DVD購入で刑事責任を負うと通知する新手架空請求

平成 19 年 12 月 26 日
記者説明会資料
独立行政法人
国民生活センター
ＤＶＤ購入で刑事責任を負うと通知する新手架空請求
「法律事務所から『口頭弁論呼出し通告書』という文書が届いたがどのように対処した
らよいか」という相談が、12 月上旬頃より、各地の消費生活センターに寄せられています。
「今回、わいせつＤＶＤの通信販売業者が警察に検挙された際に、過去にあなたが購入
していたことが判明した。共犯なので刑事責任を負わなければならない」という内容です。
その後、特定非営利活動法人から「刑事事件処分申立て通知」、「刑事訴訟裁判告知書」、
「刑事事件訴訟通知」という文書が届いたという相談も寄せられています。内容は懲役や
罰金をにおわせるなど「口頭弁論呼出し通告書」よりもさらに威迫する内容が含まれてい
ます。
これまでは、以前購入した商品代金が未払いであるといった民事訴訟を名目にした架空
請求の相談が多く寄せられていましたが、今回は刑事責任を問われるとしています。いず
れの相談者も身に覚えがないため、新たな架空請求の手口であると考えられます。
「口頭弁論呼出し通告書」の内容
通信販売業者である(株)川上企画がわいせつＤＶＤ（裏ＤＶＤ）等を販売し、刑法 175
条、わいせつ図画販売、同販売目的所持違反。
（2 年以下の懲役、又は 250 万円以下の罰
金若しくは科料）に当てはまることから、平成 19 年 9 月 22 日付けで(株)川上企画が警
視庁に検挙されました。後日、家宅捜査が行われ、その結果、貴殿が以前、(株)川上企
画から通信販売にて販売を受けていたことが判明いたしました。これは、(刑法 第 60
条
共犯規定)に当てはまる事から貴殿が刑事責任を負わなければならない事を通告書
とし、通知いたします。
「刑事事件処分申立て通知」・「刑事訴訟裁判告知書」・「刑事事件訴訟通知」の内容
以前あなたが利用したわいせつ裏ＤＶＤインターネット販売サイトの主犯格 7 名が児
童買春・ポルノ禁止法違反で逮捕され、あなたの利用履歴・金融機関履歴が事件証拠と
して提出されました。あなたはわいせつ物所持・ポルノ禁止法違反の刑法第 175 条（わ
いせつ物頒布）に違反したとして訴状が提出され、管轄裁判所が受理した事を通知いた
します。裁判取り下げ期日を過ぎますと管轄警察署生活安全課からの家宅捜査または事
情聴取の出頭要請を受けることとなります。なお、このまま放置されますと刑事告訴申
立て後、受理し敗訴となり 3 年以下の懲役、300 万円以下の罰金に処せられる事となり
ます。
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いずれも具体的な請求金額の記載はありませんでしたが、不安をあおり法律事務所等へ
の連絡を促す内容になっています。文書に記載されている法律事務所等に連絡すると、金
銭を要求されたり、個人情報を聞き出されるおそれがあります。
念のため、当センターより、それぞれの文書に記載されていた法律事務所及び弁護士が
日本弁護士連合会に登録されているかを調べたところ、登録はありませんでした。また、
特定非営利活動法人を名乗っている団体も、内閣府及び所在地の東京都の認証は受けてい
ませんでした。
【アドバイス】
文書に記載されている法律事務所に連絡すると金銭を請求されるおそれがあります。こ
のような請求は新たな架空請求の手口と思われますので、決して連絡してはいけません。
また、さらに個人情報を聞き出されるおそれがあります。不審な点があったり、不安に思
ったら、お近くの消費生活センターまでご相談下さい。
今後も、今回紹介した弁護士名、法律事務所名、通信販売業者名、住所、連絡先等を少
しずつ変えて、同様の文書を送りつけてくる可能性もあります。これらについても、お近
くの消費生活センターに相談しましょう。
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