Comments
Description
Transcript
発表用スライド
2005.2.22 防災研発表 長周期地震動に対する 高層免震建物の振動特性 ○竹脇 出,有賀敏典,寒野善博 1 研究の背景 海洋型の巨大地震においては、表面波による長 周期地震動が発生する可能性 巨大構造物の長周期化:例えば超高層免震建 物(余裕度の適正評価の必要性) 弾性すべり支承によるさらなる長周期化 長周期地震動と長い固有周期構造物の共振へ の危惧 2 研究の目的 弾性すべり支承を有する高層免震建物を例とし て取り上げ、長周期地震動に対する振動特性を 明らかにする 設計上クリティカルとなることが多い告示波(レ ベル2)に対する応答と長周期地震動に対する 応答の関係から、長周期地震動に対する耐震 余裕度を明らかにする 付加減衰による効果を明らかにする 3 対象とする地震動 0.4 0.3 0.2 0.1 0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 釜江・入倉 El Centro 1940 NS acceleration (g) acceleration (g) エルセントロ波 0 100 200 300 400 0.4 0.3 0.2 0.1 0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 0 100 time (sec) 100 200 time (s) 300 告示波 0.6 acceleration (g) acceleration (g) Port of Tomakomai EW, Tokachi-Oki 2003.9.26 0 300 400 time (s) 十勝沖 苫小牧波 0.4 0.3 0.2 0.1 0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 200 OSA-NS 400 simulated motion 0.4 0.2 0 -0.2 -0.4 -0.6 0 100 200 300 400 time (s) 4 velocity spectrum comparison in long natural period range velocity response spectrum (m/s) 3 tomakomai EW El Centro NS JMA Kobe OSA-NS h=0.05 2.5 2 告示スペクトル(レベル2) 1.5 1 0.5 0 0 2 4 6 8 10 natural period (s) 5 免震建物 天然ゴムアイソレータ 弾性すべり支承 付加ダンパー プラン 6 免震層の構成 Alpha:アイソレータ/免震層剛性 Q Q 天然ゴムアイソレータ 弾性すべり支承 天然ゴムアイソレータ 弾性すべり支承 D Alpha=0.25 D Alpha=0.75 7 10層免震建物モデル 天然ゴムアイソレータ+弾性すべり支承+付加 粘性ダンパー(減衰定数0.02, 0.10) 免震層固定の上部構造物:1次固有周期1.0(s)、 直線形の1次固有モード、減衰定数0.05 免震層の初期剛性:1次固有周期4.0(s) 天然ゴムアイソレータの剛性比率α α =1(すべてアイソレータ)以外は、建物重量の 1/2づつをアイソレータと弾性すべり支承で負担 弾性すべり支承のすべり係数は0.024 8 免震建物の免震層の復元力特性 付加減衰h=0.02 El Centro NS (alpha=0.50) エルセントロ波 4 106 story shear force (N) 4 10 6 story shear force (N) OSA NS (alpha=0.50) 6 106 6 10 6 2 10 6 0 -2 10 6 釜江・入倉 2 106 0 -2 10 6 -4 10 6 -4 10 6 -6 10 6 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 -6 10 6 -0.8 0.8 -0.6 -0.4 Tomakomai EW (alpha=0.50) 0.2 0.4 0.6 0.8 6 106 Tomakomai EW 2 106 0 -2 10 6 -4 10 6 -6 10 6 -0.8 告示波 4 106 story shear force (N) story shear force (N) 0 simulated motion (alpha=0.50) 6 106 4 106 -0.2 interstory drift (m) interstory drift (m) 2 106 0 -2 106 -4 106 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 interstory drift (m) 0.4 0.6 0.8 -6 106 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 interstory drift (m) 9 velocity spectrum comparison in long natural period range velocity response spectrum (m/s) 3 tomakomai EW El Centro NS JMA Kobe OSA-NS h=0.05 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0 2 4 6 8 10 natural period (s) 10 応答スペクトル分析 velocity response spectrum (m/s) 2 h=0.02 h=0.05 h=0.10 h=0.15 h=0.20 1.5 1 T SD = SV 2π 0.5 0 0 2 4 6 8 10 natural period (s) 11 入力エネルギー 5 106 α=0.25 α=0.50 α=0.75 α=1.0 energy (J) 4 106 α=1.0 α=0.75 3 106 α=0.50 α=0.25 2 106 1 106 h=0.02 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 time (s) 12 結論 弾性すべり支承は免震建物の長周期化にとって有効で はあるが、5-6秒を超える領域で幅広い勢力を有するよ うな長周期地震動に対しては共振に近い応答を示す場 合があるため注意が必要 レベル2地震動時の固有周期の伸びに起因する応答増 幅は大きな問題を含んでおり、弾性すべり支承により得 られる減衰効果を消し去ってしまう恐れがある。 付加減衰は上記の応答増幅の抑制に効果的であるが、 スペースやコストの観点からその減衰量の導入可能性 については十分な検討が必要 さらに、大きな減衰量の導入は、周知の通り上層部にお ける免震効果を低減させる恐れがあるため、十分な検 討が必要 13