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講座 No.1「きのこの進化とそのはたらき」 講師 小川眞先生

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講座 No.1「きのこの進化とそのはたらき」 講師 小川眞先生
2016
(H28)年
4月2日
第1号
講座 No.1「きのこの進化とそのはたらき」講師 小川眞先生
京都大学大学院農学研究科修了、農学博士。森林総合
研究所土壌微生物研究室長、同きのこ科長、関西総合テ
クノス、生物環境研究所を経て、大阪工業大学客員教授。
日本林学賞、国際林業研究機関連合ユフロ学術賞、日
経地球環境技術賞、日本菌学教育文化賞、愛・地球賞な
どを受賞。専攻は、菌類学。
著書…『マツタケの生物学』
『マツタケの話』
『きのこ
の自然誌』
『炭と菌根でよみがえる松』
『森とカビ・キノ
コ』
『菌と世界の森林再生』
(以上築地書館)、
『菌を通し
て森を見る』(創文)、『作物と土をつなぐ共生微生物』(農文協)など。
https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1204/sin_k648.html
気魄とユーモアと キノコをつくる菌類をキノコと呼
ぶ、とのことですが、キノコと言われて食材以外のこ
とを思いつかない私にとって、本書は衝撃的でした。
進化のみちすじや生物界におけるはたらきの面白さは
もちろん、人間によって激しく揺さぶられているいま
の地球でキノコが何を感じているかまで伝わってくる
ようです。
(新書編集部 千葉克彦)
一口メモ
1.キノコと大気汚染のかかわりは衝撃でした。日頃、意識しない菌類ですが、生命の誕生にも
深くかかわっていることを知り興味深い講座でした。
2.やっぱり難しい。けど炭の話は興味がありよかった。
3.勉強になりました。ダメもとで、家の弱った植木に炭を入れてみようかと思います。
4.弱った松に炭を入れ青々と元気になった姿をスライドで見て驚き、菌の働きに感動すら覚え
ました。又、菌、キノコの話も聞きたいです。
5.園芸で土にモミガラ炭を入れるとよく育つことを知っていたが、その理由が分かりました。
6.植物と菌の助け合いは
すごい。まさに手品のよ
うな樹勢回復にびっくり
です。興味深い話が聞け
てよかったです。森林回
復の活動はすばらしいで
すね。
7.キノコ、カビ 小さい
小さい命から大きい樹木
植物の時代まで、作って
しまう偉大なイノチの営
みその根源巧みなという
より、自然な人なりから
出る説得力あるお話……
真実を語る威力。
8.ありがとうございまし
た。きのこの話より前半
の方がおもしろかったで
す。すみません。又、腸
内細菌の話や地球環境の
お話も聞かせていただき
たいです。後半の炭と菌
の話は興味深かったです。
先生が貢献されている事
業は素晴らしいですね。
体に気をつけて頑張って
ください。
9.今まで食べる時にだけ
キノコに興味を示してき
ましたが、今日はそれだ
けの世界だったものを大
きく広げて頂きました。
しかも大気汚染がすべて
の生物に大きなカゲを落
としていることをはっき
りと知ることで、これか
ら何をしていったらいい
かを、今後の私の課題に
していきたいと思います。
とても魅力的な話でした。
10.キノコのふしぎだけじ
ゃなく東北の樹木再生に
も感動しました。
11.キノコと樹木との関係、炭との
関係など興味深く聞きました。私
の活動している里山にも、ナラ枯
れが、ひどく毎日のように木を切
っていますが、炭の方法などひろ
げていけたら…やってみようと思
います。
12.植物と微生物との間には複雑な
関係があることを知った。微生物
を大切に扱いたいと思いました。
13.先生の話はとても良くわかりま
した。炭の話は身近な話でおもし
ろく実行力がわいた。
「菌が地球上
になかったらどうなるの?」と子
供達に話して聞いてみた。
「菌がい
な か った ら 病気 になら な いし 良
い」と答えた。菌が物を腐らす事を
話して、物が死んでも腐らなかった
ら、山も動物もどうなったかと話し
たのを思い出しました。
14.後半、樹木と菌と炭の話が興味
深かった。家庭でも役に立つか教
えて頂きたい。
15.家の近くの海岸には松が生えて
いるが苔より元気がない。落葉がけ
されているようには思えないので、
昔の人の知恵はスゴイと思うし菌根菌はスゴイ。
16.先生はお話し上手でおもしろかったが、内容が
むづかしい。休憩後の写真を見て炭の力に驚き我
が家のウバメガシに冬を待って炭をうめてみよ
うと思っている。
17.足、眼が悪いと聞いていましたが、すばらしい
講座でした。ありがとうございました。
18.娘が孫をせっけんでゴシゴシ洗うのをメールで
注意しました。
19.炭を菌根による樹勢回復と海岸林再生の話がと
ても良かったです。先生の本をしっかりと読みた
いとおもいます。
20.樹木の再生の方法を見てびっくりしました。炭
と菌根菌で植物が元気に再生する。原発事故後の
対処についてのお話も勉強になりました。
21.きのこはガン予防に良いと聞きいつも良く食べ
ていますが、今回講義を聞いてほどほどにしよう
と思います。きのこと炭と松の関係、勉強になり
ました。
22.炭が菌根を育て、樹木を元気にし、害虫の侵入
をも防ぐことになる。木によってつく菌もそれぞ
れ異なることが分かった。木は地球環境を物語っ
ている。
23.映画のアバターの話の様でした。すべてにつな
がりあり共生し合っているのが良くわかりまし
た。菌だけでなく、それにかかわるのは色々あり
考えさせられました。
24.植物を再生するのは炭が非常に役に立つことが
わかりました。
25.炭の効用は先人(父)からも、よく聞いたこと
ですが、実際に木々を再生することを知りました。
26.菌根菌が樹木と共生して木々の成長に大切なも
のがよくわかった。大気汚染による樹木の枯れる
のが今後悲観的な傾向にあるのがより心配です。
27.サッパリ解らない。解りやすく説明してもらっ
ているのは、解るのだが内容が理解できない。基
礎知識不足。
28.大変興味のある菌類の講座でした。
29.今回の講座は難しいでしたけど、小川先生は親
しみやすい方で小川先生にずっと教えて頂いたら、
菌は好きになっていたかも。
30.キノコは本当に地球の生物の縁の下の力持ち。
つくづくうまくできてるなあと思いました。
31.キノコ、昆虫、植物の生き方に感動し感謝する
のが、あとから地球にやってきた人間の役目
ではないでしょうか?老いて尚マイスターで勉強する意味でもあると。奪うだけなんて言語道
断の小川先生に感謝。
32.菌根菌と炭の力を見せつけられた思いで
す。先生の御活躍の様子、すばらしいと思い
ました。「ナラ枯れ」食い止めたいです。
33.とても役に立ちました。自分でも実験し
てみます!
34.見かけこわおもての先生でしたが、お話
はとてもわかりやすく面白かった。また、次
回の機会も欲しい。
35.キノコの上陸はシルル紀だそうな。キノコは光合成
しない菌類ということだが、生物の生き方としては特
異な生き方といえそうだ。胞子をとばすという点では
植物と似ていると思うのだが…。
36.菌根菌はすごい!先生の研究が各地で役立っている
ことがよくわかった。疑問があれば自分で調べること、
これ大事ですね。
37.きのこの進化と働きについて、おおまかなことは理
解できたが、資料の文字が小さくややわかりにくいと
ころもあり残念であった。後半の炭の力の効果にはお
どろいた。スライドも前・後・比較し説明され、わか
りやすかった。知識を得るだけでなく、この地球を守
るため、私たちには何が出来るのだろう。身近な事か
ら地域参画すべきとつくづく感じた。
38.菌根菌で植物の共生の重要と働きの素晴らしさはよ
く理解できました。
39.炭は松並木の再生に貢献して
いるとは思ってもいませんでし
た。炭って素晴らしい肥料なん
ですね…
40.菌類、キノコが生物界に重要
な働きをしていることがよく
わかりました。炭と菌根菌が樹
木の回復に大きな役割を果た
しているのにおどろきました。
41.キノコの偉大さがすごく理解
できました。小川先生の本を読
んで勉強したいと思います。興
味深い話をありがとうござい
ました。
42.植物の成長に菌の働きが如何
に貢献しているかを教えられ、
もっと詳しく知りたいと思っ
た。炭の役割に興味がわいた。
キノコが重金属や汚染物質を
集める性質がある事で食べる
のに注意がいる事に気付かさ
れた。
43.「キノコの進化とその働き」
樹木の再生と菌根菌の関係が
興味深かった。樹木の再生は、
宮脇先生の本を読んだことが
あるが小川先生の話は今日初めてうかがった。
面白かった。大気汚染と樹木の衰退の関係を
聞き、何か少しでも実践せねばと思った。
OPL
ひとこと《炭の導入》金子智紀氏
秋田県農林水産技術センター環境経営部長
http://www.hozen-ken.jp/2014-02-26-kaigan
nrin-saisei.
クロマツが海岸砂丘地で元気に育つことのでき
る理由の一つとして、乾いた砂からでもわずかな水
分や養分を探し出し、それを巧みに取り込む「技」を持
っているからです。そして、それは細い根の働きによる
ものであることが知られています。実は、クロマツは根
にキノコの菌を飼っていて(菌根菌といいます)、それ
が水分やミネラル分を吸収してクロマツに与えてくれ
ているのです。そのお礼として、クロマツは光合成で得
た養分を菌根菌に返してやり、お互いが共に支え合う関
係で生活しています。この関係を「共生関係」といいま
すが、近年、この関係にヒビ割れが生じてきています。
昔、海辺に住む人々はクロマツ林から松葉や枯れ枝を集
め、家庭の燃料として利用していました。しかし、石油
をはじめとする化石燃料が使われるようになってから
は生活スタイルが一変し、燃料としての松葉や枯れ枝を
集める必要がなくなってしまいました。この結果、地表
には落ち葉が厚く堆積してしまい、菌根菌が住みにくい
環境になってしまったのです。クロマツにとって水分と
ミネラル不足は大きな痛手で、病気に罹りやすくなる原
因の一つとも考えられています。そこで、落ち葉掻きな
どの対策がとられるようになりましたが、もっと効果的
な方法が行われています。それは、落ち葉掻きの後、根
の部分に炭を入れる方法です。炭は多孔質で吸着性に富
むため、土壌の通気性や保水性を改善して細い根の再生
を促すほか、菌根菌などの微生物の増殖や活性化に役立
つといわれています。加えて、不足している菌根菌を増
やすためキノコ(菌根性)の胞子を撒く方法、植樹の際
には炭とともにあらかじめ苗木に菌根菌を感染させて
から植える方法なども試されています。炭は肥料ではな
いため、幹が太くなったとか、樹勢が回復したとか目に
見えた効果がわかりにくいものです。しかし、土の中で
は根の生育環境を整えて活力の増進に貢献しており、ク
ロマツを健康な状態で長生きさせるためにはこうした
地道な取り組みが重要であると考えられています。
ひとこと《ショウロ》大橋信彦氏
ゆりりん愛護会(名取市閖上)会長
よく整備された海岸のクロマツ林にはショウロが出
ます。今や“まぼろしのキノコ”といわれるショウロは
「松露」とも書き、雨上りの松の雫が落ちるあたりによ
く出るといわれてきました。戦後、まだ電気釜もガス釜
もなかった頃、ご飯やみそ汁はどこの家庭でも“かまど”
で煮炊きをしていました。その燃料となったのが松葉や
薪でした。貴重な燃料であった松葉は、それを束ねて売
りものにしたり、管理人を置いて盗難を防いだりもした
のです。そのように常にきれいに整備された松林ではシ
ョウロがたくさん採れました。春と秋の二度ショウロは
発生しますが、自然の恵みを求めて地域の人は海岸に行
き、採ってきたショウロを炊き込みご飯にしたりお吸い
物にしたりして季節の味を楽しんでおりました。しかし
電気やガス、石油などの新しいエネルギーの出現によっ
て松葉や薪はその役目を終え、それに伴って松林の手入
れも疎かになっていきました。その結果、きれいな環境
を好むショウロの発生率も低くなり、“まぼろしのキノ
コ”と呼ばれるようになったのです。けれども今、ショ
ウロを新たな視点で捉える動きが出てきました。それは
マツの根と菌根菌の関係を明らかにし、共生する両者と
媒介としての炭のはたらきに注目した新しい研究と実
践です。菌根菌の一種であるショウロ菌をマツの根に付
着させ、炭を入れた植栽地でそれを育てるという手法で
マツの育成と樹勢回復に取り組んでいます。東日本大震
災で大きなダメージを受けた海岸林の再生にショウロ
がその力を発揮してくれるか、期待したいものです。
共生
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%8C%E9%A1%9E
地衣類は菌類と緑藻やシアノバクテリアとの共生体
である。維管束植物の根と菌類との共生によって形成される器官は菌根と呼ばれる。菌根は植物が水分や養分
を吸収する上で重要な役割を果たすことがあり、菌根の種類によって植物に対して主としてリンを供給するも
のや窒素を供給するもの、さらには有機物を供給するものも知られている。また,土壌病原菌から植物を防御
する機能を持つ場合もあると推測されている。一方、菌類の側は植物から同化産物を供給されている。種子植
物ではラン科やイチヤクソウ科、シダ植物ではマツバラン科やハナヤスリ科、ヒカゲノカズラ科の植物は発芽
の初期に特定の菌類との共生が成立しないと生育できない。植物の葉などの組織内に共生している菌類は内生
菌(エンドファイト)と呼ばれ、その機能についてはまだよく分かっていないが摂食阻害物質等の生成に寄与
していると考えられるケースが知られている。アーバスキュラー菌根という型の菌根は陸上植物のひどく広範
囲に見られるもので、やはり植物にとって有用な栄養素等の運搬に与っているらしい。
なお、ラン科のムヨウランやイチヤクソウ科のギンリョウソウなど、いくつかの種子植物は光合成色素を持た
ず、地下部の菌根に頼って生活している。これを、腐生植物という。菌根であるので、植物と菌類の共生と見
ることもあるが、最近ではむしろ、植物が菌類を一方的に収奪している寄生とみなされている。かつてはネナ
シカズラなどと同じような生息基質への寄生と見て、土壌中の腐植質に寄生しているとして死物寄生という言
葉もあった。最近の研究では、これらの植物が依存している菌類は主として他の植物と共生している菌根菌や
植物病原菌、一部は木材腐朽菌であり、腐生植物は菌類を介して他の生きている植物や枯死植物から、間接的
に栄養分を摂取していることが明らかになりつつある。イチヤクソウ科の植物は光合成をする種であっても栽
培困難なものが多いが、これも菌類を介して周囲の菌根形成植物から栄養分を収奪して生活しているためであ
る。そのため、外生菌根を形成した樹木とイチヤクソウ類を一緒に鉢植えにすると、長期間の栽培が可能であ
ることが実証されている。
昆虫と菌類との共生も知られている。アンブロシアビートルと総称されるキクイムシは菌類を運搬するために
マイカンギアと呼ばれる器官を持ち,自身が樹幹内に掘った孔道の内側に持ち込んだ菌類を繁殖させ、それを
摂食している。菌類の側から見ると、こうした昆虫は菌類を生育に適した環境に運搬していることになり、菌
類の分散に寄与していると考えられる。また,熱帯に住むハチ目のハキリアリと、シロアリ目の高等シロアリ
の一部は、巨大な巣を作り、その中に外部から植物片を運び込み、かみ砕いて「苗床」を作り、そこで菌類を
「栽培」し、食料としている。シロアリにおいては、外部の菌類がシロアリの卵に擬態して菌核を保護させる
ターマイトボールというものも発見されている。
マイスター13 期、受講の皆さんの名簿
氏
名
訂正版
氏 名
経歴
経歴
氏
名
経歴
1
有賀 光次
緑 19
16
川口八千代
星 15
31
白藤登志子
花 10
46
松下 晃
星 19
2
安部 満枝
星 16
17
川名
國夫
星 13
32
高橋 和子
風 19
47
松島 茂夫
星 11
3
井口 惠介
星 19
18
河原 正道
星 19
33
田邊 潔
星 19
48
元水 英美
花 18
4
石原 嘉英
緑 17
19
北川
嶺子
星 13
34
谷
隆行
緑 17
49
森
幸子
星 18
5
入江佐知子
風 20
20
衣川
直美
風 15
35
津山 淳子
星 19
50
矢倉 正之
星 18
6
岩崎佳世子
花 21
21
久賀田孝雄
星7
36
中尾 映子
星9
51
山中 明
星 09
7
岩堀 淳一
星 13
22
久米
房子
星 10
37
中野 秀子
緑 13
52
山野 渉
緑 21
8
上田 芳弘
星 13
23
倉田
陽
緑 19
38
西井千枝子
星 18
53
吉井 愛子
星 15
9
梅田
怜子
風 15
24
小西新太郎
風 16
39
西田 仁志
風 22
54
吉川 皖造
星 14
10
大下 弘志
星 09
25
米谷
洋二
星 19
40
人見 昭子
星 10
55
吉川 悟
星 14
11
大谷 文彦
星 18
26
今野 信義
星 14
41
福田 幸子
星8
56
吉田 千秋
星 18
12
大西 敏博
星 13
27
坂根 千歳
風 14
42
藤川 賢明
星 13
57
和田 泰明
緑 16
13
奥村 邦泰
星 07
28
桜井 美幸
星 16
43
藤田 宏子
花 14
幹
室山 俊士
星 09
常時
14
苧阪 勝裕
花 22
29
塩井 清介
星 14
44
文
美恵
星 19
15
甲 真木子
花 21
30
柴田サチ子
星 18
45
前野 照美
星 15
氏
名
聴講生
男性
30 人
経歴
廣川 昌映
女性
27 人
計
57 人
新入生紹介
梅田さん
苧坂さん
川名さん
北川さん
衣川さん
坂根さん
西田さん
入講式のようす
代表幹事挨拶
左から、進行:吉川氏
代表幹事:室山氏
講師紹介:久賀田氏
児玉氏
マイスター13 期も
自然に
人に
新しい素敵な出会いがありますように!!
お祈りしています。
勿論ご健康には留意されて!!
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