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水産業による水質浄化機能の向上技術開発事業 アサリ等の二枚貝の
水産業による水質浄化機能の向上技術開発事業 アサリ等の二枚貝の資源量増大対策 水野知巳・日向野純也 1) 水産総合研究センター養殖研究所 目的 20 状況や生理活性の変化・漁獲動向を把握し,漁業者が実 生残率 (%) 100 0 100 12 24 36 48 60 72 経過時間 (h) 96 120 144 対照 DO 1mg/L DO 0.5mg/L 40 0 12 24 36 48 60 72 経過時間 (h) 36 48 60 72 経過時間 (h) 96 120 144 対照 DO 0mg/L 12 24 36 48 60 72 経過時間 (h) 96 120 144 100 生残率 (%) 対照 DO 1mg/L DO 0.5mg/L 40 0 DO 0mg/L 0 20 未成貝 80 対照 DO 1mg/L DO 0.5mg/L 40 12 24 36 48 60 72 96 120 144 経過時間 (h) 100 生残率 (%) 生残率 (%) 12 24 36 48 60 72 96 120 144 経過時間 (h) 60 60 対照 40 DO 0mg/L 20 0 0 0 12 24 36 48 60 72 96 120 144 経過時間 (h) 0 成貝 生残率 (%) 80 60 対照 DO 1mg/L DO 0.5mg/L 40 12 24 36 48 60 72 96 120 144 経過時間 (h) 100 成貝 80 生残率 (%) 対照 40 20 未成貝 80 60 40 対照 20 DO 0mg/L 0 0 0 貧酸素耐性を調べた(図 1,2,3)。 60 0 100 100 稚貝 80 60 20 未成貝(20mm 前後),成貝(35mm 前後)のアサリの 12 24 36 48 60 72 経過時間 (h) 0 96 120 144 12 24 36 48 60 72 96 120 144 経過時間 (h) 図 2.水温 25℃のアサリの貧酸素耐性(生残率) 100 貧酸素耐性が悪化した。さらに無酸素状態に硫化水素 10 生残率 (%) 80 mg/L(有明海での観測例から条件設定)を添加した場合 には,単なる無酸素よりも生存期間がより短くなること 未成貝 60 対照 40 DO 0mg/L 20 が分かった。 0 100 100 成貝 80 生残率 (%) 生残率 (%) 80 60 対照 DO 1mg/L DO 0.5mg/L 40 20 0 12 24 36 48 60 72 経過時間 (h) 96 120 144 成貝 60 対照 40 DO 0mg/L 20 0 0 サリと流域圏環境」恒星社厚生閣, 東京, pp.9-25. 24 40 0 稚貝 80 20 場環境「水産学シリーズ 161(日本水産学会監修)ア 12 成貝 60 96 120 144 100 られる二枚貝類の斃死は認められなかった。 水野知巳・丸山拓也(2009):伊勢湾のアサリ資源と漁 0 図 1.水温 20℃のアサリの貧酸素耐性(生残率) えられた。なお,測点付近での貧酸素水塊が原因と考え 関連報文 DO 0mg/L 0 0 まって高塩分・低酸素の水塊が底層に形成すると考えら その結果,水温が高く,殻長が大きくなるのに従い, 96 120 144 対照 40 20 0 水温 20~30℃の貧酸素条件下で,稚貝(5mm 前後), 36 48 60 72 経過時間 (h) 未成貝 80 60 これらのことから,小潮時には潮汐による鉛直混合が弱 ②貧酸素水塊が二枚貝類に与える影響の把握 24 60 100 成貝 80 差が最低となる日から約2日後に極小となった。さらに, のシジミ漁場の貧酸素水塊は,河川内で形成されると考 12 0 酸素濃度と潮位差の相関を見ると,溶存酸素濃度は潮位 は貧酸素水塊が観測されなかったことから,揖斐長良川 0 20 0 その結果,木曽三川漁場においては,前年同様に溶存 れた。さらに,河口域全域調査と連続観測でも,沖合で DO 0mg/L 80 対照 DO 1mg/L DO 0.5mg/L 40 カ所に設置し,水温と溶存酸素量を連続測定した。 だせず,溶存酸素濃度と塩分濃度は負の相関を示した。 96 120 144 未成貝 20 流量とシジミ漁場の溶存酸素濃度との間には関連は見い 36 48 60 72 経過時間 (h) 60 生残率 (%) リ漁場),津・松阪沖の 3km地点(アサリ漁場)の 3 24 20 7 月~12 月の期間,自記式酸素濃度計を,揖斐川河口 から上流 3km地点(シジミ漁場)と沖合 3km(ハマグ 12 80 ①貧酸素水塊の発生動向の把握と発生条件の解明 対照 40 0 0 生残率 (%) 施可能な被害低減技術を考察する。 60 20 0 100 方法と結果 生残率 (%) 対照 DO 1mg/L DO 0.5mg/L 40 稚貝 80 60 生残率 (%) (流量,潮汐等)を把握するとともに,二枚貝類の生残 稚貝 80 生残率 (%) 下の継続時間)および,貧酸素水塊が発生する環境条件 100 100 漁場での貧酸素水塊発生パターン(季節,酸素濃度低 生残率 (%) 1) 0 12 24 36 48 60 72 経過時間 (h) 96 120 144 0 12 24 36 48 60 72 経過時間 (h) 96 120 144 図 3.水温 30 ℃のアサリの貧酸素耐性(生残率)