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マイクロプロセッサの最新動向と応用技術

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マイクロプロセッサの最新動向と応用技術
Microprocessor Forum 96に見る
マイクロプロセッサの最新動向と応用技術
渡辺 玲
業界紙Microprocessor Reportの発行
車を使う人には逆に不便なところで,東
ジニア:マーケティングの人たちとマネ
で有名なMicroDesign Resources社が
京と同じように駐車場を探すのに苦労し
ージャ)が残り3分の1といった感じでし
主催するMicroprocessor Forumが今年
ますし,道もわかりにくく,一方通行も
ょうか.登録料が高いせいか,学生の参
も10月21日から4日間,シリコン・バレ
多いです.ちなみに,隣のSanta Clara
加者はほとんどいません.しかしながら
ーの中心に位置する,カリフォルニア州
には郊外型の(要するに駐車場が広い)ホ
海外からの参加者は多いようです.
San Joseで開催されました.このフォー
テルとコンベンション・センターがあり
ラムは毎年10月に開催され,San Joseの
ます.
●セミナとコンファレンス
Microprocessor Forumは,セミナと
ダウンタウンにあるフェアモント・ホテ
ルがいつも会場になります.
Overview
コンファレンスの2部から構成されてお
り,それぞれ別に登録しなければなりま
9月にEmbedded Systems Conference
が開催されたSan Joseコンベンション・
このMicroprocessor Forumは,マイ
せん.コンファレンスだけでも10万円以
センターとは歩いて5分くらいの距離に
クロプロセッサ・メーカ各社が,製品発
上と,民間が主催するせいか,HOT
あります.San Joseにはアメリカの都市
表の第一声を上げる場所として有名なコ
ChipsなどのIEEE主催のシンポジウム
には珍しく市電があり,ホテルもセンタ
ンファレンスです.参加者は大ざっぱに
などとくらべてかなり高く感じます.
ーもそれぞれ停留所に面しています.車
いって,背広を着ていない人(エンジニ
今年は10月22日と23日がコンファレ
を使わない人には便利なところですが,
ア)が3分の2,背広を着ている人(非エン
ンスで,それをはさんで,10月21日と24
日にセミナがありました.本稿では,コ
ンファレンスの報告をします.
●会場のようす
コンファレンス会場は1000人くらいが
入れる大部屋で行われます.デモンスト
サンノゼのダウンタウン
フェアモント・ホテル
52
サンノゼの電車
Design Wave Magazine No.7
マイクロプロセッサの最新動向と応用技術
た.Data Quest社張りの出荷予測グラ
休憩中の聴衆
フで,P6はP5の倍くらいは需要が出る
と説明していました.
その後,当面の問題に移り,Slater氏
はIntel社がレベル2キャッシュとマル
チ・プロセッサをサポートした新しいシ
ステム・バスとピン配列をPentium Pro
から使い始めていて,それを法律と技術
非公開の両面でx86クローン・メーカに
コンファレンス会場
使わせないようにしているということを
述べました.この問題に対して,AMD
社とCyrix社はどうするのか,Pentium
レーションは別の部屋で行われますが,
るものを縦軸に取ります.例えば1989年
のピン配列+L2キャッシュでいくのか,
分科会はありません.会場正面にはスラ
にIEEEの学会誌に載せたMicro 2000計画
それともマルチプロセッサを重視して,
イド用の背面投写型の大画面と映像モニ
の予測とくらべて,7年後の現在は,ト
Intel社とは別のバスを新しく作るのか
タ用の同じく背面投写型の大画面が左右
ランジスタ数は予測よりやや下,ダイ・
を氏は考察していました.
に1組ずつ計4枚並んでいます.中央には
サイズはだいぶ下(コスト競争が厳しく
▼MMX技術
演台が一つ,その左隣には発表者たちが
なったため),ゲート長は予測どおり,周
MMXに関しては,Intel社は逆に拡張
パネル・ディスカッションができるよう
波数は予測より上,性能はだいぶ
命令セットを早々と公開して,オープン
に,椅子が5∼6個置いてあります.
上・・・といったぐあいです.
でいくことにしています.それは,ソフ
トウェア側の早い立ち上げをねらった戦
映像モニタには,公演中は発表者の顔
が大写しにされています.またデモがは
じまるとビデオ映像に切り替えられます.
●x 8 6 マイクロプロセッサ
略的な措置でした.その結果,Intel社
それに続いて始まったのが,x86マイ
だけでなく,AMD社もCyrix社も次世
スライド用の画面には,プレゼンテー
クロプロセッサのセッションでした.こ
代のチップでMMXを実装することにな
ション用のスライド写真が投影されます
の順番は偶然か意図的かはわかりません
りました.
が,発表者の好みによって,Power Point
が,x86がこのフォーラムにとっていち
の画面に切り替わることもあります.
ばん重要なテーマであることは参加者の
聴衆者側には椅子と横長の机がありま
す.多くのコンファレンスは,椅子が並
だれもが認めるところです.
▼P6と互換チップのゆくえ
Slater氏の示した考察では,次のよう
になります.
「最終的にはすべてがMMX付きのx86に
なるが,もともとMMXは専用ハードウ
まず主催者側のMicroDesign Resources
ェアをソフトウェアで置き換えるローエ
料を開ける場所があるのは助かります.
社から創設者で編集長のMichael Slater氏
ンド・システム向けの技術である.値段
机にはテーブル・クロスが掛けてあり,
がこのセッションの基調報告を行いまし
の高いx86に載ってMMXが市場に登場
んでいるだけです.しかし,配られた資
水差しとコップとキャンディの小瓶まで
置かれています.ほかの(エンジニアの
ための)コンファレンスなどにくらべる
とこのコンファレンスには高級感があり
ました.
基調講演とx 8 6 セッション
初日のオープニングでIntel社の元会
長のGordon Moore氏が基調講演を行い
ました.今回はマイクロプロセッサ誕生
25周年にあたるので,それをふまえて過
去の分析と未来の予測をしていました.
これはMoore氏が得意とする分野で
す.時間軸を横軸に取り,ありとあらゆ
Design Wave Magazine No.7
表1 x86関連の発表テーマ
(コンファレンス初日:10月22日午前)
Welcome
Michael Slater, MicroDesign Resources
Keynote: Perspectives on the History and Future
of Microprocessors
Gordon Moore, Intel
x86 Microprocessors
Evolution of the x86 Family
Michael Slater, MicroDesign Resources
The P55C: An Enhanced Pentium Processor with
MMX
David Perlmutter, Intel
M2: Tapping the Power of the 6x86
Microarchitecture
Mike Woodmansee, Cyrix
AMD’s K6 High-Performance Multimedia PC
Processor
Lance Smith, AMD
Q&A Panel: x86 Microprocessors
All speakers listed above
Gordon Moore氏の基調講演のようす
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