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Agilent - Keysight

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Agilent - Keysight
Agilent
Agilent CSAを使用した障害距離測定
White Paper
内蔵の信号源はシステムに信号を送
出し、反射により障害の位置を特定
無線通信システムでは、ケーブル、 します。ブリッジにより入力信号と
コネクタ、アンテナなどのコンポー 反射信号を分離して、測定と比較を
ネ ン ト が 問 題 の 原 因 と な り ま す 。 行います。また、戻ってきた信号を
Agilent CSA スペクトラム・アナラ 内部で RF 入力へリダイレクトして、
イザにスティミュラス/レスポンス 解析を行います。リターン・ロスが
測定スイートを搭載すれば、これら 30 dB以上の場合は、システム内の問
の問題を簡単に検出できます。ステ 題は小さいですが、大きな障害の場
ィミュラス・レスポンス測定スイー 合はリターン・ロスが 0 dB に近いこ
トでは、内蔵のトラッキング・ジェ ともあります。
ネレータとブリッジを使用したリタ
ーン・ロス測定と DTF(障害距離)測
定を行って、通信システム内に存在
する問題の重大性を判断できます。
概要
DTF 測定を行うと、 Agilent CSA の
信号源入力から障害位置までの距離
(最大 300 m )が分かります。この記
事 で は 、 Agilent CSA を 使 用 し た
DTF 測定をステップを追って説明し
ています。図1はDTF測定の画面キャ
プチャです。
最大の障害は入力から
の距離が6.76 m
リターン・ロス
測定結果テーブル
図1. DTF測定の画面キャプチャ
校正メニュー
ケーブルのスタート/
ストップ距離
Agilent CSAの概観
信号源/RF出力
ソフト・キ−
オン/オフ
図2.
ハード・キー
RF出力
ヘルプ
Agilent CSAフロント・パネルの概要
図3は、Agilent CSAフロント・パネ
ルのハード・キー部分です。この記
事ではハード・キーを太字で、ソフ
ト・キーを イタリック体 で示してい
ます。
図3. フロント・パネルのハード・キー
2
デモ・ガイド
DTF 測定を開始するには、以下のキ
本器を校正するにはCalibrateボタン
を押して、次に表示される詳細手順
に従ってください。
ーを押します。
校正を行う前に、テストするケーブ
M o d e : S t i m u l u s / R e s p o n s e 、 ルの種類を選択することもできます。
これにより、校正をより正確に行え
Distance to Fault
ます。 Meas Setup を押すと Cable
DTF測定には、Freq ChannelとMode T y p e が 表 示 さ れ ま す 。 こ こ で は 、
Presetという2種類のハード・キーを RG(無 線 誘 導 路 )タ イ プ と B T S( 基
最もよく使います。これらは、図3で 地局トランシーバ)タイプのさまざ
は赤い円で囲んであります。 Mode まなケーブルがリストされています。
Presetは本器をリセットして、2ポー RG/BTS ケーブルを使用しない場合
ト挿入損失測定を開始します。 DTF は、
“custom”を選択します。図4は、
測 定 画 面 に 戻 る に は 、 M e a s 、 メニューのBTSケーブルの例です。
Distance to Faultを押します。
Freq Channelチャネル・メニュー
DTF測定には、ケーブルのStartおよ
び Stop 距離が関係します。周波数レ
ンジが分からなければ、Freq Range
を1回押してAutoを選択します。
次 に 、 測 定 す る ケ ー ブ ル の
Start/Stop 距離を入力します。周波
数レンジに Auto を選択した場合は、
最大測定可能距離は 304.8 m です。
Start 距離が 0 m の場合は、 0 m で常
に障害が検出されます。これは、RF
出力/トラッキング・ジェネレータ
への接続部における反射が原因です。
このDC成分は「デッド・ゾーン」と
呼ばれることがあります。
校正:最初のステップ
Star t/Stop 距離を入力し、 Cable
Type を選択した後、 FREQ Channel
キーの下に表示されるCalibrateを押
します。
Agilent CSA の校正により正確な測
定が確実に行え、結果確認のための2
回目の測定が必要なくなり、時間が
短縮されます。分かりやすい詳細手
順によりトレーニングが軽減され、
ユーザは本器をすぐに使えるように
なり、効率的に作業が行えます。
図5. Freq Channelメニュー
図4. メニューのBTSケーブルの例
3
詳細手順のメニュー
以下のような詳細手順のメニューが表示されます。
周波数レンジの指定
す で に Freq Channel メ ニ ュ ー で St ar t/Stop 距 離 を 指 定 し て い る か 、
Start/Stop distanceを入力した後にAutoを選択しているはずです。
確認後にContinueを押します。
a
オープンの接続
RF出力にオープンを直接に接続するか、オープンを接続したN型ケーブルを
接続します。
確認後にContinueを押します。
b
接続を変更したり取り外したりしない
次の画面が表示されるまで、接続を外さないようにしてください。指定した距
離が長いほど、校正の各ステップにかかる時間は長くなります。また、アベレ
ージングの設定値が大きいほど時間がかかります。アベレージングをオフにす
るには、Meas Setup、Avg Mode、Offを選択します。
ショートの接続
RF出力にショートを直接に接続するか、ショートを接続したN型ケーブルを
接続します。
確認後にContinueを押します。
c
ロードの接続
RF出力にロードを直接に接続するか、ロードを接続したN型ケーブルを接続
します。
確認後にContinueを押します。
本器の校正が完了すると、校正された周波数レンジが画面の左上コーナに表示
されます。
d
図6a∼6d. 詳細手順のメニュー
4
障害距離測定の実行
Agilent CSA を校正した後、テスト
したいケーブルを A gilent CSA の
RF 出力に接続します。指定した距離
までの上位4個の障害が、重大性の順
に黄色のマーカとともに表示されま
す。これらの障害インジケータは、
View/Displayメニューでオン/オフ
に設定できます。オフにした場合も、
上位4個の障害のリターン・ロス、
RF出力から障害までの距離、VSWR
(電圧定在波比)が表示されています
(図7)。VSWRは伝送ラインと負荷間
のインピーダンスの不整合を測定し
た値で、 VSWR の値が高いほど不整
合が大きくなります。
ここでも、Start 距離を0 m にした場
合は、RF 出力の接続部に対応する障
害が検出されます。これは図1では障
害#2として表示されています。
図7.
障害距離測定と障害インジケータ
図8.
高品質のコネクタとケーブルの整合
画面上の他の障害の重大性を確認す
るには、マーカを使用して他の4個ま
での障害の距離とリターン・ロスを
一度に確認できます(図 7 )。 4 個まで
のマーカと、それに関連したデル
タ・マーカを使用するにはMarkerを
押します。
最良のマッチング・ケーブル、
コネクタを選択する方法
ケーブル間の損失をできるだけ小さ
くするには、接続を確実に行うこと
が重要です。コネクタやマッチン
グ・ケーブルを選択する際に、
Agilent CSA を使用すると最良の選
択が行えます。
図8は、2本の1.8 m(6 ft)RG-214 N
型ケーブルをN型メス-メス・コネクタで
接続したときの例です。1.8 m(6 ft)
における障害は32.3 dBとなっていま
す。リターン・ロスが大きいほど、
接続部/ケーブルの整合は良好です。
5
図 9 は、上記の 2 本のケーブルを、品
質の劣るコネクタを使用して接続し
た例です。1.8 m(6 ft)におけるリタ
ーン・ロス(障害#2 )は、20 dB と表
示されています。この測定方法は、
最良のケーブル整合を探すためにも
利用できます。高品質のコネクタと
ケーブルを決定したら、次に、既知
の接続部でのリターン・ロスを比較
するために同じ方法を使って、最良
のマッチング・ケーブルを選択でき
ます。2つのトレースを比較する以下
の方法を使って、さまざまなケーブ
ル/整合の比較が可能です。
2つのトレースの比較
ケーブルや接続部の障害は、天候、
時間経過に伴う腐食、工事時の損傷、
その他多くの原因によって生じます。
Agilent CSA では、トレースに名前
を付けて保存しておき、それを後で
リコールすることができます。新し
いシステムや、システムの修理後に
DTF 測定を行ってそのトレースを保
存しておき、後でメンテナンスを行
う時にトレースを比較すると便利
です。
図9.
同じケーブルで品質の劣るコネクタを使用した場合
トレースを保存する際にユーザが名
前を付けることも、 Agilent CSA が
自動的に名前を付けることもできま
す。トレースに名前を付けるには、
SaveメニューでName、Filename、
Askを押します。
トレースを保存するには、 Save メニ
ューでType、T race、De vice、
Internal(またはUSB)、Save Now
を押します(図10a)。
保存したトレースをリコールすると
きは、それをトレース1として表示す
るか、トレース2として表示するかを
選択できます。障害インジケータと
測定値のテーブルは、トレース1のみ
に表示されます。マーカは、トレー
ス1とトレース2の両方で使用でき
ます。
保存したトレースをリコールする
には、Recall、Type、Trace、
Device 、 Internal( または USB )、
Destination 、 Trace 1 または 2 、
Recall Now を押します。 Agilent
CSAではトレース1は黄色で、トレー
ス2は青色で表示されます(図11)。
図10a、10b.
SaveメニューとRecallメニュー
6
保存したトレースと新しいトレース
との変化を見るには、Markerメニュ
ーの Marker Trace を押してトレー
ス 2 を選択します。 Normal マーカを
選択し、評価したい障害までノブを
回してスクロールします。図11では、
保存したトレースの障害 #3 のマーカ
読み値は 29.8 dB であるのに対して、
現在のトレースの障害インジケー
タ・テーブルの障害 #3 は 21.4 dB と
示されています。この8.4 dBの差は、
緩み、汚れ、損傷などによる接続部
の劣化を表していると考えられます。
まとめ
通信システムでは、特に信頼性が重
要です。そのため、ケーブルや接続
部はクリーンで確実に接続され、良
好な状態でなければなりません。内
蔵ブリッジと信号源を搭載した
Agilent CSA スペクトラム・アナラ
イザを使用すると、障害までの距離
やリターン・ロスを簡単に測定でき
ます。そのため、敷設時や日常のメ
ンテナンスでケーブルの状態を正確
に知ることができ、修理が必要な場
合は問題をすぐに発見できます。測
定結果の保存とリコールが可能なの
で、システムをモニタリングしなが
ら、問題が大きくなる前にそれらを
発見できます。 Agilent CSA は使い
やすいポータブル・パッケージです
が優れたRF 性能を備えていて、信頼
性の高い測定が保証されます。さら
に、詳細な校正機能、グラフィカル
なテスト・セットアップなども装備
しているので、初めて本器を使用す
る場合でもすぐに使いこなせます。
図11. 2つのトレースの比較
7
電子計測 UP DATE
www.agilent.co.jp/find/emailupdates-Japan
Agilentからの最新情報を記載した電子メール
を無料でお送りします。
Agilent Direct
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トリ・ソフトウェア、PC標準I/O、ワールド
ワイドのサポートは、テスト・システムの
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校正、自動修理診断、純正部品を使用
したサービスを受けられます。さらに、
必要に応じて、工場の専門家にもアク
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高の信頼性を意味し、不安感を抱くこ
となく、 Agilent の修理/校正サービス
を利用できます。
アジレント・テクノロジー株式会社
本社〒192-8510 東京都八王子市高倉町9-1
計測お客様窓口
受付時間 9:00-19:00(土・日・祭日を除く)
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ニングなどの、機器に対するさまざま
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ては、以下をご覧下さい。
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March 7, 2007
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