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建設業に携わって

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建設業に携わって
「全国入選(佳作)」受賞作品
「建設業に携わって」
島根電工株式会社安来営業所
二岡 淳
(H10 年入社
松江工業高校卒)
中学三年の進路相談…私は大学まで進学するつもりはありませんでした。就職するなら
就職に有利な学校が良いと思い、自分が何をしたいのか考えました。
「そう言えば、子供の頃は大工さんになりたかったな…料理人も良いな…でも料理は仕
事じゃなく、趣味にしておきたいな…よし!建築系で行こう!!!」
私は両親、先生と相談をし、建設系の中でも電気科を受験することにしました。高校の
3年間は手に職をつけると言う目的を持って、電気のことをしっかり勉強しました。
しかし高校での進路相談では工場での就職を勧められました。私としては建設現場で仕
事がやりたいと言う意思が強く、せっかくの勧めではありましたが建設業への道を選びま
した。
私が選んだ就職先は電気工事業の会社でした。研修を終え、すぐに先輩と現場へ出るよ
うになり、バリバリ仕事を覚えて行こうと張切っていました。しかし、現実はそう甘くあ
りませんでした。作業や技術も大切ですが、お客様への対応、元請会社、他業者との打合
せ、現場での安全や社内での工程調整など様々な事を考えながら仕事を進めていかなけれ
ばなりません。それだけの事を考えながら仕事を覚えて行けるのか…毎日が覚える事ばか
りで不安な気持ちになりました。
現場で仕事をする!と言う、自分で選んだ道でしたし、自分なら出来る!と言う、少し
の期待を持ちつつ目の前の仕事に取組みました。失敗して叱られたり、時には褒められた
りし、いろんな経験をしながら少しずつ不安は薄れ、いつの間にか、2年半が過ぎました。
その頃になると、木造新築住宅を任せてもらえるようになり、最初は戸惑いましたが、
任せてもらえたと言う喜びが大きく、俄然やる気になりました。それまで先輩から教わっ
た知識、技術、コミュニケーションの取り方などを精一杯活かして現場に取組みました。
私はこの現場で建設業の楽しみや喜び、苦労など、
これまでにないほどの経験をしました。
苦労についてはいろいろありましたが、楽しみ、喜びの方が大きく、いつしか苦労も楽
しみの一部になっていました。お客様の顔が直接見え、お客様の声が直接聞ける、自分の
努力がお客様の笑顔、喜びに変わる瞬間、これ以上ない楽しみとなりました。綺麗ごとの
ように聞こえるかもしれませんが、私にとっては、目先の利益よりも大切な事だと思って
います。
そして今…後輩に教える立場となり、教えられる立場よりも教え導く立場の方が遥かに
大変で難しいと実感しています。
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人それぞれに性格や能力、考え方があります。一度や二度の説明で理解出来なかったり、
分からない事を分からないと言い出せなかったり、つい楽をしようと現実から逃げ出した
り、前は私もそうだったかも知れませんが、自分だけの考え方だけで教えても、後輩を育
成するのは難しいと感じています。
では、そんな後輩はどうすれば成長するのか?簡単に答えは出ませんし、その答えを私
も探しています。後輩達に私は何が出来るだろうか?挨拶を交わしたり、愚痴や悩みを聞
いたり、仕事を離れ、全く別の楽しみを共に感じる場を作ったり、良き仲間となる事など
些細な事ですが、後輩達の支えになる事はできると思います。
建設業だけではありませんが、仕事を上手に進めるには社内外の人達とのコミュニケー
ションが非常に大切になります。私自身、その事は経験を重ねれば重ねるほど実感してい
ます。時にはコミュニケーションが上手く取れず、ぶつかり合う事もあるでしょう。そこ
で逃げ出したくなる「弱い心」ではなく、何事にも立ち向かう「強い心」を持って、人と
接すれば相手も自分も成長できると思います。
社会に出ると考え方や立場の違う十代から六十代までの様々な人達と一緒に仕事をしま
す。仕事や嫌な事から逃げ出さず、相手を理解し、助け合う心があれば、毎日が楽しく、
誰とでもコミュニケーションが取れ、成長できると思います。
私自身の事でもありますが、
後輩達にも忘れずにいて欲しいと思います、
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