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第3四半期 - NHKオンライン

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第3四半期 - NHKオンライン
平成20年度
第3四半期業務報告書
平成20年度第3四半期業務報告
目次
3
1 財務状況(貸借対照表、損益計算書)
財務状況(貸借対照表、損益計算書)
2 予算・事業計画の執行状況(事業収支)
3
5
事業収入
(1)受信料
6
(2)その他の収入(副次収入など)
8
事業支出
(1)国内放送(地域放送含む)
9
“NHKだからできる”放送を通して放送の公共的役割を追求
9
19
地域放送充実への取り組み
(2)国際放送
22
国際放送による海外への情報発信の強化
(3)契約収納
25
受信料の公平負担に向けた契約収納活動の強化と経費の節減
(4)調査研究
28
新たな放送サービスの開発や放送の発展に向けた調査研究の推進
(5)管理関係
32
(6)人件費
32
(7)減価償却費等
32
(8)建設費、その他特記事項
33
(参考)主な設備契約の状況
33
地上デジタル放送の普及促進
34
視聴者のみなさまとの結びつきの強化
37
信頼される公共放送のための業務運営の改革
44
子会社等の改革
48
(9)番組アーカイブ業務(区分経理)
51
(10)受託業務等(9条3項業務
51
区分経理)
52
3 地域放送局の取り組み
2
1
財務状況(貸借対照表、損益計算書)
( 一 般 勘 定 )
貸 借 対 照 表
資 産 の 部 : 5 97 億 円 増 加 の 8, 45 0億 円
現 金 預 金 お よ び 有 価 証 券 ( 短 期 ・ 長 期 ) が 55 1億 円 増 加 し た ほ か 、 受 信 料 未 収 金 が 79 億 円 増 加 し た
ことなどによる。
負 債 の 部 : 3 37 億 円 増 加 の 2, 96 1億 円
12 月 ( 偶 数 月 ) は 受 信 料 の 入 金 月 に あ た る た め 、 受 信 料 前 受 金 が 4 76 億 円 増 加 し た ほ か 、 国 際 催 事
放 送 権 料 引 当 金 が 純 額 で 3 0億 円 増 加 し て い る 。 そ の 一 方 で 、 そ の 他 の 流 動 負 債 の う ち 、 設 備 ・
整 備 関 連 の 未 払 金 が 8 1億 円 減 少 し た こ と な ど に よ る 。
純 資 産 の 部 : 2 59 億 円 増 加 の 5, 48 9億 円
事 業 収 支 差 金 2 59 億 円 の 発 生 に よ る 。
自 己 資 本 比 率 : 1 .6 ポ イ ン ト 低 下 の 6 5. 0%
受 信 料 前 受 金 の 増 加 に よ る も の で あ り 、 偶 数 月 特 有 の 変 動 で あ る 。 ( 前 年 同 月 比 で は 0 . 8% 上 昇 )
(貸 借対照 表)
( 単位 億 円)
区 分
20 年 12 月 末
前 年度決 算額
増 減 額
前年 同月 末
( 資 産 の 部 )
流
動
資
産
現 金 預 金 ・ 有 価 証 券
受
信
料
未
収
2 ,330
458
2,1 83
1,62 8
1 ,907
278
1,5 65
41
120
79
1 11
そ の 他 の 流 動 資 産
固
定
資
産
202
302
99
507
5,872
6,012
139
5,788
有 形 ・ 無 形 固 定 資 産
4,329
4,171
△ 158
4,245
長 期 保 有 有 価 証 券
1,436
1,708
272
1,436
資
106
106
0
106
そ の 他 の 固 定 資 産
0
24
23
0
出
特
定
金
1,87 2
資
◎
産
108
108
-
82
放 送 債券 償 還 積 立 資 産
資
産
合
計
108
7,853
108
8,450
597
82
8,054
1年 以 内 に 返 済 す る 長 期 借 入 金
2,084
7
2,172
-
88
△ 7
2,349
-
受 信 料 前 受 金
そ の 他 の 流 動 負 債
1,173
902
1,650
522
476
△ 380
1,627
722
539
788
248
531
放 送 債券 ・ 長 期 借 入 金
退 職 給 付 引 当 金
263
263
263
296
32
270
247
国 際 催 事放 送 権 料引 当 金
12
216
12
216
0
13
2,623
2,961
337
2,881
金
4,296
932
4,305
1,184
8
251
4,296
876
計
5,229
5,489
259
5,173
負 債 ・ 純 資 産 合 計
7,853
66. 6%
8,450
65.0 %
597
- 1.6 p
8,054
64 .2%
( 負 債 の 部 )
流
動
固
負
定
債
負
債
そ の 他 の 固 定 負 債
負
債
合
計
◎
( 純資産 の 部 )
承 継資本・固定資産 充当資本
剰
純
自
余
資
己
産
資
合
本
比
率
◎放送法施行規則の 改正により、一部の科目について区分が変更された。
差入保証金:流動 資産→固定資産 国際催事放送権料引当金:流動負 債(未払金)→固定負債
3
損 益 計 算 書
経常事業収支差金:54億円減少の293億円
契約総数・衛星契約の増加などにより、経常事業収入が53億円増加。一方で、北京五輪中継や翌年度
番組関係費の範囲拡大などにより国内放送費が増加したほか、デジタル化に伴う建設費の増加に伴い
減価償却費が増加したこともあり、経常事業支出が108億円増加。
経常収支差金:35億円減少の267億円
関連団体からの特例配当の増加などにより財務収入が増加した一方で、消費税納付額が増加したこと
などにより、財務費用が増加。その結果、経常事業外収支差金が19億円増加の△25億円となったため。
事業収支差金:59億円減少の259億円
固定資産売却益の減少により特別収入が20億円減少したほか、秋田放送会館の除却などに伴う固定
資産除却損の計上などにより、特別支出が2億円増加したことによる。
(損益計算書)
(単位 億円)
区
経
経
常
業
収
収
付
収
次
常
収
事
業
支
経
特
別
収
支
事
増減率・%
前年度
決算額
5,210
53
1.0
6,847
料
5,066
5,114
47
0.9
6,729
入
20
25
4
22.4
26
入
70
71
1
1.6
92
出
4,808
4,917
108
2.3
6,416
内
放
送
費
1,951
2,020
69
3.6
2,598
国
際
放
送
費
57
69
12
21.1
78
契
約
収
納
費
448
443
△ 5
△ 1.2
612
調
査
研
究
費
45
51
6
14.9
78
管
理
関
係
費
117
123
6
19.8
166
費
1,355
1,359
3
0.3
1,784
費
519
545
26
5.1
679
未収受信料欠損償却費
314
302
△ 11
△ 3.6
417
348
293
△ 54
等
69
101
31
46.0
85
費
114
126
12
11.2
154
経 常 事 業 外 収 支 差 金
△ 44
△ 25
19
-
△ 69
303
267
△ 35
-
361
人
件
価
償
却
経 常 事 業 収 支 差 金
経
常
事
業
外
収
支
増 減 額
5,157
入
※
金
20年12月末
実 績 額
国
減
支
業
信
副
経
事
事
受
交
常
前年同月末
実 績 額
分
財
務
財
常
収
入
務
収
支
差
金
-
431
特
別
収
入
32
11
△ 20
△ 63.9
41
特
別
支
出
16
19
2
16.1
28
319
259
△ 59
業
収
支
差
金
※受信料(損益計算書)=受信料(事業収支)+未収受信料欠損償却費(損益計算書)
4
-
375
2
予算・事業計画の執行状況(事業収支)
予算の執行状況
【事業収入】
・受信料収入は、契約総数、衛星契約ともに増加し、前年度を59億円上回って推移している。
・関連団体からの配当収入の増により財務収入が伸びている。
・特別収入は、固定資産の売却件数が前年より少なく、売却額も少額なことから、計理率が低く
なっている。
【事業支出】
・国内放送費は、翌年度番組関係費の範囲の拡大等により前年度を上回って推移している。
・国際放送費は、21年2月より英語ニュースの拡大、調査研究費は、デジタル化関連調査等を年度
後半を中心に実施しているため、ともに低い計理率となっている。
・特別支出は、会館移転やデジタル関連設備更新に伴い発生した除却損などにより、高い計理率
となっている。
( 事 業 収 支 )
区
事
分
業
受
交
副
財
特
事
(単位 億円)
収
信
付
金
次
務
収
収
別
業
収
入
収
支
12月末
実績額
予算額
予算残額
計理率
前年同月末
計理率
入
6,575
5,020
△ 1,554
76.4%
77.9%
料
6,350
4,811
△ 1,539
75.8%
77.5%
入
33
25
△ 8
74.8%
79.1%
入
100
71
△ 29
70.5%
69.5%
等
63
101
38
160.7%
147.2%
入
26
11
△ 15
43.9%
73.0%
出
6,472
4,761
1,711
73.6%
73.3%
国
内
放
送
費
2,774
2,020
753
72.8%
72.7%
国
際
放
送
費
111
69
41
62.6%
67.0%
契
約
収
納
費
590
443
146
75.1%
75.8%
調
査
研
究
費
92
51
40
56.0%
62.6%
管
理
関
係
費
179
123
55
68.9%
67.9%
費
1,802
1,359
443
75.4%
74.2%
費
718
545
172
76.0%
76.9%
費
149
126
23
84.7%
78.6%
出
22
19
3
85.9%
71.6%
費
30
0
30
0.0%
0.0%
事 業 収 支 差 金
102
259
157
-
-
人
減
件
価
財
特
予
償
却
務
別
支
備
5
事
業
収
入
(1)受信料
受信料収入状況
・受信料収入は、契約総数、衛星契約ともに増加していることや、欠損償却費が 11 億円
下回っていることから、前年度を 59 億円上回って推移している。
(単位 億円)
区
分
受信料収入(A)
〔損益計算書・債権額〕
欠損償却費(B)
受信料収入(A-B)
〔 事 業 収 入 〕
19 年度
20 年度
5,066
5,114
314
302
4,752
受信料収納額の期別推移
※受信料収入=受信料収納額(
〔事業収支〕
増減額
)+12 月末での未収額
6
4,811※
47
△
11
59
受信料契約状況
・契約総数は、10 月からの障害者免除拡大による全額免除件数の増加により、前年度
の実績を下回っている。
・衛星契約は、前年度の実績を下回るものの、おおむね順調に推移している。
・未収数は、訪問集金廃止後の対策を強化しているものの、未収認定基準の見直しの
影響により、目標の未収削減 30 万件に対して 10 万件の削減に留まっている。
(単位 万件)
区 分
19年度
20年度
年間目標 12月末累計 達成率
年間目標 12月末累計 達成率
20年12月末
契約現在数
契 約 総 数
20
25.6
128.1%
25
16.2
64.8%
3,656.7
衛 星 契 約
40
38.3
95.6%
45
36.8
81.8%
1,370.5
契約総数・衛星契約の対前年度増減数の推移
【 総 数 】 ※
(単位 万件)
30
25
目標25万件
20
⑲12月末 25.6万件
⑱12月末 3.1万件
20年度
⑲22.3万件
19年度
15
18年度
⑳12月末 16.2万件
10
5
0
⑱0.3万件
△5
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
※有料件数
【 衛 星 】 ※
(単位 万件)
60
50
目標45万件
20年度
40
⑲49.5万件
⑲12月末 38.3万件
⑱12月末 27.9万件
⑳12月末 36.8万件
19年度
18年度
30
⑱37.4万件
20
10
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
※有料件数
未収数の状況
20 年 11 月末
258 万件
(19 年度末 268 万件に対して
7
△10 万件)
(2)その他の収入
(単位 億円)
区
分
予算額
交 付 金 収 入
12 月末実績額
計理率・%
備
考
33
25
74.8
国からの交付金 等
副
次
収
入
100
71
70.5
放送番組の活用収入 等
財
務
収
入
58
85
146.7
出資に対する配当金 等
入
5
16
323.9
前々年度以前受信料の
回収 等
入
26
11
43.9
雑
特
収
別
収
固定資産売却益 等
<その他収入の状況>
【財務収入】
関連団体からの配当収入により、予算を上回る収入となっている。
20 年度・・・53.0 億円
【雑収入】
前々年度以前受信料の回収が順調であるため、予算を上回る収入となっている。
20 年度・・・14.0 億円
8
事
業
支
出
(1) 国内放送
(単位
予算額
国
内
放
送
費
12 月末実績額
2,774
2,020
計理率・%
備
億円)
考
72.8
“NHKだからできる”放送を通して放送の公共的役割を追求
10 月から 12 月にかけては、世界的な金融危機、アメリカ大統領選挙に関する報道のほ
か、振り込め詐欺防止キャンペーンのスポットや関連番組、教育フェア 2008 関連番組、
「SAVE THE FUTURE」など環境関連番組、年末の特集番組など、幅広い番組を放送した。
11 月に行った「全国個人視聴率調査」(11/17~23 NHK放送文化研究所実施)では、
総合テレビの週間接触者率は前年と同程度(60.4%→60.8%)。衛星ハイビジョンの週間接
触者率は前年を上回った(4.1%→5.8%)。NHK各波計の週間接触者率は、72.1%で前年
と変わらない。(前年 72.2%)
また、同じ時期に実施した「全国接触者率調査」では、全体リーチ(放送外の接触も含
めたNHKへの接触者率)が 76.1%(前年同期 75.6%)。放送外のリーチは 17.9%(前年
同期 17.0%)、インターネットを通じたNHKコンテンツへのリーチは 5.1%(前年同期
3.4%)であった。
「放送評価調査」
(11/22~24 NHK放送文化研究所実施)によれば、信頼(64%) と社
会貢献(63%)は高く、親しみ(49%)は低いという傾向は変わらないものの、平成 19 年
度平均と比較すると、独自性(57%→62%)と満足(53%→58%)が上がっている。
幅広い世代に親しまれる多彩な番組
(主な実績)
・ 大河ドラマ「篤姫」の全放送を終了、全 50 回の平均視聴率 24.5%。今期は「篤姫」を
含め、総合テレビのゴールデン、プライムタイムで多くの番組が今年度最高視聴率を
記録した。
・ 「第 59 回 NHK紅白歌合戦」のテーマは「歌の力 ひとの絆」。キャッチコピーとし
て「いっしょに。紅白」を掲げ放送。第2部の視聴率は3年ぶりに 40%を超えた。
・ 年末年始特集期間(12/20~1/3)では、幅広い世代で楽しめる番組を編成。
「クイズでGO!ローカル線の旅・鹿児島・JR指宿枕崎線」(12/20)
「こんにちは!動物の赤ちゃん」(12/21)、「さよなら新宿コマ劇場~涙と笑いの
9
50 年~」(12/22)、「鶴瓶の家族に乾杯 お正月スペシャル」(1/1)など。
・ NHK放送文化研究所が半期ごとに行う「全国個人視聴率調査」を実施(11/17~23)。
— 総合テレビの週間接触者率。男 20 代は前年より減少(36%→20%)。男 40 代は前々
年並みに回復(59%→49%→57%)。
(評価)
・ 上半期、第1位となったゴールデンタイムの平均視聴率は、年末年始の一週間を加え
た平均視聴率が 12.6%と前年同期(11.7%)を上回った。
・ 年末年始特集期間(12/20~1/3)については「NHK紅白歌合戦」第2部が 42.1%と
40%台に回復したほか、特集期間の(午後 7~10 時)、プライムタイム(午後 7 時~11
時)の視聴率は、ともに前年を上回り、平成 18 年度並みに回復した。
※( )内は前年同時間帯の数値
全日 13.4(12.8%) ゴールデン 15.4%(14.0%) プライム 14.4%(13.4%)
・ 今年度の最高視聴率を記録したおもな定時番組
大河ドラマ「篤姫」、最高視聴率 28.1%(10/5)、29.2%(11/30)。
…幅広い層でよくみられ、広がり指数※1は平均 208。
「ためしてガッテン 長引く痛みの正体解明“慢性痛”最新治療術」15.9%(11/19)
「その時歴史が動いた 大奥 華(はな)にも意地あり~江戸城無血開城・天璋院篤姫~」
11.6%(10/22)
「NHKスペシャル 病の起源 第5集 糖尿病~想定外の“ぜいたく”~」
14.7%(11/16)
「東京カワイイ★TV スクールファッション旋風」5.1%(11/19)
…EYESゾーンの番組は、徐々にではあるがターゲットである若年層に定
着しつつある。
・ 「2008NHK杯フィギュア」、特に、女子シングルは若年層も含め、幅広い層によく見
られた。「女子シングル・ショートプログラム」19.1%(11/28)、「女子シングル・フ
リー」20.9%(11/29)
・ 木曜夜8時「ドラマ8」では、第3シリーズ「キャットストリート」、第4シリーズ「七
瀬ふたたび」とも、第1シリーズ「バッテリー」ほどにはターゲット層(10 代の子と
その母)には届いていない。
※1“広がり指数”
「これまで見られていない年層にどれだけ見られたか」を知る指標として開発中。高齢層に偏っ
ている年度平均の年層別視聴率に対して、当該番組の年層別視聴率がどの程度偏りを是正してい
るかを得点化したもの。100 を基準とし、100 より値が大きいか小さいかが目安となる。数値が
大きいほど、これまで見られなかった視聴者層を取り込んでいることになる。
(課題・今後の取り組み)
・ 2009 年大河ドラマ「天地人」も初回視聴率 24.7%と好調を持続。
・ 「ドラマ8」では、放送開始前の 19 年度に実施したコンセプト調査でターゲット層の
10
評価が高かった「Q.E.D.証明終了」を1月から放送。結果を分析し、21 年度の編
成に生かす。
・ 平日夜 10 時台の番組開発に向け、第2四半期に実施した「比較グループインタビュー」
の分析結果などから「たったひとりの反乱」
「ソクラテスの人事」
「アレ今どうなった?」
の3本を 21 年度番組として採択。放送開始後、フォローアップ調査を予定。
信頼に応える迅速・的確な報道
(主な実績)
・ 金融危機やノーベル賞の日本人複数受賞、元厚生事務次官殺傷事件など、多くの人々
の関心事を報道。「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」などの特集番組にも展
開。
・ アメリカ大統領選挙関連では、開票速報と関連番組を多角的に編成。日米関係の深層
を様々な角度から検証した。
・ 振り込め詐欺防止のためのキャンペーン報道(詳細は後述)
・ 新型インフルエンザの感染爆発に備えた取材、放送のあり方について初めての全国会
議を開き、影響が長期化した場合の様々な支援体制についても検討を進めた。
・ NHKが音響・福祉工学の専門家の協力を得て独自に制作した緊急地震速報のチャイ
ム音を民放各局でも採用。在京キー局4社をはじめ、現在全国の 96 社に達している。
(評価)
・ 株価暴落など金融危機関連報道世帯視聴率は、第3四半期のゴールデンタイムの平均
視聴率(12.6%)を大きく上回った。
「NHKニュース7」18.1%(10/10)、「ニュースウオッチ9」15.2%(10/10)
「クローズアップ現代 波乱どこまで?逆風 日本経済」13.6%(10/30)
・ 元厚生事務次官殺傷事件関連報道では、11 月 22 日の特設ニュースが深夜(午後 11:27
~午前 0:55)にも関わらず 10%を記録。翌朝のニュースを枠拡大して放送。
「特設ニュース」(「ファン・ジニ」中断)10.0%(11/22)
「NHKニュース おはよう日本」(14 分枠広げ)13.4%(11/23)
・ 緊急地震速報に多くの放送局が同一チャイム音を使用することは、視聴者のスムーズ
な対応を促し、防災・減災活動を牽引することにもつながる。
(課題・今後の取り組み)
・ 21 年度から部として位置づける予定の報道局「生活情報プロジェクト」を中心に、よ
り暮らしに密着した形でニュースを多角的に伝えていく。
・ 緊急地震速報放送のチャイム音は、今後も民放各局には無償で提供していく。放送局
に限らず、公共施設等からも要望があれば、それに応えていきたい。
11
地域からの情報発信力の強化
(主な実績)
・ 地域発全国向け番組
…地域の課題や特色を普遍的なテーマとして全国に向けて発信。
「NHKスペシャル こうして“核”は持ち込まれた~空母オリスカニの秘密~」
(11/9)広島局
「ドキュメントにっぽんの現場 「ただいま」を待ち続けて
~拉致から 30 年・市川家の秋~」(11/15)鹿児島局・報道局社会部
「NHKスペシャル 雨の物語」(11/30)名古屋局
「NHKスペシャル ドラマ 最後の戦犯」(12/7)名古屋局
「特集 ドキュメントにっぽんの現場 明るい遺影」(12/24)大阪局・大津局
・ 地域放送番組の全国向け再放送
…地域を丹念に見つめた地元局ならではの番組、地域で好評の番組を紹介。
ドラマ「お米のなみだ」(10/19・総合テレビ)仙台局
「ドラマ 万葉ラブストーリー 夏」(10/12・総合テレビ)奈良局
「命の舞 ~隠岐・復活への 1 年間の記録~」(12/26・総合テレビ)松江局
・ 地域放送番組を紹介する定時番組
…編成局地域支援事務局へ毎週送付される地域放送番組の中から優れた番組を紹介。
「地域発!ぐるっと日本 秋の北アルプス 紅葉と雲上の絶景」(12/7)
長野局・名古屋局・富山局
(評価)
・ ドラマ「お米のなみだ」の全国放送(10/19 午後 4:45~)は視聴率 5.7%。視聴者か
らは、
「丁寧に作った番組で、見ていて涙が出た。地方で素晴らしい番組を制作したこ
とに感動。」(70 才以上女性)、「政治家が動いてお金が動く、一歩踏み込んだ内容で、
制作は難しく大変だったと思う。頑張った制作者を大いに評価したい。」(50 代女性)
など、好評意見が多く寄せられた。
・ 広島局、名古屋局の「NHKスペシャル」、鹿児島局の「ドキュメントにっぽんの現場」
には、多くの視聴者から担当局の継続的な取り組みを評価する意見が寄せられた。
「地域発!ぐるっと日本 秋の北アルプス 紅葉と雲上の絶景」
(12/7)には、再放送希
望を中心に、146 件という多くの意見問い合わせがあった。
(課題・今後の取り組み)
・ 総合テレビでは、
「地域発!ぐるっと日本」に限らず、深夜の時間帯も含めて随時、地
域放送番組を放送しており、今後も続けていく。
・ 編成局の地域支援事務局では、担当者が地域局に直接出向き、若い制作者の声を聞く
ことで、よりこまやかなアドバイスやサポートを実現していく。
12
地球環境など公共放送キャンペーンの展開
(主な実績)
・ 環境キャンペーン「地球エコ 2008」おもな関連番組
「街道てくてく旅 ~四国八十八か所を行く~(秋編)」(~10/24)
「世界一周! 地球に触れるエコ大紀行」(~2009 年 1/1)
「第6回NHKミニミニ映像大賞グランプリ決定!!」(12/14)
「デジタル・スタジアム SAVE THE FUTURE エコロジー作品特集」(12/20)
「地球徒歩トボ~緒形拳がみつめたプラネットアース~」(12/29)
「SAVE THE FUTURE 年末スペシャル 第1部・第2部・第3部」(12/29)
・ 地球温暖化防止に取り組む活動のひとつとして、年度後半期から教育テレビの週末の
放送終了時刻繰り上げと、毎日の放送休止時間帯の停波(アナログ)を実施。さらに、
12月29日には教育テレビの放送時間を午後0時半から午後9時半までとして12時間50
分短縮。深夜帯にとどめていた放送休止時間帯を日中に拡大し、温暖化防止をアピー
ルした。
・ 「街道てくてく旅」は、地球にやさしい生中継をキャッチフレーズに、各地で視聴者
から廃油を回収。それを精製したものを中継車などの燃料として使った。回収した廃
油は総計3,086リットルにのぼり、中継車は6,720キロメートルを走行した。
・
「みんなで防ごう!振り込め詐欺」を合言葉に、振り込め詐欺防止キャンペーンを11
月から開始。萩本欽一さん、あき竹城さんが出演するスポットをテレビ、ラジオで放
送。振り込め詐欺の手口や被害の状況を詳しく放送することで、被害を少しでも減ら
そうと、「NHKニュース おはよう日本」のシリーズ企画や「生活ほっとモーニング」
「クローズアップ現代」「ニュースウオッチ9」などで取り上げた。また、NHKオ
ンラインに専用ホームページを開設し、代表的な手口や対応策を紹介した。
(評価)
・ 放送終了時刻繰り上げと停波によって使用電力量は1日あたり約 3,000kwh 節減。
・ 教育テレビの放送時間短縮には賛否両論、多くの意見が寄せられた(意見・問い合わせ
総数 1,894 件、12/5~30)。賛成意見、反対意見の割合はほぼ同程度。
・ 「街道てくてく旅」で活躍した中継車、エコロジア号が 2008 年度グッドデザイン賞を
受賞。風力発電、太陽電池パネルを搭載し、廃油を精製したバイオディーゼル燃料で
走るという先駆的、実験的なデザイン活動(新領域デザイン)が評価された。
警視庁によると、11 月の都内の振り込め詐欺の被害は 126 件、前年同月より 66%減。
警視庁副総監が会議で「報道で社会全体が振り込め詐欺への強い関心を持ってくれた」
と述べたほか、視聴者からも「社会保険庁の者と名乗る男から還付金の電話があったが、
スポットを見ていたので電話を切った。見ていなければ詐欺に引っかかってしまったか
もしれない」といった反響が数多く寄せられた。
13
(課題・今後の取り組み)
・ NHKが掲げる環境キャンペーン「地球エコ 2009」については、ひきつづき放送を通
じて展開し、視聴者の理解とCO2削減への取り組みを促進するよう努める。
・ 再度、12 月 29 日のような大幅な放送時間の短縮をおこなう場合は、休止時間帯の設定
や視聴者への事前の周知の方法などについて、さらに検討が必要。
・ 振り込め詐欺防止キャンペーンとして、第4四半期も新たなバージョンのスポットを
放送する。
次の世代を担う青少年に向けた教育番組の充実
(主な実績)
・ 教育フェア 2008(10/22~11/3)関連では、秋のふれあい広場の会場から3日間(11/1
~11/3)でおよそ8時間の生放送を行ったほか、各種イベント関連番組や定時スペシ
ャル番組などを総合、教育、衛星で特別編成した。
・ 若者や家族一緒での視聴を意識した定時番組のスペシャル版を放送。
「土曜親じかん 秋のスペシャル“子育ての鉄則!”それってホント?」(10/25)
「健康スペシャル 2008“脱メタボ”」(11/1)
「ETVワイド ともに生きる LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・
トランスジェンダー)」(11/1)
「めざせ!会社の星 拡大スペシャル 天国?地獄?“転職”の極意」(11/1)
・ 秋のふれあい広場では、
「体験スタジオ 505」、人気番組の展示、ワークショップのほか、
近未来の教育サービスを先取りした「そうぞうライブラリー」、テレビとモバイル、イ
ンターネットを組み合わせた理科教育番組「ケータイカガク」などの展示を行った。
(評価)
・ 教育フェア 2008、4日間の総入場者数は 93,029 人(参考:昨年度 91,643 人)。
・ 「全国個人視聴率調査」
(11/17~23 NHK放送文化研究所実施)によると、朝の幼児・
子ども向け番組では、平日は「シャキーン!」を含む朝7時台前半の番組、土曜は「ス
イスイ!フィジー!」、「おさるのジョージ」など朝7、8時台の番組の視聴率が、前
年同時間帯を上回った。
・ 土曜午前中の子ども向け番組ゾーンは、10 月より人気アニメ「メジャー」を9時台の
前半に置き(年度前半は9時台後半に編成)、その後の視聴に弾みがつくことを図った
が、期待した効果は得られなかった。
(課題・今後の取り組み)
・ 教育テレビ放送 50 周年を迎えて1月に特別編成を行う。また来年度に向けて、特集や
新設番組などでETVのアピールを図る準備を進めていく。
14
・ 土曜午前中の在宅層にアピールするテーマ設定をよく考え、子どもゾーンのイメージ
定着に工夫を凝らす。
“ともに生きる社会”の実現をめざす番組の充実
(主な実績)
・ “秋・つながる心”と題して三夜連続のドキュメンタリーシリーズを放送。
「60 歳のラ
ブレター」
(11/5)
「見えないことは不幸じゃない」
(11/6)
「輝け!命のリレー」
(11/7)。
・ 「生活ほっとモーニング・揺れる老後の安心」(11/18・19)で、制作局と報道局生活情
報プロジェクトが連携し、介護やリハビリの現実と課題を伝えた。
・ 「ハートをつなごう」
(10/1・2)、
「ETVワイド ともに生きる」(11/1)で、LGBT
について放送。
字幕放送を、新たに「日本賞」受賞作品紹介番組、「NHK杯フィギュア」事前特番、
「NHK歳末・海外たすけあい」広報番組で実施。
(評価)
・ “秋・つながる心”の3本に対し、600 件を超える反響が寄せられた。中でも反響が多
かったのが、6日放送の「見えないことは不幸じゃない~全盲夫婦の夢と子育て」。
「すばらしい番組だった。涙を流しながら見ていた。この人たちは、目は見えないが
すばらしい生活をしている、芯が強い。目が見えるという当たり前のことを感謝した。
(50 代女性)」「本当に強い夫婦だ。お子さんとの接し方にも感動した。勇気とパワー
をもらった。(30 代女性)」。世帯視聴率では、「60 歳のラブレター」が 40 代男性にも
よく見られた。
LGBTの問題についての活動が広まっているのを受け、若者たちや親の悩みと葛藤
を取り上げ幅広い層から 400 通近いメールの反響があった。
(課題・今後の取り組み)
・ 障害や病気を持つ人と健康な人が、ともに理解し助け合える豊かな社会作りに役立つ
テーマを引き続き取り上げていく。
・ 様々な番組で連携しながらキャンペーン的に放送していくことに加え、制作局と報道
局が連携する組織横断的な制作体制も積極的に進めていく。
“ラジオルネサンス”音声放送の大幅刷新
(主な実績)
・ ラジオデー「いのちを考える~伝えたい、この大切なもの~」(10/13・ラジオ第1)
では、9時間にわたって聴取者とともに“いのち”について考え、語り合い、その大
切さを伝えた。
・ 「夜はぷちぷちケータイ短歌」の特集として、
「今夜はテレビでケータイ短歌」を総合
テレビ、ラジオ第1で同時生放送。(12/21)
15
・ 若い世代をターゲットにした、ラジオ第1放送の定時番組の開発をめざし、特集「渋
マガZ」を放送(11/23)。
・ 大晦日に、長時間生放送で、「今日は一日“アニソン”三昧」を編成(FM)。聴取者
のリクエストにこたえ、175曲のアニメソングを紹介した。
(評価)
・ ラジオデーに寄せられたメッセージ 469 件。番組のホームページにも掲載。
・ 「今夜はテレビでケータイ短歌」放送時、番組ホームページへのアクセス数は通常の
14 倍。また、翌週放送分の「夜はぷちぷちケータイ短歌」への投稿数も通常の2倍に
なった。
・ “アニソン”に寄せられたメール、FAXは 10 万件を超えた。当日、番組ホームペ
ージには 334 万 3,547 件ものアクセスがあった。(前回 19 年 4 月は 260 万 8,706 件)
また、FMポータルサイトで、放送の様子を映像で紹介するサービスを実施したとこ
ろ、67 万 162 件のアクセスがあり、インターネットと番組の連携をうまく図ることが
できた。
(課題・今後の取り組み)
・ ラジオというメディアの存在感を示す「ラジオデー」については、今後も随時、聴取
者の関心の高いテーマを選びながら取り組んでいく。
・ ケータイ短歌は 21 年度から新番組「渋マガZ」のコーナーとして展開。より幅広い若
年層の開拓に向けて引き続き魅力的演出を心がけてゆく。
・ 今後も、放送・通信が連携する視聴者参加の大型特集を定期的に編成する。
多様なメディアに向けたサービスの展開
(主な実績)
・ 放送と通信を連携させた番組を積極的に制作、放送した。
「天才てれびくんMAXビットワールド」(12/12)
…インターネットを通じて視聴者が番組の今後の展開を左右するゲームに参加。
「リトル・チャロ ケータイで試そうあなたの英語力2」(10/19)
…携帯でテストに参加すると、採点はもちろん、全国順位などもわかる。
「全国高校駅伝」(12/21)
…ワンセグデータ放送でトップの走行地点をリアルタイムで地図上に表示。
「第 59 回NHK紅白歌合戦」(12/31)
…デジタルTV・ワンセグ・ケータイ審査員による投票を2回実施(前回は3回)。
・ NHK-FMの 40 周年を記念して、80 年代に人気を博した番組「サウンドストリート」
の音源(個性派ディスクジョッキーのトーク部分)をストリーミングで配信。
・ NHKオンデマンドのスタートに向けてレコード協会と契約を締結、主要な権利者団
体との交渉を終了。制作現場向けの権利処理マニュアルを作成した。
16
(評価)
・ 「天才てれびくんMAXビットワールド」
…放送当日のホームページへのアクセス数は約 490 万ページビュー。前回の 2.9 倍
(前回は約 170 万)。ゲーム参加者は6万人超。
「ケータイで試そうあなたの英語力2」
…参加者 22,963 人、前回より 16%増(前回は 19,741 人)。
「全国高校駅伝」
…ワンセグ、PC、携帯へのアクセスは約 154 万件。前回より 25%増(前回 123 万件)。
「NHK紅白歌合戦」
…視聴者投票数は 315,083 票。このうち、デジタルTV審査員の 1 回あたりの投票
数は前回の 2.2 倍。
・ NODについては、12 月 1 日サービス開始時で、
「特選ライブラリー」ラインナップの
目標本数(1,000 本)を大幅に超える提供を実現(詳細は後述)。
・ 青春ラジカセは、11 月のオープン 1 か月で 15 万ページビュー(NHK全サイト 542
中、140 位)、最高で 1 日に 1 万 8,000 ページビュー(同 48 位)と、番組を持たないサ
イトとしては大きな反響をよんでいる。
(課題・今後の取り組み)
・ パソコンや携帯電話と連動した視聴者参加の企画は、今後も積極的に開発していく。
・ NHKオンデマンドでの番組配信において、権利者団体とのルールに基づき円滑に権
利処理が進むよう、引き続き制作現場等への支援を実施する。
(注) 視聴率については、特に表記のない限り、ビデオリサーチ社、関東ピープルメーターによ
る視聴率調査のデータを使用
17
<第3四半期の主な受賞>
● 第 25 回 ATP賞 (10 月 21 日)
【グランプリ】【最優秀賞(ドキュメンタリー部門)】
ETV特集「アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男」
(平成 20 年 6 月 15 日放送)
【最優秀賞(情報番組部門)】
スーパー職人大集合! ~技能五輪に挑んだ若者たち~ (平成 20 年 1 月 14 日放送)
【総務大臣特別賞】
ハイビジョン特集「残照 フランス・芸術家の家」 (平成 20 年 3 月 25 日放送)
● 第 35 回 「日本賞」教育コンテンツ国際コンクール(10 月 22 日~28 日)
【グランプリ日本賞】【外務大臣賞】(コンテンツ部門 青少年向け 最優秀賞)
課外授業 ようこそ先輩「みんな生きていればいい」 (平成 20 年 6 月 22 日放送)
【東京都知事賞】(コンテンツ部門 生涯教育 最優秀賞)
NHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者 失踪の謎」
(平成 20 年 6 月 22 日放送)
● 第 28 回 地方の時代映像祭(11 月 2 日)
【優秀賞】
被爆者 空白の十年
(平成 20 年 6 月 15 日放送)
【優秀賞】
ドキュメントにっぽんの現場
「先客万来 まちの“不夜城”~鹿児島・巨大スーパー~」(平成 20 年 5 月 17 日放送)
● 2008 年 「ABU賞」(11 月 24 日)
【テレビ スポーツ番組部門】
競泳 北京オリンピック代表決定戦 (平成 20 年 4 月 15 日~20 日放送)
【ラジオ ドラマ番組部門】
FMシアター 「残置物処理班」 (平成 20 年 3 月 8 日放送)
● 第 63 回 文化庁「芸術祭」(12 月 19 日)
【テレビ部門 優秀賞】
広島発 特集ドラマ 帽子 (平成 20 年 8 月 2 日放送)
【ラジオ部門 大賞】
NHK広島開局80年ラジオドラマ
「放送を続けよ!広島中央放送局の 8 月 6 日」(平成 20 年 8 月 6 日放送)
【ラジオ部門 優秀賞】
FMシアター 「あの人の声がきこえた」 (平成 20 年 11 月 8 日放送)
18
地域放送充実への取り組み
(単位
予算額
地域放送番組費(再掲)
12 月末実績額 計理率・%
141
99
70.1
備
億円)
考
国内放送費に含む
(注)地域放送番組費は地域放送局が番組制作をするためにあらかじめ配付されている予算です。地域放
送局が制作し全国発信した番組については制作費が別途「全国放送番組費」から配付されます。
地域社会に貢献する放送の充実
(主な実績)
・ 長野局、名古屋局、富山局共同制作「秋の北アルプス 紅葉と雲上の絶景」
(10/24・東海・北陸ブロック、長野県)
・ 福岡局制作、ドラマ「博多 はたおと」(12/12・九州・沖縄ブロック、「3 地域放送
局の取り組み」にも)。
・ 山形局で去年、ラジオ番組としてスタートした「今夜はなまらナイト」が、テレビの
ゴールデンタイムに進出。
「今夜はなまらナイト 秋の夜長の いも煮スペシャル2」と
して放送。(10/24 総合 午後7時 30 分~8 時 43 分)
・ 盛岡局では、放送開始 70 年を記念し、
「いわて みんなのうた」を制作。地元で活動す
る歌手の歌に、岩手の豊かな自然や地元の中学生が描いた絵を使って映像化。総合テ
レビやラジオ第一、FMで地域に向けて放送。(「3 地域放送局の取り組み」にも)
・ 岐阜局「子育て支援キャンペーン」。ハートプラザを改修して「キッズランド」を新設、
100 冊以上の絵本を展示し「絵本ライブ」公開収録。地域放送で子育て情報を提供。
・ 地域の関心や期待に応え、課題に向き合って地域放送局の存在感を高めた番組やニュ
ース企画に対し、放送総局長がその功績を表彰する「地域放送特賞」の平成 20 年度前
期分を決定。
【特賞】
— 富山局 「ひとりじゃないキャンペーン」
…うつ、自殺、障害者支援、ホームレス支援など、取材の難しいテーマを継続的
に取り上げ、夕方の「イブニングアクセス富山」でのリポートのほか、県内向け、
北陸ブロック向けに特集番組を放送。
— 松江局 ふるさと発スペシャル「焼け跡からの復活~島根・隠岐 蓮華会舞~」
…火災によって失われた伝統文化を復活させる島民の活動を 1 年間追い、世代を
超えて受け継がれる思いを伝えた。(43 分、中国ブロック・5/16)
19
【特別賞】仙台局 NHK仙台放送局 開局 80 周年記念ドラマ「お米のなみだ」
(73 分、東北ブロック・9/19)
(評価)
・ 「秋の北アルプス」の世帯視聴率は、長野 21.1%、名古屋 13.1%、富山 21.6%(ビデ
オリサーチ社、長野地区、名古屋地区ピープルメーター、富山地区)。12 月 7 日、総合
テレビで全国放送。
・ 松江局制作「ふるさと発スペシャル」は、12 月 26 日、総合テレビで全国放送。
・ 福岡局制作「博多はたおと」は 21 年 2 月 11 日、総合テレビで全国放送予定。
・ 山形局の「今夜はなまらナイト 秋の夜長の いも煮スペシャル2」は、世帯視聴率
22.8%を記録した。(ビデオリサーチ社、山形地区)
(課題・今後の取り組み)
・ テーマや素材によっては、ブロックの枠にとらわれず、関連する複数の放送局による
共同制作も含めて、より魅力的な番組の開発に積極的に取り組んでいく。
放送設備のハイビジョン化、老朽化した放送会館の建て替え等、地域放送局の設備投資
(主な実績)
・ 番組制作設備のハイビジョン化を進めた。
- 拠点局4局のスタジオハイビジョン化整備: 大阪、名古屋、札幌局が完了し、松山
局が建築工事中。
- DAW(デジタル音声編集機)整備:本部 10 式、大阪、札幌各1式の整備が完了。
- 拠点局の音声ダビング(MA)スタジオ更新整備:大阪局、札幌局が 11 月に完了。
- FPU(無線中継)基地局のハイビジョン化:全 11 ヶ所のうち9ヶ所が完了。(札
幌:手稲山、福井:久須夜、函館:木地挽山、神戸:粟鹿・六甲山、鹿児島:阿久
根、長野:美ヶ原、福島:片曽根山・水石山)
- CSKのハイビジョン化:全6台のうち4台が完了(秋田、高松、岐阜、旭川)
- ニュースカーのハイビジョン化:全9台のうち3台が完了(本部2台、福山支局)。
・ 放送会館の建て替え: 太陽光発電など自然エネルギーを積極的に導入した環境負荷の
小さい会館建設・設計に取り組んだ。
- 横浜会館: 建設工事中。遺構が発見されたことなどにより全体スケジュールの見直
しを行い、建物完成を平成 22 年度夏に変更。太陽光発電や屋上緑化、空調システム
や照明設備のインバーター化(高効率化)により省エネ化を図り、環境負荷低減に寄
与する設計を採用。
- 千葉会館:基本設計段階。建物完成は平成 23 年度を予定。設計コンセプトに地球環
境に配慮する「エコ会館」を掲げ、CO2排出量の 30%削減を目指して設計中。
- 甲府会館: 12 月に整備概要について経営決定。今後、建物の設計者選定作業に入る。
建物完成は平成 23 年度の予定。
20
(評価)
設備整備は、ほぼ予定通りに進捗している。
- スタジオ:4局中3局の整備が完了。
- DAW:今年度 36 式中 26 式の整備が完了。
- MAスタジオ:5局中4局の整備が完了。
- FPU基地局のハイビジョン化率: 20 年度末目標 38%に対し 37%。
- CSKのハイビジョン化率: 20 年度目標 84%に対し 82%。
- ニュースカーのハイビジョン化率: 20 年度目標 90%に対し 81%。
(課題・今後の取り組み)
・ 年度内に予定通り整備を終えられるよう、整備スケジュールを調整していく。
・ DAWは残り 10 式、MAスタジオは残り1局(仙台局)の整備を進める。
21
(2)国際放送
(単位
予算額
国 際 放 送 費
12 月末実績額
111
69
計理率・%
備
億円)
考
62.6
国際放送による海外への情報発信の強化
テレビ国際放送の充実・強化
(主な実績)
・21 年 2 月のNHKワールドTV刷新に向け、準備を本格化させた。
- 10 月 1 日から国際放送局記者6人を報道局アジアセンター兼務とし、ニュースの出稿
やリポート作成が従来以上に円滑に行われるよう体制を整えた。
- 整備中の国際放送の海外拠点のうちバンコク、北京からの中継リポートを 11 月から順
次、試験的に開始した。
- 毎正時ニュースの実施をにらんで、12 月 15 日から午後2時台のニュースを 30 分に拡
大して放送を開始した。
- 国際放送スタジオ及びニュース・番組制作設備が 12 月末に完成した。日本からの発信
力強化の声に応えることのできる、24 時間対応のニュース専用スタジオ。これまでの
NHKのニューススタジオとはまったく違う斬新なデザインで、エレベータホール、
廊下ともあわせて、LED照明器具を採用するなど消費電力の削減を目指した環境重
視のスタジオを実現した。
- NHKワールドTVの視聴機会を増やすために、世界各地で地域衛星や衛星のチャン
ネルを借上げる交渉を続けている。
・欧州では、9月から試験放送を始めていたアストラ衛星による放送が 10 月から本
放送化し、12 月からは英国向けBSkyBの無料チャンネルで放送を開始した。
・11 月には、トルコのケーブル局、ベトナムの地上デジタル放送局、米ミネアポリ
スのケーブル局によるNHKワールドTVの再送信を開始した。
22
<NHKワールドTV受信環境整備の進捗状況、今後の見込み>
19 年度
20 年度
第 1 四半期 第 2 四半期 第 3 四半期 第 4 四半期
ワシントン DC 地域
イ
ン
ト
゙
オ ー ス ト ラ リ ア
中東・北アフリカ
香
港
ベ ト ナ ム
他
欧
州
北
米
青色は衛星放送、黄色は地上波・ケーブル・IPTV等
・ ㈱日本国際放送との連携
- 10 月から業務委託を開始した。また、番組制作要員として8名が新たに出向し国際
放送の拡充に向けて連携を強化した。
- 定時の実務者レベルの連絡会に加えて、経営者レベルの連絡会を新設した。
・英語独自番組を1番組新設し、年間で3番組の新設となった。今年度はさらに1番組増
やすことにしており、年間目標の4番組新設の目途がたった。
(評価)
・ 2 月 2 日からの完全英語放送開始に向けて、概ねスケジュール通りの進捗である。
・ 報道局や海外総支局と国際放送局の連携が徐々に深まり、英語リポートや企画の相互利
用など、可能なところから実行できている。
・ 欧州、トルコ等での受信環境整備の結果、視聴可能世帯は第3四半期末で 7,950 万世帯
に達した。
・ ㈱日本国際放送との連携も実務レベルと経営レベルの二層体制の確立により、緊密な協
力関係が図られることとなった。
(課題・今後の取り組み)
・ 24 時間英語放送開始を前に職員・スタッフの新ニュースセンター運用訓練を行ってい
るが、開始までの限られた期間で習熟を図る必要がある。
・ 職員を補佐する外部スタッフの採用を進めているが、英語能力とニュース・番組制作能
力ともに満たす人材は少なく、鋭意、発掘に努めている。
・ 受信環境整備については現在、西欧向け衛星放送に加え、インドネシア、シンガポール
等での衛星・ケーブルによるNHKワールドTV再送信を交渉中で、年度末には目標の
1 億 1 千万世帯を達成する見込みである。
23
<ラジオ国際放送の主な取り組み>
◇アフリカのカメルーンとケニアの現地ラジオ局とリブロードキャスティング(海外の
放送機関による再送信)の交渉を行なった。実施に向けて、条件や放送内容など具体
的な話し合いを続けている。
◇ニュース強化のため、専任のCPを置くニュースプロジェクトを12月に立ち上げた。
重要ニュースに焦点をあて解説やリポートを付け加えて多言語ニュースの刷新を目指
す。
24
(3)契約収納
(単位
予算額
契 約 収 納 費
12 月末実績額
590
443
計理率・%
備
億円)
考
75.1
受信料の公平負担に向けた契約収納活動の強化と経費の削減
訪問集金の廃止と、それによる効果的・効率的な契約収納体制の構築
(主な実績)
・ 訪問集金廃止後の新しい契約・収納体制について、業務転換に向けた事前準備や現場指
導を徹底することにより、円滑な業務移行を図った。
・ 講習会などによる指導をはじめ、業務転換のための取組みを強化し、訪問集金に費やし
ていたパワーを未契約対策や未収対策に着実にシフトさせた。
・ 受信料収納率を維持・向上させるため、従来は訪問集金で 10 月以降継続振込に移行し
た 148 万件を中心に、引き続き口座振替・クレジットカード継続払の利用を促進した。
(評価)
・ 訪問集金に費やしていたパワーを未契約対策や未収対策にシフトした結果、第4期(10
月・11 月)の契約総数取次は、前年度比で 13%増加した。
・ 口座振替・クレジットカード継続払のさらなる利用促進の結果、利用者は 19 年度末に
比べて 12 月末までに 76 万件増加し、前年度(12 月末 43 万件)をはるかに上回る実績
を確保した。
・ ふれあい収納については、11 月末までに約 30 件を受付し、10 月に継続振込の振込用紙
が新たに郵送されるようになってから、申込みが増加した。
(課題・今後の取り組み)
・ 新しい契約・収納体制のさらなる定着を図り、未契約対策や未収対策を強化することで、
障害者免除拡大による全額免除件数の増加に伴って進捗が停滞している契約総数の確
保に努めていく。
・ 従来は訪問集金で 10 月以降継続振込を利用している方を中心に、確実にお振込みいた
だくために電話等でご説明し、それでもお支払いただけない状況が続く場合は、2月以
降訪問によってお支払をお願いしていく。
・ 口座振替やクレジットカード継続払への変更の勧奨に引き続き取り組み、未収の発生を
抑止していく。
25
外部委託の強化・促進による契約収納活動の展開
(主な実績)
・ 受信料の契約・収納業務の公開競争入札について、9月に実施した開札後、低入札価格
調査を経て、10 月 20 日までに3地区全ての落札事業者が決定した。
・ 落札事業者に対して、10 月より、契約・収納業務に関する事務講習や現場研修を実施
している。
(評価)
・ 入札事業者の提案内容の評価については、外部の有識者で構成される「評価委員会」に
諮問したことで決定プロセスの透明性が高まり、公平公正な評価をすることができた。
(課題・今後の取り組み)
・ 落札事業者に対して指導や研修を継続するなど、円滑な業務委託に向けた準備を進め、
21 年 2 月より万全な体制で業務を開始する。
多様な活動による未契約・未収対策の強化
(主な実績)
・ 不動産会社と引越し会社による新規契約・住所変更取次件数は、12 月末で 6.1 万件、
電器店・量販店による衛星契約取次件数は 5.9 万件となった。
・ 未収者に対しては、訪問活動による対策に加え、4 月から 11 月末までにのべ 728 万件
の郵便による受信料請求を行った。
・ 支払督促の申立てを、11 月に、福岡県で 10 件、熊本県で 7 件、愛知県で 8 件、静岡県
で 7 件実施した。これにより、申立て総件数は 12 月末までに 286 件となっている。
・ 受信料支払者限定観覧募集の公開番組・イベントを全国で実施した。
(評価)
・ 不動産会社や引越し会社による取次件数は、前年度を上回る実績を確保している。
・ 未収者への郵便による受信料請求の結果、11 月末で約 4.3 万件の払い込みがあった。
払い込み率は低いものの、入金額は約 13 億円となっている。
・ 286 件の支払督促申立て総件数のうち、12 月末までに 214 件が支払い、または支払意思
を表明している。
・ 受信料支払者限定観覧募集の公開番組・イベントは、本部で「NHK歌謡コンサート」
など 10 本、地方では「ぐ~チョコランタン小劇場」など 19 本を実施できた。
(課題・今後の取り組み)
・ 委託先会社との連携強化や、新規業務委託会社の開発により、面接困難世帯を中心とし
た未契約者・未収者へのアプローチをさらに強化していく。
支払督促に向けた事前対策の着手地域については、21 年 3 月末までに 27 都道府県(47
営業部・センター)を予定している。支払督促の実施地域を今後も拡大していくととも
に、未契約者に対する民事手続きの準備を引き続き進めていく。
・ 受信料支払者限定観覧募集の公開番組・イベントは、年間 150 本の目標に向け引き続き
展開していく。
26
より公平で合理的な受信料体系への改定
(主な実績)
・ 訪問集金を 10 月より廃止し、視聴者への周知を継続的に実施した。
- 10 月の継続振込の払込用紙の発送にあわせて、訪問集金廃止を改めて伝えるととも
に払い込みをお願いする広報スポットを、12 月末までにテレビで 17 回放送
- 「三つのたまご」「週末プレマップ」等の広報番組の中で、訪問集金廃止と継続振
込による払い込みについて案内
・ 障害者免除について 10 月より適用範囲を拡大し、視聴者への周知を継続的に実施した。
- 広報スポットを9月からテレビ・ラジオで放送。(12 月末までにテレビで、全国放
送・地域放送合わせのべ 190 回)
・ 事業所割引について、8月から事業所の契約者に対して段階的に申込書等を郵送し
(12 月末までに約 25 万件)、同時に訪問による周知も進めながら事前受付を開始した。
・ 家族割引拡大について、12 月よりパンフレットを配布して事前受付を開始するととも
に、家族割引を既に利用している約 34 万件に対して家族割引拡大を文書で周知した。
(評価)
・ 10 月実施の障害者免除拡大については、12 月末までに全額免除・半額免除あわせて約
15 万件の申請を受け付けた。周知や事前受付で多くの自治体のご協力をいただいたこ
とにより、視聴者への十分な周知と円滑な免除受付が実施されている。
・ 事業所割引コールセンターには、手続きに関する詳細など、12 月末までに約 3.5 万件
の問い合わせが寄せられている。
(課題・今後の取り組み)
・ 21 年 2 月の事業所割引の導入・家族割引の拡大の円滑な実施に向け、周知活動など諸
準備を進めていく。
・ 障害者免除拡大については、有料契約から全額免除となる件数が当初の想定していた 4
万件を大きく超えて 12 月末までに 9.5 万件まで増加したため、契約総数の増加が 16.2
万件に留まっている。
27
(4)調査研究
(単位
予算額
調 査 研 究 費
12 月末実績額
計理率・%
51
56.0
92
備
億円)
考
新たな放送サービスの開発や放送の発展に向けた調査研究の推進
放送と通信の連携サービスの開発
(サービス概要)
NHKオンデマンド(NOD)は、放送法の改正を受け、NHKが放送した番組を、ブロ
ードバンド回線を通じてPCや高機能テレビ等に有料で配信するVOD(ビデオ・オン・
デマンド)サービスである。現在放送中の番組の中から毎日 10~15 番組とニュース5番組
を放送後一週間程度配信する「見逃し番組」サービスと、過去に放送したアーカイブス番
組の中から配信する「特選ライブラリー」サービスがある。サービスの形態としては、P
Cを提供端末として配信する形態と、次のテレビ向けプラットフォーム3社のVODサー
ビスを通じて提供する形態の計4つがある。
- ㈱アクトビラ 「アクトビラビデオ」
- ㈱ジュピターテレコム 「J:COM オン デマンド」
- ㈱NTTぷらら 「ひかりTV」
(主な実績)
・ 12 月 1 日、PC用プラットフォームおよびテレビ向けプラットフォーム3社を通じて、
予定通り、4つのサービス形態で同時にNHKオンデマンドを開始した。12 月末時点
の提供本数は「特選ライブラリー」で 1,340 本、「見逃し番組」で 540 本に達した。
・ このうちPCについては、12 月の一ヶ月で、訪問者が 50 万人、会員登録数が1万 6,000
人、購入数が「見逃し番組」
「特選ライブラリー」あわせて1万 1,000 件となっている。
・ NHKオンデマンドのプロモーション活動として、タレントを招いた大掛かりなサービ
ス開始イベントの開催、渋谷・新宿で大型の屋外広告展開、全国 60 箇所の交通ターミ
ナルでポスター連張り展開等の施策を実施。
・ 放送法に定められている「放送法第9条第2項第2号の業務の基準」を総務省に申請し、
11 月 12 日に総務大臣の認可を得た。
(評価)
・ 12 月 1 日のサービス開始後は、配信停止になるようなトラブルは、㈱アクトビラの配
信設備の障害以外では特に発生しておらず、順調に稼働している。提供している画質に
28
ついては、利用者から十分に高い評価を得ている。一方で、PCにおける動画プレイヤ
ーのセキュリティ関連の設定が障壁となり、利用者に不都合が生じている面がある。
・ 幅広く良質な番組を大規模に提供することができ、これまでにないサービスとして評価
を受けている。
(課題・今後の取り組み)
・ PCにおける動画プレイヤーの課題を解決するための方法について検討を行い、速やか
に実施する。また、画面遷移について見直すべき項目を洗い出し、実現可能な部分から
改善を行う。
・ 12 月にサービスは開始したものの、まだまだ知名度やサービス内容の宣伝、広報が不
足しているため、これらの周知活動に努める。
・ NHKオンデマンドの配信に関してより多くの権利者から許諾を得るため、主要権利者
団体以外の芸能事務所、スポーツ団体、海外通信社、海外映像配給会社、出版社、映画
会社、音楽出版社、資料館等に対する個別の交渉を進める。
スーパーハイビジョン等未来を創造する技術研究
(主な実績)
NHK放送技術研究所は、スーパーハイビジョン(以下SHV)について、基礎研究か
ら超高速インターネット衛星を用いた伝送実験の事前準備に至るまで、幅広く研究を展開
した。加えて、国際標準化に向けて、ITU・国際電気通信連合やSMPTE・米国映画
テレビ技術者協会でのSHV関連の規格化・標準化活動を推進した。また、2011 年の完全
デジタル化への円滑な移行に貢献するため、地上デジタル放送の妨害波除去装置の開発と
フィールド実験を推進した。
・スーパーハイビジョン(SHV)の研究
サービス実現に向けた基盤研究として、1秒あたりのフレーム数を変えた場合の見え方
などSHVの主観評価実験を行うとともに、超高速インターネット衛星を用いた伝送実
験の準備を進めた。また、SHVの普及に向けた取り組みとして、技研公開などで上映
するコンテンツの撮影・制作を実施したほか、NHK紅白歌合戦の模様を「ふれあいホ
ール」で視聴者に公開、生上映した。
・規格化・標準化活動
ITUでは、SHVの放送に関する検討作業班を設立。SMPTEではインターフェー
ス方式及び音響方式の検討を推進した。
・次世代コンテンツ制作環境の研究
- 番組転送用ファイルシステムの開発に向けて、高速ファイル転送プロトコルを試作し
た。
- 高速(10Gbps)のデータ伝送でも動作する「誤り訂正符号化技術」を開発し、今後、
超高速無線伝送への利用が期待されている周波数帯(120GHz 帯)で、これまでより
29
長い 3km の距離で、非圧縮のハイビジョン信号6チャンネルをまとめて遅れなく伝送
することに成功した。
- NHK紅白歌合戦において、遅れの少ない携帯型ミリ波伝送装置と組み合わせたワイ
ヤレスのモバイルカメラ、暗いところでも撮影が可能なスーパーハープカメラ、マイ
クの前以外の不要な音を打ち消す指向性の高いマイクなど、技研の開発した新機材が
使用され、番組効果を高めた。
・地上デジタル放送の「あまねく」に向けた研究
放送波中継局において遠方からの反射波等の妨害(マルチパス妨害)による影響を補償
して正しく受信するための、高性能の「マルチパス等化技術」について、名古屋局、民
放と共同でフィールド実験を実施した。
また、家庭用受信機向けデジタル混信除去装置を試作し、フィールド実験を実施した。
・国際共同研究の推進
欧州との連携の一環として、英国BBC本部でスーパーハイビジョンを展示(10/1-4)、
イタリアRAI本部でSHVのトリノ・ローマ間衛星伝送実験を実施した(10/23,24)。
・研究成果の社会還元と副次収入の増加施策の推進
ARIB((社)電波産業会)規格デジタル放送パテントプール(※)と新規のCATV
デジタル放送パテントプール(※)について、NHKの必須特許追加と必須判定申立対
応を行った。
(※)パテントプール:複数の特許権者から持ち寄られた必須特許を、ライセンス管理を任されたプ
ール管理会社などが利用を希望する企業に一括ライセンスする仕組み。
(評価)
・ 超高速インターネット衛星を用いたSHV伝送実験のうち地上回線の品質検証を行い、
問題がないことを確認した。
・ マルチパス等化技術については、様々な中継局の受信環境で特性を評価、把握できた。
・ デジタル混信除去装置は、劣悪な受信環境でも安定に動作するよう、家庭用受信機向け
にソフトウエアを改善し、有効性をフィールド実験で確認した。
・ 英国、イタリアでの実験を通して、SHVの技術的実現可能性をアピールすることがで
きた。衛星放送により家庭へ向けたサービスが可能なことを示した。
・ BBC、RAI、EBUと共同でITU-Rに寄与文書を提出し、国際標準化の必要性
に対する理解を促進した。
・ CATVプールでは必須特許 13 件を保有することができARIBプール並みの実施料
分配権利を確保することができた。ARIBプールでは保有する必須特許 22 件による
配分と合わせて、高額副次収入を継続して確保することができた。
(課題・今後の取り組み)
・ 超高速インターネット衛星を用いたSHV伝送実験は、21 年 5 月の技研公開に向けて
準備を推進する。
・ 120GHz 帯での無線伝送については、さらに伝送能力の高い符号化方式の装置実装につ
いて検討を進める。
30
・ 高性能マルチパス等化技術については、様々な受信環境への適用範囲の拡大及び試作装
置の開発を推進する。
・ 家庭用受信機用デジタル混信除去装置の実用化に向けて、フィールド実験の結果を基に
検討を進める。
放送の発展に向けた調査研究の推進
(主な実績)
・ 「11 月全国個人視聴率調査」
「11 月全国接触者率調査」を実施、分析、報告した。
(11/17
~23 実施、12 月報告)
・ 「11 月放送評価調査」の実施・分析・報告 (11/22~24 実施、12 月報告)
・ ニフティ株式会社と共同で、ブログを利用した番組評価指標(クチコミ指数など)を
開発。具体材料として、連続テレビ小説「ちりとてちん」「瞳」の分析を 10 月から開
始した。
(評価)
・ 「番組視聴率は好調だが、接触者率は苦戦」という構造を解説するため、今回の報告
書には民放各局との接触日数の違いなどを初めて掲載し、NHKの視聴層が固定化し
ている実態をわかりやすく紹介した。
・ ブログを利用した番組評価については、現在分析中。1月に中間総括を行い、今後の
方向性を再度決める予定。
(課題・今後の取り組み)
・ 「11 月全国個人視聴率調査」は、「放送研究と調査」21 年4月号で外部公表予定。
・ 接触者率調査については、来年度は、新サービスのNODやワンセグ独自放送の追加
が必要である。本調査の補完研究として、放送外サービスへの接触状況などを詳しく
たずねる Web 調査を年度末から来年度にかけて実施予定。
・ 放送評価の際に、視聴者が感じる「親しみ」の構造を探るための補完調査・研究を年
明けから来年度にかけて実施予定。
・ ワンセグやNODなどの利用実態や意向の把握にも対応していく。
31
(5)管理関係
(単位
予算額
12 月末実績額
計理率・%
備
億円)
考
受 信 対 策 費
16
11
66.7
地域・個別受信相談の実施
経費 等
広
費
35
22
62.1
ふれあいミーティングの実
施経費 等
共 通 管 理 費
127
90
71.0
局舎の維持補修、水道光熱
費、固定資産税 等
報
(6)人件費
(単位
予算額
給
与
12 月末実績額
計理率・%
備
億円)
考
1,290
946
73.4 役員報酬、職員給与
512
412
80.4
退職手当・厚生費
役員退任手当、退職給付費
社会保険費、福利厚生費
(7)減価償却費等
(単位
予算額
12 月末実績額
計理率・%
備
億円)
考
減 価 償 却 費
718
545
76.0 建物・構築物等の減価償却費
財
費
149
126
84.7 支払利息、消費税 等
出
22
19
費
30
0
特
予
務
別
支
備
32
85.9 固定資産除却損 等
-
(8)建設費、その他特記事項
(単位 億円)
予算額
建
設
費
12 月末実績額
計理率・%
406
50.6
803
備
考
※12 月末実績額とは、既に納入され、支払い済みの金額である。
<設備整備等の主な実績>
◇ワンセグ独自サービスは、21 年 4 月開始に向けて先行設備(手動割込み・送出)の製造
を完了し、工場にて試験段階に入った。21 年 12 月からの本格設備(自動送出)も製造
段階に入った。地域放送局では、34 局中 17 局の送出機能整備が完了。
◇ラジオ/FM回線を更新。運行装置の入出力につながる回線端局設備については7月末
までに全局の整備を終え、9 月から 12 月にかけてFM,R1、R2の放送局間の回線を
新回線に切り替え完了。
◇本部・放送システムの更新関係
- 情報管理システムのうち「編成・送出系システム」の更新整備(1月カットオー
バー予定)。
- 番組系システムの整備を実施(プロデューサー用ノンリニア編集機 49 式)。
- ニュースセンターの報道系テープレスシステムの整備に向け、第一位契約候補者
と 12 月に仮契約を締結。
◇菖蒲久喜ラジオ放送所 ラジオ第2放送機の更新整備を完了(12/11)。
◇手話ニュース用スタジオをハイビジョン化 (12/15)。
(参考)主な設備契約の状況(契約金額の上位 5 件)
(単位
契
約
名
称
契約金額
本部ニュースセンター
契約方式
7,003
競
争
テレビ国際運行装置の更新
777
競
争
放送局HV小型中継車の製作
489
競
争
スーパーハイビジョンカメラ装置製作
393
競
争
ビデオサーバー・アーカイブスシステムの製作
33
百万円)
放送センター電話交換設備更新製作工事
323
競
争
※ 主な設備契約の状況は、10~12 月中に契約したものであり、12 月末計理済額とは一致しない。
※
(参考)調達契約の状況
(単位
平成 20 年度(10~12 月)
件
合
数
金
額
百万円)
平成 19 年度(10~12 月)
件
数
金
額
計
2,196
49,315
1,885
27,739
競
争
契
約
1,051
32,367
694
16,365
随
意
契
約
1,145
16,948
1,191
11,373
地上デジタル放送の普及促進
地上デジタル放送中継局の整備とNHK共同受信施設のデジタル化対応による視聴可能
地域の拡大
(主な実績)
地上波テレビの 2011 年完全デジタル化に向けて、デジタル中継局の整備、NHK共聴へ
のデジタル導入を推進するとともに、
「新たな難視」の調査、自主共聴など共同受信施設へ
の地上デジタル導入の促進、受信課題地区の把握に取り組んだ。
・ デジタル中継局は 207 局を整備し、NHK共聴へのデジタル導入は 477 施設について
完了した。今年度累計で、中継局 371 局、NHK共聴 1,393 施設の整備が完了した。
・ 「各地域の地上デジタル放送推進協議会(地域協議会)において、約 5,700 地区(13,000
地点)の「新たな難視」の調査地点を選定し、11 月から実測調査を開始した。
・ 自主共聴へのデジタル導入促進に向けて、自治体説明会を 27 回実施(22 の自治体の
308 施設)、受信点調査は 898 施設で実施した。また、調査促進のため 11 月から共聴
施設組合(5,000 施設)のうち 628 施設を直接訪問し、デジタル化促進とデジタル化
対応状況を把握した。
・ 主要不動産団体を通じた改修促進と進捗状況の把握を推進した。
- 地デジ簡易確認サービス:賃貸集合住宅 1.2 万棟の共同受信施設の地上デジタル
導入状況など施設情報を入手。また、導入促進を図るため、賃貸集合住宅 8.7 万
棟の施設情報を入手し、地上デジタル受信状況の机上検討を実施。
- 管理会社社員による管理物件の地デジ対応確認調査:7.5 万棟で実施。
- 全国CATV加入集合住宅情報:30 万棟について入手。
・ 受信課題地区の把握と改善策の検討については、エリア内で電界不足が懸念される地
34
区の調査と対策手法の検討を進めている。対象局所 642 局所のうち、シミュレーシ
ョンおよび調査地点の選定を 499 局所について終了し、このうち 180 局所について
調査を完了した。
(評価)
NHKの設備であるデジタル中継局の建設およびNHK共聴のデジタル放送導入に
ついては、ほぼ計画通りに進捗している。自主共聴へのデジタル化導入や「総務省 テ
レビ受信者支援センター」が行う受信環境の整備については遅れ気味であり、確実なデ
ジタル化移行に向けて、NHKとしてさらに主体的に関わっていく必要がある。
・ 今年度目標に対し、デジタル中継局は 84%、NHK共聴は 87%の整備を完了した。
12 月末までの累計で親局を含む 689 局所の送信所からサービスを開始し、電波カバ
ー率は約 96%に達した。
・ 新たな難視については、実測調査のうちNHK担当分 3,700 地区について発注を行
い、12 月末時点で約 95%を完了した。
・ 自主共聴に関する自治体説明会は 163 回(進捗率 60%、769 自治体、1751 施設)、受
信点調査は 2,837 施設(47.3%)を受付け、1,707 施設(28.5%)の調査を完了した。
・ 受信課題地区への対応については計画通り進捗中である。
(課題・今後の取り組み)
・ 新たな難視の実測調査を2月まで行い、6月にかけて対策計画の策定を行う。
・ 自主共聴関連では、更なる自治体・施設組合への周知徹底とともに、平成 21 年 1 月
から申請受付が開始される自主共聴支援策(技術支援、経費支援)と合わせて、デジ
タル化促進につなげる。
・ 集合住宅については、管理会社、団体を経由した情報把握と改修促進の取り組みを引
き続き実施し、支援センターの活動につなげる。
・ 受信課題地区については、642 局所(平成 20 年度計画)の調査完遂に向けて取り組
む。
地上デジタル放送の普及促進と国や民放と連携した難視聴解消策の検討
(主な実績)
・ 地上デジタル放送の普及、衛星セーフティネット、アナログ放送終了にむけた課題へ
の対応について、全国地上デジタル放送推進協議会(全国協)の技術部会、対策部会、
総合推進部会および各WGで各種施策の検討を進めている。
a.「新たな難視」調査及び対策手法検討に向けて、「地上デジタル難視対策計画DB」
の開発に着手した。
b.衛星セーフティネットの運用方針に関する課題の検討を進めるとともに、対象世帯
一覧表(ホワイトリスト)作成や運用について連携して検討する連絡会に参加した。
35
また、関係する制度変更や委託放送事業者と受託放送事業者の認定にむけた検討と
協力を行った。
c.デジタル混信については、全国6地域でのサンプル調査を支援するとともに、調査
結果をもとに、本調査の要領書策定、調査ポイント(1,300 地点)の選定を行った。
・ 諸外国におけるアナログ終了/デジタル移行に関する事例を調査した。(ドイツ
(11/25)の実施状況や米国の計画など)
・ デジタル難視地区における自主共聴への経費支援施策、ケーブルテレビ等の代替手段
への移行によりNHK共聴等が不要となる場合の移行円滑化助成施策を策定した。
・ 「総務省 テレビ受信者支援センター」については、前倒し開設する 40 箇所のセンタ
ー長の研修を実施し、21 年度の支援センター業務のスキームを検討した。また、10
月 1 日開所の支援センターを含め、NHKからの要員支援として 101 名を選定した。
・ 良好な受信環境の確保に向けて、日韓協力会合でデジタル放送の取り組みについて双
方の情報を交換するとともに、韓国のデジタル波による日本での混信状況を報告し
た。
・ 自主共聴への経費支援施策および移行円滑化助成施策について、NHK業務としての
大臣認可を取得した(11/12)。
<BSアナログ放送の円滑な終了に向けた取り組み>
・ 総務省の「BSアナログ放送の終了に関する関係者連絡会」に参加し、視聴者向けQ
&Aの作成など円滑な終了に向けた対応を実施した。
(評価)
衛星セーフティネットやデジタル混信、新たな難視、アナログ終了などさまざまな課
題の具体的な対応に向けて寄与できた。
a. 難視対策用と混信対策用の統一したデータベース仕様について全国地上デジタル
放送推進協議会の中で合意を図り、今後の計画策定作業を効率的・効果的に進め
るスキームを整備した。
b. 衛星セーフティネットの運用に関わる課題を検討し、一定の方向性を確認すると
ともに、難視対策と連携した衛星セーフティネットのホワイトリストや運用に関
する検討スキームを確立した。
また、衛星セーフティネットに関わる放送普及基本計画、放送用周波数仕様計画
の変更に寄与した。B-SAT社への放送衛星局の予備免許交付(11/13)に協力
した。
c. デジタル混信では、支援センターによる全国の混信調査開始に協力した。
・ アナログ放送停波に関するドイツや米国での調査で、日本の終了施策の検討における
貴重な情報を収集できた。
・ 支援センター40 箇所の開設準備を円滑に進めると共に、21 年度の支援センター業務
の内容や体制などのスキームを関係機関で大筋合意を得ることができた。
・ 日本のデジタル中継局への影響を韓国側に認識してもらうことができた。今後韓国で
のリパックチャンネル検討時には、日本への影響に配慮することが期待される。
36
(課題・今後の取り組み)
・ データベースの完成と円滑な稼動開始に向けて協力していく。
・ 衛星セーフティネットの運用面での課題の継続検討と具体的な運用フローの作成に
取り組む。ホワイトリストの内容、作成基準、スケジュールについて検討を進める。
・ デジタル混信の本調査の実施、対策計画の策定を推進する。
・ 米国のアナログ放送停波に関する現地調査を実施する。(1~2 月)
・ 2施策の早期受付の開始(1/13~)を目指す。経費支援施策を利用したデジタル化導入
促進対策を推進するとともに、移行円滑化対象地域での送受信条件の詳細検討と対策
計画を推進する。
・ 支援センター40 箇所を確実に年度内に開所するとともに、21 年度業務方針を策定す
る。
・ 韓国のチャンネルプランやリパックの動向を継続して注視していく。
・ BSアナログ放送の円滑な終了、受信契約者のデジタル放送への確実な移行について
は、NHKが主体となって、総務省など関係機関と連携しながら計画の策定・具体施
策の実施に取り組んでいく必要があり、全局体制で対応していく。
視聴者のみなさまとの結びつきの強化
CS(お客様満足)向上活動の推進
(主な実績)
・ 視聴者コールセンターに電話で寄せられた視聴者意向は、ニュース、番組、NHK紅
白歌合戦などに関する意見、問い合わせの増加により、前年同期と比べて、着信件数
が 11.1%、受付件数が 5.2%上回った。この影響で、電話応答率は 10~12 月平均
86.6%となり、前年同期を 4.9%下回った。(電話受付:一日平均約 3,000 件) 一
方、メール着信から2日以内の返信率は 87.2%(10~12 月)で、前年同期を 2.9 ポイ
ント上回った。(メール受付:一日平均約 400 件)
・ コールセンター業務改革の一環として、視聴者センターに日毎のコールセンター担当
を設け連絡窓口としたほか、コールセンターのデスク会(週一回実施)に視聴者セン
ターからも数人が参加し、情報共有と意見交換の活発化を図った。
・ コールセンターのシステム刷新に向けて調達仕様書を作成し、開発業者を選定するた
めの競争入札を 12 月に開始。コールセンター刷新計画に関連した業績評価指標(KP
I)をまとめた。
・ 放送や業務の改善件数: 累計 844 件。連続テレビ小説「だんだん」の番組末尾「ふ
たごでバンザイ!」について、「うちの双子の写真も紹介してほしい」という視聴者
の声に応え、大阪局と松江局が双子の写真の公募を開始した例や、鹿児島局のハート
37
プラザ担当者の提案とラジオセンターの対応で、
「ラジオビタミン」のホームページ
の愛情レシピのコーナーに放送日を入れるよう改修した例など、多彩な事例が報告
されている。また、視聴者から「わかりにくい」などの指摘を受けていた「番組ホ
ームページの深夜の時刻表示」については、実日実時間の表示を最優先とし、必要
に応じて(○日深夜)などの補助情報を加えることとなった。
・ 「誤記誤読」は、CS向上委員会の検討課題とし、字幕の発注プロセスやチェック体
制の検証などを通じて削減に取り組んだ。
・ ふれあいミーティング: 累計で 1,394 回実施。このうち、テーマを設定し、番組制
作者の講演やスタジオ収録番組の見学などと組み合わせる「企画型」ふれあいミーテ
ィングは 187 回、本部主体の「公募型」ふれあいミーティングは、12 月末までに9
回実施した。12 月には役員参加の大型ふれあいミーティングを山形局で実施した。
「企画型」ふれあいミーティングの実施回数は、年間 270 回の目標に対し 69.3%。
第2四半期末の進捗率は 28.5%だったが、全国各放送局に「企画型」の実施を強く
働きかけた結果、実施回数が大幅に増加した。
「公募型」についても、目標の年間 10
回へ向けて、計画的に開催している。
・ 11 月にはNHKホールで「篤姫ファンミーティング」を開催し、2,628 人のお客様に
コンサートや出演者によるトークショーをお楽しみいただいた。
(評価)
・ 視聴者コールセンターでの応答率は第2四半期とほぼ同じ結果となり、年度目標の
89%にはまだ達していない。一方、メール着信から2日以内の返信率は目標(84%)
を達成した。
・ 関係者の情報交換を密にすることで、コールセンターの視聴者対応状況が迅速に把握
でき、バックアップ体制も速やかにとることが出来るようになった。
・ コールセンター刷新のための国際調達手続きは当初のスケジュールどおり進捗して
いる。新コールセンターのKPIを明確にしたことで、目指すべき目標について各セ
クションでの意思の統一ができた。
・ 放送や業務の改善は、年間目標 1,000 件に対する進捗率が 84.4%に達し、目標の達
成はほぼ確実となった。
・ ふれあいミーティング参加者のアンケートでは、12 月末までの平均で、NHKの好
感度が上がったと答えた人は 72%、また、NHKへの理解が深まったと答えた人は
75%だった。第3四半期は、
「企画型」の実施回数が大幅に増加したことから、特に、
理解の深まりが 82.5%と高い数字を記録し、年度累計の平均値が第2四半期に比べ
て5ポイント改善される原動力となった。
・ 「篤姫ファンミーティング」は、来場者の満足度が 97.4%に上った。
(課題・今後の取り組み)
・ 視聴者コールセンターは、ピーク時の予測、土日祝日の計画的な着座数の確保をさら
に徹底し、応答率の向上を図る。また、視聴者意向が大幅に増加しているメールにつ
38
いては、字数制限を緩和して視聴者の利便性の向上を図るほか、携帯メール対応シス
テムの機能向上などの改修を実施していく。
・ コールセンター刷新については、入札者の提案に対する技術や価格の総合評価を的確
に行い、3月中に開発業者を決定して、4月からの開発プロジェクトが円滑にスター
トできるよう準備を進める。
・ 平成 21 年度の組織改正で、NHK+IDサービスの業務担当が営業局から視聴者セ
ンターに移行される。放送現場とのネットワークを生かした新たなサービスを展開し
て、会員数の大幅な増加を図っていく。また、優れた改善事例を他部局が参照できる
ようにする“水平展開”を推進するため、21 年 4 月公開を目指してCS向上委員会
のサイトの改修を進めていく。
・ 「公募型」ふれあいミーティングは「サラリーマンNEO」をテーマに開催する予定
(3月)。これにより年間 10 回の目標を達成することとなる。また、2月には福岡局
で今年度2回目の大型ふれあいミーティングを実施する。第4四半期についても、参
加者の受益感の高い企画型ミーティングを数多く実施し、年間目標(好感度アップ
78%、理解の深まり 79%)の達成を目指したい。
イベントや携帯サイトを活用した若い世代との結びつきの強化
(主な実績)
・ ハートプラザ巡回展:12 月末までに 27 局で計 50 回、累計 202 万 4,165 人が来館。
・ 紅白ロード2008: ケヤキ並木通りの大画面やふれあいホールのスーパーハイビ
ジョンによる「NHK紅白歌合戦」パブリックビューイング、カウントダウンイベント
等に若い世代が参加した。(12/31、12,968 人)
・ 福祉関連イベント:
a. 立正大学学園祭で「たすけあい in 学園祭」を開催。企画段階から学生と意見交
換。(11/2)
b. 若者が多く集まる表参道ヒルズで「NHK歳末・海外たすけあい『あなたのや
さしさを 2008』」を開催。多くの若い世代が参加。(11/30)
・ 若者向け公開番組: 「爆笑オンエアバトル」「MUSIC JAPAN」「“笑”た
いむ2008」等をNHKホール、NHKふれあいホール等で実施。
・ 音楽を学ぶ学生のための「フィルハーモニア管弦楽団」
:リハーサルを公開し、49 校
から大学生・高校生が参加。(12/8、NHKホール)
・ NHK朗読ひろば: 都内の2小学校で開催。3名のアナウンサーが出演し、朗読の
楽しさを子どもたちに紹介した。(10/10、10/30)
・ NHK全国学校音楽コンクール全国コンクール:33 組 35 校が出場。中学校の部の課
題曲「手紙」を作詞・作曲したアンジェラ・アキさんが出演し、ステージでの熱唱が
大きな感動を呼んだ。(10/11~13)
・ 特別展「源氏物語の 1000 年展」
(横浜美術館)
:小中学生向けのガイドブックを配布。
39
・ 新聞部の高校生を対象とした取材体験や、小学校での絵巻制作ワークショップ(横浜
市内の3小学校)などを開催。(8/30~11/3)
・ 「第 6 回ミニミニ映像大賞グランプリ決定」:ふれあいホールで番組公開収録
(11/16)。
・ 10 代向けの番組パンフレット「ワンダー」を全国の若者向けイベント、コンクール
や公開番組などで配付したほか、中学生の職場体験学習、ふれあいミーティングなど
でも活用した。また、20~30 代向けの番組ガイド「ウォッチ」を、
「ワンダー」同様
公開番組、イベント会場のほか、大学生等を対象にした職場体験会、採用説明会の会
場やふれあいミーティングなどで配付した。
・ 「年末年始特集」ホームページ:250 番組をNHKオンラインとNHKケータイで掲
載。
・ 大河ドラマ「篤姫」の公式ホームページ:トピックス、篤姫紀行、篤姫壁紙サービス
などコンテンツの制作を充実。
(評価)
・ ハートプラザ来館者数は、部局目標 299 万 3,821 人に対し、第3四半期末で 67.6%の
進捗率となった。
・ 紅白ロード2008「NHK紅白歌合戦」のパブリックビューイングに加え、初めて
カウントダウンイベントを取り入れ、明治神宮への初詣に向かう若い世代を中心に多
くの人の関心を集めることができた。
・ 「福祉関連イベント」は若い世代の福祉への関心を醸成するとともに、NHKと若い
世代をつなぐ“架け橋”として大きな成果を挙げた。
「たすけあい in 学園祭」は参加
者満足度 76.8%、「あなたのやさしさを 2008」は参加者満足度 84.9%であった。
・ 若者向け公開番組は 36 本、計 23,000 人あまりが参加。
(参加者満足度:平均 78.2%)
・ 「フィルハーモニア管弦楽団」はリハーサル公開に留まらず楽曲解説、クラシック音
楽番組の制作過程の解説等も盛り込み非常に高い満足度となった。(参加者満足度:
98%) 参加者の 80%はNHKのイベントに初参加。新たな視聴者層との接点創出
に成功した。
・ 「NHK朗読ひろば」は、学校へ出向く事業、NHKの社会貢献事業として今年度に
開発。朗読ブームとも相まって全国紙等でも取り上げられた。
・ NHK全国学校音楽コンクール出場校は全国で 2,463 校。昨年比 98 校増加。ロビー
で音コンPRコーナーや参加記念フォトサービスを実施。ホームページで「あなたが
好きな課題曲」を募集し、1,557 件の応募。音コンの思い出・メッセージ募集では、
児童・生徒、OB・OG、保護者から 600 件の応募。(観覧者満足度:86%)
・ 「源氏物語の 1000 年展」の関連イベント、絵巻制作ワークショップには計 166 人が
参加。また、高校生を対象とした取材体験には、15 校・76 名が参加。参加者満足度
は非常に高く 90.9%。
・ 「ミニミニ映像大賞」の応募作品は最終的に 1,000 作品を超え、前年度(940 作品)
を上回った。特に、10~20 代前半の参加者が約 20%増となり、若年層の映像イベン
40
トとして着実に定着している。
・ 「ウォッチ」について、20~30 代層向けのモニター調査を 11 月に実施。紹介 40 数
番組のうち、ひとつでも実際に視聴したいと思った割合が 76%。また、普段NHK
に接触しない層でも 54%が視聴したいと思うようになったとの調査結果が出、この
番組ガイドが視聴促進の訴求力があるとの評価を得た。
・ 「年末年始特集」ホームページへのアクセス数は一日あたり3万ページビュー(昨年
度比 1.5 倍)で、そのうち 40%が携帯電話からであり、携帯でインターネットを利
用する世代にもアクセスしてもらうことが出来た。
(課題・今後の取り組み)
・ 1月~2月には、若者に人気のある劇団による「NHKシアター・コレクション」を
開催予定。また、
「ふるさとの食 にっぽんの食 全国フェスティバル」
(3月)では大
学生を中心に参画型の企画を検討。
・ イベントや公開番組の現場に出向いて実施する「出張型」ハートプラザ巡回展を積極
的に開催するほか、全国の「ミニミニ映像大賞」参加希望者にむけての「映像制作ワ
ークショップ」の開催数も増やすなど、視聴者との接触の機会を創出していく。
・ 「ワンダー」および「ウォッチ」は、年間2回(3、9月)発行し、年代に応じて活
用を一層推進していく。
・ 「NHK全国学校音楽コンクール」中学校・高校の部では、教育テレビ放送 50 周年
記念としてクラス対抗合唱の企画を検討している。
・ 第4四半期、また来年度も引き続きイベントや公開番組を通じた若い世代との接触機
会拡大、若い世代の理解促進を重点事項として推進。また、大型展覧会と連動した子
ども向け関連イベントを全国各地で推進し、未来を担う子ども達にホンモノの感動を
伝えることに重点的に取り組みたい。
公共放送の理解促進に向けた活動の推進
(主な実績)
・ 記者会見やブリーフィング、広報番組、ホームページ、セミナーなどを通じて、経営
情報を可能な限り発信した。主な項目は次のとおり。
a. 平成 21~23 年度NHK経営計画関連
会長記者会見(10/14)
特別番組
「いつでも、どこでも、もっと身近にNHK~NHK次期経営計画決まる~」
10/14 総合 午後 11:00-11:30
10/15 総合 午後 5:30- 6:00
広報番組「三つのたまご」
「NHK次期経営計画」を 24 分に拡大して放送(出演:今井副会長)。
41
10/19 総合 午前 11:30-11:54
(再) 総合 午後 10:50-11:14
b. NHKオンデマンド(12/1 開始)
内容、利用料金などを順次発表
オープニングセレモニー(12/1)
NODスポット(11/9~12 月末 総合で 58 回、継続放送中)
c. 振り込め詐欺防止キャンペーン
スポット(11/18~12/24 総合・教育・BSで計 313 回、継続放送中)
・ 全国の放送局の地域貢献に向けた取り組みを、9月から毎週放送しており、第3四半
期は 16 局を紹介した。また、
「土曜スタジオパーク」でも、3か月で地方局4局の取
り組みを紹介した。
「万葉ラブストーリー」(奈良局、10/11)、「お米のなみだ」(仙台局、10/18)
・ 地上デジタル放送移行対策として「デジタルQ」を 16 本放送。10 月からは、毎週金
曜日に再放送枠が新設され、3か月で 13 本放送。また、12 月 1 日のデジタル放送の
日に特番「テレビよ!地デジでどう変わるの?」を放送した(25 分)。本放送の視聴
率は 6~7%、再放送の視聴率は 2~3%である(関東地区)。また、12 月 1 日の特番
の視聴率は 1.9%、12 月 28 日の再放送の視聴率は 5.5%であった。(関東地区)
「出前授業」を小学校 25 校の 1,558 人を対象に実施したほか、NHKのど自慢に
あわせて「ふれあい隊」を神奈川で実施し、放送とNHKを身近に感じてもらうよ
う努めた。
(評価)
・ 経営のトップ自らが自分の言葉で視聴者に語りかけることで、親近感、説得力が増し
た。特番には 164 件、
「三つのたまご」には 12 件のご意見がコールセンターに寄せら
れた。きめ細かな広報活動で、発表翌日、全国紙・スポーツ紙などに記事が掲載され
た他、経済専門誌に会長インタビューが掲載されるなど、幅広く取り上げられること
となった。
・ NHKオンデマンドのスポットは土日の高視聴率帯にポイントを絞って編成した結
果、放送後、ホームページへのアクセス数が飛躍的に向上した。
・ 振り込め詐欺防止スポットは、高齢者をターゲットに、朝および日中に集中編成した。
「五の日」
「十の日」や年金振込み日の 15、16 日にも重点編成し、スポット放送開始
の 11 月 18 日から 12 月 25 日までの間に 78 件の意見が寄せられた。
・ 放送局の地域貢献の取り組み紹介については、各放送局のモニター調査によると、視
聴者から大変好評。また、奈良局、仙台局の取り組みは、
「土曜スタジオパーク」の
放送をきっかけに地元でもより広く知られるようになった。
出前授業は、いずれも好評を得た。
(課題・今後の取り組み)
・ 21 年度予算・事業計画、2 月 2 日開始予定の新編成によるテレビ国際放送、NOD、
地上デジタル放送移行への取り組み、信頼回復の取り組み、受信料制度への理解や公
平負担への取り組みなどについて、NHKの主張・考え方がきちんと伝わるよう、効
42
果的な会見や取材対応に努める。また、21 年度からは、次期経営計画に盛り込まれ
た方針を月に一度、経営トップが番組に出演して伝えていく。
・ 新年度の各地の放送局の取り組み紹介では、より地域色、独自色をだすよう演出・構
成を工夫し、地域振興、視聴者交流になる取り組みを、一層取り上げて行きたい。
・ 視聴者からの反響をみると、高齢者を中心にまだまだデジタル放送への理解が不足し
ていることがうかがえる。視聴者の疑問解消、理解促進を図るテーマ設定で番組を制
作して行きたい。今後、毎回の放送で番組ホームページのURLを紹介し、アクセス
を促したい。
・ 出前授業で訪れた学校の教職員や保護者との「ふれあいミーティング」を積極的に行
い、公共放送の理解促進に取り組む。
・ 地上波スポットとBSスポットの連携を強化し、スポットを戦略的に放送できるよ
う、体制を強化したい。
<情報公開>
(主な実績)
① 「開示の求め」の受付および対応
1.「開示の求め」の件数
・情報公開
41 件
・個人情報保護
3件
2.対応結果(添付資料を参照)
・情報公開:
開示 13 件、一部開示 5 件、
対象外 5 件(うち情報提供 5 件)、
不開示 4 件、
情報提供 12 件
・個人情報保護:開示 3 件
② NHK情報公開・個人情報保護審議委員会への諮問
審議委員会を3回開催し、視聴者からの再検討の求めについて、以下2件の諮問を行
い、審議を行った。
(ア) 放送センター内にある本体以外の企業、団体等が利用しているスペース、家賃な
ど
(イ) コールセンターに再就職した職員の数、職員時代の役職
③ NHKオンデマンドサービス(NOD)開始に伴うNHK個人情報保護規程改訂等
・新たに「NHKオンデマンドサービス編」を規程に追加掲載し、11 月 20 日公表。同
時にホームページでも公開。
・12 月 1 日のNOD開始に合わせ、個人情報の開示請求等のための用紙ダウンロード・
サービスを開始。
43
(評価)
① 新聞記事等で触発された視聴者対応関連の案件や、10 月末に公表した「上半期実施
状況」に関する案件、および初めての海外からの案件等で、第3四半期も「開示の求
め」の件数は増加した。関連部局と調整しつつ迅速な返答に努めるとともに、対象外
案件の場合でも情報提供を行うよう腐心し、透明性の確保や説明責任を果たした。
第3四半期末までの累計開示率は 71%だった。
② 諮問した(ア)、(イ)ともに、関連団体のあり方、本体との関係が問われるものであ
り、委員に対し広い観点から説明し、理解を求めている。近く答申となる見込みであ
る。
③ 有料サービスも含まれるサービスとなるため、関連部局での内部検討に加え、外部
有識者の意見も参考にしながら、ほぼ三か月間を費やし規程改訂を行った。
(課題・今後の取り組み)
① 経営の説明責任を果たし透明性を確保するため、今後も情報公開の推進に努力する。
② 関連団体と外部の団体との差異や線引きの考え方、説明責任の範囲などについて更
に要検討である。
信頼される公共放送のための業務運営の改革
内部統制機能の整備、コンプライアンスの徹底
(主な実績)
・ リスクマネジメント委員会を第3四半期で2回開催し、「関連団体コンプライアンス
通報制度規程の改定」、「IT統制委員会の設置」をそれぞれ決議した。
・ 「倫理・行動憲章及び行動指針」の改定版を 10 月 15 日に施行した。
・ NHKグループのリスクマネジメント体制構築のため、全ての関連団体にリスクマネ
ジメント体制に関するヒアリングを行い、それぞれにリスクの抽出やグループ共通の
経営リスク抽出についての依頼を行った。
・ 本体の経営リスクの継続的抽出方法を検討し、より多様な視点と効率的手法で実施す
る方法論に至った。
・ 日常業務に潜むリスクの抽出・対策立案を目的とする「業務プロセスの見える化」作
業は、本部(放送総局は既に終了)および放送局で推進中。適正経理構築状況の点検
を本部、放送局で実施した。
・ 第2回リスクマネジメント委員会で決定した委託業務マニュアル作成業務のうち、拠
点局向けのハンドブックを完成、配布した。
・ 第3四半期のコンプライアンス通報件数は6件(内部窓口受付5件、外部窓口受付1
件)。技術職員による宿泊出張費着服が通報で判明。人事部による責任審査が行われ、
当日に公表、本人は懲戒免職となった。
44
・ 制作局のEPが万引きの疑いで検挙された件では、情報入手直後から、関係部局間で
連携を取り、事実関係の確認や報道資料などを作成。判明した当日夕刻の記者会見で、
公表と謝罪を行った。
・ 増大する法務業務に対応し、コンプライアンスを徹底するため、職員弁護士を2名増
員した。
・ 秋闘での初の論点となったパワーハラスメントについて、防止や周知を徹底していく
ことになった。
・ 20 年度の職場環境評価のアンケート調査を実施した。アンケート調査に合わせて、
「福地会長からのメッセージ」を公開し、役職員一丸となって組織風土改革に取り組
む決意と協力を訴えた。回答率は昨年度の 97%を上回る 99%となった。
・ 内部統制、リスクマネジメント、クライシスマネジメント、コンプライアンスに関す
る職員研修や各部局・関連団体で開催される内部統制・リスクマネジメントの勉強会
に講師派遣。第3四半期で 26 回(今年度累計 66 回)。
【研修】(※上記と一部重複)
・ 19 本の研修(入局1~4年目研修、デスク研修など)でコンプライアンスに関する
講義を実施した。
・ コンプライアンス推進研修(入局7年目職員対象)のカリキュラムを見直し、各自の
体験をもとに、コンプライアンスとは何かを考え、議論する時間を拡大した。
・ 入局 10 年目および管理職(D1)、マスター級Ⅱ、D3、D6昇進者の公金意識研修
(受信料収納)を継続して実施した。(平成 20 年度受講対象者 約 1,000 名)
・ 人事部から全国各放送局(拠点局・関東甲信越各局を除く)を訪問して管理職事例研
修、考課者の役割、職場研修への取り組みの3点について、現場管理者の役割とコミ
ュニケーションを中心に講義を行った。
(評価)
・ 第7回リスクマネジメント委員会(12/9)で決議された「関連団体コンプライアンス
通報制度規程」によって、各関連団体の通報窓口の整備を支援する基盤やNHKグル
ープ全体の重要リスクを解決する体制の構築が実現した。
・ 第8回リスクマネジメント委員会(12/16)で決議された「IT統制委員会」の設置
によって、第2次コンプライアンス委員会の答申中の重要課題であるIT統制の構築
の体制の構築の第一歩を踏み出すことができた。
・ 「見える化」作業は現場の繁忙のため計画より若干の遅れがでているが、本部、地域
とも作業は順調に進捗している。適正経理構築状況の点検は 12 月までに完了し総括
を行っている。見える化二年目以降については内部監査の改革も視野にいれながら、
基本的考え方について検討を終えた。
・ 改定された「倫理・行動憲章」「行動指針」については、①ホームページに解説版な
どを掲載、②全役職員に憲章の名刺サイズ版を配布、③コンプライアンス強化月間(今
年度は 10~12 月)として、各部局で理解促進活動を実施、④リスクマネジメント推
進担当者会議(11/6)・研修等で理解促進活動を実施、などの活動を通じて浸透を図
45
っている。
・ 法務関連では、一日平均 10 件程度の相談に対応しており、法務職員と職員弁護士が
連日フル稼働状況である。気軽に相談できる体制を整え、リスクが顕在化する前の予
防法務的な相談対応に力を入れている。
・ 職場環境評価のアンケートの冒頭に、会長からのメッセージを掲載することによっ
て、「この施策の意義を理解することができた」との声が寄せられ、組織一丸となっ
て職場環境改善に取り組む姿勢を示すことができた。アンケート結果では、総合満足
度、個別設問の評価とも全体的にわずかの改善傾向となり、なかでも経営層への評価
は、全設問を通じて最も上昇幅が大きくなった。
さまざまなレベルの基礎研修・専門研修に、公金意識や法務知識、リスクマネジメン
トという側面のみならず、多様な切り口での「コンプライアンス」を盛り込み、自分
たち自身で仕事の本質を考える場を設定できた。
(例:報道と人権、公共放送のジャー
ナリストとして、被災者のために~生活情報の基本、プロフェッショナルとは、頼り
になる公共放送を目指して私たちが職場で取り組むこと、視聴者目線での新しいサー
ビスのあり方、など)
(課題・今後の取り組み)
・ 引き続き、リスクマネジメント委員会の周知・浸透活動の充実や、
「見える化」、通報
制度の利用活性化を通じて、リスク低減に結びつける。とりわけ、関連団体を交えた
リスクマネジメント委員会の開催について、議題や出席委員の選定に配慮が必要。
・ 不祥事防止に向けて、改定された「憲章」「指針」にいかに心を入れるかということ
が重要。次期経営計画の組織風土改革に向けた課題である。さまざまな施策を繰り返
し行う必要がある。
・ 「見える化」については、計画通り平成 21 年度の早い段階で1回目の作業完了の予
定。2年目以降の進め方についての周知が必要で、第4四半期中に全国を対象に周知
会議の開催を予定。経理点検については他のモニタリング活動との重複をなくし効果
的な実施を図る必要がある。
・ 放送局向けの委託業務マニュアルの作成を引き続き実施する。併せて来年度以降の外
部パワーの適正活用に向け、関連団体対象あるいは放送系以外の職場対象のマニュア
ル作成の方針を検討していきたい。
・ 「IT統制委員会」は、総合企画室〔情報システム〕と連携しながら、今春開催に向
けた準備を進める。
・ 関連団体の経営リスク抽出は2月の締め切りに向け、再度の依頼作業が必要。
・ 経営リスク抽出について、第4四半期に実行に移すこととしている。
・ 職場環境評価の「部局別報告書」を、改善点、課題点がよりわかりやすくなるような
視点で見直し、2月中下旬に「部局長向け報告会」、2月下旬から3月にかけて「部
局報告会」を実施する。
・ コンプライアンスの徹底に向け、各種セミナーの開催、講師派遣を引き続き積極的に
行うほか、局内ホームページ等による意識喚起、eラーニング等の研修施策を充実し
ていく。
46
・ 21 年度に向けて、アンケート評価・研修レポートをベースに各研修のカリキュラム
を検証し、参加者に“より「伝わる」”研修を目指してブラッシュアップを図る。
徹底した業務の見直しと経費削減の継続
(主な実績)
・ 全部門・全組織を対象に、既存の業務で廃止・簡素化できるものがないか、業務内容・
手順を検証して大胆な業務整理を行う活動を実施した。実施期間は平成 20 年 4 月~
10 月。
・ 本来の棚卸しにあたる「自局で所管・完結する」業務が全国で 651 件報告された。ま
た、「自局で完結できない」業務の改善要望・提案などが全国で 1,298 件報告され、
該当業務の主管部局で検討のうえ、回答・見解を示した。
・ 報告内容の全協会的な情報共有を図るため、人事総務局のホームページに 11 月 14
日で全データを公開した。
(評価)
・ 「自局で完結できない」業務の改善提案・要望については、該当業務の主管部局が、
各部局にその業務がどう受け止められているかを知る「気づき」の機会となり、今後
ムダな業務を出さないための一種の予防薬にもなった。また、提案部局にとっては、
該当業務の主管部局がその業務に対する見解を説明することにより、必要性を理解し
納得性を持って業務にあたることが出来る機会となった。
(課題・今後の取り組み)
・ 今後は、この「棚卸し」の活動報告を「業務プロセスの見える化」等、各部局におけ
る継続的な業務改革に役立てていく。
「3 か年経営計画」で掲げた要員削減△1,200 人の達成
(主な実績)
・ 現行の経営計画に基づき、18 年度から3か年で職員の1割にあたる 1,200 人の削減
を進めている。最終年度となる 20 年度は 420 人の削減達成に向け、個別計画を着実
に実施しており,20 年度中に目標を達成する見込みである。
・ 削減にあたっては、あらゆる部門で業務や組織の見直しを行う一方、全部門一律の削
減ではなく、放送サービスの質の確保、放送制作力を高めることに重点をおいた。組
織の統廃合や事務部門等の要員削減のほか、番組制作や技術関係の業務については、
アウトソーシングを拡大した。≪部門別削減率⇒放送:6.1%、技術:11.5%、営
業:11.4%、事務:18.5%≫
・ 本部に比べ地方の削減率を抑制し、地上デジタルによるサービス拡大など地域放送全
47
体の質の確保に留意した。1,200 人削減のうち、放送局放送部門の削減は 19 人(削減
率:1.6%)である。
≪本部・地域別削減率⇒本部:14.0%、拠点局:11.3%、放送局:5.9%≫
(評価)
・ 1,200 人削減による人件費削減効果は、△110 億円程度を見込んでいる。また、1,200
人削減にあたっては、アウトソーシング(700 人程度。関連団体への業務移行を含む)
だけではなく、業務のスクラップによる 550 人程度の削減もあわせて実施し、より効
率的・効果的な業務実施体制の実現に努めている。
・ 要員が減少する一方で、新たに地上デジタルなど放送サービスの充実、コンプライア
ンスや内部統制の強化、受信料収入確保への対応などの新規重点業務等へ要員を配置
する必要があるため、すべての現場に十分な要員配置が行えていない。
(課題・今後の取り組み)
・ 全体的なパワー不足による現場の繁忙感・疲弊感の増大や,放送番組の質の低下への
懸念、現場での人材育成が十分に行えなくなるという不安などがあり、職員全体のモ
ラールの低下が危惧される状況にある。
・ 公共放送の使命達成のためには一定の要員規模が必要であり、現場の繁忙感・疲弊感
をできる限り解消するよう努めていくが、単純な要員増は将来のリスク要因でもあ
る。このため、21 年度以降は、組織・業務の不断の見直しによる構造改革を推進し、
必要な部門・組織に要員をシフトするとともに、関連団体も含めたNHKグループ全
体として、効率的・効果的な体制の構築をめざしていく。
子会社等の改革
子会社等の再編・統合
(主な実績)
・ 10 月に議決された次期経営計画において、子会社等の再編・統合に関する方針を策定。
子会社等の業務の位置づけを明確化することにより、今後5年間で現在の子会社 17
社を 12~13 社に削減することをめざす。また、関連公益法人については、真に公益
性の高い団体に限定し、必要最小限の体制に再編する。
・ 21 年 4 月に向けて報道系子会社2社、業務支援系子会社2社をそれぞれ1社に統合す
るための調整を進めてきたが、報道系子会社は「NHKグローバルメディアサービ
ス」、業務支援系子会社は「NHKビジネスクリエイト」として合併することで、そ
れぞれ 12 月中旬までに合併契約書の締結が終了。
48
・ 4月にNHK設立した「日本国際放送」は、10 月にNHK子会社2社、民間企業 13
社を対象とした第三者割当増資を実施し、体制を強化。2月の独自放送開始に向け制
作準備を進める。
(評価)
・ 地域子会社6社が統合した「NHKプラネット」では、制作した「クローズアップ現
代 急増する”崩壊”マンション」(GTV)が好評。イベントでは、仙台の「平泉
みちのくの浄土展」が約 6.5 万人 、大阪の「国宝 三井寺展」が約 10 万人を集めた。
・ 技術系子会社2社が統合した「NHKメディアテクノロジー」では、12 月から開始さ
れたNHKオンデマンド対応組織の明確化するため、デジタルメディア推進グループ
を設置。放送技術とITを組み合わせた新規事業開発活性化の一例。
(課題・今後の取り組み)
・ 子会社の削減については、次期経営計画の実現に向け、改革推進プログラムを、関係
各部と連携して策定し、今後の担当者、スケジュール等を明確にしたうえで、具体的
検討を進めていく。
・ 関連公益法人の見直しにおいては、21 年 2 月から外部コンサルティングも活用し、関
係する各団体の業務の一つ一つについて公益性を検証する作業を実施していく。
(単位
予算額
受取配当金(再掲)
※配当総額
12 月末実績額
25
73.7億円(普通配当
53
計理率・%
209.3
17.1億円、特例配当
備
億円)
考
財務収入に含む
56.5億円)
大型配当によるNHK財政への貢献
(主な実績)
・ 子会社各社の 19 年度業績に基づく 20 年度配当総額は 73 億円で、このうちNHK
の受取額は 53 億円。
(評価)
・ 20 年度配当総額 73 億円は、過去最大規模である。直近3か年(18~20 年度)の配
当額は 156 億円で、このうちNHK受取額は 108 億円となり、NHK財政に大きく
貢献している。
49
(課題・今後の取り組み)
・ 現在、「平成 21~23 年度NHK経営計画」に記載した配当総額 25 億円の実現に向け
て、経営に余力があると認められる子会社と大型配当の実施について協議中。
<子会社等の番組活用による副次収入状況>
(主な実績)
・ 「篤姫」(大河ドラマストーリー等)、「ちりとてちん」「いないいないばあっ!」(D
VD販売)等、配分が好調な番組は多いが、メディアミックス権料は 12 月末現在 13
億 5,500 万円で、前年同期比 1 億 6,800 万円減少。
・ 第3四半期終了時で、番組活用(テキスト含む)による副次収入見込は、NHKエンタ
ープライズ 13.2 億円、NHKエデュケーショナルが 15.1 億円、を見込んでいる。
(評価)
・ NHKテキストに関しては、年度当初不振だった家庭誌売上が、年度後半にやや持ち
直したものの全体の売上減をリカバーするには至らず。書店の閉鎖等状況は好転して
いないが、定期購読者の拡大など年度後半から来年度に向けた施策を検討している。
・ メディアミックスはアニメやNHKスペシャルの新規提案に期待。好調の配分収入に
加えて昨年並みに届くかどうかという見込み。
(課題・今後の取り組み)
・ 子会社ごとに「副次収入タスクフォース」
(副次収入の増収施策の検討プロジェクト)
を 11 月に立上げ継続して、二次展開活性策や増収策を議論、来年度につなげていく。
(単位
予算額
番組活用収入等
(再掲)
12 月末実績額
68
51
50
計理率・%
75.0
備
副次収入に含む
考
億円)
(9)番組アーカイブ業務(区分経理)
(単位
区
分
予算額
12 月末実績額
計理率・%
事
業
収
入
4
0.1
2.5
事
業
支
出
18
8
42.9
事 業 収 支 差 金
△ 14
△ 7
-
(10)受託業務等(9 条 3 項業務
備
億円)
考
区分経理)
(単位
区
事
分
業
収
入
予算額
12 月末実績額
19
15
計理率・%
80.4
備
億円)
考
NHK ホール利用料
オリンピック北京大会
事
業
支
出
16
13
77.5
2
2
-
国際信号制作
北海道洞爺湖サミットIBC
事 業 収 支 差 金
51
運営
等
3
地域放送局の取り組み
今期、次期経営計画議決を受け、
“放送局のちから”の策定に向けて、体制作りを図った
放送局が目立った他、
“放送局のちから”につながる、放送局の個性を生かした、地域社会
への貢献も各局で積極的にすすめられた。さらに経営計画の目標を意識した、若い世代と
のつながりを強める活動、3-Screens 展開にも、特徴的な動きが見られた。
“放送局のちから”の策定
■次期経営計画の実行に向け、各局でプロジェクト作りなどが始まった。
(主な実績)
秋田 「いつでも、どこでも、もっと身近にNHK秋田」推進プロジェクト始動
プロジェクトは「CS向上&地域力貢献」、
「3スクリーンズコンテンツ」、
「環境経営&
業務改善」の3つからなり、10 月から検討を開始した。
福島 「放送局のちから・ふくしまプロジェクト」設置
福島局各部、郡山支局の力を結集し、「全職員一提案」をモットーに提案議論を積み重
ね、重点活動、重点目標の設定などに、全局をあげて取り組む。
岐阜 “岐阜の底力”発揮へ「放送局のちから検討策定委員会」発足
各業務グループの代表 10 人からなる「放送局のちから検討策定委員会」を発足、職員・
スタッフ 70 人から計 91 件の提案が集まった。検討の進捗状況を周知する「岐阜の底力
通信」もすでに2回発行した。
(評価)(課題・今後の取り組み)
いずれも、現在、部局目標の策定に取り組んでいる途上である。策定後、それぞれのプ
ロジェクトの(評価)(課題)は、今後の四半期報告の中で、検証したい。
地域の拠点として、地域社会に貢献する取り組み
■地域の課題を取り上げ、地域社会に貢献
(主な実績)
札幌 交通事故防止キャンペーンを展開、交通事故死亡者減少の一助に
道内の過去5年間の全死亡事故 1,737 件を分析し、11 月7日に企画「データマップ北海
道 めざせ交通死亡事故“ゼロ”」を金曜夜の「プライムH」で放送。この素材を活用し、
「交通事故防止キャンペーン」新作6本を制作し、72 回放送。
盛岡 「岩手のチカラ」応援ソング誕生
「岩手のチカラ応援宣言!」を旗印に取り組む盛岡局の活動の一環で、「岩手のチカラ」
応援ソングの制作を、地元で活躍するマンドリンシンガーに委嘱。完成した2曲を「い
わてみんなのうた」として、10 月から、テレビ・ラジオで放送している。映像には中学
生の描いた絵も使われている。
52
甲府 地域再生キャンペーン、“農と食”をテーマに実施
“地域再生”をテーマに実施しているキャンペーン活動として「農と食」の問題を取り
上げ、10 月にシリーズ企画などを放送。視聴者の方の生の声を聞かせていただくため地
域のフェスティバルでアンケートを行ったほか、自治体、農業団体などと、番組をご覧
いただき意見を伺うモニター会を実施した。
富山 「ひとりじゃないキャンペーン」に継続的に取り組む
うつ・自殺・介護などの問題に向き合い、人と人とのつながりの大切さを訴える「ひと
りじゃないキャンペーン」を継続実施。10 月 3 日のブロック放送「ナビゲーション」で、
認知症のお年寄りが認知症のお年寄りを介護する実態を放送。12 月には、衛星ハイビジ
ョンと地域放送で、元ホームレスの人たちを取材した番組を放送した。一連の活動に対
し、20 年度前期の放送総局の地域放送特賞を受賞(再掲)。
大阪 雇用問題に関する取材プロジェクトを編成
記者、報道番組PD、映像取材、編集、テレビ制作が参加して 12 月に「雇用問題取材プ
ロジェクトチーム」を編成。派遣切り問題や日系外国人労働者の解雇、企業の融資問題
などを集中的に取材、企画リポートや番組を制作している。
和歌山 「“振り込め詐欺”防止キャンペーン」をテレビ・ラジオ・ホームページで展開
振り込め詐欺の被害を減らそうと、テレビでは、12 月から夕方の地域情報番組で寸劇を
交えた手口の再現と被害状況の説明を毎週、また「ひとくちメモ」を毎日放送している。
この素材をホームページに動画や文字情報として掲載している他、FM県域放送でも紹
介している。営業の地域スタッフも訪問先で啓発チラシを配布し注意喚起を行っている。
奈良 「平城遷都 1300 年勉強会」を開催
奈良局はプロジェクトを立ち上げ、観光奈良の活性化を応援。平成 22 年の平城遷都 1300
年祭に向け、職員が自由に参加できる勉強会を 10、12 月に開催した。奈良文化財研究所
所長や解説委員の講演から、文化財や街づくりなどの基礎知識を学んだ。
広島 核・平和関連「NHKスペシャル」や「ヒバクシャからの手紙」2か国語版を制作
11 月 9 日のNHKスペシャル「こうして“核”は持ち込まれた~空母オリスカニの秘密
~」を制作したほか、被爆体験の継承を目的に制作している「ヒバクシャからの手紙」
の2か国語版を制作し、12 月に総合テレビと国際放送でオンエア。寄せられた全国、そ
して海外の被爆者からのお手紙のうちご本人の了解を得たものについて、12 月下旬から
ホームページに掲載を開始するなど、継続的に“核・平和”への取り組みを行っている。
徳島 糖尿病予防キャンペーン、徳島局と眉山放送所をブルーライトアップ
徳島県が 14 年連続で全国最悪の死亡率となった糖尿病の予防キャンペーンを展開。11 月
には、夕方6時台のニュース番組の中で3日間特集企画を放送した他、一口メモ 20 本を
継続放送している。世界糖尿病デーの 14 日には、徳島放送会館と眉山放送所鉄塔をシン
ボルカラーのブルーにライトアップし、県民の意識向上につとめた。
沖縄 「時代を超えた“沖縄問題”へのこだわり」を掲げ番組制作
沖縄局では、
「時代を超えた“沖縄問題”へのこだわり」を掲げ、番組制作、報道に取り
組んでいる。12 月 5 日には、軍用地が沖縄の地主から本土の投資家の手に渡っている現
実を描いた「沖縄スペシャル~基地とカネ」を県域で放送した。
53
(評価)
札幌 12 月末の北海道の交通事故死亡者数は、昨年比 58 人減の 228 人。NHKの交通事故
防止キャンペーンもその一助になったと思われる。
盛岡 「いわてみんなのうた」に対しては、視聴者から「CDは販売しないのか」
「楽譜は
ないか」など問い合わせが相次いでいる。
甲府 アンケートでは 2,600 枚の回答をいただいた内容やモニター会での専門的な意見を
吸収することができた。
富山 10 月の「ナビゲーション」については、認知症のお年寄りが認知症のお年寄りの介
護する悲惨な実態は衝撃的で、名古屋地区の視聴率は 13.3%だった。ホームレスの
問題を取り上げた地域放送は視聴率 12.2%だった。
大阪 午後6時台のニュース情報番組で、雇用問題を様々な視点で放送した他、中小企業
の実態を描いた金曜夜の「かんさい熱視線」は、視聴率 12.0%と高い関心を集めた。
和歌山 お年寄りにもわかりやすいよう時間をかけて、巧妙な手口や撃退法を紹介してお
り、視聴者から高い評価を受けている。
奈良 2回の勉強会とも質問が活発で、平城京について、基礎的な知識の共有がはかれた。
広島
NHKスペシャルは、11 月のギャラクシー月間賞を受賞した。
「ヒバクシャからの手
紙」には、全国や海外の被爆者から 389 通が寄せられた。
徳島 糖尿病の予防キャンペーンの特集企画に対するモニター評は大変好評。地元医師会
からも高く評価された。
沖縄 「基地とカネ」の問題は取材が難しく、タブー視されているテーマ。真正面から取
り上げたことに、視聴者から高い評価を得た。
(課題・今後の取り組み)
札幌 今後も交通事故の状況を見つつテーマを決め、展開していく。
盛岡 楽譜を製作し、希望者に配布することにした。来年度も新たな「いわてみんなのう
た」を制作したい。
甲府 番組モニター会を中心に、意見を収集する活動を継続していく。
富山 「ひとりじゃないキャンペーン」は次年度も継続の方針。
大阪 「雇用問題」については、大阪だけでなく各局に呼びかけ関西全体の取り組みにす
る。内政・経済・遊軍の記者に加え、スポーツ・警察担当記者も参加へ。
和歌山 引き続き、地域の課題や問題を取り上げたキャンペーンを実施していく。
奈良 寺社関係者などを招き、年度内にあと1回、勉強会を開きたい。
広島 21 年度に向けて、各セクションを横断する「核・平和プロジェクト」で継続的に検
討。「手紙」は記録事業として継続提案。アーカイブス化を検討。
徳島 糖尿病に関して、年間を通し繰り返し放送していく予定。
沖縄 “沖縄問題”に関しては、沖縄戦のフィルムやテープを基にした複数の番組を全国
放送番組として提案している。
54
■地域社会の国際化に対する貢献
(主な実績)
静岡 ブラジル人未就学児童の問題を描いた番組でポルトガル語と2か国語放送を実施
日系ブラジル人の未就学児童の問題を取り上げたドキュメンタリー番組を、衛星ハイビ
ジョンで 11 月 17 日に放送、29 日には、中部ブロックで再放送し、その際、独自にポル
トガル語のナレーションを付加して放送した。
名古屋 中南米出身者による「ラティーノ・ノドジマン」今年も盛況
日本人ブラジル移住 100 年記念「ラティーノ・ノドジマン 2008」を、12 月 7 日、名古屋
市で実施。今年で2回目のイベントで、117 組の応募から選ばれた 12 組が出場し、母国
に残した家族からのVTRメッセージをおりまぜ、感動のステージとなった。
鳥取 KBSチュンチョン放送総局との業務提携に調印
鳥取県と韓国・カンウォン道の交流再開1年を前に、11 月 17 日、KBSチュンチョン放
送総局との映像素材交換などの業務提携の調印を行った。環日本海の経済や観光活性化
など多様な取材についての取材協力が可能となる。
(評価)
静岡 ブラジル人の未就学児童を取り上げた企画は、反響を受け、全国にも放送。
名古屋 入場者 949 人。ブラジル人向けの新聞、雑誌、放送局など5社から取材を受ける
など、日系ブラジル人のNHKの認知度をあげる機会となった。
鳥取 日韓交流推進に寄与し、地域の期待に応えた。
(課題・今後の取り組み)
静岡 12 月には、
“不況、派遣切り”をシリーズで企画するなど、日系ブラジル人社会の問
題に継続的に取り組んでいる。
名古屋 中南米出身者の参加イベントとして好評。来年度以降についても前向きに検討。
鳥取 今後は、IP伝送などに向け協議をすすめていく。
■地域発ドラマ、ドキュメンタリー、生中継、イベントを通じ地域での存在感を向上。
(主な実績)
旭川 「旭山動物園長・最後の挑戦」が好評
旭山動物園を全国的な人気動物園に育て上げまもなく定年を迎える小菅園長の、動物園
にかけてきた思いやこれからの夢を描き、北海道向けの地域番組「プライムH」で放送
し反響を呼んだ。
宇都宮 「おーい、ニッポン」を通じ、栃木の魅力を全国に向けて発信
10 月 5 日放送のBS2「おーい、ニッポン」では、地元の産物・自然、地域振興に取り
組む人たちを紹介し、栃木の魅力を全国に伝えた。
前橋 向井千秋さんが故郷で宇宙の魅力を語る
11 月 22~24 日、群馬県館林市の「向井千秋記念子ども科学館」で「宇宙へGO」をテー
マにイベントを開催。地元出身の向井千秋さんの講演や月周回衛星“かぐや”に載せた
55
ハイビジョンカメラがとらえた地球の映像などを公開した。
高松 菊池寛生誕 120 年・没後 60 年記念イベントを共催
菊池寛を顕彰する記念イベント「菊池寛が描く愛すべき日本の家族」を高松市内のホー
ルで菊池寛記念館との共催で開いた(10/13)。井上ひさしさんの講演や朗読の模様は県
域のラジオ第1で 30 日に放送した他、12 月にはラジオ深夜便で全国放送した。
福岡 地域文化の魅力をふんだんに織り込んだ地域ドラマ「博多 はたおと」を放送
750 年以上の伝統を誇る「博多織」の職人の世界を舞台にした 73 分の地域ドラマ「博多 は
たおと」
(73 分)を制作し放送(12/12)。地上デジタル放送のデータ放送では、あらすじ
などを紹介するとともに双方向クイズを実施し、番組への関心を高めた。
長崎 「長崎くんち」を教育テレビで完全中継
「長崎くんち」の初日、10 月 7 日の奉納踊りを、教育テレビの県域放送で、午前6時 55
分から 10 時 45 分まで3時間 50 分にわたって完全中継し、地元の強い要望に応えた。
(評価)
福岡 福岡局制作の地域ドラマとしては通算6作目となるが、これまでの最高の視聴率
15.6%を記録。ロケ地で開催した完成試写会では「感激した」という声が聞かれた。
旭川 「旭山動物園」は、視聴率 13.6%で、高視聴率を得た。
宇都宮 番組終盤の午後5時台の視聴率は 1.1%と、BS2としては前週の大相撲を超える
高い数字となった。各地の中継地点には多くの市民がつめかけ、結びつきを強化し
た。
長崎 後日放送したハイライトを含め数多くの問い合わせがあり、関心が高かった。モニ
ター報告では、迫力ある映像・完全中継を評価する声が聞かれた。
前橋 3日間のイベントで親子連れなど 2,000 人の入場者があった。
高松 入場者は 598 人。アンケート結果によると満足度は 81%。地域貢献にも役立った。
(課題・今後の取り組み)
福岡 効率的な制作体制を検討していきたい。
旭川 今後、ハイビジョン番組の「大雪山」などを予定している。
宇都宮 「知名度不足」と言われる栃木県の存在感を高めるため、引き続き全国放送番組
への提案を積極的に行っていく。
長崎 「くんち」の放送への地元の期待は大き大きく、それに応えていく必要があるとと
受けとめている。
前橋 今後も若年層向けのイベントを検討していく。
大河ドラマなど、ドラマを通して存在感をアピール
(主な実績)
新潟 「天地人」PRを全局体制で展開
「天地人へのいざない」展と名づけた巡回展を、10 月から上越市、12 月から長岡市で開
56
催。12 月には地元マスコミおよび関係者向けの試写会を実施。また、部内の勉強会とし
て「篤姫」を手がけた鹿児島局担当者に来てもらい広報勉強会を実施した。さらに、独
自の広報冊子の作成、新潟空港などの公共機関や自治体へのPRなど、全局体制で展開
している。
さいたま 連続テレビ小説「つばさ」に連動し、徹底したCS向上活動・広報活動を展開
新年度4月から始まる「つばさ」は、連続テレビ小説としては初めて埼玉県を舞台とす
る。局舎を使った懸垂幕によるPRや、職員・スタッフ用の番組ロゴ入りの名刺作成を
行った他、出演者発表などの際、地元新聞や県内関係団体に取材機会を提供した。同時
に川越営業センターでも、PR活動をすすめている。
松山 スペシャルドラマ「坂の上の雲」の放送に向け地域の盛り上げをはかる
「四国スペシャル」の枠で「坂の上の雲」の関連番組「拝啓!秋山校長殿」を制作、陸
軍退役後の秋山好古に焦点をあて放送した(10/3)。この他、10 月から 12 月にかけてロ
ケの風景や、記者会見の模様を紹介した写真パネルの展示会を、松山市内各所で開催
し、放送に向け盛り上げを図っている。
(評価)
新潟 さまざま機会をとらえて広報活動を展開できた。
さいたま 徹底した広報活動で、番組認知度のアップと地元気運の高揚が図られた。
松山 「拝啓!秋山校長殿」の視聴率は 9.8%。「好古の人間性がよく描かれていた」など
の反響が寄せられた。
(課題・今後の取り組み)
新潟 第4四半期以降、ドラマと連動して、関連の独自番組・事業を計画している。
さいたま ドラマ番組部と連携をとり、ホームページの「つばさ」サイトで、番組開始に
向けて、番組情報や埼玉県の話題の全国発信に力を入れていく。
松山 3月には関連ミニ番組を7本程度制作。また、積極的に3-Screens 展開を図る。
地域防災に資する取り組み
(主な実績)
仙台 小学校で体験型の防災イベントを開催
こどもたちの防災意識の向上を狙いとして、県内の小学校で消防署などとも連携し、体験
型の防災イベントを実施している。10 月 19 日には大崎市立長岡小学校で「NHK地震防
災教室」、12 月 9 日には東松島市立大塩小学校で「防災体験キャラバン」を開催、起震車
の体験や中継車の公開、防災講座などを行い、防災知識を深めてもらった。
岐阜 “地震防災の日”にフォーラムを実施
「濃尾大震災」が明治 24 年 10 月 28 日に発生したことから、岐阜県ではこの日を「地震
防災の日」として、3年前から岐阜局との主催でフォーラムを開いている。今年度も講演
57
とパネルディスカッションの2部構成で実施、この模様は東海3県向けに放送した。
津 “みえ防災の日”にNHKの災害・防災報道の取り組みをPR
昭和 19 年に「昭和の東南海地震」が発生した 12 月7日は、“みえ地震防災の日”と定め
られている。この日、亀山市で開かれた「みえの防災風土づくりシンポジウム」で、NH
Kの災害報道、緊急地震速報を紹介するブースを設けた。県域放送でも、「知っ得防災」
「地震対策は今」の2つの防災コーナーを設け、継続的に県民の防災意識向上に寄与して
いる。
宮崎 大規模津波防災総合訓練に参加
10 月 19 日に宮崎港で実施された、国土交通省が主催する大規模津波防災総合訓練に参加
した。今年で4回目の訓練で、報道機関が参加する初の災害報道訓練が行われ、NHKか
らもリポート訓練に参加した。訓練会場の展示コーナーにスキップバックレコーダーなど
を展示し、NHKの取り組みを紹介した。
(評価)
仙台 大塩小学校では、放送体験クラブの機材も使い参加者の関心を集めた。
岐阜 シンポジウム参加者から「今後の地震対策に役立った」などの意見がよせられた。
津 「地震対策は今」を 11 月に2本、
「知っ得防災」を 10~12 月に7本を放送。「通学路
の安全対策」などは視聴者からの評価が高かった。
宮崎 NHKの災害・緊急報道の取り組みを県民に知っていただくことができた。
(課題・今後の取り組み)
仙台 防災は大事なテーマであり、関係機関と連携して展開したい。
津 自局の地震対応マニュアルの改訂をすすめたい。
宮崎 今後も様々な機会をとらえて訓練を実施したい。
若年層との接触を高める取り組み
■若い世代に親しまれる番組の開発・実施
(主な実績)
名古屋 音楽番組「サタ★テンスペシャル」、73 分に拡大し公開生放送
若い世代に親しまれる放送局をめざし、若い世代の接触を高める番組編成を積極的に行っ
ている。全国放送の「めざせ!会社の星」(教育・土曜午後 11 時 30 分~)を日曜深夜に
総合テレビ中部ブロックで放送している他、東海3県向けに土曜午後、総合テレビで公開
番組「サタ★テン」を放送している。このうち、「サタ★テン」は通常の 10 分枠を 73 分
に拡大して公開生放送を実施した(10/18)。「サタ★テン」では、携帯サイトの設置、メ
ルマガの配信なども行っている。
金沢 投稿で作る「よせがき☆テレビ かいてみんけ↑」を制作中
1月に放送予定の「よせがき☆テレビ かいてみんけ↑」は、ホームページや携帯サイト
からの投稿で作る特集番組。12 月には、県内の学生団体に呼びかけ、番組についての提
案や意見を求める会議を開くなど、若者とのつながりを深めながら制作をすすめている。
58
(評価)
名古屋 特集番組の際には、314 人が来場。携帯サイトのアクセス数は、月平均約 4,000。
メルマガ登録者は、12 月末 333 人。携帯、メルマガとも増加傾向。
金沢 意見交換会には、4団体 15 人の大学生が参加。NHKとの今後のつながりを希望す
る声があがった。
(課題・今後の取り組み)
名古屋 若い世代へのアピールと同時に、地域文化への貢献を目指す。
金沢 番組終了後も、学生とのつながりを継続させていくことにしている。
■就職説明会や各種セミナーなど様々な場で大学生とのつながりを深めた
(主な実績)
大津 大学セミナー「就職活動をしゃべらナイト」を開催
「英語でしゃべらナイト」でおなじみのパックンマックンをゲストに、立命館大学びわ
こ・くさつキャンパスで就職活動を控える学生を対象にトークショーを実施(10/23)。N
HKの理解促進につながるメディアセミナーや採用に関する質疑応答も行った。その後、
滋賀大学でも、セミナーを開催した。
京都 学生団体のイベントとのコラボレーション企画など、幅広く展開
学生自身で運営する“京都学生祭典”と連携して、京都会館で公開イベント「NHKがや
ってきた」を開催(10/12)。「上方演芸会」と「エコライブ」を公開番組として実施。そ
の他、今年で 25 回目となる「NHK全国大学放送コンテスト」を 12 月に実施するなど、
幅広く大学生との交流を展開している。
広島 「いのち」をテーマに「大学生ビデオゼミナール」
NHKスタッフの指導のもと、自ら企画・提案・取材・編集を行って5分の番組を制作す
るセミナーを開催。4回目の今年は「いのち」をテーマに制作。作品を 12 月、県域放送。
熊本 エコをテーマに「大学対抗映像コンテスト」、8大学が参加
昨年に続き、10 月、「くまもとのエコ」をテーマに 1 分 30 秒のミニ番組を作成してもら
う「キャンパスの風 大学対抗映像コンテスト」を実施し、地元8大学が参加した。作品
は県域放送した。
(評価)
大津 210 人の学生が参加。参加型の企画もあり、会場は大いに盛り上がった。
京都 “学生祭典”は今年で5回目、NHKが連携するのは初めて。イベントの実施に全
局体制でかかわり、若者へ積極的にアピールした。
広島 大学8校、22 グループ 90 人が参加。半年かけて取り組んだだけに大学生たちにとっ
て心に残るイベントになった。
熊本 昨年実施した際「是非続けてほしい」という声が多かったもので、期待にこたえる
ことができた。
59
(課題・今後の取り組み)
京都 京都市の人口の1割は大学生で、若者と接触機会を増やす取り組みは京都局として
必須。今回の試みを次につなげていきたい。
広島 若年層に積極的にアプローチしてゆくイベント連動番組などを継続して検討する。
熊本 若者と向き合う取り組みとして確実に位置づけていきたい。
地域スポーツを積極的に支援
(主な実績)
釧路 「NHK杯アイスホッケー大会」「アイスホッケー・アジアリーグ」を生中継
釧路アイスアリーナで行った「第 40 回NHK杯アイスホッケー大会」小学校・中学校・
高校の部の決勝戦を釧路局管内に生中継した(11/30)。12 月 13、14 日は釧路に本拠を
置く「日本製紙クレインズ」が「王子イーグルス」と対戦する試合を中継した。13 日は
それぞれの地元の釧路局管内と室蘭局管内のインターローカル、14 日は北海道ブロック
で放送を実施した。
室蘭 「NHK杯高校アイスホッケー」を生中継
今年で 23 回目となる「NHK杯中学・高校アイスホッケー大会」を開催、高校の決勝戦
を苫小牧市から生中継した(10/12)。
大分 おおいた国体・障害者スポーツ大会を盛り上げ、地域に貢献
10 月に開かれた「チャレンジ!おおいた国体」の競技7種目を全国放送するとともに、
引き続き行われた障害者スポーツ大会では、11 日の開会式の模様を教育テレビで全国放
送し、入場行進する選手たちの笑顔を全国に届けた。11 月7日には、クロスメディア番
組として、大分合同新聞との共同企画で「国体の総決算」をテーマに放送した。
佐賀 地元プロサッカーチームを積極的に取り上げ、ファンの要望に応える
県内唯一のプロスポーツチーム、J2“サガン鳥栖”の試合の中継を積極的に編成し、
地元ファンの要望にこたえている。初のベスト8入りをした天皇杯は、県域で、10 月 19
日、11 月 30 日に総合テレビで、12 月 20 日の準々決勝はラジオ第1で生中継、この日は
テレビでの中継がBS1だったため、深夜に総合テレビで放送するサービスを行った。
(評価)
釧路 アイスホッケーは地元で根強い人気があり、要望に応えた。その一方で、放送でき
なかった音楽番組などは、後日深夜で放送するなどの配慮をはかった。
室蘭 小学生から高校生までのイベントを積極的に実施しNHKの理解促進につなげた。
大分 国体競技のアンコール放送も行い、視聴者の期待に応えた。
佐賀 ラジオ第1による中継は、衛星放送が受信できない視聴者から好評だった。
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(課題・今後の取り組み)
釧路 地域放送のスポーツ中継の編成については、引き続き工夫を続ける。
室蘭 放送会館以外の場所での、若年層との“ふれあい活動”を、今後もすすめていく。
大分 大会後のまとめなど、どのように伝えていくか引き続き考えていきたい。
佐賀 来年度も年間5試合程度、中継していきたい。
視聴者とのつながりを深める取り組み
■“朗読”を中心にしたイベントを展開
(主な実績)
水戸 クリスマスに合わせ、ピアノ演奏と朗読のコラボレーションイベント
アナウンサー・キャスターによる朗読とプロのピアノ演奏のコラボレーションイベン
ト「冬のおくりもの」を小美玉市で実施(12/13)。
「NHK歳末・海外たすけあい」の
一環として実施し、この模様はラジオで全国放送を予定。
福井 「源氏物語朗読会 公開録画」を実施
紫式部ゆかりの地、越前市で、源氏物語千年紀のイベントとして「源氏物語 朗読会」
を実施した(10/18)。ゲストのトークの他、舞台中央に設けた大画面にイメージ映像
を流しアナウンサーの朗読を楽しんでいただいた。この模様は県域で放送した(11/7)。
(評価)
水戸 参加者からは「朗読とピアノ演奏がぴったり」
「来年もぜひ」という賞賛の声がよせ
られた。
福井 ステージ上のビデオ再生を見やすくするため技術的な改良を行い、観覧者から「質
の高い番組に仕上がっていた」という意見が寄せられた。アンケートによる満足度は
95%。
(課題・今後の取り組み)
水戸 各部が一体となった企画としてスキルアップさせたい。
福井 来年度に向けて、公開型の番組展開を検討していく。
■会館公開を通じて、視聴者とのふれあいを強化
(主な実績)
大阪 「秋のふれあい広場」に6万人が来場
11 月に実施した「NHK大阪秋のふれあい広場 BKワンダーランド」に6万人を超
える方が来場。若い世代をターゲットにした番組「あほやねん!すきやねん!」の大
阪ホールでの公開収録や全国各地のNHKのキャラクター大集合など、若者を意識し
たイベントを実施した。
神戸 “県民の心が集まる広場に”、トアステーションでライブコンサート
一階の視聴者プラザ・トアステーションをオープンスタジオとして活用し、神戸局を“県
の心が集まる広場に”と、ジャズライブなど様々なイベントを実施している。
「元町イー
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ストジャズピクニック」
(11/8)、
「クラシックスクエア」
(11/29)、
「トアステJAZZラ
イブ」(12/20)など、今期もコンサートを開催した。
(評価)
大阪 アンケート結果では満足度 77.5%で、前年度から 17.1 ポイント増えた。
神戸 12 月実施の「JAZZライブ」のアンケート結果は、満足度が 97%。特に、「大変
良い」という回答が 80%で、前回調査よりも 20 ポイント増。年齢構成では、50 歳
以上が 89%と高齢者が中心。
(課題・今後の取り組み)
大阪 21 年度に向けて、更に各部局の連携を密にし、満足度を上げたい。
神戸 高齢の入場者が多く若者が少ないことから、2月に若者向けのライブを実施する予
定。
地上デジタル普及の取り組み
(主な実績)
帯広 公開番組の募集に合わせ、地デジエリア拡大の周知
11 月に地デジ中継局が開局する広尾町で、11 月下旬に実施される公開番組「上方演芸会」
募集に合わせ、地デジのエリア拡大を周知するチラシを全世帯約 3,700 戸に配布した。
函館 桧山地方での地デジ開始キャンペーンとしてラジオ公開放送を実施
12 月から桧山地方で始まる地デジを広くPRしようと、10 月 27 日から5日間、桧山地
方の5つの町と地区を対象に「どどんと道南ラジオ」公開生放送を行った。放送前には
地デジ説明会を実施し、地デジの魅力と特長をていねいに説明した。
千葉 中継キャラバンを実施した地域で、地上デジタル放送受信講習会を開催
12 月、昼前の首都圏情報番組「こんにちは いっと6けん」で、4日間にわたり、“千葉
ウィーク”として道の駅などから地域の産物や話題を中継で伝えた。これに合わせ、地
上デジタル放送受信講習会などを開催した。
松江 隠岐で地デジPR&ふれあい活動、公開イベント開催
地上デジタル放送のエリア拡大に合わせ、11 月 1~2 日、隠岐・西郷町民文化祭で地デジ
PRのふれあい活動を行った。ハイビジョンカメラの操作体験や画質の違いを比較して
いただいた。8日には、隠岐島文化会館で「ぐ~チョコランタン小劇場」を初めて開催
した。16 日から西郷港で、受信公開を開始している。隠岐を取材した「蓮華会舞の復活」
は、20 年度前半の放送総局地域放送特賞を受賞し、12 月総合テレビで改めて放送した(再
掲)。
岡山 ホームページに、地デジの受信状況がわかる「地デジ映ったマップ」を掲載
ホームページに地デジ放送エリア、これからの中継局開局予定の掲載に加えて、12 月 15
日から、視聴者の自宅周辺の地デジ受信状況がわかる「地デジ映ったマップ」を掲載。
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(評価)
帯広 地デジの周知と同時にNHKに対する理解促進につながった。
函館 地デジ説明会では、終了後に質問が寄せられるなど関心が高かった。
千葉 参加した視聴者の関心が高く、効果的なPRができた。
松江 町民文化祭には 400 人が訪れた。体験型のイベントは親子連れに好評だった。
「ぐ~
チョコランタン小劇場」には、1,015 人が来場した。
岡山 電器店から放送エリアなどの相談を受けた際にはホームページを紹介。
「的確な情報
だ」と好評を得ている。
(課題・今後の取り組み)
函館 「どどんと道南ラジオ」をより市民に身近なラジオ番組にしていくとともに、今後
も地デジの普及に努めていく。
千葉 今後も公開番組などとの連動を積極的に図る。
松江 受信公開などの地デジPRは、条件が整った場所で企画していく。
岡山 受信エリアの拡大に伴い「マップ」を随時更新し、視聴者サービスの向上を図る。
3-Screens を通した接触者率向上の取り組み
(主な実績)
青森 卓球大会で、地上デジタルとワンセグを使いデータ連動放送を実施
11 月 30 日に実施した「NHK杯争奪青森県卓球選手権大会」の中継で、データ連動放送
を行った。現場から送られてくるデータを入力し、地上デジタルとワンセグで送出した。
山形 「今夜はなまらナイト」生放送との連動で、視聴率、アクセス数ともにアップ
番組ホームページの展開をネットトライアル活動としてすすめている「今夜はなまらナ
イト」は、73 分枠のスペシャル版を放送(10/24)。視聴者のメールを即座にホームペー
ジにアップしながら番組をすすめていった。その連動効果もあり、視聴率は 22.8%、ホ
ームページのアクセス数は 4,000 を超えた。
長野 「撮るしん。
」の投稿写真が携帯サイトでも閲覧可能に
信州の美しい風景を投稿してもらうブログサイト「撮るしん。」は、昨年度からスタート
し、写真をニュース番組でも紹介し人気が定着している。11 月 18 日からは携帯サイトで
も写真を閲覧できるようにし、アクセスの増加をはかった。
横浜 クリスマス・バリアフリー・ライブをネットで配信
12 月 12 日にみなとみらい駅構内の「みらいチューブ」で実施した“クリスマス・バリア
フリー・ライブ”を FM県域で放送するとともに、ホームページ上に 9 分 40 秒の動画
を掲載した。動画には字幕を加え、聴覚障害者にも楽しんでいただける内容とした
山口 データ放送はじめ、インターネット、携帯を使った双方向番組制作
月に1回程度、夜8時に編成している「YAMAGUTIC」で、10 月 10 日、山口局としては初の
双方向番組「激突グルメ
日本海・瀬戸内海」を放送。データ放送・インターネット・携帯からの投
票を募り、総数は 2,192 件だった。
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高知 高校野球四国大会の試合経過をホームページなどで提供
高知で行われた秋の高校野球四国大会で、松山局と協力し、試合経過の情報を提供し、
スコア速報を四国4局のホームページ、データ放送、携帯サイトで実施した。
福岡 年末ハイライトで“連動双方向”に挑戦、コンパクトな実施体制を構築
「ニュースなっとく福岡」の年末スペシャルを、データ放送、携帯電話、PCを活用
した九州初の連動双方向番組として放送した(12/26)。自局スタッフのみのコンパクト
な体制でシステムを構築し、実施した。
(評価)
青森 効果的な情報提供ができた。
山形 連動効果もあり、視聴率は 22.8%、ホームページのアクセス数は 4,000 を超えた。
長野 「撮るしん。」へのアクセス数は、月 1 万 3,000 件前後で、前年から倍増している。
横浜 ネットトライアル活動の一環として、動画配信のノウハウを生かした。
山口 投票してくださった方の年代は、20 歳代から 50 歳代が多く、若い世代の反響が目立
った。
高知 松山局で集計した総アクセス数は 17,400 にのぼった。中継のなかった日の試合経過
も配信したところ、アクセスが大幅に伸びた。
福岡 アクセスは、事前アンケート、当日の参加を合わせて 861 件だった。視聴率は、3.4%
だった。
(課題・今後の取り組み)
青森 データ放送のノウハウを蓄積し3-Screens を推進する。
山形 番組とホームページの好調を堅持しつつ、他局でも応用できるノウハウの開発も進
めていく。
横浜 ネットトライアルとして、一歩踏み込んだトライアルの検討を行っていく。
山口 引き続き全局的なプロジェクト体制で、3-Screens に取り組む。
高知 高知局として、先進他局の視察や研修も実施していく。
福岡 コンパクトな実施体制の確立につとめ、域内局での挑戦も支援していきたい。
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環境経営の推進
■CO2削減の取り組み
(主な実績)
札幌 会館蛍光灯のエコ化などでCO2を削減
放送部と技術部の居室のほとんどの蛍光灯をエコタイプのものにすることで、電力使用
量を削減する他、蛍光灯のプルスイッチ化やポスター、イントラネットなどによる啓蒙
活動をすすめている。
北見 きめ細かな空調管理で、暖房開始時期を遅らせCO2削減
CO2削減のため、きめ細かな空調管理を行うことによって、会館暖房の開始を前年よ
り2週間遅らせて 11 月 4 日とした。重油燃料の消費を、12 月末時点の前年度累計比で、
44.3%と大幅に節約した。
(評価)
札幌 オフィス部分の電力使用量は、19 年度より 3.47%削減したと推定される。
北見
順調にCO2削減をすすめている。
(課題・今後の取り組み)
札幌 「環境」は北海道にとって引き続き大きなテーマであり、番組による取り組みと合
わせてすすめていく。
北見 ウォームビズを推進し、更なる節減が可能か引き続き検討していく。
■環境問題への関心を高める取り組み
(主な実績)
北九州 環境イベントで“NHKエコFESTA”を実施
10 月 4、5 日に北九州市で開かれた環境イベントで、クイズのステージショーを“NHK
エコFESTA”として実施。データ放送でも出題中の環境に関する問題をこども向け
にアレンジして出題した。
鹿児島 アカウミガメの産卵地鹿児島でウミガメシンポ開催
米国魚類野生動物庁などの協力を得て、
「北太平洋アカウミガメ保全対策検討シンポジウ
ム」を鹿児島大学で開催(12/7)
。日・米・メキシコの政府・NGO関係者や国連当局か
ら 18 人が参加し、産卵地の現状や保護活動などについて意見を交わした。
(評価)
北九州 イベント会場は、正解を発表するたびに子どもたちから大きな歓声があがった。
理解促進パンフレットの配布を行い、視聴者の皆さんとのつながりの強化がはかれ
た。
鹿児島 国内外の専門家、行政担当者が一同に会しての議論は関心を集め、新聞各紙や地
元民放でも伝えられた。
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(課題・今後の取り組み)
北九州 活動を継続したい。
鹿児島 今後も、イベントやシンポジウムを通じ、環境の重要性を訴えていきたい。
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