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平成26年度 「岐阜県長期構想」 実施状況報告書 平成27年9月 岐阜県

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平成26年度 「岐阜県長期構想」 実施状況報告書 平成27年9月 岐阜県
平成26年度
「岐阜県長期構想」
実施状況報告書
平成27年9月
岐阜県
「岐阜県長期構想」に係る実施状況の報告について
岐阜県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例(平
成16年岐阜県条例第49号)第4条の規定により、「岐阜
県長期構想」に係る実施状況に関する報告書を提出します。
平成27年9月17日
岐阜県知事
古田
肇
目
次
I はじめに .......................................................1
Ⅱ
1
平成 26 年度の概況 .............................................1
人口の動向 ............................................................. 1
(1)年齢別人口 ............................................................ 2
(2)自然動態 .............................................................. 2
(3)社会動態 .............................................................. 3
(4)人口減少への取組 ...................................................... 4
2
経済情勢 ............................................................... 5
3
県民生活 ............................................................... 6
Ⅲ
1
平成 26 年度 各政策分野の実施状況について .....................8
新たな「成長・雇用戦略」の展開 ......................................... 8
(1)岐阜県成長・雇用戦略 .................................................. 8
(2)未来につながる農業づくり ............................................ 11
(3)「生きた森林づくり」の推進 .......................................... 12
(4)岐阜県成長・雇用戦略を推進するためのネットワーク・インフラ整備 ...... 13
2
確かな安全・安心の社会づくり ......................................... 15
(1)強靭な危機管理体制の構築 ............................................ 15
(2)医療、福祉の充実・連携 .............................................. 17
(3)暮らしの安全・安心の確保 ............................................ 18
(4)緊急輸送道路ネットワークの整備 ...................................... 19
3
「清流の国ぎふ」づくり ............................................... 20
(1)わがまち「清流の国」づくり .......................................... 20
(2)「スポーツ立県戦略」の推進 .......................................... 21
(3)「清流」環境の保全 .................................................. 22
(4)地域を支え、未来を担う人づくり ...................................... 24
I
はじめに
本県は、平成 21 年3月に、今後 10 年間の県政運営の指針となる「岐阜県長期構
想」(対象年度:平成 21~30 年度)を策定した。人口減少時代における「希望と誇り
の持てるふるさと岐阜県づくり」を基本目標として定め、その実現に向け、県が取
り組むべき政策の目的と方向性を提示し、政策を展開してきた。
岐阜県長期構想については、
「岐阜県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条
例」第4条の規定に基づき、その実施状況の概要を毎年度議会に報告することとさ
れている。
今回の報告は、岐阜県長期構想の策定から5年間に起きた経済・社会情勢の変化
や平成 24 年度までの政策効果の検証を踏まえた中間見直し(平成 26 年3月発表)に
沿って、平成 26 年度における各政策分野の実施状況を報告するものである。
Ⅱ
1
平成 26 年度の概況
人口の動向
平成 26 年 10 月1日現在、本県の人口は 2,041,690 人、前年比▲11,596 人となり、
減少が続いている。
岐阜県の総人口の推移
(千人)
2,120
2,108
2,107
2,100
2,100
2,081
2,080
2,073
2,067
2,065
2,060
2,053
2,040
2,042
2,029
2,020
2,000
1985
1990
1995
2000
2005
2010
(年)
【出典:国勢調査(~2010年)、岐阜県人口動態統計調査(2011年~)】
-1-
(1)年齢別人口
人口を年齢3区分別で見ると、年少人口(0~14 歳)と生産年齢人口(15~64 歳)
は引き続き減少している一方、老年人口(65 歳以上)は増加している。
社会を支える現役世代の割合が減少し、高齢化の進行が顕著となっている。
岐阜県の年齢3区分別人口の推移
(千人)
1,600
1,415
1,430
1,401
1,400
1,358
1,289
1,228
1,203
1,200
1,000
0~14歳
15~64歳
800
65歳以上
600
400
200
388
263
348
383
322
323
555
537
502
442
306
290
279
275
0
1990
1995
(年)
2000
2005
2010
注:2010年の年齢3区分は、年齢不詳を按分した人口
【出典:国勢調査(~2010年)、岐阜県人口動態統計調査(2011年~)】
(2)自然動態
平成 26 年の出生数は 15,822 人となり、減少傾向が続いている。死亡数は 21,773
人と昨年よりやや減少したが、死亡数が出生数を上回る自然減少は9年連続とな
り、自然動態(出生数-死亡数)は▲5,951 人となった。
岐阜県の自然動態(出生数、死亡数)の推移
(人)
30,000
25,000
21,773
20,000
15,000
15,822
10,000
5,000
0
△ 5,000
出生-死亡
出生数
死亡数
△ 5,951
△ 10,000
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
(年)
※各年前年10月1日~同年9月30日、外国人を含む 【出典:岐阜県人口動態統計調査】
-2-
(3)社会動態
平成 26 年の転入者数は 71,393 人となり、前年に比べ 162 人減少した。転出者数
は 77,038 人で、前年に比べ 752 人減少したが、転出者数が転入者数を上回る社会
減少は 10 年連続となり、社会動態(転入者数-転出者数)は▲5,645 人となった。
県外転出者は、年代別で見ると 10 代後半~30 代前半が一番多く、転出の理由は
「職業上」が一番多い。また、「結婚等」を理由とした人口移動については、女性
が多い傾向にある。20 代後半~30 代及びその子どもと考えられる 10 歳未満につ
いては、「住宅事情」による転入超過が見られる。
5
岐阜県の社会動態(転入・転出者数)の推移
転入:71,393①
転出:77,038②
①-②▲5,645
※各年前年 10 月 1 日~同年 9 月 30 日、外国人を含む 【出典:岐阜県人口動態統計調査】
岐阜県の主な移動理由でみた年代別日本人の社会動態(H26)
女
24 6
△6
△ 30
△3
△ 33△ 14
△ 242 △ 86
△ 279
△ 88
△ 258
転出超過
△ 1,280
△ 1,449
0~9
10~19
20~29
30~39
40~49
50~59 60歳以上
結婚・離婚・縁組
(人)
400
200
0
△ 200
△ 400
△ 600
△ 800
△ 1,000
△ 1,200
△ 1,400
△ 1,600
男
職業上
(人)
400
200
0
△ 200
△ 400
△ 600
△ 800
△ 1,000
△ 1,200
△ 1,400
△ 1,600
32 9
男
4
1
△ 12
△ 176
△ 168
△ 52
△ 36
女
2
△ 4△ 8
△ 447
△ 635
転出超過
0~9
10~19
20~29
30~39
40~49
学業上
(人)
400
200
0
△ 200
△ 400
△ 600
△ 800
△ 1,000
△ 1,200
△ 1,400
△ 1,600
22
△2
8
△ 114
△ 115
△ 207
△ 245
10~19
1
△ 12
0
△ 6 △ 2 △ 12 △ 1
20~29
30~39
40~49
住宅事情
(人)
50~59 60歳以上
女
転出超過
0~9
400
200
0
△ 200
△ 400
△ 600
△ 800
△ 1,000
△ 1,200
△ 1,400
△ 1,600
男
227 199
4
89 85
294 283
50~59 60歳以上
男
75 44
女
転入超過
36 36
57 29
△5
0~9
10~19
20~29
30~39
40~49
50~59 60歳以上
【出典:岐阜県「平成26年岐阜県人口動態統計調査結果」(2013年10月1日~2014年9月30日) 】
-3-
(4)人口減少への取組
本県では、2005年頃を境に人口減少局面に入り、2035年には約160万人となると
分析し、対策に取り組んできたところである。
平成26年5月に日本創成会議が、地方からの人口流出がこのまま続くと、20~
39歳の女性が2040年までに半数以上減少し、全国の自治体のうち49.8%が「消滅」
する可能性があるとの推計を発表し、本県においては、17市町村が該当するとさ
れた。
この発表を受け、学識経験者、民間シンクタンク研究員、市町村職員等からな
る「岐阜県人口問題研究会」を7月に設置し、「消滅」の可能性があるとされた17
市町村を中心に人口の推計や調査・分析及び今後の対策について検討し、12月に
は中間報告を発表した。
また、これまでの取組を踏まえ、まち・ひと・しごとの創生に向けた新たな政
策に対する意見を集約するため、8月に県内の産業界や教育機関、労働団体等の
代表者の方々で構成する「ぎふ創生県民会議」を設置し、会議を3回開催した。
そして、平成27年2月に、県内各界各層の意見を踏まえ、岐阜県版の人口ビジ
ョンと総合戦略を暫定版として発表するとともに、人口の自然動態や社会動態を
好転させるための自然減対策や社会減対策に、引き続き重点的に取り組んだ。
自然減対策としては、非婚化・晩婚化に歯止めをかけるため、ぎふ婚活サポー
トプロジェクト(コンサポ・ぎふ)の推進や、子育て支援策の一環として病児・病
後児保育の充実と、子育てに積極的に取り組む企業を支援するため「子育て支援
企業登録制度」や「エクセレント企業認定制度」を実施した。
また、社会減対策としては、移住者数を増やすため、移住者向けの相談会や若
者・女性を対象にした講演会の実施等の情報発信のほか、市町村向けの移住研修
会を開催するなど、地域の受入体制の整備を進めた。このほか、立地支援制度の
拡充や工場用地の開発など企業誘致の推進とともに、航空宇宙や医療福祉機器、
医薬品、食料品、次世代エネルギーといった成長産業や、ものづくり産業など地
域の特性を生かした産業の育成をはじめ、観光、農林、介護分野など幅広い分野
における販路開拓や人材育成を支援した。
-4-
2
経済情勢
平成 26 年度における本県の経済は、消費増税や円安の影響を受け、景気回復の足
踏みが続く状況となった。
製造業においては、輸入原料の高騰によるコスト高が続く中、輸送用機械関連を
中心に受注や生産は好調を維持した一方で、地場産業は原材料費の値上がり等によ
り厳しい状況が続いた。設備投資意欲は、概ね改善傾向にあった。
個人消費においては、4月に消費税率が5%から8%に引き上げられたことで、
駆け込み需要の反動減の影響もあり、消費の回復状況に頭打ちの感が見られた。ま
た、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁が進まない企業が多く、利益を圧迫する状
況も見受けられた。一方、雇用情勢については、有効求人倍率は改善傾向が続き、
製造業や建設業の技術・専門職を中心に人手不足の傾向にあった。
岐阜県景気動向指数(CI)の推移
120.0
(平成22年=100)
115.0
110.0
105.0
100.0
95.0
90.0
85.0
80.0
24.1
7
25.1
7
26.1
7
27.1
(月)
資料:県統計課「岐阜県景気動向指数」
(人)
5,000
岐阜県の職業別有効求人募集数・有効求職者数(H27.2月 常用)
4,497
4,709
4,502
4,429
4,233
4,500
4,000
3,449
3,500
2,500
2,828
2,668
3,000
2,267
2,000
1,977
1,463
2,260
1,606
1,297
1,500
1,000
500
0
専門・技術職
事務職
販売職
サービス職
資料:岐阜労働局「求人・求職バランスシート」
-5-
生産工程
運搬・清掃等
求人募集数
その他
求職者
こうした状況のもと、本県の資源を活かした活力を生み出すため、産学官連携を
図りつつ、成長産業5分野(航空宇宙、医療福祉機器、医薬品、食料品、次世代エネ
ルギー)を強化するべく、企業の誘致・育成を推進した。
また、本県の豊かな農畜水産業を未来へつなげていくため、海外への販路拡大や
6次産業化の推進、担い手の育成に取り組んだほか、「生きた森林づくり」を推進
し、持続可能な林業経営を確立するため、県産材の普及活動や木材資源の有効活用
にも取り組んだ。
この他、新たな交通・物流の要衝となることを見据え、岐阜県成長・雇用戦略を
推進するためのネットワーク・インフラ整備について、東海環状自動車道の全線開
通やリニア中央新幹線の開業に向けた取組を進めた。
3
県民生活
少子高齢化が世帯構成にも影響している。世帯数は年々増加する一方で、1世帯
当たりの人数は 2.73 人(前年度比▲0.03 人)と縮小しており、小家族化が進行して
いる。また、65 歳以上の高齢単独世帯、中でも 75 歳以上の高齢者の単独世帯が急
増している。
こうした高齢化の進行や高齢者の単独世帯の増加といった状況に対応するため、
医療・介護の人材確保を推進するとともに、離職防止・定着を支援するなど、地域
医療・福祉の充実を図った。また、様々な職種の関係者が連携して在宅医療を行う
体制づくりを進めたほか、障がいのある小児在宅医療に対応する人材の養成を進め
るなど、障がい者への支援体制の整備を行った。
(世帯数)
岐阜県の単独世帯数の推移
175,000
150,000
125,000
85歳以上
75歳~84歳
65歳~74歳
65歳未満
24,072
4,308
25,724
12,785
69,851
81,380
116,420
0
1995年
6.1
2000年
2005年
3.2
2.2
1.0
0.0
2010年
1985年
※2010年の集計方法変更に伴い、遡及された集計結果による。年齢不詳は65歳未満に含めている。
4.7
5.7
4.0
2.0
1990年
8.7
8.0
6.0
25,000
1985年
85歳以上
10.0
18,960
107,441
75歳~84歳
65~74歳
22,070
99,421
約2倍の
増加
65歳~74歳
12.0
75,000
93,838
15.2
65歳未満
75~84歳
65歳未満
50,000
岐阜県の単独世帯の年代別指数比較(1985年=1.0とした場合)
16.0
14.0
18,353
14,922
100,000
85歳以上
7,503
65歳以上、中でも
75歳以上の単独世帯が
大きく増加
1990年
1995年
2.5
2.9
1.4
1.5
1.7
2000年
2005年
2010年
※2010年の集計方法変更に伴い、遡及された集計結果による。年齢不詳は65歳未満に含めている。
【出典:総務省「国勢調査」をもとに岐阜県政策研究会人口動向研究部会作成 】
-6-
また、8月 15 日からの飛騨地方における豪雨や、9月 27 日に発生した御嶽山の
噴火等、甚大な被害をもたらす災害が発生していることから、県民の安全・安心を
確保するため、災害時における体制整備の構築や平常時からの災害への備えが課題
となっている。
このため、平成 27 年3月に「岐阜県強靱化計画」を策定するとともに、防災にお
ける県と市町村の連携や警戒体制を強化した。また、大規模災害に備えた社会資本
の維持管理及び緊急輸送道路ネットワークの整備を進めた。
-7-
Ⅲ
1
平成 26 年度
各政策分野の実施状況について
新たな「成長・雇用戦略」の展開
(1)岐阜県成長・雇用戦略
成長産業5分野(航空宇宙、医療福祉機器、医薬品、食料品、次世代エネルギ
ー)の強化のため、企業の誘致や育成・支援を行った。
(2)未来につながる農業づくり
本県の豊かな農業を未来へつなげていくため、農産品の海外への販路拡大や
6次産業化の推進、担い手の育成に取り組んだ。
(3)「生きた森林づくり」の推進
持続可能な林業経営を確立するため、県産材の普及活動や木材資源の有効活
用を行った。
(4)岐阜県成長・雇用戦略を推進するためのネットワーク・インフラ整備
新たな交通・物流の要衝となる本県の未来を見据え、東海環状自動車道やリ
ニア新幹線の開業に向けた取組を進めた。
(1)岐阜県成長・雇用戦略
○ 県内航空宇宙産業の国際競争力を図るため、6月に国際戦略総合特区「アジ
アNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」の区域拡大の指定を受け、対象
区域が18市町46社(前年度+5市町14社)に拡大した。
○ 航空宇宙産業の人材育成については、航空機部品製造工程を網羅した人材育
成メニューを提供できる体制を構築し、企業の人材育成を支援した(人材育成
研修受講者数(累計):383人(前年度+129人))。
○ 製造業の工場立地件数は41件(前年+15件、全国8位)、立地面積は45ha(前
年▲7ha、全国10位)となり、ともに全国平均(21.7件、26.7ha)を上回った。
○ 医療福祉機器産業の裾野拡大を目的としたセミナーを開催し392名が参加し
た。企業の事業化支援において試作品開発補助に2社を採択し、外部有識者
による相談を8回開催したほか、「メディカルクリエーションふくしま2014」
にブースを確保し、企業の販路開拓を支援した。
○ 産学官連携を担う「ぎふ技術革新センター」やコーディネーターを活用し、
産学官連携の取組を推進した。研究者と企業のマッチングによる共同研究を
31件実施し、参画企業数50社、特許出願件数5件、査読論文数7件、試作品
製作6件の成果を得た。
○ 成長産業5分野(航空宇宙、医療福祉機器、医薬品、食料品、次世代エネル
-8-
ギー)の企業誘致を推進する専任の「成長産業誘致チーム」による誘致活動を
展開し、当分野で約600社の企業を訪問し、今後の誘致活動につなげるべく、
企業ニーズ等を把握した。
○ 次世代エネルギー技術の開発、製品化を促進するため、33団体による「岐阜
県次世代エネルギー産業創出コンソーシアム」を設立し、大学と企業とのマ
ッチングを支援した。また、同コンソーシアム内に設置された4つの産学官
連携ワーキンググループが行う調査活動・製品開発を支援した。
○ 省エネルギーアドバイザーの派遣や、省エネルギー診断の実施など、企業の
省エネ対策や省エネ設備導入を支援した(省エネルギー診断受診企業数:195
社(前年度+36社))。
○ 防災機能強化型次世代エネルギーインフラ設備を、道の駅明宝など県内3か
所の道の駅に導入し運用を開始した。また、小水力発電の導入を促進するた
め、農業用水を活用した小水力発電の施設整備や支援を15か所で行ったほか、
6か所の農業用水路で基本設計等を実施した(小水力発電設置数(累計):39件
(前年度+3件))。
○ 成長分野における競争力強化や新規受注獲得、あるいは他産業から成長産業
への参入を目指す県内中小企業の取組(5件)を支援した。
○ 「新事業・サービスの立ち上げ」、
「成長分野への業態展開や多角化」、「新ア
イデア・新製品の開発」等、新ビジネスを創出する事業(44件)を支援した。
○ 県内モノづくり企業とアジア企業とのマッチングを支援し、セミナー2回
(参加者150名)、現地視察(インドネシア、参加企業4社)、展示会(タイ、参
加企業6社)、商談会(韓国、参加企業3社)、バイヤー招へい商談会(バイヤ
ー3社(マレーシア、タイ、ベトナム)、参加企業11社)等を実施した。
○ 県産品の販売・情報発信拠点「THE GIFTS SHOP」をJR岐阜駅
アクティブG内に開設した。また、県内農産物を利用した6次産業化商品の
販売等を行う「g.i.Foods」を名古屋・栄に開設するとともに、東
京ミッドタウン内(東京・港区)の「THE COVER NIPPON」で県
産品のテスト販売を行った。
○ 県内外から消費を呼び込むため、ネットビジネスの総合拠点として「ぎふネ
ットショップ総合支援センター」をソフトピアジャパンに開設し、個別相談
や勉強会に延べ667人が参加したほか、商工会や商工会議所と連携したネット
ショップの出店者支援セミナーや異業種交流会の開催、楽天市場特設ページ
におけるインターネット物産展を開催した。
-9-
○ ソフトピアジャパンとIAMAS(情報科学芸術大学院大学)が連携して企
業を支援する体制を構築するとともに、IT技術を活用した新製品の共同開
発を4件実施した(ソフトピアジャパンにおけるマッチング連携事例数:25件
(前年度+6件))。
○ JR東海及び沿線10市町と連携し、高山本線の全線開通80周年を契機とした
誘客事業として、公募で決定したデザインのラッピング車両の運行や、沿線
市町のおもてなしイベント等を展開した。
○ 県内観光地を周遊することで、四季折々の美しい自然、伝統文化、食、モノ
等、本県の魅力が満喫できる宿泊滞在型観光を定着させるため、各市町村の
若手公務員「G(ギフ)メン」による観光PRや、楽天トラベル・じゃらん
netを活用した情報発信を行った。
○ アジア諸国の海外メディア・海外現地旅行会社等を県内に招へいし、県内観
光地のPRを行った(招へい件数(累計):278件(前年度+55件))。
○ 「関ケ原古戦場」周辺の観光資源を磨き上げ、誘客を促進するため、関ケ原
町と連携して有識者懇談会を開催し、今後の整備方針となる「関ケ原古戦場
グランドデザイン」を策定した。
○ 外国人観光客の受入環境整備のため、セミナーの開催やホームページ・パン
フレット等の多言語化、免税店拡大の働きかけとともに、Wi-Fi環境整
備を支援した。
○ 若者が県内の産業や企業への理解を深め、就労を体験する機会を提供するべ
く、岐阜県インターンシップ推進協議会を通じ、県内企業において大学生等
のインターンシップを実施した(参加学生数:1,029人(前年度+145人)、受入
企業数:274社(前年度▲17社))。併せて、実践型インターンシップ事業(期間
が1か月程度)を実施した(参加学生数:34人(前年度±0人)、受入企業数:
19社(前年度+3社))。
○ 総合人材チャレンジセンターに女性再就職応援コーナーを設置し、女性向け
の就労相談や巡回相談会を行ったほか、託児サービス付き職業訓練を実施し
た。また、キャリアカウンセリング、各種セミナー、求人企業の開拓や合同
企業説明会等、若者や中高年齢者等個々の実情に応じたきめ細やかな就職支
援を行った。
○ 若者サポートステーションにおいて、いわゆるニート状態にある若者や学卒
未就職者の職業的自立を支援するため、臨床心理士によるメンタルカウンセ
リング、各種セミナー、企業への就業体験等、職業意識の啓発や社会適応支
-10-
援を含む包括的な事業を実施した。
○ 5圏域に設置されている障がい者就業・生活支援センターに「障がい者雇用
開拓員」を各1名配置し、法定雇用率を達成していない企業等に対して障が
い者雇用の働きかけを行った。また、障がい者雇用に積極的な企業に対し、
その業務に適した人材を紹介し、短期の職場実習を行った。
(2)未来につながる農業づくり
○ 「ぎふ農業・農村基本計画」に基づき、競争力のある産地への構造改革を進
める「強い農業づくり」に取り組むとともに、海外や首都圏での販路拡大や、
6次産業化による付加価値の高い商品開発を行う「攻めの農業の展開」に取り
組んだ(平成 25 年県農業産出額:1,132 億円(前年度▲1.3%))。
○ 主要園芸品目を対象に、県下6産地に県・市町村・JA等で構成する構造改
革推進チームを設置し、農作業の共同化や新たな栽培技術の導入、担い手の
育成・確保に取り組んだ。
○ 「岐阜県花きの振興に関する条例」の施行(10月)を受け、県民と一体となっ
て花きの振興に取り組むため、県民各層から幅広く意見を聴く「花で彩る「清
流の国ぎふ」県民会議」を開催した。
○ 県オリジナルのブランド化が可能なイチゴや柿の新品種を育成した。また、
すくな
栗、ブロッコリー、宿儺 かぼちゃ等10品目を重点品目に指定して産地形成に
取り組んだ。
○ 飼料価格や資材費高騰、口蹄疫の発生等の影響により、農家戸数(前年度▲
3.4%)や和牛肥育頭数(前年度▲0.4%)が減少傾向にある中、県有種雄牛の造
成、優良繁殖雌牛の保留・導入(200頭)による「牛づくり」と技術研修会の開
催による「人づくり」に取り組み、飛騨牛認定頭数は累計で11,253頭(前年度
+192頭)となった。
○ 鮎の輸出に向け、9月にシンガポールの日本食レストランで行われた日本国
内の一流シェフによるシンガポール内のVIPを招いての食事会へ県産鮎を
試供したほか、タイの日本料理店と商業ルートの確立に向けた協議を行った。
○ 農地中間管理事業を活用し、モデル地域10地区を中心に、担い手への農地集
積を推進した結果、農地中間管理機構から担い手に対し新たに集積された農
地65.0haを含む939.3haが貸し付けられた。
○ 飛騨牛の輸出量は、アセアン諸国への輸出が拡大したことから、前年度と比
べ約1.7倍の16,062kgとなった。また、EUを飛騨牛の輸出先として新たに設
-11-
定し、11月にフランスで飛騨牛プロモーションを実施した。なお、首都圏・
海外で飛騨牛を提供するレストラン等店舗数は54店舗(前年度+18店舗)とな
った。
○ 農業の6次産業化を推進するため、専門家による個別相談や異業種交流会を
行う「6次産業化サポートセンター」を設置したほか、商品のマーケティン
グや商品開発につなげる場として、「g.i.Foods」を名古屋・栄に開
設した(6次産業化による新たな加工食品の開発数(累計):128品(前年度+21
品))。
○ 新規就農者、雇用就農者、農業参入法人等新たな担い手を3年間(平成26~
28年度)で1,000人育成する「担い手育成プロジェクト1000」を立ち上げると
ともに、4月には「岐阜県就農支援センター」を海津市に開設し、毎年4名
の冬春トマトの新規就農者を育成する体制を構築した(新規就農者数:328人
(前年度+66人))。
○ 平成28年秋の「第19回全国農業担い手サミットinぎふ」開催に向け、2月
にキックオフイベントを開催した。
○ 中山間地域における集落営農体制づくりに向け、重点指導地区16地区を対象
に、本県と関係機関で構成する「集落営農支援チーム」や「集落営農アドバ
イザー」を派遣したほか、集落リーダーを育成する「集落営農塾」を県下4
ブロックで各3回開催した。
にしぼら
○ 鳥獣害対策を推進するため、東白川村西洞 地区など県内8地区をモデル地区
に指定したほか、現地研修会の開催等に取り組んだ (獣害防護柵の受益面積
(累計):4,483ha(前年度+1,175ha))。
○ 捕獲された野生のイノシシやシカの獣肉を「ぎふジビエ(ぎふジビエ衛生ガ
イドラインに即して処理された獣肉)」としてブランド化を図り、地域振興に
役立てるため、取扱事業者等で構成する「ぎふジビエ推進ネットワーク」を
設立した。2月には県内10か所のレストラン等で「ぎふジビエ」を提供する
「ぎふジビエフェア」を開催した(延べ805名来店)。
(3)「生きた森林づくり」の推進
○ 「第二期岐阜県森林づくり基本計画」に基づき、森林の持つ公益的機能の発揮
と持続的な森林経営の両立を目指す「森林経営合理化プロジェクト」に取り組
むとともに、県産材の供給量を増やす「優良県産材供給倍増プロジェクト」に
取り組んだ(平成 25 年県林業産出額:81.8 億円(前年度▲0.7%))。
-12-
○ 林業事業体等が自ら策定する森林経営計画の策定促進に取り組み、約1.7万
haの区域で新たに森林経営計画が策定されたが、今後は架線集材技術の普及
による木材生産エリアの更なる拡大を図ることで森林経営計画の区域拡大を
図る。
○ 苗木の供給を確保するため、3月に県と住友林業(株)の間で苗木供給体制整
備に係る協定を締結した。
○ 長野県とともに「信州・ぎふ木材広域認証基準」を定め、首都圏で両県の特
性を踏まえた認証材をPRした(3回)。また、販路拡大を支援するため、東
京と名古屋で広域認証材の商談会を開催した(各1回)。
○ 県産材の良さを広く普及させるため、県内の教育・福祉関連公共施設の木造
化、内装の木質化を17施設で実施した。
○ 優良な県産材の安定供給体制を確保するため、5事業体の木材加工流通施設
等の整備を支援するとともに、大規模製材工場の整備を支援し、優良県産材
を大幅に増産する体制を整えた。
○ 利用が伸び悩んでいる間伐材等未利用木材を原料とする木質バイオマスの
利用拡大を図るため、木質バイオマス発電施設(瑞穂市、運転開始12月)の整
備を支援した。また、同施設への安定的な燃料供給のため、発電事業者、チ
ップ加工・木材供給事業者等による岐阜県木質バイオマス協議会に参画し、
事業の円滑な実施を支援した。
○ 地域の森林資源を自らの地域で有効活用する「地域循環型(地産地消型)木質
バイオマス利用システム」の構築を進めた。また、県内観光・交流施設に、
薪ストーブ5台、ペレットストーブ37台の導入を支援した。
○ 9月に設立された「岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム」が行う、産
学官連携による新たな技術の開発や普及活動について、ワーキンググループ
等による課題解決から事業化検討に至る様々な取組を支援した。
(4)岐阜県成長・雇用戦略を推進するためのネットワーク・インフラ整備
○ 「岐阜県リニア中央新幹線活用戦略」に基づく基盤整備を進めるため、「リ
ニア岐阜県駅周辺整備基本計画」を策定し、駅前広場をはじめとする駅周辺
施設等の整備に係る全体像や必要とされる個別機能を整理した。また、岐阜
県駅周辺の南北方向の広域アクセス軸である濃飛横断自動車道において中津
川工区の都市計画決定手続きを進めた。
○ リニア中央新幹線を活用した地域づくりを着実に進めるため、2月にJR東
-13-
海と「中央新幹線(品川・名古屋間)の建設と地域振興に関する基本合意書」
を締結した。
○ 国直轄事業として進められている東海環状自動車道の整備について、2020年
度の全線開通に向けた事業の強力な促進を要望するとともに、同自動車道の
インターチェンジへのアクセス道路整備を進めた。
-14-
2
確かな安全・安心の社会づくり
(1)強靭な危機管理体制の構築
将来発生が予想される大規模災害に備え、市町村との連携など防災体制の強
化を行うとともに、耐震診断への助成など、平常時からの準備を推進した。
(2)医療、福祉の充実・連携
救急医療提供体制の強化や介護人材養成の推進、障がい者向けの一元的な相
談支援体制を整えた「障がい者総合相談センター」の整備を行うなど、切れ目
のない医療・福祉体制の構築を推進した。
(3)暮らしの安全・安心の確保
子育て世帯や高齢者世帯向けの住宅資金助成制度を拡充したほか、岐阜県空
家等対策協議会を設立し「空家等対策に係る対応指針」等を策定した。また、
大規模災害に備えた戦略的な社会資本の維持管理を行った。
(4)緊急輸送道路ネットワークの整備
広域災害の発生に備え、被災時に影響が大きい路線や早期復旧が困難な施設
を優先的に整備する「緊急輸送道路ネットワーク整備計画」(平成 26 年3月策
定)に基づき、緊急輸送道路ネットワークの整備を進めた。
(1)強靭な危機管理体制の構築
○ どんな自然災害が起こっても機能不全に陥らず、いつまでも元気であり続け
る強靱な岐阜県を作り上げるため、3月に「岐阜県強靱化計画」を策定した。
○ 市町村の避難準備情報の発令を技術的に支援し、その発令状況を収集するた
め、大雨警報(土砂災害)発令時等における警戒第二体制を新設するととも
に、12月に発生した雪害対応を踏まえ、大雪警報発令時の体制を警戒準備体
制から警戒第一体制へ変更した。
○ 市町村の防災体制強化を支援するため、国の「避難勧告等の発令・伝達マニ
ュアル作成ガイドライン」を周知するとともに、6月に実施した「豪雨災害
対応防災訓練」において、ガイドラインに沿った避難準備情報、避難勧告発
令の試行及び検証を行った。また、「市町村向け風水害タイムライン(【台風
版】・【豪雨版】)」を作成し活用を周知した。
○ 岐阜県庁舎再整備検討委員会(外部有識者15名)を12月に設置し、県庁舎再整
備の検討を進めた。
○ 県広域防災拠点6施設(平成18年3月指定)の拠点機能について点検を行い、
県広域防災拠点が被災した場合等に備え、下呂総合庁舎を追加指定するとと
もに、8月に県内8市と協定を締結し、市町村施設8施設を県広域防災拠点
-15-
として追加指定した。併せて、2月に県災害時広域受援計画の改訂を行った。
○ 消防団や水防団を応援する機運を醸成するため、県内企業や店舗が一定のサ
ービスを通じて団員を応援する「消防団水防団応援事業所制度(インセンティ
ブ制度)」を導入した(制度開始時(8月):718店舗→3月末:1,218店舗)。
○ 「災害から命を守る岐阜県民運動」として、県内5圏域のショッピングセン
ター等で家族向けの防災啓発キャンペーン「防災フェア」を新たに開催した
(防災県民運動参加者数:累計43万人)。
○ 平成25年12月改正の耐震改修促進法により耐震診断が義務化された大規模
建築物の所有者等に対し耐震診断の働きかけを行い、全ての未診断建築物に
ついて耐震診断に着手した。
○ 県応急仮設住宅建設マニュアルに基づく「平常時からの準備」を推進するた
め、町村の建設可能用地の現地調査を実施した。また、建設可能用地の詳細
な情報をまとめた個別台帳・配置計画図の作成や、仮設住宅の岐阜県版仕様
の更新を行った。
○ 岐阜県災害廃棄物処理計画の策定に向けて、市町村との検討会を3回開催し、
計画骨子を作成するための意見交換を実施した。また、中部8県11市等を構
成員として、10月に発足した「大規模災害時廃棄物対策中部ブロック協議会」
において、中部地方での災害廃棄物の広域処理について共同で検討を進めた。
○ 県防災情報通信システムは、老朽化が進むとともに、昨今の災害対応や現場
でのニーズが高まっている映像データ等を扱えないため、地上系・衛星系・
移動系通信の三層一体整備に向け、基本・実施設計業務を行った。
○ 県地域防災計画で定めた原子力災害対策強化地域における避難対策の検討
に活用するため、原子力災害時の避難時間を推計する避難方法シミュレーシ
ョンを実施した。その結果、国の基準により一時移転となる可能性がある地
域において定められた期間内に当該地域を離脱できること、避難車両の抑制
(相乗り、バス使用)や交通規制等の避難対策を講ずることで、避難時間を短
縮できることを確認した。
○ 亜炭鉱廃坑の地盤対策を促進するため、御嵩町における防災工事を支援する
とともに、
「緊急輸送道路ネットワーク整備計画」に基づく亜炭鉱廃坑の路面
陥没対策を実施した。
-16-
(2)医療、福祉の充実・連携
○ 飛騨地域(高山市、飛騨市及び白川村)の救急医療提供体制を強化するため、
富山県とドクターヘリ共同運航に関する具体的な検討を開始した。
○ 医師免許取得後一定期間、県内の医療機関に勤務することを返還免除条件と
した医学生修学資金貸付けを行い、医師不足地域の解消につながる医師の育
成を図った(医学生修学資金貸付件数(累計):218人(前年度+33人))。
○ 医療施設の就労環境整備による看護職員の確保と離職防止に向け、病院内保
育所に対する運営費や施設改修等の支援を行うとともに、新人看護職員研修
の充実を図った(院内保育所開設医療施設数(累計):59施設、新人看護職員研
修受講者数(累計):9,283人(前年度+2,181人))。
○ 介護人材を養成するため、介護福祉士等養成校の在学生への修学資金貸付け
を行うとともに、県福祉人材総合対策センターと連携し、介護現場への学生
等のインターンシップを行った(介護福祉士等養成校在学生への修学資金貸
付利用者数(累計):539人(前年度+140人)、介護現場への学生等のインター
ンシップ体験者数:累計478人(前年度+87人))。
○ 精神障がい者が自らの意思に基づいた充実した生活を送ることを可能とす
るため、関係機関と連携し、地域における受入体制の充実を図るとともに、
精神疾患に対する偏見をなくすための正しい知識の普及啓発を行った。
○ 第2次ヘルスプランぎふ21に基づき、生活習慣病の発症予防と重症化予防に
重点を置いた健康づくり対策を推進するため、関係機関等で構成するヘルス
プランぎふ21推進会議を開催した。
○ 平成 27 年9月の供用開始に向け、県立希望が丘学園(新名称:希望が丘こど
も医療福祉センター)の再整備工事を推進した。
○ 平成 28 年3月の供用開始に向け、岐阜県総合医療センター障がい児病棟の整
備を支援した。
○ 身体障害者更生相談所、精神保健福祉センター、知的障害者更生相談所及び
発達障害者支援センターを集約した「障がい者総合相談センター」の整備を
完了し、一元的な相談支援体制を整えた。
○ 障がい者スポーツ未経験者の競技参加による競技者層の拡大を図るため、体
験教室や新規参加者増加の取組を行う15種目20団体を支援するとともに、全
国障害者スポーツ大会に向け、出場選手強化を含めた競技参加選手の強化育
成を支援した。
-17-
(3)暮らしの安全・安心の確保
○ 子育て世帯向けの住宅資金助成制度「こそだてゆうゆう住宅」において、中
古住宅を取得しやすい環境を整備するため、中古住宅取得に付随して実施す
るリフォームに係る借入金も対象経費とするなど、中古住宅取得にかかる利
子補給の要件を緩和した。
○ 空家等の増加により生じる諸問題に対し、総合的な対策を推進するため、岐
阜県空家等対策協議会を設立し、
「空家等対策に係る対応指針」等を策定した。
○ 県営水道の既設管路の複線化並びに長時間停電に備えた非常用電源確保な
ど大規模地震対策を推進するとともに、下水道についても流域下水道施設の
耐震化工事を実施した。
○ 道路施設等の管理業務効率化のため、施設台帳管理システム、占用許可管理
システム、道路施設現況システム及び境界管理システムについて、県域統合
型GISとの連携機能を拡張した。
○ 河川構造物の耐震性能照査結果に基づき、対策が必要な30の河川構造物のう
ひるかわぎゃくすい ひ も ん
ち、蛭川 逆 水 樋門 (岐阜市)など2施設について耐震補強対策を実施した(河川
構造物の耐震対策実施数(累計):7施設)。
○ 「岐阜県河川インフラ長寿命化計画」に位置づけられた全ての施設(646施設)
や ま だ がわぎゃくすい ひ も ん
の点検を実施するとともに、山田 川 逆 水 樋門 (岐阜市)をはじめとする6施設
について、設備の修繕や更新を実施した。
○ 「岐阜県砂防施設長寿命化計画」に基づき、砂防施設4,197施設のうち補修・
改築を要する261施設について、今後10年で着手できるよう優先順位を設定し、
対策に着手した。
○ 農業用ため池について、決壊時に甚大な被害が想定される貯水量10万㎥以上
の6箇所を含めた計11箇所において耐震工事に着手した。その他県内18箇所
で耐震調査(地質調査、危険度判定)を実施した。
○ バス路線の維持・確保を図るため、市町村や広域バス路線を運行するバス事
業者を支援した。また、地方鉄道の安全運行確保のための施設整備や維持修
繕への補助を引き続き行うとともに、新たに第三セクター鉄道の老朽化施設
の改修を支援した。
○ 県や教育委員会、警察が連携して平成24年度に実施した通学路の緊急合同点
検の結果をもとに、歩道の整備や防護柵の設置等の交通安全対策を実施した。
また、歩行者及び自転車利用者の安全な通行確保を更に推進するため、県内
全市町村において「通学路交通安全プログラム」を策定した。
-18-
○ 特殊詐欺をはじめとした高齢者が対象となる犯罪被害を防止するため、高齢
者と接点のある機関や団体、企業等による「岐阜県高齢者安全対策官民連携
会議」を開催したほか、地域で活動する防犯ボランティア団体の協力を得る
など、官民一体となった各種被害防止対策を推進した。
○ 高齢者の交通事故対策として、老人クラブへの出前講座に加え、老人クラブ
未加入世帯に交通安全ボランティア等が訪問し、反射材の配布や交通安全指
導を行った(高齢者世帯訪問数(累計):152,713世帯(前年度+24,796世帯))。
(4)緊急輸送道路ネットワークの整備
○ 平成26年度から概ね5年間で、被災時に影響が大きい路線や早期復旧が困難
な施設を優先的に整備する「緊急輸送道路ネットワーク整備計画」(平成26年
3月策定)に基づき、当年度は15m以上の橋梁の耐震対策(17箇所)、落石等危
険箇所の防災対策(9箇所)を実施した(緊急輸送道路上の15m以上橋梁にお
ける耐震化対策の実施率:91.2%)。
○ 耐震改修促進法の改正に伴い、緊急輸送道路等の避難路沿道の建築物のうち、
地震時に道路を塞ぐ可能性のある建物について、耐震診断義務化の必要性を
把握するための実態調査を行った。
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3
「清流の国ぎふ」づくり
(1)わがまち「清流の国」づくり
県民の「清流の国ぎふ」への誇りと愛着を醸成すべく、世界農業遺産認定に向
けた活動や、本県のマスコットキャラクター「ミナモ」を活用したPR活動等
を行った。
(2)「スポーツ立県戦略」の推進
「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」の開催を契機に高まった地域の健康づくり
の機運を継続・発展させ、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会
を見据えてスポーツを通じたまちづくりを推進した。
(3)「清流」環境の保全
清流の国ぎふ森林・環境税を活用した里山林整備や水源林保全など、森林、
河川、農地及び生物多様性の保全・再生等に取り組んだ。
(4)地域を支え、未来を担う人づくり
多様な人材が活躍する社会の実現に向け、子育て支援策の実施やワーク・ラ
イフ・バランスの推進、地域コミュニティの再活性化を目指したNPO支援の
ほか、学校教育の相談体制充実とともにグローバル化に対応できる人材づくり
に取り組んだ。
(1)わがまち「清流の国」づくり
○ 「清流長良川の鮎」の世界農業遺産認定に向け、推進母体である「清流長良
川の農林水産業推進協議会」を設立し、
「里川(さとかわ)のシステム」の普及
啓発のため、「世界農業遺産シンポジウム」を開催した。また、流域の農林水
産業、観光、文化の振興や、環境の保全を盛り込んだアクションプランを作
成した。
○ 移住者数を増やすため、移住希望者向けの相談会や若者・女性を対象にした
講演会を開催した。また、市町村における移住定住支援制度の創設や相談体
制の強化等、地域の受入体制の整備を進めた(移住者数:782人(前年度+186
人))。
○ 市町村が取り組む「わがまち清流の国づくり」を推進するため、「清流の国
地域振興補助金」により14市町村19事業を、
「清流の国ぎふ2020プロジェクト
推進補助金」により3市町3事業を支援した。
○ 「清流の国ぎふ」PRのため、ミナモとパフォーマンスメンバー数名からな
る「チーム清流ミナモ」を編成し、県内外の各種イベントやスポーツ大会、
幼稚園・保育園や高齢者施設等へ派遣した(590回)。
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○ コンパクトシティ(集約型都市構造)の構築推進のため、市街地再開発組合が
行う4件の再開発ビル建設等事業を支援した。
○ ふるさと教育の一環として、統計に慣れ親しみ、データから見たふるさと岐
阜県の特徴等について学ぶ機会を提供するため、学校現場での出前授業「デ
ータ活用講座」を実施した(21回)。
(2)「スポーツ立県戦略」の推進
○ 飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアの活用を推進するため、当エリア等を
利用した団体(青山学院大学、(株)デンソー等)の合宿に対し助成を行った(助
成団体数:39件)。
○ 国際及び全国規模のスポーツ大会や合宿を誘致する「スポーツコミッショ
ン」を新設し、スポーツイベントの誘致開催を行った市町村及び競技団体等
に対し助成を行った(助成団体数:42団体)。
○ 総合型地域スポーツクラブの育成・充実を図るべく、その運営の中心的役割
を果たすアシスタントマネージャー養成のための講習会を実施した。
(クラブマネージャー又はアシスタントマネージャーの資格取得者数:164人
(対前年度+39人))
○ 県民の健康づくりや生きがいづくりに資するため、県内各地で秋に開催され
る「清流の国ぎふ秋のスポーツフェア」において、一流アスリートによるス
ポーツ教室等を開催した。
○ 幼児から高齢者まで、年齢、性別、障がいの有無を問わず、スポーツに親し
むことができるよう、幼児・中高年・障がい者向けのレクリエーションスポ
ーツの普及講習会・交流会を開催した(80カ所、延べ4,800人)。
○ 「第70回全国レクリエーション大会in岐阜」に向けて、準備委員会を設立
した。また、軽スポーツを中心としたプレイベントを開催した(県内5圏域、
4,200人参加)。
○ 2020年東京オリンピック・パラリンピックへの県ゆかりの選手出場に向け、
活躍が期待できる選手・団体を強化指定し、練習・合宿等の強化活動経費に
ついて支援した(オリンピックアスリート強化指定選手:58名、パラリンピッ
クアスリート強化指定選手・団体:16名・4団体)。
○ 岐阜県の競技力を維持・向上させるため、国体競技種目である40競技の関係
団体が実施する強化合宿や遠征にかかる経費を支援し、第69回国民体育大会
において天皇杯9位、皇后杯5位の成績を収めた。
-21-
○ 障がい者スポーツを促進するため、未経験者に対する競技参加層拡大を目的
として15種目20団体の取組を支援した。また、全国大会出場選手に加え、出
場決定前の選手の強化育成を支援した(対象選手:18競技285名)。
○ 障がい者のスポーツを通じた社会参加の推進と障がい者スポーツ競技選手
の強化及び裾野拡大のため、岐阜市鷺山地区に障がい者用プール、障がい者
用体育館を整備することとし、基本計画の策定や設計を進めた。
(3)「清流」環境の保全
こじょうざん
わが た
○ 環境保全モデル林として選定した「美濃市古城山」及び「可児市我 田 の森」
の整備や活用を進めたほか、
「土岐市高山城跡の森」及び「中津川市加子母福
崎の森」の計画を策定した。
○ 「清流の国ぎふ森林・環境基金事業」の対象事業を拡充し、新たに緩衝帯の
整備や人家等へ倒れる恐れのある木の除去等を124haの里山林で実施した(里
山林整備(全体):924ha)。
○ 水源林保全プロジェクトとして、シンポジウムや説明会を開催して岐阜県水
源地域保全条例の県民理解を深めるとともに、間伐等による水源林の機能強
化や公有林化等を支援したほか、国庫補助の対象とならない小規模な治山工
事を実施するなど、水源林の保全に関する施策を総合的に推進した。
○ 平成27年10月に開催予定の第39回全国育樹祭に向け、森林・林業関係者はも
とより、観光、教育の各種団体や県内全市町村長、県選出国会議員、県議会
議員等205名による実行委員会を設立し、事業内容を審議した。また、大会機
運を盛り上げるため、プレイベント「清流の国ぎふ 森の恵みの感謝祭」及び
「2014『国民参加の森林づくり』シンポジウム」を開催した。
○ 自然と共生した川づくりの推進のため、体験学習「清流の国ぎふ水環境イベ
ント(小学生の親子115名参加)」や「自然共生川づくり勉強会(河川改修関係
者78名参加)」、「自然共生事例発表会(同208名参加)」を開催した。
○ 川の魅力を活かした地域づくりを推進するため、糸貫川において、北方町の
公園整備と一体となった河川護岸整備を実施し、公園と一体となった親水空
間「清流平和公園」を整備した。また、大江川(海津市)の水質浄化対策とし
て、6~9月に揖斐川からの導水を引き続き実施した。
○ 3R(Reduce、Reuse、Recycle)
(注)
を推進するため、県内小中学生とその家
族を対象に、リサイクル工場の見学と学習会を組み合わせたバスツアーを2
回開催し、81名が参加した。
-22-
(注)
3R:循環型社会形成のための3つの取組み((Reduce:廃棄物の排出抑制、Reuse:
再使用、Recycle:再資源化)の頭文字を取ったもの。
○ 廃棄物処理法への理解を深めるため、排出事業者に対する講習会を開催(7
回)するとともに、廃棄物の適正な処理がなされるよう、処理業者に対する立
入検査等を実施した。
○ 生物多様性国家戦略に掲げられた危機の一つである外来生物問題を啓発す
るため、「ストップ外来生物シンポジウム」を開催した。
○ 増加する鳥獣害被害に対応するため、11市町でニホンジカの個体数調整捕獲
を行った結果、狩猟、有害を含めた捕獲総数は過去最高の17,441頭となった。
また、新たな捕獲体制を構築するため、モデル事業を13地区で実施し、地域
住民が主体的にわな捕獲に取り組んだ。
○ 上下流域の住民や子どもたちが、森・川・海のつながりや、お互いの自然環
境等に理解を深め、自然と積極的に関わる姿勢や環境保全意識を育むことを
目的に、流域の親子を対象とした「上下流交流ツアー」を実施した(13回、277
人参加)。
○ 森林資源の整備を促進し、森林の温室効果ガス吸収源としての環境価値に着
目したカーボン・オフセット (注1)の取組の普及啓発及び「清流の国ぎふJ-V
ER (注2)」の販売促進のため、フリーダイヤル相談窓口の設置、企業訪問を行
うとともに、県内外のイベントへ出展し、周知した。また、3団体のカーボ
ン・オフセットイベントの開催を支援するとともに、1件のカーボン・オフ
セット商品の開発を支援した。
(注1)カーボン・オフセット:CO 2 等の温室効果ガスの排出量が減るよう努力し、どうして
も排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資
すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方。
(注2)J-VER:国内における自主的な温室効果ガス排出削減・吸収プロジェクトから生じ
た排出削減・吸収量を指し、カーボン・オフセット等に活用が可能で、市場における流
通が可能となり、金銭的な価値を持つ。
○ 都市と農村の交流による魅力的な農村づくりを進めるため、集楽ふれあい体
験農園セミナーや、ぎふグリーン・ツーリズムネットワーク大会、ぎふの田
舎の魅力アップ支援事業等を実施したほか、体験指導者の育成を行った。ま
た、トヨタ自動車が運営するドライブ情報サイト「GAZOO.com」と
連携した誘客キャンペーンをはじめ、ガイドブック「GIFU-DO(ぎふう
ど)」、「いなか時感」を活用した情報発信を行った。
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(4)地域を支え、未来を担う人づくり
○ 県独自の制度である「岐阜県子育て支援企業登録制度」と「岐阜県エクセレ
ント企業認定制度」により、ワーク・ライフ・バランスを普及・啓発した。
子育て支援企業の中でも特に先進的な取組を推進する企業31社を「エクセレ
ント企業」として認定し、ロールモデル(模範)として周知した(子育て支援企
業:1,477社)。
○ 非婚化・晩婚化対策として、結婚を望む人に対する出会いの機会を提供する
ため、「ぎふ婚活サポートプロジェクト(コンサポ・ぎふ)」を実施した。その
結果、プロジェクトの趣旨に賛同し、独身従業員の結婚を支援する従業員結
婚支援団体及び独身男女に出会いの場を提供する出会いの場提供団体は増加
した(従業員結婚支援団体:197団体(前年度+42団体)、出会いの場提供団体:
107団体(前年度+59団体))。
○ 子育て支援策の一環として「病児・病後児保育事業」の普及を促進し、平成
26年度末現在で20市町、27の病児・病後児保育施設が開設され、市町村間の
広域連携によるサービスの提供も含め、県内35市町でサービスを受けること
が可能となった。
○ 「ぎふNPO・生涯学習プラザ」において、各種NPOや生涯学習に関する
情報の提供や相談を行うとともに、県民とNPOとの交流や連携を支援した。
また、NPOへの支援として、組織基盤強化を目的とした専門家による意見
交換会(8回開催、101人参加)や、企業や行政との交流会(58人参加)を開催し
た。
○ 安全・安心に暮らせる地域コミュニティの再生・活性化のための「ぎふ地域
の絆づくり支援センター」により、市町村や地域団体のニーズを踏まえ、地
域特性に応じた専門家・アドバイザーの派遣、先進地域団体との視察交流、
先進事例情報の収集と発信、助成金情報の集約と発信等を行った。
○ 地域における多文化共生の推進のため、外国人住民と県市町村との橋渡し役
となる人材として委嘱した「岐阜県多文化共生推進員」に対する多文化共生
に関する情報提供を行うため情報交換会を開催した。また、外国人支援に取
り組む外国籍県民会議委員出席のもと意見交換を行った。
○ 英語によるコミュニケーション能力等の育成を図るため、小・中・高等学校
それぞれに拠点校を指定し、系統的な英語教育の在り方についての実践研究
等に取り組むとともに、小・中学生が地域の魅力を英語で表現する活動に取
り組むための「岐阜県英語ふるさと副教材」を65,000部作成し、配布した。
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○ グローバルリーダーの育成を推進するため、高等学校4校(大垣北高等学校、
関高等学校、岐阜聖徳学園高等学校、高山西高等学校)をスーパーグローバル
ハイスクールに指定し、コミュニケーション能力や論理的思考力の育成等に
取り組んだ。
○ いじめ等の問題行動や不登校に対応するため、全ての小・中学校においてス
クールカウンセラーを活用できるよう、全中学校区(184校区)に臨床心理士等
を配置するとともに、県立高等学校44校に精神科医、臨床心理士又は社会福
祉士を配置し、教育相談体制の充実を図った。
○ 「子どもかがやきプラン」に基づき、平成27年9月の岐阜希望が丘特別支援
学校新校舎の供用開始に向け再整備工事を推進した。また、平成28年4月開
校予定の羽島特別支援学校の建設工事に着工するとともに、平成29年4月に
開校予定の岐阜高等特別支援学校(仮称)の実施設計を行った。
○ 平成27年9月に再開予定の「ぎふ清流文化プラザ」について、9月に施設・
設備の改修工事を開始した。再開後の事業等について、県内有識者、関係団
体や経済界の方々による未来会館運営協議会を開催し(3回)、意見を聴取し
ながら検討を進めた。
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