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健やかな妊娠・出産のための支援事業 [交付金事業Ⅱ]
[交付金事業Ⅱ] 健やかな妊娠・出産のための支援事業 長野県健康福祉部こども・家庭課 長野県では、妊娠・出産に係る課題に対応するため、市町村や関係団体等と連携し、若者を中心に男女が共に正 しい知識をもてるよう普及啓発を行い、長期的な視点で晩産化傾向を改善し少子化対策に取り組む。 1 事業名 健やかな妊娠・出産のための支援事業 2 趣旨・目的 妊娠・出産に関わる身体的リスクや精神的負担の少ない「健やかな妊娠・出産」を目指し、男女が共に妊娠・ 出産に関する正しい知識が持てるよう普及啓発を行うとともに、必要な場合は早期に相談、支援、治療につな げるよう支援する。 3 地域の実情と課題 ■晩産化の進行 【出生時母の年齢が 35 歳以上である割合の推移】 【特定不妊治療における出産・流産率】 % (%)30 70 25 60 20 50 長野県 15 10 流産率 40 30 全国 出産率 20 5 10 0 0 H7 H12 H17 H22 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45(歳) (資料)日本産婦人科学会 2011 (資料)人口動態調査 ●出産年齢の上昇 ⇒ 年齢とともに妊孕性(妊娠する力)が低下し、不妊となる 不妊治療による出産率は 40 歳以降急激に低下し流産率が高くなる ●妊娠と年齢の関係 ⇒知らない若者(15~39 歳)が 31.2%[平成 25 年版厚生労働白書] 施策の現状(既存事業) ○平成25年度の取組み[H25 予算額:1,124 千円] ①女性活き活き健康相談[予算:0 千円] 【H24 相談件数 63 件】 ・女性の生涯を通じた健康を守り支えるため、思春期から更年期にある女性を対象として健康に関する一般相談 や情報提供を実施 ②不妊専門相談センター事業[予算:1,124 千円] 【H24 相談件数 240 件】 長野県看護協会委託事業 ・不妊・不育に悩む方を対象に、助産師が電話・面接・メールにより専門相談を実施 ○平成26年度の取組み[H26 予算要求額:1,317 千円] ①女性活き活き健康相談(継続) [予算:0 千円] ②不妊専門相談センター事業(拡充) [予算:1,317 千円] ・相談員の資質向上(不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座) 15 施策上の課題 1若者の妊娠・出産に関する知識不足、相談先が不明確 ■妊娠・出産の適齢期を知らないために、出産年齢が高齢化し、子どもを希望した時には妊孕性(にんようせ い:妊娠する力)が低下し、不妊症に直面したり、第2子以降を持てる機会が減る状況にある。 ■未婚の若者が予期せぬ妊娠をしたとき、相談場所が少なく、周知も進んでいないため、孤立状態で妊娠継続に 関する意思決定をしている状況にあり、支援体制が整わないままリスクの高い出産を迎える危険がある。 2 男性不妊に対する理解不足 ■不妊に悩む夫婦が増えており、不妊の原因は男女同率と言われているが、社会的にも男性不妊に対する理解が 進んでいないため、女性の負担が大きい。 4 事業内容(地域少子化対策強化交付金活用事業) (1)若者への普及啓発事業 若者が正しい知識を得た上で、妊娠・出産に関する意思決定ができるよう、妊娠・出産に適した時 【補助】 期の知識、不妊を招かないための健康づくり等について、大学医学部や看護協会等関係者との協働に より、若者に啓発するとともに、相談担当者の資質向上を図る。 ① 指導者研修会の開催:県下 2 会場(県庁、松本合同庁舎・各 100 人参加) 保健師や養護教諭等の性に関する健康教育に関わる者に対して、妊娠出産の現状、妊孕性、思春期 からの健康づくり等について研修会を実施 ② 圏域関係者研修会:県下 10 会場(10 合同庁舎・各 30 人参加) 県下10圏域において、地域の状況に応じて思春期健康教育関係者を広く参集し、より具体的な普及啓 発の実施方法の検討や情報交換、研修を実施 ③ ライフデザインセミナーの開催 上記①の研修を受けた保健所保健師や看護協会看護師等が高等学校・大学等へ出向き、産科医師の 監修により作成した教材(DVD・冊子)を用いて、生殖に関する身体の仕組みや妊娠・出産適齢期に 関する健康教育を実施 ④ 相談窓口カードの配布 妊娠・出産に対する悩みや不安を持つ者を相談機関や福祉的支援機関へつなぐため、薬剤師会の協 力により相談窓口(保健所等)を掲載したカードを薬局等に配置 アウトプット指標 ライフデザインセミナー開催(年間) ・・・・・・・55 回(2,000 人) 先駆性と効果 ① 若者が正しい知識を得た上で、妊娠・出産に関する意思決定ができるよう、信州大学医学部の協力 により妊娠・出産に関するDVD・冊子等セミナー教材を作成、看護協会等との協働による健康教 育の実施、薬剤師会と協働した相談体制の強化等 (2)若者の妊娠・出産支援事業 【補助】 未婚の若者が予期せぬ妊娠をした際、相談機関等において保健師等の寄り添いのもとで、意思決定 できる場を作り、出産を望む場合は、安全に妊娠を継続しながら出産準備を行い、育児支援体制や経 済基盤が整った上で出産が迎えられるよう支援体制作りを行う。 ① 相談担当者研修会の開催 保健師等相談機関の担当者や産科医療機関・助産所等関係者を対象として、若者の妊娠・出産に関 する支援、事例検討、里親制度等社会的養護等に関する研修会を開催 ② 相談支援ハンドブックを用いた支援 若者の妊娠・出産の理解、支援方法のマニュアル、里親制度等を掲載したハンドブックを作成し、 相談機関や産科医療機関・助産所等に配布。保健所等において、継続的な面接等による相談者の意思 決定、出産の支援に活用 16 アウトプット指標 若者からの相談(年間) ・・・・・・・40 人 先駆性と効果 若者の予期せぬ妊娠に対し、相談者に寄り添い出産、人工妊娠中絶、里親制度等選択肢の情報提供を行 うことで、継続的な面接等による相談者の意思決定、出産に向けた準備を支援するための相談体制を構 築 (3)男性不妊に関する普及啓発事業 不妊に悩む方の約半数は、男性にも原因があるとされていることから、男性不妊に関する正しい知識と、不妊を 【補助】 招かないための健康づくりの普及啓発及び、相談・治療機関の周知により、男性の積極的な相談・治療への参加 を促す。 ① 相談対応者向け研修会の開催 妊娠・出産に関する相談対応者を対象として、男性不妊に関する正しい知識を得るための研修会を 開催 ② 一般向け公開講座の開催 一般住民を対象に、男性の性の健康や不妊に関する公開講座を開催 ③ 広告・広報 不妊は女性だけの問題ではなく、男性の相談・治療も必要であることを新聞等により広く周知し、 夫婦で相談することを促す。 また、泌尿器科医の監修により、不妊を招かないための健康づくり、チェックリスト、相談・治療 機関案内等を掲載したDVD及びリーフレットを作成し、市町村、保健福祉事務所、産婦人科、泌尿 器科等において活用 アウトプット指標 公開講座参加人数・・・・・・・200 人 先駆性と効果 アプローチしにくい男性に対する不妊に関する正しい知識や不妊を招かないための健康づくり、相 談・治療への参加を促進 5 事業の効果 アウトカム指標 H26 成果目標 ・妊娠・出産に適した年齢を理解している若者の割合を増やし、長期的には出産時の母の年齢 35 歳以上の割 合を減少させるとともに、合計特殊出生率を上昇させる。 ・県民が不妊症に対する正しい認識を持ち、特に女性への偏見のない社会を醸成する。 6 所要見込額 13,862 千円(地域少子化対策強化交付金) 7 市町村事業との連携方法 ・保健師等相談担当者の指導者研修会への参加により相談対応力の向上を図り、相談者を支援 ・高校等での出前講座で妊孕性に関する普及啓発を実施 ・公開講座の広報及びポスターの掲示や対象者へのリーフレット配付による啓発 17 8 事業の実施期間(スケジュール) 平成 26 年 4 月 1 日~平成 27 年 3 月 31 日 項 目 H26.4 若者への普及啓発 事業 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 プロポーザル(4~5 月) 指導者研修会 ライフデザインセミナー開始 冊子、DVD、リーフレット作成 圏域研修会 相談窓口カード配付 若者の妊娠・出産支 援事業 相談支援ハンドブック作成 男性不妊に関する 普及啓発事業 プロポーザル(4~5 月) 相談対応者研修会 DVD、リーフレット作成 リーフレット配付 相談対応者研修会 相談対応開始 ハンドブック配付 新聞広報 公開講座 9 事業終了後の展望 (1)若者への普及啓発事業 保健所保健師等によるライフデザインセミナー、圏域関係者研修会を継続し、若者への恒常的な普及啓 発を図る。 (2)若者の妊娠・出産支援事業 学校、市町村、医療機関等の関係機関の連携を図り、保健所における予期せぬ妊娠に悩む若者の相談支 援を継続し、相談支援に関わる機関(産科医療機関等)の拡大を図る。 (3)男性不妊に関する普及啓発事業 リーフレット、DVDによる情報提供を継続し、男性の積極的な相談、治療への参加を促進する。 10 予算積算内訳 節 積算内訳 Ⅰ 若者への普及啓発事業 H26 当初予算 要求額 (千円) 7,340 ○指導者研修会 8 報償費 9 旅 費 11 需用費 医 師 @6,350 円×2h×2 会場=25,400 円 助産師 @5,250 円×2h×2 会場=21,000 円 ○圏域関係者研修会 医 師 @6,350 円×2h×10 会場=127,000 円 助産師 @5,250 円×2h×10 会場=105,000 円 ○指導者研修会講師 医 師 @2,000 円×1 人×2 会場=4,000 円 助産師 @1,100 円×1 人×2 会場=2,200 円 ○圏域関係者研修会 医 師 @3,370 円×10 会場=33,700 円 助産師 @3,370 円×10 会場=33,700 円 ○圏域関係者研修会(10 圏域) セミナー用教材 90,000 円×1.08×10 か所=972,000 円 圏域ごとにセミナーに必要な教材を選定 教材例:受胎調節指導標本@30,000 円×3 セット 研修会消耗品 120,000 円(12,000 円×10 か所) ○啓発用冊子作成 @50 円×60,000 部(高校生数)×1.08=3,240,000 円 ○相談窓口カード作成 @5 円×100,000 部×1.08=540,000 円 12 役務費 ○郵送料 @1,000 円×109 ヶ所=109,000 円 13 委託料 ○啓発用冊子の監修及びDVDの製作 冊子監修医師 18 279 75 4,872 109 2,005 ・打合せ @6,350 円×5 人(大学医局員)×2 時間×4 回=254,000 ・写真掲載料 @25,000 円/A6版×9 枚+表紙@22,500=247,500 ・監修料 @6,350 円×1 人×2 時間×11 日=139,700 DVD監修医師 ・打合せ @6,350 円×5 人(大学医局員)×2 時間×1 回=63,500 ・写真掲載料 @25,000 円/A6版×20 枚=500,000 ・監修料 @6,350 円×1 人×2 時間×5 日=63,500 DVD製作費 @3,400 円×200 枚×1.08=734,400 円 Ⅱ 若者の妊娠・出産支援事業 891 ○相談担当者研修会 医 師 @6,350 円×2h×2 会場=25,400 円 8 報償費 9 旅 費 助産師 ○冊子作成監修 医 師 助産師 ○相談担当者研修会 医 師 助産師 @5,250 円×2h×2 会場=21,000 円 @6,350 円×60h=381,000 円 @5,250 円×50h=262,500 円 @3,000 円×2 会場=6,000 円 @3,000 円×2 会場=6,000 円 11 需用費 ○冊子印刷代 @300 円×460 冊=138,000 円 14 使用料 ○会場使用料 @25,000 円×2 会場=50,000 円 Ⅲ 男性不妊に関する普及啓発事業 691 12 138 50 5,631 ○リーフレット作成監修 8 報償費 医師 @6,350 円×20h=127,000 円 ○相談対応者研修会謝金 166 医師 @6,350 円×3h×2 会場=38,100 円 9 旅 費 11 需用費 12 役務費 ○相談対応者研修会 医師 @2,000 円×2 会場=4,000 円 ○リーフレット印刷 @10 円×60,000 部×1.08=648,000 円 ○郵送料 30,000 円 4 648 30 ○一般向け公開講座 医師謝金 @100,000 円(※1)×1 人=100,000 円 医師旅費 @30,000 円×1 人=30,000 円 会場使用料 @30,000 円×1 会場=30,000 円 ○広告・広報 信濃毎日新聞パック料金 3,300,000×1.08=3,564,000 事前告知(モノクロ 5 段/2×複数回) 啓発告知(モノクロ 2 段×2 回) 事後採録(モノクロ 11 段) 13 委託料 14 使用料 ○啓発物品 DVD監修医師 ・打合せ @6,350 円×2 人(大学医局員)×2 時間×1 回=25,400 ・写真掲載料 @25,000 円/A6版×10 枚=250,000 ・監修料 @6,350 円×1 人×2 時間×3 日=38,100 DVD作成 @3,400 円×180 枚×1.08=660,960 ポスター製作 @106 円×200 枚×1.08=22,896 ○相談対応者研修会 会場使用料@30,000 円×2 会場=60,000 円 計(Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ) ※1:平成 24 年度に当課で実施した研修会と同程度の講師を予定。 (2 時間分謝金 10 万円) 19 4,723 60 13,862