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1 採点を希望するなら学籍番号のついた緑色の袋に
微分積分A演習小テスト3(4月27日) 1 採点を希望するなら学籍番号のついた緑色の袋に名前を書いて 提出せよ. 問題 1.1. A, B ⊂ [0, ∞), A, B ̸= ∅ に対して,AB := {ab : a ∈ A, b ∈ B} と定める.このとき, (1) sup(AB) = sup A sup B, (2) inf(AB) = inf A inf B が成り立つことを証明せよ.(2) は (1) と似ているので時間がなかったら飛ばしてよい. 問題 1.2. 次の集合の上限と下限を求めよ. A = {−(x − 1)(x − 4) : x ≥ 1} , B = {−(x − 1)(x − 4) : x ∈ N} 問題 1.3. 次の集合の上限と下限,最大値,最小値が存在するならその値を答えよ.存在しない 場合は解答欄に×を書け. 例 A = (0, 1] sup(A) = 1, inf(A) = 0, max(A) = 1, min(A) = × 1. A = (0, 1) sup(A) = , inf(A) = , max(A) = , min(A) = sup(A) = , inf(A) = , max(A) = , min(A) = sup(A) = , inf(A) = , max(A) = , min(A) = 2. A = (1, ∞) 3. A = (−∞, 4] 問題 1.4. A, B ⊂ R を有界な集合として, A + B = {a + b : a ∈ A, b ∈ B} と定義する. 次のことを示せ. (1) sup(A + B) = sup A + sup B (2) inf(A + B) = inf A + inf B (2) は (1) と似ているので時間がなかったら飛ばしてよい. 問題 1.5. 次の問に答えよ. 2n + 1 1 − 1 < ”が正しくなる N をひとつ見つ 1. 命題“ n ∈ N につき n > N ならば 2n + 3 1000 けよ. 2n + 1 2. ε > 0 を任意に与える.命題“ n ∈ N につき n > N ならば − 1 < ε” が正しくな 2n + 3 る N をひとつ見つけよ. 1 問題 1.6. 数列 {an }∞ n=1 と α に対して lim an = α でないとは何か? n→∞ ヒントおよび採点基準: “ 任意の ε > 0 に対してある N ∈ N が定まりすべての n > N に対し て,|an − α| < ε ”が lim an = α の定義だが,これを用いて n→∞ “ 任意の ε > 0 に対してある N ∈ N が定まりすべての n > N に対して,|an − α| < ε ” ではないと書いても点数には結びつかない.もう一押ししないといけない. 問題 1.7. 以下の級数の収束発散を判定せよ. 1. S1 = ∞ ∑ 1 n n=1 ∞ ∑ 1 2. S2 = 2 n n=1 3. S3 = ∞ ∑ 1 n3 n=1 4. S4 = ∞ ∑ 1 4 n n=1 5. S5 = ∞ ∑ 1 √ n n=1 6. S6 = ∞ ∑ 1 √ 3 n n=1 問題 1.8. 以下の級数の収束発散を判定せよ. 1. S1 = 2. S2 = 3. S3 = ∞ ∑ 1 3n + 2 n=1 ∞ ∑ n 2 + 3n + 1 n n=1 ∞ ∑ n=1 4. S4 = 5. S5 = 1 + 4n + 1 ∞ ∑ 1 2 6n n=1 ∞ ∑ n=1 6. S6 = n3 1 − 3n 11n3 ∞ ∑ 1 2 − 25n + 19 33n n=1 2 問題 1.1. B = {0} の時は明らかなので,以下 B ̸= {0} の場合について考える.任意の a ∈ A と b ∈ B に対して,ab 5 sup A sup B より sup(AB) 5 sup A sup B が成り立つことは明らか.一 ε 方,sup B > 0 より,任意の ε > 0 に対して,ある a ∈ A が存在し,sup A − a < が成り sup B −1 立つ.この時,sup A sup B 5 {ε(sup B) + a} sup B = ε + a sup B .a ≥ 0,aB ⊂ AB より, a sup B = sup(aB) 5 sup(AB).ε > 0 の任意性から,sup A sup B 5 sup(AB). 問題 1.2. 1. sup A = 9 で inf A = −∞ である. 4 2. sup A = 2 で inf A = −∞ である. 問題 1.3. 1. sup A = 1, inf A = 0, max A = ×, min A = × 2. sup A = ∞, inf A = 1, max A = ×, min A = × 3. sup A = 4, inf A = −∞, max A = 4, min A = × 問題 1.4. 1. a ∈ A かつ b ∈ B ならば,a + b 5 sup A + sup B より, sup(A + B) 5 sup A + sup B は明らかである.逆に,任意に ε > 0 を与えると a0 > sup A − ε, b0 > sup B − ε となる a0 ∈ A と b0 ∈ B が存在する.したがって, sup(A + B) ≥ a0 + b0 > sup A + sup B − 2ε である.これより,任意の ε > 0 に対して sup(A + B) > sup A + sup B − ε が得られるの で,sup(A + B) ≥ sup A + sup B が従う. 2. (1) の不等号を逆向きに直して証明すればよいので省略.ただし,ε > 0 の箇所は変更し ない. 問題 1.5. 2n + 1 2 − 1 = だから,N = 1000 ととればよい.正確には N = 998 でも大丈夫だ 1. 2n + 3 2n + 3 が,過剰に大きくとる分には問題の性質上,間違いではない. 3 1 1 2n + 3 1 のときは N = 1000 として,ε 5 のときは > よ 2. 同様に考えて,ε > 1000 2 ε [ ] 1000 1 3 り,N = − とすればよい.与えられた に対して整数 N を作らないといけないので, ε 2 ガウス記号などを用いる必要がある. 問題 1.6. 数列 {an }∞ n=1 と α に対して lim an = α であるとは n→∞ 任意の ε > 0 に対して ある N ∈ N が存在して 任意の n ∈ N に対して n > N ならば,|an − α| < ε が成立する ことである.これの否定は機械的に作れて, ある ε > 0 が存在して 任意の N ∈ N に対して ある n ∈ N が存在して n > N でありながら,|an − α| ≥ ε となってしまう ということである. 問題 1.7. 収束するのは,S2 , S3 , S4 問題 1.8. 収束するのは,S3 , S4 , S5 , S6 S5 ≤ ∞ ∑ 1 <∞ n3 n=1 より S5 は収束する. 4