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NPO法人ディ! (PDF:304KB)

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NPO法人ディ! (PDF:304KB)
事業内容で分類
創業形態で分類
地域資源活用
環境・リサイクル・新エネルギー
スピンオフ・独立
女性起業
新商品・新サービス開発
ソーシャルビジネス・コミュニティビジネス
大学発ベンチャー
シニア起業
島で暮らす人自身が島の文化を見つめ直し、
次の世代に残す
べきもの、変えていくべきものを考えていこう!
NPO法人ディ! 事務局長 丸田 泰史さん
住所:鹿児島県奄美市名瀬金久町4-3
電話番号:0997-57-6366
FAX 番号:0997-57-6367
E-mail:[email protected]
HP:http:// www.npo-d.org/pc/
設立:2004年11月
従業員数:12名
主要事業:コミュニティFM事業
http://www.npo-d.org/simul/
■創業のきっかけ ~あまみエフエムラジオで島興しのお手伝いを!
島を出て東京でサラリーマンをしていたが、人情豊かな島の人とは違い、人間関係が希薄な都会の生活にど
うしても馴染めなかった。奄美のことを知っている人はおらず、言葉の訛りもあり、奄美出身者だと胸を張っ
て言えず、いずれは島に戻りたいという気持ちが強まっていた。
しばらくして奄美へ帰郷。地元企業へ入り、島でのサラリーマン生活を送っていたが、願っていた島暮らし
ではなく、その時祖父母のしていたサトウキビ作りを手伝おうと、思い切って会社を辞めて、サトウキビ栽培
を手伝った。その後、実家ではサトウキビ作りを辞め、畑も処分することになり、もう一度東京に出て何か仕
事でも見つけようと思っていた矢先、現在のNPO法人の代表理事である麓憲吾氏に声をかけられた。
その時の場所は、麓氏が経営する、若者が多く集まる奄美市で唯一のライブレストラン「ASIVI(アシビ)
」
であり、
“一緒に島興しをしないか?島のラジオ局を作りたいので一緒にやろう”という誘いだった。
麓氏も同様に島を離れて都会暮らしをしたあと、奄美に帰って来たという同じ境遇であり、奄美の若者のた
めに島の良さを自分達で伝えて、自信を持って貰おうという思いに共感し、
共に活動することを決めた。
昔、島では各家に大島紬の機織機があり、その傍らには有線ラジオが必ず
あった。紬の機織り作業中ずっと流れていたが、今ではその有線放送局も無
くなり、機織りの音とラジオから流れてくる音楽は、今にして思えば、島の
「音風景」でもあった。
現在、音風景といえば、車に乗っているときに流れる本土のラジオ。台風
常襲地帯でもある奄美に必要な情報など、当時リアルタイムで聞くことは難
しかった。そこで、なんとか島の人に島の様々な情報を伝え、その事によっ
て新たな島の魅力を再発見できる。また、若い世代が島への想いを胸に飛び
立てるよう、島ラジオ構想は強くなっていった。
そこで当時、コミュニティFM放送が総務省から制度化され(1992 年)
、また放送は公共的なものである
という事から、NPO制度なども調べ、日本で最初にNPO法人でコミュニティFMを開局した「京都三条ラ
ジオカフェ」
(2003 年3月開局)のNPO法人京都コミュニティ放送に出向き、事業や放送のノウハウを教
えてもらった。しかし京都とは、放送に係わる世代や、その他環境など大きく違う為、何とか地元奄美へマッ
チングする方法をと、模索しながら『島ラジオ』開局へと動き出した。
2004 年 11 月8日、
「NPO法人ディ!」を設立し、2007 年5月1日、九州初の離島のコミュニティ
FM 局「あまみエフエム」
(愛称:ディ!ウェイブ)を開局した。
地元には放送経験者が居なく、知り合いを通じて、学生時代放送部だったとか、話が上手だとかいう人に当
たりながらスタッフ5名でスタート。丸田氏は、現在NPO法人ディ!の事務局長&ラジオパーソナリティー
として活躍している。
(参考)コミュニティFMとは、1 つの市区
町村を放送エリアにする地域密着型のFM放
送。現在、全国で約250局あり、そのうち
NPO法人の運営は20局程度。
■事業のあらまし ~シマッチュの、シマッチュによる、シマッチュのためのラジオ
NPO法人名の「ディ!」は、奄美大島の言葉で、
「さあ、~しよう!」という次の行動を促すかけ声。
主要事業のFM放送は、
“奄美の人たちが、もっと奄美の事を知るための手段であり、生活を便利にするた
めの情報源であり、奄美を島内外へ向けて発信するメディアである”と考えている。
NPO法人の設立理念は、①奄美大島とシマッチュが持っている地理的、文化的な素材・素質の価値を、シ
マッチュ自身で再認識してもらうこと。②人と人とのつながり「結い」を大切にし、さらなるシマの価値を創
造すること。③子どもたち、孫たちの世代へ向けてシマの素晴らしさを伝えること。
としており、放送事業以外にも、島の文化祭や音楽祭等、様々な島興しイベントを企画運営するとともに、
島のアーティストのCD制作も手掛ける等、島興し団体としての活動を精力的に行っている。
開局許可に際して総務省から、聴取者のニーズが確認できなければダメ
だと言われ、会員を募集したところ、500 人のサポーターが集まった。
2010 年 10 月 20 日の「奄美大島豪雤災害」時は、通信手段が途絶
えた被災地などへ唯一の情報伝達手段として、24時間体制で5日間、災
害放送を届けた。通常の番組から災害放送に切り替え、現場の情報はリス
ナーから貰い、
電話での会話をそのまま流すなど、
リアルタイムで伝えた。
孤立した集落では停電し、TVも見ることが出来ない中、状況を把握でき
る唯一の情報源となった。災害時のコミュニティ FM 放送の役割の重要
性から、現在は、気象庁名瀬測候所と防災放送に関する協定を締結している。
2011 年5月、開局4周年を迎え、インターネットでFM放送が聴ける「サ
イマルラジオ」を開始した。島内で電波が入らない集落や、島を離れている人
にも 24 時間、放送を聞いてもらっている。
現在、サポーター会員は 1,400 人を超え、地元企業、団体、個人等、奄美
大島以外の会員も増えている。日本各地の「奄美会」でも、サイマルラジオを
通じて奄美の情報が伝わっており、以前より会の活動が活発化しているとのこと。
■今後の取組 ~放送局だけど放送だけでない!
最近は、道路を走る車のアンテナが伸びて、運転しながら笑っている
様子が見られ、自分達の番組を聞いて貰っていることが分かって嬉しい。
特に、島のオバアに、英語を島口(方言)に訳して教えて貰う番組「英
会話の OVA(オバア)
」は人気コーナーとなっている。
コミュニティFM制度の制約から、他の市区町村への放送は出来ない
ので、隣町の宇検村や瀬戸内町では、NPO法人「エフエムうけん」
、
「エ
フエムせとうち」が立ち上がり、地域放送を行っている。
「あまみエフエ
ム」でも、この 2 局と協力・提携し番組を流すなど、奄美大島内の情報を広くカバーするよう心がけている。
2012 年5月、開局5周年を機に、隣接の大和村と奄美市は生活・経済共同圏として認められ、国内でも
珍しい事例で中継局を設ける事ができ、他自治体へ同一周波数で本放送を開始すると共に、奄美市街地にサテ
ライトスタジオ「末廣市場ディ!放送所」を開設し、毎日生放送をしている。将来は、奄美群島全体を繋ぎ、
どこにもない群島ネットワークを築いて行きたい。
また、
「サイマルラジオ」というインターネットの双方向性を活かして、全国で生活している島出身者に対
して、奄美の今を伝えるとともに、リスナーの島外での暮らしや活動状況を島に環流するという、島出身者と
奄美をつなぐことの出来るツールとなりたい。
■活用した施策
■その他特記事項
・緊急雇用創出事業(奄美市)
・2008 年、ラジオ放送を通じて地域活性化へ取り組む姿
・
「新たな公によるコミュニティ創生支援モデル
勢が評価され「人間力大賞」
(日本青年会議所等)会頭
事業」
(国土交通省)
特別賞受賞。
■創業予定者に対するメッセージ
“最初から認められる事は一切な
く、何が本当だったのか、ブレずに
調和を取りながら突き進む姿勢が
持続できれば、自然に周りが支えに
なってくれると思います”
■紹介機関からのコメント
NPO法人ディ!によるコミュニティFM事業の創業は、奄美
のシマ唄やシマぐち(方言)など地域文化の見直しや活性化に大
きく寄与している。また、市民やシマんちゅ(島民)が会員とし
て事業を後押ししており、地域独自のメディアを獲得したこと
は、奄美の文化史に大きな足跡を残す事業だと考えている。
(奄美市商水情報課)
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