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「総合型地域スポーツクラブ」をつくるには
「総合型地域スポーツクラブ」をつくるには 「豊かな地域社会」と「豊かなスポーツライフ」を目指して、 あなたのまちに、 「総合型地域スポーツクラブ」 をつくろう!! 「総合型地域スポーツクラブ」の設立を支援します!! 茨城県広域スポーツセンター(茨城県教育庁保健体育課スポーツ振興室) 〒310-8588 茨城県水戸市笠原町978-6 TEL029-301-5361 FAX029-301-5369 E-MAIL URL :http://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/sport/kouiki/index.htm [email protected] STEP1 地域のスポーツ環境の現状把握 『もっとスポーツを楽しみたい!!』『子どもたちの笑顔があふれる地域にしたい!!』 そんな願いから総合型地域スポーツクラブづくりは始まります。 「スポーツ白書」を作ろう!! 総合型地域スポーツクラブは、地域のスポーツ活動と地域生 活をより良くしていくための仕組みです(右図参照)。まず、 自分たちのまちの「スポーツ活動」と「地域社会」の現状把握 からクラブづくりを始めましょう。 あなたが住んでいる地域のスポーツ活動の良いところと改善 するところ、住民のスポーツに対するニーズを明らかにするた めに、地域の「スポーツ白書」を作ってみましょう。今まで見 えなかった特徴や課題が明らかになるはずです。 図 総合型地域スポーツクラブの位置づけ 「スポーツ白書」の内容 ◇地域の概要 ◇住民アンケート調査項目 ・ 対象エリアの人口 ・ 人口動態 ・ スポーツの実施状況(週1回以上のスポーツ実施率) ・ 児童生徒数 ・ 高齢者人口(高齢化率) ・ スポーツクラブ・サークルへの加入状況及び加入意向 ◇スポーツ施設の状況 ・ 行っている(行いたい)スポーツ種目 ・ 学校体育施設・公共スポーツ施設数と利用状況 ・ 現在の運動・スポーツに対する満足度 ・ 公民館等の社会教育施設数と利用状況 ・ スポーツボランティアへの参加意向 ・ 夜間照明施設設置状況、利用状況 ・ クラブ運営への参加意向 ◇指導者の状況 ・ スポーツを実施する(実施しない)理由 ◇子どもたちのスポーツ環境の把握 ・ 総合型地域スポーツクラブの認知度 ・ スポーツ少年団数、加入児童数、活動内容 ・ 総合型地域スポーツクラブへの加入意向 ・ 学校運動部活動種目数、活動内容、所属状況 ・ 住民の健康状態や生活習慣 ◇スポーツ団体の状況 ・ 年齢・性別・居住地区 ・ 体育協会・スポーツ少年団・自主サークルの実態 <形態・年齢構成・種目・活動日数・活動内容 等> ※ 行政と住民が協力して作成しよう!! スポーツ振興基本計画 スポーツ振興基本計画 スポーツ振興基本計画は、スポーツ振興施策の目標と方針を示したものです。 各市町村には、総合型地域スポーツクラブの育成を示したスポーツ振興基本計画の策定が期待されます。 文部科学省「スポーツ振興基本計画」 (平成12年) 『地域におけるスポーツ環境の整備充実』 <政策目標> ・生涯スポーツ社会の実現 ・成人の週1回以上のスポーツ実施率を50%に ↓ 「総合型地域スポーツクラブの全国展開」 2010年までに全国の市町村において少なくとも一 つは総合型地域スポーツクラブを育成(将来的には中 学校区程度の地域に1つのクラブを育成) 茨城県「スポーツ振興基本計画」 (平成16年) 【基本理念】 『生きがいのある生活と活力ある生涯スポーツ社会 の形成』 ○地域スポーツ活動の充実 県民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまで もスポーツに親しむことができる、生きがいのあ る生活と活力ある生涯スポーツ社会の実現を図る。 <到達目標(平成25年度まで)> ◇成人の週1回以上のスポーツ実施率を50%に ◇県内各市町村における総合型地域スポーツクラブの育成 STEP2 地域住民および既存スポーツ団体への理解の促進 地 域 の 方 々 か ら 賛 同 と 協 力 を 得 よ う !! 地域の皆さんに 現状を伝えよう! これからの スポーツについて 話し合おう! 地域スポーツの現状と総合型地域スポーツクラブについての情報提供 地域住民の方々に、まちのスポーツ活動の現状や総合型地域スポーツクラブの理念や 必要性について理解してもらうために、行政の広報誌を利用したり、説明会やフォーラ ムの開催などを通して、情報を提供しましょう。 スポーツ関係者による話合い ノウハウと人材を備えた既存のスポーツ団体は、総合型地域スポーツクラブづくりに おいて重要な役割を果たします。「この地域のスポーツ環境を良くするためにはどうし たらよいのか」「地域社会の問題に対してスポーツがもっと貢献できないか」といった 話し合いを通じて、総合型地域スポーツクラブづくりに理解と協力を得ましょう。 推進グループづくり 仲間を 見つけよう! 総合型地域スポーツクラブづくりには、スポーツとまちづくりに対する情熱と、リー ダーとしての資質を備えた中心人物が必要です。 中心人物は一人だけとは限りません。 多方面から協力者を募って、クラブづくりの推進グループをつくりましょう。地域住民 に開かれたスポーツクラブを実現するためには、育成段階から様々な立場の人たちが意 見を出し合い、力を合わせることが必要です。 STEP3 設立準備委員会の結成 設立準備委員会の役割は 「クラブの目的や方針の検討」と「クラブづくりの基本計画の策定」です。 設立準備委員会の役割 1.地域スポーツ及び地域生活の課題の確認・共有 2.先進事例視察と勉強会の継続 3.クラブの基本的な枠組みの検討 ① 設立理念・目的の明確化 ② 活動地域と活動拠点の検討(日常生活圏を基本として) ③ マスタープラン(中・長期的なクラブ育成計画)の作成 ④ 事業・運営組織・拠点施設・予算・指導者・会費制等の検討 メンバー構成 体育指導委員 体育協会関係者 スポーツ少年団関係者 既存スポーツクラブ代表者 学校代表者・部活動顧問 青少年相談員 PTA代表 公民館代表 自治会代表 子ども会・老人会・婦人会代表 NPO・企業等の法人 一般公募による地域住民 行政(サポート役・オブザーバー) 等 STEP4 設 立 に 向 け た 具 体 的 な 活 動( 運 営 委 員 会 の 結 成 ) クラブを運営していくための組織をつくり、具体的な準備を進めよう!! クラブの枠組みの決定 運営組織の確立 ■設立趣意書の作成 設立趣意書は、クラブの設立理念・目的を表明する最も 重要な文書です。 ■クラブ規約の作成 クラブ規約は、組織運営の基本です。総合型地域スポー ツクラブは規約に則って、適切に運営されます。 多くの地域住民が参画することによって、「自主運営」 が実現されます。地域住民が様々な形で参画できる運営組 織をつくりましょう。 実際に事業を行う運営組織は、 いくつかの部門に分けることで効 果的に機能します。例えば、総務 や広報、企画や財務、指導、研修 クラブ会員 などの部門が考えられます。 総 会 会 長 副 会 長 マネージャー会 事務局 活動拠点の確保 クラブの活動拠点とは、 【拠点スポーツ施設】と【クラブハウス】です。 スポーツ施設は定期的・継続的なスポーツ活動の場として、 クラブハウスは社交の場としての役割が期待されます。行 政や学校などとの連携によって学校の余裕教室や公共スポ ーツ施設の確保を目指しましょう。 <クラブハウス具体例> <クラブハウスの役割> ・学校の余裕教室 ・クラブ運営の拠点・窓口 ・公共施設の一室 ・地域住民の社交・交流の場 ・商店街空き店舗 ・クラブの情報の発信・集約 ・スポーツ振興くじ助成による整備 等 ・クラブのシンボル スポーツ指導者の確保と組織化 様々な人が活動する総合型地域スポーツクラブには多く のスポーツ指導者が必要です。 「スポーツ関係団体の協力を得ること」 と 「地 域の人材を発掘・育成すること」によって、スポー ツ指導者を確保しましょう。 県や市町村、体育協会等の登録指導者を活用するとともに、 指導者を公募して、スポーツ指導に意欲と資質のある人材 を見つけだしましょう。 また、指導者の資質向上のための研修や、種目や世代を 超えて指導者が意見を交換し合える機会を設けるために、 指導者を組織化しましょう。 クラブマネージャー サブクラブマネージャー スポーツ振興課 運営企画部 <規約内容> ・総則(クラブの名称と所在地) ・目的 ・事業 ・会員(資格・手続き・会費など) ・役員及び事務局(役職・選出方法・任期・任務等) ・会議(総会や運営委員会などの運営組織とその役割) ・会計規約の改定(会計年度・会計の原則・資金の管理) ・クラブの解散 ・付則(施行日など) 監 事 運営委員会 事業部 広報部 指導育成部 事業の決定と予算案の策定 ■【クラブの事業】の決定 事業を決定するには、様々な要因を考慮する必要があります。 「クラブ理念」 「事業期間」 「種目(数)」 「指導者」 「対象者」 「ニーズ」 「活動日」 「地域性(自然環境)」 地域住民のニーズをもとに、地域性や人材を生かした特 色ある事業を目指しましょう。 <スポーツ事業> 施設開放 スポーツ教室 発表会 スポーツ大会 スポーツサークル 他 <スポーツ以外の事業> パーティ 体力・健康相談 講演会 他 ※文化活動(絵画や俳句等)を加えることも検討しましょう。 ■【予算案】の策定 事業計画の裏付けとなる【予算案】を作成し、運営資金 の調達、収支の管理を行いましょう。総合型地域スポーツ クラブは、基本的に会費によって運営されるため、会費の 金額設定には十分な議論を重ねることが重要です。 また、各種助成金・補助金の活用も検討しましょう。 会 員 の 募 集 会員募集・宣伝活動とともに、入会申込書・会員証等の 作成、入会者のデータ管理などを検討する必要があります。 <会員の募集方法> ・広報誌への記事の掲載 ・リーフレットの作成 ・自治会の回覧板 ・ミニコミ誌などのメディアの利用 ・学校を通じたチラシの配布 ・ポスターの掲示 ・ホームページ作成 ・口コミ STEP5 クラブ設立 クラブの設立はゴールではありません。スタートです!! クラブ設立を記念して、設立総会 を開催しましょう。 設立総会は、クラブの理念・目的を共有するとともに、クラブの組織や運 営方法等を最終決定する場です。また、地域社会に対してクラブの設立を宣 言し、クラブを知ってもらうことにもつながります。 かしまスポーツクラブ設立総会 総合型地域スポーツクラブの特徴 総合型地域スポーツクラブの特徴 総合型地域スポーツクラブ 総合型地域 「理念の共有」 <豊かなスポーツライフの実現>と<地域が抱える生活課題の解決> にむけて、クラブ会員は地域の願いをまとめた理念を共有しています。 理念の共有 スポーツの 多様性 住民主導 受益者負担 地域住民 (会員) 拠点施設 「住民主導・受益者負担」 地域に暮らす皆さんが「主役」のクラブです。 スポーツの楽しさは、皆さんが力を合わせて、支え合うことによって創り出されます。 「自立」と「自律」そして「協働」と「参画」がキーワードです。 適切な 指導者 「スポーツの多様性」 日常 生 活 圏 地域=日常生活圏 日常生活圏とは 「一声かければ、みんなが集まれる範囲」 拠点施設を中心に子どもから高齢 者までが集まれる小・中学校区を目 安に、地域の実情をふまえて住民の 皆さんで決めていきましょう。 <多種目> 一種目ではなく、多くの種目を楽しむことができます。 <多世代> 世代を超えた住民の交流と生涯にわたるスポーツ活動が実現します。 <多志向> 自分の体力や技能、目的に合わせて、様々なスポーツにチャレンジで きます。 <多様なかかわり> 「する」 「みる」 「支える」 「創る」様々なスポーツへのかかわり方を楽しみ ましょう。 「適切な指導者」 多様なスポーツニーズに対応した指導が受けられます。 熱意と資質のある指導者を地域から見つけよう! 「拠点施設」 <拠点スポーツ施設> 定期的・継続的にスポーツを楽しむ場となります。 <クラブハウス> 総合型地域スポーツクラブのシンボル、地域住民の交流の場、クラブ 運営の拠点となります。 総合型地域スポーツクラブ設立までのステップ STEP <本部・事務局の動き> STEP1 ◇ 教育委員会と住民有志 「地域スポーツ活動の現状把握」→住民アンケートの実施・集計 →行政・体協・体指による事業の調査 「地域における生活課題の把握」→運動部活動の現状の把握 →高齢化・学校週5日制による影響 等 行政職員・住民有志による総合型地域スポーツクラブについての勉強会の実施 地域の スポーツ 環境の 状況把握 STEP2 住民・団体への働きかけ ◇ 推進グループ(啓発活動組織) メンバー : 教育委員会・体育指導委員・体育協会・住民有志 等 「総合型の趣旨の啓発」 啓発パンフレットの作成 地域住民 及び既存ス ポーツ団体 「総合型の基盤づくり事業」 への理解の 促進 ◇ 設立準備委員会 ○ メンバー構成 体育指導委員 体育協会、スポーツ指導員 STEP3 スポーツ少年団 体育関係地区代表 設立 学校代表・部活動顧問 準備委員会 PTA代表 の設定 公民館代表 自治会代表 NPO・企業等の法人 行政 その他 対象校区・行政区事業説明会 公開シンポジウムの開催 アンケート等 各種調査へ協力 小中学生保護者への配付 町内回覧、学校への説明 スポーツ団体への説明会 既存スポーツチームへの説明会 総合型地域スポーツクラブ講演会 (玉造町) 対象地域のスポーツ振興事業 学校開放の見直し スポーツ関連行政によるプロジェクト チームづくり ○ クラブの基本枠組の検討 理念 ・設立目的の明確化 事業 ・開設種目・日常的なクラブ活動 ・スポーツ教室 ・イベント ・健康づくり推進事業・広報活動 ・指導者養成 ・文化的事業 組織 ・運営組織 ・指導者組織 施設 ・施設の利用調整の可能性検討 ・クラブハウス(事務局)の可能性 財務 ・予算概要 ・会費制度の可能性 ○ 先進地視察や研修会への参加 ○ 啓発活動 利根町総合型地域スポーツクラブ 設立準備委員会 啓発・広報活動 取手市総合型地域スポーツクラブ 設立準備委員会 運営委員の公募 運営委員会の組織化 ○ クラブの枠組みの決定と運営 ◇ 運営委員会 設立趣意書の作成 ○ メンバー構成 発起人の依頼 クラブ規約の作成 設立準備委員会参加団体から 運営組織の役割分担 ・希望者 事業の決定 ・委嘱者 STEP4 住民公募から その他 ○ 事業計画の作成 ○ 指導者組織の組織化 ○ 事前イベント・教室の開催 設立に向け ○ 会費及び各種規約案の作成 種目別、対象別、地域別 た具体的な ○ 予算案の作成 ○ 指導者募集方法、委嘱方法の決定 活動 ○ 会員募集の準備 ・募集要項の作成、募集・宣伝方法の決定 ・入会申込書、会員証等の作成 ○ 拠点施設の確保 ・登録者のデータ管理 ・施設利用・クラブハウスの確保 ○ 発足当初の役員案の作成 ○ 事務局の設置 ○ 総会準備 ・備品、事務用品準備 等 ・出席依頼 ・資料の作成 ・会場準備 等 STEP5 クラブ設立 啓発・広報活動 指導者の公募 会員募集 ・入会説明会 ・チラシ等の配付 ・事前イベントの 開催 茨城県クラブマネジャー養成講習会 (茨城県教育研修センター) 総会案内 クラブ設立総会の開催→クラブ運営 文部科学省「クラブづくりの4つのドア」を参考に加筆 茨城県広域スポーツセンター 総合型地域スポーツクラブ地区別フォーラム (県西生涯学習センター)