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巨大なネット放送局 が出現 融合の原動力は広告収入

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巨大なネット放送局 が出現 融合の原動力は広告収入
特集 ● 大予測!通信の未来像
テーマ
3 通信と放送の融合
巨大なネット放送局が出現
融合の原動力は広告収入
200X 年,インターネット上で多くの視聴者
ターネット放送なのだ。
と巨額の広告費を集める“ネット放送局”が出
一方,民放にとっては,広告費こそが収益の
現する。視聴者は 2000 万人超。広告収入は
基盤である。民放に流れ込む広告費は年間2 兆
1000 億円の大台に乗り,民放(民間放送局)に
円に上る。通信事業者が広告費を獲得し広告費
肩を並べる――。これは決して絵空事ではない。
市場の構造が変われば,融合の形態もおのずと
2005 年は巨大なネット放送局を目指す候補者
たちが,相次いで産声を上げた。最有力候補は,
浮かび上がってくる。
既に兆しは見えている。電通がネット配信に
無料インターネット放送「☞GyaO」で台頭し
参入することで,インターネット広告市場の成
てきたUSEN だ。2005 年4 月のサービス開始以
長に拍車がかかる。巨大なテレビ広告市場を後
来,8 カ月で500 万超の登録者を獲得。早けれ
ろ盾に,電通や民放は新しいネット広告モデル
ば春にも1000 万に手が届く。
を投入してくるだろう。対するUSEN は2006
ダークホースがソフトバンク。同社はGyaO
年1 月から☞ セグメント別広告を投入する。
に追随すべく「☞TV Bank」を投入してきた。
だがこうした広告費市場の構造変化は,
「テ
正式サービス開始は2006 年春にもかかわらず,
レビ広告費がネット広告費に流れる」といった,
その半年前の2005 年10 月に発表するあたり,
閉塞感ただよう競争にはつながらない。民放,
対抗意識がありありとうかがえる。
ネット企業,そして広告代理店による新たなネ
放送業界の陰の大物も動き出した。世界最大
ット広告モデルのアイデア勝負になる。新たな
の広告代理店,電通である。2005 年も押し詰ま
ネット広告市場の創造が,通信と放送の融合を
GyaO = USEN が 2005
年4 月から提供している無
料インターネット放送サー
ビス。名前とメール・アド
レス,郵便番号など入力し
会員登録をすれば,誰で
も無料で楽しめる。コンテ
ンツは映画,
ドラマ,スポ
ーツ,ニュース,音楽,アニ
メなど幅広い。
TV Bank =ソフトバンクの
無料インターネット放送。
2005 年10 月に試験サービ
スを開始。正式なサービ
ス開始は2006 年春の見込
み。TV Bank 内に限らず,
インターネット上の動画検
索機能を持つ点が GyaO
と異なる。
セグメント別広告=登録情
報を基に,広告主が希望
する属性の視聴者だけに
見せる広告形態。
った11 月26 日の土曜日,
「在京の民放5 社とネ
ット配信事業会社を立ち上げる」という報道に,
8
ある通信系企業幹部は「まさかこれほど早く電
通が動き出すとは」と驚きを隠さない。
4
広告収入がなければ融合は進まない
6
通信と放送の融合が2006 年以降にどう進展
するかは,広告費の流れを見ることで読み解け
る。通信事業者にとって「放送との融合」は,
すなわち放送サービスの事業面での成功を意味
する。
これまで各社がこぞって提供してきた有料の
?
成長
に
ア 12
メディ
大
い巨
新し
10
VOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスは,
お世辞にも順調とは言えない。野村総合研究所
によれば,2005 年のVOD 市場はわずかに90 億
Gya
O
円。2010 年でも620 億円にとどまる見込みだ。
そこで目を付けたのが,広告モデルの無料イン
NIKKEI COMMUNICATIONS 2006.1.1
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