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カラー・サイエンス寄付研究部門(ソニー)設立

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カラー・サイエンス寄付研究部門(ソニー)設立
東京大学生産技術研究所
記者会見
カラー・サイエンス寄付研究部門(ソニー)設立
【日 時】 2007 年 7 月
12 日(木) 10:30 ~ 12:00
【場 所】 東京大学 生産技術研究所 総合研究実験棟(An棟)4 階中セミナー室
【発表者】
生産技術研究所
志村
久保田
努
教授(基礎系部門/カラーサイエンス寄付研究部門
重夫
兼担)
客員教授(カラーサイエンス寄付研究部門)
【概要】
東京大学生産技術研究所は、ソニー株式会社の寄付により、液晶、プラズマなど各方式
のディスプレーの色再現能力の向上を目指して、カラー・サイエンス寄付研究部門(ソニ
ー)を 7 月 1 日に設立した。色に関する科学を中心に据えて、ディスプレーの総合的な画
質向上のための研究を、産学連携を通じ、関連各社との有機的な関連を通して展開してい
くことを目的とする。
色や色彩は学問分野としては歴史が長いが、ディスプレーの色再現を考える際には、従
来の理論では解明が不十分な現象もある。特に一見色彩とは関係の無い光学現象が色に与
える影響が無視できないことが次第に認識されつつある。本寄付研究部門では色再現の技
術的側面というよりは、科学的な側面からの現象解明、すなわちカラーサイエンスを中心
に研究を行い、同時に付随する計測技術の開発を行う。
美しい画像を実現するためには、高い解像度、大きなコントラスト比、正しい(好まし
い)色再現の3点を向上させることが基本となる。これらは物理的には独立な量であるが、
人の目で画像を観察する場合には独立ではなく、複雑に関係しあっている。本寄付研究部
門では、これらの3要素となる物理量と心理物理量の関係を明らかにすべく、理論、実験
の両面から総合的に研究を行う。
【社会的背景】
液晶やプラズマディスプレー(PDP)に代表され、有機 EL も含めた薄型大画面ディスプ
レー(FPD)は、今や普及期を迎え、ブラウン管(CRT)に代わりテレビ、コンピュータ等の
ディスプレーの主流の地位を占めるに至っている。2006 年には液晶テレビの売上高は、全
世界の統計でブラウン管式を上回った。このような状況の中で、ディスプレーの製造産業
は、アジア諸国を中心として国際競争が激化しており、かつての日本の圧倒的な優位は揺
らぎ始めている。日本がこの激化しつつある競争を勝ち抜くためには、今後一層進んでい
くディスプレーの大画面化とともに、その品質、特に画質の向上が不可欠である。他の追
随を許さない、画像の美しさを実現することが、国際競争力向上のひとつの鍵となる。
同時に、消費者の色に対する意識も変化している。近年の携帯電話のボディカラーは
Pantone 社の色票から、消費者が選ぶ時代になった。ボディカラーが黒や銀に限られて時代
から見れば、
「カラーマージメントに消費者が参画する」という意味で画期的なことで、消
費者の色への嗜好が変化している反映している。
また、パソコンのモニターのカラーマネージメントもすすんでいる。Windows Vista では
Adobe の色空間を意識した新しい規格が提案されている。カラーマネージメントを前面に打
ち出したモニターやテレビも国内メーカーから 2004 年から登場している。
【将来的な展開】
本寄付研究部門での研究は、ディスプレーという具体例から生じた課題を研究対象とし
て、色に関する学問を発展させることが目的であるが、その先にある夢は、究極の画質、
立体感のあるディスプレーの実現である。一種の仮想現実として、都会の一室にいながら
「窓の外は大自然」を提供するような、壁面全面ディスプレーの実現がひとつの目標であ
るが、そのためには基礎的なカラーサイエンスの充実が不可欠である。
<お問い合わせ先>
東京大学生産技術研究所
カラー・サイエンス寄付研究部門(ソニー)客員教授
久保田重夫
TEL:03-5452-6906
e-mail:[email protected]
基礎系部門
教授
カラー・サイエンス寄付研究部門(ソニー)客員教授(兼担)
志村
努
TEL:03-5452-6139
e-mail:[email protected]
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