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論文 - 関東学生マーケティング大会2015

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論文 - 関東学生マーケティング大会2015
大学生の Twitter 上に見られる
承認欲求の研究
さを挙げる記事を目にした。確かに Twitter 上で「バイト先で
ほんと良いことあった!!」や「もうほんと嫌になる…」など
あたかも閲覧者の反応を待つような投稿や、
「インターンシップ
①
研究テーマ、研究動機
先で社員の人に褒められた!やった!!」や「この間作った料
②
環境分析
理うまくいった!!おいしい!!」といった、いかにも褒めて
1、コミュニケーション手段の変化
くださいと言わんばかりの投稿は数多く存在する。自身で
2、SNS 上での新たな問題
Twitter を使用して初めてわかるものであったが、確かに限ら
3、承認欲求と社会
れたコミュニティの人たちがそのとき思ったことを素直に投稿
4、承認欲求と Twitter
し、投稿が誰かの興味を引けば何らかの形で反応が返ってくる
5、若者の Twitter 利用状況
というシステムは、顔の見えないオンライン上のやり取りとい
③
社会的意義
うこともあいまって、非常に、認めてほしい、肯定してほしい
④
研究的意義
といった欲求に素直になれる気がした。闇雲に承認欲求を満た
④
先行研究
そうと Twitter を利用し続ける大学生を中心とする若者たちに、
1、承認欲求に関する先行研究
オンライン上で、より効果的に承認欲求を満たすことのできる
2、承認欲求に関する本研究への応用
何かを提供することが出来たなら、そこに新しいビジネスが生
仮説
まれるのではないかと考え、今回の研究のテーマを「大学生の
1、仮説設定
Twitter 上に見られる承認欲求の研究」とした。
⑤
2、仮説検証
⑥
分析手法
⑦
分析結果
➇
結論
➈
実務的インプリケーション
② 環境分析…
1…コミュニケーション手段の変化
1、環境分析
時代の変遷とともに世の中は、便利なものへと変化していっ
参照データ
た。その変化はコミュニケーション手段に対しても顕著に表れ
補録―調査票
ている。インターネットの登場以来、オフラインだけではなく
オンラインでも人とつながることが可能になった。オンライン
杉山寛明 堀早也香
のコミュニケーション手段の中でも時代とともに変化していっ
木村大悟 永井佑典
ている。数年前の主流なコミュニケーション手段は、主にチャ
八田瑞月
ットや掲示板などであった。ところが、こういったコミュニケ
ーション手段は基本的にコンピュータを使用したものであるた
め、あらかじめ集まる時間を示し合わせておくなどの場合を除
いて即時的な反応は難しいといった問題があった。ところが、
① 研究テーマ、研究動機
近年スマートフォンなどの登場により、主流なコミュニケーシ
ョン手段が LINE、Twitter、Facebook といったソーシャルメ
近年の大学生を中心とする若者の特徴として、承認欲求の高
ディアへと変化していった。いわば、持ち運ぶことのできる小
1
型コンピュータと同等の機能を持つに至ったスマートフォンに
を使用して反社会的行動を世にさらけ出す行為をしており、通
よって、以前のコミュニケーション手段における問題であった
称として“バカッター”と呼ばれるまでになっている。これら
即時的な反応という課題は見事解消された。しかし、解消した
の問題は、本人たちにとっては単なる悪ふざけの延長であった
はずの即時的な反応が異なる形で問題となり、SNS 問題として
としても社会に及ぼす影響は大きく、時には学生個人だけでは
話題を呼んでいる。
到底まかなうことのできない被害を引き起こす。SNS という新
たなツールがもたらす利便性がある一方で、こういった新たな
2…SNS 上での新たな問題
問題が起きており、見過ごすことはできない。
(「炎上¹」web サイトに批判や非難のコメントが殺到すること)
はじめて大きく問題となったのは 2013 年 7 月のことであっ
3…承認欲求と社会
た。高知県内のコンビニエンスストア、ローソンで学生アルバ
イト店員が、アイスケースの中に入り込んで寝そべった状態の
写真を Facebook に投稿した。その後、インターネット上で話
若者とはいえ十代の後半にもなれば、
ある程度の社会常識や、
題となり、投稿者の個人情報が特定されたり勤務先や学校に対
反社会的行為がもたらすことの重大さについて理解があるので
して問い合わせの電話が殺到したりするなどいわゆる「炎上¹」
は、とも考えられるが、なぜこのような反社会的行動を Twitter
騒ぎになった。写真を投稿した学生アルバイトは解雇という形
でさらけだす行為が後を絶たないのであろうか。現在の見解と
になったが、事態を重くみたローソンは問題が発生した店舗の
しては様々あるが、今回取り上げるのは承認欲求との関係性で
フランチャイズ契約を解除し、当面休業とする措置に踏み切る
ある。若者特有の、数人で群れて行動したり、何かと仲間を意
という結果となった。続く 2013 年 7 月 19 日には、神奈川県内
識した行動をとることは主に承認欲求が原因である。後述する
のコンビニエンスストア、ファミリーマートでアルバイト店員
が、このような行動は、自らが所属する集団内で役割を持ちた
が、防犯カメラに記録されていたプロサッカー選手の来店時の
い、認められたいといった欲求により行われる行為であるが、
映像を見て、その映像を Twitter で公開した。このアルバイト
昨今では、思春期特有の承認欲求が馬鹿にされたり、批判にさ
店員は Twitter のプロフィール欄に本名や在学中の大学名など
らされたりする機会が増えたと考えられる。わかりやすいもの
を公開していたため、ファミリーマート本部や在学していた大
でいうと、十代の若者の不器用なレクリエーションをいわゆる
学に抗議や問い合わせが殺到した。こういった事態の末、アル
“中二病”などといった呼び方で嘲笑し、
「中二病は恥ずかしい
バイト店員は解雇され、7 月 20 日付でお詫びの声明が公開され
もの」
「中二病はネタ」といった括りで扱うことである。また、
る事態となった。このようなアルバイトが引き起こす問題は、
以前はよく目にした、
コンビニの前で若者たちがたむろしたり、
仕事場への私物の携帯電話やスマートフォンの持ち込みや使用
公園で遅くに騒いだりといった行動も、不快なモスキート音に
を禁止にすることや、採用時に、採用期間中に問題を起こした
よってコンビニ前でたむろすることができなくなったり、深夜
場合には損害賠償を請求するとの事項を記入した誓約書の提出
の集会などは、問答無用で補導の対象となった。また、先のバ
を求めるなどといった対策が考えられ、実際に実施している店
カッター問題とも少し絡むが、若者の“武勇伝”や“仲間内を
舗も存在する。しかし、SNS 絡みの問題はなにもアルバイトが
意識したアピール”がインターネット上で炎上する事件に関し
引き起こすものに限ったことではない。2013 年 7 月 22 日、大
ても、十数年前なら「馬鹿な奴らだなぁ」といったように、ロ
学生三人が大阪府大阪市のテーマパークである「ユニバーサ
ーカルな水準で処理されていただろう思春期特有の逸脱行動が、
ル・スタジオ・ジャパン」で、わざとボートを転覆させ遊具を
グローバルなインターネットに書き込まれ致命的な炎上となっ
停止させた他、同テーマパークの信用を傷つける内容の書き込
てしまっている。このような社会になれば、そのぶん、若者は
みを Twitter に投稿した。事件発覚後に同テーマパークが被害
自身の承認欲求を満たすための行動に大きなリスクを背負わな
届を提出し、奈良県の大学生が逮捕された。また、2014 年 5
くてはならなくなる。ところが、中二病が嘲笑され、本来は承
月 28 日には、殺人をほのめかす内容を Twitter に投稿したと
認欲求を求めるための行動も、ひとまとめに非行として容赦な
して、
茨城県警が 19 歳の男を偽計業務妨害の疑いで逮捕した。
く補導の対象になったりと、若者の逸脱が厳しい制約を受ける
このように、様々な地域で若者を中心に SNS、とりわけ Twitter
ようになったため、現代思春期において承認欲求の社会的レベ
2
ルを上げる難易度が高くなったといえる。社会的な承認欲求の
図表 2 によると男性 15~19 歳で 51%が、
女性 15~19 歳で 56%
締め付けが激しくなればなるほど、承認欲求を適切に社会化で
が Twitter を利用しており、他の年代と比べても頭一つ飛びぬ
きない、持て余してしまう若者が増加してしまう。そのような
けた結果となっている。
若者たちが、SNS 上での承認の執着を招き、エスカレートした
■図表―――2
結果、図表 1 のように大きな逸脱行動を引き起こしたのではな
Twitter の利用率
いかというものである。
■図表―――1
従来と現代の承認欲求解消モデル
オプト
Twitter に関する利用調査(2014)
また、Twitter の利用頻度に関して、図表 3 によると大学生の
70%近くが Twitter を利用しており、うち 63%がほぼ毎日利用
著者作成(2014)
しているという結果になっている。このことから、若者、その
中でも特に大学生にとって承認欲求のはけ口として Twitter が
4…承認欲求と Twitter
おおいに機能していることがうかがえる。
■図表―――3
Twitter の構造上、良くも悪くも具体的なレスポンスをしや
大学生の Twitter 利用頻度
すい仕組みとなっているため、かまってもらっている感、すな
わち承認欲求を満たすまでの時間が短いといった特徴がある。
また、承認欲求の発露場所として大いに機能する即時性と流動
性があるため、肯定を得られない投稿をしてしまっても他の投
稿で押し流されてしまうという構造となっている。Facebook
では比較的過去の投稿が再び取り上げられることが多く、投稿
の内容としても着飾った自分を表現する傾向がある。
そのため、
本研究では対象を Twitter とした。上記の Twitter の特徴のた
め、
とことん趣味・興味ベースで発言を繰り返して失敗しても、
またかまってもらえる機会を探して延々と繰り返すという構造
になっているのである。このような構造上のシステムと承認欲
大学生の SNS 活用調査(2014)
求の発露場所に飢えた若者が結びついて若者の高い Twitter 利
また図表 4 より、Twitter の利用目的として、Twitter から得た
用率につながっていると考えられる。
い情報の種類は新しい情報が 52%と最も高く、次いで面白い情
報が 50%であった。Twitter 上でリツイート、お気に入りされ
5…若者の Twitter 利用状況
るツイートの種類に関しては、図表 5 より、面白いツイートが
リツイートお気に入り両方で最も高い値を示した。
若者たちの承認欲求のはけ口となっているであろう Twitter
■図表―――4
であるが、
いったいどれだけの若者が利用しているのだろうか、
Twitter 上で求める情報
3
Twitter を失ってしまった場合、若者が更なる過激な反社会的
な行動を起こすことも十分に考えられるため、Twitter 利用の
禁止という手段をとるのは得策ではないと考えられる。また、
面白い投稿が肯定され、もてはやされる風潮がある Twitter を
うまく利用し、反社会的な行動を犯すおもしろさではなく、迷
惑を被る者のいないようなおもしろさや、得をするものが現れ
るようなおもしろさへと還元することで、社会的にプラスにな
るよう手法で承認欲求を満たすことが出来ると考えられる。そ
もそも若者が Twitter でおもしろいつぶやきを投稿するのは、
オプト
Twitter に関する利用調査(2014)
最も反応が返ってきやすいからであると考えられる。とりわけ
■図表―――5
若い世代では、昔から武勇伝という言葉で、無茶な振る舞いが
リツイート、お気に入りするツイートの種類
もてはやされる傾向にあるため、Twitter 上でも無茶な振る舞
いで、少しでも多くの反応を得ようとする若者の姿が多々うか
がえる。そのような若者たちに、正しい方法で、気軽にもては
やされることのできるものを提供し、加えて一連の行動の根源
に隠れる承認欲求も満たしてしまうことで、若者が関わる大学
やアルバイト先の被害を未然に防ぎ、そして何より、未来ある
若者たちの将来を守ることが出来ると考え、そのような点に本
研究の社会的な意義があると考える。
オプト
④ 研究的意義
Twitter に関する利用調査(2014)
以上のことから、Twitter 上では常に面白いツイートを求める
若者であふれかえっており、その場で面白い投稿をすれば、即
本研究で着目するのは承認欲求を満たすべく、コミュニティ
時的にリツイートやお気に入りなどで反応が返ってくる。これ
の反応を求めるために、日々おもしろい投稿を繰り返す
により、投稿者はさも自分が認められたかのような錯覚が起き
Twitter 上での大学生の心理を主な研究対象としている。いわ
承認欲求が一時的に満たされるというシステムが構成されてい
ば Twitter 上での投稿心理に着目した研究であるといえる。
ることが分かった。このようなシステム下で、より反応が返っ
Twitter に関する分野の研究としては、タイムライン上に存在
てくるようにと面白いネタを求め続けた結果、反社会的行動を
する有用なツイートの探し方やツイート内のテキストで内容を
投稿するという問題に行き着いたのではないかと考えられる。
分類するもの、Twitter 内に潜むトレンドから未来の流行を先
また、炎上という形で注目を集めてしまうため、バカッター投
読みするもの、災害時の効率の良い Twitter 利用に関するもの
稿が後を絶たないのではないかと考えられる。
など、主に雑多な状態で存在している Twitter 上の情報を独自
の指標で整理し、応用していくといった方針の研究が大多数で
あって、本研究のような、Twitter への投稿心理に着目したも
のは数少なく、承認欲求との関係性に着目したものは存在して
③ 社会的意義
いなかったため本研究にはおおいに学術的見地からの存在意義
があるのではないかと考えられる。
本研究では Twitter 上で行われる反社会的な投稿を削減する
ことに社会的な意義を見出すものである。爆発的に普及した
Twitter の利用を禁止することは難しい上に、現代において若
⑤ 先行研究
者の承認欲求を満たす唯一の場と言っても過言ではない
4
ということはあまりないと考えられる。本研究で対象とする大
本研究で使用する先行研究に関して、参考にした研究は主に
学生も、文化的知識を有し、健康な生活を送ることが出来てい
承認欲求に関する先行研究である。以下、本研究で参考にした
るものとして、安全の欲求はすでに満たされているとして研究
部分、また本研究独自の見解の説明を行う。
を進めていく。
所属と愛の欲求とは自分が社会に必要とされている、果たせ
1、承認欲求に関する先行研究
る社会的役割があるという感覚、また情緒的な人間関係・他社
に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚を得
承認欲求に関する先行研究としてマズローの欲求五段階説が
ようとする欲求である。飢餓状態では欲することのなかった愛
挙げられる。アブラハム・マズローによると、人が成長する過
を求め、孤独・追放・拒否・無縁状態であることの痛恨をひど
程で満たそうとする欲求を図表 6 のように、5 つの段階に分け
く感じるようになるという特徴をもつものであるとされる。
ることができ、人はそれぞれ下位の欲求がある程度満たされる
承認の欲求とは自分が集団から価値のある存在と認められ、
と、その上の欲求の充足を目指すという、精神的な成長過程と
尊重されることを求める欲求のことである。尊重のレベルには
欲求についての段階な説明を行うことが出来るという。欲求の
二つあり、低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位へ
段階とは、下位から順に、生理的欲求(Physiological needs)
、
の渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たすこと
安全の欲求(Safety needs)
、所属と愛の欲求(Social needs/Love
が出来る。また、高いレベルの尊重欲求は自己尊重感、技術や
and Belonging )、 承 認 欲 求 ( Esteem )、 自 己 実 現 の 欲 求
能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることによって満た
(Self-actualization)となっている。また、高次の欲求に移行
され、他人の評価よりも自分自身の評価が重視されるものであ
するためには現時点の欲求が完全に満たされる必要はないと述
る。本研究では Twitter 上での他人からの評価を気にした投稿
べている。
の心理研究であることから、Twitter 上での大学生に欠乏して
■図表―――6
いるだろう尊重欲求は、低いレベルの尊重欲求であることが予
欲求のピラミッド
想されるため、高いレベルの尊重欲求に関しては言及しないも
のとする。
自己実現の欲求とは自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、
具現化して自分がなりえるものにならなければならないという
欲求であり、すべての行動の動機が、この欲求に帰結されるよ
うになるというものである。
これらのうち、最初の 4 欲求、即ち生理的欲求・安全の欲求・
所属と愛の欲求・承認欲求を欠乏欲求(Deficiency-needs)
、最
後の 1 つ、自己実現の欲求を存在欲求(Being-needs)として
まとめられるとされる。マズローは、欠乏欲求を十分に満たし
た経験のある者は欠乏欲求に対してある程度の耐性を持つよう
生理的欲求とは生命維持のための食事・睡眠・排泄等の本能的・
になると考えており、成長欲求実現のため、欠乏欲求が満たさ
根源的な欲求を表すものであり、極端にまで生活のあらゆるも
れずとも活動できるようになると考えているとされる。
のを失った人間は、生理的欲求が他のどの欲求よりももっとも
2、承認欲求に関しての本研究への応用
主要な動機付けとなる。
安全の欲求とは安全性・経済的安定性・良い健康状態の維持・
良い暮らしの水準、事故防止等を求め、保障の強固さなど、予
本研究では大学生の承認欲求を調べるために、現状として生
測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求である。文化的で
理的欲求と安全の欲求はほとんどの大学生が満たされているだ
幸運なものはこの欲求に関して満足を得ている場合が多いので
ろうと判断した。そのため、生理的欲求と安全の欲求を省いた
一般的な大人がこの安全欲求を実際の動機付けとして行動する
残り 3 つの欲求のうちどの程度まで満たされているのかを明ら
5
かにしていく。また Twitter 上にあふれる他者からの反応を望
所属と愛の欲求に関して多くの大学生が 40%以上満たされて
む大学生の承認欲求のレベルとして、低いレベルの尊重欲求で
いると感じているならば、大学生は承認欲求以上の欲求を満た
あることがうかがえるため、低いレベルの尊重欲求である、尊
そうとする段階へ移行していると考えられる。また、前述の通
敬をもとめる欲求・名声を求める欲求・地位を求める欲求・注
り高次の欲求に移行するためには現時点の欲求が完全に満たさ
目を求める欲求の 4 つが大学生でも現実的に求めることが出来
れる必要はないので、承認欲求より高次な自己実現欲求に向か
る尊重欲求であるとして、4 つの尊重欲求はそれぞれ満たされ
う学生がいるとは言え、大学生は承認欲求は完全に満たされて
ることで大学生どの程度の幸福度を与えるのかを明らかにして
いないと言えることを確認したい。
いこうと考える。また、承認欲求を得ようとする範囲に関して
また、承認欲求が十分に満たされておらず、大学生が承認欲
も、自分が所属するコミュニティを対象に承認欲求を得ようと
求を求めて行動していると仮定した際、求めたい承認欲求はど
しているのか、また、そのコミュニティを越え社会一般まで広
ういったものなのかという疑問が残る。この疑問に対し、我々
がった範囲からの承認欲求を得ようとしているのかで範囲分け
は、マズローの研究の承認欲求の低いレベルの尊重欲求項目か
を行っていく。このように承認欲求を得たい対象を範囲分けし
ら、現実的に大学生が満たすことが出来るであろう、尊敬を求
明らかにすることで、より質の高い承認欲求への満足感を与え
めるもの・名声を求めるもの・地位を求めるもの・注目を求め
ることが出来るのではないかと考える。
るものの 4 つに分類し、中でも Twitter 上で問題行為をするも
のが抱くであろう欲求を「名声」と「注目」として、その真偽
を確かめる。また加えて、Twitter 上で問題行為をするもの
Twitter を利用する目的を、株式会社オプトが実施した Twitter
⑥ 仮説
の利用実態に関する調査の Twitter 利用目的の調査項目を参考
に探る。ここでは、今回の研究で対象にする Twitter 上で問題
1、仮説設定
を起こしやすい大学生の特徴を、主に Twitter を利用するのは
バイトテロやバカッターなどのケースを見ても、多くの大学
「自分の楽しみのため」
・
「家族、友人、知人との会話、連絡、
生が承認欲求を満たすために面白い投稿を Twitter 上で繰り返
コミュニケーションのためであり」
、承認欲求の要素 4 つのう
していると想定されるが、ここで疑問に浮かぶのは、果たして
ち中でも名声と注目を求めると考え、以下のような仮説を立て
満たしたい欲求は本当に承認欲求なのか、ということである。
る。
マズローの欲求段階説によれば、より高次の欲求は低次の欲求
が満たされてはじめて重要性を持つとされるが、大学生にとっ
仮説 2 「自分の楽しみのため」
「家族・友人・知人との会話・
て、承認欲求の下位の欲求である所属と愛の欲求は果たして満
連絡・コミュニケーションのため」に Twitter を利用する大学
たされているのだろうか。また、承認欲求はどれだけ満たされ
生は承認欲求中では「名声」と「注目」を求める
ていないのだろうか、という点を我々のリサーチクエスション
とする。このリサーチクエスションに対し、我々がたてる仮説
このように Twitter 上で問題を起こしやすい大学生の特徴を考
は以下の二つとする。
えたのは、Twitter 上で問題を起こしやすい大学生は主に自分
の仲間に向けて「面白いだろ」と言わんばかりにふざけた投稿
仮説 1-1 大学生の所属と愛の欲求は過半数以上満たされてい
をしてしまう傾向があるからである。このことから彼らは
る
Twitter を利用するときは発信する相手を意識しているのでは
-2 承認欲求を完全に満たす者はいない
ないか、また例えそれが許されない悪ふざけであっても、誰か
にとって楽しいことや面白いことを投稿することで自分も楽し
廣瀨・菱沼・印東[2009]によればマズローが「生理的欲求は
んでいるのではいかと考え、主に Twitter を利用するのは自分
85%,安全の欲求は 70%,愛の欲求は 50%,自尊心の欲求は
の楽しみのため・家族、友人、知人との会話、連絡、コミュニ
40%,自己実現の欲求は 10%が充足されているのが普通の人
ケーションのためとした。また通常では考えられないような突
間ではないかと」と述べていることが分かっている。そのため
拍子もない内容の投稿をして「お前はすごい」といった評判や
6
その他仲間からくる反応を期待していると考えられるため、
仮説 5、一般的に反応したくなる(リツイート/お気に入り登録
Twitter 上で問題を起こしやすい大学生承認欲求の要素 4 つの
/リプライしたくなる)投稿は「おもしろいツイート」である
うち中でも「名声」と「注目」を求めるとした。この仮説 2 を
実証するような大学生が Twitter 上で問題となる投稿を起こし
以上の仮説をまとめると
やすいのではないかと考え、以下彼らを Twitter 問題予備群と
する。
仮説 1-1 大学生の所属欲求は 50%以上満たされている
また彼ら Twitter 問題予備群の特徴として、オンライン上の
2 承認欲求は 100%は満たされてはいない
危険性を理解していないという記事を目にした。現在までに問
題となった投稿をしたもののツイートを見比べてみた際に、
「マ
仮説 2 「自分の楽しみのため」
「家族・友人・知人との会話・
ジでウケる!」などといった面白さを全面に押し出すコメント
連絡・コミュニケーションのため」に Twitter を利用する大学
が多く目についたり、身内ネタが多いことからも、Twitter 問
生は承認欲求中では「名声」と「注目」を求める
題予備群が想定している閲覧の範囲が友人や知人といった狭い
範囲であると考えられる。そのような Twitter 問題予備群はオ
仮説 3 潜在的 Twitter 問題予備軍は Twitter の公共性に関す
ンライン上の危険性に疎く、誰でも自分の投稿を見ることが出
る理解が乏しい
来るという Twitter の公共性を理解出来てないのではないかと
考えられる。そこで仮説 3 を以下のように設定する。
仮説 4 潜在的 Twitter 問題予備軍は一般的承認よりも集団的
承認を得ることに高い幸福感を覚える
仮説 3
Twitter 問題予備群は Twitter の公共性に関して理解が
乏しい
仮説 5 一般的に反応したくなる(リツイート/お気に入り登録
/リプライしたくなる)投稿はおもしろいツイートである
また、Twitter 上で問題となる投稿をするものたちは決して
となる。
世間からは受け入れられないようなふざけた投稿をすることで、
2、仮説検証
「彼らの仲間」の反応をきたしていると考えられる。そのため
彼らが想定している公開範囲、また承認や賞賛を得たいと思う
範囲は同じ集団に所属するものたちを対象としており、広く一
上記仮説を検証する手法として調査表調査を実施する。調査
般の Twitter 利用者に向けた投稿ではないと考えられる。その
概要は以下図表 7 に示す。
ため、仮説 4 を以下のように設定する。
■図表―――7
調査概要
仮説 4 Twitter 問題予備群は一般的承認より集団的承認を得
調査日
2014 年 10 月 2 日
た方がより高い幸福度を得られる
~2014 年 10 月 26
日
Twitter 上で問題となる投稿をするものたちは「ネタ」だと
調査対象
思って、問題となる投稿をしたケースが多くみられる。そこで
大学生
サンプルサイズ(有効回答数) 350(346)
本研究では、承認欲求を得るために、Twitter 上で最も反応を
得ることのできる、ネタ投稿や面白投稿を大学生は主に行って
いると想定している。したがって、Twitter 上にはおもしろい
投稿を望む利用者が多く存在し、また投稿者自身もおもしろい
男女比
男性 36%、女性 64%
実施方法
Web アンケート
質問内容
Q1,所属と愛の欲求・承認欲
求・自己実現欲求の満足程度
投稿をしたいという意図が存在していると考えたため、仮説 5
Q2,承認欲求による幸福度
を以下のように設定する。
Q3,Twitter の利用目的
7
Q4,情報の波及効果に対する
解しているかを判断するために、Twitter 上に自身の姿が映っ
危機感の程度
た写真を投稿することに抵抗を感じるかという問いに関して五
Q5,集団的承認と一般的承認
段階で判断をしてもらう。また、Twitter アカウントに鍵を付
間の重要性比較
けることで、リツイートや閲覧に関して制限を付け、不容易に
Q6,反応したくなる Twitter
自分の投稿を第三者の目にさらす危険性を理解しているか判断
の投稿
するために、アカウントに鍵をかけているかの有無を聞く設問
を設定する。
加えて、
自身の投稿がどの程度のユーザーに閲覧、
ないし影響を与えるかを想定しているのかを知るために、投稿
ではここでは、仮説の元どのような意図で調査票を構成した
閲覧範囲として、
「自身のフォロワー」
「自身のフォロワーのフ
か記述する。
仮説 1 の検証のため、所属と愛の欲求・承認欲求・自己実現
ォロワー」
「それ以外の第三者」の三段階で回答してもらい、タ
の欲求に関してそれぞれ五段階の満足度を設定し回答してもら
ーゲットとする Twitter 問題予備群が他の大学生グループに比
う。それら 3 段階の欲求に関して需要は確実に存在するが、そ
べ自身が写っている写真付き投稿に関して抵抗が少なく、
の中でも承認欲求への需要を見出すことで、承認欲求が満足を
Twitter アカウントに鍵を付けている割合が低く、投稿閲覧範
得ることが出来るような企画を打ち出す意義があると判断する。
囲の想定が狭かった場合、仮説 3 が認められるものとする。
そこで、前述通りマズローが「生理的欲求は 85%,安全の欲
仮説 4 の検証として、自身が重視する行為に関して、
「社会
求は 70%,愛の欲求は 50%,自尊心の欲求は 40%,自己実
全般にわたって価値があるとみなされる行為」と「自身が所属
現の欲求は 10%が充足されているのが普通の人間ではないか」
する集団にとって価値のある行為」のどちらが重視されている
と述べていることから普通の人以上の「所属欲求満足度」得て
かを数直線上で判断する(図表 8 参照)
。
おり、かつ承認欲求は 100%満たされている学生がほとんどい
ないことを Q1 で確認し、仮説 1-1、1-2 を認めるものとす
■図表―――8
る。
重視する価値ある行為の対象
仮説 2 の検証に関して。大学生が現実的に求められる承認欲
求要素尊敬・名声・地位・注目の 4 つそれぞれが満たされる時
自分が所属する集団にとって
社会全般に渡って
価値ある行為をしたい気持ちが強い
価値ある行為をしたい気持ちが強い
の幸福度を五段階で回答してもらう。また、同時に Twitter の
利用目的として、
「自分の楽しみのため」
「家族・友人・知人と
の会話・連絡・コミュニケーションのため」
「趣味などのプライ
1
2
3
4
5
ベートの情報収集のため」
「趣味などのプライベートの情報の発
ターゲットとする Twitter 問題予備群の大学生が、
「自分の所属
信・共有のため」
「趣味などのプライベートの人脈作りのため」
する集団にとって価値のある行為をしたい」の方向に寄った回
「ニュース・社会的なことの情報収集のため」
「ニュース・社会
答が半数以上を占めた場合仮説 4 が認められるとする。
的なことの情報発信・共有のため」
「買い物・商品情報の収集の
仮説 5 の検証に関して、一般的な Twitter 利用者が反応をし
ため」
「買い物・商品情報の発信・共有のため」の 9 つの利用
めす投稿、また Twitter 問題予備群が反応を示す投稿を判明さ
目的のうちそれぞれがどれほど当てはまるのかを五段階で回答
せるため、投稿の種類として、
「おもしろいツイート」
「共感で
してもらう。そこで、Twitter に関する目的として「自分自身
きるツイート」
「つながりを保ちたい相手がつぶやいたツイート」
の楽しみのため」
「家族・友人・知人との会話・連絡・コミュニ
「得になる情報があるツイート」
「人に伝えたくなる情報がある
ケーションのため」の二つが高い値を示した大学生が、承認欲
ツイート」
「役に立つ情報があるツイート」
「その他」
「反応する
求のうち「名声」と「注目」が満たされる喜びが高い場合仮説
ことはない、わからない」の九つの種類の投稿を複数回答で回
2 が認められるものとされ、また、その大学生グループを
答してもらう。一般の Twitter 利用者、Twitter 問題予備群の
Twitter 問題予備群として、本研究のターゲット集団として設
両方が「おもしろいツイート」に関して反応するとの回答が多
定する。
かった場合、仮説 5 が認められるとする。
仮説 3 の検証に関して、Twitter の公共性がもつ危険性を理
8
⑦
分析手法
以上のような仮説検証にあたり「Microsoft Excel 2010」と
統計ソフト「IBM SPSS Statistics 20」を使用し、具体的に次
のような手順を踏んで分析を行った。
仮説1-1,2の検証では所属欲求・承認欲求・自己実現の欲
(n=346)
求の満足度に関してそれぞれを 5 段階で評価した回答をクロス
集計表にし、割合を比較する。5 段階の評価については回答 1
を満足度 0%、2 を 25%、3 を 50%、4 を 75%、5 を 100%の
■―――図表 10
満足度が得られていると回答したものとする。
承認欲求の満足度
仮設2の検証ではまず「Q3:Twitter の利用目的」でサンプ
ル全体を非階層クラスターにかけ、そこでいくつかに分けたク
ラスターの中でも「自分の楽しみのため」
「家族・友人・知人と
の会話・連絡・コミュニケーションのため」に Twitter を利用
するクラスターに着目する。次いで、そのクラスターが承認欲
求の中でも「注目」を特に求めることを、
「Q2,承認欲求による
幸福度」に対する回答をクロス集計表にして、回答割合を比較
(n=346)
し探る。
仮説 3 の検証では、仮説 2 の検証内で割り出したクラスター
■―――図表 11
が 5 段階で評価した「Q4 情報の波及に対する危機感の程度」
自己実現欲求の満足度
の回答をクロス集計表にして、回答割合を比較していく。
仮説 4 の検証では仮説 3 同様に、仮説 2 の検証内で割り出し
たクラスターが 5 段階で評価した「Q5 集団的承認と一般的承
認間の重要性比較」の回答をクロス集計表にして、回答割合を
比較していく、
仮説 5 では複数回答で回答された「反応したくなる投稿」を
クロス集計表にして、各投稿内容が選択された数を比較する。
(n=346)
⑧
分析
図表 9 を見れば所属欲求の満足度が 50%を超えている人は全
体の 97%を占めており、大学生のほとんどの所属欲求が 50%
先述した仮説検証の順に分析結果を示していく。初めに、
以上満たされていることが分かる。このことから、マズローが
仮説 1-1、仮説 1-2 の承認欲求の満足度の程度について。調
言う「普通の人の所属欲求満足度 40%」をほとんどの学生が上
査票の Q1、所属と愛の欲求・承認欲求・自己実現欲求の満足
回ることになり、仮説 1-1「大学生の所属欲求は 50%以上満
程度の回答をクロス集計にかけ、グラフにした結果が以下図表
たされている」は実証され、かつマズローの欲求段階説よりほ
9、10、11 の通りである。
とんどの大学生が承認欲求以上の欲求を満たそうとする段階へ
移行していると考えられる。
■―――図表 9
また図表 11 で大学生でもある程度自己実現欲求を満たそう
所属と愛の欲求の満足度
としている人は見受けられるものの、図表 10 を見ると承認欲
9
求が 100%満たされている人は全体の 11%とかなり低く、約 9
スターは K-means 法で行い、クラスター数は一番クラスター
割近い大学生は承認欲求が 100%満たしきれていないことがわ
ごとの特徴を解釈しやすい 5 つを採用した。以下図表 12 に非
かる。
階層クラスター分析の結果を示す。この結果はクラスターごと
以上のことをまとめると、仮説 1-1 は実証され大学生は承
の各項目平均値が示されており。平均値が 3.50 以上の値であっ
認欲求以上の欲求を満たそうとする段階にいることが分かった。
た項目は高感度、2.49 以下の値であった項目は低感度項目であ
また自己実現の欲求をある程度満たす大学生がいることも分か
ると判定し、クラスターごとの特徴を捉える。その結果、各ク
ったが、一方で承認欲求を 100%満たす大学生はほとんどいな
ラスターを「自己満足アカウント」
「趣味友達アカウント」
「総
いことも事実である。ここで前述した「高次の欲求に移行する
合的アカウント」
「友達アカウント」
「読む専門アカウント」ク
ためには現時点の欲求が完全に満たされる必要はない」ことを
ラスターと名付けた。各クラスターのネーミング理由は次のよ
踏まえれば、自己実現欲求の段階にある大学生がそれより低次
うになる。
な承認欲求を完全に満たしているかというと、それは違うので
・自己満アカウント
ある。つまり大学生は承認欲求以上の段階におり、承認欲求を
クラスター1 は趣味やニュースなどといった情報の収集・発
求める大学生もいれば、自己実現欲求を求める学生もいる。と
信・共有はするものの、そこから新しい人脈を作る気はない。
は言え、それらどちらの段階にいるにせよ今回の調査を見ても
しかしコミュニケーションツールとして Twitter を使っており、
承認欲求は完全に満たされてはいないことがわかる。このこと
決して閉鎖的な人物ではないことがうかがえる。これらを踏ま
から「仮説 1-2、承認欲求は 100%は満たされてはいない」は
え、広く情報の収集・発信・共有はするもののそこから共通の
認められたものとする。
興味を持った仲間を惹きつけたり、探したりしないこのクラス
次に仮説 2 の Twitter の利用目的と承認欲求による幸福度の
ター1を、あまり仲間を意識せず自分の投稿したいことを投稿
関係について検証していく。まずは「Q3 Twitter の利用目的」
する集団と考え「自己満足アカウント」クラスターとした。
でサンプル全体を非階層クラスターにかけていく。非階層クラ
■図表―――12
クラスターごとの Q3 各要素の平均点
3.50 以上の値を太字にし、2.49 以下の値のセルに色を付けている
クラスター
1
2
3
4
5
自己満足
趣味
総合的
友達
読む専門
アカウント
コミュニティ
アカウント
アカウント
アカウント
アカウント
Q3.1 自分の楽しみ
4.01
4.33
3.96
3.61
3.06
3.54
3.99
4.31
4.16
2.00
4.30
4.27
4.33
2.46
2.17
1.68
3.49
3.97
1.96
1.53
3.78
1.95
3.82
2.88
1.47
2.67
1.64
3.49
2.28
1.31
n
79
85
89
57
36
%
23%
25%
26%
16%
10%
Q3.2 会話・連絡・コミュ
ニケーションのため
Q3.3 趣味の情報の収
集・発信・共有のため
Q3.4 人脈づくり
Q3.5 社会的情報の収
集・発信・共有のため
Q3.6 買い物・商品情報の
収集・発信・共有のため
・趣味コミュニティアカウント
クラスター2 はニュースや買い物といった情報に対する感度
10
は低いものの、
「自分の楽しみのため」
「コミュニケーションの
のではなく、日ごろの友人と交わすネタやおふざけである。そ
ため」
「趣味などのプライベートな情報のため」
「趣味などの人
こで Twitter の利用目的で「Q3-1 自分の楽しみのため」
と
「Q3-2
脈作りのため」といった項目が高感度を示している。ここから
家族・友人・知人との会話・連絡・コミュニケーションのため」
クラスター2は共通の趣味を持つコミュニティとの交流を
の感度が高いクラスターの中でも、「趣味」的要素の低い「友
Twitter 上で楽しんでいると考えられる。そこでクラスターを
達アカウント」クラスターが Twitter 問題予備群に一番なりえ
「趣味コミュニティアカウント」クラスターと名付けた。
ると考えた。
ところがここで、「友達アカウント」クラスターの Twitter
・総合的アカウント
クラスター3 は買い物情報に対する感度はあまり高くないが、
利用目的で「自分の楽しみのため」という要素は比較的高いが、
総合的にみればどの項目に対しても高感度を示している。ここ
その他のクラスターと比べると低いことが懸念点である。そこ
から Twitter の利用目的の幅が広いと考え、クラスター3 を「総
で Twitter を利用する目的が「自分の楽しみのため」
「家族・
合的アカウント」クラスターと名付けた。
友人・知人との会話・連絡・コミュニケーションのため」に利
・友達アカウント
用する「友達アカウント」クラスターが承認欲求のうち「注目」
クラスター4 はこれまでのクラスター同様 Twitter の利用目
を求めることを確認し、Twitter 問題予備群としての可能性を
的が「自分の楽しみのため」「コミュニケーションのため」と
高めたい。そのために、クラスターごとに「Q2 承認欲求によ
いう項目に対し感度が高いが、他クラスターと比べて明らかに
る幸福度」に対する回答をクロス集計表にして、グラフにした
「趣味の情報のため」という要素の感度が低い。このことから
結果は以下図表 13 のようになる。
Twitter を趣味内容等に偏ることはなく、日頃会話するコミュ
ニティとの対話の延長上のような使い方をしている可能性が
■図表―――13
高いと考えた。以上のことを踏まえ、クラスター4 は日常のコ
承認欲求各要素が得られた時幸福度の高い人(幸福度を 4、感
ミュニティと Twitter 上でも同じような関係を築く「友達アカ
じる 5、とても感じる のどちらかを回答した人)の割合
ウント」クラスターと名付ける。
・読む専門アカウント
クラスター5 は Twitter の利用目的に関してどの項目でも感
度が低くなっている。このことから自分では投稿せず、他の人
が投稿している内容をただ見ているだけの層である可能性が
高い。このことから、クラスター5 を「読む専用アカウント」
クラスターとした。
クラスター分けは以上のように特徴を捉え、ネーミングした。
私たちが見出したい Twitter 問題予備群は「Q3-1 自分の楽し
みのため」と「Q3-2 家族・友人・知人との会話・連絡・コミ
ュニケーションのため」の感度が高い集団と考えているので、
Q2 の設問では承認欲求各要素を得られた時に幸福度を「4,感
それらの項目の高いクラスター「自己満足アカウント」「趣味
じる」
「5、とても感じる」と回答した人のサイズが大きいほど
コミュニティアカウント」
「総合的アカウント」
「友達アカウン
その承認欲求要素による幸福度が高く、その「承認欲求要素を
ト」の 4 つのクラスターに着目した。ところで、それらのクラ
求めている」と考える。つまり図表 13 は各クラスターの各承
スターでは「友達アカウント」クラスター以外 Twitter の利用
認欲求要素に対する欲求度を示していると考えれば、図表 13
目的に「趣味」が大きく影響している。そのため、彼らが自分
で「友達アカウント」クラスターは承認欲求の各要素で幸福度
の楽しみにしているもの・他人とコミュニケーションしている
の値が高く、他クラスターと比べると幸福度の高さは尊敬・偉
ものは趣味との結びつきが強い可能性が高いと考えられた。し
い・名声欲求にて 1 位、
注目欲求では 2 位であることが分かる。
かし今回私たちが想定している自分の楽しみにしているも
このことから「友達アカウント」クラスターは Twitter の利用
の・他人とコミュニケーションしているものは趣味に偏ったも
目的で「Q3-1 自分の楽しみのため」
「Q3-2 家族・友人・知人
11
との会話・連絡・コミュニケーションのため」の感度が高く、
Twitter 上に写真が抵抗されることに抵抗があると答えなかっ
かつ承認欲求は総合的に高いことと言える。以上より「友達ア
た人(1.全く抵抗を感じない 2.あまり抵抗を感じない
カウント」クラスターは Twitter 利用目的だけでなく、承認欲
どちらともいえない のいずれかを回答した人)の割合
3.
求の面からも Twitter 問題予備群になりえる可能性が秀でてい
ることが分かった。
ではここで、「友達アカウント」クラスターの存在が仮説 2
を実証できると言えるのだろうか。「友達アカウント」クラス
ターは、確かに Twitter の利用目的で「Q3-1 自分の楽しみのた
め」
「Q3-2 家族・友人・知人との会話・連絡・コミュニケーシ
ョンのため」の感度が高いが、私達が Twitter 問題予備群の要
素として着目した「名声」と「注目」要素欲求が承認欲求 4 つ
の要素の中で特に強いわけではない。しかし「友達アカウント」
クラスターは名声欲求の値が5つのクラスター内で 1 位、注目
欲求の値は 5 つのクラスター内で 2 位を誇り、また全体の値と
■図表―――15
比べれば名声欲求が 61%から 68%にと 7 ポイント、注目欲求
自分の投稿閲覧範囲を「第三者まで」と答えられなった人(1.
が 51%から 61%にと 10 ポイントも高くなっている。以上のこ
自分のフォロワー 2.自分のフォロワーのフォロワーどちら
とから「友達アカウント」クラスターは「Q3-1 自分の楽しみ
かを回答した人)の割合
のため」
「Q3-2 家族・友人・知人との会話・連絡・コミュニケ
ーションのため」に Twitter を利用する大学生でかつ、
「全体」
と比べると「名声」と「注目」欲求の高い集団であると言える。
つまり「友達アカウント」クラスターの存在自体、仮説 2 の
「Q3-1 自分の楽しみのため」
「Q3-2 家族・友人・知人との会
話・連絡・コミュニケーションのため」に Twitter を利用する
大学生は承認欲求中では「名声」と「注目」を求めることを実
証すると言える。それではここから、この仮説 2 存在を実証す
る存在でもある「友達アカウント」クラスターを Twitter 問題
予備群として、本研究対象にして研究を進めて行くことにする。
では、引き続き仮説 3 の検証に移る。前述の通り、Twitter
図表 14 では自分の写真が Twitter 上に投稿されることに抵
抗があると答えず「1.全く抵抗を感じない」「2.あまり抵抗
問題予備群は Twitter の公共性に関する理解が乏しいことは
を感じない」
「3.どちらともいえない 」と答えた人の割合を、
「Q4 情報の波及効果の危機感の程度」で測ることにする。し
また図表 15 では自分の投稿閲覧範囲を「第三者まで」と答え
かし Q4 を構成する「Q4-1 あなたは Twitter 上に自分が写る写
られず「1 自分のフォロワー」か「2 自分のフォロワーのフォ
真がアップされることに抵抗がありますか」「Q4-2 あなたは
ロワー」のいずれかを回答した人の割合をクラスターごとに比
Twitter のアカウントに鍵をかけていますか」
「Q4-3 あなたは
較している
自分の投稿閲覧範囲はどこまでだと考えていますか」という三
この結果から、Twitter 問題予備群とした集団は「情報の波
つの設問のうち、Q4-2 に関して複数アカウント持ち主への配
及効果の危機感の程度」に関して他クラスターとあまり差がな
慮が欠けていることが判明しため今回は言及しない。Twitter
問題予備群と他クラスターを Q4 の設問でクロス集計表にして、
グラフにした結果は以下図表 14 と 15 のようになる。
いことが分かり、仮説 3 は実証されなかった。しかし、Twitter
問題予備群には「Twitter の公共性に関する理解が乏しい」こ
とは欠かせない。なぜならその公共性の理解は投稿内容の是非
を左右し、特に Twitter で問題を起こすような集団はその是非
■図表―――14
の判断がその公共性の理解の乏しさから疎いと考えられるか
12
らだ。そこで、私達は Twitter 問題予備軍とした集団の中でも
特に情報の波及効果の危機感の程度が低い集団を抽出し、より
精度の高い Twitter 問題予備群抽出を行うことにする。ここで
抽出できた集団を改めて本研究対象に設定し、彼らを真
Twitter 問題予備群とする。今回、情報の波及効果の危機感の
程度が低い集団 を抽出する方法としては「 Q4-1 あなたは
Twitter 上に自分が写る写真がアップされることに抵抗があり
ますか」において程度に関わらず抵抗が有ると回答せず、かつ
「Q4-3 あなたは自分の投稿閲覧範囲はどこまでだと考えてい
ますか」に対し「第 3 者まで」と回答しなかったことを条件に
図表 16 を見て分かるように、Twitter の利用目的で抽出した
抽出していく。その結果、17 人の集団を抽出でることが出来
17 人の中で「自分の楽しみのため」
「家族・友人・知人との会
た。彼らを本研究対象に設定するには、さきほど Twitter 問題
話・連絡・コミュニケーションのため」に対し、
「5、とてもよ
予備群として設定した「友達アカウント」クラスターからさら
くあてはまる」もしくは「4、やや当てはまる」と回答した人
に「情報の波及効果の危機感の程度」を基準に抽出した彼らが、
はそれぞれ「友達アカウント」クラスターの割合 61%、81%を
Twitter で問題を起こしそうな集団であるよう「Twitter 利用目
超えて 76%、94%であった。一方、承認欲求の程度に関しては
的の要素」と「承認欲求の要素」を維持できているか確認する
図表 17 の通り「友達アカウント」クラスターでは幸福度に五
必要がある。そこで、抽出した 17 人集団を「Q2 承認欲求によ
段階評価で 4,5 を付けるなど承認欲求各様要素において強い
る幸福度」と「Q3Twitter の利用目的」に関して改めてクロス
欲求を見せた人の割合が「尊敬」が 93%、
「偉い」が 72%、
「名
集計表にした。それをグラフにした結果は以下図表 16 と 17 の
声」が 68%、
「注目が」61%の割合だったのに対し、抽出した
ようになる。
17 人では承認欲求各様要素に欲求を強く見せた人の割合が「尊
敬」が 88%、
「偉い」が 65%、
「名声」が 59%、
「注目が」59%
■図表―――16
となり全体的に数値が下がってしまった。「友達アカウント」
Twitter の利用目的「自分の楽しみのため」
「家族・友人・知人
クラスターから抽出した結果、名声と注目要素含め承認欲求が
総合的に落ち込んでしまった集団を Twitter 問題予群とは言い
との会話・連絡・コミュニケーションのため」に対し、
「5、と
難い。そこで、なぜ抽出した結果承認欲求の値が落ち込んでし
てもよくあてはまる」もしくは「4、やや当てはまる」と回答
まったか考えた結果、サンプルの「情報の波及効果の危機感の
した人の割合、
「友達アカウント」との比較
程度」の量り方に問題があったのではないかと考えられた。
今回「情報の波及効果の危機感の程度」を量るのに、「Q4-1
あなたは Twitter 上に自分が写る写真がアップされることに抵
抗がありますか」において程度に関わらず抵抗が有ると回答せ
ず、かつ「Q4-3 あなたは自分の投稿閲覧範囲はどこまでだと
考えていますか」に対し「第 3 者まで」と回答していないかど
うか確認した。ところが、抽出した 17 人の中には Twitter 上
に自分が写る写真がアップされることに抵抗があるとは答え
ず、かつ自分の投稿の閲覧範囲は「自分のフォロー」までと答
える大学生が、その数は 17 人中 11 人で、集団の約 65%を占
■図表―――17
めていた。これらの結果を踏まえて、私達で決めたルールに沿
抽出した 17 人の中で承認欲求各要素について強い幸福度を見
って抽出した彼らを Twitter の公共性に関する理解が乏しく、
せた人(承認欲求各要素を得られたとき幸福度を「4,感じる」
情報の波及効果の危機感がないと言えるだろうか。今回はそう
「5、とても感じる」と回答した人)の割合、
「友達アカウント」
とは言えない、と判断するのが妥当だと考えられる。なぜなら
との比較
13
閲覧範囲を「自分のフォロワー」と考えている場合、自分の写
じる」「5、とても感じる」と回答した人)の割合、「友達アカ
真が Twitter 上に投稿されても構わないと思うのはごく一般的
ウント」との比較
なことで、目立った投稿をしないような人にとって Twitter は
確かに閲覧範囲を「自分のフォロワー」で自分の写真を気軽に
投稿できるような閉鎖的空間なのかもしれない。そう考えれば
先程抽出した 17 人の中にはそのようなごく一般人を含むこと
が多く、Twitter 問題予備群のように目立った承認欲求の値が
出なかったのかもしれない。
それでは逆に自分の投稿内容の閲覧範囲を広くとっている
にもかかわらず、自分の写真の投稿に抵抗が無いとする集団の
方が「Twitter の公共性に関する理解が乏し」く、
「情報の波及
効果の危機感の程度」が低い集団と考えるべきではないか。そ
図表 18 から分かるように、Twitter の利用目的では新たに抽出
こで私達は新たに「友達アカウント」クラスターから「Q4-1
した 20 人の中で「自分の楽しみのため」
「家族・友人・知人と
あなたは Twitter 上に自分が写る写真がアップされることに抵
の会話・連絡・コミュニケーションのため」に対し、
「5、とて
抗がありますか」において程度に関わらず抵抗が有ると回答せ
もよくあてはまる」もしくは「4、やや当てはまる」と回答し
ず、かつ「Q4-3 あなたは自分の投稿閲覧範囲はどこまでだと
た人はそれぞれ「友達アカウント」クラスターの割合 61%、81%
考えていますか」に対し「自分のフォロワー」と公開を狭めな
を超えて、70%と 85%であった。また、承認欲求の程度に関し
かった人を抽出することにした。彼らの「Q2 承認欲求による
ては「友達アカウント」クラスターでは承認欲求各要素を得ら
幸福度」と「Q3 Twitter の利用目的」に対する回答をクロス集
れたとき幸福度を「4,感じる」
「5、とても感じる」などと回答
計表にまとめ、グラフにした結果は以下図表 18 と図表 19 にな
し、承認欲求各様要素において強い欲求を見せた人の割合が
る。
「尊敬」が 93%、
「偉い」が 72%、「名声」が 68%、
「注目が」
61%割合だったのに対し、新たに抽出した 20 人では承認欲求
各様要素に欲求を強く見せた人の割合が「尊敬」が 95%、
「偉
■図表―――18
い」が 70%、
「名声」が 75%、
「注目」が 70%となった。今回
新たに抽出した集団の中で Twitter の利用目的「自分の楽しみ
新たに抽出した集団では「偉い」の要素がやや数値を下げたも
のため」「家族・友人・知人との会話・連絡・コミュニケーシ
のの、
「Twitter の利用目的の要素」と「承認欲求の程度の要素」
ョンのため」に対し、
「5、とてもよくあてはまる」もしくは「4、
は「友達アカウント」クラスターから総合的に数値を高めるこ
やや当てはまる」と回答した人、
「友達アカウント」との比較
とが出来た。特に承認欲求要素の「名声」と「注目」欲求に関
しては、
「友達アカウント」クラスターからはそれぞれ名声が 7
ポイント、注目が 9 ポイント高くなり、全体からは名声が 14
ポイント、注目が 19 ポイントそれぞれの欲求が高い人の割合
を増している。
以上のことを踏まえると、私達は「Q3Twitter の利用目的」
でクラスター分けされた「友達アカウントクラスター」から、
「情報波及に対する危機感の程度」で特定のサンプルを抽出し
「自分の楽しみのため」「家族・友人・知人との会話・連絡・
コミュニケーションのため」に Twitter を利用し、承認欲求中
でも特に「注目」を求めるような集団を見出すことが出来た。
■図表―――19
彼らを「真 Twitter 問題予備群」とし、本研究の研究対象とし
新たに抽出した集団の中で承認欲求各要素について強い幸福
て改めて設定し直す。
度を見せた人(承認欲求各要素を得られたとき幸福度を「4,感
14
それではここから仮説 4、5 の検証を順に行っていく。まず
仮説 4 検証のため真 Twitter 問題予備群の「Q5,集団的承認と
一般的承認間の重要性比較」の回答をクロス集計計し、グラフ
にした結果が以下図表 20 のようになる。
■図表―――20
集団的承認と一般的承認間の重要性比較
この結果から、一般的ユーザーが反応したくなる投稿 1 位は 2
位と大差をつけ、80%もの支持を得ている「面白いツイート」
であった。また真 Twitter 問題予備軍でも反応したくなる投稿
の 1 位は「面白いツイート」であり、その指示割合は全体での
割合も抜き 90%にまで上る。つまり、本研究対象とする真
Twitter 問題予備軍は一般的大学生よりも強く面白いツイート
を求める傾向があることが分かった。このことから、一般の
Twitter 利用者、真 Twitter 問題予備群どちらからも面白いツ
上記図表が示すように真 Twitter 問題予備群は自分の所属する
イートは高い支持を受けたことが分かったので「仮説 5 一般
集団に認められる方を好む人の割合が 45%、社会から認められ
的に反応したくなる(リツイート/お気に入り登録/リプライし
る方を好む人の割合が 40%でわずかに集団的承認の方が支持
たくなる)投稿はおもしろいツイートである」は実証された。
は高いようだ。とはいえ、集団的承認の支持は半数を超えてい
加えて、今回の分析で真 Twitter 問題予備群は共感できるツイ
ないので仮説 4「潜在的 Twitter 問題予備軍は一般的承認より
ートを好む傾向が全体と比べてでの支持が 1 割程度高いことも
も集団的承認を得ることに高い幸福感を覚える」ことは実証さ
分かった。
れない。しかし真 Twitter 問題予備軍ではわずかにだが集団承
認支持もあり、完全に棄却も出来ないのではないかと考える。
まとめると、私達は今後真 Twitter 予備群をターゲットとする
⑨ 結
ときは「集団的承認」と「一般的承認」どちらにも同等なウェ
論
イトを置いて取り組むべきだが、「集団的承認」の支持の方が
私達が立てた仮説は本研究にて以下のようになった。
わずかでも支持が多かったことを念頭に置いとく方が良い。
仮説 1-1 大学生の所属欲求は 50%以上満たされている
次に、仮説 5 の検証に移る。仮説 5 の検証にあたり「Q6,反
→実証された
応したくなる Twitter の投稿」の回答をクロス集計にかけた結
2 承認欲求は 100%は満たされてはいない
果は以下図表 21 のようになる。
→実証された
仮説 2 「自分の楽しみのため」
「家族・友人・知人との会話・
■図表―――21
連絡・コミュニケーションのため」に Twitter を利用する大学
一般的な人(全体)と真 Twitter 問題予備群が反応したくなる
生は承認欲求中では「注目」を求める
Twitter の投稿比較
→実証された
仮説 3 潜在的 Twitter 問題予備軍は Twitter の公共性に関す
る理解が乏しい
→棄却された
仮説 4 潜在的 Twitter 問題予備軍は一般的承認よりも集団的
15
承認を得ることに高い幸福感を覚える
ションなどという名目で画像付きで投稿しだしたのを皮切り
→棄却されたものの、集団的承認の支持がわずかに高かっ
に、「壁ドン」に関する画像付き投稿が増加しだした。現在で
は 2014 年上半期女子中高生モノ・コトランキングで一位を獲
た
仮説 5 一般的に反応したくなる(リツイート/お気に入り登
得したり、日清食品が 2014 年 6 月 30 日から「壁ドン」を題
材にしたカップヌードルのテレビ CM を期間限定放送したり
録/リプライしたくなる)投稿はおもしろいツイートである
→実証された
するなど、Twitter 上の流行だけにとどまらず、オフライン上
本研究では以上のような仮説の検証を行いながら、
「Twitter
の流行にも影響を与えていることが分かる。また、その他の具
の利用目的」と「承認欲求の程度」、それに加えて「情報の波
体例として、
「マカンコウサッポウ」が挙げられる。
「マカンコ
及効果の危機感の程度」要素で、真 Twitter 問題予備群を抽出
ウサッポウ」とは、ある人物を中心に跳躍した瞬間を撮影する
させることが出来た。
ことでその人の発した技(不可視のエネルギーや拳圧・風圧な
そこで、彼らの心理と大学生全体の心理傾向を分析、比較し
ど)で吹き飛んだように見せかけた写真を撮るものである(図
た。
その結果、
潜在的 Twitter 問題予備群は以下のようになる。
表 22 参照)
。2013 年二月頃から女子高生たちが「マカンッコ
ウサッポウ」と称して Twitter に投稿し始めていたが、3 月の
・全体より集団的承認欲求がわずかに高いが、一般的承認と集
終わりごろから NAVER まとめなどを通して浸透し始め、ネッ
団的承認どちらにもウェイトを置くべき。
トメディアなどにも取り上げられるようになった。このような
・全体より面白ツイートを好む傾向にある
オ ン ラ イ ン 上 で の 流 行 に 目 を つ け 、 2013 年 4 月 に は 、
・全体より共感できるツイート好む
iPhone/Android 用「マカンコウサッポウ」アプリが開発され
ることになった。このアプリはリリース直後に日本の
AppStore のカメラ/ビデオカテゴリーで上位を獲得するなど、
大学生全体が好む投稿も「面白ツイート」であることは分かっ
Twitter を超える範囲での流行となった。
ているので、いかに潜在的 Twitter 問題予備軍が一般的に好ま
■図表―――22
れる面白いツイートを展開して、それに対し反応をもらい、集
「マカンコウサッポウ」
団的承認の欲求が満たしてあげるかが考えていかなければな
らない。また同時に一般的承認を満たしてあげるのがベストで
ある。
⑨
実務的インプリケーション
1、環境分析
Twitter を利用する若者たちの特徴として情報感度の高さが
また、同様の Twitter 上の流行として、
「ポッターリング」と
挙げられる。反応が返ってくることが期待されるような面白い
いう、映画「ハリーポッター」に見られるような、箒に乗って
要素を作り出すことが出来れば、Twitter 上で拡散され広く知
空を飛ぶシーンを箒にまたがり跳躍することで再現するもの
れ渡り流行となることさえ可能になるのである。Twitter 上で
(図表 23 参照)も、
「マカンコウサッポウ」同様の流行の波に
取り上げられ、流行になったものとして、「壁ドン」が挙げら
乗り、「ポッターリング選手権」という企画が行われるまでに
れる。ここで挙げる「壁ドン」とは、男性が女性を壁際に追い
なった。「ポッターリング選手権」とは高校生青春発信マガジ
詰めて、手を壁にドンと突く行為(参照 Wikipedia 壁ドン)を
ン「HR」が実施する Web キャンペーンで、個人個人の「ポッ
指す。従来より使われてきた、集合住宅等で隣の部屋が騒がし
ターリング」を競い合い反響の大きかった投稿に対し、グラン
い時に壁をドンと殴り注意を促す行為という意味に加えて、
プリとして、大阪にあるアミューズメント施設
Twitter 上で、主に女性ユーザーが理想の異性とのシチュエー
「UNIVERSALSTUDIOJAPAN」への一泊二日の宿泊券が授
16
与されるというものであり、多くの参加者の思い思いの投稿が
行われた。
■図表―――23
「ポッターリング」
中小企業庁(2009)
■図表―――25
今後の空き店舗の見通し
このように、Twitter 上での流行が Twitter を越えた範囲や、
オフライン上で流行になるケースは多々存在し、うまくすれば、
多くの反応を得ることのできるおもしろい投稿として、投稿者
の承認欲求を満たすだけでなく、そのような流行に関連するも
のに注目を集めることが可能となるといえる。
2、対象業界
本研究の実務的インプリケーションとして、Twitter の持つ
承認欲求を満たすことのできる効果と、流行の際、流行に関連
中小企業庁(2009)より作成(n=3402)
するものの注目を集めるという効果に着目していく。後者に関
また、商店街の景況(平成 18 年度調査との比較)では他の指
して、現状注目を集める必要があり、対象とする大学生との相
標とは異なり、「衰退している」指標のみが平成十八年よりも
性が良い業界として商店街を想定する。
高い値をしめしており、衰退の様子が見て取れる(図 26 参照)
商店街を対象にすることの意義に関して、近年の商店街の衰
このように空き店舗数が減らず衰退の一途を辿る理由として、
退が挙げられる。中小企業庁実施の商店街実態調査報告書によ
「空き店舗が減らない理由」調査(図 27)によると、最も高い
ると、商店街当たりの空き店舗数及び空き店舗数の推移(図表
値を示したのが、
「商店街に活気がない」という項目であった。
24)は平成 15 年度以降増加を続け、平成 21 年の段階で平均空
したがって、衰退の一途を辿る商店街に Twitter の流行に関与
き店舗数 5.6 店、空き店舗率 10.82 を記録している。また、空
したものに注目を集めるという効果を適用し、商店街に活気を
き店舗の今後の見通しとして、空き店舗が増加するとの回答が
与えていこうと考える。
47.0%と約半数となっている(図表 25 参照)。
■図表―――26
■図表―――24
商店街の景況(%表示)
商店街当たりの空き店舗及び空き店舗数の推移
17
3、提案
今回は Twitter の流行に関連するものに注目を集める効果と、
衰退する商店街に承認欲求を満たすために、面白さを求めて
Twitter を利用する大学生を対象とした実務的インプリケーシ
ョンを考案していく。テーマは「商店街に活気を…!!大学商
店街対抗、面白投稿コンテスト」である。概要としては、企画
側は地域情報誌出版社であり、対象は各大学商店街である。大
学商店街内の地域限定の面白さや、面白い看板、面白いお店、
面白い地域の方々などを、写真・エピソード問わず Twitter に
中小企業庁(2009)より作成(n=3402)
■図表―――27
投稿する。投稿されたツイートを一定期間内でお気に入り登録
の数で順位化し、大学商店街対抗で面白さを競うというもので
空き店舗が減らない理由(%表示)
ある。また、グランプリに輝いた大学は大学商店街でのみ使用
できる特典を与え、更なる投稿意思を煽っていく。例をあげる
と、大学商店街の、独特なポーズの面白看板を友人と真似た写
真付き投稿を Twitter に投稿し、集計の結果見事グランプリに
輝いた。そのグランプリ投稿をした大学に所属する学生はグラ
ンプリの特典として、大学最寄りの大学商店街内での買い物が
全品 10%オフになるといったものである。簡易的な図を図 10
に示す。このような形式にすることで、本研究により判明した
潜在的 Twitter 問題予備群のもつ特徴に合致した提案になると
考える。具体的には、面白さを重視するという点に関しては、
大学商店街や地域限定ではあるが、独自が面白いと思う投稿を
互いにツイートや閲覧することで、新たな面白さの発見や、自
身の思う面白さが評価されるといった形で満足感が得られる
中小企業庁(2009)より作成(n=3402)
また、商店街と大学生の関係性であるが、商店街の主な出店
と考える。集団的な承認を望み、共感できるツイートに好反応
地域に関して、駅前が挙げられる。市街と駅前を結ぶ地域に基
を示すといった特徴に関しては、大学対抗にすることで、他の
本的に商店街は出店されるが、これは電車等を利用した後に、
大学に勝ちたいという共通の目的を持ちやすく、同じ大学の生
帰路へとつく住民をターゲットにするためや、比較的栄えた駅
徒の投稿を仲間の投稿とみなし、より親身に反応をしやすくす
前に用事で出向く際、商店街を通る住民をターゲットにするた
ることで、今までのコミュニティよりも広範囲からの承認を得
めなどの理由があると推測される。同様に大学も駅周辺に存在
ることが出来るという点で満足感を与えることができる。また、
するケースが多い。これは、大学がそもそも周辺の地域からの
つながりを重要視する特徴に関しては、横のつながり、即ち友
通学者のみを対象にしたものではなく、広く地域を越えた範囲
達や自身のフォロワーとのつながりは、Twitter 上で面白い投
からの通学者のアクセスを考慮しなければならないため、必然
稿をすることで互いのタイムライン²に表示されることとなり
的に公共交通機関周辺に大学が存在することとなる。このよう
満たすことが出来る。縦のつながり、即ち自身と関係している
にして、大学と商店街の存在地域は駅を介して似通っているこ
が、フォロワーではない者たちとのつながりは、ハッシュタグ
とが分かる。大学商店街の例として、早稲田大学商店街、学芸
³投稿をすることでフォロワー以外にも閲覧・評価が可能にな
大学商店街、駒澤大学商店街、東海大学商店街などがあげられ、
るため、満たされると考えられる。また、新しくつながりを増
これら以外にも数多くの大学商店街が存在している。
やすことも可能になる。このような点で、本研究で見出した、
潜在的 Twitter 問題予備群の特徴に合致した提案になっている
18
といえる。また、大学ごとによって在籍している生徒数が大き
くの投稿が Twitter 上に寄せられ、
賑わいを見せていた。
また、
く異なり、一見在籍数の少ない大学が不利になることが考えら
地域物産店が面白投稿に積極的な姿勢を見せた具体例として、
れるが、投稿にハッシュタグを付けることで、投稿者のフォロ
スマートフォンアプリ「ボケて」と宮崎県日南市のコラボレー
ワー以外の人たちも、ハッシュタグ検索によって投稿を閲覧す
ションが挙げられる。スマートフォンアプリ「ボケて」とは、
ることができるようになるため、在籍数による有利不利はほと
ダウンロード数 350 万を獲得している人気アプリで、運営側か
んどないといえる。このようにすることで、大学商店街側のメ
ら出されるお題画像に対して、利用者がコメントでボケるとい
リットとして、商店街が流行の題材として扱われることで、大
うものである(図表 29 参照)
学生からの注目を集めることができる。また、グランプリに輝
いた商店街は、その投稿とグランプリを獲得た旨を地域情報誌
■図表―――29
に掲載することで、地域住民からの注目を集め、商店街衰退の
スマートフォンアプリ「ボケて」
原因にもなっていた「活気のなさ」の解消につながるというも
のである。また、大学生側のメリットとして、いわば大学対抗
での面白投稿コンテストなので、グランプリ獲得のため、大学
内での意志の統一が行われやすく、通常よりもお気に入りや登
録や、リツイートといった反応が返ってきやすいことが想定さ
れるため、より気軽に「注目」や「名声」といった承認欲求を
満たすことができるといった点にある。
(タイムライン²
Twitter 上で複数のツイートが時系列に並
ぶログ全体を指す)
(ハッシュタグ³ 「#」記号付の発言が検索画面などで一覧で
きるようになること)
このアプリに対し、観光と物産のアピールをしたいという理由
■図表―――28
で、宮崎県日南市マーケティング推進室からの提案により実現
実務インプリケーションモデル
した企画である。市の特産品や、市長の写真までもがお題とし
て使われることとなったが、コラボ投稿のボケにお気に入りが
着いた時は、日南市公式 EC サイト「宮崎日南物屋」へのアク
セスは 10 倍、売り上げは 3 倍まで伸びるなど確実な効果を見
せることとなった。日南市長のコメントとしても、「今回の企
画を通じ、面白い日南のイメージを発信することができ、日南
市の方々はもちろんのこと、全国の方々から反響をいただくこ
とが出来ました。
」と企画の成功を物語っている。
このように、おもしろさを狙った Twitter やアプリケーション
企画の有用性が認められているため、本インプリケーションの
著者作成(2014)
実行可能性や効果のほどもある程度見通しが立つといえる。と
実際にこのような面白投稿グランプリが行われた例としては、
ころが、解決しなければならない点も多々存在しており、たと
「るるぶおもしろフォトコンテスト」が挙げられる。上企画は、
えば、面白い投稿をさせてバイトテロやバカッターに代わる新
珍しいお土産や変わった看板、見たことのない料理や旅先での
たな承認欲求解消のはけ口を与えることが出来たとしても、商
ふざけた友人のポーズ、るるぶが写りこんだ景色など、何気な
店街とコラボレーションした企画の中でも、バカッターのよう
い面白写真を Twitter に投稿し、一定期間で投稿を締切り、社
に反社会的なおもしろさを狙った投稿をするものが現れるの
員の判定の元、優秀賞などには景品が贈られるという企画であ
ではないかという懸念や注目が集まったからといってそれが
る。このキャンペーンは 2014 年 9 月いっぱいで行われ、数多
一過性のものであり、根本的な商店街衰退解決になっていない
19
のではないか、といったものである。こういった不具合を可能
・中小企業庁
商店街実態調査報告書
な限り解消し、より社会的意義のある実務的インプリケーショ
( http://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/2010/downl
oad/100331SJCG.pdf)
ンにしていくべく、今後の研究に取り組んでいく次第である。
・A.H.Masiow「人間性の心理学」山口忠彦訳
・Wikipedia バイトテロ
( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%
参照データ
E3%83%88%E3%83%86%E3%83%AD)
・ ReseMom
女子中高生流行モノ・コトランキング
・るるぶ面白フォトコンテスト
(http://resemom.jp/article/2014/07/14/19438.html)
・株式会社グラフィティ
(http://www.rurubu.com/sns/twittercpn1409/)
HR 高校写真部特別企画「ポッタ
・オプト、Twitter(ツイッター)の利用実態に関する調査
ーリング」
を実施
(http://grfft.com/collabo/pottering.html)
(http://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=2341)
・Hatena:Diary「承認欲求が馬鹿にされる社会と、そこで作ら
・廣瀨・菱沼・印東[2009]『マズローの基本的欲求の階層図
れる精神性について」
への原典からの新解釈』
( http://arch.slcn.ac.jp/dspace/bitstream/10285/2806/1/kiy
(http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20140116/p1)
・あころぐ
o35-2008028.pdf)
「Facebook で着飾り、Twitter で承認欲求を満たす
日本人」
(http://aco220.com/?p=242)
・Students lab 大学生の SNS 活用調査
(http://lab.oceanize.co.jp/social-activity/)
・アプリマーケティング研究所
(http://appmarketinglabo.net/bokete-interview/)
20
補録-調査票
〖Twitter に関するアンケート〗
私達は現在関東マーケティング大会に向けて、Twitter を利用している方に Twitter に関するアンケートを実施
しています。調査の結果はゼミナールの研究活動のみに利用し、個々の調査内容については秘密を厳守します。
ご協力よろしくお願いたします。
杉山、木村、永井、八田、堀
Q1.以下の設問で、最も当てはまるものを丸で囲んでください。
① あなたは所属する集団(例-サークル、バイト、仲間内)にどれほど受け入れられていますか?
受け入れられていないと思う
1
受け入れられていると思う
2
3
4
5
② あなたは自分以外の人から価値ある存在だと認識されていると思いますか?
思わない
1
思う
2
3
4
5
③ あなたは今、なりたい自分になれていますか?
なれていない
1
Q2.
①
なれている
2
3
4
5
以下の設問で、最も当てはまるものを丸で囲んでください。
あなたは人から尊敬されることに喜びを感じますか?
1.全く感じない 2.あまり感じない 3.どちらともいえない 4.やや感じる 5.とても感じる
②
あなたは人から偉いと思われることに喜びを感じますか?
1.全く感じない 2.あまり感じない 3.どちらともいえない 4.やや感じる 5.とても感じる
③ あなたは人から名声を得ることに喜びを感じますか?
1.全く感じない 2.あまり感じない 3.どちらともいえない 4.やや感じる 5.とても感じる
④ あなたは人から注目されることに喜びを感じますか?
1.全く感じない 2.あまり感じない 3.どちらともいえない 4.やや感じる 5.とても感じる
Q3.
Twitter を利用している目的についてお答えください。最も当てはまるものを丸で囲んでください。
21
① 自分の楽しみのため
1. 全く当てはまらない 2. あまり当てはまらない 3.どちらともいえない 4. やや当てはまる 5. 当てはまる
② 家族・友人・知人との会話・連絡・コミュニケーションのため
1. 全く当てはまらない 2. あまり当てはまらない 3.どちらともいえない 4. やや当てはまる 5. 当てはまる
③ 趣味などのプライベートの情報の収集・発信・共有のため
1. 全く当てはまらない 2. あまり当てはまらない 3.どちらともいえない 4. やや当てはまる 5. 当てはまる
④ 趣味などプライベートの人脈づくりのため
1. 全く当てはまらない 2. あまり当てはまらない 3.どちらともいえない 4. やや当てはまる 5. 当てはまる
⑤ ニュース・社会的なことの情報の収集・発信・共有のため
1. 全く当てはまらない 2. あまり当てはまらない 3.どちらともいえない 4. やや当てはまる 5. 当てはまる
⑥
買い物・商品情報の収集・発信・共有のため
1. 全く当てはまらない 2. あまり当てはまらない 3.どちらともいえない 4. やや当てはまる 5. 当てはまる
Q4.
以下の設問で、最も当てはまるものを丸で囲んでください。
① あなたは Twitter 上に自分が写る写真がアップされることに抵抗がありますか
1. 全く抵抗を感じない 2. あまり抵抗を感じない 3.どちらともいえない 4. やや抵抗を感じる 5.とても抵抗を感じる
②
あなたは Twitter のアカウントに鍵をかけていますか
1.はい 2.いいえ
③
あなたは自分の投稿閲覧範囲はどこまでだと考えていますか
1.自分のフォロワー 2.自分のフォロワーのフォロワー 3. 1,2 以外の第三者
Q5.
あなたは「社会全般にわたって価値があるとみなされるような行為」と「自分が所属する集団にとって価
値ある行為」のどちらに重きを置きますか。以下の軸にあなたの位置を示してください。
社会全般に渡って
自分が所属する集団にとって
価値ある行為をしたい気持ちが強い
1
Q6.
2
価値ある行為をしたい気持ちが強い
3
4
5
あなたが反応したくなる(リツイート/お気に入り登録/もしくはリプライしたくなる)投稿は以下の項目の
うちどれですか。当てはまるものすべてをお選びください。
□面白いツイート
□共感できるツイート
□つながりを保ちたい相手がつぶやいたツイート
□新しい情報があるツイート
□得になる情報があるツイート
□人に伝えたくなるツイート
22
□役に立つツイーと
□その他
□反応することはない・分からない
23
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