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SHGイメージングの組織診断への応用

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SHGイメージングの組織診断への応用
京府医大誌
122
(4),189~198,201
S
3.
HGイメージングの組織診断への応用
189
<特集「光生体イメージングの進歩と医療」
>
SHGイメージングの組織診断への応用
福島修一郎,橋本
守*,荒木
勉
大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻
Appl
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抄
録
第二高調波発生(SHG)を用いると生体内のコラーゲンを選択的に観察することができる.従来の組
織学的観察法では切片化や染色などの前処理が必要であるのに対して,SHG法には無染色の i
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u観
測ができるという特長がある.著者らはフェムト秒オーダーの超短パルスレーザを光源とする SHG観
測装置を構築して,生体組織および培養組織内のコラーゲンの構造を可視化している.ヒト皮膚の観測
への応用例では,真皮中のコラーゲンを表皮越しに観測することに成功し,加齢や日焼けによるコラー
ゲンの変性を可視化した.病理診断のへの応用として,変形性膝関節症の患者から摘出した軟骨組織を
観測し,正常部位と病変部位におけるコラーゲン構造の違いを明らかにした.再生医療のための培養組
織の基質として用いるコラーゲンゲルの観測も可能であり,組織作製の培養工程・品質の管理への応用
も有望である.以上のように細胞外基質の主要成分であるコラーゲンの観察の応用範囲は広く,SHG
イメージングは新たなツールとして医学分野への貢献が期待される.
キーワード:非線形光学顕微鏡,無染色イメージング,コラーゲン.
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平成25年 3月25日受付
*連絡先
橋本 守 〒560
‐8531大阪府豊中市待兼山町1
‐3
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第二高調波発生(SHG:s
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)は,対称心を持たない物質に高強度な
光を照射した時に,照射光の半波長の光(周波
数が 2倍の光)が発生する現象である1).この現
象は,これまでレーザー光源の波長変換に良く
用いられていたが,近年の超短パルスレーザー
の発達に伴い,生体イメージングにも用いられ
るようになってきた.
生体分子の中で,コラーゲン,ミオシン,
チューブリンで SHGが誘起されることが知ら
れている.特にコラーゲンはその存在量が多く
発生効率も高いため,SHGイメージングによっ
て生体組織のなかで特異的にコラーゲンを可視
化することができる.従来の組織学的観察では
染色によって対象となる物質を可視化する場合
が多いが,SHGを用いることにより無染色な観
察が可能となる.さらに,SHG光強度は分子配
向に敏感であるために,より定量的な構造情報
を得ることができる.本稿では著者らの観測結
果を中心にヒト組織および培養組織への SHG
イメージングの応用例を紹介する.
SHG顕微鏡
1.SHGとは
物質に光が入射すると,負の電荷を持つ電子
雲は光電場によって容易に移動する.一方,正
の電荷を持つ原子核は,電子に比べて数千倍以
上の質量を持つため光電場によってほとんどそ
の位置は変化しない.したがって,この正負の
電荷から入射光電場に従って振動する双極子
モーメントが生じる.非常に強い光を物質に入
射すると,電子雲の移動が光電場に追従できな
くなり,双極子モーメントは光電場に対して非
線形に応答する.単位体積あたりの双極子モー
メントを分極と呼ぶが,分極を入射光電場で冪
級数展開すると,
(1)
(2)
(χ
:E
(r
,
t
)
+χ
:E
(r
,
t
)
E
(r
,
t
)
+…)
P
(r
,
t
)
=ε
0
1)
(r
,t
)
は発生し
と表すことができる .ここで,P
た分極,E
(r
,t
)
は入射光電場,ε0 は真空の誘電
率である.右辺第 1項が線形な光学効果を,第
ほか
2項以降が非線形な光学効果を表し,第 2項の
(2)
χ
が 2次の非線形光学効果を表す 3階のテン
ソルである.SHGはこの 2次の非線形光学効果
に基づく現象であり,入射光電場の 2乗,すな
わち 2倍の周波数で振動する分極によって放射
される光である.
対称心を持つ分子は偶数次の非線形光学効果
を示さないことが知られている.また,対称心
を持たない分子であっても,対称心を持つよう
に配列すると SHGは起きない.例えば,対称
心を持たない分子が,液体のようにその向きを
含めてランダムに分散すると,レーザースポッ
トの中で対称心を持つペアを見つけることがで
きるため SHGは起きない.逆に,SHGは対称
心を持たない分子が高度に配向した場合にその
強度が高くなる.コラーゲンは,同一方向に並
んだポリペプチド鎖が 3重らせん構造したトロ
ポコラーゲンが数多く集まり線維状の構造を
取っている.また,非常に高い非線形感受率を
もつことで知られる非線形光学結晶 Li
Nb
O3の
1/
20もの非線形感受率をもつ3).さらに,他の
生体分子に比べその量も多い.このため,生体
組織を SHG観察するとコラーゲンを特異的に
可視化することが可能となる4).
2.SHG顕微鏡
我々が用いている SHG顕微鏡の概略図を図 1
に示す.顕微鏡は,光源,ビーム走査,顕微鏡,
検出系から構成される.光源には,Ti
:Sa
pphi
r
e
レーザーや Cr
:Fo
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eレーザー等の近赤外
で発振するフェムト秒レーザーを用いている.
フェムト秒レーザー光の高ピークパワーによっ
て非線形光学過程である SHG光を十分な強度
で得ながら,近赤外かつ低平均パワーによって
1光子吸収による光ダメージの低減をはかって
いる.なお,我々は培養系細胞等の観測には主
に Ti
:Sa
pphi
r
eレーザーを,組織観測には Cr
:
Fo
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eレーザーを用いている.1250nmで
発振する Cr
:Fo
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eレーザーは,波長が長く
生体組織の深部まで観測が可能であるために組
織観測には有利である.一方,750
~900nmで
発 振 す る Ti
:Sa
pphi
r
eレ ー ザ ー の SHG光 は,
375
~450nmに現れるために光電子増倍管の高
SHGイメージングの組織診断への応用
191
図 1 SHG顕微鏡の構成図.
感度な領域に対応することから,SHG光が微弱
で 試 料 の 厚 さ が 薄 い 培 養 細 胞 観 測 に は Ti
:
Sa
pphi
r
eレーザーを主に用いている.ビーム走
査には,ガルバノミラーペアを用い,高速なイ
メージングを可能としている.光電子増倍管
(PMT)からの信号は,単一光子計数法を用いて
観測することで高感度な検出を可能としてい
る.また,試料からの反射光をピンホールを通
して観測(共焦点配置)することで,試料表面
の z位置の検出も可能である.
生体組織の観測
1.皮 膚
皮膚は外部に露出した組織であるため,レー
ザー光を照射する観測には適している.ただ
し,SHG光の発生源となるコラーゲンは真皮層
に多く存在し,表皮層下の真皮の状態を診断す
るためには少なくとも数百μmの深さまで可視
化することが要求される.
しかし皮膚内部を測定する場合,照射光と
SHG光が表皮層と真皮層で散乱され,さらに組
織を構成する物質によって吸収を受けるため,
組織深部の SHG光信号を得ることが難しい.
一般に多重散乱効果は波長の 4乗に反比例する
ため,レーザー光強度を大きくするよりもむし
ろレーザー波長を長波長化することが,試料へ
のダメージを考慮すると測定可能深度の向上に
有効である.生体組織には水やヘモグロビンの
吸収・散乱が回避できる「生体の光学窓」と呼
ばれる 700
~2000nmの帯域がある.したがっ
て,レーザー波長とそれから得られる SHG光
の波長を光学窓内に納めることが効果的であ
り,中心波長 1250nmの Cr
:Fo
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eレーザー
の使用が有効である.
図 2に 60代男性の前腕外側皮膚の SHG光信
号画像を示す.測定領域は 600
×600μmであ
り,表皮から深さ 300μmまで 10μmごとに
断層画像を得ている.ここでは SHG光が強い
ほど白く写っており,表皮から 130μm以上深
くなったところで SHG光が強くなるが,これ
はそのあたりからコラーゲンが豊富な真皮層に
なるためで,丸く抜けているところは毛穴であ
る.このように Cr
:Fo
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eレーザーを用い
ることで,300μm程度の深さまでの SHG光信
号が取得できていることを確認した.しかし
Ti
:Sa
pphi
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eレーザーを光源とした場合には
SHG光が散乱,吸収の影響を強く受けるため,
100μm程度の深さまでしか鮮明な像が得られ
192
福
島
修一郎
ほか
図 2 60代男性の前腕内側皮膚 SHG断層画像.
測定領域 600×600μm,画素数 256
×256ピクセル
ない.
加齢や日焼けによる真皮コラーゲン量への影
響を SHGイメージングにより調査した(図 3
)
.
頬の皮膚をできるだけ広範囲に観測するために
600
×600μmの測定範囲を縦横にそれぞれ 4画
面つなぎ合わせて 2.
4
×2.
4mmの拡大観測をし
た.ひとつの拡大画像取得に要する時間は 32
秒であり,その間被験者は顕微鏡ステージに頬
をつけることで体動の影響を少なくして観測を
行った.日焼けしていない 20代女性の頬の結
果をコントロールとして考えると,日焼けに
よって 50代男性の皮膚コラーゲンが激減して
いることが分かる.紫外線は,真皮のたんぱく
質分解酵素が活性化し,コラーゲンやエラスチ
ンの分解を促進させることが指摘されてい
る5)6).20代では自己修復作用が活発であり,コ
ラーゲンに対する紫外線の影響はさほど見られ
なかったが,加齢とともに修復機能が低下し,
コラーゲンに顕著な差が現れるようである.
Shus
t
e
rらは生化学的な分析によって,皮膚コ
ラーゲン量は加齢に伴って毎年 1%減少すると
報告している7).この図からは加齢とともにコ
ラーゲン線維の密度が低くなっている様子がわ
かり,上記文献の結果と同じ傾向を示す.しか
しながら定量化するためには更に多くの被験者
からのデータ取得と適切な数値処理が必要であ
る.
以上,SHG光を指標とした真皮コラーゲン分
布画像について紹介した.この測定では,SHG
光強度とコラーゲン量に比例関係があるとして
議論を進めてきたが,SHG光強度はコラーゲン
分子の配列がそろっているとき強くなる8).し
たがって測定信号の減少は,コラーゲン量が減
少したのかあるいは分子の配列が乱れたのかを
考察する必要がある.なお,これまでに示した
例では,光学顕微鏡レベルで観測される線維束
SHGイメージングの組織診断への応用
193
図 3 日焼けの有無による頬皮膚の SHG画像変化.
( a)日焼けの無い 20代女性,
( b)日焼けした 20代男性,
( c)日焼け
の無い 50代男性,
( d)日焼けした 50代男性.測定領域 2.
4
×2.
4mm.
において,線維の最小単位であるトロポコラー
ゲンとそれが集まってできる細線維の方向がそ
ろっているため,円偏光化したレーザー照射を
行うことで,コラーゲン量を反映した SHG光
強度を得ている.
2.病理診断
病理診断における顕微鏡観察では染色切片を
用いるのが一般的であり,細胞形態は重要な情
報である.細胞外基質のコラーゲンが病変に
伴って特徴的に変性する場合は SHG顕微鏡が
有用であると考えられる.
図 4に変形性膝関節症の患者から摘出した大
腿骨末端関節の切片の SHG画像を示す.正常
な表層ではコラーゲン線維が表面に平行に走行
しているが,病変部位では線維走行の乱れが確
認できる.中間層および深層では,軟骨細胞が
存在する小腔からは SHG光は検出されず,Ⅱ
型コラーゲンが主体の基質で SHG光が発生し
ている.病変部位は正常部位と比較すると
SHG光強度分布が不均一になっていた.SHG
光の発生効率はコラーゲンの型ごとに異なる線
維形態の影響をうける.Ⅰ型とⅡ型のコラーゲ
ンを比較すると,太い線維を形成するⅠ型の方
が強い SHG光が発生するので,病変部位でみ
られる不均一な SHG光強度分布は異常な線維
形成を示唆している.これらの変性は組織学的
観察の知見と一致しており,SHGイメージング
でより定量的な評価が可能になると思われる.
他の疾患への応用としては,腎線維症9),肺線
維症10),肝硬変11),癌12)13)などの診断での有用性
が報告されている.無染色の 3次元観測が可能
な SHGイメージングでは,試料を切片にする
必要がなく,i
ns
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t
u観測ができるという特長が
ある.ファイバー光学系を用いた SHG内視鏡
福
194
島
修一郎
ほか
SHG
Fluorescence
SHG
Fluorescence
図 5 培養細胞内包コラーゲンゲルの SHG画像.
図 4 関節軟骨切片の SHG画像.
の開発14)15)も試みられており,SHGイメージン
グの病理診断の高精度化および迅速化への貢献
が期待される.
培養組織の観測
コラーゲンは細胞外基質の主要な成分であ
り,細胞培養の培地としても用いられている.
細胞機能を維持するために,コラーゲンゲル内
での 3次元的な培養が必要な細胞種も存在す
る.近年注目されている再生医療用の移植組織
においても,基質の状態が細胞の分化や増殖に
影響を及ぼすので,移植組織を評価する際には
細胞のみならず基質の状態も考慮する必要があ
る.さらに,無染色でコラーゲン基質を可視化
できる SHGイメージングは,培養組織の作製
過程のモニタリングや移植前検査にも有効と考
えられる.
図 5は線維芽細胞と軟骨細胞をそれぞれコ
ラーゲンゲル内で培養した試料を SHG光と蛍
光とを用いて 3次元観測した結果である.右側
の SHG画像はコラーゲンゲルの構造を,左側
の蛍光像は染色した細胞質を示している.培地
として用いたⅠ型コラーゲンは網目状に自己凝
集してゲル化するが,その構造を SHG画像で
確認できる.
線維芽細胞の場合はゲル内への播種後 1日目
には細胞近傍のみで SHG光強度が高い領域が
現れた.これは細胞が基質に接着する過程で近
傍のコラーゲンゲルの局所的な密度が増加した
ためと考えられる.7日間の培養で細胞が増殖
した結果(図 (
5 a)
)
,ゲル全体の SHG光強度
が高くなり,太いコラーゲン線維もみられた.
軟骨細胞の場合は再生移植組織の培養法16)を
もとにアテロコラーゲンを基質として使用して
いる.ゲルに播種後 7日目には細胞増殖がみら
れ,14日目(図 (
5 b)
)には生体組織でみられ
る軟骨小腔様の細胞集団が形成され,細胞集団
の近傍で SHG光強度が増加した.また,使用
したアテロコラーゲンの濃度が高いために,コ
ラーゲン基質の領域と SHG光が発生しない細
胞領域を区分する高コントラストの画像の取得
ができ,SHG画像のみで細胞分布を明瞭にとら
えられた.
線維芽細胞の主な機能はコラーゲンの産生で
あるが,培養当初に基質として多量に存在する
195
SHGイメージングの組織診断への応用
図 6 線維芽細胞内包コラーゲンゲルの経時変化.
コラーゲンに対して,細胞が培養期間内に産生
したコラーゲンは微量であると考えられる.そ
のため,SHG光強度の増加の主な原因は既存の
コラーゲンゲルの再構築であると推察できる.
培養過程における SHG光強度と細胞数および
ゲル全体の厚さの対応を図 6に示す.培養前期
には細胞の牽引や増殖に伴うゲルの収縮で厚さ
が減少した.この間の SHG光強度の増加は主
にゲル体積の減少によるコラーゲン密度の増加
が関与していると考えられる.培養後期には細
胞数とゲル厚さに顕著な変化はないが,SHG光
強度は増加した.この間には,架橋形成による
コラーゲン線維内の分子配向の向上などの
SHG発生効率を増大させるゲルの再構築が起
こっている可能性が高い.
お
わ
り
に
SHGイメージングは無標識に細胞外基質の
主成分であるコラーゲンを選択的に可視化する
ことができる.このため,直接的な細胞観測と
いうよりも,細胞の置かれた環境を可視化する
手法であると言えよう.SHGの無染色イメー
ジングの特長を生かした組織診断や再生医療に
おける培養工程・品質の管理への応用が期待で
きる.さらに,従来法では不可能なコラーゲン
線 維 の 構 造 の 定 量 的 評 価 の 潜 在 性 も あ る.
SHG評価指標の確立は今後の課題であるが,偏
光解析を用いる手法17‐19)は有望である.また,
光源として用いている超短パルスレーザーで多
光子励起蛍光との同時観測も可能であり,今後
の医学分野におけるイメージングへの貢献が期
待される.
開示すべき潜在的利益相反状態はない.
文
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著者プロフィール
福島 修一郎 Shui
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所属・職:大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻生体工学領域・助教
略
歴:1995年 3月 慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業
2002年 9月 慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(博士(工学)
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2003年 4月 大阪大学大学院基礎工学研究科助手
2007年~現職
専門分野:バイオメカニクス,生体光計測
主な業績: 1.Ma
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3.福島修一郎,荒木 勉,東野義之.血管石灰化の定量的評価法について ~血管年齢診断への可能
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4.福島修一郎,安井武史,岩田哲郎,荒木 勉.レーザー誘起ナノ秒蛍光寿命マッピングによる歯の
形成と老化の可視化.生体医工学 2006;44:702706.
著者プロフィール
橋本
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所属・職:大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻生体工学領域・准教授
略
歴:1989年 3月 大阪大学工学部応用物理学科卒業
1991年 3月 大阪大学大学院工学研究科修了
1991年 4月 神奈川科学技術アカデミー研究員
1996年 4月 徳島大学工学部助手
1997年 6月 東京大学大学院総合文化研究科博士(学術)
1997年 8月 大阪大学基礎工学部助手
2007年 4月~現職
専門分野:応用分光学,応用光学,非線形光学効果を用いた顕微分光
主な業績: 1.Ni
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著者プロフィール
荒木
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所属・職:大阪大学大学院基礎工学研究科機能創成専攻生体工学領域・教授
略
歴:1972年 3月 大阪大学工学部応用物理学科卒業
1977年 3月 大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了(工学博士)
1978年 4月 米国ウィスコンシン大学研究員
1979年1
2
月 徳島大学医学部助手(医学博士 1986
)
1987年 6月 徳島大学工学部助教授
1992年1
1
月 徳島大学工学部教授
1997年 4月~現職
専門分野:生体光計測
最近の興味:光学的手法による生体老化の検知
主な業績: 1.Ya
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2.福島修一郎,荒木 勉,三浦治郎.歯の形成と老化の可視化.Opl
usE2012;34:10511055.
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4.南 茂夫,木村一郎,荒木 勉.はじめての計測工学(改訂第 2版)
.講談社サイエンティフィク,
2012.
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