
が環境保全に関する行動に参加する社会を実現する。
このため、行政、事業者、住民に期待される役割を明らかにするとともに、環境教育・
環境学習の推進や積極的な情報の提供をはじめとして、事業者、住民等の行動を促すため
の各種施策を講ずることにより、相互に協力・連携した自主的積極的な取組を行う。
第1節
各主体の取組
県・市等の行政、事業者及び住民などの地域社会の構成員である各主体が、それぞれの
立場や能力に応じた公平な役割分担の下に、相互に協力・連携しつつ環境保全の取組を進
めるため、以下の役割に沿って、自主的積極的に行動することが期待される。
1
地方公共団体の取組
地方公共団体は、持続的な社会構築の基盤である地域の環境保全に関する主要な推進
者としての役割を担うとともに、地域における取組の調整者としての役割を併せ持って
いる。
このため、本計画の主要な推進者としての地方公共団体は、地域の自然的社会的条件
に応じて、公害の防止はもとより、循環と共生を基調とした地域づくりに配慮し、施策
を総合的計画的に推進する。
・本計画に掲げられた各般の施策について、効果的かつ着実な実施を図るとともに、計
画の目標達成に努める。
・都市基盤の整備や循環型社会システムの構築など各種制度の設定や公害防止に関する
社会資本整備等の基盤づくりを行う。
・各主体との緊密な連携を図りつつ、地域における環境保全に関する施策を総合的に展
開する。
・周辺の地方公共団体や国と連携・協力しつつ、広域な視点から取組を推進する。
・これまで培ってきた環境保全に関する知見を活用する。
・あらゆる行政活動への環境配慮の織り込みを推進する。
(1) 県の役割
県は、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施する。また、市が
行う環境の保全に関する施策を支援する。
(2) 市の役割
市は、環境の保全に関し、地域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、実施する
- 118 -
とともに、県が行う施策に協力する。
2
事業者の取組
通常の事業活動に起因する環境への負荷が増大している状況に鑑み、経済活動の大き
な部分を占める事業者の取組はきわめて重要である。このため、事業活動に当たっては、
公害の防止、自然環境の保全への配慮、省エネルギーや廃棄物の発生抑制、再利用、再
生利用等の取組に加え、事業活動のあらゆる場面で環境に配慮するなど、環境への負荷
の低減に向けた自主的・積極的な取組を実施する。
・環境への負荷の低減に資する新たな技術の開発に努める。
・汚染物質の排出削減、廃棄物の減量化及び適正処理、資源・エネルギーの効率的利用、
開発行為に当たっての環境配慮等による環境負荷の低減を推進する。
・製造時における資源採取から廃棄に至るライフサイクル全体を見渡した製品作りやサ
ービスの提供など、環境に配慮した事業活動を推進する。
事業者は、事業活動に伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防
止するとともに、自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる。
また、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工、販売などの事業活動を
行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合に、その適
正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる。
さらに、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環
境への負荷の低減に資するよう努めるとともに、その事業活動において、再生資源その
他の環境への負荷の低減に資する原材料等を利用するように努める。
事業者は、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他の環境の保全
に自ら努めるとともに、県又は市が実施する環境の保全に関する施策に協力する。
3
住民の取組
住民は、自らの生活が環境に大きな負荷を及ぼしていることを認識し、日常生活にお
いて、環境への負荷の低減に努める。また、環境について学習し、理解を深めるととも
に、県及び市が実施する環境の保全に関する施策に協力する。
住民の日常生活に起因する環境への負荷が増大している状況に鑑み、住民の生活様式
を持続可能なものに転換していくことが必要である。特に、個人の行動が直接に環境負
荷の削減に結びつく自動車交通公害対策、生活排水対策、近隣騒音対策、廃棄物・リサ
イクル対策、地球温暖化対策などの分野においては、個人の行動による直接的な効果が
期待される。このため、住民自らが、環境問題に対する正しい理解と認識を深め、自ら
の行動を環境への配慮するものとし、日常生活に起因する環境負荷低減を自主的積極的
に進めることが重要である。
また、環境保全に自ら積極的に参加し、地方自治体が実践する環境保全に関する施策
に協力することが必要である。
- 119 -
・再生紙など環境への負荷の少ない製品やサービスを選択する。
・不要不急の自家用自動車の使用を自粛する。
・節電などの省エネルギー対策に努める。
・洗剤の適正な使用等の生活排水対策に努める。
・ごみの減量化、リサイクルのための分別活動に協力する。
・地域のリサイクル活動、緑化活動、環境美化活動等への自主的・積極的に参加する。
4
民間団体の取組
住民や事業者により組織され、リサイクル活動、緑化活動、ナショナルトラスト運動、
啓発活動、調査研究その他の環境保全に関する活動を行う非営利的な民間団体は、環境
保全のための取組に関する基盤を形成するなど、あらゆる主体が環境保全に主体的に参
加する社会を構築する上での結節点として重要な役割が期待される。このため、各主体
と連携・協働を図りつつ、環境保全のための多様な取組を実施する。
・住民、事業者、地方公共団体と協力し、地域の環境保全のための活動を実施する。
・環境汚染の影響や自然環境の状況等に関する調査研究に努める。
・環境教育・環境学習の活動を推進する。
・住民・事業者等の行動促進のための啓発活動を推進する。
第2節
環境教育・環境学習等の推進
今日の環境問題の主な原因は、豊かさや便利さを追求してきた私たちのライフスタイル
や社会経済システムと密接に関わっている。環境教育・環境学習は、こうした環境問題の
深刻さに気付き、環境に関心を持ち、環境に対する責任と役割を理解し、環境保全・創造
活動に参加する態度及び環境問題解決の資する能力を養うとともに、日常生活や社会活動
において、環境への負荷の少ないライフスタイルを実践し、循環・共生型社会の実現に向
けて行動する人を育成することを目的としていることから、積極的にその取組を推進する。
1
環境教育・環境学習等の推進
(1) 基本的な方向
近年の環境問題は、生活排水による河川等の汚濁や自動車交通騒音等の都市・生活型
公害並びに地球の温暖化、オゾン層の破壊等の地球環境問題が大きな課題となっており、
こうした問題に的確に対応し「健全で恵み豊かな環境の保全と創造」を実現するために
は、従来から公害防止計画に位置づけてきた各種施策、公共事業の推進を図るほか、人
間と環境の関わりについて理解と認識を深め、地域環境保全及び地球環境保全の観点か
ら責任ある行動がとれるように環境保全に関する学習や教育を積極的に進め、さらに環
境保全活動について適切な情報提供を行う等、地域や企業における環境保全活動を一層
促進していくための施策を充実させることが重要となっている。
このことから、環境学習プログラムや情報収集・提供の支援システム、ネットワーク
の拠点施設の設置・整備等の具体的な方策を示す「山口県環境学習基本方針」(平成11
- 120 -
年3月策定、平成17年3月改定)に基づき、県民、事業者、民間団体と協議して環境学
習を総合的、体系的に推進している。
さらに、県民の環境保全活動の定着・促進に向け、環境講座の開催や研修等による環
境学習リーダーの養成、インターネット等による環境情報の収集・提供の充実等を総合
的に推進していく。
(2) 推進体制の整備
地域環境保全活動を計画的、組織的に推進するためには、推進体制の整備が必要であ
り、県庁内の推進体制の整備を図ってきたところである。今後は、実践活動をより一層
促進するために、行政、事業者、関係団体で構成する「環境パートナーシップ会議」に
おいて各層のネットワークづくりとともに実践活動の促進を図る。
(3) 施策の推進
ア 環境教育資材の整備
環境教育を推進するうえで、環境情報の提供、教材の確保等が重要である。このため、
環境読本、ビデオ、リーフレット、パネル等の資材の整備を今後とも推進しその有効活
用を図る。
イ 学校や社会における環境教育の推進
(ア) 学校教育
これまで環境教育の推進を教育重点施策の一つとして位置づけ、地域と学校とが一
体となった環境教育の取組を進めてきたところであり、こうした取組の成果や環境教
育の理念等について解説した手引書も作成している。
今後は、引き続き、各種研究成果の一層の普及と活用促進に努めるとともに、地域
社会と連携する中で、当面する課題に対応した学校の自主的な取組みを求め、体験的
な学習を通じて、環境保全に関する意識啓発や、よりよい環境づくりに主体的に取り
組む態度、能力の育成に努めるよう指導することとしている。
(イ) 社会教育
これまで地域の子ども会、婦人会、老人クラブ等において環境学習、実践活動が自
主的に行われており、今後は、平成10年度に策定し、平成16年度に改訂した「山口県
環境学習基本方針」に基づき、県民、事業者、行政が協力し、環境学習を総合的・体
系的に推進していくこととしている。
2
環境保全の具体的行動の促進
自動車騒音や生活排水等による河川の水質汚濁、空き缶等の散在など日常生活に起因
する環境保全上の支障を防止し、快適な生活環境を確保するためには、住民一人ひとり
が生活環境の保全に積極的に取り組む必要がある。このため、次に示す環境保全の意識
啓発や環境保全活動の促進に積極的に取り組み、環境保全に対する住民の理解と認識を
深め、快適な環境づくりに自主的積極的に参加する意識の醸成に努める。
(1) 環境保全の意識啓発
環境保全に関し、正しい理解と認識を深め、責任ある行動がとれるよう、環境月間行
- 121 -
事をはじめとする啓発活動のほか、環境保全に係る「セミナー」等の開催、環境アドバ
イザー、環境パートナー、こどもエコクラブアドバイザーの派遣、「絵画・ポスター募
集及びそれらの表彰」、「こどもエコクラブ」の活動支援、「水生生物調査」、「水辺
の教室」、「スターウォッチング」等の実施により普及啓発を行う。
(2) 環境保全活動の促進
地域における環境を保全するため、住民総参加による「身近な環境をきれいにする運
動」を推進し、空き缶の一斉回収活動、河川や海岸、公共施設等の環境美化活動など住
民の自主的な環境保全活動の促進を図る。
また、このような環境保全活動の中心となるリーダーや各種環境NPO、ボランティ
アグループ等の育成に努める。
さらに、リサイクル活動等の実践活動団体等に対し、補助金の交付、環境教育資材や
機材の貸し出し、情報の提供、指導等を行うことにより活動を支援するとともに、環境
保全活動功労者への表彰等も行い、環境保全のための実践活動の促進を図る。
なお、これらの活動については、必要に応じ、県の広報紙に掲載するなど、広報に努
める。
3
環境情報の提供
住民、民間団体、事業者等が環境情報を受け取り、環境に関する知識を習得すること
は、環境問題への理解を深め、自らの行動やライフスタイルを見直す契機となるほか、
自主的に環境保全活動に取り組む可能性を高め、さらには、情報のやりとりの繰り返し
に伴い問題意識の共有や信頼関係の構築等が図られることも期待されることから、迅速
かつ的確な環境情報の収集・提供に努める。
また、環境を構成している自然的・社会的条件を分類・整理し、地域の環境特性を容
易に把握できるよう地図情報として「環境利用ガイド」を作成、配布し、平成9年度に
は、これらをデジタルデータベース化した「地図情報システム」を整備した。さらに平
成13年度には、「快適環境づくりシステム」と称する地理情報システム(GIS)と有
機的に連動した「山口環境ホームページ」を主要なインターフェイスとするシステムに
再整備し、平成14年度から運用開始している。
環境情報の住民等への提供については、「環境情報管理システム」の運用により、環
境白書、各種環境行政統計資料を作成し住民や事業者等に情報を提供する。また、「環
境GIS」、「山口環境ホームページ」等の環境情報との有機的結合による情報の高度
利用を図り、環境主導型の施設の立案、審査、指導を行うとともに、県民、事業者等に
利用しやすい情報として提供する。
第3節
環境保全に向けた取組の率先実行
行政機関は、地域の経済活動において大きな位置を占めており、住民や事業者の自主的
積極的な取組を求めるためにも、率先して環境保全に関する行動に努める必要がある。
- 122 -
このため、事業者・消費者としての立場で取り組む環境保全のための具体的な行動とし
て、県は平成10年3月に「山口県庁エコ・オフィス実践プラン」を平成15年6月に改訂し、
平成19年度までの計画として、温室効果ガスの直接的削減項目と間接的削減項目を掲げる
とともに、数値目標を掲げ積極的に進めている。
また、下関市、宇部市においても独自の行動計画を策定しており、自主的、積極的な取
組を進めている。
直接的削減項目
大項目
1 省資源・省エネル
ギー
2 環境に配慮した製品
等の購入・使用(グリーン
購入
3 建築物の建設
・管理等における配慮
中項目
( 1 ) 電気使用量の削減
( 2 ) 燃料等の使用量の削減
( 3 ) 公用車の利用合理化等
( 4 ) 省エネルギー型電気製品、OA機器や節水機
器等の導入
( 5 ) 低公害車等の導入
( 6 ) 温室効果ガス削減型の施設への転換
( 7 ) 敷地内の緑化や周辺の自然環境の保全等
( 8 ) 県有施設に係るフロン対策の推進
間接的削減項目
大項目
1 省資源・省エネル
ギー
2 廃棄物の減量化・リ
サイクル
3 環境に配慮した製品
等の購入・使用(グリーン
購入)
4 建築物の建設・管理
等における配慮
5 県主催イベント等の
環境配慮の取組
6 職員の環境保全意識
の向上
中項目
(
(
(
(
(
1
2
3
4
5
)
)
)
)
)
用紙類の使用量の削減
水使用量の削減
物品等の長期使用等
公用車の利用合理化等
通勤用自動車の削減
( 6 ) 廃棄物の減量化
( 7 ) 廃棄物のリサイクル
( 8 ) 再生紙の使用促進
( 9 ) 環境負荷の少ない製品、原材料等の使用
(10) 適切な処理施設等の設置、管理
(11) 環境負荷の少ない施工作業の実施及び建設廃
棄物の削減と再利用
(12) 大規模イベント等の環境配慮の取組
(13) 環境に係る研修及び情報提供
(14) 環境保全活動への職員の参加の促進
- 123 -
第5章
第1節
1
計画の効果的実施
計画の推進体制と各主体の連携
計画の推進体制
本計画の推進に当たっては、国の関係機関、県の関係部局、関連する市等からなる推
進体制を強化する。当該組織を通じ、計画推進主体間の連携を図るとともに、相互体制
の協力に努め、計画の効果的な実施を図る。
2
各主体との連携
本計画の実効を期するためには、国、県、市はもとより、事業者及び地域住民の協力
が不可欠であるため、次のとおり協力体制の確保を図る。
(1) 関係機関との連携
国の関係機関、県の関係部局及び市と密接な連携を図り、相互協力体制の更なる強化
に努める。
県の公害対策行政組織は、図5−1−1、関係市の環境保全担当課等は、表5−1−
1のとおりである。
また、環境保全協議会等の状況については、表5−1−2のとおりである。
- 124 -
総
環 境 審 議 会
自然環境保全審議会
公 害 審 査 会
環境影響評価技術審査会
知
事
務
部
総合政策部
地域振興部
地域政策課
中 山 間 地域 づく り推進 室
市
町
課
環境生活部
県民生活課
環境政策課
生活衛生課
廃棄物・リサイクル対策課
自然保護課
健康福祉部
厚
課
健康福祉センター
(環境保健所)
環境保健センター
商工労働部
商
政
課
新産業振興課
企業立地推進室
経営金融課
産業技術センター
副 知 事
農林水産部
土木建築部
教育委員 会
教
公安委員 会
警 察 本 部
図5−1−1
防災危機管理課
岩 国 基 地沖 合移 設対策 室
育
庁
政
農林水産政策課
農業経営課
農業振興課
農村整備課
畜産振興課
森林企画課
森林整備課
水産振興課
漁港漁場整備課
監
技
道
道
都
砂
河
河
港
建
住
理
管
整
建
計
防
川
川開
湾
築指
宅
術
路
路
市
農林総合技術センター
・農業試験場
・農業大学校
・畜産試験場
・林業指導センター
水産研究センター
課
課
課
課
課
課
課
発課
課
導課
課
理
備
設
画
教育政策課
義務教育課
高校教育課
社会教育・文化財課
生活環境課
交通規制課
交通指導課
山口県公害対策行政組織図(平成19年4月1日現在)
- 125 -
表 5−1−1
市
名
下関・宇部地域に係る市の環境保全担当課
(平成20年4月1日現在)
部
名
課
名
下 関 市
環境部
環境政策課
宇 部 市
環境部
環境共生課
表 5−1−2
係
名
環境共生係、公害対策係、地球温暖化対策係
環境保全関係協議会等の状況
関
係
(平成20年4月1日現在)
機
関
協議会等名称
国 関 係
山口県道路交通公害
防止対策連絡会
県 関 係
市町村関係
国土交通省
山口県環境生活部
中国地方整備局
土木建築部
山口河川国道事務所
警察本部
中国運輸局
山口陸運支局
そ の 他
西日本高速道路株式会社
山口県道路公社
山口県環境政策会議
山口県各部、
企業局、出納局、教育庁
警察本部
山口県フロン適正処理
推進協議会
(平成20年3月解散)
山口県環境政策課、廃棄 各市町村
物・リサイクル対策課、 一部事務組合
消防防災課、新産業振興
課
厚東川水系森・川・海水
環境ネットワーク協議
会
山口県環境生活部
宇部市、山陽小野田 流域住民代表等
市、美祢市、
有帆川水系生活排水浄
化対策協議会
山口県環境生活部
宇部市、山陽小野田
市、美祢市、
木屋川水系森・川・海水
環境ネットワーク協議
会
山口県環境生活部
下関市、美祢市、長門
市
家電販売団体、自動車整
備団体、空調設備工業会
(注)県環境政策課調べ
(2) 事業者との連携
事業者に対しては、公害関係法令を補完するものとして、大気汚染防止、水質汚濁防
止、騒音防止等を骨子とした公害防止協定等を表5−1−3のとおり、県及び市と事業
者が締結している。今後は、これらを活用しつつ、必要に応じ協力の要請を行うなど協
力体制の強化を図る。
表5−1−3
下関・宇部地域における環境保全協定(公害防止協定)等締結状況
(平成19年度末現在)
県・市
山 口 県
下 関 市
宇 部 市
事業場数
2
47
38
(注)県環境政策課調べ
(3) 住民との連携
地域住民に対しては、県及び関係市の広報活動を通じて理解と協力を求めるとともに
- 126 -
地域の自治会、子ども会、こどもエコクラブ、婦人会、老人クラブを中心とした実践活
動の促進を図るほか、表5−1−4に示す市民組織等と連携を深め、環境保全に係る協
力体制の充実を図る。
表5−1−4
項
目
下関・宇部地域における市民組織等の活動状況
(平成19年度末現在)
団体数
団体の種類
内
容
河川清掃
63
地域住民団体等
愛護広報活動、河川敷の清掃等
環境美化活動
80
地域住民団体等
道路、海岸等の清掃、花と緑の運動等
(注)各市調べ
第2節
経費の概要
本計画に基づく平成17年度から平成22年度までの6年間に要する経費は、概ね次のとお
りである。
1
事業者が事業活動による公害を防止するために講じる措置に要する経費は、約96億円
と見込まれる。
2
地方公共団体等(県、市等)が主体となって講じる措置に要する経費は、公害対策事
業について、約650億円、公害関連事業について約46億円と見込まれる。
なお、本計画の施行に当たっては、経済情勢及び国、地方公共団体の財政事情のすう
勢、変動並びに各種長期計画及び事業相互の整合性等に配慮するものとする。
第3節
1
各種計画との連携
環境保全計画との連携
本計画の策定に当たっては、他の環境保全に関する諸計画との整合が図られるよう配
慮するものとする。特に、当地域において策定されている「硫黄酸化物総量削減計画」
(下関市の区域を除く。)及び「第6次総量削減計画」については、その的確かつ円滑
な実施が図られるよう配慮する。
なお、当該地域において策定されている環境保全に関する諸計画の概要は、表5−3
−1のとおりである。
2
諸計画との連携
本計画は、当地域において公害防止施策を総合的計画的に推進して行く上での基本と
なる計画である。
このため、当地域の開発に係る諸計画及び環境整備、水資源の利用等に係る諸計画は、
公害の防止に関しては、本計画との調和が図られることが重要であり、本計画の策定に
当たっては当地域の開発に係る諸計画との連携の確保に配慮するとともに、これら開発
に係る諸計画等が本計画と連携を図りつつ策定され、又は推進されるよう配慮するもの
とする。
- 127 -
ま た 、 本 計 画 は 平 成 16年 3 月 に 改 定 さ れ た 県 の 環 境 基 本 計 画 で あ る 「や ま ぐ ち 環 境 創
造 プ ラ ン 」と の 整 合 を 図 り 策 定 し た も の で あ る が 、 今 後 は 、 「や ま ぐ ち 環 境 創 造 プ ラ ン 」
に掲げた施策をはじめ、地域において関連する環境保全施策が全体として総合的に、か
つ、円滑に実施されるよう配慮するものとする。
表5−3−1
区
分
土地利用
関
関連諸計画一覧
連
諸
計
画
法
策定(改定)年度
目 標 年 度
国土利用計画法
H7
H17
国土利用計画法
H20
H29
国土利用計画(山口県計画)
〃
H9
H22
山口県土地利用基本計画
〃
当初計画 S50
−
港湾計画(下
〃 (宇
境
拠
国土利用計画( 全 国 計 画 )
(第三次計画)
国土利用計画( 全 国 計 画 )
(第四次計画)
都市計画
環
根
都 市 計 画 法
関
部
港)
港)
港
湾
〃
法
多岐に渡る
H11
H14
H20年代後半
H20年代後半
やまぐち環境創造プラン
(山口県環境基本計画)
山口県環境基本条例
H10
(H15改定)
H22
下関市環境基本計画
下関市環境基本条例
H19
H28
宇部市環境基本計画
宇部市環境保全条例
H9
H22
大気汚染
硫黄酸化物総量削減計画
大気汚染防止法
S52
−
水質汚濁
第5次総量削減計画
第6次総量削減計画
水質汚濁防止法
H14
H19
H16
H21
瀬戸内海環境保全基本計画
瀬戸内海環境保全
特別措置法
S53
(H20改定)
−
H14
(H14改定)
−
H12
H25
H13
H18
H17
H22
瀬戸内海の環境の保全に関
する山口県計画
生活排水処理基本計画
廃 棄 物
〃
廃棄物の処理及び
清掃に関する法律
山口県廃棄物処理計画
山 口 県 循環 型 社 会形 成 推 進
基本計画
〃
一般廃棄物処理基本計画
〃
下関市
宇部市
H19
H12
下関市
宇部市
(H17改定)
旧下関市
H5
旧下関市
H20
旧菊川町
H25
旧豊田町
H25
旧豊浦町
旧豊北町
H21
H21
(H15改定)
旧菊川町 H7
(H10改定)
旧豊田町 H7
(H15改定)
旧豊浦町 H7
旧豊北町 H6
分別収集計画(第3期)
(第4期)
(第5期)
騒
音
そ の 他
容器包装に係る分別収集及び再商品
化の促進等に関する法律
JOY ROAD PLAN( 山 口 県 の
新しい道路整備計画)
瀬戸内海国立公園(山口県
地域)公園計画
自 然 公 園 法
(注)県環境政策課調べ
- 128 -
H29
H27
H16
H18
H20
H20
H22
H24
H15
H19
当初計画
S31
−
3
防災型都市づくりに向けた取組
当地域は、臨海部を中心に、化学工業、石油精製、窯業・土石製品製造業及び火力発
電所等の工場・事業場が集中して立地するとともに、鉄道、道路はもとより、特定、重
要港湾にあっては多くの船舶が出入りするなど、陸上、海上交通の要衝ともなっている
ことから、各種災害時における化学物質、油、廃棄物の流出等の環境リスクを極力低減
する必要がある。
このため、土地利用対策の推進に当たっては、災害時の環境汚染を引き起こす可能性
を有する危険物施設・工場等は、被害が市街地等に及ぶことのないように、用途地域の
指定による立地の制限や、適切な場所への誘導を図るとともに、「山口県地域防災計画」
等との整合を図りながら、被災時に迅速な対策ができるよう、防災機能も兼ねる緑地や
公園、街路、緩衝緑地の整備等防災型都市づくりに寄与するよう配慮するものとする。
特に、災害時の石油コンビナートの事故による流出油対策については、「山口県地域
防災計画」、「山口県石油コンビナート等防災計画」及び「瀬戸内海西部海域排出油等
防除計画」に基づき対処するとともに、応急用資材の整備等に努める。
また、日常の危機管理や住民の自主的な防災活動等ソフト面の取組により、被災時に
おいても被害を最小限にとどめ、環境悪化を極力抑えることができる社会システムを形
成し、施設の整備と併せて防災型都市づくりに努める。
- 129 -
第4節
計画の進捗状況の点検
本計画は、平成17年度から平成22年度までの6ヶ年計画であり、第1章に掲げた計画の
目標を概ね達成させるため、第2章に掲げた達成目標が計画期間内に達成されるよう努め
るものとし、第2章から第5章までに掲げられた施策等を強力に推進する。
そして、施策の進捗状況及び環境の状況等を把握するため、毎年度の状況調査、計画の
中間年度の中間点検を実施して問題点・課題を抽出し、幅広い方法で施策の再点検を行う。
また、計画終了時において最終報告を行い、適切な進行管理とともに明確な分析評価を
実施する。
1
計画の進行管理
(1) 進行管理の流れ
施策の効果的な推進を図るため、毎年度、環境質及び施策の進捗状況の把握を行い、
中間年度の平成19年度(3年度目)及び最終年度の翌年の平成23年度(7年度目)にお
いては、目標の達成状況等の係る点検を実施する。(図5−4−1)
(2) 計画の現況調査(毎年度)
各年度において、環境質の状況及び本計画に掲げられた施策の実施状況を把握すると
ともに、実施が遅れている施策を中心に問題点や課題を抽出し、施策の効果的な実施に
向けて改善を図る。
(3) 計画の中間点検(中間年度)
計画の中間年度においては、平成17年度から平成18年度までの施策の実施状況を踏ま
えて、本計画に掲げられた各種施策の進捗状況、環境質の状況等について、中間点検を
実施するとともに、それらの結果を踏まえ、施策の実施・運用等に関する再点検を行う。
(4) 計画の最終点検(計画期間終了の翌年)
6年間の計画期間を経て、計画に掲げられた達成目標がどれだけ達成されたか、そし
て様々な施策がどのような効果を上げ、どういった問題点があったか等、分析評価を行
い、今後の公害防止施策の推進に役立てる。
その際には、環境基準の達成期間等にも十分配慮することとし、環境基準の達成実績
等を踏まえ、必要な公害防止施策を検討し、推進していくこととする。
2
進捗状況の評価
計画の進捗状況の評価については、計画目標の達成状況及び計画期間内の達成目標に
関する評価を行う。このとき、単に環境基準等の達成状況のみではなく、負荷削減量の
推計や施策効果の比較等様々な尺度で評価を行うよう努める。
- 130 -
計 画 の 策 定
(1∼2年度目)
現況調査
施 策 の 推 進
(3年度目)
中間 点 検 ○施策の 実施状 況
○ 環境質の状況
○ 環境負荷の状況
○目標達成状況 等
施策の実施状況及
び環境質の把握
問題点・課題の抽出
施 策 の 推 進
効 果 的 実 施 に
向 け た 改 善
中間年度の点検
問題点・課題の抽出
施 策 の 推 進
施 策 の 再 点 検
施策の実施状況及
び環境質の把握
問題点・課題の抽出
施 策 の 推 進
効 果 的 実 施 に
向 け た 改 善
(4∼5年度目)
現況調査
(6∼7年度目)
最終 報 告 ○施策の 実施状 況
○ 環境質の状況
○ 環境負荷の状況
○目的達成状況 等
最終年度の点検
計 画 の 評 価
図5−4−1
計画の進行管理の流れ
- 131 -
資料
第1節
1
地 域 の 概 況
自然環境
地形
当地域は、山口県の南西部に位置し、瀬戸内海から響灘を経て日本海に開けたの地形
を有する下関市と山陽小野田市を隔てて瀬戸内海に面する宇部市により構成する2市の
地域であり、総面積1,004km 2 県全体の16.4%を占めている。
東は山口市に接し、北は日本海、長門市、美祢市、西は響灘にそれぞれ接している。
地形は、北部を東西に走る中国山地の支脈による丘陵性の山地又は台地の地勢で、海
岸部は周防灘西部から関門海峡を経て響灘に面し、変化に富んでおり、その一部は瀬戸
内海国立公園に指定されているが、臨海部の工業用地の大部分は埋立地である。
地質は、低地は一般に沖積層及び洪積層で、宇部市の丘陵部は宇部層群(礫岩、砂岩、
石炭層等)で、東部及び西部の山地は花崗岩類で構成されている。
2
気象
気候は日本海気候区に属し、比較的温暖である。
下関地方気象台の観測結果(平年値:1971年∼2000年の平均値)によると、下関市の
年間降水量は1,684.9mm、年平均気温は16.2℃、年平均風速は3.3m/sである。
風向は、下関市から宇部市にかけて年間を通じ、東西の風が卓越している。
3
水象
(1) 河川
当地域の主要河川として、環境基準の類型指定をしている河川は、いずれも二級河川
で、厚東川、真締川、武久川、綾羅木川、友田川、木屋川、川棚川、有帆川及び粟野川
の9水系がある。
厚東川は、秋芳町に源を発し、秋芳町、宇部市を南北に貫流して周防灘に流入する幹
川流路延長59.9km、流域面積405.3km 2 であり、利水状況は上水道、農業用水、工業用水
に利用されている。
真締川は、宇部市に源を発し、宇部市を貫流して周防灘に流入する幹川流路延長8.3km、
流域面積18.8km 2 であり、利水状況は農業用水に利用されている。
武久川、綾羅木川及び友田川は、下関市に源を発し、下関市を東西に貫流して響灘に
流 入 し て お り 、 幹 川 流 路 延 長 は そ れ ぞ れ 3.7km、 9.5km、 4.1km、 流 域 面 積 は 9.5km 2 、
37.9km 2 、 9.3km 2 で あ り 、 利 水 状 況 は 、 武 久 川 が 農 業 用 水 に 、 綾 羅 木 川 が 上 水 道 及 び 農
業用水に、友田川が農業用水に利用されている。
木屋川は、長門市に源を発し、豊田湖を経て下関市に至り周防灘に流入する幹川流路
延長は43.7km、流域面積299.6km 2 であり、利水状況は、上水道、農業用水及び工業用水
に利用されている。
- 132 -
有帆川は、美祢市に源を発し、宇部市、山陽小野田市を南北に貫流して周防灘に流入
す る 幹 川 流 路 延 長 は 31.8km、 流 域 面 積 64.4km 2 で あ り 、 利 水 状 況 は 上 水 道 及 び 農 業 用 水
に利用されている。
川棚川は、下関市に源を発し、下関市を貫流して響灘に流入する幹川流路延長8 . 6 k m、
流域面積26.2km 2 であり、利水状況は農業用水に利用されている。
粟野川は、下関市に源を発し、下関市を貫流して日本海に流入する幹川流路延長29.8
km、流域面積185.9km 2 であり、利水状況は農業用水に利用されている。
(2) 湖沼
当地域の主要湖沼は、常盤湖、小野湖(厚東川ダム貯水池)及び豊田湖(木屋川ダム
貯水池)の3湖沼があり、それぞれ1698年(元禄11年)に完成したため池及び昭和24年度、
昭 和 29年 度 に 完 成 し た ダ ム に よ る 人 造 湖 で あ り 、 総 貯 水 容 量 は 、 そ れ ぞ れ 約 370万 m 3 、
2,379万m 3 、2,175万m 3 である。
利水状況は常盤湖が農業用水及び工業用水に、小野湖及び豊田湖が上水道、工業用水
及び発電に利用されている。
(3) 海域
当地域の海域は、海岸総延長約283kmで、瀬戸内海の西部に位置する周防灘から関門海
峡を経て、響灘の東部に至っており、その一部は瀬戸内海国立公園に指定されるととも
に、木屋川河口部の下関市小月沿岸一体には、県内有数の干潟が残されているなど自然
環境にも恵まれている。
また、港湾は特定重要港湾の下関港や重要港湾宇部港、小野田港があり、港湾物流の
拠点となっている。
潮流については、周防灘では春から秋に東西流、冬には南北流を形成しており、関門
海峡では東西の往復流であり、響灘東端部の海域では南北の往復流が卓越している。
4
動植物等
(1) 植物
当地域には、原植生の温暖帯性の常緑広葉樹林が残されている所は極めて少なく、そ
の植生は、山地及び丘陵地において、コバノミツバツツジ−アカマツ群集が最も広く分
布しており、沿岸部においては、ホソバカタワラビ−スダジイ群集等の自然植生がみら
れる。また、下関市の干珠島・満珠島には、タブ群落、ヤブコウジ−スダジイ群集等の
自然植生があり、瀬戸内海国立公園の特別地域に指定されている。
(2) 動物
当地域は山地、丘陵地が多く、市街地や業務地が沿岸部や河川の流域に分散し、山林
が連続するなど野生生物にとって良好な生息環境を有している。哺乳類は、タヌキ、キ
ツネは市街地を除きほぼ全域にわたってみられ、ニホンザル、テン及びアナグマは、そ
の生息域が比較的狭く山地部に限定されているが、イタチやイノシシは丘陵地にまで分
布域が広がっている。また、下関市北部から中部にかけての山間部にはニホンジカが生
息している。
- 133 -
鳥類については、その種類が豊富であり、周防灘に面する河口部、海岸部、干潟や、
内陸部の原野、田畑、湖沼、河川沿いなどの自然条件のところが多く、鳥類の良好な生
息環境となっている。特に渡り鳥が多くみられ、当地域で確認されている主な種は、カ
イツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オ
ナガガモ、ミサゴ、トビ、ハヤブサ、ハチクマ、キジ、ハマシギ、アオアシシギ、ウミ
ネコ、ユリカモメ、ズグロカモメ、クロツラヘラサギ、ミヤコドリ、カワセミ、セッカ、
ホオジロ、ヒヨドリ等である。
昆虫類は、タガメ、ハルゼミ、ゲンジボタル等が確認されており、また、淡水魚につ
いては、イトモロコ、ウグイ、ギンブナ、コイ、ドジョウ、アユ、ウナギ等が生息して
いる。
第2節
人口
当 地 域 ( 当 地 域 の 下 関 市 及 び 宇 部 市 は 合 併 後 の 区 域 ) の 人 口 は 、 平 成 20年 3 月 末 現 在
460千人(住民基本台帳)で、本県総人口の31.1%を占めている。これを平成17年3月末現
在と比べると9千人の減少となっている。
市別にみると、下関市及び宇部市とも近年減少傾向で推移している。
第3節
1
産業
概要
当地域の産業は、サービス業、卸売・小売業などの第3次産業が中心であり、このほ
か、化学、窯業、輸送用機械器具等の第2次産業などにより構成されている。
当 地 域 の 就 業 人 口 は 、 平 成 17年 の 国 勢 調 査 に よ れ ば 222千 人 で 、 全 県 の 就 業 者 の 30.9
%を占めており、平成12年に比べ9.9千人減少している。
2
工業
当地域は、臨海部を中心に化学工業、輸送用機械器具製造業及び食料品製造業と窯業
・土石、石油製品の企業が立地している。
平成17年の製造品出荷額等は、10,233億円で、県全体の17.0%を占めており、業種別
には化学工業が2 6 . 6%と最も多く、次いで輸送用機械器具製造業9.9%、電子部品・デ
バイス製造業8.9%となっている。
また、平成17年の事業所数は7 0 8事業所であり、業種別には食料品製造業が25.1%と
最も多く、従業者数は28,028人であり、業種別には食料品製造業が最も多く18.1%を占
めている。
3
農林水産業
(1) 農林業
当地域の平成17年の農家数は8,619戸、農家人口(販売農家のみ)は24,696人、経営耕
- 134 -
地面積は8,051haであり、平成12年と比較すると、農家数は9.2%、経営耕地面積は10.8
%の減少となっている。なお、農家数のうち74.4%が兼業農家である。
平成18年の農業産出額は183億円であり、米(58億円)及び野菜(32億円)が主要な作物と
なっている。
平成20年2月現在の家畜飼養頭羽数は、乳用牛2,122頭、肉用牛3,541頭、採卵鶏1,37
3千羽である。
ま た 、 当 地 域 の 平 成 18年 の 森 林 面 積 は 62,771haで あ り 、 平 成 18年 の 林 家 数 は 4,116戸
となっている。
(2) 水産業
当地域の水産業は、海面漁業の小型機船底びき網、さし網、小型定置網、潜水器漁業
等をはじめとする小規模沿岸漁業が主体であり、他にのり、くるまえび等の養殖業が営
まれている。
平成18年の海面漁業経営体数は532、海面漁業生産量は2 , 5 9 9tで、平成13年と比べて
それぞれ27.3%、39.0%の減少となっている。
また、内水面漁業については、厚東川及び木屋川にはそれぞれ内水面漁業協同組合が
あり、アユ、ウナギ等の稚魚等の放流や漁獲が行われており、小野湖においてはコイ、
ワカサギの放養が行われている。
4
商業
当地域の卸売・小売業は、平成16年において商店数6,682店、従業者数42,444人、年間
販売額は11,972億円であり県全体の販売額の33.7%を占めている。平成14年と比較する
と、商店数は5.1%減少、従業者数は2.5%減少、年間販売額は1.3%増加となっている。
5
サービス・観光業
当地域には、下関市の関門海峡、火の山、海響館、赤間神宮、宇部市の常盤公園など
の観光資源があり、県内外から観光客が訪れている。当地域における平成18年の観光客
入り込み人数は約633万人である。また、宿泊施設は平成19年度末で161施設となってい
る。
第4節
1
都市環境
土地利用
当地域における平成18年10月1日現在の土地利用の状況は、地域総面積1,003.6km 2 の
うち、農用地107.1km 2 (10.7%)、宅地82.4km 2 (8.2%)、森林627.7km 2 (62.5%)、原野・
その他186.4km 2 (18.6%)となっている。
2
都市計画
当 地 域 に お け る 都 市 計 画 区 域 は 、 平 成 19年 度 末 現 在 、 地 域 総 面 積 100,375haの う ち
- 135 -
52,922haが都市計画区域に指定されている。
この都市計画区域のうち、市街化区域面積又は用途区域面積は13,152haで地域総面積
の13.1%に当たり、また、用途地域別の面積並びに市街化区域面積等に対する割合は、
住居系地域(第1種・第2種低層住居専用地域、同中高層住居専用地域、同住居地域、
準住居地域)が8,987ha(68.3%)、商業系地域(近隣商業地域、商業地域)が1,094ha
(8.3%)、工業系地域(準工業地域、工業地域、工業専用地域)が3,071ha(23.4%)とな
っている。
なお、都市計画区域等の指定状況は、表6−4−1 のとおりである。
表6−4−1
都市計画用途地域別面積
区分
市町名
用
行 政 都 市 都 市 市街化
計 画 計 画 区域面 第1種
区 域 区 域 区 域 積又は 低層住
名
面 積 用途地 居専用
面 積
域面積 地 域
下関市
(平成20年3月31現在
途
域
面
積
市街化 都市計
第2種 第1種 第2種 準住居 近 隣 商 業 準 工 工 業 工 業
中高層 住 居 住 居
商 業
業
専 用 調整区 画区域
住居専 地 域 地 域 地 域 地 域 地 域 地 域 地 域 地 域
用地域
域面積 外面積
第2種
低層住
居専用
地 域
第1種
中高層
住居専
用地域
802
116
951
0
0
117
0
宇 部 21,067 6,864 1,227
5 1,903
山 陽 1,838
0
下 関 22,433 5,635
地
単位:ha)
574 1,526
17
10
155
368
391
363
362 16,798
253
0
0
52
11
50
0
0 7,101
547
658
22
158
232
246
580
520
766 14,203
0
51
3
0
22
8
16
23
0 1,668
71,606
41,589
豊 浦 7,584
483
宇 部 市 28,769
地 域 計 100,375
(%)
(100)
5,864
−
170
41
6
52,922 13,152 2,070
121 2,977 1,121 2,488
42
168 461 633 1,037 906 1,128 39,770 47,453
(52.7) (13.1) (2.1) (0.1) (3.0) (1.1) (2.5) (0.0) (0.2) (0.5) (0.6) (1.0) (0.9) (1.1) (39.6) (47.3)
(注) 1 ( )内は、行政区域面積に対する割合(%)である。
2 山陽都市計画区域については、宇部市(旧楠町)分を記載している。
3 県都市計画課調べ。
3
都市施設等
(1) 上水道
当地域における水道普及率は、平成19年度末現在97.6%(給水人口449,082人)である。
また、水道施設数は、上水道2、簡易水道9及び専用水道7である。
平成19年度の上水道給水量は、62,054千m 3 であり、水道水源別の取水割合はダム用水
85.0%、河川表流水3.9%、伏流水5.7%、地下水5.4%となっている。
(2) 工業用水道
当地域の工業用水道は、県営として木屋川第1期工業用水道及び木屋川第2期工業用
水道(木屋川から取水)、厚東川工業用水道及び厚東川第2期工業用水道(厚東川から
取水)があり、給水能力はそれぞれ 156千m 3 /日及び3.4千m 3 /日、343.3千m 3 /日及び59.
5千m 3 /日を有しており、また、市営として下関市工業用水(木屋川から取水)が24.0千
m 3 /日の給水能力を有し、当地域内の主要工場等に供給している。
(3) 下水道
当地域では、下関市及び宇部市において単独公共下水道の整備を実施しており、平成
19年度末現在の下水道の処理人口は300千人、処理区域面積は6,783haで、下水道普及率
は65.2%となっている。
また、下水道終末処理場は10施設(下関市7、宇部市3)が稼働しており、処理能力
- 136 -
は合計で202千m 3 /日である。
(4) 一般廃棄物処理施設
ア し尿処理施設
当地域における平成18年度末現在のし尿処理施設は3施設(下関市1、宇部市1、豊浦
大津環境浄化組合(下関市)1)あり、処理能力は合計で476kç/日である。
イ ごみ処理施設
当地域における平成18年度末現在のごみ焼却施設は2施設(下関市1、宇部市1)あり、
処理能力は合計で598t/日である。
ま た 、 粗 大 ご み 処 理 施 設 は 4 施 設 ( 下 関 市 3 、宇 部 市 1 )あ り 、処 理 能 力 は 合 計 で
167t/日、リサイクルプラザは2施設(下関市1、宇部市1)あり、処理能力は97t/日で
ある。
ウ 最終処分場
当地域における平成19年度末現在の最終処分場は4施設(下関市2、宇部市2)あり、
残余容量は合計で1,313千m 3 である。
(5) 産業廃棄物処理施設
当地域における平成19年度末現在の産業廃棄物処理施設は230施設あり、その内訳は、
中 間 処 理 施 設 が 209施 設 、 最 終 処 分 場 が 22施 設 と な っ て い る 。 中 間 処 理 施 設 の 内 訳 は 、
木くず又はがれき類の破砕施設87施設、汚泥の脱水施設36施設、次いで、汚泥、廃油、
廃プラスチック類の焼却施設25施設、産業廃棄物の焼却施設9施設、廃油の油水分離施
設2施設、廃プラスチック類の破砕施設5施設、その他の産業廃棄物処理施設26施設と
なっている。また、最終処分場は、管理型が8施設、安定型が14施設で遮断型はない。
(6) 公園緑地等
当地域における平成19年度末現在の都市公園の整備状況は464か所(面積577.3ha)と
なっており、住民1人当たりの都市公園面積は12.8m 2 となっている。
また、港湾緑地については、3地区(面積5.9ha)が整備されている。
(7) 文教施設
当地域における平成20年5月1日現在の文教施設数は215校であり、その内訳は、幼稚
園60(児童生徒等数5,017人)、小学校78(同24,158人)、中学校39(同12,380人)、高等
学 校 24( 同 11,045人 )、 高 等 専 門 学 校 1 ( 同 1,027人 )、 短 期 大 学 2 ( 同 393人 )、 大 学 6
(同10,706人)、特別支援学校5(同454人)となっている。
(8) 社会福祉施設
当地域における平成20年5月1日現在の社会福祉施設は532施設である。その内訳は老
人福祉施設286施設、障害者サービス事業所50、相談支援事業所16、地域生活支援事業所
6、身体障害者更生援護施設7施設、知的障害者援護施設15施設、精神障害者社会復帰
施設6、生活保護施設2施設、児童福祉施設124施設(うち保育所88施設)、その他の社
会福祉施設20施設となっている。
- 137 -
4
交通運輸
(1) 道路
当地域は、本州と九州を結ぶ主要幹線道路が横断する交通の要衝であり、当地域の道
路網は、高速自動車国道の中国自動車道、山陽自動車道宇部下関線及び関門自動車道、
一般国道2号、9号、190号、
191号、435号、490号、491号及び主要地方道が骨格とな
り、これらを補完する一般県道及び市道により構成されている。
(2) 空港等
当地域には、宇部市に2,500mの滑走路を有する第2種空港の山口宇部空港があるほか、
下関市に海上自衛隊の初級教育訓練課程に使用されている小月飛行場がある。山口宇部
空港には、定期便として宇部∼東京間を1日8往復就航している。
(3) 鉄道
当地域の鉄道網は、西日本旅客鉄道株式会社の山陽新幹線及び山陽本線が東西に横断
し、九州旅客鉄道株式会社に連絡しており、また、山陰本線が下関市を起点に日本海沿
岸を南北に連絡し、このほかに、宇部線及び小野田線が地域内を連絡している。
(4) 港湾
当地域には、特定重要港湾の関門港の一翼を担う下関港、重要港湾の宇部港及び小野
田港がある。平成17年の貨物取扱量は、下関港は、輸移出1,604千t、輸移入2,952千t、
宇 部 港 は 、 輸 移 出 17,472千 t、輸 移 入 14,804千 tで あ り 、 入 港 船 舶 数 は 、 下 関 港 41,682隻
(1,830万総トン)、宇部港15,743隻(2,241万総トン)となっている。
- 138 -
Fly UP